JP6881721B1 - リンドウの栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】茎が密集しないように栽培できるようにして、茎の生育を十分に行わせるようにし、薬剤散布を容易にして病害虫の発生した茎の発生を抑制し、もって、1株当たりの規格品の実質的収量の向上を図ったリンドウの栽培方法を提供する。【解決手段】1年目に、リンドウの苗Nを定植して株Kを養成する株養成を行い、2年目以降の各年に、株Kから発生し育成されて着花した茎をその一部の茎を残して収穫し、その残した茎で収穫後に再び株養成を行うようにした栽培方法において、通路2を挟んで複数列の畝1を所定の畝間寸法Aで形成し、リンドウの苗Nから養成される株Kが所定の株間寸法Bで複数条状に設けられ、株Kの条が所定の条間寸法Cで複数列設けられ、隣接する株Kの条同士において長手方向に沿う株Kの位相がずれて配置されるように定植するとともに、養成される株Kが1アール当たり250〜500株になるように定植する。【選択図】図1

Description

本発明は、多年生植物であるリンドウの栽培方法に関する。
従来から、リンドウの栽培方法においては、図10に示すように、通路101を挟んで複数列の畝100を所定の畝幅(a)で形成し、リンドウの苗を、養成される株Kが畝100にその長手方向に沿い所定の株間寸法(b)で複数条状に設けられ、且つ、株の条が所定の条間寸法(c)で複数列、例えば2列設けられるように定植する。従来においては、a=140cm〜180cm、b=15cm〜20cm、c=25cm〜45cmにしている。図11に、各県のリンドウ栽培において、現在実施されている畝幅(a),株間寸法(b)及び条間寸法(c)の例を示す。図10に示すように、条同士においては、畝100の長手方向に直交する方向に一対の株Kが並んで配置される。そして、畝100に多数の支柱(図示せず)を立設して、これにネット(図示せず)を張設し、このネットで株から発生する茎を支持して茎の倒伏を防止しながら育成を行うようにしている(例えば、特許第2574101号公報参照)。
このリンドウの栽培に際しては、先ず、1年目に、リンドウの苗を定植して株を養成する株養成を行い、2年目以降の各年に、株から発生し育成されて着花した茎をその一部の茎を残して収穫し、その残した茎で再び株養成を行うようにしている。より具体的には、従来においては、1アール当たり550〜900株を定植し、定植1年目は、株を養成する株養成を行って株を大きくすることに徹し、定植2年目以降、株から発生する芽を摘んで1株当たり10本程度に制限する株仕立てを行い、生育期後半に2年目は3本程度、3年目以降は7本程度を収穫し、養分を地下部に貯めこませるために茎を3本程度養成茎として残し、収穫後に茎を残した株を養成する株養成を行うようにして、多数年にわたって収穫を行うようにしている(例えば、「平成29年度花き栽培技術指針」(岩手県)など参照)。図11に、各県で現在実施されているリンドウの栽植密度を示す。
特許第2574101号公報
しかしながら、上記従来のリンドウの栽培方法にあっては、株の条は1畝当たり2条で余裕はあるものの、各条において株間寸法が15cm〜20cmと比較的狭く、畝の長手方向に直交する方向に一対の株が並んで配置されているので、茎が密集してしまい、生育不十分な茎や、曲がった茎が規格外品として生じやすく、1株当たりの実質的収量に劣るという問題があった。
また、近年の気候温暖化に伴い、病害虫が多発しやすく、減収の要因になっている。そのため、薬剤散布を行うが、上記のとおり茎が密集しているので、薬剤散布が不十分になりやすく、出荷の対象にならない病害虫の発生した茎が生じる度合いも多くなっているという実情もある。更に、近年、生育の旺盛な品種が開発され、株から発生する茎が20本以上となる品種が多く、そのため、株仕立てする際にも茎が密集していると作業がやりにくくなり、その分、作業性が悪く、株仕立て作業に要する時間も長くなって、作業効率を損ねているという問題もあった。
