(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留記憶数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(特徴部60AKに関する説明)
次に、本実施の形態の特徴部60AKについて説明する。
(変動パターン)
特徴部60AKでは、主に、図8−1に示す変動パターンが使用される。ここでは、ハズレ時の変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4が用意されている。また、大当り時の変動パターンとして、PB3−2〜PB3−4が用意されている。なお、特徴部60AKでは、小当り等を省略してもよい。
PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間が通常(PA1−1)よりも短くなっている短縮有りのパターン(時短制御時に選択されるパターン)である。PA3−2〜PA3−4、PB3−2〜PB3−4は、リーチを指定する。PA3−2、PB3−2は、リーチ時に実行するリーチ演出としてノーマルリーチ(発展無し)を指定し、PA3−3、PB3−3は、リーチ演出としてスーパーリーチAを指定し、PA3−4、PB3−4は、リーチ演出としてスーパーリーチBを指定する。
CPU103は、図5のステップS111の変動パターン設定処理において、変動パターン決定用の乱数値(遊技用乱数のうちの1つ)と、ROM101に用意された変動パターン決定用のテーブルとによる抽選により、これから実行する特図ゲームの可変表示の変動パターンを上記変動パターンのいずれかに決定(選択)する。変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA1−1又はPA2−1(時短制御時のみ選択される)>PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高くなるように設定されている。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高くなるように設定されている。非リーチの変動パターン(PA1−1又はPA2−1)は、ハズレ確定である。また、リーチ演出の大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(発展無し)の順で高く設定されている。また、時短制御のときには、特図変動時間が短いPA2−1が選択されやすく、平均的な特図変動時間が時短制御を行っていないときよりも短くなる。CPU103は、変動パターンを決定したときには、決定した変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)を演出制御基板12に送信する。
詳しい処理については後述するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドが変動パターンPA3−2又はPB3−2を指定しているときには、ノーマルリーチを実行する。演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドが変動パターンPA3−3、PB3−3、PA3−3、PB3−3のいずれかを指定しているときには、ノーマルリーチを実行したあと、ノーマルリーチをスーパーリーチA又はBに発展させる。
(メータ演出及びメータ示唆演出)
図8−1に示すように、ノーマルリーチからスーパーリーチA又はBに発展するとき(変動パターンがPA3−3、PB3−3、PA3−3、PB3−3のいずれかのとき)には、メータ演出が実行される(図8−2(B)及び(C))。メータ演出は、リーチ演出の一部として実行され、ノーマルリーチから発展するスーパーリーチがスーパーリーチBとなるか否かを煽る演出である。メータ演出は、画像表示装置5に表示されるメータ画像60AK002(図8−9、図8−10)にポイント(Pt)を貯めていく(加算していく)演出である(図8−9、図8−10参照)。ポイントが上限(ここでは、100Pt)まで貯まりメータ画像60AK002が満タンになると、メータ演出は成功となり、スーパーリーチBへの発展がなされる(図8−2(B))。一方、ポイントが上限(ここでは、100Pt)まで貯まらずメータ画像60AK002が満タンにならないと、メータ演出は失敗となり、スーパーリーチAへの発展がなされる(図8−2(C))。スーパーリーチBの方が、大当り期待度が高いのでメータ演出が成功となる方が遊技者にとってはうれしい。ノーマルリーチからスーパーリーチに発展しないとき(変動パターンがPA3−2又はPB3−2のとき)には、メータ演出は実行されない(図8−2(A))。
この特徴部60AKでは、メータ演出が実行されるか否かを示唆するメータ示唆演出(図8−11)も実行される。メータ示唆演出は、ノーマルリーチ実行時に実行されるので、スーパーリーチへの発展がないときも実行され得る(図8−2)。
(メータ演出)
メータ演出では、メータ画像60AK002にポイントを貯めるタイミング(ここでは、期間の概念を含んでいる)として、図8−3に示すように、第1タイミング〜第4タイミングが設定されている。メータ演出のうち各タイミングで実行され得る演出として、「自動加算」、「小ボタン連打」、「中ボタン」、「大ボタン」の各演出が用意されている。なお、メータ演出は、味方キャラ60AK003と敵キャラ60AK004とが戦うバトル演出であり、バトルの進行(第1タイミングから第4タイミングでの各演出の進行)に応じてポイントが貯まる(図8−9及び図8−10)。
「自動加算」は、遊技者からの操作を受け付けずにポイントを自動で貯める演出である(ポイントは、バトルの進行に応じて徐々に貯まる)(図8−9(D)−(F))である。「自動加算」では、当該「自動加算」で貯められた合計ポイント(ここでは、加算されたポイント数の合計)も報知される(図8−9(F)の「+5Pt!」の画像)。
「小ボタン連打」は、「連打しろ!」の画像と、プッシュボタン31Bを模した小サイズのボタン画像60AK005とを、操作促進のための演出画像として表示し、プッシュボタン31Bへの連打回数が所定回数に達したときにメータ画像60AK002にポイントを貯める演出である(図8−9(B)−(C))。「小ボタン連打」では、ポイントが貯まったときに、その旨(ここでは、加算されたポイント数)も報知される(図8−9(C)の「+10Pt!」の画像)。連打回数が所定回数に達しなかったときについては後述する。
「中ボタン」は、「押せ!」の画像と、プッシュボタン31Bを模した中サイズのボタン画像60AK005とを、操作促進のための演出画像として表示し、プッシュボタン31Bへの押圧操作があったときにメータ画像60AK002にポイントを貯める演出である(図8−10(A)−(B))。「中ボタン」では、ポイントが貯まったときは、その旨(ここでは、加算されたポイント数)も報知される(図8−10(B)の「+35Pt!」の画像)。なお、プッシュボタン31Bへの押圧操作がなかったときについては後述する。
「大ボタン」は、「押せ!」の画像と、プッシュボタン31Bを模した大サイズのボタン画像60AK005とを、操作促進のための演出画像として表示し、プッシュボタン31Bへの押圧操作があったときにメータ画像60AK002にポイントを貯める演出である(図8−10(D)−(F))。「大ボタン」では、ポイントが貯まったときは、その旨(ここでは、加算されたポイント数)も報知される(図8−10(E)の「+50Pt!」の画像)。なお、プッシュボタン31Bへの押圧操作がなかったときについては後述する。
上記各演出のうち、「小ボタン連打」、「中ボタン」、「大ボタン」は、操作に応じてポイントを加算するので、操作系演出ということがある。「自動加算」は、ポイントを自動加算するので(操作が不要なので)、非操作系演出ということがある。
メータ演出において、メータ画像60AK002が満タンになった場合、満タンになった旨が報知され(図8−10(E)の「メータMAX!!」の画像)、その後に、スーパーリーチBへの発展の演出がメータ演出の一部として行われる。メータ演出において、メータ画像60AK002が満タンにならなかった場合、その旨が報知され(例えば「残念。。。」の画像)、その後に、スーパーリーチAへの発展の演出がメータ演出の一部として行われる。
第1タイミングから第4タイミングそれぞれで実行される演出は、メータ演出の実行パターンにより予め設定されており(図8−6)、可変表示の開始時に一括で決定される。
(メータ示唆演出)
メータ示唆演出は、メータ演出が実行されるかを示唆する示唆画像60AK011を表示し、遊技者の操作(プッシュボタン31Bへの押圧操作)を促しながらメータ演出の開始を示唆する(図8−11)。メータ示唆演出では、プッシュボタン31Bへの操作により、メータ演出が開始されることを示唆する画像(「メータ演出の開始可能性有り!」等)を表示する。操作がなかったときには、示唆画像60AK011が消去される。なお、メータ演出が実行される場合(スーパーリーチが実行される場合)、プッシュボタン31Bへの操作があれば、その後にメータ演出が実行されることを報知する画像(「メータ演出実行!!」等)を表示してもよい。メータ演出が実行されない場合(ノーマルリーチ(発展なし)の場合)、プッシュボタン31Bへの操作があれば、その後にメータ演出が実行されないことを報知する画像(「残念・・・」等)を表示してもよい。
(可変表示開始設定処理)
演出制御用CPU120は、図7の可変表示開始設定処理(ステップS171)にて、図8−4に示す処理を実行する。
まず、演出制御用CPU120は、これから実行する可変表示の変動パターン(以下、今回の変動パターン)及びこれから実行する可変表示の可変表示結果(以下、今回の可変表示結果)に基づいて、最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定する(ステップ60AKS101)。変動パターン及び可変表示結果は、可変表示開始時に主基板11から伝送され、コマンド解析処理で解析された演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド)によって特定される。最終停止図柄は、変動パターンと可変表示結果との組み合わせに応じてROM121に予め用意されており、抽選等により決定される。抽選は、ここでは、乱数値及びROM121に予め用意されたテーブルによる決定方法をいう(以下同じ)。乱数値は、乱数回路124又は演出用乱数更新処理で更新される演出用乱数の1つを使用する(以下、抽選について同じ)。
その後、今回の変動パターンがリーチを指定するもの(PA3−2〜PA3−4、PB3−2〜PB3−4)であるかを判定する(ステップ60AKS102)。リーチを指定している場合(ステップ60AKS102;Yes)、メータ示唆演出の実行の有無を抽選により決定する(ステップ60AKS103)。実行する/しないの決定割合は、図8−5に示す割合に設定されている。つまり、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンがノーマルリーチ(発展なし)を指定するもの(PA3−2、PB3−2)であるか、スーパーリーチを指定するもの(PA3−3〜PA3−4、PB3−3〜PB3−4)であるかに応じて異なる割合で、メータ示唆演出の実行の有無を決定する。ここでは、スーパーリーチの場合に、メータ示唆演出を実行しやすい。つまり、メータ演出が実行される場合の方が、実行されない場合よりも、メータ示唆演出の実行割合が高い。
その後、今回の変動パターンがスーパーリーチを指定するものであるかを判定する(ステップ60AKS104)。スーパーリーチを指定している場合(ステップ60AKS104;Yes)、これからの可変表示でスーパーリーチが実行されるためメータ演出を実行することになる。このときには、メータ演出の実行パターンを抽選により決定する(ステップ60AKS105)。
メータ演出の各実行パターンの内容、各実行パターンの決定割合を図8−6に示す。
図8−6における第1タイミング〜第4タイミングの各欄には、そのときのタイミングで実行される演出名(「自動加算」、「小ボタン連打」、「中ボタン」、「大ボタン」)が記載されている。各演出は、上記で説明した通りである。
第1タイミング〜第4タイミングの各欄の括弧書きのポイント(Pt)は、そのタイミングで加算されるポイントである(操作系演出の場合には、操作があったときに加算されるポイント。加算ポイントについて以下同じ)。図8−6のように、第1タイミングから第4タイミングそれぞれで実行される演出において加算されるポイントは、実行パターンにより予め定められている。
合計ポイントの覧は、第1タイミング〜第4タイミングで実行される各演出で加算されるポイントの合計である。合計ポイントが100ポイントに達する実行パターンME01、ME03、ME05、ME07、ME09は、メータ画像60AK002が満タン(100ポイントが満タン)になるので、成功のメータ演出の実行パターンである。合計ポイントが100ポイント未満の実行パターンME02、ME04、ME06、ME08、ME10)は、メータ画像60AK002が満タン(100ポイントが満タン)に達しないので、失敗のメータ演出の実行パターンである。
「自動加算」では、5ポイントが加算される(ポイントは徐々(例えば、0.1ポイントごと)に加算され、合計で5ポイント加算される)。「小ボタン連打」では、連打操作があったときに10ポイントが加算される。「中ボタン」では、操作があったときに35ポイントが加算される。第4タイミングで実行される「中ボタン」では、そのメータ演出が成功の場合には、操作があったときに50ポイントが加算され、それ以前の操作系演出について全て操作があった場合にメータ画像60AK002が満タンになるようになっている(ME05、ME06参照)。メータ演出が成功の場合の「大ボタン」では、操作があったときに50ポイント、又は、80ポイントが加算され、それ以前の操作系演出について全て操作があった場合にメータ画像60AK002が満タンになるようになっている(50ポイントについては、ME01、ME03参照。80ポイントについては、ME09参照)。メータ演出が失敗の場合の「大ボタン」では、操作があったときに45ポイントが加算される。
操作系演出が実行されたにもかかわらず操作がなかった場合、そのメータ演出が成功のメータ演出であっても、メータ画像60AK002を満タンにできない。その場合には、第4タイミングの後の所定タイミングにおいて、メータ画像60AK002の上限ポイント(ここでは、100Pt)から現在のポイント数を減算したポイントを、メータ画像60AK002に貯め(つまり、メータ画像60AK002を満タンにし)、その後にスーパーリーチBに発展する発展演出(以下、ポイント満タン用特別演出という。)をメータ演出の一部として行う。そのメータ演出が失敗のメータ演出のとき(つまり、メータ画像60AK002を満タンにする必要がないとき)には、特別な演出は実行されない。
例えば、実行パターンME01でメータ演出を実行する場合、第1タイミングで「小ボタン連打」の演出を実行し、第2タイミングで「自動加算」の演出を実行し、第3タイミングで「中ボタン」の演出を実行し、第4タイミングで「大ボタン」の演出を実行する。全ての操作系演出にて操作があった場合、メータ画像60AK002に貯まるポイントは、10ポイント→15ポイント→50ポイント→100ポイントと増えていく。少なくとも1つの操作系演出で操作がなかった場合、第4タイミング終了後にメータ画像60AK002の上限ポイント(ここでは、100Pt)から現在のポイント数を減算したポイントを、メータ画像60AK002に貯める。その後、スーパーリーチBへの発展演出を実行する。これら一連の演出により、メータ演出が構成される。
実行パターンME02でメータ演出を実行する場合、第1タイミングで「小ボタン連打」の演出を実行し、第2タイミングで「自動加算」の演出を実行し、第3タイミングで「中ボタン」の演出を実行し、第4タイミングで「大ボタン」の演出を実行する。全ての操作系演出にて操作があった場合、メータ画像60AK002に貯まるポイントは、10ポイント→15ポイント→50ポイント→95ポイントと増えていく。少なくとも1つの操作系演出で操作がなかった場合であっても、当該実行パターンでのメータ演出は失敗のメータ演出なので、特別な演出は実行されない。その後、スーパーリーチAへの発展演出を実行する。これら一連の演出により、メータ演出が構成される。
ステップ60AKS105では、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンがスーパーリーチAのとき、失敗のメータ演出の実行パターンME02、ME04、ME06、ME08、ME10のいずれかを今回のメータ演出の実行パターンとして決定(選択)する。各実行パターンの決定割合は、図8−6に示す割合に設定されている。
ステップ60AKS105では、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンがスーパーリーチBのとき、成功のメータ演出の実行パターンME01、ME03、ME05、ME07、ME09のいずれか(失敗のメータ演出の実行パターン)を今回のメータ演出の実行パターンとして決定(選択)する。各実行パターンの決定割合は、図8−6に示す割合に設定されている。
図8−6に示すように、実行パターンME02、ME04、ME06、ME08、ME10(失敗のメータ演出の実行パターン)の各決定割合は、均等となっている(それぞれ20/100)。その一方で、実行パターンME01、ME03、ME09(成功のメータ演出の実行パターンであって、第4タイミングで「大ボタン」が実行される実行パターン)の各決定割合ないし決定割合の合計は、実行パターンME05、ME07(成功のメータ演出の実行パターンであって、第4タイミングで「中ボタン」が実行される実行パターン)の各決定割合ないし決定割合の合計よりも低い。さらに、第4タイミングで「自動加算」が実行される実行パターンは、失敗のメータ演出の実行パターンしかない(ME10)。このようなことから、第4タイミングにおいて、「自動加算」が実行される場合には、スーパーリーチBに発展することはなく(スーパーリーチAのみに発展する)、「中ボタン」が実行される場合よりも、「大ボタン」が実行される場合の方が、スーパーリーチBに発展する割合は高い。また、「大ボタン」が実行される場合よりも、「中ボタン」が実行される場合の方が、スーパーリーチAに発展する割合は高い。スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が、大当り期待度は高いので、「大ボタン」の方が、「中ボタン」、「自動加算」よりも大当り期待度が高い。「中ボタン」と「自動加算」とでは、「中ボタン」の方が大当り期待度が高い。
また、第1タイミングにて操作系演出が実行される割合は、変動パターンがスーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれのときも、40/100であり、非操作系演出が実行される割合は、変動パターンがスーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれのときも、60/100である。第2タイミングにて操作系演出が実行される割合は、変動パターンがスーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれのときも、60/100であり、非操作系演出が実行される割合は、変動パターンがスーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれのときも、40/100である。第3タイミングにて操作系演出が実行される割合は、変動パターンがスーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれのときも、80/100であり、非操作系演出が実行される割合は、変動パターンがスーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれのときも、20/100である。第4タイミングにて操作系演出が実行される割合は、変動パターンがスーパーリーチAのときに80/100であり、スーパーリーチBのときに100/100であり、非操作系演出が実行される割合は、変動パターンがスーパーリーチAのときに20/100であり、スーパーリーチBのときに0/100である。以上のことから、第1タイミング〜第4タイミングの各タイミングでは、操作系演出と非操作系演出とのいずれが実行されるかの割合が異なっている。
また、操作系演出で加算されるポイントは、少なくとも10ポイント以上であり、非操作系演出で加算されるポイント(5ポイント)よりも高い。
図8−4に戻り、今回の変動パターンがリーチを指定していない場合(ステップ60AKS104;No)、今回の変動パターンがスーパーリーチを指定していない場合(ステップ60AKS104;No)、又は、ステップ60AKS105を実行したあと、演出制御用CPU120は、リーチ演出等の実行の有無や、実行する演出の態様等を決定する(ステップ60AKS106)。具体的には、抽選により予告演出(大当り期待度を予告する演出であり、高ベースのときと、低ベースのときとで、演出態様を異ならせてもよい。)等の各種演出の実行の有無やその態様等を決定する。このとき、今回の可変表示結果や今回の変動パターン等に応じて抽選での決定割合を異ならせることにより、予告演出等の実行の有無やその態様に応じて大当り期待度(スーパーリーチの実行期待度等も含む)を異ならせる。また、今回の変動パターンがリーチを指定するものである場合には、その変動パターンが指定するリーチ演出(最終停止図柄に応じて態様を異ならせてもよい)を実行すると決定する(スーパーリーチの実行の決定の場合、上記で決定した実行パターンでのメータ演出を実行するとも決定される)。
その後、演出制御用CPU120は、上記で実行すると決定した演出(リーチ演出(メータ演出を含む)、メータ示唆演出、予告演出等)の開始タイミング(実行する演出と変動パターンとの関係で予め決められている)を設定する(ステップ60AKS107)。具体的に、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に応じたタイマ値を、演出制御プロセスタイマ(RAM122に設けられ、可変表示の実行開始からの経過時間等を計測するためのタイマ)に初期値として設定するとともに、実行すると決定した演出の種類や態様(メータ演出の実行パターンを含む)等を特定する演出特定データと、当該演出の実行開始タイミングを演出制御プロセスタイマのタイマ値との比較により示す実行タイミング特定タイマ値(実行する演出と変動パターン(特図変動時間)との関係で予め設定されている。)と、を、対応付けてRAM122のタイマ値格納領域に格納する(ここでは、これらデータが演出制御パターンとして機能する)。演出制御用CPU120は、実行すると決定した演出が複数有る場合には、各演出について、演出特定データと実行タイミング特定タイマ値とをタイマ値格納領域に格納する。
その後、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンが指定する態様かつ上記で決定した最終停止図柄を導出する飾り図柄の可変表示の実行開始の指示を表示制御部123に供給する(ステップ60AKS108)。表示制御部123は、当該指示を受け、飾り図柄の可変表示を開始させる。なお、このとき、可変表示対応表示の表示を更新してもよい(保留表示のシフト等)。
その後、演出プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップ60AKS109)、可変表示開始設定処理を終了する。
(可変表示中処理)
演出制御用CPU120は、図7の可変表示中演出処理(ステップS172)にて、図8−7に示す処理を実行する。
演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、減じたあとのタイマ値が0であるか否かを判定することで、今回の変動パターンに対応した特図変動時間が経過したか否かを判定する(ステップ60AKS201)。
タイマ値が0でない場合、つまり、特図変動時間(飾り図柄の可変表示の実行期間でもある)が経過していない場合(ステップ60AKS201;No)、演出制御用CPU120は、現在がメータ示唆演出の実行開始タイミングであるかを判定する(ステップ60AKS202)。ここでは、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致する実行タイミング特定タイマ値が上記のタイマ値格納領域に格納されており、かつ、当該実行タイミング特定タイマ値に対応する演出特定データがメータ示唆演出を特定しているときに、現在がメータ示唆演出の開始タイミングであると判定する(演出の実行開始タイミングの判定について、以下同様)。メータ示唆演出の開始タイミングである場合(ステップ60AKS202;Yes)、演出特定データが特定する態様のメータ示唆演出の実行開始指示を表示制御部123に供給する(ステップ60AKS203)。この指示により、表示制御部123は、メータ示唆演出の実行を開始する。
ステップ60AKS203のあと、現在がメータ示唆演出の実行開始タイミングでない場合(ステップ60AKS202;No)、演出制御用CPU120は、現在がメータ演出の実行開始タイミングであるかを判定する(ステップ60AKS204)。メータ演出の開始タイミングである場合(ステップ60AKS204;Yes)、演出特定データが特定する態様(実行パターンME01〜ME10のいずれか)のメータ演出の実行開始指示を表示制御部123に供給する(ステップ60AKS205)。この指示により、表示制御部123は、メータ演出の実行を開始する。
ステップ60AKS205のあと、現在がメータ演出の実行開始タイミングでない場合(ステップ60AKS204;No)、現在がメータ示唆演出における操作受付期間内であるかを判定する(ステップ60AKS206)。例えば、メータ示唆演出を実行すると決定した際に、当該操作受付期間に対応したタイマ値の集まり(変動パターン等との関係から予め定められているものとする)と、当該タイマ値の集まりがメータ示唆演出に関するものであることを特定する特定データとを、対応付けてRAM122に格納しておく。演出制御用CPU120は、ステップ60AKS206において、RAM122に前記特定データが格納してあり、かつ、当該特定データに対応するタイマ値の集まりのうちのいずれかが演出制御プロセスタイマのタイマ値と合致するかを判定し、合致する場合には、現在がメータ示唆演出における操作受付期間内であると判定する(ステップ60AKS206;Yes)。合致しない場合には、当該操作受付期間内でないと判定する(ステップ60AKS206;No)。
操作受付期間内の場合(ステップ60AKS206;Yes)、プッシュボタン31Bへの押圧操作があったかを判定する(ステップ60AKS207)。プッシュセンサ35Bから供給される、プッシュボタン31Bに対する操作を検出したことを示す検出信号が供給された場合に、押圧操作があったと判定する。この場合(ステップ60AKS207;Yes)、表示制御部123に、プッシュボタン31Bへの操作により、メータ演出が開始されることを示唆する画像(「メータ演出の開始可能性有り!」等)等を表示する指示を供給する(ステップ60AKS208)。当該指示により表示制御部123は、前記画像を画像表示装置5に表示する。このときには、上記操作受付期間が終了するので、前記タイマ値の集まりと、前記特定データとを消去する。
なお、操作受付期間の判定(ステップ60AKS206)については、演出制御用CPU120が、表示制御部123に現在が操作受付期間であるかを問い合わせることによって行ってもよい(他の操作受付期間についても同様)。
ステップ60AKS208のあと、現在がメータ示唆演出の操作受付期間でない場合(ステップ60AKS206;No)、操作がなかった場合(ステップ60AKS207;No)、現在がメータ演出における操作受付期間内であるかを判定する(ステップ60AKS209)。例えば、メータ演出の実行パターン等を決定した際に、今回の実行パターンに含まれる操作系演出全てについて、操作受付期間に対応するタイマ値の集まりと、当該操作受付期間が設けられた操作系演出の種類(「小ボタン連打」であるか、「中ボタン」であるか、「大ボタン」であるか等)を特定する特定データと、を対応付けてRAM122に格納しておく。演出制御用CPU120は、ステップ60AKS206において、RAM122に前記特定データが格納してあり、かつ、当該特定データに対応するタイマ値の集まりのうちのいずれかが演出制御プロセスタイマのタイマ値と合致するかを判定し、合致する場合には、現在が操作受付期間内であると判定する(ステップ60AKS209;Yes)。合致しない場合には、当該操作受付期間内でないと判定する(ステップ60AKS209;No)。
操作受付期間内の場合(ステップ60AKS209;Yes)、操作系演出の種類に応じた操作があったかを判定する(ステップ60AKS210)。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値と合致するタイマ値を含む前記タイマ値の集まりに対応した前記特定データが「小ボタン連打」を特定する場合には、プッシュボタン31Bに所定回数の連打があったかを判定する。例えば、プッシュセンサ35Bから供給される、プッシュボタン31Bに対する操作を検出したことを示す検出信号の供給回数を、当該検出信号が供給するたびにカウントしておき、カウントしたカウント値が所定回数に達したときに、前記操作があったと判定する。前記特定データが「中ボタン」、「大ボタン」を特定する場合には、プッシュセンサ35Bから供給される、プッシュボタン31Bに対する操作を検出したことを示す検出信号が供給された場合に、当該操作があったと判定する。
操作があった場合(ステップ60AKS210;Yes)、表示制御部123に、操作の受付に対応した演出の開始指示を供給する(ステップ60AKS211)。当該演出は、バトルにおいて、味方キャラ60AK003の攻撃が敵キャラ60AK004にヒットし、メータ画像60AK002にポイントが貯まり(加算され)、加算されたポイント数を報知する演出であって、操作系演出の種類等に応じて異なる演出であればよい。表示制御部123は、前記開始指示を受け、現在実行中の操作系演出について、前記演出を実行する(当然実行中の操作系演出に応じて演出態様は異なる)。なお、操作があった場合、当該操作受付期間は終了するので、今回使用した前記特定データ、前記タイマ値を消去する。
第1タイミング〜第4タイミングの各期間は、可変表示開始時に設定されたもので固定なので、操作タイミングにかかわらず、前記操作の受付に対応した演出の終了タイミングは同じである(第1タイミング〜第4タイミングの終了タイミングが演出の終了タイミング。図8−8参照)。このため、当該演出では、加算されたポイント数を報知する演出等については、演出終了タイミングまでループ再生等するとよい。
なお、上記ステップ60AKS209〜60AKS211の処理では、演出制御用CPU120が、表示制御部123に、現在が、操作受付期間であるか、操作受付期間である場合に当該期間が第1タイミング〜第4タイミングのいずれのタイミングでの期間であるか及び操作系演出の種類等を問い合わせて、操作受付期間についての情報を取得し、取得した情報に基づいて上記各種処理を行ってもよい。
ステップ60AKS211のあと、現在がメータ演出の操作受付期間でない場合(ステップ60AKS209;No)、操作がなかった場合(ステップ60AKS210;No)、現在が上記で設定した演出(今回の可変表示で実行すると決定した演出)の開始タイミングであるかを判定する(ステップ60AKS212)。ここでは、当該判定を、上記のタイマ値格納領域に格納されている実行タイミング特定タイマ値が、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致するか判定することにより行う。上記のタイマ値格納領域に、現在の演出制御プロセスタイマのタイマ値に合致する実行タイミング特定タイマ値が格納されている場合には、対応する演出(スーパーリーチなどを含む)の開始タイミングであるので(ステップ60AKS212;Yes)、当該タイマ値に対応して当該タイマ値格納領域に格納されている演出特定データが特定する演出の実行開始指示を表示制御部123に供給する(ステップ60AKS213)。表示制御部123は、当該実行開始指示を受け、演出特定データが特定する演出を開始させる。
演出の実行開始タイミングでない場合(ステップ60AKS212;No)、ステップ60AKS213のあとは、可変表示中処理を終了する。
ステップ60AKS201において、タイマ値が0である場合、つまり、特図変動時間が経過した場合(ステップ60AKS201;Yes)、特図ゲームにおいて可変表示結果を導出表示する際に主基板11から伝送される、確定飾り図柄を停止表示させることを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)の受信があったか否かを判定する(ステップステップ60AKS214)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップ60AKS214;No)、可変表示中演出処理を終了する。
図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップ60AKS214;Yes)、最終停止図柄の導出タイミングとなったので、表示制御部123に最終停止図柄(確定飾り図柄)の導出(図柄の停止)を指示する(ステップ60AKS215)。表示制御部123は、当該指示を受け、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の可変表示を終了させて確定飾り図柄(可変表示結果)を導出させる。その後、主基板11からの、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)の受信待ち時間に対応するタイマ値をRAM122に設けられた所定のタイマに設定する(ステップ60AKS216)。これにより、受信待ち時間が設定される。その後、演出プロセスフラグの値を 「3」に更新し(ステップ60AKS217)、可変表示中演出処理を終了する。
(メータ演出の演出画面例)
メータ演出の演出画面例について図8−9及び図8−10を参照して説明する。図8−9及び図8−10は、実行パターンME01でのメータ演出の演出画面例である。図8−9(A)のように、メータ演出が開始すると、味方キャラ60AK003と敵キャラ60AK004とが戦うバトルが開始する。このとき、プッシュボタン31Bを模したボタン画像60AK005を表示開始する。なお、表示開始されるボタン画像60AK005は、まだ小サイズであり、この時点では暗く又は半透明で表示されている。暗く又は半透明で表示されることで、現在が操作受付期間でないことを報知できる。以下、ボタン画像60AK005は、操作有効期間でないときには、暗く又は半透明で表示されるものとする。なお、ボタン画像は、操作受付期間以外表示しないようにしてもよい。
その後、第1タイミングの到来とともに、「小ボタン連打」の演出が開始される(図8−9(B))。当該演出では、「連打しろ!」の画像と、メータ演出開始時よりも明瞭(明るく又は非透明)に表示した小サイズのボタン画像60AK005(これ以降でも操作有効期間では、非操作有効期間よりも明瞭に表示される。)と、を、操作促進のための演出画像として表示する。プッシュボタン31Bへの連打が所定回数に達すると、味方キャラ60AK003の攻撃が敵キャラ60AK004にヒットし、メータ画像60AK002にポイントが貯まる(図8−9(C))。この場合、メータ画像60AK002では、10ポイントが貯まる(メータ画像60AK002のメータレベル(ドットで塗りつぶした画像の上端)が10ポイント分上昇する)。そして、「+10Pt!」の画像により、10ポイントが貯まった(加算された)ことが報知される。連打が所定回数に達しなかった場合等では、上記攻撃のヒット及びポイントの加算がなく、「小ボタン連打」の演出がそのまま終了する。
第1タイミングの終了後、第2タイミングが到来すると、「自動加算」の演出が開始される(図8−9(D))。「自動加算」では、遊技者からの操作を受け付けずにポイントを自動で貯める。具体的には、味方キャラ60AK003と敵キャラ60AK004とが移動したり攻撃しあったりして、味方キャラ60AK003の攻撃(弱い攻撃)のたびに、ポイントを少しずつ(例えば、0.1ポイントずつ)貯めていく(メータ画像60AK002のメータレベルが徐々に上昇する)(図8−9(E))。第2タイミングの終了時、今回の「自動加算」で貯まった合計ポイントが、5ポイントに達する。このとき、「+5Pt!」の画像を表示し、5ポイントが新たに貯まった(加算された)ことが報知される(図8−9(F))。
第2タイミングの終了後、第3タイミングが到来すると、「中ボタン」の演出が開始される(図8−10(A))。「中ボタン」では、「押せ!」の画像と、プッシュボタン31Bを模した中サイズのボタン画像60AK005とを、操作促進のための演出画像として表示する。プッシュボタン31Bへの押圧操作(1回操作)があると、味方キャラ60AK003の攻撃が敵キャラ60AK004にヒットし、メータ画像60AK002にポイントが貯まる(図8−10(B))。この場合、メータ画像60AK002では、35ポイントが貯まる(メータ画像60AK002のメータレベルが35ポイント分上昇する)。そして、「+35Pt!」の画像により、35ポイントが新たに貯まった(加算された)ことが報知される。前記操作がなかった場合、上記攻撃のヒット及びポイントの加算がなく、「中ボタン」の演出がそのまま終了する。
第3タイミングの終了後、第4タイミングの到来の前に、中サイズのボタン画像60AK005(操作有効期間外なので、暗く又は半透明で表示されている)に星の画像60AK009が作用(ここでは、接触)し、ボタン画像60AK005が大サイズに成長する(図8−10(C))。大サイズに成長したボタン画像60AK005は、操作有効期間が到来するまで、暗く又は半透明で表示される。
その後、第4タイミングが到来すると、「大ボタン」の演出が開始される(図8−10(D))。「大ボタン」では、「押せ!」の画像と、プッシュボタン31Bを模した大サイズのボタン画像60AK005とを、操作促進のための演出画像として表示する。プッシュボタン31Bへの押圧操作(1回操作)があると、味方キャラ60AK003の攻撃が敵キャラ60AK004にヒットし、メータ画像60AK002にポイントが貯まる(図8−10(B))。この場合、メータ画像60AK002では、50ポイントが貯まる(メータレベルが上昇する)。そして、「+50Pt!」の画像により、50ポイントが新たに貯まった(加算された)ことが報知される。ここでは、これにより、ポイントが上限値(満タン)となり、メータ画像60AK002のメータレベルも50ポイント分上昇して満タンとなる。そして、「メータMAX!!」の画像を表示することで、つまり、メータ演出が成功したことが報知され、その後、スーパーリーチBへの発展の演出が実行され、メータ演出が終了する。実行パターンがME02の場合には、ポイントが上限値に達しないので、その後、スーパーリーチAへの発展の演出が実行され、メータ演出が終了する。なお、上記各操作系演出で一度でも操作がなくポイント加算がなかった場合には、ポイントが上限値に達していないので、上記で説明したポイント満タン用特別演出を実行する。
(メータ示唆演出の演出画面例)
メータ示唆演出では、図8−11に示すように、メータ演出が実行されるかを示唆する示唆画像60AK011を表示し、遊技者の操作(プッシュボタン31Bへの押圧操作)を促しながらメータ演出の開始を示唆する(図8−11)。メータ示唆演出では、プッシュボタン31Bへの操作により、メータ演出が開始されることを示唆する画像(「メータ演出の開始可能性有り!」等)を表示する。操作がなかったときには、示唆画像60AK011が消去される。
(特徴部60AKの効果)
(1)特徴部60AKでは、メータ演出において、メータ画像60AK002を第1タイミング〜第4タイミングで変化させることができる。当該変化は、ここでは、メータの上昇である(図8−9、図8−10)。そして、当該変化のパターンとして、操作を必要としない非操作系演出(「自動加算」)と、操作を必要とする操作系演出(「小ボタン連打」、「中ボタン」、「大ボタン」)とを用意し、第1タイミング〜第4タイミングそれぞれで、操作系演出と非操作系演出とのいずれが実行されるかの割合を異ならせている(図8−6)。このようにして、メータ画像60AK002の変化パターンとして遊技者の操作によらないパターンを用意しかつメータ画像60AK002がどの変化パターンで変化するかの割合を各タイミングで異ならせることで、メータ画像60AK002の変化を多様化させることができ、メータ画像60AK002に関して遊技の興趣が向上する。
