<第1実施形態>
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機PY1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から見た(正面視の)左右上下方向のことである。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠50を備えている。遊技機枠50は、遊技店に固定される外枠51と、外枠51に取り付けられ、後述する遊技盤ユニットYU1が取り付けられる遊技盤取付枠52と、遊技盤取付枠52にヒンジ54を介して回転自在に支持される前枠53と、を備える。前枠53は遊技盤取付枠52に対して開閉が可能である。前枠53の大体上半分の中央には、透明のガラス板55が取り付けられている。前枠53が閉じられているとき、遊技盤ユニットYU1に含まれる遊技盤2とガラス板55とが対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、ガラス板55を通して、遊技盤2に形成された遊技領域3を視認することができる。なお、ガラス板55の代わりに透明な合成樹脂板等を用いてもよい。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域3を視認可能であればよい。
前枠53の前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル60が設けられている。ハンドル60が操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置63が発射モータ63Mに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル60の回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠53の前面の下部には、前方に向けて大きく突出した上皿61と、上皿61の直下に配された下皿62が設けられている。上皿61の上面の奥側には、ハンドル60に供給される遊技球を貯留するための供給球貯留凹部61Aが形成されている。また、下皿62の上面には、供給球貯留凹部61Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留凹部62Aが設けられている。
また、前枠53の前面上部には上側装飾ユニット56が設けられている。さらに、前枠53の前面左部には、上皿61から上側装飾ユニット56にかけて左側装飾ユニット57が設けられている。加えて、前枠53の前面右部には、上皿61から上側装飾ユニット56にかけて右側装飾ユニット58が設けられている。
また、右側装飾ユニット58の上部には、音を出力可能なスピーカー11が設けられている。なお、図1において図示されていないが、左側装飾ユニット57の上部にも、右側装飾ユニット58と同様に、音を出力可能なスピーカー11が設けられている。
上側装飾ユニット56の前面には、発光可能な枠ランプ12が設けられている。枠ランプ12は、左側から右側に向かって順番に第1発光部12Aと第2発光部12Bと第3発光部12Cと第4発光部12Dとを備えている。第1発光部12Aは正面視で「L」字形状であり、第2発光部12Bは正面視で「O」字形状であり、第3発光部12Cは正面視で「G」字形状であり、第4発光部12Dは正面視で「O」字形状である。
また、上皿61の上面の供給球貯留凹部61Aより前方側には、下方に押下操作可能な半球型ボタン17が設けられている。また、右側装飾ユニット58の下部には、押下操作可能な剣型ボタン18が設けられている。
次に、遊技盤ユニットYU1について、主に図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYU1は、遊技盤2と、遊技盤2の背面に取り付けられた演出用ユニット5と、を有する。最初に、遊技盤2について説明する。遊技盤2は合成樹脂板で構成されている。遊技盤2の略中央には正面視略円形の開口部2Aが形成されている。
開口部2Aに沿って、遊技領域3を区画するための略リング状の内側壁部2Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部2Bの外側にも、遊技領域3を区画するための略リング状の外側壁部2Cが前方に突出して形成されている。さらに、外側壁部2Cは、略リング状に形成された第1外側壁部2C1と、第1外側壁部2C1の左側部分と内側壁部2Bとの間で、第1外側壁部2C1および内側壁部2Bに沿って形成された湾曲状の第2外側壁部2C2と、を備える。
そして、遊技盤2の前面において、内側壁部2B、第1外側壁部2C1および第2外側壁部2C2などで囲まれた領域が遊技領域3を形成している。すなわち、遊技盤2の前面が、内側壁部2B、第1外側壁部2C1および第2外側壁部2C2によって、遊技領域3とそれ以外の領域とに区切られている。
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域3には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域3に進入して遊技領域3を流下する遊技球を、後述する第1始動口20、第2始動口22、一般入賞口27、ゲート28(左ゲート281および右ゲート282)、第1大入賞口30、および、第2大入賞口32などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域3における内側壁部2Bの中央直下には、上方が開放された第1始動口20が形成された第1始動入賞装置21が設けられている。
第1始動入賞装置21は不動である。そのため、第1始動口20は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口20への進入(第1始動口20への入球)は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口20へ進入すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技領域3における第1始動口20の直下には、第2始動口22が形成された第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)23が設けられている。
電チュー23は、電チュー開閉可能な電チュー開閉部材23Kを備えている。電チュー開閉部材23Kの作動によって第2始動口22が開閉する。電チュー開閉部材23Kは正面視略正方形の平板からなり、通常は第2始動口22を閉鎖している。電チュー開閉部材23Kは下端を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。電チュー開閉部材23Kが回転すると、電チュー開閉部材23Kが遊技領域3に垂直に突出した状態になり、第2始動口22が入球可能に開放する。このように、電チュー開閉部材23Kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口22への進入(第2始動口22への入球)が可能となる。
第2始動口22への遊技球の進入は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(以下、「特図2抽選」)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口22へ進入すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3における第1始動入賞装置21の左側には、2つの一般入賞口27が離れて設けられている。遊技球が一般入賞口27へ進入すると、所定個数(第1実施形態では、7個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3における電チュー23の右斜め上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。遊技球のゲート28の通過は、電チュー23を開放するか否かを決定する普通図柄の抽選および普通図柄の可変表示(すなわち普通図柄乱数の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域3における第1始動入賞装置21の右側でゲート28の直下には、第1大入賞口30が形成された第1大入賞装置31(以下、「通常AT31」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる通常AT開閉部材31Kを備える。通常AT開閉部材31Kの作動により第1大入賞口30が開閉する。通常AT開閉部材31Kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は第1大入賞口30が閉鎖している。通常AT開閉部材31Kは下端を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。通常AT開閉部材31Kが回転すると、通常AT開閉部材31Kが遊技領域3に垂直に突出した状態になり、第1大入賞口30が入球可能に開放する。このように、通常AT開閉部材31Kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口30への進入が可能となる。遊技球が第1大入賞口30へ進入すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3における第1大入賞装置31の直下には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口22へ誘導する誘導ステージ37が遊技領域3(遊技盤2の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導ステージ37の上面を転動する遊技球は、第2始動口22の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口20へ進入することはできない。
遊技領域3におけるゲート28や第1大入賞口30の右斜め上方、換言すると、上流側に、第2大入賞口32が形成された第2大入賞装置33(以下、「VAT33」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置33は、作動可能なVAT開閉部材33Kを備えている。VAT開閉部材33Kは正面視で羽根のような形状を呈している可動部材であり、通常は水平方向に対して略90度の姿勢で保持され、第2大入賞口32は閉鎖している。VAT開閉部材33Kは下端を中心に、上端が左側へ倒れるように略70度回転し、開状態をとることができる。VAT開閉部材33Kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口32への進入が可能となる。一方、VAT開閉部材33Kによって第2大入賞口32が閉鎖されている状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材33Kの作動によって第2大入賞口32が開閉する。遊技球が第2大入賞口32へ進入すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置33について詳細に説明する。第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口32に進入した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ32aが設けられている。
第2大入賞口センサ32aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域34と非特定領域35とが設けられている。第2大入賞口センサ32aを通過した遊技球は、振分装置36によって、特定領域34か非特定領域35かに振り分けられる。振分装置36は、略矩形状の平板からなる振分部材36Kと、振分部材36Kを駆動する振分ソレノイド36Sとを備えている。振分部材36Kは、振分ソレノイド36Sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド36Sが通電されていないとき、振分部材36Kは特定領域34への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材36Kの左端が特定領域34の左端よりやや左側に位置し、振分部材36Kが特定領域34をその直上で覆う状態)にある。振分部材36Kが第1状態にあるときは、第2大入賞口32に進入した遊技球は、第2大入賞口センサ32aを通過した後、特定領域34を通過することは不可能であり、非特定領域35を通過する。この第2大入賞口32から非特定領域35まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド36Sが通電されているとき、振分部材36Kは遊技球の特定領域34の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材36Kの左端が特定領域34の右端よりやや左側に位置し、振分部材36Kが特定領域34をその直上で覆わず、特定領域34の直上が開放している状態)にある。振分部材36Kが第2状態にあるときは、第2大入賞口32に進入した遊技球は、第2大入賞口センサ32aを通過したあと特定領域34を通過容易である。この第2大入賞口32から特定領域34まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材36Kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材36Kの通常の状態であるといえる。また、特定領域34と非特定領域35には、各領域34、35を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ34a、非特定領域センサ35aが設けられている。
また、第1始動口20、第2始動口22、第1大入賞口30、第2大入賞口32、および一般入賞口27への遊技球の進入(入球)や、遊技球のゲート28の通過をまとめて、第1始動口20、第2始動口22、第1大入賞口30、第2大入賞口32、一般入賞口27、およびゲート28への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域3は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域3Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル60の操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域3Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル60の操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技用くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口20と、2つの一般入賞口27と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口20、または、一般入賞口27への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口22と、ゲート28と、第1大入賞口30と、第2大入賞口32と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート28、第2始動口22、第1大入賞口30、または、第2大入賞口32への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域3の略最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外部へ排出する2つのアウト口29が設けられている。何れの入賞口(第1始動口20、第2始動口22、一般入賞口27、第1大入賞口30、および第2大入賞口32)にも入賞しなかった遊技球は、いずれかのアウト口29から遊技領域3の外部へ排出される。
また、遊技盤2の前面に形成された遊技領域3の上下方向略中央の右隣(遊技領域3以外の部分)には表示器類40が配置されている。図4に示すように、表示器類40には、特図1を可変表示する特図1表示器411、特図2を可変表示する特図2表示器412、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器42が含まれている。また、表示器類40には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器411による特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器431、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器412による特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器432が含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口20への入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口22への入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器411および特図2表示器412を総称して特図表示器41という。さらに、特図1保留表示器431および特図2保留表示器432を総称して特図保留表示器43という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、複数種類の特図の中から特図抽選によって選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定の特図の種類(つまり当選した大当たりの種別)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口32)が開放する大当たり遊技が行われる。
特図表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器41は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器41「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球の第1始動口20または第2始動口22への入賞があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として特図保留記憶部85(図6参照)に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口20への入賞により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、遊技球の第2始動口22への入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部85の中の特図1保留記憶部851(図6参照)に記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部85の中の特図2保留記憶部852(図6参照)に記憶される。特図1保留記憶部851に記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部852に記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限がある。第1実施形態において、特図1保留数および特図2保留数の上限値はそれぞれ4個に設定されている。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口20または第2始動口22へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口20または第2始動口22への入賞があった場合、所定個数を上限として、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となり、特図抽選が行われたときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器43に表示される。特図1保留表示器431と特図2保留表示器432のそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示する。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、複数種類の普図の中から普図抽選によって選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22(電チュー23)が開放する補助遊技が行われる。
普図表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器42は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、第1実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート28を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報)が取得されることがある。この乱数は、普図可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に普図保留記憶部86(図6参照)に記憶される。なお、以下において、遊技球がゲート28に入賞することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図5を用いて、遊技盤2の背面に取り付けられた演出用ユニット5について説明する。演出用ユニット5は、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット5には、画像表示装置7、および盤可動装置13が搭載されている。
画像表示装置7は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部7aを具備する。
盤可動装置13は、動作可能な箱体13Kを備える。箱体13Kは、直方体状の箱体であり、初期位置に配されている待機状態では、遊技盤2と画像表示装置7との間で隠れている。逆に言うと、遊技盤2と画像表示装置7とは、少なくとも箱体13Kの前後方向長さの分、離れている。
箱体13Kは、待機状態において、その下端が、遊技盤2の開口部2Aの上端から少しだけ下方に位置し、下端部の一部のみが遊技者から視認できるよう配されている。そして、箱体13Kは、初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる。所定の作動位置としては、図5(B)に示すように、正面視で箱体13Kが開口部2Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で箱体13Kが開口部2Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
直方体状の箱体13Kの前面には開閉可能な蓋部13K1が設けられている。蓋部13K1は両開き扉であり、左側の左側扉13K11と右側の右側扉13K12で構成されている。左側扉13K11はその左端部を回転軸として右端が前方側を向くように大体90度回転することができる。右側扉13K12はその右端部を回転軸として左端が前方側を向くように大体90度回転することができる。
また、蓋部13K1の前面は、平面に成形されている。蓋部13K1の前面には平面的な意匠が施されている。具体的には、パチンコ遊技機PY1のモチーフとして設定されている主人公キャラクタが変身している状態の顔(以下、変身している状態の主人公キャラクタを「特別状態の主人公キャラクタ」という)が蓋部13K1の前面全体に施されている。よって、左側扉13K11の前面に主人公キャラクタの顔の左側半分が施され、右側扉13K12の前面に主人公キャラクタの右側半分が施されている。
さらに、箱体13Kの内部には、前方に向けて多段階で突出可能な突出体13K2が設けられている。蓋部13K1が閉じられているとき、箱体13Kの内部が視認不可能であり、突出体13K2は箱体13Kに収納されている。そして、蓋部13K1が開いているとき、突出体13K2は前方に向けた直進運動(突出)が可能となる。突出体13K2には、全体的に立体的な意匠が施されている。具体的に、突出体13K2は、蓋部13K1に施された特別状態の主人公キャラクタの顔を模擬して成形されている。突出体13K2は、その前側先端が遊技盤2の前面、すなわち、遊技領域3と同一平面上に達する第1突出位置と、その前側先端がガラス板55の背面に達する第2突出位置の2段階で前方に向けて直進運動することができる。
なお、突出体13K2の先端部分は、主人公キャラクタの鼻で構成されており、この鼻の部分は、主としてガラス板55との衝撃を吸収可能な緩衝部材13K21からなる。緩衝部材13K21の素材は、ガラス板55との衝撃を吸収可能であれば限定されない。第1実施形態では、緩衝部材13K21はポリエチレンで構成されている。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6〜図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1の電気的な構成を説明する。図6〜図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う主制御基板80、主制御基板80による遊技の進行に応じた演出に関する制御を行うサブ制御基板90、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80、サブ制御基板90、および払出制御基板110等は、ユニット化されて画像表示装置7の背面に設置されている。