このため、上記の1アール当たり550〜900株を定植する従来の方法にあっては、計算上、1株当たり7本収穫するとして、収穫本数は、1アール当たり3,850〜6,300本となるが、実際には、上記の出荷規格の基準に到達しない生育不十分な茎や、曲がった茎は規格外品として出荷できないことに加えて、病害虫の発生した茎があればそれらも出荷の対象にはならないため、岩手県での出荷本数は1アール当たり平均約1,900本になっている。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので茎が密集しないように栽培できるようにして、茎の生育を十分に行わせるようにし、薬剤散布を容易にして病害虫の発生した茎の発生を抑制し、もって、1株当たりの規格品の実質的収量の向上を図ったリンドウの栽培方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明のリンドウの栽培方法は、1年目に、リンドウの苗を定植して株を養成する株養成を行い、2年目以降の各年に、株から発生し育成されて着花した茎をその一部の茎を残して収穫し、その残した茎で再び株養成を行うようにしたリンドウの栽培方法において、
上記リンドウの苗を、養成される株の株間寸法を25cm以上にし、養成される株が1アール当たり250〜500株になるように定植する構成としている。より望ましくは300〜400株である。
リンドウ(竜胆)は、リンドウ科リンドウ属の多年生植物であり、1変種(Gentiana scabra var.buergeri)をさすことが多いが、近縁の他品種や他種を含む総称名をいう。キリシマリンドウ,シンキリシマリンドウ,オヤマリンドウ,エゾリンドウ,エゾオヤマリンドウ,ホソバリンドウ,シロバナリンドウ,クマガワリンドウ,アケボノリンドウ等を挙げることができる。
これにより、隣接する株同士においては、株間寸法が25cm以上になり、全体でも養成される株が1アール当たり250〜500株になるので、疎植栽培になり、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、茎が密集してしまう事態を解消することができる。そのため、茎の生育を円滑に行わせることができ、生育が不十分な茎や、曲がった茎が規格外品として生じる事態を低減することができる。また、薬剤散布においても、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、それだけ、薬剤散布が不十分になる事態を防止することができ、このため、出荷の対象にならない病害虫の発生した茎が生じる度合いを低減することができる。
そのため、リンドウの苗の定植本数は、1アール当たり250〜500株になる本数であり、従来方法と比較して、およそ半減するが、1株当たりのリンドウの出荷可能本数を増加させることができ、規格品の実質的収量を大幅に向上させることができる。また、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、株仕立てする際には、その作業がやりやすくなり、それだけ、作業性を向上させ、株仕立て作業に要する時間を少なくすることができ、作業効率を大幅に向上させることができる。その結果、コストダウンも図ることができる。
尚、1アール当たり250株に満たないと、1株当たりの茎の数を多くする調整を行って収穫本数を増やさなければならないが、それだと、1株の栄養分が多くの茎に分散するため、生育不十分な茎も多く発生する傾向にあり、結果的に出荷可能本数は増えにくくなる。500株以上では本発明の作用,効果を発揮することができない。
そして、必要に応じ、通路を挟んで複数列の畝を所定の間隔で形成し、上記リンドウの苗を、養成される株が上記畝にその長手方向に沿い所定の間隔で複数条状に設けられ、且つ、該株の条が所定間隔で複数列設けられるように定植するとともに、上記隣接する株の条同士において上記畝の長手方向に沿う株の位相がずれて配置されるように定植する構成としている。
これにより、隣接する株の条同士においては、畝の長手方向に沿う株の位相がずれて配置され、所謂千鳥状に配置されるので、従来のように、畝の長手方向に直交する方向に、一対の株が並んで配置されることがなく、株の周囲のスペースを確実に大きくとることができることから、茎が密集してしまう事態を確実に解消することができる。そのため、茎の生育を円滑に行わせることができ、生育が不十分な茎や、曲がった茎が規格外品として生じる事態を低減することができる。また、薬剤散布においても、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、それだけ、薬剤散布が不十分になる事態を防止することができ、このため、出荷の対象にならない病害虫の発生した茎が生じる度合いを低減することができる。更に、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、株仕立てする際には、その作業がやりやすくなり、それだけ、作業性を向上させ、株仕立て作業に要する時間を少なくすることができ、作業効率を大幅に向上させることができる。その結果、1株当たりのリンドウの出荷可能本数を増加させることができ、規格品の実質的収量を大幅に向上させることができるとともに、コストダウンを図ることができる。
