JP6861260B2 - プリンタ - Google Patents
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Description
特に、バッテリで動作する携帯型のプリンタでは、バッテリの残量によって使用可能な電力が制限される。したがって、消費電力の抑制が強く求められている。
前記印字ラインの方向に沿って配列された複数の発熱体を有する印字ヘッドと、
各印字ラインの印字ドットの数を特定し、かつ、特定した印字ドットの数に基づいて、各印字ラインを印字するときの前記複数の発熱体の制御方式を、第1制御方式および第2制御方式のいずれかに決定する制御部と、を備える。
前記第1制御方式は、前記複数の発熱体を複数の第1グループにグルーピングし、かつ、前記複数の発熱体をグループ単位で異なるタイミングにより発熱対象とする方式であり、各第1グループは、連続して配置され、かつ同一のタイミングで発熱対象とする2以上の発熱体から構成され、前記第2制御方式は、前記複数の発熱体を複数の第2グループにグルーピングし、かつ、前記複数の発熱体をグループ単位で異なるタイミングにより発熱対象とする方式であり、各第2グループは、同一のタイミングで発熱対象とする単一の発熱体が間隔を空けて配置される2以上の発熱体、又は同一のタイミングで発熱対象とし、かつ連続して配置される発熱体群が間隔を空けて配置される2以上の発熱体から構成され、各第1グループおいて連続して配置される発熱体の数は、各第2グループにおいて連続して配置される発熱体の数よりも多い。
前記印字データに基づいて、各印字ラインについて、前記画像のエッジ部分を含む印字ラインであるエッジライン、および、前記画像の非エッジ部分を含む非エッジラインのいずれであるかを判定し、
前記エッジラインの制御方式を前記第1制御方式に決定し、
前記非エッジラインの制御方式を前記第2制御方式に決定してもよい。
前記複数の印字ラインのうち、前記制御方式を決定すべき印字ラインである対象ラインと、前記対象ラインに隣接する印字ラインである参照ラインとの間の印字ドットの変化量を算出し、
前記変化量が所定の第1閾値以上である場合、前記対象ラインを前記エッジラインと判定し、
前記変化量が前記第1閾値未満である場合、前記対象ラインを前記非エッジラインと判定してもよい。
前記第3制御方式は、前記複数の発熱体を同一のタイミングで発熱対象とする方式であってもよい。
前記複数の印字ラインのうち、前記制御方式を決定すべき印字ラインである対象ラインの印字ドットの数と、前記対象ラインに隣接する印字ラインである参照ラインとの間の印字ドットの変化量を算出し、
前記変化量が所定の第1閾値以上であり、かつ、前記対象ラインの印字ドットの数が所定の第2閾値以上である場合、前記対象ラインの制御方式を前記第1制御方式に決定し、
前記変化量が前記第1閾値未満であり、かつ、前記対象ラインの印字ドットの数が前記第2閾値以上である場合、前記対象ラインの制御方式を前記第2制御方式に決定し、
前記対象ラインの印字ドットの数が前記第2閾値未満である場合、前記対象ラインの制御方式を前記第3制御方式に決定してもよい。
前記制御部は、前記制御方式が前記第1制御方式に決定された印字ラインを印字するときの前記搬送部の制御パターンを第1パターンに決定し、前記制御方式が前記第1制御方式に決定された印字ラインの1ライン後の印字ラインを印字するときの前記搬送部の制御パターンを、前記第1パターンより印字時間が長い第2パターンに決定してもよい。
第1実施形態について説明する。
第1実施形態のプリンタの構成について説明する。
図1は、第1実施形態のプリンタの構成を示す概略側面図である。図2は、図1の印字ヘッド12を構成する複数の発熱体を示す概略図である。
印字媒体PMは、感熱層および粘着層を有する連続状のラベルである。感熱層は、熱に反応して着色する。
プラテンローラ11が順方向に回転すると、収容部13に収容されたロール状の印字媒体PMは、搬送経路における収容部13側(以下「上流側」という)から排出口17側(以下「下流側」という)に向かって(つまり、方向+Yに)、帯状に繰り出される。収容部13から繰り出された帯状の印字媒体PMは、プラテンローラ11および印字ヘッド12に挟持されながら、排出口17に向かって搬送される。
プラテンローラ11が順方向とは反対の逆方向に回転すると、印字媒体PMは、下流側から上流側に向かって(つまり、方向−Yに)搬送される。
印字ヘッド12は、印字面12aを有する。印字面12aとは、印字ヘッド12の面のうち、プラテンローラ11に対向する面である。
本実施形態では、理解の容易のため、図2に示すように、印字ヘッド12の印字面12aには、12個の発熱体E1〜E12が設けられる例について説明する。発熱体E1〜E12は、印字媒体PMが搬送される方向(以下「搬送方向」という)Yに直交する印字ラインの方向Xに沿って、配列されている。
