以下、本発明の実施の形態を、建設機械の代表例としての油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図10は、実施の形態を示している。このうちの図1は、建設機械としての油圧ショベル1と共に、この油圧ショベル1に搭載された車体制御コントローラ19の更新プログラムを送信するための制御プログラム更新システムを示している。図1において、油圧ショベル1は、油圧ショベル1の製造業者(メーカー)の工場から出荷され、土木作業、建設作業、解体作業、浚渫作業等の作業現場(工事現場)で稼働している。図1では、図面の簡略化のために、1台の油圧ショベル1のみを示しているが、実際には、複数の油圧ショベル1が様々な作業現場で稼働している。制御プログラム更新システムは、1台の油圧ショベル1に更新プログラムを送信するだけでなく、複数の油圧ショベル1に対して更新プログラムを送信することが可能である。
基地局とも呼ばれる管理センタ51は、油圧ショベル1の制御プログラム更新システムを構成する管理サーバ52を備えている。管理センタ51および管理サーバ52は、油圧ショベル1から離れた位置、例えは、油圧ショベル1の製造業者の本社、支社、工場等に設置されている。なお、管理センタ51は、製造業者の施設に限らず、例えば、サーバの運営を専門的に行うデータセンタ等に設置してもよい。管理センタ51の管理サーバ52は、専用回線、公衆回線、インターネット回線、光回線、電話回線、有線回線、無線回線、衛星回線、移動回線等の通信回線53を介して、社内コンピュータ54、メンテナンス用コンピュータ55に接続されている。
社内コンピュータ54は、例えば、製造業者の本社、支社、工場、支店等、製造業者の社内に設置されたコンピュータである。社内コンピュータ54は、例えば、油圧ショベル1の設計者、より具体的には、油圧ショベル1の車体制御コントローラ19(図2,3参照)、情報コントローラ20(図2,3参照)に組込まれる制御プログラムの設計者(制御設計者)が使用する。設計者は、制御プログラムの更新版(更新用のプログラム)を作成したときは、社内コンピュータ54を用いて管理サーバ52に入力することができる。即ち、制御プログラムの更新版は、管理サーバ52の記憶装置52Aに記憶、登録される。
メンテナンス用コンピュータ55は、例えば、油圧ショベル1の販売店(代理店)、油圧ショベル1のメンテナンスを行うサービス工場(メンテナンス工場)等に設置されるコンピュータである。メンテナンス用コンピュータ55は、例えば、油圧ショベル1のメンテナンスを行うサービス員(メンテナンス作業員、メンテナンス担当者)が使用する。なお、図1では、社内コンピュータ54、メンテナンス用コンピュータ55を、持ち運びが可能なノートブックコンピュータ(ノートPC)として表しているが、例えば、ディスクトップコンピュータ(ディスクトップPC)であってもよい。換言すれば、社内コンピュータ54、メンテナンス用コンピュータ55は、管理サーバ52との間でデータ(情報)の入力、出力(送信、受信)を行うインターフェースとなり得るものであれば、各種のコンピュータ、通信機器を用いることができる。
さらに、管理サーバ52は、通信回線53を介して、油圧ショベル1と接続されている。より具体的には、管理サーバ52は、移動通信回線、衛星通信回線等の無線回線を介して、油圧ショベル1と接続可能(通信可能)となっている。このために、油圧ショベル1は、後述の図2に示すように、情報コントローラ20、通信端末23および通信アンテナ24を備えている。管理サーバ52は、車体制御コントローラ19の更新プログラムが登録されると、即ち、制御プログラムの更新版が管理サーバ52の記憶装置52Aに記憶、登録されると、その更新版(更新プログラム)を油圧ショベル1に送信する。
次に、作業現場で稼働する油圧ショベル1について、図1に加え、図2および図3も参照しつつ説明する。
図1に示すように、油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、上部旋回体4の前側に設けられた多関節構造の作業装置5とを含んで構成されている。この場合、下部走行体2と上部旋回体4は、油圧ショベル1の車体を構成している。そして、車体を構成する上部旋回体4の前側に、作業装置5が取付けられている。油圧ショベル1は、作業装置5を用いて土砂の掘削作業等を行うことができる。
下部走行体2は、例えば、無端状に形成されたトラックリンクに複数個のシューを取付けてなる履帯2Aと、履帯2Aを周回駆動させることにより油圧ショベル1を走行させる左,右の走行用油圧モータ(図示せず)とを含んで構成されている。なお、下部走行体2は、履帯2Aを用いたクローラ式の他、例えば、車輪を用いたホイール式のものとすることも可能である。一方、旋回装置3は、下部走行体2と上部旋回体4(後述の旋回フレーム6)との間に設けられ上部旋回体4を回転可能に支持する旋回軸受と、旋回軸受の中心を旋回中心として上部旋回体4を旋回駆動する旋回用油圧モータ(図示せず)とを含んで構成されている。
フロント作業機とも呼ばれる作業装置5は、例えば、ブーム5A、アーム5B、作業具としてのバケット5Cと、これらを駆動するブームシリンダ5D、アームシリンダ5E、作業具シリンダとしてのバケットシリンダ5Fとを含んで構成されている。作業装置5は、上部旋回体4に搭載された油圧ポンプ(図示せず)からの圧油の供給に基づいて、油圧シリンダであるシリンダ5D,5E,5Fが伸長または縮小することにより、俯仰の動作をする。なお、作業装置5は、アタッチメント(作業具)としてバケット5Cが取付けられているが、バケット5Cに代えて、グラップラー等のバケット5C以外のアタッチメントを取り付けることも可能である。
上部旋回体4は、旋回フレーム6、キャブ7、カウンタウエイト8を含んで構成されている。旋回フレーム6は、上部旋回体4の支持構造体(ベースフレーム)となるもので、前端側に作業装置5が取付けられている。また、旋回フレーム6上には、左前側に位置してキャブ7が搭載されており、後端側に位置してカウンタウエイト8が搭載されている。カウンタウエイト8は、作業装置5との重量バランスをとるための重量物として形成されている。さらに、旋回フレーム6上には、カウンタウエイト8の前側に位置してエンジン10(図2参照)、油圧ポンプ(図示せず)、熱交換器(図示せず)、制御弁装置(図示せず)等の各種機器が搭載されている。これらの各種機器は、上部旋回体4の外殻を形成する外装カバー9により覆われている。
エンジン10は、上部旋回体4に搭載されている。より具体的には、エンジン10は、上部旋回体4を構成する旋回フレーム6の後側に、横置き状態で配置されている。エンジン10は、内燃機関であり、例えばディーゼルエンジンを用いて構成されている。エンジン10は、油圧ショベル1の動力源、より具体的には、油圧アクチュエータに圧油を供給するための油圧ポンプの動力源となるものである。油圧ポンプは、作動油タンク(図示せず)に貯溜された作動油を圧油として吐出する。吐出された圧油は、制御弁装置を介して油圧シリンダ5D,5E,5F、走行用油圧モータ、旋回用油圧モータ等の油圧アクチュエータに供給される。
図2に示すように、エンジン10には、外気を吸込む吸気管(図示せず)と、排気ガスを排出する排気ガス通路の一部をなす排気管12とが設けられている。排気管12には、排気ガス浄化装置13が接続して設けられている。ここで、エンジン10は、燃料の噴射により駆動されるものである。具体的には、エンジン10は、電子制御式エンジンにより構成され、例えば、燃料の供給量が電子制御噴射弁(インジェクタ―)を含む燃料噴射装置により可変に制御される。燃料噴射装置は、エンジンコントロールユニット11(以下、ECU11という)から出力される制御信号に基づいて、エンジン10のシリンダ内に噴射する燃料の噴射量を可変に制御する。
即ち、エンジン10は、ECU11と接続されており、ECU11によって燃料の噴射量が調整されることにより、回転数が制御される。ECU11は、油圧ショベル1の搭載機器であるエンジン10のコントローラ(制御装置)である。ECU11は、例えば、マイクロコンピュータ等により構成され、CPU(中央処理演算部)、メモリを備えている。ECU11は、後述の車載ネットワーク21を介して車体制御コントローラ19および情報コントローラ20と接続されている。
燃料噴射装置は、排気ガス浄化装置13の粒子状物質除去フィルタ15の再生を行う再生装置を構成している。即ち、燃料噴射装置は、ECU11の制御信号に応じて、例えばポスト噴射と呼ばれる再生処理用の燃料噴射(燃焼工程後の追加噴射)を行う。このポスト噴射により、排気ガスの温度を上昇させ、排気ガス浄化装置13の粒子状物質除去フィルタ15に堆積した粒子状物質を燃焼し除去する構成となっている。
