JP6877507B2 - 半導体装置及び電気装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、半導体装置及び電気装置に関する。
窒化物半導体を用いた半導体装置がある。半導体装置において、安定した動作が望まれる。
特開2016−181631号公報
本発明の実施形態は、動作を安定化させることができる半導体装置及び電気装置を提供する。
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、窒化物半導体を含む第1半導体層と、第1方向において前記第1半導体層と離れた第1電極と、前記第1半導体層と前記第1電極との間に設けられ、シリコン及び酸素を含む第1絶縁膜と、を含む。前記第1絶縁膜は、前記第1方向の第1厚さを有する。前記第1絶縁膜は第1位置を有し、前記第1位置と前記第1半導体層との間の距離は、前記第1厚さの1/2である。前記第1位置における水素の第1水素濃度は、2.5×1019atoms/cm以下である。
図1(a)〜図1(c)は、実施形態に係る半導体装置を例示するグラフ図である。 第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。 半導体装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。 図4(a)〜図4(c)は、実験試料の分析結果を例示するグラフ図である。 図5(a)及び図5(b)は、実験結果を例示するグラフ図である。 図6(a)及び図6(b)は、実験結果を例示するグラフ図である。 図7(a)〜図7(d)は、実験結果を例示するグラフ図である。 図8(a)〜図8(d)は、実験結果を例示するグラフ図である。 実験試料の分析結果を例示するグラフ図である。 試料の評価結果を例示するグラフ図である。 図11(a)〜図11(c)は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。 図21(a)〜図21(f)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。 第2の実施形態に係る電気回路及び電気装置を例示する模式図である。 第2の実施形態に係る別の電気回路及び電気装置を例示する模式図である。 第2の実施形態に係る別の電気回路及び電気装置を例示する模式図である。 第2の実施形態に係る別の電気回路及び電気装置を例示する模式図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1(a)〜図1(c)は、実施形態に係る半導体装置を例示するグラフ図である。 図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る半導体装置110は、第1半導体層11と、第1電極21と、第1絶縁膜31と、を含む。この例では、第2電極22、第3電極23及び第2半導体層12がさらに設けられている。
第1半導体層11は、窒化物半導体を含む。この例では、第1半導体層11は、Alx1Ga1−x1N(0≦x1<1)を含む。以下に説明する例では、第1半導体層11は、GaNである。
第1電極21は、第1方向において第1半導体層11と離れる。
第1方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
第1絶縁膜31は、第1半導体層11と第1電極21との間に設けられる。第1絶縁膜31は、シリコン及び酸素を含む。第1絶縁膜31は、例えば、実質的に酸化シリコンである。後述するように、第1絶縁膜31は、他の元素(例えば不純物)を含んでも良い。
第3電極23は、第2方向において、第2電極22と離れる。第2方向は、第1方向と交差する。第2方向は、例えば、X軸方向である。
第1半導体層11は、第1部分領域11paと、第2部分領域11pbと、第3部分領域11pcと、を含む。第1部分領域11paは、第2部分領域11pbと第3部分領域11pcとの間に位置する。第2部分領域11pbから第3部分領域11pcに向かう方向は、第2方向(例えばX軸方向)に沿っている。
第2電極22は第2部分領域11pbと電気的に接続される。第3電極23は、第3部分領域11pcと電気的に接続される。第1部分領域11paから第1電極21に向かう方向は、第1方向(例えばZ軸方向)に沿う。
第1部分領域11paと第1電極21との間に、第1絶縁膜31の少なくとも一部が設けられる。例えば、第1絶縁膜31は、第1半導体層11と接している。
第2半導体層12は、例えば、窒化物半導体を含む。この例では、第2半導体層12は、Alx2Ga1−x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む。例えば、第2半導体層12に含まれるAlの組成比は、第1半導体層11に含まれるAlの組成比よりも高い。第1半導体層11は、Alを含まなくても良い。
この例では、第2方向(X軸方向)において、第1電極21の一部と第2電極22との間に、第2半導体層12の一部が位置する。第2方向(X軸方向)において、第1電極21の一部と、第3電極23との間に第2半導体層12の一部が位置する。
第1電極21は、例えば、ゲート電極である。第2電極22は、例えば、ソース電極である。第3電極23は、例えば、ドレイン電極である。半導体装置110は、例えば、GaN−MOSFETである。半導体装置110は、ノーマリオフ型のトランジスタである。
第1電極21は、例えば、Al、TiN、TiW、W及びポリシリコンからなる群から選択された少なくとも1つを含む。第2電極22及び第3電極23の少なくともいずれかは、例えば、Ti及びAlを含む。第2電極22及び第3電極23の少なくともいずれかは、例えば、Ti膜及びAl膜とを含む積層膜を含む。
第1絶縁膜31は、例えば、ゲート絶縁膜として機能する。第1絶縁膜31は、第1厚さt1を有する(図2参照)。第1厚さt1は、第1絶縁膜31の第1方向の厚さ(長さ)である。
第1絶縁膜31には、シリコン及び酸素の他に、水素、フッ素及び窒素が含まれる場合がある。これらの元素の少なくとも一部が半導体装置110のしきい値電圧の変動に影響を与える場合がある。
図1(a)〜図1(c)は、それぞれ、実施形態に係る半導体装置110における水素、フッ素及び窒素の濃度分布を例示している。これらは、半導体装置110のSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析結果である。分析結果において、第1絶縁31の検出感度で定量された値が示されている。SIMS分析は、Csイオンを用いて行われる。SIMS分析において、加速電圧は、2.0kVである。これらの図の横軸は、Z軸方向における位置pZである。位置pZが0の位置は、例えば、第1絶縁膜31と第1半導体層11との界面に実質的に対応する。図1(a)の縦軸は、水素(H)の濃度C(H)(atoms/cm)である。図1(b)の縦軸は、フッ素(F)の濃度C(F)(atoms/cm)である。図1(c)の縦軸は、窒素(N)の濃度C(N)(atoms/cm)である。この例では、第1絶縁膜31の第1厚さt1は、30nmである。これらの分析結果は、後述する試料SP04の特性に対応する。
図1(c)に示すように、第1半導体層11及び第1絶縁31を含む積層領域R1は、窒素ピーク位置を有する。窒素ピーク位置は、図1(c)に示す第4位置p4である。積層領域R1における窒素の濃度は、この窒素ピーク位置(第4位置p4)においてピークとなる。第4位置p4(窒素ピーク位置)は、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の位置に、実質的に対応する。
図1(a)に示すように、第1絶縁膜31は第1位置p1を有する。第1位置p1と第1半導体層11との間の距離は、第1厚さt1の1/2である。第1位置p1は、例えば、Z軸方向における第1絶縁膜31の中央の位置である。第1位置p1における水素の第1水素濃度C1(H)は、2.5×1019atoms/cm以下である。
