JP6876885B1 - 船舶排ガスの洗浄排水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】スクラバ汚染水を浄化して海洋投棄できる程度までSS濃度及び油分濃度を低下できる船舶排ガスの洗浄排水処理装置の提供。【構成】排ガス再循環ユニット1と、スクラバ排水を貯留するバッファタンク5とを備え、バッファタンク5と排ガス再循環ユニット1との間に、循環ポンプ3を介して大気圧より高圧で循環するスクラバ排水とスクラバ水とのスクラバ循環系が形成されており、バッファタンク5内のスクラバ排水を導入して分離液と固形分に分離する、遠心分離機と膜装置とからなる固液分離機を備え、排水供給配管14と返送配管16とにより固液分離循環系が形成されており、バッファタンク5には、スクラバ循環系と固液分離循環系が各々独立して形成されており、スクラバ循環系におけるバッファタンク5から排ガス再循環ユニット1に供給するスクラバ水は、固液分離循環系で浄化されたスクラバ水を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、船舶排ガスに含まれる汚染物質をスクラバ洗浄により液相に移行して処理する船舶排ガスの洗浄排水処理装置に関し、詳しくはスクラバ汚染水を浄化して海洋投棄できる程度までSS濃度及び油分濃度を低下できる船舶排ガスの洗浄排水処理装置に関する。
船舶のエンジン、発電機、ボイラーで使用される船舶燃料に含まれている硫黄分について、ヨーロッパや米国はすでにSECA(SOx Emission Control Area)を指定し、SECA内では2015年から燃料の硫黄分が0.1%を超えない燃料を使用するように規制している。
一方、MEPC70(第70回海洋環境保護委員会)では、一般海域で使用する燃料油の硫黄分濃度の上限を2020年1月1日から 0.5%に強化する事に決定し,低 硫黄燃料の使用が義務付けることとした。
さらに、国際海事機関(IMO)の第73回海洋環境保護委員会(MEPC 73)にて、非適合燃料油の使用目的での保持禁止が採択され、2020年3月1日から施行される(MARPOL 条約附属書VI第14規則)。
しかしながら、排ガス洗浄装置(スクラバ)を装備した船舶は、船舶のエンジンおよびボイラーの排ガスから硫黄酸化物を除去し、硫黄排出量を許容限度以下のレベルに低減するよう設計されていることから、引き続き0.5%を超えた硫黄含有量の燃料油を保持できるとしている。
かかる背景から、排ガスから硫黄酸化物を除去するための湿式スクラバの存在は、0.5%を超えた硫黄含有量の燃料油を保持できるので、その存在意義はこれまでにも増して重要になってきた。
更に、2016年1月より運用開始され、指定海域(ECA)のときはTier3運転を行う必要がある。そして、指定海域(ECA)での燃料油として適合される適合油は、0.1%硫黄分の燃料油である。その間にEGRを使用していれば、排ガスの処理水の油分濃度が基準を満たしていれば指定海域(ECA)以外での排水が認められる。したがって、この場合の排水監視項目が排水中の油分濃度である。
特許第6177835号公報
船舶排ガスに含まれる環境汚染物質には、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、煤塵、潤滑油の未反応物などが含まれる。
特許文献1では、これらの環境汚染物質をスクラバ洗浄して、汚染されたスクラバ水を遠心分離機によって処理している。煤や油を含む排水を遠心分離機で処理しているが、海への廃棄基準を満足できない場合には、特許文献1では、汚排水タンク(符号19)に貯留している。海への廃棄基準を満足するために特許文献1では、凝集剤を用いて遠心分離機で処理するとしている。
しかし、遠心分離機による処理では、SS濃度の値を200〜300ppm以下に低下させるのは困難である。遠心分離機では固形分は比重差で分離できるが、固形分でないがSS濃度として検出される懸濁成分は、そもそも比重は水と同じであり、遠心分離機で分離することは困難である。
そこで、本発明は、スクラバ汚染水を浄化して海洋投棄できる程度までSS濃度及び油分濃度を低下できる船舶排ガスの洗浄排水処理装置を提供することを課題とする。
また、本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかになる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
船舶排ガスをスクラバ水で洗浄する洗浄部を含むと共に、船舶のエンジンに排ガスの一部を再循環して排ガス中の窒素酸化物の量を減少させる排ガス再循環ユニットと、
前記排ガス再循環ユニットの洗浄部における洗浄により排ガス中の環境汚染物質相を含有するスクラバ排水を貯留するバッファタンクとを備え、
前記バッファタンクと前記排ガス再循環ユニットとの間に、循環ポンプを介して、大気圧より高圧で循環するスクラバ排水とスクラバ水とのスクラバ循環系が形成されており、