なお、主制御基板80の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。また、サブ制御基板90の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出、先読み予告演出など)、客待ち演出、半球型ボタン17や剣型ボタン18の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
また、主制御基板80は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけ、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御回路107、および音声制御回路106とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7、スピーカー11、枠ランプ12、および、盤可動装置13等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板170を備えている。電源基板170は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板170には、電源スイッチ175が接続されている。電源スイッチ175のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図6に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)88が含まれている。
ROM83には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、ROM83には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、始動入賞コマンド特定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、ROM83は外付けであってもよい。また、RAM84には、前述した特図保留記憶部85などが設けられている。
主制御基板80には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、主制御基板80には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板80は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
主制御基板80に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ22a、一般入賞口センサ27a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ32a、特定領域センサ34a、および、非特定領域センサ35aが含まれている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ27aは、一般入賞口27に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ28aは、ゲート28を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ32aは、第2大入賞口32に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ34aは、特定領域34を通過(特定領域34に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ35aは、非特定領域35を通過(非特定領域35に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板80に出力する。
また、主制御基板80に接続されている各種ソレノイド類には、電チューソレノイド23S、第1大入賞口ソレノイド31S、第2大入賞口ソレノイド33Sおよび振分ソレノイド36Sが含まれている。電チューソレノイド23Sは、電チュー23の電チュー開閉部材23Kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド31Sは、第1大入賞装置31の通常AT開閉部材31Kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド33Sは、第2大入賞装置33のVAT開閉部材33Kを駆動する。振分ソレノイド36Sは、振分装置36の振分部材36Kを駆動する。
さらに主制御基板80には、表示器類40(特図表示器41、普図表示器42、および、特図保留表示器43)が接続されている。これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、カードユニット64(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、貸球払出装置65、および賞球払出装置66、およびが接続されているとともに、発射装置63が接続されている。なお、発射装置63には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、接続されたカードユニット64からの信号に基づいて、貸球払出装置65の貸球モータ65Mを駆動して貸球の払い出しを行ったり、賞球払出装置66の賞球モータ66Mを駆動して賞球の払い出しを行ったりする。払い出される貸球は、その計数のための貸球センサ65aにより検知される。また、払い出される賞球は、その計数のための賞球センサ66aにより検知される。
また、ハンドル60には、遊技者などの人のハンドル60への接触を検知可能なタッチスイッチ63aが設けられている。遊技者によるハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ63aが遊技者のハンドル60への接触を検知し、検知信号を払出制御基板110に出力する。また、ハンドル60には、ハンドル60の回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ63bが接続されている。発射装置63は、発射ボリュームつまみ63bが検出したハンドル60の回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ63Mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル60への回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板90に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板90は、主制御基板80から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板80による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、主制御基板80による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)98が含まれている。
また、ROM93には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、ROM93には、後述する発展演出パターン判定テーブルおよび発展演出3パターン判定テーブルなどが格納されている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板90には、リアルタイムクロック(RTC)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC99は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板170が備えるバックアップ電源回路171から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けてもよい。バックアップ電源回路171には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板90には、画像制御基板100が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板90と画像制御基板100との接続は、サブ制御基板90から画像制御基板100への信号の送信と、画像制御基板100からサブ制御基板90への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板100は、画像制御のためのプログラム等を記憶した制御用ROM103、ワークメモリとして使用される制御用RAM104、及び、制御用ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。また、画像制御基板100は、画像表示装置7に表示される画像のデータを記憶したCGROM143、CGROM143に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM144、及び、VDP(Video Display Processor)142を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM143には、例えば、画像表示装置7に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP142は、演出制御用マイコン91からの指令に基づきCPU102によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM143から画像データを読み出してVRAM144内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM144内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置7に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部7aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、音声制御回路106を介してスピーカー11から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカー11から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御回路106を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー11を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100の制御用ROM103に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類や駆動源となる各種ソレノイド類やモータ類が接続されている。サブ制御基板90には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板90は、各種ソレノイド類やモータ類に信号を出力する。
サブ制御基板90に接続されている各種スイッチ類には、半球型ボタン検出スイッチ17aおよび剣型ボタン検出スイッチ18aが含まれている。半球型ボタン検出スイッチ17aは、半球型ボタン17が押下操作されたことを検出する。剣型ボタン検出スイッチ18aは、剣型ボタン18が押下操作されたことを検出する。ボタン検出スイッチ17a,18aは、操作されたことを検出すると、その検出内容に応じた信号をサブ制御基板90に出力する。
サブ制御基板90に接続された各種モータ類には、箱体用モータ13M、蓋部用モータ13M1、突出体用モータ13M2が含まれている。箱体用モータ13Mは、箱体13Kを駆動して、箱体13Kを下降および上昇させることが可能である。蓋部用モータ13M1は、左側扉13K11および右側扉13K12を同時に駆動して、左側扉13K11および右側扉13K12を回転(開閉)させることが可能である。突出体用モータ13M2は、突出体13K2を駆動して、突出体13K2を前方に突出および後方に退避させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン91は、箱体13K、左側扉13K11および右側扉13K12(蓋部13K1)、および突出体13K2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路107を介して、箱体13K、左側扉13K11および右側扉13K12(蓋部13K1)、および突出体13K2の動作を制御する。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路107を介して枠ランプ12等の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ12の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ12の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路107を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ12等の点灯制御、および、箱体13K、左側扉13K11および右側扉13K12(蓋部13K1)、および突出体13K2の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.主制御基板80による遊技の説明
次に、主制御基板80により行われる遊技について説明する。最初に普図に関わる遊技について説明する。主制御基板80は、発射された遊技球がゲート28に入賞すると、普図の可変表示または補助遊技が行われていないことを条件に、普図抽選を行う。主制御基板80は、普図抽選を行うと、普図表示器42において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート28への入賞に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート28への入賞に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート28に入賞することを「普図変動始動条件の成立」という。
主制御基板80は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、普通図柄乱数の範囲は、0〜65535である。
次に、普図関係乱数を用いて行われる各判定について説明する。最初に、当たり判定について説明する。当たり判定は、図9(A)に示す当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。
次に、普図の変動パターン判定(普図変動パターン判定)について説明する。普図変動パターン判定は、図9(B)に示す普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の変動表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普通図柄毎に1つ格納されている。すなわち、主制御基板80は、非時短状態においては、ハズレの普通図柄(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、主制御基板80は、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図変動表示が、普図表示器42で行われる。
このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器42において普図の可変表示が行われる。そして、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると、その当たり図柄の種別に応じた補助遊技が実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー23が開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。主制御基板80は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図9(C)に示す補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。よって、主制御基板80は、当たり図柄が停止表示されると、遊技状態に応じた補助遊技を実行する。ここで、遊技状態に応じた補助遊技について説明する。
非時短状態における補助遊技では、電チュー23が1回開放する。このときの開放時間は0.08秒である。そして、電チュー23の開放の後、0.08秒のエンディングを経て補助遊技が終了する。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口22に入賞させるのは困難である。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。
時短状態における補助遊技では、電チュー23が1回開放する。このときの開放時間は3.0秒である。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口22に入賞させるのは容易である。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
次に、特図に関わる遊技について説明する。発射された遊技球が第1始動口20に入賞すると、特図1保留数(U1)が4未満であることを条件に、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器411において、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、発射された遊技球が第2始動口22に入賞すると、特図2保留数(U2)が4未満であることを条件に、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器412において、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、特図1保留数(U1)が4未満であるときに遊技球が第1始動口20に入賞することを「第1始動条件の成立」といい、特図2保留数(U2)が4未満であるときに遊技球が第2始動口22に入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普通図柄のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
主制御基板80は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、特別図柄乱数の範囲は、0〜65535である。大当たり図柄種別乱数の範囲は、0〜9である。リーチ乱数の範囲は、0〜99である。特図変動パターン乱数の範囲は、0〜99である。
次に、特図関係乱数を用いて行われる各判定について説明する。最初に、大当たり判定について説明する。大当たり判定は、図10(A)に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。主制御基板80は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
次に、大当たり図柄種別判定について説明する。大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別には、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典(通常よりも遊技者に有利になる有利遊技状態の内容)などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。第1始動口20に入賞した場合の(特図1に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄Aと大当たり図柄Bの2種類の大当たり図柄が設けられている。一方、第2始動口22に入賞した場合の(特図2に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄Cの1種類の大当たり図柄が設けられている。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
なお、大当たりの当選確率および大当たり図柄種別の振分率(%)は図10(A)および図10(B)に限られず、適宜に設定することができる。また、大当たり図柄の種別は、図10(B)に示す3種類の大当たり図柄に限らず、適宜に設定することができる。例えば、第1大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、2種類より多い又は少ない種類の大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。また、第2大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、1種類より多い大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。
次に、リーチ判定について説明する。リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すリーチ判定テーブルを用いてリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。ここで、リーチについて説明するために、リーチの前提となる特図変動演出について説明する。
特図の可変表示が行われると、当該特図の可変表示に応じて、特図変動演出が行われる。特図変動演出は、画像表示装置7、スピーカー11、枠ランプ12、盤可動装置13、半球型ボタン17、および剣型ボタン18などの様々な演出装置を用いて行われる。特図変動演出では、画像表示装置7の表示部7aにおいて、当該特図の可変表示に同期または略同期した演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、特図の変動表示に伴って演出図柄の変動表示が行われ、特図の変動停止(停止表示)に伴って、演出図柄の変動停止(停止表示)が行われる。なお、演出図柄の可変表示が行われているときには、表示部7aで行われる特図変動演出として、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄とは異なる演出画像(静止画や動画)の表示が行われる。
演出図柄は、例えば、表示部7aにおいて、相対的に左側に表示される左演出図柄EZ1と、相対的に真ん中に表示される中演出図柄EZ2と、相対的に右側に表示される右演出図柄EZ3とで構成される(図15など参照)。なお、以下において、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を総称する場合に「演出図柄EZ1,EZ2,EZ3または演出図柄EZ1〜EZ3」という場合もある。
演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそれぞれ、遊技者が識別可能な複数の識別情報で構成される。第1実施形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は主に「1」〜「8」までの数字を含む図柄などで構成される。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示においては、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄が、正面視で上下方向に並んで見える表示部7aの上から下にスクロールするなどして、表示部7a内に表示される(視認される)数字が次々に入れ替わる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、スクロール表示ではなく所定の定位置で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄が次々に入れ替わる(例えば、その定位置で自転する)態様であってもよい。
そして、特図が停止表示されるときに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において表示部7a内で次々に入れ替わっていた様々な数字を含む図柄が1つに特定される。このとき、停止表示した(特定された)演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせによって、特図表示器41にて停止表示される特図(可変表示の結果、つまりは特別図柄抽選の結果)が、わかりやすく表示される。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には特図抽選の結果を特図1表示器411や特図2表示器412により把握するのではなく、画像表示装置7の表示部7aにて把握する。
