JP6871254B2 - より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量な材料を用いたゴルフ・クラブ・ヘッド - Google Patents

より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量な材料を用いたゴルフ・クラブ・ヘッド Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本明細書は、2015年12月27日に出願された米国仮特許出願第62/271,282号、2016年4月27日に出願された米国仮特許出願第62/328,502号、2016年9月26日に出願された米国仮特許出願第62/399,929号、および2016年12月1日に出願された米国仮特許出願第62/428,730号の利益を主張するものであり、これら仮特許出願のすべての内容は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
本開示は、ゴルフ・クラブに関する。詳細には、本開示は、ゴルフ・クラブ性能特性を改善するための、ゴルフ・クラブ・ヘッド用のより頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料について詳述する。
ゴルフ・クラブ・ヘッドは、さまざまな形、たとえば、ウッド、ハイブリッド、アイアン、ウェッジ、またはパターをとる。さまざまなタイプのゴルフ・クラブ・ヘッドは、さまざまな性能特性を達成するように、耐久性および製造性、ならびにクラブ・ヘッドの形状、設計、および寸法を維持するために、クラブ・ヘッド材料が異なることがある。
現在、さまざまな材料が、ゴルフ・クラブ・ヘッドを製造するために使用されている。ゴルフ・クラブ・ヘッド用の材料の選択は、製造性および耐久性を含む多数の要因に基づく。一般的には、材料の降伏強度は、クラブ・ヘッドが破損を防止するのに十分な耐久性を有することを保証するために、ゴルフ・クラブ・ヘッドの材料選択において大いに考慮される。さらに、クラブ・ヘッドの設計(たとえば、クラブ・ヘッドの形状および寸法)は、性能特性(たとえば、ボール・スピードおよびクラブ・ヘッドの許容性(forgiveness))を最適化するために使用される。現在、ゴルフ業界では、材料は、特定の性能特性を達成するように開発または選択されない。むしろ、性能特性は、クラブ・ヘッドの設計を通して達成され、材料は、所与の設計に関する強度および製造性に基づいて選択される。
当技術分野では、設計のみによって達成可能であるよりも大きく最適化された性能特性をもつゴルフ・クラブ・ヘッドが開発可能であるように、クラブ・ヘッドの耐久性を維持しながら、クラブ・ヘッドの設計とは無関係に、特定の性能特性(ボール・スピードおよびクラブ・ヘッドの許容性など)を改善するためにゴルフ・クラブ・ヘッドの材料を分析、選択、および/または開発できることが必要とされている。
一実施形態によるゴルフ・クラブ・ヘッドを示す図である。
クラブ・ヘッド本体において使用されるさまざまなスチール・タイプ・ゴルフ・クラブ・ヘッド材料の強度重量比と強度弾性率比との関係を示す図である。
クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用されるさまざまなスチール・タイプ・ゴルフ・クラブ・ヘッド材料の強度重量比と強度弾性率比との関係を示す図である。
さまざまなチタン・タイプ・ゴルフ・クラブ・ヘッド材料の強度重量比と強度弾性率比との関係を示す図である。
増加した強度重量比および/または強度弾性率比を有するさまざまな例示的なゴルフ・クラブ・ヘッド材料の性能利益を示す図である。
さまざまな例示的な材料の強度重量比と強度弾性率比との関係を示す図である。 図6Aの例示的な材料の内部エネルギーを示す図である。 図6Aの例示的な材料の内部エネルギーを示す図である。
本開示の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになるであろう。
図示の簡単さおよび明快さのために、図面は、構造の一般的な様式ならびによく知られている特徴および技法の説明および詳細が、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために省略されてよいことを示す。さらに、図面内の要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれない。たとえば、図内の要素のうちのいくつかの寸法が、本開示の実施形態の理解を改善する助けとなるように、他の要素と比較して誇張されることがある。異なる図内の同じ参照番号は、同じ要素を示す。
本明細書で説明されるのは、現在ゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用されている材料よりも頑丈な、弾力性の高い、および/または軽量な少なくとも1つの材料(以下では「材料」)を有するゴルフ・クラブ・ヘッドである。材料は、フェースプレート、本体、またはフェースプレートと本体の組み合わせの上に位置決め可能である。材料は、材料の降伏強度対密度の比として測定される強度重量比すなわち比強度を含む。より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料は、材料の降伏強度対弾性率の比として測定される強度弾性率比すなわち比弾力性(specific flexibility)をさらに含む。材料クラス(たとえば、スチール、チタン、アルミニウム、他の金属、または複合物)内では、本明細書において説明される材料の強度重量比および/または強度弾性率比はそれぞれ、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料の強度重量比および/または強度弾性率比よりも大きい。
多くの実施形態では、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料の比強度は、類似の材料クラス内での現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料の比強度よりも大きい。材料の比強度の増加は、より軽量な材料、したがって、知られている材料を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較した、材料を有するクラブ・ヘッドの裁量重量の増加をもたらすことができる。裁量重量の増加は、クラブ・ヘッド上での重量の位置決めにおける柔軟性の増加を可能にし、重心の位置決めの最適化および(ペリメーター・ウェイティングの増加による)クラブ・ヘッドの慣性モーメントの増加をもたらすことができる。したがって、増加した比強度をもつ材料を有するクラブ・ヘッドは、知られている材料を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較した、重心位置の最適化とクラブ・ヘッド許容性の増加をもたらすことができる。
多くの実施形態では、材料の比弾力性は、類似の材料クラス内の現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料の比弾力性よりも大きい。材料の比弾力性の増加は、知られている材料を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、材料を有するクラブ・ヘッドの弾力性の増加をもたらす。クラブ・ヘッドの弾力性の増加は、クラブ・ヘッドとの衝突時のゴルフ・ボールのエネルギー損失を減少させ、それによって、ボール・スピードおよび距離を増加させることができる。したがって、増加した比弾力性をもつ材料を有するゴルフ・クラブ・ヘッドは、知られている材料を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較したボール・スピードおよび移動距離の増加をもたらすことができる。
多くの実施形態では、ゴルフ・クラブ・ヘッドのより頑丈な、より弾力性の高い、およびより軽量な材料は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料よりも大きい比弾力性と組み合わせて、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料よりも大きい比強度を備えることができる。これらの実施形態では、クラブ・ヘッドは、クラブ・ヘッドの耐久性を維持しながら、現在のゴルフ・クラブ・ヘッドと比較して、増加した裁量重量および弾力性を有することができる。
明細書および特許請求の範囲における「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語は、もしあれば、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも、特定の逐次的順番または時系列的順番について説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、したがって、本明細書において説明される実施形態は、たとえば、本明細書において示されるまたは別の方法で説明される順序とは異なる順序における動作が可能であることが理解されるべきである。そのうえ、「含む」および「有する」という用語ならびにそれらのいかなる変形形態も、非排他的な包含を含むことが意図され、したがって、要素のリストを備えるプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置は、必ずしもそれらの要素に限定されず、明確にリストされないまたはそのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置に固有の他の要素を備えてよい。
明細書および特許請求の範囲における「左」、「右」、「前」、「後ろ」、「上部」、「底部」、「〜の上の」、「〜の下の」などの用語は、もしあれば、説明の目的で使用され、必ずしも恒久的な相対的位置について説明するために使用されない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、したがって、本明細書において説明される装置、方法、および/または製造品の実施形態は、たとえば、本明細書において示されるまたは別の方法で説明される向きとは異なる向きにおける動作が可能であることが理解されるべきである。
本明細書において定義される「複合材料」という用語は、組み合わされると個々の構成要素と異なる特性をもつ材料を生じる、かなり異なる物理的性質または化学的性質をもつ2つ以上の構成材料を指す。
本明細書において定義される「材料クラス」という用語は、類似の組成を有する材料のグループを指す。たとえば、チタン合金、すなわちチタンと他の化学的要素の混合物を含む金属は、本明細書において、材料クラスと呼ばれる。さらにたとえば、スチール合金、すなわち鉄と他の化学的要素の混合物を含む材料は、本明細書において、材料クラスと呼ばれる。
本明細書において定義される「強度重量比」および「比強度」という用語は、材料の降伏強度対材料の密度の比として測定される材料の性質を差す。
本明細書において定義される「強度弾性率比」および「比弾力性」という用語は、材料の降伏強度対材料の弾性率の比として測定される材料の性質を指す。
本開示のいずれの実施形態も詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるまたは以下の図面に示される構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態が可能であり、さまざまな様式で実施されることまたは行われることが可能である。
図1は、本体10とフェースプレート14とを有するゴルフ・クラブ・ヘッド100を示す。ゴルフ・クラブ・ヘッド100は、前端22と、前端22と反対側の後端24と、ヒール部分26と、ヒール部分26と反対側のトゥ部分28と、上部すなわちクラウン30と、クラウン30と反対側の底部すなわちソール34とをさらに含む。
本明細書において説明されるゴルフ・クラブ・ヘッド100は、ドライバー・タイプのクラブ・ヘッド、フェアウェイ・ウッド・タイプのクラブ・ヘッド、ハイブリッド・タイプのクラブ・ヘッド、クロスオーバー・タイプのクラブ・ヘッド、アイアン・タイプのクラブ・ヘッド、ウェッジ・タイプのクラブ・ヘッド、またはパター・タイプのクラブ・ヘッドを含む、任意のタイプのゴルフ・クラブ・ヘッドとすることができる。クラブ・ヘッド100は、シャフト20に結合されて、ゴルフ・クラブを形成することができる。いくつかの実施形態では、クラブ・ヘッド100は、ゴルフ・クラブのシャフト20を受け入れるように構成されたホーゼル18を含む。いくつかの実施形態では、クラブ・ヘッド100は、ゴルフ・クラブのシャフト20を受け入れるように構成された穴を含む。
ゴルフ・クラブ・ヘッド100は、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料(以下では「材料」)、または複数の材料をさらに含む。たとえば、ゴルフ・クラブ・ヘッド100は、第1の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、クラブ・ヘッド100全体は、第1の材料を備えることができる。他の実施形態では、クラブ・ヘッド100の一部分は、第1の材料を備えることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、フェースプレート14は、第1の材料を備えることができ、本体10は、異なる材料または複数の材料を備えることができる。他の実施形態では、本体は第1の材料を備えることができ、フェースプレートは、異なる材料または複数の材料を備えることができる。
いくつかの実施形態では、ゴルフ・クラブ・ヘッド100は、第1の材料と異なる第2の材料をさらに含む。たとえば、いくつかの実施形態では、フェースプレートは第1の材料を備えることができ、本体は第2の材料を備えることができる。さらにたとえば、いくつかの実施形態では、本体は第1の材料を備えることができ、フェースプレートは第2の材料を備えることができる。他の実施形態では、フェースプレートは、第1の材料と第2の材料を備えることができる。他の実施形態では、本体は、第1の材料と第2の材料を備えることができる。
より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料または複数の材料は、任意のタイプの材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、材料は、チタン合金を含む。いくつかの実施形態では、材料は、スチール合金を含む。いくつかの実施形態では、材料は、アルミニウム合金を含む。いくつかの実施形態では、材料は、炭素繊維複合物、ガラス繊維複合物、ポリマー複合物、アラミド複合物、ホウ素繊維複合物、または天然繊維(たとえばウッド)複合物などの複合物を含む。複合物は、エポキシ、ビニル、エステル、ポリエステル、ポリウレタン、またはポリプロピレンなどのポリマー樹脂をさらに含んでよい。いくつかの実施形態では、複合材料は、炭素繊維複合材料を含むことができる。材料が炭素繊維複合材料を含む実施形態では、炭素繊維複合材料は、熱可塑性材料とすることができる。熱可塑性炭素繊維複合材料の使用によって、熱硬化性炭素繊維複合材料の使用と比較して、比強度および/または比弾力性などの所望の性質を達成するために材料に必要とされる処理時間が減少することができる。他の実施形態では、材料は、任意のタイプの金属、金属合金、ポリマー、プラスチック、または複合材料を含むことができる。
いくつかの実施形態では、第1の材料と第2の材料は、同じまたは類似の材料組成を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の材料と第2の材料は、異なる材料組成を含むことができる。
A.材料の性質
より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料は、比重、降伏応力、弾性率、および伸びを含む。以下の関係式1を参照すると、材料の伸びは、引っ張り力の結果としての長さの変化(ΔL)対材料の初期長さ(L)の比として測定される伸び率パーセントとすることができる。
Figure 0006871254
材料は、材料の降伏応力(σ)対密度(ρ)の比(以下の関係式2を参照されたい)として測定される強度重量比すなわち比強度と、材料の降伏応力(σ)対弾性率(E)の比(以下の関係式3を参照されたい)として測定される強度弾性率比すなわち比弾力性をさらに含む。
Figure 0006871254
Figure 0006871254
図5を参照すると、ゴルフ・クラブ・ヘッド(たとえば、材料Aを含むクラブ・ヘッドと比較した、材料Bから成るクラブ・ヘッド)内で使用される材料の比強度を増加させることによって、クラブ・ヘッド重量の減少(重心位置および慣性モーメントを最適化するための裁量重量の増加)をもたらすことができる。さらに、ゴルフ・クラブ・ヘッド(たとえば材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較した、材料Cから成るクラブ・ヘッド)内で使用される材料の比弾力性を増加させることによって、ボール・スピードおよび移動距離の増加をもたらすことができる。またさらに、ゴルフ・クラブ・ヘッド(たとえば、材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較した、材料Dから成るクラブ・ヘッド)内で使用される材料の比強度と比弾力性の両方を増加させることによって、耐久性を犠牲にすることのないクラブ・ヘッド性能の改善のためのボール・スピードおよび移動距離の増加と組み合わせて、重量の減少という有益な結果になることができる。
図2〜図4は、本明細書において説明される材料(たとえば、図5における材料D)の比強度および比弾力性と比較した、ゴルフ・クラブ・ヘッド内で現在使用されているさまざまな材料(たとえば、図5における材料A)の比強度(強度重量比)と比弾力性(強度弾性率比)との関係を示す。多数の現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料は、降伏強度のみに基づいて選択される。対照的に、比弾力性と組み合わせて、比強度に基づいて材料を選択することは、降伏強度のみの増加に基づいては達成不可能であろうクラブ・ヘッド性能の改善を提供することができる。一般に、増加した比強度を有する材料は、類似の耐久性を目的として設計されたとき、より軽量な材料をもたらし、増加した比弾力性を有する材料は、類似の耐久性を目的として設計されたとき、弾力性の増加をもたらす。
軽量材料は、ゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて、裁量重量を増加させるために望ましく、弾力性の高い材料は、ゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて、ゴルフ・ボールとの衝突中のエネルギー損失を減少させるために望ましい。しかしながら、現在のクラブ・ヘッド材料は、一般的には、重量および弾力性のために選択されない(たとえば、現在のクラブ・ヘッド材料は、一般的には、比弾力性と組み合わせた比強度を使用して選択されない)。むしろ、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料は、一般的には、クラブ設計に基づいて、クラブ・ヘッドの破損を防止するために、降伏強度または比強度に応じて選択される。したがって、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料は、強度性質に基づいて選択され、最適な重心位置などの他のパラメータおよびクラブ・ヘッドの慣性モーメントの最大化に加えて、重量減少、重量再分布、および弾力性を達成するようにさらに設計される。
たとえば、現在のゴルフ・クラブ・ヘッドは、一般的には、裁量重量を増加させるように設計され、したがって、より多くの重量が、所望の重心位置を達成し、クラブ・ヘッドの慣性モーメントを増加させるように、クラブ・ヘッド上の特定の位置に分布可能である。現在のクラブ・ヘッドでは、裁量重量は、一般的には、クラブ・ヘッドの薄い部分の破損を防止するためにある降伏強度または比強度をもつ材料を使用しながら、クラブ・ヘッドの所望の部分(たとえば、フェースプレート、クラウンなど)における厚さを減少させることによって増加される。さらにたとえば、現在のゴルフ・クラブ・ヘッドは、一般的には、曲げ性または弾力性を増加させるように設計される。現在のクラブ・ヘッドでは、弾力性は、一般的には、クラブ・ヘッドの薄い部分または高応力領域の破損を防止できる降伏強度または比強度をもつ材料を使用しながら、クラブ・ヘッドの所望の部分の厚さを減少させることによって、および/または構造設計を変えることによって、増加される。これらの例では、現在のクラブ・ヘッドの構造設計を薄くすることおよび/または変更することは、使用される材料の強度によって制限される。したがって、設計によって達成される現在のクラブ・ヘッドの重量減少および弾力性は、材料強度によって制限される。裁量重量および/または弾力性は、クラブ・ヘッド設計と組み合わせて、以下で説明される、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を使用することによって、現在のクラブ・ヘッドと比較して、さらに増加可能である。
本明細書において説明される材料は、クラブ・ヘッド設計とは無関係に、クラブ・ヘッド100の重量減少および/または弾力性増加を達成するために開発または選択される。これを達成するために、材料(たとえば、図5の材料B、C、またはD)の比強度および/または比弾力性はそれぞれ、材料クラス内の現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料(たとえば、図5の材料A)の比強度および/または比弾力性よりも大きい。たとえば、いくつかの実施形態では、材料(たとえば、図5の材料B)は、材料クラス内の現在のクラブ・ヘッド材料(たとえば、図5の材料A)と比較して、増加した比強度を有する。さらにたとえば、いくつかの実施形態では、材料(たとえば、図5の材料C)は、材料クラス内の現在のクラブ・ヘッド材料(たとえば、図5の材料A)と比較して、増加した比弾力性を有する。さらにたとえば、いくつかの実施形態では、材料(たとえば、図5の材料D)は、材料クラス内の現在のクラブ・ヘッド材料(たとえば、図5の材料A)と比較して、増加した比強度および増加した比弾力性を有する。以下で説明されるように、所与のクラス内の現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料と比較した比強度および比弾力性の増加によって、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を有するゴルフ・クラブ・ヘッド100の性能特性の改善をもたらすことができる。
