JP6863720B2 - 送電装置、受電装置及びワイヤレス電力伝送システム - Google Patents

送電装置、受電装置及びワイヤレス電力伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、非接触(ワイヤレス)で電力を送電する送電装置、受電装置及びワイヤレス電力伝送システムに関する。
近年、無線端末装置、ウェアラブル機器や電気自動車等への電力供給に際して、非接触で電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムが用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
ワイヤレス電力伝送方式として、100kHz程度の交流磁界を用いたQi方式が実用化されている。Qi方式においては、送電コイルと受電コイルは比較的密な結合を保つ仕様であるが、例えば、ISM(Industrial, Scientific and Medical)バンド(例えば、13.56MHz)の交流磁界を用いたワイヤレス電力伝送方式は、送電コイル及び受電コイル間の相対的位置関係や、コイル間距離に対する自由度が大きいことが利点として期待されている。
特開2011−142748号公報 特開2013−243882号公報
上記したように、高い周波数(例えば、数100kHz以上)の交流磁界を用いたワイヤレス電力伝送方式においては、送電コイル及び受電コイル間の結合係数の変動を許容する必要がある。例えば、コイル間の位置関係の変動による結合係数の変化や負荷の変動があると、受電電力が大きく変動する問題があった。
受電電力が不足する場合には送電電力を増加させ、受電電力が過剰である場合には送電電力を減少させることで変動に対処することができるが、送電駆動回路として大きな電力供給能力が必要となり、装置コストが増加し、また電力損失が大きいという問題があった。
また、伝送距離を延ばすため、コイル部の電圧振幅は数十ボルトと大きく、マルチコイル方式によりコイルをスイッチで切り替えて変動に対して対処することは困難という問題があった。特に、送電回路を集積回路として実現する場合に、集積回路内部の素子により扱える電圧が10ボルト程度以下であることが問題となる。また、受電側では伝送された電力の一部を伝送制御に関わる通信処理や信号処理に用いるため、スイッチによる切り替えによる電力途絶は許容できないという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためなされたものであり、送電及び受電コイル間の結合係数の変動や、負荷の変動に対しても効率よく電力伝送を行うことが可能なワイヤレス送電装置、受電装置及びワイヤレス電力伝送システムを提供することを目的とする。
本発明に係る送電装置は、送電コイルを駆動し、受電コイルを有する受電装置に非接触で電力を送電する送電装置であって、
上記送電コイルに接続され得るように構成された可変容量回路を有し、送電コイルを駆動する駆動回路と、
上記送電コイルに接続され得る可変容量回路を有し、送電コイルを駆動する駆動回路と、
駆動回路の駆動電流を測定する駆動電流測定回路と、
上記駆動電流の測定値を受電装置に送信し、上記測定値の送信に応答して受電装置から受信したキャパシタンス変更信号に基づいて可変容量回路のキャパシタンスを変更する送電制御回路と、を有し、
前記キャパシタンス変更信号は、前記送電コイル及び前記受電コイル間の結合係数の増減を示す結合係数変動信号を含み、
前記送電制御回路は、前記結合係数変動信号に基づいて前記可変容量回路のキャパシタンスを変更することを特徴とする。
また、本発明に係る受電装置は、送電コイルを駆動する駆動回路を有する送電装置から非接触で受電コイルを介して電力を受電する受電装置であって、
上記受電コイルに接続され得るように構成された可変容量回路と、
可変容量回路のキャパシタンスを変更し得る受電制御回路と、
可変容量回路を介して伝達された電力により駆動される負荷への印加電圧又は電流を測定する電圧電流測定回路と、
送電コイルの駆動電流の変動を表す駆動電流変動信号を送電装置から受信する受信回路と、を有し、
受電制御回路は、電圧電流測定回路の測定値及び駆動電流変動信号に基づいて、上記負荷の負荷抵抗の変動の発生及び送電コイル及び受電コイル間の結合係数の変動の発生を判定する判定回路を有することを特徴とする。
また、本発明に係るワイヤレス電力伝送システムは、送電コイルを有する送電装置から受電コイルを有する受電装置に非接触で電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムであって、
送電装置は、
送電コイルに接続された送電可変容量回路を有し、送電コイルを駆動する駆動回路と、
駆動回路の駆動電流を測定する駆動電流測定回路と、
受電装置との間で信号の送受信を行う送電通信回路と、
送電可変容量回路のキャパシタンスを変更し得る送電制御回路と、を有し、
受電装置は、
受電コイルに接続された受電可変容量回路と、
受電可変容量回路のキャパシタンスを変更し得る受電制御回路と、
受電可変容量回路を介して電力を受電する負荷への印加電圧又は電流を測定する電圧電流測定回路と、
送電装置との間で信号の送受信を行う受電通信回路と、を有し、
送電制御回路及び受電制御回路のうちいずれか1つは電圧電流測定回路の測定信号及び駆動回路の駆動電流信号に基づいて、上記負荷の負荷抵抗の変動の発生及び送電コイル及び受電コイル間の結合係数の変動の発生を判定する判定回路を有し、
判定回路が結合係数の変動の発生を判定した場合、送電制御回路は判定回路の判定結果に基づいて送電可変容量回路のキャパシタンスを変更する、ことを特徴とする
本発明によれば、送電及び受電コイル間の結合係数の変動や、負荷の変動に対しても効率よく電力伝送を行うことが可能なワイヤレス送電装置、受電装置及びワイヤレス電力伝送システムを提供することが可能となる。
