以下、図面を参照して本発明をより具体的に例示説明する。
本発明の液体ブロー成形方法は、有底筒状のプリフォームから内容液を収容した液体入り容器を成形する液体ブロー成形方法であって、所定の温度にまで加熱したプリフォームの内部に第1供給路を通して所定圧力で第1液を供給して該プリフォームを液体ブロー成形する第1供給工程と、プリフォームの内部に、第1液の供給後または第1液の供給とともに、第1供給路とは異なる第2供給路を通して第2液を供給する第2供給工程と、を有することを特徴とするものである。すなわち、本発明の液体ブロー成形方法は、第1液と第2液とを混合した内容液を収容した液体入り容器の製造方法と言えるものであり、例えば図1に示す構成の液体ブロー成形装置1を用いて実施することができる。
図1に示すように、本発明の一実施の形態である液体ブロー成形装置1は、プリフォーム2を液体ブロー成形することにより、内部に内容液を収容した液体入り容器に成形するものである。なお、液体ブロー成形とは、プリフォーム2に供給する加圧媒体(加圧流体)として、エアブロー成形の際に用いられる加圧エアーに替えて、加圧した液体を用いて行うブロー成形のことである。
プリフォーム2に供給される液体L、つまり成形後の液体入り容器に収容される内容液Lとしては、例えば、油分を主成分とした第1液L1と、水分を主成分として第1液L1に対して容易に分離する性質を有する第2液L2とを混合した調味用ドレッシングなど、第1液L1と第2液L2とを混合した混合液が用いられる。このような液体Lは均質な混合状態に維持することが困難なものであるが、本発明の液体ブロー成形方法及び液体ブロー成形装置によれば、当該液体Lを用いてプリフォーム2を液体入り容器に容易に成形することができる。
なお、液体(内容液)Lとしては、調味用ドレッシングに限らず、均質な混合状態に維持することが困難なものであれば、例えば化粧品や飲料等の種々の液体を用いることができる。
プリフォーム2としては、例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性を有する樹脂材料によって、開口端となる円筒状の口部2aと、口部2aに連なるとともに下端が閉塞された円筒状の胴部2bとを有する有底筒状に形成されたものが用いられる。なお、図中においては、便宜上、胴部2bをその肉厚を省略して記載している。
プリフォーム2としては、上記形状のものに限らず、有底筒状であれば、成形後の容器の形状等に応じて種々の形状のものを用いることができる。
詳細は図示しないが、口部2aの外壁面には、成形後の液体入り容器の口部2aに閉塞キャップ(不図示)を打栓(アンダーカット係合)によって装着するための係合突起が設けられている。なお、口部2aの外壁面に係合突起に替えて雄ネジを設けて閉塞キャップを口部2aにねじ結合により装着する構成とすることもできる。
液体ブロー成形装置1は、ブロー成形用の金型10を有している。この金型10は、例えばボトル形状などの容器の最終形状に対応した形状のキャビティ11を有している。キャビティ11は金型10の上面において上方に向けて開口している。プリフォーム2は、胴部2bが金型10のキャビティ11の内部に配置されるとともに口部2aが金型10から上方に突出した状態となって金型10に装着される。
詳細は図示しないが、金型10は左右に型開きすることができるようになっており、プリフォーム2を液体入り容器に成形した後に金型10を左右に開くことで、当該液体入り容器を金型10から取り出すことができる。
金型10の上方には、プリフォーム2の内部に液体を供給するためのノズルとして機能するノズルユニット20が設けられている。ノズルユニット20は本体ブロック21を有し、この本体ブロック21は金型10に対して上下方向に相対移動自在となっている。本体ブロック21の下端には支持ブロック21aが設けられ、この支持ブロック21aにより支持されて本体ブロック21の下端にはブローノズル22が装着されている。ブローノズル22は略円筒状に形成されており、本体ブロック21が下方側のストローク端にまで下降したときに金型10に装着されたプリフォーム2の口部2aに上方側から係合する。また、ブローノズル22の上面には、下方に向かうに連れて縮径状に傾斜する円錐面状のシール面22aが設けられている。
本体ブロック21の内部には上下方向に延びる第1供給路23が設けられている。この第1供給路23はブローノズル22に第1液L1を供給するための流路であり、その下端においてブローノズル22に連通している。また、本体ブロック21には、第1供給路23の上端に連通する供給ポート24と第1供給路23の中間部分に連通する循環用ポート26とが設けられている。