プラテンローラ11および印字ヘッド12によって挟持された印字媒体PMの感熱層が印字ヘッド12の発熱体E1〜E12によって加熱されると、当該感熱層が発色する。これにより、印字媒体PMに画像が印字される。
画像は、例えば、テキスト、図形、バーコード、または、それらの組合せである。
第1実施形態のプリンタの制御ユニットについて説明する。
図3は、図1のプリンタ10の制御ユニット100の機能ブロック図である。
外部の装置は、例えば、コンピュータ、携帯電話、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のフラッシュメモリ、または、それらの組合せである。
第1実施形態の発熱体の制御方式には、第1制御方式と、第2制御方式とがある。
第1制御方式について説明する。
図4は、第1実施形態の第1制御方式の説明図である。
タイミングT1では、発熱体E1〜E4から構成される第1グループのみが発熱対象となる。この場合、発熱対象となる第1グループを構成する発熱体E1〜E4のうち、印字ドットに対応する発熱体が発熱する。
タイミングT1の後のタイミングT2では、発熱体E5〜E8から構成される第1グループのみが発熱対象となる。この場合、発熱対象となる第1グループを構成する発熱体E5〜E8のうち、印字ドットに対応する発熱体が発熱する。
タイミングT2の後のタイミングT3では、発熱体E9〜E12から構成される第1グループのみが発熱対象となる。この場合、発熱対象となる第1グループを構成する発熱体E9〜E12のうち、印字ドットに対応する発熱体が発熱する。
換言すると、第1制御方式では、1つのタイミングで発熱対象となる発熱体が互いに隣接している(つまり、連続している)。
第2制御方式について説明する。
図5は、第1実施形態の第2制御方式の説明図である。
換言すると、第2制御方式の第1例における第2グループでは、1つのタイミングで発熱対象となるすべての発熱体が互いに離間している(つまり、連続していない)。
タイミングT1では、発熱体E1、E4、E7、および、E10から構成される第2グループのみが発熱対象となる。
タイミングT1の後のタイミングT2では、発熱体E2、E5、E8、および、E11から構成される第2グループのみが発熱対象となる。
タイミングT2の後のタイミングT3では、発熱体E3、E6、E9、および、E12から構成される第2グループのみが発熱対象となる。
換言すると、第2制御方式の第2例における第2グループでは、1つのタイミングで発熱対象となる発熱体の中に、互いに隣接する2つの発熱体の組合せが複数存在し、かつ、互いに隣接する2つの発熱体の組合せ同士が互いに離間している(つまり、連続していない)。
タイミングT1では、発熱体E1およびE2の組合せ、ならびに、発熱体E7およびE8の組合せから構成される第2グループのみが発熱対象となる。
タイミングT1の後のタイミングT2では、発熱体E3およびE4の組合せ、ならびに、発熱体E9およびE10の組合せから構成される第2グループのみが発熱対象となる。
タイミングT2の後のタイミングT3では、発熱体E5およびE6の組合せ、ならびに、発熱体E11およびE12の組合せから構成される第2グループのみが発熱対象となる。
換言すると、第2制御方式では、1つのタイミングで発熱対象となる発熱体の少なくとも一部が離間している(つまり、連続していない)。
第1実施形態の印字処理のフローについて説明する。
図6は、第1実施形態の印字処理のフローを示すフローチャートである。図7は、第1実施形態の制御方式の決定(図6のS12)の詳細なフローを示すフローチャートである。図8は、図7のフローチャートに対応する制御方式の説明図である。図9は、第1実施形態の制御データの作成(図6のS13)において作成される制御データの一例を示す図である。
図6〜図7の各ステップは、CPU101がファームウェアを実行したときの処理の一部である。
印字ラインL(n)の印字ドットの変化量D(n)とは、当該印字ラインL(n)の1ライン前の印字ラインL(n−1)の印字ドットの数K(n−1)、または、当該印字ラインL(n)の1ライン後の印字ラインL(n+1)の印字ドットの数K(n+1)と、印字ラインL(n)の印字ドットの数K(n)との差の絶対値である。
具体的には、CPU101は、通信インタフェース105を介して、コンピュータから、印字すべき画像のデータ(以下「画像データ」という)を受信する。
次に、CPU101は、受信した画像データを印字データに変換する。印字データは、印字ライン毎に、複数の発熱体E1〜E12に対応する印字ドットを含むデータである。
次に、CPU101は、印字データを記憶装置102に記憶する。
具体的には、CPU101は、S10において記憶装置102に記憶した印字データに含まれる各印字ラインの印字ドットの数を特定する。
