JP6873346B2 - 通信装置、通信システム、通信方法及び通信プログラム - Google Patents
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Description
送信側の通信装置と受信側のサーバとが、通信データ中のデータ断片であるデータパターンと、データ断片を一意に示すデータ断片よりデータサイズの小さい符号であるパターンコードとの組が登録された辞書を共有しておく。通信装置は、通信データを送信する場合には、通信データに含まれるデータパターンを辞書に従ってパターンコードに変換して通信データのデータ量を圧縮した上でサーバに送信する。サーバは、データを受信すると、通信データに含まれるパターンコードを辞書に従ってデータパターンに変換して通信データを元の状態に展開する。
設定パラメータとは、上述した手順の例であれば、辞書に登録されているデータパターンとパターンコードとの組である。上述した手順の例では、辞書に登録可能なデータパターンとパターンコードとの組の数は予め上限が定められることが多い。そのため、通信データにおける辞書に登録されたデータパターンの出現頻度が高いほど通信データのデータ量の削減効果は高くなる。一方、通信データに1つも辞書に登録されたデータパターンが含まれなければ、通信データ量は全く減らない。
この発明は、定常的なリソースの使用量を抑えて設定パラメータの調整を可能にすることを目的とする。
通信データを取得するデータ取得部と、
通信の相手先装置との間で共有した設定パラメータに基づき、前記データ取得部によって取得された前記通信データを加工して前記通信データを圧縮した加工データを生成するデータ加工部と、
複数の動作モードの切り替えを行うモード管理部と、
前記モード管理部によって切り替えられる前記複数の動作モードのうち一部の動作モードで動作している場合に前記データ取得部によって取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をし、他の動作モードで動作している場合に前記データ取得部によって取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をしない設定調整部と
を備える。
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る通信システム100の構成を説明する。
通信システム100は、複数の通信装置10と、サーバ20とを備える。通信システム100は、複数の通信装置10の通信データを無線網30とネットワーク40とを介して逐次サーバ20に収集するシステムである。
無線網30は、通信装置10とネットワーク40を接続するための無線を用いた通信路である。ネットワーク40は、広い地域に位置する装置間の通信を行うための通信路であり、例えば、インターネット又は企業等の専用の広域網である。なお、各通信装置10とサーバ20とは、無線網30及びネットワーク40に限らず、何らかの通信路を介して接続されていればよい。
通信装置10は、プロセッサ11と、ROM12(Read Only Memory)と、RAM13(Random Access Memory)と、無線モデム14と、アンテナ15と、1つ以上のセンサ16と、タイマ17と、不揮発性メモリ18と、通信バス19とを備える。
通信装置10は、ROM12に代えて、SD(登録商標,Secure Digital)メモリカード、CF(CompactFlash,登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記録媒体を備えてもよい。
アンテナ15は、無線網30と無線通信するためのアンテナである。
ここでは、センサ16は通信装置10に実装される構成としている。しかし、センサ16が通信装置10の外部に設けられてEthernet(登録商標)とRS232CとCAN(Controller Area Network)といった通信路によって接続される構成であってもよい。
センサ16は、温度センサと、湿度センサと、加速度センサと、カメラと等である。そのため、通信データは、温度と、湿度と、加速度と、画像データと等である。なお、これに限らず、通信データは、車両のハンドル角度と車両の位置情報といった車両機器の情報であってもよい。
サーバ20は、プロセッサ21と、HDD22(Hard Disk Drive)と、RAM23と、通信モデム24と、通信バス25とを備える。
サーバ20は、HDD22に代えて、SD(登録商標,Secure Digital)メモリカード、CF(CompactFlash,登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD(Digital Versatile Disk)といった可搬記録媒体を備えてもよい。