排気ガス浄化装置13は、エンジン10の排気側に設けられている。図2に示すように、排気ガス浄化装置13は、その上流側がエンジン10の排気管12が接続されている。排気ガス浄化装置13は、排気管12と共に排気ガス通路を構成し、上流側から下流側に排気ガスが流通する間に、この排気ガスに含まれる有害物質を除去するものである。
即ち、ディーゼルエンジンからなるエンジン10は、高効率で耐久性にも優れている。しかし、エンジン10の排気ガス中には、粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)等の有害物質が含まれている。このため、図2に示すように、排気管12に取付けられる排気ガス浄化装置13は、排気ガス中の一酸化炭素(CO)等を酸化して除去する酸化触媒14と、排気ガス中の粒子状物質(PM)を捕集して除去する粒子状物質除去フィルタ15とを含んで構成されている。
即ち、排気ガス浄化装置13は、筒状のケーシング13Aを有しており、このケーシング13A内には、DOCと呼ばれる酸化触媒14と、DPFと呼ばれる粒子状物質除去フィルタ15(以下、フィルタ15という)とが取外し可能に収容されている。排出口13Bは、フィルタ15よりも下流側に位置してケーシング13Aの出口側に接続されている。この排出口13Bは、例えば浄化処理された後の排気ガスを大気中に放出する煙突、消音器を含んで構成される。
酸化触媒14は、例えばケーシング13Aの内径寸法と同等の外径寸法をもったセラミックス製のセル状筒体からなるものである。酸化触媒14内には、その軸方向に多数の貫通孔(図示せず)が形成され、その内面に貴金属がコーティングされている。酸化触媒14は、所定の温度条件のもとで各貫通孔内に排気ガスを流通させることにより、この排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去し、例えば一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO2)として除去するものである。
酸化触媒14は、排気に含まれる未燃燃料と反応して、排気温度を上昇させ、フィルタ15の再生、即ち、フィルタ15に捕集された粒子状物質を燃焼、除去する。このため、酸化触媒14は、ポスト噴射を行う燃料噴射装置と共に再生装置を構成している。酸化触媒14には、温度センサ16が取付けられている。温度センサ16は、ECU11と接続されている。温度センサ16で検出された温度(排気ガス温度)は、ECU11に出力される。ECU11は、温度センサ16で検出された温度に基づいて、フィルタ15で再生が行われているか否か、即ち、酸化触媒14によって排気ガスの温度が上昇しているか否かを判定することができる。
一方、フィルタ15は、ケーシング13A内で酸化触媒14の下流側に配置されている。即ち、フィルタ15も、酸化触媒14と同様に、エンジン10の排気側に設けられている。フィルタ15は、エンジン10から排出される排気ガス中の粒子状物質を捕集すると共に、捕集した粒子状物質を燃焼して除去することにより排気ガスの浄化を行う。このために、フィルタ15は、例えばセラミックス材料からなる多孔質な部材に軸方向に多数の小孔(図示せず)を設けたセル状筒体により構成されている。フィルタ15は、多数の小孔を介して粒子状物質を捕集し、捕集した粒子状物質は、再生装置の再生処理(即ち、燃料噴射装置のポスト噴射)によって燃焼して除去される。この結果、フィルタ15は再生される。
フィルタ15には、差圧センサ17が取付けられている。差圧センサ17は、フィルタ15の入口側(上流側)と出口側(下流側)との圧力の差である差圧を検出するものである。差圧センサ17は、圧力センサ(排気圧力センサ)により構成されている。例えば、差圧センサ17は、フィルタ15の入口側に設けられる入口側圧力センサと出口側に設けられる出口側圧力センサとにより構成することができる。差圧センサ17は、ECU11と接続されている。差圧センサ17で検出された差圧は、ECU11に出力される。ECU11は、差圧が増大することによって、フィルタ15に堆積している排気微粒子の堆積量を検知(推定)することができる。即ち、差圧センサ17は、フィルタ15に堆積した粒子状物質の堆積量を検知する堆積量検知装置(排気微粒子堆積量検知部)を構成している。
キャブ7は、上部旋回体4の前部左側に設けられている。キャブ7内には、オペレータが着席する運転席(図示せず)が設けられている。運転席の周囲には、油圧ショベル1を操作するための走行用レバー・ペダル操作装置、作業用レバー操作装置(いずれも図示せず)が設けられている。オペレータは、走行用レバー・ペダル操作装置、作業用レバー操作装置(以下、単に操作装置ともいう)を操作することにより、下部走行体2による走行動作、上部旋回体4の旋回動作、作業装置5による掘削作業等を行うことができる。
即ち、操作装置は、オペレータの操作(レバー操作、ペダル操作)に応じたパイロット信号(パイロット圧)を、複数の制御弁からなる制御弁装置(図示せず)に出力する。制御弁装置は、油圧ポンプから吐出された圧油を、操作装置の操作に応じて、走行用油圧モータ、旋回用油圧モータ、作業装置5のシリンダ5D,5E,5Fに供給または排出する。
キャブ7内には、運転席の近傍に位置してゲートロックレバー(図示せず)、表示装置22、手動再生要求許可スイッチ25、プログラム更新許可スイッチ26(図2,3参照)が設けられている。また、キャブ7内には、例えば、運転席の後側に位置して、車体制御コントローラ19、情報コントローラ20が搭載されている。後述するように、手動再生要求許可スイッチ25は、フィルタ15に堆積した粒子状物質を燃焼、除去する再生処理を開始するときに、オペレータにより操作される。プログラム更新許可スイッチ26は、フィルタ15の再生処理と一緒に車体制御コントローラ19の制御プログラムの更新を行うときに、オペレータにより操作される。
ゲートロックレバーは、運転席の左側、より具体的には、キャブ7の乗降口と対応する位置に設けられている。ゲートロックレバーは、キャブ7の乗降口を遮断する乗降規制位置(以下、ロック解除位置という)と、乗降口を開く乗降許可位置(以下、ロック位置という)との間で回動するものである。ここで、乗降口を遮断するロック解除位置は、ゲートロックレバーを下げた状態に対応し、乗降口を開くロック位置は、ゲートロックレバーを上げた状態に対応する。ゲートロックレバーは、オペレータの操作により、ロック位置(上げ位置)とロック解除位置(下げ位置)とに切換えられる。この場合、ゲートロックレバーをロック位置としたときには、油圧ショベル1の油圧アクチュエータ、即ち、油圧シリンダ5D,5E,5F、走行用油圧モータ、旋回用油圧モータ等の各種の油圧アクチュエータの駆動が禁止される。即ち、オペレータによる操作装置の操作が無効になる。これに対し、ゲートロックレバーをロック解除位置としたときには、油圧アクチュエータの駆動が許可される。即ち、オペレータによる操作装置の操作が有効になる。
ここで、ゲートロックレバーには、ゲートロックスイッチ18(図2,3参照)が設けられている。ゲートロックスイッチ18は、ゲートロックレバーの位置を検出する検出スイッチである。図2および図3に示すように、ゲートロックスイッチ18は、車体制御コントローラ19に接続されている。車体制御コントローラ19は、ゲートロックスイッチ18の検出信号(ON・OFF信号)に基づいて、ゲートロックレバーがロック位置であるかロック解除位置であるかを判定することができる。
車体制御コントローラ19は、油圧ショベル1の動作を制御するものである。即ち、車体制御コントローラ19は、油圧ショベル1に搭載された各種機器、例えば、油圧ポンプ、制御弁、電磁弁等の油圧機器の動作を制御するものである。換言すれば、車体制御コントローラ19は、油圧ショベル1の搭載機器である油圧機器のコントローラ(制御装置)である。また、車体制御コントローラ19は、ECU11、情報コントローラ20を統合的に管理する制御装置(コントロールユニット)である。車体制御コントローラ19は、例えば、マイクロコンピュータ等により構成され、CPU(中央処理演算部)、メモリ19A(図2参照)を備えている。メモリ19Aは、例えば、フラッシュメモリ、ROM、RAM、EEPROM等からなる記憶装置(記憶部)である。車体制御コントローラ19が実行するプログラムは、メモリ19Aに内蔵されている。