印字ラインL(1)〜印字ラインL(19)の印字ドットの数K(1)〜K(19)は0であり、印字ラインL(20)の印字ドットの数K(20)は100であり、印字ラインL(21)〜印字ラインL(79)の印字ドットの数K(21)〜K(79)は100から200に向かって漸増し、印字ラインL(80)の印字ドットの数K(80)は200であり、印字ラインL(81)〜印字ラインL(100)の印字ドットの数K(81)〜K(100)は0である。
S12の詳細なフローについて、図7を参照して説明する。
対象ラインL(n)の印字ドットの数K(n)が0である場合(S121−YES)、CPU101は、S122〜S125の処理を実行することなく、S126の処理を実行する。この場合、制御方式は決定されないので、対象ラインL(n)は、印字ドットを含まない(つまり、印字対象とならない)印字ラインとして取り扱われる。
「参照ライン」とは、対象ラインL(n)に隣接する1つの印字ライン(つまり、対象ラインL(n)の1ライン前の印字ラインL(n−1)、または、対象ラインL(n)の1ライン後の印字ラインL(n+1))である。
具体的には、CPU101は、対象ラインL(n)の印字ドットの数K(n)と、対象ラインL(n)の1ライン前の参照ラインL(n−1)の印字ドットの数K(n−1)との差の絶対値である第1絶対値を変化量D(n)として算出する。なお、変数n=1(つまり、最小値)の場合、変化量D(n)は印字ドットの数K(n)と同一とする。
第1絶対値が後述の第1閾値TH1以上となる対象ラインL(n)が特定された後は、CPU101は、対象ラインL(n)の印字ドットの数K(n)と、対象ラインL(n)の1ライン後の参照ラインL(n+1)の印字ドットの数K(n+1)との差の絶対値である第2絶対値を変化量D(n)として算出する。なお、変数n=100(つまり、最大値)の場合、変化量D(100)は、印字ドットの数K(100)と同一とする。
第2絶対値が第1閾値TH1以上となる対象ラインL(n)が特定された後は、CPU101は、再び、第1絶対値および第2絶対値を、交互に、変化量D(n)として算出する。
変化量D(n)が第1閾値TH1以上である場合(S123−YES)、CPU101は、対象ラインL(n)を、画像IMGのエッジ部分を含む印字ライン(以下「エッジライン」という)と判定し、エッジラインの制御方式を第1制御方式に決定する(S124)。
変化量D(n)が第1閾値TH1未満である場合(S123−NO)、CPU101は、対象ラインL(n)を画像IMGのエッジ部分を含まない印字ライン(以下「非エッジライン」という)と判定し、非エッジラインの制御方式を第2制御方式に決定する(S125)。
対象ラインL(1)〜L(19)については、印字ドットの数K(1)〜K(19)が0であるので(S121−YES)、CPU101は、制御方式を決定しない(つまり、印字対象とならない印字ラインとして取り扱う)。
対象ラインL(20)については、印字ドットの数K(20)が1以上であり(S121−NO)、かつ、変化量D(20)が第1閾値TH1以上であるので(S123−YES)、CPU101は、制御方式を第1制御方式に決定する(S124)。
対象ラインL(21)〜L(79)については、印字ドットの数K(21)〜K(79)が1以上であり(S121−NO)、かつ、変化量D(21)〜D(79)が第1閾値未満であるので(S123−NO)、CPU101は、制御方式を第2制御方式に決定する(S125)。
対象ラインL(80)については、印字ドットの数K(80)が1以上であり(S121−NO)、かつ、変化量D(80)が第1閾値TH1以上であるので(S123−YES)、CPU101は、制御方式を第1制御方式に決定する(S124)。
対象ラインL(81)〜L(100)については、印字ドットの数K(81)〜K(100)が0であるので(S121−YES)、CPU101は、制御方式を決定しない(つまり、印字対象とならない印字ラインとして取り扱う)。
換言すると、CPU101は、変化量D(n)が第1閾値TH1以上になる対象ラインL(n)をエッジラインと判定し、変化量D(n)が第1閾値TH1未満になる対象ラインL(n)を非エッジラインと判定する。そして、CPU101は、エッジラインと判定した対象ラインL(n)の制御方式を第1制御方式に決定し、非エッジラインと判定した対象ラインL(n)の制御方式を第2制御方式に決定する。
nの値が最大値M未満である場合(S126−NO)、CPU101は、変数nに1を加算する(つまり、対象ラインL(n)を1ライン分だけシフトする)(S127)。その後、CPU101は、新たな対象ラインL(n)について、S121〜S126の処理を実行する。
変数nの値が最大値Mである場合(S126−YES)、CPU101は、図7の処理を終了し、図6のS13の処理を実行する。