(2)また、遊技者の操作を促進する表示として、「連打しろ!」の画像、「押せ!」の画像、ボタン画像60AK005などを表示し、異なるタイミングで実行される「小ボタン連打」、「中ボタン」、「大ボタン」についてボタン画像60AK005の態様を異ならせるなどすることで、演出を態様化でき、また、遊技者による操作が促進され、遊技の興趣が向上する。また、「小ボタン連打」は10ポイントの加算、「中ボタン」は35ポイント等の加算、「大ボタン」は50ポイント等の加算とすることで、ボタン画像60AK005の態様に応じて、メータ画像60AK002の変化度合い(加算ポイント)を異ならせているため、演出を態様化でき、また、遊技者による操作が促進され、遊技の興趣が向上する。
(3)また、メータ画像60AK002のメータレベルを変化させたときに、「+10Pt!」等の加算ポイントを報知する画像、「メータMAX!!」等のメータが満タンになったことを報知する画像などを表示することで、メータ画像60AK002に関する情報を遊技者に提供することができ、遊技の興趣が向上する。
(5)また、メータ示唆演出の実行の有無に応じてメータ演出の実行割合を変えているので、メータ演出の前についても遊技者が注目し、遊技の興趣が向上する。
(6)ボタン画像60AK005として、中サイズと、中サイズよりも大当り期待度が高い大サイズのボタン画像60AK005を用意し、中サイズのボタン画像60AK005に星の画像60AK009を作用させ、ボタン画像60AK005を大サイズに変化させることができるので、中サイズから大サイズへの変化についての演出効果が向上し、遊技の興趣が向上する。
(7)非操作系演出及び操作系演出を用意するとともに、操作系演出では、10ポイント以上のポイント加算を行い、非操作系演出では、5ポイントのポイント加算を行うことで、操作系演出と非操作系演出とで加算されるポイント(メータ画像60AK002のメータレベルの変化度、メータ画像60AK002に貯めるポイント)を異ならせたので、非操作系演出を用意しかつ非操作系演出と操作系演出とで加算されるポイントを異ならせたので、メータ画像60AK002の変化を多様化させることができ、メータ画像60AK002に関して遊技の興趣が向上する。
(8)また、非操作系演出よりも操作系演出の方が、加算されるポイントが大きいので、遊技者の操作系演出での操作の意欲を高めることができ、遊技の興趣が向上する。
(9)また、「自動加算」では、バトル演出の進行に応じてポイントを徐々に貯め、貯めたポイントを「+5Pt!」の画像で報知するので、メータ画像60AK002に関する情報(ポイントの情報)を遊技者に提供することができ、遊技の興趣が向上する。なお、ポイントが徐々に貯まるたびに、貯めたポイントを報知する画像(「+0.1Pt!」等)を連続的に表示してもよく、これによっても、メータ画像60AK002に関する情報(ポイントの情報)を遊技者に提供することができ、遊技の興趣が向上する。
(上記特徴部を一例とする構成)
上記特徴部を一例とする構成について、以下列挙する。なお、上記で開示している事項及び下記の構成は、どの事項及び構成であっても省略できる。
(1)遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、プッシュボタン31Bなど)と、
演出状態(例えば、メータ画像60AK002など)が特定状態(例えば、メータが満タンになった状態(図8−10(E))など)に変化したときに特定演出(例えば、スーパーリーチBなど)を実行する特定演出実行手段(例えば、演出制御基板12など)と、を備え、
前記演出状態は、所定期間における複数のタイミング(例えば、第1タイミング〜第4タイミングなど)で前記特定状態に向けて変化可能であるとともに、前記検出手段により遊技者の動作が検出されたことに基づいて変化する第1変化パターン(例えば、操作系演出など)と、前記検出手段による遊技者の動作の検出によらずに変化する第2変化パターン(例えば、非操作系演出など)と、で変化可能である(図8−6、図8−9、図8−10など)、
遊技機。
上記検出手段には、遊技者により操作される操作手段が含まれる。当該操作手段として、上記スティックコントローラ31Aを使用してもよい。例えば、上記メータ演出で、スティックコントローラ31Aの傾倒動作に基づいてポイントを加算する。操作手段として、十字キー、複数のボタンなどを採用してもよい。上記検出手段は、遊技者の動作を検出するためのカメラ、赤外線センサ等であってもよい。
演出状態は、画像表示装置5に表示される画像、ポイントに応じて点灯個数が変化する複数のLED等の発光手段などであってもよい。演出状態は、メータ状の他、1つの発光部又は画像(例えば、保留表示、アクティブ表示など)、爆弾に導火線が繋がった画像、卵の画像、カウントダウン/カウントアップされる数字の画像などであってもよい。1つの発光部又は画像は、その色が特定色(特定状態)までに順次変化していく。爆弾に導火線が繋がった画像では、導火線に火が付きどんどん短くなっていき爆弾が爆発する(特定状態)。卵の画像では、徐々にひびが入り、卵が割れると所定のキャラが誕生する(特定状態)。カウントダウン/カウントアップされる数字の画像では、0又は100(特定状態)まで数字がカウントダウン/カウントアップされる。
特定演出は、スーパーリーチの他、ノーマルリーチ等でもよい。また、予告演出(先読み予告演出を含む)等であってもよい。特定演出は、大当り期待度等の有利度が高いことを報知する演出であるとよい。有利度は、遊技者にとって有利な状態になる又はすでになっている度合い(可能性)などであり、大当り期待度等の期待度(これから有利な状態が到来する可能性)の他、確変状態、時短状態など、現在における有利さ(現在が有利な状態であるか否か。例えば、有利な状態である場合とない場合とで抽選の決定割合を変えることで実現できる)などを含む。
第1変化パターンで必要な操作は、長押し等であってもよい。第2変化パターンは、上記実施の形態では、ポイントを徐々に加算していくが、一度に所定ポイントを加算するもの(一度に演出状態を所定状態に変化させるもの)であってもよい。上記第1変化パターンと第2変化パターンとのいずれで変化させるかの決定は、予め抽選等により変動開始前、演出状態の表示開始前から行われるものであるとよい。また、複数のタイミングそれぞれについて、第1変化パターンと第2変化パターンとのいずれで変化させるかを抽選等で決定してもよい。複数のタイミングそれぞれで、第1変化パターンと第2変化パターンとのいずれでも変化させることが可能であるとよいが、一部のタイミングでは第1変化パターンと第2変化パターンとのいずれかのみで変化可能としてもよい(例えば、第4タイミングでは、操作系演出のみ実行可能とするなど)。片方の変化パターンのみで演出状態を変化させるパターンがあってもよい。
操作系演出、非操作系演出の各種類ごとに有利度を設定し、複数タイミングの後になるほど有利度が高い演出が実行されやすいようにしてもよい。例えば、メータ演出の実行パターンを一括に決める際、有利度が高い大ボタンが第4のタイミングで登場しやいよう各実行パターンや決定割合を設定する。また、上記特徴部60AKのように、複数タイミングの後になるほど、高いポイントが付与される種類の演出が実行されやすいようにするとよい。これらにより、遊技者の期待感が持続するので、遊技の興趣が向上する。
上記特徴部60AKでは、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも特徴部60AKを適用可能である。上記演出状態等をスロット機の演出で表示等すればよい。この場合、特定演出等は、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ等の期待度を報知する演出等とする。
(2)前記複数のタイミングのうちの少なくとも2つのタイミングで、前記演出状態が前記第1変化パターンと前記第2変化パターンとのいずれで変化するかの割合が異なる(例えば、第1タイミング〜第4タイミングそれぞれで操作系演出と非操作系演出とのいずれが実行されるかの割合が異なる(図8−6)など)。
上記特徴部60AKでは、演出状態(メータ画像60AK002)を変化させ得るすべてのタイミング(第1タイミング〜第4タイミング)において、第1変化パターンと第2変化パターンとのいずれで変化するかの割合を異ならせているが、少なくとも2つタイミングにおける前記割合を異ならせ、後のタイミングでの前記割合は同じにしてもよい。前記の割合は、特徴部60AKでは操作系演出又は非操作系演出とのいずれかが実行される割合などでもある。第1変化パターン又は第2変化パターンでの変化割合は、これらが複数種類ある場合には、複数種類それぞれの変化割合の合計でも平均値でもよい。上記特徴部60AKでは、第2変化パターンとして、「自動加算」のみがあるが、複数種類の演出を用意してもよい。例えば、徐々にポイントが加算されるものと、一度にポイントが加算されるものとの両者を用意してもよい。
演出状態の変化パターンとして遊技者の動作によらないパターンを用意しかつ演出状態がどの変化パターンで変化するかの割合を2つ以上のタイミングで異ならせることにより、演出状態の変化を多様化させることができ、演出状態に関して遊技の興趣が向上する。
(3)前記第1変化パターンと前記第2変化パターンとで、前記演出状態の変化量が異なる(例えば、操作系演出では、10ポイント以上のポイント加算があり、非操作系演出では、5ポイントのポイント加算など)。なお、当該構成は、前記第1変化パターンと前記第2変化パターンとで一部に共通の変化量がある場合を含む。
第1変化パターンが複数種類用意されている場合(上記の操作系演出等)、その演出状態の変化量は、各種類の変化量であってもよいし、当該各種類の変化量の平均値等であってもよい。第2変化パターンについても同様である。また、1つの第1変化パターン、1つの第2変化パターンについて、変化可能な変化量を複数用意してもよい(「大ボタン」の+50Pt、45Ptなど)。この場合の演出状態の変化量は、各変化量であってもよいし、当該各変化量の平均値等であってもよい。
このような構成によれば、演出状態の変化パターンとして遊技者の動作によらないパターンを用意しかつ変化パターンに応じて演出状態の変化量を異ならせたので、演出状態の変化を多様化させることができ、演出状態に関して遊技の興趣が向上する。
第1変化パターンと第2変化パターンとのいずれの変化量を大きくするかは任意であるが、前記第1変化パターンの方が前記第2変化パターンよりも前記演出状態の変化量が多い(例えば、操作系演出では、10ポイント以上のポイント加算があり、非操作系演出では、5ポイントのポイント加算など)、ようにするとよい。これにより、遊技者の操作意欲を高めることができ、遊技の興趣が向上する。なお、必ず多くするのではなく、一部で第2変化パターンでの変化量が多くてもよい。つまり、第1変化パターンの方が第2変化パターンよりも演出状態の変化量が多くなりやすいようにするとよい。
(4)前記演出状態が前記第1変化パターンで変化する際に、遊技者の動作を促進する促進演出(例えば、「連打しろ!」の画像、「押せ!」の画像、ボタン画像60AK005の表示(図8−9、図8−10)など)を実行する促進演出実行手段(例えば、演出制御基板12など)をさらに備え、
前記促進演出実行手段は、前記複数のタイミングのうちの少なくとも2つの異なるタイミングで異なる促進演出(例えば、異なるタイミングで実行される「小ボタン連打」、「中ボタン」、「大ボタン」についてボタン画像60AK005の態様を異ならせるなど)を実行可能である。
なお、前記異なる促進演出それぞれで、前記演出状態の変化量が異なる(例えば、「小ボタン連打」は10ポイントの加算、「中ボタン」は35ポイント等の加算、「大ボタン」は50ポイント等の加算)ようにしてもよい。
促進演出は、画像により遊技者の動作を促すものの他、ランプなどで遊技者の動作を促すものであってもよい。促進演出が異なるとは、その演出態様が異なると、促進する(促す)遊技者の動作が異なると、のうちの少なくとも一方であればよい。例えば、動作は同じであるが、演出態様を異ならせもよい(「中ボタン」、「大ボタン」のとき(1回操作)のボタン画像60AK005の表示など)。
このような構成によれば、促進演出により遊技者による動作が促進され、遊技の興趣が向上する。
(5)前記演出状態は、前記特定演出が実行されるか否かに応じて、変化可能なタイミング数が異なる(例えば、図8−12参照)、ようにしてもよい。
例えば、メータ演出の実行パターンを決める際に、まず、メータ演出で実行する操作系演出/非操作系演出の実行回数(変化タイミングの数)を決定し、その後に実行パターンを抽選により決定する(前記の実行回数に応じた実行パターンを予め用意しておくものとする)。例えば、図8−12に示す決定割合で実行回数を抽選により決定する。回数が多い方が、成功となりやすくするとよい。なお、変化タイミングが3回の場合には、本来は4回の変化タイミングがあるはずなのに、メータ演出が途中で終わってしまうような態様(3回目での演出で、敵キャラ60AK004が勝って演出が失敗態様となる態様など)としてもよい。途中で終わる場合には、スーパーリーチへの発展がなくてもよい(ノーマルリーチ(発展無し)でもメータ演出を実行可能とし、ノーマルリーチ(発展無し)のときにはメータ演出が途中で終わるなど)。3回目未満の少ない回数で演出が終了するパターンを用意してもよい
このような構成によれば、遊技者は演出状態の変化のタイミングにも注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
(6)前記演出状態を変化させたときの変化後の段階又は変化量に応じて異なる所定演出(例えば、「+10Pt!」等の加算ポイントを報知する画像、「メータMAX!!」等のメータが満タンになったことを報知する画像など)を実行する所定演出実行手段(例えば、演出制御基板12など)をさらに備える。
所定演出は、加算されたポイントなどを報知する態様であってもよいし、メータ画像60AK002に所定ポイントが貯まったことに応じて実行される演出であってもよい。メータ画像60AK002に所定ポイントが貯まったことに応じて実行される演出としては、例えば、メータ画像60AK002に所定ポイント(上限値やその半分、90%のポイントなど)が貯まったときにLED等を点灯させて、メータ画像60AK002に貯まったポイントが所定ポイントに達したことを報知する態様がある。
このような構成によれば、演出状態に関する情報を遊技者に提供することができ、遊技の興趣が向上する。
(7)特殊演出(例えば、味方キャラ60AK003と敵キャラ60AK004とが戦うバトル演出など)を実行する特殊演出実行手段(例えば、演出制御基板12など)をさらに備え、
前記演出状態は、前記第2変化パターンで変化する際、前記特殊演出の進行に応じて変化し(例えば、バトル演出の進行に応じてポイントを徐々に貯めるなど)、
前記特殊演出は、前記演出状態が変化した際の変化量を報知可能である(例えば、「+5Pt!」等の加算ポイントを報知する画像)。
特殊演出は、味方キャラ60AK003と敵キャラ60AK004とが戦うものの他、所定のキャラが走り、障害物を超えていく演出等であってもよい。
演出状態は、上記特徴部60AKのように、第1変化パターンで変化する際に、特殊演出の進行に応じて変化してもよい。
なお、演出状態が変化する際、画像表示装置5にエフェクト画像(例えば、味方キャラ60AK003の攻撃(パンチ又はキック)が敵キャラ60AK004に当たった際にエフェクト画像を表示するなど)を表示してもよい(「自動加算」で、徐々にポイントを加算する際の各ポイント加算時を含む)。演出状態の変化量の報知(加算ポイントを報知する画像の表示等)は、当該エフェクトと同時であっても、当該エフェクトの後であってもよい(これらにより、遊技者の注目を集めることができ、遊技の興趣が向上する)。変化量の報知は、「自動加算」等で徐々にポイントを加算する場合において、各ポイントの加算ごとに行ってもよい(例えば、ポイント加算毎に、「+0.1Pt!」の画像を表示する)。
このような構成によれば、演出状態に関する情報を遊技者に提供することができ、遊技の興趣が向上する。
(8)前記所定期間に移行する前に前記検出手段を用いた特別演出(例えば、メータ示唆演出など)を実行する特別演出実行手段(例えば、演出制御基板12など)をさらに備え、
前記特別演出が実行されるか否かに応じて、前記所定期間に移行する割合が異なる(例えば、図8−5など)。
特別演出は、例えば、メータ示唆演出などのメータ演出の実行(演出状態を変化させる演出)を示唆するようなものでなくてもよい。特別演出と演出状態とは直接関連がない演出であってもよい。
このような構成によれば、所定期間の前についても遊技者が注目し、遊技の興趣が向上する。
(9)前記検出手段に対応した特定表示(例えば、ボタン画像60AK005など)を表示する特定表示手段(例えば、演出制御基板12など)をさらに備え、
前記特定表示として、第1特定表示(例えば、中サイズのボタン画像60AK005など)と、前記第1特定表示よりも遊技者にとって有利度が高い第2特定表示(例えば、大サイズのボタン画像60AK005など)と、があり、
前記特定表示は、前記第1特定表示に作用する作用演出(例えば、中サイズのボタン画像60AK005に星の画像60AK009が作用する演出(図8−10(C))など)が実行されることにより前記第2特定表示に変化可能である(例えば、星の画像60AK009の作用によりボタン画像60AK005が大サイズに変化するなど)。
小サイズのボタン画像60AK005に星の画像60AK009を作用させて、ボタン画像60AK005のサイズを中サイズに変化させてもよい。
前記検出手段による検出の非有効期間(例えば、操作受付期間以外の期間など)において、前記第1特定表示を表示した後(上記のように暗く表示する等を含む。)に前記作用演出が実行されることにより当該第1特定表示を前記第2特定表示に変化させ、前記検出手段による検出の有効期間において、前記第2特定表示を用いた動作演出(例えば、「押せ!」の画像を表示する促進演出等)が実行される(図8−10(C))。これにより、有効期間前の期待感を高めることができる。
前記作用演出は、複数種類あり、いずれの前記作用演出が実行されるかに応じて、前記第2特定表示に変化する割合が異なるようにしてもよい。例えば、前記条件を満たすように決定割合を設定した抽選により前記種類を決定すればよい。これにより、作用演出に対する期待感を高めることができる。
前記作用演出は、複数種類あり、変化後の前記特定表示の表示態様は、複数種類あり、いずれの前記作用演出が実行されるかに応じて、いずれの前記特定表示に変化するかの割合が異なるようにしてもよい。例えば、前記条件を満たすように決定割合を設定した抽選により前記種類を決定すればよい。これにより、作用演出に対する期待感を高めることができる。
前記検出手段は、複数種類(例えば、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等)あり、変化後の前記特定表示(例えば、第1特定表示及び第2特定表示は、プッシュボタン31B、スティックコントローラ31A等の異なる操作装置それぞれに対応するようにしてもよい)に対応した前記検出手段により検出される動作演出(例えば、「押せ!」の画像を表示する促進演出等。スティックコントローラ31Aの場合には、「レバーを引け」等の表示)を実行するようにしてもよい。
上記構成によれば、いずれの操作手段に対応した特定表示となるかに注目させることができる。
前記特定表示実行手段は、前記検出手段による検出の非有効期間において前記特定表示を表示するときには、前記非有効期間であることを示す態様により前記特定表示を表示する(例えば、暗く又は半透明に表示したり、「禁止」等の所定の画像を特定表示に重畳表示したりするなど)ようにしてもよい。
上記構成によれば、非有効期間であることが分かりやすい。
前記特定表示実行手段は、複数の可変表示にわたって前記特定表示を表示(例えば、擬似連変動として複数の(再)可変表示にわたって特定表示を表示、先読みにより複数の可変表示にわたって特定表示を表示等)し、変更可能であってもよい。複数の可変表示にわたり期待感を高めることができる。
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態等)に制御されることを予告する予告演出(例えば、カットイン演出、カウントダウン演出、役物落下演出等)を実行可能であり、前記予告演出が実行されることにより前記作用演出が実行されるようにしてもよい。上記構成によれば、特定の予告演出に対する期待感を高めることができる。
演出に関する設定状態を第1状態(例えば、オートボタン機能が無効に設定されている状態等)または第2状態(例えば、オートボタン機能が有効に設定されている状態等)に設定可能な設定手段(例えば、演出制御基板12など)と、演出実行条件が成立したときに特定演出(例えば、「小ボタン連打」、「中ボタン」、「大ボタン」におけるポイントの加算や加算ポイントの報知など)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御基板12など)と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記第1状態において、前記検出手段の検出結果にもとづいて前記演出実行条件が成立したとして特定演出を実行可能である一方、前記第2状態において、前記検出手段の検出結果に関わらず前記演出実行条件が成立したとして特定演出を実行可能であり(例えば、オートボタン機能が有効に設定されているときには、プッシュボタン31Bの操作が行われなくても、ポイントの加算や加算ポイントの報知などが行われる)、前記設定手段は、可変表示の実行中に前記検出手段の検出結果にもとづいて前記第1状態から前記第2状態に設定を変更可能(例えば、演出の実行中に所定の操作により前記設定を変更可能)であってもよい。上記構成によれば、興趣が低下することを防止することができる。
(10)遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り状態等)に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1等)であって、
遊技に対するのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能な注意喚起手段(たとえば、図8−13の「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです」を画像表示装置5に表示する演出制御用CPU120など)を備え、
前記注意喚起手段は、
少なくとも非遊技状態(たとえば、客待ちデモ状態等)のときと、前記有利状態が終了したとき(たとえば、大当り遊技状態におけるエンディングの演出実行期間等)とでのめり込み防止に関する注意喚起を実行可能(たとえば、図8−13等)であり、
前記非遊技状態のとき(たとえば、図8−13(A)等)と、前記有利状態が終了したとき(たとえば、図8−13(B)等)とで異なる態様(大きさが異なる、表示時間が異なることを含む。)によりのめり込み防止に関する注意喚起を実行する(たとえば、図8−13等)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、好適にのめり込み防止に関する注意喚起を実行することができる。
前記注意喚起手段は、注意喚起として、前記非遊技状態のときと、前記有利状態が終了したときとで一部が共通の態様ののめり込み防止に関する注意喚起表示を表示手段に表示可能であり(たとえば、図8−13のように、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を表示可能である等)、
前記非遊技状態のときよりも前記有利状態が終了したときの方がのめり込み防止に関する注意喚起表示の表示期間が短い(たとえば、客待ちデモ状態のとき(図8−13(A))よりも大当り終了後のエンディング期間(図8−13(B))のときの方がのめり込み防止画像の表示期間が短い等)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、有利状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、好適に注意喚起表示を実行することができる。
前記注意喚起手段は、前記注意喚起として、前記非遊技状態のときと、前記有利状態が終了したときとで一部が共通の態様ののめり込み防止に関する注意喚起表示を表示手段に表示可能であり(たとえば、図8−13のように、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を表示可能である等)、
前記非遊技状態のときよりも前記有利状態が終了したときの方がのめり込み防止に関する注意喚起表示の表示面積が小さい(たとえば、図8−13のように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像の表示面積が小さい等)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、有利状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、注意喚起表示を実行することができる。
前記注意喚起手段は、前記注意喚起として、前記非遊技状態のときと、前記有利状態が終了したときとで一部が共通の態様ののめり込み防止に関する注意喚起表示を表示手段に表示可能であり(たとえば、図8−13のように、客待ちデモ状態のときとエンディング期間のときとのいずれにおいても、表示される文字の内容が同じのめり込み防止画像を表示可能である等)、
前記非遊技状態のときよりも前記有利状態が終了したときの方がのめり込み防止に関する注意喚起表示が遊技者に対して目立たない位置に表示される(たとえば、図8−13のように、客待ちデモ状態のときよりも大当り終了後のエンディング期間のときの方がのめり込み防止画像が遊技者に対して目立たない画面の隅に表示される等)。
このような構成によれば、有利状態が終了したときに過度に注意喚起表示を行なうことにより遊技の興趣が低下してしまうことを防止しつつ、注意喚起表示を実行することができる。
前記注意喚起手段は、注意喚起として、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、各注意喚起表示の表示開始タイミングを異ならせて表示する(たとえば、各注意喚起表示の表示タイミングを異ならせて表示する等)。
このような構成によれば、複数の注意喚起表示を同一の期間に表示するときに、一気に複数の情報を表示することで遊技者が情報を確認しきれなくなることを抑制できる。
前記注意喚起手段は、注意喚起として、のめり込み防止に関する注意喚起表示を他の注意喚起表示と同一の表示期間において表示可能であり、各注意喚起表示を順番にフェードインさせ、共通のタイミングでフェードアウトさせる(たとえば、のめり込み防止の画像を他の注意喚起表示と同一の期間に表示可能であり、他の注意喚起表示をフェードインさせた後、のめり込み防止の画像をフェードインさせ、他の注意喚起表示とのめり込み防止の画像とが全て出そろった後、共通のタイミングでフェードアウトさせる等)。
このような構成によれば、見栄えの良い注意喚起表示の表示制御を実行することができる。
(11)メータ演出を経由してスーパーリーチA又はBが実行される第1パターンと、メータ演出を経由せずにスーパーリーチA又はBが実行される第2パターン(たとえば、ノーマルリーチから直接発展するパターン)と、を用意してもよい(この場合、メータ演出の実行の有無も抽選により決定する)。この場合、第1パターンと第2パターンとでスーパーリーチA又はBの演出態様を異ならせてもよい。また、第1パターンと第2パターンとでスーパーリーチA又はBの演出態様を同じとしてもよい。また、第1パターンと第2パターンとで期待度(有利度)等を異ならせてもよい。
(12)図8−14(A)に示すように、メータ演出では、メータ画像60AK002の上限ポイントや現在のポイントを示唆する画像60AK101(「10/100」のうちの「100」が上限ポイント、「10」が現在貯まっているポイント)を表示してもよい。図8−14(B)に示すように、メータ演出では、操作受付期間の残り時間を報知する画像(時間とともに短くなっていくバー状の画像60AK102等)を表示してもよい。図8−14(C)に示すように、第1タイミング〜第4タイミングそれぞれの開始時期に、これから実行される操作系演出又は非操作系演出に関する情報(題名や、操作方法等)を報知する画像60AK103を表示してもよい。画像60AK103は、表示中の他の画像(メータ画像60AK002等)の前面に重畳表示されてもよい。図8−14(D)に示すように、メータ画像60AK002にポイントが貯まる際、画像表示装置5に、味方キャラ60AK003及び敵キャラ60AK004等の他の演出画像に重畳させて、加算するポイントを報知するエフェクト画像60AK104(例えば、味方キャラ60AK003の攻撃(パンチ又はキック)が敵キャラ60AK004に当たってポイントが加算される際に表示される画像)を表示するようにしてもよい(その後、メータ画像60AK002のメータレベルが35ポイント分上昇する)。エフェクト画像60AK104は、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示されている飾り図柄とは重畳しないようにする。これにより、飾り図柄の視認性を確保する。図8−14の各表示により、演出効果が向上し、遊技の興趣が向上する。
メータ演出において表示されるボタン画像60AK005(遊技者の操作(動作)を促進する画像)の表示位置は、固定でなくてもよい。例えば、連打のとき(「小ボタン連打」)と、一発操作のとき(「中ボタン」、「大ボタン」)とで、ボタン画像60AK005の表示位置を変えてもよい。このように、必要な操作(動作)の種類に応じてボタン画像60AK005の表示位置を変えてもよい。また、必要な操作の種類によらず、他の演出の種類やその演出態様に応じてボタン画像60AK005の表示位置を変えてもよい(例えば、他の演出の邪魔にならない位置にボタン画像60AK005を表示する)。必要な操作の種類と、他の演出の種類やその演出態様と、の組合せに応じて、ボタン画像60AK005の表示位置を変えてもよい。また、連打のときは、ボタン画像60AK005等を多数(例えば、必要な連打の回数分の数)表示してもよい(図8−15参照)。
大サイズのボタン画像60AK005(図8−10(D))のような特定画像(特に、大当り期待度が高い画像であって、操作を促進する画像)を表示する場合に、当該特定画像が表示されることを報知する報知演出(特定画像の表示がないガセのパターンがあってもよい)が実行されてもよい(小から中サイズのボタン画像60AK005等の表示の際は実行しない)。これにより、特定画像の表示を盛り上げることができる。なお、暗い又は半透明のボタン画像60AK005(図8−10(C)等)の表示を前記報知演出で利用し、ボタン画像60AK005の色や大きさを順次変化させ、特定画像が表示されるか否か等を煽る報知演出を実行するようにしてもよい。例えば、半透明のボタン画像60AK005の色を、青→黄→緑→赤と変化させ、その次に半透明のボタン画像60AK005を、大サイズのボタン画像60AK005に変化させる報知演出を実行する。
(13)上記パチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を加算する封入式遊技機であってもよい。
(14)特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
(15)本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(その他)
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部または一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、可変表示を行い、有利状態(例えば、大当り状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機など)であって、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、プッシュボタン31Bなど)と、演出状態(例えば、メータ画像60AK002など)が特定状態(例えば、メータが満タンになった状態(図8−10(E))など)に変化したときに特定演出(例えば、スーパーリーチBなど)を実行する特定演出実行手段(例えば、演出制御基板12など)と、を備え、前記演出状態は、所定期間における複数のタイミング(例えば、第1タイミング〜第4タイミングなど)で前記特定状態に向けて変化可能であるとともに、前記検出手段により遊技者の動作が検出されたことに基づいて変化する第1変化パターン(例えば、操作系演出など)と、前記検出手段による遊技者の動作の検出によらずに変化する第2変化パターン(例えば、非操作系演出など)と、で変化可能であり(図8−6、図8−9、図8−10など)、前記複数のタイミングのうちの少なくとも2つのタイミングで、前記演出状態が前記第1変化パターンと前記第2変化パターンとのいずれで変化するかの割合が異なる(例えば、第1タイミング〜第4タイミングそれぞれで操作系演出と非操作系演出とのいずれが実行されるかの割合が異なり(図8−6)など)、さらに、遊技媒体が入賞可能な第1状態と遊技媒体が入賞不能または困難な第2状態とに変化可能な可変入賞手段(例えば、可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022)と、有利状態とは異なる状態であり、可変入賞手段が第1状態に変化することを含む特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS90358〜S90360を実行する部分)と、通常状態に比べて特殊状態に制御される頻度が高い特別状態(例えば、KT状態(第1KT状態、第2KT状態))に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS902208A,S902211A,S902212A,S902209B,S902210B,S902213B,S902214Bを実行する部分)とを備え、可変入賞手段は、特殊状態に制御されることが報知された後に該可変入賞手段に向けて発射された遊技媒体を入賞できないように設けられ(例えば、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として釘群55を設けるとともに、小当り遊技における特殊可変入賞球装置9022の開放期間を0.8秒間に設定することにより実現される)、特別状態における有利状態に制御される契機とならない可変表示を、可変表示期間が第1期間である第1可変表示パターン(例えば、短縮変動の第2変動パターン#25,#27)と、可変表示期間が該第1期間よりも長い第2期間である第2可変表示パターン(例えば、継続演出を含む第2変動パターン#26,#28)とにより実行可能であり、特別状態において、第2可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合は、第1可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合よりも低い(例えば、小当りの場合には、比較的変動時間が長い第2変動パターン#28に決定される割合が低い(または決定されない)。図23参照)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、演出状態の変化パターンとして遊技者の動作によらないパターンを用意しかつ演出状態がどの変化パターンで変化するかの割合を2つ以上のタイミングで異ならせたので、演出状態の変化を多様化させることができ、演出状態に関して遊技の興趣が向上する。さらに興趣を低下させてしまうことを防止し、演出効果を高めることができる。
さらに、変化パターンによって特殊状態に制御される割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、第1変化パターンよりも第2変化パターンが高い割合で特殊状態に制御されてもよい。そうすることで遊技者は第2変化パターンが実行されると特殊状態に制御されることを予測でき興趣が向上する。
また、変化演出を実行するタイミングによって特殊状態に制御される割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、可変表示中における前半タイミングで変化演出が実行された場合は後半タイミングで変化演出が実行された場合よりも高い割合で特殊状態に制御されてもよい。そうすることで遊技者は変化演出の実行タイミングによって特殊状態に制御されることを予測でき興趣が向上する。
また、特別状態において第2可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される場合、その可能性が高いこと(特殊状態に制御されることが確定することを含む)を可変表示期間中に変化タイミングや変化パターンによって示唆するようにしてもよい。例えば、図8−6に示すようなメータ演出実行パターンの決定例において、第2可変表示パターン(例えばスーパーリーチB)により可変表示が実行された後に特殊状態に制御される場合に高い割合で実行される(特殊状態に制御される場合にのみ実行されることを含む)メータ演出実行パターンを設定し、当該メータ演出実行パターンが実行されたときに、特殊状態に制御される可能性が高い(あるいは特殊状態に制御されることが確定した)ことを認識できるようにしてもよい。そのようにすれば、特殊状態に制御されることが報知された後に可変入賞手段に向けて発射された遊技媒体は入賞できないものの、特殊状態に制御される可能性が高い(あるいは特殊状態に制御されることが確定した)ことが認識できた時点で可変入賞手段に向けて発射することにより、該発射された遊技媒体が特殊状態において可変入賞手段に入賞可能となるため、第2可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される場合であっても、遊技者の発射操作によっては可変入賞手段に入賞可能となるので、より一層、興趣の低下を防止し、演出効果を高めることができる。
さらに、興趣を向上させることができるとともに、演出効果を高めることができる遊技機の形態の一例として、可変表示を行い、有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、遊技媒体が入賞可能な第1状態と遊技媒体が入賞不能または困難な第2状態とに変化可能な可変入賞手段(例えば、可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022)と、有利状態とは異なる状態であり、可変入賞手段が第1状態に変化することを含む特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS90358〜S90360を実行する部分)と、通常状態に比べて特殊状態に制御される頻度が高い特別状態(例えば、KT状態(第1KT状態、第2KT状態))に制御可能な特別状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560におけるステップS902208A,S902211A,S902212A,S902209B,S902210B,S902213B,S902214Bを実行する部分)とを備え、可変入賞手段は、特殊状態に制御されることが報知された後に該可変入賞手段に向けて発射された遊技媒体を入賞できないように設けられ(例えば、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として釘群55を設けるとともに、小当り遊技における特殊可変入賞球装置9022の開放期間を0.8秒間に設定することにより実現される)、特別状態における有利状態に制御される契機とならない可変表示を、可変表示期間が第1期間である第1可変表示パターン(例えば、短縮変動の第2変動パターン#25,#27)と、可変表示期間が該第1期間よりも長い第2期間である第2可変表示パターン(例えば、継続演出を含む第2変動パターン#26,#28)とにより実行可能であり、特別状態において、第2可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合は、第1可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合よりも低い(例えば、小当りの場合には、比較的変動時間が長い第2変動パターン#28に決定される割合が低い(または決定されない)。図59参照)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、この形態例の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図9はパチンコ遊技機(弾球遊技機)901を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、この発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