即ち、メモリ19Aには、制御対象となる油圧ポンプ、制御弁、電磁弁等を制御するための制御プログラムおよび制御パラメータが記憶(格納、保存)されている。制御プログラムは、例えば、制御対象となる機器に対する指令の順番付けられたもの(処理の手順、動作の手順)となるものである。制御パラメータは、例えば、制御プログラムに従って制御処理を行うときに用いられるマップ、関数、計算式等、入力に対する出力の関係(特性)に対応するもの(動作を決定する数値、特性)である。車体制御コントローラ19は、メモリ19Aの制御プログラムおよび制御パラメータを読込む。車体制御コントローラ19は、読込んだ制御プログラムおよび制御パラメータに基づいて処理を実行することにより、油圧ショベル1に搭載された各種機器を制御する。
情報コントローラ20は、油圧ショベル1の稼働情報を収集(取得)する。情報コントローラ20は、油圧ショベル1の搭載機器である表示装置22および通信端末23のコントローラ(制御装置)である。情報コントローラ20も、車体制御コントローラ19と同様に、例えば、マイクロコンピュータ等により構成され、CPU(中央処理演算部)、メモリ20A(図2参照)を備えている。
図2に示すように、情報コントローラ20は、CAN(Controller Area Network)と呼ばれる車載ネットワーク21を介して他のコントローラ、例えば、車体制御コントローラ19およびECU11と相互に通信可能に接続されている。また、車体制御コントローラ19、ECU11は、車載ネットワーク21を介してプログラム更新許可スイッチ26、手動再生要求許可スイッチ25と接続されている。なお、車載ネットワーク21は、CAN以外の通信規格、例えば、Ethernet(登録商標)を用いてもよい。
情報コントローラ20は、ECU11および車体制御コントローラ19の稼働データを集約する。例えば、情報コントローラ20には、エンジン10の回転数、油圧アクチュエータ(例えば、シリンダ5D,5E,5F)の圧力、油圧ポンプの圧力、操作装置の操作量、作動油の油温等の各種の稼働情報(稼働データ)が、ECU11および車体制御コントローラ19から入力される。情報コントローラ20は、これらの入力された各種の情報(データ)を、例えば、日時と対応させてメモリ20Aに記憶する。
情報コントローラ20は、オペレータに対して情報を表示する表示装置22と接続されている。情報コントローラ20は、収集した情報(メモリ20Aに記憶された稼働情報)を、表示装置22に表示する。表示装置22は、キャブ7内に設けられており、油圧ショベル1を操縦するオペレータに稼働情報等の報知すべき情報を表示する。表示装置22は、例えば、エンジン回転数、燃料残量、オイル残量等の各種状態量、エンジン10および油圧機器を含む各種機器の不調情報、警告情報等の情報を表示する。さらに、表示装置22には、例えば、排気ガス浄化装置13のフィルタ15の再生(手動再生)を促す画面(図7参照)、フィルタ15の再生の処理と共に制御プログラムの更新を行うか否かの選択を促す画面(図8参照)が表示される。
また、情報コントローラ20は、無線通信を行う通信端末23と接続されている。より具体的には、情報コントローラ20は、通信端末23を介して通信アンテナ24に接続されている。情報コントローラ20は、例えば、収集した情報(メモリ20Aに記憶された稼働情報)を、油圧ショベル1の機体情報(機種、型式、号機番号、識別番号等の機体を識別するための情報)と共に管理センタ51の管理サーバ52に定期的に送信(出力)する。送信された情報は、管理サーバ52内の記憶装置52Aに記憶される。管理サーバ52に記憶された車体情報は、通信回線53を介して社内コンピュータ54およびメンテナンス用コンピュータ55によって読み出すことができる。即ち、油圧ショベル1の稼働状況は、社内コンピュータ54およびメンテナンス用コンピュータ55を用いて確認することができる。
また、情報コントローラ20は、通信回線53を介して、管理サーバ52に登録された更新用のプログラムを受け取ることができる。即ち、情報コントローラ20は、管理サーバ52から出力(送信)された制御プログラムの更新版(更新プログラム)を、通信回線53、通信アンテナ24、通信端末23を介して受信することができる。この場合、更新プログラムは、例えば、車体制御コントローラ19のメモリ19Aに記憶される。このように、情報コントローラ20は、管理サーバ52との間で相互に通信、即ち、情報(データ)の送信、受信を行うことができる。
手動再生要求許可スイッチ25(以下、手動再生スイッチ25という)は、再生装置によるフィルタ15の再生をECU11に指示する再生指示装置(再生指示部)である。オペレータは、表示装置22にフィルタ15の再生が必要である旨(図7参照)が表示されると、再生を開始するときに、手動再生スイッチ25を操作する。オペレータにより手動再生スイッチ25が操作されると、再生装置による再生、即ち、フィルタ15に捕集された粒子状物質の燃焼、除去が行われる。実施の形態では、再生装置は、エンジン10の燃料噴射装置に対応する。燃料噴射装置は、ポスト噴射を行うことにより、フィルタ15の再生を行う。この場合、燃料噴射装置は、ポスト噴射を行うことにより、フィルタ15に流入する排気ガスの温度を上昇させてフィルタ15に堆積した粒子状物質を燃焼し除去する。
ところで、管理サーバ52に更新用のプログラムが登録されると、更新用のプログラムは、通信回線53、情報コントローラ20を介して、車体制御コントローラ19のメモリ19Aに記憶される。即ち、管理サーバ52の記憶装置52Aに制御プログラムの更新版である更新プログラムが登録されると、油圧ショベル1の情報コントローラ20は、管理サーバ52と通信端末23を通して更新プログラムを受け取る。更新プログラムは、通信端末23から情報コントローラ20および車載ネットワーク21を介して車体制御コントローラ19に転送される。
車体制御コントローラ19のメモリ19Aに更新プログラムが記憶されると、現在の制御プログラムを更新プログラムに更新するために、制御プログラムの書換を行う必要がある。制御プログラムの書換が開始されると、当該書換処理が終了するまでの間、油圧ショベル1による作業を中断しなければならない。即ち、プログラムの書換を行っているときは、その間、作業が中断される。そこで、実施の形態では、プログラムの書換(更新)以外の処理によって油圧ショベル1を操作することができないとき、即ち、フィルタ15の再生処理を行っているときに、この再生処理と併せてプログラムの書換処理(更新処理)を行う構成としている。
図3は、車体制御コントローラ19、情報コントローラ20、および、ECU11のブロック図である。図3において、表示装置22および通信端末23は、情報コントローラ20と接続されている。手動再生スイッチ25は、ECU11と接続されている。ゲートロックスイッチ18およびプログラム更新許可スイッチ26は、車体制御コントローラ19と接続されている。手動再生スイッチ25は、フィルタ15の再生をECU11に指示するものである。オペレータは、手動再生スイッチ25を操作することにより、手動によるフィルタ15の再生(手動再生)を行うことができる。ゲートロックスイッチ18は、運転席の乗降口に設けられたゲートロックレバーがロック位置であるかロック解除位置であるかを検出するものである。
プログラム更新許可スイッチ26は、プログラムの更新を車体制御コントローラ19に指示するプログラム更新指示装置(更新指示部)である。オペレータは、表示装置22に制御プログラムの更新を行うか否かの選択画面(図8参照)が表示されたときに、プログラム更新許可スイッチ26を操作することにより、フィルタ15の再生と一緒にプログラムの更新を行うことができる。即ち、プログラム更新許可スイッチ26は、オペレータによりプログラムの更新を行う旨の操作がされると、車体制御コントローラ19(の手動再生時プログラム更新要求判定部19D)にプログラム更新許可信号を出力する。車体制御コントローラ19は、プログラム更新許可スイッチ26からのプログラム更新許可信号に基づいて、フィルタ15の再生と一緒にプログラムの更新を行う。
情報コントローラ20は、更新プログラム伝達部20B、表示画面切換部20Cを備えている。更新プログラム伝達部20Bの入力側は、通信端末23に接続されている。更新プログラム伝達部20Bの出力側は、車体制御コントローラ19(の更新プログラム記憶部19Bおよびプログラム更新要求部19C)に接続されている。更新プログラム伝達部20Bは、通信端末23から更新プログラムを受け取り、車体制御コントローラ19に伝達する。
