JP6884802B2 - 固体発酵生成物からバイオマスを分離する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固形発酵生成物からバイオマスを分離する方法に関する。
発酵プロセスでは、微生物を用いて炭素源を発酵させて所望の化合物を生成させる。発酵プロセスは、再生可能資源から多種多様な化合物の生産ができるので魅力的である。しかし、発酵プロセスの問題点は、得られる生成物の精製である。所望の化合物が存在する発酵ブロス中には、所望の化合物だけでなく、所望の化合物を産生した微生物、副産物、栄養素及び炭素源の残留物のような他の数多くの化合物も含まれている。
特に問題となるのが、固体発酵生成物からのバイオマス(発酵に用いた微生物を示す用語である。)の分離であることが判明した。固体発酵生成物のさらなる処理中に望ましくない夾雑物の形成を防ぐには、高効率のバイオマス除去が必要とされることが判明した。また、バイオマスも固体生成物であり、固体発酵生成物に追従する傾向があるので、所要の高い効率を得るのは往々にして難しいことも判明した。
国際公開第2013/160352号には、発酵プロセスであって、バイオマス及び固体発酵生成物(この場合、有機酸の塩)を含む発酵ブロスを発酵リアクターから抜き取って、ハイドロサイクロンに供給する発酵プロセスが記載されている。ハイドロサイクロンからの底部流出物は固体発酵生成物を含んでおり、液体から固体発酵生成物を分離するための固液分離工程に供給される。ベルトフィルターは高い洗浄効率を有していて、バイオマス並びに固体及び溶解夾雑物を効率的に除去することができ、しかも水分量が比較的低くかつ夾雑物含有量の比較的低いフィルターケークが得られることから、ベルトフィルターの使用が有利であることが判明したと記載されている。ベルトフィルターは、フィルターケークを再スラリー化するための手段を含めて、分離を改善するためにフィルターケークを洗浄するための手段を備えていてもよいと記載されている。
今回、ベルトフィルターの使用は様々な短所を有することが判明した。ベルトフィルターを用いると、バイオマスの最終画分を除去するのが難しい。さらに、これを、例えばフィルターケークの繰り返し洗浄によって試みても、複雑なプロセスとなり、所望生成物の実質的な損失を伴うことがある。そこで、当技術分野では、固体発酵生成物からのバイオマスの分離方法であって、固体発酵生成物からバイオマスを効率的に分離することができると同時に、生成物の損失を最小限に抑制することのできる方法に対するニーズが存在する。この課題は本発明によって解決される。
国際公開第2013/160352号
本発明は、固体発酵生成物からバイオマスを分離する方法であって、バイオマス及び固体発酵生成物を含むスラリーをバイオマスセパレーターユニットの上部に供給し、かつ水性媒体をバイオマスセパレーターユニットの底部に供給しながら、固体発酵生成物を含む生成物流をバイオマスセパレーターユニットの底部から抜き取り、かつバイオマスを含む廃棄物流をバイオマスセパレーターユニットの上部から抜き取る、方法に関する。
本発明に係る方法は、残留バイオマス含有量が非常に低い固体発酵生成物をもたらすことができるとともに、生成物の損失を制限できることが判明した。本発明並びにその様々な実施形態のその他の利点は、本明細書の以降の説明から明らかになろう。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。図面は本発明の様々な態様を例示するものであり、本発明は図面に限定されるものでも、図面によって限定されるものでもない。
図1は本発明の第1の実施形態を示す。
図1において、バイオマス及び固体発酵生成物を含むスラリーはライン(2)を通してバイオマスセパレーターユニット(1)の上部に供給される。水性媒体はライン(3)を通してバイオマスセパレーターユニット(1)の底部に供給される。固体発酵生成物を含む生成物流はライン(4)を通してバイオマスセパレーターユニット(1)の底部から抜き取られ、バイオマスを含む廃棄物流はバイオマスセパレーターユニット(1)の上部からライン(5)を通して抜き取られる。
本発明における出発材料は、バイオマス及び固体発酵生成物を含む水性スラリーである。本明細書の記載に関して、固体発酵生成物は、発酵で得られる生成物であって、水性媒体中に固体の形態で存在する生成物である。換言すると、固体発酵生成物は、水性媒体中にその飽和濃度を超える濃度で存在する発酵生成物である。
固体発酵生成物の種類は本発明では概して重要でない。一実施形態では、固体発酵生成物はカルボン酸の塩である。カルボン酸の固体塩及びそれを得る方法について、以下でさらに詳しく説明する。
固体発酵生成物は結晶質生成物でも非晶質生成物でもよい。一般には結晶質生成物であろう。
