JP6869485B2 - 流体動圧軸受装置、回転駆動装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、中間転写ベルト装置30が設置されている。また、中間転写ベルト装置30の中間転写ベルト38に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ60Y、60M、60C、60BKが並設されている。さらに、プロセスカートリッジ60Y、60M、60C、60BKの上方には、2つの光走査装置50A、50Bが並設されている。
なお、光走査装置50A、50Bには、特徴的な流体動圧軸受装置16を具備した光偏向器53(回転駆動装置)が設置されているが、これについては後で詳しく説明する。
その後、感光体ドラム61Yの表面は、光走査装置50A、50B(書込み装置)から発せられた露光光L(レーザー光)の照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム61Yの表面は、中間転写ベルト38及び1次転写ローラ39Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム61Y上のトナー像が中間転写ベルト38上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム61Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム61Yの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム61Y上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム61Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト38上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト38上にカラー画像が形成される。
こうして、中間転写ベルト38上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙装置46には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ47が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対48のローラ間に向けて給送される。
その後、シートPは、排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部110上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
先に図1を用いて説明したように、本実施の形態における画像形成装置100には、2つの光走査装置(第1の光走査装置50Aと、第2の光走査装置50Bと、である。)が設置されている。第1の光走査装置50Aは、ブラック用のプロセスカートリッジ60BKの感光体ドラムと、シアン用のプロセスカートリッジ60Cの感光体ドラムと、に対してそれぞれ露光工程をおこなうためのものである。第2の光走査装置50Bは、マゼンタ用のプロセスカートリッジ60Mの感光体ドラムと、イエロー用のプロセスカートリッジ60Yの感光体ドラムと、に対してそれぞれ露光工程をおこなうためのものである。
2つの光走査装置50A、50B(書込み装置)は、上述したように露光光を照射する対象が異なる以外は、ほぼ同様に構成されているため、以下、第2の光走査装置50Bの説明を適宜に省略して、第1の光走査装置50Aのみの説明をおこなうことにする。
まず、LDユニット51に固定されたブラック用の光源52BKから出射された光束は、LDユニット51と光偏向器53(ポリゴンミラー17)との間の光路上に配置されたコリメートレンズ59aにより、発散光束が平行光束に変換された後に、シリンドリカルレンズ59bを透過することで、副走査方向(感光体ドラム表面において感光体ドラムの移動方向(回転方向)に相当する方向である。)に集光されて、光偏向器53のポリゴンミラー17に入射する。ポリゴンミラー17に入射した光は、ポリゴンミラー17の反射鏡に反射されながら主走査方向(感光体ドラム表面において感光体ドラムの回転軸方向に相当する方向である。)に偏向されて、その後に走査レンズ54を通過して、ポリゴンミラー17によって一定の角速度で主走査方向に偏向された光束の偏向方向の移動速度が等速に変換される。そして、走査レンズ54を通過した光は、第1反射ミラー55BK、第2反射ミラー56BKの位置で順次反射された後に、副走査方向にパワーを持つ走査レンズ57BKを通過して、ポリゴンミラー17の面倒れが補正される。そして、走査レンズ57BKを通過した光は、筐体500の底面に形成された開口部を覆うようにして設けられた防塵ガラス58BKを透過して、ブラック用のプロセスカートリッジ60BKの感光体ドラムの表面に照射される(光走査される)。