そして、必要に応じ、上記株の条が上記畝に2条設けられるようにし、
上記畝の畝間寸法をAとし、上記畝の長手方向に沿う株の株間寸法をBとし、上記株の条の条間寸法をCとしたとき、A=140cm〜180cm、B=25cm〜40cm、C=25cm〜45cmにした構成としている。尚、床幅や通路幅は、70cm〜90cmになる。
これにより、株間寸法BがB=25cm〜40cmとなり、従来の15cm〜20cmと比較して、適正な株間になり、本発明の作用,効果を確実に発揮させることができる。即ち、単位面積当たりの定植数は減るが、1株当たりのリンドウの出荷可能本数を確実に増加させることができる。
また、必要に応じ、上記隣接する株の条同士において、上記株の位相が、(1/2)Bずれるようにした構成としている。これにより、隣接する株の条同士においても株間を一定のものにすることができ、より一層、適正な株間になり、本発明の作用,効果を確実に発揮させることができる。
そしてまた、必要に応じ、1年目において、リンドウの苗を畝に定植して株を養成する株養成を行い、
2年目において、上記1年目に養成された株から萌芽した芽をそのままにして育成し、若しくは、芽を摘んで1株当たり所定本数残す株仕立てを行って育成し、開花期に着花した茎を1株当たり数本収穫して他の茎を残し、その残した茎で株養成を行い、
3年目において、上記2年目に養成された株から萌芽した芽をそのままにして育成し、若しくは、芽を摘んで1株当たり所定本数以上残す株仕立てを行って育成し、開花期に着花した茎を1株当たり数本残して他の茎を収穫し、その残した茎で株養成を行い、
4年目以降において、上記3年目と同様に育成,収穫,株養成を行う構成としている。
これにより、2年目において、多少の収穫を得ることができるとともに、株養成を確実に行うことができる。また、3年目以降においては、株に生育した1株当たりの茎の本数が増加することから、収量を大幅に増やすことができる。また、後述の試験例からも分かるように、従来の栽培方法に比較して、規格の等級の高い花の収量比率が高くなり、栽培効率を大幅に向上させることができる。更に、収穫の際には、茎を1株当たり数本残すので、株養成を確実に行うことができる。そのため、収量を安定的に確保することができる。また、株仕立てを行わない場合(以下「放任株仕立て」という)では、それだけ、株仕立てに要する作業が不要になるので、作業効率を大幅に向上させることができる。
この場合、上記2年目の株仕立ては、芽を1株当たり8〜12本残し、収穫時に1株当たり3本以下の茎を収穫することが有効である。これは、株仕立てを行う場合の条件であり、収穫時に残す茎の本数が多いので、株養成をより一層確実に行うことができる。
また、この場合、上記3年目の株仕立ては、芽を1株当たり20本以上残し、収穫時に茎を1株当たり3〜5本残して他の茎を収穫することが有効である。これは、株仕立てを行う場合の条件であり、株仕立てにより株に生育した茎を確実に育成することができ、茎の収量を確実に増やすことができる。
本発明によれば、隣接する株同士においては、株間寸法が25cm以上になり、全体でも養成される株が1アール当たり250〜500株になるので、疎植栽培になり、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、茎が密集してしまう事態を解消することができる。そのため、茎の生育を円滑に行わせることができ、生育が不十分な茎や、曲がった茎が規格外品として生じる事態を低減することができる。また、薬剤散布においても、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、それだけ、薬剤散布が不十分になる事態を防止することができ、このため、出荷の対象にならない病害虫の発生した茎が生じる度合いを低減することができる。
そのため、リンドウの苗の定植本数は、1アール当たり250〜500株になる本数であり、従来方法と比較して、およそ半減するが、1株当たりのリンドウの出荷可能本数を増加させることができ、規格品の実質的収量を大幅に向上させることができる。また、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、株仕立てする際には、その作業がやりやすくなり、それだけ、作業性を向上させ、株仕立て作業に要する時間を少なくすることができ、作業効率を大幅に向上させることができる。その結果、コストダウンも図ることができる。
