JP6878211B2 - 連続燃焼式ラジアントチューブバーナ - Google Patents

連続燃焼式ラジアントチューブバーナ Download PDF

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Description

本発明は、加熱炉、熱処理炉等の加熱手段として用いられる連続燃焼式ラジアントチューブバーナに関する。
加熱炉、熱処理等の加熱手段として、従来から様々なラジアントチューブが使用されている。そして、近年においては、環境保護の点から、ラジアントチューブにより燃料ガスを燃焼させた場合において、燃焼後の燃焼排ガス中に含有されるNOxの量を少なくする方法が検討されている。
従来、低NOx化を実現したラジアントチューブバーナとして、例えば、特許文献1に示すものが知られている。
特許文献1に示すラジアントチューブは、交互燃焼式蓄熱型ラジアントチューブバーナであり、バーナユニットと主燃焼室との間に配置された円形プレートと、円形プレートと蓄熱体との間に形成され且つ蓄熱体を通過した二次燃焼空気が流入する環状エアスロート部と、円形プレートの外縁部から蓄熱体の外縁部に延びる円筒形外周カバーと、円形プレートを一体的に貫通して円形プレートの前方に突出し且つ主燃焼室に開口する伝熱管とを有し、燃料噴射口及び一次燃焼空気吐出口が伝熱管内に開口し、伝熱管の管内領域が一次燃焼空気及び燃料を混合する一次燃焼室を構成し、主燃焼室に開口した環状の空気希釈室が伝熱管先端部の外周に形成され、円形プレートがエアスロート部及び空気希釈室を相互連通する開口部を有するようになっている。
この特許文献1に示す交互燃焼式蓄熱型ラジアントチューブバーナによれば、ラジアントチューブバーナ装置の設置条件又は熱変形の影響を受けずに、燃焼排ガスのNOx濃度の増加を防止することができる。
また、従来、低NOx化を実現したラジアントチューブバーナとして、例えば、特許文献2に示すものも知られている。
特許文献2に示すラジアントチューブバーナは、連続燃焼式のラジアントチューブバーナであり、燃焼用空気を案内するラジアントチューブの内部に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管が設けられ、燃料ガス供給管の先端に燃料ガスを直進方向に噴出させる直進噴出口が設けられると共に、燃料ガス供給管の先端側に直進噴出口から噴出された燃料ガスと燃焼用空気とを混合させて燃焼させる燃焼筒が設けられている。そして、このラジアントチューブバーナにおいて、直進噴出口より後方における燃料ガス供給管の先端部に燃料ガスを放射方向に噴出させる放射噴出口が設けられ、放射噴出口の後方近傍における燃料ガス供給管の外周に抑止板が設けられると共に、抑止板よりも後方の位置における燃料ガス供給管に、燃料ガスを放射方向に噴出させる一次噴出口が設けられている。
この特許文献2に示すラジアントチューブバーナによれば、一次噴出口から噴出された燃料ガスと、放射噴出口から噴出された燃料ガスと、直進噴出口から噴出された燃料ガスとを3段階で燃焼させるようにしたため、従来のラジアントチューブバーナに比べて、火炎温度が高くなるのが一層抑制され、燃焼排ガス中におけるNOxの量をさらに低減させることができる。
特許第4122410号公報 特許第5235081号公報
しかしながら、これら特許文献1及び2に示すラジアントチューブバーナにあっては、以下の問題点があった。
即ち、特許文献1に示すラジアントチューブバーナの場合、交互燃焼式蓄熱型ラジアントチューブバーナであり、従来からある既存の加熱炉に設置されている連続燃焼式ラジアントチューブバーナの更新時にそのまま適用しても、低NOx化の効果は得られない。なぜなら、従来からある連続燃焼式ラジアントチューブバーナでは、メインバーナの燃焼負荷に対して中心部で燃焼させるパイロットバーナの燃焼負荷が約3〜7%であり、それに伴うパイロット燃焼用エアとして供給されるブロワ容量(流量)も、メイン燃焼用エアの流量の3〜7%であり、特許文献1に示すラジアントチューブバーナの構造をそのまま適用しても、特許文献1に記載した低NOx化の効果は得られない。つまり、特許文献1に示す交互燃焼式蓄熱型ラジアントチューブバーナにおいては、一次空気供給管内に、燃料を供給する燃料送給管が配置されるとともにパイロット燃料を供給するパイロット燃料管が燃料送給管と平行に配置され、パイロット燃焼用エアは一次燃焼用空気となっている。このため、パイロット燃焼用エアの流量がメイン燃焼用エアの流量に対して多すぎるからである(特許文献1における一次空気供給管の一次燃焼用空気の流量に対し、従来からある連続燃焼式ラジアントチューブのパイロット燃焼用エアの流量は、1/2〜1/5程度と少ない)。従って、特許文献1に示すラジアントチューブバーナの構造を適用し、低NOx効果を得ようとする場合には、パイロット燃焼用エアを供給するための構造(エアブロワ及び供給管系統)を全面的に更新する必要が生じ、非常に高額の更新費用がかかるという問題があった。
