JP6864310B2 - 基板接合方法および基板接合装置 - Google Patents

基板接合方法および基板接合装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6864310B2
JP6864310B2 JP2016213889A JP2016213889A JP6864310B2 JP 6864310 B2 JP6864310 B2 JP 6864310B2 JP 2016213889 A JP2016213889 A JP 2016213889A JP 2016213889 A JP2016213889 A JP 2016213889A JP 6864310 B2 JP6864310 B2 JP 6864310B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrates
substrate
bonding
joint
joint surfaces
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016213889A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018074050A (ja
Inventor
山内 朗
朗 山内
須賀 唯知
唯知 須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BONDTECH CO Ltd
Original Assignee
BONDTECH CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BONDTECH CO Ltd filed Critical BONDTECH CO Ltd
Priority to JP2016213889A priority Critical patent/JP6864310B2/ja
Publication of JP2018074050A publication Critical patent/JP2018074050A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6864310B2 publication Critical patent/JP6864310B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Welding Or Cutting Using Electron Beams (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Description

本発明は、基板接合方法および基板接合装置に関する。
常温の真空中において2つの基板を接合する基板接合方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この基板接合方法では、まず、接合する2つの基板それぞれの接合面へ不活性ガスイオンビームまたは不活性ガス高速原子ビームを照射することにより基板の接合面を活性化させる接合面活性化工程を行う。その後、2つの基板の接合面同士を接触させて加圧、加熱することにより2つの基板を接合する接合工程を行う。
特開平10−92702号公報 国際公開第2012/105474号
ところで、真空中においてArの粒子ビームを用いる基板接合方法を用いて、酸化膜または窒化膜が形成された基板やガラス基板、イオン結晶性の高い材料から形成された基板のような絶縁体基板を接合する場合がある。この場合、基板の接合面における原子の結合力や原子質量の差から、接合面における正負どちらかの電荷を有しうる原子、例えば酸素原子が多くエッチングされてしまう。このため、基板の接合面が帯電してしまい、接合しようとする基板の接合面間の反発力に起因して基板の接合が阻害されると考えられる。また、粒子ビーム源から放射される粒子ビームが電気的に完全に中性化されていない場合がある。この場合、基板の接合面に粒子ビームが照射されると、基板の接合面を帯電させてしまい、2つの基板の接合面の間に生じる反発力に起因して基板の接合が阻害され、2つの基板の接合強度が低下してしまう。更に、絶縁体基板の接合面にSiを堆積させてから絶縁体基板同士を接合する基板接合方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。但し、特許文献2に記載された基板接合方法では、絶縁体基板の接合面に堆積したSiを通じて電気的絶縁性が損なわれてしまう。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、接合する基板の接合面が帯電することに起因して互いに接合された基板の接合強度が低下してしまうことが抑制される基板接合方法および基板接合装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る基板接合方法は、
2つの基板を接合する基板接合方法であって、
前記2つの基板の互いに接合される接合面に粒子ビームを照射して前記接合面をエッチングすることにより前記接合面を活性化させる接合面活性化工程と、
前記接合面活性化工程の後、前記2つの基板を互いに近づく方向へ移動させて前記2つの基板それぞれの接合面同士を接触させる基板移動接触工程と、
前記基板移動接触工程の後、前記2つの基板を接合する接合工程と、を含み、
前記接合面活性化工程後、前記基板移動接触工程までの間において、前記2つの基板の前記接合面に電子を供給する。
他の観点から見た本発明に係る基板接合方法は、
2つの基板を接合する基板接合方法であって、
前記2つの基板の互いに接合される接合面に粒子ビームを照射して前記接合面をエッチングすることにより前記接合面を活性化させる接合面活性化工程と、
前記接合面活性化工程の後、前記2つの基板を互いに近づく方向へ移動させて前記2つの基板それぞれの接合面同士を接触させる基板移動接触工程と、
前記基板移動接触工程の後、前記2つの基板を接合する接合工程と、を含み、
前記接合面活性化工程中において、ビーム放射源から前記2つの基板の前記接合面にSiを供給するとともに、前記ビーム放射源とは異なる電子供給部から前記2つの基板の前記接合面に電子を供給する
他の観点から見た本発明に係る基板接合装置は、
2つの基板を接合する基板接合装置であって、
前記2つの基板のいずれか一方を支持するヘッドと、
前記2つの基板の他方を支持するステージと、
前記ヘッドを前記ステージに近づける方向または前記ステージから遠ざかる方向へ移動させるヘッド駆動部と、
前記2つの基板の互いに接合される接合面に粒子ビームを照射するビーム放射源と、
前記接合面へ電子を供給する電子供給部と、
記ビーム放射源を制御して、前記接合面へ粒子ビームを照射して前記接合面を活性化させた後、前記電子供給部を制御して、前記接合面へ電子を供給しながら、前記ヘッド駆動部を制御して、前記ヘッドを前記ステージに近づける方向へ移動させることにより前記2つの基板の前記接合面同士を接触させてから前記2つの基板に圧力を加えることにより前記2つの基板を接合する制御部と、を備える。
他の観点から見た本発明に係る基板接合装置は、
2つの基板を接合する基板接合装置であって、
前記2つの基板のいずれか一方を支持するヘッドと、
前記2つの基板の他方を支持するステージと、
前記ヘッドを前記ステージに近づける方向または前記ステージから遠ざかる方向へ移動させるヘッド駆動部と、
前記2つの基板の互いに接合される接合面にSiを含む粒子ビームを照射するビーム放射源と、
前記接合面へ電子を供給する電子供給部と、
前記電子供給部を制御して、前記接合面へ電子を供給しながら、前記ビーム放射源を制御して、前記接合面へSiを含む粒子ビームを照射して前記接合面を活性化させるとともに前記接合面にSiを供給した後、前記ヘッド駆動部を制御して、前記ヘッドを前記ステージに近づける方向へ移動させることにより前記2つの基板の前記接合面同士を接触させてから前記2つの基板に圧力を加えることにより前記2つの基板を接合する制御部と、を備える。