バイオマスセパレーターユニットに供給されるスラリーは、一般に5〜70重量%の固体発酵生成物を含む。固体発酵生成物の量が非常に低いと、バイオマスセパレーターユニットユニットは、大量のスラリーを収容するため比較的大型のものでなければならないであろう。一方、固体発酵生成物の量が非常に高いと、スラリーの処理性、例えばポンプ輸送性が低下しかねない。さらに、バイオマスの効率的な除去が妨げられるおそれもある。以上の理由から、固体発酵生成物の量は10重量%以上、特に20重量%以上、いくつかの実施形態では30重量%以上、殊に40重量%以上であるのが好ましいことがある。一方、効率的なバイオマス分離及び処理を担保するため、スラリー中の固体発酵生成物の量は60重量%以下であるのが好ましいことがある。
乳酸マグネシウムが発酵生成物である場合、スラリー中の固体発酵生成物の量は、30〜60重量%、特に40〜60重量%、例えば45〜55重量%の範囲内にあるのが好ましいことがある。
スラリーは発酵ユニットから直接得ることができる。発酵ユニットから得られたスラリーをまず1以上の濃縮工程に付して水を除去することもできる。濃縮は、当技術分野で公知の方法、例えば沈降機、ハイドロサイクロンその他の手段を用いて実施することができる。
スラリー中に存在するバイオマスの量は、前段でバイオマスも除去されたか否かに応じて、広い範囲で変動し得る。一般的な指針として、0.05〜5重量%の範囲を挙げることができる。
本発明の一実施形態では、スラリーのバイオマス含有量は比較的低い。これが起こり得るのは、例えば、発酵ブロスが既に付された工程においてバイオマスが部分的に除去されている場合である。この場合、バイオマスの量は、例えば0.05〜1.5重量%、特に0.05〜1重量%、殊に0.05〜0.8重量%の範囲内であることがある。
スラリー中のバイオマスの量は、例えば、結晶を取り除いておいたサンプルの光学密度を600nmで測定し、それを標準バイオマス溶液のOD600nmと比較することによって求めることができる。
バイオマス及び固体発酵生成物を含むスラリーはバイオマスセパレーターユニットの上部に供給される。当業者には明らかであろうが、本明細書において、上部という記載は、バイオマスセパレーターユニットの上側部分で、分離セクションよりも上の位置をいう。バイオマスセパレーターユニットにおいて、水性スラリーは、バイオマスセパレーターユニットの底部に供給され水性媒体と向流操作で接触される。理論に束縛されるものではないが、バイオマス粒子は、ユニットの底部からユニットの上部へと向かう水性媒体の流れに同伴されて、バイオマスを含む廃棄物流をもたらすと考えられる。この流れはバイオマスセパレーターユニットの上部から抜き取られる。固体発酵生成物はバイオマスよりも高い密度を有する。そのため、固体発酵生成物は水性媒体には同伴されず、ユニットの底部から抜き取ることができる。
バイオマスセパレーターユニットは、本質的には、バイオマス及び固体発酵生成物を含有するスラリーが水性媒体と緊密に接触するように装備されたカラムである。一実施形態では、該ユニットは、接触を改善するとともにバイオマス及び/又は固体発酵生成物の凝集体を分散させるための混合要素を備える。混合要素は、ロッド又はストリップのような静的混合要素とし得る。混合要素は、1以上の撹拌器のような動的混合要素であってもよい。
セパレーターユニットに供給される水性媒体の組成は、最終生成物中に存在すると不都合になる化合物を含まない限り、概して重要ではない。水が適切な媒体であることはいうまでもない。ただし、好ましい態様では、水性媒体は固体発酵生成物の溶液である。固体発酵生成物の溶液、特に飽和溶液又はほぼ飽和した溶液を使用する場合、固体発酵生成物を水性媒体に溶解する際の生成物の損失が制限されるので、プロセスの収率が改善されるであろう。したがって、一実施形態では、水性媒体は発酵生成物の溶液であり、該溶液は飽和濃度の50%以上、特に70%以上、殊に80%以上、とりわけ90%以上の濃度を有する。これに関連して、飽和濃度は、セパレーターユニットに供給される際の媒体で支配的な条件下の水性媒体中に溶解させることができる発酵生成物の最大濃度として定義される。水性媒体は原則として発酵生成物の固体粒子を含むことができるが、これは一般には望ましくない。したがって、一実施形態では、水性媒体は飽和濃度の110%以下の発酵生成物を含む。
後述の通り、水性媒体は、上記ユニットの上部から抜き取られるバイオマス含有廃棄物流からバイオマスを除去することによって得ることができる。水性媒体は、他の原料、例えば固体発酵生成物の飽和溶液が得られる下流の処理工程から得ることもできる。