また、特許文献2に示すラジアントチューブバーナの場合、燃焼用空気を高温(400℃以上)に予熱する場合の問題の対策に欠けており、燃焼用空気を高温に予熱して省エネルギー化を達成することができない。つまり、特許文献2に示すラジアントチューブバーナの場合、ラジアントチューブの内部に燃料ガス供給管が一重構造で配置されており、燃料ガス供給管に直接燃焼用空気が接触するようになっている。このため、燃焼用空気が400℃以上の高温に予熱されると、燃料ガス供給管内の燃料ガスも200℃以上の高温になってしまうため、特許文献2に示すラジアントチューブバーナでは、燃焼用空気を400℃以上の高温に予熱することができない。具体的には、燃料ガスはメタン等の炭化水素を含有しており、一般的にその燃料ガスが200℃以上になると部分的に熱分解され、残留物を生じてしまうため、燃料ガスを200℃以上に加熱することは厳禁とされている。
従って、本発明はこれら従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃焼用空気を400℃以上の高温に予熱したとしても燃料ガスの熱分解を防止できるとともに、既存の連続燃焼式ラジアントチューブを低コストで低NOxバーナに更新することができる連続燃焼式ラジアントチューブバーナを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る連続燃焼式ラジアントチューブバーナは、2次燃焼室を形成するラジアントチューブと、該ラジアントチューブの一端に配置され、燃料ガス、燃焼用空気、パイロット燃料ガス及びパイロット燃焼用空気を供給するバーナユニットとを備えた連続燃焼式ラジアントチューブバーナであって、記ラジアントチューブの中に配置された円形プレートと、該円形プレートの外縁部からバーナユニット側に延び、前記燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給路を形成する円筒形外周カバーと、前記円形プレートから前記バーナユニット側と反対側に突出し且つ1次燃焼室を形成する燃焼筒と、前記円形プレートを貫通して前記燃焼筒の内部に開口し、前記パイロット燃焼用空気を供給するパイロット燃焼用空気供給路を形成するパイロット燃焼用空気供給管と、前記円形プレートの前記燃焼筒と前記パイロット燃焼用空気供給管との間の部分に前記円形プレートを貫通するように形成された1次燃焼用空気吐出口と、前記円形プレートの前記燃焼筒の半径方向外側に前記円形プレートを貫通するように形成された2次燃焼用空気吐出口とを備え、前記パイロット燃焼用空気供給管の内部に燃料ガス供給管を配置して該燃料ガス供給管を前記パイロット燃焼用空気供給管で覆い、前記パイロット燃焼用空気供給管内のパイロット燃焼用空気供給路に全空気流量の3〜7%のパイロット燃焼用空気を供給して前記燃料ガス供給管内を流れる燃料ガスの200℃以上への高温化を抑止するとともに、前記円形プレートにおいて、前記2次燃焼用空気吐出口の周方向範囲θを180°≦θ≦220°とし且つ前記2次燃焼用空気吐出口の中心直径PCDを前記ラジアントチューブの内径Dに対し、D/PCD<1.4とし、前記2次燃焼用空気吐出口を通過する2次燃焼用空気流の流速Vを、バーナの最大燃焼負荷時においてV≦20m/secとし、 前記燃焼筒の長さLをL≧100mmとするとともに、全体の空気流量に対する前記燃焼筒の内部への燃焼空気流量比rを、バーナの最大燃焼負荷時において17%<r<25%に設定することを要旨とする。
本発明に係る連続燃焼式ラジアントチューブバーナによれば、燃焼用空気を400℃以上の高温に予熱したとしても燃料ガスの熱分解を防止できるとともに、既存の連続燃焼式ラジアントチューブを低コストで低NOxバーナに更新することができる連続燃焼式ラジアントチューブバーナを提供できる。