多くの実施形態では、材料の比強度は、材料クラス内の現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料の比強度よりも大きい。比強度の増加は、耐久性を維持しながらの、所与の体積に対する材料の重量の減少に対応することができる。材料の比強度の増加によって、クラブ・ヘッド100の破損を防止するために必要な降伏強度を維持しながら、クラブ・ヘッド設計とは無関係に、クラブ・ヘッド100の重量を減少させることができる。これらの実施形態では、クラブ・ヘッド100は、耐久性を維持しながら、さらなる重量節約を可能にするようにさらに設計可能であり(たとえば、厚さの減少)、それによって、クラブ・ヘッド100は、知られている材料を用いたクラブ・ヘッドと比較して、増加した裁量重量を有することが可能である。裁量重量の増加によって、クラブ・ヘッド100の所望の重心位置および慣性モーメントを達成する上での設計の柔軟性の増加が可能である。たとえば、裁量重量の増加によっては、追加の裁量重量の、クラブ・ヘッド100上での低い後方での位置決めを可能にし、低い後方の重心位置を達成することができる。さらにたとえば、裁量重量の増加によって、クラブ・ヘッド100の周辺上での追加の裁量重量の位置決めを可能にし、それによって、クラブ・ヘッド100の慣性モーメントを増加させ、中心を外して打った場合の許容性の増加をもたらすことができる。したがって、増加した比強度をもつ材料を有するクラブ・ヘッド100は、知られている材料を用いたゴルフ・クラブ・ヘッドと比較した、重心位置の最適化およびクラブ・ヘッドの慣性モーメントの増加をもたらすことができる。
それとは反対に、本明細書において説明される材料の比強度よりも低い比強度を有する現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料すなわち材料は、本明細書において説明されるより頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を有するクラブ・ヘッドと比較して、耐久性の減少をもたらす、より低い降伏強度、またはクラブ・ヘッドの他の領域内に最適に位置決めされる予定の重量の望ましくない増加および裁量重量の減少をもたらす、より高い密度(それによって、最適な重心位置決めを防止し、慣性モーメント・ゲインを防止する)を有してよい。
多くの実施形態では、材料の比弾力性は、材料クラス内の現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料の比弾力性よりも大きい。比弾力性の増加は、所与の形状または構成に対する材料の弾力性の増加に対応することができる。材料の比弾力性の増加によって、クラブ・ヘッド100の破損を防止するために必要な降伏強度を維持しながら、クラブ・ヘッド設計とは無関係に、クラブ・ヘッド100の曲げ性または弾力性(すなわち、反発係数または特徴的な時間)が増加する。これらの実施形態では、クラブ・ヘッド100は、耐久性を維持しながら、さらなる弾力性を可能にするようにさらに設計可能であり(たとえば、厚さの減少)、それによって、クラブ・ヘッド100は、知られている材料を用いたクラブ・ヘッドと比較して、増加した弾力性を有することが可能である。弾力性の増加によって、ゴルフ・ボールへの伝達のために歪みエネルギーを運動エネルギー(または内部エネルギーまたはばねエネルギー)に変換する衝突時の曲げの増加をもたらし、それによって、衝突時のエネルギー損失を減少させ、ボール・スピードおよび移動距離を増加させる。したがって、増加した比弾力性をもつ材料を有するクラブ・ヘッド100は、知られている材料を用いた類似のゴルフ・クラブ・ヘッドと比較してボール・スピードおよび移動距離の増加をもたらすことができる。
それは反対に、本明細書において説明される材料の比弾力性よりも低い比弾力性を有する現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料すなわち材料は、本明細書において説明されるより頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を有するクラブ・ヘッドと比較して、耐久性の減少をもたらす、より低い降伏強度、または弾力性の減少および/もしくはフェースのたわみの減少をもたらし、それによって、ゴルフ・ボールの移動距離を制限する、より高い弾性率を有してよい。
類似の材料クラスの現在のゴルフ・クラブ・ヘッド材料と比較して増加した比強度および増加した比弾力性をもつ材料を有するクラブ・ヘッド100は、クラブ・ヘッドの破損を防止するのに十分な強度を維持しながら、クラブ・ヘッド設計とは無関係に、重量節約および弾力性の増加を可能にすることができる。本明細書において説明されるクラブ・ヘッド100は、クラブ・ヘッドの強度または耐久性を犠牲にすることなく、追加の重量節約および弾力性のためにさらに設計可能である。したがって、より頑丈な、より弾力性の高い、およびより軽量な材料を有するクラブ・ヘッド100は、知られている材料を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、(重量節約の増加による)裁量重量の増加および弾力性の増加を達成することができる。クラブ・ヘッド100の裁量重量の増加によって、より多くの重量をクラブ・ヘッド100上の特定の位置に分布させ、所望の重心位置を達成し、クラブ・ヘッド100の慣性モーメントを増加させ、中心を外して打った場合のクラブ・ヘッドの許容性の増加をもたらすことが可能になる。クラブ・ヘッド100の弾力性の増加によって、ゴルフ・ボールとの衝突時のクラブ・ヘッド100の変形の増加が可能になる。クラブ・ヘッド100の変形の増加によって、衝突時のエネルギー損失が減少し、したがって、より多くのエネルギーがゴルフ・ボールに伝達され、ボール・スピードおよび移動距離を増加させる。
I).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量な材料を用いた中空本体クラブ・ヘッド
多くの実施形態では、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料(以下では「材料」)を備えるクラブ・ヘッドは、ドライバー、またはハイブリッド、フェアウェイ・ウッドなどの中空本体タイプのクラブ・ヘッドとすることができる。多くの実施形態では、クラブ・ヘッドは、35度以下、30度以下、25度以下、20度以下、15度以下、又は、10度以下のロフトを有することができる。
これらの実施形態では、クラブ・ヘッド本体10が材料を備えることができ、フェースプレート14が材料を備えることができ、またはクラブ・ヘッド本体10およびフェースプレート14が材料を備えることができる。
a).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量な材料を備える本体
多くの実施形態では、クラブ・ヘッド100の本体10は、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を備える。これらの実施形態では、本体10全体は材料を備えることができ、または、本体10の少なくとも一部分は材料を備えることができ、本体10の残りは、異なる材料または複数の材料を備える。たとえば、いくつかの実施形態では、クラブ・ヘッド100のクラウン30の一部分は、材料を備えることができる。さらにたとえば、いくつかの実施形態では、クラブ・ヘッド100のソール34の一部分は、材料を備えることができる。多くの実施形態では、本体10の材料は、本体10の少なくとも一部分を形成するように鋳造される。
いくつかの実施形態では、材料は、処理された(たとえば、特定のパラメータで熱処理された)後、ゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用される現在の材料と比較して、より大きな比強度および/またはより大きな比弾力性を備える。いくつかの実施形態では、材料は、熱処理または他の処理技法なしで、ゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用される現在の材料と比較して、より大きな比強度および/またはより大きな比弾力性を備える。これらの実施形態では、材料は、ゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用される現在の材料と比較して比強度および/または比弾力性をさらに増加させるために処理(たとえば、熱処理)可能である。
i).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量なスチール合金を備える本体
図2は、本明細書において説明されるクラブ・ヘッド本体のための、スチール合金を含む、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料と比較した、現在のクラブ・ヘッド本体において使用されるさまざまなスチール合金タイプの材料の比強度(すなわち強度重量比)および比弾力性(すなわち強度弾性率比)の範囲を示す。ゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される多くの知られているスチール合金タイプの材料は、600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)よりも小さい比強度と、0.0060よりも小さい比弾力性と、170,000PSI(1172MPa)よりも小さい降伏強度と、28,000,000PSI(193,053MPa)よりも大きい弾性率とを有する。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を含む実施形態では、スチール合金の比強度は、600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)以上とすることができる。
例えば、スチール合金の比強度は、625,000PSI/lb/in(156MPa/g/cm)以上、650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、675,000PSI/lb/in(168MPa/g/cm)以上、700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)以上、725,000PSI/lb/in(181MPa/g/cm)以上、750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、775,000PSI/lb/in(193MPa/g/cm)以上、800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)以上、825,000PSI/lb/in(205MPa/g/cm)以上、850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、875,000PSI/lb/in(218MPa/g/cm)以上、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、925,000PSI/lb/in(230MPa/g/cm)以上、950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)以上、1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、1,025,000PSI/lb/in(255MPa/g/cm)以上、1,075,000PSI/lb/in(268MPa/g/cm)以上、又は、1,125,000PSI/lb/in(280MPa/g/cm)以上とすることができる。
例えばさらに、スチール合金の比強度は、600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)と1,125,000PSI/lb/in(280MPa/g/cm)の間、625,000PSI/lb/in(156MPa/g/cm)と1,025,000PSI/lb/in(255MPa/g/cm)の間、725,000PSI/lb/in(181MPa/g/cm)と1,025,000PSI/lb/in(255MPa/g/cm)の間、又は、825,000PSI/lb/in(205MPa/g/cm)と1,025,000PSI/lb/in(255MPa/g/cm)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を含む実施形態では、スチール合金の比弾力性は、0.0060以上とすることができる。例えば、スチール合金の比弾力性は、0.0062以上、0.0064以上、0.0066以上、0.0068以上、0.0070以上、0.0072以上、0.0076以上、0.0080以上、0.0084以上、0.0088以上、0.0092以上、0.0096以上、0.0100以上、0.0105以上、0.0110以上、0.0115以上、0.0120以上、0.0125以上、0.0130以上、0.0135以上、0.0140以上、0.0145以上、又は、0.0150以上とすることができる。
例えばさらに、スチール合金の比弾力性は、0.0060と0.0120の間、0.0070と0.0120の間、0.0080と0.0120の間、0.0090と0.0120の間、0.0060と0.0150の間、0.0070と0.0150の間、0.0080と0.0150の間、又は、0.0090と0.0150の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を含む実施形態では、スチール合金の降伏強度は、170,000PSI(1172MPa)以上、175,000PSI(1207MPa)以上、180,000PSI(1241MPa)以上、185,000PSI(1276MPa)以上、190,000PSI(1310MPa)以上、195,000PSI(1344MPa)以上、200,000PSI(1379MPa)以上、225,000PSI(1551MPa)以上、又は、250,000PSI(1724MPa)以上とすることができる。さらに、スチール合金を有する材料の降伏強度は、170,000PSI(1172MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間、175,000PSI(1207MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間、180,000PSI(1241MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間、185,000PSI(1276MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間、190,000PSI(1310MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間、又は、200,000PSI(1379MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を含む実施形態では、スチール合金の弾性率は、28,000,000PSI(193,053MPa)以下、27,500,000PSI(189,606MPa)以下、27,000,000PSI(186,159MPa)以下、26,500,000PSI(182,711MPa)以下、26,000,000PSI(179,264MPa)以下、25,500,000PSI(175,816MPa)以下、又は、25,000,000PSI(172,369MPa)以下とすることができる。さらに、スチール合金の弾性率は、25,000,000PSI(172,369MPa)と28,000,000PSI(193,053MPa)の間、25,000,000PSI(172,369MPa)と27,000,000PSI(186,159MPa)の間、又は、25,000,000PSI(172,369MPa)と26,000,000PSI(179,264MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を含む実施形態では、スチール合金の密度は、0.40lb/in(11.0g/cm)以下、0.35lb/in(9.7g/cm)以下、0.30lb/in(8.3g/cm)以下、0.29lb/in(8.0g/cm)以下、0.28lb/in(7.8g/cm)以下、0.27lb/in(7.5g/cm)以下、0.26lb/in(7.2g/cm)以下、又は、0.25lb/in(6.9g/cm)以下とすることができる。さらに、スチール合金の密度は、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.40lb/in(11.0g/cm)の間、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.35lb/in(9.7g/cm)の間、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.30lb/in(8.3g/cm)の間、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.29lb/in(8.0g/cm)の間、又は、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.28lb/in(7.8g/cm)の間とすることができる。
図2を参照すると、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金の比強度および/または比弾力性は、ゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される現在のスチール合金タイプの材料の外側のグラフの領域にシフトされる。たとえば、スチール合金の比強度は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られているスチール合金タイプの材料の比強度よりも大きいとすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料B)。比強度の増加は、知られているスチール合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較した、クラブ・ヘッド重量の減少または裁量重量の増加をもたらすことができる。さらにたとえば、スチール合金の比弾力性は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られているスチール合金タイプの材料の比弾力性よりも大きいとすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料C)。比弾力性の増加は、クラブ・ヘッド本体の弾力性の増加をもたらし、それによって、知られているスチール合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、衝突時のゴルフ・ボールへのエネルギー伝達を増加させることができる。多くの実施形態では、スチール合金の比強度および比弾力性はそれぞれ、知られているスチール合金タイプの材料の比強度および比弾力性よりも大きくすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料D)。
クラブ・ヘッド100の本体10が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金を備える実施形態では、スチール合金は、所望の比強度および比弾力性を達成することが可能である任意の組成を有することができる。たとえば、スチール合金は、18.0〜19.0wt%のニッケル、8.5〜9.5wt%のコバルト、4.6〜5.2wt%のモリブデンを有するC300スチールを含み、残りの合金組成は鉄および他の微量元素であることができる。いくつかの実施形態では、C300スチールを含むスチール合金の微量元素は、0.5〜0.8wt%のチタン、0.05〜0.15wt%のアルミニウム、0.5wt%未満のクロム、0.5wt%未満の銅、0.1wt%未満のマンガン、0.1wt%未満のシリコン、0.3wt%未満の炭素、0.01wt%未満のリン、または0.01wt%未満の硫黄を含むことができる。この例では、C300スチールを含むスチール合金の密度は0.289lb/in(7.99g/cm)である。
上述のように、スチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、C300を含むスチール合金は、スチール合金を約60分にわたって摂氏約830度に加熱し、その後、スチール合金を約4時間にわたって摂氏約480度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、214,400〜241,200PSI(1478〜1663MPa)の降伏強度と、22,041,000〜22,989,000PSI(151,970〜158,500MPa)の弾性率と、742,742〜835,585PSI/lb/in(185〜208MPa/g/cm)の比強度と、0.0097〜0.0105の比弾力性とを有するC300スチール合金スチールをもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、C300を含むスチール合金は、スチール合金を45〜90分にわたって摂氏750〜900度に加熱し、続いてスチール合金を3〜5時間にわたって400〜550度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、スチール合金は、11.0〜13.0wt%のコバルト、18.0〜19.0wt%のニッケル、4.5〜5.5wt%のモリブデン、1.0〜2.0wt%のチタンを有するC350スチールを含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、C350スチールを含むスチール合金の微量元素は、0.05〜0.15wt%のアルミニウム、0.03wt%以下の炭素、0.01wt%以下のリン、0.10wt%以下のシリコン、0.50wt%以下の銅、0.10wt%以下のマンガン、0.01wt%以下の硫黄、および0.50wt%以下のクロムを含むことができる。この例では、C350スチールを含むスチール合金の密度は0.292lb/in(8.08g/cm)である。