図9に示すように、制御データは、「印字ライン」フィールドと、「制御方式」フィールドと、を含む。
「印字ライン」フィールドには、印字ラインを識別するための情報(以下「ラインID」という)が格納される。
「制御方式」フィールドには、CPUが、S12において決定した制御方式を示す情報を格納する。「0」は制御方式が決定されていないこと(つまり、印字ドットを含まない印字ラインであること)を示し、「1」は第1制御方式を示し、「2」は第2制御方式を示す。
CPU101は、制御データを作成した後、作成した制御データを記憶装置102に記憶する。
具体的には、CPU101は、S13において記憶装置102に記憶した制御データの「制御方式」フィールドの情報に従って、印字制御回路107に制御信号を与える。印字制御回路107は、CPU101によって与えられた制御信号に従って、複数の発熱体E1〜E12のそれぞれに個別に電圧を印加する。その結果、発熱体E1〜E12が、印字ライン毎に設定された制御方式(第1制御方式および第2制御方式のいずれか)に従って発熱する。
なお、「制御方式」フィールドに「0」が格納された印字ラインについては、CPU101は、複数の発熱体E1〜E12のいずれにも電圧を印加しない。その結果、当該印字ラインには、画像が印字されない。
印字(S14)が終了すると、図8の画像IMGが印字された印字媒体PMが排出口17から排出される。
第1実施形態について小括する。
このプリンタ10は、印字ラインの方向Xに沿って配列された複数の発熱体を有する印字ヘッド12と、各印字ラインの印字ドットの数を特定し、かつ、特定した印字ドットの数に基づいて、各印字ラインを印字するときの複数の発熱体の制御方式を、第1制御方式および第2制御方式のいずれかに決定するCPU101(制御部の一例)と、を備える。
第1制御方式は、複数の発熱体を複数の第1グループにグルーピングし、かつ、各第1グループを異なるタイミングで発熱対象とする方式である。各第1グループは、互いに隣接する2以上の発熱体から構成される。
第2制御方式は、複数の発熱体を複数の第2グループにグルーピングし、かつ、各第2グループを異なるタイミングで発熱対象とする方式である。各第2グループは、2以上の発熱体から構成され、かつ、少なくとも2つの発熱体が互いに離間している。
一方、第1制御方式では、各タイミングで発熱対象となる発熱体が集中している。したがって、発熱対象とならない発熱体の温度が低下し易い。したがって、第1制御方式に従って印字された印字ラインでは、画像IMGにおいて濃度のバラツキが生じ易い。
一方、第2制御方式では、各タイミングで発熱対象となる発熱体が分散している。したがって、第2制御方式に従って印字された印字ラインでは、画像IMGにおいて濃度のバラツキが生じにくい。
本実施形態では、印字ライン毎に、複数の発熱体を複数のグループにグルーピングし、かつ、各グループを異なるタイミングで発熱対象とする2種類の制御方式(第1制御方式および第2制御方式)の中から、印字ライン毎に、印字ドットの数に応じた最適な制御方式が適用される。したがって、第1制御方式および第2制御方式のデメリットを回避し、かつ、メリットを享受することができる。その結果、プリンタ10の消費電力を抑制し、かつ、印字媒体PMに印字された画像IMGの印字品質の低下を防ぐことができる。
非エッジラインには第2制御方式が適用されるので、少なくとも2つの発熱体が離間している2以上の発熱体が発熱する。発熱している発熱体の間に位置する発熱体(つまり、発熱していない発熱体)は、発熱している発熱体の熱によって暖められる。したがって、発熱体の温度のバラツキが抑制される。これにより、画像IMGの非エッジ部分の印字品質の低下を防ぐことができる。
非エッジラインには第2制御方式が適用されるので、少なくとも2つの発熱体が離間している2以上の発熱体が発熱する。発熱している発熱体の間に位置する発熱体(つまり、発熱していない発熱体)は、発熱している発熱体の熱によって暖められる。したがって、発熱体の温度のバラツキが抑制される。これにより、画像IMGの非エッジ部分の低下を防ぐことができる。
第2実施形態について説明する。第1実施形態では、各印字ラインの制御方式を、2種類の制御方式(第1制御方式および第2制御方式)のいずれかに決定する例について説明した。これに対して、第2実施形態では、各印字ラインの制御方式を、3種類の制御方式(第1制御方式〜第3制御方式)のいずれかに決定する例について説明する。
なお、第1実施形態と同様の説明は省略する。
第2実施形態の発熱体の制御方式には、第1制御方式〜第3制御方式がある。
なお、第1制御方式および第2制御方式は、第1実施形態と同様である。
図10は、第2実施形態の第3制御方式の説明図である。