本発明の一実施形態に係る連続燃焼式ラジアントチューブバーナの概略構成図である。 図1に示す連続燃焼式ラジアントチューブバーナのバーナユニット近傍を示す断面図である。 図2における一次燃焼室及び2次燃焼室近傍の拡大図である。 図3における4−4線に沿う断面図である。 NOx濃度及び周方向偏熱量と2次燃焼用空気吐出口の周方向範囲との関係を示すグラフである。 NOx濃度と2次燃焼用空気吐出口のPCD比との関係を示すグラフである。 NOx濃度と2次燃焼用空気の流速との関係を示し、(A)は2次燃焼用空気の流速をどのようにすればNOx濃度を最小にできるかの考え方を示すグラフ、(B)はバーナの最大燃焼負荷時におけるNOx濃度と2次燃焼用空気の流速との関係を示すグラフである。 全体の空気流量に対する燃焼筒の内部への燃焼空気流量比(筒内燃焼空気流量比)rを説明するための図である。 NOx濃度と筒内燃焼空気流量比rとの関係を示し、(A)は筒内燃焼空気流量比rをどのようにすればNOx濃度を最小にできるかの考え方を示すグラフ、(B)はバーナの最大燃焼負荷時におけるNOx濃度と筒内燃焼空気流量比rとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(装置構成)
図1には、本発明の一実施形態に係る連続燃焼式ラジアントチューブバーナが示されており、連続燃焼式ラジアントチューブバーナ(以下、単にバーナという)1は、2次燃焼室12(図2及び図3参照)を形成するラジアントチューブ10と、ラジアントチューブ10の一端に配置されたバーナユニット20とを備えている。
ラジアントチューブ10の他端には、熱交換器50が配置されている。この熱交換器50には、燃焼用空気入口51に接続された燃焼用空気流路52と、排ガス出口54に接続された排ガス流路53とが設けられている。燃焼用空気流路52は、バーナユニット20の後述する燃焼用空気供給口25aに接続され、燃焼用空気入口51から取り入れられた燃焼用空気が燃焼用空気流路52を通って燃焼用空気供給口25aからバーナユニット20内に導入される。また、排ガス流路53は、ラジアントチューブ10の他端に接続されラジアントチューブ10の他端側から排出される排ガスが、排ガス流路53を通って排ガス出口54から排出される。そして、燃焼用空気流路52と排ガス流路53とは接触しており、燃焼用空気流路52内の燃焼用空気と排ガス流路53内の排ガスとが熱交換を行って、燃焼用空気が600℃程度にまで加熱されるようになっている。このため、バーナユニット20内には、600℃程度に加熱された燃焼用空気が導入される。
そして、バーナユニット20は、燃料ガス、燃焼用空気、パイロット燃料ガス及びパイロット燃焼用空気を供給するものであり、図2に示すように、バーナガン21とエアケース25とを備えている。バーナガン21及びエアケース25は、図2に示すように、炉壁Wに対して外部に露出している。そして、バーナガン21の燃料ガス入口22aには燃料ガス供給配管22が接続され、燃料ガスが燃料ガス供給配管22から燃料ガス入口22aを介してバーナユニット20内に導入される。また、バーナガン21のパイロット燃料ガス入口23aにはパイロット燃料ガス供給配管23が接続され、パイロット燃料ガスがパイロット燃料ガス供給配管23からパイロット燃料ガス入口23aを介してバーナユニット20内に導入される。更に、バーナガン21のパイロット燃焼用空気入口24aにはパイロット燃焼用空気供給配管24が接続され、パイロット燃焼用空気がパイロット燃焼用空気供給配管24からパイロット燃焼用空気入口24aを介してバーナユニット20内に導入される。
また、バーナユニット20のエアケース25には燃焼用空気供給口25aが設けられ、燃焼用空気は、燃焼用空気流路52から燃焼用空気供給口25aを介してバーナユニット20内に導入される。
一方、ラジアントチューブ10の中には、図2及び図3に示すように、円形プレート30が配置されている。円形プレート30は、ラジアントチューブ10の内径D(図4参照)と実質的に同一の外径を有する。
また、バーナ1においては、円形プレート30から前側(バーナユニット20側と反対側)に突出し且つ内部に1次燃焼室11を形成する燃焼筒33が設けられている。この燃焼筒33の円形プレート30からの長さL(図3参照)は、L≧100mmとする。燃焼筒33の長さLが100mmより短いと、2次燃焼比率が増えすぎて、Nox濃度が高くなるため、L≧100mmとした。そして、この燃焼筒33外周には、環状の空気希釈室13が形成される。
