JP6882223B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料供給装置に関する。特に、燃料タンクの上壁部に形成された開口部から挿入して燃料タンク内に設置される燃料供給装置に関する。
自動車等車両の燃料供給装置は、燃料タンクのタンク内部に設置される。この場合、燃料タンクは自動車の車高を低くする要請から扁平形状の薄型タイプとされる。これに伴い、燃料供給装置も上下方向の高さを低くする必要がある。このため、燃料供給装置を、上下に2分割構成としたユニット構成として、これを連結手段により相対的に上下動かつ回動可能に連結している。そして、燃料タンクの上壁部に形成された開口部から挿入するようにしている。
ユニット構成は、燃料タンクの上壁部に形成された開口部を閉鎖する蓋板部を備えるフランジとユニット、燃料タンクの底壁部に面して配設される燃料ポンプを有するポンプユニットとからなる。そのため、燃料タンク内への燃料供給装置モジュールの開口部からの挿入はポンプユニットから行われる。一方、開口部は燃料タンクの強度確保の観点から必要最小限の開口孔として形成される。このため、ポンプユニットの開口部からの挿入は、ポンプユニットを横方向にずらす回動をさせながら挿入される。
しかし、ポンプユニットを横方向にずらす回動をさせながら挿入させる際、開口部付近に燃料供給装置の構成部品、特にポンプユニットの構成部品が引っ掛かり、スムースに燃料供給装置を挿入することができない恐れがあった。
このため、ポンプユニットにガイド部材を設けて、ポンプユニットの開口部への挿入時に、ガイド部材を開口部に当接させて、ポンプユニットひいては燃料供給装置をスムースに挿入させる構成が提案されている(下記特許文献1参照)。
特開2016−44646号公報
上記のガイド部材により、燃料供給装置の燃料タンク内への挿入作業は改善された。しかし、燃料タンク内に燃料供給装置を挿入して設置する組立作業工程から、より一層の挿入性の改善の要請がある。
そこで、本発明者らは、従前のガイド部材は、ガイド部材が燃料タンクへの挿入時に当接するガイド面形状が、挿入方向にストレートな傾斜面形状であることに着目した。そして、ガイド部材のガイド面形状を変更することにより、より一層の挿入性の向上を図ることに着眼した。
而して、本発明は上述した点に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、燃料タンクの上壁部に形成される開口部に当接して挿入案内されるガイド部材のガイド面形状を変更することにより、より一層の挿入性の向上を図ることにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る燃料供給装置は次の手段をとる。
本発明の第1の発明は、燃料タンクの上壁部に形成された開口部を閉鎖する蓋板部を備えるフランジユニットと、燃料タンクの底壁部に面して配設される燃料ポンプを有するポンプユニットと、を有し、両ユニットは連結手段により相対的に上下動かつ回動可能に連結されており、該連結された両ユニットは前記燃料タンクの上壁部に形成された開口部から挿入されて前記燃料タンク内に設置される燃料供給装置であって、前記ポンプユニットには、前記開口部を通じて燃料タンク内に挿入される際に、該開口部に当接して挿入案内されるガイド部材が挿入方向に配設されており、前記ガイド部材の前記開口部に当接するガイド面は、凹んだ曲面形状に形成されている、燃料供給装置である。
上記第1の発明によれば、燃料供給装置のポンプユニットにはガイド部材が設けられる。これによりポンプユニットが開口部を通じて燃料タンク内に挿入される際に、ガイド部材のガイド面が開口部に当接して挿入案内される。これにより、燃料供給装置が開口部に引っ掛かることなくスムースに挿入することができる。
加えて、第1の発明によれば、ガイド部材のガイド面は凹んだ曲面形状に形成される。このため、ポンプユニットを開口部を通じて挿入する際、ガイド部材のガイド面がストレート形状である場合に比べ、凹んだ曲面形状分だけ相対的に挿入隙間が大きくなる。これにより、挿入時に余裕ができて挿入性をより一層向上させることができる。