そして、リーチとは、特図変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いて遊技者に大当たりを期待させるための演出である。具体的に、リーチは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「5↓5」の状態)のことである(図16(D)や図18(A)参照)。なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、表示部7a内の所定位置で仮停止している。仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が表示部7a内に表示され続け)、すなわち、異なる演出図柄に入れ替わることはないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られない。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。非時短状態と時短状態についての詳細は後述するが、非時短状態と時短状態は、特別図柄の変動表示に要する時間(特図変動表示の開始時から表示結果の導出時までの時間:特図変動時間)に影響を及ぼす遊技状態であり、時短状態では、非時短状態よりも特図変動時間が短くなり易い。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルの方が、時短用リーチ判定テーブルよりも、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値が多く振り分けられている。リーチ判定の結果が「リーチ有り(リーチを発生させる)」であると、大抵の場合は特図変動演出でリーチが発生する。一方、リーチ判定の結果が「リーチ無し(リーチを発生させない)」であると、特図変動演出でリーチが発生しない。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
次に、特別図柄変動パターン判定について説明する。特別図柄変動パターン判定(特図変動パターン判定)は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、図11〜図12に示す特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特別図柄の変動表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定である。特図変動パターンとは、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する情報も含まれている。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる変動表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルは、特図1の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とに大別される
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
以上のように特別図柄の種別や遊技状態などに関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルでは、特図変動パターン判定の結果である特図変動パターンに、特図変動パターン乱数の判定値(特図変動パターン乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した特図変動パターン乱数を特図変動パターン判定テーブルに照合して、特図変動パターンを判定する。そして、この判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特別図柄の変動表示が、特図表示器41で行われる。
そして、特別図柄の変動表示が行われているときに、特図変動パターンに基づいた特図変動演出が行われる。特図変動演出には、演出図柄の変動表示が開始してから変動表示態様が通常の通常態様を維持したまま変動表示が終了する通常特図変動演出と、演出図柄の変動表示が開始してから変動表示態様が通常とは異なる特別態様になる特別特図変動演出とがある。ここで、特別態様には、前述したリーチが含まれる。
特図変動パターンには、特図変動時間に基づいた特図変動演出の演出内容を構成する演出フローに関する情報が含まれている。この特図変動演出の演出フローは、図11〜図12に示す特図変動パターン判定テーブルの右から3番目の項目に示している。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する各演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、発展演出、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)および特殊演出がある。
通常変動は、基本的には、演出図柄が特別態様になることなく、1つ1つの演出図柄を認識困難な程度に高速で変動表示する演出のことである。そして、通常特図変動演出の全部分(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、特別特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されている。
Nリーチは、リーチが成立(確定)した直後に、当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチおよびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。大当たりの場合、残りの1つの演出図柄は、基本的にはリーチを構成する演出図柄と同一の演出図柄で停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチから発展演出を経由して次の演出(LリーチまたはSPリーチ)に発展する(切り替わる)。発展演出については後述する。
Lリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部7aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部7aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像が表示され(映像が流され)、Nリーチよりも長い時間行われる演出である。なお、Lリーチでは、主に表示部7aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容は、所定のストーリーで構成される。
SPリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部7aの左上で左小図柄KZ1〜KZ3の真下あたり、右演出図柄EZ3は表示部7aの右上で左演出図柄EZ1とだいたい同じ高さあたり)に移動した状態で、Lリーチ用の背景画像よりも長い時間の専用の背景画像が表示される(映像が流れる)演出である。なお、SPリーチでは、主に表示部7aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、所定のキャラクタが敵の基地で敵キャラクタとバトルするシーンが表示される(バトルする映像が表示部7aで流れる)。
特殊演出は、盤可動装置13を用いた演出であり、演出段階が段階的に発展し得る演出である。特殊演出に関連づけられた演出段階は4種類(1段階〜4段階)ある。すなわち、特殊演出では、演出段階が最大で4段階目まで発展する。特殊演出は、最初に第1段階目の演出段階(以下、「SU1」ともいう)から開始され、その後、第2段階目の演出段階(以下、「SU2」ともいう)→第3段階目の演出段階(以下、「SU3」ともいう)→第4段階目の演出段階(以下、「SU4」ともいう)に発展し得る。特殊演出の演出段階が発展するにつれて、その特図変動演出で大当たりになる可能性(大当たり期待度)が高くなる。なお、本実施の形態では、特殊演出は、リーチが成立した状態でLリーチまたはSPリーチが行われる前に実行される。SU1で終了する特殊演出を「特殊演出1」、SU1からSU2まで発展する特殊演出を「特殊演出2」、SU1からSU2を経てSU3まで発展する特殊演出を「特殊演出3」、SU1からSU2およびSU3を経てSU4まで発展する特殊演出を「特殊演出4」という。
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、および、特殊演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、および、特殊演出においてずっとリーチを構成する演出図柄が表示部7aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部7aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。
また、図11〜図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容に関する情報を含む特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すこととする。
なお、ハズレに係る特図変動パターン全般のことを「ハズレ変動」ともいい、大当たりに係る特図変動パターン全般のことを「大当たり変動」ともいう。
また、最後にSPリーチが行われる大当たり変動のことを「SP大当たり変動」といい、最後にLリーチが行われる大当たり変動のことを「L大当たり変動」という。さらに特殊演出の後にSPリーチが行われるSP大当たり変動のことを「特殊SP大当たり変動」、Nリーチの後にSPリーチが行われるSP大当たり変動のことを「通常SP大当たり変動」という。さらに特殊演出の後にLリーチが行われるL大当たり変動のことを「特殊L大当たり変動」、Nリーチの後にLリーチが行われるL大当たり変動のことを「通常L大当たり変動」という。
加えて、特殊演出1の後にSPリーチが行われる特殊SP大当たり変動のことを「特殊1SP大当たり変動」、特殊演出2の後にSPリーチが行われる特殊SP大当たり変動のことを「特殊2SP大当たり変動」、特殊演出3の後にSPリーチが行われる特殊SP大当たり変動のことを「特殊3SP大当たり変動」、特殊演出4の後にSPリーチが行われる特殊SP大当たり変動のことを「特殊4SP大当たり変動」という。また、特殊演出1の後にLリーチが行われる特殊L大当たり変動のことを「特殊1L大当たり変動」、特殊演出2の後にLリーチが行われる特殊L大当たり変動のことを「特殊2L大当たり変動」、特殊演出3の後にLリーチが行われる特殊L大当たり変動のことを「特殊3L大当たり変動」という。
また、リーチ有りハズレに係るハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しハズレに係るハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」という。最後にSPリーチが行われるリーチ有りハズレ変動のことを「SPハズレ変動」といい、最後にLリーチが行われるリーチ有りハズレ変動のことを「Lハズレ変動」といい、最後にNリーチが行われるリーチ有りハズレ変動のことを「Nハズレ変動」という。
さらに特殊演出の後にSPリーチが行われるSPハズレ変動のことを「特殊SPハズレ変動」、Nリーチの後にSPリーチが行われるSPハズレ変動のことを「通常SPハズレ変動」という。また、特殊演出の後にLリーチが行われるLハズレ変動のことを「特殊Lハズレ変動」、Nリーチの後にLリーチが行われるLハズレ変動のことを「通常Lハズレ変動」という。
加えて、特殊演出1の後にSPリーチが行われる特殊SPハズレ変動のことを「特殊1SPハズレ変動」、特殊演出2の後にSPリーチが行われる特殊SPハズレ変動のことを「特殊2SPハズレ変動」、特殊演出3の後にSPリーチが行われる特殊SPハズレ変動のことを「特殊3SPハズレ変動」、特殊演出4の後にSPリーチが行われる特殊SPハズレ変動のことを「特殊4SPハズレ変動」という。
また、特殊演出1の後にLリーチが行われる特殊Lハズレ変動のことを「特殊1Lハズレ変動」、特殊演出2の後にLリーチが行われる特殊Lハズレ変動のことを「特殊2Lハズレ変動」、特殊演出3の後にLリーチが行われる特殊Lハズレ変動のことを「特殊3Lハズレ変動」という。また、後述する特殊演出示唆図柄G1が停止するか否かの特殊演出煽り演出が実行されて特殊演出示唆図柄G1が停止せずにそのまま特殊演出煽り演出が終了する特図変動演出に対応するリーチ有りハズレ変動のことを「特殊ガセハズレ変動」という。
また、大当たりおよびハズレにかかわらず、特殊演出の後にSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「特殊SP変動」、Nリーチの後にSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「通常SP変動」、特殊演出の後にLリーチが行われる特図変動パターンのことを「特殊L変動」、Nリーチの後にLリーチが行われる特図変動パターンのことを「通常L変動」、Nリーチで特図変動演出を終える特図変動パターンのことを「N変動」という。また、特殊演出が行われる特図変動パターンのことを「特殊変動」という。さらに、大当たりおよびハズレにかかわらず、特殊演出1が行われる特図変動パターンのことを「特殊1変動」といい、特殊演出2が行われる特図変動パターンのことを「特殊2変動」といい、特殊演出3が行われる特図変動パターンのことを「特殊3変動」、特殊演出4が行われる特図変動パターンのことを「特殊4変動」という。
また、非時短状態で選択可能な通常Aハズレ変動〜通常Cハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローはともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が13秒、8秒と4秒とで異なっている。同様に、時短状態で選択可能な短縮Aハズレ変動と短縮Bハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローもともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が6秒と3秒とで異なっている。
また、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞して、特図関係乱数を取得すると、一旦、RAM84の特図保留記憶部85とは異なる領域(例えば、バッファ)に記憶し、当該乱数に基づいて始動入賞コマンドを特定してサブ制御基板90に送信する。始動入賞コマンドには、取得された特図関係乱数に基づいて行われる特図変動パターン判定で決定される特図変動パターンの情報(特図変動パターン情報)が含まれている。前述の通り、特図変動パターンには、始動口の種別、言い換えれば、特図の種別に関する情報が含まれているので、始動入賞コマンドには、その始動入賞コマンドを発生させた始動口の種別に関する情報(入賞始動口情報)、言い換えれば、その始動入賞コマンドを発生させた入賞により行われる可変表示の特図の種別(特図種別情報)も含まれている。また、特図変動パターンには、大当たり、またはハズレの何れであるかの情報(当否情報)と、リーチの有無の情報(リーチ情報)も含まれているので、始動入賞コマンドには、当否情報とリーチ情報も含まれていることになる。
主制御基板80は、取得した特図関係乱数に基づいて、図13に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて始動入賞コマンドを特定する。始動入賞コマンド特定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、第1始動口20に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第1始動入賞コマンド特定テーブル)と、第2始動口22に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第2始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
また、始動入賞コマンド特定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(非時短用始動入賞コマンド特定テーブル)と時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(時短用始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
つまり、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、がある。
なお、始動入賞コマンドは、少なくとも当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜に変更可能である。前述のとおり、特図関係乱数に基づいて特別図柄の可変表示が行われるが、その特図関係乱数に基づいて実行される特別図柄の可変表示よりも前に、当否情報などをサブ制御基板90に送信することで、後述する保留変化予告などの大当たり期待度を示唆する先読み演出を実行可能にし、遊技興趣を向上させる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器41において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口32)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口30,32の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。そして、これらの各要素は、停止表示された大当たり図柄の種別に対応付けられている。主制御基板80は、停止表示された大当たり図柄の種別に基づいて、図14に示す大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり図柄毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。よって、主制御基板80は、大当たり図柄が停止表示されると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。ここで、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに応じた大当たり遊技(第1大当たり遊技)では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口30が開放し、9Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口30が開放し、16R(最終ラウンド)では1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第2大入賞口32が開放する。この大当たり遊技の9Rから15Rまでは、第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口30への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は9回である。実質的なラウンド遊技の回数とは、現実的に1回のラウンド遊技当たりの入賞上限個数(第1実施形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド遊技の回数のことである。
大当たり図柄Bに応じた大当たり遊技(第2大当たり遊技)では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口30が開放し、9Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口30が開放し、16R(最終ラウンド)では1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第2大入賞口32が開放する。この大当たり遊技の9Rから16Rまでは、第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口30への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は8回である。
大当たり図柄Cに応じた大当たり遊技(第3大当たり遊技)では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口30が開放し、16R(最終ラウンド)では1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第2大入賞口32が開放する。つまり、この大当たり遊技は、ラウンド遊技の総数も実質的なラウンド遊技の回数も16回である。
ここで、特定領域34は、振分部材36Kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材36Kの作動態様は、特定領域34の開閉態様ということができる。以下において、振分部材36Kの作動態様のことを「特定領域34の開閉態様」ともいう。このように、振分部材36Kが一定の作動態様(特定領域34が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材36Kの一定の作動態様(特定領域34の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口32の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域34に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域34が開状態にあることを「V開放」ともいう。
各大当たり遊技1〜3の16Rでは、共通して、16Rが開始してから15秒間、振分ソレノイド36Sが通電され、振分部材36Kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、第1大当たり遊技および第3大当たり遊技の16Rでは、第2大入賞口32の開放時間およびタイミングと、振分部材36Kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域34を通過する(遊技球を特定領域34に進入させる)ことが容易である。一方、第2大当たり遊技の16Rでは、第2大入賞口32の開放時間およびタイミングと、振分部材36Kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域34を通過する(遊技球を特定領域34に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域34の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材33K及び振分部材36Kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域34の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材33K及び振分部材36Kが作動する大当たり遊技とがある。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材33K及び振分部材36Kが作動する大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄Aおよび大当たり図柄Cに当選することを「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材33K及び振分部材36Kが作動する大当たり遊技に対応付けられた大当たり図柄Bに当選することを「Vショート大当たり」という。
主制御基板80は、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後の遊技状態を新たに設定する。具体的には、主制御基板80は、大当たり遊技中に遊技球がV通過していれば、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態を設定する。これに対して、主制御基板80は、大当たり遊技中に遊技球がV通過していなければ、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態を設定しない。従って、上記のVロング大当たり(大当たり図柄Aまたは大当たり図柄C)に当選した場合には、高い確率で、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後は高確率状態で遊技が進行することとなる。これに対して、Vショート大当たり(大当たり図柄B)に当選した場合には、高い確率で、当該大当たり遊技後は通常確率状態で遊技が進行されることとなる。
また、主制御基板80は、大当たり遊技中にV通過したか否かに関わらず(V通過の有無に関わらず)、その大当たり遊技の終了に伴って、時短状態を設定する。ただし、この場合は、大当たり遊技中に遊技球がV通過したか否かに応じて時短回数が異なる。時短回数とは、時短状態で実行可能な特別図柄の変動表示の回数の上限値のことである。大当たり遊技中に遊技球がV通過した場合は時短回数が「180回」となる。一方、大当たり遊技中に遊技球がV通過していない場合は時短回数が「100回」となる。
前述のとおり、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、大当たり図柄A(Vロング大当たり)が50%であり、大当たり図柄B(Vショート大当たり)が50%である。これに対して、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率は、大当たり図柄C(Vロング大当たり)が100%である。すなわち、第2始動口22への入賞に基づく大当たり判定の結果が大当たりである場合には、必ずVロング大当たり遊技が実行される。このようにパチンコ遊技機PY1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる特図1抽選よりも、第2始動口22に遊技球が入賞して行われる特図2抽選の方が、遊技者にとって有利に設定されている。