前記バッファタンク内のスクラバ排水を導入して、分離液と固形分に分離する、遠心分離機と膜装置とからなる固液分離機を備え、
前記バッファタンク内のスクラバ排水を前記固液分離機へ供給する排水供給配管と、前記固液分離機で分離された分離液を前記バッファタンク内に返送する返送配管とにより、前記バッファタンクと前記固液分離機との間に、固液分離循環系が形成されており、
前記バッファタンクには、スクラバ循環系と固液分離循環系が各々独立して形成されており、
前記スクラバ循環系におけるバッファタンクから前記排ガス再循環ユニットに供給するスクラバ水は、前記固液分離循環系で浄化されたスクラバ水を含むことを特徴とする船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
(請求項2)
前記バッファタンクに、煤と油分を含むスカムを浮上させて除去することにより、前記遠心分離機の処理時間あたりの固形分排出量を抑えるスカム除去装置を備えることを特徴とする請求項1記載の船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
(請求項3)
前記膜装置は、一枚の管板から吊り下げられた中空糸膜を用いた構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載の船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
(請求項4)
前記膜装置は、膜処理された処理水が、pH調整することなく、海への排水基準を満足させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
(請求項5)
前記スクラバ循環系は、前記バッファタンクを介することなく、前記排ガス再循環ユニットに、高圧のスクラバ排水を供給するバイパス流路が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
(請求項6)
前記スクラバ循環系は、前記バッファタンクを介する流路に、バルブが設けられ、
前記流路から分岐する前記バイパス流路に、バイパス用バルブが設けられ、
前記流路及び前記バイパス流路の上流側には、排ガス中の環境汚染物質相を含有するスクラバ排水を、前記バッファタンクに貯留する前に、一次的に貯留する受槽と、pHを計測するpH計が設けられており、
前記受槽には、液面センサーが設けられ、
前記液面センサーによる前記受槽の液面高さと、及び前記pH計のpHとに基づき、前記バルブと前記バイパス用バルブの開度を調整し、前記スクラバ循環系のスクラバ水をコントロールすることを特徴とする請求項5記載の洗浄排水処理装置。
本発明によれば、スクラバ汚染水を浄化して海洋投棄できる程度までSS濃度及び油分濃度を低下できる船舶排ガスの洗浄排水処理装置を提供することができる。
本発明に係る船舶排ガスの洗浄排水処理装置の一例を示すフロー図 本発明に係る遠心分離機の一例を示す図 本発明に係る処理液の分離効率とSS濃度を示すグラフ 本発明に係る膜装置の一例を示す図 本発明に係る船舶排ガスの洗浄排水処理装置の他の一例を示す処理フロー図 実験例3で行った凝集剤の添加がある液と、添加がない液で、エア逆洗を行い、ろ過量と膜フラックスの関係を調べた結果を示すグラフ
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る船舶排ガスの洗浄排水処理装置の一例を示すフロー図である。
はじめに、船舶排ガスの概要を説明する。
化石燃料には硫黄(S)が含まれており、燃焼過程で酸素(O2)と結合することで二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)、亜硫酸(H2SO3)などの硫黄酸化物を発生させる。これらの硫黄酸化物は、特に水に反応し易い性質を持っているため、大気中の酸素と反応し、酸性雨の原因となる硫酸 (H2SO4)を発生させる。
船舶のエンジン、発電機、ボイラーで使用される船舶燃料に含まれている硫黄分について、ヨーロッパや米国はすでにSECA(SOx Emission Control Area)を指定し、SECA内では 2015年から燃料の硫黄分が0.1%を超えない燃料を使用するように規制している。
一方、MEPC70(第70回海洋環境保護委員会)では、一般海域で使用する燃料油の硫黄分濃度の上限を2020年1月1日から0.5%に強化する旨の決定を行い、低硫黄燃料の使用を義務付けることとした。
さらに、国際海事機関(IMO)の第73回海洋環境保護委員会(MEPC73)にて、非適合燃料油の使用目的での保持禁止が採択され、2020年3月1日から施行される(MARPOL条約附属書VI第14規則)。
しかしながら、排ガス洗浄装置(スクラバ)を装備した船舶は、船舶のエンジンおよびボイラーの排ガスから硫黄酸化物を除去し、硫黄排出量を許容限度以下のレベルに低減するよう設計されていることから、引き続き0.5%を超えた硫黄含有量の燃料油を保持できるとしている。