表示画面切換部20Cの入力側は、車体制御コントローラ19(のプログラム更新要求部19C、全体終了判定部19J)、ECU11(の手動再生要求部11A)に接続されている。また、表示画面切換部20Cの入力側は、更新プログラム伝達部20Bに接続されている。表示画面切換部20Cの出力側は、表示装置22に接続されている。表示画面切換部20Cは、更新プログラム伝達部20B、車体制御コントローラ19(のプログラム更新要求部19C、全体終了判定部19J)、ECU11(の手動再生要求部11A)からの情報を受け、表示装置22に表示する内容を送信する。
例えば、表示画面切換部20Cは、ECU11の手動再生要求部11Aから「手動再生の要求」に対応する信号が入力されると、フィルタ15の再生(手動再生)が必要である旨の報知画面(図7参照)を表示装置22に表示する。表示画面切換部20Cは、車体制御コントローラ19のプログラム更新要求部19Cから「プログラムの更新の要求」に対応する信号が入力されると、制御プログラムの更新を行うか否かの選択画面(図8参照)を表示装置22に表示する。表示画面切換部20Cは、車体制御コントローラ19の全体終了判定部19Jから出力された「プログラムの更新と手動再生の終了」に対応する信号が入力されると、終了画面(図10参照)を表示装置22に表示する。また、表示画面切換部20Cは、プログラムの更新を行わずに手動再生のみが行われたときも、車体制御コントローラ19の全体終了判定部19Jから「手動再生の終了」に対応する信号が入力されると、終了画面(図10参照)を表示装置22に表示する。
車体制御コントローラ19は、更新プログラム記憶部19B、プログラム更新要求部19C、手動再生時プログラム更新要求判定部19D、ゲートロック状態判定部19E、制御プログラム記憶部19F、プログラム更新実行部19G、プログラム更新終了判定部19H、全体終了判定部19Jを備えている。
更新プログラム記憶部19Bの入力側は、情報コントローラ20(の更新プログラム伝達部20B)に接続されている。更新プログラム記憶部19Bの出力側は、手動再生時プログラム更新要求判定部19Dに接続されている。更新プログラム記憶部19Bは、情報コントローラ20の更新プログラム伝達部20Bから送信された更新プログラムを記憶する。更新プログラム記憶部19Bは、車体制御コントローラ19のメモリ19Aに対応する。
プログラム更新要求部19Cの入力側は、情報コントローラ20(の更新プログラム伝達部20B)、ECU11(の手動再生許可判定部11B)に接続されている。プログラム更新要求部19Cの出力側は、情報コントローラ20(の表示画面切換部20C)に接続されている。プログラム更新要求部19Cは、ECU11(の手動再生許可判定部11B)から手動再生許可の信号が入力されると、更新プログラム記憶部19Bに更新プログラムが格納されているか否かを確認する。プログラム更新要求部19Cは、更新プログラム記憶部19Bに更新プログラムが格納されている場合は、「プログラム更新の要求」に対応する信号を情報コントローラ20(の表示画面切換部20C)に送信する。情報コントローラ20(の表示画面切換部20C)は、「プログラム更新の要求」に対応する信号が入力されると、表示装置22に図8の選択画面を表示する。
手動再生時プログラム更新要求判定部19Dの入力側は、更新プログラム記憶部19B、プログラム更新許可スイッチ26、ECU11(の手動再生許可判定部11B)に接続されている。手動再生時プログラム更新要求判定部19Dの出力側は、プログラム更新実行部19G、ECU11(の手動再生実行部11C)に接続されている。手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、ECU11(の手動再生許可判定部11B)から出力された手動再生許可信号が入力される。手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、プログラム更新許可スイッチ26から出力されるプログラム更新許可信号が入力される。
手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、手動再生許可信号とプログラム更新許可信号とを受けて、手動再生のときにプログラムの更新を併せて行うか否かの判定を行う。手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、手動再生とプログラム更新との両方を行うときは、手動再生を行う旨の指令をECU11(の手動再生実行部11C)に出力すると共に、プログラム更新を行う旨の指令をプログラム更新実行部19Gに出力する。一方、手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、プログラム更新を行わずに手動再生を行うときは、手動再生を行う旨の指令をECU11(の手動再生実行部11C)に出力する。この場合、手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、プログラム更新実行部19Gに対してプログラム更新を行う旨の指令を出力しない。
ゲートロック状態判定部19Eの入力側は、ゲートロックスイッチ18に接続されている。ゲートロック状態判定部19Eの出力側は、ECU11(の手動再生許可判定部11B、手動再生実行部11C)に接続されている。ゲートロック状態判定部19Eは、ゲートロックスイッチ18からの入力を受け、ゲートロック状態、即ち、ゲートロックレバーがロック位置であるかロック解除位置であるかを判定する。ゲートロック状態判定部19Eは、判定結果、即ち、ロック位置であるかロック解除位置であるかの信号を、ECU11(の手動再生許可判定部11B、手動再生実行部11C)に出力する。
制御プログラム記憶部19Fの入力側は、プログラム更新実行部19Gに接続されている。制御プログラム記憶部19Fは、プログラム更新実行部19Gによりプログラムの更新が行われるときに、更新プログラムが書き込まれる。制御プログラム記憶部19Fは、車体制御コントローラ19のメモリ19Aに対応する。
プログラム更新実行部19Gの入力側は、手動再生時プログラム更新要求判定部19D、ECU11(の手動再生実行部11C)に接続されている。プログラム更新実行部19Gの出力側は、制御プログラム記憶部19F、プログラム更新終了判定部19H、ECU11(の手動再生実行部11C)に接続されている。プログラム更新実行部19Gは、プログラムの更新を実行する。この場合、プログラム更新実行部19Gは、制御プログラム記憶部19Fに現在の制御プログラムを記憶する旨の信号(指令)を出力する。プログラム更新実行部19Gは、プログラムの更新を開始した旨の信号をプログラム更新終了判定部19H、ECU11の手動再生実行部11Cに出力する。
プログラム更新終了判定部19Hの入力側は、プログラム更新実行部19Gに接続されている。プログラム更新終了判定部19Hの出力側は、全体終了判定部19Jに接続されている。プログラム更新終了判定部19Hは、プログラムの更新終了を判定する。プログラム更新終了判定部19Hは、プログラム更新実行部19Gからプログラムの更新を開始した旨の信号が入力されると、プログラムの更新終了を判定する。プログラム更新終了判定部19Hは、プログラムの更新が終了したと判定すると、全体終了判定部19Jに対して、プログラムの更新が終了した旨の信号を出力する。
全体終了判定部19Jの入力側は、プログラム更新終了判定部19H、ECU11(の手動再生終了判定部11D)に接続されている。全体終了判定部19Jの出力側は、情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに接続されている。全体終了判定部19Jは、プログラムの更新と手動再生の終了を判定する。即ち、全体終了判定部19Jには、プログラムの更新が終了すると、プログラム更新終了判定部19Hからプログラムの更新が終了した旨の信号が入力される。また、全体終了判定部19Jには、手動再生が終了すると、ECU11の手動再生終了判定部11Dから手動再生が終了した旨の信号が入力される。
