JP6887052B1 - 海老等の甲殻類の養殖装置および該養殖装置を設置した養殖用水槽 - Google Patents
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Abstract
Description
b)また、特開昭62−55031号公報(特許文献3参照)には、網製の函体に、樹脂製の網状材料を楕円球状の立方体からなる複数の籠体を多数収容したものが提案されている。
そこで本発明者が鋭意研究を重ねた結果、多段の棚部材と、この各棚部材間を上下に所定間隔で連結した縦状部材とで区画された連続する多数の個室を適用した場合、海老等の甲殻類が各個室に整然と入ることが判明したのである。
さらに、水面から棚部材の上面までの距離が成長に伴う脱皮の直後の軟質体が水中に沈み込んでしまう深さに保持することができるようにしたことにより、成長に伴う脱皮の直後の軟質体が露出している時期における共食いが確実に防止でき、養殖の歩留まりが数%から80%以上に飛躍的に向上することが判明したのである。
前記各棚部材は下の段がせり出したベランダ部を有し、
前記各棚部材と縦状部材とはおのおの網状素材で構成された海老等の甲殻類の養殖装置であって、
該海老等の甲殻類の養殖装置は、該海老等の甲殻類の養殖装置を設置する養殖用水槽の底面から所定高さに保持することができるとともに、水面から棚部材の上面までの距離が成長に伴う脱皮の直後の軟質体が水中に沈み込んでしまう深さに保持することができる高さ保持部材を備えており、
前記各棚部材と縦状部材とで構成された多数の個室内に個々の海老が入り込んで共食いなく養殖することができるようにしたことを特徴とするものである。
前記養殖装置は、多段の棚部材と、前記各棚部材間を上下に所定間隔で連結した縦状部材とで区画された連続する多数の個室とを備え、
前記各棚部材は下の段がせり出したベランダ部を有し、
前記各棚部材と縦状部材とはおのおの網状素材で構成され、
前記養殖用水槽の底面から所定高さに保持することができるとともに、水面から棚部材の上面までの距離が成長に伴う脱皮の直後の軟質体が水中に沈み込んでしまう深さに保持することができる高さ保持部材を備えており、
前記各棚部材と縦状部材とで構成された多数の個室内に個々の海老が入り込んで共食いなく養殖することができるようにするとともに、
前記養殖用装置は、ほぼ中央に間仕切りが配設されていて、該流路内の適宜位置に取り付けたポンプその他の水流生起手段で所定速度の水流が生起されており、前記流路内には多数の前記海老等の甲殻類の養殖装置が所定の間隔で配置されていることをも特徴とするものである。
なお、本発明の海老等の甲殻類の養殖装置によれば、各個室(シェルタ)を効率的に組み合わせることが可能であって、設置するプールの中の底面積をより大きく画定することができる。
図1ないし図3は、本発明の海老等の甲殻類の養殖装置の1実施例を示すものである。
すなわち海老等の甲殻類の養殖装置11は多段の棚部材12と、前記各棚部材12間を上下に所定間隔で連結した縦状部材13とで構成したほぼ矩形に区画された連続する多数の個室14とを備えている。ちなみにこの個室の長さ(奥行き)は、海老等の甲殻類の出入りのしやすさ等を勘案して、海老等の甲殻類の長さとほぼ等しい長さとすることが望ましい。
また前記各棚部材12は下の段がせり出したベランダ部12aを有し、かつ前記各棚部材12と縦状部材13、および養殖装置11のハウジング(外枠)とはおのおの網状素材で構成されている。
なお、水面から前記養殖用水槽31内に設置した前記海老等の甲殻類の養殖装置11の最上部の棚部材12の上面までの距離が、成長に伴う脱皮の直後の軟質体が水中に沈み込んでしまう深さに保持することができるようにしたことにより、共食いが飛躍的に減少して約8割以上の生存確率で前記海老等の甲殻類を養殖することができるようになった。図では5mm〜30mm程度を想定している。