本発明に係る基板接合方法によれば、接合面活性化工程後、基板移動接触工程までの間において、2つの基板の接合面に電子を供給する。また、本発明に係る基板接合装置では、制御部が、ビーム放射源を制御して、2つの基板それぞれの接合面へ粒子ビームを照射して接合面を活性化させた後、電子供給部を制御して、2つの基板の接合面へ電子を供給しながら、ヘッド駆動部にヘッドをステージに近づける方向へ移動させることにより2つの基板の接合面同士を接触させてから2つの基板に圧力を加えることにより2つの基板を接合する。これにより、基板の接合面に供給される電子により基板の接合面が電気的に中和され基板の帯電量が減少するので、2つの基板それぞれの接合面間に生じる反発力が弱まる。従って、2つの基板それぞれの接合面間に生じる反発力による基板同士の接合の阻害が抑制されるので、基板同士の接合強度を向上させることができる。
また、本発明に係る基板接合方法によれば、接合面活性化工程中において、ビーム放射源から2つの基板の接合面にSiを供給するとともに、ビーム放射源とは異なる電子供給部から2つの基板の接合面に電子を供給する。また、本発明に係る基板接合装置では、制御部が、電子供給部を制御して、2つの基板の接合面へ電子を供給しながら、ビーム放射源を制御して、接合面へSiを含む粒子ビームを照射して接合面を活性化させるとともに接合面にSiを供給した後、ヘッド駆動部にヘッドをステージに近づける方向へ移動させることにより2つの基板の接合面同士を接触させて2つの基板を接合する。これにより、基板の接合面において、接合面における正または負のいずれかの電荷を有する原子が他方の原子よりも多くエッチングされた部分にSiが供給されることにより、基板の接合面が電気的に中和され基板の帯電量が減少する。従って、2つの基板それぞれの接合面間に生じる反発力が弱まり、2つの基板それぞれの接合面間に生じる反発力による基板同士の接合の阻害が抑制されるので、基板同士の接合強度を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る基板接合装置の概略構成図である。 実施の形態に係るビーム粒子源の概略構成図である。 実施の形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る基板接合装置が実行する基板接合処理の流れの一例を示すフローチャートである。 (A)は比較例1に係る基板接合方法を説明するためのタイムチャートであり、(B)は比較例2に係る基板接合方法を説明するためのタイムチャートであり、(C)は比較例3に係る基板接合方法を説明するためのタイムチャートであり、(D)は実施の形態に係る基板接合方法を説明するためのタイムチャートである。 (A)はブレード挿入法による基板の結合エネルギの測定方法を説明するための図であり、(B)は実施の形態に係る接合強度の評価方法を説明するための図である。 (A)は試料1の外観写真であり、(B)は試料2の外観写真であり、(C)は試料3の外観写真であり、(D)は試料4の外観写真である。 (A)は試料5の外観写真であり、(B)は試料6の外観写真であり、(C)は試料7の外観写真である。 変形例に係るビーム粒子源の概略構成図である。 (A)は試料9の外観写真であり、(B)は試料10の外観写真であり、(C)は試料11の外観写真である。 変形例に係る基板接合方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施の形態に係る基板接合装置について、図を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る基板接合装置は、減圧下のチャンバ内で、2つの基板の接合面について活性化処理を行った後、基板同士を接触させて加圧および加熱することにより、2つの基板を接合する装置である。活性化処理では、基板の接合面に粒子ビームを照射することにより基板の接合面を活性化する。
図1に示すように、本実施の形態に係る基板接合装置100は、チャンバ200と、ステージ401と、ヘッド402と、ステージ駆動部403と、ヘッド駆動部404と、基板加熱部421、422と、位置ずれ量測定部500と、を備える。また、基板接合装置100は、基板301、302の接合面へFABを照射するビーム照射部601、602と、基板301、302の接合面へ電子を供給する電子供給部801と、を備える。また、基板接合装置100により接合する基板301、302としては、例えば、サファイヤ基板、タンタル酸リチウム(LiTaO)基板(Lt基板)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)基板(Ln基板)等のセラミックス基板、酸化ケイ素(SiO)基板、窒化物基板(例えば、窒化ケイ素(SiN)、窒化アルミニウム(AlN))、酸窒化物基板(例えば酸化窒化ケイ素(SiON)基板)、ケイ素(Si)基板、ガラス基板のいずれかを採用することができる。なお、以下の説明において、適宜図1の±Z方向を上下方向、XY方向を水平方向として説明する。
チャンバ200は、排気管202と排気弁203とを介して真空ポンプ201に接続されている。排気弁203を開状態にして真空ポンプ201を作動させると、チャンバ200内の気体が、排気管202を通してチャンバ200外へ排出され、チャンバ200内の気圧が低減(減圧)される。また、排気弁203の開閉量を変動させて排気量を調節することにより、チャンバ200内の気圧(真空度)を調節することができる。
ステージ401とヘッド402とは、チャンバ200内において、Z方向において互いに対向するように配置されている。ステージ401は、その上面で基板301を支持し、ヘッド402は、その下面で基板302を支持する。なお、ステージ401の上面とヘッド402の下面とは、基板301、302のステージ401、ヘッド402との接触面が鏡面でステージ401、ヘッド402から剥がれにくい場合を考慮して、粗面加工が施されていてもよい。ステージ401およびヘッド402は、それぞれ基板301、302を保持する保持機構(図示せず)を有する。保持機構は、静電チャックや真空チャックから構成されている。
ステージ駆動部403は、ステージ401をXY方向へ移動させたり、Z軸周りに回転させたりすることができる。
ヘッド駆動部404は、ヘッド402を上下方向(図1の矢印AR1参照)に昇降させる。ヘッド駆動部404は、ヘッド402を下方向に移動させることよりヘッド402をステージ401に近づける。また、ヘッド駆動部404は、ヘッド402を上方向に移動させることにより、ヘッド402をステージ401から遠ざける。そして、基板301、302同士が接触した状態においてヘッド駆動部404がヘッド402に対してステージ401に近づく方向への駆動力を作用させると、基板302が基板301に押し付けられる。また、ヘッド駆動部404には、ヘッド駆動部404がヘッド402に対してステージ401に近づく方向へ作用させる駆動力を測定する圧力センサ408が設けられている。圧力センサ408の測定値から、ヘッド駆動部404により基板302が基板301に押し付けられたときに基板301、302の接合面に作用する圧力が検出できる。圧力センサ408は、例えばロードセルから構成される。
基板加熱部421、422は、例えば電熱ヒータから構成される。基板加熱部421、422は、ステージ401、ヘッド402に支持されている基板301、302に熱を伝達することにより基板301、302を加熱する。また、基板加熱部421、422の発熱量を調節することにより、基板301、302やそれらの接合面の温度を調節できる。
