JP6868941B2 - 旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システム - Google Patents

旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システム Download PDF

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Description

本発明は、旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システムに関する。すなわち、小型や中型の旅客機について、荷物や貨物を搭載して輸送するシステムに関する。
《技術的背景》
旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送に関し、客席数が250席程度を越える大型の旅客機については、コンテナを使用するシステムが、従来より確立している。
すなわち、大型の旅客機については、乗客の手荷物や商用貨物は、国際規格IATAで規格化されたコンテナ容器に、積載される。そして、荷物や貨物を積載したコンテナを、旅客機の貨物室(カーゴルーム)に搭載して輸送するシステムが、確立している。
貨物室には、コンテナ運用のための装備や用具等が設けられている。床にはキャスターが埋め込まれ、床と搭載されたコンテナとの間が、ロックされるようになっている。
このように、大型の旅客機の場合は、規格化されたコンテナを使用したシステムにより、大量の荷物や貨物が、機体の内外で効率良く搬入,搬出,移動,運搬,配置等されていた(一般例の図6も参照)。
《従来技術》
これに対し、客席数が100席から〜250席程度の小型や中型機の旅客機については、上述した大型機のようなコンテナを使用したシステムによらず、従来よりバルク方式により、荷物や貨物の搭載,輸送が行われていた。
すなわち、小型や中型の旅客機の場合は、貨物室が小さいと共に乗客も少数であり、荷物や貨物の取扱い量が少なかったので、従来は、バルク方式による搭載,輸送で必要十分とされていた。
荷物や貨物は、機体の内外でひとつずつ、個々にバラ状態のまま手作業で取扱われて、搬入,搬出,移動,運搬,配置等される、バルク方式により搭載,輸送されていた。一個一個手渡しで、運用されていた。
図2は、このようなバルク方式の説明に供し、空港における小型や中型の旅客機への荷物や貨物の搬入状況を示す。
荷物や貨物Aは、空港の集荷場から空港専用搬送車(キャリアカー)のバルク車Bに搭載されて、旅客機Cの機体近くまで運搬される。
→そして作業員Dにより、ベルトローダー車EのベルトコンベアF上に積み換えられ、→旅客機Cの貨物室Gの出入口Hまで、搬送されていた。→それから作業員Dにより、出入口Hから貨物室G内に受取られて搬入され、→貨物室G内を移動,運搬されて、所定場所に配列,配置されていた。
→そして、貨物室Gの床Jに平置きされて、並び置かれた荷物や貨物Aは、予め装備された用具にて固定されていた。なお、荷物や貨物Aの搬出については、上述した搬入と逆のステップを辿る。
ところで最近、上述した小型や中型の旅客機Cの荷物や貨物Aの搭載,輸送方式、つまり従来のバルク方式については、次のような問題が課題として指摘されていた。
《第1の問題点》
第1に、荷物や貨物Aの量の増加が著しく、バルク方式では対応に問題が生じていた。
すなわち、小型や中型の旅客機Cについても、胴体の延伸化が進み、客席数そして乗客数が増え、手荷物の増加が最近著しい。又、宅配便等の空輸サービスの進展もあり、商用貨物の増加も最近著しい。
このように、荷物や貨物Aの取扱い量が増加し、荷物や貨物Aをひとつずつ個々に手作業で搬入,搬出,移動,運搬,配置等するバルク方式については、効率その他に問題が指摘されていた。
《第2の問題点》
第2に、特に作業員Dの人員面や負担面に、問題が指摘されていた。
例えば前述したように、バルク方式では、少なくとも1名の作業員Dが、個々の荷物や貨物Aをひとつずつ手作業で、バルク車Bからベルトローダー車Eへ積み換える作業をする。
