JP6860945B2 - 微小気泡発生装置、及び微小気泡発生方法 - Google Patents

微小気泡発生装置、及び微小気泡発生方法 Download PDF

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Description

この発明は、液体中にファインバブル、マイクロバブル、ウルトラファインバブル等と称される微小気泡を発生させる技術に関し、特に、液体を電気分解することにより微小気泡を発生させる装置、及び方法に関する。
従来、直径が数百nm〜数十μmの微小気泡を含む液体は、洗浄力が飛躍的に向上するなど特殊な性質を有するため、その形成方法が種々開発さており、その一つとして、電気分解を利用する方法が知られている(特許文献1から特許文献3参照)。例えば、特許文献1では、チタンを陽極、白金を陰極として水を電気分解し、酸素と水素からなるナノバブルを発生させる装置が提案されている。
特許文献1に係る装置では、電気分解を開始すると、すぐにチタン表面に酸化被膜が生じるため、ほとんど電気分解を行うことができないという問題があった。そこで、特許文献1の発明者は、特許文献2に係る装置において、チタンを陰極とし、白金、又は表面に白金をコーティングしたチタンを陽極とすることで、陽極の酸化を抑えることを提案している。ところが、特許文献2のように、白金を陽極にした場合であっても、ある程度長く電気分解を続けるうちに、やはり陽極表面に酸化被膜が生じるという問題がある。
そこで、本発明者は、未公開ながら本出願に先立つ出願(特許文献3参照)で、電気分解により微小気泡を発生させる流水を通す管中に多数の炭チップを充填することで、炭チップの還元力により電極の酸化被膜形成を抑制する微小気泡発生装置を提案している。
WO2014/148397号公報 特開2018−020313号公報 特願2019−50911号
しかしながら、特許文献3の微小気泡発生装置は、電池により装置が大きくなるため、持ち運びに不便であるという問題や、電池が切れると使えないという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電池等の電源を必要としない微小気泡発生装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、水を電気分解して微小気泡を発生させる微小気泡発生装置であって、内部に水を流すよう構成された中空状の通水室と、前記通水室内を流れる水流と交差する方向に磁界を加える磁石と、前記通水室内に充填される一、又は複数個の導電性チップとを備え、前記水は、電気伝導度が10mS/m以上30mS/m以下の水であり、前記導電性チップは、ウバメガシから形成され、一般社団法人全国燃料協会が規定する精錬度が0度から2度の備長炭からなり、前記通水室に対し非固定で充填されていることを特徴とする。
ここで、「備長炭」とは、一般社団法人全国燃料協会が規定する木炭の規格における備
長炭の定義と品質を満たすものをいうものとする。
本発明にかかる微小気泡発生装置では、こうして水流と交差する方向に磁界を加えることで、水中に渦状の起電力が発生する。そして、水中に導電性チップが存在することで、導電性チップの表面の異なる部分を陽極と陰極にして水中に渦電流が生じ、これにより水が電気分解されて、水素と酸素からなる微小気泡が発生すると推測される。
ここで、水は、電気伝導度が10mS/m以上、30mS/m以下であることが必要である。電気伝導度が10mS/m未満であると、水中に十分な渦電流が生じないため、微小気泡が十分に発生しない虞がある。また、電気伝導度が30mS/mを超えると、飲料に適さないなど、安全性が損なわれる虞がある。
また、導電性チップが通水室に対して非固定であるため、通水室に水を流した際に導電性チップが揺動し、これによっても導電性チップ内に渦電流を発生させることができる。