次に、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の遊技状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る遊技状態と、特図変動時間および第2始動口22の開放の容易性に係る遊技状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である遊技状態であり、高確率状態は大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である遊技状態である。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たり遊技で遊技球が特定領域34を通過する(V通過する)ことによって高確率状態が設定される。そして、高確率状態が設定されてから、大当たりに当選することなく180回の特図可変表示が実行されると、高確率状態から通常確率状態に移行する。
次に、非時短状態と時短状態について説明する。時短状態は、非時短状態に比べて、特図変動時間が短くなり易い遊技状態である。具体的に、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われる(図11〜図12参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口20,22への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が通常遊技状態よりも短くなり易い遊技状態であるともいえる。第1実施形態では、普図変動時間は、遊技状態に関連付けられた普図変動パターン判定テーブルに基づいて決定される。具体的に、普図変動時間は、非時短状態においては30.0秒に決定され、時短状態においては5.0秒に決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
さらに、時短状態は、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー23の開放時間が通常状態よりも長くなり易い遊技状態であるといえる。これは、非時短状態では、1回の補助遊技で、電チュー23が0.08秒開放するのに対し、時短状態における1回の補助遊技で電チュー23が3.0秒開放するからである。
さらに、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易い遊技状態であるといえる。これは、非時短状態では、当たり判定において6600/66536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/66536の確率で当たりと判定されるからである。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー23の開放時間が長くなり、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって時短状態が設定される。そして、時短状態が設定されてから、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変表示が実行されると、時短状態から非時短状態に移行する。この所定回数は、大当たり遊技でV通過した場合とV通過しなかった場合とでことなる。V通過した場合の所定回数は180回であり、V通過しなかった場合の所定回数は100回である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー23の開放時間が長くなり易く、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されているが、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。最終的に、時短状態では、通常遊技状態に比して、単位時間当たりの電チュー23の開放時間が長くなり、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞し易くなればよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態であるが、この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。大当たり遊技中は、遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、大当たり遊技の開始に伴って、遊技状態がリセットされて、通常遊技状態が設定される。
4.サブ制御基板90による演出の説明
前述のように、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞することによって、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技などを行う。そして、サブ制御基板90は、これらの主制御基板80が行う遊技の内容に応じて、種々の演出を実行する。以下に、サブ制御基板90により行われる種々の演出の具体例について図15〜図24を用いて説明する。なお、図15〜図24では、各種演出を説明するために、主に、パチンコ遊技機PY1の表示部7aや盤可動装置13を部分的に簡略化して抽出している。
サブ制御基板90は、特別図柄の可変表示が開始されると、特別図柄の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を制御する。特図変動演出では、表示部7aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄の可変表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。演出図柄の変動表示が行われているときには、大当たりに当選したことの可能性(所謂「大当たり期待度」)が示唆されることがある。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
次に、特図変動演出の具体例について説明する。例えば、図15(A)に示すように、表示部7aにおいて、通常用背景画像G100の上に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われていない状態から、特別図柄の変動表示が開始されると、図15(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始される。そして、この新たに開始された特別図柄の変動表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動(例えば、通常Aハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図15(C)に示すように、左演出図柄EZ1が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に図15(D)に示すように、右演出図柄EZ3が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図15(E)に示すように、中演出図柄EZ2が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止する。そして、最後に、表示部7aの上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、図15(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる)。
なお、図15の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
次に、リーチが発生する場合の特図変動演出について説明する。この場合も前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部7aにおいて、図16(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されている状態から、特別図柄の変動表示が開始されて、図16(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始するとする。そして、例えば図16(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図16(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が表示部7aの上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生または成立する)。
なお、図16の例では、リーチが発生する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も表示部7aの上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
次に、リーチが成立した後に、リーチが保持された状態で行われる演出(リーチ演出)について説明する。図16(D)に示すように、リーチが成立すると、その時点からNリーチが開始される。Nリーチでは、図17(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図17(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
ここで、実行中の特図変動演出がNリーチで終了する場合は、このNリーチの状態から、中演出図柄EZ2が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止して特図抽選の結果に応じた演出図柄の停止表示が行われる。実行中の特図変動演出が起因する特図抽選の抽選結果が「ハズレ」であると、ハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。この特図変動演出では、リーチが発生しているので、図17(C−1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図17(C−1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図17(D−1)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
一方、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であり、特図変動演出がNリーチで終了する場合は、図17(C−2)に示すように、例えば、リーチを構成する数字と同一の数字からなる中演出図柄EZ2が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止し、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図17(D−2)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、ゾロ目などの大当たりに特有な当たり目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、言い換えれば、LリーチやSPリーチに発展する場合は、例えばNリーチで終了する場合の中演出図柄EZ2が仮停止するタイミングと大体同じタイミングで、中演出図柄EZ2が再び通常態様の(高速で)変動表示を行い、発展演出へと発展する。
次に、発展演出について説明する。発展演出が開始されると、図18(A)に示すように、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部7aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部7aの右上に移動する。また、発展演出が開始されると、通常用背景画像G100から、発展演出専用の背景画像(発展演出用背景画像)G101に切り替わる。発展演出用背景画像G101では、最初に、変身していない通常状態の主人公キャラが全身で表示される。
発展演出において、次に、図18(B)に示すように、通常状態の主人公キャラが大体バストアップで表示されると、その後、3種類の演出内容に分岐する。1つ目の演出内容としては、図18(C−1)に示すように、バストアップで表示されている通常状態の主人公キャラが表示され続け、特に変化することなくそのまま発展演出が終了する演出内容である。2つ目の演出内容としては、図18(C−2)に示すように、バストアップで表示されている通常状態の主人公キャラが特別状態に変身し、その状態で発展演出が終了する演出内容である。3つ目の演出内容としては、図18(C−3)に示すように、盤可動装置13が作動して箱体13Kが所定の作動位置まで作動し(下降し)、バストアップで表示されていた通常状態の主人公キャラが見えなくなる演出内容である。このように、発展演出では、バストアップの通常状態の主人公キャラが表示された後、3つの演出内容に分岐する。ここで、通常状態の主人公キャラが変身せずに表示され続け且つ盤可動装置13が作動しない発展演出を発展演出パターン1の発展演出(発展演出1)とし、主人公キャラが特別状態に変身する発展演出を発展演出パターン2の発展演出(発展演出2)とし、盤可動装置13が作動する発展演出を発展演出パターン3の発展演出(発展演出3)とする。そして、発展演出3は、さらにその後、3種類の演出内容の中の何れか1つの演出内容に展開される。
1つ目の演出内容としては、図19(A−1)に示すように、図18(C−3)の盤可動装置13(箱体13K)が保持され、特に変化することなく待機状態に戻ってそのまま発展演出が終了する演出内容である。2つ目の演出内容としては、図19(A−2)に示すように、蓋部13K1が開いて突出体13K2が現れるが、突出体13K2が作動(突出)することなく蓋部13K1が閉まって盤可動装置13(箱体13K)が待機状態に戻って発展演出が終了する演出内容である。3つ目の演出内容としては、図19(A−3)に示すように、蓋部13K1が開いて突出体13K2が現れ、それから突出体13K2が前方に(例えば、突出体13K2の先端がガラス板55に到達する位置まで)作動(突出)してから蓋部13K1が閉まって盤可動装置13(箱体13K)が待機状態に戻って発展演出が終了する演出内容である。このように、発展演出3では、箱体13Kが所定の作動位置まで作動した後、3つの演出内容に分岐する。ここで、所定の作動位置まで作動した盤可動装置13(箱体13K)がそのまま保持され、蓋部13K1が開くことなく終了する発展演出3を発展演出パターン31の発展演出3(発展演出31)とし、蓋部13K1が開くが突出体13K2が作動しない発展演出3を発展演出パターン32の発展演出3(発展演出32)とし、蓋部13K1が開いてその後に突出体13K2が作動する発展演出3を発展演出パターン33の発展演出3(発展演出33)とする。
このように、発展演出1〜発展演出3が行われると、その後にLリーチまたはSPリーチが行われる。すなわち、発展演出は、LリーチまたはSPリーチへの発展を中継する岐路となっている。そして、発展演出の演出内容によって、Lリーチが実行される期待度とSPリーチが実行される期待度が異なっている。第1実施形態では、発展演出1<発展演出2<発展演出3の順番でSPリーチが実行される期待度が高い。一方、発展演出1>発展演出2>発展演出3の順番でLリーチが実行される期待度が高い。また、発展演出3の中でも、発展演出31<発展演出32<発展演出33の順番でSPリーチが実行される期待度が高い。一方、発展演出31>発展演出32>発展演出33の順番でLリーチが実行される期待度が高い。なお、第1実施形態では、発展演出33が実行された後には必ずSPリーチが実行される。
発展演出からLリーチに発展すると、仮停止している左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が保持されながら、発展演出用背景画像G101からLリーチ専用の背景画像G102に切り替わる(図20(A−1)参照)。Lリーチ専用の背景画像G102は、街中で主人公キャラと敵キャラとがバトルする2DCGによる映像(シーン)で構成されている。一方、発展演出からSPリーチに発展する場合も、Lリーチと同様に、仮停止している左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が保持されながら、発展演出用背景画像G101からSPリーチ専用の背景画像G103に切り替わる(図20(A−2)参照)。SPリーチ専用の背景画像G103は、敵のアジトで主人公キャラと敵キャラとがバトルする3DCGによる映像(シーン)で構成されている。
そして、ハズレであると、最終的には図20(B−1)に示すように、Lリーチ専用の背景画像G102またはSPリーチ専用の背景画像G103から通常用背景画像G100に切り替わると共に、ハズレを示す演出図柄の停止表示(演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示)が行われ、次の特図変動演出が行われる。一方、大当たりであると、最終的には図20(B−2)に示すように、Lリーチ専用の背景画像G102またはSPリーチ専用の背景画像G103から通常用背景画像G100に切り替わると共に、大当たりを示す演出図柄の停止表示(演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示)が行われ、大当たり遊技演出が行われる。
次に、特殊変動の特図変動表示のときに行われる特殊演出について説明する。例えば、図21(A)に示すように、表示部7aにおいて、通常用背景画像G100の上に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われていない状態から、特別図柄の変動表示が開始されると、図21(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始される。そして、所定時間(例えば、12秒)が経過すると、例えば最初に図21(C)に示すように、左演出図柄EZ1が所定の識別情報(図21(C)では「5」を含む図柄)で表示部7aの上下方向略中央位置に仮停止し、次に図21(D)に示すように、右演出図柄EZ3が所定の識別情報(図21(D)では「1」)で表示部7aの上下方向略中央位置に仮停止する。この図21の例では、左演出図柄EZ1が演出図柄「5」で仮停止し、右演出図柄EZ3が演出図柄「1」で仮停止し、リーチ無しハズレを示す演出図柄の停止表示が行われようとしている。ここで、遊技者が演出図柄を視認困難な程度に高速で変動していた中演出図柄EZ2が減速していく。そして、中演出図柄EZ2がその内容が視認容易な程度に減速してきたところで、ゆっくりと変動している中演出図柄EZ2の中に特殊演出が実行される可能性があることを示唆する特殊演出示唆図柄G1が徐々に現われてくる。ここでは、中演出図柄EZ2が上から下にスクロール表示しているから、特殊演出示唆図柄G1は下方に移動しながら、上端から徐々に現われてくる。
続いて、図22(A)に示すように、ゆっくりと下方に移動している中演出図柄EZ2を構成する特殊演出示唆図柄G1が表示部7aの上下方向略中央位置に仮停止しようとする。ここで、特殊演出が実行される場合は、図22(B−1)に示すように、特殊演出示唆図柄G1が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止し、特殊演出に突入したことを報知する特殊演出突入演出が実行される。具体的には、図22(C−1)に示すように、表示部7aにおいて通常用背景画像G100から、特殊演出専用の背景画像(特殊演出用背景画像)G104に切り替わり、盤可動装置13が作動し、箱体13Kが所定の作動位置(平面視で表示部7aの中央)に移動する。さらに、左演出図柄EZ1が縮小されて表示部7aの左上に移動するとともに、右演出図柄EZ3が縮小されて表示部7aの右上に移動する。なお、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が左上および右上に移動するときに、所定の識別情報(図22では数字「5」)でリーチが成立するように左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の表示内容が切り替えられる。
なお、特殊演出突入演出が実行されているときには、特殊演出示唆図柄G1は消去されている。このタイミングは特に限定されないが、例えば、通常用背景画像G100から特殊演出用背景画像G104に切り替わる際に特殊演出示唆図柄G1を消去しても良い。また、特殊演出示唆図柄G1を消去する代わりに、特殊演出示唆図柄G1を表示しているが、所定の作動位置に移動した箱体13Kで隠すことで視認できずに非表示にするようにしても良い。特殊演出突入演出の後には特殊演出が実行されるが、特殊演出については後述する。
一方、特殊演出が実行されない場合は、図22(B−2)に示すように、仮停止しようとしていた特殊演出示唆図柄G1が表示部7aの上下方向略中央付近でスベってそのまま下方に移動して表示部7aから消えると共に、特殊演出示唆図柄G1とは別の通常の識別情報を示す演出図柄が仮停止した後に、ハズレを示す態様で演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。
このように、特殊演出示唆図柄G1が出現(図21(E))してから表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止しようとしている(図22(A))期間は、特殊演出が実行される可能性が高まってきたが、実行されることは確定していないことを表している。以下において、この特殊演出示唆図柄G1が出現し、表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止しようとする演出のことを「特殊演出煽り演出」という。そして、図22(B−1)に示すように特殊演出示唆図柄G1が仮停止されて、特殊演出が実行されることが確定することと、図22(B−2)に示すように特殊演出示唆図柄G1が仮停止せずにスベって消え、特殊演出が実行されないことが確定したことを、特殊演出の実行の可否を報知する「特殊演出実行可否報知演出」とする。そして、特殊演出煽り演出と特殊演出実行可否報知演出とを合わせて「特殊演出示唆演出」とする。また、特殊演出が実行されない場合の特殊演出示唆演出のことを「特殊演出ガセ」ともいう。
なお、特殊演出示唆図柄G1の演出内容は、特殊演出が実行される可能性があることを遊技者が認識できれば限定されないが、図22(B−1)の例示では特殊演出示唆図柄G1は文字「びっくり箱」で構成されている。これは、特殊演出は盤可動装置13の作動を伴う演出であり、盤可動装置13は所謂「びっくり箱」に近似した構造を有するからである。
次に特殊演出について説明する。前述したように、特殊演出は、その演出において演出段階が段階的に発展可能な演出である。そして、演出段階として「SU1」〜「SU4」が設定されている。
特殊演出はSU1からスタートする。また、演出段階が発展する場合は1段階ずつ発展する。よって、特殊演出1は、SU1でスタートしてそのまま終了する。特殊演出2は、SU1からスタートしてSU1からSU2に発展してSU2で終了する。特殊演出3は、SU1からスタートしてSU1からSU2に発展し、SU2からSU3に発展してSU3で終了する。特殊演出4は、SU1からスタートしてSU1からSU2に発展し、SU2からSU3に発展し、SU3からSU4に発展してSU4で終了する。特殊演出1〜特殊演出3の後はLリーチまたはSPリーチが実行される。一方、特殊演出4の後はSPリーチが実行され、Lリーチが実行されることはない。すなわち、演出段階がSU4に達するとSPリーチの実行が確定する。また、演出段階にはSPリーチ実行の期待度が関連付けられている。第1実施形態では、SU1<SU2<SU3<SU4の順でSPリーチ実行の期待度が高くなっていく。よって、演出段階が発展していくにつれて、大当たり期待度が高くなっていく。
次に、特殊演出の演出段階の具体例について説明する。図22(C−1)に示すように、特殊演出の実行を報知する特殊演出実行可否演出(特殊演出実行報知演出)が実行されてから所定時間(例えば、5秒)経過すると特殊演出の導入部分にあたるSU1に突入する。
SU1では、最初に、敵キャラクタの声による音声A「ロゴ、出てこいや」がスピーカー11から出力される(図23(A))。なお、SU1において盤可動装置13は特殊演出突入時から変化していない。音声Aが出力されてから所定時間(例えば、4秒)が経過すると、特殊演出2〜特殊演出4であれば、SU2に発展して、盤可動装置13が作動して蓋部13K1が開き、突出体13K2が出現し、2回目の音声A「ロゴ、出てこいや」がスピーカー11から出力される(図23(B))。一方、特殊演出1であれば、SU1で終了するため、図23(E)に示すように、箱体13Kが上昇して盤可動装置13が待機状態に戻り、LリーチまたはSPリーチに突入する。
SU2に発展してから所定時間(例えば、5秒)が経過すると、特殊演出3〜特殊演出4であれば、SU3に発展して、突出体13K2が第1突出位置まで、詳細にはその前面側先端が遊技盤2の前面(遊技領域3)と大体同一平面上に到達するまで移動し(飛び出し)、3回目の音声A「ロゴ、出てこいや」がスピーカー11から出力される。このとき、表示部7aでは特殊演出用背景画像G104として、突出体13K2の前方への移動(突出)を際立たせるエフェクト画像が表示される。一方、特殊演出2であれば、SU2で終了するため、図23(E)に示すように、蓋部13K1が閉まってから箱体13Kが上昇し、盤可動装置13が待機状態に戻り、LリーチまたはSPリーチに突入する。