図9に示すように、パチンコ遊技機901は、額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口9013に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部909aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口9014に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部909bという。)と、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部909cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄演出部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909b)に対して1つの背景図柄演出部9cが設けられ、背景図柄演出部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。なお、この実施の形態では、背景図柄は、演出表示装置909(液晶表示装置)における演出用の図柄変動表示を行うためのものであり、演出用識別情報、装飾図柄、および演出図柄に相当する。
演出表示装置909の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)908aおよび第2特別図柄表示器908bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器908aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aの近傍には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器908bの近傍には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部909aは、第1特別図柄表示器908aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部909bは、第2特別図柄表示器908bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部909aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部909bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置909の表示画面には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部9018cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部9018cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部9018cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせたりする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部9018cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部9018cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。第1始動口スイッチ9013aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置909の右方には、ゲート9032が設けられている。ゲート9032を通過した遊技球は、ゲートスイッチ9032aによって検出される。
ゲート9032の上方には、右打ちされた遊技球の流下経路を形成する釘群55が、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として設けられており、右打ちされた遊技球は左右に蛇行しながら流下するようになっている。釘群55が設けられていることにより、遊技球が発射されてから後述する第2始動入賞口9014および特殊入賞口9024へ至るまで少なくとも1.0秒を要するようになっている。
ゲート9032の下方には、作動ゲート9017が設けられている。作動ゲート9017を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ9017aによって検出される。
作動ゲート9017の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ9023aで検出される。第1カウントスイッチ9023aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置9020の下方には、小当り用の特殊入賞口9024を形成する特殊可変入賞球装置9022と、第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015とが設けられており、図9に示すように、左側に特殊可変入賞球装置9022が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置9015が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口9024や第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置9022は、第2特別図柄表示器908bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口9024を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置9015は、普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口9014を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図9に示すように、可変入賞球装置9015と比較して特殊可変入賞球装置9022の方が若干大きい。また、図9に示すように、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置9020に入賞することなく遊技領域907を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置9015の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置9015の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口9014が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞し、特殊可変入賞球装置9022の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口9014が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置9015の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置9022の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置9022の底面部材が後退移動されて特殊入賞口9024が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口9024に入賞する。さらに、特殊入賞口9024も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置9022の底面部材の上を移動して、そのままアウト口9026の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、特殊可変入賞球装置9022が左側に配置され、可変入賞球装置9015が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置9015の方から特殊可変入賞球装置9022の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置9015の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置9022の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口9024内には、特殊入賞口9024内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ9025a、図13参照)が設けられている。第2カウントスイッチ9025aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置9022において開状態となった特殊入賞口9024を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口9013aや第2始動入賞口9013bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置9022が開放制御されて特殊入賞口9024が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置9022が閉鎖制御されて特殊入賞口9024が閉状態となれば、特殊入賞口9024に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口9014内には、第2始動入賞口9014内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ9014aが設けられている。第2始動口スイッチ9014aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート9032、作動ゲート9017、特別可変入賞球装置9020(大入賞口)、可変入賞球装置9015(第2始動入賞口9014)、および特殊可変入賞球装置9022(特殊入賞口9024)が遊技領域907の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域907の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、例えば、演出表示装置909において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置909の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器9010は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器9010は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤906の遊技領域907の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ9025が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028bおよび右枠ランプ9028cが設けられている。また、左枠ランプ9028bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ9051が設けられ、右枠ランプ9028cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ9052が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル905を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示部908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示部909aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示部908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部909bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置9020が開放される。特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置9020の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置9020の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、例えば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば6ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置9022が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。なお、この実施の形態では、小当り遊技状態とは、大当り遊技状態と比較すると有利度が低い(本例では、獲得できる出玉が少ない)ものの遊技者にとって有利な遊技状態であり、小当り遊技状態の前と後とで遊技状態が他の遊技状態に遷移しないものである。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置9022が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置9015が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時には大当りとなる場合以外には全て小当りになるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域907の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口9013への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(例えば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域907の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口9014への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する(後述するステップS902208B,S902209B参照)。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、一部の遊技者が通常状態にて積極的に右打ちにて遊技を行う可能性があり、本来の遊技性が損なわれてしまう。このことから、通常状態で右打ちして第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生したとしても、第1KT状態にしか移行しないようにすることによるペナルティを科すことにより、通常状態での積極的な右打ち遊技を抑制することができる。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器908aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部909cでは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部909cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部909cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部909cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部909cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部909cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図10〜図12は、特殊可変入賞球装置9022を示す図である。以下では、図10〜図12を参照して特殊可変入賞球装置9022について説明する。なお、この実施の形態については、図10〜図12を用いて特殊可変入賞球装置9022の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置9022よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置9015の構造も特殊可変入賞球装置9022の構造と同様である。
図10〜図12に示すように、特殊可変入賞球装置9022は、左右方向に長い矩形板状のベース板部90101を備えている。特殊可変入賞球装置9022は、このベース板部90101が遊技領域907に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域907に固定支持される。ベース板部90101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口9024(可変入賞球装置9015の場合は第2始動入賞口9014)が形成されるとともに、ベース板部90101における特殊入賞口9024よりも上方の位置には、底面部材9023が後退移動した際に、底面部材9023を遊技領域907の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔90102が形成されている。なお、本実施形態において特殊入賞口9024は詳しくは、ベース板部90101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材9023は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔90102は、底面部材9023の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材9023は、図11に示す前進移動された状態と、図12に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部90101の背面側(後方)には、底面部材9023を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図10〜図12に戻り、ベース板部90101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部90112が形成されており、この流路形成台部90112の上部には、前進移動した状態の底面部材9023の上方側端部(右端部)である上流領域9023Uと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部90113と、底面部材9023の下方側端部(左端部)である下流領域9023Lと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部90114とが形成されている。
また、流路形成台部90112の上部には、上流側流路部90113および下流側流路部90114の底面部材9023側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口9024を左右および下方から囲うようにして、底面部材9023の下方に落下した遊技球を特殊入賞口9024に案内する案内流路部90115が形成されている。
上流側流路部90113および下流側流路部90114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部90115の底部は、特殊入賞口9024側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口9024の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部90115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口9024側(遊技領域907の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部90116が配設されている。
またさらに、流路形成台部90112の前部(遊技者側)には、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆う被覆部90117が一体に形成されている。この被覆部90117は、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠904側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部90117が流路形成台部90112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置9022では、ベース板部90101と被覆部90117との間において、上流側流路部90113、底面部材9023、および下流側流路部90114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部90101および被覆部90117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片90118が形成されている。
本実施形態において、規制片90118は、ベース板部90101および被覆部90117に一体形成され、ベース板部90101から前方に突出する、または被覆部90117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片90118がない場合よりも遅延させる。これら規制片90118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部90101および被覆部90117に交互に形成されている。また、規制片90118は、底面部材9023の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部90117のうちの上流側流路部90113を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されるとともに、被覆部90117のうちの下流側流路部90114を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されている。また、ベース板部90101および被覆部90117のうちの底面部材9023を覆う部位には、ベース板部90101および被覆部90117に交互に形成された規制片90118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片90118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片90118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部90117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片90118の配置により、図11を参照し、本実施形態の特殊可変入賞球装置9022(および同様に構成された可変入賞球装置9015)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)を基本的に通過する。一方で、図12を参照し、底面部材9023が後退移動した特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部90112の案内流路部90115に落下することが可能となり、この案内流路部90115を流下して、特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞することが可能となる。
図13は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図13には、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載され、特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021、特殊可変入賞球装置9022を開閉するソレノイド90106、および可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド90206を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板9031に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ90560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。なお、主基板9031には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部909cと、図柄保留記憶表示部9018cとの表示制御を行う。
図14は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図14に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90202および入力ポート90203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90209に、演出表示装置909の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90202に入力する。入力ドライバ90202は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図14には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図13に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90205を介してランプドライバ基板9035に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90201は、入出力ポート204を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ90351を介してランプドライバ90352に入力される。ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028b、右枠ランプ9028cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ9025に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022内に特殊入賞口ランプ9024aが設けられており、ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ9024aに供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入出力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU90201とランプドライバ基板9035および音声出力基板9070との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU90201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置909に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU90201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP90209に出力する。VDP90209は、演出制御用CPU90201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置909の表示制御を行うVDP90209が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90209は、演出制御用マイクロコンピュータ90200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90209は、VRAM内の画像データを演出表示装置909に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図14に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など)を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070やランプドライバ基板9035にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図15は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS904)。なお、割込みモード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理を実行する(ステップS9010〜ステップS9015)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS908)。ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9091)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9092)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9091およびS9092の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9093)、その内容に従って演出制御基板9080に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS9094)。そして、ステップS9015に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9013)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS9014)。初期化コマンドとして、演出表示装置909に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図16に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bについては、ステップS9032で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
図17は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1’:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2’:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5’:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6’:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7’:ランダム1’の初期値を決定する(ランダム1’初期値決定用)
(6)ランダム8’:ランダム6’の初期値を決定する(ランダム6’初期値決定用)
図16に示された遊技制御処理におけるステップS9023では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2’)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器908aや特別可変入賞球装置9020を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器908bや特別可変入賞球装置9020、特殊可変入賞球装置9022を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU9056は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9026C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器9010や可変入賞球装置9015を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU9056は、保留記憶処理を行う(ステップS9027a)。保留記憶処理では、CPU9056は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU9056は、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、例えば、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013aまたは第2始動口スイッチ9014aからの検出信号を入力した場合には、賞球数1個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。また、例えば、CPU9056は、第1カウントスイッチ9023aまたは第2カウントスイッチ9025aからの検出信号を入力した場合には、賞球数15個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口9024に遊技球が入賞して第2カウントスイッチ9025aで検出されても、後述する賞球増加表示の表示や入賞演出が直ちに実行されず遅れて実行される場合があるのであるが、賞球の払い出しに関しては、ステップS9030の賞球処理において、第2カウントスイッチ9025aからの検出信号を入力した場合には、直ちに賞球数15個を指定する払出制御コマンドが出力され、払出制御用マイクロコンピュータによって球払出装置9097が駆動されて直ちに15個の賞球が払い出される。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9032)。CPU9056は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9033)。CPU9056は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU9056は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図18(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1’と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図18(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図18(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図18(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図18(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、図18(B)に記載されている各数値が設定されている。また、図18(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、この実施の形態では、後述するように、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ小当り決定処理(ステップS90162B参照)が行われて小当りとなる場合があるとともに、既に説明したように、KT状態では右打ち操作されることから第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなっている。従って、この実施の形態では、KT状態において、大当り遊技状態よりも小当り遊技状態に制御される頻度が高くなっている。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1’)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図18(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図18(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図18(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図18(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。この実施の形態では、図18(B)に示すように、小当りになる確率(割合)は、122/487となるように設定されており、概ね1/4程度となるように設定されている。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図18(B)に示す小当り判定テーブルを用いた抽選処理を行い、概ね1/4程度の確率で小当りとすることに決定される(ただし、後述するように、強制はずれとされる場合がある)。