かかる背景から、排ガスから硫黄酸化物を除去するための湿式スクラバの存在は、0.5%を超えた硫黄含有量の燃料油を保持できるので、その存在意義はこれまでにも増して重要になってきた。
ところで、排ガスには、窒素酸化物(NOx)も含まれる。船舶用エンジンでは、この窒素酸化物を利用した排ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)を実施しており、エンジンの燃焼室から排出された排ガスの一部を、エンジンの燃焼室に再循環する。このEGRの意義は、エンジンに供給される酸素濃度が高い掃気(給気)に、酸素濃度がほとんどない排ガスの一部を混合させることにより、給気の酸素濃度を下げられるため、燃焼ガス中の酸素濃度が相対的に減少し、最高燃焼温度が下がり、NOxの量が減少する。
図1には、湿式スクラバによる排ガス再循環機能を持った排ガス再循環ユニット(EGRユニット)1を含むスクラバ循環系SC1が形成されたフローが示されている。
湿式スクラバは、船舶排ガスに含まれる硫黄酸化物SOx、窒素酸化物NOx、煤塵、潤滑油の未反応物(例えば油分)などの環境汚染物質を、スクラバ水を噴射することによって、排ガスに含まれる環境汚染物質相が、気相から液相に移行し、排ガスが洗浄されると共に、環境汚染物質相を含む汚れたスクラバ排水が生産される。
本実施形態においては、EGRユニット1は、洗浄液としてプレスプレー液が供給され、排ガスを洗浄する排ガス洗浄部100、洗浄された排ガスを冷却するEGRクーラ101、スクラバ排水を集めるミストキャッチャ102を備えている。
排ガス洗浄部100は、プレスプレー液が噴射され、排ガスとプレスプレー液とを接触させ、排ガスを洗浄し、排ガスに含まれる汚染物質相を、プレスプレー液に移行させると共に、環境汚染物質相が移行されたプレスプレー液がスクラバ排水として生産される。
EGRクーラ101は、排ガスを冷却する機能を備える。排ガスを冷却する冷却水は、プレスプレー液で噴射した洗浄液を用いることができる。
ミストキャッチャ102は、汚染物質相が移行されたスクラバ排水を集める機能を備える。スクラバ排水中のミストが処理装置に付着し、煤煙のスケールが蓄積し、処理装置、センサー、トランスミッタなどの動作不良となるリスクを軽減する。ミストキャッチャ102により、スクラバ排水に含まれる汚染物質相が、浄化された排ガス側に供給されないようにすることができる。
ミストキャッチャ102を経た浄化された排ガスは、エンジンに供給される掃気に混合されると、掃気の酸素濃度を下げることができる。ミストキャッチャ102を経たスクラバ排水は、受槽2へ流れ、排ガス中の煤や油分などの環境汚染物質相を含んだ凝縮水として回収される。
受槽2の液面が一定になるように、バルブ4の開度を調整し、排ガス中の凝縮水はバッファタンク5に貯められる。
バッファタンク5では、清水を供給できる。清水は、スクラバ循環系をスタートアップする際に、使用される。また、排ガスからの様々な塩が、スクラバのプロセス中にスクラバ水に溶解されるので、塩析沈殿のリスクがあるが、清水を供給すると、塩析沈殿のリスクを減じる。
バッファタンク5内の液はスクラバポンプ6により、配管7及び配管8を介して、排ガス洗浄部100に洗浄液を供給する。洗浄液には、苛性ソーダタンク10からポンプ11を用いて供給される苛性ソーダが含まれる。苛性ソーダを含む洗浄液が排ガスと接触すると、排ガス中の酸性成分である硫酸が中和される。またスクラバポンプ6は、配管7及び配管8及び配管9を介して、洗浄水であるプレスプレー液として洗浄部100に、冷却水としてEGRクーラ101に供給させる。
配管7、配管8及び配管9を介して苛性ソーダを含む洗浄液、即ちスクラバ水は、排ガス洗浄部100、EGRクーラ101、及びミストキャッチャ102を通過して、受槽2に至り、pH調整計12によってpHを測定しながら、苛性ソーダによる硫酸の中和を完全にするために循環ポンプ3により、循環されている。
すなわち、本発明では、バッファタンク5から、スクラバポンプ6を介してスクラバ水を供給しながら、EGRユニット1に循環ポンプ3を介して循環させるスクラバ循環系SC1が形成されている。
また、スクラバ循環系SC1には、バッファタンク5を介することなく、EGRユニット1に、高圧のスクラバ排水を供給するバイパス流路31が形成されていることが好ましい。またバイパス流路31には、バイパス用バルブ30が設けられていることが好ましい。
スクラバ循環系SC1は、受槽2の液面、pH調整計12等のデータに基づき、バルブ4、及びバイパス用バルブ30の開度を調整することにより、スクラバ水のコントロールができる。
そして、高圧のスクラバ水を循環させる際、循環ポンプ3の圧力と、スクラバポンプ6の圧力とを同程度の圧力にすることにより、洗浄液の圧力を所定の圧力でEGRユニット1に供給することができると共に、バイパス流路31からのスクラバ排水の圧力も所定の圧力で供給することができる。
