JP6885636B1 - レーザ励起プラズマ光源およびプラズマ点火方法 - Google Patents

レーザ励起プラズマ光源およびプラズマ点火方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマ点火の高い信頼性を確保し,これに基づいて高い空間的かつ出力的安定性を備えた無電極高輝度広帯域光源を作成し,広帯域プラズマ放射を9sr以上の空間角度で収集する機能を提供する。【解決手段】光源はCWレーザの集束ビームによって維持される放射プラズマ領域を有する気体充填チャンバを含む。プラズマ点火手段はチャンバ内で集束される第1および第2のレーザ・ビームを生成するパルス・レーザ・システムである。第1のレーザ・ビームは光絶縁破壊を提供し,その後に第2のレーザ・ビームがプラズマを点火し,プラズマの体積および密度が,上記第2のレーザ・パルスの完了後,CWレーザによる定常プラズマ維持に十分とされる。好ましくは第1のレーザ・ビームはQスイッチング・モードにおいて生成され,第2のレーザ・ビームはフリー・ランニング・モードにおいて生成される。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本願は2020年3月5日出願のロシア特許出願RU2020109782号および2020年3月10日出願の米国特許出願第16/814,317号に対して優先権を主張する。
この発明は,紫外(UV),可視および近赤外(NIR)スペクトル帯域において高輝度光を生成する無電極レーザ励起プラズマ光源(electrode less laser-pumped plasma light)およびプラズマ点火を始動する方法(methods for starting plasma ignition)に関する。
連続光放電(continuous optical discharge)(COD)は事前に作成される比較的高密度のプラズマ中においてレーザ放射によって維持(持続)される(sustained)定常気体放電である。連続波(continuous wave)(CW)レーザの集束ビームによって維持されるCODは,さまざまな気体,特に10〜200気圧の高気体圧(high gas pressure)におけるキセノン(Xe)中で実現される(カールホフ外(Carlhoff et al.),「超高圧下における連続光放電」(“Continuous Optical Discharges at Very High Pressure,”)Physica 103C, 1981, pp. 439-447)。約20,000Kの高プラズマ温度に起因して(ライザー(Raizer),「光放電」(Optical Discharges”) Sov. Phys. Usp. 23 (11), Nov. 1980, pp. 789-806) ,CODベースの光源は約0.1μm〜1μmの広いスペクトル範囲において最高輝度の連続光源となる。アークランプ(arc lamps)と比較すると,このようなレーザ励起プラズマ光源は輝度が高いのみならず寿命も長いので,さまざまな用途に適している。
高輝度レーザ励起プラズマ光源の設計に関する課題の一つはCODの確実な点火(ignition)を提供する初期プラズマを生成することである。
たとえば2016年6月14日発行の米国特許第9368337号から知られているように,レーザ励起プラズマ光源では,透明なチャンバの軸上に配置された2つのピン電極の間にアーク放電が短時間発生させ,これがプラズマ点火の始動に用いられる。CWレーザのビームは,2つの電極間のギャップ中にあるチャンバの中心に集束される。この光源は高輝度と使いやすさとに特徴がある。後者は,主に,気体,特に高圧Xe(10気圧以上)を含む2つの電極を備える石英チャンバまたはバルブが市販製品であるという事実によるものである。
しかしながら,高温プラズマ領域の近くに位置する比較的冷たい電極がチャンバ内の気体の対流を乱し,その結果としてレーザ励起プラズマ光源の空間的かつエネルギー的安定性が損なわれる。さらに,放射プラズマ領域近くの電極の存在がプラズマ放射の出口を制限する「死の」空間角(“dead” spatial angles)によって特徴付けられる。また,電極材料のスパッタリングによってバルブ壁の透明度が低下し,それに応じて時間経過とともに光源が劣化することがある。
この欠点は,2016年5月31日発行の米国特許9357627号から知られる高輝度ブロードバンド光源において大幅に克服される。その実施例では,COD点火の後,レーザ・ビームの集束(焦点)領域,およびこれに対応する放射プラズマ領域が,点火電極間のギャップからチャンバ壁に向かって移動する。レーザ・ビーム,チャンバ軸および放射プラズマ領域の相対位置を選択することによって,広帯域レーザ励起プラズマ光源の高い空間的かつ出力的安定性がもたらされる。
しかしながら,上記放射プラズマ領域を移動させる必要があるので,光源の設計と操作とが複雑になる。さらに,レーザ・ビームの絞り込みがより難しくなり,これによって光源の高輝度の達成が制限されることがある。電極包含チャンバ(an electrode-containing chamber)には,金属/ガラス接合部をシールするための複雑な技術,および高気体圧で作動するときにチャンバの強度低下をもたらす応力集中を生成する複雑なチャンバ形状の欠点もある。
上述の欠点は,レーザがプラズマ点火の始動とCOD維持(COD sustenance)の両方に使用される,1986年8月27日発行の特開昭61−193358号公報から知られる無電極レーザ励起プラズマ光源には存在しない。