位置ずれ量測定部500は、基板301、302それぞれに設けられた位置合わせ用のマーク(アライメントマーク)の位置を認識することにより、基板301の基板302に対する水平方向の位置ずれ量を測定する。位置ずれ量測定部500は、例えば基板301、302を透過する光(例えば赤外光)を用いて基板301、302のアライメントマークを認識する。ステージ駆動部403は、位置ずれ量測定部500により測定された位置ずれ量に基づいて、ステージ401を水平方向に移動させたり回転させたりすることにより、基板301、302の相互間の位置合わせ動作(アライメント動作)を実行する。この位置ずれ量測定部500による位置ずれ量の測定およびステージ駆動部403のアライメント動作は、いずれも制御部700の制御下において実行される。
ビーム照射部601、602は、2つの基板301、302を接合する前に、基板301、302の接合面に粒子ビームを照射するためのものである。粒子ビームとしては、例えば不活性ガス(例えばアルゴン(Ar))の高速原子ビーム(Fast Atom Beam:FABが用いられる。基板301、302の接合面にArのFABが照射されることにより、基板301、302の接合面の不純物が除去(洗浄)され接合面が活性化される。ビーム照射部601、602は、それぞれガス貯留部611、621と、供給弁613、623と、供給管612、622と、ビーム放射源614、624と、を有する。
ビーム放射源614は、図2に示すように、放電室6146と、放電室6146内に配置される電極6142と、直流電源6143と、を有する。放電室6146には、供給管612が接続され、供給管612の内部が放電室6146の内部に連通している。そして、ガス貯留部611、621から供給管612、622を通じてArガスが放電室6146内に導入される。放電室6146の周壁には、中性原子を放出するFAB放射口6146aが設けられている。放電室6146は、炭素材料から形成されている。なお、ビーム放射源624は、ビーム放射源614と同様の構成を有する。直流電源6143により、放電室6146の周壁と電極6142との間に電圧が印加されると、放電室6146内に導入されたArガスが、電界により高速運動している電子と衝突しArイオンが生成する。そして、生成されたArイオンが、放電室6146の周壁に引き寄せられる。このとき、FAB放射口6146aへ向かうArイオンは、FAB放射口6146aを通り抜ける際、FAB放射口6146aの外周部の、炭素材料から形成された放電室6146の周壁から電子を受け取る。そして、このArイオンは、電気的に中性化されたAr原子となって放電室6146外へ放出される。但し、Arイオンの一部は、放電室6146の周壁から電子を受け取ることができず、Arイオンのまま放電室6146の外へ放出される。また、ビーム放射源614、615に供給されるArガスの流量は、図1に示す供給弁613、623の開度を制御することにより調整される。
電子供給部801は、金属フィラメント811と、金属フィラメント811に電流を流すフィラメント電源812と、を有する。金属フィラメント811は、例えばタングステン製の線材から形成されている。
制御部700は、図3に示すように、MPU(Micro Processing Unit)701と、主記憶部702と、補助記憶部703と、インタフェース704と、各部を接続するバス705と、を有する。主記憶部702は、揮発性メモリから構成され、MPU701の作業領域として使用される。補助記憶部703は、不揮発性メモリから構成され、MPU701が実行するプログラムを記憶する。また、補助記憶部703は、後述する接合面活性化処理の時間、待機時間を示す情報も記憶する。インタフェース704は、圧力センサ408および位置ずれ量測定部500から入力される測定信号を測定情報に変換してバス705へ出力する。また、MPU701は、補助記憶部703が記憶するプログラムを主記憶部702に読み込んで実行することにより、インタフェース704を介して、基板加熱部421、422、ステージ駆動部403、ヘッド駆動部404、ビーム照射部601、602およびフィラメント電源812それぞれへ制御信号を出力することにより、基板加熱部421、422、ステージ駆動部403、ヘッド駆動部404、ビーム照射部601、602およびフィラメント電源812を制御する。
次に、本実施の形態に係る基板接合装置100が実行する基板接合処理について図4を参照しながら説明する。この基板接合処理は、制御部700により基板接合処理を実行するためのプログラムを起動されたことを契機として開始される。なお、図4においては、基板301,302が、基板接合装置100内に搬送され、基板301がステージ401に支持され、基板302がヘッド402に支持されているものとする。
まず、基板接合装置100は、2つの基板301、302の互いに接合される接合面にArのFABを照射して基板301、302の接合面をエッチングすることにより基板301、302の接合面を活性化させる接合面活性化処理(接合面活性化工程)を実行する(ステップS1)。ここで、基板接合装置100は、基板301、302の接合面へArのFABを照射している間、電子供給部801から基板301、302の接合面へ電子を供給し続ける。ここにおいて、基板接合装置100は、補助記憶部703が記憶する予め設定された接合面活性化処理の処理時間だけ、基板301、302の接合面にArのFABを照射し続ける。なお、基板接合装置100は、例えば基板301(302)へのArのFABの照射を行った後、基板302(301)へのArのFABの照射を行ってもよいし、基板301、302の両方へArのFABを同時に照射してもよい。
次に、基板接合装置100は、基板301、302の接合面へのArのFABの照射を停止した状態で、電子供給部801から基板301、302の接合面に電子を供給する電子供給処理(電子供給工程)を実行する(ステップS2)。
続いて、基板接合装置100は、基板301、302同士が離れた状態から基板301、302同士を近づけて、基板301、302の接合面同士を接触させる(基板移動接触工程)(ステップS3)。ここにおいて、基板接合装置100は、まず、基板302を支持したヘッド402を、基板301を支持したステージ401に近づけて両基板301、302を接近させる。次に、基板接合装置100は、両基板301、302が互いに近接した状態において、位置ずれ量測定部500により測定される位置ずれ量に基づいて、両基板301、302のアライメント動作を実行する。続いて、基板接合装置100は、ヘッド402を再びステージ401に近づけることにより、2つの基板301、302を接触させる。このとき、基板接合装置100は、電子供給部801から基板301、302の接合面へ電子を供給し続ける。
その後、基板接合装置100は、基板301、302を接合する接合処理(接合工程)を実行する(ステップS3)。ここにおいて、基板接合装置100は、基板加熱部421、422により基板301、302を加熱しながら基板301、302に圧力を加えることにより、2つの基板301、302を接合する。また、基板接合装置100は、これら一連の接合処理を実行している間、電子供給部801から基板301、302の接合面へ電子を供給し続ける。なお、アライメント動作を実行する時間は、略1minであり、この間に電子供給部801から基板301、302へ電子を供給し続けることにより、前述のステップS2の電子供給処理を省略することができる。
次に、本実施の形態に係る基板接合装置100により接合された2つの基板301、302について、接合強度を評価した結果について説明する。ここでは、本実施の形態に係る基板接合装置100(基板接合方法)により接合された2つの基板の接合強度の評価結果と、後述する比較例1、2、3に係る基板接合方法により接合された2つの基板の接合強度の評価結果について説明する。まず、比較例1、2、3に係る基板接合方法について説明する。