第1供給路23の内部にはブローノズル22を開閉するためのシール体27が配置されている。シール体27はノズルユニット20に上下方向に移動自在に設けられた軸体28の下端に固定され、第1供給路23の内部で上下方向に移動自在となっている。シール体27は円柱状に形成され、その下端面の外周縁部はテーパー状の当接面27aとなっている。当接面27aは、ブローノズル22のシール面22aと同一の傾斜角度を有しており、シール体27が下方側のストローク端位置である閉位置にまで移動するとシール面22aに密着するようになっている。したがって、シール体27が閉位置となると、当該シール体27によってブローノズル22が閉塞され、ブローノズル22と第1供給路23との間の連通が遮断される。一方、シール体27が閉位置から上方に向けて移動すると、ブローノズル22は開かれて第1供給路23と連通される。
軸体28は中空に形成され、その軸心には軸方向に沿って延びる第2供給路29が設けられている。この第2供給路29はブローノズル22に第2液L2を供給するための流路であり、シール体27の軸心を貫通し、当接面27aの内側においてシール体27の下端面に開口している。このように、第2供給路29は、シール体27が閉位置となったときでもブローノズル22に連通可能となっている。
第2供給路29の開口を開閉するために、第2供給路29の内部つまり軸体28の軸心にはシールピン30が配置されている。図2に示すように、シールピン30は、第2供給路29の内径よりも小径の軸部30aと、この軸部30aの下端に一体に設けられた第2供給路29の内径よりも大径のシール部30bとを有している。シールピン30は、第2供給路29内を上下動可能に配置されており、通常状態においては、シール部30bに設けられた上向きの逆テーパー状シール面が軸体28の下端に設けられた下向きの逆テーパー面に当接した状態となって第2供給路29を閉塞するようになっている。一方、シールピン30を下方に向けて移動することで、第2供給路29の開口をブローノズル22に向けて開放することができる。
図1に示すように、供給ポート24には第1配管P1により第1液体供給部31が接続されている。第1液体供給部31は、第1タンク32と第1タンク32の下流側に接続された第1加圧源33とを有している。第1タンク32は、第1液L1を収容するとともに第1液L1を所定温度にまで加熱して当該温度に保持することができる構成としてもよい。第1加圧源33は、第1タンク32に収容されている第1液L1を吸引することができるとともに吸引した第1液L1を所定圧力にまで加圧し、供給ポート24を介して第1供給路23に供給することができる。
図示する場合では、第1加圧源33はプランジャーポンプにより構成されている。なお、第1加圧源33はプランジャーポンプに限らず、第1タンク32に収容されている第1液L1を所定圧力にまで加圧して第1供給路23に供給することができるものであれば他の構成の加圧源により構成することもできる。
第2供給路29には、軸体28の上端側において第2配管P2により第2液体供給部34が接続されている。第2液体供給部34は第2液L2を収容する第2タンク35を有し、この第2タンク35から第2配管P2を介して第2供給路29に第2液L2を供給することができる。
図示する場合では、第2液体供給部34は第2タンク35で構成されているが、例えばプランジャーポンプ等の加圧源を備えて第2タンク35に収容されている第2液L2を強制的に第2供給路29に供給する構成とすることもできる。
循環用ポート26は循環用配管P3により第1タンク32に接続され、第1加圧源33から第1供給路23に供給された第1液L1を、循環用配管P3を通して第1タンク32に戻すことができるようになっている。第1タンク32は循環機能を有しており、液体ブロー成形が行われていない待機状態において、第1液L1を第1供給路23の内部に滞留させることなく、第1タンク32と第1供給路23との間、つまり第1タンク32とノズルユニット20との間で循環させることができる。
第1タンク32と第1加圧源33との間には第1開閉弁36が設けられ、循環用ポート26と第1タンク32との間には循環制御用開閉弁37が設けられている。これらの開閉弁36、37は、それぞれ電磁弁により構成され、開閉動作することにより対応する配管P1、P3を遮断状態と開通状態とに切り替えることができる。また、これらの開閉弁36、37は、それぞれ図示しない制御手段等によって所定のタイミングで開閉制御される。