さらに、スチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、C350を含むスチール合金は、スチール合金を約60分にわたって摂氏約830度に加熱し、その後、スチール合金を約4時間にわたって摂氏約512度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、279,200〜314,100PSI(1925〜2166MPa)の降伏強度と、25,017,000〜26,093,000PSI(172,490〜179,900MPa)の弾性率と、956,492〜1,076,053PSI/lb/in(238〜268MPa/g/cm)の比強度と、0.0112〜0.0120の比弾力性とを有するC350スチール合金スチールをもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、C350を含むスチール合金は、スチール合金を45〜90分にわたって摂氏750〜900度に加熱し、その後、スチール合金を5〜7時間にわたって450〜550度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、2.0〜3.0wt%のクロム、14.0〜16.0wt%のコバルト、10.0〜12.0wt%のニッケル、1.0〜2.0wt%のモリブデンを有するNi−Co−Crスチール合金を含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、Ni−Co−Crスチール合金の微量元素は、0.35wt%以下の炭素を含むことができる。この例では、Ni−Co−Crスチール合金の密度は0.288lb/in(7.97g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供されてよい。たとえば、Ni−Co−Crスチール合金は、スチール合金を約60分にわたって摂氏約915度に加熱し、続いて、約60分にわたって摂氏−73度にて液体窒素中で低温凍結し、その後、スチール合金を約6時間にわたって摂氏約482度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。この例では、熱処理プロセスは、220,000〜247,500PSI(1517〜1706MPa)の降伏強度と、24,087,000〜25,123,000PSI(166,070〜173,220MPa)の弾性率と、763,889〜859,375PSI/lb/in(190〜214MPa/g/cm)の比強度と、0.0091〜0099の比弾力性とを有するNi−Co−Crスチール合金スチールをもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ni−Co−Crスチール合金は、スチール合金を45〜90分にわたって摂氏850〜950度に加熱し、続いて、任意選択で45〜90分にわたって液体窒素中で低温凍結し、その後、スチール合金を4〜6時間にわたって摂氏450〜550度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、2.0〜3.0wt%のクロム、15.0〜16.5wt%のコバルト、12.0〜13.0wt%のニッケル、1.0〜2.0wt%のモリブデンを有するNi−Co−Crスチール合金を含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、Ni−Co−Crスチール合金の微量元素は、0.4wt%以下の炭素を含むことができる。この例では、Ni−Co−Crスチール合金の密度は0.284lb/in(7.86g/cm)である。
さらに、スチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、Ni−Co−Crスチール合金は、スチール合金を約60分にわたって摂氏約968度に加熱し、続いて、約60分にわたって摂氏−73度にて液体窒素中で低温凍結し、スチール合金を約2.5時間にわたって摂氏約482度に加熱し、続いて、約60分にわたって摂氏−73度にて液体窒素中で低温凍結し、スチール合金を約2.5時間にわたって摂氏約482度に加熱し、続いて、約60分にわたって摂氏−73度にて液体窒素中で低温凍結することを含む熱処理に供されてよい。この例では、熱処理プロセスは、240,000〜270,000PSI(1655〜1862MPa)の降伏強度と、25,203,000〜26,287,000PSI(173,770〜181,240MPa)の弾性率と、845,070〜950,704PSI/lb/in(210〜237MPa/g/cm)の比強度と、0.0095〜0.0103の比弾力性とを有するNi−Co−Crスチール合金スチールをもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ni−Co−Crスチール合金は、スチール合金を45〜60分にわたって摂氏900〜1050度に加熱し、続いて、任意選択で約45〜90分にわたって液体窒素中で低温凍結し、スチール合金を1.5〜3.5時間にわたって摂氏400〜550度に加熱し、続いて、任意選択で45〜90分にわたって液体窒素中で低温凍結し、スチール合金を1.5〜3.5時間にわたって摂氏約400〜550度に加熱し、続いて、任意選択で約45〜90分にわたって液体窒素中で低温凍結することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、11.0〜12.5wt%のクロム、1.0〜2.0wt%のコバルト、11.0〜12.5wt%のニッケル、0.5〜1.5wt%のモリブデン、1.5〜2.5wt%のチタンを有する565スチールを含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、565スチールを含むスチール合金の微量元素は、0.05wt%以下の炭素、0.04wt%以下のリン、0.03wt%以下の硫黄、および0.5wt%以下のアルミニウムを含むことができる。この例では、565スチールを含むスチール合金の密度は0.284lb/in(7.87g/cm)である。
さらに、565スチールを含むスチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。この例では、565スチール合金スキャンは、212,000〜238,500PSI(1462〜1644MPa)の降伏強度と、22,320,000〜23,280,000PSI(153,890〜160,510MPa)の弾性率と、745,439〜838,619PSI/lb/in(186〜209MPa/g/cm)の比強度と、0.0095〜0.0102の比弾力性とを有する。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、3.0〜4.5wt%のニッケル、1.0〜2.0wt%のシリコン、0.75〜1.5wt%のクロム、1.0wt%未満の銅、1.25wt%未満のマンガン、1.0wt%未満のモリブデン、0.75wt%未満のバナジウムを有する焼入れ焼戻しされた(quench and tempered)スチール合金を含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。この例では、焼入れ焼戻しされたスチール合金の密度は0.284lb/in(7.86g/cm)である。
上述のように、スチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。この例では、焼入れ焼戻しされたスチール合金スキャンは、220,000PSI(1517MPa)の降伏強度と、23,100,000PSI(159,270MPa)の弾性率と、774,755PSI/lb/in(193MPa/g/cm)の比強度と、0.0095の比弾力性とを有する。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
ii).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量なチタン合金を備える本体
図4は、本明細書において説明されるチタン合金を含む、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料と比較した、現在のゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用されるさまざまなチタン合金タイプの材料の比強度(すなわち強度重量比)および比弾力性(すなわち強度弾性率比)の範囲を示す。ゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される多くの知られているチタン合金タイプの材料は、730,500PSI/(lb/in)よりも小さい比強度と、0.0065よりも小さい比弾力性と、115,000PSI(793MPa)よりも小さい降伏強度と、18,500,000PSI(127,553MPa)よりも大きい弾性率とを有する。
クラブ・ヘッド100の本体10が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を備える実施形態では、チタン合金の比強度は、730,500PSI/lb/in(182MPa/g/cm)以上とすることができる。例えば、チタン合金の比強度は、650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)以上、750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)以上、850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、又は、1,100,000PSI/lb/in(272MPa/g/cm)以上とすることができる。例えばさらに、チタン合金の比強度は、730,500PSI/lb/in(182MPa/g/cm)と1,100,000PSI/lb/in(272MPa/g/cm)の間、850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)と1,100,000PSI/lb/in(272MPa/g/cm)の間、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)と1,100,000PSI/lb/in(272MPa/g/cm)の間、又は、950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)と1,100,000PSI/lb/in(272MPa/g/cm)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体10が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を備える実施形態では、チタン合金の比弾力性は、0.0060以上とすることができる。例えば、チタン合金の比弾力性は、0.0065以上、0.0070以上、0.0075以上、0.0080以上、0.0085以上、0.0090以上、0.0095以上、0.0100以上、0.0105以上、0.0110以上、0.0115以上、又は、0.0120以上とすることができる。さらに、チタン合金の比弾力性は、0.0070と0.0120の間、0.0075と0.0120の間、0.0080と0.0120の間、0.0085と0.0120の間、0.090と0.0120の間、0.0095と0.0120の間、又は、0.0100と0.0120の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を備える実施形態では、チタン合金の降伏強度は、115,000PSI(793MPa)以上、120,000PSI(827MPa)以上、125,000PSI(862MPa)以上、130,000PSI(896MPa)以上、135,000PSI(931MPa)以上、140,000PSI(965MPa)以上、145,000PSI(1000MPa)以上、150,000PSI(1034MPa)以上、160,000PSI(1103MPa)以上、170,000PSI(1172MPa)以上、180,000PSI(1241MPa)以上、190,000PSI(1310MPa)以上、又は、200,000PSI(1379MPa)以上とすることができる。さらに、チタン合金の降伏強度は、120,000PSI(827MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、130,000PSI(896MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、140,000PSI(965MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、150,000PSI(1034MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、160,000PSI(1103MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、又は、170,000PSI(1172MPa)と00,000PSI(1379MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を備える実施形態では、チタン合金の弾性率は、18,500,000PSI(127,553MPa)以下、18,000,000PSI(124,106MPa)以下、17,500,000PSI(120,658MPa)以下、17,000,000PSI(117,211MPa)以下、16,500,000PSI(113,764MPa)以下、16,000,000PSI(110,316MPa)以下、15,500,000PSI(106,869MPa)以下、15,000,000PSI(103,421MPa)以下、14,500,000PSI(99,974MPa)以下、又は、14,000,000PSI(96,527MPa)以下とすることができる。さらに、チタン合金の弾性率は、14,000,000PSI(96,527MPa)と18,500,000PSI(127,553MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と17,500,000PSI(120,658MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と16,500,000PSI(113,764MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と16,000,000PSI(110,316MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と15,500,000PSI(106,869MPa)の間、又は、14,000,000PSI(96,527MPa)と15,000,000PSI(103,421MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を備える実施形態では、チタン合金の密度は、0.30lb/in(8.3g/cm)以下、0.25lb/in(6.9g/cm)以下、0.20lb/in(5.5g/cm)以下、0.19lb/in(5.3g/cm)以下、0.18lb/in(5.0g/cm)以下、又は、0.17lb/in(4.7g/cm)以下とすることができる。さらに、チタン合金の密度は、0.17lb/in(4.7g/cm)と0.30lb/in(8.3g/cm)の間、0.17lb/in(4.7g/cm)と0.25lb/in(6.9g/cm)の間、0.17lb/in(4.7g/cm)と0.20lb/in(5.5g/cm)の間、又は、0.17lb/in(4.7g/cm)と0.19lb/in(5.3g/cm)の間とすることができる。
図4を参照すると、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金の比強度および/または比弾力性は、ゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される現在のまたは知られているチタン合金タイプの材料の外側のグラフの領域にシフトされる。たとえば、チタン合金の比強度は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られているチタン合金タイプの材料の比強度よりも大きいとすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料B)。比強度の増加は、知られているチタン合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較した、クラブ・ヘッド重量の減少または裁量重量の増加をもたらすことができる。さらにたとえば、チタン合金の比弾力性は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られているチタン合金の比弾力性よりも大きいとすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料C)。比弾力性の増加は、クラブ・ヘッド本体の弾力性の増加という結果になり、それによって、知られているチタン合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、衝突時のゴルフ・ボールへのエネルギー伝達を増加させることができる。多くの実施形態では、チタン合金の比強度および比弾力性はそれぞれ、知られているチタン合金タイプの材料の比強度および比弾力性よりも大きくすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料D)。
クラブ・ヘッド100の本体10が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を備える実施形態では、チタン合金は、所望の比強度および比弾力性を達成することが可能である任意の組成を有することができる。
iii).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量なアルミニウム合金を備える本体
クラブ・ヘッド100の本体が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なアルミニウム合金を含む材料を備える実施形態では、アルミニウム合金の比強度は、600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)以上とすることができる。例えば、アルミニウム合金の比強度は、650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上、700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)以上、750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)以上、850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、又は、1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上とすることができる。例えばさらに、アルミニウム合金の比強度は、600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)と1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)の間、700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)と1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)の間、800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)と1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)の間、又は、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)と1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)の間とすることができる。
いくつかの実施形態では、アルミニウム合金の比強度は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られているアルミニウム合金タイプの材料の比強度よりも大きいとすることができる。比強度の増加は、知られているアルミニウム合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較した、クラブ・ヘッド重量の減少または裁量重量の増加をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金の比弾力性は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られているアルミニウム合金タイプの材料の比弾力性よりも大きいとすることができる。比弾力性の増加は、クラブ・ヘッド本体の弾力性の増加という結果になり、それによって、知られているアルミニウム合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、衝突時のゴルフ・ボールへのエネルギー伝達を増加させることができる。
クラブ・ヘッド100の本体10が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なアルミニウム合金を備える実施形態では、アルミニウム合金は、所望の比強度および比弾力性を達成することが可能である任意の組成を有することができる。たとえば、アルミニウムは、7.3〜8.3wt%の亜鉛、2.2〜3.0wt%のマグネシウム、1.6〜2.4wt%の銅、0.05〜0.15wt%のジルコニウムを有するアルミニウム7068合金を含むことができ、残りの合金組成はアルミニウムおよび他の微量元素である。いくつかの実施形態では、アルミニウム7068合金を含むアルミニウム合金の微量元素は、0.12wt%未満のシリコン、0.15wt%未満の鉄、0.10wt%未満のマンガン、0.05wt%未満のクロム、または0.10wt%未満のチタンを含むことができる。
多くの実施形態では、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なアルミニウム合金は、クラウン30、ソール34、前端22、後端24、ヒール部分26、トゥ部分28、またはクラブ・ヘッド100の本体10上の上記で説明された位置の組み合わせの少なくとも一部分の上に位置決め可能である。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、クラブ・ヘッド100のクラウン30の一部分の上に位置決めする。これらの実施形態では、アルミニウム合金は、厚さを画定するクラウン30の外面を通って内面に延びる。多くの実施形態では、厚さは、1.00mm以下、0.95mm以下、0.90mm以下、0.85mm以下、0.80mm以下、0.75mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.60mm以下、0.55mm以下、または0.50mm以下とすることができる。
iv).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量な複合材料から成る本体