また、バーナ1においては、円形プレート30の外縁部から後側(バーナユニット20側)に延び、内部に燃焼用空気供給路32を形成する円筒形外周カバー31が設けられている。円筒形外周カバー31は、円形プレート30と実質的に同一の外径を有し、燃焼用空気供給路32と円形プレート30の前側にある空気希釈室13との間の流体連通を円形プレート30の全周にわたって遮断する。燃焼用空気供給路32は、図2に示すように、円筒形外周カバー31の後端部近傍に形成された複数の開口25bを介して燃焼用空気供給口25aに連通し、燃焼用空気供給口25aからの燃焼用空気が燃焼用空気供給路32内に導入される。燃焼用空気供給路32内に導入される燃焼用空気は、前述したように、600℃程度に加熱されている。
更に、バーナ1においては、円筒形外周カバー31の内部を前後方向に延び、円形プレート30の中央部を貫通して燃焼筒33の内部に開口するパイロット燃焼用空気供給管35が設けられている。このパイロット燃焼用空気供給管35の内部には、パイロット燃焼用空気を供給するパイロット燃焼用空気供給路36が形成されている。パイロット燃焼用空気供給路36は、バーナガン21のパイロット燃焼用空気入口24aに連通し、パイロット燃焼用空気入口24aからのパイロット燃焼用空気がパイロット燃焼用空気供給路36内に導入される。
また、円形プレート30の燃焼筒33とパイロット燃焼用空気供給管35との間の部分には、図2乃至図4に示すように、円形プレート30を貫通するように形成された複数の1次燃焼用空気吐出口41が形成されている。複数の1次燃焼用空気吐出口41は、図4に示すように、円形プレート30の中心を中心として周方向に均等間隔で配置されている。各1次燃焼用空気吐出口41は、略扇形で形成される。燃焼用空気供給路32内に導入される燃焼用空気は、図3に示すように、1次燃焼用空気吐出口41を通過して1次燃焼室11内に吐出する1次燃焼用空気流Aと、後述する2次燃焼用空気吐出口42を通過して空気希釈室13内に吐出する2次燃焼用空気流Bとに分離される。
更に、円形プレート30の燃焼筒33の半径方向外側には、図2乃至図4に示すように、円形プレート30を貫通するように形成された複数(本実施形態にあっては3つ)の2次燃焼用空気吐出口42が形成されている。各2次燃焼用空気吐出口42は、周方向に延びる湾曲した長孔で形成され、等間隔且つ左右対称に円形プレート30に形成される。2次燃焼用空気吐出口42の配置については、後に詳述するが、図4に示すように、円形プレート30の中心を中心に、中心直径がPCDかつその周方向範囲がθで配置される。中心直径PCDの半径は、各2次燃焼用空気吐出口42の開口縁42a,42bの各曲率半径の平均値に相当する。そして、2次燃焼用空気吐出口42の中心直径PCDをラジアントチューブの内径Dに対し、D/PCD<1.4とし、且つ2次燃焼用空気吐出口42の周方向範囲θを180°≦θ≦220°としている。
また、パイロット燃焼用空気供給管35の内部には、図2及び図3に示すように、前後方向に延びる燃料ガス供給管37が配置されている。燃料ガス供給管37の内部には、燃料ガスを供給する燃料ガス供給路38が形成されている。燃料ガス供給路38は、バーナガン21の燃料ガス入口22aに連通し、燃料ガス入口22aからの燃料ガスが燃料ガス供給路38内に導入される。そして、燃料ガス供給管37の前端には、燃料ガス噴射ノズル37aが形成され、燃料ガスは、燃料ガス供給路38から燃料ガス噴射ノズル37aを経て1次燃焼室11内に噴射される。
ここで、パイロット燃焼用空気供給管35内のパイロット燃焼用空気供給路36には、全空気流量(燃焼用空気の流量とパイロット燃焼用空気の流量とを合わせた空気の流量)の3〜7%のパイロット燃焼用空気が供給される。これにより、燃料ガス供給管37の燃料ガス供給路38内を流れる燃料ガスの200℃以上への高温化が抑止される。つまり、燃焼用空気供給路32内に導入される燃焼用空気は、600℃程度の高温に加熱されているため、パイロット燃焼用空気供給管35がなければ、その高温になった燃焼用空気が直接燃料ガス供給管37に触れ、燃料ガス供給管37の燃料ガス供給路38内を流れる燃料ガスが200℃以上の高温になってしまい、燃料ガスの熱分解が起きてしまう。パイロット燃焼用空気供給管35内に燃料ガス供給管37を配置して燃料ガス供給管37をパイロット燃焼用空気供給管で覆い、パイロット燃焼用空気供給管35内のパイロット燃焼用空気供給路36に全空気流量の3〜7%のパイロット燃焼用空気を供給することで、燃料ガス供給管37内を流れる燃料ガスの200℃以上への高温化を抑止することができる。
