JP6881606B2 - 通信品質低下予測システム、方法およびプログラム - Google Patents

通信品質低下予測システム、方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する通信品質低下予測システム、通信品質低下予測方法、および通信品質低下予測プログラムに関する。
特許文献1には、監視対象機器の故障を予測するための学習モデルを生成する学習装置と、その学習装置から学習モデルを受信し、その学習モデルを用いて監視対象機器の故障の発生を予測する故障予測装置とを備えたシステムが記載されている。
特開2016−173782号公報
特許文献1に記載された発明によれば、監視対象機器の故障の発生を予測することができる。しかし、通信機器を監視対象とする場合には、故障そのものの発生を予測するよりも、故障の前兆となる通信品質の低下に関する予測を行えることが好ましい。故障の前兆となる通信品質の低下に関する予測を行うことで、監視対象となる通信機器に対する対処をより早く行えるからである。
また、将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する場合、その予測の精度が高いことが好ましい。
そこで、本発明は、将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を高い精度で予測することができる通信品質低下予測システム、通信品質低下予測方法、および通信品質低下予測プログラムを提供することを目的とする。
本発明による通信品質低下予測システムは、一の通信機器と、一の通信機器と通信可能に接続される他の通信機器との間の通信区間での通信品質の低下の原因に関連する属性である第1の属性に基づいて生成された第1の学習モデルを用いて、通信区間での将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する第1の予測部と、一の通信機器における通信区間外での通信品質の低下の原因に関連する属性である第2の属性に基づいて生成された第2の学習モデルを用いて、一の通信機器における通信区間外での将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する第2の予測部と、第1の予測部の予測結果と、第2の予測部の予測結果とに基づいて、一の通信機器における将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を判定する判定部とを備えることを特徴とする。
また、本発明による通信品質低下予測方法は、一の通信機器と、一の通信機器と通信可能に接続される他の通信機器との間の通信区間での通信品質の低下の原因に関連する属性である第1の属性に基づいて生成された第1の学習モデルを用いて、通信区間での将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する第1の予測処理を実行し、一の通信機器における通信区間外での通信品質の低下の原因に関連する属性である第2の属性に基づいて生成された第2の学習モデルを用いて、一の通信機器における通信区間外での将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する第2の予測処理を実行し、第1の予測処理の予測結果と、第2の予測処理の予測結果とに基づいて、一の通信機器における将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を判定することを特徴とする。
また、本発明による通信品質低下予測プログラムは、コンピュータに、一の通信機器と、一の通信機器と通信可能に接続される他の通信機器との間の通信区間での通信品質の低下の原因に関連する属性である第1の属性に基づいて生成された第1の学習モデルを用いて、通信区間での将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する第1の予測処理、一の通信機器における通信区間外での通信品質の低下の原因に関連する属性である第2の属性に基づいて生成された第2の学習モデルを用いて、一の通信機器における通信区間外での将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する第2の予測処理、および、第1の予測処理の予測結果と、第2の予測処理の予測結果とに基づいて、一の通信機器における将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を判定する判定処理を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を高い精度で予測することができる。
無線中継機器を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の通信品質低下予測システムの例を示すブロック図である。 単位時間毎に記憶された無線中継機器の情報の例を示す模式図である。 イベント情報の例を示す模式図である。 キャンペーン情報の例を示す模式図である。 第1の属性の値を含む教師データの例を示す模式図である。 第1の属性の値を含む教師データの他の例を示す模式図である。 第2の属性の値を含む教師データの例を示す模式図である。 第2の属性の値を含む教師データの他の例を示す模式図である。 無線中継機器51aにおける予測結果の統合の例を示す模式図である。 無線中継機器51aにおける予測結果の統合の他の例を示す模式図である。 第1の実施形態の通信品質低下予測システムの処理経過の例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の通信品質低下予測システムの例を示すブロック図である。 第2の実施形態における、第1の属性の値を含む教師データの例を示す模式図である。 第2の実施形態における、第1の属性の値を含む教師データの他の例を示す模式図である。 第2の実施形態における、第2の属性の値を含む教師データの例を示す模式図である。 第2の実施形態における、第2の属性の値を含む教師データの他の例を示す模式図である。 第3の学習モデルを生成するために用いられる教師データの例を示す模式図である。 第2の実施形態の通信品質低下予測システムの処理経過の例を示すフローチャートである。 第2の実施形態の通信品質低下予測システムの処理経過の例を示すフローチャートである。 本発明の各実施形態に係るコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。 本発明の通信品質低下予測システムの概要を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明による通信品質低下予測システムは、通信機器の通信品質の低下に関する予測を行う。以下に示す各実施形態では、予測対象となる通信機器が無線中継機器である場合を例にして説明する。ただし、予測対象となる通信機器は、無線中継機器に限定されず、例えば、基地局や、光通信を行う光通信機器であってもよい。
図1は、無線中継機器を示す模式図である。一般に、通信機器はペアをなす。図1に示す例では、無線中継機器51aと無線中継機器51bとがペアをなし、無線中継機器51aと無線中継機器51bとが無線で通信を行う。また、図1では、一方の無線中継機器51aに基地局52が接続され、もう一方の無線中継機器51bにルータ53が接続されている場合を例示している。なお、各無線中継機器51a,51bを特に区別しない場合には、単に「無線中継機器51」と記す。なお、「無線中継機器51aと無線中継機器51bとがペアをなす。」とは、「無線中継機器51aと無線中継機器51bとが通信可能に接続される。」と表現してもよい。
以下に示す各実施形態で、ペアをなす無線中継機器51aと無線中継機器51bとの間の通信区間を通信区間Kと記す。
本発明の通信品質低下予測システムは、無線中継機器51毎に、将来の通信品質の低下に関する予測を行うための学習モデルとして、通信区間Kに着目した場合の学習モデルと、通信区間Kの区間外に着目した場合の学習モデルとを生成する。後述するように、前者の学習モデルを第1の学習モデルと記し、後者の学習モデルを第2の学習モデルと記す。通信品質低下予測システムは、それらの学習モデルを用いて、通信品質の低下に関する予測を行う。
例えば、無線中継機器51aを予測対象とする場合には、無線中継機器51aから見て、基地局52側の通信区間を、「通信区間K」の区間外とする。また、例えば、無線中継機器51bを予測対象とする場合には、無線中継機器51bから見て、ルータ53側の通信区間を、「通信区間K」の区間外とする。
また、以下に示す各実施形態では、パケットロスによって通信品質を表す場合を例にして説明するが、パケットロス以外の指標によって通信品質を表してもよい。パケットロスによって通信品質を表す場合、パケットロスの量が、通信品質の低下量に該当する。
実施形態1.