つまり、第3制御方式は、複数の発熱体E1〜E12を、グルーピングすることなく、同時に発熱対象とする点において、第1制御方式および第2制御方式と異なる。
第2実施形態の印字処理のフローについて説明する。
図11は、第2実施形態の制御方式の決定の処理(図6のS12)の詳細なフローを示すフローチャートである。図12は、図11のフローチャートに対応する制御方式の説明図である。図13は、第2実施形態の制御データの作成の処理(図6のS13)において作成される制御データの一例を示す図である。
図11の各ステップは、CPU101がファームウェアを実行したときの処理である。
対象ラインL(n)の印字ドットの数K(n)が第2閾値TH2未満である場合(S220−NO)、CPU101は、対象ラインL(n)の制御方式を第3制御方式に決定する(S221)。
一方、対象ラインの印字ドットの数K(n)が第2閾値TH2以上である場合(S220−YES)、CPU101は、第1実施形態と同様に、S122〜S125の処理を実行する。
対象ラインL(1)〜L(19)については、印字ドットの数K(1)〜K(19)が0であるので(S121−YES)、CPU101は、制御方式を決定しない(つまり、印字対象とならない印字ラインとして取り扱う)。
対象ラインL(20)については、印字ドットの数K(20)が第2閾値TH2以上であり(S121−NO、かつ、S220−YES)、かつ、変化量D(20)が第1閾値TH1以上であるので(S123−YES)、CPU101は、制御方式を第1制御方式に決定する(S124)。
対象ラインL(21)〜L(50)については、印字ドットの数K(21)〜K(50)が第2閾値TH2以上であり(S121−NO、かつ、S220−YES)、かつ、変化量D(21)〜D(50)が第1閾値TH1未満であるので(S123−NO)、CPU101は、制御方式を第2制御方式に決定する(S125)。
対象ラインL(51)〜L(80)については、印字ドットの数K(51)〜K(80)が1以上であり(S121−NO)、かつ、第2閾値TH2未満であるので(S220−NO)、CPU101は、対象ラインL(51)〜L(80)の制御方式を第3制御方式に決定する(S221)。
対象ラインL(81)〜L(100)については、印字ドットの数K(81)〜K(100)が0であるので(S121−YES)、CPU101は、制御方式を決定しない(つまり、印字対象とならない印字ラインとして取り扱う)。
図13に示すように、第2実施形態の制御データは、「制御方式」フィールドに、制御方式が決定されていないことを示す「0」、第1制御方式を示す情報「1」、および、第2制御方式を示す情報「2」だけでなく、第3制御方式を示す情報「3」が格納される点において、第1実施形態の制御データ(図9)と異なる。
第2実施形態について小括する。
このプリンタ10は、印字ラインの方向に沿って配列された複数の発熱体を有する印字ヘッド12と、各印字ラインの印字ドットの数を特定し、かつ、特定した印字ドットの数に基づいて、各印字ラインを印字するときの複数の発熱体の制御方式を、第1制御方式〜第3制御方式のいずれかに決定するCPU101(制御部の一例)と、を備える。
第1制御方式は、複数の発熱体を複数の第1グループにグルーピングし、かつ、各第1グループを異なるタイミングで発熱対象とする方式である。各第1グループは、互いに隣接する2以上の発熱体から構成される。
第2制御方式は、複数の発熱体を複数の第2グループにグルーピングし、かつ、各第2グループを異なるタイミングで発熱対象とする方式である。各第2グループは、2以上の発熱体から構成され、かつ、少なくとも2つの発熱体が互いに離間している。
第3制御方式は、複数の発熱体を同一のタイミングで発熱対象とする方式である。
第1実施形態と同様に、第2制御方式には、濃度のバラツキが生じにくいというメリットはあるが、段差が目立ち易いというデメリットがある。
第3制御方式は、印字ライン上のすべての印字ドットに対応する発熱体(つまり、発熱対象となる発熱体のすべて)を同一のタイミングで発熱させるため、印字ラインに段差および濃度のバラツキが生じないというメリットがある。しかしながら、バッテリ等の消費電力の制約により、印字ドットの数K(n)が第2閾値TH2以上である印字ラインには適用できないというデメリットがある。
本実施形態では、印字ライン毎に、複数の発熱体を複数のグループにグルーピングし、かつ、各グループを異なるタイミングで発熱対象とする2種類の制御方式(第1制御方式および第2制御方式)、ならびに、複数の発熱体を同時に発熱対象とする制御方式(第3制御方式)の中から、印字ライン毎に、印字ドットの数に応じた最適な制御方式が適用される。したがって、第1制御方式〜第3制御方式のデメリットを回避し、かつ、メリットを享受することができる。その結果、プリンタ10の消費電力を抑制し、かつ、印字媒体PMに印字された画像IMGの印字品質の低下を防ぐことができる。