通信装置10は、機能構成要素として、データ取得部111と、モード管理部112と、データ加工部113と、設定調整部114と、設定変更部115と、送信部116とを備える。通信装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ROM12には、通信装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりRAM13に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、通信装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
サーバ20は、機能構成要素として、通信部211と、データ復元部212と、設定調整部213とを備える。サーバ20の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
HDD22には、サーバ20の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ21によりRAM23に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。これにより、サーバ20の各機能構成要素の機能が実現される。
図6から図23を参照して、実施の形態1に係る通信システム100の動作を説明する。
実施の形態1に係る通信システム100の動作は、実施の形態1に係る通信方法に相当する。また、実施の形態1に係る通信システム100の動作は、実施の形態1に係る通信プログラムの処理に相当する。
しかし、設定パラメータ51は、上述した辞書に限らず、他の圧縮方式におけるパラメータであってもよい。
通信装置10が起動するとデータ取得部111の動作が開始される。
ステップS1001では、データ取得部111は、いずれかのセンサ16から通信データを取得したか否かを判定する。データ取得部111は、通信データを取得した場合には、処理をステップS1002に進める。一方、データ取得部111は、通信データを取得していない場合には、一定時間経過後に再び通信データを取得したか否かを判定する。
ステップS1002では、データ取得部111は、取得された通信データをデータ加工部113に送信する。ここで、機能構成要素間で通信データ等のデータを送信する場合には、プロセス間通信、あるいは、RAM13を介したデータの受け渡しが用いられる。
通信装置10が起動するとモード管理部112の動作が開始される。
ステップS1101では、モード管理部112は、調整待ち時間TM0を決定する。モード管理部112は、予め決められた最小調整待ち時間TMMINと最大調整待ち時間TMMAXとに対し、TMMIN≦TM0≦TMMAXを満たすランダムな値を調整待ち時間TM0として決定する。ステップ1102では、モード管理部112は、調整待ち時間TM0をタイムアウト時間に設定してタイマ17を起動する。
モード管理部112は、通常モードに設定されている場合には処理をステップS1106に進める。モード管理部112は、検出モードに設定されている場合には処理をステップS1108に進める。モード管理部112は、調整モードに設定されている場合には処理をステップS1110に進める。
そして、ステップS1112で、モード管理部112は、検出時間TCiをタイムアウト時間に設定してタイマ17を起動する。
そして、ステップS1112で、モード管理部112は、調整時間TSiをタイムアウト時間に設定してタイマ17を起動する。
そして、ステップ1112で、モード管理部112は、調整待ち時間TMiをタイムアウト時間に設定してタイマ17を起動する。
図8を参照して説明したように、モード管理部112は、タイマ17を用いてランダムな時間間隔で、通信装置10の動作モードを通常モードから検出モードへ、検出モードから調整モードへ、調整モードから通常モードへと順番に切り替える。
そのため、図9に示すように、時刻t0で通信装置10が起動すると、初めに調整待ち時間TM0だけ通常モードが実行される。次に、調整待ち時間TM0経過した時刻t1から検出時間TC0だけ検出モードが実行され、続いて時刻t2から調整時間TS0だけ調整モードが実行される。次に、時刻t3から調整待ち時間TM1だけ通常モードが実行され、続いて時刻t4から検出時間TC1だけ検出モードが実行され、続いて時刻t5から調整時間TS1だけ調整モードが実行される。以下同様に通常モードと検出モードと調整モードとがランダムな時間間隔で繰り返される。
図7のステップS1002でデータ取得部111から通信データが送信されるとデータ加工部113の動作が開始される。
ステップS1201では、データ加工部113は、通信の相手先装置であるサーバ20との間で共有した設定パラメータ51に基づき、ステップS1002で送信された通信データを加工して、通信データを圧縮した加工データを生成する。
具体的には、データ加工部113は、設定パラメータ51に登録されているデータパターンを通信データから検索し、一致する部分をデータパターンに対応するパターンコードに置き換える。例えば、図11に示すように、パターンコードのデータ形式は、「1(1bit)+パターンコード(7bit)」の合計8bitになっている。そこで、データ加工部113は、通信データにデータパターンと一致する部分がある場合には、その部分を「1(1bit)+パターンコード(7bit)」に置き換える。パターンコードに変換できなかった残りの部分は、図12に示すように、「0(1bit)+通信データのビット長(7bit)+通信データ」のデータ形式に置き換える。これにより、データ加工部113は、図13に示すようなデータ形式の加工データを生成する。