図2は、本発明の第1の実施形態の通信品質低下予測システムの例を示すブロック図である。本発明の通信品質低下予測システム1は、データ受信部2と、データ記憶部3と、教師データ生成部4と、第1のモデル生成部5と、第2のモデル生成部6と、モデル記憶部7と、第1の予測部8と、第2の予測部9と、統合部10とを備える。
データ記憶部3は、学習モデルの生成に用いる教師データに含まれることになる情報や、教師データを導出するために用いられる情報を記憶する記憶装置である。
以下、データ記憶部3が記憶する種々の情報について説明する。
データ記憶部3は、個々の無線中継機器51の情報を記憶する。
個々の無線中継機器51の情報には、無線中継機器51が配置されている位置の天気の情報が含まれている。天気の情報の例として、「晴れ」、「曇り」または「雨」等の種類を示す情報や、降水量、気温、湿度等が挙げられる。これらの情報は例示であり、個々の無線中継機器51の情報に、例示した天気の情報が全て含まれていなくてもよい。また、天気の情報として他の情報が、個々の無線中継機器51の情報に含まれていてもよい。
また、個々の無線中継機器51の情報には、無線中継機器51のアンテナの向きや無線通信に用いる周波数の情報が含まれる。アンテナの向きは、例えば、アンテナの仰角および方位角によって表されてもよい。以下、アンテナの向きが仰角および方位角によって表される場合を例にして説明する。
また、個々の無線中継機器51の情報には、無線中継機器51周辺の電波状況を示す情報が含まれる。電波状況を示す情報とは、電波状況が良好か否か(例えば、電波干渉がないかあるか)を示す情報である。
また、個々の無線中継機器51の情報には、無線中継機器51が送受信したトラフィックの量や、受信時に破棄(discard )したトラフィックの量等が含まれる。各実施形態では、図1に示す例において、基地局からルータへのトラフィックのフローに着目しているとする。この場合、無線中継機器51aの情報には、無線中継機器51aが基地局からのトラフィックを受信する際に破棄したトラフィックの量や、無線中継機器51aが無線中継機器51bに送信したトラフィックの量等が含まれる。また、無線中継機器51bの情報には、無線中継機器51bが無線中継機器51aから受信したトラフィックの量や、無線中継機器51bがルータ53に向けて送信したトラフィックの量を含む。なお、本例では、データ記憶部3は、ルータ53が無線中継機器51bから受信したトラフィックの量も記憶する。なお、これらのトラフィックの量から、パケットロスの量が導出される。
天気の情報、アンテナの向き、無線通信に用いる周波数の情報、電波状況を示す情報、およびトラフィックの量に関する情報は、時刻によって変化し得る。このように変化し得る個々の無線中継機器51の情報は、個々の無線中継機器51から通信品質低下予測システム1に単位時間毎に送信され、データ受信部2がその情報を受信して、データ記憶部3に記憶させればよい。また、ルータ53が無線中継機器51bから受信したトラフィックの量は、ルータ53から通信品質低下予測システム1に単位時間毎に送信され、データ受信部2がその情報を受信して、データ記憶部3に記憶させればよい。なお、この場合、個々の無線中継機器51は、天気の情報を測定するための機器、および、電波状況が良好か否かを判定するための機器も備えていればよい。各無線中継機器51が、天気の情報を測定するための機器を備えていない場合、各無線中継機器51の近傍にそれぞれ、天気の情報を測定するための機器を設けておき、その機器が単位時間毎に、通信品質低下予測システム1に天気の情報を送信し、データ受信部2がその情報を受信して、データ記憶部3に記憶させればよい。
なお、各実施形態では、単位時間が1時間である場合を例にして説明する。なお、以下の説明や図面において、時刻を表記した場合、その表記は、その時刻までの単位時間分(1時間分)の期間を表しているものとする。例えば、「2017年10月10日15時」と表記した場合、その表記は、2017年10月10日14時から2017年10月10日15時までの1時間を表しているものとする。
また、個々の無線中継機器51の情報には、無線中継機器51の位置、機種、設定内容等が含まれる。これらの位置、機種、設定内容等をインベントリ情報と記す。各実施形態では、インベントリ情報に、無線中継機器51のアンテナの大きさおよび種類も含まれているものとする。データ記憶部3は、無線中継機器51毎にインベントリ情報を記憶する。例えば、通信ネットワークの管理者、または、通信品質低下予測システム1の管理者が、無線中継機器51毎のインベントリ情報を、予めデータ記憶部3に記憶させておく。
データ受信部2は、単位時間毎に受信する個々の無線中継機器51の情報をデータ記憶部3に記憶させる場合、インベントリ情報に含まれているアンテナの大きさおよび種類も対応付けて記憶させる。図3は、このようにして単位時間毎に記憶された無線中継機器51の情報の例を示す模式図である。図3では、無線中継機器51aの情報の例を示しているが、データ受信部2は、他の各無線中継機器51に関しても、同様に、無線中継機器51の情報をデータ記憶部3に記憶させる。なお、図3では、トラフィックの量の情報の図示を省略している。図3に示す例では、アンテナの種類は数値で区別されているものとする。
また、データ記憶部3は、種々のイベントの有無を示すイベント情報を記憶する。データ記憶部3は、単位期間毎(本例では、1時間毎)の種々のイベントの有無を記憶する。図4は、イベント情報の例を示す模式図である。図4に示すように、台風や地震等の種々の災害をイベントとしてもよい。図4では、イベントとして、「プロ野球の試合」、「サッカーワールドカップの試合」、「台風」および「地震」を例示しているが、何をイベントとするかについては、特に限定されない。
また、データ記憶部3は、キャンペーンの有無を示すキャンペーン情報を記憶する。データ記憶部3は、1日毎の種々のキャンペーンの有無を記憶する。図5は、キャンペーン情報の例を示す模式図である。キャンペーンの例として、例えば、トラフィックの送信元または宛先となる通信端末の販売促進のための広告活動等が挙げられるが、キャンペーンは本例に限定されない。
また、データ記憶部3は、ネットワークを形成するノード同士の関連を示すトポロジ情報を記憶する。より具体的には、トポロジ情報は、ノード同士の接続関係および接続されているノード間でのトラフィックのフローの向きを示す。トポロジ情報によって、例えば、無線中継機器51aに接続されている基地局の数の判断が可能となる。また、無線中継機器51bがトラフィックを送信するルータ53に接続されているネットワークの数を特定可能な態様でトポロジ情報が定められていてもよい。
また、データ記憶部3は、カレンダ情報を記憶する。カレンダ情報は、年月日の曜日、休日に該当する曜日、休日に該当する年月日、祝日に該当する年月日、および、行事日(例えば、クリスマスやハロウィン等の年中行事が行われる日)を示す情報である。カレンダ情報によって、各年月日が休日であるか平日であるかを判断することができる。また、カレンダ情報によって、各年月日が祝日に該当するか否かの判断や、各年月日に年中行事が行われるか否かの判断も可能となる。
また、データ記憶部3は、無線中継機器51毎に、無線中継機器51が存在する地区の人口動態を示す情報を記憶する。人口動態を示す情報は、例えば、各日からみて一定期間後(例えば、1年後)における人口がどれだけ増えるかまたは減るかを示す情報である。都市計画が定められている場合には、人口動態を示す情報として都市計画を用いてもよい。都市計画は、人口動態を示す情報の一態様であると言うことができる。
例えば、通信ネットワークの管理者、または、通信品質低下予測システム1の管理者が、イベント情報、キャンペーン情報、トポロジ情報、カレンダ情報、および、人口動態を示す情報を、予めデータ記憶部3に記憶させておく。
教師データ生成部4は、学習モデルの生成に用いられる教師データを、データ記憶部3に記憶されているデータに基づいて生成する。本実施形態の通信品質低下予測システム1は、無線中継機器51毎に、将来のパケットロスに関する予測を行うための学習モデルとして、通信区間Kに着目した場合の学習モデルと、通信区間Kの区間外に着目した場合の学習モデルとを生成する。前者の学習モデルを第1の学習モデルと記す。後者の学習モデルを第2の学習モデルと記す。既に説明したように、例えば、図1に例示する無線中継機器51aを予測対象とする場合には、無線中継機器51aから見て、基地局52側の通信区間を、「通信区間K」の区間外とする。また、例えば、無線中継機器51bを予測対象とする場合には、無線中継機器51bから見て、ルータ53側の通信区間を、「通信区間K」の区間外とする。
第1の学習モデルおよび第2の学習モデルは、無線中継機器51毎に生成される。従って、教師データ生成部4は、無線中継機器51毎に、第1の学習モデルの生成に用いる教師データと、第2の学習モデルの生成に用いる教師データとを生成する。ここでは、主に、図1に示す無線中継機器51aの教師データを生成する場合を例にして説明する。また、既に述べたように、図1に示す例において、基地局からルータへのトラフィックのフローに着目しているとする。
まず、第1の学習モデルの生成に用いられる教師データを生成する動作について説明する。
ペアをなす無線中継機器51aと無線中継機器51bとの間の通信区間K(図1参照)でのパケットロスの原因に関連する属性の例として、天気の情報、アンテナの向き(仰角および方位角)、アンテナの大きさ、アンテナの種類、周波数、電波状況等(すなわち、図3に例示した各属性)が挙げられる。以下、通信区間Kでのパケットロスの原因に関連する属性を、第1の属性と記す。また、通信区間Kでのパケットロスの原因を内的原因と記す。本発明の各実施形態において、第1の属性は、例えば、天気の情報、アンテナの向き、アンテナの大きさ、アンテナの種類、周波数、電波状況のうち、少なくとも、1つ以上の属性を含む。ただし、第1の属性として、例示した上記の各属性以外の属性を用いてもよい。