クラブ・ヘッド100の本体が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な複合材料を含む材料を備える実施形態では、複合材料の比強度は、2,000,000PSI/lb/in(498MPa/g/cm)以上とすることができる。例えば、複合材料の比強度は、2,250,000PSI/lb/in(560MPa/g/cm)以上、2,500,000PSI/lb/in(623MPa/g/cm)以上、2,750,000PSI/lb/in(685MPa/g/cm)以上、3,000,000PSI/lb/in(747MPa/g/cm)以上、3,250,000PSI/lb/in(810MPa/g/cm)以上、3,500,000PSI/lb/in(872MPa/g/cm)以上、3,750,000PSI/lb/in(934MPa/g/cm)以上、又は、4,000,000PSI/lb/in(996MPa/g/cm)以上とすることができる。例えばさらに、複合材料の比強度は、2,000,000PSI/lb/in(498MPa/g/cm)と4,000,000PSI/lb/in(996MPa/g/cm)の間、2,250,000PSI/lb/in(560MPa/g/cm)と4,000,000PSI/lb/in(996MPa/g/cm)の間、2,500,000PSI/lb/in(623MPa/g/cm)と4,000,000PSI/lb/in(996MPa/g/cm)の間、2,750,000PSI/lb/in(685MPa/g/cm)と4,000,000PSI/lb/in(996MPa/g/cm)の間、又は、3,000,000PSI/lb/in(747MPa/g/cm)と4,000,000PSI/lb/in(996MPa/g/cm)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な複合材料を含む材料を備える実施形態では、複合材料の比弾力性は、0.0150以上、0.0175以上、0.0200以上、0.0225以上、0.0250以上、0.0275以上、0.0300以上、0.0325以上、0.0350以上、0.0375以上、又は、0.0400以上とすることができる。さらに、複合材料の比弾力性は、0.0150と0.0400の間、0.0200と0.0400の間、0.0250と0.0400の間、又は、0.0300と0.0400の間とすることができる。
いくつかの実施形態では、複合材料の比強度は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られている複合材料の比強度よりも大きいとすることができる。比強度の増加は、知られている複合材料を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較した、クラブ・ヘッド重量の減少または裁量重量の増加をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、複合材料の比弾力性は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られている複合材料の比弾力性よりも大きいとすることができる。比弾力性の増加は、クラブ・ヘッド本体の弾力性の増加という結果になり、それによって、知られている複合材料を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、衝突時のゴルフ・ボールへのエネルギー伝達を増加させることができる。
クラブ・ヘッド100の本体10が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な複合材料から成る実施形態では、複合材料は、所望の比強度および比弾力性を達成することが可能である任意の組成を有することができる。多くの実施形態では、複合材料は、クラウン30、ソール34、前端22、後端24、ヒール部分26、トゥ部分28、またはクラブ・ヘッド100の本体10上の上記で説明された位置の組み合わせの少なくとも一部分の上に位置決め可能である。いくつかの実施形態では、複合材料は、クラブ・ヘッド100のクラウン30の一部分の上に位置決めする。これらの実施形態では、複合材料は、厚さを画定するクラウン30の外面を通って内面に延びる。多くの実施形態では、厚さは、1.00mm以下、0.95mm以下、0.90mm以下、0.85mm以下、0.80mm以下、0.75mm以下、0.70mm以下、0.65mm以下、0.60mm以下、0.55mm以下、または0.50mm以下とすることができる。
b).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量な材料から成るフェースプレート
多くの実施形態では、クラブ・ヘッド・フェースプレート14は、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を備える。いくつかの実施形態では、フェースプレート14全体は、材料を備えることができる。いくつかの実施形態では、フェースプレート14の少なくとも一部分は材料を備えることができ、フェースプレート14の残りは、異なる材料または複数の材料を備える。多くの実施形態では、フェースプレート14上の材料は、フェースプレート14の少なくとも一部分を形成するようにシート材料から形成される。
いくつかの実施形態では、材料は、処理された(たとえば、特定のパラメータで熱処理された)後、ゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用される現在の材料と比較して、より大きな比強度および/またはより大きな比弾力性を備える。いくつかの実施形態では、材料は、熱処理または他の処理技法なしで、ゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用される現在の材料と比較して、より大きな比強度および/またはより大きな比弾力性を備える。これらの実施形態では、材料は、ゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用される現在の材料と比較して比強度および/または比弾力性をさらに増加させるために処理(たとえば、熱処理)可能である。
i).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量なスチール合金を備えるフェースプレート
図3は、本明細書において説明されるスチール合金を含む、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料と比較した、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される、さまざまな知られているスチール合金タイプの材料の比強度(すなわち強度重量比)および比弾力性(すなわち強度弾性率比)の範囲を示す。現在のゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される多くの知られているスチール合金は、828,000PSI/lb/in(206MPa/g/cm)よりも小さい比強度と、0.0082よりも小さい比弾力性と、220,000PSI(1517MPa)よりも小さい降伏強度と、35,000,000PSI(241,317MPa)よりも大きい弾性率とを有する。
クラブ・ヘッド100のフェースプレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金を含む材料を備える実施形態では、スチール合金の比強度は、650,000PSI/lb/in(162MPa/g/cm)以上とすることができる。
例えば、スチール合金の比強度は、700,000PSI/lb/in(174MPa/g/cm)以上、750,000PSI/lb/in(187MPa/g/cm)以上、800,000PSI/lb/in(199MPa/g/cm)以上、810,000PSI/lb/in(202MPa/g/cm)以上、820,000PSI/lb/in(204MPa/g/cm)以上、830,000PSI/lb/in(207MPa/g/cm)以上、840,000PSI/lb/in(209MPa/g/cm)以上、850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)以上、875,000PSI/lb/in(218MPa/g/cm)以上、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上、925,000PSI/lb/in(230MPa/g/cm)以上、950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)以上、1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、1,115,000PSI/lb/in(278MPa/g/cm)以上、1,120,000PSI/lb/in(279MPa/g/cm)以上、1,130,000PSI/lb/in(282MPa/g/cm)以上、1,140,000PSI/lb/in(284MPa/g/cm)以上、1,150,000PSI/lb/in(287MPa/g/cm)以上、1,175,000PSI/lb/in(293MPa/g/cm)以上、又は、1,200,000PSI/lb/in(299MPa/g/cm)以上とすることができる。
例えばさらに、スチール合金の比強度は、830,000PSI/lb/in(207MPa/g/cm)と1,200,000PSI/lb/in(299MPa/g/cm)の間、850,000PSI/lb/in(212MPa/g/cm)と1,200,000PSI/lb/in(299MPa/g/cm)の間、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)と1,200,000PSI/lb/in(299MPa/g/cm)の間、950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)と1,200,000PSI/lb/in(299MPa/g/cm)の間、又は、1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)と1,200,000PSI/lb/in(299MPa/g/cm)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100のフェースプレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金を含む材料を備える実施形態では、スチール合金の比弾力性は、0.0060以上とすることができる。例えば、スチール合金の比弾力性は、0.0065以上、0.0070以上、0.0075以上、0.0080以上、0.0082以上、0.0085以上、0.0090以上、0.0095以上、0.0100以上、0.0105以上、0.0110以上、0.0115以上、0.0120以上、0.0125以上、0.0130以上、0.0135以上、0.0140以上、0.0145以上、又は、0.0150以上とすることができる。さらに、スチール合金の比弾力性は、0.0080と0.0150の間、0.0085と0.0150の間、0.0090と0.0150の間、0.0095と0.0150の間、0.100と0.0150の間、0.0080と0.0140の間、0.0090と0.0140の間、又は、0.0100と0.0140の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100のフェースプレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金を含む材料を備える実施形態では、スチール合金の降伏強度は、220,000PSI(1517MPa)以上、230,000PSI(1586MPa)以上、240,000PSI(1655MPa)以上、250,000PSI(1724MPa)以上、260,000PSI(1793MPa)以上、270,000PSI(1862MPa)以上、280,000PSI(1931MPa)以上、290,000PSI(1999MPa)以上、又は、300,000PSI(2068MPa)以上とすることができる。さらに、スチール合金の降伏強度は、220,000PSI(1517MPa)と300,000PSI(2068MPa)の間、230,000PSI(1586MPa)と300,000PSI(2068MPa)の間、250,000PSI(1724MPa)と300,000PSI(2068MPa)の間、260,000PSI(1793MPa)と300,000PSI(2068MPa)の間、又は、270,000PSI(1862MPa)と300,000PSI(2068MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100のフェースプレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金を含む材料を備える実施形態では、スチール合金の弾性率は、35,000,000PSI(241,317MPa)以下、32,500,000PSI(224,080MPa)以下、30,000,000PSI(206,843MPa)以下、28,500,000PSI(196,501MPa)以下、27,500,000PSI(189,606MPa)以下、25,000,000PSI(172,369MPa)以下、又は、22,500,000PSI(137,895MPa)以下とすることができる。さらに、スチール合金の弾性率は、22,500,000PSI(137,895MPa)と35,000,000PSI(241,317MPa)の間、22,500,000PSI(137,895MPa)と32,500,000PSI(224,080MPa)の間、22,500,000PSI(137,895MPa)と30,000,000PSI(206,843MPa)の間、又は、22,500,000PSI(137,895MPa)と27,500,000PSI(189,606MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100のフェースプレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金を含む材料を備える実施形態では、スチール合金の密度は、0.40lb/in(11.0g/cm)以下、0.35lb/in(9.7g/cm)以下、0.30lb/in(8.3g/cm)以下、0.29lb/in(8.0g/cm)以下、0.28lb/in(7.8g/cm)以下、0.27lb/in(7.5g/cm)以下、0.26lb/in(7.2g/cm)以下、又は、0.25lb/in(6.9g/cm)以下とすることができる。さらに、スチール合金の密度は、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.40lb/in(11.0g/cm)の間、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.35lb/in(9.7g/cm)の間、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.30lb/in(8.3g/cm)の間、又は、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.28lb/in(7.8g/cm)の間とすることができる。
図3を参照すると、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金の比強度および/または比弾力性は、ゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される現在のスチール合金タイプの材料の外側のグラフの領域にシフトされる。たとえば、スチール合金の比強度は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される、知られているスチール合金タイプの材料の比強度よりも大きいとすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料B)。比強度の増加は、知られているスチール合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較した、クラブ・ヘッド重量の減少または裁量重量の増加をもたらすことができる。さらにたとえば、スチール合金の比弾力性は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される、知られているスチール合金タイプの材料の比弾力性よりも大きいとすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料C)。比弾力性の増加は、フェースプレートの弾力性の増加をもたらし、それによって、知られているスチール合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、衝突時のゴルフ・ボールへのエネルギー伝達を増加させることができる。多くの実施形態では、スチール合金の比強度および比弾力性はそれぞれ、知られているスチール合金タイプの材料の比強度および比弾力性よりも大きくすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料D)。
クラブ・ヘッド100のフェースプレート14が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金を備える実施形態では、スチール合金は、所望の比強度および比弾力性を達成することが可能である任意の組成を有することができる。たとえば、スチール合金は、18.0〜19.0wt%のニッケル、8.5〜9.5wt%のコバルト、4.6〜5.2wt%のモリブデンを有するC300スチールを含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、C300スチールを含むスチール合金の微量元素は、0.5〜0.8wt%のチタン、0.05〜0.15wt%のアルミニウム、0.5wt%未満のクロム、0.5wt%未満の銅、0.1wt%未満のマンガン、0.1wt%未満のシリコン、0.3wt%未満の炭素、0.01wt%未満のリン、または0.01wt%未満の硫黄を含むことができる。この例では、C300スチール合金の密度は0.289lb/in(7.99g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、C300を含むスチール合金は、スチール合金を約60分にわたって摂氏約830度に加熱し、その後、スチール合金を約4時間にわたって摂氏約480度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、268,000PSI(1848MPa)の降伏強度と、23,700,000PSI(163,410MPa)の弾性率と、928,428PSI/lb/in(231MPa/g/cm)の比強度と、0.0113の比弾力性とを有するC300スチール合金スチールをもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、C300を含むスチール合金は、スチール合金を45〜90分にわたって摂氏750〜900度に加熱し、続いてスチール合金を3〜5時間にわたって400〜550度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、11.0〜13.0wt%のコバルト、18.0〜19.0wt%のニッケル、4.5〜5.5wt%のモリブデン、1.0〜2.0wt%のチタンを有するC350スチールを含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、C350スチールを含むスチール合金の微量元素は、0.05〜0.15wt%のアルミニウム、0.03wt%以下の炭素、0.01wt%以下のリン、0.10wt%以下のシリコン、0.50wt%以下の銅、0.10wt%以下のマンガン、0.01wt%以下の硫黄、および0.50wt%以下のクロムを含むことができる。この例では、C350スチールを含むスチール合金の密度は0.292lb/in(8.08g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、C350を含むスチール合金は、スチール合金を約60分にわたって摂氏約830度に加熱し、その後、スチール合金を約4時間にわたって摂氏約512度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、349,000PSI(2406MPa)の降伏強度と、26,900,000PSI(185,470MPa)の弾性率と、1,195,615PSI/lb/in(298MPa/g/cm)の比強度と、0.0130の比弾力性とを有するC350スチール合金スチールをもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、C350を含むスチール合金は、スチール合金を45〜90分にわたって摂氏750〜900度に加熱し、その後、スチール合金を5〜7時間にわたって450〜550度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、2.0〜3.0wt%のクロム、14.0〜16.0wt%のコバルト、10.0〜12.0wt%のニッケル、1.0〜2.0wt%のモリブデンを有するNi−Co−Crスチール合金を含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、Ni−Co−Crスチール合金の微量元素は、0.35wt%以下の炭素を含むことができる。この例では、Ni−Co−Crスチール合金の密度は0.288lb/in(7.97g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供されてよい。たとえば、Ni−Co−Crスチール合金は、スチール合金を約60分にわたって摂氏約915度に加熱し、続いて、約60分にわたって摂氏−73度にて液体窒素中で低温凍結し、その後、スチール合金を約6時間にわたって摂氏約482度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。この例では、熱処理プロセスは、275,000PSI(1896MPa)の降伏強度と、25,900,000PSI(178,570MPa)の弾性率と、954,861PSI/lb/in(238MPa/g/cm)の比強度と、0.0106の比弾力性とを有するNi−Co−Crスチール合金スチールをもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ni−Co−Crスチール合金は、スチール合金を45〜90分にわたって摂氏850〜950度に加熱し、続いて、任意選択で45〜90分にわたって液体窒素中で低温凍結し、その後、スチール合金を4〜6時間にわたって摂氏450〜550度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、2.0〜3.0wt%のクロム、15.0〜16.5wt%のコバルト、12.0〜13.0wt%のニッケル、1.0〜2.0wt%のモリブデンを有するNi−Co−Crスチール合金を含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、Ni−Co−Crスチール合金の微量元素は、0.4wt%以下の炭素を含むことができる。