本発明の第2の発明は、上述した第1の発明の燃料供給装置であって、前記ガイド部材は前記燃料ポンプのポンプケースに設けられており、前記ガイド部材のガイド面に形成される凹んだ曲面形状は、前記ポンプユニットが前記燃料タンク内に設置された状態で見て、前記ポンプケースの一番高い位置以上の高さから形成されている、燃料供給装置である。
上記第2の発明によれば、ガイド部材のガイド面に形成される凹んだ曲面形状は、ポンプケースの一番高い位置以上の高さから形成される。これにより、ポンプユニットの開口部への挿入時に、ガイド部材が最初に開口部に当接するのはポンプケースの一番高い位置以上の高さとなる。したがって、開口部への挿入時に最初に当接するガイド部材のガイド面位置から凹んだ曲線形状が始まることになり、上記挿入性を向上させる作用が確実に行われる。
本発明の第3の発明は、上述した第1の発明又は第2の発明の燃料供給装置であって、前記ガイド部材のガイド面の挿入方向に直交する接触面形状は平面形状とされている、燃料供給装置である。
上記第3の発明によれば、ガイド部材のガイド面形状は平面形状とされている。これにより、開口部の縁に当接しながらガイド部材をスライドさせることができ、ガタツキを防止できる。
上述した本発明の手段によれば、燃料タンクの上壁部に形成される開口部に当接して挿入案内されるガイド部材のガイド面形状を、凹んだ曲面形状とすることにより、より一層の挿入性の向上を図ることができた。
一実施形態にかかる燃料供給装置を示す斜視図である。 燃料供給装置を示す正面図である。 燃料供給装置を示す背面図である。 ポンプユニットを示す平面図である。 ポンプユニットを一部破断して示す正面図である。 ポンプケースにガイド部材が取付けられた状態を示す分解斜視図である。 ガイド部材を示す正面図である。 図7のVIIIーVIII線断面図である。 燃料供給装置を上壁部の開口部から燃料タンクの内部に挿入する挿入過程を示す図である。
以下、本発明を実施するための一実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態にかかる燃料供給装置は、内燃機関であるエンジンを搭載する自動車等の車両に搭載された燃料タンクに設置され、その燃料タンク内の燃料をエンジンへ供給するものである。図1は燃料供給装置を示す斜視図、図2は同じく正面図、図3は同じく背面図である。図1〜図3において、前後左右上下の各方位は、車両の各方位に対応する。すなわち、前後方向は車長方向に対応し、左右方向は車幅方向に対応し、上下方向は車高方向に対応する。なお、燃料供給装置の前後方向及び左右方向については任意の方向に向けてもよい。
(燃料タンク)
図2に示すように、燃料タンク10は、上壁部11及び底壁部12を有する中空容器状に形成されている。上壁部11には、円形孔状の開口部13が形成されている。燃料タンク10は、車両に対して上壁部11及び底壁部12を水平状態として搭載されている。燃料タンク10は、樹脂製であり、タンク内圧の変化によって変形(主に上下方向に膨張及び収縮)する。燃料タンク10内には、例えば、液体燃料としてのガソリンが貯留されている。
(燃料供給装置)
図1に示すように、燃料供給装置20は、フランジユニット22、ジョイント部材24及びポンプユニット26を備える。フランジユニット22にジョイント部材24が上下方向に移動可能に連結されており、ジョイント部材24にポンプユニット26が上下方向に回動可能に連結されている。この構成により本発明でいう連結手段が構成されている。
(フランジユニット22)
図1及び図2に良く示されるように、フランジユニット22は、フランジ本体28及び蒸発燃料用バルブ30を備える。
(フランジ本体28)
図1に示されるように、フランジ本体28は、円形板状の蓋板部32を主体として形成されている。フランジ本体28は樹脂製である。図2に示すように、蓋板部32の下面には、短円筒状の嵌合筒部33が同心状に形成されている。蓋板部32の外周部には、嵌合筒部33よりも径方向外方へ張り出す円環板状のフランジ部34が形成されている。蓋板部32には、有天円筒状のバルブ収容部35が同心状に形成されている。バルブ収容部35の上端部には、径方向外方へ突出するエバポポート36が形成されている。