教師データ生成部4は、無線中継機器51aの各単位時間の各第1の属性の値のうち、文字列で表されている情報を数値化する。例えば、図3に例示した個々の第1の属性(天気の種類、気温、アンテナの仰角および方位角、アンテナの大きさ、アンテナの種類、周波数および電波状況)のうち、天気の種類および電波状況は、文字列で表されている。教師データ生成部4は、この文字列を数値化する。例えば、教師データ生成部4は、天気の種類という属性に関して「晴れ」、「曇り」、「雨」等の文字列を、予め定められたルールに従って、それぞれ、「0.0」、「0.5」、「1.0」等の数値に置き換える。また、例えば、教師データ生成部4は、属性「電場状況」に関して、「干渉有り」を「1」に置き換え、「干渉無し」を「0」に置き換える。
教師データ生成部4は、第1の属性の値が得られた単位時間から、所定期間経過後(例えば、20日経過後)の単位時間におけるパケットロスの量を計算し、第1の属性の値が得られた時に対応付ける。例えば、教師データ生成部4は、図3に例示する「2017年10月10日15時」の個々の第1の属性の値に対応付けるパケットロスの量として、「2017年10月30日15時」のパケットロスの量を計算する。このパケットロスの量は、通信区間Kにおけるパケットロスの量である。そして、通信区間Kにおけるパケットロスの量は、無線中継機器51aが無線中継機器51bに向けて送信したトラフィックの量(Txとする。)から、無線中継機器51bが無線中継機器51aから受信したトラフィックの量(Rxとする。)を減算することによって得られる。例えば、「2017年10月30日15時」のパケットロスの量は、「2017年10月30日15時」におけるTxから「2017年10月30日15時」におけるRxを減算することによって得られる。教師データ生成部4は、計算によって得た「2017年10月30日15時」のパケットロスの量を、図3に例示する「2017年10月10日15時」の個々の第1の属性の値に対応付ける。教師データ生成部4は、同様の処理を図3に示す各時間について行う。このようにして、教師データ生成部4は、第1の属性の値を含む教師データを生成する。この教師データの例を、図6に示す。ただし、教師データは、第1の属性として、図6に示す全ての属性を含んでいなくてもよく、また、第1の属性として、他の属性を含んでいてもよい。また、教師データは、第1の属性(通信区間Kでのパケットロスの原因に関連する属性)以外の属性を含んでいてもよい。ただし、この教師データは、後述の第2の属性は含まない。
また、図6に示す例では、教師データに、所定期間経過後の「パケットロスの量」を含める場合を示した。教師データ生成部4は、所定期間経過後の「パケットロスの量」の代わりに、所定期間経過後の「パケットロスの発生の有無」を含めてもよい。パケットロスの発生有りの場合には、数値「1」で表し、パケットロスの発生無しの場合には、数値「0」で表せばよい。例えば、教師データ生成部4は、Tx−Rx>0であれば、パケットロスの発生有りとみなし、Tx−Rx=0であれば、パケットロスの発生無しとみなせばよい。所定期間経過のパケットロスの発生の有無を含む教師データの例を、図7に示す。
次に、第2の学習モデルの生成に用いられる教師データを生成する動作について説明する。
図1に例示する無線中継機器51aを予測対象とする場合には、無線中継機器51aから見て、基地局52側の通信区間が、「通信区間K」の区間外となる。通信区間Kの区間外でのパケットロスの原因に関連する属性の例として、無線中継機器51aにトラフィックを送信する基地局の数、各種イベントの有無、キャンペーンの有無、無線中継機器51aが存在する地区の人口動態が挙げられる。以下、通信区間Kの区間外でのパケットロスの原因に関連する属性を、第2の属性と記す。また、通信区間Kの区間外でのパケットロスの原因を外的原因と記す。本発明の各実施形態において、第2の属性は、例えば、イベントの有無、キャンペーンの有無、無線中継機器が存在する地区の人口動態のうち、少なくとも、1つ以上の属性を含む。ただし、第2の属性として、例示した上記の各属性以外の属性を用いてもよい。
教師データ生成部4は、単位時間毎に、無線中継機器51aにトラフィックを送信する基地局の数、各種イベントの有無、キャンペーンの有無、無線中継機器51aが存在する地区の人口動態を対応付ける。このとき、教師データ生成部4は、文字列で表されている情報を数値化する。例えば、イベント情報(図4参照)やキャンペーン情報(図5参照)に含まれている「有り」という情報を数値「1」で表し、「無し」という情報を数値「0」で表す。
また、教師データ生成部4は、無線中継機器51aにトラフィックを送信する基地局の数を、トポロジ情報に基づいて導出すればよい。
そして、教師データ生成部4は、それぞれの単位時間から、所定期間経過後(本例では、20日経過後)の単位時間における、通信区間Kの区間外でのパケットロスの量を特定する。例えば、「2017年10月10日15時」の個々の第2の属性の値に対応付けるパケットロスの量として、「2017年10月30日15時」に無線中継機器51aが基地局からのトラフィックを受信する際に破棄(discard )したトラフィックの量を用いればよい。このようにして、教師データ生成部4は、第2の属性の値を含む教師データを生成する。この教師データの例を、図8に示す。ただし、教師データは、第2の属性として、図8に示す全ての属性を含んでいなくてもよく、また、第2の属性として、他の属性(例えば、カレンダ情報から得られる「休日か否か」等)を含んでいてもよい。また、教師データは、第2の属性以外の属性を含んでいてもよい。ただし、この教師データは、前述の第1の属性は含まない。
また、図8に示す例では、教師データに、所定期間経過後の「パケットロスの量」を含める場合を示した。教師データ生成部4は、所定期間経過後の「パケットロスの量」の代わりに、所定期間経過後の「パケットロスの発生の有無」を含めてもよい。パケットロスの発生有りの場合には、数値「1」で表し、パケットロスの発生無しの場合には、数値「0」で表せばよい。この場合、無線中継機器51aが基地局からのトラフィックを受信する際に破棄したトラフィックがあれば、パケットロスの発生有りとみなし、破棄したトラフィックがなければ、パケットロスの発生なしとみなせばよい。所定期間経過のパケットロスの発生の有無を含む教師データの例を、図9に示す。
なお、図8および図9では、無線中継機器51aに関して生成された、第2の学習モデル生成のための教師データを示した。基地局からルータへのトラフィックのフローにおいて、下流側の無線中継機器51bに関して教師データを作成する場合について説明する。この場合、教師データ生成部4は、所定期間経過後の単位時間におけるパケットロスの量として、無線中継機器51bがルータ53に向けて送信したトラフィックの量から、ルータ53が無線中継機器51bから受信したトラフィックの量を減算した値を算出すればよい。教師データ生成部4は、パケットロスの発生の有無を特定する場合にも同様の計算を行い、減算結果が正であれば、パケットロスの発生有りとみなし、減算結果が0であれば、パケットロスの発生無しとみなせばよい。また、無線中継機器51bにおける、第2の学習モデル生成のための教師データでは、基地局の数の代わりに、例えば、ルータ53に接続されているネットワークの数を用いればよい。ルータ53に接続されているネットワークの数は、例えば、トポロジ情報から求めてもよい。
なお、第1の学習モデル生成のための教師データにおける「所定期間」と、第2の学習モデル生成のための教師データにおける「所定期間」は、同一の期間である。本例では、所定期間が20日である場合を例示したが、所定期間が20日でなくてもよい。
教師データ生成部4は、無線中継機器51毎に、第1の学習モデル生成のための教師データ、および、第2の学習モデル生成のための教師データを生成する。
第1のモデル生成部5は、第1の学習モデル生成のための教師データを用いて、機械学習によって、第1の学習モデルを生成する。第1の学習モデル生成のための教師データは、無線中継機器51毎に生成される。従って、第1のモデル生成部5は、無線中継機器51毎に、第1の学習モデルを生成する。
第2のモデル生成部6は、第2の学習モデル生成のための教師データを用いて、機械学習によって、第2の学習モデルを生成する。第2の学習モデル生成のための教師データは、無線中継機器51毎に生成される。従って、第2のモデル生成部6は、無線中継機器51毎に、第2の学習モデルを生成する。
第1のモデル生成部5および第2のモデル生成部6が実行する機械学習のアルゴリズムは特に限定されない。
ただし、第1のモデル生成部5が、パケットロスの量を予測するための第1の学習モデルを生成する場合には、第2のモデル生成部6も、パケットロスの量を予測するための第2の学習モデルを生成する。この場合、教師データ生成部4は、第1の学習モデル生成のための教師データとして、図6に例示する教師データを生成し、第2の学習モデル生成のための教師データとして、図8に例示する教師データを生成すればよい。また、この場合、学習モデルは、例えば、回帰式として得られる。
また、第1のモデル生成部5が、パケットロスの発生の有無を予測するための第1の学習モデルを生成する場合には、第2のモデル生成部6も、パケットロスの発生の有無を予測するための第2の学習モデルを生成する。この場合、教師データ生成部4は、第1の学習モデル生成のための教師データとして、図7に例示する教師データを生成し、第2の学習モデル生成のための教師データとして、図9に例示する教師データを生成すればよい。また、この場合、学習モデルは、例えば、判別式として得られる。