本発明のワイヤレス電力伝送システムの構成を模式的に示す図である。 送電コイルL1と受電コイルL2の結合係数kとコイル間距離DLとの関係を示すグラフである。 交流信号源12の回路例を示す回路図である。 結合係数kの最適値をパラメータとして、結合係数kの変化に対する受電電力Prの変化を示すグラフである。 負荷抵抗の最適値をパラメータとして、負荷抵抗を変化させたときの受電電力の変化を示すグラフである。 送電装置11の回路図、特に可変容量回路14及び受電装置21の可変容量回路22の構成の具体例を示す回路図である。 送電装置11の可変容量回路14又は受電装置21の可変容量回路22の構成の変形例を説明するための回路図である。 送電装置11の可変容量回路14又は受電装置21の可変容量回路22の構成の変形例を説明するための回路図である。 実施例1のワイヤレス電力伝送システム10の送電装置11及び受電装置21の制御シーケンスを示す図である。 実施例2のワイヤレス電力伝送システム10の制御シーケンスを示す図である。
以下に、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明するが、これらを適宜改変し、組合せてもよい。また、以下の説明及び添付の図面において、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符を付して説明する。
図1は、本実施例のワイヤレス電力伝送システム(以下、単に電力伝送システムとも称する)10の構成を模式的に示す図である。ワイヤレス電力伝送システム10は、ワイヤレス送電装置11及びワイヤレス受電装置21を有する(以下、単に送電装置11、受電装置21とも称する)。
送電装置11は、交流信号源12、送電側可変容量回路(以下、単に可変容量回路という)14、電流測定回路15、送電制御回路16及び送電コイルL1を有する。交流信号源12及び可変容量回路14は駆動回路として機能し、送電コイルL1は当該駆動回路からの駆動信号によって駆動される。電流測定回路15は送電コイルL1に流れる駆動電流に応じた信号を生成し、測定値として出力する。
可変容量回路14は、送電コイルL1に直列に接続された直列可変容量回路14S及び送電コイルL1に並列に接続された並列可変容量回路14Pを有する。直列可変容量回路14S及び並列可変容量回路14Pのキャパシタンスは送電制御回路16からのキャパシタンス制御信号STによって変更され得る。
送電制御回路16には、結合係数k及びコイル間距離DL、負荷インピーダンス等と伝送電力との関係、結合係数k及び負荷インピーダンスの最適化パラメータと各最適化パラメータに対応する可変容量回路14の設定値を表すテーブルなどを格納するメモリ16Aが設けられていてもよい。
受電装置21は、受電コイルL2、受電側可変容量回路(以下、単に可変容量回路という)22、整流回路24、電圧電流測定回路25及び受電制御回路26を有する。受電コイルL2によって受電された電力は整流回路24によって整流され、出力端子OPに接続された負荷29(負荷抵抗RL)に供給される。電圧電流測定回路25は、可変容量回路22を介して伝達された電力により駆動される負荷29に印加される電圧、電流あるいは電力に応じた信号を生成し、測定値として出力する。
受電制御回路26には、電圧電流測定回路25の測定値に基づいて、受電電力が所要電力範囲内であるか否かを判定する判定回路が設けられている。
受電制御回路26には、結合係数k及びコイル間距離DL、負荷インピーダンス等と伝送電力との関係、結合係数k及び負荷インピーダンスの最適化パラメータと各最適化パラメータに対応する可変容量回路22の設定値を表すテーブルなどを格納するメモリ26Aが設けられていてもよい。
可変容量回路22は、受電コイルL2に直列に接続された直列可変容量回路22S及び受電コイルL2に並列に接続された並列可変容量回路22Pを有する。直列可変容量回路22S及び並列可変容量回路22Pのキャパシタンスは受電制御回路26からのキャパシタンス制御信号SRによって変更され得る。
なお、本明細書において、電流測定回路15や、電圧電流測定回路25の測定値とは電流や電圧の具体的な測定値に限らず、電流値や電圧値を示す信号、電流値や電圧値の変化(差分)を示す信号など電流値や電圧値に対応した信号であればよい。
送電制御回路16及び受電制御回路26は、送電コイルL1と受電コイルLとの2間において、例えば13.56MHzの電磁波を利用した近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)の規格に準じた双方向通信を行う通信回路を有するように構成されている。送電制御回路16及び受電制御回路26は、例えば情報パケットの送受信により通信を行う。
例えば、当該情報パケットとして、電力伝送の設定に関する情報パケット(電力伝送パケット)、並びに電力伝送パケット以外の通常の情報パケット(通常パケット)の送受信を行う。例えば、送電制御回路16は、電力伝送パケットとして、受電装置21の負荷状況(例えばバッテリ状況)を問い合わせる状況確認パケットを送信する。また、送電制御回路16は、状況確認パケットに応答して受電装置21から送信された、受電装置21における負荷状況を示す状況パラメータ(例えば、受電電力、バッテリの充電率等)と、受電装置21が送電を要求する電力量及び送電時間(単位送電時間)を示す要求パラメータを受信する。
なお、送電制御回路16は、単位送電時間の送電が終わる毎に、受電装置21に状況確認パケットを送信する。これにより、状況確認パケット、状況パラメータ及び要求パラメータ等の情報の送受信と電力伝送とが交互に時分割によって行われる。
送電装置11において、交流信号源12は、例えば13.56MHzの交流信号を生成し、送電側のキャパシタ回路網である可変容量回路14によってインピーダンス変換が行われ、送電コイルL1に交流電流が流れることによって交流磁界が生成される。
送電コイルL1によって生成される交流磁界は受電コイルL2に結合し、電磁誘導現象による起電力が発生して受電コイルL2に交流電流が流れる。受電コイルL2の交流電流は、受電側のキャパシタ回路網である可変容量回路22によってインピーダンス変換が行われ、整流回路24によって直流電力に変換され、負荷29に供給される。以下に数値例を用いて具体的に説明する。
交流信号周波数を13.56MHzとし、送電コイルL1の最外径を24.5mm、 インダクタンスを0.207マイクロヘンリー(μH)、 巻線抵抗1.405Ωとする。また、受電コイルL2の最外径を24.7mm、 インダクタンスを0.861μH、 巻線抵抗1.283Ωとする。