比較例1に係る基板接合方法では、図5(A)に示すように、接合面活性化処理が完了すると直ぐに、基板301、302を互いに近づく方向へ移動させて基板301、302の接合面同士を接触させる。その後、接合処理が実行される。そして、接合面活性化処理中、基板301、302を互いに近づく方向へ移動させて基板301、302の接合面同士を接触させる間および接合処理中の両方において、電子供給部801から基板301、302の接合面への電子照射が通常実行されない。
比較例2に係る基板接合方法では、図5(B)に示すように、比較例1に係る基板接合方法と同様に、接合面活性化処理が完了すると直ぐに、基板301、302を互いに近づく方向へ移動させて基板301、302の接合面同士を接触させる。その後、接合処理が実行される。但し、この基板接合方法では、接合面活性化処理中および基板301、302を互いに近づく方向へ移動させて基板301、302の接合面同士を接触させる間の両方において、電子供給部801から基板301、302の接合面への電子照射が実行される。そして、基板301、302の接合面同士を接触させた後、基板301、302の接合面への電子照射を停止する。
比較例3に係る基板接合方法では、図5(C)に示すように、接合面活性化処理が完了した後、基板301、302の接合面へのArのFAB照射を停止した状態で電子供給部801から基板301、302の接合面への電子照射を行う電子照射処理が実行される。電子照射処理を実行する時間△Tは、例えば1minに設定される。その後、基板301、302を互いに近づく方向へ移動させて基板301、302の接合面同士を接触させてから、接合処理が実行される。但し、この基板接合方法では、接合面活性化処理中において、電子供給部801から基板301、302の接合面への電子照射を停止し、基板301、302を互いに近づく方向へ移動させて基板301、302の接合面同士を接触させる間において、電子供給部801から基板301、302の接合面への電子照射が実行される。そして、基板301、302の接合面同士を接触させた後、基板301、302への電子照射を停止する。
一方、本実施の形態に係る基板接合方法では、図5(D)に示すように、比較例3と同様に、接合面活性化処理が完了した後、基板301、302の接合面へのArのFAB照射を停止した状態で電子供給部801から基板301、302の接合面への電子照射を行う電子照射処理が実行される。電子照射処理を実行する時間△Tは、比較例3と同様に、例えば1minに設定される。その後、基板301、302を互いに近づく方向へ移動させて基板301、302の接合面同士を接触させてから、接合処理が実行される。この基板接合方法は、例えば基板接合装置100が図4を用いて説明した前述の基板接合処理を実行することにより実現される。また、この基板接合方法では、比較例2に係る基板接合方法と同様に、接合面活性化処理中および基板301、302を互いに近づく方向へ移動させて基板301、302の接合面同士を接触させる間の両方において、電子供給部801から基板301、302の接合面への電子照射が実行される。そして、接合処理が完了すると、基板301、302への電子照射を停止する。
次に、比較例1乃至3並びに実施の形態に係る基板接合方法により互いに接合された2つの基板301、302の接合強度を評価した結果について説明する。ここでは、基板301、302として、サファイヤガラス基板またはLt基板を採用した場合について説明する。なお、基板301、302としては、表面粗さRa3nm以下のものを使用した。また、サファイヤ基板は、セラミックス基板の一種であるが、その透明なガラス基板を使用した。接合強度の評価は、接合させる基板301、302の種類と、採用した基板接合方法と、の組み合わせが互いに異なる8種類の試料1乃至試料7について行った。なお、基板301、302へのArのFABの照射時間(接合面活性化処理の時間)は、いずれの試料の場合も40secとした。また、接合面活性化処理を行う前におけるチャンバ200内の真空度は、いずれの試料の場合も5.0×10−6torrに設定した。そして、接合面活性化処理中におけるチャンバ200内の真空度は、いずれの試料の場合も5×10−1torrに設定した。また、基板301、302の接合処理は、いずれの試料の場合も、基板301、302に100Nの圧力を加えた状態で1min維持することにより行った。更に、FAB照射時におけるAr流量は、55sccm〜85sccmに設定した。8種類の試料1乃至試料7それぞれについて、接合させる基板301、302の種類と、採用した基板接合方法と、を纏めたものを以下の表1に示す。なお、表1の「接合する基板」の欄において、「基板(ヘッド)」は、ヘッド402に支持される基板302の種類を示し、「基板(ステージ)」は、ステージ401に支持される基板301の種類を示す。また、「基板接合方法」の欄において、「比較例1(2、3)」は前述の比較例1(2、3)に係る基板接合方法を採用したことを示し、「実施の形態」は前述の実施の形態に係る基板接合方法を採用したことを示す。
Figure 0006864310
また、試料1乃至試料7についての基板301、302の接合強度の評価は、ブレード挿入法を用いて接合強度を測定することにより行った。このブレード測定法では、まず、図6(A)の矢印で示すように、互いに接合された2つの基板301、302の周縁から接合部分に例えばカミソリの刃のようなブレードBLを挿入したときの基板301、302の剥離長さLを測定する。ブレードBLとしては、例えば厚さ100μmのブレードを使用する。また、図6(B)に示すように、互いに接合された2つの基板301、302の周縁部の6箇所(Pos1、Pos2、Pos3、Pos4、Pos5、Pos6)にブレードBLを挿入(図6(B)中の矢印参照)したときの剥離長さLを測定した。そして、基板301、302の周縁部の6箇所それぞれについて、剥離長さLから、基板301、302の接合界面における単位面積当たりの結合エネルギを算出することにより、基板301、302の接合強度の評価を行った。なお、算出された結合エネルギが大きいほど、基板301、302の接合強度が大きいことを示す。
試料1乃至試料7についての基板301、302の接合強度の評価結果を以下の表2並びに図7および図8に示す。なお、表2において「試料名」の欄は、前述の表1の試料1乃至試料7それぞれに対応する。また、「接合エネルギ」(接合強度)の欄の値は、図5(B)に示す2つの基板301、302の周縁部の6箇所(「Pos1」乃至「Pos6」)における結合エネルギの平均値を示している。図7および図8は、試料1乃至試料7それぞれの外観を示す写真である。
Figure 0006864310
比較例1に係る基板接合方法を採用した試料1、2の場合、結合エネルギは、0.08〜1.09J/mであるのに対して、比較例1に係る基板接合方法を採用した試料3、4の場合、結合エネルギは、1.19〜1.30J/mと試料1,2の場合に比べて高くなる。また、図7(A)および(B)に示すように、試料1、2では、基板301、302全体における接合面同士が接合していない部分の割合が約20%〜60%であった。なお、試料1、2を比べると、試料2のほうが試料1に比べて高い接合強度が得られた。これに対して、図7(C)および(D)に示すように、試料3、4では、基板301、302の接合面同士が接合していない部分がほとんど観察されなかった。この結果について、以下のように考察される。基板301、302の両方がサファイヤガラス基板またはLt基板といった電気伝導度が低い基板の場合、両基板301、302の接合面が正に帯電してしまい、基板301、302の接合面間に反発力が生じる。そして、この反発力により基板301、302同士の接合が阻害される分、基板301、302の結合エネルギが低下してしまう。一方、基板301、302のいずれか一方がサファイヤガラス基板やLt基板よりも電気伝導度が高いSi基板である場合、Si基板からなる基板302の接合面の帯電量が、サファイヤガラス基板またはLt基板からなる基板301の接合面の帯電量に比べて低いため、その分、接合面間に生じる反発力が弱まる。そして、接合面間の反発力が弱まった分、基板301、302の結合エネルギが向上したものと考えられる。また、試料2のほうが試料1に比べて高い接合強度が得られのは、Lt基板がサファイヤガラス基板よりも電気伝導度が高いことが反映されていると考えられる。