さらに、第1配管P1には圧力計38が設けられ、この圧力計38の計測データは図示しない制御手段に入力されるようになっている。
図示しない制御手段は、第1液体供給部31、シールピン30の駆動手段等にも接続されており、当該制御手段により液体ブロー成形装置1の作動が統合的に制御される。
次に、このような構成の液体ブロー成形装置1を用いてプリフォーム2から所定形状の容器の内部に内容液が収容されてなる液体入り容器を成形する方法(本発明の液体ブロー成形方法)について説明する。
まず、予めヒーター等の加熱手段(不図示)を用いて延伸性を発現する程度の所定の温度(例えば80℃〜150℃)にまで加熱しておいたプリフォーム2をブロー成形用の金型10に装着し、型締めする。そして、ノズルユニット20を下降させ、ブローノズル22をプリフォーム2の口部2aに係合させる。
次に、図3に示すように、シール体27及びシールピン30を閉じた状態としたまま、第1開閉弁36を開くととともに第1加圧源33を引き動作させ、第1タンク32に収容されている第1液L1を第1加圧源33に吸引させて当該第1加圧源33に第1液L1を充填させる。そして、この状態で液体ブロー成形が行われるまで液体ブロー成形装置1は待機状態とされる。
本発明の液体ブロー成形方法は、上記待機状態において循環工程を行う構成とすることができる。すなわち、上記待機状態において、循環制御用開閉弁37を開くことにより、第1タンク32の循環機能によって第1タンク32とノズルユニット20との間で第1液L1を循環させる構成とすることができる。これにより、液体ブロー成形が行われるまでの待機状態において、第1供給路23の内部に第1液L1を滞留させることなく、第1タンク32により所定の温度に調整された第1液L1を常に第1供給路23に循環させるようにして、第1供給路23における第1液L1の温度を液体ブロー成形に適した所定の温度に保つことができる。
次に、液体ブロー成形が行われるが、本発明の液体ブロー成形方法では、液体ブロー成形を、第1供給工程と第2供給工程とで行うようにしている。
図4に示すように、第1供給工程では、第1開閉弁36と循環制御用開閉弁37とを閉じた状態とするとともにシール体27を開き、この状態で第1加圧源33を作動させる。このとき、シールピン30は閉じた状態のままである。これにより、第1加圧源33から第1配管P1、供給ポート24、第1供給路23及びブローノズル22を通して、所定温度にまで加熱したプリフォーム2の内部に当該プリフォーム2の内部よりも高い所定圧力にまで加圧した所定温度の第1液L1のみを供給してプリフォーム2を液体ブロー成形することができる。図5に示すように、本実施の形態においては、第1供給工程において、プリフォーム2をキャビティ11に沿った所定形状の容器40に液体ブロー成形するようにしている。なお、圧力計38で計測される第1液L1の圧力PR1は、液体ブロー成形されている当該プリフォーム2の内部の圧力PR3よりも高い圧力である。
本発明の液体ブロー成形方法は、第1供給工程においてプリフォーム2を所定形状の容器40に液体ブロー成形した後に、サックバック工程を行う構成とすることができる。図6に示すように、サックバック工程では、第1開閉弁36と循環制御用開閉弁37とを閉じ、シール体27を開いた状態としたまま、第1加圧源33を第1供給工程とは逆方向に作動させる。これにより、第1供給工程で所定形状に形成された容器40の内部から所定量の第1液L1が第1供給路23に向けて吸い出される(サックバック)。
所定量の第1液L1の吸い出しが完了すると、図7に示すように、シール体27が閉じられる。シール体27が閉じられると、容器40は、所定量の第1液L1が吸い出されることによりその内容量が減少し、キャビティ11との間に隙間を生じた縮小変形状態に維持され、その内部は大気圧よりも低い負圧状態となる。
サックバック工程が完了すると、次に、第2供給工程が行われる。図8に示すように、第2供給工程では、シール体27を閉じた状態のままシールピン30が開かれる。シールピン30は、付勢手段による上向きの付勢力の解除や容器40の内部の負圧によって下方に移動することで自動的に開く構成、又は電動モータ等の駆動源によって強制的に開く構成等とすることができる。
シール体27を閉じた状態のままシールピン30が開かれると、第2供給路29が容器40の内部に連通され、第2供給路29の内部の第2液L2が容器40の内部の負圧によって容器40の内部に吸引される。これにより、サックバック工程により所定量の第1液L1が吸い出された容器40の内部に、第2供給路29を通して所定量の第2液L2が供給される。所定量の第2液L2が容器40の内部に供給されることにより、容器40の内部には第1液L1と第2液L2とが所定の割合で混合された内容液Lが収容されることになる。このとき、第2配管P2に加圧源を設け、当該加圧源により加圧した第2液L2を容器40の内部に供給してもよい。