SU3に発展してから所定時間(例えば、5秒)が経過すると、特殊演出4であれば、SU4に発展して、突出体13K2が第2突出位置まで、詳細にはその前面側先端がガラス板55の背面に到達するまで移動し(飛び出し)、敵キャラクタの声による音声B「勝負じゃ〜、ロゴ」がスピーカー11から出力される。このとき、表示部7aでは特殊演出用背景画像G104として、突出体13K2の前方への移動(突出)を際立たせるエフェクト画像が表示される。そして、所定時間(例えば、5秒)が経過すると、突出体13K2が退避して箱体13Kに収納され、蓋部13K1が閉まり、箱体13Kが上昇して盤可動装置13が待機状態に戻り、SPリーチに突入する。一方、特殊演出3であれば、SU3で終了するため、図23(E)に示すように、第1突出位置で保持されていた突出体13K2が退避して箱体13Kに収納され、蓋部13K1が閉まってから箱体13Kが上昇し、盤可動装置13が待機状態に戻り、LリーチまたはSPリーチに突入する。
なお、特殊演出4が実行、すなわち、SU4まで発展すればSPリーチの実行が確定する。そして、前述の通り、SPリーチの演出内容は敵キャラクタとのバトルで構成されるが、SU4のみで出力される音声Bは語り掛け「勝負じゃ、ロゴ」であり、SPリーチの演出内容に関連している。このようにSPリーチの実行が確定するSU4において、SPリーチの演出内容に関連する音声Bを出力することでSPリーチの実行を示唆している。
以上のように、パチンコ遊技機PY1によれば、所定の移動条件が成立(例えば、発展演出33や特殊演出3,4が実行)すると、盤可動装置13を構成する突出体13K2が遊技領域3および表示部7aに交差(直交)する方向に移動させる。このように、遊技者に近づく方向に突出体13K2が移動し(突出体13K2が突出し)、立体的な演出が行われることで、遊技に応じた演出にアクセントをつけ、演出効果を効果的に高めることができる。また、特殊演出3,4のように、突出体13K2が突出する際に、表示部7aにて特殊演出用背景画像G104として突出体13K2の突出を際立たせるエフェクト画像が表示されるので、さらに演出効果を高めることができる。
また、突出体13K2を収納する箱体13Kは、待機状態において遊技領域3を構成する遊技盤2の裏側に配されており、第1段階として第1移動条件が成立する(発展演出3の演出上の分岐点に達する又は特殊演出実行報知演出が実行される)と、突出体13K2を収納する箱体13Kは遊技領域3および表示部7aに沿って正面視で開口部2Aの範囲に(表示部7aの前まで)移動する。次に、第2段階として第2移動条件が成立する(発展演出33が実行またはSU3もしくはSU4に発展する)と、突出体13K2は後方側から遊技領域3および表示部7aに直交する方向に且つ遊技者に接近する方向に移動する。このように遊技領域3および表示部7aに沿って移動した後に、遊技領域3および表示部7aに直交して移動するので、一連の流れのある一つの演出の中で、突出体13K2や箱体13Kを含む盤可動装置13の作動の方向が3次元化され、当該一連の演出の厚みが増す。
さらに、突出体13K2は、箱体13Kに収納されていて視認できない状態から、蓋部13K1が開いて視認できる状態になって前方に移動するので、意外性を高めることができる。
また、突出体13K2は待機状態において、遊技領域3よりも後方に配されているので、前方に移動する際の移動距離の長距離化を図ることができ、当該突出体13K2の移動による演出の演出効果を高めることができる。
さらに、突出体13K2は、遊技領域3よりも後方に配されている状態から、遊技領域3までの第1突出位置と、ガラス板55までの第2突出位置と、2種類の移動パターンを持っているので、当該突出体13K2の移動による演出の多様化を図り、当該演出の単調化を防ぐことができる。また、突出体13K2は、遊技領域3よりも後方に配されている初期位置から第1突出位置まで移動し、さらに第1突出位置から第2突出位置まで移動するように2段階で移動することができるので、当該突出体13K2の移動による演出の多様化を図り、当該演出の単調化を防ぐことができる。また、突出体13K2の前方側先端には、ガラス板55との衝撃を吸収する緩衝部材13K21が設けられているので、ガラス板55の破損および盤可動装置13の故障を防ぐととともに、ガラス板55に与えた衝撃によって遊技球に影響を与えることを軽減することができる。
5.遊技制御用マイコン81による遊技の制御
[主制御メイン処理]
次に図24〜図34に基づいて遊技制御用マイコン81による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン81による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、ROM83から図24に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、RAM84へのアクセスの許可設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8(A)および図8(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図25に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン81は、余剰球貯留凹部62Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図24の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8(A)および図8(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置36を制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。遊技制御用マイコン81は、振分装置制御処理において、大当たり遊技の最終ラウンド(16ラウンド)が開始すると、15秒間V開放する。
次に、遊技制御用マイコン81は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、RAM84に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口20用の賞球カウンタ、第2始動口22用の賞球カウンタ、第1大入賞口30用の賞球カウンタ、第2大入賞口32用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口27用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板110に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン81は、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し(図24参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン81は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検出処理]
次に、図26〜図28を用いてセンサ検出処理について説明する。センサ検出処理(S104)ではまず、一般入賞口27に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ27aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口27に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口27に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口27用の賞球カウンタに、一般入賞口27への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート28を通過していなければ(S203でNO)、ステップS206に進む。一方、遊技球がゲート28を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS206に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、RAM84に設けられた普図記憶部に格納して(S205)、ステップS206に進む。
ステップS206では、第2始動口22に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ22aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口22に遊技球が入賞していない場合(S206でNO)にはステップS213に進み、第2始動口22に遊技球が入賞した場合には(S206でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S207)。第2始動口賞球処理では、第2始動口22用の賞球カウンタに、第2始動口22への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的にはRAM84に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S208)。特図2保留数が「4」以上である場合(S208でYES)には、ステップS213に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S208でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S209)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器432が示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図2関係乱数を取得し、RAM84に設けられた特図関係乱数用バッファに記憶する(S210)。
次に、第2始動入賞コマンド特定処理を行う(S211)。第2始動入賞コマンド特定処理では、図13に示す第2始動口用始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS210で取得した特図2関係乱数とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS210で取得した特図2関係乱数を特図2保留記憶部852に記憶する(S212)。
続いて、ステップS213では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S213でNO)にはステップS220に進み、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S213でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S214)。第1始動口賞球処理では、第1始動口20用の賞球カウンタに、第1始動口20への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的にはRAM84に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S215)。特図1保留数が「4」以上である場合(S215でYES)には、ステップS220に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S215でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S216)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器431が示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図1関係乱数を取得し、RAM84に設けられた特図関係乱数用バッファに記憶する(S217)。
次に、第1始動入賞コマンド特定処理を行う(S218)。第1始動入賞コマンド特定処理では、図13に示す第1始動口用の始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS217で取得した特図1関係乱数とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS217で取得した特図1関係乱数を特図1保留記憶部851のうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S219)。
ステップS220では、第1大入賞口30に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1大入賞口センサ30aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1大入賞口30に遊技球が入賞していない場合(S220でNO)にはステップS224に進み、第1大入賞口30に遊技球が入賞した場合には(S220でYES)、RAM84に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S221)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において第1大入賞口30および第2大入賞口32に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。第1実施形態では、入賞規定個数は「8」に設定されている。よって、ステップS221の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S221でYES)、ステップS224に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S221でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S222)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第1大入賞口賞球処理を行い(S223)、ステップS224に進む。なお、第1大入賞口賞球処理では、第1大入賞口30用の賞球カウンタに、第1大入賞口30への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
遊技制御用マイコン81は、ステップS224では、第2大入賞口32に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2大入賞口センサ32aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2大入賞口32に遊技球が入賞していない場合(S224でNO)にはステップS228に進み、第2大入賞口32に遊技球が入賞した場合には(S224でYES)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S225)。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S225でYES)、ステップS228に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S225でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S226)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第2大入賞口賞球処理を行い(S227)、ステップS228に進む。なお、第2大入賞口賞球処理では、第2大入賞口32用の賞球カウンタに、第2大入賞口32への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
遊技制御用マイコン81は、ステップS228では、遊技球が特定領域34を通過(特定領域34に進入)したか否か、即ち、特定領域センサ34aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球が特定領域34を通過していない場合(S228でNO)にはセンサ検出処理を終え、遊技球が特定領域34を通過した場合には(S228でYES)、V有効期間中であるか否かを判定する(S229)。V有効期間は、振分装置制御処理においてV開放されている期間である。V有効期間中でなければ(S229でNO)、センサ検出処理を終え、V有効期間中であれば(S229でYES)、V有効期間における特定領域34の通過(V通過)に応じたV通過処理を行い(S230)、センサ検出処理を終了する。遊技制御用マイコン81は、V通過処理では、V有効期間中に遊技球が特定領域34を通過(特定領域34に進入)したことを示すVフラグをRAM84の所定領域にONし、V通過コマンドを出力バッファにセットする。VフラグがONされることにより、大当たり遊技終了時の遊技状態設定処理において、高確率状態が設定される。
[普通動作処理]
次に、普図表示器42および電チュー23の制御に関する普通動作処理について説明する。図29に示すように、普図表示器42および電チュー23に関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普図待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器42に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器41、特図保留表示器43および大入賞装置31,33の制御に関する特別動作処理について説明する。図30に示すように、特図表示器41、特図保留表示器43および大入賞装置31,33に関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン81は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン81が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、図14に示す大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に大当たり図柄、VフラグのON/OFF(大当たり遊技中におけるV通過の有無)などに応じて遊技状態を設定する処理である。大当たり遊技中にV通過があれば、高確率フラグをRAM84の高確率フラグ領域にONすることで高確率状態を設定する。さらにこのときに、大当たりに当選することなく高確率状態を設定(継続)できる規定回数(高確率規定回数)を、RAM84に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。第1実施形態では高確率規定回数は180回に設定されている。また、時短フラグをRAM84の時短フラグ領域にONすることで時短状態を設定する。さらにこのときに、大当たりに当選することなく時短状態を設定(継続)できる規定回数(時短規定回数)を、RAM84に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。第1実施形態では時短規定回数はV通過の有無によって異なる。大当たり遊技中にV通過があるときの時短規定回数は180回であり、大当たり遊技中にV通過がないときの時短規定回数は100回である。すなわち、第1実施形態では、VAT通過の有無にかかわらず大当たり遊技後には時短状態で制御されるが、その時短状態に対する時短規定回数がV通過の有無によって異なる。なお、高確率規定回数および時短規定回数の「回数」の対象は特図可変表示である。よって、例えば、高確率状態が設定されて、大当たり当選することなく、180回の特図可変表示が実行されるまでは、当該高確率状態が維持される。
[特別図柄待機処理]
次に図31を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関係乱数の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関係乱数の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関係乱数の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部851に記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図10(A)参照)に基づいて、大当たり、または、ハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。現在、通常確率状態であれば通常確率状態用大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行い、高確率状態であれば高確率状態用大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行う。
大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブル(図10(B)参照)に基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データをRAM84に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドをRAM84に設けられた出力バッファにセットする。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図32を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在通常遊技状態(非時短状態)であるか否かを判定する(S1651)。通常遊技状態であれば(S1651でYES)、通常遊技状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、通常遊技状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定結果が「大当たり」であったか否かを判定する。大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進み、大当たりでなければ(S1654でNO)、リーチ判定を行う(S1655)。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブル(図10(C)参照)に照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
次に、ステップS1655でのリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657〜ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン81は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。なお、特別動作用タイマは図25のその他の処理(S108)において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報、特図1判定処理(S1609)で行われた大当たり判定の結果に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器411に特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1保留記憶部851における各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部851における保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器431が示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関係乱数の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン81は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器412に特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図2保留記憶部852における各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部852における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器432が示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように第1実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている(図10(B)参照)。
[特別図柄変動処理]
次に図33を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動処理(S1503)ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器41に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図34を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、高確率状態(高確率フラグがON)であるか否かを判定する(S1752)。