この例では、Ni−Co−Crスチール合金の密度は0.284lb/in(7.86g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、Ni−Co−Crスチール合金を含むスチール合金は、スチール合金を約60分にわたって摂氏約968度に加熱し、続いて、約60分にわたって摂氏−73度にて液体窒素中で低温凍結し、スチール合金を約2.5時間にわたって摂氏約482度に加熱し、続いて、約60分にわたって摂氏−73度にて液体窒素中で低温凍結し、スチール合金を約2.5時間にわたって摂氏約482度に加熱し、続いて、約60分にわたって摂氏−73度にて液体窒素中で低温凍結することを含む熱処理に供されてよい。この例では、熱処理プロセスは、300,000PSI(2068MPa)の降伏強度と、27,100,000PSI(186,850MPa)の弾性率と、1,056,338PSI/lb/in(263MPa/g/cm)の比強度と、0.0111の比弾力性とを有するNi−Co−Crスチール合金スチールをもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ni−Co−Crスチール合金は、スチール合金を45〜60分にわたって摂氏900〜1050度に加熱し、続いて、任意選択で約45〜90分にわたって液体窒素中で低温凍結し、スチール合金を1.5〜3.5時間にわたって摂氏400〜550度に加熱し、続いて、任意選択で45〜90分にわたって液体窒素中で低温凍結し、スチール合金を1.5〜3.5時間にわたって摂氏約400〜550度に加熱し、続いて、任意選択で約45〜90分にわたって液体窒素中で低温凍結することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、11.0〜12.5wt%のクロム、1.0〜2.0wt%のコバルト、11.0〜12.5wt%のニッケル、0.5〜1.5wt%のモリブデン、1.5〜2.5wt%のチタンを有する565スチールを含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、565スチールを含むスチール合金の微量元素は、0.05wt%以下の炭素、0.04wt%以下のリン、0.03wt%以下の硫黄、および0.5wt%以下のアルミニウムを含むことができる。この例では、565スチールを含むスチール合金の密度は0.284lb/in(7.87g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。この例では、565スチール合金スキャンは、265,000PSI(1827MPa)の降伏強度と、24,000,000PSI(165,470MPa)の弾性率と、931,799PSI/lb/in(232MPa/g/cm)の比強度と、0.0110の比弾力性とを有する。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、3.0〜4.5wt%のニッケル、1.0〜2.0wt%のシリコン、0.75〜1.5wt%のクロム、1.0wt%未満の銅、1.25wt%未満のマンガン、1.0wt%未満のモリブデン、0.75wt%未満のバナジウムを有する焼入れ焼戻しされた(quench and tempered)スチール合金を含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。この例では、焼入れ焼戻しされたスチール合金の密度は0.284lb/in(7.86g/cm)である。
上述のように、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、焼入れ焼戻しされたスチール合金は、スチール合金を約60分にわたって摂氏約918度に加熱し、続いて、窒素冷却および約8時間にわたって摂氏−73度にて低温凍結し、続いてスチール合金を約2時間にわたって摂氏約260度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。この例では、焼入れ焼戻しされたスチール合金スキャンは、240,000PSI(1655MPa)の降伏強度と、23,600,000PSI(162,720MPa)の弾性率と、845,188PSI/lb/in(211MPa/g/cm)の比強度と、0.0102の比弾力性とを有する。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、焼入れ焼戻しされたスチール合金は、スチール合金を45−90分にわたって摂氏850−1050度に加熱し、続いて、窒素冷却および6−10時間にわたって任意の低温凍結し、続いてスチール合金を3−5時間にわたって摂氏200−350度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
ii).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量なチタン合金を備えるフェースプレート
図4は、本明細書において説明される、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン・フェースプレート材料と比較した、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用されるさまざまなチタン合金タイプの材料の比強度(すなわち強度重量比)および比弾力性(すなわち強度弾性率比)の範囲を示す。現在のゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される多くの知られているチタン合金は、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)よりも小さい比強度と、0.0090よりも小さい比弾力性と、160,000PSI(1103MPa)よりも小さい降伏強度と、18,500,000PSI(127,553MPa)よりも大きい弾性率とを有する
クラブ・ヘッド100のフェースプレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を含む材料から成る実施形態では、チタン合金の比強度は、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)以上とすることができる。
例えば、チタン合金の比強度は、910,000PSI/lb/in(227MPa/g/cm)以上、920,000PSI/lb/in(229MPa/g/cm)以上、930,000PSI/lb/in(232MPa/g/cm)以上、930,500PSI/lb/in(232MPa/g/cm)以上、940,000PSI/lb/in(234MPa/g/cm)以上、950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)以上、960,000PSI/lb/in(239MPa/g/cm)以上、970,000PSI/lb/in(242MPa/g/cm)以上、980,000PSI/lb/in(244MPa/g/cm)以上、990,000PSI/lb/in(247MPa/g/cm)以上、1,000,000PSI/lb/in(249MPa/g/cm)以上、1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)以上、1,075,000PSI/lb/in(268MPa/g/cm)以上、1,100,000PSI/lb/in(274MPa/g/cm)以上、1,150,000PSI/lb/in(286MPa/g/cm)以上、1,120,000PSI/lb/in(279MPa/g/cm)以上、1,130,000PSI/lb/in(282MPa/g/cm)以上、1,140,000PSI/lb/in(284MPa/g/cm)以上、1,150,000PSI/lb/in(287MPa/g/cm)以上、1,175,000PSI/lb/in(293MPa/g/cm)以上、1,200,000PSI/lb/in(299MPa/g/cm)以上、1,250,000PSI/lb/in(312MPa/g/cm)以上、又は、1,300,000PSI/lb/in(324Mpa/g/cm)以上とすることができる。
例えばさらに、チタン合金の比強度は、900,000PSI/lb/in(224MPa/g/cm)と1,300,000PSI/lb/in(324Mpa/g/cm)の間、920,000PSI/lb/in(229MPa/g/cm)と1,300,000PSI/lb/in(324Mpa/g/cmの間、930,500PSI/lb/in(232MPa/g/cm)と1,300,000PSI/lb/in(324Mpa/g/cm)の間、950,000PSI/lb/in(237MPa/g/cm)と1,300,000PSI/lb/in(324Mpa/g/cm)の間、970,000PSI/lb/in(242MPa/g/cm)と1,300,000PSI/lb/in(324Mpa/g/cm)の間、990,000PSI/lb/in(247MPa/g/cm)と1,300,000PSI/lb/in(324Mpa/g/cm)の間、1,050,000PSI/lb/in(262MPa/g/cm)と1,300,000PSI/lb/in(324Mpa/g/cm)の間、又は、1,075,000PSI/lb/in(268MPa/g/cm)と1,300,000PSI/lb/in(324Mpa/g/cm)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100のフェースプレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を備える実施形態では、チタン合金の比弾力性は、0.0075以上とすることができる。例えば、チタン合金の比弾力性は、0.0080以上、0.0085以上、0.0090以上、0.0091以上、0.0092以上、0.0093以上、0.0094以上、0.0095以上、0.0096以上、0.0097以上、0.0098以上、0.0099以上、0.0100以上、0.0105以上、0.0110以上、0.0115以上、0.0120以上、0.0125以上、0.0130以上、0.0135以上、又は、0.0140以上とすることができる。
例えばさらに、チタン合金の比弾力性は、0.0080と0.0140の間、0.0085と0.0140の間、0.0090と0.0140の間、0.0100と0.0140の間、0.0105と0.0140の間、0.0110と0.0140の間、0.0115と0.0140の間、0.0120と0.0140の間、0.0125と0.0140の間、0.0130と0.0140の間、又は、0.0135と0.0140の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100のフェースプレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を含む材料を備える実施形態では、チタン合金の降伏強度は、160,000PSI(1103MPa)以上、161,000PSI(1110MPa)以上、162,000PSI(1117MPa)以上、163,000PSI(1124MPa)以上、164,000PSI(1131MPa)以上、165,000PSI(1138MPa)以上、170,000PSI(1172MPa)以上、175,000PSI(1207MPa)以上、180,000PSI(1241MPa)以上、185,000PSI(1276MPa)以上、190,000PSI(1310MPa)以上、195,000PSI(1344MPa)以上、又は、200,000PSI(1379MPa)以上とすることができる。さらに、チタン合金の降伏強度は、160,000PSI(1103MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、163,000PSI(1124MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、165,000PSI(1138MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、170,000PSI(1172MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、175,000PSI(1207MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間、180,000PSI(1241MPa)と200,000PSI(1379MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100のフェースプレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を含む材料から成る実施形態では、チタン合金の弾性率は、18,500,000PSI(127,553MPa)以下、18,000,000PSI(124,106MPa)以下、17,500,000PSI(120,658MPa)以下、17,000,000PSI(117,211MPa)以下、16,500,000PSI(113,764MPa)以下、16,000,000PSI(110,316MPa)以下、15,500,000PSI(106,869MPa)以下、15,000,000PSI(103,421MPa)以下、14,500,000PSI(99,974MPa)以下、14,000,000PSI(96,527MPa)以下、13,500,000PSI(93,079MPa)以下、13,000,000PSI(89,632MPa)以下、12,500,000PSI(86,184MPa)以下、又は、12,000,000PSI(82,737MPa)以下とすることができる。さらに、チタン合金の弾性率は、14,000,000PSI(96,527MPa)と18,500,000PSI(127,553MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と18,000,000PSI(124,106MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と17,500,000PSI(120,658MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と17,000,000PSI(117,211MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と16,500,000PSI(113,764MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と16,000,000PSI(110,316MPa)の間、14,000,000PSI(96,527MPa)と15,500,000PSI(106,869MPa)の間、又は、14,000,000PSI(96,527MPa)と15,000,000PSI(103,421MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100のフェース・プレートが、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金を含む材料から成る実施形態では、チタン合金の密度は、0.30lb/in(8.3g/cm)以下、0.25lb/in(6.9g/cm)以下、0.20lb/in(5.5g/cm)以下、0.195lb/in(5.40g/cm)以下、0.19lb/in(5.3g/cm)以下、0.185lb/in(5.12g/cm)以下、0.18lb/in(5.0g/cm)以下、0.175lb/in(4.84g/cm)以下、0.17lb/in(4.7g/cm)以下、0.165lb/in(4.57g/cm)以下、又は、0.16lb/in(4.4g/cm)以下とすることができる。さらに、チタン合金の密度は、0.17lb/in(4.7g/cm)と0.30lb/in(8.3g/cm)の間、0.17lb/in(4.7g/cm)と0.25lb/in(6.9g/cm)の間、0.17lb/in(4.7g/cm)と0.20lb/in(5.5g/cm)の間、又は、0.17lb/in(4.7g/cm)と0.19lb/in(5.3g/cm)の間とすることができる。
図4を参照すると、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金の比強度および/または比弾力性は、ゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される現在のチタン合金タイプの材料の外側のグラフの領域にシフトされる。たとえば、チタン合金の比強度は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される、知られているチタン合金タイプの材料の比強度よりも大きいとすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料B)。比強度の増加は、知られているチタン合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較した、クラブ・ヘッド重量の減少または裁量重量の増加をもたらすことができる。さらにたとえば、チタン合金の比弾力性が、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用されるチタン合金タイプの材料の比弾力性よりも大きくすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料C)。比弾力性の増加は、フェースプレートの弾力性の増加をもたらし、それによって、知られているチタン合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、衝突時のゴルフ・ボールへのエネルギー伝達を増加させることができる。多くの実施形態では、チタン合金の比強度および比弾力性はそれぞれ、知られているチタン合金タイプの材料の比強度および比弾力性よりも大きくすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料D)。
クラブ・ヘッド100のフェースプレート14が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金から成る実施形態では、チタン合金は、所望の比強度および比弾力性を達成することが可能である任意の組成を有することができる。たとえば、チタン合金は、3〜4wt%のアルミニウム、7.5〜8.5wt%のバナジウム、5.5〜6.5のクロム、3.5〜4.5wt%のモリブデン、3.5〜4.5wt%のジルコニアを有するTi3−8−6−4−4を含むことができ、残りの合金組成はチタンおよび他の微量元素である。いくつかの実施形態では、Ti3−8−6−4−4を含む材料の微量元素は、0.05wt%未満の炭素、0.03wt%未満の鉄、0.03wt%未満の窒素、0.14wt%未満の酸素を含むことができる。この例では、Ti3−8−6−4−4を含む材料の密度は0.175lb/in(4.83g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、Ti3−8−6−4−4を含むチタン合金は、チタン合金を約30分にわたって摂氏約900度に加熱し、その後、チタン合金を約16時間にわたって摂氏約480度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、185,000PSI(1276MPa)の降伏強度と、14,400,000PSI(99,280MPa)の弾性率と、1,060,172PSI/lb/in(264MPa/g/cm)の比強度と、0.0128の比弾力性とを有するTi3−8−6−4−4チタン合金をもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ti3−8−6−4−4を含むチタン合金は、チタン合金を15〜75分にわたって摂氏800〜1000度に加熱し、続いてチタン合金を10〜20時間にわたって400〜550度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるチタン合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、9〜11wt%のバナジウム、1.6〜2.2wt%の鉄、2.6〜3.4wt%のアルミニウムを有するTi10−2−3を含むことができ、残りの合金組成はチタンおよび他の微量元素である。いくつかの実施形態では、Ti10−2−3を含むチタン合金の微量元素は、0.05wt%未満の炭素、0.05wt%未満の窒素、0.13wt%未満の酸素を含むことができる。この例では、Ti10−2−3を含む材料の密度は0.168b/in(4.65g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、Ti10−2−3を含むチタン合金は、チタン合金を約30分にわたって摂氏約760度に加熱し、その後、チタン合金を約8時間にわたって摂氏約385度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、180,000PSI(1241MPa)の降伏強度と、16,000,000PSI(110,320MPa)の弾性率と、1,071,429PSI/lb/in(267MPa/g/cm)の比強度と、0.0113の比弾力性とを有するTi10−2−3チタン合金をもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ti10−2−3を含むチタン合金は、チタン合金を15〜75分にわたって摂氏700〜825度に加熱し、続いてチタン合金を5〜15時間にわたって300〜450度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるチタン合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、14〜16wt%のバナジウム、2.5〜3.5wt%のクロム、2.5〜3.5wt%のすずを有するTi15−3−3−3を含むことができ、残りの合金組成はチタンおよび他の微量元素である。いくつかの実施形態では、Ti15−3−3−3を含むチタン合金の微量元素は、0.05wt%未満の炭素、0.25wt%未満の鉄、0.05wt%未満の窒素、0.13wt%未満の酸素を含むことができる。