プログラムの更新と手動再生との両方が行われたときは、全体終了判定部19Jは、プログラム更新終了判定部19Hと手動再生終了判定部11Dとの両方から終了の信号が入力されると、その旨の信号、即ち、「プログラムの更新と手動再生の終了」の信号を情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに出力する。プログラムの更新を行わずに手動再生が行われたときは、全体終了判定部19Jは、手動再生終了判定部11Dから終了の信号が入力されると、その旨の信号、即ち、「手動再生の終了」の信号を、情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに出力する。
ECU11は、手動再生要求部11A、手動再生許可判定部11B、手動再生実行部11C、手動再生終了判定部11Dを備えている。手動再生要求部11Aの出力側は、手動再生許可判定部11B、情報コントローラ20(の表示画面切換部20C)に接続されている。手動再生要求部11Aは、フィルタ15の状態を見て、手動再生が必要と判断したときに手動再生の要求を出力する。即ち、手動再生要求部11Aは、差圧センサ17により検出されるフィルタ15の入口側と出口側との圧力の差に基づいて、フィルタ15に堆積している排気微粒子の堆積量を検知する。手動再生要求部11Aは、フィルタ15の排気微粒子の堆積量が増大することにより手動再生が必要と判定したときは、手動再生の要求を手動再生許可判定部11Bと情報コントローラ20に出力する。情報コントローラ20は、手動再生の要求が入力されると、表示装置22に図7の画面を出力させる。
手動再生許可判定部11Bの入力側は、手動再生要求部11A、手動再生スイッチ25、車体制御コントローラ19(のゲートロック状態判定部19E)に接続されている。手動再生許可判定部11Bの出力側は、車体制御コントローラ19(の手動再生時プログラム更新要求判定部19D、プログラム更新要求部19C)に接続されている。手動再生許可判定部11Bは、手動再生スイッチ25およびゲートロック状態判定部19Eからの出力に基づいて、手動再生を許可するか否かの判断を行う。即ち、手動再生許可判定部11Bは、ゲートロック状態判定部19Eからゲートロックレバーがロック位置である旨の信号が入力され、かつ、手動再生スイッチ25から手動再生の行う旨の信号(指示)が入力されると、手動再生許可と判定する。手動再生許可判定部11Bは、手動再生許可の信号を、車体制御コントローラ19(の手動再生時プログラム更新要求判定部19D、プログラム更新要求部19C)に出力する。
手動再生実行部11Cの入力側は、車体制御コントローラ19(の手動再生時プログラム更新要求判定部19D、ゲートロック状態判定部19E、プログラム更新実行部19G)に接続されている。手動再生実行部11Cの出力側は、手動再生終了判定部11D、車体制御コントローラ19(のプログラム更新実行部19G)に接続されている。手動再生実行部11Cは、手動再生時プログラム更新要求判定部19Dからの判定結果を受け取り、手動再生を実行する。即ち、手動再生実行部11Cは、燃料噴射装置でポスト噴射と呼ばれる再生用の燃料噴射を行うことにより排気ガスの温度を上昇させ、フィルタ15に堆積した粒子状物質を燃焼することによりフィルタ15の再生を実行する。この場合、手動再生実行部11Cは、手動再生を開始した旨の信号を手動再生終了判定部11D、車体制御コントローラ19(のプログラム更新実行部19G)に出力する。
手動再生終了判定部11Dの入力側は、手動再生実行部11Cに接続されている。手動再生終了判定部11Dの出力側は、車体制御コントローラ19(の全体終了判定部19J)に接続されている。手動再生終了判定部11Dは、手動再生が終了したことを判定する。手動再生終了判定部11Dは、手動再生実行部11Cから手動再生を開始した旨の信号が入力されると、手動再生の終了を判定する。手動再生終了判定部11Dは、フィルタ15の排気微粒子が燃焼し、その堆積量が所定の量(終了閾値)となるまで低減すると、再生が終了したと判定する。手動再生終了判定部11Dは、再生が終了したと判定すると、車体制御コントローラ19(全体終了判定部19J)に対して、再生が終了した旨の信号を出力する。
次に、車体制御コントローラ19、情報コントローラ20、および、ECU11で行われる制御処理(プログラムの更新処理、フィルタ15の再生処理)について、図4の流れ図を参照しつつ説明する。なお、図4の制御処理は、例えば、車体制御コントローラ19、情報コントローラ20、および、ECU11に通電している間、所定の制御周期で繰り返し実行される。また、図4に示す流れ図の各ステップは、それぞれ「S」という表記を用いる(例えば、ステップ1=「S1」とする)。
アクセサリON、イグニションON等により、車体制御コントローラ19、情報コントローラ20、および、ECU11が起動すると、図4の処理が開始される。S1では、手動再生要求処理を行う。この処理は、例えば、ECU11の手動再生要求部11Aで、フィルタ15の状態(粒子状物質の堆積量)を基に、手動による再生処理(手動再生)が必要か否かを判定する。そして、手動再生要求部11Aは、フィルタ15の再生が必要と判断した場合は、その情報を情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに送信する。表示画面切換部20Cは、その情報を表示装置22に送信し、表示装置22を介してオペレータに伝える。この場合、即ち、手動再生が必要と判断した場合は、表示装置22には、例えば、図7の画面が表示される。
S1に続くS2では、手動再生の指示があるか否かを判定する。即ち、S2では、手動再生の許可があるか否かを判定する。オペレータは、表示装置22の表示に基づいて、手動再生を行うときは、手動再生スイッチ25を操作する。即ち、オペレータは、手動再生スイッチ25を操作することにより、手動再生スイッチ25を介してECU11の手動再生許可判定部11Bに再生開始の指示を出力することができる。手動再生スイッチ25から再生開始の指示が出力されると、ECU11の手動再生許可判定部11Bは、ゲートロックスイッチ18および車体制御コントローラ19のゲートロック状態判定部19Eを介してゲートロックレバーがロック位置であるか否かを判定する。ECU11の手動再生許可判定部11Bは、ゲートロックレバーがロック位置であると判定した場合は、手動再生を許可する旨の信号となる手動再生許可の信号を、車体制御コントローラ19のプログラム更新要求部19C、手動再生時プログラム更新要求判定部19Dに出力する。
S2で「NO」、即ち、手動再生の許可なし(手動再生許可の信号が出力されていない)と判定された場合は、リターンする。即ち、リターンを介してスタートに戻り、S1以降の処理を繰り返す。一方、S2で「YES」、即ち、手動再生の許可あり(手動再生許可の信号が出力された)と判定された場合は、S3に進む。S3では、更新プログラムの有無を判定する。即ち、S3では、管理サーバ52から更新プログラムがダウンロードされ、車体制御コントローラ19のメモリ19Aに保存されているか否かを判定する。この場合、ECU11の手動再生許可判定部11Bからの手動再生許可の信号に基づいて、車体制御コントローラ19のプログラム更新要求部19Cは、更新プログラム記憶部19Bに更新プログラムが記憶されているか否かを判定する。
S3で「YES」、即ち、更新プログラムがダウンロード(記憶)されていると判定された場合は、S4に進む。S3で「NO」、即ち、更新プログラムがダウンロード(記憶)されていないと判定された場合は、S9に進む。S4では、プログラムの更新の許可確認画面を表示する。即ち、S4では、プログラム更新要求部19Cからプログラムの更新情報を情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに出力し、表示装置22に図8の画面を表示させる。これにより、オペレータに対して、プログラムの更新を実行するか否かを判断させる。
S4に続くS5では、プログラム更新を行うか否かを判定する。即ち、S5では、プログラムの更新の許可があるか否かを判定する。この場合、表示装置22の表示画面を見たオペレータが、プログラム更新許可スイッチ26を操作したか否かを判定する。オペレータは、プログラム更新許可スイッチ26を介して更新の指示を車体制御コントローラ19の手動再生時プログラム更新要求判定部19Dに出力することができる。
S5で「YES」、即ち、プログラム更新許可スイッチ26が操作された(更新の指示が出力された)と判定された場合は、更新許可ありと判定し、S6に進む。S5で「NO」、即ち、プログラム更新許可スイッチ26が所定時間内に操作されない(更新の指示が出力されない)と判定された場合は、更新許可なしと判定し、S9に進む。