旅客機C側では、各荷物や貨物Aをひとつずつ手作業で受け取る作業と、移動,運搬,配列,配置する作業とに、最低2名の作業員Dを要する。このように、最低でも3名以上の作業員Dを要していた。
又、作業員Dは、個々の荷物や貨物Aを手作業で取扱うので、力仕事となり、労力負担が過大となっていた。女性等の非力な者には、困難な作業となっていた。
《第3の問題点》
第3に、作業時間が長時間化する、という問題も指摘されていた。バルク方式では、作業員Dが個々の荷物や貨物Aを、ひとつずつ手作業で搬入,搬出,移動,運搬,配置等の作業を行うので、作業が長時間化する。
もって、小型や中型の旅客機Cについて、空港発着時の地上待機時間が長時間化し、運航率の低下が指摘されていた。駐機時間の延長により、運航に支障が発生する虞もあり、問題となっていた。
《第4の問題点》
第4に、そこで小型や中型の旅客機Cについても、前述した大型の旅客機Cのように、コンテナを使用した荷物や貨物Aの搭載,輸送システムが、最近求められている状況にある。
しかしながら、小型や中型の旅客機Cの貨物室Gに搭載可能なコンテナ1は、現状では存在しない。又、小型や中型の旅客機Cの貨物室G側にも、コンテナ1運用のための装備,用具等は存在しない。
そこで、小型や中型の旅客機Cについては、現在のところ、バルク方式により荷物や貨物Aの搭載,輸送が続けられている。
《本発明について》
本発明の旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システムは、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、小型や中型の旅客機の荷物や貨物に対応し、第2に、もって作業員の人員削減や負担軽減が実現され、第3に、作業時間も短縮され、第4に、しかもこれらが簡単容易に実現される、旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システムを、提案することを目的とする。
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
この旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システムは、旅客機の貨物室に荷物や貨物を搭載して輸送するシステムであって、客席数が100席以上〜250席以下程度の小型機や中型機について、適用される。そして、専用のコンテナ,プラットホーム,ガイドレールを、有している。
該コンテナは、該荷物や貨物を積載して、該貨物室の出入口から出し入れされ、該貨物室内に複数個搭載可能である。
該プラットホームは、該貨物室の出入口から出し入れ可能なサイズの、平板体よりなる。そして、該貨物室の出入口の床上に配され、上面に、搬入搬出時に該コンテナを一旦載せて機体左右方向に導くキャスター群を、備えている。
該ガイドレールは、該貨物室の床に機体前後方向に沿って配され、該貨物室内における該コンテナの移動,運搬をサポートする。
そして請求項1については、次のとおり。
請求項1の旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システムでは、該ガイドレールは、マットパネル上に据付けられている。
そして該マットパネルは、複数枚のパネルパーツを繋ぎ合わせた集合体よりなる。そして各該パネルパーツは、該貨物室の出入口から出し入れ可能なサイズの平板体よりなると共に、該貨物室の床に着脱可能に敷き詰めて載置されていること、を特徴とする。
請求項2については、次のとおり。
請求項2の旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システムでは、請求項1において、該ガイドレールは、マットパネル上に据付けられている。
そして該マットパネルは、複数枚のパネルパーツを繋ぎ合わせた集合体よりなる。そして各該パネルパーツは、該貨物室の出入口から出し入れ可能なサイズの平板体よりなると共に、該貨物室の床に着脱可能に取付けられていること、を特徴とする。
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)小型や中型の旅客機の荷物や貨物は、専用のコンテナに積載されて、集荷場と機体近くとの間を運搬される。
