以下、本発明の一実施形態について、図1〜図14を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るプレート式熱交換器(以下、単に「熱交換器」と称する。)は、図1〜図4に示すように、複数の伝熱プレート3を有するプレート積層部2を備える。また、熱交換器1は、プレート積層部2を挟み込む一対のフレーム5a、5bと、プレート積層部2と一対のフレーム5a、5bとを配置位置にガイドするガイド部6と、一対のフレーム5a、5bを互いの間隔が小さくなる方向に締め付け可能な複数の締付部材7と、を備える。
プレート積層部2は、それぞれが貫通孔311を有し且つ所定方向に重ね合わされる複数の伝熱プレート3と、所定方向に隣り合う二つの伝熱プレート3のプレート間(以下、単に「プレート間」とも称する。)に挟み込まれる複数のガスケット4と、を有する。また、プレート積層部2は、各プレート間に形成され且つ流体(第一流体A、第二流体B)が流通可能な複数の流路空間(第一流路空間Ra、第二流路空間Rb)と、各伝熱プレート3の貫通孔311が所定方向に連なることで形成される連通路Ra1、Ra2、Rb1、Rb2と、を有する。
具体的に、プレート積層部2では、ガスケット4が各プレート間に挟み込まれることで、流体A、Bの流通可能な流路空間Ra、Rbが各プレート間に形成される。本実施形態のプレート積層部2では、一種類の矩形状(長方形状)の伝熱プレート3が一つおきに反転した状態で重ね合わされることで、各伝熱プレート3を境に第一流体Aが流通可能な第一流路空間Raと第二流体Bが流通可能な第二流路空間Rbとが交互に形成される。
以下では、伝熱プレート3が重ね合わされる方向(所定方向)を直交座標系のX軸方向とし、伝熱プレート3の短辺方向を直交座標系のY軸方向とし、伝熱プレート3の長辺方向を直交座標系のZ軸方向とする。
複数の伝熱プレート3のそれぞれは、X軸方向と直交する方向に広がる。これら複数の伝熱プレート3のそれぞれは、図5及び図6にも示すように、X軸方向の一方の面である第一面S1と該第一面S1の反対側の面(他方の面)である第二面S2とのそれぞれに複数の凸部3a及び複数の凹部3bを有する。この伝熱プレート3は、金属プレート(薄板)がプレス成型されることによって形成されている。このため、第二面S2において、第一面S1の凸部3aと対応する位置(詳しくは、X軸方向から見て重なる位置)に凹部3bが位置し、第一面S1の凹部3bと対応する位置(詳しくは、X軸方向から見て重なる位置)に凸部3aが位置している。即ち、第一面S1の凸部3aと、該凸部3aと対応する第二面S2の凹部3bとが表裏の関係であり、第一面S1の凹部3bと、該凹部3bと対応する第二面S2の凸部3aとが表裏の関係である。
複数の伝熱プレート3のそれぞれは、Z軸方向の中央部に配置される主伝熱部30と、Z軸方向の端部に配置される連通部31と、主伝熱部30と連通部31との間に配置される堰部32と、を有する。本実施形態の伝熱プレート3は、Z軸方向の両端部に連通部31をそれぞれ有し、主伝熱部30と一方の連通部31との間、及び主伝熱部30と他方の連通部31との間のそれぞれに、堰部32を有する。即ち、伝熱プレート3は、一対の連通部31と一対の堰部32とを有する。また、本実施形態の伝熱プレート3は、Z軸方向の両端に一対のガイド用切欠き33を有する。
主伝熱部30は、伝熱プレート3において該伝熱プレート3を境に形成される第一流路空間Raと第二流路空間Rbとを流れる流体間(第一流体Aと第二流体Bとの間)の熱交換の大部分が行われる部位である。本実施形態の主伝熱部30は、X軸方向から見て四角状の部位である。
この主伝熱部30は、両面に、複数の凸部30a(3a)及び複数の凹部30b(3b)をそれぞれ有する。これら複数の凸部30a及び複数の凹部30bは、伝熱効率や熱交換を行う流体(第一流体A及び第二流体B)の種類等に応じて配置や形態が設定される。本実施形態の主伝熱部30の各面に配置される複数の凸部30a及び複数の凹部30bは、いわゆるヘリンボーン形状(配置)であるが、この形状(配置)に限定されない。尚、これら複数の凸部30aは、伝熱プレート3の複数の凸部3aに含まれ、複数の凹部30bは、伝熱プレート3の複数の凹部3bに含まれる。
また、主伝熱部30は、Y軸方向の両端部に、ガスケット4が配置される第一配置部35を有する。この第一配置部35は、Z軸方向に延びる帯状の第一平坦部351と、第一平坦部351の幅方向(Y軸方向)の両側のそれぞれにおいてX軸方向の凹凸(X軸方向の凹部と凸部)がZ軸方向に繰り返される一対の凹凸部352と、を有する。これら一対の凹凸部352は、該凹凸部352の各凸部によってガスケット4の幅方向(Y軸方向)の位置ずれを抑える。本実施形態の第一配置部35では、一対の凹凸部352のうちの伝熱プレート3の内側の凹凸部352は、主伝熱部30が有する凸部30a及び凹部30bによって構成されている。