S6では、プログラムの更新処理と再生処理(手動再生)を行う。この場合、車体制御コントローラ19の手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、ECU11の手動再生実行部11Cに再生指示を出力する。手動再生実行部11Cは、再生処理(ポスト噴射)を実行する。このとき、表示装置22に図9の画面を表示することができる。手動再生実行部11Cは、再生処理を実行(開始)すると、その旨の信号を車体制御コントローラ19のプログラム更新実行部19Gに出力する。プログラム更新実行部19Gは、手動再生実行部11Cからの再生処理の実行の信号が入力されると、プログラムの更新を行う。このとき、プログラム更新実行部19Gは、制御プログラム記憶部19Fに対して更新プログラムを書き込む。
S6に続くS7では、再生処理が中断したか否かを判定する。即ち、S7では、オペレータの操作により再生処理が中断したか否かを判定する。具体的には、オペレータがゲートロックレバーをロック位置からロック解除位置に操作すると、ゲートロックスイッチ18は、その旨の信号を車体制御コントローラ19のゲートロック状態判定部19Eに出力する。ゲートロック状態判定部19Eは、その操作情報を、ECU11の手動再生実行部11Cに出力する。手動再生実行部11Cは、この操作情報が入力されると、再生処理(ポスト噴射)を終了(中断)する。
S7で「YES」、即ち、再生処理が中断されたと判定された場合は、S11に進む。S11では、バックアッププログラム(更新前の制御プログラム)に戻す。即ち、手動再生実行部11Cが再生処理を中断すると、手動再生実行部11Cは中断信号を車体制御コントローラ19のプログラム更新実行部19Gに出力する。プログラム更新実行部19Gは、中断信号が入力されると、プログラムの更新を中断し、バックアッププログラムに戻す。S11で制御プログラムをバックアッププログラムに戻したら、リターンする。
一方、S7で「NO」、即ち、再生処理が中断されていないと判定された場合は、S8に進む。S8では、更新処理(プログラムの更新)と再生処理(手動再生)の両方が終了したか否かを判定する。再生処理の終了判定は、ECU11の手動再生終了判定部11Dが行う。更新処理の終了判定は、車体制御コントローラ19のプログラム更新終了判定部19Hが行う。車体制御コントローラ19の全体終了判定部19Jは、再生処理の終了判定と更新処理の終了判定に応じて、システムの状態を切換える。
S8で「NO」、即ち、更新処理と再生処理との両方が終了していないと判定した場合は、S6に戻り、S6以降の処理を繰り返す。例えば、プログラムの更新が終わっているが、手動再生が終わっていない場合、全体終了判定部19Jは、手動再生が終了するまで待機する。これに対して、手動再生が先に終了した場合、全体終了判定部19Jは、プログラムの更新が終わるまで待機する。一方、S8で「YES」、即ち、更新処理と再生処理との両方が終了したと判定した場合は、リターンする。この場合、表示装置22に図10の画面を表示してからリターンする。即ち、手動再生およびプログラムの更新が終了した場合、全体終了判定部19Jは、作業完了の情報を情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに出力する。表示画面切換部20Cは、その情報を表示装置22に出力し、表示装置22に図10の画面を表示することにより、その旨をオペレータに報知する。
これに対して、S3で「NO」と判定された場合、または、S5で「NO」と判定された場合は、S9に進む。即ち、手動再生行うがプログラムの更新を行わない場合は、S9に進む。S9では、再生処理(手動再生)を行う。この場合、車体制御コントローラ19の手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、ECU11の手動再生実行部11Cに再生指示を出力する。手動再生実行部11Cは、再生処理(ポスト噴射)を実行する。このとき、表示装置22に図9の画面を表示することができる。
S9に続くS10では、再生処理(手動再生)が終了したか否かを判定する。再生処理の終了判定は、ECU11の手動再生終了判定部11Dが行う。S10で「NO」、即ち、再生処理が終了していないと判定された場合は、S9に戻り、S9の処理を繰り返す。一方、S10で「YES」、即ち、再生処理が終了したと判定された場合は、リターンする。この場合も、表示装置22に図10の画面を表示することができる。
ここで、図5は、車体制御コントローラ19のメモリ19Aのメモリ領域を示す説明図である。メモリ19Aには、更新プログラム19A1、通常の車体動作を行う制御プログラム(通常プログラム19A2)、更新プログラムの書換中に車体を最低限制御するために必要な処理を実行する制御プログラム(書換時プログラム19A3)、書換前の制御プログラム(通常プログラム19A2)のコピーであり、書換が中断したときに用いられるバックアッププログラム19A4、オペレーティングシステム(OS19A6)とプログラムとの間でデータの遣り取りを行うミドルウエア19A5、プログラムを実行するときに演算、出入力の制御、管理を行うオペレーティングシステム(OS19A6)、周辺機器を制御するドライバ19A7が存在する。
図6は、プログラムの更新時のプログラム切換処理を表すシーケンス図である。プログラムの更新前は、OS19A6により通常プログラム19A2が実行されている。図4のS6でプログラムの更新を行うときは、通常プログラム19A2を終了させ、書換時プログラム19A3を実行させる。書換時プログラム19A3は、書換中に車体を最低限制御するために必要な処理を実行する制限プログラムである。即ち、再生とプログラムの書換(更新)とを実行することができる制限プログラムである。プログラムの更新が終了すると、書換時プログラム19A3を終了し、更新された通常プログラム19A2を起動する。
図7ないし図10は、表示装置22に表示される画面を示している。このうちの図7は、手動再生要求時に表示される画面を示している。図4のS1では、ECU11の手動再生要求部11Aにより手動再生が必要と判定されると、手動再生要求部11Aからその旨の信号が情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに出力される。この信号に基づいて、表示画面切換部20Cは、表示装置22に図7の画面を表示させる。
図8は、手動再生を実行しているときにプログラムの更新を行うか否かをオペレータに確認する画面を示している。図4のS4では、車体制御コントローラ19のプログラム更新要求部19Cから、プログラムの更新の許可を確認する画面を表示する旨の信号(指令)が情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに出力される。この信号に基づいて、表示画面切換部20Cは、表示装置22に図8の画面を表示させる。
図9は、手動再生およびプログラムの更新を行っているときの進捗状況の画面を示している。図4のS6、即ち、プログラムの更新と手動再生とを行っているときは、車体制御コントローラ19の全体終了判定部19Jから進捗状況に対応する信号が、情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに出力される。この信号に基づいて、表示画面切換部20Cは、表示装置22に図9の画面を表示させる。
図10は、手動再生およびプログラムの更新が終了したときの画面を示している。図4のS8で、車体制御コントローラ19の全体終了判定部19Jがプログラムの更新と手動再生との両方が終了したと判定すると、全体終了判定部19Jからその旨の信号が情報コントローラ20の表示画面切換部20Cに出力される。この信号に基づいて、表示画面切換部20Cは、表示装置22に図10の画面を表示させる。
以上のように、実施の形態では、更新プログラム記憶部と、再生指示判定部と、プログラム更新指示部と、プログラム更新処理部とを備える。更新プログラム記憶部は、車体制御コントローラ19の更新プログラム記憶部19B(換言すれば、メモリ19A)に相当する。更新プログラム記憶部19Bは、車体制御コントローラ19の制御プログラムの更新プログラムが記憶される。更新プログラムは、管理サーバ52の記憶装置52Aから通信回線53を介して油圧ショベル1に送信され、更新プログラム記憶部19Bに記憶される。
再生指示判定部は、ECU11の手動再生許可判定部11B(図4のS2の処理)に相当する。手動再生許可判定部11Bは、再生指示装置としての手動再生スイッチ25による再生の指示の有無を判定する。