しかしながら,プラズマ点火に必要なレーザ放射の閾値パワーは,通常,およそ数十ないし数百キロワット以上であるのに対し,COD維持に十分なレーザ放射強度は,通常,ほんの数十ワットである。したがって,プラズマ点火とCOD維持の両方に高出力パワーを備える同一レーザを使用すると,光源の寿命が短くなる(COD維持に全レーザ・パワーが使用される場合)か,CODを維持するために全レーザ出力の一部のみが使用される場合には,冗長,高価であり,したがって実用的ではない。
2018年8月21日発行の米国特許第10057973は,250ワット未満のパワーおよび1.1μm未満の波長を有する単一CWレーザを使用することによってこの課題を克服することを提案している。1〜15ミクロン未満の焦点サイズ(a focal area cross size)および6ミクロン以下の焦点領域長さのCWレーザ・ビームの絞り込み(sharp focusing)手段によって,CODの点火と維持とが提供されると主張されている。
しかしながら,レーザ絞り込みの要件が非常に厳しく,かつ提案される光源の高い機能信頼性が保証されないので,この解決策は汎用性ではない。さらに,光源に供給される約250ワットのレーザ出力はさまざまなアプリケーションとって高すぎることがある。
これらの欠点は,1985年5月3日発行のフランス国特許FR2554302から知られる光源において克服され,そこでは,初期プラズマ点火または光絶縁破壊(光ブレークダウン)(optical breakdown)を目的とした集束パルス・レーザ・ビームがプラズマ点火手段として使用され,CWレーザがCOD維持に使用されている。上述のアプローチはレーザ励起プラズマ光源の寿命の問題を解消する。
しかしながら,プラズマ点火およびレーザ励起プラズマ光源の高輝度化の確保の両方においてレーザ・ビームの絞り込みが必要とされる。したがって,パルスおよびCWレーザの集束領域の非常に正確な調整が必要とされる。これは,レーザ点火の複雑さと低信頼性をもたらし,高輝度光源における安定したCOD点火が問題になる。
これらの欠点は,2017年5月25日に発行された米国特許第10244613号から知られる光源において一部が克服されている。この発明の一実施形態では,一または複数の点火レーザのビームおよびCOD維持を目的とする一または複数のCWレーザのビームとが,上記レーザの放射を集光または集束光学システムに送るために用いられる光ファイバに導入される。この装置では,パルス・レーザとCWレーザの波長が類似する場合,パルス・レーザとCWレーザの集束領域の重ね合わせ(superposition)が達成される。
しかしながら,パルス・レーザとCWレーザの波長が異なると,色収差のためにそれらの集束領域が発散する。さらに,信頼性の高いCOD点火(数百kW)に使用される高パワーのレーザ・パルスを光ファイバ経由で送信すると,光ファイバが破壊されることがあり,これはこの解決策の欠点を決定づけている。
この発明が解決しようとする課題は,連続光放電の非常に信頼性の高いレーザ点火のための方法および装置の作成,ならびにそれに基づいて高輝度,高安定のレーザ励起プラズマ光源を開発することに関する。
この発明の技術的結果は,CWレーザによって維持されるプラズマを点火することについて高い信頼性を確保し,それに基づいて高い空間的かつ出力的安定性を有する無電極高輝度広帯域光源(electrode-free high-brightness broadband light sources)を作成することにある。
この目的の達成は,一部が部分的に透明である高圧気体充填チャンバ,連続波(CW)レーザの集束ビームによってチャンバ内で維持される放射プラズマの領域,チャンバから出るプラズマ放射の少なくとも一つの出力ビーム(有用ビームと言うこともある),およびプラズマ点火手段を備える,提案するレーザ励起プラズマ光源を用いることによって可能になる。
上記光源は,上記プラズマ点火手段が上記チャンバ内に集束される第1および第2のレーザ・ビームを生成するパルス・レーザ・システムであり,上記第1のレーザ・ビームが気体(ガス)の光絶縁破壊(光ブレークダウン)のために配置され,上記第2のレーザ・ビームが光絶縁破壊後のプラズマ点火のために配置されることを特徴とする。
この発明の一実施態様では,上記第1のレーザ・ビームが10ワットを超えるピーク放射パワーおよび0.1マイクロ秒未満のパルス長(パルス幅,パルス持続時間)を有している。
この発明の一実施態様では,上記第2のレーザ・ビームが,上記第1のレーザ・ビームと比較して,少なくとも3倍のレーザ・パルス・エネルギーおよび少なくとも一桁低い(at least an order of magnitude lower)レーザ・ピーク・パワーを有している。
この発明の好ましい実施態様では,上記第2のレーザ・ビームによって何度も点火される上記プラズマの体積が,1桁以上(by an order of magnitude or more),上記第1のレーザによる光絶縁破壊中に生成されるプラズマの体積を超える。
この発明の好ましい実施態様では,上記第2のレーザ・ビームによって点火されるプラズマの体積および密度が,上記CWレーザの集束ビームによる上記プラズマの定常維持(stationary sustenance)に十分なものである。
この発明の一実施態様では,上記第2のレーザ・ビームが最大1mmのプラズマ・サイズを提供し(自由電子密度のFWHMまたは発光プラズマ領域の輝度プロファイルのFWHMとして測定される),最大1018cm−3またはそれ以上(up to 1018 cm-3 or more)のプラズマ密度を提供する(体積あたりの自由電子として測定される)。