図19は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブル90131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル90131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2’)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図19(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図19(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される。後述するステップS902207A,S902208A,S902207B,S902210B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある(後述するステップS902208B,S902209B参照)。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS902210A,S902211A,S902212B,S902213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS902212A参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS902213A,S902010〜S902013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS902015参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS902212B,S902213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS902015参照)。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS902214B参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS902215B,S902010〜S902013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS902015参照)。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図20〜図22は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図20〜図22に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図20〜図22に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#01〜#29の29種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=01〜07または01〜29)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図20(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図20(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図20(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図20(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図21(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図21(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#01〜#03のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、小当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#03が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口9024への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図21(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図21(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口9024への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図21(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図21(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#04〜#06のいずれかに決定される。
なお、図21(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#04に決定される。また、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#05(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置9015の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置9022内の特殊入賞口9024には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口9024に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御して特殊入賞口9024への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図21(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図21(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#07〜#11のいずれかに決定される。また、図21(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#07に決定される場合がある。また、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#09に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれや小当りと決定し、第2変動パターン#08や第2変動パターン#10にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置909における背景図柄の変動表示において、リーチ演出や滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図21(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図21(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#12〜#14のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、例えば、演出表示装置909において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図21(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目としてはずれや小当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示を伴う第2変動パターン#12や第2変動パターン#13に決定される。また、図21(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#14に決定される。
なお、この実施の形態では、図20に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が1分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、1分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図22(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図22(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#15〜#19のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図22(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#15に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#17)に決定される場合がある。また、図22(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#19が決定される。また、図22(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#16や第2変動パターン#18が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図22(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図22(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#20〜#24のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図22(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#20に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#22に決定される場合がある。また、図22(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#24が決定される。また、図22(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#21や第2変動パターン#23が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図22(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図22(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#25〜#29のいずれかに決定される。
なお、図22(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#25に決定される場合がある。また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#27に決定される。また、図22(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#26に決定される場合がある。また、図22(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#28に決定される場合がある。また、図22(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#29が決定される。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置909において背景図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#04,#07,#09,#15,#20,#22,#25,#27の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、例えば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。例えば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図21および図22に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、変動パターンの決定割合の具体例について説明する。図23は、図22(I)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブル[高確率/第2KT時]における特別図柄および飾り図柄の変動パターンの決定割合を示す説明図である。なお、図22(I)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブル[高確率/第2KT時]には、変動パターンごとに判定値が割り振られているが、図23に示す例では、割り当てられている判定値の割合(すなわち、変動パターンごとの決定割合)が示されている。
図23に示すように、この実施の形態では、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、70%の割合で短縮変動の第2変動パターン#25に決定され、30%の割合で継続演出を含む第2変動パターン#26に決定される。また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、95%の割合で短縮変動の第2変動パターン#27に決定され、5%の割合で継続演出を含む第2変動パターン#28には決定される。また、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、100%の割合で第2変動パターン#29に決定される。
また、図23に示すように、この実施の形態では、第2KT状態において、表示結果が大当りとならない第2特別図柄の変動表示を、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)と、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)とにより実行可能である。
KT状態において、比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、その間、遊技者が発射操作を停止することが考えられる。他方、この実施の形態では、小当りが発生すると、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされるが、釘群55が設けられていることにより、遊技球が発射されてから特殊可変入賞球装置9022へ至るまで少なくとも1.0秒を要するように構成されている。つまり、小当りが発生した後(具体的には、小当り図柄が導出表示された後や、小当りの発生が報知された後)に遊技球を発射しても、特殊入賞口9024に入賞させられないように構成されている。すると、比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示の後に小当りが発生しても、特殊入賞口9024に入賞させることができず、演出効果を高めることができないどころか、却って興趣を低下させてしまうおそれがある。
そこで、この実施の形態では、図23に示すように、KT状態(ここでは第2KT状態)において、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)により変動表示が実行された後に小当りが発生する割合は、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行された後に小当りが発生する割合よりも低くなるように判定値が割り当てられている。このような構成により、小当りが発生しても特殊入賞口9024に入賞させることができず、却って興趣を低下させてしまう事態が生じることを抑制し、演出効果を高めることができる。
なお、図23に示す例では、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合に、5%の割合で比較的変動時間が長い第2変動パターン#28に決定されるように構成されているが、決定されないようにしていてもよい。すなわち、第2変動パターン#28を設けない、または第2変動パターン#28に判定値を割り当てないようにして、KT状態(ここでは第2KT状態)において、比較的変動時間が長い変動パターンにより変動表示が実行された後にも小当りが発生しないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)に比べて、変動時間が長い変動パターンとして、継続演出を含む第2変動パターン#26,#28が設けられているが、このような構成に代えて、または加えて、継続演出以外の演出(例えば、表示結果がはずれのときと、小当りのときと、大当りのときとで共通して実行されるリーチ演出など)を含む変動パターンを設けるようにしてもよい。
例えば、短縮変動に比べて変動時間が長い変動パターンであって、所定のリーチ演出が実行された後にはずれとなる変動パターンと、所定のリーチ演出が実行された後に小当りとなる変動パターンと、所定のリーチ演出が実行された後に大当りとなる変動パターンとが設けるようにしてもよい。この場合にも、所定のリーチ演出が実行される変動パターンにより変動表示が実行された後に小当りが発生する割合は、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行された後に小当りが発生する割合よりも低くなるように判定値が割り当てられていることが望ましい。また、所定のリーチ演出が実行された後に大当りとならなかった場合には、小当りよりもはずれとなる割合が高くなるようにすることが望ましい。
また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合に、変動時間が異なる3以上の変動パターンからいずれかを選択可能とし、変動時間が短い変動パターンから順に選択する割合を高くするようにしてもよい。例えば、表示結果がはずれのときと、小当りのときと、大当りのときとでそれぞれ、第1リーチ演出を含む変動パターン(変動時間10秒)、第2リーチ演出を含む変動パターン(変動時間20秒)および第3リーチ演出を含む変動パターン(変動時間30秒)を設け、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1リーチ演出を含む変動パターン(変動時間10秒)>第2リーチ演出を含む変動パターン(変動時間20秒)>第3リーチ演出を含む変動パターン(変動時間30秒)の順に、選択する割合を高くするようにしてもよい。また、第3リーチ演出を含む変動パターン(変動時間30秒)>第2リーチ演出を含む変動パターン(変動時間20秒)>第1リーチ演出を含む変動パターン(変動時間10秒)の順に、表示結果が大当りとならなかった場合には、小当りよりもはずれとなる割合を高くするようにしてもよい。このような構成により、小当りが発生しても特殊入賞口9024に入賞させることができず、却って興趣を低下させてしまう事態が生じることを抑制し、演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、第2KT状態において、比較的変動時間が長い変動パターンにより変動表示が実行された後には小当りが発生する割合が低い(または発生しない)ように構成されているが、第1KT状態においても、比較的変動時間が長い変動パターンにより変動表示が実行された後には小当りが発生する割合が低い(または発生しない)ようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として釘群55を設けるとともに、小当り遊技における特殊可変入賞球装置9022の開放期間を0.8秒間に設定することにより、小当りが発生した後(具体的には、小当り図柄が導出表示された後や、小当りの発生が報知された後)に遊技球を発射しても、特殊入賞口9024に入賞させられないようになっているが、いずれか一方の構成のみにより実現してもよいし、釘群55が設けられていなくても、特殊入賞口9024を、遊技球が到達するまでに所定期間(例えば、開放期間よりも長い1.0秒)以上かかる位置に配置することにより実現してもよい。
また、KT状態中である場合に、遊技者に対して遊技領域907の右方を狙って遊技球の発射操作を促す右打ち報知(例えば、演出表示装置909において「右打ち」の文字表示や右方向を示す矢印表示等を表示する)を行うように構成する場合には、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行されているときと、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)により変動表示が実行されているときとで、異なる態様により右打ち報知を実行可能としてもよい。例えば、KT状態において、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)により変動表示が実行されているときには、小当りが発生する割合が低く、右打ち操作を停止しても遊技者に不利益となることが少ないため、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行されているときよりも、「右打ち」の文字表示や、右方向を示す矢印表示等を縮小したり、透明化したりして表示し、積極的に右打ちを促さないようにしてもよい。このように構成することにより、状況に応じた好適な右打ち報知を実行することができる。
次に、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図24は、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図24(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示し、図24(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示している。
まず、図24(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図24(1)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図24(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図24(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置9015が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図24(1)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図24(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置9022の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口9024に遊技球が入賞することは極めて稀である(例えば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図24(1)に示すように、可変入賞球装置9015の開放を終了した後、次の可変入賞球装置9015の開放を行えるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図24(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図24(2)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図24(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図24(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置9015が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図24(2)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置9015の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図24(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が進入しやすく特殊入賞口9024に遊技球が入賞しやすい。例えば、この実施の形態では、大当り遊技状態では1ラウンドあたり遊技球が最大で10球入賞可能であるのと比較すると遊技球の入賞頻度が低いものの、第2KT状態では1回の小当り遊技中に1〜3個程度遊技球が入賞することが可能である。
なお、この実施の形態において、「入賞頻度」とは、例えば、遊技領域907に発射した遊技球数に対して大入賞口や特殊入賞口9024への遊技球の入賞割合を示している。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置9015を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)によって普通図柄プロセス処理(ステップS9026C参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS9026Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(例えば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、可変入賞球装置9015を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口9024への入賞を抑制することができる。
また、例えば、可変入賞球装置9015の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図24(1)に示すような可変入賞球装置9015を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図24(2)に示す可変入賞球装置9015を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。つまり、第1KT状態でのみ特殊フラグをセットし、大当り遊技状態を含む他の状態では、特殊フラグをセットしないように制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置9015の開放時間を短くしてもよい。例えば、低確率/第1KT状態の100回の特別図柄の短縮変動期間のうち、99回目の特別図柄の変動停止に応じて、前述の特殊フラグを消去するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行うときに、可変入賞球装置9015がロング開放していることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記のように、可変入賞球装置9015の開放制御用のフラグ(特殊フラグ)を用いて可変入賞球装置9015を構成する場合、さらに、特別図柄の変動表示の短縮変動用のフラグを用いて特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよく、この場合、特殊フラグと短縮変動用のフラグとを別々に管理して制御を行うように構成してもよい。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置9015をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置9015の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置9015に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、釘群55が設けられていることにより、遊技球が発射されてから後述する第2始動入賞口9014および特殊入賞口9024へ至るまで少なくとも1.0秒を要するようになっているとともに、図24に示すように、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置9015が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート9032を通過した遊技球が可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022に到達するまでに可変入賞球装置9015が開放せず、特殊入賞口9024の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、釘群55を設けるとともに、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート9032を通過してから可変入賞球装置9015に到達する前に可変入賞球装置9015の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
なお、この実施の形態では、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除するために、釘群55を設けるとともに、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されているが、いずれか一方の構成のみにより攻略要素を排除するようにしてもよい。また、このような構成に代えて、または加えて、可変入賞球装置9015や特殊入賞口9024の位置や形状、開放パターンにより攻略要素を排除するようにしてもよい。例えば、小当り発生後に発射した遊技球が可変入賞球装置9015や特殊入賞口9024に到達するまでの期間が、小当りによる特殊入賞口9024の開放期間よりも長くなるように、特殊入賞口9024の位置や形状、開放パターンが定められていてもよい。
図25および図26は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図25に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図28参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別を判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できる。
この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。例えば、後述する入賞時判定処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「16R確変大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「6R確変大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「6R通常大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「2R確変大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「2R通常大当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「06(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU9056は、EXTデータに「07(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄7指定コマンド)を送信する。
なお、この実施の形態の構成に加えて、入賞時判定処理において、変動パターン判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定し、判定結果(変動パターンの判定結果)を示すコマンドを送信するようにしてもよい。このように構成することにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、変動パターンを認識することができる。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ表示指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)は、主基板9031に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ90560から上述した演出制御コマンドを受信すると図25および図26に示された内容に応じて第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示状態や背景図柄表示部909cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。なお、図25および図26に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板9031から演出制御基板9080に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板9031から演出制御基板9080に送信される。
図27は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS9026A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aおよび特別可変入賞球装置9020を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤906に設けられている第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口9013に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90312)。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS90300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS90301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS90303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS90304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304Aに対応した値(この例では8)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS9036)において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1ゲート通過待ち処理(ステップS90304A):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第1ゲート通過待ち処理では、作動ゲート9017への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート9017への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS90305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS90306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS90307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図28は、ステップS90312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS90212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS90213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS90214)。次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図29参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS90215)。なお、ステップS90215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1’)、大当り種別判定用乱数(ランダム2’)および変動パターン判定用乱数(ランダム5’)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5’)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5’)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図29は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図29に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1’)、大当り種別判定用乱数(ランダム2’)、変動パターン決定用乱数(ランダム5’)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。
次いで、CPU9056は、入賞時判定処理を実行し(ステップS90216)、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS90217)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動表示を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定するのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口9013や第2始動入賞口9014に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別を確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に表示結果を予測し、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって先読み予告演出を実行することができる。
入賞時演出処理では、例えば、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダム1’)と図18(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。一致しない場合には、確変フラグがセットされていれば、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダム1’)と図18(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。なお、始動入賞時にステップS90216で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時の遊技状態と変動開始時の遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS90216)。