循環ポンプ3の圧力は大気圧より高圧とすることができ、0.3〜0.5MPa程度であることが好ましく、0.4MPaであることがより好ましい。
また、図1には、固液分離循環系SC2を含む循環フローが示されている。
バッファタンク5と固液分離機の一例である遠心分離機15の間には、循環のための排水供給配管14、返送配管16が接続されている。排水供給配管14には排水浄化ポンプ13が設けられ、返送配管16には制御弁17が設けられている。
排水浄化ポンプ13を駆動させ制御弁17を開いて、バッファタンク5内のスクラバ排水を、一定の液面レベルになるまで、遠心分離機15で固液分離処理する。
本発明では、バッファタンク5内のスクラバ排水を遠心分離機15へ供給する排水供給配管14と、前記固液分離機で分離された分離液を前記バッファタンク5内に返送する返送配管16とにより、バッファタンク5と固液分離機である遠心分離機15との間に、固液分離循環系SC2が形成されている。
従って、図1に示すように、本発明におけるバッファタンク5には、スクラバ循環系SC1と固液分離循環系SC2が各々独立して形成されている。このためスクラバ排水の収集を行うスクラバ循環系SC1の運転と、スクラバ排水の浄化を行う固液分離循環系SC2の運転とが独立して行われるので、互いに干渉されずに運転ができる。この結果、安定した運転が可能になる。
スクラバ循環系SC1におけるバッファタンク5からEGRユニット1に供給するスクラバ水には、固液分離循環系SC2で浄化されたスクラバ水を使用できるので、スクラバによる排ガス洗浄を確実に行うことができ、その結果、スクラバ排水を浄化して海洋投棄できる程度までSS濃度を低下できる。
本実施形態において、遠心分離機15による固液分離で、液体側の分離液はバッファタンク5に戻され、固体側の汚泥は配管20を介してEGR汚染水タンク21に貯められ、その汚染水は、陸揚げ供給ポンプ29によって陸揚げされる。
バッファタンク5内が、一定の液面レベルに到達後、固液分離循環系SC2の運転モードとなり、排水浄化ポンプ13出口に凝集剤を添加する。凝集剤は、凝集剤タンク18から凝集剤ポンプ19を介して排水浄化ポンプ13の出口側の排水供給配管14に添加される。
凝集剤の添加により、煤や油等を凝集させて、遠心分離機15の固液分離効果を上げることができる。遠心分離機15で回収できなかった物質は、固液分離機の他の例である膜装置22で全量ろ過方式により除去する。
図1において、排水浄化ポンプ13と遠心分離機15の間の排水供給配管14には、凝集剤の添加部位に図示しないラインミキサーを設けることができる。ラインミキサーによる撹拌により、凝集剤と液の反応を促進させることができる。
またラインミキサーに代えて、滞留時間が30秒以上になる図示しない凝集反応タンクを用いてもよいし、排水供給配管14の長さを、凝集剤ポンプ19の位置から遠心分離機15までの時間が30秒になる程度の配管長さにしてもよい。
凝集剤の添加量は、排水浄化ポンプ13の流量に対して所定の添加濃度になるような流量に設定する。
例えば、凝集剤の添加流量(L/min) = 排水浄化ポンプ流量(L/min) × 凝集剤添加濃度(%)の式において、凝集剤添加濃度は、0.01〜0.1%の範囲で一定の濃度を選定することが好ましく、エンジン負荷毎に変動させることはしない方が好ましい。
遠心分離機15の処理液は、配管23を介して膜装置22に送液される。24は配管23に設けられる制御弁である。制御弁24は、膜装置の処理能力に応じて開度を調整することができる。
膜装置22を通過後、排水監視モニター25で排水基準値以下であることを確認し、問題なければ海へ放出する。
図1に示す例では、排水監視モニター25が、膜装置22を通過した膜処理液を全量監視する場合の構成の一例が示されている。
膜装置22を通過した膜処理液については、装置の省スペース化、装置の仕様(例えば、流量)上の制限の観点から、部分監視をすることが好ましい。更に、条約による排水監視規制に関しても部分監視による監視でも問題なく対処できる。部分監視は、膜装置22を通過した膜処理液の一部を、後述する分岐流路40に分岐させて、分岐させた膜処理液を、排水監視モニター25で監視する。詳細は、後述する。
遠心分離機15の処理液を膜装置22で膜処理した場合には、排水基準値を超えることは少ないと思われるが、遠心分離機15の処理液を、膜装置22を介さずに海へ放流する場合には、排水基準値以上となることもあるので、排水監視モニター25の値によって、海へ放出するか、バッファタンク5へ戻すかの切り替えは、3方弁26によって行う。
海への放流の際の排水監視基準は、国際海事機関(IMO)において、排ガス処理装置の洗浄水に対して定められており、排水監視モニター25で、濁度、pH、PAHs(多環芳香族炭化水素)濃度を監視する。