第2供給工程において所定量の第2液L2が容器40の内部に供給されると、図9に示すように、シールピン30が閉じられ、液体ブロー成形が完了する。これにより、容器40に所定量の内容液Lを収容した液体入り容器50が完成することなる。
これにより、
第2供給工程においては、容器40の内部の圧力つまり内圧が大気圧となる前にシールピン30を閉じて第2液L2の供給を停止するのが好ましい。すなわち、サックバック工程により第1液L1が吸い出されることにより縮小変形した容器40がキャビティ11の内面に沿った元の形状に完全に戻る前にシールピン30を閉じて第2液L2の供給を停止するのが好ましい。これにより、シールピン30を閉じた後、液体入り容器50の口部50aを大気に開放することによって、液体入り容器50に収容される内容液Lの液面の位置つまり液体入り容器50に収容される内容液Lの量を適切な量に設定して、液体入り容器50の内部に所定のヘッドスペースHを生じさせることができる。
詳細は図示しないが、液体入り容器50が完成すると、液体入り容器50の口部50aにキャップが装着され、次いで金型10が開かれて完成した液体入り容器50が金型10から取り出される。なお、液体入り容器50を金型10から取り出した後にキャップを装着してもよい。
なお、サックバック工程が完了してシール体27が閉じられると、図8、図9に示すように、第1液体供給部31は、第1開閉弁36と循環制御用開閉弁37とを開くととともに第1加圧源33を引き動作させることにより第1加圧源33に第1液L1が充填され、次の液体ブロー成形に備えた待機状態とされる。
このように、本発明の液体ブロー成形方法では、第1液L1と第2液L2とを別々の供給路23、29からプリフォーム2の内部に供給して液体ブロー成形を行うようにしている。これにより、内容液Lとして、油分を主成分とした第1液L1と水分を主成分として第1液L1に対して容易に分離する性質を有する第2液L2とを混合した調味用ドレッシングなど、第1液L1と第2液L2とを混合状態に維持しておくことが困難な液体Lを用いるようにしても、第1液L1と第2液L2とを別々の供給路23、29から規定の割合で所定量ずつプリフォーム2ないし容器40に供給することができる。したがって、第1液L1と第2液L2とが規定の割合で混合された内容液Lを収容する液体入り容器50を、液体ブロー成形によって容易に製造することが可能となる。
また、本実施の形態のように、第1供給工程において第1液L1のみをプリフォーム2に供給して液体ブロー成形を行い、次いで、サックバック工程において成形後の容器40から所定量の第1液L1を吸い出した後、収容スペースに余裕が生じた容器40の内部に第2供給工程において所定量の第2液L2を供給するようにした場合には、所定温度にまで加熱されたプリフォーム2を第1液L1のみによって液体ブロー成形することによって冷却した後に、第2液L2を冷却されたプリフォーム2ないし容器40に供給することができる。すなわち、液体ブロー成形において、プリフォーム2に第1液L1を供給した後に第2液L2を供給するようにした場合、あるいはプリフォーム2に第1液L1を供給しつつその供給の途中から第1液L1とともに第2液L2を供給するようにした場合には、第1液L1の供給によってプリフォーム2を熱に弱い成分に影響しない程度の温度にまで冷却した後に第2液L2を当該冷却されたプリフォーム2ないし容器40に供給することができる。したがって、内容液Lとして、熱による変性や失活等の変質を生じ易い成分を含まない(熱に強い)第1液L1に、熱による変性や失活等の変質を生じ易い成分を含む(熱に弱い)第2液L2を混合したものを収容する液体入り容器50の成形に対して液体ブロー成形を適用するようにしても、第2液L2に含まれる成分がプリフォーム2の熱によって加熱されて変質することを防止して、成形後の液体入り容器50に収容される内容液Lの品質を確保することができる。このように、本発明の液体ブロー成形方法ないし液体ブロー成形装置1によれば、熱に強い第1液L1と熱に弱い第2液L2とを混合した液体を内容液Lとして収容する液体入り容器50を、その内容液Lの品質を低下させることなく容易に製造することができる。