一対の連通部31のそれぞれは、X軸方向に貫通する貫通孔311を有する。本実施形態の各連通部31は、二つの貫通孔311a、311bを有する。これら二つの貫通孔311a、311bは、Y軸方向に間隔をあけて配置されている。これにより、伝熱プレート3の四隅には、貫通孔311がそれぞれ配置されている。本実施形態の伝熱プレート3では、これら四つの貫通孔311はそれぞれ円形の孔であり、各貫通孔311の大きさ(直径)は同じである。
一対の連通部31のうちの一方(図5の上側)の連通部31aの各構成と、一対の連通部31のうちの他方(図5の下側)の連通部31bの各構成とは、X軸方向から見て、横中心線CL2を対称軸にして線対称である。この横中心線CL2は、伝熱プレート3のZ軸方向の中心をY軸方向に延びる。
また、各連通部31a、31bの各構成は、X軸方向から見て、縦中心線CL1を対称軸にした線対称な配置及び形状になっている。ここで、縦中心線CL1は、伝熱プレート3のY軸方向の中心をZ軸方向に延びる。そして、各連通部31a、31bにおける縦中心線CL1の一方側(図5における左側/図6における右側)の第一領域T1における各構成と、各連通部31a、31bにおける縦中心線CL1の他方側(図5における右側/図6における左側)の第二領域T2における各構成とは、X軸方向における変位方向が逆になっている。
例えば具体的には、第二領域T2におけるX軸方向の一方側に突出する(変位する)構成(例えば凸部)と対応する第一領域T1の構成は、X軸方向の他方側に凹む(変位する)構成(例えば凹部)であり、第二領域T2におけるX軸方向の他方側に凹む(変位する)構成(例えば凹部)と対応する第一領域T1の構成は、X軸方向の一方側に突出する(変位する)構成(例えば凸部)である。
各連通部31a、31bの第一領域T1は、図7にも示すように、貫通孔311aを囲むガスケット4又はガスケット4の一部(環状部42:図11参照)が配置される第二配置部36と、該連通部31a、31bと堰部32との境界位置に沿って延びるガスケット4又はガスケット4の一部(流路画定部41の一部:図11参照)が配置される第三配置部37と、第二配置部36と第三配置部37とに接続されてガスケット4又はガスケット4の一部(接続部43)が配置される第四配置部38と、を有する。本実施形態の第一領域T1は、二つの第四配置部38を有する。
第二配置部36は、貫通孔311を囲う環状の部位であり、堰部32側の部位である内側部位361と、伝熱プレート3の隅部側の部位である外側部位367と、を有する。この第二配置部36には、ガスケット4の円環形状の部位(環状部)42が貫通孔311と同心となるように配置されている。
内側部位361は、帯状の底壁部(外周部)362と、底壁部362の幅方向における貫通孔311側の端部から延びる孔周縁部363と、底壁部362に対して所定の角度θ1となるように底壁部362の幅方向における貫通孔311と反対側の端部からX軸方向の一方側に延びる壁状の第一側壁部366と、を有する。本実施形態の内側部位361において、第一側壁部366は、底壁部362に対する角度θ1が50°となるように、底壁部362の幅方向の端部から傾斜方向に延びている。また、本実施形態の内側部位361における貫通孔311の内周方向の両端部は、底壁部362と、孔周縁部363とによって構成されている。即ち、内側部位361の前記両端部は、第一側壁部366を有していない。
底壁部362は、X軸方向から見て円弧状に延びている。この底壁部362のX軸方向における位置は、主伝熱部30の第一配置部35の第一平坦部351と同じであり、底壁部362の幅は、第一平坦部351と同じである。
孔周縁部363は、図3、図9及び図10にも示すように、底壁部362に対して所定の角度θ2となるように底壁部362の幅方向における貫通孔311側の端部からX軸方向の一方側に延びる壁状の第二側壁部364と、貫通孔311の内側(本実施形態の例では中心側)に向けて延びるプレート延出部(延出部)365と、を有する。本実施形態の内側部位361において、第二側壁部364の底壁部362に対する角度θ2は、50°である。
貫通孔311の内周方向におけるプレート延出部365の幅は、先端に向かうにつれて小さくなっている。本実施形態のプレート延出部365は、X軸方向から見て、三角状、より詳しくは、貫通孔311の中心側を頂点とする二等辺三角状に延びている。
このプレート延出部365は、該プレート延出部365の外縁365aより内側の当接部位(所定部位)365bがX軸方向の他方側に最も変位しており(即ち、最も凹となっており)、該当接部位365bから外縁に向かうにつれてX軸方向の一方側に変位している。尚、当接部位365bは、プレート延出部365の外縁365aの一部を構成していてもよい。