この発明の一実施態様では,上記CWレーザの出力パワーが300ワットを超えない。
この発明の一実施態様では,上記第2のレーザ・ビームの放射パルスが,上記第1のレーザ・ビームの放射パルスの終了後50μs以上経過後に終了する(50μs未満では終了しない)(ends no earlier than 50 μs after the end of the radiation pulse of the first laser beam)。
この発明の好ましい実施態様では,上記第1および上記第2のレーザ・ビームの集束領域が少なくとも部分的に重なり合っている(overlap)または重畳されている(superposed)。
この発明の好ましい実施態様では,上記パルス・レーザ・システムが,共通のキャビティ・ミラーを備える2つのレーザを含み,上記第1および上記第2のレーザ・ビームが平行であり,一つの共通の集束光学系を通して上記チャンバ内に導入される。
この発明の好ましい実施態様では,上記パルス・レーザ・システムが固体レーザ・システム(a solid-state laser system)である。
この発明の好ましい実施態様では,上記パルス・レーザ・システムがQスイッチング・モード(Q-switching mode)またはジャイアント−パルス生成モード(giant-pulse generation mode)において上記第1のレーザ・ビームを生成する。
この発明の好ましい実施態様では,上記パルス・レーザ・システムがフリー・ランニング・モード(free running mode)において上記第2のレーザ・ビームを生成する。
この発明の好ましい実施態様では,上記CWレーザのみがファイバ光出力(fiber-optic output)を有している。
この発明の一実施態様では,上記CWレーザの波長が上記第1および第2のレーザ・ビームの放射波長と異なっている。
この発明の好ましい実施態様では,上記CWレーザの集束ビームが,垂直上向きまたは垂直に近い方向に向けられている。
この発明の一実施態様では,上記チャンバの透明部分の外面および内面が同心球(concentric spheres)またはその一部として形成されており,放射プラズマの上記領域が上記同心球の中心に位置している。
この発明の一実施態様では,上記プラズマ放射の出力ビームがすべての方位角において(in all azimuths)上記チャンバを出る。
この発明の一実施態様では,上記プラズマ放射の出力ビームが9sr以上の立体角で(in a solid angle of not less than 9 sr)上記チャンバを出る。
この発明の一実施態様では,上記レーザ励起プラズマ光源が3つ以上のプラズマ放射の出力ビームを備えている。
他の観点において,この発明は,高圧気体(高圧ガス)を有するチャンバ内へのCWレーザの集束ビームの方向付け(direction),プラズマ点火の始動,上記CWレーザの上記集束ビームによる放射プラズマの定常維持を含む,レーザ励起プラズマ光源におけるプラズマ点火方法に関する。
上記方法は,上記チャンバ内に集束される第1および第2のレーザ・ビームを生成するパルス・レーザ・システムによって上記プラズマ点火が提供され,第1のレーザ・ビームを用いて光絶縁破壊を提供し,その後に上記第2のレーザ・ビームを用いて上記プラズマを点火し,プラズマの体積および密度が上記CWレーザの集束ビームによる定常プラズマ維持に十分であることを特徴とする。
この発明の好ましい実施態様では,上記パルス・レーザ・システムが,Qスイッチング・モードにおいて上記第1のレーザ・ビームを生成し,かつフリー・ランニング・モードにおいて上記第2のレーザ・ビームを生成する固体レーザ・システムである。
提案するやり方で上記光源を設計することによって,以下の要因により,第1および第2レーザ・ビームの適切なエネルギー,持続時間およびパルス・パワーを選択することでCODの信頼性の高い点火を実現することができる。信頼性の高い光絶縁破壊は第1のレーザ・ビームによって提供される。しかしながら,1つのレーザ・ビームのみを使用するCOD点火は不安定かつ問題がある。その理由の一つは,CWレーザの集束領域を,領域サイズが通常非常に小さく,約50μmの値を超えることがない光絶縁破壊領域に重ね合わせるのが難しいことである。たとえパルス・レーザ・ビームとCWレーザ・ビームの集束領域が重畳されるとしても,一つのレーザ・ビームのみを使用するCOD点火は依然として困難なままである。これは,レーザ放射によって生成される光絶縁破壊が爆発的性質(an explosive character)を持つという事実によるものである。爆発プロセス,特に衝撃波は,通常300ワット以下の低いパワーのCWレーザによって維持される光放電を抑制することがある。この発明によると,光絶縁破壊後にプラズマ点火をもたらす上記第2のパルス・レーザ・ビームを用いることによって,この課題が解決される。この場合,第2のレーザ・ビームによって維持されるパルス光放電自体は爆発現象と関係がなく(free of explosive phenomena),第2のレーザ・ビームによって点火されたプラズマは光絶縁破壊によって引き起こされる障害(disturbances)に対する耐性がある(resistant)。同時に,上記第2のレーザ・ビームは,比較的小さい出力パワーのCWレーザの集束ビームによる信頼性の高い定常プラズマ維持に十分なプラズマ量と密度を保証する。このようにして,信頼できるCOD点火が実現される。
この発明の利点および特徴は,添付図面を参照する例によって与えられる,その例示的な実施形態の以下の非限定的説明からより明らかになるであろう。