第1絶縁膜31は、さらに第2位置p2を有している。第2位置p2における水素の第2水素濃度C2(H)は、第1位置p1と第1半導体層11との間の領域における水素の濃度C(H)のピークである。このように、第1絶縁膜31の第1半導体層11の側の部分において、水素の濃度C(H)はピークを有する。このピークとなる位置が第2位置p2である。第2位置p2と第4位置p4との間のZ軸方向に沿った距離は、10nm以下である。この距離は、第2位置p2と第1半導体層11との間の距離(Z軸方向に沿う長さ)に対応する。この距離は、8nm以下でも良い。この距離は5nm以下でも良い。このように、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍(第2位置p2)において、水素の濃度C(H)は、ピークとなる。
第2位置p2における第2水素濃度C2(H)は、3×1021atoms/cm以下である。この例では、第2水素濃度C2(H)は、2×1019atoms/cm以上である。
第1水素濃度C1(H)は、第2水素濃度C2(H)の0.041倍以下である。換言すると、第2水素濃度C2(H)は、第1水素濃度C1(H)の24.2倍以上である。
このように、実施形態においては、第1絶縁膜31の厚さ方向の中心付近(第1位置p1)における水素の濃度C(H)が低い。そして、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍(第2位置p2)における水素の濃度(H)のピーク(第2水素濃度C2(H))も低い。
ここで、第2水素濃度C2(H)は、ある程度高い。すなわち、既に説明したように、第2水素濃度C2(H)は、第1水素濃度C1(H)の24.2倍以上である。このように、水素の濃度C(H)は、独特の分布を示す。
一方、図1(b)に示すように、第1位置p1におけるフッ素の濃度C(F)(すなわち、第1フッ素濃度C1())は、4×1016atoms/cm以下である。第1フッ素濃度C1(f)は、1×1016atoms/cm未満であっても良い。第2位置p2におけるフッ素の第2フッ素濃度C2(F)は、3.5×1017atoms/cm以下である。第1位置p1におけるフッ素の第1フッ素濃度C1(F)は、第2位置p2における第2フッ素濃度C2(F)の0.36倍以下である。換言すると、第2フッ素濃度C2(F)は、第1フッ素濃度C1(F)の2.7倍以上である。
フッ素の濃度C(F)のピークに着目する。図1(b)に示すように、第1絶縁膜31は、第3位置p3を有する。第3位置p3におけるフッ素の第3フッ素濃度は、第1位置p1と第1半導体層11との間の領域におけるフッ素の濃度C(F)のピークである。第3位置p3と第4位置p4の間のZ軸方向に沿った距離は、10nm以下である。この距離は、8nm以下でも良い。この距離は、5nm以下でも良い。この例では、第3位置p3は、第2位置p2と実質的に同じである。従って、第3フッ素濃度は、第2フッ素濃度C2(F)と実質的に同じである。第1フッ素濃度C1(F)は、第3フッ素濃度(この例では、第2フッ素濃度C2(F))の0.36倍以下である。
このように、実施形態においては、第1絶縁膜31の厚さ方向の中心付近(第1位置p1)におけるフッ素の濃度C()が低い。そして、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍(第2位置p2)におけるフッ素の濃度()のピーク(第2フッ素濃度C2(F))も低い。
ここで、第2フッ素濃度C2(F)は、ある程度高い。すなわち、既に説明したように、第2フッ素濃度C2(F)は、第1フッ素濃度C1(F)の2.7倍以上である。このように、フッ素の濃度C()は、独特の分布を示す。
図1(c)に示すように、第1位置p1における窒素の濃度C(N)は、1×1019atoms/cm以下である。一方、既に説明したように、窒素の濃度C(N)は、第4位置p4(窒素ピーク位置)でピークとなる。窒素の濃度C(N)のピーク値は、5×1022atoms/cm以上5×1023atoms/cm以下である。
図1(a)〜図1(c)に示すように、第2位置p2及び第3位置p3は、第1位置p1と、第4位置p4(窒素の濃度C(N)がピークとなる位置)と、の間にある。窒素の濃度C(N)が低くなる位置に、第2位置p2及び第3位置p3がある。第2位置p2(または第3位置p3)における窒素の濃度C(N)と、第1位置p1における窒素の濃度C(N)と、の差の第1位置p1における窒素の濃度C(N)に対する比は、0.001以下である。
このように、実施形態に係る半導体装置110の第1絶縁膜31は、元素の濃度に関する特殊なプロファイルを有する。このような構成により、例えば、半導体装置110のしきい値電圧の変動が抑制される。しきい値電圧をより安定化することが可能な半導体装置及び電気装置を提供できる。実施形態によれば、動作を安定化させることができる半導体装置及び電気装置を提供できる。
以下、半導体装置の特性の例について説明する。本願の発明者は、種々の製造条件を用いた試料を作製した。これらの試料において、PBTI(Positive Bias Temperature Instability)試験が行われる。そして、PBTI試験後のしきい値電圧に対応する値と、初期の値と、の差とが評価される。
試料において、第1絶縁膜31中の特定の元素(例えば不純物)が着目される。例えば、第1絶縁膜31は、ALD(Atomic Layer Deposition)法などにより成膜される。成膜に用いられる原料によって、形成される第1絶縁膜31の特性(例えば不純物)が変化すると考えられる。さらに、第1絶縁膜31を形成した後の熱処理により、第1絶縁膜31の特性(例えば不純物)が変化すると考えられる。例えば、熱処理の温度、熱処理の時間、及び、熱処理中の雰囲気などが、第1絶縁膜31の特性(例えば不純物)に影響を与えると考えられる。
実験では、作製条件を変更した種々の試料が作製され、PBTI試験後の電圧変化が評価される。以下、実験結果について説明する。
試料SP01〜SP04において、第1絶縁膜31の厚さt1は、30nmである。試料SP01〜SP04において、第1絶縁膜31の製造条件(熱処理条件を含む)が互いに異なる。これらの試料において、PBTI試験が行われる。PBTI試験においては、第1電極21に所定の正の直流電圧が印加され、電圧の印加時間と、電圧変化と、の関係が評価される。
図3は、半導体装置に関する実験結果を例示するグラフ図である。
図3は、試料のPBTI試験の結果の例を示している。図3の横軸は、PBTI試験におけるバイアス電圧の印加時間Tsである。図3の縦軸は、電圧変化ΔV(ボルト:V)である。
図3に示すように、試料SP04においては、電圧変化ΔVは、0.02V以下であり、非常に小さい。試料SP03において、所定の時間Ts1が経過したときに、電圧変化ΔVは約0.6Vである。試料SP02において、所定の時間Ts1が経過したときに、電圧変化ΔVは約1.5Vである。
試料SP03と同様の条件の第1絶縁膜31をシリコン半導体装置に用いた場合は、所定の時間Ts1が経過したときに、電圧変化ΔVは比較的小さい。同じ条件の第1絶縁膜31を用いたときに、窒化物半導体の半導体装置における電圧変化ΔVは、シリコン半導体の半導体装置における電圧変化ΔVに比べて著しく大きい。
試料SP04においては、窒化物半導体を用いているにもかかわらず、しきい値電圧が実質的に変動しない。試料SP04においては、電圧変化ΔVは、従来得られていない程度に小さい。
このように、試料の作製条件が異なると、電圧変化ΔVにおいて違いが生じる。試料を解析したところ、電圧変化ΔVの違いは、第1絶縁膜31中に含まれる特定の元素の濃度分布に依存していると考えられる。
図4(a)〜図4(c)は、実験試料の分析結果を例示するグラフ図である。
これらの図は、試料SP01〜試料SP04についてのSIMS分析結果を例示している。これらの図の横軸は、Z軸方向における位置pZである。図4(a)の縦軸は、水素(H)の濃度C(H)(atoms/cm)である。図4(b)の縦軸は、フッ素(F)の濃度C(F)(atoms/cm)である。図4(c)の縦軸は、窒素(N)の濃度C(N)(atoms/cm)である。
電圧変化ΔVが非常に大きい試料SP01においては、約15nmの位置pZ(第1位置p1に対応)において、水素の濃度C(H)及びフッ素の濃度C(F)の両方が非常に高い。試料SP02、SP03及びSP04を比較すると、これらの元素の濃度が低いと、電圧変化ΔVが小さくなることが分かる。