第1の学習モデルは、回帰式であっても、判別式であっても、例えば、以下に示す式(1)のように表すことができる。
y=a+a+・・・+a+b (1)
〜xは、教師データに含まれる種々の第1の属性に対応する説明変数であり、a〜aは、個々の説明変数の係数である。bは、定数項である。
yは、目的変数である。
式(1)が、パケットロスの量を予測するための回帰式である場合、yは、予測されるパケットロスの量を表す。ただし、このパケットロスの量は、通信区間Kでのパケットロスの量の予測値である。
式(1)が、パケットロスの発生の有無を予測するための判別式である場合、yは、0〜1の範囲の値をとる。yの値が1に近いほど、通信区間Kでパケットロスが発生する可能性が高いことを意味し、yの値が0に近いほど、通信区間Kでパケットロスが発生する可能性が低いことを意味する。
第2の学習モデルは、回帰式であっても、判別式であっても、例えば、以下に示す式(2)のように表すことができる。
Y=A+A+・・・+A+B (2)
〜Xは、教師データに含まれる種々の第2の属性に対応する説明変数であり、A〜Aは、個々の説明変数の係数である。Bは、定数項である。
Yは、目的変数である。
式(2)がパケットロスの量を予測するための回帰式である場合、Yは、予測されるパケットロスの量を表す。ただし、このパケットロスの量は、通信区間Kの区間外(例えば、無線中継機器51aから見て、基地局52側の通信区間)でのパケットロスの量の予測値である。
式(2)が、パケットロスの発生の有無を予測するための判別式である場合、Yは、0〜1の範囲の値をとる。yの値が1に近いほど、通信区間Kの区間外でパケットロスが発生する可能性が高いことを意味し、Yの値が0に近いほど、通信区間Kの区間外でパケットロスが発生する可能性が低いことを意味する。
第1のモデル生成部5は、生成した第1の学習モデルをモデル記憶部7に記憶させる。同様に、第2のモデル生成部6は、生成した第2の学習モデルをモデル記憶部7に記憶させる。
モデル記憶部7は、第1のモデル生成部5が生成した第1の学習モデル、および、第2のモデル生成部6が生成した第2の学習モデルを記憶する記憶装置である。
なお、本実施形態では、第1の学習モデルが式(1)の形式で表され、第2の学習モデルが式(2)の形式で表される場合を示したが、第1の学習モデルおよび第2の学習モデルの形式は、式(1)や式(2)に示す形式に限定されない。
第1の予測部8は、第1の学習モデルを用いて、将来の通信区間Kでのパケットロスに関する予測を行う。以下、パケットロスに関する予測を行う対象となる将来の単位時間を予測対象時間と記す。
第1の学習モデル(式(1))が、パケットロスの量の予測を行うための回帰式であるとする。この場合、第1の予測部8は、予測対象時間から所定期間前における、式(1)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み込み、その属性の値を説明変数に代入し、式(1)の計算によりyの値を求める。このyの値が、将来の予測対象時間における、通信区間Kでのパケットロスの量の予測値である。
第1の学習モデル(式(1))が、パケットロスの発生の有無を予測するための判別式であるとする。この場合においても、第1の予測部8は、予測対象時間から所定期間前における、式(1)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み込み、その属性の値を説明変数に代入し、式(1)の計算によりyの値を求める。式(1)が判別式である場合、yは0〜1の範囲の値をとる。第1の予測部8は、例えば、yの値が0.5以上であれば、yの値を1に置き換え、yの値が0.5未満であれば、yの値を0に置き換える。yの値が1であるということは、将来の予測対象時間において、通信区間Kでパケットロスが生じると予測されることを意味する。また、yの値が0であるということは、将来の予測対象時間において、通信区間Kでパケットロスが生じないと予測されることを意味する。
第2の予測部9は、第2の学習モデルを用いて、将来の通信区間Kの区間外(例えば、無線中継機器51aにおける予測を行う場合、無線中継機器51aから見て、基地局52側の通信区間)でのパケットロスに関する予測を行う。
第2の学習モデル(式(2))が、パケットロスの量の予測を行うための回帰式であるとする。この場合、第2の予測部9は、予測対象時間から所定期間前における、式(2)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み込み、その属性の値を説明変数に代入し、式(2)の計算によりYの値を求める。このYの値が、将来の予測対象時間における、通信区間Kの区間外でのパケットロスの量の予測値である。
第2の学習モデル(式(2))が、パケットロスの発生の有無を予測するための判別式であるとする。この場合においても、第2の予測部9は、予測対象時間から所定期間前における、式(2)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み込み、その属性の値を説明変数に代入し、式(2)の計算によりYの値を求める。式(2)が判別式である場合、Yは0〜1の範囲の値をとる。第2の予測部9は、例えば、Yの値が0.5以上であれば、Yの値を1に置き換え、yの値が0.5未満であれば、Yの値を0に置き換える。Yの値が1であるということは、将来の予測対象時間において、通信区間Kの区間外でパケットロスが生じると予測されることを意味する。また、Yの値が0であるということは、将来の予測対象時間において、通信区間Kの区間外でパケットロスが生じないと予測されることを意味する。
第1の予測部8および第2の予測部9は、無線中継機器51毎に、上記の予測処理を実行する。
なお、第1の予測部8および第2の予測部9に対して予測対象時間を指定する動作は、通信品質低下予測システム1の管理者が行えばよい。管理者は、第1の予測部8および第2の予測部9に対して、予測対象時間として同一の単位時間を指定する。従って、第1の予測部8および第2の予測部9は、同一の予測対象時間におけるパケットロスに関する予測を行う。また、管理者は、第1の予測部8および第2の予測部9に対して、例えば、連続する複数の単位時間をそれぞれ、予測対象時間として指定してもよい。例えば、管理者は、連続する予測対象時間として、「2017年10月30日15時」、「2017年10月30日16時」、・・・等を指定してもよい。この場合、第1の予測部8および第2の予測部9は、予測対象時間毎に、それぞれ、パケットロスに関する予測を行う。管理者は、将来の「単位時間に該当する期間」を予測対象時間として指定すればよい。
統合部10は、同一の予測対象時間における、第1の予測部8の予測結果と、第2の予測部9の予測結果とを統合する。
図10は、無線中継機器51aにおける予測結果の統合の例を示す模式図である。図10は、第1の予測部8および第2の予測部9がパケットロスの量を予測する場合の例である。この場合、統合部10は、第1の予測部8の予測結果(通信区間Kにおけるパケットロス量の予測値)と、第2の予測部9の予測結果(通信区間Kの区間外におけるパケットロス量の予測値)との合計を計算する。この結果、無線中継機器51aにおけるパケットロスの総量の予測値が得られる。統合部10は、この統合結果(本例では、無線中継機器51aにおけるパケットロスの総量の予測値)を、例えば、通信品質低下予測システム1に設けられるディスプレイ装置(図示略)に表示させてもよい。統合部10は、無線中継機器51毎に統合結果を表示させる。
図11は、無線中継機器51aにおける予測結果の統合の他の例を示す模式図である。図11は、第1の予測部8および第2の予測部9がパケットロスの発生の有無を予測する場合の例である。この場合、統合部10は、第1の予測部8の予測結果(1または0で表される、通信区間Kでのパケットロスの発生の有無の予測結果)と、第2の予測部9の予測結果(1または0で表される、通信区間Kの区間外でのパケットロスの発生の有無の予測結果)の論理和(OR)を計算する。すなわち、統合部10は、第1の予測部8の予測結果および第2の予測部9の予測結果のうち、少なくとも一方が「1(パケットロスが発生する。)」であれば、論理和として「1」を算出する。このことは、無線中継機器51aにおいてパケットロスが発生するという予測結果を表わしている。また、統合部10は、第1の予測部8の予測結果および第2の予測部9の予測結果の両方が「0(パケットロスが発生しない。)」であれば、論理和として「0」を算出する。このことは、無線中継機器51aにおいてパケットロスが発生しないという予測結果を表わしている。統合部10は、この統合結果(本例では、無線中継機器51aにおいてパケットロスが発生するか否か)を、例えば、通信品質低下予測システム1に設けられるディスプレイ装置(図示略)に表示させてもよい。統合部10は、無線中継機器51毎に統合結果を表示させる。
統合部10は、第1の予測部8および第2の予測部9のいずれか一方または両方が、パケットロスが発生すると予測した場合、無線中継機器51aにおいてパケットロスが発生すると判定すると言うことができる。また、統合部10は、第1の予測部8および第2の予測部9の両方が、パケットロスが発生しないと予測した場合、無線中継機器51aにおいてパケットロスが発生しないと判定すると言うことができる。
統合部10は、無線中継機器51毎に、上記の統合処理を実行する。
また、連続する複数の予測対象時間が指定されている場合には、統合部10は、予測対象時間毎に、上記の統合処理を実行する。このとき、統合部10は、例えば、無線中継機器51aで、連続5時間以上パケットロスが生じる期間があるか等の判定をおこなってもよい。また、また、統合部10は、予測対象時間におけるパケットロス量の多い順に無線中継機器51の順番を定めてもよい。