もちろん、前記海老等の甲殻類の養殖装置11を前記養殖用水槽31の底面から所定高さに保持することができるようにした高さ保持部材15,16は、併用可能であるとともに、いずれかを適宜選択して適用してもよい。
すなわち海老等の甲殻類の養殖装置21は多段の棚部材22と、前記各棚部材22間を上下に所定間隔で連結した縦状部材23とで構成したほぼ三角状に区画された連続する多数の個室24とを備えている。ちなみにこの個室の長さ(奥行き)は、海老等の甲殻類の出入りのしやすさ等を勘案して、海老等の甲殻類の長さとほぼ等しい長さとすることが望ましい。
また前記各棚部材22は下の段がせり出したベランダ部22aを有し、かつ前記各棚部材22と縦状部材23を形成する波状部材23a、および養殖装置21のハウジング(外枠)とはおのおの網状素材で構成されている。
そしてこのように構成することにより、海老等の甲殻類が前記養殖用水槽31の底部を自由に移動することができ、ほぼ三角状に区画された連続する多数の個室24に無理なく入り込むことができる。また、前記養殖用水槽31の底部に降下してきた脱皮物が水流によって洗い流されるので、前記多数の個室24内に個々の海老が入り込んで共食いが大幅に減少し、かつ共食いを誘発する脱皮物も水流できれいに洗い流すことができる。
実験によれば、ほぼ三角状に区画された連続する多数の個室24であれば、前記縦状部材23が直線状あるいは曲線状のいずれの波状部材23aであってもほぼ同様の歩留まりで海老等の甲殻類を養殖することが可能であることが判明した。
すなわち前記養殖用水槽31は縦長に形成されていて、そのほぼ中央に長さ方向に沿って間仕切り32が配設されている。そして該間仕切り32の両側を流路33として利用するものである。
前記養殖用水槽31内の間仕切り32の両側に位置する前記流路33の適宜位置には、ポンプその他の水流生起手段34が取り付けてあって所定速度の水流が生起されるようになっている。
また流路33内の適宜位置、例えば前記養殖用水槽31内の対角線位置には一対のスクリュー内蔵のポンプ34aが、また前記流路33内の適所には横軸の周面に羽根を取り付けたファン34bがそれぞれ水流生起手段34として配設されている。このポンプ34aあるいはファン34bはそれぞれ単独で使用しても、また併用してもよい。もちろん、前記ポンプ34aやファン34b以外の水流生起手段34を用いても全く問題がない。
前記流路33の適宜位置には、排水管35aおよび給水管35bを介して濾過器35が連結されており、本発明の海老等の甲殻類の養殖装置11,21を長時間運用しても前記養殖用水槽31内の汚濁を防止することができる。
また、多数の単一ユニットの海老等の甲殻類の養殖装置11,21が上下に連結されており、したがって多段に形成したほぼ矩形またはほぼ三角状、ないしはその他の形状に区画された連続する多数の個室14,24が、前記流路33内にその長さ方向に沿って適宜間隔で複数列配設されている。
ちなみに、各列ごとにその長さ方向に沿って連結アーム36を取り付けておけば、この連結アーム36ごとに取り付けあるいは取り外すことができ、維持管理に非常に有用である。
なお、水面から前記養殖用水槽31内に設置した前記海老等の甲殻類の養殖装置11,21の最上部の棚部材12,22の上面までの距離が、成長に伴う脱皮の直後の軟質体が水中に沈み込んでしまう深さに保持されていることにより、共食いが飛躍的に減少して約8割以上の確率確率で前記海老等の甲殻類を養殖することができるようになった。
ちなみに本発明の海老等の甲殻類の養殖装置11,21における前記歩留まりは、80%を超えるものとすることができ、従来のこの種装置における5〜15%に比べて飛躍的に歩留まりを向上させることができるようになった。