図2は、送電コイルL1と受電コイルL2の結合係数kとコイル間距離DLとの関係を示すグラフである。コイル間距離DLが0mmから10mmまで変化すると結合係数kは0.75から0.1まで低下することがわかる。
なお 送電コイルL1のインダクタンスをLtx、受電コイルL2のインダクタンスをLrxとすると、2つのコイルの相互インダクタンスMは以下のようになる。
M=k(Ltx×Lrx)1/2
そして、この相互インダクタンスMの交流信号周波数fにおけるリアクタンス値RMは、RM=2πfMである。例えば、f=13.56MHz、M=0.1μHのとき、RM=8.52Ωとなる。
相互インダクタンスのリアクタンス値RMに対し、受電側では受電コイルL2(インダクタンス:Lrx)と可変容量回路22の直列可変容量回路22S(キャパシタンス:Crxs)及び並列可変容量回路22P(キャパシタンス:Crxp)とによって負荷29(負荷抵抗RL)にインピーダンス整合し、送電側では送電コイルL1(インダクタンス:Ltx)と可変容量回路14の直列可変容量回路14S(キャパシタンス:Ctxs)及び並列可変容量回路14P(キャパシタンス:Ctxp)とによって交流信号源12(駆動回路インピーダンス:Ztx)に整合することで送電電力を最適化することができる。
図3は、交流信号源12の回路例を示す回路図である。交流信号源12は、スイッチング素子等で構成される交流電圧源Vsと駆動インピーダンスZs、スイッチングに伴う雑音を抑制する2つのローパスフィルタ(Llf1とClf1、Llf2とClf2)から構成されている。
以下に、受電電力について数値例を用いて具体的に説明する。以下の説明において、交流信号源12について、例えば、Vs=3.5Vrms、Zs=10Ω、Llf1=Llf2=0.1μH、Clf1=Clf2=680pF(ピコファラッド)とする。なお、以下の説明では、整流回路24と電圧電流測定回路25によるインピーダンスへの影響は十分小さいと仮定している。必要であれば、整流回路等の損失分を見込んで抵抗RLを補正(例えば、250Ωを260Ωに補正)すればよい。
図4は、結合係数kの最適値をパラメータとして、結合係数kの変化に対する受電電力Prの変化を示すグラフである。詳細には、負荷29の抵抗RL=250Ωとし、結合係数kが0.1から0.7まで変化したときの受電電力Prの変化を示している。また、結合係数kを0.1,0.3及び0.7で最適化した3つの場合について示している。
具体的には、結合係数kのそれぞれの場合における、送電装置11の可変容量回路14の直列キャパシタンス(Ctxs)及び並列キャパシタンス(Ctxp)、及び受電装置21の可変容量回路22の直列キャパシタンス(Crxs)及び並列キャパシタンス(Crxp)は、以下の通りである。すなわち、結合係数kの3つの最適化設定値(パラメータ)と当該設定値に対応するキャパシタンスの設定値について示している。
(a1)k=0.1で最適化:
Ctxs=340pF、Ctxp=450pF、Crxs=17pF、Crxp=145pF
(a2)k=0.3で最適化:
Ctxs=450pF、Ctxp=310pF、Crxs=40pF、Crxp=135pF
(a3)k=0.7で最適化:
Ctxs=1000pF、Ctxp=370pF、Crxs=500pF、Crxp=140pF
すなわち、これら4つのキャパシタンス(Ctxs,Ctxp,Crxs,Crxp)を変更することによって受電電力Prを調整、最適化できることがわかる。例えば、「k=0.3で最適化」のキャパシタンスを設定することにより、結合係数k=0.2から0.7までの範囲で150mW以上を受電できることがわかる。図2を参照すると、この範囲は、コイル間距離DLが1mmから6mmまでに対応することがわかる。
図5は、負荷抵抗の最適値をパラメータとして、負荷抵抗を変化させたときの受電電力の変化を示すグラフである。より詳細には、結合係数k=0.3とし、負荷29の負荷抵抗RLが100Ωから500Ωまで変化したときの受電電力Prの変化を示している。また、負荷抵抗RLを100Ω,250Ω及び500Ωで最適化した3つの場合について示している。すなわち、負荷抵抗RLの3つの最適化設定値(パラメータ)と当該設定値に対応するキャパシタンスの設定値について示している。
これらの場合における、4つのキャパシタンス、すなわち、送電装置11の可変容量回路14のキャパシタンス(Ctxs,Ctxp)及び受電装置21の可変容量回路22のキャパシタンス(Crxs,Crxp)は、以下の通りである。
(b1)RL=100Ωで最適化:
Ctxs=450pF、Ctxp=310pF、Crxs=54pF、Crxp=113pF
(b2)RL=250Ωで最適化:
Ctxs=450pF、Ctxp=310pF、Crxs=40pF、Crxp=135pF
(b3)RL=500Ωで最適化:
Ctxs=450pF、Ctxp=310pF、Crxs=57pF、Crxp=149pF
すなわち、上記4つのキャパシタンスのうち、2つのキャパシタンス(Crxs,Crxp)、すなわち受電装置21のキャパシタンス値を変更することによって受電電力Prを調整、最適化できることがわかる。例えば、「RL=250Ωで最適化」のキャパシタンス値を設定することにより、負荷抵抗RLが100Ωから500Ωまでの範囲で200mW以上を受電できることがわかる。
図6は、図1に示す送電装置11の回路図、特に可変容量回路14及び受電装置21の可変容量回路22の構成の具体例を示す回路図である。
送電装置11の可変容量回路14は、例えば、送電コイルL1に直列に接続されたキャパシタCts及び送電コイルL1に並列に接続されたキャパシタCtpを有する。なお、説明の簡便さのため、本明細書において、キャパシタとそのキャパシタンスについて、同一の符号を用いて説明する場合がある。例えば、キャパシタCtsについて、そのキャパシタンスについてもCtsとして説明する。