当該変化量が小さい印字ラインには第2制御方式が適用されるので、少なくとも2つの発熱体が離間している2以上の発熱体が発熱する。発熱している発熱体の間に位置する発熱体(つまり、発熱していない発熱体)は、発熱している発熱体の熱によって暖められる。したがって、発熱体の温度のバラツキが抑制される。これにより、画像IMGの当該変化量が小さい部分の印字品質の低下を防ぐことができる。
第3実施形態について説明する。上述の実施形態では、印字ヘッド12の制御方式を決定する例について説明した。これに対して、第3実施形態では、印字ヘッド12の制御方式だけでなく、各印字ラインを印字するときに発熱対象となる発熱体に電圧を印加する時間(以下「ストローブ時間」という)を、印字ライン毎に決定する例について説明する。
なお、上述の実施形態と同様の説明は省略する。
第3実施形態のプラテンローラの制御パターンについて説明する。
図14は、第3実施形態のCPU101が搬送制御回路106に与えるパルス信号の波形、および、発熱体に印加する電圧を示す図である。このパルス信号は、ステッピングモータの駆動を制御するための制御信号である。
図14に示すように、CPU101は、印字ラインL(n)毎に、搬送制御回路106に与えるパルス信号、および、発熱体に印加する電圧のパターンを、第1パターンP1および第2パターンP2のいずれかに決定する。
第1パターンP1は、印字媒体PMを1印字ライン分搬送するためにプラテンローラ11を回転させた後、時間R1だけプラテンローラ11の回転を停止させ、かつ、プラテンローラ11の回転が停止している時間R1の間に、時間Q1(Q1<R1)だけ発熱体に電圧を印加するパターンである。
第2パターンP2は、第2パターンP2は、印字媒体PMを1印字ライン分搬送するためにプラテンローラ11を回転させた後、時間R1より長い時間R2だけプラテンローラ11の回転を停止させ、かつ、プラテンローラ11の回転が停止している時間R2の間に、時間Q1より長い時間Q2(Q2<R2)だけ発熱体に電圧を印加するパターンである。
印字対象となる印字ラインのうち、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ライン以外の印字ラインには、第1パターンP1が適用される。印字対象となる印字ラインのうち、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ラインには、第2パターンP2が適用される。
ストローブ時間Q1およびQ2は、印字が行われる時間(以下「印字時間」という)に相当する。つまり、第2パターンP2の印字時間は、第1パターンP1の印字時間より長い。
印字ラインL(21)は、第2制御方式に従って印字される。このとき、第2制御方式の第2グループを構成する発熱体のうち、温度が低下した発熱体E1〜E4には、時間Q2の間だけ、電圧が印加される。
一般に、印字媒体PMに印字される画像IMGの印字濃度は、ストローブ時間、および、発熱体に印加する電圧の積に比例する。したがって、ストローブ時間が時間Q1より長い時間Q2である印字ラインL(21)において、発熱体E1〜E4の温度の低下に起因する印字濃度の低下を防ぐことができる。
第3実施形態について小括する。
第3実施形態のプリンタ10は、印字媒体PMを搬送するプラテンローラ11(搬送部の一例)をさらに備え、
CPU101は、制御方式が第1制御方式に決定された印字ラインを印字するときのプラテンローラ11の制御パターンを第1パターンP1に決定し、制御方式が第1制御方式に決定された印字ラインの1ライン後の印字ラインを印字するときのプラテンローラ11の制御パターンを第1パターンP1より印字時間が長い第2パターンP2に決定する。
これに対して、第3実施形態では、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ラインの印字時間が、第1制御方式が適用される印字ラインの印字時間より長くなる。したがって、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ラインを印字するときのストローブ時間は、第1制御方式が適用される印字ラインを印字するときより長くなる。ストローブ時間が長い程、印字媒体PMに印字される画像の印字濃度は高くなる。したがって、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ラインの印字濃度が高くなり、結果として、印字品質の低下を防ぐことができる。
第3実施形態の変形例について説明する。
本変形例は、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ラインを印字するときに、いわゆるマルチストローブを行う例である。