この例では、Ti15−3−3−3を含む材料の密度は0.172b/in(4.76g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、Ti15−3−3−3を含むチタン合金は、チタン合金を約30分にわたって摂氏約790度に加熱し、その後、チタン合金を約8時間にわたって摂氏約480度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、160,000PSI(1103MPa)の降伏強度と、13,000,000PSI(89,630MPa)の弾性率と、930,774PSI/lb/in(232MPa/g/cm)の比強度と、0.0123の比弾力性とを有するTi15−3−3−3チタン合金をもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ti15−3−3−3を含むチタン合金は、チタン合金を15〜75分にわたって摂氏700〜850度に加熱し、続いてチタン合金を5〜15時間にわたって400〜550度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるチタン合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、15wt%のモリブデン、5wt%のジルコニウム、3wt%のアルミニウムを有するTi15−5−3を含むことができ、残りの合金組成はチタンおよび他の微量元素である。この例では、Ti15−5−3を含む材料の密度は0.181b/in(5.01g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、Ti15−5−3を含むチタン合金は、チタン合金を約30分にわたって摂氏約850度に加熱し、その後、チタン合金を約6時間にわたって摂氏約500度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、189,000PSI(1303MPa)の降伏強度と、14,500,000PSI(99,970MPa)の弾性率と、1,044,199PSI/lb/in(260MPa/g/cm)の比強度と、0.0130の比弾力性とを有するTi15−5−3チタン合金をもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ti15−5−3を含むチタン合金は、チタン合金を15〜75分にわたって摂氏800〜900度に加熱し、続いてチタン合金を5〜7時間にわたって400〜600度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるチタン合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、7.5〜8.5wt%のバナジウム、0.8〜1.5wt%のアルミニウム、4.0〜6.0wt%の鉄を有するTi185を含むことができ、残りの合金組成はチタンおよび他の微量元素である。いくつかの実施形態では、Ti185を含むチタン合金の微量元素は、0.07wt%未満の窒素、0.05wt%未満の炭素、0.25〜0.50wt%の酸素、0.80〜1.5wt%のアルミニウムを含むことができる。この例では、Ti185を含む材料の密度は0.168b/in(4.65g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、Ti15−5−3を含むチタン合金は、チタン合金を約60分にわたって摂氏約704度に加熱し、その後、チタン合金を約2時間にわたって摂氏約482度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、210,000PSI(1448MPa)の降伏強度と、16,400,000PSI(113,070MPa)の弾性率と、1,250,000PSI/lb/in(311MPa/g/cm)の比強度と、0.0128の比弾力性とを有するTi185チタン合金をもたらす。例えばさらに、一実施形態では、Ti185を含むチタン合金は、チタン合金を約30分にわたって摂氏約675度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、178,000PSI(1227Pa)の降伏強度と、16,500,000PSI(113,760MPa)の弾性率と、1,059,524PSI/lb/in(264MPa/g/cm)の比強度と、0.0108の比弾力性とを有するTi185チタン合金をもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ti185を含むチタン合金は、チタン合金を30〜90分にわたって摂氏600〜800度に加熱し、および/または続いてチタン合金を1〜3時間にわたって400〜550度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるチタン合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、6.0wt%のバナジウム、6.0wt%のアルミニウム、2.0wt%のすずを有するTi6−6−2を含むことができ、残りの合金組成はチタンおよび他の微量元素である。いくつかの実施形態では、Ti6−6−2を含むチタン合金の微量元素は、0.5wt%未満の銅、0.5wt%未満の鉄を含むことができる。この例では、Ti6−6−2を含む材料の密度は0.164b/in(4.54g/cm)である。
さらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。たとえば、一実施形態では、Ti15−5−3を含むチタン合金は、チタン合金を約30分にわたって摂氏約900度に加熱し、その後、水焼き入れ、続いて、チタン合金を約6時間にわたって摂氏約500度に加熱することを含む熱処理に供することができる。この例では、熱処理プロセスは、161,000PSI(1110MPa)の降伏強度と、16,200,000PSI(111,700MPa)の弾性率と、981,707PSI/lb/in(245MPa/g/cm)の比強度と、0.0099の比弾力性とを有するTi6−6−2チタン合金をもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、Ti6−6−2を含むチタン合金は、チタン合金を15〜75分にわたって摂氏800〜1000度に加熱し、続いて水焼き入れ、さらに続いてチタン合金を5〜7時間にわたって400〜600度に加熱することを含む熱処理に供されてよい。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるチタン合金組成とともに変化することができる。
さらにたとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なチタン合金は、7〜8wt%のアルミニウム、2〜3wt%のモリブデン、0.5〜1.5wt%の鉄、0.5〜1.5wt%のバナジウムを有するST721を含むことができ、残りの合金組成はチタンおよび他の微量元素である。いくつかの実施形態では、ST721を含むチタン合金の微量元素は、0.25wt%未満のシリコン、0.20wt%未満の酸素、0.05wt%未満の炭素、0.04wt%未満の窒素を含むことができる。この例では、ST721チタン合金の密度は0.162b/in(4.47g/cm)である。さらに、この例では、ST721チタン合金は、175,000PSI(1207MPa)の降伏強度と、13,900,000PSI(95,840MPa)の弾性率と、1,083,519PSI/lb/in(270MPa/g/cm)の比強度と、0.0126の比弾力性とを有する。
ii).より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量な材料を用いたアイアン・タイプ・クラブ・ヘッド
多くの実施形態では、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を備えるクラブ・ヘッドは、アイアンまたはウェッジ・タイプ・クラブ・ヘッドであり得る。多くの実施形態では、クラブ・ヘッドは、15度以上、20度以上、25度以上、30度以上、45度以上、50度以上、又は、55度以上のロフトを有することができる。
いくつかの実施形態では、クラブ・ヘッドの全体がより頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を備えることができる。他の実施形態では、クラブ・ヘッドの少なくとも一部がそのような材料を備えることができ、クラブ・ヘッドの残りの部分が異なる1つ又は複数の材料を備えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、前端22およびホーゼル18を含むクラブ・ヘッドの一部がそのような材料を備えることができ、クラブ・ヘッドの後端24が異なる1つ又は複数の材料を備えることができる。
図2は、本明細書において説明されるスチール合金を含む、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料と比較した、現在のクラブ・ヘッド本体において使用されるさまざまなスチール合金タイプの材料の比強度(すなわち強度重量比)および比弾力性(すなわち強度弾性率比)の範囲を示す。現在のアイアン型ゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される多くの知られているスチール合金タイプの材料は、500,000PSI/lb/in(125MPa/g/cm)よりも小さい比強度と、0.0060よりも小さい比弾力性と、170,000PSI(1172MPa)よりも小さい降伏強度と、28,000,000PSI(193,053MPa)よりも大きい弾性率とを有する。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を含み、クラブ・ヘッド100がアイアン型又はウェッジ型クラブ・ヘッドである実施形態では、スチール合金の比強度は、500,000PSI/lb/in(125MPa/g/cm)以上とすることができる。
例えば、スチール合金の比強度は、510,000PSI/lb/in(127MPa/g/cm)以上、520,000PSI/lb/in(130MPa/g/cm)以上、530,000PSI/lb/in(132MPa/g/cm)以上、540,000PSI/lb/in(135MPa/g/cm)以上、550,000PSI/lb/in(137MPa/g/cm)以上、560,000PSI/lb/in(139MPa/g/cm)以上、570,000PSI/lb/in(142MPa/g/cm)以上、580,000PSI/lb/in(144MPa/g/cm)以上、590,000PSI/lb/in(147MPa/g/cm)以上、600,000PSI/lb/in(149MPa/g/cm)以上、625,000PSI/lb/in(156MPa/g/cm)以上、675,000PSI/lb/in(168MPa/g/cm)以上、725,000PSI/lb/in(181MPa/g/cm)以上、775,000PSI/lb/in(193MPa/g/cm)以上、825,000PSI/lb/in(205MPa/g/cm)以上、875,000PSI/lb/in(218MPa/g/cm)以上、925,000PSI/lb/in(230MPa/g/cm)以上、又は、975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)以上とすることができる。
例えばさらに、スチール合金の比強度は、510,000PSI/lb/in(127MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間、530,000PSI/lb/in(132MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間、550,000PSI/lb/in(137MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間、570,000PSI/lb/in(142MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間、590,000PSI/lb/in(147MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間、625,000PSI/lb/in(156MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間、675,000PSI/lb/in(168MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間、725,000PSI/lb/in(181MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間、775,000PSI/lb/in(193MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間、又は、825,000PSI/lb/in(205MPa/g/cm)と975,000PSI/lb/in(243MPa/g/cm)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を含み、クラブ・ヘッド100がアイアン又はウェッジ・タイプ・クラブ・ヘッドである実施形態では、スチール合金の比弾力性は、0.0060以上とすることができる。例えば、スチール合金の比弾力性は、0.0062以上、0.0064以上、0.0066以上、0.0068以上、0.0070以上、0.0072以上、0.0076以上、0.0080以上、0.0084以上、0.0088以上、0.0092以上、0.0096以上、0.0100以上、0.0104以上、0.0108以上、0.0112以上、0.0116以上、0.0120以上、0.0125以上、0.0130以上、0.0135以上、又は、0.0140以上とすることができる。
例えばさらに、スチール合金の比弾力性は、0.0060と0.0140の間、0.0062と0.0120の間、0.0064と0.0120の間、0.0066と0.0120の間、0.0068と0.0120の間、0.0070と0.0120の間、0.0080と0.0120の間、0.0088と0.0120の間、又は、0.0096と0.0120の間とすることができる。
いくつかの実施形態では、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金の伸びは、本体の塑性変形を許容してクラブ・ヘッド100の所望のロフト又はライ角のための屈曲を成し遂げるために、8%よりも、9%よりも、10%よりも、11%よりも、12%よりも、13%よりも、14%よりも、又は、15%よりも大きくなり得る。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を含む実施形態では、スチール合金の降伏強度は、170,000PSI(1172MPa)以上、175,000PSI(1207MPa)以上、180,000PSI(1241MPa)以上、185,000PSI(1276MPa)以上、190,000PSI(1310MPa)以上、195,000PSI(1344MPa)以上、200,000PSI(1379MPa)以上、225,000PSI(1551MPa)以上、又は、250,000PSI(1724MPa)以上とすることができる。さらに、スチール合金の降伏強度は、170,000PSI(1172MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間、175,000PSI(1207MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間、180,000PSI(1241MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間、190,000PSI(1310MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間、又は、200,000PSI(1379MPa)と250,000PSI(1724MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料を含む実施形態では、スチール合金の弾性率は、35,000,000PSI(241,317MPa)以下、32,500,000PSI(224,080MPa)以下、30,000,000PSI(206,843MPa)以下、28,000,000PSI(193,053MPa)以下、27,500,000PSI(189,606MPa)以下、27,000,000PSI(186,159MPa)以下、26,500,000PSI(182,711MPa)以下、26,000,000PSI(179,264MPa)以下、25,500,000PSI(175,816MPa)以下、又は、25,000,000PSI(172,369MPa)以下とすることができる。さらに、スチール合金の弾性率は、25,000,000PSI(172,369MPa)と35,000,000PSI(241,317MPa)の間、25,000,000PSI(172,369MPa)と30,000,000PSI(206,843MPa)の間、又は、25,000,000PSI(172,369MPa)と27,000,000PSI(186,159MPa)の間とすることができる。
クラブ・ヘッド100の本体が、スチール合金を備える、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金を含む材料を含む実施形態では、スチール合金の密度は、0.40lb/in(11.0g/cm)以下、0.35lb/in(9.7g/cm)以下、0.30lb/in(8.3g/cm)以下、0.29lb/in(8.0g/cm)以下、0.28lb/in(7.8g/cm)以下、0.27lb/in(7.5g/cm)以下、0.26lb/in(7.2g/cm)以下、又は、0.25lb/in(6.9g/cm)以下とすることができる。さらに、スチール合金の密度は、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.40lb/in(11.0g/cm)の間、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.35lb/in(9.7g/cm)の間、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.30lb/in(8.3g/cm)の間、又は、0.25lb/in(6.9g/cm)と0.28lb/in(7.8g/cm)の間とすることができる。
図2を参照すると、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金の比強度および/または比弾力性は、ゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される現在のスチール合金タイプの材料の外側のグラフの領域にシフトされる。たとえば、スチール合金の比強度は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られているスチール合金タイプの材料の比強度よりも大きいとすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料B)。比強度の増加は、知られているスチール合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較した、クラブ・ヘッド重量の減少または裁量重量の増加をもたらすことができる。さらにたとえば、スチール合金の比弾力性は、現在のゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される、知られているスチール合金タイプの材料の比弾力性よりも大きいとすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料C)。比弾力性の増加は、クラブ・ヘッド本体の弾力性の増加をもたらし、それによって、知られているスチール合金を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、衝突時のゴルフ・ボールへのエネルギー伝達を増加させることができる。多くの実施形態では、スチール合金の比強度および比弾力性はそれぞれ、知られているスチール合金タイプの材料の比強度および比弾力性よりも大きくすることができる(たとえば、図5における材料Aと比較した材料D)。
クラブ・ヘッド100の本体が、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金から成る実施形態では、スチール合金は、所望の比強度および比弾力性を達成することが可能である任意の組成を有することができる。さらに、多くの実施形態では、スチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、熱処理プロセスに供することができる。多くの実施形態では、熱処理プロセスは、スチール合金を少なくとも30分にわたって摂氏約850度に加熱することと、スチール合金を焼入れすることと、少なくとも1つの焼戻しステップ(すなわち、第1の焼戻しステップ)を実行することとを含む。多くの実施形態では、少なくとも1つの焼戻しステップは、スチール合金を少なくとも30分にわたって摂氏約600〜700度未満の温度に加熱することと、スチール合金が空気中または室温で冷却することを可能にすることとを含む。いくつかの実施形態では、熱処理プロセスは、スチール合金を少なくとも30分にわたって摂氏約600〜700度未満の温度に加熱することと、スチール合金が空気中または室温で冷却することとを含む追加の焼戻しステップを含むことができ、追加の焼戻しステップの温度は、第1の焼戻しステップと同じとすることもできるし、これよりも低くすることもできるし、または、これよりも高くすることもできる。
多くの実施形態では、少なくとも1つの焼戻しステップは、所望の比強度および比弾力性を達成するために、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金内の内部応力を緩和する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の焼戻しステップは、たとえば所望の伸びなどと8〜10%よりも大きい伸びを維持しながら、スチール合金内の内部応力を緩和するために、スチール合金を少なくとも30分にわたって摂氏約200〜650度の間の温度に加熱することを含むことができる。いくつかの実施形態では、スチール合金の伸びを8%よりも大きいように、9%よりも大きいように、または10%よりも大きいように維持することによって、スチール合金から成るクラブ・ヘッド本体が、所望のロフトおよび/またはライ角に曲がることができる。