また、導電性チップは、備長炭であることが必要であり、例えば、これより電気伝導度の小さい活性炭等を導電性チップに用いると、導電性チップ内部に十分に電流を流すことができないため、微小気泡を十分に発生できない虞がある。また、鉄やフェライト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス等、強磁性の材料を用いると磁力により固定されて、上述した非固定の効果が損なわれる虞がある。
た、耐食性の低い鉄やフェライト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス等を導電性チップに用いると、導電性チップの表面に酸化被膜が生じて、長時間の使用に耐えない虞がある。これらより脆いグラファイトや他の白炭等を用いると、流水に炭が混じって、処理水が飲用に適さなくなる虞がある。
本発明は、水を電気分解して微小気泡を発生させる微小気泡発生方法であって、電気伝導度が10mS/m以上30mS/m以下の水と、ウメバガシから形成され、一般社団法人全国燃料協会が規定する精錬度が0度から2度の備長炭からなる一、又は複数の導電性チップとを用い、中空状の通水室に、前記一、又は複数個の導電性チップを非固定で充填し、前記通水室内に前記水を流しながら、この水流と交差する方向に磁界を加えることを特徴とする微小気泡発生方法を含む。
以上説明したように、本発明の微小気泡発生装置、及び微小気泡発生方法によれば、電源を必要とすることなく電解液中に微小気泡を発生させることができる。
本発明の第1実施形態に係る微小気泡発生装置を電解液の流れる方向に垂直に切断した横断面模式図である。 図1の微小気泡発生装置を磁界に平行な面で切断した縦断面模式図である。 図1の微小気泡発生装置を磁界に垂直な面で切断した縦段面模式図である。 導電チップに渦電流が生じる様子を示した概念図である。 本発明の第2実施形態に係る微小気泡発生装置を一部透過して示した模式図である。 比較例1、比較例2についての分析結果要約を示す対比表である。 比較例の純水に含まれる微小気泡の気泡径による個数濃度分布を示すグラフである。 比較例1の微小気泡含有水に含まれる微小気泡の気泡径による個数濃度分布を示すグラフである。 判定器の模式図である。 導電性チップにより水素と酸素からなる微小気泡が消失する原理を示した概念図である。 比較例3から比較例7の分析結果要約を示す対比表である。 比較例の試料水に含まれる微小気泡の気泡径による個数濃度分布を示すグラフである。 比較例4の試料水に含まれる微小気泡の気泡径による個数濃度分布を示すグラフである。 比較例の試料水に含まれる微小気泡の気泡径による個数濃度分布を示すグラフである。 比較例の試料水に含まれる微小気泡の気泡径による個数濃度分布を示すグラフである。 比較例の試料水に含まれる微小気泡の気泡径による個数濃度分布を示すグラフである。
以下、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限られるものではない。
(第1実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る微小気泡発生装置100を示している。微小気泡発生装置100は、水1を電気分解して、微小気泡を含んだ微小気泡含有水2を形成するものである。
微小気泡発生装置100は、内部に水1を流す中空状の通水室3と、通水室3内の液流と交差する方向に磁界を加える一対の磁石4,4と、通水室3内に多数(複数)充填される導電性チップ5,5,…と、通水室3の上下流側へ連通する送液管9,9とを備える。
水1は、水道水やミネラルウォーター、温泉水等を適宜に用いることができるが、電気伝導度が10mS/m以上、30mS/m以下のものが用いられる。電気伝導度を10mS/m以上とすることで、水中に微小気泡を発生させるのに十分な渦電流を生じさせることができる。また、電気伝導度を30mS/m以下とすることで、微小気泡含有水2の安全性を高めることができる。水1を電気分解することにより、水素、及び酸素からなる微小気泡を含んだ微小気泡含有水2が得られる。