ステップS1203では、データ加工部113は、ステップS1201で加工した後の通信データである加工データを送信部116に送信する。すると、図14に示すように、送信部116は、加工データの先頭に種別を示す8bitの識別子を付してデータメッセージを生成し、無線モデム14を制御してデータメッセージをサーバ20に送信する。
図10のステップS1202でデータ加工部113から通信データが送信されると設定調整部114の動作が開始される。
ステップS1301では、設定調整部114は、通信装置10が通常モードと検出モードと調整モードとのどの動作モードに設定されているかを判定する。設定調整部114は、通常モードに設定されている場合には処理をステップS1306に進める。設定調整部114は、検出モードに設定されている場合には処理をステップS1302に進める。設定調整部114は、調整モードに設定されている場合には処理をステップS1305に進める。
ステップS1306では、設定調整部114は、パターンテーブル52にデータが登録されているか否かを判定する。設定調整部114は、パターンテーブル52にデータが登録されている場合には、処理をステップS1307に進める。一方、設定調整部114は、パターンテーブル52にデータが登録されていない場合には、処理を終了する。
通信装置10が起動した直後はパターンテーブル52にデータは登録されていないので、設定調整部114は処理を終了する。
ステップS1302では、設定調整部114は、パターンテーブル52にデータが登録されているか否かを判定する。設定調整部114は、データが登録されていない場合には、処理をステップS1303に進める。一方、設定調整部114は、データが登録されている場合には、処理をステップS1304に進める。
検出モードの期間に入って初めて実行されたステップS1302では、パターンテーブル52にデータが登録されていないので、処理がステップ1303に進められる。ステップS1303では、設定調整部114は、設定パラメータ51に登録されているデータパターンをパターンテーブル52にコピーする。検出モードの期間に入って2度目以降に実行されたステップS1302では、パターンテーブル52にデータが登録されているので、ステップS1303はスキップされる。
ステップS1304では、設定調整部114は、ステップS1202で送信された通信データからデータパターンを抽出し、パターンテーブル52に登録する。なお、設定調整部114は、1回の検出モード中、すなわち時刻t1〜時刻t2の期間中にデータ加工部113によって送信された1回分の通信データそれぞれからデータパターンを抽出するようにしてもよいし、1回の検出モード中にデータ加工部113によって送信された通信データ全体からデータパターンを抽出するようにしてもよい。
ステップS1305では、設定調整部114は、ステップS1202で送信された加工前の通信データからパターンテーブル52に登録されているデータパターンを検索する。設定調整部114は、データパターンが検索された場合には、そのデータパターンの出現回数をインクリメントする。これにより、図16に示すように、パターンテーブル52に登録された各データパターンの出現回数がカウントされる。なお、設定調整部114は、1回の調整モード中、すなわち時刻t2〜時刻t3の期間中にデータ加工部113によって送信された1回分の通信データそれぞれからデータパターンを検索するようにしてもよいし、1回の調整モード中にデータ加工部113によって送信された通信データ全体からデータパターンを検索するようにしてもよい。
図9の時刻t1〜時刻t2において、パターンテーブル52にデータが登録されている。そのため、ステップS1306では、設定調整部114は、処理をステップS1307に進める。
ステップS1307では、設定調整部114は、パターンテーブル52に基づき調整パラメータ53を生成する。具体的には、設定調整部114は、設定パラメータ51のデータパターンの登録数の上限になるまで、パターンテーブル52に登録されたデータパターンを出現回数が多いものから順に抽出する。そして、設定調整部114は、抽出されたデータパターンと、そのデータパターンに対応するデータコードとの組を調整パラメータ53に登録する。データパターンに対応するデータコードは、事前に決められたルールに基づき設定される。
ステップS1308では、設定調整部114は、パターンテーブル52に登録されたデータを全て削除する。ステップS1309では、設定調整部114は、設定変更部115をコールする。
図15のステップS1309で設定調整部114によってコールされると設定変更部115の動作が開始される。
ステップS1401では、設定変更部115は、設定パラメータ51のデータを全て削除する。これにより、後述するステップS1404で設定パラメータ51の変更が終了するまで、通信データは、全て加工なしのデータ形式で通信装置10からサーバ20に送信されることになる。