また、濾過器35には前記養殖用水槽31内の廃液を強制的に循環させる機能を持たせることができ、その際には前記スクリュー内蔵のポンプ34aと併用させることができる。
なお、前記濾過器35の使用は任意である。
また本発明の海老等の甲殻類の養殖装置および該養殖装置を設置した養殖用水槽はオニテナガエビの養殖に好適に使用することができるが、本発明の要旨を変更しない限り、オニテナガエビ以外の甲殻類の養殖装置および該養殖装置を設置した養殖用水槽として使用することができる。
12 棚部材
12a ベランダ部
13 縦状部材
14 個室
15 支持脚
16 吊下げ部材
21 甲殻類の養殖装置
22 棚部材
22a ベランダ部
23 縦状部材
23a 波状部材
24 個室
25 支持脚
26 吊下げ部材
31 養殖用水槽
32 間仕切り
33 流路
34 水流生起手段
34a ポンプ
34b ファン
35 濾過器
35a 排水管
35b 給水管
36 連結アーム
Claims (6)
- 多段の棚部材と、前記各棚部材間を上下に所定間隔で連結した縦状部材とで区画された連続する多数の個室とを備え、
前記各棚部材は下の段がせり出したベランダ部を有し、
前記各棚部材と縦状部材とはおのおの網状素材で構成された海老等の甲殻類の養殖装置であって、
該海老等の甲殻類の養殖装置は、該海老等の甲殻類の養殖装置を設置する養殖用水槽の底面から所定高さに保持することができるとともに、水面から棚部材の上面までの距離が成長に伴う脱皮の直後の軟質体が水中に沈み込んでしまう深さに保持することができる高さ保持部材を備えており、
前記各棚部材と縦状部材とで構成された多数の個室内に個々の海老が入り込んで共食いなく養殖することができるようにしたことを特徴とする海老等の甲殻類の養殖装置。 - 前記縦状部材が、直線状または曲線状に折返された波状からなることを特徴とする請求項1に記載の海老等の甲殻類の養殖装置。
- 前記高さ保持部材が、前記海老等の甲殻類の養殖装置の少なくとも四隅に配設された支持脚または吊下げ部材からなることを特徴とする請求項1または2に記載の海老等の甲殻類の養殖装置。
- 海老等の甲殻類の養殖装置と、該養殖装置を設置する養殖用水槽とからなる海老等の甲殻類の養殖装置および該養殖装置を設置した養殖用水槽であって、
前記養殖装置は、多段の棚部材と、前記各棚部材間を上下に所定間隔で連結した縦状部材とで区画された連続する多数の個室とを備え、
前記各棚部材は下の段がせり出したベランダ部を有し、
前記各棚部材と縦状部材とはおのおの網状素材で構成され、
前記養殖用水槽の底面から所定高さに保持することができるとともに、水面から棚部材の上面までの距離が成長に伴う脱皮の直後の軟質体が水中に沈み込んでしまう深さに保持することができる高さ保持部材を備えており、
前記各棚部材と縦状部材とで構成された多数の個室内に個々の海老が入り込んで共食いなく養殖することができるようにするとともに、
前記養殖用装置は、ほぼ中央に間仕切りが配設されていて、該流路内の適宜位置に取り付けたポンプその他の水流生起手段で所定速度の水流が生起されており、前記流路内には多数の前記海老等の甲殻類の養殖装置が所定の間隔で配置されていることを特徴とする海老等の甲殻類の養殖装置および該養殖装置を設置した養殖用水槽。 - 前記縦状部材が、直線状または曲線状に折返された波状からなることを特徴とする請求項4に記載の海老等の甲殻類の養殖装置および該養殖装置を設置した養殖用水槽。
- 前記高さ保持部材が、前記海老等の甲殻類の養殖装置の少なくとも四隅に配設された支持脚または吊下げ部材からなることを特徴とする請求項4または5に記載の海老等の甲殻類の養殖装置および該養殖装置を設置した養殖用水槽。
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