(2)運搬されたコンテナは、ベルトローダー車のベルトコンベアにより、機体の貨物室の出入口との間を搬送される。
(3)そしてコンテナは、ベルトコンベアと、貨物室の出入口の床に配されたプラットホームとの間で、受け渡される。
(4)コンテナは、一旦プラットホーム上に載せられると共に、ガイドレールにサポートされて貨物室内を移動,運搬される。
(5)コンテナは、このように移動,運搬されると共に、貨物室内の所定場所に配置され、既存のネットや金具を用いて不動に固定される。
(6)そしてガイドレールは、貨物室の床に敷き詰めて載置されるか直接取付けられるマットパネル上に、据付けられている。マットパネルは、パネルパーツを繋ぎ合わせた集合体よりなる。
(7)本発明のシステムは、このようにして、小型や中型の旅客機の荷物や貨物に対応する。もって、その搬入,搬出,移動,運搬,配置等の作業効率が大幅に向上する。又、荷物や貨物の多量化,取扱い量増加にも十分対応可能である。
(8)そして作業員の作業が、容易化され軽作業化される。
(9)又、作業が、手早く迅速に行われるようになる。
(10)これらは、専用のコンテナ,プラットホーム,ガイドレール,マットパネル等を組み合わせた簡単な構成により、容易に実現される。
(11)更に、これらの構成は、貨物室の出入口から出し入れでき、配設,撤去が随時可能である。もって、旅客機の用途,路線や、荷物や貨物の状態,形態等への対応も容易である。
(12)そこで、本発明に係る旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システムは、次の効果を発揮する。
《第1の効果》
第1に、小型や中型の旅客機の荷物や貨物に、対応可能である。
本発明のシステムは、専用のコンテナ,プラットホーム,ガイドレール,マットパネル等を採用してなる。そこで、前述した従来技術のバルク方式のように、荷物や貨物を個々にバラのまま手作業で、搬入,搬出,移動,運搬,配置等していたのに比し、これらの作業効率が大幅に向上する。
又、コンテナは、貨物室内で従来は個々の平置きだった荷物や貨物を、内部に積み重ね可能である。更にコンテナは、従来は積載を諦めていた貨物室の内部曲線空間までも、搭載スペースとして利用可能である。これらにより貨物室内に、より多くの荷物や貨物を、同床面積で積載可能となる。
小型や中型の旅客機にあっても、客席数,乗客数が増え、手荷物の増加が著しい。又、宅配便等の空輸サービスの進展もあり、商用貨物の増加も著しい。本発明のシステムは、このような荷物や貨物の多量化,取扱い量増加に、十分対応可能である。
《第2の効果》
第2に、特に作業員の人員削減や負担軽減が、実現される。
本発明のシステムは、荷物や貨物を個々に手作業で搬入,搬出,移動,運搬,配置等していたバルク方式の従来技術に比し、これらの作業に要する人員が削減されると共に、労力負担が軽減化される。
人手が省力化され、作業人員が削減されると共に、軽作業化により一人当たりの労力負荷が軽減され、女性等の非力な作業員にとっても作業が容易化する。
《第3の効果》
第3に、作業時間も短縮される。
本発明のシステムは、荷物や貨物を個々に手作業で搬入,搬出,移動,運搬,配置等していた、バルク方式の従来技術に比し、これらの作業が短時間のうちに行われるようになる。
もって、小型や中型の旅客機についても、空港発着時の地上待機時間が短縮化され、運航率が向上する。駐機時間の延長により、運航に支障が発生する虞発生は確実に回避される。
《第4の効果》
第4に、しかもこれらは簡単容易に実現される。
本発明のシステムは、専用のコンテナ,プラットホーム,ガイドレール,マットパネル等を採用したことにより、前述した第1,第2,第3の効果を、容易に達成する。簡単な各構成により、容易に各効果を発揮可能である。
又、各構成の配設,撤去が、随時可能である。もって、小型や中型の旅客機の用途,路線や、荷物や貨物の状態,形態等へ、容易に対応可能である。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