図面において,装置の対応する要素には同一の符号を付す。
これらの図面は,この技術的解決策を実施するためのオプションの範囲全体をカバーせず,さらに限定せず,その実施の特定のケースの例示的な例にすぎないものである。
この発明によるプラズマ点火のためのパルス・レーザ・システムを備えるレーザ励起プラズマ光源の概略図である。 この発明の一実施態様によるレーザ・ビームの放射パワーのグラフである。 プラズマ点火用固体レーザ・システムを備えるレーザ励起プラズマ光源の概略図である。 有用プラズマ放射の3チャネル出力を備える光源の概略図である。 この発明の一実施態様によるレーザ・ビームの放射パワーのグラフである。
この説明は,この発明をどのように実施できるかを例示するために提供され,この発明の範囲を説明するものでは決してない。
図1に示す発明の実施例によると,レーザ励起プラズマ光源(the laser-pumped plasma light source)は,典型的には10気圧以上(10 atm or higher)の高圧気体(ガス)が充填されたチャンバ1を備えている。上記チャンバ1の少なくとも一部は光学的に透明である。図1は,光学的に透明な材料,たとえば溶融石英(fused quartz)から製造された完全に透明なチャンバを備える実施形態を示している。上記チャンバ1はCWレーザ4の集束ビーム3によって上記チャンバ内に維持(保持,持続)される(sustained)放射プラズマ領域(the radiating plasma region)2を含む。光学コレクタ6に向けられ,その後の使用が意図されるプラズマ放射5の少なくとも1つの出力ビーム(有用ビーム)が上記チャンバ1を出る。上記光学コレクタ6は放射ビーム7を形成し,これが,たとえば光ファイバおよび/またはミラー・システムを介して,プラズマによって放出される広帯域放射を使用する一または複数の光消費システム(optical consumer system)8に送られる。
光学コレクタについては,たとえば2016年5月31日発行の米国特許第9357627号に詳細に開示されており,その全体が参照により本書に組み込まれる。
上記光源はプラズマ点火手段も備えている。上記光源は,プラズマ点火手段が,チャンバ1内においてすなわち放射プラズマ2を維持することを目的とする領域に集束される第1のレーザ・ビーム10および第2のレーザ・ビーム11を生成するパルス・レーザ・システム9であることを特徴とする。上記第1のレーザ・ビーム10は,チャンバ1内でプラズマ点火を始動する(starting plasma ignition)または光絶縁破壊(optical breakdown)するためのものである。上記第2のレーザ・ビーム11は,第1のレーザ・ビーム10によって提供される光絶縁破壊後のプラズマ点火のためのものである。
提案のやり方で光源を設計することで,2つのレーザ・ビームの適切なエネルギー,持続時間,それに対応するパルス・パワーを選択することによって,連続光放電の確実な点火(reliable ignition of the continuous optical discharge)を達成することができる。これによって,可能な限り最高の空間的かつエネルギー的安定性を特徴とする,無電極高輝度広帯域レーザ励起プラズマ光源を作成することができる。
電極がないことによって,高圧チャンバ設計が簡素化され,チャンバ強度と信頼性とが向上し,この発明の好ましい実施形態において,図1のように,プラズマ放射の出力ビーム5が,360°の平面角またはすべての方位角においてチャンバを出ることが保証される。これはCWレーザのビーム3の軸に垂直であり,かつ放射プラズマ2の領域を通過する方位角平面内において,プラズマ放射の出力ビームが0°〜360°のすべての方位角においてチャンバを出るということである。さらに,この発明の好ましい実施態様では,プラズマ放射の出力ビーム5の開口角(図1の図面の平面に対する平坦角)は90°以上であり,それに対応して,プラズマ放射は9sr以上の立体角において(in a solid angle of 9 sr or more)光学コレクタ6によって収集される。好ましくは,ファイバ光出力を備える費用効果の高い近赤外ダイオード・レーザがCWレーザ4として用いられる。この場合,光ファイバ12の出口において拡大するレーザ・ビームは,たとえば集光レンズの形態のコリメータ13に向けられる。コリメータ13の後,CWレーザの拡大平行ビーム14がたとえば非球面コンデンサ・レンズの形態の集束光学素子15に向けられる。上記集束光学素子15は,光源の高輝度を達成するために必要とされるCWレーザ4のビーム3のシャープな集束(絞り込み)を保証する。
この発明の一実施態様では,上記CWレーザ4のパワーは300ワットを超えず,これは広範なアプリケーションには十分であるが,プラズマ点火用の特別な手段なくしては,連続光放電を点火するには十分ではない。
この発明の一実施形態では,パルス・レーザ・システム9は,図1のように,第1のレーザ・ビーム10を生成するための第1のレーザ16と,第2のレーザ・ビーム11を生成するための第2のレーザ17とを含む。このオプションのみに制限されることなく,第1および第2のレーザ・ビームを集束するためにコンデンサ・レンズの形態の追加素子を使用してもよい。
この発明の好ましい実施形態では,上記第1および第2のレーザ・ビームの集束領域が,少なくとも部分的に重畳するまたはオーバーラップする。
図2は,第1および第2のレーザ・ビーム10,11,ならびにCWレーザ4のビームにおける放射パワーの特徴的な時間依存性を対数目盛において概略的に示している。