この実施の形態では、ステップS90216〜S90218の処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生して入賞時判定処理を実行したときに、図柄指定コマンドおよび第1有効始動入賞指定コマンドの2つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図30は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS90300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS90300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS90300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(特別可変入賞球装置9020を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS9050A)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU90560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS9051A)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS9052A)。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、RAM9055の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS9053A)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9054A)。すなわち、RAM9055の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する(ステップS9060A)。具体的に、確変フラグ、第1KTフラグ、および第2KTフラグがオフである場合には低確率/非KT状態であると判定して低確/非KT背景指定コマンドを、確変フラグがオフで第1KTフラグがオンである場合には低確率/第1KT状態であると判定して低確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第1KTフラグがオンである場合には高確率/第1KT状態であると判定して高確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第2KTフラグがオンである場合には高確率/第2KT状態であると判定して高確/第2KT背景指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS9063A)。具体的に、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされている場合には第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。第2特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS9064A以降の処理を行うことなくステップS9068Aへ移行する。これにより、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS9063Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1’)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS9065Aへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1’)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS9063Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS9064A〜S90161Aの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1’)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第2特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1’)を読み出し(ステップS9064A)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS9065A)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9066A)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグをセットする(ステップS9067A)。そして、ランダム2’にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、および6R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS90160A)、大当り種別を記憶し(ステップS90161A)、ステップS9068Aへ移行する。また、ステップS9066Aにおいて大当りとしない場合(すなわち、はずれとする場合)、ステップS9068Aへ移行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全てはずれと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、低い確率で小当りと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS9068Aにおいて、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS9068A)。なお、図示は省略したが、ステップS9068Aの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS9065Aでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図31は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS90302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、遊技状態に応じて図20(A)〜(B)に示すいずれかの変動パターンテーブルを選択する(ステップS90201)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS90201にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5’)とにもとづいて、図20に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS901700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS901701)。
また、ステップS901700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS901702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器908aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS901703)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS901706)
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、大当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して送信する制御を行う。
図32は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS90303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU9056は、まず、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS901121A)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS901122A)、演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901123A)。そして、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901124A)。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU9056は、第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS901125A)。なお、第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU9056は、ステップS901123Aに移行して演出制御用マイクロコンピュータ90200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901123A)とともに、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901124A)。
ステップS901125Aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第1特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90200側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS90302で送信された表示結果1指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、図27に示す第1特別図柄プロセス処理および図36に示す第2特別図柄プロセス処理において、タイマ割込ごとに、それぞれ第1始動口スイッチ通過処理(ステップS90312参照)および第2始動口スイッチ通過処理(ステップS90322参照)が実行されるので、第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の停止表示中であっても、新たな始動入賞が発生した場合には新たな保留記憶を記憶するように構成されている。
第2特別図柄表示器908bにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS901125AのN)、そのまま処理を終了する。
図33は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU9056は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS902010)、「0」である場合、すなわち、低確率/第1KT状態でない場合、ステップS902014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、低確率/第1KT状態である場合、CPU9056は、KT回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS902011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS902012)。KT回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS902014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、低確率/第1KT状態の100回目の変動が終了した場合、CPU9056は、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをリセットし(ステップS902013)、ステップS902014へ移行する。これにより、低確率/第1KT状態において100回の変動が終了した場合に第1KT状態が終了する(低確率/非KT状態に移行する)こととなる。
ステップS902014において、CPU9056は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS902014)。第1大当りフラグがセットされている場合、CPU9056は、セットされていれば、確変フラグ、第1KTフラグ、第2KTフラグ、KT回数カウンタをリセットする(ステップS902015)。
次いで、CPU9056は、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS902017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS902018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS902019)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1ゲート通過待ち処理に対応した値に設定する(ステップS902020)。
図34は、特別図柄プロセス処理における第1ゲート通過待ち処理(ステップS90304A)を示すフローチャートである。第1ゲート通過待ち処理において、CPU9056は、作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS902501)。作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力していなければ、そのまま処理を終了する。作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を入力していれば、CPU9056は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS902502)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に対応した値に設定する(ステップS902503)。
この実施の形態では、第1ゲート通過待ち処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート9017を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ9017aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。
図35は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS90307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS902200A)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS902204Aに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS902201A)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS902202A)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS902203A)、処理を終了する。
ステップS902204Aでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS902204A)。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS902205A)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS902205AのY)、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902206A)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS90161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902207A)とともに、第2KT状態であることを示す第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS902208A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
16R確変大当りでなければ、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902209A)。なお、6R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS90161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902210A)とともに、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902211A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
6R確変大当りでもなければ(すなわち、6R通常大当りであれば)、CPU9056は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902212A)。また、CPU9056は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS902213A)。そして、ステップS902214Aに移行する。
そして、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS902214A)。
図36は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS9026B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器908b、特別可変入賞球装置9020、および特殊可変入賞球装置9022を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤906に設けられている第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口9014に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90322)。なお、図28に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90350〜S90360のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90350〜S90360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS90350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。また、大当りとしない場合には、第2特別図柄の可変表示の表示結果を小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS90353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90354Aに対応した値(この例では11)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(はずれとした場合(強制はずれとしば場合を含む))には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS90354A):第2特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。第2ゲート通過待ち処理では、作動ゲート9017への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート9017への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS90355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS90356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS90357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS90358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置9022を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特殊入賞口9024に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド90106を駆動して特殊可変入賞球装置9022を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS90359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置9022の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022の開放時間0.8秒(図24参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ9025aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS90360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。
図37は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS90350)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS90350を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS90350を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技(特別可変入賞球装置9020を所定回開放)中でも小当り遊技中(特殊可変入賞球装置9022を開放)中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、まず、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS9050B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU90560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS9051B)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御を行う(ステップS9052B)。
第2保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、RAM9055の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の第2乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS9053B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9054B)。すなわち、RAM9055の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する(ステップS9060B)。なお、具体的な背景指定コマンドの送信の仕方は、第1特別図柄通常処理のステップS9060Aで示した処理と同様である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS9063B)。具体的に、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄の大当り変動中であると判定する。第1特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS9064B以降の処理を行うことなくステップS9068Bへ移行する。これにより、第1特別図柄の大当り変動中に第2特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS9063Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1’)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS9065Bへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1’)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS9063Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS9064B〜S90161Bの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1’)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第1特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1’)を読み出し(ステップS9064B)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS9065B)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9066B)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグをセットする(ステップS9067B)。そして、ランダム2’にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS90160B)、大当り種別を記憶し(ステップS90161B)、ステップS9068Bへ移行する。
また、ステップS9066Bにおいて大当りとしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、小当り判定モジュールを実行する(ステップS90162B)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数(小当り判定用の乱数でもよい)が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。小当りとすることに決定した場合には(ステップS90163B)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて小当りとなることを示す小当りフラグをセットする(ステップS90164B)。そして、ステップS9068Bへ移行する。
そして、ステップS9068Bにおいて、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS9068B)。なお、図示は省略したが、ステップS9068Bの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS9065Bでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351)は、図31に示した第1変動パターン設定処理(ステップS90301)と同様である。すなわち、図31に示す第1変動パターン設定処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2変動パターン処理が説明されたことになる。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352)では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、大当りとするか否か、小当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド、表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して送信する制御を行う。
第2特別図柄変動中処理(ステップS90353)は、図32に示した第1特別図柄変動中処理(ステップS90303)と同様である。すなわち、図32に示す第1特別図柄変動中処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2特別図柄変動中処理が説明されたことになる。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354)では、概ね図33に示した第1特別図柄停止処理(ステップS90304)と同様の処理が実行される。すなわち、図33に示す第1特別図柄停止処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、概ね第2特別図柄停止処理が説明されたことになる。ただし、第2特別図柄停止処理では、小当りフラグがセットされていれば、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第2小当り開放前処理(ステップS90358)に対応した値に設定する。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS90354A)は、図34に示した第1ゲート通過待ち処理(ステップS90304A)と同様である。すなわち、図34に示す第1ゲート通過待ち処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2ゲート通過待ち処理が説明されたことになる。
図38は、特別図柄プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS90357)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS902200B)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS902204Bに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当りフラグをリセットし(ステップS902201B)、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS902202B)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS902203B)、処理を終了する。
ステップS902204Bでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS902204B)。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS902205B)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS902205BのY)、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902206B)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS90161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902207B)する。次いで、CPU9056は、今回の大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かを確認する(ステップS902208B)。なお、大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かは、例えば、大当り遊技を開始する前の第2特別図柄停止処理において、大当り開始前に第1KT状態であったことを示す第1KT記憶フラグや第2KT状態であったことを示す第2KT記憶フラグをセットしておき、ステップS902208Bでは、これら第1KT記憶フラグまたは第2KT記憶フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。大当り開始前に第1KT状態でも第2KT状態でもなかった場合には、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902209B)。大当り開始前に第1KT状態または第2KT状態であった場合には、第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS902210B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
ステップS902208B〜S902210Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、既に説明したように、この実施の形態では、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行って第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。
16R確変大当りでなければ、CPU9056は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS902211B)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS90161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば、CPU9056は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS902212B)とともに、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902213B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、2R通常大当りであれば)、CPU9056は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS902214B)。また、CPU9056は、KT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS902215B)。そして、ステップS902216Bに移行する。
そして、CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS90350)に対応した値に更新する(ステップS902216B)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図39は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。その後、演出制御用CPU90201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90201は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS90704)。次いで、演出制御用CPU90201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部909aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部909bの表示制御を実行する。また、背景図柄表示部909cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS90706)。また、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に獲得した賞球数を示す賞球数表示の表示を制御する賞球数表示処理を実行する(ステップS90707)。また、図柄保留記憶表示部9018cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS90708)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90709)。その後、ステップS90702に移行する。
図40〜図42は、コマンド解析処理(ステップS90704)の具体例を示すフローチャートである。主基板9031から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU90201は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU90201は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS90611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU90201は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS90612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS90613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS90614)、演出制御用CPU90201は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS90615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS90616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS90617)、演出制御用CPU90201は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS90618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS90619)、演出制御用CPU90201は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS90621)、演出制御用CPU90201は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90622)。なお、この実施の形態では、ステップS90622でセットされる第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS90623)、演出制御用CPU90201は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90624)。なお、この実施の形態では、ステップS90624でセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS90625)、演出制御用CPU90201は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90626)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS90627)、演出制御用CPU90201は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS90628)。
受信した演出制御コマンドが低確/非KT背景指定であれば(ステップS90630)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を低確率/非KT状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90631)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第1KT状態であることを示す第1KT状態フラグをリセットする(ステップS90632)。また、演出制御用CPU90201は、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に獲得した賞球数をカウントするための賞球数カウンタをリセットする(ステップS90633)とともに、演出表示装置909において賞球数表示が表示されていれば、賞球数表示を消去する制御を行う(ステップS90634)。
受信した演出制御コマンドが低確/第1KT背景指定であれば(ステップS90635)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を低確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90636)。また、演出制御用CPU90201は、第1KT状態フラグをセットする(ステップS90637)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、第2KT状態であることを示す第2KT状態フラグをリセットする(ステップS90638)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行う(ステップS90639)。例えば、演出表示装置909の表示画面の右上端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第1KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