なお、指定海域においては、指定海域における適合油0.1%硫黄分の燃料油を用いている場合には、EGRによる排ガスの洗浄水の油分濃度が所定の排水基準を満たしていれば、指定海域以外で排水ができるので、指定海域における適合油を使用した場合の排ガス処理装置を使用して生成された処理水については、油分濃度を排水監視基準として監視する。適合油以外の場合は、上記に加えて、硝酸塩 を排水監視項目に加えて監視する。
本発明の好ましい態様としては、膜装置22を経て戻された膜処理水、及び排ガス中の凝縮水が貯留されたバッファタンク5には、図示しないオーバフロー管で、EGRドレインタンク27へ流れるように構成される。そのように構成すると、バッファタンク5内から貯留液があふれることはない。また、EGRドレインタンク27からバッファタンク5へ戻す流路を形成してもよい。
本実施形態においては、スクラバ循環系SC1からバッファタンク5に到る流路に、煤と油を浮かせたスカムを浮上させるための気泡が発生する気泡発生部が設けられていることが好ましい。気泡発生部は、例えば、スクラバ循環系SC1からバッファタンク5に到る流路に設けられたバルブ4が減圧弁等の減圧機構であることが好ましい。本実施形態においては、気泡発生部は、結果としてバッファタンク5内にある煤と油をスカム化させる気泡が発生する機構が備わっていれば、減圧機構に限定されない。
例えば、ここで、スクラバ排水に溶解していたガスは、スクラバ循環系SC1における大気圧より高圧のスクラバ水と、排ガスとの接触により、生成されたスクラバ排水に溶解したガスである。このガスが溶解された高圧のスクラバ排水が、減圧弁であるバルブ4を開放することにより、大気圧に減圧され、スクラバ排水に溶解していたガスが放散され気泡として発生する。この発生した気泡を利用することで、バッファタンク5内の煤や油分をスカムとして浮上させることができる。
また、例えば、本実施形態においては、バルブ4を減圧弁としてでなく、開閉弁として機能させ、スクラバ循環系SC1からバッファタンク5に到る流路に気液混合器を設けることも好ましい。
気液混合器は、外気と流路とを繋げる配管を、スクラバ循環系SC1からバッファタンク5に到る流路に設け、該配管からエジェクター作用を利用することができる。これにより、大気気圧より高圧のスクラバ排水が流れているため、装置周囲の空気を高圧のスクラバ排水に混合させることができる。この結果、バッファタンク内で煤や油分をスカム化させる気泡を発生させることができる。
バッファタンク5には、定期的にスカムを回収するスカム除去装置を備えていることが好ましい。
図1において、バッファタンク5内のスカムは、スカム排出配管28を介してEGR汚染水タンク21に送られる。
本態様では、バッファタンク5は、煤と油を気泡で浮かせた集合物をスカムとして発生させるタンク構造となっているため、バッファタンク5において、煤と油を気泡で浮かせた集合物を除去でき、このため汚染されたスクラバ排水中の固形分が除去される。このため、スカム除去されずに、スクラバ排水を導入し、遠心分離機15で処理する場合に比べて、遠心分離機15の処理時間あたりの固形分排出量を抑えられ、遠心分離機15の処理時間を長くすることができる。
また場合によっては、このスカム処理と膜装置22による膜処理だけで、処理液の海への放流規制値を満足できる場合もある。この場合、遠心分離機15は、膜装置22の前処理装置として機能させることができる。
次に、煤や凝集物を固形分として処理回収する固液分離機の一例として、遠心分離機15について、図2に基づいて説明する。
遠心分離機15のロータ150は、回転軸Xを中心にして回転するように構成され、分離チャンバ151でスクラバ排水の固液分離を行い、分離液と固形分に分離する。
分離チャンバ151は、液体の効率的な分離を実現するために円錐台形の分離板152を複数枚積み重ねて構成されている。
処理対象となる汚水は、ロータ150の中まで伸びる入口パイプ153を介して上部入口154から供給される。
分離水は、分離液排出管155を介して分離液出口156に排出される。
ロータ150の下部には、固液分離された沈殿物などの高密度の成分を排出するための出口157がスラッジスペース158に設けられている。
汚染された液は装置の上部入口154より入り、分離板152内に供給され、遠心力によって比重が重いものはスラッジスペース158に蓄積され、比重が軽いものは出口156へ流れる。
スラッジスペース158に蓄積するものは、定期的に排出する必要がある。スラッジスペース158に蓄積したものを適切に排出しない場合、蓄積したものが巻き起こり、出口側にスラッジが混入することがある。
このことを検証した実験例を図3に示す。図2に示す遠心分離機15を用いて、原液の供給量12.7(L/min)、原液のSS濃度723.6(mg/L)、凝集剤添加濃度0.09%として、処理液のSS濃度を分析し、分離効率(%)=(原液のSS濃度−処理液のSS濃度)/(原液のSS濃度)の式により、分離効率を求め、その推移を図3に示す。
図3より、処理液のSS濃度は時間経過とともに増加していることがわかる。このことにより、出口側にスラッジが混入して行っていることが推察される。