特定の期間内に上記ユニットに供給される水性媒体の体積は、その期間内に供給される発酵培地及び固体発酵生成物を含むスラリーの体積に依存するであろう。一般に、上記ユニットに供給される水性媒体の体積は、該ユニットに供給されるスラリーの体積の10〜500体積%、特に50〜250体積%である。水性媒体の量が大きいと大型のバイオマスセパレーターユニットが必要とされる。一方、大量の水性媒体を使用すると、バイオマスの除去が一段と難しくなるおそれがある。上記ユニットに供給される水性媒体の体積は、該ユニットに供給されるスラリーの体積の60〜100体積%であるのが好ましいことがある。
固体発酵生成物を含む生成物流はバイオマスセパレーターユニットの底部から抜き取られる。一般に、この塔底生成物流中の固体発酵生成物の濃度は供給流中の発酵生成物の濃度と同じ範囲にあるであろう。したがって、一般的な範囲については、上記を参照されたい。
生成物流のバイオマス含有量は、出発スラリーのバイオマス含有量に比べて実質的に低下している。バイオマスの70%以上、特に80%以上、殊に90%以上が除去されるのが好ましい。バイオマスの95%以上、特に98%以上を除去できることが判明した。バイオマスの99%以上を除去することができ、かつ好ましいことが判明した。大量のバイオマスの除去は、バイオマスセパレーターユニット内での緊密な混合を担保することによって、例えば混合要素(静的又は動的)の存在によって及び/又バイオマス及び固体発酵生成物を含むスラリーの体積に基づいて計算される比較的大量の水性媒体の使用によって、達成することができる。
バイオマスを含む廃棄物流はバイオマスセパレーターユニットの上部から抜き取られる。この流出流中のバイオマス濃度は、出発スラリー中に存在するバイオマスの量及び上記ユニットに供給される水性媒体の量によって完全に決まる。一般的な値として、0.05〜5重量%の範囲を挙げることができる。
バイオマスを含む廃棄物流は、一般に、発酵生成物の溶液中のバイオマスの懸濁液である。廃棄物流は所望に応じて処理することができる。一実施形態では、廃棄物流は、例えば濾過、遠心分離、デカンテーション又はそれらの組合せによるバイオマス除去工程に付される。その残りの溶液は、所望に応じて、水性媒体としてバイオマスセパレーターユニットの底部にリサイクルすることができる。なお、廃棄物流は固体発酵生成物を全く又はごく限られた量しか含んでいないので、バイオマス除去は複雑ではない。
固体発酵生成物を含む生成物流は所望に応じて処理することができる。生成物流は、例えば、水除去工程に付すことができ、任意にはその後に洗浄及び/又は乾燥を行ってもよい。生成物流はそのまま処理することもできる。固体発酵生成物を含む生成物流を、例えば濾過工程で、固液分離に付す場合、得られた液体は水性媒体の一部としてバイオマスセパレーターユニットの底部にリサイクルすることができる。
上記の通り、バイオマス及び固体発酵生成物を含む発酵ブロスを、発酵ユニットから本発明に係る分離工程に直接供給してもよい。ただし、発酵工程と本発明に係る分離工程との間で中間工程を実施することも可能である。例えば、発酵工程で生成した発酵ブロスを、例えばハイドロサイクロン及び/又はフィルターを用いる1以上の前段バイオマス除去工程に供給してもよい。
固体発酵生成物の種類は本発明では重要ではない。固体発酵生成物は、スラリー中に少なくとも部分的に固体形態で、換言すると、その飽和濃度を超える濃度で存在する任意の発酵生成物とし得る。
固体発酵生成物の例としては、カルボン酸の固体塩、特に炭素原子数2〜8のモノ−、ジ−及びトリカルボン酸からなる群から選択されるカルボン酸が挙げられる。好ましくは、カルボン酸はアミノ基又はアミド基を含まない。適切なカルボン酸の具体例としては、乳酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、イタコン酸、酒石酸、α−ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、酢酸、アクリル酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシプロピオン酸及びフランジカルボン酸が挙げられる。乳酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸及びフラン−ジカルボン酸の固体塩が好ましいと考えられ、乳酸、コハク酸及びフランジカルボン酸の固体塩が特に好ましいと考えられる。
これらの化合物の固体塩は、一般に、Mg、Ca、Zn及びAl、特にMg及びCaを始めとする二価及び三価カチオンの塩である。乳酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、フランジカルボン酸マグネシウム、乳酸カルシウム、コハク酸カルシウム及びフランジカルボン酸カルシウムが好ましいと考えられ、マグネシウム塩が特に好ましく、乳酸マグネシウムが格別好ましい。