本発明の実施の形態に係るリンドウの栽培方法を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るリンドウの栽培方法を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係るリンドウの栽培方法において、1年目から3年目に行う栽培内容を経時的に示す表図である。 本発明の実施例1,2において、定植3年目の立茎数(平均値±標準偏差)を比較例1,2の立茎数とともに示す表図である。 リンドウの標準出荷規格(岩手県)を示す表図である。 本発明の実施例1,2において、定植3年目の10株当たりの規格別収穫本数を比較例1の同本数とともに示す表図である。 本発明の実施例1,2において、定植3年目の単位面積換算規格別出荷本数を比較例1の同本数とともに示す表図である。 本発明の実施例1,2において、定植3年目のハダニ類寄生葉率を比較例1の同寄生葉率とともに示す表図である。 本発明の別の実施例を示し、(a)は株を1条にした例を示す平面図、(b)は株を4条にした例を示す平面図である。 従来のリンドウの栽培方法を示す平面図である。 各県で現在実施されているリンドウの栽培条件及び栽植密度を、各県試験場成績書に基づいてまとめたデータを示す表図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るリンドウの栽培方法について詳細に説明する。
図1乃至図3には、本発明の実施の形態に係るリンドウの栽培方法を示している。この栽培方法は、春夏秋冬のある国内において、露地栽培によるものである。
また、リンドウには、開花時期の違いにより、極早生(開花時期6月下旬〜7月下旬),早生(開花時期7月下旬〜8月上旬),中生(開花時期8月中旬〜8月下旬),晩生(開花時期9月上旬〜9月下旬),極晩生(開花時期9月下旬〜11月上旬)の品種があり、ここでは、晩生のリンドウを基準に一例を示す。
実施の形態に係るリンドウの栽培方法は、基本的には、1年目に、リンドウの苗を定植して株を養成する株養成を行い、2年目以降の各年に、株から発生し育成されて着花した茎をその一部の茎を残して収穫し、その残した茎で再び株養成を行うようにしている。
詳しくは、図1及び図2に示すように、実施の形態に係るリンドウの栽培方法は、通路2を挟んで複数列の畝1を所定の間隔(畝間寸法)で形成し、リンドウの苗Nから養成される株Kが、畝1にその長手方向に沿い所定の間隔(株間寸法)で複数条状に設けられ、且つ、株の条が所定間隔(条間寸法)で複数列設けられるように定植する。実施の形態では、株の条が畝に2条設けられるようにしている。そして、このリンドウの苗を、隣接する株の条同士において、畝の長手方向に沿う株の位相がずれて配置されるように定植する。
ここで、畝の畝間寸法をAとし、畝の長手方向に沿う株の株間寸法をBとし、株Kの条の条間寸法をCとしたとき、A=140cm〜180cm、B=25cm〜40cm、C=25cm〜45cmにしている。また、隣接する株の条同士において、株の位相が、(1/2)Bずれるようにしている。そして、リンドウの苗を、養成される株が1アール当たり250〜500株になるように定植する。
次に、図3を用い、経時的に詳しく説明する。
<1年目>
1年目において、リンドウの苗を畝に定植する(6月)。リンドウの苗は、育苗施設において、3月に播種して育苗されたものを用いる。定植後、翌年まで株を養成する株養成を行う。
<2年目>
3月〜4月頃に、1年目に養成された株から約10〜15本程度の芽が萌芽してくる。そして、4月〜5月頃に、株仕立てを行う。ここでは、株仕立ては、芽を摘んで所定本数残す。実施の形態では10本残し、他は株元で折り取る。この場合、株の状況に応じ、あるいは意図的に、株仕立てを行わずにそのまま放置する放任株仕立てにすることができる。株毎に異なった仕立てにしてよく、また、全株を放任株仕立てにしてよい。春先のリンドウは、草丈が10cmを超えた頃から急速に伸長し、僅か10日ほどで草丈が30cmにも達する。そのため、株仕立ては、草丈が20cmに満たない頃に、一気に行う。