また、パイロット燃焼用空気供給管35と燃料ガス供給管37の前端近傍とのには、図3及び図4に示すように、パイロット燃焼用空気供給路36と1次燃焼室11とを遮断する前端プレート39が設けられている。この前端プレート39には、パイロット燃焼用空気供給路36と1次燃焼室11とを連通させる複数のパイロット燃焼用空気吐出口39aが形成されている。このため、パイロット燃焼用空気は、パイロット燃焼用空気供給路36から複数のパイロット燃焼用空気吐出口39aを経てパイロット燃焼用空気流Cとして1次燃焼室11内に吐出される。
また、パイロット燃焼用空気供給管35の内部には、図2及び図3に示すように、前後方向に延び、前端が前端プレート39を貫通したパイロット燃料ガス供給管40が配置されている。パイロット燃料ガス供給管40は、バーナガン21のパイロット燃料ガス入口23aに接続され、パイロット燃料ガス入口23aからのパイロット燃料ガスがパイロット燃料ガス供給管40内に導入される。そして、パイロット燃料ガスは、パイロット燃料ガス供給管40から1次燃焼室11内に噴射される。
(バーナの作動)
次に、バーナ1の作動について説明する。
先ず、パイロット燃料ガスをバーナガン21からパイロット燃料ガス供給管40を経て1次燃焼室11内に噴射するとともに、パイロット燃焼用空気をバーナガン21からパイロット燃焼用空気供給路36を経てパイロット燃焼用空気流Cとして1次燃焼室11内に吐出する。これにより、1次燃焼室11内で点火しておく。
次いで、燃料ガスをバーナガン21から燃料ガス供給路38を経て燃料ガス噴射ノズル37aから1次燃焼室11内に噴射するとともに、燃焼用空気を、燃焼用空気供給口25aから燃焼用空気供給路32内に導入する。すると、燃焼用空気供給路32内に導入された燃焼用空気は、1次燃焼用空気吐出口41を通過して1次燃焼室11内に吐出する1次燃焼用空気流Aと、2次燃焼用空気吐出口42を通過して空気希釈室13内に吐出する2次燃焼用空気流Bとに分離される。1次燃焼室11内に流入した燃料ガスは、1次燃焼用空気流Aと混合し、低空気比の燃焼反応により1次燃焼室11内で部分燃焼し、1次燃焼室11内で生成した燃焼ガスにより希釈される。そして、1次燃焼用空気流A及び燃焼ガスの混合気は、低空気比の1次燃焼室11内で改質作用を受け、活性化し、混合ガス流Eとして1次燃焼室11から2次燃焼室12に流出する。
なお、この燃焼作動中は、パイロット燃料ガス及びパイロット燃焼用空気は、常時、1次燃焼室11内に吐出されている。
一方、複数の2次燃焼用空気吐出口42の各々を通過して空気希釈室13内に吐出する2次燃焼用空気流Bは、2次燃焼室12の燃焼ガスを誘引し、この結果、空気希釈室13内に逆流する燃焼ガスの再循環流Rが形成される。この再循環流Rは、空気希釈室13内に流入し、燃焼筒33の外周面に沿って2次燃焼用空気吐出口42の近傍に回り込み、2次燃焼用空気流Bと混合し、二次燃焼用空気を比較的多量の燃焼ガスにより希釈することができる。
再循環流Rとの混合により酸素濃度が低下した2次燃焼用空気流Bは、燃焼筒33の前端開口から吐出する混合ガス流Eと混合し、両者の燃焼反応が2次燃焼室12に生起し且つ進行する。
このように、2次燃焼用空気流Bを再循環流Rとの混合により酸素濃度を低減させることで、2次燃焼室12における燃焼で火炎温度が低減され、その結果として、排ガス中のNOx濃度を低減することができる。
(2次燃焼用空気吐出口の配置)
ここで、複数の2次燃焼用空気吐出口42は、図4に示すように、円形プレート30の中心を中心に、中心直径がPCDかつその周方向範囲がθで配置される。中心直径PCDの半径は、各2次燃焼用空気吐出口42の開口縁42a,42bの各曲率半径の平均値に相当する。
そして、2次燃焼用空気吐出口42の周方向範囲θを180°≦θ≦220°とする。この理由について述べると、図5に示すように、2次燃焼用空気吐出口42の周方向範囲θが大きくなればなるほど、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)は大きくなるため、NOx濃度の観点からは周方向範囲θはより小さい方が好ましい。一方、2次燃焼用空気吐出口42の周方向範囲θを小さくすればするほど、空気希釈室13における周方向偏熱量ΔTが大きくなるため、周方向偏熱量ΔTの観点からは周方向範囲θは大きい方が好ましい。そこで、本実施形態にあっては、2次燃焼用空気吐出口42の周方向範囲θを180°≦θ≦220°とする。当該周方向範囲θを220°以下とすることで、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)を180ppmに以下に抑制することができる。なお、図5においては、このNOx濃度(酸素濃度11%換算値)は、2次燃焼用空気吐出口42を通過する2次燃焼用空気の流速Vをバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)において26m/sとしたときの値であり、図7(B)に示すように、2次燃焼用空気の流速Vをバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)において20m/sとすると、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)を160ppm以下に抑制することができる。一方、当該周方向範囲θを180°以上とすることで、周方向偏熱量ΔTを約85℃以下に抑制することができる。