本実施形態の当接部位365bは、貫通孔311の内周方向におけるプレート延出部365の中央で且つ貫通孔311の径方向におけるプレート延出部365の中央より底壁部362側に寄った位置に形成されている。この当接部位365bは、X軸方向と直交する面方向に沿って広がり且つX軸方向から見て三角状の部位である。
当接部位365bのX軸方向の位置は、底壁部362のX軸方向の位置より他方側に変位した位置である。また、プレート延出部365の外縁365aのX軸方向の位置は、第二側壁部364の貫通孔311側の端縁(内周側端縁)364aのX軸方向の位置と同じ位置である。尚、プレート延出部365の外縁365a及び第二側壁部364の端縁364aのX軸方向の位置は、底壁部362のX軸方向の位置より一方側に変位した位置である。
孔周縁部363は、以上のように構成されるプレート延出部365を複数有する。これら複数のプレート延出部365は、孔周縁部363において、貫通孔311の内周方向に等間隔に配置されている。また、孔周縁部363の端縁部3631(第二側壁部364の端縁364a及びプレート延出部365の外縁365aを含む部位)は、X軸方向と直交する面方向に向けて僅かに曲がっている。本実施形態の孔周縁部363では、端縁部(僅かに曲がっている部位)3631において、X軸方向から見たときの第二側壁部364とプレート延出部365との境界部の幅が、他の部位の幅より大きくなっている(図7参照)。
外側部位367は、帯状の第二平坦部3671と、第二平坦部3671の幅方向の両側においてX軸方向の凹凸(凹部と凸部)が第二平坦部3671の延びる方向に沿って繰り返される一対の幅方向規制部3672と、を有する。
第二平坦部3671は、X軸方向から見て円弧状に延びている。この第二平坦部3671のX軸方向における位置は、内側部位361の底壁部362の位置、及び主伝熱部30の第一配置部35における第一平坦部351の位置のそれぞれと同じである。また、第二平坦部3671の幅は、内側部位361の底壁部362の幅、及び主伝熱部30の第一配置部35における第一平坦部351の幅のそれぞれと同じである。
一対の幅方向規制部3672は、主伝熱部30における第一配置部35の一対の凹凸部352と同様に、該幅方向規制部3672の各凸部によってガスケット4(環状部42:図11参照)の幅方向(径方向)の位置ずれを抑える。
第三配置部37は、帯状の第三平坦部371と、ガスケット4の幅方向の移動を規制する一対の幅方向規制部372、373と、を有する。
第三平坦部371は、X軸方向から見て、縦中心線CL1及び横中心線CL2のそれぞれに対して傾斜した方向に直線状に延びている。この第三平坦部371のX軸方向における位置は、第二配置部36の内側部位361における底壁部362の位置、第二配置部36の外側部位367における第二平坦部3671の位置、及び主伝熱部30の第一配置部35における第一平坦部351の位置のそれぞれと同じである。また、第三平坦部371の幅は、第二配置部36の内側部位361における底壁部362の幅、第二配置部36の外側部位367における第二平坦部3671の幅、及び主伝熱部30の第一配置部35における第一平坦部351の幅のそれぞれと同じである。
一対の幅方向規制部372、373のうちの一方の幅方向規制部372は、X軸方向の凹凸(凹部と凸部)が第三平坦部371の幅方向の一端側において該第三平坦部371の延びる方向に沿って繰り返される。この一方の幅方向規制部372を構成する凹凸は、堰部32が有する凸部32a及び凹部32bによって構成されている。また、一対の幅方向規制部372、373のうちの他方の幅方向規制部373は、第三平坦部371に対して所定の角度となるように第三平坦部371の幅方向の他端からX軸方向の一方側に延びる壁状の部位である。
二つの第四配置部38のそれぞれは、第三配置部37の端部から第二配置部36まで真っ直ぐに延びる帯状の第四平坦部381と、第四平坦部381の幅方向の両側においてX軸方向の凹凸(凹部と凸部)が第四平坦部381の延びる方向に沿って繰り返される一対の幅方向規制部382と、を有する。
この第四平坦部381のX軸方向における位置は、第二配置部36の内側部位361における底壁部362の位置、第二配置部36の外側部位367における第二平坦部3671の位置、第三配置部37における第三平坦部371の位置、及び主伝熱部30の第一配置部35における第一平坦部351の位置のそれぞれと同じである。また、第四平坦部381の幅は、第二配置部36の内側部位361における底壁部362の幅、第二配置部36の外側部位367における第二平坦部3671の幅、第三配置部37における第三平坦部371の幅、及び主伝熱部30の第一配置部35における第一平坦部351の幅のそれぞれと同じである。