本発明に係る旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システムについて、発明を実施するための形態の説明に供し、システム全体の斜視説明図である。そして、空港における旅客機への荷物や貨物の搬入状況を示す。 この種従来技術の説明に供し、バルク方式の斜視説明図である。そして、空港における旅客機への荷物や貨物の搬入状況を示す。 本発明を実施するための形態の説明に供し、プラットホームやガイドレールの斜視説明図であり、(1)図は、その一例を示し、(2)図は、他の例を示す。 同発明を実施するための形態の説明に供し、斜視説明図であり、(1)図は、マットパネル,パネルパーツ,ガイドレール等を示す。(2)図は、貨物室へのコンテナの収納状態を示す。 同発明を実施するための形態の説明に供し、コンテナの斜視説明図である。そして(1)図は、その一例を示し、(2)図は、人とのサイズ比較用であり、(3)図は、フォーク穴や蓋を示し、(4)図は、蓋脱着タイプの積み重ね状態を示し、(5)図は、蓋ヒンジ開閉タイプの積み重ね状態を示す。 空港における旅客機への荷物や貨物の搬入状況を示す、写真である。
以下、本発明について、図1,図3,図4,図5等の図面を参照して詳細に説明する。
《本発明の概要》
まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明の旅客機Cの荷物や貨物Aの搭載,輸送システムは、旅客機Cの貨物室Gに、荷物や貨物Aを搭載して輸送するシステムであって、客席数100席以上〜250席以下程度の小型機や中型機について、適用される。
そして、専用のコンテナ1,プラットホーム2,ガイドレール3,マットパネル9等を有している。
コンテナ1は、荷物や貨物Aを積載して、貨物室Gの出入口Hから出し入れされ、貨物室G内に複数個搭載可能である。
プラットホーム2は、貨物室Gの出入口Hから出し入れ可能なサイズの平板体よりなり、貨物室Gの出入口Hの床J上に配され、上面に、搬入搬出時にコンテナ1を載せて機体左右方向Kに導くキャスター群4を、備えている。
ガイドレール3は、貨物室Gの床Jに機体前後方向Lに沿って配され、貨物室G内におけるコンテナ1の移動,運搬をサポートする。
そしてガイドレール3は、マットパネル9上に据付けられている。マットパネル9は、パネルパーツ10を繋ぎ合わせた集合体よりなり、貨物室Gの床Jに、敷き詰めて載置されるか、直接取付けられる。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明について、更に詳述する。
《コンテナ1について》
まずコンテナ1について、図5,図1,図4の(2)図等を参照して説明する。
本発明の旅客機Cの荷物や貨物Aの搭載,輸送システムでは、専用のコンテナ1が開発,採用されている。
コンテナ1は、内部に荷物や貨物Aを積載して、小型や中型の旅客機Cの貨物室Gの出入口Hから出し入れ可能なサイズの容器よりなり、貨物室G内に複数個が横並びで搭載可能である。積載する荷物や貨物Aの内部積み重ねも可能であり、蓋5付よりなり、非使用時は自体の積み重ねも可能である。
このようなコンテナ1について、更に詳述する。コンテナ1は、小型や中型の旅客機Cの狭い貨物室Gについて、その内部曲線空間に合わせた形状をなすと共に、その室内高さを有効利用する高さとなっている(図4の(2)図を参照)。そして、比較的小振りであるが(図5の(2)図を参照)、積載される荷物や貨物Aを、内部で上下に積み重ねることが可能である。
又、セキュリティー等を考慮し、蓋5付タイプとなっている。蓋5は、脱着タイプ(図5の(4)図を参照)や、ヒンジ開閉タイプ(図5の(5)図を参照)がある。いずれにしても各コンテナ1は、非使用時には図示のように積み重ね可能であり、省スペースに配慮されている。
更にフォーク穴6を、下面下に付設したタイプも考えられる(図5の(2)図,(3)図等を参照)。すなわち、フォークリフトのフォーク爪差込用のフォーク穴6を設けることにより、貨物室G内,空港,その他において、コンテナ1の昇降運用が可能となる。
コンテナ1については、以上のとおり。
《プラットホーム2について》
次にプラットホーム2について、図1や図3を参照して説明する。