好ましくは,安定したプラズマ点火の始動または光絶縁破壊を保証するために,上記第1のレーザ・ビーム10は,高い(少なくとも10W)パルス放射パワーを特徴とする。この場合,レーザ・パルスの半値全幅は0.1μsを超えないことで十分である。
この発明によると,上記第2のレーザ・ビームは,上記第1のレーザ・ビームと比較して何倍も低い,たとえば10ワットのパルス・パワーを持ち,かつ何倍も高いレーザ・パルス長およびエネルギーを持つ。これによって,第1のレーザ・ビームへの曝露後,第2のレーザ・ビームを使用することによって,第1のレーザ・ビームによって生成されるプラズマの体積よりも桁違いに何倍も大きいプラズマの体積を生成することができる。同時に,図2に示すように,第2のレーザ・ビームの放射パワーはCWレーザ・パワーよりも1桁以上高い。
第2のレーザ・ビームは,体積および密度がCWレーザの集束ビームによる定常プラズマ維持に十分であるプラズマを作成するためのものである。
図2を参照して,この発明の実施態様では,第2のレーザ・ビームの生成は第1のレーザ・ビームの生成よりも前に始まり,第1のレーザ・パルスの終了後50μs以上経過した後に終了する(50μsよりも前には終了しない)。一方において,上記第1および第2のレーザ・ビームの同期(並列化)(synchronizing)が容易にされ,他方において上記第2のレーザ・ビームの影響下におけるプラズマ発生に十分な時間が提供される。その結果,集束CWレーザ・ビームによる信頼性の高い定常プラズマ維持に十分である,最大約1mmのサイズの大きなプラズマ体積と最大1018cm−3のプラズマ密度が得られる。1018cm−3のプラズマ密度は,約16atmのチャンバ内の初期気体圧におけるプラズマ放射の領域において18,000Kの温度および10%のイオン化を持つ気体に対応する。
一実施例では,レーザ励起プラズマ光源は以下のように動作する。図1に示すように,上記CWレーザ4の集束ビーム3が,少なくとも部分的に透明である高圧気体チャンバ1に向けられる。金属蒸気,たとえば水銀を含むキセノン,他の不活性気体およびこれらの混合物,ならびに/または気体ハロゲン化物を含む様々な気体混合物を,高効率プラズマ燃料としてチャンバ内に格納することができる。上記第2のレーザ17の集束された第2レーザ・ビーム11が,放射プラズマ2を維持することを意図する領域に向けられる。この発明の実施態様では,第2のレーザ・ビーム11の最大放射パワーは約10ワットの値を有することができ,他方,レーザ・パルス長(パルス幅,パルス持続時間)は約10−4sとすることができる。第2のレーザ・ビーム11の放射パルス中に第1のレーザ・ビーム10が生成され,その集束領域が第2のレーザ・ビームの集束領域に少なくとも部分的に重畳される。0.1μs未満の短期間,10ワット以上のオーダーで,エネルギーが数mJのオーダーである強力な上記第1のレーザ16の放射パルスが使用されて,50〜100μmの特徴的なサイズの小さい体積内において,初期の局所的な気体のイオン化を伴う光絶縁破壊がもたらされる。上記第1のレーザ・ビーム10よりも何倍も高いエネルギーおよびレーザ・パルス長の第2のレーザ・ビーム11が用いられて,CWレーザのビーム3中の放射パワーよりも何倍も高いレーザ放射パワー(10W以上のオーダー)の下で光放電が維持される。パルス長が約100μs以上である第2のレーザ・ビーム11による光放電を持続させると,コースティックスかつその半径方向の膨張に沿って(along the caustic and its radial expansion)レーザ・ビーム11に向かって移動することに起因して,プラズマ体積が増加する。したがって,最大1mmのプラズマ・サイズを達成することができる。増加したプラズマ体積中の第2のレーザ・ビーム11の十分に高い(0.1J/パルス以上のオーダー)放射パルス・エネルギーに起因して,300ワットを超えない比較的小さなパワーのCWレーザ4の集束ビーム3による放射プラズマの信頼可能な維持に十分なレベルの電子密度が提供される。すなわち,第2のレーザ・ビームは,1018electrons/cm以上のオーダーの値を有する連続光放電の閾値プラズマ密度よりも高いプラズマ密度を提供する。定常モード(stationary mode)において,チャンバ1の光学的透明部分を通って外に出る,その後の使用が意図されたプラズマ放射の少なくとも一つの出力ビーム5によって,上記放射プラズマ領域2から広帯域放射が出力される。
上記に提案する光源を設計することによって,点火電極を使用することなく,連続光放電の確実な点火が達成される。チャンバの形状が単純化され,かつ金属がチャンバに気密に導入されている箇所における機械的ストレスが排除されることによって,チャンバの設計を大幅に改善することができ,光源の信頼性と寿命が向上する。設計の簡素化によって,チャンバを出るプラズマ放射の出力ビームに導入される収差(aberrations)が減らすチャンバ形状を使用することができ,これによって光源の輝度を増加する。また,それはUVスペクトル範囲において高い透明度を持つチャンバ材料を使用する可能性を提供する。上記光源始動時の電磁ノイズが低減される。光学的に透明な部品のメタライゼーションがなくなるので,チャンバの寿命が延びる。さらに,電極がないことによって,放射出力の空間角度が大幅に増大し,プラズマ放射の出力ビームのパワーを上げることができる。同時に,点火電極がなくなることで,チャンバ内の対流の乱流が大幅に減少し,それによってレーザ励起プラズマ光源の空間的かつ出力的安定性が大幅に向上する。さらに,無電極チャンバの寸法の最適化の可能性に起因して安定性のさらなる改善が達成される。全般には,光源の輝度と安定性の向上が達成され,UV範囲における光出力の上昇の可能性が実現され,信頼性と寿命が向上し,操作の利便性が向上し,運用コストが削減される。