試料SP03と試料SP04を比較する。水素の濃度C(H)及びフッ素の濃度C(F)の両方において、約3nmの位置(第2位置p2に対応する)にピークが生じている。水素及びフッ素の両方において、試料SP03のピーク濃度は、試料SP04のピーク濃度と実質的に同じである。一方、約15nmの位置(第1位置p1に対応する)における濃度が、試料SP03と試料SP04とで大きく異なる。
すなわち、電圧変化ΔVが小さい試料SP04においては、約15nmの位置(第1位置p1に対応する)における水素の濃度C(H)が、ピーク濃度(約3nmの位置であり、第2位置p2における水素の濃度)に対して著しく低い。同様に、試料SP04においては、約15nmの位置(第1位置p1に対応する)におけるフッ素の濃度C(F)が、ピーク濃度(約3nmの位置であり、第2位置p2におけるフッ素の濃度)に対して著しく低い。
一方、図4(b)に示すように、試料SP03における約3nmの位置(第2位置p2に対応する)のフッ素の濃度C(F)は、試料SP04における約3nmの位置(第2位置p2に対応する)のフッ素の濃度C(F)よりも低い。電圧変化ΔVが著しく小さい試料SP04において、界面の近傍におけるピーク濃度が、試料SP03よりも高いことは注目すべき現象である。
上記から、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍(例えば、位置pZが0nm〜10nm)における元素の濃度と、第1絶縁膜31の中心付近における元素の濃度と、の両方が、電圧変化ΔVに関係していると考えられる。
試料SP01及びSP02のように、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍(例えば、位置pZが0nm〜10nm)における元素の濃度が過度に高いと、電圧変化ΔVは大きくなる。そして、試料SP01及びSP02のように、第1絶縁膜31の中央付近(第1位置p1)における元素の濃度が過度に高いと、電圧変化ΔVは大きくなる。第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍における元素の濃度がある程度低く、かつ、第1絶縁膜31の中央付近における元素の濃度がある程度低くなると、電圧変化ΔVが小さくなる。このような条件を満たす場合が、例えば、試料SP03に対応する。試料SP03における電圧変化ΔVは、約0.6Vと低い。(図3参照)。
しかしながら、電圧変化ΔVをさらに小さくするためには、試料SP03の状態では不十分である。例えば、試料SP04のように、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍(例えば、第2位置p2)における元素の濃度を一定以下に低くした上で、一定以上に維持する。すなわち、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍(第2位置p2)における元素の濃度を試料SP0の値程度に維持する。そして、このときに、第1絶縁膜31の中央付近における元素の濃度を十分に低くする。
このような独特のプロファイルにより、従来では到達が困難であった小さい電圧変化ΔVが得られると、考えられる。
例えば、第1絶縁膜31の中央付近における元素(水素及びフッ素)の濃度を十分に低くすることにより、これらの元素により生成されるトラップの密度が抑制されると考えられる。一方、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍(第2位置p2)において、ある程度以上の水素が存在することにより、例えば、第1半導体層11のGaNの表面の局所的な欠陥が減少すると考えられる。このような2つの種類の効果により、試料SP04においては、極めて小さい電圧変化ΔVが得られると考えられる。
既に説明したように、第1絶縁膜31に含まれる水素及びフッ素などの元素の濃度は、原材料の他、第1絶縁膜31を形成した後の熱処理などの影響を受ける。例えば、熱処理の温度が高いと、これらの元素の濃度が低くなる。例えば、熱処理の時間を長くすると、これらの元素の濃度が低くなる。熱処理中の雰囲気が、水素を含むと、第1絶縁膜31における水素の濃度が十分に低くならない。例えば、熱処理が窒素などの不活性ガス雰囲気で行われると、これらの元素の濃度が低下し易い。例えば、熱処理の雰囲気における窒素の濃度は、80%以上であることが望ましい。熱処理の雰囲気は、窒素と酸素とを含む雰囲気でも良い。熱処理は、減圧状態で行われても良い。さらに、第1絶縁膜31の成膜装置、及び、熱処理装置からの汚染により、第1絶縁膜31にこれらの元素が含まれる場合もある。これらの装置を適切に管理することで、これらの元素の濃度が低い第1絶縁膜31を得やすくなる。
第1半導体層11、第1絶縁膜31及び第1電極21により、キャパシタンスが形成される。このキャパシタンスは、第1電極21に加えられる印加電圧に応じて変化する。電気容量−電圧特性(C−V特性)において、一定の電気容量となる印加電圧を「C−V特性の特定電圧」とする。PBTI試験における半導体装置(例えばトランジスタ)のしきい値電圧の変化は、「C−V特性の特定電圧」の変化に対応している。従って、PBTI試験における半導体装置(例えばトランジスタ)のしきい値電圧の変化は、「C−V特性の特定電圧」の変化の評価により評価可能である。例えば、トランジスタのしきい値電圧を評価する場合には、電極の加工プロセスの残留元素などの影響が有る場合がある。一方、「C−V特性の特定電圧」の変化を評価する場合には、複雑な構造(ソース/ドレイン電極など)の形成などが省略可能であるため、他の工程のプロセスに起因する残留元素の影響がない状態で評価が可能である。
以下、熱処理の条件と、水素及びフッ素の濃度と、の関係の例について説明する。以下では、第1位置p1における第1水素濃度C1(H)、及び、第1位置p1における第1フッ素濃度C1(F)の例について説明する。
図5(a)及び図5(b)は、実験結果を例示するグラフ図である。
これらの図は、第1絶縁膜31を成膜した後に行われる熱処理の温度を変更したときの元素の濃度を例示している。これらの図の横軸は、熱処理の温度Thである。図5(a)の縦軸は、第1水素濃度C1(H)である。図5(b)の縦軸は、第1フッ素濃度C1(F)である。これらの図に示す試料において、第1絶縁膜31の成膜の条件は同じであり、熱処理の雰囲気及び時間は同じである。
図5(a)及び図5(b)に示すように、熱処理の温度Thが上昇すると、第1水素濃度C1(H)及び第1フッ素濃度C1(F)が減少する。
図5(a)に示すように、特定の温度Th1よりも低いときと、高いときと、で、水素の濃度の変化の程度が変化する。例えば、水素が第1絶縁膜31から除去される効率が、この特定の温度Th1よりも低いときと、高いときと、で変化することが原因と考えられる。
図5(b)に示すように、特定の温度Th2よりも低いときと、高いときと、で、フッ素の濃度の変化の程度が変化する。例えば、フッ素が第1絶縁膜31から除去される効率が、この特定の温度Th2よりも低いときと、高いときと、で変化することが原因と考えられる。
熱処理の温度は、温度Th1よりも高く、温度Th2よりも高いことが好ましい。例えば、種々の温度での熱処理を行い、そのときの元素の変化の程度を測定し、上記の温度Th1及びTh2などを知ることができる。
一方、窒化物半導体(例えばGaNなど)は、約1000℃で結晶成長される。第1絶縁膜31を成膜した後の熱処理の温度は、結晶成長の温度よりも低いことが好ましい。熱処理の温度が過度に高いと、窒化物半導体にダメージが生じることがある。
図6(a)及び図6(b)は、実験結果を例示するグラフ図である。
これらの図は、第1絶縁膜31を成膜した後に行われる熱処理の時間を変更したときの元素の濃度を例示している。これらの図の横軸は、熱処理の時間Tmである。横軸は、対数で表示されている。横軸は、特定の「単位時間Tm0」を基準にして表示されている。図6(a)の縦軸は、第1水素濃度C1(H)である。図6(b)の縦軸は、第1フッ素濃度C1(F)である。これらの図に示す試料において、第1絶縁膜31の成膜の条件は同じであり、熱処理の雰囲気及び温度は、同じである。
図6(a)及び図6(b)に示すように、熱処理の時間Tmを長くすると、第1水素濃度C1(H)及び第1フッ素濃度C1(F)が減少する。