図1に示すように、蓋板部32には、燃料吐出ポート37、第1電気コネクタ部38及び第2電気コネクタ部39が設けられている。燃料吐出ポート37は、蓋板部32を上下方向に貫通する直管状に形成されている。また、両電気コネクタ部38,39内には、所定の本数の金属製端子が配置されている。燃料吐出ポート37及び両電気コネクタ部38,39は、バルブ収容部35の周囲に分散的に配置されている。
図3に示すように、蓋板部32の下面の後側部には、スタンドオフ部41が形成されている。スタンドオフ部41は、上下方向にそれぞれ延在する筒状の中央筒部42と左右の両側筒部43とを有する。中央筒部42及び両側筒部43は、左右対称状に形成されている。中央筒部42及び両側筒部43とは、隣り合う壁部を共用している。両側筒部43の外側部には、左右の両湾曲壁部44が左右対称状に形成されている。中央筒部42及び両側筒部43の後側の壁部分と両湾曲壁部44とは、フランジ本体28の嵌合筒部33の後半部と連続状をなしている。両湾曲壁部44は、後面視において嵌合筒部33から下方に向かって収束する略三角形状に形成されている。
(蒸発燃料用バルブ30)
図2に示すように、蒸発燃料用バルブ30は、フランジ本体28のバルブ収容部35内に上部を収容した状態で取り付けられている。蒸発燃料用バルブ30としては、例えば、蒸発燃料制御バルブと満タン規制バルブとを備える統合バルブが用いられている。蒸発燃料制御バルブは、燃料タンク10の内圧が所定値よりも小さいと閉弁し、その内圧が所定値よりも大きくなると開弁する。また、満タン規制バルブは、燃料タンク10内の燃料が満タンでないときに開弁し、満タンに達すると閉弁する。
(ジョイント部材24)
図3に示すように、ジョイント部材24は、ジョイント本体46、スプリングガイド47及び左右の両側柱部48を有する。ジョイント本体46は、樹脂製であり、前後方向に扁平なブロック状に形成されている。ジョイント部材24は、水平状の上端面46aを有する。ジョイント本体46の下部には、前後方向に貫通する係合孔50が形成されている。スプリングガイド47は、ジョイント本体46の上端面46aの中央部上に支柱状に形成されている。両側柱部48は、ジョイント本体46の上端面46aの左右両端部上に角柱状にかつ左右対称状に形成されている。
(フランジユニット22に対するジョイント部材24の組み付け)
ジョイント部材24のスプリングガイド47には、金属製のコイルスプリングからなるスプリング52が嵌合される。この状態で、ジョイント部材24のスプリングガイド47がスプリング52と共にフランジ本体28の中央筒部42に挿入される。また、ジョイント部材24の両側柱部48がフランジ本体28の両側筒部43に挿入される。また、両側筒部43と両側柱部48とは、スナップフィットにより相互に所定の範囲内で軸方向に移動可能に連結される。また、フランジ本体28とジョイント本体46とは、スプリング52の弾性によって離間方向へ付勢される。
(ポンプユニット26)
図2に示すように、ポンプユニット26は、サブタンク54、センダゲージ56、燃料ポンプ58、ポンプケース60、プレッシャレギュレータ62及びレギュレータケース64を有する。図4はポンプユニットを示す平面図、図5は同じく一部破断して示す正面図である。なお、図4においてセンダゲージ56は省略されている。
(サブタンク54)
図5に示すように、サブタンク54は、サブタンク本体66と燃料フィルタ67とカバー部材68とを備える。
(サブタンク本体66)
サブタンク本体66は、樹脂製であり、下面を開口する逆浅箱状に形成されている。サブタンク本体66は、平面視で左右方向を長くする長四角形状に形成されている(図4参照)。サブタンク本体66の上面部の右寄りの位置には、四角形状の開口孔70が形成されている。サブタンク本体66の上面部の左後部には、上方へ延在する角筒状の燃料受け入れ筒部71が形成されている(図4参照)。燃料受け入れ筒部71の上面は開口されている。
図3に示すように、サブタンク本体66の後面下部の左寄りの位置には、後方へ突出する係合軸72が形成されている。また、図4に示すように、サブタンク本体66の上面部の右後部上には、前後方向に面する板状の立壁部73が形成されている。