各連通部31a、31bにおける第二領域T2の各構成(第二配置部36r、第三配置部37r、第四配置部38r)は、上述のように、共通の連通部31a、31bにおける第一領域T1の各構成36〜38と縦中心線CL1を対称軸にした線対称な配置及び形状で(図5、図6、及び図8参照)、且つ、X軸方向における変位方向が逆となるように形成されている。
尚、X軸方向の第一面S1側から見た第一面S1の第一領域T1の各構成と、X軸方向の第二面S2側から見た第二面S2の第二領域T2の各構成とは、同じ配置、同じ形状、同じ変位方向(X軸方向の変位)である。また、X軸方向の第一面S1側から見た第一面S1の第二領域T2の各構成と、X軸方向の第二面S2側から見た第二面S2の第一領域T1の各構成とは同じ配置、同じ形状、同じ変位方向である。また、図5、図6、及び図8においては、第一面S1の第一領域T1における各構成とX軸方向から見て同じ構成には、同じ符号を付し、第一面S1の第一領域T1における各構成とX軸方向の変位方向のみが異なる構成には、第一面S1の第一領域T1の対応する構成の符号の最後にrを付した符号を用いる。
図5〜図8に示すように、一対の堰部32のそれぞれは、第一面S1又は第二面S2に沿って貫通孔311から主伝熱部30に向かう流体A、Bの流れをY軸方向に拡散させ、又は、第一面S1又は第二面S2に沿って主伝熱部30から貫通孔311に向かう流体A、Bの流れをY軸方向に集束させる部位である。
具体的に、各堰部32は、主伝熱部30との境界を底辺とし、連通部31の二つの貫通孔311a、311bの中間位置を頂点とする三角状の部位である。この堰部32は、両面に、複数の凸部32a(3a)及び複数の凹部32b(3b)をそれぞれ有する。これら複数の凸部32a及び複数の凹部32bは、主伝熱部30のY軸方向の寸法や、貫通孔311から主伝熱部30迄の距離、熱交換を行う流体A、Bの種類等に応じて配置や形態が設定されるものであり、図5〜図8に示す形状や配置に限定されない。尚、堰部32においても、伝熱プレート3を境に形成される第一流路空間Raと第二流路空間Rbとを流れる流体間(第一流体Aと第二流体Bとの間)の熱交換が行われる。尚、これら複数の凸部32aは、伝熱プレート3の複数の凸部3aに含まれ、複数の凹部32bは、伝熱プレート3の複数の凹部3bに含まれる。
一対のガイド用切欠き33は、伝熱プレート3のZ軸方向の各端部におけるY軸方向の中央部に配置されている。本実施形態の一対のガイド用切欠き33は、横中心線CL2を対称軸にした線対称な形状である。
複数のガスケット4のそれぞれは、図4及び図11に示すように、二つの隣り合う伝熱プレート3のプレート間において流路空間Ra、Rbを画定する流路画定部41と、隣り合う伝熱プレート3の貫通孔311同士を連通させる環状部42と、流路画定部41と環状部42とを接続する接続部43と、を有する。本実施形態のガスケット4は、一つの流路画定部41と、二つの環状部42と、四つの接続部43と、を有する。
流路画定部41は、X軸方向から見て、主伝熱部30と、一対の堰部32と、各連通部31a、31bの対応する(本実施形態の例では、縦中心線CL1に対して同じ側に位置する)二つの貫通孔311と、を囲む部位である。
二つの環状部42のそれぞれは、X軸方向から見て、流路画定部41の外側に位置する貫通孔311を囲む部位である。この環状部42は、第二配置部36の内側部位361に配置される円弧状の第一円弧部位421と、第二配置部36の外側部位367に配置される円弧状の第二円弧部位422と、を有する。本実施形態の環状部42は、第一円弧部位421と第二円弧部位422とによって構成され、X軸方向から見て円形状である。
第一円弧部位421は、円弧状に延びる円弧部位本体4211と、円弧部位本体4211から環状部42の径方向内側(中心側)に向けて延びるガスケット延出部4212と、を有する。本実施形態の第一円弧部位421は、複数のガスケット延出部4212を有し、これら複数のガスケット延出部4212は、周方向に等間隔に配置されている。
複数のガスケット延出部4212のそれぞれは、伝熱プレート3のプレート延出部365と対応する形状である。具体的に、各ガスケット延出部4212は、図10にも示すように、プレート延出部365の形状に沿って円弧部位本体4211よりX軸方向の寸法が大きい部位を有し、X軸方向に隣り合うプレート延出部365に挟み込まれたときに、各プレート延出部365と液密状態で密接する(図10及び図12参照)。
より具体的に、各ガスケット延出部4212は、X軸方向から見て、先端に向かうにつれて周方向の幅が漸減する台形状である。また、各ガスケット延出部4212のX軸方向の寸法は、円弧部位本体4211からプレート延出部365の当接部位365bに挟み込まれる部位(厚肉部位4212a)に向かうにつれて漸増し、ガスケット延出部4212のX軸方向の寸法において厚肉部位4212aが最も大きくなっている。そして、ガスケット延出部4212のX軸方向の寸法は、厚肉部位4212aから先端に向かうにつれて漸減する。