上記のような特性を考慮して、第1絶縁膜31の成膜、及び、成膜の後の熱処理に関する条件を適切に決定できる。
図7(a)〜図7(d)及び図8(a)〜図8(d)は、実験結果を例示するグラフ図である。
これらの図は、種々の条件の試料についての第1絶縁膜31中の元素と、電圧変化ΔVと、の関係の実験結果を例示している。これらの図の縦軸は、PBTI試験における電圧変化ΔVである。図7(a)及び図8(a)の横軸は、第1位置p1(第1絶縁膜31の厚さ方向の中央)における第1水素濃度C1(H)である。図7(b)及び図8(b)の横軸は、第1位置p1における第1フッ素濃度C1(F)である。図7(c)及び図8(c)の横軸は、第1位置p1における窒素濃度C1(N)である。図7(d)及び図8(d)の横軸は、第1位置p1におけるガリウム濃度C1(Ga)である。
図7(a)〜図7(d)においては、第1絶縁膜31の第1厚さt1は、30nmである。図8(a)〜図8(d)においては、第1絶縁膜31の第1厚さt1は、10nmである。
これらの図から分かるように、電圧変化ΔVは、第1水素濃度C1(H)及び第1フッ素濃度C1(F)と相関がある。一方、電圧変化ΔVと、他の元素(窒素及びガリウム)の濃度と、の間において、明確な相関は認められない。
電圧変化ΔVについて、第1厚さt1で規格化する。すなわち、第1厚さt1(単位:ナノメートル)あたりの電圧変化ΔVを、規格化電圧変化ΔVn(ボルト/ナノメートル)とする。
図7(a)及び図8(a)に基づいて、規格化電圧変化ΔVnと、第1水素濃度C1(H)(1/cm)と、に関して、以下の第1式が導出できる。

ΔVn=0.0298・log10(C1(H))−0.5634 (1)

図7(b)及び図8(b)に基づいて、規格化電圧変化ΔVnと、第1フッ素濃度C1(F)(1/cm)と、に関して、以下の第2式が導出できる。

ΔVn=0.0207・log10(C1(F))−0.3368 (2)

上記の第1式で示される第1水素濃度C1(H)、及び、上記の第2式で示される第1フッ素濃度C1(F)よりも低い濃度に制御することが望ましい。これにより、所望の小さい規格化電圧変化ΔVnが得られる。
図9は、実験試料の分析結果を例示するグラフ図である。
図9は、上記の試料SP01〜SP04におけるガリウムの濃度分布を例示している。図9は、ガリウムのSIMS分析結果である。分析結果において、第1絶縁31の検出感度で定量された値が示されている。SIMS分析は、O2+イオンを用いて行われる。SIMS分析において、加速電圧は、2.0kVである。図9の横軸はZ軸方向における位置pZである。位置pZが0の位置は、例えば、第1絶縁膜31と第1半導体層11との界面に実質的に対応する。図9の縦軸は、ガリウム(Ga)の濃度C(Ga)(atoms/cm)である。
第1絶縁31の中央付近(例えば第1位置p1に対応)におけるガリウムの濃度C(Ga)に着目する。試料SP02、SP03及びSP04における、第1絶縁31の中央付近におけるガリウムの濃度C(Ga)は、試料SP01における、第1絶縁31の中央付近におけるガリウムの濃度C(Ga)よりも高い。例えば、第4試料SP4において、第1絶縁31の中央付近(例えば、第1位置p1に対応)において、ガリウムの濃度C(Ga)は、5×1017(atoms/cm)以上である。
例えば、窒化物半導体(例えばGaN)に含まれるガリウムが第1絶縁31に拡散することで、上記のようなプロファイルが得られると考えられる。このとき、図4(c)に示したように、第1絶縁31の中央付近(例えば、第1位置p1に対応)において、窒素の濃度(N)は低い。これは、拡散した窒素と、水素と、が結合し、結合した窒素及び水素が、第1絶縁31内から排出されたことが原因である可能性がある。窒素が水素及びフッ素の濃度の低下をアシストすることが考えられる。
このように、第1絶縁31の中央付近(例えば、第1位置p1に対応)において、ガリウムの濃度C(Ga)が5×1017(atoms/cm)以上であり、窒素の濃度C(N)が1×1019(atoms/cm)以下のときに、第1位置p1における水素及びフッ素の濃度を効果的に低減できると考えられる。
例えば、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の界面の近傍(第2位置p2)において、水素及びフッ素は、例えば、窒素が分離した第1半導体層11のガリウムの一部を終端することが考えられる。界面の近傍(第2位置p2)に、水素及びフッ素が適切な濃度で存在すると、第1半導体層11の表面が安定化し易いと考えられる。
例えば、界面の近傍(第2位置p2)に存在する水素及びフッ素は、界面近傍のトラップの密度を抑制している可能性がある。シリコンおよび酸素を含む第1絶縁31において、界面近傍の窒素と、シリコンと、が結合する。酸化シリコンに比べて窒化シリコンは電子をトラップしやすい。界面近傍の水素及びフッ素による空間的な障害により、シリコンと窒素の結合が抑制される可能性がある。
図10は、試料の評価結果を例示するグラフ図である。
図10は、第1絶縁膜31の成膜後の熱処理の時間Tmを変更したときの第1絶縁膜31におけるSi−O−Siの結合角の変化を示している。横軸は、熱処理の時間Tmである。横軸は、特定の「単位時間Tm0」を基準にして表示されている。図10の縦軸は、結合角θ(度)である。結合角θは、FTIR分光(Fourier Transform InfraRed Spectroscopy)により測定された値である。不純物を含まない二酸化シリコンにおける結合角θは、約144度であることが知られている。時間Tmが0である試料が、既に説明した試料SP01に対応する。
図10に示すように、熱処理の時間Tmが短いと、結合角θが小さい。熱処理の時間Tmが長いと、結合角θは、142度以上144度未満と、大きくなる。実施形態においては、結合角θは、例えば、142度以上144未満であることが好ましい。
既に説明したように、熱処理の時間Tmが長いと、電圧変化ΔVが小さくなる傾向がある。熱処理の時間Tmが長くなることで、酸化シリコンに含まれる不純物となる元素(水素及びフッ素など)の濃度が減少すると考えられる。このような元素の濃度が減少することで、結合角θが大きくなると、考えられる。第1絶縁31と第1半導体層11との界面では、酸化シリコンの歪が特に大きく、電圧変化ΔVに影響を与える。例えば、第1絶縁31の第2位置p2に適度な濃度の水素があることで、酸化シリコンのひずみが補償されると考えられる。例えば、第1絶縁31の第3位置p3に適度な濃度のフッ素があることで、酸化シリコンのひずみが補償されると考えられる。これにより、酸化シリコンの歪に起因した電圧変化ΔVへの影響が軽減される、と考えられる。
図11(a)〜図11(c)は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図11(a)〜図11(c)に示すように、本実施形態に係る半導体装置110a〜110cも、第1半導体層11、第1電極21及び第1絶縁膜31を含む。これらの半導体装置においても、第2電極22及び第3電極23が設けられても良い。これらの図において、これらの電極は省略されている。
図11(a)に示すように、半導体装置110aにおいては、第1絶縁膜31は、第1領域31a及び第2領域31bを含む。第2領域31bは、第1領域31aと第1半導体層11との間に位置する。第2領域31bの厚さ(Z軸方向に長さ)は、0.2nm以上3nm以下である。第1領域31aと第2領域31bとの間の境界は明確でない場合がある。
例えば、第2領域31は、窒素を含む。一方、第1領域31aは、窒素を含まない。または、第1領域31aにおける窒素の濃度は、第2領域31bにおける窒素の濃度よりも低い。例えば、第1領域31aは、実質的に酸化シリコンである。第2領域31bの少なくとも一部は、窒素を含む。例えば、第2領域31bの少なくとも一部は、Si−Nの結合を有しても良い。
第2領域31bは、アルミニウム及びガリウムの少なくともいずれかの第1元素を含んでも良い。第1領域31aは、この第1元素を含まない。または、第1領域31aにおける第1元素の濃度は、第2領域31bにおける第1元素の濃度よりも低い。例えば、第1領域31aは、実質的に酸化シリコンである。第2領域31bの少なくとも一部が、第1元素を含む。第2領域31bの少なくとも一部は、第1元素と酸素との結合を有しても良い。第2領域31bの少なくとも一部は、第1元素と窒素との結合を有しても良い。第2領域31bの少なくとも一部は、Al−Oの結合、Al−Nの結合、Ga−Oの結合、及び、Ga−Nの結合の少なくともいずれかを有しても良い。