その後、開花時期の8月下旬頃まで育成する。育成に当たっては、図示しないが、畝に多数の支柱を立設してこれにネットを張設し、このネットで株から育成される茎を支持して茎の倒伏を防止しながら育成を行う。
この場合、図1及び図2に示すように、隣接する株の条同士においては、畝の長手方向に沿う株の位相がずれて配置され、所謂千鳥状に配置されるので、畝の長手方向に直交する方向に、従来のように一対の株が並んで配置されることがなく、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、茎が密集してしまう事態を解消することができる。特に、株間寸法BがB=25cm〜40cmとなり、従来の15cm〜20cmと比較して、株間が大幅に広くなり、より一層、茎が密集してしまう事態を解消することができる。また、隣接する株の条同士において、株の位相が、(1/2)Bずれるようにしているので、隣接する株の条同士においても株間を一定のものにすることができ、より一層、茎が密集してしまう事態を解消することができる。
そのため、茎の生育を円滑に行わせることができ、生育が不十分な茎や、曲がった茎が規格外品として生じる事態を低減することができる。また、この育成過程では、薬剤散布を行うが、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、それだけ、薬剤散布が不十分になる事態を防止することができる。更に、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、株仕立てする際には、その作業がやりやすくなり、それだけ、作業性を向上させ、株仕立て作業に要する時間を少なくすることができ、作業効率を大幅に向上させることができる。
図3に示すように、開花期(8月〜9月)に至れば、適時に着花した茎を1株当たり数本収穫して他の茎を残す。実施の形態では、茎を3本収穫し、残りは翌年伸びる芽が充実するように残しておく。この場合、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、収穫を容易に行うことができ、作業性を向上させることができる。この2年目においては、多少の収穫を得ることができる。そして、この茎の収穫後に、花のある部分を折って除去し、翌年まで株養成を行う。
<3年目>
3月〜4月頃に、2年目に養成された株から約30本程度の芽が萌芽してくる。そして、4月〜5月頃に、株仕立てを行う。ここでは、株仕立ては、芽を摘んで所定本数以上残す。実施の形態では20本以上残し、他は株元で折り取る。この場合、上記と同様に、株の状況に応じ、あるいは意図的に、株仕立てを行わずにそのまま放置する放任株仕立てにすることができる。株毎に異なった仕立てにしてよく、また、全株を放任株仕立てにしてよい。その後、開花時期の8月下旬頃まで育成する。育成に当たっては、図示しないが、上記と同様に、畝に多数の支柱を立設してこれにネットを張設し、このネットで株から育成される茎を支持して茎の倒伏を防止しながら育成を行う。
この場合も、上記と同様に、隣接する株の条同士においては、畝の長手方向に沿う株の位相がずれて配置され、所謂千鳥状に配置されるとともに、株間寸法BがB=25cm〜40cmと、株間が大幅に広くなり、しかも、隣接する株の条同士において、株の位相が、(1/2)Bずれるようにしているので、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、茎が密集してしまう事態を解消することができる。
そのため、茎の生育を円滑に行わせることができ、生育が不十分な茎や、曲がった茎が規格外品として生じる事態を低減することができる。また、この育成過程では、薬剤散布を行うが、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、それだけ、薬剤散布が不十分になる事態を防止することができる。更に、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、株仕立てする際には、その作業がやりやすくなり、それだけ、作業性を向上させ、株仕立て作業に要する時間を少なくすることができ、作業効率を大幅に向上させることができる。