現在高確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1756に進み、現在、高確率状態であれば(S1752でYES)、高確率状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(高確率残り回数)を計測する高確率残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1753)、高確率残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1754)。高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」でなければ(S1754でNO)、ステップS1756に進み、高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」であれば(S1754でYES)、高確率状態から通常確率状態に移行させる(高確率フラグをOFFする)(S1755)。
ステップS1756において、遊技制御用マイコン81は、現在、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する。時短状態でなければ(S1756でNO)、ステップS1760に進み、現在、時短状態であれば(S1756でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1757)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1758)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1758でNO)、ステップS1760に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1758でYES)、時短状態から非時短状態に移行させる(時短フラグをOFFする)(S1759)。
次に、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1760)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1761)。大当たり図柄でなければ(S1761でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更し(S1765)、特別図柄確定処理を終了する。
一方、ステップS1761において大当たり図柄であれば(S1761でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1762)。
続いて、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技準備処理を行い(S1763)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1764)、特別図柄確定処理を終了する。大当たり遊技準備処理では、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブル(TBLNo.9−1〜9−3)をRAM84の所定領域にセットし、大当たり遊技のオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグをRAM84の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットし、大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドをRAM84の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御用マイコン91による演出の制御
[サブ制御メイン処理]
次に図35〜図41のフローチャートを用いて、演出制御用マイコン91による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン91による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図35に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述するSPリーチパターン判定用乱数、Lリーチパターン判定用乱数、発展演出パターン判定用乱数、発展演出3パターン判定用乱数、Nリーチパターン判定用乱数、および通常変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、および、エンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示部7aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路106を介してスピーカー11から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、ランプ制御回路107を介して枠ランプ12を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、箱体13K、蓋部13K1、および突出体13K2を作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)および、客待ち演出等がある。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、STB信号(ストローブ信号)、すなわち、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図36を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン91は、半球型ボタン検出スイッチ17aからの検出信号に基づいて半球型ボタンスイッチデータを作成する。また、入力処理では、演出制御用マイコン91は、剣型ボタン検出スイッチ18aからの検出信号に基づいて剣型ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン91は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン91は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ12を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4207)で作成された発光データをランプ制御回路107に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、発光データに従って枠ランプ12を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン91は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン91は、所定のタイミングで箱体13K、蓋部13K1、および突出体13K2を駆動させるべく、駆動データ(箱体13K、蓋部13K1、および突出体13K2の駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。後述の10msタイマ割り込み処理における各処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データに従って、箱体13K、蓋部13K1、および突出体13K2を所定の動作態様で駆動させる。
そして、演出制御用マイコン91は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4104)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図37を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン91は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述する。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動演出、操作促進演出、および、客待ち演出などの各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する演出タイマ更新処理を行う(S4202)。さらに、客待ち演出を開始させるための客待ち演出実行処理(S4203)を行う。
次いで、演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理で作成した半球型ボタンスイッチデータや剣型ボタンスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用の半球型ボタンスイッチデータや剣型ボタンスイッチデータとしてRAM94に格納するボタン状態取得処理を行う(S4204)。演出制御用マイコン91は、ボタン状態取得処理によって、半球型ボタン17や剣型ボタン18の操作の有無を認識することができる。
次いで、演出制御用マイコン91は、半球型ボタン17や剣型ボタン18の操作有効期間の設定および解除を行うボタン操作有効期間制御処理を行う(S4205)。半球型ボタン17や剣型ボタン18の操作が有効になる期間において、半球型ボタン17や剣型ボタン18の操作があると、当該操作があったことを示すコマンドがこのボタン操作有効期間制御処理にてRAM94の出力バッファにセットされる。セットされたコマンドはステップS4004のコマンド送信処理にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100は、半球型ボタン17や剣型ボタン18の操作があったことを示すコマンドを受信すると、その操作に応じた演出(画像表示)を行う。
次いで、演出制御用マイコン91は、音声制御処理を行う(S4206)。音声制御処理では、後述するようにRAM94にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー11からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路106への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン91は、発光データ作成処理を行う(S4207)。発光データ作成処理では、後述するようにRAM94にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図38〜図39を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理ではまず、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン91は、第1始動口20や第2始動口22に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドをRAM94にある始動入賞コマンド保留記憶部95に記憶する。ここで、演出制御用マイコン91は、第1始動入賞コマンドであれば始動入賞コマンド保留記憶部95の中の第1始動入賞コマンド保留記憶部951に記憶する。一方、演出制御用マイコン91は、第2始動入賞コマンドであれば始動入賞コマンド保留記憶部95の中の第2始動入賞コマンド保留記憶部952に記憶する。なお、第1始動入賞コマンド保留記憶部951および第2始動入賞コマンド保留記憶部952は、RAM84の特図1保留記憶部851および特図2保留記憶部852と同様に構成されている。次に、演出制御用マイコン91は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの抽選を行う。先読み演出には、特図保留数を特別態様で表示する保留演出の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって相互に関連する連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4303において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドをRAM94にある特図解析結果記憶部96に記憶する(S4304)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報(特図解析結果)は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
ステップS4305において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。特図変動演出開始処理については後述する。
ステップS4307において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄や小図柄の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。画像制御基板100は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1〜EZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たりオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりオープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、大当たりオープニングコマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、大当たりオープニングコマンドを受信していれば(S4309でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4310)。演出制御用マイコン91は、大当たりオープニング演出開始処理では、大当たりオープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4311において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4311でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4312)。演出制御用マイコン91は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たりエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりエンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。大当たりエンディングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4316に進む一方、大当たりエンディングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4314)および演出モード設定処理(S4315)を行う。
演出制御用マイコン91は、大当たりエンディング演出開始処理において、大当たりエンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン91は、演出モード設定処理において、大当たりエンディングコマンドの解析結果および大当たり遊技中におけるV通過の有無などに基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定するための処理(演出モードを制御するための処理)を行う。なお、V通過の有無は後述するV通過指定フラグのON/OFFによって認識できる。
ステップS4316において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か、言い換えれば、V通過コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。V通過コマンドを受信していなければ(S4316でNO)、ステップS4318に進む一方、V通過コマンドを受信していれば(S4316でYES)、V通過に伴うV通過演出開始処理を行う(S4317)。演出制御用マイコン91は、V通過演出開始処理では、V通過があったことを示すV通過指定フラグをRAM94のV通過指定フラグ領域にONすると共に、当該V通過が、実行中の大当たり遊技における最初のV通過であるか否かを判定し、最初のV通過であれば、V通過を報知するためのV通過演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。最初のV通過でなければ、V通過演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットせずにV通過演出開始処理を終える。すなわち、大当たり遊技における最初のV通過に応じてのみV通過演出が行われる。
ステップS4318において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4318でNO)、ステップS4320に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4318でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4319)。遊技状態設定処理において、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグをRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」をRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「01H」をRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「02H」をRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4320において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4320でNO)、そのまま受信コマンド解析処理を終える一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4320でYES)、客待ち演出待機処理を行ってから(S4321)、受信コマンド解析処理を終える。演出制御用マイコン91は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、この待機時間が経過したか否かはステップS4203の客待ち演出実行処理で監視される。演出制御用マイコン91は、ステップS4203の客待ち演出実行処理で、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
[特図変動演出開始処理]
次に図40〜図41を用いて特図変動演出開始処理について説明する。演出制御用マイコン91は、特図変動演出開始処理ではまず、受信した特図変動開始コマンドをRAM94の中にある特図変動パターン解析結果記憶部97に記憶し、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンを解析(特定)する(S4401)。なお、以下において、特図変動パターン解析結果記憶部97に記憶された特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンのことを「特図変動パターン解析結果」という。
次に、演出制御用マイコン91は、最終的に停止表示させる演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせ(以下において、「停止演出図柄」という)を決定する停止演出図柄決定処理を行う(S4402)。停止演出図柄決定処理では、まず、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図:以下、「特図解析結果」という)と特図変動パターン解析結果に基づいて、停止演出図柄を判定する停止演出図柄判定を行うための停止演出図柄パターン判定テーブル(図示なし)を選択する。停止演出図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン91は、停止特図の種別および特図変動パターンに対応付けられた停止演出図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止演出図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、停止演出図柄に停止演出図柄パターン判定用乱数の値(停止演出図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン91は、停止演出図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止演出図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止演出図柄パターン判定用乱数に基づいて停止演出図柄パターン判定を行う。演出制御用マイコン91は、停止演出図柄パターン判定において、選択した停止演出図柄パターンテーブルに、取得した停止演出図柄パターン判定用乱数を照合し、停止演出図柄を決定して、決定した停止演出図柄を表すデータをRAM94の所定領域にセットする。
次に、演出制御用マイコン91は、特図変動演出の演出内容(特図変動演出パターン)を決定する特図変動演出パターン決定処理を行う(S4403)。ここで、図41を用いて特図変動演出パターン決定処理について説明する。
図41に示すように、演出制御用マイコン91は、特図変動演出パターン決定処理では最初に、特図変動パターン解析結果に基づいて、これから行う特図変動演出においてSPリーチ(SPリーチ)があるか否か、言い換えれば、特図変動パターン解析結果に対応付けられた演出フローに「SPリーチ」が含まれているか否かを判定する(S4501)。演出制御用マイコン91は、SPリーチが含まれていなければ(S4501でNO)ステップS4504に進み、SPリーチが含まれていれば(S4501でYES)、SPリーチパターン判定用乱数カウンタが示す値をSPリーチパターン判定用乱数として取得し(S4502)、取得したSPリーチパターン判定用乱数に基づいてSPリーチパターン(SPリーチの演出内容)を判定するSPリーチパターン判定を行う(S4503)。
SPリーチパターン判定は、SPリーチパターン判定テーブルを用いて行われる。SPリーチパターン判定テーブルは、特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。各SPリーチパターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数のSPリーチパターン(SPリーチの演出内容)にSPリーチパターン判定用乱数の値(SPリーチパターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、SPリーチパターン判定において、まずは、特図変動パターン解析結果に応じたSPリーチパターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得したSPリーチパターン判定用乱数を照合し、SPリーチパターン(SPリーチの演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターン解析結果に基づいて、これから行う特図変動演出においてLリーチがあるか否か、言い換えれば、特図変動パターン解析結果に対応付けられた演出フローに「Lリーチ」が含まれているか否かを判定する(S4504)。演出制御用マイコン91は、Lリーチがなければ(S4504でNO)ステップS4507に進み、Lリーチがあれば(S4504でYES)、Lリーチパターン判定用乱数カウンタが示す値をLリーチパターン判定用乱数として取得し(S4505)、取得したLリーチパターン判定用乱数に基づいてLリーチパターン(Lリーチの演出内容)を判定するLリーチパターン判定を行う(S4506)。
Lリーチパターン判定は、Lリーチパターン判定テーブルを用いて行われる。Lリーチパターン判定テーブルは、ここでは図示していないが、特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。各Lリーチパターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数のLリーチパターン(Lリーチの演出内容)にLリーチパターン判定用乱数の値(Lリーチパターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、Lリーチパターン判定において、まずは、特図変動パターン解析結果が示す特図変動パターンに応じたLリーチパターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得したLリーチパターン判定用乱数を照合し、Lリーチパターン(Lリーチの演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターン解析結果に基づいて、これから行う特図変動演出において発展演出があるか否か、言い換えれば、特図変動パターン解析結果に対応付けられた演出フローに「発展演出」が含まれているか否かを判定する(S4507)。演出制御用マイコン91は、発展演出がなければ(S4507でNO)ステップS4513に進み、発展演出があれば(S4507でYES)、発展演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を発展演出パターン判定用乱数として取得し(S4508)、取得した発展演出パターン判定用乱数に基づいて発展演出パターン(発展演出の演出内容)を判定する発展演出パターン判定を行う(S4509)。