また、可変容量回路14は、スイッチング・トランジスタTt1a,Tt1bによってキャパシタCtsに並列に接続され得るキャパシタCt1と、スイッチング・トランジスタTt2,Tt3によって、キャパシタCtpに並列に接続され得るキャパシタCt2,Ct3が設けられている。スイッチング・トランジスタTt1a,Tt1b,Tt2,Tt3はスイッチング回路を構成している。
スイッチング・トランジスタTt1a,Tt1b,Tt2,Tt3には、送電制御回路16からのキャパシタンス制御信号ST(STs,STp)が供給される。すなわち、送電コイルL1に接続される直列キャパシタのキャパシタンスは、キャパシタンス制御信号STsによって変更され、送電コイルL1に接続される並列キャパシタのキャパシタンスは、キャパシタンス制御信号STpによって変更され得るように構成されている。
また、同様に、受電装置21の可変容量回路22は、例えば、受電コイルL2に直列に接続されたキャパシタCrs及び受電コイルL2に並列に接続されたキャパシタCrpを有する。また、可変容量回路22は、スイッチング・トランジスタTr1a,Tr1bによってキャパシタCrsに並列に接続され得るキャパシタCr1と、スイッチング・トランジスタTr2,Tr3によって、キャパシタCrpに並列に接続され得るキャパシタCr2,Cr3が設けられている。スイッチング・トランジスタTr1a,Tr1b,Tr2,Tr3はスイッチング回路を構成している。
スイッチング・トランジスタTr1a,Tr1b,Tr2,Tr3には、受電制御回路26からのキャパシタンス制御信号SR(SRs,SRp)が供給される。すなわち、受電コイルL2に接続される直列キャパシタのキャパシタンスは、キャパシタンス制御信号SRsによって変更され、受電コイルL2に接続される並列キャパシタのキャパシタンスは、キャパシタンス制御信号SRpによって変更され得るように構成されている。
なお、上記した回路構成は可変容量回路14及び可変容量回路22の一例に過ぎない。可変容量回路14及び可変容量回路22として、送電コイルL1及び受電コイルL2に接続される直列及び/又は並列キャパシタンスを変更してインピーダンス整合を行う種々の回路構成を用いることができる。
また、結合係数kの最適化のパラメータについて3つの場合(k=0.1、0.3、0.7)について例示したが、複数の結合係数kをパラメータとして変更するように構成されていればよい。同様に、負荷抵抗RLの最適化のパラメータについて3つの場合について例示したが、複数の負荷抵抗RLをパラメータとして変更するように構成されていればよい。
[可変容量回路の変形例]
図7A及び図7Bは、送電装置11の可変容量回路14又は受電装置21の可変容量回路22の構成の変形例を説明するための回路図である。より詳細には、可変容量回路14において、スイッチング回路によって付加(接続)され得るキャパシタ(例えば、図6に示すCt1、Ct2、Ct3)、及び可変容量回路22において、スイッチング回路によって付加(接続)され得るキャパシタ(例えば、図6に示すCr1、Cr2、Cr3)に、スイッチング回路のスイッチング・トランジスタのスイッチングを緩慢にするスイッチング緩慢回路が設けられる場合の回路を模式的に示している。
例えば、図7Aは、例えばスイッチング・トランジスタTt3又はTr3によって送電装置11の駆動ライン14A又は受電装置21の受電ライン22Aに接続又は切断される、それぞれキャパシタCt3又はCr3を示している。スイッチング・トランジスタ(MOS:Metal Oxide Semiconductor)Tt3又はTr3のゲートには、抵抗Rm及びキャパシタCmからなる時定数回路(積分回路)が設けられ、ゲートに供給されるキャパシタンス制御信号STp又はSRp(ゲート電圧)の変化を緩慢にする。すなわち、抵抗Rm及びキャパシタCmからなる積分回路がスイッチング緩慢回路32として機能する。
また、例えば、図7Bは、駆動ライン14A又は受電ライン22Aと接地電位(GND)との間に並列に接続され得る複数のキャパシタCp1,Cp2,Cp3及びこれらのキャパシタのそれぞれの接続/切断切り替えをなすスイッチング・トランジスタTp1,Tp2,Tp3及び抵抗Rm1,Rm2,Rm3が設けられている。
すなわち、スイッチング・トランジスタTp1,Tp2,Tp3及び抵抗Rm1,Rm2,Rm3がスイッチング緩慢回路32として機能する。具体的には、直列に接続された抵抗Rm1,Rm2,Rm3による電圧分割によって電位差が与えられた電圧が各スイッチング・トランジスタのゲートに供給され、スイッチング・トランジスタTp1,Tp2,Tp3が順次ターンオンしていくことによりスイッチング、すなわちキャパシタンス変化が緩慢となる。
図7A及び図7Bは、スイッチング緩慢回路の一例を示すに過ぎない。スイッチング回路によって付加されるキャパシタによるキャパシタンス変化が緩慢となるような回路構成であれば良い。例えば、上記した実施例では、スイッチング緩慢回路がアナログ回路で構成された場合を例に説明したが、デジタル回路によって構成されていても良い。
可変容量回路のキャパシタンス変化を緩慢とするスイッチング緩慢回路を設けることにより、電力伝送の急激な変化を抑制することができ、安定な電力伝送が可能な送電装置及び受電装置を提供することができる。
[ワイヤレス電力伝送システム10の動作]
図8は、ワイヤレス電力伝送システム10の制御シーケンスを示す図である。より詳細には、ワイヤレス電力伝送システム10の送電装置11及び受電装置21は、それぞれ図6に示すシーケンスに従い、制御を実行する。なお、かかる制御は、送電装置11の送電制御回路16及び受電装置21の受電制御回路26によってなされる。
まず、送電装置11において、装置の起動、受電装置21との通信が行われる(ステップT11)。送電装置11からの電力供給及びクロック信号の供給により(ステップR11)、受電装置21の起動、送電装置11との間のメッセージの通信が行われる。
以下においては、結合係数k=0.3及び負荷抵抗RL=250Ωで最適化された初期状態(上記(a2)及び(b2))で動作が開始された場合について説明する。すなわち、上記したように、送電装置11の可変容量回路14の直列及び並列キャパシタンスが、それぞれCtxs=450pF、Ctxp=310pFであり、受電装置21の可変容量回路22の直列及び並列キャパシタンスが、それぞれCrxs=40pF、Crxp=135pFであるように設定されている(ステップT11、R11)。