開花期(8月〜9月)に至れば、適時に着花した茎を1株当たり数本残して、他の茎を全部収穫する。実施の形態では、翌年伸びる芽が充実するように茎を3本残し、他の茎を全部収穫する。そして、この茎の収穫後に、花のある部分を折って除去し、翌年まで株養成を行う。この場合、株の周囲のスペースを大きくとることができることから、収穫を容易に行うことができ、作業性を向上させることができる。また、上記の通り、茎が密集していないので、生育が不十分な茎や、曲がった茎が規格外品として生じる事態を低減することができ、出荷の対象にならない病害虫の発生した茎が生じる度合いを低減することができることから、1株当たりのリンドウの出荷可能本数を増加させることができ、規格品の実質的収量を大幅に向上させることができる。更に、作業性もよいことから、それだけ、コストダウンを図ることができる。
特に、リンドウの苗を、養成される株が1アール当たり250〜500株になるように定植しているが、これは、従来方法と比較して、リンドウの苗の定植本数をおよそ半減するものである。しかしながら、上記の通り、生育が不十分な茎や、曲がった茎が規格外品として生じる事態を低減することができ、出荷の対象にならない病害虫の発生した茎が生じる度合いを低減することができることから、株仕立て本数が20本以上(放任株仕立てを含む)にすることができるので、このことにより、全体の出荷可能本数を従来並みからそれ以上にすることができるとともに、定植本数が減るので、種苗費を大幅に減らし、生育時の農薬量も減らすことが期待でき、コストダウンを図ることができる。また、従来の栽培方法に比較して、規格の等級の高い花の収量比率が高くなり、栽培効率を大幅に向上させることができる。
<4年目以降>
3年目と同様に育成,収穫,株養成を行う。上記の通り、4年目以降も収量を確保することができる。株の経済的寿命が到来したならば、適宜に植え替えを行えばよい。
次に、実施例1,2について比較例(従来方法)1,2とともに説明する。実施例1,2及び比較例1,2ともに、リンドウの品種として「いわてLB−3号」を用い、下記の条件で行った。また、実施例1,2及び比較例1,2ともに、共通する条件としては、1年目の定植を平成28年6月に行った。施肥及び農薬散布は同様の条件にした。
<実施例1>
畝間寸法Aを、A=160cm(床幅:80cm、通路幅:80cm)、株間寸法Bを、B=36cm、条間寸法Cを、C=30cmにした。栽培株数を1アール当たり347株とした。2年目の株仕立ては、放任株仕立てとした。また、2年目の収穫は行わずに、株養成に徹した。3年目は芽を1株当たり20本残す株仕立てを行った。
<実施例2>
3年目の株仕立てを、実施例1と異なり、放任株仕立てとした。他は実施例1と同様である。
<比較例1>
畝間寸法Aを、A=160cm(床幅:80cm、通路幅:80cm)、株間寸法Bを、B=15cm、条間寸法Cを、C=30cmにした。栽培株数を1アール当たり833株とした。2年目の株仕立ては、芽を10本残す株仕立てとした。また、2年目の収穫は行わずに、株養成に徹した。3年目は芽を1株当たり10本残す株仕立てを行った。
<比較例2>
2年目の株仕立てを、比較例1と異なり、放任株仕立てとした。他は比較例1と同様である。
実施例及び比較例において、3年目(平成30年)の同時期に、育成状況を把握し、比較した。
(1)発生した茎の本数
実施例1,2及び比較例1,2において、リンドウの生育が旺盛となる定植3年目の株仕立て前に、株から発生した茎の本数を計数した。結果を図4に示す。実施例1,2では、比較例1,2に比較して10本以上多くなる。
(2)規格別収穫本数
実施例1,2及び比較例1において、10株当たりの規格別収穫本数(3本残した養成茎及び病害虫の被害については考慮しない)を計数した。規格は、図5に示す岩手県の規格のものを用いた。結果を図6に示す。
この結果から、実施例1,2は、何れも比較例1(従来栽培方法)よりも、規格品(60以上)の数が多くなっている。特に、実施例1では、最上位規格である80階級が比較例(従来栽培)の約2.2倍となっている。これは、実施例において、従来の栽培方法に比較して、規格の等級の高い花の収量比率が高くなり、栽培効率を大幅に向上させることができることを示している。
(3)単位面積当たりの規格別出荷本数
実施例1,2及び比較例1において、ハダニ類を含めた各種病害虫の被害等が発生して出荷不可能な茎を除いた1アール当たり換算の出荷可能本数を示す。結果を図7に示す。
この結果から分かるように、実施例1では、総本数が比較例1の約1.3倍となり、特に、最上位規格の80階級が比較例の約1.6倍となっている。実施例2においても好成績を収めている。
(4)ハダニ類寄生葉率
実施例1,2及び比較例1において、リンドウの病害虫、特にハダニ類に着目し、寄生葉率(ハダニ類が寄生した葉数)を調べた。
結果を図8に示す。