発展演出パターン判定は、発展演出パターン判定テーブルを用いて行われる。発展演出パターン判定テーブルは、図42(A)に示すように、特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。各発展演出パターン判定テーブルには、所定(図42(A)に記載)の振分率(%)となるように、複数の発展演出パターン(発展演出の演出内容)に発展演出パターン判定用乱数の値(発展演出パターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、発展演出パターン判定において、まずは、特図変動パターン解析結果が示す特図変動パターンに応じた発展演出パターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得した発展演出パターン判定用乱数を照合し、発展演出パターン(発展演出の演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
次に、演出制御用マイコン91は、ステップS4509の発展演出パターン判定の結果が「発展演出パターン3」であるか否か、すなわち、発展演出3を実行するか否かを判定する(S4510)。演出制御用マイコン91は、発展演出3の実行でなければ(S4510でNO)ステップS4513に進み、発展演出3の実行であれば(S4510でYES)、発展演出3パターン判定用乱数カウンタが示す値を発展演出3パターン判定用乱数として取得し(S4511)、取得した発展演出3パターン判定用乱数に基づいて発展演出3パターン(発展演出3の演出内容)を判定する発展演出3パターン判定を行う(S4512)。
発展演出3パターン判定は、発展演出3パターン判定テーブルを用いて行われる。図42(B)に示すように、発展演出3パターン判定テーブルは、特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。各発展演出3パターン判定テーブルには、所定の(図42(B)に記載の)振分率(%)となるように、複数の発展演出3パターン(発展演出3の演出内容:盤可動装置13の作動態様)に発展演出3パターン判定用乱数の値(発展演出3パターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、発展演出3パターン判定において、まずは、特図変動パターン解析結果が示す特図変動パターンに応じた発展演出3パターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得した発展演出3パターン判定用乱数を照合し、発展演出3パターン(発展演出3パターンの演出内容:盤可動装置13の作動態様)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターン解析結果に基づいて、これから行う特図変動演出においてNリーチがあるか否か、言い換えれば、特図変動パターン解析結果に対応付けられた演出フローに「Nリーチ」が含まれているか否かを判定する(S4513)。演出制御用マイコン91は、Nリーチがなければ(S4513でNO)ステップS4516に進み、Nリーチがあれば(S4513でYES)、Nリーチパターン判定用乱数カウンタが示す値をNリーチパターン判定用乱数として取得し(S4514)、取得したNリーチパターン判定用乱数に基づいてNリーチパターン(Nリーチの演出内容)を判定するNリーチパターン判定を行う(S4515)。
Nリーチパターン判定は、Nリーチパターン判定テーブルを用いて行われる。Nリーチパターン判定テーブルは、ここでは図示していないが、特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。各Nリーチパターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数のNリーチパターン(Nリーチの演出内容)にNリーチパターン判定用乱数の値(Nリーチパターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、Nリーチパターン判定において、まずは、特図変動パターン解析結果が示す特図変動パターンに応じたNリーチパターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得したNリーチパターン判定用乱数を照合し、Nリーチパターン(Nリーチの演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターン解析結果に基づいて、これから行う特図変動演出において通常変動があるか否か、言い換えれば、特図変動パターン解析結果に対応付けられた演出フローに「通常変動」が含まれているか否かを判定する(S4516)。演出制御用マイコン91は、通常変動がなければ(S4516でNO)特図変動演出パターン決定処理を終了して、特図変動演出開始処理(S4306)に戻り、通常変動があれば(S4516でYES)、通常変動パターン判定用乱数カウンタが示す値を通常変動パターン判定用乱数として取得し(S4517)、取得した通常変動パターン判定用乱数に基づいて通常変動の演出内容(通常変動種別)を判定する通常変動パターン判定を行い(S4518)、特図変動演出パターン決定処理を終了して特図変動演出開始処理(S4306)に処理を戻す。
通常変動パターン判定は、通常変動パターン判定テーブルを用いて行われる。通常変動パターン判定テーブルは、ここでは図示していないが、特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。各通常変動パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の通常変動パターン(通常変動の演出内容)に通常変動パターン判定用乱数の値(通常変動パターン判定用乱数値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、通常変動パターン判定において、まずは、特図変動パターン解析結果に関連づけられた通常変動パターン判定テーブルを1つ選択し、選択したテーブルに、取得した通常変動パターン判定用乱数を照合し、通常変動パターン(通常変動の演出内容)を決定してRAM94の所定領域にセットする。
説明を特図変動演出開始処理(S4306)に戻す。特図変動演出パターン決定処理において、SPリーチパターン、Lリーチパターン、発展演出パターン、発展演出3パターン、Nリーチパターン、および通常変動パターンなどで構成される特図変動演出パターンが決定されれば、特図変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、操作促進演出の有無、操作促進演出の内容、演出展開構成などの種類等からなる特図変動演出の演出内容が決まることとなる。
次に、演出制御用マイコン91は、決定した停止特図および特図変動演出パターンなどからなる特図変動演出の演出内容を示す特図変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4404)。特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置7で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー11から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ12で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動装置13で行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。ステップS4404でセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示部7aにて画像による特図変動演出を行う。また、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板100に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路106を介してスピーカー11から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、ランプ制御回路107を介して枠ランプ12を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動装置13を作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターンが示す特図変動時間を特図変動演出の時間(特図変動演出時間)として特図変動演出タイマにセットし、特図変動演出が開始されてから経過する時間(特図変動演出経過時間)の計測を開始する(S4405)。特図変動演出タイマにセットされた特図変動演出時間は、ステップS4202の演出タイマ更新処理によって、10msおきに、10ms分、更新される。演出制御用マイコン91は、特図変動演出タイマによって、特図変動演出経過時間を認識することができる。
なお、第1実施形態では、箱体13Kは、待機状態において遊技領域3が形成された遊技盤2の背面側で全体が視認困難に隠れており、発展演出3や特殊演出3が実行されるときに下降して出現するが、移動不能であるが、遊技盤2の他の位置や前枠53の前面や上側など常に遊技者が視認できる位置に設けられていても良い。
さらに、蓋部13K1の構成も第1実施形態に限られない。蓋部13K1を構成する部材が1枚の扉または3枚以上の扉で構成されても良い。また、扉式ではなくシャッターのような開閉機構であっても良い。閉鎖されているときは箱体13Kの内部に収納されている突出体13K2を隠し、開放すると突出体13K2を通過させることができればよい。
また、突出体13K2は、箱体13Kに収納されているが箱体13Kに収納されておらずそのまま単体で移動可能に設けられていても良い。この場合、箱体13Kのように待機状態において遊技領域3が形成された遊技盤2の背面側で全体が視認困難に隠れており、発展演出3や特殊演出3が実行されるときに下降して出現し、さらに何らかの条件が成立したときに前方に突出するように構成しても良い。また、突出体13K2は、常に遊技者が視認できる位置に設けられていても良い。
また、パチンコ遊技機PY1では、盤可動装置13が一つ設けられているが、盤可動装置13と同一の又は類似の構造を備えた複数の可動装置がパチンコ遊技機PY1に搭載されていても良い。さらに、箱体13Kの中には、前方に向けて突出可能な複数の突出体13K2が設けられていてよい。この場合、突出体13K2の種類によって突出する距離が異なり、その距離が長い突出体13K2が突出した場合の方が、大当たり期待度が高くなるように設定することもできる。
また、盤可動装置13の作動を伴う演出は、発展演出や特殊演出以外の演出に適用しても良い。例えば、SPリーチにおいて、大当たりか否かの分岐となる重要な場面で行っても良い。この場合、箱体13Kが下降して蓋部13K1が開いて突出体13K2が突出することによって大当たりの報知とすることができる。そして、突出体13K2がガラス板55まで突出した方がVロング開放大当たり遊技の実行に対する期待度が高くなるように設定することができる。または、遊技領域3までしか到達できなかった場合はVショート大当たり遊技が確定し、ガラス板55まで到達した場合はVロング大当たり遊技が確定するようにしても良い。また、初期位置で保持されている突出体13K2が突出しないことによってハズレの報知とすることもできる。
さらに、盤可動装置13の作動を伴う演出を、特図変動演出以外に、始動入賞コマンドに基づく先読み演出やオープニングコマンドに基づく大当たり遊技演出において適用しても良い。例えば、先読み演出で適用する場合は、始動入賞コマンドに対応する特図可変表示(対象特図可変表示)が行われる前の特図変動演出にて先読み演出として実行しても良い。具体的には、演出図柄の停止表示が行われる際、または、演出図柄の変動表示が開始される際に、段階的に行うようにすることができる。例えば、対象特図可変表示の3つ前の演出図柄の停止表示において箱体13Kを作動させて、2つ前の演出図柄の停止表示において蓋部13K1を開放させ、直前の演出図柄の停止表示において突出体13K2を突出させる。このように盤可動装置13の作動を伴う演出を適用する場合は、盤可動装置13が突出することをもって、例えば、リーチ、SPリーチまたは大当たりが確定するようにしても良い。また、段階が進むにつれて、リーチ、SPリーチまたは大当たりの期待度が高まるようにしても良い。さらには、突出体13K2の突出する距離をもってリーチ、SPリーチまたは大当たりの期待度を示唆するようにしても良い。
また、盤可動装置13の作動を伴う演出を、大当たり遊技演出で適用する場合は、VAT33が開放する16Rが行われる前に箱体13Kが下降するか否かの演出を行うにしても良い。そして、Vロング開放大当たりでありVAT33がロング開放する場合は、16Rが開始する直前に箱体13Kを下降させ、16Rにおいて最初にV通過したときに蓋部13K1を開放して突出体13K2をガラス板55に到達するまで突出させてV通過を報知するようにしても良い。
<第2実施形態>
次に、本発明の遊技機の第2実施形態であるパチンコ遊技機PY2について説明する。なお、本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機PY1と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を伏して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
図43は、パチンコ遊技機PY2の遊技盤ユニットYU1の正面図を表す。パチンコ遊技機PY2では、パチンコ遊技機PY1の画像表示装置7および盤可動装置13を備えておらず、代わりに画像表示装置8および盤可動装置14を備えている。
画像表示装置8は、左側に配された10インチの左側画像表示装置81と、右側に配された10インチの右側画像表示装置82と、からなる。左側画像表示装置81および右側画像表示装置82は共に正面視矩形状で左側表示部81aおよび右側表示部82aを備えている。そして、左側画像表示装置81および右側画像表示装置82は、基本的には(画像表示装置8に係る通常の基本状態では)、左側表示部81aおよび右側表示部82aの長辺方向が上下方向と平行になるように配されている。このとき、左側画像表示装置81の右端と右側画像表示装置82の左端とが接している。すなわち、通常の基本状態において、左側画像表示装置81の表示部(左側表示部)81aと、右側画像表示装置82の表示部(右側表示部)82aと、が遊技領域3に平行な同一平面上において左右方向にほとんど隙間なく密集した状態で並設されて1つの大きな表示部8aを形成している。
なお、左側画像表示装置81と右側画像表示装置82とが接している部分(左側画像表示装置81の右端と右側画像表示装置82の左端)が画像表示装置8の左右方向における中心に位置する。そして、この中心は、正面視で、遊技盤2の開口部2Aの左右方向の中心と大体一致している。また、図43に示すように、左側画像表示装置81の右端と右側画像表示装置82の左端とが接している通常の基本状態が、左側画像表示装置81および右側画像表示装置82(画像表示装置8)の待機状態であり、このときの左側画像表示装置81および右側画像表示装置82の位置を左側画像表示装置81および右側画像表示装置82の初期位置とする。
パチンコ遊技機PY2においては、左側表示部81aおよび右側表示部82aが遊技盤2の背面にほとんど接するように左側画像表示装置81および右側画像表示装置82が配されている。換言すると、左側画像表示装置81および右側画像表示装置82は、左側表示部81aおよび右側表示部82aが遊技盤2の背面とほとんど隙間なく平行な状態で保持されている。なお、後述するように、左側画像表示装置81および右側画像表示装置82の背面側には盤可動装置14が設けられている。
画像表示装置8は、分裂あるいは分離するように作動可能である。詳細には、図44(A)〜図44(B)に示すように、左側画像表示装置81は待機状態から左側に向けてスライド可能であると共に、右側画像表示装置82は待機状態から右側に向けてスライド可能である。言い換えると、左側画像表示装置81は初期位置から左側への水平方向の往復が可能であり、右側画像表示装置82は初期位置から右側への水平方向の往復が可能である。
左側画像表示装置81は左側へ向けて移動可能であるが、左側画像表示装置81の右側端部(例えば、右端から5cm程度)が開口部2Aを通して視認可能な位置で停止する。一方、右側画像表示装置82は右側へ向けて移動可能であるが、右側画像表示装置82の左側端部(例えば、左端から5cm程度)が開口部2Aを通して視認可能な位置で停止する。その結果、開口部2Aを通して、左側画像表示装置81と右側画像表示装置82との間には、特別開口部8Aが形成される。特別開口部8Aの幅は、後述する突出体14K2の幅よりも大きい。換言すると、左側画像表示装置81および右側画像表示装置82は、突出体14K2を容易に通過させることができる程度の幅をもつ特別開口部8Aを形成し且つそれぞれの右側端部および左側端部が開口部2Aから視認可能な位置で停止する。
また、通常状態の画像表示装置8の背面側であって、正面視で遊技盤2の開口部2Aの内側には作動可能な盤可動装置14が設けられている。盤可動装置14は、前方および後方に移動可能な突出体14K2を備えている。突出体14K2の外観は、第1実施形態の突出体13K2の外観と大体同一である。また、突出体13K2と同様に、突出体14K2の前方側先端部の鼻の部分は緩衝部材14K21で構成されている。
盤可動装置14(突出体14K2)が作動していない通常の状態では、突出体14K2は、その前方側先端が画像表示装置8の背面を含む平面上とほとんど接し、且つ、その左右方向中心が基本状態の画像表示装置8の左右方向中心(左側画像表示装置81と右側画像表示装置82とが接している箇所)と前後方向に重なるように、配されている。なお、そのような盤可動装置14(突出体14K2)の通常の基本状態が、盤可動装置14(突出体14K2)の待機状態であり、このときの盤可動装置14(突出体14K2)の位置を盤可動装置14(突出体14K2)の初期位置とする。
画像表示装置8が通常の状態のとき、左側画像表示装置81と右側画像表示装置82との間に隙間がないので盤可動装置14(突出体14K2)は完全に画像表示装置8に覆われて視認できない(図44(A)参照)。一方、画像表示装置8が作動すると、盤可動装置14(突出体14K2)は左側画像表示装置81と右側画像表示装置82との間に形成された特別開口部8Aから視認可能である(図44(B)参照)。
また、突出体14K2は、前方に移動(突出)することと、後方に移動(退避)することができる。前方に移動可能な距離と後方に移動可能な距離は大体同じに設定されている(例えば、3〜4cm)。突出体14K2は、前方側に移動する場合、特別開口部8Aを通って画像表示装置8の外側に飛び出て、緩衝部材14K21がガラス板55の背面に到達するまで移動することができる。
図45は、パチンコ遊技機PY2のサブ制御基板90側の電気的な構成を示すブロック図である。図45に示すように、サブ制御基板90の出力側には、左側画像表示装置作動用モータ81Mと、右側画像表示装置作動用モータ82Mと、が接続されている。左側画像表示装置作動用モータ81Mは左側画像表示装置81を駆動して左右方向にスライドさせる。右側画像表示装置作動用モータ82Mは右側画像表示装置82を駆動して左右方向にスライドさせる。また、サブ制御基板90の出力側には、突出体用モータ14M2が接続されている。突出体用モータ14M2は突出体14K2を駆動して前後方向に移動(突出および退避)させる。
なお、第1実施形態の場合と同様に、演出制御用マイコン91は、左側画像表示装置81、右側画像表示装置82および突出体14K2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路107を介して、左側画像表示装置81、右側画像表示装置82および突出体14K2の動作を制御する。
次に、作動可能な画像表示装置8および盤可動装置14を用いた演出について説明する。ここでは、第1実施形態で説明した発展演出および特殊演出を用いて説明する。最初に、作動可能な画像表示装置8および盤可動装置14を用いた発展演出について説明する。
第2実施形態でも、発展演出1〜発展演出3が設けられており、発展演出3には、発展演出31〜発展演出33が設けられているとする。すなわち、演出フローに発展演出が含まれる特図変動パターンに決定された場合に画像表示装置8および盤可動装置14を用いた発展演出を実行可能であり、特殊変動に決定された場合に画像表示装置8および盤可動装置14を用いた特殊演出を実行可能である(図46参照)。そして、発展演出1および発展演出2は第1実施形態と同じ演出内容であるので説明を省略する。
第1実施形態では、発展演出3(発展演出31〜発展演出33)が実行される場合は、通常状態の主人公キャラクタがバストアップで表示された後、箱体13Kが下降したが、第2実施形態ではこの下降するタイミングで図47(C−3)に示すように、左側画像表示装置81が左方向にスライドすると共に、右側画像表示装置82が右方向にスライドして画像表示装置8が分裂する(開く)。ここで、左側画像表示装置81および右側画像表示装置82は遊技者から全く視認できなくなるまで左方向および右方向にスライドするのではなく、左側画像表示装置81の右端部および右側画像表示装置82の左端部が視認可能な位置で停止する。このとき、遊技者から視認可能な左側画像表示装置81の右端部および右側画像表示装置82の左端部は、正面視で遊技盤2の開口部2A(図示なし)の範囲内に収まっていることになる。
なお、遊技者から視認可能な左側画像表示装置81の左側表示部81aの右上隅と、右側画像表示装置82の右側表示部82aの左上隅に、その前の段階(図47(B))までリーチを構成していた左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3が大体同じ大きさで表示される。また図47(C−3)のときと図47(B)のときとで、左側表示部81aおよび右側表示部82aにおける左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3の表示位置は変更されているが、遊技者目線では空間的には概ね同じ位置に表示されている。そして、第1実施形態の場合と同様に、さらに3種類の演出内容の中の何れか1つの演出内容に展開される。
1つ目の演出内容(発展演出31)としては、図48(A−1)に示すように、図47(C−3)で示す作動した画像表示装置8(スライド移動し、端部が開口部2Aから視認可能に停止した左側画像表示装置81および右側画像表示装置82)と、通常状態で初期位置に保持されている盤可動装置14(突出体14K2)は所定時間(例えば、7秒)その状態を維持し、特に作動することなく画像表示装置8(左側画像表示装置81および右側画像表示装置82)が待機状態に戻って発展演出が終了する演出内容である。
2つ目の演出内容(発展演出32)としては、図48(A−2)に示すように、所定時間(例えば、7秒)掛けて、突出体14K2が後方に移動(退避)して、移動可能な範囲で最も後方の位置(所定の退避位置)で所定時間(例えば、4秒)停止し、前方に移動して待機状態に戻った後に、画像表示装置8(左側画像表示装置81および右側画像表示装置82)も待機状態に戻って発展演出が終了する演出内容である。
3つ目の演出内容(発展演出33)としては、図48(A−3)に示すように、所定時間(例えば、7秒)掛けて、突出体14K2が前方に移動(突出)して、移動可能な範囲で最も前方の位置(所定の突出位置:ガラス板55に到達する位置)で所定時間(例えば、4秒)停止し、後方に移動して待機状態に戻った後、画像表示装置8(左側画像表示装置81および右側画像表示装置82)も待機状態に戻って発展演出が終了する演出内容である。
なお、第2実施形態の発展演出1〜発展演出3および発展演出31〜発展演出33の決定方法は、第1実施形態の場合と同様である。すなわち、ステップS4403の特図変動演出パターン決定処理、ならびに図42の発展演出パターン判定テーブルおよび発展演出3パターン判定テーブルに基づいて発展演出1〜発展演出3および発展演出31〜発展演出33が決定される。また、発展演出1〜発展演出3および発展演出31〜発展演出33が示唆する大当たり期待度の関係については第1実施形態の場合と同様である。
次に、作動可能な画像表示装置8および盤可動装置14を用いた特殊演出について説明する。
第1実施形態では、特殊演出または特殊演出ガセが実行される場合は、中演出図柄EZ2として、「びっくり箱」という文字を含む特殊演出示唆図柄G1が変動表示や停止表示されたのに対して、第2実施形態では、特殊演出が実行される可能性があることを示唆する特殊演出示唆図柄G2が中演出図柄EZ2として変動表示や停止表示される。特殊演出示唆図柄G2には「液晶分裂」という文字が含まれている。これは、後述するように第2実施形態の特殊演出では、最初に左側画像表示装置81と右側画像表示装置82とが離間するようにスライドして画像表示装置8が2つに分裂するように見えることから、そのことを特殊演出示唆図柄G2に関連付けるためである。