また、2次燃焼用空気吐出口42の中心直径PCDをラジアントチューブ10の内径Dに対し、D/PCD<1.4とする。この理由について述べると、図6に示すように、PCD比(D/PCD)を小さくすればするほど、すなわち、2次燃焼用空気吐出口42をラジアントチューブ10の内面に近づければ近づけるほど、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)は小さくなるため、NOx濃度の観点からはPCD比(D/PCD)は小さくするほどよい。従って、PCD比(D/PCD)を1.4未満とする。これにより、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)を180ppmに以下に抑制することができる。なお、図6においては、このNOx濃度(酸素濃度11%換算値)は、2次燃焼用空気吐出口42を通過する2次燃焼用空気の流速Vをバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)において26m/sとしたときの値であり、図7(B)に示すように、2次燃焼用空気の流速Vをバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)において20m/sとすると、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)を160ppm以下に抑制することができる。一方、PCD比(D/PCD)を小さくするにしても、各2次燃焼用空気吐出口42は所定の幅が必要であることから、PCD比(D/PCD)を小さくすることには吐出口取合上の限界がある。従って、PCD比(D/PCD)は1.35よりも大きいことが好ましい。
(2次燃焼用空気吐出口を通過する2次燃焼用空気流の流速)
また、燃焼用空気供給路32内に導入される燃焼用空気は、2次燃焼用空気吐出口42を通過する2次燃焼用空気流Bの流速Vがバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)においてV≦20m/secとなるように導入される。
この理由について述べると、図7(A)に示すように、排ガス中のNOx濃度は、2次燃焼用空気吐出口42を通過する2次燃焼用空気流Bの流速Vの増加に対して上側凸の放物線を描くような増減をするものであり、2次燃焼用空気流Bの流速Vが非常に大きくなると、2次燃焼室12における燃焼ガスの火炎が伸長し、火炎温度が低減するため、排ガス中のNOx濃度が低減する。しかし、2次燃焼用空気流Bの流速Vが大きくなるということは、2次燃焼用空気吐出口42の幅が狭くなるので、2次燃焼用空気吐出口42における圧損が大きくなってしまう。一方、2次燃焼用空気流Bの流速Vが非常に小さくなると、再循環流Rが円滑に形成され、2次燃焼用空気流Bの酸素濃度が低減し、2次燃焼室12における燃焼で火炎温度が低減され、その結果として、排ガス中のNOx濃度が低減する。しかし、2次燃焼用空気流Bの流速Vが小さくなるということは、2次燃焼用空気吐出口42の幅が広くなるので、2次燃焼用空気吐出口42の取合上の限界がある。本実施形態にあっては、2次燃焼用空気吐出口42における圧損を大きくすることなく、排ガス中のNOx濃度を低減させる方法として、2次燃焼用空気吐出口42を通過する2次燃焼用空気流Bの流速Vが図7(B)に示すようにバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)においてV≦20m/secとなるようにした。これにより、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)を160ppm以下に抑制することができる。なお、当該2次燃焼用空気流Bの流速Vの下限値は、吐出口取合上の限界を考慮し、V>16m/sとすることが好ましい。