ステップS1402では、設定変更部115は、調整パラメータ53を送信部116に送信する。すると、図18に示すように、送信部116は、調整パラメータ53の先頭に種別を示す8bitの識別子を付してパラメータ変更メッセージを生成し、無線モデム14を制御してパラメータ変更メッセージをサーバ20に送信する。
ステップS1403では、設定変更部115は、サーバ20からパラメータ変更応答が送信されるまで待つ。設定変更部115は、サーバ20からパラメータ変更応答が送信されると処理をステップS1404に進める。図19に示すように、パラメータ変更応答は、種別を示す8bitのデータである。パラメータ変更応答が送信されたことは、サーバ20が調整パラメータによる調整を終了したことを意味する。
ステップS1404では、設定変更部115は、調整パラメータ53を設定パラメータ51にコピーする。これにより、設定パラメータ51の変更が終了する。以降、通信装置10とサーバ20とは、新しい設定パラメータ51を用いて処理を行うことになる。
通信部211は、図10のステップS1203で通信装置10からデータメッセージが送信されると、データメッセージを受信する。そして、通信部211は、データメッセージから8bitの識別子を除いた部分、つまり加工データを、データメッセージの送信元のIP(Internet Protocol)アドレスとともにデータ復元部212に送信する。加工データが送信されるとデータ復元部212の動作が開始される。
図21に示すように、端末テーブル61は、通信装置10毎に、端末IDと、端末種別と、IPアドレスと、設定パラメータIDとを記憶する。端末IDは、通信装置10の識別子である。端末種別は、通信装置10の役割等を示す。IPアドレスは、通信装置10のIPアドレスである。設定パラメータIDは、通信装置10の設定パラメータの識別子である。データ復元部212は、加工データの送信元のIPアドレスで端末テーブル61を検索することにより、通信装置10の設定パラメータIDを取得する。
なお、図21では、通信装置10のIPアドレスとしてIPv4のアドレスを使用しているが、IPv6のアドレスを用いてもよい。また、IPアドレスに代えてMAC(Media Access Control)アドレスといった他のアドレスを用いてもよい。また、IPアドレスとは別に端末IDを設けているが、端末IDを設けなくてもよい。
具体的には、データ復元部212は、加工データにおける図12に示すデータ形式部分は、該当部分の先頭の0(1bit)とビット長(7bit)とを削除し、ビット長が表す通信データ部分を取り出す。また、データ復元部212は、加工データにおける図11に示すデータ形式部分は、設定パラメータからパターンコードを検索し、対応するデータパターンに置き換える。
通信部211は、図17のステップS1402で通信装置10からパラメータ変更メッセージが送信されると、パラメータ変更メッセージを受信する。そして、通信部211は、パラメータ変更メッセージから8bitの識別子を除いた部分、つまり調整パラメータを、パラメータ変更メッセージの送信元のIPアドレスとともに設定調整部213に送信する。調整パラメータが送信されると設定調整部213の動作が開始される。
ステップS1604では、設定調整部213は、通信部211にパラメータ変更応答を通信装置10に対して送信するように、通信装置10のIPアドレスとともに依頼する。すると、通信部211は、通信モデム24を制御して、図19に示すパラメータ変更応答を通信装置10に送信する。
以上のように、実施の形態1に係る通信システム100では、通信装置10は、複数の動作モードのうち一部の動作モード(検出モード及び調整モード)で動作している場合に取得された通信データに基づき設定パラメータ51の調整をし、他の動作モード(通常モード)で動作している場合に取得された通信データに基づき設定パラメータの調整をしない。
そのため、設定パラメータの調整の処理に対して定常的にリソースが使用されることがなく、定常的なリソースの使用量を抑えることが可能である。
<変形例1>
実施の形態1では、通信装置10が生成した設定パラメータ51をサーバ20が通信装置10毎に保存して使用した。しかし、サーバ20が各通信装置10が生成した設定パラメータ51をマージして1つの設定パラメータを生成し、各通信装置10に配布してもよい。
これにより、1つの通信装置10による設定パラメータ51の調整が全ての通信装置10の設定パラメータ51に反映される。その結果、設定パラメータ51が最適になるまでに必要な通信装置10の1台当たりの調整回数を少なくすることが可能になる。また、設定パラメータ51が最適になるまでに必要な時間を短縮することが可能である。