データ受信部2は、例えば、通信品質低下予測プログラムに従って動作するコンピュータのCPU(Central Processing Unit )およびそのコンピュータの通信インタフェースによって実現される。例えば、CPUが、コンピュータのプログラム記憶装置等のプログラム記録媒体から通信品質低下予測プログラムを読み込み、そのプログラムに従って、通信インタフェースを用いて、データ受信部2として動作すればよい。また、教師データ生成部4、第1のモデル生成部5、第2のモデル生成部6、第1の予測部8、第2の予測部9および統合部10も、例えば、通信品質低下予測プログラムに従って動作する上記のコンピュータのCPUによって実現される。すなわち、上記のように、通信品質低下予測プログラムを読み込んだCPUが、教師データ生成部4、第1のモデル生成部5、第2のモデル生成部6、第1の予測部8、第2の予測部9および統合部10として動作すればよい。また、データ受信部2、教師データ生成部4、第1のモデル生成部5、第2のモデル生成部6、第1の予測部8、第2の予測部9および統合部10がそれぞれ別々のハードウェアによって実現されていてもよい。
また、通信品質低下予測システム1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線または無線で接続されている構成であってもよい。
次に、通信品質低下予測システム1の処理経過の例について説明する。図12は、第1の実施形態の通信品質低下予測システム1の処理経過の例を示すフローチャートである。なお、既に説明した事項については、詳細な説明を省略する。また、データ記憶部3には、各種データが既に記憶されているものとして説明する。また、管理者が、予め、第1の予測部8および第2の予測部9に対して予測対象時間を指定しているものとする。
通信品質低下予測システム1は、以下に示すステップS1〜S7を、無線中継機器51毎に実行する。
まず、教師データ生成部4が、第1の学習モデルを生成するために用いられる教師データを生成する(ステップS1)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、教師データ生成部4は、図6に例示する教師データを生成する。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、教師データ生成部4は、図7に例示する教師データを生成する。
次に、教師データ生成部4が、第2の学習モデルを生成するために用いられる教師データを生成する(ステップS2)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、教師データ生成部4は、図8に例示する教師データを生成する。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、教師データ生成部4は、図9に例示する教師データを生成する。
次に、第1のモデル生成部5が、ステップS1で生成された教師データを用いて、機械学習によって、例えば、式(1)の形式で表される第1の学習モデルを生成する(ステップS3)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、式(1)のyは、通信区間Kでのパケットロスの量の予測値を表す。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、式(1)のyは、通信区間Kでパケットロスが発生する可能性を表す。第1のモデル生成部5は、生成した第1の学習モデルをモデル記憶部7に記憶させる。
次に、第2のモデル生成部6が、ステップS2で生成された教師データを用いて、機械学習によって、例えば、式(2)の形式で表される第2の学習モデルを生成する(ステップS4)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、式(2)のYは、通信区間Kの区間外でのパケットロスの量の予測値を表す。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、式(2)のYは、通信区間Kの区間外でパケットロスが発生する可能性を表す。第2のモデル生成部6は、生成した第2の学習モデルをモデル記憶部7に記憶させる。
次に、第1の予測部8は、予測対象時間から所定期間前における、式(1)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み出し、その属性の値を、その説明変数に代入し、式(1)の計算を行う(ステップS5)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、この計算結果は、通信区間Kでのパケットロスの量の予測値である。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、第1の予測部8は、yの計算結果が0.5以上であれば、そのyの値を1に置き換え、yの計算結果が0.5未満であれば、そのyの値を0に置き換える。置き換え後の「1」は、通信区間Kでパケットロスが発生するという予測結果を表わし、置き換え後の「0」は、通信区間Kでパケットロスが発生しないという予測結果を表わす。
次に、第2の予測部9は、予測対象時間から所定期間前における、式(2)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み出し、その属性の値を、その説明変数に代入し、式(2)の計算を行う(ステップS6)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、この計算結果は、通信区間Kの区間外でのパケットロスの量の予測値である。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、第2の予測部9は、Yの計算結果が0.5以上であれば、そのYの値を1に置き換え、Yの計算結果が0.5未満であれば、Yの値を0に置き換える。置き換え後の「1」は、通信区間Kの区間外でパケットロスが発生するという予測結果を表わし、置き換え後の「0」は、通信区間Kの区間外でパケットロスが発生しないという予測結果を表わす。
次に、統合部10は、ステップS5の結果と、ステップS6の結果とを統合する(ステップS7)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、統合部10は、ステップS5で計算された通信区間Kでのパケットロスの量の予測値と、ステップS6で計算された通信区間Kの区間外でのパケットロスの量の予測値との合計を求める。また、通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、統合部10は、ステップS5の結果(1または0)と、ステップS6の結果(1または0)との論理和(OR)を計算する。論理和によって「1」が得られた場合、着目している無線中継機器51でパケットロスが発生すると予測されることを意味し、論理和によって「0」が得られた場合、着目している無線中継機器51でパケットロスが発生しないと予測されることを意味する。
本実施形態によれば、第1のモデル生成部5は、通信区間Kでのパケットロスの原因に関連する属性(第1の属性)の値を含む教師データに基づいて、通信区間Kでのパケットロスに関する予測を行うための第1の学習モデルを生成する。従って、第1の学習モデルによって、通信区間Kでのパケットロスに関する予測を高い精度で行うことができる。また、第2のモデル生成部6は、通信区間Kの区間外でのパケットロスの原因に関連する属性(第2の属性)の値を含む教師データに基づいて、通信区間Kの区間外でのパケットロスに関する予測を行うための第2の学習モデルを生成する。従って、第2の学習モデルによって、通信区間Kの区間外でのパケットロスに関する予測を高い精度で行うことができる。従って、通信区間Kでのパケットロスに関する予測結果と、通信区間Kの区間外でのパケットロスに関する予測結果を統合することによって得られる、1つの無線中継機器51におけるパケットロスに関する予測結果も、高い精度で得られる。
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。教師データ生成部4は、第1の学習モデルを生成するために用いられる教師データにおいて、「所定期間経過後のパケットロスの量(図6参照)」や「所定期間経過後のパケットロスの発生の有無(図7参照)」ではなく、「所定期間経過後における通信区間Kのリンクダウン時間」を含む教師データを生成してもよい。
そして、第1のモデル生成部5は、「所定期間経過後における通信区間Kのリンクダウン時間」を目的変数yとする学習モデル(式(1))を生成してもよい。
この場合、第1の予測部8が、予測対象時間から所定期間前における、式(1)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み出し、その属性の値を、その説明変数に代入し、式(1)の計算を行えばよい。この計算の結果、予測対象時間における通信区間Kのリンクダウン時間の予測値が得られる。リンクダウン時間の予測値が0であれば、パケットロスが発生しないことを意味する。また、リンクダウン時間の予測値が0より大きければパケットロスが発生することを意味する。
また、リンクダウン時間の予測値からパケットロスの量の予測値を算出することができる。第1の予測部8が、パケットロスの量の予測値を算出する場合、第1の予測部8は、リンクダウン時間の予測値に、通信区間Kにおける理論最大帯域を乗算すればよい。この乗算結果は、通信区間Kでのパケットロス量とみなすことができる。この点は、後述の第2の実施形態においても同様である。
実施形態2.