なお、2次燃焼用空気流Bの流速Vをバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)においてV≦20m/secとなるようにすることにより、周方向偏熱量ΔTも67℃以下に抑制することができる。
(筒内燃焼空気流量比)
次に、円形プレート30を通過する全体の空気流量に対する燃焼筒33の内部への燃焼空気流量比(筒内燃焼空気流量比)rについて図8を参照して説明する。この筒内燃焼空気流量比rは、燃焼筒33の内部への燃焼空気流量Qpを円形プレート30を通過する全体の空気流量(Qp+Q2)で除した値である。燃焼筒33の内部への燃焼空気流量Qpは、1次燃焼用空気吐出口41を通過して1次燃焼室11内に吐出する1次燃焼用空気流Aの流量と、パイロット燃焼用空気供給管35を経て1次燃焼室11内に吐出するパイロット燃焼用空気流Cの流量とを合計した流量である。また、Q2は、2次燃焼用空気吐出口42を通過して空気希釈室13内に吐出する2次燃焼用空気流Bの流量である。
そして、本実施形態においては、燃焼用空気供給路32内に導入される燃焼用空気を、筒内燃焼空気流量比rがバーナの最大燃焼負荷時において17%<r<25%になるように導入する。
この理由について述べると、図9(A)に示すように、排ガス中のNOx濃度は、筒内燃焼空気流量比rの増加に対して下側凸の放物線を描くような増減をするものであり、筒内燃焼空気流量比rが非常に大きくなると、燃焼筒33内の1次燃焼室11における筒内燃焼比率が増加し、2次燃焼室12における燃焼ガスの火炎温度が上昇し、排ガス中のNOx濃度が増加する。一方、筒内燃焼空気流量比rが非常に小さくなると、燃焼筒33内の1次燃焼室11における筒内燃焼比率が増加し、2次燃焼室12における燃焼ガスの火炎温度が上昇し、排ガス中のNOx濃度が増加する。従って、筒内燃焼空気流量比rの大きさは、適当な範囲で制限することが望ましい。
本実施形態にあっては、筒内燃焼空気流量比rがバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)において17%<r<25%になるように設定する。図9(B)に示すように、筒内燃焼空気流量比rをバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)において17%よりも大きくしかつ25%よりも小さくすると、すると、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)を160ppm以下に抑制することができる。
また、筒内燃焼空気流量比rをバーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)において17%<r<25%になるように設定することにより、周方向偏熱量ΔTも67℃以下に抑制することができる。
このように、本実施形態に係るバーナ1においては、パイロット燃焼用空気供給管35の内部に燃料ガス供給管37を配置して燃料ガス供給管37をパイロット燃焼用空気供給管35で覆い、パイロット燃焼用空気供給管35内のパイロット燃焼用空気供給路36に全空気流量の3〜7%のパイロット燃焼用空気を供給して燃料ガス供給管37内を流れる燃料ガスの200℃以上への高温化を抑止する。これにより、燃焼用空気を400℃以上の高温に予熱したとしても燃料ガスの熱分解を防止できる。
また、本実施形態に係るバーナ1においては、円形プレート30において、2次燃焼用空気吐出口42の周方向範囲θを180°≦θ≦220°とし且つ2次燃焼用空気吐出口42の中心直径PCDをラジアントチューブ10の内径Dに対し、D/PCD<1.4としている。このため、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)を160ppm以下に抑制することができるとともに、周方向偏熱量ΔTを約85℃以下に抑制することができる。
更に、本実施形態に係るバーナ1においては、2次燃焼用空気吐出口42を通過する2次燃焼用空気流Bの流速Vを、バーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)においてV≦20m/secとしている。これにより、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)を160ppm以下に抑制することができる。