カルボン酸の固体塩は、一般に次のように発酵生成物として得られる。発酵プロセスでのカルボン酸の生産において、発酵ブロスのpHを発酵をなす微生物に適した範囲に維持するため、酸化物、水酸化物又は炭酸化合物などのアルカリ性化合物が添加されることが多い。その結果、酸は発酵ブロス中で塩の形態で存在することが多い。アルカリ性化合物の性状に応じて、塩は発酵ブロス中に溶解していることもあれば、或いは(部分的に)固体の形態で存在していることもある。固体発酵生成物、特にカルボン酸の固体塩を生成する発酵プロセスは当技術分野で公知であり、これ以上詳しい説明は要しない。
本発明に係る方法で得られた固体発酵生成物は、所望に応じて処理することができる。
例えば、精製固体発酵生成物をもたらす当技術分野で公知の方法(例えば固体発酵生成物の洗浄及び/又は再結晶など)による精製工程に付すことができる。
固体発酵生成物がカルボン酸の固体塩である場合、所望に応じて対応する酸に転化することができる。これは様々な方法によって行うことができ、例えばイオン交換法(例えばイオン交換カラム又は電気透析の使用による)、或いは無機強酸(例えば、硫酸、HCl又はHNO)を用いてカルボン酸と無機塩(例えば、カルボン酸のカルシウム塩を硫酸との反応によって対応する酸に転化する場合の硫酸カルシウム、又はカルボン酸のマグネシウム塩を塩酸との反応によって対応する酸に転化する場合の塩化マグネシウム)との混合物を得る酸性化が挙げられる。この混合物は、次いで酸/塩分離工程に付すことができ、塩から分離されたカルボン酸が得られる。
分離工程は、当技術分野で公知の方法によって実施することができる。カルボン酸が固体の形態であり、無機塩が溶解した形態である場合には、固液分離工程を実施することができる。カルボン酸が溶解した形態であり、無機塩が固体の形態である場合も、同様である。カルボン酸及び無機塩がいずれも溶解した状態で存在する場合、無機塩溶液からのカルボン酸の分離は、例えば、塩の水溶液とは混和性でない有機抽出溶媒を用いて塩溶液からカルボン酸を抽出することによって実施することができる。次いで、例えば抽出溶媒を蒸発させて除去すること或いはカルボン酸を抽出溶媒から水で抽出することによって、カルボン酸を抽出溶媒から回収することができ、カルボン酸水溶液が形成される。
カルボン酸水溶液は、当技術分野で公知の方法、例えば活性炭での処理によって精製することができる。カルボン酸水溶液は水分を除去することによって濃縮することができる。カルボン酸は、例えば蒸留などによって精製することができ、精製カルボン酸が得られる。所望に応じて、カルボン酸を結晶化して、固体結晶質カルボン酸を形成することができる。
その他の分離方法及び精製方法は当技術分野で公知である。
カルボン酸が乳酸(例えば固体発酵生成物としての乳酸カルシウム、特に乳酸マグネシウムから得られるもの)である場合、所望に応じて、水の除去によるオリゴマー化工程に付して乳酸オリゴマーを形成することができる。カルボン酸が乳酸である場合、所望に応じて、ラクチドに転化させることができる。ラクチド又は乳酸自体はポリ乳酸に転化させることができる。
固体発酵生成物の追加の処理、カルボン酸塩のカルボン酸への転化、カルボン酸の回収及びその追加の処理のための様々な方法は慣用法であり、これ以上の説明を要しない。
本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明は実施例に限定されるものでも、実施例によって限定されるものでもない。
実施例1
発酵リアクター工程から抜き取られた発酵ブロスを濃縮工程に付すことによって、乳酸マグネシウムとバイオマスを含む水性スラリーを得た。スラリーは56重量%の乳酸マグネシウムと0.12重量%のバイオマスを含有していた。スラリーを、攪拌機を備えたバイオマスセパレーターユニットの上部に連続的に供給した。乳酸マグネシウム水溶液(8重量%、飽和濃度の100%)をバイオマスセパレーターユニットの底部に連続的に供給した。この水性媒体は、単位時間当たり水性スラリー量の100体積%の量で供給した。
廃棄物流をバイオマスセパレーターユニットの上部から抜き取った。廃棄物流は0.12重量%のバイオマス含有量(出発スラリーのものと同じ)及び8重量%の乳酸マグネシウム濃度を有する。
固体乳酸マグネシウムを含む生成物流をバイオマスセパレーターユニットの底部から抜き取った。生成物流は、59重量%の乳酸マグネシウム濃度及び0.01重量%未満のバイオマス含有量を有し、これはバイオマス含有量の98%の減少に当たる。生成物流をフィルターに供給して固体乳酸マグネシウムを単離し、これを乳酸マグネシウム溶液で洗浄し、乾燥する。

Claims (21)