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例2として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例2について、実施の形態1と異なる点を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、通信装置10は、プロセッサ11とROM12とRAM13とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素の機能を実現する専用の回路である。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、サーバ20は、プロセッサ21とHDD22とRAM23とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素の機能を実現する専用の回路である。
各機能構成要素を1つの電子回路で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路に分散させて実現してもよい。
変形例3として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
実施の形態1では、検出モード及び調整モードをランダムに開始した。これに対して、実施の形態2は、設定パラメータ51の調整が必要なタイミングになった場合に検出モード及び調整モードを開始する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
図24を参照して、実施の形態2に係る通信装置10のハードウェア構成を説明する。
通信装置10は、指標センサ161を備える点が図2に示す通信装置10と異なる。
指標センサ161は、通信装置10の状態の指標となる通信データである指標データを収集するセンサである。指標センサ161は、複数のセンサ16のうちのいずれかのセンサ16であってもよいし、複数のセンサ16とは別のセンサであってもよい。実施の形態2では、指標センサ161は、GPS衛星といった測位衛星から測位信号を受信し、指標データとして位置を示す位置データを出力する装置とする。なお、指標センサ161は、リアルタイムクロック又はUTC(Coordinated Universal Time)のように時刻データを出力する装置といった他の装置であってもよい。
通信装置10は、不揮発性メモリ18に、圧縮不良情報54と、現在指標データ55と、通信データカウンタ56と、圧縮データカウンタ57とが記憶される点が図4に示す通信装置10と異なる。
図26から図33を参照して、実施の形態2に係る通信システム100の動作を説明する。
実施の形態2に係る通信システム100の動作は、実施の形態2に係る通信方法に相当する。また、実施の形態2に係る通信システム100の動作は、実施の形態2に係る通信プログラムの処理に相当する。
通信装置10が起動するとデータ取得部111の動作が開始される。
ステップS2001では、データ取得部111は、指標センサ161から指標データを取得したか否かを判定する。データ取得部111は、指標データを取得した場合には、処理をステップS2002に進める。一方、データ取得部111は、指標データを取得していない場合には、処理をステップS2003に進める。
ステップS2002では、データ取得部111は、指標センサ161から取得された指標データをモード管理部112に送信する。
ステップS2004では、データ取得部111は、センサ16から取得された通信データをデータ加工部113に送信する。
ステップS2201とステップS2203との処理は、図10のステップS1201とステップS1203の処理と同じである。
ステップS2302からステップS2309の処理は、図15のステップS1302からステップS1309の処理と同じである。
ステップS2310では、設定調整部114は、ステップS1201で加工する前の通信データのデータ長を、通信データカウンタ56に加算する。また、設定調整部114は、ステップS1201で加工した後の加工データのデータ長を、圧縮データカウンタ57に加算する。なお、通信データカウンタ56及び圧縮データカウンタ57の初期値は0である。
ステップS2101からステップS2103の処理は、図8のステップS1101からステップS1103の処理と同じである。
ステップS2105では、モード管理部112は、データ取得部111から指標データが送信されたか否かを判定する。モード管理部112は、指標データが送信された場合には、処理をステップS2106に進める。一方、モード管理部112は、指標データが送信されていない場合には、一定時間経過後に再び指標データが送信されたか否かを判定する。
ステップS2108では、モード管理部112は、ステップS2107で圧縮不良情報54から検索された指標データについての回数が検索され、かつ、回数が基準回数よりも多いか否かを判定する。モード管理部112は、回数が検索され、かつ、回数が基準回数よりも多い場合には、設定パラメータ51の調整が必要であるとして、処理をステップS2108に進める。一方、モード管理部112は、モード管理部112は、回数が検索されない場合と、回数が基準回数以下の場合との少なくともいずれかの場合には、設定パラメータ51の調整が不要であるとして、処理をステップS2113に進める。
なお、圧縮不良情報54は、不揮発性メモリ18に記憶されているため、通信装置10の電源が一旦切られた場合にも、データが消えることはない。つまり、以前の起動時に記憶された圧縮不良情報54のデータを参照して処理を行うことが可能である。