熱に強い第1液L1と熱に弱い第2液L2とを混合した液体Lとしては、例えば、酵素入り液体洗剤を用いることができる。この場合、第1液L1は酵素を含まない液体であり、第2液L2は酵素を含む液体である。なお、第1液L1と第2液L2の基本となる液体成分を共通としても、異ならせてもよい。もちろん、熱に強い第1液L1と熱に弱い第2液L2とを混合した混合液としては、上記した酵素入り液体洗剤に限らず、種々の液体を用いることもできる。
さらに、本発明の液体ブロー成形方法では、第1液L1と第2液L2とを別系統に分けてプリフォーム2の内部に供給することができるので、プリフォーム2の液体ブロー成形の際に、第1液L1をプリフォーム2に供給する第1供給路23内に第2液L2が付着ないし残留することを防止することができる。したがって、所定の混合比を維持することが容易となる。
図10(a)は図1に示す液体ブロー成形装置の変形例を示す断面図であり、(b)は同図(a)に示す変形例においてシールピンが開いた状態を示す断面図である。なお、図10においては、前述した部材には同一の符号を付してある。
図10に変形例として示すように、液体ブロー成形装置1は延伸ロッド60を備えた構成とすることもできる。この場合、第1供給工程において、プリフォーム2を延伸ロッド60により軸方向(縦方向)に延伸させつつ加圧した第1液L1により径方向に延伸させる二軸延伸ブロー成形を行うことができる。
この変形例においては、延伸ロッド60は中空に形成されてシール体27の軸心に上下方向に相対移動自在に装着されており、延伸ロッド60の軸心に軸方向に沿って第2供給路29が設けられている。第2供給路29は延伸ロッド60の下端において開口している。シールピン30は延伸ロッド60の軸心に配置され、シール部30bに設けられた上向きの逆テーパー状シール面が延伸ロッド60の下端に設けられた下向きの逆テーパー面に当接することで第2供給路29を閉塞するようになっている。なお、図示はしないが、軸体28はシール体27の上端側に固定され、その内側に延伸ロッド60を上下方向に相対移動自在に支持している。
延伸ロッド60は、プリフォーム2を縦方向へ延伸した後、図10(a)に示すように、成形後の容器40の底面から所定高さだけ上昇した位置において停止する。そして、図10(b)に示すように、サックバック工程が行われた後にシールピン30を開くことで容器40の内部に第2液L2を供給することができる。この場合、容器40の内部に第2液L2を供給した後、延伸ロッド60を内容液Lの内部から抜き出すことで、抜き出した延伸ロッド60の体積分のヘッドスペースが形成され、完成した液体入り容器50に収容される内容液Lの液面つまり内容液Lの量を適切な量に設定することができる。したがって、第2供給工程においては、容器40の内部の圧力が大気圧となる前にシールピン30を閉じることなく、容器40の内部の圧力が大気圧となるまで第2液L2を供給することができる。これにより、第2供給工程の制御を容易にすることができる。
延伸ロッド60を備えた構成とした場合には、第1供給工程においてプリフォーム2を所定形状の容器40に成形した後に、サックバック工程を行うことなく、延伸ロッド60を容器40の内部から抜き出すことにより当該容器40の内部に所定のヘッドスペースを形成する構成とすることができる。この場合、延伸ロッド60を容器40の内部から抜き出した後、第2供給工程において容器40の内部に当該ヘッドスペース量以下の第2液L2を供給することにより、液体入り容器50に第1液L1と第2液L2とが規定の割合で混合された内容液Lを収容するとともに液体入り容器50に収容される内容液Lの液面つまり内容液Lの量を適切な量に設定することができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態では、図1に示す構成の液体ブロー成形装置1を用いて本発明の液体ブロー成形方法を行う場合を示したが、他の構成の液体ブロー成形装置等を用いて本発明の液体ブロー成形方法を行うこともできる。
また、前記実施の形態では、第1供給工程及び第2供給工程に加えて、サックバック工程や循環工程を行うようにしているが、サックバック工程や循環工程を行わない構成とすることもできる。
さらに、前記実施の形態では、第1供給工程により第1液L1の供給を完了した後に第2液L2をプリフォーム2ないし容器40に供給するようにしているが、第1液L1とともに第2液L2をプリフォーム2に供給して当該プリフォーム2を液体ブロー成形する構成とすることもできる。この場合、第1液L1の供給の開始とともに第2液L2の供給を開始してもよく、又は、第1液L1の供給を開始した後、その供給の途中において第2液L2の供給を開始するようにしてもよい。