上述の可能性は,図3に示すパルス・レーザ・システム9が固体のものである光源において最も容易に実現可能である。この発明の一実施態様において,上記パルス・レーザ・システム9は,2つの光学的励起固体レーザ(optically pumped solid-state lasers)16,17を備えている。たとえば,反射器を備えるフラッシュ・ランプ18,19を光ポンピング源(sources of optical pumping)として使用することができる。ランプは,互いに対して最適化された遅延でオンにされる。金属イオン,たとえばネオジム(Nd)がドープされた透明基材,たとえイットリウムーアルミニウムーガーネット(YAG)製のロッド(rods)を能動素子20,21として使用することができる。上記第1および第2のレーザ・ビーム10,11は,好ましくは平行に,たとえば非球面コンデンサ・レンズの形態の一つの共通集束光学系22を介してチャンバ1に導入される。上記レーザ・ビーム10,11が平行であることを保証するために,上記第1および第2の固体レーザ16,17は,好ましくは共通キャビティ・ミラー23,24を有している。これは,プラズマ点火に必要な上記第1および第2のレーザ・ビーム10,11の集束領域の重ね合わせを提供する。
この発明の好ましい実施態様では,上記パルス・レーザ・システム9は,Qスイッチング・モード(Q-switching mode)またはジャイアント−パルス生成モード(giant-pulse generation mode)において第1のレーザ・ビーム10を生成し,フリー・ランニング・モード(free running mode)において第2のレーザ・ビーム11を生成する。Qスイッチング・モードを実施するために,上記第1のレーザには,たとえばフォトトロピック材料(phototropic material)製の受動(パッシブ)Qスイッチ25が設けられる。この発明の別の実施形態において,能動(アクティブ)Qスイッチングを使用することができる。
ジャイアント・パルス生成中の上記パルス・レーザ・システム9の放射パワーが高すぎると,光ファイバが損傷する可能性があるので,その放射を伝送するために光ファイバを用いることができない。このため,この発明の実施形態では,図1および図3のように,CWレーザだけがファイバ光出力を備えている。
好ましくは,上記第1および第2のレーザ10,11は,同一の放射波長,たとえばλ=λ=1.064μmを有し,CWレーザの波長λCWはこれとは異なり,たとえばλCW=0.808μmまたは0.976μmであり,λCW≠λ=λの関係がある。これによって,図3のように,ダイクロイック・ミラー26を使用してCWレーザの拡大ビーム14をチャンバに向けることができる。
光学的な位置合わせを容易にし,かつ光源構成を改善するために,図3に示すように,追加の偏向ミラー27または複数のそのようなミラーを含ませることができる。
この発明の実施形態では,CWレーザ・ビーム14の経路中に,またはパルス・レーザ・システム9中に追加の光学素子(図示略)を取り付けて,色収差を相殺し(offset chromatic aberrations),CWおよびパルス・レーザ・ビームの集束領域をより正確に調整することができる。特に,パルス・レーザ・システムでは,ミラー23,24によって形成されるキャビティーの内部に,追加の光学素子,たとえば偏光子,フィルタ,ダイヤフラムを設置して,第1および第2のレーザ・ビームのパラメータを制御することができる。
この発明の好ましい実施態様では,CWレーザ集束ビーム3の軸は,垂直上向きに,すなわち図3に示す重力28と反対方向に,または垂直に近い方向に向けられる。この提案の設計は光源放射パワーの最高安定性を実現する。これは,通常,CWレーザの集束ビーム3の強度が放射プラズマ領域2を維持するのに十分な集束レーザ・ビームの断面まで,放射プラズマ2の領域がその焦点からCWレーザの集束ビーム3に向けてわずかに移動するという事実によるものである。CWレーザの集束ビーム3が下から上に向けられることで,最も低い質量密度を持つ最高温のプラズマを含む放射プラズマ領域2は,浮力の影響下で浮く傾向にある。放射プラズマ2の上昇領域は,CWレーザの集束ビーム3の断面がより小さくかつレーザ放射強度がより高い焦点に最も近い場所に到達する。他方,これによってプラズマ放射輝度が増加し,さらに他方では放射プラズマ領域に作用する力が等しくなり,高輝度レーザ励起プラズマ光源の放射パワーの高い安定性が保証される。
これらのプラスの効果を実現するために,上記チャンバ1は軸対称である必要があり,CWレーザの集束ビーム3の軸が上記チャンバの対称軸と一致している必要がある。
非常に安定した出力パラメータを提供することに加えて,この発明は,特に無電極チャンバの形状および寸法を最適化することによって,レーザ励起広帯域光源の最高輝度を達成する可能性を実現する。同様に,この発明の好ましい実施形態では,上記チャンバまたはその透明部品のいずれかの外面および内面が同心球(concentric spheres)として形づけられ,図3のように,放射プラズマ2の領域は上記同心球の中心に位置する。この発明のこの実施形態では,チャンバ壁によって導入される収差が排除され,CWレーザのビーム3のより鋭い集束が達され,光源の輝度を増加させることができる。また,有用なプラズマ放射のビーム5内の光線の経路を歪ませる収差が排除され,その輝度が増加する。