また、比較例2に係る基板接合方法を採用した試料5の場合、結合エネルギは、1.88J/mであり、試料1、2の場合の結合エネルギ(0.08〜1.09J/m)よりも高くなった。また、図8(A)に示すように、試料5では、基板301、302の接合面同士が接合していない部分がほとんど観察されなかった。この結果について、比較例2に係る基板接合方法では、接合面活性化処理中および基板301、302を互いに近づく方向へ移動させて基板301、302の接合面同士を接触させる間において、電子供給部801から基板301、302の接合面へ電子が照射される。これにより、基板301、302の接合面が電気的に中和され基板301、302の帯電量が減少し、基板301、302の接合面間に生じる反発力が弱まり、基板301、302の結合エネルギが更に向上したものと考えられる。また、試料5の場合の結合エネルギは、前述の試料3、4の場合の結合エネルギよりも高くなっている。このことから、比較例2に係る基板接合方法における、電子供給部801から基板301、302の接合面へ電子を照射することによる基板301、302の接合面の帯電量低減効果が大きいことが判る。
本実施の形態に係る基板接合方法を採用した試料6の場合、結合エネルギは、2.18J/mであり、試料5の場合の結合エネルギ(1.88J/m)よりも更に高くなった。また、図8(B)に示すように、試料5では、基板301、302の接合面同士が接合していない部分が観察されなかった。この結果から、接合面活性化処理後、基板301、302の接合面へ電子を照射する電子照射処理を行うことにより、基板301、302の接合面の帯電量を更に減少させることができると考えられる。一方、比較例3に係る基板接合方法を採用した試料7の場合、結合エネルギは、1.55J/cmであり、試料5、6の場合の結合エネルギよりも小さくなった。また、図8(C)に示すように、試料7では、試料6に比べて、基板301、302の接合面同士が接合していない部分が多く観察された。この結果から、接合面活性化処理中に、基板301、302の接合面へ電子を照射することが、基板301、302の接合面の帯電量を低減させるためには有効であることが判る。また、電子供給処理を行った方が帯電量の低減に有効であった。
また、本実施の形態に係る基板接合装置100は、図5(D)に示すように、接合面活性化処理を実行した後、接合処理を実行する前に、ArのFABの基板301、302の接合面への照射を停止した状態で基板301、302の接合面に電子を供給する電子供給処理を実行する。これにより、基板301、302の接合面に供給される電子により基板301、302の接合面が電気的に中和され基板301、302の接合面の帯電量が更に減少するので、基板301、302の接合面間に生じる反発力を更に弱めることができる。
なお、本実施の形態に係る基板接合方法を採用してサファイヤガラス基板同士を接合する場合、サファイヤガラス基板とLt基板とを接合してなる試料5の結合エネルギと略同等であった。この結果から、本実施の形態に係る基板接合方法は、Lt基板とサファイヤガラス基板とを接合する場合のみならず、サファイヤガラス基板同士を接合する場合にも適していることが判る。
このように、本実施の形態に係る基板接合方法を採用すれば、基板301、302がSi基板に比べて電気伝導度が低く絶縁体と看做せるサファイヤ基板やLt基板の場合であっても、基板301、302の接合強度(結合エネルギ)を向上させることができる。また、基板301、302の接合面同士が接合していない部分の発生を抑制することもできる。なお、ここでは、基板301、302がサファイヤ基板またはLt基板である場合について説明したが、例えば、基板301、302がLn基板、SiO基板、窒化物基板、酸窒化物基板、Si基板、ガラス基板の場合でも接合強度がアップするなど同様の結果が得られた。
以上説明したように、本実施の形態に係る基板接合装置100では、制御部700が、電子供給部801に2つの基板それぞれの接合面へ電子を供給させながら、ビーム照射部601、602に2つの基板それぞれの接合面へ粒子ビームを照射させて接合面を活性化させた後、駆動部にヘッドをステージに近づける方向へ移動させることにより2つの基板の接合面同士を接触させて2つの基板を接合する。接合面活性化工程中および接合工程中において、2つの基板301、302の接合面に電子を供給する。これにより、基板301、302の接合面に供給される電子により基板301、302の接合面が電気的に中和され基板301、302の接合面の帯電量が減少するので、2つの基板301、302それぞれの接合面間に生じる反発力が弱まる。従って、2つの基板301、302それぞれの接合面間に生じる反発力による基板301、302同士の接合の阻害が抑制されるので、基板301、302同士の接合強度を向上させることができる。
更に、本実施の形態に係る基板接合装置100では、ビーム放射源614、624から放射される粒子ビームが、ArのFAB、即ち、電気的に中性のAr原子ビームである。しかしながら、ビーム放射源614、624から放射される粒子ビームには、Arイオンが電気的に中性化されずにそのままビーム放射源614、624から放射されたArイオンが含まれる。そうすると、このArイオンを含む粒子ビームが基板301、302の接合面に照射されることに起因して基板301、302の接合面が帯電してしまう。これに対して、本実施の形態に係る基板接合装置100では、基板301、302の接合面に電子を供給することにより基板301、302の接合面の帯電が抑制されるので、基板301、302の接合面間に生じる反発力を弱めることができる。
また、本実施の形態に係る電子供給部801は、金属フィラメント811と、金属フィラメント811に電流を流すフィラメント電源812と、を有し、フィラメント電源812から金属フィラメント811へ電流を流すことにより金属フィラメント811から電子を放出する構成である。これにより、電子供給部801の構成の簡素化を図ることができる。
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、接合面活性化処理において、ArのFABとともにケイ素(Si)を、基板301、302の接合面に堆積させる構成であってもよい。
この変形例に係る基板接合装置は、例えば図9に示すように、実施の形態に係るビーム放射源614、615の代わりに、ビーム放射源614、615とは構成が異なるビーム放射源2614を備える。なお、図9において、実施の形態に係るビーム放射源614と同様の構成については、図2と同一の符号を付している。また、本変形例に係る基板接合装置は、ビーム放射源2614以外のその他の構成は実施の形態に係る基板接合装置100と同様である。
ビーム放射源2614は、放電室6146と、放電室6146内に配置される電極6142と、直流電源6143と、Siから形成され放電室6146の内側に配置されたシリコン(Si)部材6149と、を有する。なお、図9に示す例では、Si部材6149が、放電室6146の周壁のうちFAB放射口6149aが設けられた部分を除く部分の内側を覆うように配置されている例について説明しているが、Si部材6149の構成はこれに限定されない。例えば、Si部材6149は、放電室6149の内面の全部を覆っていてもよいし、放電室6149の一部(例えば図9におけるFAB放射口6149aが設けられた壁部に対向する壁部)だけを覆っていてもよい。このビーム放射源2614では、直流電源6143により、放電室6146の周壁と電極6142との間に電圧が印加されると、放電室6146内に生成されたArイオンの一部が、Si部材6149に引き寄せられる。すると、ArイオンがSi部材6149に衝突してSi部材6149がスパッタリングされ、Si部材6149を構成するSiが、放電室6146内に放出される。そして、Si部材6149から放出されたSiの一部が、FAB放射口6146aを通じて放電室6146の外へ放出される。