次に、送電装置11によって送電が開始され(ステップT12)、電力が受電装置21によって受電される(ステップR12)。
受電制御回路26は、受電を継続するか否かを判定する(ステップR13)。受電を継続しないと判定された場合、送電の停止を要求する信号を送電装置11の送電制御回路16に送信する(ステップR23)。送電制御回路16は当該送電停止要求に応答して送電を停止し、(ステップT16)、制御シーケンスを終了する。
ステップR13において受電を継続すると判定された場合、受電装置21の受電制御回路26は、電圧電流測定回路25の測定値に基づいて、受電電力が所要電力範囲内であるか否かを判定する(ステップR14)。所要電力範囲内であると判定された場合、受電を継続する(ステップR12)。
変動が所要電力範囲内ではないと判定された場合、受電制御回路26は、電圧電流測定回路25の測定値に基づいて、受電側の負荷抵抗RLの変動を判定する(ステップR15)。ステップR15において負荷抵抗RLが所定値以上変動しなかったと判定された場合はステップR17に進む。
負荷抵抗RLが所定値以上変動したと判定された場合には、受電装置21の可変容量回路22のキャパシタンスを変更する(ステップR16)。
受電制御回路26は、負荷抵抗RLの変動に基づいて、最適化設定値の変更を判定した場合、当該最適化設定値に対応する可変容量回路22の設定値を、例えばメモリ26Aに格納されたテーブルから読み出し、当該テーブルに基づいて可変容量回路22のキャパシタンスを変更する。
具体的には、例えば、負荷抵抗RLが減少し(例えば、電圧電流測定回路25により電圧低下あるいは電流増加を測定)、現在の負荷抵抗RLの最適化設定値(ここでは、RL=250Ω)よりも小なる負荷抵抗RLでの最適化への変更を判定した場合には、受電装置21の可変容量回路22のキャパシタンスを変更(ここでは、「(b1)RL=100Ωで最適化」のキャパシタンスへ変更)する。
すなわち、「(b1)RL=100Ωで最適化」への変更を判定した場合には、可変容量回路22の直列及び並列キャパシタンスがCrxs=54pF、Crxp=113pFとなるように切り替える。あるいは、負荷抵抗RLが増加し、「(b3)RL=500Ωで最適化」への変更を判定した場合には、可変容量回路22の直列及び並列キャパシタンスがCrxs=57pF、Crxp=149pFとなるように切り替える。これにより受電電力を確保することができる。
次に、受電制御回路26は、電圧電流測定回路25の測定値に基づいて、受電電力が所要電力範囲内であるか否かを判定する(ステップR17)。ステップR17において所要電力範囲内であると判定された場合は、受電を継続する(ステップR12)。
ステップR17において受電電力が所要電力範囲内ではないと判定された場合、受電装置21の受電制御回路26は、送電装置11の電流測定回路15により測定された送電コイルL1の駆動電流を表す信号(駆動電流変動信号、又は単に駆動電流信号という)を、送電装置11の送電制御回路16から受信する(ステップT13、ステップR18)。
受電制御回路26は、送電制御回路16から受信した駆動電流信号と、受電装置21の電圧電流測定回路25の測定値に基づいて、結合係数kが所定値以上変動したか否かを判定する(ステップR19)。送電コイルL1の駆動電流の変動及び受電装置21の電圧電流測定回路25の測定値に基づいて、結合係数kが所定値以上変動しなかったと判定された場合は、受電を継続する(ステップR12)。
一方、結合係数kが所定値以上変動したと判定した場合には、受電制御回路26は、
可変容量回路22のキャパシタンスを変更し、送電装置11に対して送電装置11の可変容量回路14のキャパシタンス変更要求信号を送信する(ステップR20)。当該キャパシタンス変更要求には結合係数kの増減又は増減量を表す信号が含まれていてもよい。あるいは、結合係数kの最適化設定値の変更値を表す信号が含まれていてもよい。
送電装置11の送電制御回路16は、受電制御回路26からのキャパシタンス変更要求信号に応答して、送電装置11の可変容量回路14のキャパシタンスを変更する(ステップT14)。
具体的には、例えば、上記の場合(ステップT11、R11)と同様に、結合係数k=0.3及び負荷抵抗RL=250Ωで最適化された状態(上記(a2)及び(b2))において、結合係数kが所定値以上減少したと判定された場合について説明する。すなわち、送電装置11の可変容量回路14の直列及び並列キャパシタンスが、それぞれCtxs=450pF、Ctxp=310pFであり、受電装置21の可変容量回路22の直列及び並列キャパシタンスが、それぞれCrxs=40pF、Crxp=135pFであるように設定されている。
ステップR19において結合係数kが所定値以上減少したと判定された場合、現在の結合係数kの設定値(k=0.3)よりも小なる結合係数kでの最適化(例えば、「(a1)k=0.1で最適化」)に変更される。すなわち、送電装置11の可変容量回路14のキャパシタンスが、Ctxs=340pF、Ctxp=450pFとなるように切り替えられ、受電装置21の可変容量回路22のキャパシタンスが、Crxs=17pF、Crxp=145pFとなるように切り替えられる(ステップT14、R20)。
あるいは、結合係数kが所定値以上増加したと判定された場合は、現在の結合係数kの設定値(k=0.3)よりも大なる結合係数kでの最適化(例えば、「(a3)k=0.7で最適化」)に示したキャパシタンスとなるように、上記4つのキャパシタンスを変更する。
すなわち、結合係数kが変動し、インピーダンス整合を行う場合には、送電装置11の可変容量回路14及び受電装置21の可変容量回路22の両者のキャパシタンスが変更される。これにより所要受電電力を確保することができる。
なお、上記した負荷抵抗RL及び結合係数kの設定値と可変容量回路14及び可変容量回路22のキャパシタンスの設定値等は例えばテーブルとして、送電制御回路16又は受電制御回路26に備えられたメモリ16A、26Aに格納され、送電制御回路16又は受電制御回路26が、当該テーブルを参照して負荷抵抗RLの変動の判定、結合係数kの変動の判定を行い、キャパシタンスの変更を行うように構成されていてもよい。