(燃料フィルタ67)
図5に示すように、燃料フィルタ67は、フィルタ部材75と内骨部材76と接続管77とを備える。フィルタ部材75は、樹脂製の不織布からなる濾材により中空袋状に形成されてなる。フィルタ部材75の外形は、上下方向に扁平でかつ左右方向を長手方向とする長四角形状に形成されている。
内骨部材76は、樹脂製であり、フィルタ部材75を上下方向に膨らんだ状態に保持する骨格構造を有する。また、接続管77は、樹脂製であり、縦型円管状に形成されている。接続管77は、内骨部材76の右部上に熱溶着により結合されている。内骨部材76と接続管77との間には、フィルタ部材75の上面部が挟持されている。接続管77を介してフィルタ部材75内外が連通されている。
フィルタ部材75は、サブタンク本体66に対してその下面開口を閉鎖するように配置されている。サブタンク本体66とフィルタ部材75との間には、燃料を貯留する燃料貯留空間79が形成されている。接続管77は、サブタンク本体66の開口孔70内に配置されている。開口孔70と接続管77との間の環状空間部は、燃料の流入口80とされている。燃料タンク10(図2、図9参照)内の燃料は、自重により流入口80から燃料貯留空間79に流入する。
カバー部材68は、長四角形板状でかつ多数の開口を有する格子板状に形成されている。カバー部材68は、樹脂製である。カバー部材68は、サブタンク本体66にスナップフィットにより一体的に連結されている。サブタンク本体66とカバー部材68との周縁部の相互間には、フィルタ部材75の周縁部が挟持されている。カバー部材68は、フィルタ部材75の下面部を覆っている。カバー部材68の下面には、多数の半球状の突起部81が分散的に形成されている。
(センダゲージ56)
図3に示すように、センダゲージ56は、ゲージ本体84、アーム85及びフロート86を備える。ゲージ本体84は、サブタンク本体66の立壁部73の後側面に取り付けられている。ゲージ本体84に水平軸回りに回動可能に設けられた回動部88には、アーム85の基端部が取り付けられている。アーム85の自由端部には、フロート86が取り付けられている。センダゲージ56は、燃料タンク10内の燃料の残量すなわち液面の位置を検出する液面計である。
(燃料ポンプ58)
図5及び図6に示すように、燃料ポンプ58は、略円柱形状の電動式燃料ポンプである。燃料ポンプ58は、モータ部とポンプ部とを備えており、燃料を吸入しかつ加圧して吐出する。燃料ポンプ58は、ポンプ部側の端部(右端部)に燃料吸入口90を有し、モータ部側の端部(左端部)に燃料吐出口91を有する。なお、燃料ポンプ58のモータ部側の端部に電気コネクタが設けられている。モータ部には、例えば、ブラシレス直流モータが用いられている。
(ポンプケース60)
図5及び図6に示すように、ポンプケース60は、左右方向に延在する中空円筒状に形成されたケース本体94を有する。ポンプケース60は樹脂製である。ケース本体94の一端側開口(左端側開口)には、その開口を閉鎖する端板部95が形成されている。端板部95の中央部には、端板部95を貫通する直管状の吐出管部96が形成されている。吐出管部96の先端部には、エルボ状の樹脂製の管継手98が溶着によって結合されている。また、吐出管部96の先端部寄りの位置には、上方へ突出する円筒状の接続筒部100が形成されている。接続筒部100内は、吐出管部96内と連通されている。ケース本体94内には、燃料ポンプ58が燃料吐出口91を左方に向けた状態で収容されている。燃料吐出口91は、吐出管部96の基端部(右端部)に接続されている。
図4に示すように、ケース本体94の軸方向の中央部の上端部には、相反方向へ延在する前後一対の弾性支持片102が前後対称状に形成されている。両弾性支持片102は、帯板状で、平面視で略S字状に形成されている。両弾性支持片102の先端部は、サブタンク本体66の前後の両側部にスナップフィットにより一体的に連結されている。両弾性支持片102によって、ポンプケース60がサブタンク本体66上に水平状態いわゆる横置き状態で弾性的に支持されている。