このようにして、ビーム粒子源2614は、ArとSiとを含むFABを基板301、302へ向けて放射する。ここで、ビーム粒子源2614から基板301、302の接合面へ供給されるSiは、基板301の接合面に付着すると同時に、ArのFABによる衝撃でエッチングされる。そして、このSiの付着速度とArのFABによるエッチング速度とのバランスを調整することにより、Siの完全な膜が生成されるほどの一定量以上のSi粒子が堆積することはなく、基板301の接合面にSiを疎らに存在させることができる。また、制御部は、基板301の接合面へのArのFABの照射並びに基板301の接合面へのSiの堆積を行うと同時に、電子供給部801を制御して、基板301の接合面へ電子を供給し続ける。
ところで、実施の形態に係る基板接合方法では、サファイヤ基板やLt基板、Ln基板のような絶縁体基板同士接合の接合において、接合界面にSiが存在しなくとも電子供給部801から基板301、302の接合面へ電子を供給することにより比較的高い接合強度で接合することができることを説明した。但し、完全なイオン結晶性を有する酸化膜または窒化膜が形成された基板やガラス等、イオン結晶性材料から形成された基板同士を接合する場合、実施の形態に係る基板接合方法では十分な接合強度が得られない虞がある。
ここで、本変形例に係る基板接合装置により接合された2つの基板301、302について、接合強度を評価した結果について説明する。ここでは、本変形例に係る基板接合装置(基板接合方法)により接合された2つの基板の接合強度の評価結果と、比較例1並びに後述する比較例4に係る基板接合方法により接合された2つの基板の接合強度の評価結果について説明する。比較例4に係る基板接合方法は、比較例1に係る基板接合方法において、基板301、302の接合面にSiを供給する基板接合方法である。本変形例に係る基板接合方法は、実施の形態に係る基板接合方法において、接合面活性化処理中に、ビーム粒子源2614から基板301、302の接合面へSiを供給する基板接合方法である。
次に、比較例1、4並びに本変形例に係る基板接合方法により互いに接合された2つの基板301、302の接合強度を評価した結果について説明する。ここでは、基板301、302として、サファイヤガラス基板、S膜が形成されたSi基板を採用した場合について説明する。接合強度の評価は、比較例1、4並びに本変形例に係る基板接合方法を採用して作製された4種類の試料1、8、9および10について行った。ここで、試料1、8および9では、基板301、302として、サファイヤガラス基板を採用し、試料11では、基板301、302としてS膜が形成されたSi基板を採用した。試料8乃至試料10についての基板301、302の接合強度の評価結果を以下の表3並びに図10に示す。なお、表3において「試料名」の欄並びに「接合強度(結合エネルギ)」の欄の値は、表2の場合と同様である。
Figure 0006864310
比較例1に係る基板接合方法を採用した試料1の場合、基板301、302同士が接合しなかった。また、比較例4に係る基板接合方法を採用した試料8の場合、結合エネルギは、1.8J/mであった。また、図10(A)に示すように、試料8は、基板301、302における接合面同士が接合していない部分が少なかった。本変形例に係る基板接合方法を採用した試料9の場合、結合エネルギは、2.10J/mであり、試料9の場合の結合エネルギ(1.8J/m)よりも更に高くなった。また、図10(B)に示すように、試料9では、基板301、302の接合面同士が接合していない部分が観察されなかった。このように、試料9では、試料8に比べて、基板301、302同士の接合強度がアップし、より良好な接合が得られた。また、接合面の帯電量が低減したことにより、接合面にパーティクルが引き寄せられることが無くなり、基板301、302の中央部のボイドが無くなっている。
また、基板301、302としてSiO酸化膜が形成されたSi基板を採用した場合において、比較例1に係る基板接合方法を採用した場合、基板301、302同士が接合しなかった。一方、本変形例に係る基板接合方法を採用した試料10の場合、図10(C)に示すように、基板301、302の接合面同士が接合していない部分が観察されなかった。更に、基板301、302としてSiC基板を採用した場合において、比較例1に係る基板接合方法を採用した場合、基板301、302同士が接合しなかった。一方、本変形例に係る基板接合方法を採用した場合、基板301、302の接合面同士が接合した。このように、本比較例に係る基板接合方法を採用することにより、基板301、302同士の接合状態が向上する傾向は、他の種類の基板(他の酸化膜が形成された基板、窒化膜が形成された基板、ガラス基板、Ln基板、SiC等の炭化物から形成された基板)においても同様に見受けられた。
以上説明した、互いに接合された2つの基板301、302の接合強度を評価した結果について以下のように考察できる。基板301、302が、前述のガラス基板、或いは、SiCなど炭化物、イオン結晶性の高い酸化膜や窒化膜が形成された基板やイオン結晶性の高い材料から形成された基板である場合、比較例1に係る基板接合方法のように、ArのFABによるエッチングするだけでは、基板301、302同士を接合できない。これは、基板301、302の接合面における原子の結合力や原子質量の差から、正、負の電荷で結合している原子うちの正負のどちらかの電荷を有しうる原子、例えば酸素原子が多くエッチングされてしまうため、界面が帯電して、反発して接合できないと考えられる。例えば、図11(A)に示すように、基板301、302の接合面にArのFABが照射されたときに、基板301、302の接合面における酸素原子がより多くエッチングされたとする。この場合、図11(B)に示すように、基板301、302の接合面は正に帯電する。そして、基板301、302の接合面の両方が正に帯電していると、基板301、302の接合面間に反発力が生じ、基板301、302の接合が阻害されてしまう。
これに対して、本変形例に係る基板接合方法では、図11(C)に示すように、基板301、302の接合面において負の電荷を有する原子が正の電荷を有する原子よりも多くエッチングされた部分にSiが供給される。これにより、基板301、302の接合面が電気的に中和され基板301、302の帯電量が減少する。従って、2つの基板301、302それぞれの接合面間に生じる反発力が弱まり、2つの基板301、302それぞれの接合面間に生じる反発力による基板301、302同士の接合の阻害が抑制されると考えられる。そして、接合強度もアップし、より良好な接合が可能となった。
本構成によれば、基板301、302の接合界面にSiが介在しない状態で基板301、302が接合された場合に比べて、基板301、302の接合強度(結合エネルギ)が向上する。また、基板301、302全体における接合面同士が接合していない部分の割合もより少なくなる。
ところで、基板301、302が、イオン結晶性の高い酸化膜や窒化膜が形成された基板やガラス、イオン結晶性の高い材料から形成された基板、或いはセラミックス基板、SiCなど炭化物である場合、前述のように、ArのFABによるエッチングするだけでは、正、負の電荷で結合しているうちの酸素原子が多くエッチングされてしまうため、接合面が帯電して反発力が生じ基板301、302同士を接合できないと考えられる。基板301、302同士を接合できない。また、基板301、302の接合面に電子を供給することにより基板301、302の接合面の帯電量を低減することができても、基板301、302を十分な接合強度で接合することが困難である。一方、基板301、302の接合面にSiを堆積させると、基板301、302を十分な接合強度で接合することができるが、電気的絶縁性が損なわれてしまう。