よって、図49(A)に示すように、ゆっくりと下方に移動している中演出図柄EZ2としての特殊演出示唆図柄G2が表示部8aの上下方向略中央位置で仮停止しようとする。ここで、特殊演出が実行される場合は、図49(B−1)に示すように、特殊演出示唆図柄G2が表示部8aの上下方向略中央位置で仮停止し、図49(C−1)に示すように、特殊演出に突入したことを報知する特殊演出突入演出が実行される。具体的には、表示部8a(左側表示部81aおよび右側表示部82a)において通常用背景画像G100から、特殊演出専用の背景画像(特殊演出用背景画像)G105に切り替わり、左側画像表示装置81が左方向にスライドすると共に、右側画像表示装置82が右方向にスライドして画像表示装置8が分裂する(開く)。特殊演出においても発展演出の場合と同様に、左側画像表示装置81および右側画像表示装置82は遊技者から全く視認できなくなるまで左方向および右方向にスライドするのではなく、左側画像表示装置81の右端部および右側画像表示装置82の左端部が視認可能な位置で停止する。そして、遊技者から視認可能な左側画像表示装置81の左側表示部81aの右上隅と、右側画像表示装置82の右側表示部82aの左上隅とには、リーチ状態の左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3が表示されている。なお、このときの左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3は、特殊演出示唆図柄G2が仮停止していたときの左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3よりは小さくなっている。
なお、特殊演出ガセの場合は、第1実施形態の場合と同様に、仮停止しようとしていた特殊演出示唆図柄G2が表示部8aの上下方向略中央付近でスベってそのまま下方に移動して表示部8aから消え(図49(B−2))、特殊演出示唆図柄G2とは別の通常の識別情報を示す演出図柄が仮停止した後に、ハズレを示す態様で演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる(図49(C−2))。
次に特殊演出について説明する。第1実施形態では、特殊演出は演出段階に関連付けられていたが、第2実施形態の特殊演出は、突出体14K2の最終的な位置とそこに至る移動経路からなる移動態様に関連付けられている。第2実施形態の特殊演出には、4つの移動態様(移動態様1〜移動態様4)が設定されている。
特殊演出は、何れの移動態様であっても、図49(C−1)に示すように、画像表示装置8が分裂して(開いて)盤可動装置14が通過可能な特別開口部8Aが形成され、且つ、盤可動装置14(突出体14K2)が初期位置で保持されている状態から開始される。以下に、特殊演出の具体例を移動態様毎に説明する。
移動態様1の特殊演出(特殊演出1)では、最初に、敵キャラクタの声による音声A「ロゴ、出てこいや」がスピーカー11から出力され(図50(A))、その直後に、突出体14K2が退避する(図50(B))。そして、それから所定時間(例えば、3秒)が経過した時に、敵キャラクタの声による音声C「内気な奴じゃ」がスピーカー11から出力され(図50(C))、突出体14K2が前方に移動して初期位置(待機状態)に戻った(図50(D))後に、画像表示装置8が待機状態に戻ると共に、特殊演出用背景画像G105から通常用背景画像G100に切り替わり(図50(E))、LリーチまたはSPリーチに突入する。
移動態様2の特殊演出(特殊演出2)では、最初に、音声A「ロゴ、出てこいや」がスピーカー11から出力され(図51(A))、その直後に、突出体14K2が退避する(図51(B))。そして、再度、音声A「ロゴ、出てこいや」がスピーカー11から出力されると(図51(C))、その直後に突出体14K2が前方に移動し初期位置で停止する(図51(D))。そして、それから所定時間(例えば、3秒)が経過した時に、敵キャラクタの声による音声D「中途半端な奴じゃ」がスピーカー11から出力されて(図51(E))、画像表示装置8が待機状態に戻ると共に、特殊演出用背景画像G105から通常用背景画像G100に切り替わり(図51(F))、LリーチまたはSPリーチに突入する。
移動態様3の特殊演出(特殊演出3)では、最初に、音声A「ロゴ、出てこいや」がスピーカー11から出力され(図52(A))、その直後に、所定の突出位置まで(ガラス板55に到達するまで)突出体14K2が突出して停止する(図52(B))。そして、それから所定時間(例えば、3秒)が経過した時に、敵キャラクタの声による音声E「強気な奴じゃ」がスピーカー11から出力されると共に、突出体14K2が後方に移動して初期位置(待機状態)に戻った(図52(D))後に、画像表示装置8が待機状態に戻ると共に、特殊演出用背景画像G105から通常用背景画像G100に切り替わり(図52(E))、LリーチまたはSPリーチに突入する。
移動態様4の特殊演出(特殊演出4)では、最初に、音声A「ロゴ、出てこいや」がスピーカー11から出力され(図53(A))、その直後に、突出体14K2が退避する(図53(B))。そして、再度、音声A「ロゴ、出てこいや」がスピーカー11から出力されると(図53(C))、その直後に突出体14K2が前方に移動して移動態様3の場合と同じ突出位置で停止する(図53(D))。そして、それから所定時間(例えば、3秒)が経過した時に、敵キャラクタの声による音声F「よう自分の殻を打ち破った、見事じゃ」がスピーカー11から出力されると共に、突出体14K2が後方に移動して初期位置(待機状態)に戻った(図53(E))後に、画像表示装置8が待機状態に戻ると共に、特殊演出用背景画像G105から通常用背景画像G100に切り替わり(図53(F))、SPリーチに突入する。
以上のように、第2実施形態の特殊演出は、移動態様1〜移動態様4に関連付けられている。そして、特殊演出1は特殊1変動で実行され、特殊演出2は特殊2変動で実行され、特殊演出3は特殊3変動で実行され、特殊演出4は特殊4変動で実行される。また、移動態様1〜移動態様4が示唆する大当たり期待度は、移動態様1<移動態様2<移動態様3<移動態様4の順で高くなっている。
以上のように、第2実施形態のパチンコ遊技機PY2は、2枚の画像表示装置81,82が、各々の表示部81a,82aが前方側を向いて隙間なく(密集して)左右方向に並んで配され、作動可能な盤可動装置14が、2枚の画像表示装置81,82の背面側に配され、通常の基本状態では2枚の画像表示装置81,82の間から盤可動装置14が視認不能であり、特定条件が成立する(発展演出3または特殊演出が実行される)ことにより、2枚の画像表示装置81,82が相互に離間する向きに移動して2枚の画像表示装置81,82の間に特別開口部8Aが形成され、特別開口部8Aを通して盤可動装置14が視認可能且つ通過可能になり、その状態で盤可動装置14が前後方向に移動可能である。盤可動装置14が画像表示装置81,82で隠れている状態から、画像表示装置81,82が作動して盤可動装置14が出現するので、遊技者にインパクトを与え、遊技興趣を高めることができる。
また、盤可動装置14は前方側に向けて移動可能であるので、盤可動装置14を出現させた後に前方に移動させることで、効果的に演出効果を高めることができる。さらに、画像表示装置81,82が移動した後に形成される特別開口部8Aは突出体14K2を通過させることが可能な大きさであり、突出体14K2が特別開口部8Aを通って画像表示装置81,82よりも前方側に移動することが可能であるので、さらに遊技者にインパクトを与え、遊技興趣を向上させることができる。また、突出体14K2は、後方側にも移動可能であるので、突出体14K2を用いた演出の多様化を図ると共に、意外性を高めて遊技興趣を向上することができる。
なお、第2実施形態では、遊技に応じた演出画像を表示可能な画像表示装置8が2つの画像表示装置(左側画像表示装置81、右側画像表示装置82)からなっているが、2つに限らず3つ以上の画像表示装置で構成されていても良い。例えば、図54(A)に示すように、画像表示装置8が、左上に配置された左上画像表示装置81、右上に配置された右上画像表示装置82、左下に配置された左下画像表示装置83、および右下に配置された右下画像表示装置84で構成されても良い。この場合、正面視における開口部2Aの中央の範囲に、突出体14K2を通過させることができる特別開口部が形成されるように、左上画像表示装置81、右上画像表示装置82、左下画像表示装置83、および右下に配置された右下画像表示装置84が移動しながら回転するようにしても良い(図54(B)参照)。
また、画像表示装置8が複数の画像表示装置で構成される場合、初期状態において隙間が形成され、その隙間から突出体14K2が視認可能であっても良い。この場合、画像表示装置8を構成する何れかの画像表示装置が作動して、作動前より隙間が拡大されて突出体14K2が視認できるようになれば良い。
また、画像表示装置8を構成する画像表示装置の全てを作動可能にするのではなく、画像表示装置8を構成する画像表示装置の一部が作動可能であり、その画像表示装置8が作動することによって、作動前よりも画像表示装置を視認できるようにしても良い。さらに、突出体14K2は作動できず、画像表示装置8を構成する画像表示装置が作動して形成される特別開口部8Aは突出体14K2が通過できない大きさであっても良い。この場合、突出体14K2は、前後方向に移動できないが、その位置で回転することや上下左右方向に移動できるようにして良い。
さらに、画像表示装置8を構成する複数の画像表示装置は、同一平面上に配置されていなくても良い。少なくとも複数の画像表示装置の表示部が前方(遊技領域3に直交する方向又は遊技者の方向)を向いていれば、複数の画像表示装置が遊技領域3の直交する方向にズレて配置されていても良い。
加えて、画像表示装置8の背面側には、前後方向に移動可能な複数の突出体14K2が設けられていても良い。この場合、突出体14K2の種類によって突出する距離が異なり、その距離が長い突出体14K2が突出した場合の方が、大当たり期待度が高くなるように設定することもできる。
また、画像表示装置8の作動および盤可動装置14の作動を伴う演出は、発展演出や特殊演出以外の演出に適用しても良い。例えば、SPリーチにおいて、大当たりか否かの分岐となる重要な場面で行っても良い。この場合、特別開口部8Aから視認でき、初期状態にある突出体14K2が突出することによって大当たりの報知とすることができる。また、初期状態にある突出体14K2が退避することによってハズレの報知とすることもできる。さらには、初期状態にある突出体14K2を一旦退避させることによってハズレであるかのように思わせた後にガラス板55まで突出させて大当たりを報知する所謂「復活演出」を行うこともできる。
さらに、画像表示装置8の作動および盤可動装置14の作動を伴う演出を、特図変動演出以外に、始動入賞コマンドに基づく先読み演出やオープニングコマンドに基づく大当たり遊技演出において適用しても良い。例えば、先読み演出で適用する場合は、始動入賞コマンドに対応する特図可変表示(対象特図可変表示)が行われる前の特図変動演出にて先読み演出として実行しても良い。具体的には、演出図柄の停止表示が行われる際、または、演出図柄の変動表示が開始される際に、段階的に行うようにすることができる。例えば、対象特図可変表示の3つ前の演出図柄の停止表示において画像表示装置81,82をスライドさせて、特別開口部8Aを形成させ、2つ前の演出図柄の停止表示において突出体14K2を退避させ、直前の演出図柄の停止表示において突出体14K2をガラス板55に到達するまで突出させる。このように先読み演出に画像表示装置8の作動および盤可動装置14の作動を伴う演出を適用する場合は、盤可動装置14が突出することをもって、例えば、リーチ、SPリーチまたは大当たりが確定するようにしても良い。また、段階が進むにつれて、リーチ、SPリーチまたは大当たりの期待度が高まるようにしても良い。
また、画像表示装置8の作動および盤可動装置14の作動を伴う演出を、大当たり遊技演出で適用する場合は、VAT33が開放する16Rが行われる前に画像表示装置8が作動するか否かの演出を行うようにしても良い。そして、Vロング開放大当たりでありVAT33がロング開放する場合は、16Rが開始する直前に画像表示装置81,82をスライドさせて、特別開口部8Aを形成させ、16Rにおいて最初にV通過したときに突出体14K2をガラス板55に到達するまで突出させてV通過を報知するようにしても良い。
7.その他の変更例
以下、本発明の遊技機について、第1実施形態および第2実施形態で説明した構成以外の変更例について説明する。
第1,2実施形態では、箱体13Kの下降、蓋部13K1の開放、突出体13K2の突出、画像表示装置81,82の移動、および突出体14K2の突出・退避は、半球型ボタン17や剣型ボタン18の操作を伴わないが、これらの全て又は一部に対しては、その実行前にボタン17,18の操作が有効な有効期間(操作有効期間:例えば、5秒)が設定され、その期間に操作が行われたことにより実行されるようにしても良い。
また、例えばボタン17の操作を伴う場合、操作態様として、通常の1回の押下操作と、特別な押下操作(例えば、所謂「連打」や「長押し」)とが可能であり、特別な押下操作になった場合の方が、箱体13Kの下降、蓋部13K1の開放、突出体13K2の突出、画像表示装置81,82の移動、および突出体14K2の突出・退避が実行され易いようにすることができる。さらには、半球型ボタン17および剣型ボタン18の操作が可能であり、剣型ボタン18の操作になった場合の方が、箱体13Kの下降、蓋部13K1の開放、突出体13K2の突出、画像表示装置81,82の移動、および突出体14K2の突出・退避が実行され易いようにすることができる。なお、操作有効期間においては、その操作を促す操作促進演出が実行される。
また、第1,2実施形態では、突出体13K2,14K2の前方側先端に緩衝部材13K21,14K21が設けられているが、緩衝部材13K21,14K21が設けられていなくても良い。また、突出体13K2,14K2自体がガラス板55との衝撃を吸収可能な部材で構成されていても良い。
また、第1,2実施形態などでは、大当たり判定において大当たりに当選することによって、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口32)の開閉を伴う大当たり遊技が実行されるが、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口32)の開閉を伴う遊技として所謂「小当たり遊技」を設けても良い。小当たり遊技は、大当たり判定において、大当たりおよびハズレとは異なる「小当たり」に当選することによって実行される。そして、小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口32)の最大開放時間は1.8秒以下であることが望ましい。また、小当たり遊技の終了に伴い、遊技状態は変化しない。すなわち、小当たり遊技の実行中および実行後は、当該実行前の遊技状態が継続し、小当たり遊技の実行が遊技状態に影響を及ぼさない。すなわち、小当たりに当選すると、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口32)の開閉を伴う小当たり遊技が実行されるだけである。
また、第1,2実施形態では、特定領域34が設けられており、大当たり遊技においてV通過しないと高確率状態に移行しないが、V通過せずとも、特別図柄抽選で特定の種類の大当たり図柄に当選して、特定の種類の大当たり図柄の停止表示が行われると、その大当たり遊技の終了に伴って高確率状態に移行するようにすることができる。この場合、Vロング大当たり遊技を発生させる大当たり図柄と、特定の種類の大当たり図柄とが当選可能であるようにしてもよい。また、例えば、第2大入賞装置33が設けられておらず、高確率状態に移行するための条件として、特定の種類の大当たり図柄に当選し、特定の種類の大当たり図柄の停止表示が行われることのみが設定されているようにすることもできる。
また、第1実施形態では、大当たり遊技後の終了に伴って必ず時短状態が設定されるが、大当たり図柄の種別に応じて時短状態が設定されるか否かを決定しても良い。この場合、特図2抽選での方が、大当たり遊技後の終了に伴って時短状態が設定される大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
また、第1実施形態では、高確率回数が180回に設定され、時短回数が180回(V通過した場合)と100回(V非通過の場合)に設定されているが、これらの通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する特別図柄の変動表示の規定回数は限定されず適宜に設定することができる。例えば、高確率回数を100回に設定し、時短回数をV通過の有無に関わらず100回に設定してもよい。また、時短回数を0回に設定してもよい。また、大当たり遊技後の経過時間や遊技球の発射個数などの特別図柄の変動表示の実行回数ではない他の要素に基づいて、通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する継続期間を設定してもよい。
また、第1実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板80が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板90が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板100を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
8.実施形態に開示されている他の発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A〜発明Bが開示されている。発明A〜発明Bの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1〜A6の総称であり、発明Bは、以下の発明B1〜B4の総称である。
8−1−1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)に設けられた始動領域(始動口20,22)に遊技球が入賞することにより識別情報(特別図柄)の可変表示を実行可能であり、当該可変表示で特定結果が導出(大当たり図柄が停止表示)されると、遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技、高確率遊技状態、時短状態、補助遊技など)にて遊技を制御可能な遊技制御手段(主制御基板80)と、
前記遊技制御手段による制御に応じて演出(特図変動演出、大当たり遊技演出、先読み演出など)を制御可能な演出制御手段(サブ制御基板90、画像制御基板100)と、
移動可能な移動体(突出体13K2)と、を備え、
前記演出制御手段は、所定の移動条件が成立(第1実施形態における発展演出3または特殊演出を実行)すると前記移動体を前方側に向けて移動させることがあることを特徴とする。
8−1−2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記遊技領域に開口部(開口部2A)が形成され、
前記移動体は、前記移動条件が成立していない待機状態において前記遊技領域の裏側に配されており、
前記移動条件には、第1移動条件(第1実施形態における発展演出3の実行または特殊演出の実行)と当該第1移動条件の後に成立可能な第2移動条件(第1実施形態における発展演出33の実行またはSU3、SU4に発展)とがあり、
前記演出制御手段は、
前記第1移動条件が成立すると、前記移動体を正面視で前記開口部の範囲に移動させることが可能であり、
前記第2移動条件が成立すると、前記移動体を前方側に向けて移動させることが可能であることを特徴とする。
8−1−3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
開閉可能な蓋部(蓋部13K1)が前面側に設けられた箱体(13K1)を備え、
前記移動体は、前記箱体に収納され、前記蓋部が開いているときに前記箱体の外側へ移動可能であることを特徴とする。
8−1−4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A3に係る遊技機であって、
前記箱体は、前記待機状態において前記移動体を収納した状態で前記遊技領域の裏側に配されており、
前記演出制御手段は、
前記第1移動条件が成立すると、前記箱体は前記移動体を収納したまま前記開口部の範囲に移動させることが可能であり、
前記第2移動条件が成立すると、前記蓋部を開けて前記移動体を移動させることが可能であることを特徴とする。
8−1−5.発明A5
発明A5に係る遊技機は、
発明2乃至発明A4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記遊技領域の前方側に所定距離をおいて、透明な板状部材(ガラス板55)が配されており、
前記移動体は前記第2移動条件が成立したときに前記板状部材に到達可能であることを特徴とする。
8−1−6.発明A6
発明A6に係る遊技機は、
発明A5に係る遊技機であって、
前記移動体の前方側先端に、前記板状部材との衝撃を吸収可能な緩衝部材(緩衝部材13K21)が取り付けられていることを特徴とする。
なお、発明Aによれば、先行技術文献としての特開2016−26777号公報に記載の遊技機について次に説明する課題Aに対して、遊技興趣を向上することができるという効果を奏する。特開2016−26777号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球することを条件に、大当たりであるか否かの判定を行うことが可能であり、当該判定が行われると図柄の可変表示が行われる。図柄の可変表示によって、判定の結果が報知される。図柄の可変表示において大当たり図柄などの特定の図柄が停止表示されると、大当たり遊技などの遊技者に有利な遊技状態に制御される。そして、図柄の可変表示が行われている間、変動演出が行われる。また、遊技者に有利な遊技状態に制御されているときには、その遊技状態に応じた演出が行われる。ここで、特開2016−26777号公報に記載の遊技機では、変動演出や有利な遊技状態に応じた演出において、可動装置を作動させる。そして、可動装置は、画像表示装置の表示面に沿うように移動している。そこで、課題Aとするところは、可動装置による演出を行う遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地があるということである。この課題に対して、発明A1は、「所定の移動条件が成立すると前記移動体を前方側に向けて移動させることがある」という、特開2016−26777号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、遊技興趣を向上することができるという有利な効果を奏する。
8−2−1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
所定の遊技に応じた演出画像を表示可能な複数の画像表示装置(左側画像表示装置81、右側画像表示装置82)と、
所定の装飾体(突出体14K2)と、を備え、
前記複数の画像表示装置は、各々の表示部(左側表示部81a、右側表示部82a)が大体前方側を向いて配され、
前記装飾体は、前記複数の画像表示装置の背面側に配され、
通常の基本状態では前記複数の画像表示装置の間から前記装飾体が視認不能または視認困難であり、
特定条件が成立する(第2実施形態における発展演出3の実行または特殊演出の実行)ことにより、前記複数の画像表示装置のうちの少なくとも何れかが移動し、前記基本状態に比べて前記装飾体が視認容易になることを特徴とする。
8−2−2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記装飾体は前方側に向けて移動可能であることを特徴とする。
8−2−3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B2に係る遊技機であって、
前記特定条件が成立すると前記複数の画像表示装置の間に前記装飾体が通過可能な開口部(特別開口部8A)が形成され、前記装飾体が前記開口部を通って前記画像表示装置よりも前方側に移動することが可能であることを特徴とする。
8−2−4.発明B4
発明B4に係る遊技機は、
発明B1乃至発明B3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記装飾体は後方側に向けて移動可能であることを特徴とする。
なお、発明Bによれば、先行技術文献としての特開2015−134303号公報に記載の遊技機について次に説明する課題Bに対して、遊技興趣を向上することができるという効果を奏する。特開2015−134303号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球することを条件に、大当たりであるか否かの判定を行うことが可能であり、当該判定が行われると図柄の可変表示が行われる。図柄の可変表示によって、判定の結果が報知される。そして、図柄の可変表示が行われている間、例えば、画像表示装置において変動演出が行われる。また、大当たり遊技においては、画像表示装置において大当たり遊技演出が行われる。特開2015−134303号公報に記載の遊技機では、複数の画像表示装置を備えている。そして、画像表示装置には、移動可能である画像表示装置が含まれている。そこで、課題Bとするところは、移動可能な画像表示装置を備える遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。この課題に対して、発明B1は、「複数の画像表示装置は、各々の表示部が大体前方側を向いて配され、複数の画像表示装置の背面側に装飾体が配され、通常の基本状態では複数の画像表示装置の間から装飾体が視認不能または視認困難であり、特定条件が成立することにより、複数の画像表示装置のうちの少なくとも何れかが移動し、基本状態に比べて装飾体が視認容易になる」という、特開2015−134303号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、遊技興趣を向上することができるという有利な効果を奏する。