図5に示すように、ケース本体94には、その右端開口面を閉鎖する樹脂製のキャップ104がスナップフィットにより一体的に連結されている。キャップ104には、エルボ管状の吸入管部105が形成されている。吸入管部105の一端部(左端部)は、燃料ポンプ58の燃料吸入口90に接続されている。吸入管部105の他端部(下端部)は、燃料フィルタ67の接続管77に接続されている。吸入管部105は、接続管77にスナップフィットにより一体的に連結されている。
図5に示すように、管継手98には、樹脂製の可撓性を有するチューブからなる燃料排出チューブ107の一端部が圧入により接続されている。燃料排出チューブ107の他端部には、ノズル部材が圧入により接続されている。ノズル部材は、燃料受け入れ筒部71(図3参照)の左後部上にスナップフィットにより一体的に連結されている。燃料排出チューブ107は、逆U字状に湾曲されている。
(プレッシャレギュレータ62)
図5に示すように、プレッシャレギュレータ62の外形は、略円柱形状に形成されている。プレッシャレギュレータ62は、燃料ポンプ58から吐出された加圧燃料すなわちエンジンに供給される燃料の圧力を所定の圧力に調整する。
(レギュレータケース64)
レギュレータケース64は、樹脂製であり、中空円筒型の容器形状に形成されている。レギュレータケース64は、軸方向に分割された第1ケース半体112及び第2ケース半体113を有する。両ケース半体112,113は、スナップフィットにより一体的に連結されている。レギュレータケース64内には、プレッシャレギュレータ62が収容されている。レギュレータケース64は、軸方向を水平状態とする横置き状態で配置されている。
第1ケース半体112には、下方へ突出する円筒状の被接続筒部115、及び、上端部から接線方向外方へ突出する燃料吐出部116が形成されている。被接続筒部115及び燃料吐出部116は、第1ケース半体112内においてプレッシャレギュレータ62の燃料導入口と連通されている。
第2ケース半体113には、第1ケース半体112とは反対側の端部から下方へ突出する排出管部118が形成されている(図5参照)。排出管部118は、第2ケース半体113内においてプレッシャレギュレータ62の余剰燃料排出口と連通されている。燃料吐出部116は、プレッシャレギュレータ62で調圧された燃料を吐出する。プレッシャレギュレータ62で余剰となった燃料は、排出管部118から排出される。
レギュレータケース64の被接続筒部115は、ポンプケース60の接続筒部100に嵌合接続されている。接続筒部100と被接続筒部115との間には、両者間をシールするOリング119が介在されている。また、燃料吐出部116は、第1ケース半体112の上端部から左後方へ向けられている(図4参照)。また、排出管部118は、サブタンク本体66の燃料受け入れ筒部71内に向けられている(図3参照)。
図5に示すように、ポンプケース60の接続筒部100内には逆止弁120が組み込まれている。逆止弁120は、接続筒部100内の加圧燃料の逆流を阻止する残圧保持用の逆止弁である。逆止弁120は、弁ガイド121及び弁体122を有する。弁ガイド121は、接続筒部100内に固定状に配置されている。弁体122は、弁ガイド121に同心状にかつ軸方向(上下方向)に移動すなわち開閉可能に設けられている。弁体122は、自重により閉弁し、燃圧により開弁する。
(ジョイント部材24に対するポンプユニット26の組み付け)
図3に示すように、ジョイント本体46の係合孔50にサブタンク本体66の係合軸72が回動可能に係合される。これにより、ジョイント部材24にポンプユニット26が上下方向(図3中、矢印Y1,Y2方向参照)に回動可能に連結される。フランジ本体28の燃料吐出ポート37とレギュレータケース64の燃料吐出部116とは、吐出燃料配管124を介して接続される(図2参照)。吐出燃料配管124は、可撓性を有する樹脂製のホース等からなる。また、吐出燃料配管124は、蛇腹状に形成されている。
図2に示すように、フランジ本体28の第1電気コネクタ部38と燃料ポンプ58の電気コネクタとは、第1ワイヤハーネス126を介して電気的に接続される。フランジ本体28の第2電気コネクタ部39とセンダゲージ56のゲージ本体84(図3参照)とは、第2ワイヤハーネス128を介して電気的に接続される。なお、第1ワイヤハーネス126および第2ワイヤハーネス128は、隣接する樹脂部材に一体成形された配線フック部に適宜掛装される。