四つの接続部43のそれぞれは、環状部42における第一円弧部位421と第二円弧部位422との境界部と、流路画定部41と、を接続する。本実施形態の各接続部43は、直線状である。
以上のように構成されるガスケット4において、ガスケット延出部4212以外の部位、即ち、流路画定部41と、各環状部42における第一円弧部位421の円弧部位本体4211及び第二円弧部位422と、各接続部43と、の横断面形状は、同じである。本実施形態の前記横断面形状は、扁平な八角形である。
以上のように構成される伝熱プレート3及びガスケット4を有するプレート積層部2では、図4に示すように、複数の伝熱プレート3が一つ置きに反転した状態でX軸方向に重ね合わされている。このとき、複数のガスケット4は、隣り合う二つの伝熱プレート3のプレート間に配置されている(挟み込まれている)が、これら複数のガスケット4も一つ置きに反転した状態で各プレート間に配置されている。本実施形態のプレート積層部2では、伝熱プレート3の反転は、横中心線CL2を回転軸にして行われており、ガスケット4の反転は、Y軸法方向の中心においてZ軸方向に延びる中心線CL3(図11参照)を回転軸にして行われている。
このように各プレート間にガスケット4が挟み込まれた状態で複数の伝熱プレート3がX軸方向に重ね合わされることで、プレート積層部2(熱交換器1)において、各伝熱プレート3を境にして、第一流体AをZ軸方向に流通させる第一流路空間Raと、第二流体BをZ軸方向に流通させる第二流路空間Rbとが、交互に形成される。即ち、X軸方向に重ね合わされる複数の伝熱プレート3において、隣り合う伝熱プレート3の第一面S1間に第一流路空間Raが形成されると共に、隣り合う伝熱プレート3の第二面S2間に第二流路空間Rbが形成される。
また、プレート積層部2において、複数の伝熱プレート3の対応する貫通孔311b同士がX軸方向に連なることにより、第一流路空間Raのみに連通した一対の第一連通路Ra1、Ra2が形成されると共に、複数の伝熱プレート3の対応する貫通孔311a同士がX軸方向に連なることにより、第二流路空間Rbのみに連通した一対の第二連通路Rb1、Rb2が形成される。これら一対の第一連通路Ra1、Ra2のうちの一方の第一連通路Ra1は、第一流体Aを各第一流路空間Raに流入させ、他方の第一連通路Ra2は、第一流体Aを各第一流路空間Raから流出させる。また、一対の第二連通路Rb1、Rb2のうちの一方の第二連通路Rb1は、第二流体Bを各第二流路空間Rbに流入させ、他方の第二連通路Rb2は、第二流体Bを各第二流路空間Rbから流出させる。
本実施形態のプレート積層部2において、各連通路Ra1、Rb1から各流路空間Ra、Rbへ流体A、Bが流入する連通路周縁部(周縁部)20と、各流路空間Ra、Rbから各連通路Ra2、Rb2へ流体A、Bが流出する連通路周縁部20とは、同じ構成である。以下では、流入側の連通路周縁部20の構成について説明する。
連通路周縁部20は、図3及び図9に示すように、プレート積層部2のプレート間に形成されている流路空間Ra、Rbへの連通路Ra1、Rb1からの流体A、Bの流出入を阻止する流出入阻止部(流入阻止部)21と、プレート積層部2のプレート間に形成されている流路空間Ra、Rbへの連通路Ra1、Rb1からの流体A、Bの流出入を許容する流出入許容部(流入許容部)22と、がX軸方向に交互に形成されている。即ち、連通路周縁部20は、複数の流出入阻止部21と複数の流出入許容部22とを有する。
複数の流出入阻止部21のそれぞれは、連通部31の第一面S1側の第一領域T1同士又は第二面S2側の第二領域T2同士が対向して第二配置部36の内側部位361における底壁部362同士及び孔周縁部363同士がガスケット4の環状部42における第一円弧部位421を挟み込むことによって形成されている。
具体的に、各流出入阻止部21では、X軸方向に隣り合う二つの伝熱プレート3において孔周縁部363同士が互いに当接すると共に該孔周縁部363の底壁部362同士がガスケット4(詳しくは、環状部42の円弧部位本体4211)を挟み込んでいる。この流出入阻止部21において、X軸方向に隣り合う二つの伝熱プレート3の孔周縁部363における第二側壁部364同士は、一方の第二側壁部364に対して他方の第二側壁部364が傾斜した状態で互いの端縁364a同士を当接させている(図9参照)。
本実施形態の流出入阻止部21を構成する二つの孔周縁部363における第二側壁部364同士は、流体A、Bの連通路Ra1、Rb1から流路空間Ra、Rbへの流入方向(図9における水平方向)に対してそれぞれ傾斜している。これに対し、流出入阻止部21を構成する二つの底壁部362同士は、互いに平行な状態で、ガスケット4の円弧部位本体4211をX軸方向に挟み込んでいる。