これに対して、本変形例に係る基板接合方法を採用した場合、基板301、302の接合面にArのFABとともにSiのFABを並行して照射することにより、基板301、302の接合界面にSiが堆積すると同時にArによりエッチングされるので、Siの堆積とArによるエッチングのバランスにより、Si膜が成膜されることはない。そして、基板301、302の接合面にSi粒子を疎らに介在させることができる。これにより、基板301、302の接合界面における電気的絶縁性を維持できる。また、基板301、302が、完全なイオン結晶性を有する酸化膜や窒化膜が形成された基板やガラス、イオン結晶性材料から形成された基板であっても、基板301、302同士を十分な接合強度で接合することができる。
実施の形態では、電子供給部801が、金属フィラメント811を有する構成について説明したが、これに限らず、例えば、電子供給部801が、負イオンを放出するイオン源を有する構成であってもよい。イオン源としては、例えば電気的に負イオンを発生させる装置やUV(Ultra Violet)光を用いて負イオンを発生させる装置を採用してもよい。本構成によっても、基板301、302の接合面が電気的に中和され基板301、302の接合面の帯電量を減少させることができる。
実施の形態では、基板接合装置100が2つの基板301、302の両方の接合面にArのFABを照射して基板301、302の接合面を活性化する接合面活性化処理を行う例について説明した。但し、これに限らず、例えば基板301、302のいずれか一方の接合面のみに対して接合面活性化処理を行う構成であってもよい。
実施の形態では、ビーム放射源614、624がFABを照射する例について説明したが、これに限らず、例えばビーム放射源614、624がイオンビームを照射する構成であってもよい。この場合、ビーム放射源614、624は、Arイオンを、陽極と陰極との間に生じる電界で加速した後、Arイオンの状態でそのまま放出する構成とすればよい。そして、Arイオンは、基板301、302の接合面に到達するまでに電子供給部801から供給される電子により電気的に中和され電気的に中性なAr原子となる。
実施の形態では、ビーム放射源614、624から放射される粒子ビームが、ArのFABである例について説明したが、不活性ガスのFABであればこれに限定されるものではない。例えば、粒子ビームが、その他の不活性ガス(クリプトン(Kr)あるいはキセノン(Xe)等)や窒素のFABであってもよい。
実施の形態では、ビーム放射源614、624が同じ場所に固定されている例について説明したが、これに限らず、例えばビーム放射源614、624を、基板301、302の接合面上においてスキャンさせることができる構成であってもよい。
実施の形態において、基板301、302として、それらの接合面に酸化物、窒化物またはガラスのうちの少なくとも1つが露出している基板を採用してもよい。例えば、基板301、302として、Si基板上に酸化物、窒化物の膜が成膜されてなる基板、或いはSiCのような炭化物またはガラスから形成された基板を採用してもよい。
或いは、実施の形態において、基板301、302として、サファイヤ基板、Lt基板またはLn基板上に金属の導電パターンが形成された基板を採用してもよい。特に前述の図9を用いて説明した変形例に係る基板接合装置で基板301、302を接合した場合、Siが、基板301、302の接合界面に疎らに存在することになる。従って、基板301、302として各接合面に導電パターンが形成された基板を使用したとしても、基板301、302の接合界面において、接合界面に存在するSiを介して導電パターンが短絡する可能性は極めて低い。
前述の変形例では、Arのビーム粒子源とSiのビーム粒子源とが同一のビーム粒子源から構成されている例について説明したが、これに限らず、例えば、Arのビーム粒子源とSiのビーム粒子源とが各別に設けられていてもよい。
本発明は、例えばSAW(Surface Acoustic Wave)フィルター、LED(Light Emitting Diode)、イメージセンサやメモリ、演算素子、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造に好適である。
100:基板接合装置、200:チャンバ、201:真空ポンプ、202:排気管、203:排気弁、301,302:基板、401:ステージ、402:ヘッド、403:ステージ駆動部、404:ヘッド駆動部、408:圧力センサ、421,422:基板加熱部、500:位置ずれ量測定部、601,602:ビーム照射部、611,621:ガス貯留部、612,622:供給管、613,623:供給弁、614,624,2614:ビーム放射源、700:制御部、701:MPU、702:主記憶部、703:補助記憶部、704:インタフェース、705:バス、801:電子供給部、811:金属フィラメント、812:フィラメント電源、6142:電極、6143:直流電源、6146:放電室、6149:Si部材

Claims (13)

  1. 2つの基板を接合する基板接合方法であって、
    前記2つの基板の互いに接合される接合面に粒子ビームを照射して前記接合面をエッチングすることにより前記接合面を活性化させる接合面活性化工程と、
    前記接合面活性化工程の後、前記2つの基板を互いに近づく方向へ移動させて前記2つの基板それぞれの接合面同士を接触させる基板移動接触工程と、
    前記基板移動接触工程の後、前記2つの基板を接合する接合工程と、を含み、
    前記接合面活性化工程後、前記基板移動接触工程までの間において、前記2つの基板の前記接合面に電子を供給する、
    基板接合方法。
  2. 2つの基板を接合する基板接合方法であって、
    前記2つの基板の互いに接合される接合面に粒子ビームを照射して前記接合面をエッチングすることにより前記接合面を活性化させる接合面活性化工程と、
    前記接合面活性化工程の後、前記2つの基板を互いに近づく方向へ移動させて前記2つの基板それぞれの接合面同士を接触させる基板移動接触工程と、
    前記基板移動接触工程の後、前記2つの基板を接合する接合工程と、を含み、
    前記接合面活性化工程中において、ビーム放射源から前記2つの基板の前記接合面にSiを供給するとともに、前記ビーム放射源とは異なる電子供給部から前記2つの基板の前記接合面に電子を供給する、
    基板接合方法。
  3. 前記接合面活性化工程の後、前記接合工程の前に、前記粒子ビームの前記基板の接合面への照射を停止した状態で前記2つの基板の前記接合面に電子を供給する電子供給工程を更に含む、
    請求項1に記載の基板接合方法。
  4. 前記粒子ビームは、不活性ガスの高速原子ビームである、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の基板接合方法。
  5. 前記2つの基板は、絶縁体から形成されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の基板接合方法。
  6. 前記2つの基板は、それぞれ、前記接合面に酸化物、窒化物、炭化物、セラミックスお
    よびガラスのうちの少なくとも1つが露出している基板である、
    請求項5に記載の基板接合方法。
  7. 前記2つの基板は、それぞれ、サファイヤ基板、タンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板のいずれかである、
    請求項6に記載の基板接合方法。
  8. 前記2つの基板の少なくとも一方は、導電パターンが形成された絶縁体基板である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の基板接合方法。
  9. 2つの基板を接合する基板接合装置であって、