ステップS2113では、モード管理部112は、タイマ17がタイムアウトするまで待つ。モード管理部112は、タイムアウトすると処理をステップS2114に進める。一方、モード管理部112は、一定時間経過してもタイムアウトしない場合には、処理をステップS2105に戻す。
モード管理部112は、通常モードに設定されている場合には処理をステップS2115に進める。モード管理部112は、計測モードに設定されている場合には処理をステップS2118に進める。モード管理部112は、検出モードに設定されている場合には処理をステップS2124に進める。モード管理部112は、調整モードに設定されている場合には処理をステップS2126に進める。
そして、ステップS2129で、モード管理部112は、計測時間TAをタイムアウト時間に設定してタイマ17を起動して、処理をステップS2105に戻す。
ステップS2119では、モード管理部112は、ステップS2118で計算された圧縮率が基準率よりも悪いか否かを判定する。モード管理部112は、圧縮率が基準率よりも悪い場合には、処理をステップS2120に進める。一方、モード管理部112は、圧縮率が基準率よりも悪くない場合には、ステップS2120をスキップして処理をステップS2121に進める。
ステップS2120では、モード管理部112は、圧縮不良情報54の現在指標データ55として記憶された指標データに対応する回数を更新する。具体的には、モード管理部112は、指標データに対応する回数が圧縮不良情報54にない場合には、指標データに対応するレコードを作成した上で、回数に1を設定する。モード管理部112は、指標データに対応する回数が圧縮不良情報54にある場合には、回数をインクリメントする。
そして、ステップS2129で、モード管理部112は、計測待ち時間TMiをタイムアウト時間に設定してタイマ17を起動して、処理をステップS2105に戻す。
ステップS2109では、モード管理部112は、通信装置10の動作モードを検出モードに切り替えて設定する。ステップS2110では、モード管理部112は、検出時間TCiを決定する。モード管理部112は、予め決められた最小検出時間TCMINと最大検出時間TCMAXとに対し、TCMIN≦TCi≦TCMAXを満たすランダムな値を検出時間TCiとして決定する。ステップS2111で、モード管理部112は、検出時間TCiをタイムアウト時間に設定してタイマ17を再起動する。
ステップS2113では、モード管理部112は、ステップS2107で検索された指標データについての圧縮不良情報54に記憶された回数に0を設定して、処理をステップS2105に戻す。
すると、ステップS2113の処理を介して、ステップS2114に処理が進められる。ステップS2109で動作モードが検出モードに設定されたため、ステップS2114で処理がステップS2124に進められる。
そして、ステップS2129で、モード管理部112は、調整時間TSiをタイムアウト時間に設定してタイマ17を起動して、処理をステップS2105に戻す。
すると、ステップS2113の処理を介して、ステップS2114に処理が進められる。ステップS2125で動作モードが調整モードに設定されたため、ステップS2114で処理がステップS2126に進められる。
そして、ステップS2129で、モード管理部112は、計測待ち時間TMiをタイムアウト時間に設定してタイマ17を起動して、処理をステップS2105に戻す。
図32では、時刻t0から時刻t5まで通常モードと計測モードとが繰り返し実行され、指標データに対する圧縮率が悪い回数が基準数よりも多くなったため時刻t5から時刻t6まで検出モードが実行されている。そして、時刻t6から時刻t7まで調整モードが実行された後、時刻t7から通常モードが実行されている。
ここでは、通信装置10が車載装置であり、指標データが位置データであるとする。図33では、通信装置10を搭載した車両が自宅から職場を往復する様子が示されている。
自宅と職場との間の経路には、山道の区間があり、この区間で取得される通信データについての設定パラメータ51の調整が必要であるとする。このとき、通信装置10が計測モードの計測期間は、経路上ランダムに発生する。通勤を重ねるうちに、山道で計測期間を迎えることが繰り返され、山道であることを示す位置データに対する圧縮率が悪いデータが蓄積され、最終的には回数が基準回を超過する(図33では3日目の復路)。その後、最初に山道の区間に車両が達した時(図33では4日目の往路)に、動作モードが検出モードに切り替わり、設定パラメータの検出と調整が行なわれる。
以上のように、実施の形態2に係る通信システム100では、通信装置10は、ランダムなタイミングで開始する計測期間に、現在の設定パラメータ51を使用した場合のデータの圧縮率を計測し、指標データの値毎に圧縮率が悪い回数をカウントしておく。そして、通信装置10は、ある指標データについての圧縮率が悪い回数が基準回を超過すると、その指標データが得られた場合に設定パラメータ51の調整を行う。
これにより、常時設定パラメータ51を調整しなくても適切な時点での通信データを元に設定パラメータ51の調整が可能である。