通水室3は、両端開口を流入口31、及び流出口32とする中空の円管状をなし、内部に導電性チップ5,5…が多数充填されるとともに、内部に水1を流すよう構成されている。流入口31と流出口32は、ステンレス等の網6により、閉塞されるとともに、塩化ビニル等の送液管9,9に連通している。通水室3の材質としては特に限定されず、塩化ビニルやポリエチレン等の被導電体、ステンレス、真鍮等の導電体を適宜に用いることができるが、通水室3の内面33からも渦電流が発生するように、少なくとも通水室の内面33は、導電体により形成されることが好ましい。
磁石4は、通水室3を流れる水1の液流方向に交差する磁界を形成可能であれば、電磁石と永久磁石のいずれも用いうるが、本発明が電源を排することを目的としているので、ここでも電源を必要としない永久磁石が好ましい。磁界の方向と水流の方向が直交することが好ましいことはいうまでもない。尚、図中の符号7は、磁力線を示している。
導電性チップ5,5,…は、導電性の物質からなる。図1から図5では、便宜上、正五角形に記載しているが、導電性チップ5の形状は、特に限定されるものではなく、板状、棒状、筒状、球形、多面体状、その他、各種の形状を取りうる。
導電性チップ5,5,…は、通水室に固定せず(非固定で)装填される。導電性チップ5,5,…を固定しないことで、通水室に水を流した際に導電性チップ5,5,…が揺動し、これによっても導電性チップ5,5,…内に渦電流を発生させることができる。
導電性チップ5の材質としては、備長炭が用いられる。備長炭は、十分な電気伝導度を有し、内部に渦電流を流して、微小気泡を発生させることができる。また、備長炭は、磁力により固定されることがないので、上述した非固定の効果が損なわれない。
また、備長炭は、鉄やフェライト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス等に比べて耐食性が高く、導電性チップに用いた場合に表面に酸化被膜が生じにくいので、長時間使用することができる。
加えて、備長炭は、流水に炭や錆が混じることを抑制できる。備長炭としては、ウバメガシが、好適に用いられ、一般社団法人全国燃料協会が規定する精錬度が0度から2度のものが用いられる。
微小気泡発生装置100を用いて、微小気泡を発生させる際には、図2に示すように、流入口31から通水室3内に水道水等の水1を流入させる。通水室3内に流入した水1は、通水室3内に多数充填された導電性チップ5の間を縫うようにして、通水室3の内部を通過し、流出口32から送出される。この間、水1中の水素イオンと水酸化物イオンには、一対の磁石4,4からの磁界により、磁界の方向に垂直で、かつイオンの流れる方向に垂直にローレンツ力が働いて、これらのイオンが回転して渦電流8を生じるものと考えられる。
あるいは、通水室3内を流れる水1により導電性チップ5が振動し、これにより導電性チップ内の自由電子にローレンツ力が働いて渦電流が生じているとも考えられる。
このようにして発生した渦電流8は、導電性チップ5の表面の一部から流れ込み、同表面の他の一部から流出するように流れることで、導電性チップ5の表面から電気分解により生成される気体を微小気泡として発生させる。図4に示すように、渦電流8が流れ出す面51をプラス極として酸素が発生し、渦電流8が流れ込む面52をマイナス極として水素が発生する。液中に発生した気泡は、一部、又は全部が微小気泡となって液中に留まり、水1は、微小気泡含有水2となって、流出口32から送出される。
<純粋を用いた食塩水についての試験例>
以下、本発明により水中に微細気泡を発生させられることを確認するために実施した試験について説明する。本発明は水道水等の導電性のある水を対象とするものであるが、水道水等は、水中の微小な浮遊物等が気泡と誤認される恐れがあるため、まず、純粋に食塩を混合した食塩水について検証を行った。
比較例1)
実施形態1に基づいて製造した微小気泡発生装置100に、水のかわりに以下の食塩水を電解液とし、下記仕様の各部材を用いた微小気泡発生装置により、微小気泡含有水を得た。この場合は、微小気泡として、水素と塩素が発生しているものと思われる。
(電解液)
純水に、食塩0.9%を溶かした食塩水
(通水室3)
材質:真鍮
寸法:内径φ13mm、外形φ17mm、長さ35mm
(永久磁石4)
ネオジウム磁石
等級:N35
表面磁束密度:600mT