上記図8からも分かるように、疎植栽培では、ハダニ類の寄生葉率が従来栽培の3割となっている。このことから、疎植栽培により従来栽培では農薬がかかりにくかった条と条の間の内側にも、農薬がかかり易くなり被害を減らすことができる。
(5)種苗費の比較
最後に、農業経営上の試算をする。まず、1アール当たりの種苗費は、リンドウの苗の価格を30円/株とすると、比較例(従来栽培)の833株×30円/株=24,990円に対し、実施例では、347株×30円/株=10,410円となり、1万円以上安くなる。また、1アール当たり労働時間は、従来栽培では定植に1.6時間、株仕立てに3.7時間かかるとされているが、実施例では、それぞれ半減が期待できる。
尚、上記実施の形態において、畝上に列を2条形成しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、図9(a)に示す1条にしたものは本発明に含まれないが、図9(b)に示すように、変則的な4条にするなど、250〜500株/アールの範囲内で、農薬のかかりやすさに留意して定植位置を配し、株仕立て本数を20本以上とすれば、条数はどのように定めてもよく、種々の改変が可能である。また、上記実施の形態において、畝間寸法A,株間寸法B,条間寸法C等の数値は、必ずしもこれに限定されるものではなく、適宜に設定してよいことは勿論である。要するに、本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されず、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
N リンドウの苗
K 株
1 畝
A 畝間寸法
B 株間寸法
C 条間寸法

Claims (7)

  1. 1年目に、リンドウの苗を定植して株を養成する株養成を行い、2年目以降の各年に、株から発生し育成されて着花した茎をその一部の茎を残して収穫し、その残した茎で再び株養成を行うようにしたリンドウの栽培方法において、
    通路を挟んで複数列の畝を所定の間隔で形成し、上記リンドウの苗を、養成される株が上記畝にその長手方向に沿い所定の間隔で複数条状に設けられ、且つ、該株の条が所定間隔で複数列設けられるように定植するとともに、上記隣接する株の条同士において上記畝の長手方向に沿う株の位相がずれて配置されるように定植し、
    上記リンドウの苗を、養成される株の株間寸法を25cm以上にし、養成される株が1アール当たり250〜500株になるように定植することを特徴とするリンドウの栽培方法。
  2. 上記養生される株が、1アール当たり300〜400株になるように定植することを特徴とする請求項1記載のリンドウの栽培方法。
  3. 上記株の条が上記畝に2条設けられるようにし、
    上記畝の畝間寸法をAとし、上記畝の長手方向に沿う株の株間寸法をBとし、上記株の条の条間寸法をCとしたとき、A=140cm〜180cm、B=25cm〜40cm、C=25cm〜45cmにしたことを特徴とする請求項1または2記載のリンドウの栽培方法。
  4. 上記隣接する株の条同士において、上記株の位相が、(1/2)Bずれるようにしたことを特徴とする請求項3記載のリンドウの栽培方法。
  5. 1年目において、リンドウの苗を畝に定植して株を養成する株養成を行い、
    2年目において、上記1年目に養成された株から萌芽した芽をそのままにして育成し、若しくは、芽を摘んで1株当たり所定本数残す株仕立てを行って育成し、開花期に着花した茎を1株当たり数本収穫して他の茎を残し、その残した茎で株養成を行い、
    3年目において、上記2年目に養成された株から萌芽した芽をそのままにして育成し、若しくは、芽を摘んで1株当たり所定本数以上残す株仕立てを行って育成し、開花期に着花した茎を1株当たり数本残して他の茎を収穫し、その残した茎で株養成を行い、
    4年目以降において、上記3年目と同様に育成,収穫,株養成を行うことを特徴とする請求項3または4記載のリンドウの栽培方法。
  6. 上記2年目の株仕立ては、芽を1株当たり8〜12本残し、収穫時に1株当たり3本以下の茎を収穫することを特徴とする請求項5記載のリンドウの栽培方法。
  7. 上記3年目の株仕立ては、芽を1株当たり20本以上残し、収穫時に茎を1株当たり3〜5本残して他の茎を収穫することを特徴とする請求項6記載のリンドウの栽培方法。
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