例えば、第2領域31bは、Alと酸素とを含む。第2領域31bは、Alと酸素と窒素とを含んでも良い。第2領域31bは、Siと窒素とを含んでも良い。第2領域31bは、Alと窒素とを含んでも良い。
第2領域31bがAlと酸素とを含む場合、界面ダイポールが生じ易くなる。これにより、半導体装置110aのしきい値電圧が制御される。
第2領域31bが、Alと酸素と窒素とを含む場合、Siと窒素とを含む場合、または、Alと窒素とを含む場合、第2領域31bが設けられない場合に比べて、所望の電気的特性を得るための第1絶縁膜31の第1厚さt1を厚くできる。第1絶縁膜31の第1厚さt1を厚くすることで、製造プロセスで形成され得る第1絶縁膜31のピンホールなどの影響を抑制できる。第2領域31bにより、GaN表面から離脱した窒素が補修される場合もある。
第2領域31bがガリウムと酸素を含む場合、例えば、第1半導体層11と第1絶縁膜31との間において、組成が連続的に変化し易い。例えば、不連続な界面が形成される場合に比べて、界面準位が低下される。
実施形態において、第1絶縁膜31と第1半導体層11との間の領域は、例えば、第2元素、酸素及び窒素から選択された少なくとも1つを含んでも良い。この第2元素は、シリコン、アルミニウム及びガリウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む。第1絶縁膜31と第1半導体層11との間のこの領域は、シリコンを実質的に含まず、酸素を実質的に含まなくても良い。
図11(b)に示すように、半導体装置110bは、第2絶縁膜32を含む。これ以外は、半導体装置110と同様である。第2絶縁膜32は、第1絶縁膜31と第1電極21との間に設けられる。第2絶縁膜32に含まれる材料は、第1絶縁膜31に含まれる材料とは異なる。例えば、第2絶縁膜32は、窒化シリコン、または酸窒化シリコンを含む。異なる材料の複数の絶縁膜を用いることで、安定した特性が得易くなる。
図11(c)に示すように、半導体装置110cにおいては、上記の、第1領域31a、第2領域31b及び第2絶縁膜32が設けられる。
図12〜図20は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図12〜図20に示す半導体装置111a〜111iも、第1半導体層11、第1絶縁膜31、第1電極21、第2電極22及び第3電極23を含む。第1絶縁膜31の構成については、半導体装置110または110a〜110cと同様の構成が適用される。以下、半導体装置について、半導体層及び電極の構成について説明する。
図12に例示する半導体装置111aにおいては、第1半導体層11は、Alx3Ga1−X3N(0<X3≦1)を含む。第2半導体層12は、Alx4Ga1−X4N(0≦X4<1、x4<x3)を含む。Z軸方向において、第2半導体層12と第1電極21との間に、第1半導体層11が設けられる。第1絶縁膜31は、例えば、第1半導体層11と接する。第2電極22は、第1半導体層11の一部及び第2半導体層12の一部と電気的に接続されている。第3電極23は、第1半導体層11の別の一部及び第2半導体層12の別の一部と電気的に接続されている。半導体装置111aは、例えば、横型で、ノーマリオン型のHEMT(High Electron Mobility Transistor)である。
図13に例示する半導体装置111bにおいては、第1半導体層11は、Alx1Ga1−X1N(0≦X1<1)を含む。第1半導体層11は、例えば、GaNである。第2半導体層12は、Alx2Ga1−X2N(0<X2≦1、x1<x2)を含む。例えば、第1絶縁膜31は、第1半導体層11と接する。X軸方向において、第1電極21と第2半導体層12の一部が重なり、第1絶縁膜31と第2半導体層12の一部が重なる。半導体装置111bは、例えば、横型で、ノーマリオフ型のトランジスタである。半導体装置111bにおいては、例えば、GaN層がチャネルとなる。
図14に例示する半導体装置111cにおいては、第1半導体層11は、Alx3Ga1−X3N(0<X3≦1)を含む。第2半導体層12は、Alx4Ga1−X4N(0≦X4<1、x4<x3)を含む。Z軸方向において、第2半導体層12の一部と第1電極21との間に、第1半導体層11の一部(第1部分領域11pa)が設けられる。半導体装置111cは、例えば、横型で、ノーマリオフ型のHMETである。
図15に例示する半導体装置111dにおいては、第1半導体層11は、Alx1Ga1−X1N(0≦X1<1)を含む。第1半導体層11は、例えば、GaNである。第1半導体層の第2部分領域11pb及び第3部分領域11pcは、例えば、n形のGaN領域である。半導体装置111cは、n形ドーピングのノーマリオフ形のトランジスタである。
図16に例示する半導体装置111eにおいては、第1電極21から第2電極22に向かう方向は、第1方向(Z軸方向)と交差する。例えば、第1電極21から第2電極22に向かう方向は、X軸方向に沿っている。第3電極23と第1電極21との間、及び、第3電極23と第2電極22との間に、第1半導体層11が位置する。第1半導体層11は、例えば、第1導電形のAlx1Ga1−X1N(0≦X1<1)(例えばn形GaN)である。第2半導体層12は、第1半導体層11の一部と第2電極22との間に設けられる。第2半導体層12は、第1導電形のAlx5Ga1−X5N(0≦X5<1)(例えばn形GaN)である。第1半導体層11の上記の一部と、第2半導体層12と、の間に、第3半導体層13が設けられる。第3半導体層13は、第2導電形のAlx6Ga1−X6N(0≦X6<1)(例えばp形GaN)である。第2電極22は、第2半導体層12と電気的に接続される。第3電極23は第1半導体層11と電気的に接続される。この例では、第3電極23と第1半導体層11との間に、n形GaN層17が設けられる。半導体装置111eは、例えば、縦型のGaN−MOSFETである。この例では、第3電極23と第1半導体層11との間に、第1導電形の窒化物半導体(例えばn形GaN層)が設けられている。この例では、絶縁層35が、第1電極21及び第2電極22を覆う。
図17に例示する半導体装置111fにおいては、第2電極22の一部と、第1電極21との間に、絶縁層35が設けられている。半導体装置111fにおけるこれ以外の構成は、半導体装置111eと同様である。
図18に例示する半導体装置111gにおいては、第3電極23の上に、n形GaN層15aが設けられ、その上に、n形Aly1Ga1−y1N層15b(0≦y1≦1)が設けられる。n形Aly1Ga1−y1N層15bの一部の上に、n形Alz1Ga1−z1N領域15e(0≦z1≦1、y1<z1)が設けられる。n形Aly1Ga1−y1N層15bの別の一部の上に、第1半導体層11が設けられる。第1半導体層11は、n形Alz2Ga1−z2N(0≦z2≦1、y1<z2)である。n形Alz1Ga1−z1N領域15eの上に、第2電極2が設けられる。第1半導体層11の上に、第1絶縁膜31が設けられる。第1絶縁膜31の上に、第1電極21が設けられる。この例では、n形Aly1Ga1−y1N層15bの一部にp形GaN層15cが設けられる。p形GaN層15cと第2電極22との間に、p形GaN層15dが設けられる。p形GaN層15dにより、p形GaN層15cが第2電極22と電気的に接続される。半導体装置111gは、例えば、縦型のMOSFETである。
図19に例示する半導体装置111hにおいては、第3電極23の上に、n形GaN層15aが設けられ、その上に、GaN層15fが設けられる。GaN層15fの一部の上に、p形GaN層15cが設けられる。GaN層15fの別の一部の上に、n形Al z1 Ga 1−z1 N領域15eが設けられる。p形GaN層15cの一部の上に、第1半導体層11が設けられる。第1半導体層11は、例えば、n形のGaNである。第1半導体層11の一部の上、及び、p形GaN層15cの上に、第2電極22が設けられる。絶縁層35と第1半導体層11との間の一部に、第2電極22が配置される。半導体装置111hは、例えば、縦型のMOSFETである。