本発明の第2の実施形態では、第1の学習モデルおよび第2の学習モデルの説明変数に、予測対象時間における無線中継機器51のトラフィック量に対応する説明変数が含まれる。第1の実施形態の通信品質低下予測システムは、第1の学習モデルおよび第2の学習モデルで予測を行う前に、予測対象時間における無線中継機器51のトラフィック量の予測を行い、トラフィック量の予測値を、第1の学習モデルおよび第2の学習モデルに含まれる説明変数に代入する。
図13は、本発明の第2の実施形態の通信品質低下予測システムの例を示すブロック図である。第1の実施形態における構成要素と同様の構成要素については、図2と同一の符号を付し、適宜、説明を省略する。第2の実施形態の通信品質低下予測システム1は、第1の実施形態の通信品質低下予測システム1が備える要素に加えて、さらに、第3のモデル生成部21と、第3の予測部22とを備える。
第2の実施形態では、教師データ生成部4は、第1の学習モデル生成のための教師データに、第1の属性の値の他に、第1の属性の値が得られた単位時間から所定期間経過後の単位時間に無線中継機器51を通過するトラフィック量も属性の値として含めて、教師データを生成する。このようにして得られた教師データの例を、図14および図15に示す。図14は、図6に示す教師データに、第1の属性の値が得られた単位時間から所定期間経過後の単位時間における無線中継機器51aを通過するトラフィック量を属性として追加した教師データを模式的に示す。図15は、図14における「所定期間経過後のパケットロスの量」の代わりに、「所定期間経過後のパケットロスの発生の有無」を含めた場合の教師データを模式的に示す。
同様に、第2の実施形態では、教師データ生成部4は、第2の学習モデル生成のための教師データに、第2の属性の値の他に、第2の属性の値が得られた単位時間から所定期間経過後の単位時間に無線中継機器51を通過するトラフィック量も属性の値として含めて、教師データを生成する。このようにして得られた教師データの例を、図16および図17に示す。図16は、図8に示す教師データに、第2の属性の値が得られた単位時間から所定期間経過後の単位時間における無線中継機器51aを通過するトラフィック量を属性として追加した教師データを模式的に示す。図17は、図16における「所定期間経過後のパケットロスの量」の代わりに、「所定期間経過後のパケットロスの発生の有無」を含めた場合の教師データを模式的に示す。
また、第2の実施形態では、第3のモデル生成部21が、所定期間経過後のトラフィック量を予測するための学習モデルも生成する。この学習モデルを、第3の学習モデルと記す。第3の学習モデルは、トラフィック量予測用学習モデルと称することもできる。また、第3のモデル生成部21は、トラフィック量予測用学習モデル生成部と称することもできる。
教師データ生成部4は、第3の学習モデルを生成するために用いられる教師データも生成する。教師データ生成部4は、この教師データには、教師データに含まれる時刻が示す単位時間から所定期間経過後の単位時間のトラフィック量を含める。教師データ生成部4は、この教師データに、属性の値として、第1の属性の値および第2の属性の値の両方を含めてもよい。図18は、第3の学習モデルを生成するために用いられる教師データの例を示す模式図である。
なお、第1の学習モデル生成のための教師データにおける「所定期間」と、第2の学習モデル生成のための教師データにおける「所定期間」と、第3の学習モデルにおける「所定期間」は、同一の期間である。
教師データ生成部4は、無線中継機器51毎に、第1の学習モデル生成のための教師データ、第2の学習モデル生成のための教師データ、および、第3の学習モデル(トラフィック量予測用学習モデル)生成のための教師データを生成する。
第1のモデル生成部5は、第1の学習モデル生成のための教師データ(図14または図15を参照)を用いて、第1の学習モデルを生成する。第1の学習モデルは、式(1)の形式で表すことができる。ただし、第2の実施形態では、第1の学習モデルは、属性「所定期間後のトラフィック量」に対応する説明変数を含んでいる。第1のモデル生成部5は、無線中継機器51毎に第1の学習モデルを生成する。
第2のモデル生成部6は、第2の学習モデル生成のための教師データ(図16または図17を参照)を用いて、第2の学習モデルを生成する。第2の学習モデルは、式(2)の形式で表すことができる。ただし、第2の実施形態では、第2の学習モデルは、属性「所定期間後のトラフィック量」に対応する説明変数を含んでいる。第2のモデル生成部6は、無線中継機器51毎に第2の学習モデルを生成する。
第3のモデル生成部21は、第3の学習モデル生成のための教師データ(図18参照)を用いて、第3の学習モデルを生成する。第3の学習モデルは、回帰式であり、例えば、以下に示す式(3)のように表すことができる。
y’=a’x’+a’x’+・・・+a’x’+b’ (3)
’〜 x’は、教師データに含まれる種々の属性に対応する説明変数であり、a’〜 a’は、個々の説明変数の係数である。b’は、定数項である。
y’は目的変数であり、予測される所定期間経過後のトラフィック量を表す。
第3のモデル生成部21は、無線中継機器51毎に第3の学習モデルを生成し、生成した第3の学習モデルをそれぞれ、モデル記憶部7に記憶させる。
第3のモデル生成部21は、トラフィック量予測部と称することもできる。
第2の実施形態では、第1の学習モデルおよび第2の学習モデルは、属性「所定期間後のトラフィック量」に対応する説明変数を含んでいる。すなわち、第2の実施形態では、第1の学習モデルおよび第2の学習モデルで、予測対象時間のパケットロスに関する予測を行う場合、その予測対象時間におけるトラフィック量の値が必要になる。しかし、予測対象時間は将来であるので、予測対象時間におけるトラフィック量の値は、データ記憶部3に記憶されていない。そこで、本実施形態では、第3の予測部22が、第3の学習モデルを用いて、予測対象時間におけるトラフィック量の予測値を計算する。第3の予測部22は、無線中継機器51毎に、予測対象時間におけるトラフィック量の予測値を計算する。
その後、第1の予測部8は、第1の属性の値の他に、第3の予測部22によって計算された予測対象時間におけるトラフィック量も第1の学習モデル内の説明変数に代入し、予測対象時間におけるパケットロスに関する予測を行う。
同様に、第2の予測部9は、第2の属性の値の他に、第3の予測部22によって計算された予測対象時間におけるトラフィック量も第2の学習モデル内の説明変数に代入し、予測対象時間におけるパケットロスに関する予測を行う。
その他の点は、第1の実施形態と同様である。
第3のモデル生成部21および第3の予測部22は、例えば、通信品質低下予測プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。
図19および図20は、第2の実施形態の通信品質低下予測システム1の処理経過の例を示すフローチャートである。また、データ記憶部3には、各種データが既に記憶されているものとして説明する。また、管理者が、予め、第1の予測部8、第2の予測部9および第3の予測部22に対して予測対象時間を指定しているものとする。
通信品質低下予測システム1は、以下に示すステップS11〜S20を、無線中継機器51毎に実行する。
まず、教師データ生成部4が、第1の学習モデルを生成するために用いられる教師データとして、第1の属性の値が得られた単位時間から所定期間経過後の単位時間におけるトラフィック量を属性として含む教師データを生成する(ステップS11)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、教師データ生成部4は、図14に例示する教師データを生成する。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、教師データ生成部4は、図15に例示する教師データを生成する。
次に、教師データ生成部4が、第2の学習モデルを生成するために用いられる教師データとして、第2の属性の値が得られた単位時間から所定期間経過後の単位時間におけるトラフィック量を属性として含む教師データを生成する(ステップS12)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、教師データ生成部4は、図16に例示する教師データを生成する。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、教師データ生成部4は、図17に例示する教師データを生成する。
次に、教師データ生成部4が、第3の学習モデルを生成するために用いられる教師データを生成する(ステップS13)。例えば、教師データ生成部4は、図18に例示する教師データを生成する。
次に、第1のモデル生成部5が、ステップS11で生成された教師データを用いて、機械学習によって、例えば、式(1)の形式で表される第1の学習モデルを生成する(ステップS14)。このとき、第1のモデル生成部5は、「所定期間後のトラフィック量」に対応する説明変数を含んでいる第1の学習モデルを生成する。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、式(1)のyは、通信区間Kでのパケットロスの量の予測値を表す。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、式(1)のyは、通信区間Kでパケットロスが発生する可能性を表す。第1のモデル生成部5は、生成した第1の学習モデルをモデル記憶部7に記憶させる。
次に、第2のモデル生成部6が、ステップS12で生成された教師データを用いて、機械学習によって、例えば、式(2)の形式で表される第2の学習モデルを生成する(ステップS15)。このとき、第2のモデル生成部6は、「所定期間後のトラフィック量」に対応する説明変数を含んでいる第2の学習モデルを生成する。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、式(2)のYは、通信区間Kの区間外でのパケットロスの量の予測値を表す。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、式(2)のYは、通信区間Kの区間外でパケットロスが発生する可能性を表す。第2のモデル生成部6は、生成した第2の学習モデルをモデル記憶部7に記憶させる。
次に、第3のモデル生成部21が、ステップS13で生成された教師データを用いて、機械学習によって、例えば、式(3)の形式で表される第3の学習モデルを生成する(S16)。第3のモデル生成部21は、生成した第3の学習モデルをモデル記憶部7に記憶させる。
次に、第3の予測部22は、予測対象時間から所定期間前における、式(3)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み出し、その属性の値を、その説明変数に代入し、式(3)の計算を行う(ステップS17)。この計算結果は、予測対象時間におけるトラフィック量の予測値である。