    前記2つの基板のいずれか一方を支持するヘッドと、
    前記2つの基板の他方を支持するステージと、
    前記ヘッドを前記ステージに近づける方向または前記ステージから遠ざかる方向へ移動させるヘッド駆動部と、
    前記2つの基板の互いに接合される接合面に粒子ビームを照射するビーム放射源と、
    前記接合面へ電子を供給する電子供給部と、
    記ビーム放射源を制御して、前記接合面へ粒子ビームを照射して前記接合面を活性化させた後、前記電子供給部を制御して、前記接合面へ電子を供給しながら、前記ヘッド駆動部を制御して、前記ヘッドを前記ステージに近づける方向へ移動させることにより前記2つの基板の前記接合面同士を接触させてから前記2つの基板に圧力を加えることにより前記2つの基板を接合する制御部と、を備える、
    基板接合装置。
  10. 前記電子供給部は、
    金属フィラメントと、
    前記金属フィラメントに電流を流すフィラメント電源と、を有する、
    請求項9に記載の基板接合装置。
  11. 前記電子供給部は、負イオンを放出するイオン源を有する、
    請求項9に記載の基板接合装置。
  12. 前記ビーム放射源は、更に、前記接合面にSiの粒子ビームを照射する、
    請求項9から11のいずれか1項に記載の基板接合装置。
  13. 2つの基板を接合する基板接合装置であって、
    前記2つの基板のいずれか一方を支持するヘッドと、
    前記2つの基板の他方を支持するステージと、
    前記ヘッドを前記ステージに近づける方向または前記ステージから遠ざかる方向へ移動させるヘッド駆動部と、
    前記2つの基板の互いに接合される接合面にSiを含む粒子ビームを照射するビーム放射源と、
    前記接合面へ電子を供給する電子供給部と、
    前記電子供給部を制御して、前記接合面へ電子を供給しながら、前記ビーム放射源を制御して、前記接合面へSiを含む粒子ビームを照射して前記接合面を活性化させるとともに前記接合面にSiを供給した後、前記ヘッド駆動部を制御して、前記ヘッドを前記ステージに近づける方向へ移動させることにより前記2つの基板の前記接合面同士を接触させてから前記2つの基板に圧力を加えることにより前記2つの基板を接合する制御部と、を備える、
    基板接合装置。
JP2016213889A 2016-10-31 2016-10-31 基板接合方法および基板接合装置 Active JP6864310B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016213889A JP6864310B2 (ja) 2016-10-31 2016-10-31 基板接合方法および基板接合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016213889A JP6864310B2 (ja) 2016-10-31 2016-10-31 基板接合方法および基板接合装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018074050A JP2018074050A (ja) 2018-05-10
JP6864310B2 true JP6864310B2 (ja) 2021-04-28

Family

ID=62114201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016213889A Active JP6864310B2 (ja) 2016-10-31 2016-10-31 基板接合方法および基板接合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6864310B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022158563A1 (ja) * 2021-01-21 2022-07-28 ボンドテック株式会社 接合方法、接合装置および接合システム
WO2022158520A1 (ja) * 2021-01-21 2022-07-28 ボンドテック株式会社 接合方法、接合装置および接合システム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103460339B (zh) * 2011-01-31 2017-05-31 须贺唯知 接合面制作方法、接合基板、基板接合方法、接合面制作装置以及基板接合体
US9870922B2 (en) * 2014-04-25 2018-01-16 Tadatomo Suga Substrate bonding apparatus and substrate bonding method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018074050A (ja) 2018-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6448848B2 (ja) 基板接合方法
JP6617227B2 (ja) 基板接合装置および基板接合方法
JP4695014B2 (ja) 接合方法及びこの方法により作成されるデバイス並びに接合装置
JP6122297B2 (ja) 接合基板作成方法、基板接合方法、及び接合基板作成装置
WO2018084285A1 (ja) 基板接合方法、基板接合システムおよび親水化処理装置の制御方法
JP6163689B2 (ja) 接合基板作製方法、基板接合方法、及び接合基板作製装置
US9962908B2 (en) Method for bonding polymer film and polymer film, method for bonding polymer film and inorganic material substrate, polymer film laminate, and laminate of polymer film and inorganic material substrate
JP2005294800A (ja) 接合方法及びこの方法により作成されるデバイス並びに表面活性化装置及びこの装置を備えた接合装置
JP2006339363A (ja) 表面活性化方法および表面活性化装置
US20070110917A1 (en) Bonding method, device formed by such method, surface activating unit and bonding apparatus comprising such unit
JP6864310B2 (ja) 基板接合方法および基板接合装置
JP3820409B2 (ja) 接合方法及びこの方法により作成されるデバイス並びに接合装置
JP2005191556A (ja) ガス封入金接合方法及び装置
WO2022158520A1 (ja) 接合方法、接合装置および接合システム
JP2007137690A (ja) 炭素フォイルのビルドアップ抑制方法、炭素フォイル及び炭素フォイルのビルドアップ抑制装置
JP7440047B2 (ja) 基板接合方法および基板接合システム
JP7495175B2 (ja) 接合装置および接合方法
JP2006073780A (ja) 常温接合方法と装置及びデバイス
WO2024147351A1 (ja) 接合方法、接合システム、照射装置および活性化処理装置
JP6067210B2 (ja) プラズマ処理装置
WO2022158563A1 (ja) 接合方法、接合装置および接合システム
JP6174210B2 (ja) 載置台およびプラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6864310

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250