たとえば、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料は、0.30〜0.43wt%の炭素、0.80〜1.1wt%のクロム、0.5〜1.0wt%のマンガン、0.15〜0.25wt%のモリブデン、および0.15〜0.30wt%のシリコンを有する4140合金スチールを含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、4140合金スチールから成る材料の微量元素は、0.035wt%未満のリンおよび0.04wt%未満の硫黄を含むことができる。この例では、4140スチール合金の密度は0.284lb/in(7.85g/cm)である。
この例では、4140合金スチールを備えるスチール合金は、スチール合金を約1時間にわたって摂氏約850度の温度に加熱することと、スチール合金を油中で焼き入れすることと、スチール合金を約4時間にわたって摂氏約400度で焼き戻しすることと、スチール合金を空気中で冷却することと、スチール合金を約4時間にわたって摂氏約300度で焼き戻すことと、スチール合金を空気中で冷却することとを含む例示的な熱処理プロセスに供することができる。この例では、熱処理プロセスは、187,800PSI(1295MPa)の降伏強度と、29,560,000PSI(203,810MPa)の弾性率と、662,202PSI/lb/in(165MPa)の比強度と、0.0064の比弾力性、14%の伸びとを有する4140スチール合金をもたらす。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、4140合金スチールから成るスチール合金は、スチール合金を約30〜90分にわたって摂氏800〜900度の温度に加熱することと、スチール合金を油中で焼き入れすることと、スチール合金を3〜4時間にわたって摂氏約350〜450度で焼き戻しすることと、スチール合金を空気中で冷却することと、スチール合金を5〜7時間にわたって摂氏250〜350度で焼き戻すことと、スチール合金を空気中で冷却することとを含む熱処理プロセスに供することができる。
例えばさらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、1.65〜2.00wt%のニッケル、0.30〜0.43wt%の炭素、0.7〜0.9wt%のクロム、0.6〜0.8wt%のマンガン、0.2〜0.3wt%のモリブデン、および0.15〜0.30wt%のシリコンを有する4340合金スチールを含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、4340合金スチールから成る材料の微量元素は、0.035wt%未満のリンおよび0.04wt%未満の硫黄を含むことができる。
例えばさらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、18.0〜19.0wt%のニッケル、8.5〜9.5wt%のコバルト、4.6〜5.2wt%のモリブデンを有するC300スチールを含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。いくつかの実施形態では、C300スチールから成る材料の微量元素は、0.5〜0.8wt%のチタン、0.05〜0.15wt%のアルミニウム、0.5wt%未満のクロム、0.5wt%未満の銅、0.1wt%未満のマグネシウム、0.1wt%未満のシリコン、0.1wt%未満の炭素、0.01wt%未満のリンおよび0.01wt%未満の硫黄を含むことができる。
例えばさらに、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量なスチール合金は、3.0〜4.5wt%のニッケル、1.0〜2.0wt%のシリコン、0.75〜1.5wt%のクロム、0.1wt%未満の銅、1.25wt%未満のマグネシウム、1.0wt%未満のモリブデン、0.75wt%未満のバナジウムを有する焼入れ焼戻しされたスチール合金を含むことができ、残りの合金組成は鉄および他の微量元素である。この例では、焼入れ焼戻しされたスチール合金の密度は、0.284lb/in(7.86g/cm)である。
この例では、焼入れ焼戻しされたスチール合金は、上記で説明した比強度および比弾力性を達成するために、例示的な熱処理プロセスに供することができる。例示的な熱処理プロセスは、スチール合金を約60分にわたって摂氏約918度で加熱することと、続いて窒素冷却および約8時間にわたる摂氏−73度での低温凍結と、続いてスチール合金を約2時間にわたって摂氏約260度で加熱することとを含むことができる。この例では、焼入れ焼戻しされたスチール合金スキャンは、220,000PSI(1517MPa)の降伏強度と、23,100,000PSI(159,270MPa)の弾性率と、774,755PSI/lb/in(193MPa/g/cm)の比強度と、0.0095の比弾力性とを有する。他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために変化することができる。たとえば、熱処理プロセスは、スチール合金を約30〜90分にわたって摂氏約850〜1000度で加熱することと、続いて窒素冷却および任意選択で約6〜10時間にわたる低温凍結と、続いてスチール合金を約1〜3時間にわたって摂氏約200〜350度で加熱することとを含むことができる。さらに、他の実施形態では、熱処理パラメータは、所望の比強度パラメータおよび比弾力性パラメータを達成するために、異なるスチール合金組成とともに変化することができる。
B.より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量な材料の利点
クラブ・ヘッド100のより頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料は、耐久性のために強度を維持しながら、クラブ・ヘッド設計とは無関係に、クラブ・ヘッド100の所望の性能特性を改善することができる。材料または複数の材料を有するクラブ・ヘッド100の性能特性は、上記で説明したように、増加した比強度および増加した比弾力性を有するように材料を選択または開発することによって、知られている材料を用いた類似のクラブ・ヘッドよりも改善可能である。したがって、材料または複数の材料を有するクラブ・ヘッド100の性能特性は、設計のみに基づいて達成される性能特性を有する、知られている材料を用いた類似のクラブ・ヘッドよりも改善可能である。
類似の材料クラスのための現在のクラブ・ヘッド材料の比強度よりも大きい比強度をもつ材料を有するクラブ・ヘッド100は、知られている材料を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、減少した重量または増加した裁量重量を有することができる。裁量重量の増加によって、クラブ・ヘッド100の所望の重心位置を達成し、クラブ・ヘッド100の慣性モーメントを増加させて、中心を外して打った場合の許容性を増加させる上での設計の柔軟性の増加が可能である。
類似の材料クラスのための現在のクラブ・ヘッド材料の比弾力性よりも大きい比弾力性をもつ材料を有するクラブ・ヘッド100は、知られている材料を用いた類似のクラブ・ヘッドと比較して、増加した弾力性を有することができる。弾力性の増加によって、ゴルフ・ボールとの衝突時のエネルギー損失を減少させ、それによって、ボールへのエネルギー伝達を増加させ、ボール・スピードおよび移動距離の増加をもたらすことができる。
上記で説明したように、図5は、さまざまな例示的なより頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料(すなわち、材料B、C、およびD)を、例示的な知られているクラブ・ヘッド材料Aと比較して示す。図5を参照すると、例示的な材料Bは、現在のゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用される例示的な知られている材料Aと比較して、より高い比強度と、類似の比弾力性とを有する。多くの実施形態では、材料Bは、材料Aよりも低い密度を、したがって、材料Aよりも高い比強度を有することができる。したがって、これらの実施形態では、材料Bから成るクラブ・ヘッドは、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して、減少した重量(と、したがって、増加した裁量重量と)を有するように設計可能である。さらに、多くの実施形態では、材料Bは、知られている材料Aよりも高い降伏強度を、したがって、知られている材料Aよりも高い比強度を有することができる。したがって、これらの実施形態では、材料Bから成るクラブ・ヘッドは、耐久性を維持しながら、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して、減少した厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、厚さの減少は、追加の重量節約と、裁量重量のさらなる増加をもたらすことができる。したがって、材料Bから成るクラブ・ヘッドは、現在のクラブ・ヘッド材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して、重量が、より軽量になる。さらに、率(modulus)が高くなると、降伏強度の増加の結果としてクラブ・ヘッドが薄くなることによる弾力性の増加を相殺するので、材料Bから成るクラブ・ヘッドは、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して類似のボール・スピードを有する。
図5をさらに参照すると、例示的なより頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料Cは、現在のゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用される例示的な知られている材料Aよりも高い比弾力性と、類似の比強度とを有する。多くの実施形態では、材料Cは、知られている材料Aよりも低い弾性率を、したがって、知られている材料Aよりも高い比弾力性を有することができる。したがって、これらの実施形態では、材料Cから成るクラブ・ヘッドは、類似の設計をもつ、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して、増加した弾力性(と、したがって、ゴルフ・ボールとの衝突時の増加したボール・スピードと)を有することができる。さらに、多くの実施形態では、材料Cは、知られている材料Aよりも高い降伏強度を、したがって、知られている材料Aよりも高い比弾力性を有することができる。したがって、これらの実施形態では、材料Cから成るクラブ・ヘッドは、耐久性を維持しながら、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して、減少した厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、厚さの減少は、追加の重量節約と、裁量重量のさらなる増加をもたらすことができる。したがって、密度が高くなると、降伏強度の増加の結果としてクラブ・ヘッドが薄くなることによる重量節約を相殺するので、材料Cから成るクラブ・ヘッドは、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して、ゴルフ・ボールとの衝突時の増加したボール・スピードを有し、類似の重量を有する。
またさらに、図5を参照すると、例示的なより頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料Dは、現在のゴルフ・クラブ・ヘッドにおいて使用される例示的な知られている材料Aよりも高い比強度と、これよりも高い比弾力性とを有する。多くの実施形態では、材料Dは、知られている材料Aよりも低い密度を、したがって、材料Aよりも高い比強度を有することができる。したがって、これらの実施形態では、材料Dから成るクラブ・ヘッドは、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して、減少した重量(と、したがって、増加した裁量重量と)を有するように設計可能である。さらに、多くの実施形態では、材料Dは、知られている材料Aよりも低い弾性率を、したがって、知られている材料Aよりも高い比弾力性を有することができる。したがって、これらの実施形態では、材料Dから成るクラブ・ヘッドは、類似の設計をもつ、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して、増加した弾力性(と、したがって、ゴルフ・ボールとの衝突時の増加したボール・スピードと)を有することができる。またさらに、多くの実施形態では、材料Dは、知られている材料Aよりも高い降伏強度を、したがって、知られている材料Aよりも高い比強度および/または比弾力性を有することができる。したがって、これらの実施形態では、材料Dから成るクラブ・ヘッドは、耐久性を維持しながら、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドと比較して、減少した厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、厚さの減少は、追加の重量節約と、裁量重量のさらなる増加をもたらすことができる。したがって、材料Dから成るクラブ・ヘッドは、重量が、知られている材料Aから成るクラブ・ヘッドよりも軽量になり、ゴルフ・ボールとの衝突時の、これより速いボール・スピードを有する。
したがって、増加した比弾力性と組み合わせて、増加した比強度を有する材料から成るクラブ・ヘッドは、(ボール・スピードを増加させ、裁量重量を増加させることによって)クラブ・ヘッド性能にとって最も有利となることができる。対照的に、増加した比強度または増加した比弾力性のうちの1つを有する材料から成るクラブ・ヘッドは、性能の利点を提供することができるが、増加した比強度と増加した比弾力性の両方を有する材料から成るクラブ・ヘッドと同じくらい多くの利点を提供しないことがある。
より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料は、特定の材料組成、特定の処理技法(たとえば、熱処理パラメータ)、特定の製造方法(たとえば、鋳造、機械加工)、または上記で説明した最適化技法の組み合わせを使用して達成可能である。
C.より頑丈な、より弾力性の高い、より軽量な材料を有するクラブ・ヘッドを製造する方法
ゴルフ・クラブ・ヘッド100を製造する方法は、フェースプレート14と本体10とを有するクラブ・ヘッド100を形成することを含み、フェースプレート14および本体10のうちの少なくとも1つは、ある比強度とある比弾力性とを有する、より頑丈な、より弾力性の高い、および/またはより軽量な材料(以下では「材料」)または複数の材料を有する。
いくつかの実施形態では、フェースプレート14は、本体10とは別個に形成され、本体10に結合されてクラブ・ヘッド100を形成する。他の実施形態では、フェースプレート14は、本体10または本体10の一部分と一体的に形成されて、クラブ・ヘッド100を形成する。たとえば、いくつかの実施形態では、フェースプレート14および本体10は、一緒に形成可能である。さらにたとえば、いくつかの実施形態では、フェースプレート14は、前端22、上部30、底部34、ヒール部分26、トゥ部分28、およびホーゼル18のうちの少なくとも1つを含む本体10の一部分とともに形成可能であるが、後端22またはクラブ・ヘッド100の残りは別個に形成される。たとえば、フェースプレート14および本体10の一部分(たとえば、ホーゼル18を含む、本体10のフェースプレート14および前端22)は、単一の部品として鍛造可能であり、本体10の残り(たとえば、後端22)は、別個の部品として鋳造され、その後、溶接または他の任意の適切な方法によってフェースプレート14に結合可能である。
フェースプレート14が材料を含む実施形態では、フェースプレート14は、機械加工、鋳造、3D印刷、金属射出成形、鍛造、または他の任意の適切な方法によって、少なくとも部分的に形成可能である。いくつかの実施形態では、材料組成は、ゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される多くの現在の材料と同様に、クラブ・ヘッド・フェースプレートの機械加工を可能にすることができる。たとえば、材料組成は、ドライバー・タイプのクラブ・ヘッド、フェアウェイ・ウッド・タイプのクラブ・ヘッド、ハイブリッド・タイプのクラブ・ヘッド、アイアン・タイプのクラブ・ヘッド、ウェッジ・タイプのクラブ・ヘッド、またはパター・タイプのクラブ・ヘッドなどの、さまざまなタイプのクラブ・ヘッドのためのフェースプレートの機械加工を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、材料組成は、ゴルフ・クラブ・ヘッド・フェースプレートにおいて使用される多くの現在の材料と同様に、クラブ・ヘッド・フェースプレートの鋳造を可能にすることができる。たとえば、材料組成は、ドライバー・タイプのクラブ・ヘッド、フェアウェイ・ウッド・タイプのクラブ・ヘッド、ハイブリッド・タイプのクラブ・ヘッド、アイアン・タイプのクラブ・ヘッド、ウェッジ・タイプのクラブ・ヘッド、またはパター・タイプのクラブ・ヘッドなどの、さまざまなタイプのクラブ・ヘッドのためのフェースプレートの鋳造を可能にすることができる。
フェースプレート14が材料を含む実施形態では、フェースプレート14は、材料の所望の性質を達成するために、たとえば、熱処理または焼戻しなどの1つまたは複数の後処理手順を受けることができる。これらの実施形態では、さまざまな持続時間にわたるさまざまな温度での熱処理または焼戻しは、材料の所望の比強度および/または所望の比弾力性をもたらすことができる。フェースプレート14が後処理を受ける実施形態では、後処理は、フェースプレート14が本体10に結合されてクラブ・ヘッド100を形成する前またはその後に実行可能である。
本体10が材料を含む実施形態では、本体10は、機械加工、鋳造、3D印刷、金属射出成形、鍛造、または他の任意の適切な方法によって、少なくとも部分的に形成可能である。いくつかの実施形態では、材料組成は、ゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される多くの現在の材料と同様に、クラブ・ヘッド本体の鋳造を可能にすることができる。たとえば、材料組成は、ドライバー・タイプのクラブ・ヘッド、フェアウェイ・ウッド・タイプのクラブ・ヘッド、ハイブリッド・タイプのクラブ・ヘッド、アイアン・タイプのクラブ・ヘッド、ウェッジ・タイプのクラブ・ヘッド、またはパター・タイプのクラブ・ヘッドなどの、さまざまなタイプのクラブ・ヘッドのための本体の鋳造を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、材料組成は、ゴルフ・クラブ・ヘッド本体において使用される多くの現在の材料と同様に、クラブ・ヘッド本体の機械加工を可能にすることができる。たとえば、材料組成は、アイアン・タイプのクラブ・ヘッド、ウェッジ・タイプのクラブ・ヘッド、またはパター・タイプのクラブ・ヘッドなどの、さまざまなタイプのクラブ・ヘッドのための本体の機械加工を可能にすることができる。
本体10が材料を含む実施形態では、本体10は、材料の所望の性質を達成するために、たとえば、熱処理または焼戻しなどの1つまたは複数の後処理手順を受けることができる。これらの実施形態では、さまざまな持続時間にわたるさまざまな温度での熱処理または焼戻しは、材料の所望の比強度および/または所望の比弾力性をもたらすことができる。本体10が後処理を受ける実施形態では、後処理は、本体10がフェースプレート14に結合されてクラブ・ヘッド100を形成する前またはその後に実行可能である。
本明細書において説明される製造する方法は例にすぎず、本明細書において提示する実施形態に限定されない。方法は、本明細書において具体的に図示または説明されていない多くの異なる実施形態または例において用いることができる。いくつかの実施形態では、説明する方法のプロセスは、任意の適切な順番で実行可能である。他の実施形態では、プロセスのうちの1つまたは複数は、組み合わされてもよいし、分離されてもよいし、スキップされてもよい。
D.例
図6Aを参照すると、異なる材料を備えるフェースプレートを有するさまざまな例示的なクラブ・ヘッドが、知られているゴルフ・クラブ・ヘッド材料であるTi−6−4から成るフェースプレートと、知られているゴルフ・クラブ・ヘッド材料であるTi−8−1−1から成る本体とを有する対照ゴルフ・クラブ・ヘッドと関連して以下で説明される。これらの例では、Ti−6−4から成る対照クラブ・ヘッドのフェースプレートは、5.5〜6.7wt%のアルミニウムおよび3.5〜4.5wt%のバナジウムを有し、残りの合金組成は、チタンと、0.08wt%以下の炭素、0.015wt%以下の水素、0.25wt%以下の鉄、0.05wt%以下の窒素、および0.2wt%以下の酸素を含む他の微量元素である。これらの例では、Ti−6−4から成る対照クラブ・ヘッドのフェースプレートは、0.160lb/in(4.42g/cm)の密度、130,000PSI(896MPa)の降伏強度、16,500,000PSI(113,760MPa)の弾性率、814,026PSI/lb/in(203MPa)の比強度、および0.0079の比弾力性を有する。これらの例では、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、上記で説明したパラメータに基づいて、フェースのたわみを最大にし、破損を防止するために、0.150インチの最大厚さと0.100インチの最小厚さとを有する。図6Bを参照すると、毎時100マイル(mph)でのゴルフ・ボールとの衝突時、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドは、68.6lbf−インチの内部エネルギーを蓄積する。以下で説明する例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドの本体材料は、対照クラブ・ヘッドと同じである(Ti−8−1−1)。
I).例1
一例では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、Ti−7Sを備えるフェースプレートを有することができ、Ti−7Sは、7.0〜8.0wt%のアルミニウム、1.75〜2.25wt%のクロム、2.25〜2.75wt%のモリブデン、0.75〜1.25wt%のバナジウム、および0.35〜0.65wt%の鉄を含み、残りの合金組成は、チタンと、0.2wt%以下のシリコンを含む他の微量元素である。この例では、Ti−7Sから成るフェースプレートは、0.162lb/in(4.47g/cm)の密度と、169,000PSI(1165MPa)の降伏強度と、18,900,000PSI(130,310MPa)の弾性率と、1,406,440PSI/lb/in(261MPa)の比強度と、0.0089の比弾力性とを有する。