この発明の他の好ましい結果は,上記チャンバの寸法を最小化する可能性である。これは,集束光学系22を放射プラズマ2の領域に近づけることによりCWレーザ・ビーム3の集束鋭さを増加させる。さらに,放射プラズマの領域がチャンバ1の壁,特にチャンバの上壁に近づけば近づくほど,浮力の作用の下,放射プラズマ2の領域において加熱された気体によって得られるパルスが小さくなる。その結果,気体対流の速度と乱流が,プラズマからチャンバ壁までの距離が小さいほど小さくなる。したがって,この発明によって設計されるレーザ励起プラズマ光源の輝度および安定性をさらに高める可能性が提供される。
紫外から近赤外に至る広帯域のスペクトル範囲におけるプラズマ放射出力を保証するために,上記チャンバの光学的に透明な部分が,好ましくは,結晶フッ化マグネシウム(MGF),結晶フッ化カルシウム(CaF),結晶サファイアもしくはロイコサファイア(Al),または溶融もしくは結晶石英からなるグループに属する材料から作られる。
この発明の実施態様では,上記チャンバは,このオプションのみに限定はされないが,プラズマ放射5の出力ビームが2πラジアンの平面角において上記チャンバを出ることを保証する(図1,図3)。
この発明の他の実施態様では,放射プラズマ2の領域を通る水平面における光源の断面を示す図4に示されるように,光源は,プラズマ放射の少なくとも3つの分岐出力ビーム(diverging output beams)5a,5b,5cを有することができる。COD点火および維持に使用される図4のレーザ・ビームは上記図面の下に位置している。単一光源からの複数の,特に3つのプラズマ放射のビームの使用はさまざまな産業用途において必要とされる。この発明のこの実施態様では,レーザ励起プラズマ・レーザ光源のチャンバ1は,3つの光コレクタ6a,6b,6cを備えるハウジング29内に設置される。上記光コレクタ6a,6b,6cはプラズマ放射ビーム7a,7b,7cを形成し,これが広帯域プラズマ放射を用いる光消費システム8a,8b,8cにたとえば光ファイバを通じて伝送される。これによって,3つ以上の光消費システムについて1つの光源を使用することができ,システムのコンパクトなサイズおよびすべての光チャネルにおける広帯域放射の同じパラメータを得ることができる。
この発明によると,図1,図3に示すレーザ励起プラズマ光源におけるプラズマ点火の方法は次のとおりである。CWレーザ4の集束ビーム3が,典型的には10気圧以上の高圧気体充填チャンバ1に向けられる。チャンバ内に集束される第1および第2のレーザ・ビーム10,11を生成するパルス・レーザ・システム9によって,プラズマ点火は提供される。第1のレーザ・ビーム10は光絶縁破壊を提供するように配置され,その後に第2のレーザ・ビーム11がプラズマを点火するために使用され,プラズマの体積および密度はCWレーザ4の集束ビーム3による定常プラズマ維持に十分なものとされる。
この発明の好ましい実施態様では,固体レーザ・システムが用いられて,図3のように,Qスイッチング・モードにおいて第1のレーザ・ビーム10が生成され,かつフリー・ランニング・モードにおいて第2のレーザ・ビーム11が生成される。好ましくは,パルス・レーザ・システム9は,2つの固体レーザ16,17,たとえばフラッシュ・ランプの形態の光ポンピング源18,19を有するNd:YAGレーザ(Nd:YAG lasers)を備える。好ましくは,上記第1および第2のレーザ・ビーム10,11は平行であり,集束光学系22を介してチャンバ1内に導入される。第1および第2のレーザ・ビーム10,11の集束領域を重ね合わせるために,固体レーザ16,17は,好ましくはキャビティーの共通ミラー23,24を持つ。第1のレーザ16はQスイッチ25を備えている。
この発明の実施例では,チャンバ内のキセノン(Xe)ガス圧が30気圧である。Qスイッチング・モードにおいて第1のレーザ16によって放出されるパルス・エネルギーは3mJであり,20ナノ秒(ns)のパルス持続時間およびλ=1.064μmのレーザ波長を持つ。光絶縁破壊プラズマは50〜100μmの特徴的寸法を持つ。光絶縁破壊モードではCWレーザ4の集束ビーム3によって維持される光放電の確実な点火を提供することができない。このため,光絶縁破壊後にプラズマを点火するために第2のレーザ・ビームが用いられ,プラズマの体積(最大1mm)および密度(1018cm−3以上)が,CWレーザ4の集束ビーム3による定常プラズマ維持に十分とされる。この発明の実施例では,第2のレーザ・ビームのエネルギーは150mJ,パルス長は100μs,レーザ波長はλ=1.064μmである。
好ましくは,図2に示すように,第2のレーザ・ビームの放射パルスは,第1のレーザ・ビーム放射パルスの終了後50μs以上経過後に終了する。光絶縁破壊からの外乱を減衰させ,プラズマの寸法および密度を上記CWレーザの集束ビームによる定常プラズマ維持に十分な値に進展させる(evolving)ために,少なくとも50μsの時間を必要とする。
図2に示すように,第2のレーザ・ビームの生成は第1のレーザ・パルスの前に開始することができる。同時に,この発明はこれらの実施態様に限定されない。研究において示されているように,図5に示すように,第1のレーザ・ビームの生成後,第2のレーザ・ビームが最大10秒以上の大きな遅延で生成される場合にも,COD点火は提供される。このプラズマ点火のメカニズムは,おそらくは,チャンバ壁上の巨大パルス(the giant pulse on the chamber wall)の影響と関連し,この影響の結果として永続クラスタまたは固体微粒子が作成される場合である。