また、複数の伝熱プレート3における孔周縁部363のそれぞれは、図10、図12(a)〜図13(b)にも示すように、該孔周縁部363の内周方向の対応する位置に、連通路Ra1、Rb1の内側に向けて延びる複数のプレート延出部365を有している。そして、X軸方向に間隔をあけて隣り合う二つの流出入阻止部21のそれぞれにおける相手方の流出入阻止部21と対向するプレート延出部365同士は、X軸方向において互いに当接している。
詳しくは、X軸方向に間隔をあけて隣り合う二つの流出入阻止部21において、一方の流出入阻止部21Aにおける他方の流出入阻止部21Bと対向するプレート延出部である一方側延出部365Aと、他方の流出入阻止部21Bにおける一方の流出入阻止部21Aと対向するプレート延出部である他方側延出部365Bとは、互いの当接部位365b同士を当接させている(図10参照)。
一方、X軸方向に隣り合って共通の流出入阻止部21を構成する二つのプレート延出部365同士は、互いの外縁365aを当接させている(図10、図12(b)、及び図13(b)参照)。
また、図9に示すように、複数の流出入許容部22のそれぞれは、X軸方向に隣り合う二つの伝熱プレート3の孔周縁部363の第二側壁部364同士及び底壁部362同士がX軸方向に間隔をあけて対向している。これにより、流出入許容部22を構成する二つの伝熱プレート3のプレート間に形成される流路空間Ra、Rbへの連通路Ra1、Rb1からの流体A、Bの流入が許容される。
尚、本実施形態の連通路周縁部20では、X軸方向に隣り合う流出入阻止部21と流出入許容部22との境界位置にある伝熱プレート3(詳しくは、底壁部362及び孔周縁部363)は、流出入阻止部21の一部を構成すると共に流出入許容部22の一部を構成している。即ち、X軸方向に交互に並ぶ流出入阻止部21と流出入許容部22とにおいて、隣り合う流出入阻止部21の一部と流出入許容部22の一部とは、共通の部材(伝熱プレート3)によって構成されている。
プレート積層部2における連通路Ra1から各流路空間Raへ流体Aが流入する側の連通路周縁部20では、上記のように構成されることで、第一流体Aが第一連通路Ra1から各流出入許容部22を通じて、第一流路空間Raにそれぞれ流れ込む一方、第一流体Aの各第二流路空間Rbへの流入が、流出入阻止部21によってそれぞれ阻止される。また、連通路Rb1から各流路空間Rbへ流体Bが流入する側の連通路周縁部20では、上記のように構成されることで、第二流体Bが第二連通路Rb1から各流出入許容部22を通じて、第二流路空間Rbにそれぞれ流れ込む一方、第二流体Bの各第一流路空間Raへの流入が、流出入阻止部21によって阻止される。
また、プレート積層部2における各流路空間Raから各連通路Ra2へ流体Aが流出する側の連通路周縁部20では、上記のように構成されることで、第一流体Aが、各第一流路空間Raから、流出入許容部22を通じて第一連通路Ra2にそれぞれ流出する。また、各流路空間Rbから各連通路Rb2へ流体Bが流出する側の連通路周縁部20では、上記のように構成されることで、第二流体Bが、各第二流路空間Rbから、流出入許容部22を通じて第二連通路Rb2にそれぞれ流出する。
図1、図2、及び図4に戻り、一対のフレーム5a、5bのそれぞれは、X軸方向から見て伝熱プレート3と対応した形状の厚板状の部材である。
一対のフレーム5a、5bのうちの一方のフレーム5aは、Z軸方向に長尺な矩形厚板状であり、伝熱プレート3の各貫通孔311(各連通路Ra1、Ra2、Rb1、Rb2)と対応する位置においてX軸方向に貫通する複数(本実施形態の例では、四つ)の貫通孔51を有する。また、一方のフレーム5aは、Y軸方向の両端に、Z軸方向に間隔をあけて並ぶ複数の切欠部52を有する。
また、一対のフレーム5a、5bのうちの他方のフレーム5bは、Z軸方向に長尺な矩形厚板状であり、Y軸方向の両端に、Z軸方向に間隔をあけて並ぶ複数の切欠部53を有する。これら複数の切欠部53のそれぞれは、一方のフレーム5aの各切欠部52と対応する位置(X軸方向から見て重なる位置)に配置されている。
ガイド部6は、それぞれがX軸方向に延びる一対のガイドバー61を有する。また、本実施形態のガイド部6は、一対のガイドバー61の端部同士の間隔を維持するサポート部材62も有する。
一対のガイドバー61は、一方のフレーム5aのZ軸方向の両端部から互いに平行に延びている。これら一対のガイドバー61は、他方のフレーム5bを一方のフレーム5aに対して平行な状態(姿勢)でX軸方向に接離可能にガイドする。また、一対のガイドバー61のそれぞれは、伝熱プレート3のZ軸方向の両端のガイド用切欠き33にそれぞれ嵌まり込むことで、各伝熱プレート3を配置位置にガイドする。
サポート部材62は、Z軸方向に延び、一対のガイドバー61の端部(一方のフレーム5aに接続されている端部と反対側の端部)同士を接続することによって、該端部同士の間隔を維持する。