(本実施形態における特徴構成―ガイド部材150―)
本実施形態において特徴とする構成は、フランジユニット22とポンプユニット26とを連結してモジュール化した燃料供給装置20に、燃料タンク10内への挿入性の向上を図るためにガイド部材150を設けた構成である。本実施形態では、図1〜図4に示されるように、ガイド部材150はポンプユニット26における燃料ポンプ58のポンプケース60に設定されている。詳細にはポンプケース60のケース本体94に設けられている。その状態が図6に分解図として示されている。なお、図5に示すポンプユニット26の断面図には、その断面位置の関係からガイド部材150は図示されていない。
本実施形態のモジュール化された燃料供給装置20においては、燃料タンク10の開口部13を通じて燃料タンク10内に挿入する時、ポンプユニット26の構成部品が開口部13の縁部に引っ掛かって、挿入の障害となることがある。本実施形態ではレギュレータケース64の凹凸形状部位が引っ掛かる構成となっている。このため、挿入時にレギュレータケース64を保護することのできる位置にガイド部材150が設置されている。なお、保護できる位置とは、挿入時にレギュレータケース64が開口部13の縁部に当接する前にガイド部材150が当接する位置関係である。
図6に良く示されるように、ガイド部材150はポンプケース60のケース本体94における上方面位置において、レギュレータケース64に向けて角形状が上方に突出した形態で配設されている。ガイド部材150は板形状部材の構成として形成されており、その配設方向はモジュール化された燃料供給装置20の挿入方向とされている。なお、ガイド部材150は樹脂製、又は鋼製で形成される。
そして、図7に良く示されるように、ガイド部材150が開口部13の縁部と当接するガイド面152の形状は、挿入方向に凹んだ曲面形状とされている。かつ、本実施形態のガイド面152においては、凹んだ曲面形状は、燃料ポンプ58が燃料タンク10内に設置された状態で見て。ポンプケース60の一番高い位置以上の高さから形成されている。図7において、ポンプケース60の一番高い位置はH線で示される位置である。
図8は図7のVIIIーVIII線断面を示す。図8に示すようにガイド部材150のガイド面152における、開口部13の縁部と当接する接触面形状は平面形状とされている。
(燃料供給装置モジュールの燃料タンク内への設置方法)
本実施形態のガイド部材150による利点を説明するに先立って、モジュール化された燃料供給装置20の燃料タンク10内への設置方法の、基本的な設置方法を説明する。
先ず、燃料タンク10への組み付けに際して、燃料供給装置20が伸長状態とされる(図9参照)。この状態では、フランジユニット22にジョイント部材24が懸吊され、ジョイント部材24にポンプユニット26が懸吊される。すなわち、ジョイント部材24がフランジユニット22に対する最下位置(最離間位置)に下降される。また、ポンプユニット26がジョイント部材24に対する右下がりの傾斜状態に回動される(図3中、矢印Y1及び二点鎖線26の図示状態参照)。
次に、燃料供給装置20の伸長状態のまま、ポンプユニット26を燃料タンク10の開口部13内にその上方から挿入させる。ポンプユニット26は、ジョイント部材24に対して懸吊時とは反対方向、すなわち左方向上方へ横移動回動(図3中、矢印Y2参照)することにより水平状態とされ、燃料タンク10の底壁部12上に載置される(図2、及び図3の実線図示状態参照)。なお、ジョイント部材24とポンプユニット26との間には、ポンプユニット26の水平状態以上の回動を制限する回動制限機構が設けられている。
次に、フランジユニット22がスプリング52の付勢力に抗して押し下げられることにより、フランジ本体28のスタンドオフ部41が燃料タンク10の開口部13内に嵌合される。この状態で、フランジ本体28のフランジ部34が燃料タンク10の上壁部11に固定金具、ボルト等の固定手段(不図示)を介して固定される(図2及び図3参照)。上記のようにして、燃料タンク10に対する燃料供給装置20の設置が完了する。