本発明の旅客機Cの荷物や貨物Aの搭載,輸送システムでは、専用のプラットホーム2が開発,採用されている。
プラットホーム2は、貨物室Gの出入口Hから出し入れ可能なサイズの平板体よりなる。そして、貨物室Gの出入口Hの床J上に配され、上面に、搬入搬出時のコンテナ1が一旦載せられるが、載せられたコンテナ1を、少なくとも機体左右方向Kに導くキャスター群4を備えている。
このようなプラットホーム2について、更に詳述する。
《代表例1のプラットホーム2》
まず、図1,図3の(1)図に示した、代表例1のプラットホーム2について、説明する。
この例のプラットホーム2は、上面のキャスター群4が、搬入搬出時にコンテナ1を機体左右方向Kのみならず、機体前後方向Lにも導く。
そして、この例のガイドレール3は、キャスター群7が組み込まれており、コンテナ1を載せて、貨物室G内で機体前後方向Lに、移動,運搬可能である(図4の(1)図も参照)。
このような代表例1のプラットホーム2について、詳述する。この例のプラットホーム2は、貨物室Gの出入口Hの床J上に配設される。そして上面のキャスター群4が、ホムニホイール群,ボール状群,コロ状群,その他の水平全方向転動子よりなる。
もって、コンテナ1の搬入や搬出時において、作業員Dの押動のもと、一旦載せられたコンテナ1を、機体左右方向Kにおよび機体前後方向Lに向けて、自在に導くことが可能である。
例えば、貨物室Gへのコンテナ1の搬入時において、先端から機体左右方向Kに向けて搬入されて載せられたコンテナ1を、このキャスター群4付のプラットホーム2は、作業員Dの押動のもと、まず、そのまま機体左右方向Kに向けて導いた後、横向きで機体前後方向Lに向けて導く。
そして、この代表例1では、このようなプラットホーム2と共に使用されるガイドレール3について、例えばホイール,滑車等のキャスター群7が、組み込まれている。
そして貨物室G内において、このキャスター群7付のガイドレール3は、作業員Dの押動のもと、プラットホーム2に一旦載せられたコンテナ1が、横向きで受け渡されると共に、横向きのコンテナ1を機体前後方向Lに、移動,運搬すべくサポートする。
例えば、コンテナ1の貨物室Gへの搬入時において、このキャスター群7付のガイドレール3は、プラットホーム2上で機体前後方向Lへと導かれた横向きのコンテナ1を、そのまま機体前後方向Lへと移動,運搬する。
《代表例2のプラットホーム2》
次に、図3の(2)図に示した代表例2のプラットホーム2について、説明する。
この例のプラットホーム2は、上面のキャスター群4がローラー群よりなり、搬入搬出時にコンテナ1を機体左右方向Kに向けて導く。
そしてこのプラットホーム2は、更に、下面にもキャスター群8を備えており、台車としても機能し、コンテナ1を載せて貨物室G内で機体前後方向Lに移動,運搬可能である。
このような代表例2のプラットホーム2について、詳述する。この例のプラットホーム2は、上面キャスター群4が、ホイール,滑車等を含むローラー群よりなる。もって搬入や搬出時において、作業員Dの押動のもと、一旦載せられたコンテナ1を、機体左右方向Lに導くことが可能である。
例えば、貨物室Gへのコンテナ1の搬入時において、先端から機体左右方向Kに向けて搬入されて載せられたコンテナ1を、このキャスター群4付のプラットホーム2は、まずそのまま機体左右方向Kに向けて導く。ここまでは、前述した代表例1のプラットホーム2と、同様である。
しかしながら、この代表例2のプラットホーム2は、貨物室Gの出入口Hの床Jから動かない定位置のままの代表例1のプラットホーム2とは異なり、台車としても機能する。
すなわち、この代表例2のプラットホーム2は、下面にも、ホイール,滑車,ローラー等のキャスター群8を備えている。そして貨物室G内において、このような下面キャスター群8付のプラットホーム2は、作業員Dの押動のもと、載せられたコンテナ1を、横向きで機体前後方向Lに、移動,運搬可能である。
この例において、ガイドレール3は、このようなプラットホーム2によるコンテナ1の移動,運搬を、両側からガイドするに過ぎない。移動,運搬されるコンテナ1を、単に案内すべくサポートする。