実施の形態1,2では、検出期間に取得された通信データから直ちに調整パラメータ53が生成された。実施の形態3は、検出期間に通信データを蓄積しておき、処理負荷が低いときに調整パラメータ53を生成する点が実施の形態1,2と異なる。実施の形態3では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
なお、実施の形態3では、実施の形態1に機能を追加した場合を説明する。しかし、実施の形態2にも同様に機能を追加することが可能である。
図34を参照して、実施の形態3に係る通信装置10の機能構成を説明する。
通信装置10は、不揮発性メモリ18に、調整データ58が記憶される点が図4に示す通信装置10と異なる。調整データ58は、通信データを一時的に記憶するFIFO(First−In First−Out)のバッファ構造のデータである。
図35及び図36を参照して、実施の形態3に係る通信システム100の動作を説明する。
実施の形態3に係る通信システム100の動作は、実施の形態3に係る通信方法に相当する。また、実施の形態3に係る通信システム100の動作は、実施の形態3に係る通信プログラムの処理に相当する。
ステップS3101からステップS3109の処理は、図8のステップS1101からステップS1109の処理と同じである。ステップS3112からステップS3114の処理は、図8のステップS1110からステップS1112の処理と同じである。
ステップS3111では、モード管理部112は、調整時間TSiを決定する。モード管理部112は、予め決められた最小調整時間TSMINと最大調整時間TSMAXとに対し、TSMIN≦TSi≦TSMAXを満たすランダムな値を調整時間TSiとして決定する。
そして、ステップS3114で、モード管理部112は、調整時間TSiをタイムアウト時間に設定してタイマ17を起動する。
ステップS3311からステップS3314の処理は、図15のステップS1306からステップS1309の処理と同じである。
ステップS3301では、設定調整部114は、通信装置10が通常モードと検出モードと調整モードとのどの動作モードに設定されているかを判定する。設定調整部114は、通常モードに設定されている場合には処理をステップS3311に進める。設定調整部114は、検出モードに設定されている場合には処理をステップS3302に進める。設定調整部114は、調整モードに設定されている場合には処理をステップS3309に進める。
ステップS3303では、設定調整部114は、処理負荷が高いので処理を後回しにするために、データ加工部113によって送信された通信データを調整データ58に記憶して処理を終了する。
ステップS3307では、設定調整部114は、調整データ58に記憶された通信データからデータパターンを抽出し、パターンテーブル52に登録する。なお、設定調整部114は、調整データ58に記憶された全ての通信データから一度にデータパターンを抽出してもよい。また、設定調整部114は、調整データ58に記憶されたデータ量が多い場合には、先頭から一定サイズ分の通信データのみ処理し、残りの通信データについては次の呼び出し時に処理するようにしてもよい。
ステップS3308では、設定調整部114は、ステップS3307でデータパターンの抽出が終わった通信データを、調整データ58から削除する。
ステップS3310では、設定調整部114は、データ加工部113から送信された通信データからパターンテーブル52に登録されているデータパターンを検索する。設定調整部114は、データパターンが検索された場合には、そのデータパターンの出現回数をインクリメントする。
以上のように、実施の形態3に係る通信システム100では、通信装置10は、検出モードにおける処理負荷の低い期間にデータパターンの抽出を行う。そのため、設定パラメータ51を調整する際の処理負荷の最大値を低くすることが可能になる。
<変形例4>
実施の形態3では、検出モードにおけるデータパターンの抽出を処理負荷が低いときに実行するようにした。しかし、調整モードにおける出現回数の計測についても同様に処理負荷が低いときに実行するようにしてもよい。
Claims (12)
- 通信データを取得するデータ取得部と、
通信の相手先装置との間で共有した設定パラメータに基づき、前記データ取得部によって取得された前記通信データを加工して前記通信データを圧縮した加工データを生成するデータ加工部と、
通常モードと検出モードと調整モードとの複数の動作モードの切り替えを行うモード管理部と、
前記モード管理部によって切り替えられる前記複数の動作モードのうち一部の動作モードで動作している場合に前記データ取得部によって取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をし、他の動作モードで動作している場合に前記データ取得部によって取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をしない設定調整部であって、前記検出モードで動作している場合に前記データ取得部によって取得された前記通信データから前記設定パラメータの更新データを抽出し、前記調整モードで動作している場合に前記更新データに基づき前記設定パラメータの調整をする設定調整部と