プログラム更新指示部は、車体制御コントローラ19の手動再生時プログラム更新要求判定部19D(図4のS5の処理)に相当する。手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、手動再生許可判定部11Bにより再生の指示有りと判定されたときに、車体制御コントローラ19の制御プログラムの更新を指示する。即ち、手動再生時プログラム更新要求判定部19Dは、手動再生許可判定部11Bで再生指示を検知した後に、車体制御プログラムの更新を指示する。
プログラム更新処理部は、車体制御コントローラ19のプログラム更新実行部19G(図4のS6の処理)に相当する。プログラム更新実行部19Gは、手動再生時プログラム更新要求判定部19Dによる更新の指示に基づいて、車体制御コントローラ19の制御プログラムを更新プログラム記憶部19Bに記憶された更新プログラムに更新する。即ち、プログラム更新実行部19Gは、手動再生時プログラム更新要求判定部19Dの更新指示を検知したときに、車体制御コントローラの車体制御プログラムの更新を行う。
実施の形態では、プログラム更新確認部と、プログラム更新指示装置とをさらに備えている。プログラム更新確認部は、車体制御コントローラ19のプログラム更新要求部19C(図4のS4およびS5の処理)に相当する。プログラム更新要求部19Cは、手動再生許可判定部11Bにより再生の指示有りと判定されたときに、車体制御コントローラ19の制御プログラムを更新するか否かを確認する。この場合、プログラム更新要求部19Cは、情報コントローラ20(の表示画面切換部20C)を介して、表示装置22に図8の画面を表示させる。これにより、オペレータに対してプログラムの更新を行うか否かを確認する。プログラム更新指示装置は、プログラム更新許可スイッチ26に相当する。プログラム更新許可スイッチ26は、プログラム更新要求部19Cにより制御プログラムを更新するか否かの確認が行われたときに、制御プログラムを更新するか否かを選択するものである。オペレータは、手動再生と一緒にプログラムの更新を行うときは、プログラム更新許可スイッチ26を操作する。これにより、手動再生とプログラムの更新とを並行して行うことができる。
実施の形態では、図5に示すように、車体制御コントローラ19の制御プログラムは、通常プログラム19A2と、制限プログラムとなる書換時プログラム19A3とを有している。通常プログラム19A2は、通常の車体制御の処理を行うための制御プログラムである。即ち、通常プログラム19A2は、油圧ショベル1により掘削作業等の作業を行うときに、所期の性能を発揮させるための車体制御の処理を行う制御プログラムである。書換時プログラム19A3は、制御プログラムの更新、即ち、更新プログラムへの書換を行っているときに、通常プログラム19A2による車体制御の処理よりも制限された車体制御の処理を行う制御プログラムである。例えば、書換時プログラム19A3は、書換中に車体を最低限制御するために必要な処理を実行する制限プログラム、換言すれば、再生とプログラムの書換とを実行することができる制限プログラムである。そして、車体制御コントローラ19は、プログラム更新実行部19Gにより制御プログラムの更新を行うときに、図6に示すように、車体の動作の制御に用いる制御プログラムを通常プログラム19A2から書換時プログラム19A3に遷移する。
実施の形態では、再生終了判定部と、プログラム更新終了判定部と、全体終了判定部とをさらに備えている。再生終了判定部は、ECU11の手動再生終了判定部11D(図4のS8,S10)に相当する。手動再生終了判定部11Dは、フィルタ15の再生の終了を判定する。プログラム更新終了判定部は、車体制御コントローラ19のプログラム更新終了判定部19H(図4のS8)に相当する。プログラム更新終了判定部19Hは、プログラム更新実行部19Gによる制御プログラムの更新の終了を判定する。全体終了判定部は、車体制御コントローラ19の全体終了判定部19J(図4のS8)に相当する。全体終了判定部19Jは、手動再生終了判定部11Dによる再生の終了の判定とプログラム更新終了判定部19Hによる更新の終了の判定とに基づいて、再生の処理と更新の処理との両方の終了を判定する。そして、車体制御コントローラ19は、全体終了判定部19Jにより再生の処理と更新の処理との両方の終了を判定するまで、再生の処理と更新の処理とを継続させる。
実施の形態では、車体制御コントローラ19は、再生装置による再生の処理が中断された場合、即ち、フィルタ15の再生が終了する前に燃料噴射装置による再生用の燃料噴射(ポスト噴射)が中断された場合は、制御プログラムを更新前の制御プログラムであるバックアッププログラム19A4に戻す。即ち、車体制御コントローラ19は、図4のS7の処理により、再生処理が中断された、より具体的には、再生中にゲートロックレバーがロック位置からロック解除位置に操作されたと判定された場合は、S11の処理により、制御プログラムをバックアッププログラム19A4(更新前の制御プログラム)に戻す。
実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
キャブ7に搭乗したオペレータがエンジン10を起動させると、エンジン10によって油圧ポンプが駆動される。油圧ポンプから吐出した圧油は、キャブ7内に設けられた走行用レバー・ペダル操作装置、作業用レバー操作装置のレバー操作、ペダル操作に応じて、走行用油圧モータ、旋回用油圧モータ、ブームシリンダ5D、アームシリンダ5E、バケットシリンダ5F等に向けて吐出する。これにより、油圧ショベル1は、下部走行体2による走行動作、上部旋回体4の旋回動作、作業装置5による掘削作業等を行うことができる。
エンジン10の運転時には、排気管12から有害物質である粒子状物質が排出される。このときに排気ガス浄化装置13は、酸化触媒14によって排気ガス中の炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)を酸化除去することができる。フィルタ15は、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集する。これにより、浄化した排気ガスを下流側の排出口13Bを通じて外部に排出することができる。さらに、フィルタ15で捕集された粒子状物質は、再生処理により燃焼し除去される。これにより、フィルタ15は再生される。
実施の形態では、フィルタ15の排気微粒子の堆積量が増大すると、即ち、堆積量が所定値(手動再生要求閾値)を超えると、図7に示すように、表示装置22によりオペレータに対して手動再生が必要である旨が報知される。この報知に基づいて、オペレータが手動再生スイッチ25を操作すると、手動再生が行われる。手動再生は、例えば、燃料噴射装置のポスト噴射に基づいて排気ガスの温度を上昇させ、フィルタ15に堆積した粒子状物質を燃焼し除去することにより行われる。一方、管理サーバ52に制御プログラムの更新版(更新プログラム)が登録されると、油圧ショベル1の情報コントローラ20は、通信回線53を介して更新プログラムをダウンロードする。実施の形態では、図3および図4に示すように、油圧ショベル1で手動再生を行うときに、更新プログラムがダウンロードされていた場合には、手動再生(再生処理)と共にプログラムの更新(プログラムの書換)を行うことができる。
即ち、実施の形態によれば、車体制御コントローラ19のプログラム更新指示部(手動再生時プログラム更新要求判定部19D)は、再生指示判定部(手動再生許可判定部11B)により再生の指示有りと判定されたときに、車体制御コントローラ19の制御プログラムの更新を指示する。このため、再生処理(手動再生)によって油圧ショベル1の作業を行うことができない間に、この再生処理と併せてプログラムの更新(書換)を行うことができる。即ち、プログラムの更新以外の処理によって、オペレータが油圧ショベル1を操作することができない間に、プログラムの更新を行うことができる。このため、油圧ショベル1による作業ができなくなる時間の総量(総時間)を低減することができ、作業効率を向上することができる。
実施の形態によれば、車体制御コントローラ19の再生指示判定部(手動再生許可判定部11B)により再生の指示有りと判定されたときに、車体制御コントローラ19の制御プログラムを更新するか否かを確認するプログラム更新確認部(プログラム更新要求部19C)を備えている。これと共に、プログラム更新確認部(プログラム更新要求部19C)により制御プログラムを更新するか否かの確認が行われたときに、制御プログラムを更新するか否かを選択するプログラム更新指示装置(プログラム更新許可スイッチ26)を備えている。このため、オペレータは、再生処理を行うときに、この再生処理と併せてプログラムの更新を行うか否かを、プログラム更新指示装置(プログラム更新許可スイッチ26)により選択することができる。これにより、オペレータの意思に応じてプログラムの更新処理(書換処理)の可否を切換えることができる。