複数の締付部材7のそれぞれは、X軸方向に延びるボルト71と、該ボルト71と螺合するナット72と、を有する。各締付部材7は、一対のフレーム5a、5bの対応する(X軸方向から見て重なる)切欠部52、53に嵌まり込んだ状態でX軸方向の間隔が小さくなる方向に一対のフレーム5a、5bを締め付ける。この複数の締付部材7による一対のフレーム5a、5bの締め付けによって、各プレート間に配置されたガスケット4が十分な力で挟み込まれ、これにより、各プレート間に形成された各流路空間Ra、Rbが液密な状態となる。
以上のように構成される熱交換器1では、一方の第一連通路Ra1に第一流体Aが供給されると共に、一方の第二連通路Rb1に第二流体Bが供給されると、第一流体Aが一方の第一連通路Ra1から各第一流路空間Raに流入すると共に、第二流体Bが一方の第二連通路Rb1から各第二流路空間Rbに流入する。
これにより、熱交換器1において、第一流体Aが第一流路空間RaをZ軸方向に流れ、第二流体Bが第二流路空間RbをZ軸方向に流れる。詳しくは、第一流体Aが、第一流路空間Raを画定する第一面S1間をZ軸方向の一端から他端側に向けて通過(流通)し、第二流体Bが、第二流路空間Rbを画定する第二面S2間をZ軸方向の他端から一端側に向けて通過(流通)する。このとき、第一流路空間Raと第二流路空間Rbとの間にある伝熱プレート3(主に主伝熱部30)を介して第一流体Aと第二流体Bとが熱交換する。
そして、熱交換を終えた第一流体Aは、各第一流路空間Raから他方の第一連通路Ra2に流出し、該第一連通路Ra2を通じて外部に排出される。また、熱交換を終えた第二流体Bは、各第二流路空間Rbから他方の第二連通路Rb2に流出し、該第二連通路Rb2を通じて外部に排出される。
以上の熱交換器1では、連通路周縁部20の各流出入阻止部21において、該流出入阻止部21を構成する二つの孔周縁部363の第二側壁部364同士が傾斜した状態で端縁364aを当接させている(図9参照)。このため、流出入許容部22から流入しようとする流体A、Bがぶつかったときに、流路空間Ra、Rbへの流入方向に対して傾斜する各第二側壁部364に沿って流体A、Bが流れる(図14の矢印α参照)。即ち、流出入阻止部21の連通路Ra1、Rb1側の端部において流路空間Ra、Rbへの流入方向に対して傾斜する方向の流体A、Bの流れが生じる。このため、熱交換器1において繊維状の物質fを含む流体A、Bが流れる場合に、孔周縁部363(第二側壁部364)の端縁364a同士が当接する部位に繊維状の物質fが位置したときに、流出入阻止部21の連通路Ra1、Rb1側の端部が該連通路Ra1、Rb1の内側に向けて板状に延びる構成(例えば、図16参照)に比べ、流出入阻止部21の両側にある流出入許容部22のいずれか一方側に流れ易くなる。これにより、第二側壁部364の端縁364a同士が当接する部位に流体A、Bに含まれる繊維状の物質fが引っ掛かり難くなり、その結果、熱交換器1において繊維状の物質fを含む流体A、Bを流通させたときの詰まりの発生が抑えられる。
連通路周縁部20において、X軸方向に隣り合う二つの流出入阻止部21のそれぞれにおける相手方の流出入阻止部21と対向する孔周縁部363の第二側壁部364同士は、間隔をあけて対向している。このため、プレート延出部365がない構成では、プレート積層部2が一対のフレーム5a、5bによって挟み込まれたときに、前記二つの流出入阻止部21のそれぞれにおいてガスケット4を挟み込む底壁部362やその近傍に対して挟み込み方向(X軸方向)の力が十分に加わり難い。即ち、各流出入阻止部21の底壁部362やその近傍にガスケット4の挟み込み方向の力が加わったときに、底壁部362や第二側壁部364が相手方の流出入阻止部21の側へ撓む等によって前記挟み込み方向(X軸方向)の力が逃げやすい。しかし、本実施形態の熱交換器1のように、X軸方向に隣り合う二つの流出入阻止部21A、21Bのそれぞれにおける相手方の流出入阻止部21A、21Bと対向するプレート延出部365A、365B同士がX軸方向において互いに当接していることで(図10参照)、底壁部362やその近傍に前記挟み込み方向の力が加わったときに、プレート延出部365A、365Bによって底壁部362が支えられることで前記撓み等が抑えられ、これにより、隣り合う流出入阻止部21A、21Bのそれぞれにおいて、ガスケット4が底壁部362によって十分な力で挟み込まれる。その結果、各流出入阻止部21への流体A、Bの流入をより確実に防ぐことができる。即ち、連通路周縁部20における流出入阻止部21のシール性が十分に確保される。
また、本実施形態の熱交換器1のプレート積層部2における連通路周縁部20では、プレート延出部365における貫通孔311の内周方向の幅が先端に向かうにつれて小さくなっている。これにより、前記内周方向の幅が基部(先端と反対側の端部)から先端まで一定のプレート延出部に比べ、連通路Ra1、Ra2、Rb1、Rb2をX軸方向に流れる流体A、Bの流通抵抗が抑えられる。