受信した演出制御コマンドが高確/第1KT背景指定であれば(ステップS90640)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を高確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90641)。また、演出制御用CPU90201は、確変状態フラグおよび第1KT状態フラグをセットする(ステップS90642)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第2KT状態フラグをリセットする(ステップS90643)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行う(ステップS90644)。例えば、演出表示装置909の表示画面の右上端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第1KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
受信した演出制御コマンドが高確/第2KT背景指定であれば(ステップS90645)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909に表示する背景画面を高確率/第2KT状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS90646)。また、演出制御用CPU90201は、確変状態フラグおよび第2KT状態フラグをセットする(ステップS90647)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS90648)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行う(ステップS90649)。例えば、演出表示装置909の表示画面の中央付近において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第2KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第1KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
なお、この実施の形態では、ステップS90639,S90644,S90649の処理や、後述する背景図柄変動停止処理のステップS90979の処理が実行されることによって、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が行われるのであるが、ステップS90633,S90634の処理が実行されることによって、KT状態を終了し低確率/非KT状態に戻ったときに賞球数カウンタの値がリセットされる(0にクリアされる)とともに賞球数表示の表示が終了する。
また、この実施の形態では、ステップS90639,S90644の処理が実行されることによって第1KT状態では第1KTパターンによる賞球数表示が表示され、ステップS90649の処理が実行されることによって第2KT状態では第2KTパターンによる賞球数表示が表示される場合が示されているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態においては賞球数表示を表示しない(ステップS90639,S90644の処理を不要とする)ように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90650)、演出制御用CPU90201は、大入賞口への遊技球の入賞が発生したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90651)とともに、賞球数カウンタに15(大入賞口への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS90652)。
受信した演出制御コマンドが特殊賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS90653)、演出制御用CPU90201は、特殊入賞口9024への遊技球の入賞が発生したことを示す特殊入賞口入賞フラグをセットする(ステップS90654)とともに、賞球数カウンタに15(特殊入賞口9024への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS90655)。
なお、この実施の形態では、大入賞口に遊技球が入賞したときと特殊入賞口9024に遊技球が入賞したときとで賞球数が同じ15個である場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大入賞口に遊技球が入賞したときには賞球数を15個とする一方で、特殊入賞口9024に遊技球が入賞したときには賞球数を10個とするなど、賞球数を異ならせてもよい。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS90660)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において客待ちデモンストレーション表示を開始する制御を行う(ステップS90661)。また、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、前回の変動表示の表示結果が小当りであったことを示す前回小当りフラグをリセットする(ステップS90662)とともに、小当りが連続して発生した回数を示す小当り連続数カウンタを0にクリアする(ステップS90663)。
なお、この実施の形態では、後述するように、連続して小当りが発生した場合に連続小当り演出を実行可能に構成されているのであるが、ステップS90662,S90663の処理が実行されることによって、小当りとなる変動表示が実行された後、客待ちデモンストレーション表示が表示される状態となった場合には、その後に実行された変動表示が小当りとなる場合であっても連続小当り演出は実行されないように構成されている。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS90664)、演出制御用CPU90201は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS90665)。
受信した演出制御コマンドが第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンドであれば(ステップS90666)、演出制御用CPU90101は、受信した第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS90667)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS90670)。そして、ステップS90611に移行する。
図43は、図39に示す背景図柄プロセス処理(ステップS90706)を示すフローチャートである。背景図柄プロセス処理では、演出制御用CPU90201は、まず、保留連演出に関する制御を行う保留連演出制御処理を実行する(ステップ90900A)。次いで、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS90900〜S90908のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900):背景図柄の変動開始条件が成立したか否か判定し、背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄表示部909cにおいて変動が開始されるように制御する。背景図柄の変動開始条件は、コマンド解析処理でいずれかの変動パターンコマンドが受信されたことが確認された場合に成立する。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動開始処理(ステップS90901)に応じた値に更新する。
背景図柄変動開始処理(ステップS90901):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。また、受信している表示結果コマンドに応じて背景図柄の停止図柄を決定し、背景図柄の変動時間を設定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS90902)に対応した値に更新する。
背景図柄変動中処理(ステップS90902):背景図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS90903)に対応した値に更新する。なお、背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU90201は、背景図柄の変動時間を延長することがある。
背景図柄停止処理(ステップS90903):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)、大当り表示処理(ステップS90904)、または小当り中処理(ステップS90908)に対応した値に更新する。なお、大当り表示処理(ステップS90904)に対応した値に更新する場合には、第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、大当り表示処理(ステップS90904)に対応した値に更新する。また、小当り中処理(ステップS90908)に対応した値に更新する場合には、小当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、小当り中表示処理(ステップS90908)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS90904):大当り表示の制御を行う。そして、実際に大当り遊技が開始されたことを示すことになる大入賞口開放中表示コマンド(第1ラウンドに関する大入賞口開放中表示コマンド)を受信したら背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90905)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS90905):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS90906):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS90907):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンド(第1エンディング指定コマンド、第2エンディング指定コマンド)を受信したら、エンディング演出を実行する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する。
小当り中処理(ステップS90908):小当り遊技中の表示制御を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する。
図44は、保留連演出制御処理(ステップS90900A)を示すフローチャートである。この実施の形態では、大当り遊技が開始されるときに、現在記憶されている保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在すること、すなわち大当りが連続して実行されることを示唆する保留連演出を実行可能である。
保留連演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、大当り遊技の開始タイミングであるか否かを判断する(ステップS903501)。ステップS903501では、例えば、背景図柄プロセスフラグの値が、大当り表示処理(ステップS90904)であれば、大当り遊技の開始タイミングであると判断する。
大当り遊技の開始タイミングであれば(ステップS903501のY)、演出制御用CPU90201は、始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンドおよび有効始動入賞指定コマンド(第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンド)のセット)に、大当りを示すコマンドが含まれているか否かを確認する(ステップS903502)。
大当りを示すコマンドが含まれている場合には(ステップS903502のY)、演出制御用CPU90201は、大当りが連続して実行されることを報知する(ステップS903502a)。ステップS903502aでは、例えば、演出表示装置909において、「連続大当り確定」の文字表示が表示されることにより、現在記憶されている保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在すること、大当りが連続して実行されることが報知される。
なお、この実施の形態では、現在記憶されている第1特別図柄の変動表示に関する第1保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在する場合、または第2特別図柄の変動表示に関する第2保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在する場合に、大当りが連続して実行されることを報知可能に構成されているが、このような構成に限らず、例えば、第2保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在する場合にのみ、大当りが連続して実行されることを報知可能とし、第1保留記憶のうちに大当りとなる保留記憶が存在する場合には、大当りが連続して実行されることを報知しないように構成してもよい。また、特定の大当り(例えば、16R確変大当り)となる保留記憶が存在する場合にのみ、大当りが連続して実行されることを報知可能としてもよい。
次いで、演出制御用CPU90201は、保留連演出の実行中であることを示す保留連実行フラグをセットし(ステップS903503)、処理を終了する。
大当り遊技の開始タイミングでなければ(ステップS903501のN)、演出制御用CPU90201は、大当り遊技中のタイミングであるか否かを判断する(ステップS903504)。ステップS903504では、例えば、背景図柄プロセスフラグの値が、ラウンド中処理(ステップS90905)およびラウンド後処理(ステップS90906)のいずれかであれば、大当り遊技中のタイミングであると判断する。
大当り遊技中のタイミングであれば(ステップS903504のY)、演出制御用CPU90201は、保留連実行フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS903505)、セットされていなければ処理を終了する。保留連実行フラグがセットされていれば、演出制御用CPU90201は、大当り遊技において新たなラウンドが開始されたか否かを確認する(ステップS903506)。例えば、受信した大入賞口開放中表示コマンドの内容と、前回受信した大入賞口開放中表示コマンドの内容とを比較することにより確認することができる。新たなラウンドが開始されているときには、演出制御用CPU90201は、保留連演出中の通算ラウンド数をカウントする通算ランド数カウンタの値を1加算し、通算ランド数カウンタの値にもとづいて、演出表示装置909においてラウンド数を表示する制御を行う(ステップS903507,S903508)。その後、処理を終了する。
大当り遊技中のタイミングでなければ(ステップS903504のN)、演出制御用CPU90201は、大当り遊技の終了タイミングであるか否かを判断する(ステップS903509)。ステップS903509では、例えば、背景図柄プロセスフラグの値が、大当り終了演出処理(ステップS90907)であれば、大当り遊技の終了タイミングであると判断する。
大当り遊技の終了タイミングであれば(ステップS903504のY)、演出制御用CPU90201は、保留連実行フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS903510)、セットされていればそのまま処理を終了する。保留連実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、大当り遊技後の遊技状態を報知する(ステップS903511)。ステップS903511では、例えば、大当り遊技後に確変状態に制御される場合には、演出表示装置909において「確変突入」の文字表示等を表示し、KT状態に制御される場合には、演出表示装置909において「小当りタイム突入」の文字表示等を表示する。なお、図44に示す例では、大当り遊技の終了タイミングで大当り遊技後の遊技状態を報知しているが、例えば、大当り遊技の開始タイミングや実行中タイミングにおいて、「第2KT有り」の文字表示や「第2KT無し」の文字表示を表示することにより、報知を行うようにしてもよい。また、この場合にも、保留連演出を実行するときには報知を行わず、保留連演出を実行しないときのみ報知を行うようにしてもよい。
大当りを示すコマンドが含まれていない場合には(ステップS903502のN)、演出制御用CPU90201は、保留連実行フラグがセットされていればリセットし(ステップS903512)、通算ラウンド数カウンタの値もリセットする(ステップS903513)。
図44に示すように、この実施の形態では、ステップS903502〜S903503の処理により、保留連演出が実行されると、先の大当り遊技の開始時に、演出表示装置909において、「連続大当り確定」の文字表示が表示されることにより、大当りが連続して実行されることが報知される。また、ステップS903504〜S903508の処理により、保留連演出の実行中には、先の大当り遊技のラウンド数と後の大当り遊技のラウンド数とを通算したラウンド数が示され、一連の大当り遊技が実行されているように見せることができる。
また、ステップS903509〜S903511の処理により、保留連演出の実行中ではないときには、大当り遊技の終了後に制御される遊技状態(例えば、確変状態やKT状態)が報知されるが、保留連演出の実行中であるときには、それらの報知が行われない。このような構成により、大当り遊技が終了して通常の遊技が開始されるという印象を弱め、先の大当り遊技と後の大当り遊技とで一連の大当り遊技が実行されているように見せることができる。
また、詳細については後述するが、保留連演出の実行中であって保留連実行フラグがセットされているときには、先の大当り遊技の終了後、後の大当り遊技が開始されるまでの間に、小当りが発生しても、小当りに関連する演出(例えば、小当り報知や、賞球増加表示の表示、入賞演出、連続小当り演出など)の実行が制限される。このような構成により、大当り遊技が終了して通常の遊技が行われているという印象を弱め、先の大当り遊技と後の大当り遊技とで一連の大当り遊技が実行されているように見せることができる。
図45は、背景図柄変動開始処理(ステップS90901)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90201は、背景図柄の停止図柄を決定する(ステップS90920)。なお、この実施の形態では、表示結果1指定コマンドを受信した場合(はずれと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が全く不一致のはずれ図柄または左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果2指定コマンドを受信した場合(16R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が奇数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果3指定コマンドや表示結果5指定コマンドを受信した場合(6R確変大当りや2R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が偶数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果4指定コマンドや表示結果6指定コマンドを受信した場合(6R通常大当りや2R通常大当りと決定されている場合)には、左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄と同様の組み合わせを決定する。また、表示結果7指定コマンドを受信した場合(小当りと決定されている場合)には、小当り図柄(例えば、「135」)の背景図柄の組み合わせを決定する。
次いで、演出制御用CPU90201は、今回開始する変動表示が小当りとなるものであるか否かを確認する(ステップS90921a)。なお、今回開始する変動表示が小当りとなるものであるか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域(ステップS90618参照)に格納されている表示結果指定コマンドが小当りを示すものであるか否か(表示結果7指定コマンドが格納されているか否か)を確認することにより判定できる。
今回開始する変動表示が小当りとなるものであれば(ステップS90921aのY)、演出制御用CPU90201は、保留連実行フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS90921b)、セットされていれば、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じて、使用する背景図柄の変動パターンに応じた保留連時用のプロセステーブルを選択する(ステップS90921c)。そして、ステップS90932に移行する。ステップS90921cで選択される保留連時用のプロセステーブルは、小当りに関連する演出が実行されないように構成されている。このような構成により、保留連演出の実行中であって保留連実行フラグがセットされているときには、先の大当り遊技の終了後、後の大当り遊技が開始されるまでの間に、小当りが発生しても、小当りに関連する演出(例えば、小当り報知や、連続小当り演出など)の実行が制限されることになる。なお、この実施の形態では、保留連演出の実行中には、小当りに関連する演出の実行を禁止することにより制限しているが、例えば、目立たない(例えば、表示サイズが小さい、色が薄い等)態様で実行することにより制限してもよい。
保留連実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90922)。第2KT状態フラグがセットされていなければ(すなわち、第2KT状態でなければ)、ステップS90931に移行する。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態であれば)、演出制御用CPU90201は、前回小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90923)。前回小当りフラグがセットされていなければ(すなわち、前回実行された変動表示の表示結果が小当りでなかった場合であれば)、演出制御用CPU90201は、連続して小当りが発生したことを報知する連続小当り演出の有無および種類を決定するためのテーブルとして、前回非小当り用の連続小当り演出決定テーブルを選択する(ステップS90924)。一方、前回小当りフラグがセットされていれば(すなわち、前回実行された変動表示の表示結果が小当りであり、連続して小当りが発生した場合であれば)、演出制御用CPU90201は、連続小当り演出の有無および種類を決定するためのテーブルとして、小当りが連続して発生した回数をカウントするための小当り連続数カウンタの値に応じた連続小当り演出決定テーブルを選択する(ステップS90925)。
なお、この実施の形態では、ステップS90922の処理が実行されることによって、第2KT状態である場合にのみ連続小当り演出を実行可能に構成しているのであるが、そのような態様にかぎらず、例えば、第1KT状態および第2KT状態の両方において連続小当り演出を実行可能に構成してもよい。
そして、演出制御用CPU90201は、ステップS90924,S90925で選択した連続小当り演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、連続小当り演出の有無および種類を決定する(ステップS90926)。
図46は、連続小当り演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図46(A)は、ステップS90924で選択される前回非小当り用の連続小当り演出決定テーブルの具体例を示している。また、図46(B)は、ステップS90925で選択される連続小当り演出決定テーブルのうち、小当り連続数カウンタの値が1である場合(すなわち、今回開始される変動表示で連続して2回小当りが発生する場合)に選択される連続小当り演出決定テーブル(小当り連続数2回用)の具体例を示している。また、図46(C)は、ステップS90925で選択される連続小当り演出決定テーブルのうち、小当り連続数カウンタの値が2である場合(すなわち、今回開始される変動表示で連続して3回小当りが発生する場合)に選択される連続小当り演出決定テーブル(小当り連続数3回用)の具体例を示している。また、図46(D)は、ステップS90925で選択される連続小当り演出決定テーブルのうち、小当り連続数カウンタの値が3以上である場合(すなわち、今回開始される変動表示で連続して4回以上小当りが発生する場合)に選択される連続小当り演出決定テーブル(小当り連続数4回以上用)の具体例を示している。
図46に示すように、連続小当り演出決定テーブルには、連続小当りなし、連続小当り演出A、連続小当り演出B、および連続小当り演出Cに対して、それぞれ判定値が割り振られている。この実施の形態において、連続小当り演出Aは、例えば、演出表示装置909において所定のキャラクタAを登場させるとともに、キャラクタAのセリフとして「もう1回!」などの文字表示を表示する演出である。また、連続小当り演出Bは、例えば、演出表示装置909において所定のキャラクタBを登場させるとともに、キャラクタBのセリフとして「もう1回!」などの文字表示を表示する演出である。また、連続小当り演出Cは、例えば、演出表示装置909において所定のキャラクタCを登場させるとともに、キャラクタCのセリフとして「もう1回!」などの文字表示を表示する演出である。
なお、この実施の形態では、連続小当り演出の種類に応じてキャラクタの種類を異ならせる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、連続小当り演出の種類に応じて文字表示の種類を異ならせたり、文字表示の表示色を異ならせたりしてもよい。また、連続小当り演出として、装飾ランプ9025や枠ランプ28a〜28cを点灯させる演出を実行したり、スピーカ9027から演出音を出力する演出を実行したりしてもよく、連続小当り演出として様々な態様の演出が考えられる。
また、この実施の形態では、連続小当り演出A〜Cの3種類の連続小当り演出を実行可能に構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、4種類以上の連続小当り演出を実行可能に構成してもよいし、2種類のみの連続小当り演出を実行可能に構成してもよい。また、連続小当り演出の種類が1種類しかないように構成されていてもよい。
図46(A)に示すように、前回の変動表示が小当りでなかった場合(すなわち、連続して小当りが発生した場合でない場合)には、100%の割合で連続小当り演出なしに決定される。なお、この実施の形態では、前回の変動表示が小当りでなかった場合には、連続小当り演出を実行しないように構成されているのであるから、ステップS90923でNと判定した場合に、そのままステップS90931に移行するように構成してもよい。そのように構成すれば、前回非小当り用の連続小当り演出決定テーブルを不要とすることができる。
また、図46(B)に示すように、今回の変動表示で小当りが連続して2回発生する場合には、20%の割合で連続小当り演出なしに決定され、80%の割合で連続小当り演出Aを実行することに決定される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、低い割合で連続小当り演出Bや連続小当り演出Cを決定可能に構成してもよい。
また、図46(C)に示すように、今回の変動表示で小当りが連続して3回発生する場合には、20%の割合で連続小当り演出なしに決定され、30%の割合で連続小当り演出Aを実行することに決定され、50%の割合で連続小当り演出Bを実行することに決定される。すなわち、比較的高い割合で連続小当り演出Bが実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、低い割合で連続小当り演出Cを決定可能に構成してもよい。
また、図46(D)に示すように、今回の変動表示で小当りが連続して4回以上発生する場合には、20%の割合で連続小当り演出なしに決定され、10%の割合で連続小当り演出Aを実行することに決定され、20%の割合で連続小当り演出Bを実行することに決定され、50%の割合で連続小当り演出Cを実行することに決定される。すなわち、比較的高い割合で連続小当り演出Cが実行される。
なお、この実施の形態では、図46(B)に示すように連続2回目の小当り変動において既に連続小当り演出Aが実行されている割合が高いので、図46(C),(D)に示すように、連続3回目以上の小当り変動では連続小当り演出Aの実行割合が低くなるように設定している。また、図46(C)に示すように連続3回目の小当り変動において既に連続小当り演出Bが実行されている割合が高いので、図46(D)に示すように、連続4回目以上の小当り変動では連続小当り演出Bの実行割合が低くなるように設定している。そのように構成することによって、この実施の形態では、連続小当り演出として先に実行された種類の演出と同じ種類の演出が実行されにくくなり、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、図46に示す連続小当り演出決定テーブルの割り振りによって連続小当り演出として先に実行された種類の演出と同じ種類の演出が実行されにくくなるように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、連続小当り演出Aを実行した場合には連続小当り演出Aを実行済であることを示すフラグをセットするようにし、その後の変動表示で連続して小当りとなる場合には、そのフラグがセットされていれば、連続小当り演出A以外の種類の連続小当り演出を実行可能に構成するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、前回の変動表示が小当りである場合(連続して小当りが発生する場合)に図46(B)〜(D)に示す連続小当り演出決定テーブルを用いて抽選処理を実行することにより、連続小当り演出の有無および種類を決定するように構成する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、前回の変動表示が小当りである場合には、抽選処理を行うことなく、無条件で連続小当り演出を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図46に示すように、抽選処理により複数種類の連続小当り演出A〜Cから実行する連続小当り演出の種類を決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、小当りの連続回数に応じて固定的に連続小当り演出の種類を決定するように構成してもよい。例えば、連続2回目の小当りであれば固定的に連続小当り演出Aを決定し、連続3回目の小当りであれば固定的に連続小当り演出Bを決定し、連続4回目以上の小当りであれば固定的に連続小当り演出Cを決定するように構成してもよい。
連続小当り演出を実行することに決定した場合には(ステップS90927のY)、演出制御用CPU90201は、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じて、使用する背景図柄の変動パターンおよび決定した種類の連続小当り演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90928)。そして、ステップS90932に移行する。
この実施の形態では、ステップS90928で選択したプロセステーブルを用いて後述するステップS90933および背景図柄変動中処理のステップS90944の処理が実行することによって、背景図柄の変動表示中に演出表示装置909において連続小当り演出が実行される。
なお、この実施の形態では、第2KT状態中に第2特別図柄の変動表示にもとづいて小当りとなる場合には短縮変動の変動表示が行われる割合が高くなるように構成されている(本例では、図22(I),図23に示すように、第2KT状態中に小当りとなる場合には95%の割合で短縮変動の第2変動パターン#27に決定される)が、短縮変動以外の変動表示が行われる場合もある(本例では、比較的変動時間が長い(例えば、30秒)の第2変動パターン#28に決定される場合もある)。そこで、例えば、図45に示す背景図柄変動開始処理において、今回の変動表示が小当り変動であった場合に、さらに短縮変動の変動パターンであるか否かを判定するようにし、短縮変動の変動パターンである場合にのみステップS90922〜S90928の処理を実行して連続小当り演出を実行可能に構成することにより、連続小当り演出が実行される場合には必ず短縮変動の変動表示において実行されるように構成する。
今回開始する変動表示が小当りとなるものでなければ(ステップS90921aのN)、演出制御用CPU90201は、セットされていれば、前回小当りフラグをリセットする(ステップS90929)とともに、小当り連続数カウンタの値を0にクリアする(ステップS90930)。
ステップS90930で小当り連続数カウンタをクリアした後、第2KT状態フラグがセットされていなかった場合(ステップS90922のN)、または連続小当り演出を実行しないことに決定した場合(ステップS90927のN)には、演出制御用CPU90201は、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じて、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90931)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS90932)。次いで、演出制御用CPU90201は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置909、各種ランプ、スピーカ9027)の制御を実行する(ステップS90933)。例えば、背景図柄表示部909cにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP90209に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板9035に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ9027からの音声出力を行わせるために、音声出力基板9070に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、変動パターンにおいて継続演出の実行が指定されている場合(第2変動パターン#26,#28,#29の場合)には、ステップS90928,S90931で選択したプロセステーブルに従ってステップS90933および後述する背景図柄変動中処理のステップS90944の処理が実行されることによって背景図柄の変動表示中に継続演出が実行される。また、変動パターンにおいてバトル演出の実行が指定されている場合(第2変動パターン#16,#18,#19,#21,#23,#24,#29の場合)には、ステップS90928,S90931で選択したプロセステーブルに従ってステップS90933および後述する背景図柄変動中処理のステップS90944の処理が実行されることによって背景図柄の変動表示中にバトル演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU90201は、変動時間に応じた値を背景図柄変動時間タイマに設定して背景図柄変動時間タイマをスタートさせる(ステップS90934)。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動中処理(ステップS90902)に応じた値に更新する(ステップS90935)。
図47は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動中処理(ステップS90902)を示すフローチャートである。背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU90201は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS90940)、普通図柄変動時間タイマの値を1減算する(ステップS90941)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS90942)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS90943)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS90944)。
次いで、演出制御用CPU90201は、背景図柄変動時間延長処理を実行する(ステップS90950)。すなわち、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行しているときに第2特別図柄の変動表示を開始したり、第2特別図柄の変動表示を実行しているときに第1特別図柄の変動表示を開始したりする可能性があり、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して実行される場合がありうる。そこで、この実施の形態では、ステップS90950の背景図柄変動時間延長処理が実行されることによって、一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに他方の特別図柄の変動表示が開始された場合に、必要に応じて背景図柄の変動パターンを差し替えたり変動時間の延長を行ったりする。
ステップS90950では、演出制御用CPU90201は、例えば、はずれとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、大当りとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、大当りとなる方の特別図柄に対応して背景図柄の変動パターンに差し替えるとともに変動時間を延長する処理を行う。また、例えば、大当りとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、はずれとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、背景図柄の変動パターンの差し替えも変動時間の延長も行わず、現在実行中の背景図柄の変動表示をそのまま実行する。また、例えば、大当りとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、大当りとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、既に説明したように、この実施の形態では、後から開始した方の特別図柄の変動表示は途中で強制はずれとなるので、背景図柄の変動パターンの差し替えも変動時間の延長も行わず、現在実行中の背景図柄の変動表示をそのまま実行する。
そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS90951)、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動停止処理(ステップS90903)に応じた値に更新する(ステップS90952)。