図5に示すように、本実施の形態において、回転駆動装置としての光偏向器53には、軸部材8とともに回転する回転体9、軸部材8を回転可能に保持する流体動圧軸受装置16、などが設置されている。
回転体9は、その回転中心に形成された貫通穴に、軸部材8(回転軸)が焼きバメされている。回転体9の外周面には、ポリゴンミラー17(本実施の形態では、2段のポリゴンミラーである。)が形成されている。また、回転体9には、流体動圧軸受装置16の一部や駆動機構10〜12を収納するための凹部が形成されている。回転体9の凹部の内周面には、流体動圧軸受装置16のハウジング2に設置された励磁コイル10に対向するように、マグネット12が周方向にわたって設けられている。
そして、このように構成された光偏向器53(回転駆動装置)において、励磁コイル10に通電することで、励磁コイル10とマグネット12との間に励磁力が作用して、回転体9が軸部材8とともに回転駆動されることになる。
詳しくは、軸受3の両端部に近い位置には、それぞれ、内周面に沿うように全周にわたって溝部3bが形成されている。この溝部3bは、軸部材8が回転することにより、軸部材8と軸受3との間に介在された薄膜状の潤滑剤に動圧力を発生させて、軸部材8を非接触で保持する動圧発生手段として機能するものである。このように軸受3を構成することにより、高速回転する軸部材8をスムーズに回転させることができる。
ハウジング2は、中空構造体であって、その内部に軸受3を固定保持するための空間が設けられている。また、ハウジング2の回転軸方向一端側(図6の下方である。)には、軸受3を設置するための開口部が形成されている。この開口部は、流体動圧軸受装置16(ハウジング2)に対して軸部材8を挿入する方向(回転軸方向である。)に相対的に移動して装着するときにも用いられることになる。したがって、ハウジング2の開口部は、その開口径が、軸受3の外径よりも大きくなるように形成されている。そして、流体動圧軸受装置16に対して軸部材8が装着された後に、後述するスラストブッシュ1(封止部材)が開口部を塞ぐように設置されることになる。
また、ハウジング2の回転軸方向他端側(図6の上方である。)には、軸部材8の外周面に周方向全域にわたって密着するシール部4が形成されている。このシール部4は、回転軸方向他端側からハウジング2の外部に潤滑剤が漏出するのを防止するためのものであって、ハウジング2の穴部(軸部材8が挿入される穴部である。)の縁部を弾性を有するように加工して形成することもできるし、ハウジング2の穴部にGシールなどのパッキンを設置して構成することもできる。
スラストブッシュ1(封止部材)は、内部に凹部が形成された略円筒状の部材であって、その外径がハウジング2の開口部の開口径と同等になるように形成されている。
スラストブッシュ1がハウジング2(流体動圧軸受装置16)に装着されると、その凹部とハウジング2(及び、軸受3、軸部材8)とによって形成される空間が、潤滑剤が貯留される潤滑剤貯留部5として機能することになる。すなわち、潤滑剤貯留部5に貯留された潤滑剤が、軸部材8と軸受3との微小な隙間に適宜に供給されることになる。
このスラストプレート6(板状部材)は、所定方向に回転する軸部材8の支持部となり、軸部材8が摺接することになるため高強度の材料で形成されている。ただし、スラストプレート6と軸部材8との間には潤滑剤が介在されることになるため、双方の部材の摩耗はほとんど生じない。
詳しくは、環状部材7は、軸部材8の外径よりも大きな外径を有する部材であって、軸部材8の先端部の近傍に嵌挿されている。環状部材7は、その外径が、軸受3の外径よりも小さくなるように形成されている。このように構成された環状部材7が大径部として機能して、軸部材8が図6の上方に移動しても環状部材7(大径部)が軸受3の端面に接触して、軸部材8が軸受3から抜けてしまう不具合を防止することができる。
すなわち、スラストブッシュ1が装着されていない状態の流体動圧軸受装置16に対してハウジング2の開口部を介して軸部材8が装着された後に、ハウジング2の雌ネジ部2aにスラストブッシュ1の雄ネジ部1aを螺合させて、スラストブッシュ1によってハウジング2の開口部を塞ぐことになる。
なお、スラストブッシュ1に対するハウジング2のネジ螺合による保持力を確保するために、雄ネジ部1a及び雌ネジ部2aのネジ山は少なくとも3つ以上形成されることが好ましい。
このように構成することにより、スラストブッシュ1を軸部材8に対して垂直に対向するように設置することができる。そのため、スラストブッシュ1の設置が容易になるとともに、軸部材8に対してスラストプレート6(スラストブッシュ1)が傾いて当接してしまって双方の部材の摩耗が促進されてしまうような不具合も生じにくくなる。