次に、第1の予測部8は、予測対象時間から所定期間前における、式(1)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み出し、その属性の値を、その説明変数に代入し、また、予測対象時間におけるトラフィック量の予測値を、そのトラフィック量に対応する説明変数に代入する。そして、第1の予測部8は、式(1)の計算を行う(ステップS18)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、この計算結果は、通信区間Kでのパケットロスの量の予測値である。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、第1の予測部8は、yの計算結果が0.5以上であれば、そのyの値を1に置き換え、yの計算結果が0.5未満であれば、そのyの値を0に置き換える。置き換え後の「1」は、通信区間Kでパケットロスが発生するという予測結果を表わし、置き換え後の「0」は、通信区間Kでパケットロスが発生しないという予測結果を表わす。
次に、第2の予測部9は、予測対象時間から所定期間前における、式(2)の説明変数に対応する属性の値をデータ記憶部3から読み出し、その属性の値を、その説明変数に代入し、また、予測対象時間におけるトラフィック量の予測値を、そのトラフィック量に対応する説明変数に代入する。そして、第2の予測部9は、式(2)の計算を行う(ステップS19)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、この計算結果は、通信区間Kの区間外でのパケットロスの量の予測値である。通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、第2の予測部9は、Yの計算結果が0.5以上であれば、そのYの値を1に置き換え、Yの計算結果が0.5未満であれば、Yの値を0に置き換える。置き換え後の「1」は、通信区間Kの区間外でパケットロスが発生するという予測結果を表わし、置き換え後の「0」は、通信区間Kの区間外でパケットロスが発生しないという予測結果を表わす。
ステップS18,S19で用いられる予測対象時間におけるトラフィック量の予測値は、ステップS17で得られる値である。
次に、統合部10は、ステップS18の結果と、ステップS19の結果とを統合する(ステップS20)。通信品質低下予測システム1がパケットロスの量を予測する場合、統合部10は、ステップS18で計算された通信区間Kでのパケットロスの量の予測値と、ステップS19で計算された通信区間Kの区間外でのパケットロスの量の予測値との合計を求める。また、通信品質低下予測システム1がパケットロスの発生の有無を予測する場合、統合部10は、ステップS18の結果(1または0)と、ステップS19の結果(1または0)との論理和(OR)を計算する。論理和によって「1」が得られた場合、着目している無線中継機器51でパケットロスが発生すると予測されることを意味し、論理和によって「0」が得られた場合、着目している無線中継機器51でパケットロスが発生しないと予測されることを意味する。
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第2の実施形態では、予測対象時間におけるトラフィック量の予測値(ステップS17で得られる値)も用いて、パケットロスに関する予測を行う。従って、第2の実施形態では、パケットロスに関する予測を、より高い精度で行うことができる。
既に説明したように、パケットロス以外の指標によって通信品質を表してもよい。
また、上記の各実施形態では、ペアをなす通信機器が、無線中継機器である場合を例にして説明したが、ペアをなす通信機器は無線中継機器以外の通信機器であってもよい。例えば、ペアをなす通信機器が、光通信機器であってもよい。この場合、例えば、エラー率(error ratio )の増加が、通信品質の低下を意味する。また、例えば、ペアをなす通信機器が、基地局とEPC(Evolved Packet Core )であってもよい。この場合、例えば、基地局とEPCとのセッション確立割合の低下が、通信品質の低下を意味する。なお、EPCは、センタに配置されるサーバである。ペアをなす通信機器が基地局とEPCである場合、例えば、スマートフォン等の端末と基地局との間の通信区間が、基地局とEPCとの間の通信区間の区間外に相当する。
図21は、本発明の各実施形態に係るコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。コンピュータ1000は、CPU1001と、主記憶装置1002と、補助記憶装置1003と、インタフェース1004と、通信インタフェース1005とを備える。
本発明の各実施形態の通信品質低下予測システム1は、コンピュータ1000に実装される。通信品質低下予測システム1の動作は、通信品質低下予測プログラムの形式で補助記憶装置1003に記憶されている。CPU1001は、その通信品質低下予測プログラムを補助記憶装置1003から読み出して主記憶装置1002に展開し、その通信品質低下予測プログラムに従って上記の処理を実行する。
補助記憶装置1003は、一時的でない有形の媒体の例である。一時的でない有形の媒体の他の例として、インタフェース1004を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory )、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory )、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ1000に配信される場合、配信を受けたコンピュータ1000がそのプログラムを主記憶装置1002に展開し、上記の処理を実行してもよい。
また、プログラムは、前述の処理の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、プログラムは、補助記憶装置1003に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで前述の処理を実現する差分プログラムであってもよい。
また、各構成要素の一部または全部は、汎用または専用の回路(circuitry )、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部または全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
次に、本発明の概要について説明する。図22は、本発明の通信品質低下予測システムの概要を示すブロック図である。本発明の通信品質低下予測システムは、第1の予測部83と、第2の予測部84と、判定部85とを備える。
第1の予測部83(例えば、第1の予測部8)は、一の通信機器(例えば、無線中継機器51a)と、一の通信機器と通信可能に接続される他の通信機器(例えば、無線中継機器51b)との間の通信区間(例えば、通信区間K)での通信品質の低下の原因に関連する属性である第1の属性に基づいて生成された第1の学習モデルを用いて、通信区間での将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する。
第2の予測部84(例えば、第2の予測部9)は、一の通信機器における通信区間外での通信品質の低下の原因に関連する属性である第2の属性に基づいて生成された第2の学習モデルを用いて、一の通信機器における通信区間外での将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する。
判定部85(例えば、統合部10)は、第1の予測部の予測結果と、第2の予測部の予測結果とに基づいて、一の通信機器における将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を判定する。
そのような構成によって、将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を高い精度で予測することができる。
第1の属性の値と、通信区間での通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測するための第1の学習モデルを生成する第1の学習モデル生成部(例えば、第1のモデル生成部5)と、第2の属性の値と、一の通信機器における通信区間外での通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測するための第2の学習モデルを生成する第2の学習モデル生成部(例えば、第2のモデル生成部6)とを備える構成であってもよい。
また、第1の学習モデル生成部が、第1の属性の値と、通信区間での通信品質の低下量とを教師データとして、将来の通信品質の低下量を予測するための第1の学習モデルを生成し、第2の学習モデル生成部が、第2の属性の値と、一の通信機器における通信区間外での通信品質の低下量とを教師データとして、将来の通信品質の低下量を予測するための第2の学習モデルを生成し、第1の予測部83が、通信区間での将来の通信品質の低下量を予測し、第2の予測部84が、一の通信機器における通信区間外での通信品質の低下量を予測し、判定部85が、第1の予測部によって予測された通信品質の低下量と、第2の予測部によって予測された通信品質の低下量との合計を、一の通信機器における将来の通信品質の低下量として求める構成であってもよい。
また、第1の学習モデル生成部が、第1の属性の値と、通信区間での通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の通信品質の低下の発生の有無を予測するための第1の学習モデルを生成し、第2の学習モデル生成部が、第2の属性の値と、一の通信機器における通信区間外での通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の通信品質の低下の発生の有無を予測するための第2の学習モデルを生成し、
第1の予測部83が、通信区間での将来の通信品質の低下の発生の有無を予測し、
第2の予測部84が、一の通信機器における通信区間外での通信品質の低下の有無を予測し、判定部85が、第1の予測部および第2の予測部のいずれか一方または両方が、通信品質の低下が生じると予測した場合に、一の通信機器において通信品質の低下が生じると判定し、第1の予測部および第2の予測部の両方が、通信品質の低下が生じないと判定した場合に、一の通信機器において通信品質の低下が生じないと判定する構成であってもよい。