図48は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動停止処理(ステップS90903)を示すフローチャートである。背景図柄変動停止処理において、演出制御用CPU90201は、まず、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ1がセットされているか否かを確認する(ステップS90970A)。停止図柄表示フラグ1がセットされていれば、ステップS90974に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS90973で停止図柄表示フラグ1がセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグ1がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ1がセットされているということは、大当り図柄を確定表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS90971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS90974に移行する。
停止図柄表示フラグ1がセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ2がセットされているか否かを確認する(ステップS90970B)。停止図柄表示フラグ2がセットされていれば、ステップS90983に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示した場合には、ステップS90982で停止図柄表示フラグ2がセットされる。そして、小当り遊技中の演出を実行するときに停止図柄表示フラグ2がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ2がセットされているということは、小当り図柄を確定表示したが小当り遊技中の演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS90971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS90983に移行する。
停止図柄表示フラグ1および停止図柄表示フラグ2のいずれもセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において停止表示中の左中右の背景図柄の停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、小当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS90971)。
ステップS90971の処理で大当り図柄を確定表示した場合には(ステップS90972のY)、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ1をセットする(ステップS90973)。
次いで、演出制御用CPU90201は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS90974)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ1をリセットする(ステップS90975)。なお、演出制御用CPU90201は、セットされていた大当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU90201は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90976)。なお、ステップS90976では、保留連実行フラグがセットされているときには、保留連時用のプロセステーブルを選択するようにしてもよい。この保留連時用のプロセステーブルは、例えば、新たな大当り遊技が開始されることを強調するようなファンファーレ演出が実行されない、簡素なファンファーレ演出が実行される、またはファンファーレ演出に代わる、大当り遊技が再開されることを示す演出等が実行されように構成される。このような構成により、先の大当り遊技と後の大当り遊技とで一連の大当り遊技が実行されているように見せることができる。
次いで、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS90977)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS90978)。
次いで、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において大当りパターンにより賞球数表示を表示する制御を行う(ステップS90979)。例えば、演出表示装置909の表示画面の左下端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに大当りパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、第1KTパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、大当りパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
なお、この実施の形態では、図48に示す背景図柄変動停止処理において大当りパターンによる賞球数表示の開始または切り替え(ステップS90979参照)を行う場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り表示処理(ステップS90904)や大当り遊技を開始した後の最初のラウンド中処理(ステップS90905)などにおいてステップS90979と同様の処理を行い、大当りパターンによる賞球数表示の開始または切り替えを行うように構成してもよい。
その後、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90904)に応じた値に更新する(ステップS90980)。
ステップS90971の処理で小当り図柄を確定表示した場合には(ステップS90981のY)、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ2をセットする(ステップS90982)。
次いで、演出制御用CPU90201は、小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90983)。小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り開始指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU90201は、停止図柄表示フラグ2をリセットする(ステップS90984)。なお、演出制御用CPU90201は、セットされていた小当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU90201は、小当り中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS90985)。なお、ステップS90985では、保留連実行フラグがセットされているときには、保留連時用のプロセステーブルを選択するようにしてもよい。この保留連時用のプロセステーブルは、例えば、小当り中演出が実行されない、簡素な小当り中演出が実行される、または小当り中演出に代わる演出が実行されように構成される。このような構成により、保留連演出の実行中であって保留連実行フラグがセットされているときには、先の大当り遊技の終了後、後の大当り遊技が開始されるまでの間に、小当りが発生しても、小当りに関連する演出の実行が制限されることになる。
次いで、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS90986)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置909、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ9027)の制御を実行する(ステップS90987)。
そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を小当り中処理(ステップS90908)に応じた値に更新する(ステップS90988)。
ステップS90971の処理で大当り図柄や小当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS90972のN、且つステップS90981のN)、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する(ステップS90989)。
図49は、背景図柄プロセス処理における小当り中処理(ステップS90908)を示すフローチャートである。小当り中処理において、演出制御用CPU90201は、まず、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS909201)。小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ小当り終了指定コマンドを受信していない場合)には、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS909202)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置909、スピーカ9027等)を制御する処理を実行する(ステップS909203)。すなわち、小当り遊技に対応した演出を継続して行う。
そして、演出制御用CPU90201は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS909204)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS909205)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS909206)。
小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り終了指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU90201は、小当り遊技に対応した演出を終了し、ステップS909207に移行する。ステップS909207では、演出制御用CPU90201は、セットされていなければ、前回小当りフラグをセットする(ステップS909207)。また、演出制御用CPU90201は、小当り連続数カウンタの値を1加算する(ステップS909208)。
この実施の形態では、既に説明したように、小当り以外の変動表示を開始するときに前回小当りフラグがリセットされるとともに小当り連続数カウンタの値が0クリアされる(ステップS90929,S90930参照)。そのため、小当り以外の変動表示を実行した後に、小当りとなる1回目の変動表示にもとづいて小当り遊技が実行された場合には、ステップS909207,S909208の処理が実行されることによって、前回小当りフラグがセットされるとともに小当り連続数カウンタに1がセットされる。従って、その次の変動表示でも再び小当りとなる場合には、小当り連続数カウンタの値が1であることにもとづいて小当りが2回連続して発生したと判定することができる。そして、その小当り遊技を終了することによってステップS909208が実行されることによって小当り連続数カウンタの値が2に更新され、さらに次の変動表示でも再び小当りとなる場合には、小当り連続数カウンタの値が2であることにもとづいて小当りが3回連続して発生したと判定することができる。以降、小当りが4回、5回・・・と連続して発生した場合であっても小当り連続数カウンタの値を確認することによって、小当りが何回連続して発生しているかを判定することができる。
そして、演出制御用CPU90201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS90900)に応じた値に更新する(ステップS909209)。
図50〜図53は、賞球数表示処理(ステップS90707)を示すフローチャートである。賞球数表示処理において、演出制御用CPU90201は、まず、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90500)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU90201は、大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS90501)、第1賞球増加演出の実行中であることを示す第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90502)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第1賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90506に移行する。
第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第1賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90503)。また、演出制御用CPU90201は、第1賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS90504)。そして、ステップS90510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が表示されているのであるが、賞球数表示が表示されているときに大入賞口や特殊入賞口9024に遊技球が入賞すると、賞球数表示で示される賞球数が1つずつ増加していくような態様の賞球増加演出が実行される。この実施の形態では、賞球増加演出には第1賞球増加演出〜第3賞球増加演出の3種類がある。第1賞球増加演出は、大当り遊技中に大当りパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第2賞球増加演出は、第1KT状態中に第1KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第3賞球増加演出は、第2KT状態中に第2KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的低速の第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。
この実施の形態では、大入賞口入賞フラグがセットされていた(大入賞口への入賞が発生した)ということは、大当り遊技中であり大当りパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS90503において大当りパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度で賞球数が1ずつ増加していく第1賞球増加演出が開始される。
大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口への入賞が発生していなければ)、演出制御用CPU90201は、第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90505)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第1賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS90510に移行する。
ステップS90502またはステップS90505で第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第1賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS90506)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU90201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS90507)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU90201は、再び演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90508)。そして、ステップS90510に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU90201は、第1賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS90509)、第1賞球増加演出を終了する。そして、ステップS90510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS9030参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS90652参照)のであるが、ステップS90500〜S90509の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、1回の大入賞口への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の大入賞口への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の大入賞口への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第1賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第1賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも大当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
次いで、演出制御用CPU90201は、特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90510)。特殊入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、特殊入賞口9024への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU90201は、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS90511)、保留連実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90511a)。保留連実行フラグがセットされていれば、そのまま処理を終了する。すなわち、保留連演出の実行中に特殊入賞口9024への入賞が発生したとしても、賞球増加演出や入賞演出など小当りに関連する演出を行うことなく、そのまま処理を終了する。保留連実行フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90512)。第2KTフラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、ステップS90523に移行する。第2KT状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU90201は、第1KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90513)。第1KT状態フラグもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、そのまま処理を終了する。すなわち、非KT状態中に稀に特殊入賞口9024への入賞が発生したとしても、そもそも賞球数表示が行われていないので、賞球増加演出を行うことなく、そのまま処理を終了する。
第1KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第1KT状態中であれば)、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出の実行中であることを示す第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90514)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第2賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90519に移行する。
第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第2賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90515)。また、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS90516)。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態フラグがセットされていた(第1KT状態中)ということは、第1KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS90515において第1KTパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく第2賞球増加演出が開始される。
特殊入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、特殊入賞口9024への入賞が発生していなければ)、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90517)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90533に移行する。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90518)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第2賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS90540に移行する。
ステップS90514またはステップS90518で第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第2賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS90519)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU90201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS90520)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU90201は、再び演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90521)。そして、ステップS90540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU90201は、第2賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS90522)、第2賞球増加演出を終了する。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS9030参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS90655参照)のであるが、ステップS90510〜S90522の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第1KT状態中では1回の特殊入賞口9024への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口9024への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口9024への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第2賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第2賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも小当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
ステップS90512で第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909においてエフェクト演出を開始する制御を行う(ステップS90523)。次いで、演出制御用CPU90201は、入賞演出の実行中であることを示す入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90524)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、待機中の入賞演出の数をカウントするための入賞演出待機数カウンタの値を1加算する(ステップS90525)。そして、ステップS90529に移行する。
入賞演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、入賞演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS90526)とともに、演出表示装置909において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS90527)。また、演出制御用CPU90201は、入賞演出実行中フラグをセットする(ステップS90528)。そして、ステップS90529に移行する。
次いで、演出制御用CPU90201は、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90529)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS90533に移行する。
第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を開始する制御を行う(ステップS90530)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90531)。また、演出制御用CPU90201は、第3賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS90532)。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態フラグがセットされていた(第2KT状態中)ということは、第2KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS90531において第2KTパターンにより表示され拡大表示されている賞球数表示において第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく第3賞球増加演出が開始される。
ステップS90517またはステップS90529で第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS90533)。なお、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS90523でエフェクト演出を開始するときに、エフェクト演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。エフェクト演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909においてエフェクト演出を終了する制御を行う(ステップS90534)。
次いで、演出制御用CPU90201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.5秒経過したか否か)を確認する(ステップS90535)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU90201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS90536)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU90201は、再び演出表示装置909において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS90537)。そして、ステップS90540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を終了する制御を行う(ステップS90538)。また、演出制御用CPU90201は、第3賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS90539)、第3賞球増加演出を終了する。そして、ステップS90540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS9030参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS90655参照)のであるが、ステップS90510,S90517,S90529〜S90532,S90535〜S90359の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、エフェクト演出が実行されるとともに賞球数表示が拡大表示され、第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第2KT状態中では1回の特殊入賞口9024への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.5秒×15=7.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口9024への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口9024への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第3賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて15.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。
ここで、この実施の形態では、第3賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第2速度が0.5秒と比較的遅いので、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球数が増加する演出が終了しない場合もある。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS90707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に第3賞球増加演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって第3賞球増加演出が継続して実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって第3賞球増加演出が実行されてもよい)。
次いで、演出制御用CPU90201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90540)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU90201は、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS90541)。なお、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS90527で入賞演出を開始するときに、入賞演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。入賞演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において入賞演出を終了する制御を行う(ステップS90542)。
次いで、演出制御用CPU90201は、入賞演出待機数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS90543)。入賞演出待機数カウンタの値が0でなければ(すなわち、未実行の待機中の入賞演出があれば)、演出制御用CPU90201は、入賞演出待機数カウンタの値を1減算する(ステップS90544)。また、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS90545)とともに、演出表示装置909において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS90546)。
入賞演出待機数カウンタの値が0であれば(すなわち、未実行の待機中の入賞演出がなければ)、演出用CPU201は、入賞演出実行中フラグをリセットする(ステップS90547)。
この実施の形態では、ステップS90524〜S90528,S90540〜S90547の処理が実行されることによって、第2KT状態中に特殊入賞口9024への入賞が発生した場合には、賞球増加表示が表示されるとともに入賞演出が実行される。この場合、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口9024への入賞が発生する場合もありうるのであるが、そのような場合には実行中の入賞演出が終了するまで待機し、その実行中の入賞演出が終了してから次の賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する(遅れて賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する)。
ここで、この実施の形態では、賞球増加表示の表示や入賞演出が遅れて実行される場合があることから、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球増加表示の表示や入賞演出を実行できない場合も考えられる。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS90707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に賞球増加表示の表示や入賞演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行されてもよい)。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口9024への入賞が発生したときにエフェクト演出も実行されるのであるが、エフェクト演出に関しては特殊入賞口9024への入賞が発生したタイミングで直ちに実行される(ステップS90523,S90533,S90534参照)。
また、この実施の形態では、賞球数表示演出(ステップS90707)を演出制御メイン処理において実行する演出として構成しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、背景図柄プロセス処理において、ステップS90900〜S90908の処理を実行する前に賞球数表示演出(ステップS90707)を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加表示の表示や入賞演出を実行する場合を示しているが、例えば、さらに特殊入賞口ランプ9024aを点灯表示させるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口や特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、いわゆる一般入賞口(入賞しても可変入賞球装置の開放などは行われず、所定個数(例えば、5個)の賞球の払い出しのみが行われる入賞口)を備えるように構成した遊技機において、一般入賞口への入賞が発生した場合にも賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行するように構成してもよい。この場合、一般入賞口への入賞が発生した場合には、賞球増加演出において一律に第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよいし、第2KT状態であれば一般入賞口への入賞が発生した場合であっても、賞球増加演出において第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよい。また、このように構成した場合であっても、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)であれば、一般入賞口への入賞が発生しても賞球増加演出を実行しないように構成してもよい。
次に、この実施の形態におけるKT報知および小当り報知の具体例について説明する。図54は、KT報知および小当り報知の具体例を示す説明図である。また、図55は、KT報知および小当り報知の制限の具体例を示す説明図である。なお、図54,図55において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
図54は、保留連演出の実行中ではないときのKT報知および小当り報知の具体例を示している。図54(A)に示すように、大当り遊技中には、演出表示装置909において、例えば、キャラクタ90301が表示され、キャラクタ90301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示90302が表示される。
次いで、図54(B)に示すように、大当り遊技が終了すると、第2KT状態に制御されることを報知するKT報知として、キャラクタ90301のセリフ「小当りタイム突入」などの文字表示90312が表示される(ステップS903511参照)。
次いで、図54(C),(D)に示すように、演出表示装置909において、左中右の背景図柄の変動表示が開始され、小当り図柄「135」が導出表示されると、小当り報知として、例えば、「小当り発生!」などの文字表示90306が表示される。また、第2KTパターンによる賞球数表示90305が表示される。
図55は、保留連演出の実行中であるときのKT報知および小当り報知が制限されるときの具体例を示している。図55(A)に示すように、1回目の大当り遊技中には、演出表示装置909において、例えば、キャラクタ90301が表示され、キャラクタ90301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示90302が表示される。
次いで、図55(B)に示すように、大当り遊技が終了しても、保留連演出の実行中であるため、KT報知は行われず(すなわち「小当りタイム突入」などの文字表示90312は表示されない。ステップS903509〜S903510参照)、キャラクタ90301および文字表示90302が引き続き表示される。
次いで、図55(C)に示すように、1回目の大当り遊技後に変動表示の表示結果として小当り図柄「135」が導出表示され、小当りが発生しても、小当り報知は行われない(すなわち、「小当り発生!」などの文字表示90306は表示されない)。同時に、賞球増加表示の表示や入賞演出、連続小当り演出なども行われず、小当りに関連する演出の実行が制限される。また、図55(C)に示す例では、1回目の大当り遊技の最終ラウンド時点からラウンド数(本例では「ラウンド16」)が継続して表示されるとともに、キャラクタ90301のセリフとして「まだまだ!」などの文字表示90313が表示されており、大当り遊技が継続しているように見せている。