燃料供給装置20の設置状態(図2及び図3参照)において、ポンプユニット26は、スプリング52の付勢力によって燃料タンク10の底壁部12に押し付けられた状態に保持される。また、カバー部材68の突起部81が燃料タンク10の底壁部12に当接することにより、カバー部材68と底壁部12との間における燃料の流通が確保される。また、フランジユニット22のスタンドオフ部41の下端面41aとジョイント本体46の上端面46aとは、所定の間隔を隔てて対向される(図3参照)。
ところで、燃料タンク10は、気温の変化や燃料量の変化等によるタンク内圧の変化によって変形すなわち膨張及び収縮する。これにともない、燃料タンク10の上壁部11と底壁部12との間の間隔が変化(増減)する。この場合、フランジユニット22とジョイント部材24とが、相対的に上下方向に移動することにより燃料タンク10の高さの変化に追従する。また、燃料タンク10が過剰に収縮しようとするときは、フランジ本体28のスタンドオフ部41とジョイント本体46とが相互に当接することにより突っ張り棒として作用する。
また、フランジユニット22の燃料吐出ポート37には、エンジンにつながる燃料供給配管が接続される。また、第1電気コネクタ部38及び第2電気コネクタ部39には、それぞれ外部コネクタが接続される。また、エバポポート36には、キャニスタにつながる蒸発燃料配管部材が接続される。キャニスタは、燃料タンク10内で発生した蒸発燃料を吸着、脱離可能な吸着材(例えば、活性炭)を備える。
(燃料供給装置20の作動)
外部からの駆動電力により燃料ポンプ58が駆動される。すると、燃料タンク10内からカバー部材68を経由した燃料、及び/又は、ポンプユニット26の燃料貯留空間79内の燃料が、燃料フィルタ67を介して燃料ポンプ58に吸入されて加圧される。燃料ポンプ58から吐出された加圧燃料は、ポンプケース60の吐出管部96を介してレギュレータケース64内へ流れ、プレッシャレギュレータ62により調圧される。調圧された加圧燃料は、吐出燃料配管124を介してフランジユニット22の燃料吐出ポート37からエンジンへ供給される。また、プレッシャレギュレータ62の調圧により余剰となった燃料は、レギュレータケース64の排出管部118からサブタンク本体66の燃料受け入れ筒部71内に排出される。また、燃料ポンプ58からポンプケース60の吐出管部96に吐出された加圧燃料の一部は、燃料排出チューブ107を介して、サブタンク本体66の燃料受け入れ筒部71内に排出される。また、蒸発燃料用バルブ30の蒸発燃料制御バルブの開弁により、燃料タンク10内で発生した蒸発燃料がキャニスタに排出される。
(ガイド部材150による利点)
前述したように燃料供給装置20は、そのポンプユニット26及びフランジユニット22が一体的に連結されてモジュール化された状態で、燃料タンク10内に挿入されて設置される。図9に示すように、その挿入は燃料タンク10の上壁部11に設けられた開口部13を通じて行われる。その際、開口部13の縁部に燃料供給装置20を構成する構成部品の凹凸個所が引っ掛かって、挿入が阻害されることがある。本実施形態の場合には、ポンプユニット26のレギュレータケース64が当接する位置関係にあり、レギュレータケース64の凹凸個所が、挿入時に引っ掛かって挿入時の障害となる関係にある。
図1〜図4に示されるように、本実施形態では挿入時においてガイド部材150がレギュレータケース64を保護する位置関係としてポンプケース60に設置されている。図6及び図7に示すようにガイド部材150のガイド面152は、挿入時に障害なく案内される形状として形成されている。このため、図9に示すようにモジュール化された燃料供給装置20が燃料タンク10の開口部13を通じて挿入される際に、ガイド部材150のガイド面152が開口部13の縁部に当接しながら挿入される。これにより、モジュール化された燃料供給装置20は開口部13に引っ掛かることなくスムースに挿入することができる。