また、送電制御回路16又は受電制御回路26は、結合係数kの増減量等に応じて結合係数kの最適な設定値を判定し、又はテーブルから選択し、あるいは結合係数kの最適な設定値を両回路間で送受信し、結合係数kの当該最適化設定値に対応したキャパシタンスに変更するように構成されていてもよい。
送電装置11の可変容量回路14のキャパシタンスを変更(ステップT14)した後、受電制御回路26は、電圧電流測定回路25の測定値に基づいて、受電電力が所要電力範囲内であるか否かを判定する(ステップR21)。所要電力範囲内であると判定された場合、受電を継続する(ステップR12)。
ステップR21において、所要電力範囲内ではないと判定された場合、受電制御回路26は、送電装置11の送電制御回路16に送電電力の変更を要求する(ステップR22)。すなわち、所要電力範囲未満の場合には送電電力を増加させ、所要電力範囲を超える場合には送電電力を減少させることを要求する。送電装置11の送電制御回路16は、当該送電電力変更要求に応答して、送電電力を変更する(ステップT15)。
受電制御回路26は、受電を継続し(ステップR12)、以降のステップR13〜R22のフローを実行する。また、送電制御回路16は、ステップT12〜T15のフローを実行する。
上記したように、ステップR13において受電を継続しないと判定された場合、受電制御回路26は、送電の停止を要求する信号を送電装置11の送電制御回路16に送信し、受電を停止する(ステップR23)。また、送電制御回路16は当該送電停止要求に応答して送電を停止する(ステップT16)。以上により、上記シーケンスを終了する。
上記したように、本実施例の送電装置11、受電装置21及びワイヤレス電力伝送システムにおいては、負荷抵抗の変動及び結合係数kの変動が判定され、負荷抵抗が変動した場合には、受電装置側のキャパシタンスの変更がなされ、結合係数kが変動した場合には、送電装置側及び受電装置側のキャパシタンスの変更がなされる。
従って、送電及び受電コイル間の結合係数の変化又は負荷の変化という電力伝送の変動要因に応じた電力伝送の最適化が可能である。すなわち、送電及び受電コイル間の結合係数の変動や、負荷の変動に対しても効率よく電力伝送を行うことが可能なワイヤレス送電装置、ワイヤレス受電装置及びワイヤレス電力伝送システムを提供することができる。
図9は、実施例2のワイヤレス電力伝送システム10の制御シーケンスを示す図である。上記した実施例1においては、受電装置21が負荷抵抗の変動及び結合係数kの変動の判定を行い、その判定結果に基づいて送電装置11、受電装置21のキャパシタンスを変更する場合について説明した。
しかしながら、受電装置21から送電装置11に受電装置21の負荷抵抗RLの変動を示す信号を送信し、送電装置11において結合係数kの変動の判定を行い、送電装置11のキャパシタンスを変更するように構成することができる。
以下においては、実施例1の制御シーケンス(図9)と異なる点について説明し、実施例1と同様な点については説明を省略する。
ステップR17において、受電電力が所要電力範囲内ではないと判定された場合、受電装置21の受電制御回路26は、受電装置21の負荷抵抗RLの変動を示す負荷抵抗変動信号を送電装置11の送電制御回路16に送信し、当該負荷抵抗変動信号を送電制御回路16が受信する(ステップR31、ステップT21)。
送電制御回路16は、送電装置11の電流測定回路15により測定された送電コイルL1の駆動電流測定値(駆動電流信号)を得て(ステップT22)、当該駆動電流測定値と負荷抵抗変動信号とに基づいて結合係数kが所定値以上変動したか否かを判定する(ステップT23)。
ステップT23において、結合係数kが所定値以上変動しなかったと判定した場合には、送電を継続する(ステップT12)。
一方、結合係数kが所定値以上変動したと判定した場合には、送電コイルL1の駆動電流の変動値及び受電装置21の電圧電流測定回路25の測定値に基づいて、送電装置11は可変容量回路14のキャパシタンスを変更する(ステップT24)。
さらに、送電制御回路16は、受電制御回路26に対して、受電装置21の可変容量回路22のキャパシタンスの変更を要求するキャパシタンス変更要求信号を送信する(ステップT24)。当該キャパシタンス変更要求信号には結合係数kの増減又は増減量を表す信号が含まれている。あるいは、結合係数kの最適化設定値の変更値を表す信号が含まれていてもよい。
受電装置21の受電制御回路26は、送電制御回路16からのキャパシタンス変更要求信号に応答して、受電装置21の可変容量回路22のキャパシタンスを変更する(ステップR32)。
可変容量回路14及び可変容量回路22のキャパシタンスの変更方法は実施例1において説明したのと同様である。例えば、受電制御回路26は、結合係数kの最適化設定値に対応する可変容量回路22の設定値をメモリ26Aに格納されたテーブルから読み出し、当該テーブルに基づいて可変容量回路22のキャパシタンスを変更する。
受電装置21において可変容量回路22のキャパシタンスが変更された後、受電電力が所要電力範囲内であるか否かが判定される(ステップR21)。所要電力範囲内であると判定された場合、受電を継続する(ステップR12)。以降のフローは実施例1の場合と同様である。
本実施例においては、受電制御回路26からキャパシタンス変更要求を受けずに、結合係数kが変動したか否かの判定を送電制御回路16側で行うように構成されている。すなわち、送電制御回路16側で結合係数kの変動の判定を行い、その結果に基づいて送電制御回路16が可変容量回路14のキャパシタンスを変更するように構成されている。
かかる構成によっても、送電及び受電コイル間の結合係数の変化又は負荷の変化という電力伝送の変動要因に応じた電力伝送の最適化が可能である。すなわち、送電及び受電コイル間の結合係数の変動や、負荷の変動に対しても効率よく電力伝送を行うことが可能なワイヤレス送電装置、ワイヤレス受電装置及びワイヤレス電力伝送システムを提供することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、図6に示すように、送電装置11の交流信号源12、電流測定回路15及び送電制御回路16は、CPU(Central Processing Unit)を含むIC(集積回路)チップとして構成されていてもよい(図中、IC1)。