次いで、図55(D)に示すように、2回目の大当り遊技が開始されると、演出表示装置909において、例えば、キャラクタ90301が表示され、キャラクタ90301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示90302が表示される。また、図55(D)に示す例では、2回目の大当り遊技のラウンド数に、1回目の大当り遊技のラウンド数を加算したラウンド数表示(本例では「ラウンド17」)が表示されており、一連の大当り遊技が実行されているように見せている(ステップS903504〜S903508参照)。なお、図55に示す例に限らず、先の大当り遊技期間、大当り遊技終了後の変動表示期間、および後の大当り遊技期間を通じて、物語などの所定のストーリを順に展開させていくような演出を実行したり、特定のムービー画像(例えば、キャラクタが特定のストーリに基づいて動作する動画等の画像)を表示したりして、一連の大当り遊技が実行されているように見せるようにしてもよい。
次に、保留記憶の内容とKT報知および小当り報知の制限との関係について説明する。図56は、保留記憶の内容とKT報知および小当り報知の制限との関係の具体例を示す説明図である。
図56(A)に示すように、大当り遊技が開始されるときに、現在記憶されている保留記憶1〜4のうちに大当りとなる保留記憶4が存在すれば、大当りが連続して実行されることを報知する保留連の報知が行われる。この場合、大当り遊技の終了後には、KT状態に関するKT報知は行われない。また、大当り遊技後に保留1〜3にもとづいて小当りが発生しても、小当り報知は行われない。同時に、賞球増加表示の表示や入賞演出、連続小当り演出なども行われず、小当りに関連する演出の実行が制限される。
保留連演出により短期間に大当りが複数回発生することが報知されると、同時に、大当り遊技後にKT状態(特に第2KT状態)に制御される期間が短いことも報知されることになり、却って興趣を低下させてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、保留連演出により大当りが連続して実行されることを報知する場合には、大当り遊技の終了後にKT状態に関するKT報知を行わず、さらに小当りが発生しても小当り報知(および賞球増加表示の表示、入賞演出、連続小当り演出など小当りに関連する演出)を行わないように制限することにより、一連の大当り遊技が実行されているように感じさせ、保留連演出によって却って興趣を低下させてしまうことを防止している。
なお、この実施の形態では、先の大当りや後の大当りの大当り種別に関わらず、大当り遊技が開始されるときに、大当りとなる保留記憶が存在すれば保留連演出を実行可能としているが、例えば、後の大当りの大当り種別が16R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に制御されない2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当りおよび6R確変大当り)であることと、先の大当りの大当り種別が16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)であることとのいずれかに該当する場合、または両方に該当する場合には、第2KT状態が短期間であることが報知されることにもなるため、保留連演出の実行を制限する(例えば、禁止する、または実行頻度を低くする)ようにしてもよい。また、例えば、大当り遊技後に必ずKT状態(または第2KT状態)に制御される構成である場合に、保留連演出を実行可能としてもよい。
また、保留連演出を実行可能な状況を限定し、例えば、図56(B)に示すように、先の大当りの大当り種別が16R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に制御されない2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当りおよび6R確変大当り)であって、かつ後の大当りの大当り種別が16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)の場合に、保留連演出を実行可能としてもよい。この場合には、先の大当り遊技の終了後に、第2KT状態に制御されず、次の大当りが早く発生することが望ましい状況となるため、保留連演出により却って興趣を低下させてしまうことはない。そのため、大当り遊技に伴って、今回の大当り遊技の終了後に第2KT状態に制御されないことを報知するようにしてもよい。なお、図56(B)に示す例では、後の大当りの大当り種別が16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)となっているが、後の大当りの大当り種別に関わらず、先の大当りの大当り種別が16R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に制御されない2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当りおよび6R確変大当り)の場合には、保留連演出を実行可能とするようにしてもよい。この場合にも、次の大当りが早く発生することが望ましい状況となるため、保留連演出により却って興趣を低下させてしまうことはないからである。
また、例えば、図56(C)に示すように、先の大当りと後の大当りの大当り種別がともに16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)の場合には、大当り遊技が開始されるとき(または、大当り遊技中や大当り遊技終了時)に、今回の大当り遊技の終了後に第2KT状態に制御されない旨を報知した後に、大当りが連続して実行されることを報知する保留連の報知を行うようにしてもよい。この場合、大当り遊技後に保留1〜3にもとづいて小当りが発生しても、小当り報知(および賞球増加表示の表示、入賞演出、連続小当り演出など小当りに関連する演出)は行われないよう制限する。このように構成することにより、遊技者には上記の図56(B)の場合と同じ状況に認識され、保留連演出により却って興趣を低下させてしまうことを防止することができる。
なお、保留連演出を実行する場合には、一連の大当り遊技が実行されているように見せる制御を行わず、先の大当り遊技と後の大当り遊技との間に通常の遊技が行われるようにしてもよい。
図57は、図56(B),(C)に示す例において、先の大当り遊技と後の大当り遊技との間に通常の遊技が行われるようにする場合の保留連演出制御処理の変形例を示すフローチャートである。
図57に示す保留連演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、大当り遊技の開始タイミングであるか否かを判断する(ステップS903501)。ステップS903501では、例えば、背景図柄プロセスフラグの値が、大当り表示処理(ステップS90904)であれば、大当り遊技の開始タイミングであると判断する。
大当り遊技の開始タイミングであれば(ステップS903501のY)、演出制御用CPU90201は、始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンドおよび有効始動入賞指定コマンド(第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンド)のセット)に、16R確変大当り(すなわち第2KT状態に制御される大当り)を示すコマンドが含まれているか否かを確認する(ステップS903510)。
16R確変大当りを示すコマンドが含まれていない場合には(ステップS903510のN)、演出制御用CPU90201は、今回の大当り種別に応じて、今回の大当り遊技後に第2KT状態に制御されるか否かを報知する(ステップS903516)。例えば、演出表示装置909において、「第2KT有り」の文字表示や「第2KT無し」の文字表示が表示されることにより報知される。その後、保留連実行フラグがセットされていればリセットし(ステップS903515)、処理を終了する。
16R確変大当りを示すコマンドが含まれている場合には(ステップS903510のY)、演出制御用CPU90201は、今回の大当りが16R確変大当り(すなわち第2KT状態に制御される大当り)であれば、今回の大当り遊技後には第2KT状態に制御されない旨を報知する(ステップS903511,S903512)。例えば、演出表示装置909において、「第2KT無し」の文字表示が表示されることにより報知される。
次いで、演出制御用CPU90201は、大当りが保留記憶に存在し、大当りが連続して実行されることを報知する(ステップS903513)。例えば、演出表示装置909において、「連続大当り確定」の文字表示が表示されることにより、大当りが連続して実行されることが報知される。その後、演出制御用CPU90201は、保留連演出の実行中であることを示す保留連実行フラグをセットし(ステップS903514)、処理を終了する。
ステップS903510,S903511,S903513の処理が実行されることにより、16R確変大当り以外の大当り(すなわち、第2KT状態に制御されない2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当りおよび6R確変大当り)に制御されるときに、16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)となる保留記憶が存在すれば、保留連演出を実行可能となる。また、ステップS903510,S903511,S903512,S903513の処理が実行されることにより、16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)に制御されるときに、16R確変大当り(すなわち、第2KT状態に制御される大当り)となる保留記憶が存在すれば、今回制御される大当りが第2KT状態に制御されない大当りであることを報知した後に、保留連演出を実行可能となる。なお、図57の例では、今回制御される大当りが第2KT状態に制御されない大当りであることを報知した後に、保留連演出を実行しているが、このような構成に限らず、保留連演出を実行した後に(すなわち大当りが連続して実行されることを報知した後に)、今回制御される大当りが第2KT状態に制御されない大当りであることを報知するようにしてもよい。
次に、この実施の形態における賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図58〜図61は、賞球増加演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図58は、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図59は、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図60および図61は、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。なお、図58〜図61において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図58を用いて、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図58(A)に示す例では、大当り遊技中である場合には、演出表示装置909において、大当りパターンによる賞球数表示90300が表示される(ステップS90979参照)とともに、例えば、キャラクタ90301が表示され、キャラクタ90301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示90302が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図58に示すように、大当りパターンによる賞球数表示90300として、演出表示装置909の表示画面の左下端部において賞球数表示90300を表示する場合が示されている。
次いで、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したものとする。この場合、図58(B)に示すように、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第1賞球増加演出が実行される(ステップS90500〜S90509参照)。この実施の形態では、第1賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図58(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第1賞球増加演出が終了する。
次に、図59を用いて、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図59(A)に示す例では、第1KT状態中である場合には、演出表示装置909において、第1KTパターンによる賞球数表示90303が表示される(ステップS90639,S90644参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示304が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図59に示すように、第1KTパターンによる賞球数表示90303として、演出表示装置909の表示画面の右上端部において賞球数表示90303を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口9024への入賞が発生したものとする。この場合、図59(B)に示すように、演出表示装置909において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第2賞球増加演出が実行される(ステップS90510〜S90522参照)。この実施の形態では、第2賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図59(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第2賞球増加演出が終了する。
次に、図60および図61を用いて、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口9024への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図60(A)に示す例では、第2KT状態中である場合には、演出表示装置909において、第2KTパターンによる賞球数表示90305が表示される(ステップS90649参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示90306が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図60および図61に示すように、第2KTパターンによる賞球数表示90305として、演出表示装置909の表示画面の中央付近において賞球数表示90305を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口9024への入賞が発生したものとする。この場合、図60(B)に示すように、演出表示装置909においてエフェクト演出が開始される(ステップS90523参照)とともに、賞球数表示90305の拡大表示が開始される(ステップS90530参照)。なお、図60(B)に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示90305の周囲に所定のエフェクト画像90307(例えば、キラキラ光るような態様の画像)が表示される場合が示されている。また、特殊入賞口9024への入賞が発生すると、図60(B)に示すように、賞球増加表示が表示される(ステップS90526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS90527参照)。なお、図60(B)に示す例では、入賞演出として所定のキャラクタ90308が表示される演出が実行されるとともに、賞球増加表示として「+15」などの文字表示90309が表示される場合が示されている。
また、図60(C)に示すように、演出表示装置909において第2速度で賞球数を1増加させる演出が開始され、第3賞球増加演出が開始される(ステップS90510,S90517,S90529〜S90539参照)。この実施の形態では、図60(C)〜図61(H)に示すように、第3賞球増加演出では、第1賞球増加演出や第2賞球増加演出と比較して、第2速度として比較的遅い速度(本例では、0.5秒)で賞球数表示の更新が行われる。
次いで、図60(D)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし(入賞演出は継続している)、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口9024への入賞が発生したものとする。この場合、図61(E)に示すように、演出表示装置909においてエフェクト演出が開始される(ステップS90523参照)。ただし、この場合、まだ入賞演出の実行中であるので、新たな賞球増加表示の表示と入賞演出はまだ実行されない。
次いで、図61(F)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし、さらに、図61(G)に示すように、入賞演出を終了したものとする。そして、入賞演出を終了すると、未実行の待機中の入賞演出があることにもとづいて、図61(H)に示すように、遅れて賞球増加表示が表示される(ステップS90526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS90527参照)。
そして、その後、図61(E)で追加で発生した特殊入賞口9024への入賞にもとづく賞球数分も含めて全ての賞球数表示の更新が行われるまで、第2賞球増加演出が実行される。
なお、図60および図61に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示90305の周囲にキラキラ光るような態様のエフェクト画像90307を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト演出として、賞球数表示90305を覆うような態様の画像を表示するなど、何らかの形式で賞球数表示90305に作用するような態様の演出を実行するように構成してもよい。そのように賞球数表示90305に作用することにより、賞球数表示90305が視認しにくくなるような演出を実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技中に獲得した賞球数にKT状態中に獲得した賞球数を加算して賞球数表示を行っていく場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り遊技中に獲得した賞球数とKT状態中に獲得した賞球数とを別々に表示するように構成してもよい。例えば、大当り遊技中である場合には、図58に示した態様で演出表示装置909の表示画面の左下端部に大当り遊技で獲得した賞球数を表示するとともに、図59に示した態様で演出表示装置909の表示画面の右上端部に第1KT状態中に獲得した賞球数も表示したり、図60(A)に示した態様で演出表示装置909の表示画面の中央付近に第2KT状態中に獲得した賞球数も表示したり(KT状態中に獲得した賞球数を別個独立に表示する)してもよい。
また、例えば、(1)KT状態が一旦終了して大当り遊技が開始するときに、KT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を消去し、大当り遊技中に表示する賞球数表示に合算して表示するように構成してもよいし、(2)KT状態を終了して非KT状態に移行するまでKT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を継続するように構成してもよい。なお、(2)の態様によれば、KT状態中のみの賞球の獲得数を認識することができることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングについて説明する。図62は、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図62に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、特殊入賞口9024が開放状態であるときに1つ目の入賞が発生すると、賞球数表示の拡大表示が開始され(ステップS90530参照)、1つ目の入賞に対する賞球数の更新表示が開始されて第3賞球増加演出が開始される(ステップS90510,S90517,S90529〜S90539参照)とともに、エフェクト演出が実行される(ステップS90523参照)。また、図62に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出が開始される(ステップS90527参照)。
次いで、図62に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、第2賞球増加演出や入賞演出の実行中であるときに2つ目の入賞が発生すると、2つ目の入賞にもとづくエフェクト演出が直ちに実行されるとともに、2つ目の入賞で増加した分の賞球数も引き継いで第3賞球増加演出が継続して実行される。また、図62に示す例では、2つ目の入賞が発生したときに未だ入賞演出を実行中であることから、2つ目の入賞に対する入賞演出が直ちには実行されず、図62に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出を終了してから、遅れて2つ目の入賞に対する入賞演出が実行される。
そして、その後、特殊入賞口9024(特殊可変入賞球装置9022)が閉鎖状態に制御され小当り遊技を終了した後であっても、第3賞球増加演出において全ての賞球数表示の更新が終わっていない場合や、全ての入賞演出を終了していなければ、図62に示すように、特殊入賞口9024の閉鎖後、小当り遊技終了後の変動表示やさらに次の小当り遊技においても、第3賞球増加演出や入賞演出を継続して実行可能である。
次に、この実施の形態における連続小当り演出の演出態様の具体例について説明する。図63は、連続小当り演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図63において、例えば、(A)(B−1)の順に演出画面の態様が遷移する。小当りとなる変動表示の開始タイミングとなると、図63(A)に示すように、左中右の背景図柄の変動表示を開始する。この場合、変動表示を開始するときに連続小当り演出の有無および種類が決定される(ステップS90926参照)。
連続小当り演出Aを実行することに決定した場合には、変動表示中に連続小当り演出の実行タイミングとなると、図63(B−1)に示すように、演出表示装置909において所定のキャラクタA90310が登場するとともに、キャラクタA90310のセリフとして「もう1回!」などの文字表示90311を表示する態様で連続小当り演出Aが実行される。
また、連続小当り演出Bを実行することに決定した場合には、変動表示中に連続小当り演出の実行タイミングとなると、図63(B−2)に示すように、演出表示装置909において所定のキャラクタB90312が登場するとともに、キャラクタB90312のセリフとして「もう1回!」などの文字表示90311を表示する態様で連続小当り演出Bが実行される。
また、連続小当り演出Cを実行することに決定した場合には、変動表示中に連続小当り演出の実行タイミングとなると、図63(B−3)に示すように、演出表示装置909において所定のキャラクタC90313が登場するとともに、キャラクタC90313のセリフとして「もう1回!」などの文字表示90311を表示する態様で連続小当り演出Cが実行される。
次に、連続小当り演出の演出タイミングについて説明する。図64は、連続小当り演出の演出タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図64(A)に示すように、この実施の形態では、小当りが発生しても、複数の変動表示において連続して小当りが発生していなければ(小当りとなった変動表示の前後の変動表示がはずれとなる変動表示であるなど、小当りが単発でしか発生していない場合には)、連続小当り演出は実行不可に構成されている(ステップS90929,S90930参照)。
一方、図64(B)に示すように、複数の変動表示において連続して小当りが発生した場合には、連続して小当りが発生した2つ目以降の変動表示において連続小当り演出が実行可能である(ステップS90921a〜S90928参照)。この実施の形態では、図64(B)に示すように、連続して小当りが発生した2つ目以降の変動表示を開始するときに、連続小当り演出の有無および種類が決定され(ステップS90926参照)、連続小当り演出を実行することに決定した場合には、その変動表示中に連続小当り演出を実行可能である。
なお、この実施の形態では、図64(B)に示すように、小当りが発生した変動表示中に連続小当り演出を実行可能に構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、その小当りが発生した変動表示終了後の小当り遊技期間にもわたって連続小当り演出を実行可能に構成してもよい。
また、この実施の形態では、連続して小当りが発生する場合の変動表示の開始時に連続小当り演出の有無や種類を決定する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクコンピュータ90200は、小当りが発生したときに、その小当り遊技を開始するタイミングで(例えば、図48に示す背景図柄変動停止処理のステップS90983でYと判定した以降に)、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した入賞時判定結果コマンドにもとづいて、次に開始される変動表示も小当りとなるものであるか否かを判定し、次に開始される変動表示も小当りとなるものであれば、この実施の形態で示したステップS90922〜S90926と同様の処理を実行して連続小当り演出の有無および種類を決定する。そして、連続小当り演出を実行することに決定した場合には、その小当り遊技の開始から次の変動表示までの期間にわたって連続小当り演出を実行可能である。
また、例えば、演出制御用マイクコンピュータ90200は、小当りが発生したときに、その小当り遊技中の期間であって小当り遊技を開始してから所定時間経過したタイミング(例えば、小当り遊技中の任意のタイミングや、小当り遊技中に始動入賞が発生したタイミングなど、小当り遊技の途中のタイミング)で、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した先読み判定結果コマンドにもとづいて、次に開始される変動表示も小当りとなるものであるか否かを判定し、次に開始される変動表示も小当りとなるものであれば、この実施の形態で示したステップS90926と同様の処理に従って、連続小当り演出の有無および種類を決定してもよい。そして、連続小当り演出を実行することに決定した場合には、その小当り遊技の途中のタイミングから次の変動表示までの期間にわたって連続小当り演出を実行可能としてもよい。
また、この実施の形態において、遊技球が払い出される皿(打球供給皿903や余剰球受皿904)が満タン状態となると、満タン報知を実行するように構成してもよい。例えば、打球供給皿903や余剰球受皿904に遊技球が貯留されている量をセンサ等の検出手段により検出可能とし、検出手段により、貯留量が所定量以上であると検出されると、演出表示装置909において「満タンエラー」の文字表示をしたり、エラー音を出力したりすることにより、満タン報知を実行する。ここで、この実施の形態では、大当り遊技状態と第2KT状態とにおいて、賞球が払い出される頻度が高くなるが、第2KT状態では大当り遊技状態ほど、一度に大量に払い出されることがないため、満タン状態が解消されやすい。そこで、大当り遊技状態と第2KT状態とで、満タン報知の実行態様を異ならせるようにしてもよい。例えば、第2KT状態では、大当り遊技状態に比べて、控え目な態様(例えば、「満タンエラー」の文字サイズが小さい、エラー音量が小さいなど)により満タン報知を実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態では、貯留量が第1所定量を超えると、満タン報知を実行し、第2KT状態では、貯留量が第1所定量よりも多い第2所定量を超えると、満タン報知を実行するようにしてもよい。このように構成することにより、状況に応じた好適な満タン報知を実行することができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技媒体が入賞可能な第1状態と遊技媒体が入賞不能または困難な第2状態とに変化可能な可変入賞手段(例えば、可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022)と、有利状態とは異なる状態であり、可変入賞手段が第1状態に変化することを含む特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段と、通常状態に比べて特殊状態に制御される頻度が高い特別状態(例えば、KT状態(第1KT状態、第2KT状態))に制御可能な特別状態制御手段とを備えている。そして、可変入賞手段は、特殊状態に制御されることが報知された後に該可変入賞手段に向けて発射された遊技媒体を入賞できないように設けられている(例えば、遊技球の流下を遅延させる遅延手段として釘群55を設けるとともに、小当り遊技における特殊可変入賞球装置9022の開放期間を0.8秒間に設定することにより実現される)。また、特別状態における有利状態に制御される契機とならない可変表示を、可変表示期間が第1期間である第1可変表示パターン(例えば、短縮変動の第2変動パターン#25,#27)と、可変表示期間が該第1期間よりも長い第2期間である第2可変表示パターン(例えば、継続演出を含む第2変動パターン#26,#28)とにより実行可能である。そして、特別状態において、第2可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合は、第1可変表示パターンにより可変表示が実行された後に特殊状態に制御される割合よりも低い(例えば、小当りの場合には、比較的変動時間が長い第2変動パターン#28に決定される割合が低い(または決定されない)。図23参照)。そのため、興趣を低下させてしまうことを防止し、演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、特別状態において特殊状態に制御されるときに特殊状態に関連する関連演出(例えば、小当り報知や連続小当り演出、賞球増加表示の表示、入賞演出など小当りに関連する演出)を実行可能な関連演出実行手段と、有利状態に制御されるときに、保留記憶手段により記憶されている保留情報のうちに有利状態に制御される契機となる可変表示に関する保留情報が含まれていることを示唆する示唆演出(例えば、保留連演出)を実行可能な示唆演出実行手段と、示唆演出実行手段により示唆演出が実行されたときに、先の有利状態と後の有利状態との間で特殊状態に制御される場合に、関連演出の実行を制限する制限手段(例えば、保留連演出の実行中は小当り報知や連続小当り演出、賞球増加表示の表示、入賞演出など小当りに関連する演出の実行が制限される)とを備えている。そのため、演出効果を低下させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、示唆演出実行手段は、第2有利状態に制御されるときに、保留記憶手段により記憶されている保留情報のうちに第1有利状態に制御される契機となる可変表示に関する保留情報が含まれている場合に、示唆演出を実行可能である(例えば、図56(B)参照)。そのため、演出効果を低下させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、第1有利状態に制御されるときに、保留記憶手段により記憶されている保留情報のうちに第1有利状態に制御される契機となる可変表示に関する保留情報が含まれている場合に、今回制御される有利状態が第2有利状態であると報知した後に示唆演出を実行可能である(例えば、図56(C)参照)。そのため、演出効果を低下させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、特別状態に制御されているときに、所定経路への遊技媒体の発射を促進する促進報知(例えば、右打ち報知)を実行可能な促進報知手段(例えば、演出表示装置909において「右打ち」の文字表示や右方向を示す矢印表示等を表示することにより実現される)を備え、促進報知手段は、第1可変表示パターンにより可変表示が実行されているときと、第2可変表示パターンにより可変表示が実行されているときとで、異なる態様により促進報知を実行可能であるようにしてもよい(例えば、KT状態において、比較的変動時間が長い変動パターン(すなわち、第2変動パターン#26,#28)により変動表示が実行されているときには、短縮変動の変動パターン(すなわち、第2変動パターン#25,#27)により変動表示が実行されているときよりも、「右打ち」の文字表示や、右方向を示す矢印表示等を縮小したり、透明化したりして表示し、積極的に右打ちを促さないようにしてもよい。)。そのように構成することにより、状況に応じた好適な促進報知を実行することができる。
また、この実施の形態では、遊技媒体を貯留可能な貯留手段(例えば、打球供給皿903や余剰球受皿904)と、貯留手段が満タン状態であることを示す満タン報知を実行可能な満タン報知手段(例えば、演出表示装置909において「満タンエラー」の文字表示をしたり、エラー音を出力したりすることにより実現される)とを備え、満タン報知手段は、有利状態に制御されているときと特別状態に制御されているときとで、満タン報知の実行態様を異ならせることが可能であるようにしてもよい(例えば、第2KT状態では、大当り遊技状態に比べて、控え目な態様(例えば、「満タンエラー」の文字サイズが小さい、エラー音量が小さいなど)により満タン報知を実行するようにしてもよいし、大当り遊技状態では、貯留量が第1所定量を超えると、満タン報知を実行し、第2KT状態では、貯留量が第1所定量よりも多い第2所定量を超えると、満タン報知を実行するようにしてもよい。)。そのように構成することにより、状況に応じた好適な満タン報知を実行することができる。
また、この実施の形態では、可変表示の表示結果が特定結果(本例では、大当り図柄)となったときに、特殊状態よりも遊技者にとって有利度合いが高い有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示の表示結果が特殊結果(本例では、小当り図柄)となったときに、特殊状態に制御可能である。また、特別状態において、通常状態よりも特殊状態に制御される頻度が高い(本例では、KT状態では右打ち操作されることから第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高く、第2特別図柄の変動表示が実行される場合にのみ小当りとなる場合がある)。そのため、特別状態に関する遊技性の単調さを解消でき、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態において、「有利度合いが高い」とは、例えば、有利状態(本例では、大当り遊技状態)または特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御されているときの1回あたりの遊技媒体の獲得期待度が高いことをいう。例えば、可変入賞球装置(本例では、特別可変入賞球装置9020、特殊可変入賞球装置9022)の開放時間が長かったり開放回数が多いことにより多くの入賞が得られたり、入賞1回あたりの賞球数が多かったりすることにより、多くの出玉を獲得できるなど、多くの遊技価値を得られることである。
また、この実施の形態では、遊技者にとって有利な特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、特別条件が成立したこと(本例では、大当りとなったこと)にもとづいて、該特別条件が成立する前に比べて特殊状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態(第1KT状態、第2KT状態))に制御可能である。また、特別状態において、特殊状態に制御された後の次の可変表示が実行されたことにもとづいて再度特殊状態に制御されるときに、特別演出(本例では、連続小当り演出)を実行可能である。そのため、特別状態に関する遊技性の単調さを解消でき、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、所定の契機(本例では、大入賞口や特殊入賞口9024に遊技球が入賞したこと)にもとづいて計数表示(本例では、賞球数表示)を更新表示可能であり、第1表示態様(本例では、大当りパターンによる賞球数表示)、および該第1表示態様よりも強調表示する第2表示態様(本例では、第2KTパターンによる賞球数表示)により、計数表示を更新表示可能である(本例では、図58に示すように、大当り遊技状態中の大当りパターンでは演出表示装置909の左下端部で賞球数表示90300を更新表示し、図60および図61に示すように、第2KT状態中の第2KTパターンでは演出表示装置909の中央付近で賞球数表示90305を拡大表示するとともにエフェクト画像90307を表示して更新表示する)。そのため、計数表示を更新表示する表示態様を複数種類備えることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、計数表示として賞球数表示を行う場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、計数表示として演出において何らかのゲージ表示やカウントダウン表示を行う場合に、この実施の形態で示した構成を適用するように構成してもよい。また、この実施の形態では、所定の契機が大入賞口や特殊入賞口9024に遊技球が入賞したことである場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、何らかのゲージ表示のレベルアップの条件が成立したものであってもよい。また、例えば、スロット機に適用する場合には、小役などが発生したことにもとづいて所定の契機が発生したとするものであってもよい。
また、この実施の形態では、更新表示として賞球数表示が加算表示されていくものを示したが、そのような態様にかぎらず、何らかの計数表示が減算表示されていく場合に、この実施の形態で示した構成を適用するように構成してもよい。
なお、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90200に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90200に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90200は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90200の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や背景図柄(演出図柄)、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が他の基板(例えば、図12に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など、または音声出力基板9070に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板9035に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ90560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、この発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。