また、一の通信機器の将来のトラフィック量を予測するためのトラフィック量予測用学習モデル(例えば、第3の学習モデル)を生成するトラフィック量予測用学習モデル生成部(例えば、第3のモデル生成部21)と、トラフィック量予測用学習モデルを用いて、一の通信機器の将来のトラフィック量を予測するトラフィック量予測部(例えば、第3の予測部22)とを備え、第1の学習モデル生成部が、一の通信機器のトラフィック量の値を含む教師データを用いて、第1の学習モデルを生成し、第2の学習モデル生成部が、一の通信機器のトラフィック量の値を含む教師データを用いて、第2の学習モデルを生成し、第1の予測部83が、トラフィック量予測部が予測した将来のトラフィック量と、第1の学習モデルとを用いて予測を実行し、第2の予測部84が、トラフィック量予測部が予測した将来のトラフィック量と、第2の学習モデルとを用いて予測を実行する構成であってもよい。
第1の属性が、天気の情報、一の通信機器のアンテナの向き、アンテナの大きさ、アンテナの種類、周波数、電波状況のうち、少なくとも、1つ以上の属性を含み、第2の属性が、イベントの有無、キャンペーンの有無、一の通信機器が存在する地区の人口動態のうち、少なくとも、1つ以上の属性を含んでいてもよい。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
産業上の利用の可能性
本発明は、将来の通信品質の低下量または通信品質の低下の発生の有無を予測する通信品質低下予測システムに好適に適用可能である。
1 通信品質低下予測システム
2 データ受信部
3 データ記憶部
4 教師データ生成部
5 第1のモデル生成部
6 第2のモデル生成部
7 モデル記憶部
8 第1の予測部
9 第2の予測部
10 統合部
21 第3のモデル生成部
22 第3の予測部

Claims (10)

  1. 一の通信機器と、前記一の通信機器と通信可能に接続される他の通信機器との間の通信区間での通信品質の低下の原因に関連する属性である第1の属性に基づいて生成された第1の学習モデルを用いて、前記通信区間での将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測する第1の予測部と、
    前記一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下の原因に関連する属性である第2の属性に基づいて生成された第2の学習モデルを用いて、前記一の通信機器における前記通信区間外での将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測する第2の予測部と、
    前記第1の予測部の予測結果と、前記第2の予測部の予測結果とに基づいて、前記一の通信機器における将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を判定する判定部とを備える
    ことを特徴とする通信品質低下予測システム。
  2. 第1の属性の値と、通信区間での通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測するための第1の学習モデルを生成する第1の学習モデル生成部と、
    第2の属性の値と、一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測するための第2の学習モデルを生成する第2の学習モデル生成部とを備える
    請求項1に記載の通信品質低下予測システム。
  3. 第1の学習モデル生成部は、
    第1の属性の値と、通信区間での通信品質の低下量とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下量を予測するための第1の学習モデルを生成し、
    第2の学習モデル生成部は、
    第2の属性の値と、一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下量とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下量を予測するための第2の学習モデルを生成し、
    第1の予測部は、
    前記通信区間での将来の前記通信品質の低下量を予測し、
    第2の予測部は、
    前記一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下量を予測し、
    判定部は、
    前記第1の予測部によって予測された前記通信品質の低下量と、前記第2の予測部によって予測された前記通信品質の低下量との合計を、前記一の通信機器における将来の前記通信品質の低下量として求める
    請求項2に記載の通信品質低下予測システム。
  4. 第1の学習モデル生成部は、
    第1の属性の値と、通信区間での通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下の発生の有無を予測するための第1の学習モデルを生成し、
    第2の学習モデル生成部は、
    第2の属性の値と、一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下の発生の有無を予測するための第2の学習モデルを生成し、
    第1の予測部は、
    前記通信区間での将来の前記通信品質の低下の発生の有無を予測し、
    第2の予測部は、
    前記一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下の有無を予測し、
    判定部は、
    前記第1の予測部および前記第2の予測部のいずれか一方または両方が、前記通信品質の低下が生じると予測した場合に、前記一の通信機器において前記通信品質の低下が生じると判定し、
    前記第1の予測部および前記第2の予測部の両方が、前記通信品質の低下が生じないと判定した場合に、前記一の通信機器において前記通信品質の低下が生じないと判定する
    請求項2に記載の通信品質低下予測システム。
  5. 一の通信機器の将来のトラフィック量を予測するためのトラフィック量予測用学習モデルを生成するトラフィック量予測用学習モデル生成部と、
    前記トラフィック量予測用学習モデルを用いて、前記一の通信機器の将来のトラフィック量を予測するトラフィック量予測部とを備え、
    第1の学習モデル生成部は、
    前記一の通信機器のトラフィック量の値を含む教師データを用いて、第1の学習モデルを生成し、
    第2の学習モデル生成部は、
    前記一の通信機器のトラフィック量の値を含む教師データを用いて、第2の学習モデルを生成し、
    第1の予測部は、
    前記トラフィック量予測部が予測した将来のトラフィック量と、前記第1の学習モデルとを用いて予測を実行し、
    第2の予測部は、
    前記トラフィック量予測部が予測した将来のトラフィック量と、前記第2の学習モデルとを用いて予測を実行する
    請求項2から請求項4のうちのいずれか1項に記載の通信品質低下予測システム。
  6. 第1の属性は、天気の情報、一の通信機器のアンテナの向き、前記アンテナの大きさ、前記アンテナの種類、周波数、電波状況のうち、少なくとも、1つ以上の属性を含み、
    第2の属性は、イベントの有無、キャンペーンの有無、前記一の通信機器が存在する地区の人口動態のうち、少なくとも、1つ以上の属性を含む
    請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の通信品質低下予測システム。
  7. 一の通信機器と、前記一の通信機器と通信可能に接続される他の通信機器との間の通信区間での通信品質の低下の原因に関連する属性である第1の属性に基づいて生成された第1の学習モデルを用いて、前記通信区間での将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測する第1の予測処理を実行し、
    前記一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下の原因に関連する属性である第2の属性に基づいて生成された第2の学習モデルを用いて、前記一の通信機器における前記通信区間外での将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測する第2の予測処理を実行し、
    前記第1の予測処理の予測結果と、前記第2の予測処理の予測結果とに基づいて、前記一の通信機器における将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を判定する
    ことを特徴とする通信品質低下予測方法。
  8. 第1の属性の値と、通信区間での通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測するための第1の学習モデルを生成し、
    第2の属性の値と、一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測するための第2の学習モデルを生成する 請求項7に記載の通信品質低下予測方法。
  9. コンピュータに、
    一の通信機器と、前記一の通信機器と通信可能に接続される他の通信機器との間の通信区間での通信品質の低下の原因に関連する属性である第1の属性に基づいて生成された第1の学習モデルを用いて、前記通信区間での将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測する第1の予測処理、
    前記一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下の原因に関連する属性である第2の属性に基づいて生成された第2の学習モデルを用いて、前記一の通信機器における前記通信区間外での将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測する第2の予測処理、および、
    前記第1の予測処理の予測結果と、前記第2の予測処理の予測結果とに基づいて、前記一の通信機器における将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を判定する判定処理
    を実行させるための通信品質低下予測プログラム。
  10. コンピュータに、
    第1の属性の値と、通信区間での通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測するための第1の学習モデルを生成する第1の学習モデル生成処理、および、
    第2の属性の値と、一の通信機器における前記通信区間外での前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無とを教師データとして、将来の前記通信品質の低下量または前記通信品質の低下の発生の有無を予測するための第2の学習モデルを生成する第2の学習モデル生成処理
    を実行させる請求項9に記載の通信品質低下予測プログラム。
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