  1. 固体発酵生成物からバイオマスを分離する方法であって、バイオマス及び固体発酵生成物を含む水性スラリーをバイオマスセパレーターユニットの上側部分に供給しかつ水性媒体を前記バイオマスセパレーターユニットの底部に供給しながら、前記固体発酵生成物を含む生成物流を前記バイオマスセパレーターユニットの前記底部から抜き取りかつバイオマスを含む廃棄物流を前記バイオマスセパレーターユニットの前記上側部分から抜き取り、及び、前記バイオマスセパレーターユニットにおいて、前記水性スラリーが、前記マスセパレーターユニットの前記底部に供給された水性媒体と向流操作で接触される、上記方法。
  2. 前記バイオマス及び固体発酵生成物を含むスラリーが、10重量%以上及70重量%以下固体発酵生成物を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バイオマス及び固体発酵生成物を含むスラリーが、30重量%以上の固体発酵生成物を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記バイオマス及び固体発酵生成物を含むスラリーが、40重量%以上の固体発酵生成物を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記バイオマス及び固体発酵生成物を含むスラリーが、60重量%以下の固体発酵生成物を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記スラリー中に存在するバイオマスの量が0.05〜5重量%の範囲内である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記スラリー中に存在するバイオマスの量が0.05〜1.5重量%範囲内である、請求項に記載の方法。
  8. 前記バイオマスセパレーターユニットが、静的及び/又は動的混合要素を備えている、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記バイオマスセパレーターユニットの底部に供給される水性媒体が発酵生成物の溶液である、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 該溶液が、飽和濃度の50%以上の濃度を有する、請求項9に記載の方法。
  11. 該溶液が、飽和濃度の70%以上の濃度を有する、請求項10に記載の方法。
  12. 該溶液が、飽和濃度の80%以上の濃度を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 該溶液が、飽和濃度の90%以上の濃度を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記バイオマスセパレーターユニットの前記上側部分から抜き取られた廃棄物流がバイオマス除去工程に付され、その残りの溶液が、水性媒体としてバイオマスセパレーターユニットの底部にリサイクルされる、請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記固体発酵生成物が、カルボン酸の塩ら選択される、請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記固体発酵生成物が、乳酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、フランジカルボン酸マグネシウム、乳酸カルシウム、コハク酸カルシウム及びフランジカルボン酸カルシウムから選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記固体発酵生成物が、乳酸マグネシウムである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記生成物流中の固体発酵生成物が精製工程に付されて精製された固体発酵生成物をもたらす、請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記固体発酵生成物がカルボン酸の塩であり、当該方法が、カルボン酸の塩を対応するカルボン酸に転化してカルボン酸と無機塩とを形成する工程を含む、請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記カルボン酸が無機塩から分離され、請求項19に記載の方法。
  21. 前記固体発酵生成物が固体乳酸塩であり、該固体乳酸塩が乳酸に転化され、該乳酸が、精製工程、結晶化工程又は乳酸オリゴマーの形成をもたらすオリゴマー化工程の1以上に付されるか、或いはラクチドに転化される又は直接もしくはラクチドを介してポリ乳酸に転化される、請求項1乃至請求項20のいずれか1項に記載の方法。
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