なお、貨物室G内で移動,運搬されるコンテナ1は、その配列,配置位置で、プラットホーム2との間で昇降される。そのような上げ下ろしに際し、前述したフォーク穴6付のコンテナ1については、小型のフォークリフトが使用される。
プラットホーム2については、以上のとおり。
《ガイドレール3やマットパネル9について》
次に、ガイドレール3やマットパネル9について、図3や図4の(1)図等を参照して説明する。
この旅客機Cの荷物や貨物Aの搭載,輸送システムでは、専用のガイドレール3やマットパネル9が、開発,採用されている。
ガイドレール3は、貨物室Gの床Jに機体前後方向Lに沿って配され、貨物室G内におけるコンテナ1の機体前後方向Gへの移動,運搬をサポートする。
そしてガイドレール3は、マットパネル9上に据付けられており、マットパネル9は、複数枚のパネルパーツ10を繋ぎ合わせた集合体よりなる。
各パネルパーツ10は、貨物室Gの出入口Hから出し入れ可能なサイズの平板体よりなると共に、貨物室Gの床Jに着脱可能に敷き詰めて載置されている。なお、敷き詰め載置せず、貨物室Gの床Jに直接取付けることも可能である。
このようなガイドレール3やマットパネル9について、更に詳述する。
まず、前述したようにガイドレール3は、代表例1(図1,図3の(1)図,図4の(1)図等を参照)では、キャスター群7が組み込まれ内蔵されているが、代表例2(図3の(2)図を参照)では、組み込まれていない。代表例1では、コンテナ1を移動,運搬すべくサポートするが、代表例2では、コンテナ1の移動,運搬を単にガイドすべくサポートする。
又、プラットホーム2と、ガイドレール3やマットパネル9との位置関係については、共に貨物室Gの床J上に配されるが、プラットホーム2が上位で、ガイドレール3やマットパネル9は、その下位に位置する。
そしてガイドレール3は、貨物室Gの床Jの両側に機体前後方向Lに沿って2本が平行に配されると共に、マットパネル9上に据付けられている。勿論、上述した代表例1のみならず、代表例2についても、マットパネル9上に据付けされている。
《マットパネル9の詳細》
マットパネル9は、図4の(1)図に示したように、複数枚のパネルパーツ10を、貨物室Gの床J上で機体前後方向Lに、繋ぎ合わせた集合体よりなる。
各パネルパーツ10は、上面両側にガイドレール3が据付けられると共に、貨物室Gの出入口Hから出し入れ可能なサイズ、例えば1m角程度のサイズのマット状,パネル状の平板体よりなる。
パネルパーツ10間の繋ぎ合わせは、例えば図4の(1)図に示したように、ジョイントガイド11と面ファスナー12を用いた方式にて行われる。
すなわち、ジョイントガイド11を用いて、パネルパーツ10相互間を位置合わせすると共に、面ファスナー12を用いて、パネルパーツ10相互間を着脱可能な状態で結合する。面ファスナー12としては、マジックテープ(株式会社クラレの登録商標)や、ベルクロテープ(ベルクロ、ビーブイビーエの登録商標)が知られている。
このような繋ぎ合わせ方式により、マットパネル9そしてガイドレール3の貨物室G内への配設,設置や取外し,撤去が、簡単かつ迅速に実施可能である。
このようにパネルパーツ10を繋ぎ合わせたマットパネル9、そしてガイドレール3が据付けられたマットパネル9は、貨物室Gの床J上に、簡易的に敷き詰めて載置される。
すなわち、ガイドレール3付のマットパネル9は、貨物室Gの床J等に何ら手を加えることなく、つまり、旅客機Cの構造に影響を与えず機体強度に影響を及ぼすことなく、単に敷かれて置かれる。
なお、貨物室Gの床Jに対し、機械的に直接取付けることも可能ではあるが、旅客機Cの構造,強度への影響低減が、課題となる。すなわち、上述したように敷き詰めて載置するのではなく、止め具,締め具,ネジ,ファスナー等を用いて、床Jに機械的に直接取付けることも可能ではあるが、検討課題が存する。
ガイドレール3やマットパネル9については、以上のとおり。
《作用等》
本発明の旅客機Cの荷物や貨物Aの搭載,輸送システムは、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。
(1)荷物や貨物Aは、専用のコンテナ1に積載される。そして、小型や中型の旅客機Cへの搬入時には、その機体近くまで運搬される。