また、本実施形態に係るバーナ1によれば、燃焼筒33の長さLをL≧100mmとするとともに、円形プレート30を通過する全体の空気流量に対する燃焼筒33の内部への燃焼空気流量比rを、バーナの最大燃焼負荷時(12万kcal/h)において17%<r<25%に設定する。これにより、排ガス中のNOx濃度(酸素濃度11%換算値)を160ppm以下に抑制することができる。
以上より、本実施形態に係るバーナ1によれば、燃焼用空気を400℃以上の高温に予熱したとしても燃料ガスの熱分解を防止できるとともに、既存の連続燃焼式ラジアントチューブを低コストで低NOxバーナに更新することができる連続燃焼式ラジアントチューブバーナを提供できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、2次燃焼用空気吐出口42は、円形プレート30において、2次燃焼用空気吐出口42の周方向範囲θを180°≦θ≦220°とし且つ2次燃焼用空気吐出口42の中心直径PCDをラジアントチューブ10の内径Dに対し、D/PCD<1.4とするものであれば、数は3つでなくてもよい。
1 連続燃焼式ラジアントチューブバーナ
10 ラジアントチューブ
11 1次燃焼室
12 2次燃焼室
13 空気希釈室
20 バーナユニット
21 バーナガン
22 燃料ガス供給配管
22a 燃料ガス入口
23 パイロット燃料ガス供給配管
23a パイロット燃料ガス入口
24 パイロット燃焼用空気供給配管
24a パイロット燃焼用空気入口
25 エアケース
25a 燃焼用空気供給口
25b 開口
30 円形プレート
31 円筒形外周カバー
32 燃焼用空気供給路
33 燃焼筒
35 パイロット燃焼用空気供給管
36 パイロット燃焼用空気供給路
37 燃料ガス供給管
37a 燃料ガス噴射ノズル
38 燃料ガス供給路
39 前端プレート
39a パイロット燃焼用空気吐出口
40 パイロット燃料ガス供給管
41 1次燃焼用空気吐出口
42 2次燃焼用空気吐出口
42a 開口縁
42b 開口縁
50 熱交換器
51 燃焼用空気入口
52 燃焼用空気流路
53 排ガス流路
54 排ガス出口
A 1次燃焼用空気流
B 2次燃焼用空気流
C パイロット燃焼用空気流
D ラジアントチューブの内径
E 混合ガス流
PCD 2次燃焼用空気吐出口の中心直径
θ 2次燃焼用空気吐出口の周方向範囲
2次燃焼用空気流の流速
筒内燃焼空気流量比

Claims (1)

  1. 2次燃焼室を形成するラジアントチューブと、該ラジアントチューブの一端に配置され、燃料ガス、燃焼用空気、パイロット燃料ガス及びパイロット燃焼用空気を供給するバーナユニットとを備えた連続燃焼式ラジアントチューブバーナであって、
    記ラジアントチューブの中に配置された円形プレートと、該円形プレートの外縁部からバーナユニット側に延び、前記燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給路を形成する円筒形外周カバーと、前記円形プレートから前記バーナユニット側と反対側に突出し且つ1次燃焼室を形成する燃焼筒と、前記円形プレートを貫通して前記燃焼筒の内部に開口し、前記パイロット燃焼用空気を供給するパイロット燃焼用空気供給路を形成するパイロット燃焼用空気供給管と、前記円形プレートの前記燃焼筒と前記パイロット燃焼用空気供給管との間の部分に前記円形プレートを貫通するように形成された1次燃焼用空気吐出口と、前記円形プレートの前記燃焼筒の半径方向外側に前記円形プレートを貫通するように形成された2次燃焼用空気吐出口とを備え、
    前記パイロット燃焼用空気供給管の内部に燃料ガス供給管を配置して該燃料ガス供給管を前記パイロット燃焼用空気供給管で覆い、前記パイロット燃焼用空気供給管内のパイロット燃焼用空気供給路に全空気流量の3〜7%のパイロット燃焼用空気を供給して前記燃料ガス供給管内を流れる燃料ガスの200℃以上への高温化を抑止するとともに、
    前記円形プレートにおいて、前記2次燃焼用空気吐出口の周方向範囲θを180°≦θ≦220°とし且つ前記2次燃焼用空気吐出口の中心直径PCDを前記ラジアントチューブの内径Dに対し、D/PCD<1.4とし、
    前記2次燃焼用空気吐出口を通過する2次燃焼用空気流の流速Vを、バーナの最大燃焼負荷時においてV≦20m/secとし、
    前記燃焼筒の長さLをL≧100mmとするとともに、全体の空気流量に対する前記燃焼筒の内部への燃焼空気流量比rを、バーナの最大燃焼負荷時において17%<r<25%に設定することを特徴とする連続燃焼式ラジアントチューブバーナ。
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