実施の形態によれば、車体制御コントローラ19は、プログラム更新処理部(プログラム更新実行部19G)により制御プログラムの更新を行うときに、車体の動作の制御に用いる制御プログラムを通常プログラム19A2から制限プログラム(書換時プログラム19A3)に遷移する。このため、プログラムの書換処理を行っているときは、処理負荷の小さい制限プログラム(書換時プログラム19A3)で制御を行うことができる。これにより、処理全体の負荷を低減し、書換に要する時間を低減することができる。
実施の形態によれば、車体制御コントローラ19は、全体終了判定部19Jにより再生の処理(手動再生)と更新の処理(更新プログラムの書換)との両方の終了を判定するまで、再生の処理と更新の処理とを継続させる。このため、再生の処理と更新の処理とのうちの一方の処理が終了した後に、他方の処理も確実に終了させることができる。
実施の形態によれば、車体制御コントローラ19は、再生の処理が中断された場合は、制御プログラムを更新前の制御プログラム(バックアッププログラム19A4)に戻す。このため、制御プログラムの更新の中断によって車体制御コントローラ19の動作が不安定になること(不具合が発生すること)を抑制することができる。
なお、実施の形態では、手動再生と一緒に制御プログラムの更新を行うか否かをオペレータに確認する構成、即ち、オペレータが手動再生と一緒に制御プログラムの更新を行うか否かを選択する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、オペレータの確認(選択)を省略する構成としてもよい。即ち、手動再生を行うときに、更新プログラムが更新プログラム記憶部に記憶(ダウンロード)されている場合には、オペレータに確認することなく、自動的に手動再生と一緒にプログラムの更新を行う構成としてもよい。
実施の形態では、油圧ショベル1の搭載機器を制御するコントローラ(制御装置)の制御プログラムの更新として、車体制御コントローラ19の制御プログラムの更新を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、車体制御コントローラ19の制御プログラムの更新と併せて、情報コントローラ20および/またはECU11の制御プログラムの更新を行うようにしてもよい。即ち、車体制御コントローラの制御プログラムの更新プログラムは、車体制御コントローラだけでなく、建設機械に搭載された各種機器のコントローラ(制御装置)の更新プログラムを含めることができる。
実施の形態では、油圧ショベル1の搭載機器を制御するコントローラ(制御装置)として、3つのコントローラ、即ち、車体制御コントローラ19と、情報コントローラ20と、ECU11とを備えた場合を例に挙げて説明した。即ち、車体制御コントローラ19と情報コントローラ20とECU11とをそれぞれ別体のコントローラとした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、車体制御コントローラと情報コントローラとECUとを、1つの車体制御コントローラとして構成してもよい。また、車体制御コントローラと情報コントローラとが一体となった車体制御コントローラとして構成してもよい。
実施の形態では、車体制御コントローラ19により制御される機器として、油圧ショベル1の油圧アクチュエータ(左,右の走行用油圧モータ、シリンダ5D,5E,5F、旋回用油圧モータ等)を駆動するための油圧機器(油圧ポンプ、制御弁、電磁弁)とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、車体制御コントローラにより制御される機器は、上記の機器以外にも、建設機械に搭載された各種機器(制御プログラムが組込まれたコントローラにより制御される各種機器)を含むものである。
実施の形態では、フィルタ15に堆積した粒子状物質の堆積量を検知する堆積量検知装置として、フィルタ15の入口側と出口側との圧力の差である差圧を検出する差圧センサ17により構成した場合を例に挙げて説明した。即ち、差圧センサ17により検出される差圧に基づいてフィルタ15に堆積した粒子状物質の堆積量を推定する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、粒子状物質の堆積量を、例えば、エンジン回転数Nと燃料噴射量Fと排気温度とに基づいて推定する構成としてもよい。また、粒子状物質の堆積量の推定を、エンジン回転数と燃料噴射量と排気温度だけでなく、フィルタ等の各部の温度、エンジン負荷等の状態量(運転状態を表す状態量)等を合せて用いて行う構成としてもよい。この場合には、例えば、エンジンの回転数を検出するエンジン回転センサ、燃料噴射量を検出する燃料噴射量測定装置、排気温度を検出する排気温度センサ等が堆積量検知装置に対応する。
実施の形態では、排気ガス浄化装置13を、酸化触媒14とフィルタ15とにより構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、酸化触媒と粒子状物質除去フィルタの他、尿素噴射弁、選択還元触媒装置等を組合せて用いる構成としてもよい。
実施の形態では、フィルタ15の再生(即ち、フィルタ15に堆積した粒子状物質の燃焼)を、ポスト噴射により行う構成とした場合を例に挙げて説明した。即ち、フィルタの再生(手動再生)を行う再生装置をエンジンの燃料噴射装置(と酸化触媒)により構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、排気ガス浄化装置(のフィルタ)にヒータを設けると共に、このヒータでフィルタを加熱することによりフィルタの再生(手動再生)を行う構成としてもよい。即ち、オペレータが再生指示装置(手動再生スイッチ25)を操作することにより開始される手動再生を行うための構成は、フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼させることができる各種の構成を採用することができる。
実施の形態では、再生指示装置として手動再生スイッチ25を個別に設ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、手動再生スイッチは、表示装置を構成するモニタ装置に付属の操作スイッチにより構成してもよい。また、表示装置を構成するモニタ装置の画面をタッチパネルとすることにより表示装置の画面を再生指示装置(手動再生スイッチ)としてもよい。即ち、再生指示装置は、オペレータにより手動再生の指示を出力できる各種の指示装置を採用することができる。
実施の形態では、プログラム更新指示装置としてプログラム更新許可スイッチ26を個別に設ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、プログラム更新許可スイッチは、表示装置を構成するモニタ装置に付属の操作スイッチにより構成してもよい。また、表示装置を構成するモニタ装置の画面をタッチパネルとすることにより表示装置の画面をプログラム更新指示装置(プログラム更新許可スイッチ)としてもよい。即ち、プログラム更新指示装置は、オペレータによりプログラムの更新の指示を出力できる各種の指示装置を採用することができる。
実施の形態では、油圧ショベル1のアクチュエータを油圧アクチュエータ(左,右の走行用油圧モータ、シリンダ5D,5E,5F、旋回用油圧モータ等)とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、建設機械のアクチュエータは、例えば、油圧アクチュエータ以外にも、電動アクチュエータ等、各種のアクチュエータを含むものである。
上述した実施の形態では、建設機械として、エンジン10により駆動されるエンジン式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、エンジンと電動モータとにより駆動されるハイブリッド式の油圧ショベルに適用してもよい。また、油圧ショベルに限らず、ホイールローダ、油圧クレーン、ダンプトラック、ブルドーザ等、各種の建設機械に広く適用することができる。