膜装置22による処理は、固液分離の2段目の処理であり、遠心分離機15で回収処理できなかった固形物を回収する。膜装置22を含めることによって、遠心分離機15では回収処理できなかった固形物を回収できるだけでなく、膜処理後の処理水を、pH調整することなく、海への排水基準を確実に満足させる程度に高めることができる。
膜装置22の制御方法としては、差圧を一定として流量低下を確認する方法と、流量を一定として差圧上昇を確認する方法とが挙げられる。
後述する実験例(実験例3)では、差圧を一定として流量低下を確認する方法により実験したが、実施形態においては、いずれを用いてもよい。
膜としては、中空糸膜が用いられる。中空糸膜の材質は、例えば親水化ポリフッ化ビニリデン(PVD)が好ましく用いられる。
膜のろ過方式には、全量ろ過方式とクロスフローろ過方式があるが、本発明では全量ろ過方式が好ましい。どちらのろ過方式においても、定期的に洗浄を行うことが好ましい。
また、不純物が油分等の粘着性があるものでは、エアによる逆洗浄でもろ過性能が復旧しない場合もあるので、本発明では、油分等の粘着性があるものに対する対策が望ましい。本発明では、油分は、遠心分離機15によって煤と共に回収処理されるか、あるいは好ましい態様としてスカム処理によって遠心分離機15の前段階で処理できれば膜処理で油分の影響は少ない。
本発明に好ましく用いることができる膜装置の一例を図4に基づいて説明する。
図4において、220は膜装置本体であり、円筒状に形成されている。
上部は、処理液貯留部221が形成され、処理液配管222が設けられている。処理液貯留部221の下部には、多数の中空糸膜223が吊り下げられている。
中空糸膜223の上部は、原液供給部224と処理液貯留部221とを仕切る管板225に埋設されている。複数の中空糸膜(膜モジュール)223は処理液貯留部221にその先端が開口するように、管板225に固定されている。
本発明では、一枚の管板225から複数の中空糸膜(膜モジュール)223が吊り下げられた構造が好ましい。
管板225に複数の中空糸膜223を固定する手法は格別限定されないが、例えば複数の中空糸膜223の周りに管板材料となる樹脂や接着剤を用いて中空糸膜223を固定するようにしてもよい。樹脂や接着剤が硬化することにより管板225が形成される。
中空糸膜223の上部は管板225を突き抜けて処理液貯留部221に開口している。中空糸膜223の下部は、原液供給部224内に吊り下げられている。
中空糸膜223の表面には細孔が形成されており、外部からの圧力で、原液を中空糸の内部にろ過するか、あるいは中空糸膜223の中空を吸引してろ過できる。
中空糸膜223の下部の先端は原液供給部224内で開口することがない。原液のコンタミを防止するためである。図4では、隣接する膜同士でU字状に接続する態様が示されているが、これに限定されず、先端を密封する等の原液供給部224内で開口することがないように構成されていればよい。
原液供給部224に原液を供給するのは、原液供給管226である。原液供給管226は、膜装置本体220の中心の下方から上方に向かって設けられている。原液供給管226には、原液排出部227が複数設けられている。
原液供給管226には、給水ポンプ228(排水浄化ポンプ13を用いることもできる)、圧力計229(PI-1)、制御弁AV1、供給管230が接続されている。
また原液供給管226には、エア供給源(図示せず)、流量計231(FI-3)、制御弁AV8、エア供給配管232が接続されている。
処理液配管222には、圧力計233(PI-2)、制御弁AV2、流量計234(FI-1)が設けられている。
また処理液配管222には、エア供給配管235、制御弁AV5が接続されている。
ドレン管236は、膜装置本体220の下部に形成され、ドレン管237は、膜装置本体220の上部に形成されている。
ドレン管236には、ドレン抜き配管238が接続され、制御弁AV4が設けられている。ドレン管237には、ドレン抜き配管239を介してドレン抜き配管238に接続されている。ドレン管237には、制御弁AV3が接続されている。
エア供給配管240は、エア供給源(図示せず)、流量計241(FI-2)、制御弁AV6が設けられ、膜装置本体220下部に接続されている。
また処理液配管222からドレン抜き配管242が設けられ、制御弁AV7を有している。
以上の膜装置22を運転する手法の一例を説明する。
まず、膜モジュール内部に原水を充填してエア抜きを行う。図4に示す制御弁は、AV1(開)、AV3(開)とし、それ以外の制御弁AV2、AV4〜AV8は閉とした。
次に、原水を中空糸膜でろ過、固液分離する。制御弁は、AV1(開)、AV2(開)とし、それ以外のAV3、AV4〜AV8は閉とした。
次に、処理液貯留部221側からエアを加圧し、中空糸膜内に残っている処理水で逆洗する。制御弁は、AV4(開)、AV5(開)とし、それ以外のAV1、AV2、AV3、AV6〜AV8は閉とした。