また、同様に、受電装置21の電圧電流測定回路25及び受電制御回路26は、CPUを含むICチップとして構成されていてもよい(図中、IC2)。なお、整流回路24の電圧などがICの規格内であればICに内蔵されても良い。
例えば、腕時計、イヤホンやスマートフォン等の携帯端末など、比較的小電力のワイヤレス電力伝送システムに適用することが可能である。すなわち、コンパクトで電力伝送効率の高い送電装置、受電装置、ワイヤレス電力伝送システムを実現することができる。
また、大電力のワイヤレス電力伝送装置においても、大容量のキャパシタや高電圧のスイッチング回路などは外付けとして、本発明を適用することができる。
さらに、上記実施例では送電コイル、受電コイルを差動回路として構成されている場合を例に説明したが、送電コイル及び受電コイルのいずれかあるいは双方がシングルエンド回路して構成されていても良い。すなわち、送電コイルの一端をグランドとし他端に駆動回路を接続してもよい。あるいは受電コイルの一端をグランドとして他端に整流回路を接続してもよい。
可変容量回路として図示したキャパシタはそれぞれ複数のキャパシタの直列接続あるいは並列接続で実現してもよく、可変キャパシタであってもよい。直列接続されているキャパシタはコイルの双方の端子にそれぞれ1個あっても良い。
また、送電側の可変容量回路、受電側の可変容量回路に設けられている直列接続及び並列接続のキャパシタにキャパシタ切り替え手段を設けているが、実現すべき特性により、いずれか一方に設けてもよく、又は送電側、受電側のいずれか一方のみに可変容量回路を設けてもよい。また回路を構成するキャパシタの一部にのみ設けてもよい。
また、本発明は、送電コイル及び受電コイルが共通の共振周波数で共振することにより電力を伝送する磁界共鳴方式、及び電磁誘導によって送電コイルから受電コイルに送電を行う電磁誘導方式等のワイヤレス電力伝送に適用することができる。
また、交流信号として13.56MHzの周波数の場合について説明したが、6.78MHz、あるいは数百kHz程度、数百MHz程度、数GHz程度の周波数にも適用することができる。
スイッチング回路は、PMOSトランジスタ、NMOSトランジスタやバイポーラトランジスタ、メカニカルリレーでもよく、耐圧が満足できれば集積回路に内蔵しても良い。
10:ワイヤレス電力伝送システム、11:ワイヤレス送電装置、12:交流信号源、14:可変容量回路、15:電流測定回路、16:送電制御回路、16A:メモリ、L1:送電コイル、21:ワイヤレス受電装置、L2:受電コイル、22:可変容量回路、24:整流回路、25:電圧電流測定回路、26:受電制御回路、26A:メモリ、29:負荷、32:スイッチング緩慢回路

Claims (17)

  1. 送電コイルを駆動し、受電コイルを有する受電装置に非接触で電力を送電する送電装置であって、
    前記送電コイルに接続され得るように構成された可変容量回路を有し、前記送電コイルを駆動する駆動回路と、
    前記駆動回路の駆動電流を測定する駆動電流測定回路と、
    前記駆動電流の測定値を前記受電装置に送信し、前記測定値の送信に応答して前記受電装置から受信したキャパシタンス変更信号に基づいて前記可変容量回路のキャパシタンスを変更する送電制御回路と、
    を有し、
    前記キャパシタンス変更信号は、前記送電コイル及び前記受電コイル間の結合係数の増減を示す結合係数変動信号を含み、
    前記送電制御回路は、前記結合係数変動信号に基づいて前記可変容量回路のキャパシタンスを変更することを特徴とする送電装置。
  2. 前記キャパシタンス変更信号は、前記可変容量回路のキャパシタンス変更を要求する要求信号であることを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  3. 記送電制御回路は、前記結合係数の複数の最適化設定値と前記複数の最適化設定値の各々に対応するキャパシタンス設定値とを格納したテーブルを有し、
    前記送電制御回路は、前記結合係数変動信号及び前記テーブルに基づいて前記可変容量回路のキャパシタンスを変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の送電装置。
  4. 送電コイルを駆動し、受電コイルを有する受電装置に非接触で電力を送電する送電装置であって、
    前記送電コイルに接続され得るように構成された可変容量回路を有し、前記送電コイルを駆動する駆動回路と、
    前記駆動回路の駆動電流を測定する駆動電流測定回路と、
    前記駆動電流の測定値を前記受電装置に送信し、前記測定値の送信に応答して前記受電装置から受信したキャパシタンス変更信号に基づいて前記可変容量回路のキャパシタンスを変更する送電制御回路と、
    を有し、
    前記キャパシタンス変更信号は、前記受電装置の負荷抵抗の変動を示す負荷抵抗変動信号を含み、前記送電制御回路は、前記駆動電流の測定値及び前記負荷抵抗変動信号に基づいて前記送電コイル及び前記受電コイル間の結合係数の変動を判定することを特徴とする送電装置。
  5. 前記送電制御回路は、前記結合係数の変動の判定結果に基づいて前記可変容量回路のキャパシタンスを変更することを特徴とする請求項4に記載の送電装置。
  6. 前記可変容量回路は、スイッチング回路と、前記スイッチング回路によって前記駆動回路に付加し得る少なくとも1つのキャパシタとを有し、
    前記送電制御回路は、前記スイッチング回路を駆動して前記可変容量回路のキャパシタンスを変更することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の送電装置。
  7. 前記スイッチング回路は、前記スイッチング回路のスイッチングを緩慢にするスイッチング緩慢回路を有することを特徴とする請求項6に記載の送電装置。
  8. 前記駆動回路は前記可変容量回路と前記可変容量回路に接続された交流信号源とからなり、前記交流信号源、前記送電制御回路及び前記駆動電流測定回路はIC(集積回路)チップとして構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1に記載の送電装置。