図20に例示する半導体装置111iにおいては、第2電極22と第1半導体層11との間の一部に、絶縁層35が配置される。半導体装置111iにおけるこれ以外の構成は、半導体装置111hと同様である。
半導体装置111a〜111iおいても、しきい値電圧をより安定化することができる。
以下、実施形態に係る半導体装置の製造方法の例について説明する。以下の例は、半導体装置110の製造方法の例である。
図21(a)〜図21(f)は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。
図21(a)に示すように、基体10sの上に、バッファ層10bが形成される。その上に、第1半導体層11となる第1半導体膜11fが形成され、その上に、第2半導体層12となる第2半導体膜12fが形成される。
図21(b)に示すように、保護膜17f(例えばSiN膜)を形成し、その上に第1レジスト層M1を形成する。第1レジスト層M1を加工し、さらに、保護膜17fを加工する。第1レジスト層M1及び保護膜17fをマスクとして用いて、第2半導体膜12f及び第1半導体膜11fを加工する。これにより、第1半導体層11及び第2半導体層12が得られる。この後、第1レジスト層M1を除去する。
図21(c)に示すように、第1絶縁膜31となる絶縁膜31fを形成する。この後、熱処理を行う。熱処理は、図1(a)〜図1(c)に関して説明したような特性が得られる条件に設定される。例えば、十分に高い温度で、十分に長い時間が採用される。熱処理は、例えば、不活性ガス雰囲気で行われる。
図21(d)に示すように、第1電極21となる導電膜21fを形成する。適切な開口部を有するマスク(図示しない)を用いて、導電膜21fを加工する。これにより、第1電極21が形成される。
図21(e)に示すように、適切な開口部を有する第2レジスト層M2を用いて、保護膜17f及び第2半導体層12に開口部12Hを形成する。第2レジスト層M2を除去する。
開口部12Hに導電材料を埋め込む。第2電極22及び第3電極23が得られる。これにより、半導体装置110が得られる。
(第2実施形態)
本実施形態は、電気回路または電気装置に係る。本実施形態に係る電気回路は、第1実施形態に係る半導体装置及びその変形を含む。本実施形態に係る電気装置は、このような電気回路を含む。
図22は、第2の実施形態に係る電気回路及び電気装置を例示する模式図である。
図22に示すように、本実施形態に係る電気装置200aは、電気回路210を含む。電気回路210は、例えば、ICモジュールである。電気回路210は、半導体装置110を含む。例えば、電気回路210aの例においては、半導体装置110が、別の半導体装置と、カスコード接続される。電気回路210aは、例えば、カスコード素子である。例えば、電気回路210bの例においては、半導体装置110が、ドライバー回路180Dと接続される。電気回路210bは、例えば、ICである。電気回路210dの例においては、半導体装置110及び半導体装置110Aが、制御回路180Cと共に用いられる。電気回路210cは、例えば、機能性ICである。
図23は、第2の実施形態に係る別の電気回路及び電気装置を例示する模式図である。 図23に示すように、電気装置200bは、電気回路211を含む。電気回路211は、例えば、電源装置、または、電力変換装置である。電気回路211は、半導体装置110を含む。例えば、電気回路211aは、ACアダプタ(スイッチング電源)である。電気回路211bは、例えば、DC−DCコンバータ、AC−DCコンバータ、または、インバータである。
図24は、第2の実施形態に係る別の電気回路及び電気装置を例示する模式図である。 図24に示すように、電気装置200cは、電気回路212を含む。電気回路212は、例えば、コンピュータである。電気装置200dは、電気回路213を含む。電気回路213は、例えば、サーバである。サーバは、例えば、ケーブル181などを介して通信が可能である。サーバに電気回路214(例えば、コンピュータ)が設けられても良い。これらの電気回路212、213及び214は、半導体装置110を含む。
図25は、第2の実施形態に係る別の電気回路及び電気装置を例示する模式図である。 図25に示すように、電気装置200e〜200iに、電気回路215が設けられる。電気回路215は、例えば、電子機器である。電気回路215に半導体装置110が設けられる。電気装置200eは、冷蔵庫である。電気装置200fは、エアコンディショナである。電気装置200gは、表示装置(例えばテレビジョンなど)である。電気装置200hは、照明である。照明の駆動回路(調光回路)などに半導体装置110が設けられる。電気装置200iは、音響装置(例えばスピーカ)である。
このように、本実施形態に係る電気装置は、種々の電気回路を含んでも良い。電気回路は、例えば、電子回路、電源回路、電力変換装置、及びコンピュータの少なくともいずれかを含む。電気回路は、第1実施形態に係る半導体装置を含む。
本実施形態に係る電気回路は、半導体装置により制御される被制御装置250を含む。被制御装置250は、例えば、電気装置200e(例えば冷蔵庫)に設けられるモータ200Mなどである。被制御装置250は、例えば、電気装置200f(例えばエアコンディショナ)に設けられるモータ200Mなどである。被制御装置250は、例えば、電気装置200g(表示装置、テレビジョンなど)に設けられる発光部などである。被制御装置250は、例えば、電気装置200h(例えば照明)に設けられる発光素子200Lなどである。被制御装置250は、例えば、電気装置200e(例えば音響装置)に設けられるコイル200Sなどである。
実施形態に係る電気装置は、モータなどを含む移動装置(例えば、自動車、二輪車、電車、船舶、及び航空機の少なくともいずれか)を含んでも良い。
実施形態は、以下の構成(例えば「技術案」)を含んでも良い。
(構成1)
窒化物半導体を含む第1半導体層と、
第1方向において前記第1半導体層と離れた第1電極と、
前記第1半導体層と前記第1電極との間に設けられ、シリコン及び酸素を含む第1絶縁膜と、
を備え、
前記第1絶縁膜は、前記第1方向の第1厚さを有し、
前記第1絶縁膜は第1位置を有し、前記第1位置と前記第1半導体層との間の距離は、前記第1厚さの1/2であり、
前記第1位置における水素の第1水素濃度は、2.519atoms/cm以下である、半導体装置。
(構成2)
前記第1半導体層及び前記第1絶縁膜を含む積層領域は、窒素ピーク位置を有し、
前記積層領域における窒素の濃度は、前記窒素ピーク位置においてピークとなり、
前記第1絶縁膜は、第2位置を有し、
前記第2位置における水素の第2水素濃度は、前記第1位置と前記第1半導体層との間の領域における水素の濃度のピークであり、
前記第2位置と前記窒素ピーク位置との間の前記第1方向に沿った距離は、10nm以下であり、
前記第1水素濃度は、前記第2水素濃度の0.041倍以下である、構成1記載の半導体装置。
(構成3)
前記第2水素濃度は、3×1021atoms/cm以下である、構成2記載の半導体装置。
(構成4)
前記第2水素濃度は、2×1019atoms/cm以上である、構成3記載の半導体装置。
(構成5)
前記第2位置におけるフッ素の第2フッ素濃度は、3.5×1017atoms/cm以下である、構成2〜4のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成6)
前記第1位置におけるフッ素の第1フッ素濃度は、前記第2フッ素濃度の0.36倍以下である構成5記載の半導体装置。
(構成7)
前記第1フッ素濃度は、4×1016atoms/cm以下である、構成6記載の半導体装置。
(構成8)
窒化物半導体を含む第1半導体層と、
第1方向において前記第1半導体層と離れた第1電極と、
前記第1半導体層と前記第1電極との間に設けられ、シリコン及び酸素を含む第1絶縁膜と、
を備え、
前記第1絶縁膜は、前記第1方向の第1厚さを有し、
前記第1絶縁膜は第1位置を有し、前記第1位置と前記第1半導体層との間の距離は、前記第1厚さの1/2であり、
前記第1位置におけるフッ素の第1フッ素濃度は、4×1016atoms/cm以下である、半導体装置。
(構成9)
前記第1半導体層及び前記第1絶縁膜を含む積層領域は、窒素ピーク位置を有し、