さらに、本実施形態の熱交換器1のプレート積層部2では、プレート延出部365において、X軸方向から見たときの該プレート延出部365の外縁365aより内側の当接部位365bが相手方の(X軸方向に隣り合う)流出入阻止部21の側に最も凸となっており、プレート延出部365が、当接部位365bから外縁365aに向かうにつれて相手方の流出入阻止部21から離れる方向に変位している。そして、X軸方向に隣り合って共通の流出入阻止部21を構成する二つの孔周縁部363の対応するプレート延出部365同士が、互いの外縁365aを当接させている(図10、図12(a)〜図13(b)参照)。このように、本実施形態のプレート積層部2では、X軸方向に隣り合い且つ共通の流出入阻止部21を構成する二つの孔周縁部363の対応するプレート延出部365同士が、互いの外縁365aを当接させてプレート延出部365間に流体A、Bが入り難くなっている。このため、連通路Ra1、Ra2、Rb1、Rb2をX軸方向に流れる流体A、Bの流通抵抗がより抑えられる。
尚、本発明のプレート式熱交換器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記実施形態の熱交換器1のプレート積層部2では、連通路Ra1、Rb1から各流路空間Ra、Rbへの流体A、Bの流入側の連通路周縁部20と、各流路空間Ra、Rbから連通路Ra2、Rb2への流体A、Bの流出側の連通路周縁部20とのそれぞれが、流出入阻止部21を構成する二つの孔周縁部363において、一方の孔周縁部363(第二側壁部364)に対して他方の孔周縁部363(第二側壁部364)が傾斜した状態で互いの端縁(内周側端縁)364a同士を当接させた構成を有しているが、この構成に限定されない。
プレート積層部2において、連通路Ra1、Rb1から各流路空間Ra、Rbへの流体A、Bの流入側の少なくとも一つの連通路周縁部20が、流出入阻止部21を構成する二つの孔周縁部363において、一方の孔周縁部363(第二側壁部364)に対して他方の孔周縁部363(第二側壁部364)が傾斜した状態で互いの端縁(内周側端縁)364a同士を当接させた構成を有していればよい。
かかる構成によれば、前記一方の孔周縁部363(第二側壁部364)に対して前記他方の孔周縁部363(第二側壁部364)が傾斜した状態で互いの端縁(内周側端縁)364a同士を当接させた構成を有する流出入阻止部21を含む連通路周縁部20に囲まれた連通路Ra1、Rb1にのみ、繊維状の物質fを含む流体A、Bが供給されるように熱交換器1を使用することで、該熱交換器1において、繊維状の物質fを含む流体A、Bを流通させても詰まりが生じ難くなる。
また、上記実施形態の熱交換器1のプレート積層部2では、流出入阻止部21を構成する二つの孔周縁部363の各第二側壁部364は、連通路Ra1、Rb1から流路空間Ra、Rbへの流体A、Bの流入方向(X軸方向と直交する面に沿った方向)に対してそれぞれ傾斜しているが、この構成に限定されない。例えば、二つの孔周縁部363の第二側壁部364のうちの一方の第二側壁部364が前記流入方向に対して傾斜すると共に他方の第二側壁部364が前記流入方向に沿い、且つ、互いの端縁364a同士を当接させた構成であってもよい。
また、上記実施形態の熱交換器1のプレート積層部2では、孔周縁部363が複数のプレート延出部365を有しているが、この構成に限定されない。孔周縁部363が一つのプレート延出部365を有する構成でもよい。また、孔周縁部363がプレート延出部365を有していない構成でもよい。即ち、孔周縁部363が第二側壁部364のみによって構成されていてもよい。
また、上記実施形態の熱交換器1のプレート積層部2において、複数のプレート延出部365は、第二配置部36の内側部位361に配置され、外側部位367には配置されていない、即ち、連通路周縁部20の内周方向における一部の範囲にしか配置されていないが、この構成に限定されない。例えば、複数のプレート延出部365は、連通路周縁部20(即ち、各伝熱プレート3の第二配置部36)の内周方向の全域(全周)に配置されていてもよい。
また、プレート延出部365の具体的な形状は、限定されない。上記実施形態のプレート延出部365では、先端(連通路の中心側)に向かうにつれて、貫通孔311の内周方向における幅が小さくなっているが、例えば、プレート延出部365の基部から前記先端までの各位置での前記幅が略一定でもよい。また、共通の流出入阻止部21を構成する二つの孔周縁部363のプレート延出部365同士は、外縁365aの全域が当接しているが、この構成に限定されない。共通の流出入阻止部21を構成する二つの孔周縁部363のプレート延出部365同士は、外縁365aの一部を当接させる構成であってもよい。即ち、プレート延出部365は、当接部位365bを有していれば具体的な構成を限定されない。