寸法:幅15mm×厚み5mm×長さ30mm
(導電性チップ5)
材質:ウバメガシ(日下木炭店製紀州の備長炭)
寸法:5mmチップ(3mmの網の目で、ふるいにかけて、3mm未満のチップを除去し
てから、5mmの網の目で、ふるいにかけて通過したもの)
(網6)
材質:SUS304
寸法:φ18mm
(送液管9)
材質:塩化ビニル
寸法:内径:φ13mm、外形φ24mm、長さ48mm
(電解液が通水室を通過する流速)
2.1リットル/分
上記の条件により得られた微小気泡含有水をビーエム機器株式会社製のZetaVieを用いて、液中に含まれる微小気泡の粒子径分布と個数濃度を測定した。微小気泡含有水をシリンジにて採取し、希釈は行わず、装置サンプル注入口よりサンプル注入液温及び対流の安定を確認したのち、粒子径分布測定を実施した。測定は、1回につき11か所で行い、D10%径(その径以下の気泡の体積の累積分布が10%となるときの気泡径)、D50%径、D90%、及び個数濃度を求めた。これを3回実施してその平均を求めた。
(比較例
電解液として食塩水を用いる代わりに、比較例1の食塩水に用いた純水を(微小気泡発生装置100を通すことなく)比較例1と同様にして、粒子径分布を測定した。
比較例1、比較例の粒子分布測定結果の考察)
比較例1、及び比較例の結果を、図6の分析結果要約と、図7、図8の気泡径による個数濃度分布に示す。図6に示すように、比較例1で得られた微小気泡含有水2中の気泡の、D10%径、D50%径、D90%径は、いずれも比較例と比べて、小さいものであった。また、比較例1の微小気泡含有水2の個数濃度は、1mlあたり約1300万個で。比較例の純水の個数濃度は、1mlあたり約130万個であった。このことから、比較例1の微小気泡含有水2は、比較例の純水より平均粒子径の小さい微小気泡が、約10倍の個数濃度で含まれることが分かった。また、図8に示すように、比較例1の微小気泡含有水2に含まれる微小気泡は、概ね全部が直径10nmから1000nmの間にあるウルトラファインバブルであることがわかった。
以上のことから、導電性チップとして備長炭を用いた本発明の微小気泡発生装置により水中に微小気泡を効果的に発生可能なことがわかった。
<水道水を用いた試験例>
本発明の微小気泡発生装置で、水道水中に微小気泡を発生させられるかどうかを検証するために、微小気泡の数量の正確な測定を妨げる水道水中の浮遊物をフィルターであらかじめ除去した水道水を用いて、以下の試験を行った。
(比較例
オルガノ株式会社製の0.1μmのろ過フィルター(品番1BC−1SC)を同社製のフィルタハウジング(品番PF−3)にセットしたろ過装置を、樹脂製ホースで水道の蛇口に接続し、この蛇口から放出した水道水をこのろ過装置でろ過して得られた試料水を、ガラス容器に隙間なく充填し、アルミニウム製のキャップで封印した。
こうして得られた5本の試料水を日本カンタム・デザイン株式会社製の測定装置ナノサイトNS−300を用いて、試料水中に含まれる微小気泡の粒子径分布を測定した。試料水を当該測定装置の計測用ホース内に流してカメラレベル15で撮影し、得られた動画を分析することで試料水の粒子径分布を算出した。これを5つの試料水について実施した。5つの試料水についての平均の粒子径分布を図11、図12に示す。
比較例4
導電性チップとして直径5mmのオーステナイト球(SUS304)を用い、通水室を内径15mmのステンレス管とした他は、比較例1で使用したのと同様の微小気泡発生装置を比較例ろ過装置でろ過した水により内外ともに洗浄し、比較例で用いたろ過装置の下流側に樹脂製ホースで接続した。こうして、水道水の蛇口から流量4.2リットル/分で水道水を供給し、ろ過装置と微小気泡発生装置を通過して得られた微小気泡含有水2からなる試料水をガラス容器に隙間なく充填し、アルミニウムキャップで封印した。この試料水について、比較例と同様に粒子径分布測定を実施した。測定結果を図11、図13に示す。
加えて、当該試験水を直径200mm、深さ60mmのフライパンに入れて直径64mm深さ11mmのジャムの鉄製の蓋をし、さらに、フライパン全体にガラスの蓋をした状態で加熱したところ、ポンと破裂音がして、ガラスの蓋がずれた。