前記積層領域における窒素の濃度は、前記窒素ピーク位置においてピークとなり、
前記第1絶縁膜は、第3位置を有し、
前記第3位置におけるフッ素の第3フッ素濃度は、前記第1位置と前記第1半導体層との間の領域におけるフッ素の濃度のピークであり、
前記第3位置と前記窒素ピーク位置との間の前記第1方向に沿った距離は、10nm以下であり、
前記第1フッ素濃度は、前記第3フッ素濃度の0.36倍以下である、構成8記載の半導体装置。
(構成10)
前記第3フッ素濃度は、3.5×1017atoms/cm以下である、構成9記載の半導体装置。
(構成11)
前記第3フッ素濃度は、2×1016atoms/cm以上である、構成10記載の半導体装置。
(構成12)
前記第1絶縁膜におけるシリコン−酸素−シリコンの結合角は、142度以上144度未満である、構成1〜11のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成13)
前記第1絶縁膜は、
第1領域と、
前記第1領域と前記第1半導体層との間に位置した第2領域と、
を含み、
前記第2領域は、窒素を含み、
前記第1領域は窒素を含まない、または、前記第1領域における窒素の濃度は、前記第2領域における窒素の濃度よりも低い、構成1〜12のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成14)
前記第1絶縁膜は、
第1領域と、
前記第1領域と前記第1半導体層との間に位置した第2領域と、
を含み、
前記第2領域は、アルミニウム及びガリウムの少なくともいずれかの第1元素を含み、
前記第1領域は第1元素を含まない、または、前記第1領域における第1元素の濃度は、前記第2領域における第1元素の濃度よりも低い、構成1〜12のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成15)
前記第1絶縁膜と前記第1半導体層との間の領域は、第2元素、酸素及び窒素から選択された少なくとも1つを含み、
前記第2元素は、シリコン、アルミニウム及びガリウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、構成1〜12のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成16)
前記第1絶縁膜と前記第1電極との間に設けられた第2絶縁膜をさらに備え、
前記第2絶縁膜に含まれる材料は、前記第1絶縁膜に含まれる材料とは異なる、構成1〜15のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成17)
第2電極と、
前記第1方向と交差する第2方向において前記第2電極と離れた第3電極と、
をさらに備え、
前記第1半導体層は、
第1部分領域と、
第2部分領域と、
第3部分領域と、
を含み、
前記第1部分領域は、前記第2部分領域と前記第3部分領域との間に位置し、
前記第2部分領域から前記第3部分領域に向かう方向は前記第2方向に沿い、
前記第2電極は前記第2部分領域と電気的に接続され、
前記第3電極は前記第3部分領域と電気的に接続され、
前記第1部分領域から前記第1電極に向かう方向は、前記第1方向に沿う、構成1〜16のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成18)
第2半導体層と、
第2電極と、
第3電極と、
をさらに備え、
前記第1電極から前記第2電極に向かう方向は、前記第1方向と交差し、
前記第3電極と前記第1電極との間、及び、前記第3電極と前記第2電極との間に、前記第1半導体層が位置し、
前記第2電極は前記第2半導体層と電気的に接続され、
前記第3電極は前記第1半導体層と電気的に接続された、構成1〜16のいずれか1つに記載の半導体装置。
(構成19)
構成1〜18のいずれか1つに記載の半導体装置を含む電子回路、電源回路、電力変換装置、及びコンピュータの少なくともいずれかを含む電気回路を備えた電気装置。
(構成20)
前記電気回路は、前記半導体装置により制御される被制御装置を含む、構成19記載の電気装置。
実施形態によれば、動作を安定化させることができる半導体装置及び電気装置が提供できる。
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
本明細書において「窒化物半導体」とは、BInAlGa1−x−y−zN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1,x+y+z≦1)なる化学式において組成比x、y及びzをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含むものとする。またさらに、上記化学式において、N(窒素)以外のV族元素もさらに含むもの、導電型などの各種の物性を制御するために添加される各種の元素をさらに含むもの、及び、意図せずに含まれる各種の元素をさらに含むものも、「窒化物半導体」に含まれるものとする。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる半導体層、電極及び絶縁膜などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置及び電気装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置及び電気装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10b…バッファ層、 10s…基体、 11…第1半導体層、 11f…半導体膜、 11pa…第1部分領域、 11pb…第2部分領域、 11pc…第3部分領域、 12…第2半導体層、 12H…開口部、 12f…半導体膜、 13…第3半導体層、 15a…n形GaN層、 15b…n形Aly1Ga1−y1N層、 15c…p形GaN層、 15d…p形GaN層、 15e…n形Alz1Ga1−z1N領域、 15f…GaN層、 17…n形GaN層、 17f 保護膜、 21…第1電極、 21f…導電膜、 22…第2電極、 23…第3電極、 31…第1絶縁膜、 31a…第1領域、 31b…第2領域、 32…第2絶縁膜、 35…絶縁層、 ΔV…電圧変化、 θ…結合角、 110、100A、110a〜110c、111a〜111i…半導体装置、 180D…ドライバ回路、 181…ケーブル、 200L…発光素子、 200M…モータ、 200S…コイル、 200a〜200i…電気装置、 210、210a〜210c、211、211a、211b、212〜215…電気回路、 250…被制御装置、 C(H)、C(F)、C(N)…濃度、 C1(F)…第1フッ素濃度、 C1(Ga)…ガリウム濃度、 C1(H)…第1水素濃度、 C1(N)…窒素濃度、 C2(F)…第2フッ素濃度、 C2(H)…第2水素濃度、 M1…第1レジスト層、 M2…第2レジスト層、 SP01〜SP04…試料、 Th、Th1、Th2…温度、 Tm…時間、 Tm0…単位時間、 Ts…印加時間、 Ts1…時間、 p1〜p4…第1〜第4位置、 pZ…位置、 t1…第1厚さ

Claims (21)

  1. 窒化物半導体を含む第1半導体層と、
    第1方向において前記第1半導体層と離れた第1電極と、
    前記第1半導体層と前記第1電極との間に設けられ、シリコン及び酸素を含む第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜と前記第1電極との間に設けられた第2絶縁膜と、
    を備え、
    前記第1絶縁膜は、前記第1半導体層と接し、
    前記第1絶縁膜は、前記第1方向の第1厚さを有し、
    前記第1絶縁膜は第1位置を有し、前記第1位置と前記第1半導体層との間の距離は、前記第1厚さの1/2であり、
    前記第1位置におけるフッ素の第1フッ素濃度は、4×1016atoms/cm以下であり、
    前記第1半導体層及び前記第1絶縁膜を含む積層領域は、窒素ピーク位置を有し、
    前記積層領域における窒素の濃度は、前記窒素ピーク位置においてピークとなり、
    前記第1絶縁膜は、第3位置を有し、