図7は、変形例1としての流体動圧軸受装置16を示す断面図であって、本実施の形態における図6に対応する図である。
図7に示すように、変形例1における流体動圧軸受装置16は、シール材14と緩み止め剤15(ねじロック剤)とが設けられている。
シール材14は、ハウジング2とスラストブッシュ1(封止部材)との間に設置されている。具体的に、シール材14として、スラストブッシュ1の凹部の縁部とハウジング2との隙間を周方向全域にわたってシールするものと、ハウジング2の開口部の縁部とスラストブッシュ1の外周面との隙間を周方向全域にわたってシールするものと、が設置されている。シール材14は、例えば、エラストマーなどの弾性材料で形成されたものを用いることができる。このように、シール材14を設置することで、ハウジング2とスラストブッシュ1との隙間がさらに強固に封止されることになるため、流体動圧軸受装置16の外部に潤滑剤が漏出する不具合がさらに生じにくくなる。
また、緩み止め剤15は、スラストブッシュ1の雄ネジ部1aとハウジング2の雌ネジ部2aとの間に介在されるものであって、スラストブッシュ1が螺合される前に雄ネジ部1a(又は、雌ネジ部2a)に塗布したものが螺合後に硬化(又は、定着)するものである。これにより、螺合後のスラストブッシュ1は、ハウジング2に対してさらに強固に保持されることになる。なお、緩み止め剤15としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、合成ゴム系エラストマーなどの材料で形成されたものを用いることができる。また、緩み止め剤15は、軸受3の内部の汚染を防止するために、嫌気硬化型、混合硬化型、溶剤揮散型、加熱硬化型、熱溶融硬化型、感圧硬化型、再湿硬化型のものなどを用いて、雄ネジ部1aと雌ネジ部2aとの間で強固に硬化(又は、定着)させることが好ましい。
変形例1においても、先に説明した効果(スラストブッシュ1を螺合により設置することによる効果である。)を得ることができる。
図8は、変形例2としての流体動圧軸受装置16を示す断面図であって、本実施の形態における図6に対応する図である。
図8に示すように、変形例2における流体動圧軸受装置16は、本実施の形態のものとは異なり、スラストブッシュ1(封止部材)の内周面に雌ネジ部1bが形成され、ハウジング2の外周面に雄ネジ部2bが形成されている。
詳しくは、ハウジング2の先端部(回転軸方向一端側であって、図8の下方の先端部である。)には凸部が形成されていて、その凸部の外周面に雄ネジ部2bが形成されている。一方、スラストブッシュ1にはハウジング2の凸部に嵌合するように凹部が形成されていて、その凹部の内周面に雌ネジ部1bが形成されている。そして、スラストブッシュ1の雌ネジ部1bが、ハウジング2の雄ネジ部2bに螺合されて、ハウジング2の開口部を封止するようにスラストブッシュ1がハウジング2に保持されることになる。
なお、変形例2において、ハウジング2の開口部は、その開口径が、軸部材8の外径よりも大きく、軸受3の外径と同等になるように形成されている。
変形例2においても、先に説明した効果(スラストブッシュ1を螺合により設置することによる効果である。)を得ることができる。
図9は、変形例3としての流体動圧軸受装置16を示す断面図であって、本実施の形態における図6に対応する図である。
図9に示すように、変形例3における流体動圧軸受装置16は、本実施の形態のものとは異なり、軸部材8に抜け止め用の環状部材7(大径部)が設置されていない。このように構成した場合には、ハウジング2やスラストブッシュ1に環状部材7を収納するための大きなスペースを設ける必要がなくなるため、流体動圧軸受装置16を小型化することができる。
そして、変形例3においても、先に説明した効果(スラストブッシュ1を螺合により設置することによる効果である。)を得ることができる。
図10は、変形例4としての流体動圧軸受装置16を示す断面図であって、本実施の形態における図6に対応する図である。
図10に示すように、変形例4における流体動圧軸受装置16は、軸部材8をラジアル方向に加えてスラスト方向(回転軸方向)でも非接触で保持するように構成されている。すなわち、変形例4において、スラストブッシュ1(封止部材)は、所定方向に相対的に回転する軸部材8の回転軸方向一端側の先端部との間に潤滑剤を介在させた状態で、軸部材8を非接触で支持している。
詳しくは、図10に示すように、軸部材8に設置された環状部材7の端面(スラストブッシュ1に対向する対向面である。)には溝部7aが形成されている。また、スラストブッシュ1の対向面(環状部材7に対向する対向面である。)にも溝部1cが形成されている。これらの溝部1c、7aは、軸部材8が回転することにより、スラストブッシュ1と環状部材7との間に介在された薄膜状の潤滑剤に動圧力を発生させて、軸部材8をスラスト方向に非接触で保持する動圧発生手段として機能するものである。