このような空港の集荷場と機体近くとの間の運搬には、前述した大型の旅客機C用のコンテナドーリーM、すなわち大型の旅客機Cに搭載するコンテナ1用の国際規格の空港用既存車両であるコンテナドーリーMを、流用して使用することができる(図1を参照、一般例の図6も参照)。
(2)運搬されたコンテナ1は、例えば1名の作業員Dにより、空港用既存車両のベルトローダー車EのベルトコンベアFとの間で、積み換えられる。搬入時には、ベルトコンベアFにより、小型や中型の旅客機Cの貨物室Gの出入口Hまで、搬送される(図1を参照)。
(3)貨物室Gの出入口Hの床Jには、コンテナ1の受け渡し容易化のため、上面に機体左右方向Kへと導くキャスター群4を備えたプラットホーム2が、配されている(図1,図3を参照)。
もってコンテナ1は、例えば1名の作業員Dにより、ベルトコンベアF上と、一旦載せられるプラットホーム2との間で、出し入れされて受け渡される(図1を参照)。
搬入時には、ベルトコンベアFにて搬送されたコンテナ1は、プラットホーム2上に一旦載せられると共に、機体左右方向Kに向け導かれる。
(4)コンテナ1は、上記作業員Dにより一旦プラットホーム2上に載せられると共に、ガイドレール3にサポートされつつ、貨物室Gの床J上を機体前後方向Lに移動,搬送される。
本発明の代表例1では、ガイドレール3に、移動,運搬用のキャスター群7が組み込まれている(図1,図3の(1)図,図4の(1)図等を参照)。なお、この例のコンテナ1は、プラットホーム2により、機体左右方向Kのみならず、機体前後方向Lに向けても導かれてから、移動,運搬される。
代表例2では、プラットホーム2は下面にキャスター群8を備えており、台車としても機能し、ガイドレール3に単にガイドされつつ、コンテナ1を移動,運搬する(図3の(2)図を参照)。
(5)このようにコンテナ1は、貨物室G内を機体前後方向Lに移動,運搬されると共に、貨物室G内の所定場所に配列,配置される(図4の(2)図を参照)。
配列,配置される各コンテナ1は、貨物室Gに予め装備されている既存のネットや、専用金具等の用具を用いて、貨物室Gの床Jに固定される。
飛行中に、貨物室Gの壁等に衝突してダメージを与えることがないように、コンテナ1は、マットパネル9やガイドレール3上で、固定ネットで覆われると共に、専用金具を用いて不動に固定される。
(6)ガイドレール3は、マットパネル9上に据付けられ、もって、機体前後方向Lに沿って配されている(図1,図3を参照)。マットパネル9は、貨物室Gの床Jに着脱可能に、敷き詰めて載置されるか直接取付けられ、パネルパーツ10を繋ぎ合わせた集合体よりなる(図4を参照)。
(7)さてそこで、このような本発明に係る旅客機Cの荷物や貨物Aの搭載,輸送システムは、以下のようになる。
このシステムは、小型や中型の旅客機Cの荷物や貨物Aに対応可能であり、その荷物や貨物Aを、専用のコンテナ1にまとめて積載する。そして、機内ではプラットホーム2やガイドレール3を使用し、機外では既存の空港用車両を使用して、コンテナ1を搬入,搬出,移動,運搬,配置等する(図1を参照)。
もって、本発明のシステムによると、荷物や貨物Aのこれらの作業効率が大幅向上する。なお空港外でも、このコンテナ1は、一般トラックで搬送可能であり、宅配便の集荷場からの利用も可能である。
又、このコンテナ1は、内部に荷物や貨物Aを上下に積み重ねて積載可能であり、貨物室Gの内部曲線空間までも搭載スペースとして利用可能である等、貨物室G内により多くの荷物や貨物Aを積載可能である。もって、荷物や貨物Aの多量化,取扱い量増加に、十分対応可能である。
(8)そして、作業員Dの人員削減や負担軽減が実現される。すなわち、コンテナ1は小振りでハンドリングが楽であり、プラットホーム2やガイドレール3を使用することにより、容易に動かすことができる等、その搬入,搬出,移動,運搬,配置等の作業が、容易化される。
もって、本発明のシステムによると、作業に要する人員が軽減されると共に、その労力負担が軽減される。例えば、2名の作業員Dにより、これらの作業が可能となる(図1を参照)。