概略的には,提案の発明によって,レーザ維持プラズマを点火するレーザの高い信頼性が保証され,それに基づいて最高の空間的かつ出力的安定性を備える高輝度広帯域光源を作成することができる。
この発明によって設計された高輝度高安定性レーザ励起プラズマ光源は,分光化学分析,生物学および医学における生物物体のスペクトル微量分析,マイクロキャピラリ液体クロマトグラフィー,光学リソグラフィープロセスの検査,分光測光法およびその他の目的のために,さまざまな投影システムにおいて使用することができる。

Claims (22)

  1. 少なくとも一部が光学的に透明である気体充填チャンバ,連続波(CW)レーザの集束ビームによって上記チャンバ内に維持される放射プラズマの領域,上記チャンバを出るプラズマ放射の少なくとも一つの出力ビーム,プラズマ点火手段を備えるレーザ励起プラズマ光源であって,
    上記プラズマ点火手段が,上記チャンバ内に集束される第1および第2のレーザ・ビームを生成するパルス・レーザ・システムであり,
    上記第1のレーザ・ビームが気体の光絶縁破壊のために配置され,かつ
    上記第2のレーザ・ビームが上記光絶縁破壊後のプラズマ点火のために配置されている,
    レーザ励起プラズマ光源。
  2. 上記第1のレーザ・ビームが10ワットを超えるピーク放射パワーおよび0.1μs未満のパルス長を有している,請求項1に記載の光源。
  3. 上記第2のレーザ・ビームが,上記第1のレーザ・ビームと比較して少なくとも3倍のレーザ・パルス・エネルギーおよび少なくとも一桁低いレーザ・ピーク・パワーを有している,請求項1または2に記載の光源。
  4. 上記第2のレーザ・ビームによって何度も点火される上記プラズマの体積が,上記第1のレーザによる光絶縁破壊中に生成されるプラズマの体積を1桁以上超える,
    請求項1から3のいずれか一項に記載の光源。
  5. 上記第2のレーザ・ビームによって点火されるプラズマの体積および密度が,上記CWレーザの集束ビームによる上記プラズマの定常維持に十分なものである,請求項1から4のいずれか一項に記載の光源。
  6. 上記第2のレーザ・ビームが最大約1mmのプラズマ・サイズおよび最大1018cm−3またはそれ以上のプラズマ密度を提供する,請求項1から5のいずれか一項に記載の光源。
  7. 上記CWレーザの出力パワーが300ワットを超えない,請求項1から6のいずれか一項に記載の光源。
  8. 上記第2のレーザ・ビームの放射パルスは,上記第1のレーザ・ビームの放射パルスの終了後50μs以上経過後に終了する,請求項1から7のいずれか一項に記載の光源。
  9. 上記第1および第2のレーザ・ビームの集束領域が少なくとも部分的に重なり合っている,請求項1から8のいずれか一項に記載の光源。
  10. 上記パルス・レーザ・システムが,共通のキャビティ・ミラーを備える2つのレーザを含み,上記第1および第2のレーザ・ビームが平行であり,一つの共通の集束光学系を通して上記チャンバに導入される,請求項1から9のいずれか一項に記載の光源。
  11. 上記パルス・レーザ・システムが固体レーザ・システムである,請求項1から10のいずれか一項に記載の光源。
  12. 上記パルス・レーザ・システムがQスイッチング・モードまたはジャイアント−パルス生成モードにおいて上記第1のレーザ・ビームを生成する,請求項1から11のいずれか一項に記載の光源。
  13. 上記パルス・レーザ・システムがフリー・ランニング・モードにおいて上記第2のレーザ・ビームを生成する,請求項1から12のいずれか一項に記載の光源。
  14. 上記CWレーザのみがファイバ光出力を有している,請求項1から13のいずれか一項に記載の光源。
  15. 上記CWレーザの波長が上記第1および第2のレーザ・ビームの放射波長と異なっている,請求項1から14のいずれか一項に記載の光源。
  16. 上記CWレーザの集束ビームの軸が,垂直上向きまたは垂直に近い方向に向けられている,請求項1から15のいずれか一項に記載の光源。
  17. 上記チャンバの透明部分の外面および内面が同心球またはその一部として形成されており,上記放射プラズマの上記領域が上記同心球の中心に位置している,請求項1から16のいずれか一項に記載の光源。
  18. 上記プラズマ放射の出力ビームがすべての方位角において上記チャンバを出る,請求項1から17のいずれか一項に記載の光源。
  19. 上記プラズマ放射の出力ビームが9sr以上の立体角で上記チャンバを出る,請求項1から18のいずれか一項に記載の光源。
  20. 3つ以上のプラズマ放射の出力ビームを備えている,請求項1から19のいずれか一項に記載の光源。
  21. 高圧気体を有するチャンバ内へのCWレーザの集束ビームの方向付け,プラズマ点火,および上記CWレーザの集束ビームによる放射プラズマの定常維持を含む,レーザ励起プラズマ光源におけるプラズマ点火方法であって,
    上記プラズマ点火が,上記チャンバ内に集束される第1および第2のレーザ・ビームを生成するパルス・レーザ・システムによって提供され,
    上記第1のレーザ・ビームを用いて光絶縁破壊を提供し,その後に上記第2のレーザ・ビームを用いて上記プラズマを点火し,プラズマの体積および密度が上記CWレーザの集束ビームによる定常プラズマ維持に十分なものである,
    方法。
  22. 上記パルス・レーザ・システムが,Qスイッチング・モードにおいて上記第1のレーザ・ビームを生成し,かつフリー・ランニング・モードにおいて上記第2のレーザ・ビームを生成する固体レーザ・システムである,請求項21に記載の方法。
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