    前記第3位置におけるフッ素の第3フッ素濃度は、前記第1位置と前記第1半導体層との間の領域におけるフッ素の濃度のピークであり、
    前記第3位置と前記窒素ピーク位置との間の前記第1方向に沿った距離は、10nm以下であり、
    前記第1フッ素濃度は、前記第3フッ素濃度の0.36倍以下であ
    前記第2絶縁膜に含まれる材料は、前記第1絶縁膜に含まれる材料とは異なる、半導体装置。
  2. 窒化物半導体を含む第1半導体層と、
    第1方向において前記第1半導体層と離れた第1電極と、
    前記第1半導体層と前記第1電極との間に設けられ、シリコン及び酸素を含む第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜と前記第1電極との間に設けられた第2絶縁膜と、
    を備え、
    前記第1絶縁膜は、前記第1半導体層と接し、
    前記第1絶縁膜は、前記第1方向の第1厚さを有し、
    前記第1絶縁膜は第1位置を有し、前記第1位置と前記第1半導体層との間の距離は、前記第1厚さの1/2であり、
    前記第1位置におけるフッ素の第1フッ素濃度は、4×1016atoms/cm以下であり、
    前記第1半導体層及び前記第1絶縁を含む積層領域は、窒素ピーク位置を有し、
    前記積層領域における窒素の濃度は、前記窒素ピーク位置においてピークとなり、
    前記第1絶縁膜は、第3位置を有し、
    前記第3位置におけるフッ素の第3フッ素濃度は、前記第1位置と前記第1半導体層との間の領域におけるフッ素の濃度のピークであり、
    前記第1フッ素濃度は、前記第3フッ素濃度の0.36倍以下であ
    前記第2絶縁膜に含まれる材料は、前記第1絶縁膜に含まれる材料とは異なる、半導体装置。
  3. 前記第3フッ素濃度は、3.5×1017atoms/cm以下である、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記第3フッ素濃度は、2×1016atoms/cm以上である、請求項3記載の半導体装置。
  5. 窒化物半導体を含む第1半導体層と、
    第1方向において前記第1半導体層と離れた第1電極と、
    前記第1半導体層と前記第1電極との間に設けられ、シリコン及び酸素を含む第1絶縁膜と、
    前記第1絶縁膜と前記第1電極との間に設けられた第2絶縁膜と、
    を備え、
    前記第1絶縁膜は、前記第1半導体層と接し、
    前記第1絶縁膜は、前記第1方向の第1厚さを有し、
    前記第1絶縁膜は第1位置を有し、前記第1位置と前記第1半導体層との間の距離は、前記第1厚さの1/2であり、
    前記第1位置におけるフッ素の第1フッ素濃度は、4×1016atoms/cm以下であ
    前記第2絶縁膜に含まれる材料は、前記第1絶縁膜に含まれる材料とは異なる、半導体装置。
  6. 前記第1絶縁膜におけるシリコン−酸素−シリコンの結合角は、142度以上144度未満である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置。
  7. 前記第1絶縁膜は、
    第1領域と、
    前記第1領域と前記第1半導体層との間に位置した第2領域と、
    を含み、
    前記第2領域は、窒素を含み、
    前記第1領域は窒素を含まない、または、前記第1領域における窒素の濃度は、前記第2領域における窒素の濃度よりも低い、請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体装置。
  8. 前記第1絶縁膜は、
    第1領域と、
    前記第1領域と前記第1半導体層との間に位置した第2領域と、
    を含み、
    前記第2領域は、アルミニウム及びガリウムの少なくともいずれかの第1元素を含み、
    前記第1領域は第1元素を含まない、または、前記第1領域における第1元素の濃度は、前記第2領域における第1元素の濃度よりも低い、請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体装置。
  9. 前記第1絶縁膜と前記第1半導体層との間の領域は、第2元素、酸素及び窒素から選択された少なくとも1つを含み、
    前記第2元素は、シリコン、アルミニウム及びガリウムよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体装置。
  10. 第2電極と、
    前記第1方向と交差する第2方向において前記第2電極と離れた第3電極と、
    をさらに備え、
    前記第1半導体層は、
    第1部分領域と、
    第2部分領域と、
    第3部分領域と、
    を含み、
    前記第1部分領域は、前記第2部分領域と前記第3部分領域との間に位置し、
    前記第2部分領域から前記第3部分領域に向かう方向は前記第2方向に沿い、
    前記第2電極は前記第2部分領域と電気的に接続され、
    前記第3電極は前記第3部分領域と電気的に接続され、
    前記第1部分領域から前記第1電極に向かう方向は、前記第1方向に沿う、請求項1〜のいずれか1つに記載の半導体装置。
  11. 第2半導体層と、
    第2電極と、
    第3電極と、
    をさらに備え、
    前記第1電極から前記第2電極に向かう方向は、前記第1方向と交差し、
    前記第3電極と前記第1電極との間、及び、前記第3電極と前記第2電極との間に、前記第1半導体層が位置し、
    前記第2電極は前記第2半導体層と電気的に接続され、
    前記第3電極は前記第1半導体層と電気的に接続された、請求項1〜のいずれか1つに記載の半導体装置。
  12. 前記第2絶縁膜は、異なる材料の複数の絶縁膜を含む、請求項1〜11のいずれか1つに記載の半導体装置。
  13. 前記第2絶縁膜は、窒化シリコン、酸窒化シリコン及び酸化シリコンよりなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項1〜11のいずれか1つに記載の半導体装置。
  14. 窒化物半導体を含む第1半導体層と、
    第1方向において前記第1半導体層と離れた第1電極と、
    前記第1半導体層と前記第1電極との間に設けられ、シリコン及び酸素を含む第1絶縁膜と、
    を備え、
    前記第1絶縁膜は、前記第1半導体層と接し、
    前記第1絶縁膜は、前記第1方向の第1厚さを有し、
    前記第1絶縁膜は第1位置を有し、前記第1位置と前記第1半導体層との間の距離は、前記第1厚さの1/2であり、
    前記第1位置における水素の第1水素濃度は、2.5×1019atoms/cm以下であり、
    前記第1半導体層及び前記第1絶縁膜を含む積層領域は、窒素ピーク位置を有し、
    前記積層領域における窒素の濃度は、前記窒素ピーク位置においてピークとなり、
    前記第1絶縁膜は、第2位置を有し、
    前記第2位置における水素の第2水素濃度は、前記第1位置と前記第1半導体層との間の領域における水素の濃度のピークであり、
    前記第1水素濃度は、前記第2水素濃度の0.041倍以下である、半導体装置。
  15. 前記第2水素濃度は、3×1021atoms/cm以下である、請求項14記載の半導体装置。
  16. 前記第2水素濃度は、2×1019atoms/cm以上である、請求項15記載の半導体装置。
  17. 前記第2位置におけるフッ素の第2フッ素濃度は、3.5×1017atoms/cm以下である、請求項14〜16のいずれか1つに記載の半導体装置。
  18. 前記第1位置におけるフッ素の第1フッ素濃度は、前記第2フッ素濃度の0.36倍以下である、請求項17記載の半導体装置。
  19. 前記第1フッ素濃度は、4×1016atoms/cm以下である、請求項18記載の半導体装置。
  20. 請求項1〜1のいずれか1つに記載の半導体装置を含む電子回路、電源回路、電力変換装置、及びコンピュータの少なくともいずれかを含む電気回路を備えた電気装置。
  21. 前記電気回路は、前記半導体装置により制御される被制御装置を含む、請求項20記載の電気装置。
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