(9)更に、同様の理由により、本発明のシステムによると、コンテナ1そして荷物や貨物Aの搬入,搬出,移動,運搬,配置等に要する作業時間が、短縮される。作業が手早く迅速に行われる。
(10)又、本発明のシステムは、上述した(7),(8),(9)の各作用を、専用のコンテナ1,プラットホーム2,ガイドレール3,マットパネル9等の構成を採用したことにより、容易に実現する。
すなわちコンテナ1は、小型や中型の旅客機Cの貨物室Gに見合った小型でハンディである。プラットホーム2は、キャスター群4等を備えた平板体よりなり、ガイドレール3も、平板体のパネルパーツ10を繋ぎ合わせたマットパネル9上に、据付けられる。
このように簡単な各構成を、組み合わせて採用したことにより、容易に前述した各作用を実現する。
(11)更に、本発明のシステムは、小型や中型の旅客機Cの用途,路線、および荷物や貨物Aの状態,形態等への対応も容易である。
すなわち、コンテナ1,プラットホーム2,ガイドレール3付のパネルパーツ10等の構成は、貨物室Gの出入口Hから出し入れ可能なサイズよりなる。もって、旅客機Cの用途,路線や、荷物や貨物Aの状態,形態等に対応して、機内に持ち込んで配設したり、取外して機外に撤去したりすることが、随時可能である。
本発明の作用等については、以上のとおり。
A 荷物や貨物
B バルク車
C 旅客機
D 作業員
E ベルトローダー車
F ベルトコンベア
G 貨物室
H 出入口
J 床
K 機体左右方向
L 機体前後方向
M コンテナドーリー
1 コンテナ
2 プラットホーム
3 ガイドレール
4 キャスター群
5 蓋
6 フォーク穴
7 キャスター群
8 キャスター群
9 マットパネル
10 パネルパーツ
11 ジョイントガイド
12 面ファスナー

Claims (2)

  1. 旅客機の貨物室に荷物や貨物を搭載して輸送するシステムであって、客席数が100席以上〜250席以下程度の小型機や中型機について適用され、専用のコンテナ,プラットホーム,ガイドレールを有しており、
    該コンテナは、該荷物や貨物を積載して、該貨物室の出入口から出し入れされ、該貨物室内に複数個搭載可能であり、
    該プラットホームは、該貨物室の出入口から出し入れ可能なサイズの平板体よりなり、該貨物室の出入口の床上に配され、上面に、搬入搬出時に該コンテナを一旦載せて機体左右方向に導くキャスター群を、備えており、
    該ガイドレールは、該貨物室の床に機体前後方向に沿って配され、該貨物室内における該コンテナの移動,運搬をサポートし、
    該ガイドレールは、マットパネル上に据付けられており、該マットパネルは、複数枚のパネルパーツを繋ぎ合わせた集合体よりなり、
    各該パネルパーツは、該貨物室の出入口から出し入れ可能なサイズの平板体よりなると共に、該貨物室の床に着脱可能に敷き詰めて載置されていること、を特徴とする、旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システム。
  2. 旅客機の貨物室に荷物や貨物を搭載して輸送するシステムであって、客席数が100席以上〜250席以下程度の小型機や中型機について適用され、専用のコンテナ,プラットホーム,ガイドレールを有しており、
    該コンテナは、該荷物や貨物を積載して、該貨物室の出入口から出し入れされ、該貨物室内に複数個搭載可能であり、
    該プラットホームは、該貨物室の出入口から出し入れ可能なサイズの平板体よりなり、該貨物室の出入口の床上に配され、上面に、搬入搬出時に該コンテナを一旦載せて機体左右方向に導くキャスター群を、備えており、
    該ガイドレールは、該貨物室の床に機体前後方向に沿って配され、該貨物室内における該コンテナの移動,運搬をサポートし、
    該ガイドレールは、マットパネル上に据付けられており、該マットパネルは、複数枚のパネルパーツを繋ぎ合わせた集合体よりなり、
    各該パネルパーツは、該貨物室の出入口から出し入れ可能なサイズの平板体よりなると共に、該貨物室の床に着脱可能に取付けられていること、を特徴とする、旅客機の荷物や貨物の搭載,輸送システム。
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