例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの比強度よりも大きな比強度を有する。さらに、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの比弾力性よりも大きいがこれと類似した比弾力性を有する。いくつかの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート厚さは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート厚さと同じとすることができる。これらの実施形態では、図6Bを参照すると、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、100mphでのゴルフ・ボールとの衝突時、79.9lb−インチの内部エネルギーを有し、これは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも16.5%大きい。さらに、これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度は対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度よりも大きいので、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも0.5グラム重い。これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも速い、ゴルフ・ボールとの衝突時のボール・スピードを有する。ボール・スピードの増加は、フェースプレートの曲げの増加による、衝突時の内部エネルギー蓄積の増加から生じ、フェースプレートの曲げの増加は、比弾力性の増加(弾性率の減少)から生じる。
この例による他の実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドの降伏強度は対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの降伏強度よりも大きいので、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドと比較して、減少したフェースプレート厚さと、維持された耐久性とを有することができる。この例では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、フェースプレートが0.140インチの最大厚さと0.090インチの最小厚さとを有するように、対照クラブ・ヘッドと比較して減少される。これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも速い、ゴルフ・ボールとの衝突時のボール・スピードを有する。ボール・スピードの増加は、フェースプレートの曲げの増加による、衝突時の内部エネルギー蓄積の増加から生じ、フェースプレートの曲げの増加は、比弾力性の増加とフェースプレート厚さの減少から生じる。これらの実施形態では、減少したフェースプレート厚さを有する例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのボール・スピードも、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドと同じ厚さを有する例示的なクラブ・ヘッドのボール・スピードよりも速い。さらに、これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも3グラム軽量であり、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドの裁量重量の増加をもたらす。
II).例2
一例では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、SSAT−2041を備えるフェースプレートを有することができ、SSAT−2041は、21.0〜23.0wt%のバナジウム、3.5〜4.5wt%のアルミニウム、0.5〜1.5wt%のすずを含み、残りの合金組成は、チタンと、0.05wt%以下の炭素、1.0wt%以下のシリコン、1.0wt%以下のモリブデン、0.5wt%以下の鉄を含む他の微量元素である。この例では、SSAT−2041から成るフェースプレートは、0.172lb/in(4.76g/cm)の密度と、30分にわたる摂氏800度の第1熱処理と6.5時間にわたる摂氏480度の第2熱処理に共されて、160,000PSI(1103MPa)の降伏強度と、12,000,000PSI(82,740MPa)の弾性率と、930,422PSI/lb/in(232MPa)の比強度と、0.0133の比弾力性とを有する。
例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの比強度よりも大きがこれと類似した比強度を有する。さらに、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの比弾力性よりも大きい比弾力性を有する。いくつかの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート厚さは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート厚さと同じとすることができる。これらの実施形態では、図6Bを参照すると、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、100mphでのゴルフ・ボールとの衝突時、114.0lb−インチの内部エネルギーを有し、これは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも66.2%大きい。さらに、これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度は対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度よりも大きいので、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも2.5グラム重い。これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも速い、ゴルフ・ボールとの衝突時のボール・スピードを有する。ボール・スピードの増加は、フェースプレートの曲げの増加による、衝突時の内部エネルギー蓄積の増加から生じ、フェースプレートの曲げの増加は、比弾力性の増加(弾性率の減少)から生じる。
この例による他の実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドの降伏強度は対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの降伏強度よりも大きいので、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドと比較して、減少したフェースプレート厚さと、維持された耐久性とを有することができる。この例では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、フェースプレートが0.145インチの最大厚さと0.095インチの最小厚さとを有するように、対照クラブ・ヘッドと比較して減少される。これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも速い、ゴルフ・ボールとの衝突時のボール・スピードを有する。ボール・スピードの増加は、フェースプレートの曲げの増加による、衝突時の内部エネルギー蓄積の増加から生じ、フェースプレートの曲げの増加は、比弾力性の増加(弾性率の減少)とフェースプレート厚さの減少から生じる。これらの実施形態では、減少したフェースプレート厚さを有する例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのボール・スピードも、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドと同じ厚さを有する例示的なクラブ・ヘッドのボール・スピードよりも速い。さらに、これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度が対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度よりも大きいので、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも0.7グラム重い。
III).例3
一例では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、ST721を備えるフェースプレートを有することができ、ST721は、7.0〜8.0wt%のアルミニウム、2.0〜3.0wt%のモリブデン、0.5〜1.5wt%の鉄、0.5〜1.5wt%のバナジウムを含み、残りの合金組成は、チタンと、0.04wt%以下の窒素、0.05wt%以下の炭素、0.20wt%以下の酸素、0.25wt%以下のシリコンを含む他の微量元素である。この例では、ST721から成るフェースプレートは、0.013lb/in(4.47g/cm)の密度と、175,000PSI(1207MPa)の降伏強度と、13,900,000PSI(95,840MPa)の弾性率と、1,083,591PSI/lb/in(270MPa)の比強度と、0.0126の比弾力性とを有する。
例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの比強度よりも大きい比強度を有する。さらに、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの比弾力性よりも大きい比弾力性を有する。いくつかの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート厚さは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート厚さと同じとすることができる。これらの実施形態では、図6Bを参照すると、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、100mphでのゴルフ・ボールとの衝突時、98.7lb−インチの内部エネルギーを有し、これは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも43.9%大きい。さらに、これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度は対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度よりも大きいので、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも0.5グラム重い。これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも速い、ゴルフ・ボールとの衝突時のボール・スピードを有する。ボール・スピードの増加は、フェースプレートの曲げの増加による、衝突時の内部エネルギー蓄積の増加から生じ、フェースプレートの曲げの増加は、比弾力性の増加(弾性率の減少)から生じる。
この例による他の実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドの降伏強度は対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの降伏強度よりも大きいので、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドと比較して、減少したフェースプレート厚さと、維持された耐久性とを有することができる。この例では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、フェースプレートが0.140インチの最大厚さと0.090インチの最小厚さとを有するように、対照クラブ・ヘッドと比較して減少される。これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも速い、ゴルフ・ボールとの衝突時のボール・スピードを有する。ボール・スピードの増加は、フェースプレートの曲げの増加による、衝突時の内部エネルギー蓄積の増加から生じ、フェースプレートの曲げの増加は、比弾力性の増加(弾性率の減少)とフェースプレート厚さの減少から生じる。これらの実施形態では、減少したフェースプレート厚さを有する例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのボール・スピードも、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドと同じ厚さを有する例示的なクラブ・ヘッドのボール・スピードよりも速い。さらに、これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも3グラム軽量であり、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドの裁量重量の増加をもたらす。
IV).例4
一例では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、Ti−185を備えるフェースプレートを有することができ、Ti−185は、約7.5〜8.5wt%のバナジウム、4.0〜6.0wt%の鉄、0.8〜1.5wt%のアルミニウム、0.25〜0.5wt%の酸素を含み、残りの合金組成は、チタンと、0.07wt%以下の窒素、0.05wt%以下の炭素を含む他の微量元素である。この例では、Ti−185から成るフェースプレートは、0.168b/in(4.65g/cm)の密度と、30分にわたる摂氏675度の熱処理に共されて、178,000PSI(1227MPa)の降伏強度と、16,500,000PSI(113,760MPa)の弾性率と、1,059,524PSI/lb/in(264MPa)の比強度と、0.0108の比弾力性とを有する。
例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの比強度よりも大きい比強度を有する。さらに、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの比弾力性よりも大きい比弾力性を有する。いくつかの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート厚さは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート厚さと同じとすることができる。これらの実施形態では、図6Bを参照すると、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、100mphでのゴルフ・ボールとの衝突時、89.9lb−インチの内部エネルギーを有し、これは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも31.0%大きい。さらに、これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度は対照ゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレート密度よりも大きいので、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも1.5グラム重い。これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも速い、ゴルフ・ボールとの衝突時のボール・スピードを有する。ボール・スピードの増加は、フェースプレートの曲げの増加による、衝突時の内部エネルギー蓄積の増加から生じ、フェースプレートの曲げの増加は、比弾力性の増加から生じる。
この例による他の実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドの降伏強度は対照ゴルフ・クラブ・ヘッドの降伏強度よりも大きいので、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドと比較して、減少したフェースプレート厚さと、維持された耐久性とを有することができる。この例では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、フェースプレートが0.130インチの最大厚さと0.080インチの最小厚さとを有するように、対照クラブ・ヘッドと比較して減少される。これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも速い、ゴルフ・ボールとの衝突時のボール・スピードを有する。ボール・スピードの増加は、フェースプレートの曲げの増加による、衝突時の内部エネルギー蓄積の増加から生じ、フェースプレートの曲げの増加は、比弾力性の増加とフェースプレート厚さの減少から生じる。図6Cを参照すると、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドは、100mphでのゴルフ・ボールとの衝突時、114.4lb−インチの内部エネルギーを有し、これは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも66.8%大きい。さらに、これらの実施形態では、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドのフェースプレートは、対照ゴルフ・クラブ・ヘッドよりも6グラム軽量であり、例示的なゴルフ・クラブ・ヘッドの裁量重量の増加をもたらす。
1つまたは複数の請求された要素の置き換えは、再構築を構成し、修復を構成しない。また、便益、他の利点、および問題への解決策は、特定の実施形態に関して記載されている。しかしながら、便益と、利点と、問題への解決策と、任意の便益、利点、または解決策をより生み出し得る、または、より顕著にさせ得る任意の要素とは、請求項のうちのいずれかまたは全部の必須の、要求の、または不可欠の特徴または要素として解釈されるものではない。
ゴルフのルールは時々変わることがあるため(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)のようなゴルフ標準化組織および/または管理機関によって、新しい規制が採用される、または古いルールが削除もしくは修正されることがある)、本明細書で説明した装置、方法、および製品に関連するゴルフ用具は、任意の特定の時点でゴルフのルールに適合することも適合しないこともある。したがって、本明細書で説明した装置、方法、および製品に関連するゴルフ用具は、適合するまたは適合しないゴルフ用具として、広告される、販売用に供される、かつ/または販売される可能性がある。本明細書で説明した装置、方法、および製品は、この点について限定されない。
上記の例は、ドライバー型ゴルフクラブに関連して説明することができるが、本明細書で説明した装置、方法、および製品は、フェアウェイウッド型ゴルフクラブ、ハイブリッド型ゴルフクラブ、アイアン型ゴルフクラブ、ウェッジ型ゴルフクラブ、またはパタータイプゴルフクラブなど他のタイプのゴルフクラブに適用することができる。あるいは、本明細書で説明した装置、方法、および製品は、ホッケースティック、テニスラケット、釣り竿、スキーストックなど他のタイプのスポーツ用品に適用することができる。
さらに、本明細書で記載した実施形態および限定は、実施形態および/または限定が、(1)請求項において明示的に請求されていない場合、ならびに、(2)均等論の下、請求項における明示の要素および/もしくは限定である、または、それらの潜在的な均等である場合、公有の原則の下、公衆に供されてはいない。
本開示の様々な特徴及び利点は、以下の特許請求の範囲に記載される。

Claims (8)

  1. 本体と、
    材料を備えるフェースプレートと、を備えており、
    前記材料は、
    比重と、
    降伏応力と、
    弾性率と、
    前記降伏応力対前記比重の比として測定される比強度と、
    前記降伏応力対前記弾性率の比として測定される比弾力性と、
    を有しており、
    前記材料は、
    チタン合金であって、前記チタン合金の前記比強度が224MPa/(g/cm よりも大きく、前記チタン合金の前記比弾力性が0.0090よりも大きいチタン合金であり、
    前記クラブ・ヘッドが、ドライバー・タイプのクラブ・ヘッド、ハイブリッド・タイプのクラブ・ヘッド、またはフェアウェイ・ウッド・タイプのクラブ・ヘッドである、ゴルフ・クラブ・ヘッドの製造方法であって、
    前記チタン合金を第1温度で熱処理する第1熱処理工程と、
    前記チタン合金を第2温度で熱処理する第2熱処理工程と、を備えており、
    前記第1温度は前記第2温度と異なっており、
    前記チタン合金は、600〜800℃の前記第1温度で30〜90分の前記第1熱処理に曝され、400〜550℃の前記第2温度で1〜3時間の前記第2熱処理に曝される、ゴルフ・クラブ・ヘッドの製造方法
  2. 前記チタン合金の前記比強度が237MPa/(g/cm よりも大きい、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッドの製造方法
  3. 前記チタン合金の前記比強度が262MPa/(g/cm よりも大きい、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッドの製造方法
  4. 前記チタン合金の前記比弾力性が0.0100よりも大きい、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッドの製造方法
  5. 前記チタン合金の前記比弾力性が0.0115よりも大きい、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッドの製造方法
  6. 前記チタン合金の前記降伏強度が1200MPaよりも大きい、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッドの製造方法
  7. 前記チタン合金の前記弾性率が113,765MPaよりも小さい、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッドの製造方法
  8. 前記チタン合金は、7.5〜8.5wt%のバナジウム、0.8〜1.5wt%のアルミニウム、4.0〜6.0wt%の鉄を有し、残りの合金組成はチタンおよび他の微量元素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッドの製造方法
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