加えて、本実施形態では、ガイド部材150におけるガイド面152の挿入方向の形状は、挿入方向に凹んだ曲面形状に形成されている。このため、燃料供給装置20のポンプユニット26を開口部13から挿入する際、ガイド部材150のガイド面152がストレート形状である場合に比べ、凹んだ曲面形状分だけ相対的に挿入隙間が大きくなる。これにより、挿入時の隙間に余裕ができ、挿入性をより一層向上させることができる。
更に、本実施形態のガイド部材150のガイド面152に形成される凹んだ曲面形状は、ポンプユニット26が燃料タンク10内に設置された状態で見て、ポンプケース60の一番高い位置以上の高さから形成されている。これにより、ポンプユニット26の開口部13への挿入時に、ガイド部材150が最初に開口部13に当接するのはポンプケース60の一番高い位置以上の高さである。したがって、開口部13への挿入時に最初に当接するガイド部材150のガイド面152位置から凹んだ曲線形状が始まることになり、上記挿入性を向上させる作用が確実に行われる。
更に、図8に示すように、ガイド部材150のガイド面152における、開口部13の縁部と当接する接触面形状は平面形状とされている。これにより、ガイド部材150のガイド面152が開口部13に当接してスライドする際、平面形状の両端の縁部が当接しながらスライドするので、ガタツキが防止される。
[他の実施形態]
以上、本発明を特定の実施形態について説明したが、本発明はその他各種の形態でも実施可能なものである。
例えば、本発明は、自動車等の車両の燃料供給装置20に限らず、その他の燃料供給装置に適用してもよい。
また、ガイド部材150のガイド面152に形成する凹んだ曲面形状は、複数の直線部を凹形状に接続して、全体として凹んだ曲面形状に形成してもよい。
また、ガイド部材150は、ポンプケース60以外のポンプユニット26の構成部材に設けてもよい。すなわち、ガイド部材150は、燃料供給装置20の燃料タンク10への挿入時に引っ掛かって挿入障害となる構成部材を保護する部材として設けるものであればよい。
また、ガイド部材150のガイド面152における、開口部13の縁部と当接する接触面形状は、図8に示すような平面形状である必要はない。例えば、曲面形状であってもよいが、前述した平面形状による利点を得ることはできない。
また、ガイド部材150のガイド面152に形成する凹んだ曲面形状は、フランジユニット22とポンプユニット26を回動可能に連結する係合軸72に近づくような曲面形状であってもよい。
10 燃料タンク
11 上壁部
12 底壁部
13 開口部
20 燃料供給装置
22 フランジユニット
24 ジョイント部材(連結手段)
26 ポンプユニット
28 フランジ本体
32 蓋板部
58 燃料ポンプ
60 ポンプケース
150 ガイド部材
152 ガイド面

Claims (3)

  1. 燃料タンクの上壁部に形成された開口部を閉鎖する蓋板部を備えるフランジユニットと、燃料タンクの底壁部に面して配設される燃料ポンプを有するポンプユニットと、を有し、両ユニットは連結手段により相対的に上下動かつ回動可能に連結されており、該連結された両ユニットは前記燃料タンクの上壁部に形成された開口部から挿入されて前記燃料タンク内に設置される燃料供給装置であって、
    前記ポンプユニットには、前記開口部を通じて燃料タンク内に挿入される際に、該開口部に当接して挿入案内されるガイド部材が挿入方向に配設されており、
    前記ガイド部材の前記開口部に当接するガイド面は、凹んだ曲面形状に形成されている、燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載の燃料供給装置であって、
    前記ガイド部材は前記燃料ポンプのポンプケースに設けられており、前記ガイド部材のガイド面に形成される凹んだ曲面形状は、前記ポンプユニットが前記燃料タンク内に設置された状態で見て、前記ポンプケースの一番高い位置以上の高さから形成されている、燃料供給装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料供給装置であって、
    前記ガイド部材のガイド面の挿入方向に直交する接触面形状は平面形状とされている、燃料供給装置。
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