マルチストローブは、すべてのタイミング(例えば、図5のT1〜T3)で実行してもよいし、最初のタイミング(例えば、図5のT1)のみで実行してもよい。
第4実施形態について説明する。第3実施形態では、印字ライン毎に、ストローブ時間を決定する例について説明した。これに対して、第4実施形態では、印字ライン毎に、発熱体に印加する電圧を決定する例について説明する。
なお、上述の実施形態と同様の説明は省略する。
第4実施形態の発熱体に印加する電圧について説明する。
図15は、第4実施形態のCPU101が搬送制御回路106に与えるパルス信号の波形、および、発熱体に印加する電圧を示す図である。
第3実施形態のパターンP1およびP2は、それぞれ、停止時間R1およびストローブ時間Q1が共通であり、かつ、発熱体に印加する電圧V1およびV2が異なる点において、第3実施形態のパターンP1およびP2と異なる。
具体的には、図15に示すように、CPU101は、印字ラインL(n)毎に、各発熱体E1〜E12に印加する電圧を、第1電圧V1、および、第1電圧V1より高い第2電圧V2のいずれかに決定する。CPU101は、印字制御回路107に、時間Q1だけ、決定した電圧(第1電圧V1または第2電圧V2)を各発熱体E1〜E12に印加し続けるための制御信号を与える。
印字対象となる印字ラインのうち、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ライン以外の印字ラインには、第1電圧V1が適用される。印字対象となる印字ラインのうち、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ラインには、第2電圧V2が適用される。
CPU101は、第1制御方式が適用される印字ラインL(20)の1ライン後の印字ラインL(21)を印字するときに各発熱体E1〜E12に印加する電圧を第2電圧V2に決定する。
CPU101は、第2電圧V2を印加した後の印字ラインL(22)を印字するときに各発熱体E1〜E12に印加する電圧を第1電圧V1に決定する。
印字ラインL(21)を印字するときには、各発熱体E1〜E12には、第1電圧V1より高い第2電圧V2が印加される。
一般に、印字媒体PMに印字される画像IMGの印字濃度は、ストローブ時間、および、発熱体に印加する電圧の積に比例する。したがって、発熱体に印加する電圧が第1電圧V1より高い第2電圧V2である印字ラインL(21)において、各発熱体E1〜E12の温度の低下に起因する印字濃度の低下を防ぐことができる。
第4実施形態について小括する。
第4実施形態のCPU101は、制御方式が第1制御方式に決定された印字ラインを印字するときに発熱体に印加する電圧を第1電圧V1に決定し、制御方式が第1制御方式に決定された印字ラインの1ライン後の印字ラインを印字するときに発熱体に印加する電圧を、第1電圧V1より高い第2電圧V2に決定する。
これに対して、第4実施形態では、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ラインを印字するときに発熱体に印加する電圧が、他の印字ラインを印字するときに発熱体に印加する電圧より高くなる。印加される電圧が高い程、印字媒体PMに印字される画像の印字濃度は高くなる。したがって、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ラインの印字濃度が高くなり、結果として、印字品質の低下を防ぐことができる。
また、第4実施形態では、第1制御方式が適用される印字ラインの1ライン後の印字ラインを印字するときのストローブ時間Q1が、第1制御方式が適用される印字ラインを印字するときのストローブ時間Q1と同一であるので、第3実施形態に比べて、全体の印字時間を短縮することができる。
印字媒体PMは、連続状の台紙に複数のラベルが仮着された形態であってもよいし、RFID(Radio Frequency IDentification)が埋め込まれた形態であってもよいし、粘着層を有さない形態(例えば、タグ、リストバンド等)であってもよい。
また、第1閾値TH1および第2閾値TH2は、ユーザの指示に基づいて変更可能である。例えば、ユーザが入力デバイス103を介して第1閾値TH1および第2閾値TH2を変更する指示を与えた場合、CPU101は、当該指示に基づく値を、記憶装置102に記憶する。そして、CPU101は、図7および図11のS123、ならびに、図11のS220において、記憶装置102に記憶された値を参照する。これにより、ユーザの指示に基づいて変更された第1閾値TH1および第2閾値TH2を用いて、印字処理が実行される。
11 :プラテンローラ
12 :印字ヘッド
12a :印字面
13 :収容部
16 :光学センサ
16a :受光素子
16b :発光素子