このように構成した場合には、高速回転する軸部材8がスラスト方向にも安定的に支持されて、高速回転する軸部材8をさらにスムーズに回転させることができる。
また、変形例4においても、先に説明した効果(スラストブッシュ1を螺合により設置することによる効果である。)を得ることができる。
これにより、開口部を封止するスラストブッシュ1が外れて装置の外部に潤滑剤が漏出してしまう不具合や、軸受3の内部に異物が混入して軸受3の機能が低下してしまう不具合、を生じにくくすることができる。
また、本実施の形態では、回転駆動装置としての光偏向器53に設置される流体動圧軸受装置16に対して本発明を適用したが、光偏向器以外の回転駆動装置(例えば、スピンドルモータが設置された回転駆動装置である。)に設置される流体動圧軸受装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
1a 雄ネジ部、 1b 雌ネジ部、
2 ハウジング(軸受ハウジング)、
2a 雌ネジ部、 2b 雄ネジ部、
3 軸受(ラジアル軸受)、
3b 溝部、
4 シール部、
5 潤滑剤貯留部、
6 スラストプレート(板状部材)、
7 環状部材(大径部)
8 軸部材(回転軸)、
9 回転体、
10 励磁コイル、
11 コア、
12 マグネット、
13 ステータ、
14 シール材、
15 緩み止め剤、
16 流体動圧軸受装置、
17 ポリゴンミラー、
50A、50B 光走査装置(書込み装置)、
53 光偏向器(回転駆動装置)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)。
Claims (8)
- 所定方向に相対的に回転する軸部材との間に潤滑剤を介在させた状態で当該軸部材を非接触で支持する軸受と、
前記軸受を内包するように保持するハウジングと、
前記ハウジングの回転軸方向一端側に形成された開口部を封止する封止部材と、
を備え、
前記封止部材は、その外周面に形成された雄ネジ部が、前記ハウジングの内周面に形成された雌ネジ部に螺合されて、前記ハウジングに保持され、
前記封止部材の内部に形成された凹部と、前記ハウジングと、前記軸受と、前記軸部材と、によって潤滑剤を貯留可能な空間が形成され、
前記凹部の縁部と前記ハウジングとの隙間を周方向全域にわたってシールする第1のシール材と、前記開口部の縁部と前記封止部材の外周面との隙間を周方向全域にわたってシールする第2のシールと、が設けられたことを特徴とする流体動圧軸受装置。 - 前記封止部材は、回転軸方向を螺合方向として前記ハウジングに螺合されることを特徴とする請求項1に記載の流体動圧軸受装置。
- 前記雄ネジ部と前記雌ネジ部との間に緩み止め剤が介在されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流体動圧軸受装置。
- 前記軸部材は、その回転軸方向一端側の先端部の近傍であって前記軸受に支持されない部分に、前記軸受の内径よりも大きな外径からなる大径部が形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の流体動圧軸受装置。
- 前記封止部材は、前記軸部材の回転軸方向一端側の先端部が突き当たる位置に、板状部材が埋設されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の流体動圧軸受装置。
- 前記封止部材は、所定方向に相対的に回転する前記軸部材の回転軸方向一端側の先端部との間に潤滑剤を介在させた状態で当該軸部材を非接触で支持することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の流体動圧軸受装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の流体動圧軸受装置と、
前記ハウジングに設置された励磁コイルと、
前記励磁コイルに対向するマグネットを具備して、前記軸部材とともに回転する回転体と、
を備えたことを特徴とする回転駆動装置。 - 請求項7に記載された回転駆動装置を光偏向器として備えた画像形成装置であって、
前記回転体は、その外周面にポリゴンミラーが形成されたものであることを特徴とする画像形成装置。
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JP2017092183A JP6869485B2 (ja) | 2017-05-08 | 2017-05-08 | 流体動圧軸受装置、回転駆動装置、及び、画像形成装置 |
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