次に、エア供給配管240から供給されるエアバブルで中空糸膜を下部より揺らし膜表面に付着した汚染物を剥離させる。制御弁は、AV3(開)、AV6(開)とし、AV1、AV2、AV4、AV5、AV7、AV8は閉とした。
次に、エア供給配管232から原液供給管226の原液排出部227から供給されるエアバブルで中空糸膜を上部より揺らし膜表面に付着した汚染物を剥離させる。制御弁は、AV8(開)、AV3(開)とし、AV1、AV2、AV4、AV5、AV6、AV7は閉とした。
次に、剥離物を含む水を加圧排出する。制御弁は、AV8(開)、AV4(開)とし、AV1、AV2、AV3、AV5、AV6、AV7は閉とした。
また本発明では、中空糸膜は全量ろ過方式を用いており、遠心分離機15で分離液に混入した気泡は透過させないため、定期的にエアを抜くことが好ましい。
具体的には、膜処理前に、エア量が多い場合は抜けきらないことや、制御弁(AV3)を開けっ放しにしておくとドレン量が多くなるため、所定時間、制御弁(AV3)を開き、原水を充水させつつ、エア抜きを行うことが好ましい。これにより、分離液に混入した気泡を膜処理前に除去し、安定した膜処理を行うことができる。
また、処理工程中エア抜き弁は使用しないため、分離液に混入した気泡が、蓄積しやすいため、膜処理後、エアによる逆洗を行った後、膜処理前に、エア抜きを行う。つまり、膜処理前に、定期的なエア抜きを行うことにより、膜処理を安定して行うことができる。更に、膜処理中にも、所定時間間隔でエア抜き用の制御弁を一定時間開けてエア抜きを行うことにより、より安定した膜処理を行うことができる。
エアを抜く方法としては、エア抜用の制御弁を設ける方法や間欠的にエアをドレン抜きのための制御弁(AV3)より開くことにより行うことができる。エアの排出先は EGRドレインタンク27に限らず、バッファタンク5でもよい。
次に、上述した部分監視を行う態様を、図5に基づいて説明する。
図5は、船舶排ガスの洗浄排水処理装置の他の一例を示す処理フロー図である。図5において、図1と同一符号の部位は、同一の構成であるので、その説明を省略する。
図5に示すように、洗浄排水処理装置は、膜装置22を通過した膜処理液の一部を抜き取る分岐流路40を設けることが好ましい。本実施形態においては、分岐流路40に排水監視モニター25を設け、抜き取られた膜処理液を、部分監視することが好ましい。部分監視された膜処理液は、再びバッファタンク5にもどされる。
膜装置22を通過した膜処理液は、溶存していたガスが抜けきらず放散されて気泡となる場合がある。この場合、光学式センサーを備えた排水監視モニター25が誤検知する場合がある。この排水監視モニター25の誤検知を防止するために、脱泡装置41を設けることが好ましい。脱泡装置61を設けることにより、安定的な計測をすることができる。脱泡装置41としては、脱泡する機能をもっているものであればよく、例えば、中空糸膜装置や真空装置が挙げられる。
また、運転を継続していくと、膜装置22は目詰まりしていき、膜の入口圧力が上昇する場合がある。このため、膜装置22の前後で圧力差が生じ、膜装置22を通過した膜処理液に、溶存ガスが増加する場合がある。この場合であっても脱泡装置41を設置することにより、安定的な計測をすることができる。更に、本実施形態によれば、全量を監視するものではないため、脱泡装置41を小型化することができる。
以上のとおり、本実施形態によれば、部分監視にすることにより、排水監視モニターや脱泡装置といった装置全体の省スペース化に寄与でき、更に、装置全体の流量に仕様上の制限があっても、分岐流路に分岐する流量を図示しないバルブ等で調整することにより、処理液の監視状態を維持できる。更に、条約による排水監視規制に関しても部分監視による監視で問題なく対処することができる。
以下、実施例(実験例)について説明する。
実験例1
1.遠心分離機入口のスクラバ排水、遠心分離機出口(膜装置入口)の分離液、及び膜装置出口の膜処理液を採取して、成分を分析すると共に、pHを測定した。
2.結果
各液の成分の分析結果、及び計測されたpHの結果を表1に示した。
Figure 0006876885
3.評価
膜装置出口で採取した膜処理液のpHは、8であり、遠心分離機入口のスクラバ排水のpHは、7.2、遠心分離機出口の分離液のpHは、7.5であった。
膜処理液のpHが高くなった要因は、主に液中の塩化物イオン、硫酸イオン(SO 2−)、硝酸イオン(NO )イオンが、膜で除去されたためと推定される。
実験例2
1.サンプルは、以下のものを用いた。
サンプル1:遠心分離機入口のスクラバ排水
サンプル2:遠心分離機出口の分離液
サンプル3:膜装置出口の膜処理液
2.凝集剤
塩基性塩化アルミニウムとジメチルアミン−エピクロロヒドリン共重合体の混合液体(重量比1:1)を使用した。
添加量は、添加濃度が0.05%となるように添加した。
3.結果
凝集剤の添加効果をポータブル濁度計で濁度値を計測し、その結果を表2に示した。
Figure 0006876885