を備える通信装置。 - 前記モード管理部は、ランダムな周期で前記検出モードに切り替える
請求項1に記載の通信装置。 - 前記データ取得部は、複数の種別の通信データを取得し、
前記モード管理部は、前記複数の種別のうちの対象の種別の通信データが取得された場合に、前記検出モードに切り替える
請求項1に記載の通信装置。 - 前記モード管理部は、前記対象の種別について、前記データ加工部によって生成された前記加工データの前記通信データに対する圧縮率が基準率よりも悪い場合に、前記検出モードに切り替える
請求項3に記載の通信装置。 - 前記モード管理部は、前記検出モードをランダムな期間継続した後、前記調整モードに切り替える
請求項2から4までのいずれか1項に記載の通信装置。 - 前記設定調整部は、処理負荷が基準負荷以下の場合に、前記通信データから前記設定パラメータの更新データを抽出する
請求項1から5までのいずれか1項に記載の通信装置。 - 前記設定調整部は、前記処理負荷が前記基準負荷よりも高い場合には、前記通信データを調整データとして蓄積しておき、処理負荷が基準負荷以下の場合に、前記調整データを含む前記通信データから前記設定パラメータの更新データを抽出する
請求項6に記載の通信装置。 - 前記通信装置は、さらに、
前記設定調整部によって前記設定パラメータの調整がされた場合に、調整後の前記設定パラメータを前記相手先装置に送信する送信部
を備える請求項1から7までのいずれか1項に記載の通信装置。 - 前記通信データは、センサから取得されたセンサデータであり、
前記相手先装置は、前記センサデータを収集するサーバである
請求項1から8までのいずれか1項に記載の通信装置。 - 通信装置と、通信装置から送信された通信データを収集するサーバとを備える通信システムであり、
前記通信装置は、
通信データを取得するデータ取得部と、
前記サーバとの間で共有した設定パラメータに基づき、前記データ取得部によって取得された前記通信データを加工して前記通信データを圧縮した加工データを生成するデータ加工部と、
通常モードと検出モードと調整モードとの複数の動作モードの切り替えを行うモード管理部と、
前記モード管理部によって切り替えられる前記複数の動作モードのうち一部の動作モードで動作している場合に前記データ取得部によって取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をし、他の動作モードで動作している場合に前記データ取得部によって取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をしない設定調整部であって、前記検出モードで動作している場合に前記データ取得部によって取得された前記通信データから前記設定パラメータの更新データを抽出し、前記調整モードで動作している場合に前記更新データに基づき前記設定パラメータの調整をする設定調整部と
を備える通信システム。 - データ取得部が、通信データを取得し、
データ加工部が、通信の相手先装置との間で共有した設定パラメータに基づき、前記通信データを加工して前記通信データを圧縮した加工データを生成し、
モード管理部が、通常モードと検出モードと調整モードとの複数の動作モードの切り替えを行い、
設定調整部が、前記複数の動作モードのうち一部の動作モードで動作している場合に取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をし、他の動作モードで動作している場合に取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をせず、前記検出モードで動作している場合に取得された前記通信データから前記設定パラメータの更新データを抽出し、前記調整モードで動作している場合に前記更新データに基づき前記設定パラメータの調整をする通信方法。 - 通信データを取得するデータ取得処理と、
通信の相手先装置との間で共有した設定パラメータに基づき、前記データ取得処理によって取得された前記通信データを加工して前記通信データを圧縮した加工データを生成するデータ加工処理と、
通常モードと検出モードと調整モードとの複数の動作モードの切り替えを行うモード管理処理と、
前記モード管理処理によって切り替えられる前記複数の動作モードのうち一部の動作モードで動作している場合に前記データ取得処理によって取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をし、他の動作モードで動作している場合に前記データ取得処理によって取得された通信データに基づき前記設定パラメータの調整をしない設定調整処理であって、前記検出モードで動作している場合に取得された前記通信データから前記設定パラメータの更新データを抽出し、前記調整モードで動作している場合に前記更新データに基づき前記設定パラメータの調整をする設定調整処理と
を実行する通信装置としてコンピュータを機能させる通信プログラム。
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