  9. 送電コイルを駆動する駆動回路を有する送電装置から非接触で受電コイルを介して電力を受電する受電装置であって、
    前記受電コイルに接続され得るように構成された可変容量回路と、
    前記可変容量回路のキャパシタンスを変更し得る受電制御回路と、
    前記可変容量回路を介して伝達された電力により駆動される負荷への印加電圧又は電流を測定する電圧電流測定回路と、
    前記送電コイルの駆動電流の変動を表す駆動電流変動信号を前記送電装置から受信する受信回路と、を有し、
    前記受電制御回路は、前記電圧電流測定回路の測定値及び前記駆動電流変動信号に基づいて、前記負荷の負荷抵抗の変動の発生及び前記送電コイル及び前記受電コイル間の結合係数の変動の発生を判定する判定回路を有することを特徴とする受電装置。
  10. 前記受電制御回路は、前記結合係数の変動が発生したと判定された場合、前記可変容量回路のキャパシタンスを変更するとともに、前記送電装置の前記駆動回路のキャパシタンスの変更を要求するキャパシタンス変更要求を前記送電装置に送信することを特徴とする請求項9に記載の受電装置。
  11. 前記キャパシタンス変更要求は、前記結合係数の増減を表す信号を含むことを特徴とする請求項10に記載の受電装置。
  12. 前記可変容量回路は、少なくとも1つのキャパシタと前記少なくとも1つのキャパシタの接続切り替えをなすスイッチング回路とを有し、前記送電制御回路は、前記スイッチング回路を駆動して前記可変容量回路のキャパシタンスを変更することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1に記載の送電装置。
  13. 前記スイッチング回路は、前記スイッチング回路のスイッチングを緩慢にするスイッチング緩慢回路を有することを特徴とする請求項12に記載の送電装置。
  14. 送電コイルを有する送電装置から受電コイルを有する受電装置に非接触で電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムであって、
    前記送電装置は、
    前記送電コイルに接続された送電可変容量回路を有し、前記送電コイルを駆動する駆動回路と、
    前記駆動回路の駆動電流を測定する駆動電流測定回路と、
    前記受電装置との間で信号の送受信を行う送電通信回路と、
    前記送電可変容量回路のキャパシタンスを変更し得る送電制御回路と、を有し、
    前記受電装置は、
    前記受電コイルに接続された受電可変容量回路と、
    前記受電可変容量回路のキャパシタンスを変更し得る受電制御回路と、
    前記受電可変容量回路を介して前記電力を受電する負荷と、
    前記負荷への印加電圧又は電流を測定する電圧電流測定回路と、
    前記送電装置との間で信号の送受信を行う受電通信回路と、を有し、
    前記送電制御回路及び前記受電制御回路のうちいずれか1つは前記電圧電流測定回路の測定信号及び前記駆動回路の駆動電流信号に基づいて、前記負荷の負荷抵抗の変動の発生及び前記送電コイル及び前記受電コイル間の結合係数の変動の発生を判定する判定回路を有し、
    前記判定回路が前記結合係数の変動の発生を判定した場合、前記送電制御回路は前記判定回路の判定結果に基づいて前記送電可変容量回路のキャパシタンスを変更する
    ことを特徴とするワイヤレス電力伝送システム。
  15. 前記受電通信回路は前記駆動電流信号を前記送電装置から受信し、前記受電制御回路は前記判定回路を有し、
    前記判定回路が前記結合係数の変動の発生を判定した場合、
    前記受電制御回路は、前記可変容量回路のキャパシタンスを変更するとともに、前記送電制御回路に前記送電可変容量回路のキャパシタンス変更を要求する要求信号を送信し、
    前記送電制御回路は、前記要求信号に基づいて前記送電可変容量回路のキャパシタンスを変更することを特徴とする請求項14に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  16. 前記要求信号は、前記送電コイル及び前記受電コイル間の結合係数の増減を示す結合係数変動信号を含み、
    前記送電制御回路は、前記結合係数の複数の最適化設定値と前記複数の最適化設定値の各々に対応するキャパシタンス設定値とを格納したテーブルを有し、
    前記送電制御回路は、前記結合係数変動信号及び前記テーブルに基づいて前記可変容量回路のキャパシタンスを変更することを特徴とする請求項15に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  17. 送電コイルと、前記送電コイルに接続された送電可変容量回路を有し、前記送電コイルを駆動する駆動回路と、前記駆動回路の駆動電流を測定する駆動電流測定回路と、前記受電装置との間で信号の送受信を行う送電通信回路と、前記送電可変容量回路のキャパシタンスを変更する送電制御回路と、を有する送電装置と、
    受電コイルと、前記受電コイルに接続された受電可変容量回路と、前記受電可変容量回路のキャパシタンスを変更する受電制御回路と、前記受電可変容量回路を介して前記電力を受電する負荷と、前記負荷への印加電圧又は電流を測定する電圧電流測定回路と、前記送電装置との間で信号の送受信を行う受電通信回路と、を有する受電装置と、の間で非接触で電力を伝送する電力伝送方法であって、
    前記電圧電流測定回路の測定値及び前記駆動回路の駆動電流値に基づいて、前記送電コイル及び前記受電コイル間の結合係数の変動が発生したことを判定するステップと、
    前記結合係数の変動が発生したことが判定された場合、
    前記受電可変容量回路のキャパシタンスを変更するステップと、
    前記結合係数の変動に基づいて前記送電可変容量回路のキャパシタンスを変更するステップと、
    を有することを特徴とする電力伝送方法。
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