表2より、凝集剤を添加したことで、遠心分離機出口及び膜装置出口の濁度が低下することがわかった。
実験例3
実験例2で行った凝集剤の添加がある液と、添加がない液で、ろ過量50L/m毎でエア逆洗を行い、ろ過量と膜フラックスの関係を調べた。
凝集剤添加なし、凝集剤添加0.05%、凝集剤添加0.1%の各々について実験した。
その結果を図6に示した。
この実験結果から、凝集剤の添加なしの場合、エア逆洗をかけたが、フラックスは復旧することはなったが、凝集剤を0.05%、0.1%添加したサンプルでは、エア逆洗することで、フラックスが復旧することがわかった。
凝集剤を添加したことで、液中の煤や油分が電荷的に中和すると共に、粗大化し、逆洗で除去できるようになったものと考えられる。
1:EGRユニット
2:受槽
3:循環ポンプ
4:バルブ
5:バッファタンク
6:スクラバポンプ
7、8、9:配管
10:苛性ソーダタンク
11:ポンプ
12:pH調整計
13:排水浄化ポンプ
14:排水供給配管
15:遠心分離機(固液分離機)
16:返送配管
17:制御弁
18:凝集剤タンク
19:凝集剤ポンプ
20:配管
21:EGR汚染水タンク
22:膜装置(固液分離機)
23:配管
24:制御弁
25:排水監視モニター
26:3方弁
27:EGRドレインタンク
28:スカム排出配管
29:陸揚げ供給ポンプ
30:バイパス用バルブ
31:バイパス流路
40:分岐流路
41:脱泡装置
SC1:スクラバ循環系
SC2:固液分離循環系

Claims (6)

  1. 船舶排ガスをスクラバ水で洗浄する洗浄部を含むと共に、船舶のエンジンに排ガスの一部を再循環して排ガス中の窒素酸化物の量を減少させる排ガス再循環ユニットと、
    前記排ガス再循環ユニットの洗浄部における洗浄により排ガス中の環境汚染物質相を含有するスクラバ排水を貯留するバッファタンクとを備え、
    前記バッファタンクと前記排ガス再循環ユニットとの間に、循環ポンプを介して、大気圧より高圧で循環するスクラバ排水とスクラバ水とのスクラバ循環系が形成されており、
    前記バッファタンク内のスクラバ排水を導入して、分離液と固形分に分離する、遠心分離機と膜装置とからなる固液分離機を備え、
    前記バッファタンク内のスクラバ排水を前記固液分離機へ供給する排水供給配管と、前記固液分離機で分離された分離液を前記バッファタンク内に返送する返送配管とにより、前記バッファタンクと前記固液分離機との間に、固液分離循環系が形成されており、
    前記バッファタンクには、スクラバ循環系と固液分離循環系が各々独立して形成されており、
    前記スクラバ循環系におけるバッファタンクから前記排ガス再循環ユニットに供給するスクラバ水は、前記固液分離循環系で浄化されたスクラバ水を含むことを特徴とする船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
  2. 前記バッファタンクに、煤と油分を含むスカムを浮上させて除去することにより、前記遠心分離機の処理時間あたりの固形分排出量を抑えるスカム除去装置を備えることを特徴とする請求項1記載の船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
  3. 前記膜装置は、一枚の管板から吊り下げられた中空糸膜を用いた構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載の船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
  4. 前記膜装置は、膜処理された処理水が、pH調整することなく、海への排水基準を満足させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
  5. 前記スクラバ循環系は、前記バッファタンクを介することなく、前記排ガス再循環ユニットに、高圧のスクラバ排水を供給するバイパス流路が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の船舶排ガスの洗浄排水処理装置。
  6. 前記スクラバ循環系は、前記バッファタンクを介する流路に、バルブが設けられ、
    前記流路から分岐する前記バイパス流路に、バイパス用バルブが設けられ、
    前記流路及び前記バイパス流路の上流側には、排ガス中の環境汚染物質相を含有するスクラバ排水を、前記バッファタンクに貯留する前に、一次的に貯留する受槽と、pHを計測するpH計が設けられており、
    前記受槽には、液面センサーが設けられ、
    前記液面センサーによる前記受槽の液面高さと、及び前記pH計のpHとに基づき、前記バルブと前記バイパス用バルブの開度を調整し、前記スクラバ循環系のスクラバ水をコントロールすることを特徴とする請求項5記載の洗浄排水処理装置。
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