17 :排出口
100 :制御ユニット
101 :CPU
102 :記憶装置
103 :入力デバイス
104 :表示デバイス
105 :通信インタフェース
106 :搬送制御回路
107 :印字制御回路
Claims (8)
- 複数の印字ラインのそれぞれの印字ドットを含む印字データに基づいて、印字媒体に画像を印字するプリンタであって、
前記印字ラインの方向に沿って配列された複数の発熱体を有する印字ヘッドと、
各印字ラインの印字ドットの数を特定し、かつ、特定した印字ドットの数に基づいて、各印字ラインを印字するときの前記複数の発熱体の制御方式を、第1制御方式および第2制御方式のいずれかに決定する制御部と、を備え、
前記第1制御方式は、前記複数の発熱体を複数の第1グループにグルーピングし、かつ、前記複数の発熱体をグループ単位で異なるタイミングにより発熱対象とする方式であり、各第1グループは、連続して配置され、かつ同一のタイミングで発熱対象とする2以上の発熱体から構成され、
前記第2制御方式は、前記複数の発熱体を複数の第2グループにグルーピングし、かつ、前記複数の発熱体をグループ単位で異なるタイミングにより発熱対象とする方式であり、各第2グループは、同一のタイミングで発熱対象とする単一の発熱体が間隔を空けて配置される2以上の発熱体、又は同一のタイミングで発熱対象とし、かつ連続して配置される発熱体群が間隔を空けて配置される2以上の発熱体から構成され、
各第1グループおいて連続して配置される発熱体の数は、各第2グループにおいて連続して配置される発熱体の数よりも多い、
プリンタ。 - 前記複数の発熱体において、発熱対象となる発熱体と発熱対象とならない発熱体の間の境界の数は、前記第2制御方式が前記第1制御方式よりも多い、
請求項1に記載のプリンタ。 - 前記制御部は、
前記印字データに基づいて、各印字ラインについて、前記画像のエッジ部分を含む印字ラインであるエッジライン、および、前記画像の非エッジ部分を含む非エッジラインのいずれであるかを判定し、
前記エッジラインの制御方式を前記第1制御方式に決定し、
前記非エッジラインの制御方式を前記第2制御方式に決定する、
請求項1又は2に記載のプリンタ。 - 前記制御部は、
前記複数の印字ラインのうち、前記制御方式を決定すべき印字ラインである対象ラインと、前記対象ラインに隣接する印字ラインである参照ラインとの間の印字ドットの変化量を算出し、
前記変化量が所定の第1閾値以上である場合、前記対象ラインを前記エッジラインと判定し、
前記変化量が前記第1閾値未満である場合、前記対象ラインを前記非エッジラインと判定する、
請求項3に記載のプリンタ。 - 前記制御部は、各印字ラインの印字ドットの数を特定し、かつ、特定した印字ドットの数に基づいて、各印字ラインを印字するときの前記複数の発熱体の制御方式を、前記第1制御方式、前記第2制御方式、又は第3制御方式のいずれかに決定し、
前記第3制御方式は、前記複数の発熱体を同一のタイミングで発熱対象とする方式である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリンタ。 - 前記制御部は、
前記複数の印字ラインのうち、前記制御方式を決定すべき印字ラインである対象ラインの印字ドットの数と、前記対象ラインに隣接する印字ラインである参照ラインとの間の印字ドットの変化量を算出し、
前記変化量が所定の第1閾値以上であり、かつ、前記対象ラインの印字ドットの数が所定の第2閾値以上である場合、前記対象ラインの制御方式を前記第1制御方式に決定し、
前記変化量が前記第1閾値未満であり、かつ、前記対象ラインの印字ドットの数が前記第2閾値以上である場合、前記対象ラインの制御方式を前記第2制御方式に決定し、
前記対象ラインの印字ドットの数が前記第2閾値未満である場合、前記対象ラインの制御方式を前記第3制御方式に決定する、
請求項5に記載のプリンタ。 - 前記印字媒体を搬送する搬送部をさらに備え、
前記制御部は、前記制御方式が前記第1制御方式に決定された印字ラインを印字するときの前記搬送部の制御パターンを第1パターンに決定し、前記制御方式が前記第1制御方式に決定された印字ラインの1ライン後の印字ラインを印字するときの前記搬送部の制御パターンを、前記第1パターンより印字時間が長い第2パターンに決定する、
請求項1〜6のいずれかに記載のプリンタ。 - 前記制御部は、前記制御方式が前記第1制御方式に決定された印字ラインを印字するときに前記発熱体に印加する電圧を第1電圧に決定し、前記制御方式が前記第1制御方式に決定された印字ラインの1ライン後の印字ラインを印字するときに前記発熱体に印加する電圧を、前記第1電圧より高い第2電圧に決定する、
請求項1〜6のいずれかに記載のプリンタ。
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