(比較例
比較例4と同様にろ過装置と微小気泡発生装置を通過させた微小気泡含有水2を、図9に示した判定器300へ流量1.5リットル/分で通過させて得られた試料水10mlをガラス瓶に隙間なく充填しアルミニウムキャップで封印した。
ここで、判定器300は、水中に発生した微小気泡が水素と酸素からなる場合に、これを水に戻して消失させるものである。判定器300は、図9に示すように、基本的には、微小気泡発生装置100から磁石4を取り除いた構成を有している。通水室3は、内径15mmのステンレス管14の両端をステンレス網6で閉塞して形成し、送液管9には、塩化ビニル管を用いた。導電性チップ5には、直径5mmのSUS304の球を用いた。
図10は、判定器300における導電性チップ5により、水素と酸素からなる微小気泡が消失する原理を模式的に説明したものである。微小気泡含有水2中の水素と酸素の微小気泡が、導電性チップ5に接触すると、水素分子は導電性チップ5に電子を奪われて水素イオンとなる。この電子は導電性チップ5を介して酸素分子に供給され、酸素分子は酸素イオンとなって、前記の水素イオンと化合して水になる。こうして、水素と酸素からなる微小気泡は消失する。
こうして、得られた試料水について、比較例と同様に粒子分布測定を実施した。得られた結果を図11、図14に示す。
次に、対照実験として、空気の微小気泡が、判定器300を通過させても消失しないことを示すために、比較例、比較例の試験を行った。
(比較例
株式会社田中金属製作所製の空気UFBシャワーヘッド(Bollina Wide、品番TK−7007)を比較例のろ過装置でろ過した水により内外ともに洗浄し、比較例で用いたろ過装置の下流側に樹脂製ホースで接続した。空気UFBシャワーヘッドはシャワーから放出させる水中に空気のUFB(ウルトラファインバブル)を発生させるものである。
こうして水道水の蛇口からの水をろ過装置と該UFBシャワーヘッドを通過させて得られた試料水をガラス容器に隙間なく充填し、アルミニウムキャップで封印した。この試料水について、比較例と同様に粒子径分布測定を実施した。測定結果を図11、図15に示す。
(比較例
比較例と同様にろ過装置と空気UFB発生装置を通過させた水道水を、比較例と同様にさらに判定器300を通過させ、得られた試料水をガラス容器に隙間なく充填し、アルミニウムキャップで封印した。この試料水について、比較例と同様に粒子径分布測定を実施した。測定結果を図11、図16に示す。
(実施例
導電性チップを比較例1で用いた備長炭とした他は、比較例4と同様にして、加熱試験を行った。加熱により、比較例4と同様、加熱によりポンと音がして、ガラスの蓋がずれた。
(実施例
水をミネラルウォーター(銘柄:財宝温泉、株式会社財宝製、電気伝導率:21.9mS/m)とした他は、実施例と同様にして加熱試験を行ったところ、比較例4と同様、加熱によりポンと音がして、ガラスの蓋がずれた。
(実施例1及び2、及び比較例乃至の結果の考察)
以上、比較例3乃至7の粒子径分布測定の結果(図11から図16)において、100nm未満の粒子径のものは、100nmのフィルターを通過したカルシウムやケイ素等のコンタミが含まれると考えられるため、粒子径が100nm以上の粒子径のものについて、考察を行った。
まず、水道水をろ過装置に通しただけの比較例(図12)と、水道水をろ過装置+本発明の微小気泡発生装置を通した比較例4(図13)の結果より、本発明の微小気泡発生装置により100nmから120nmのウルトラファインバブルが発生していることが確認でき(図13の頂点が114nmの山を参照)、比較例4の加熱試験よりそれが水素と酸素のウルトラファインバブルであることが分かった。
また、水道水をろ過装置+本発明の微小気泡発生装置を通した比較例4(図13)と、水道水をろ過装置+本発明の微小気泡発生装置+判定器を通した比較例5(図14)の結果より、判定器を通すことにより、微小気泡発生装置で発生した微小気泡(図13の頂点が114nmの山参照)が消失していることが分かった。
また、水道水をろ過装置に通しただけの比較例(図12)と、水道水をろ過装置+空気UFB発生装置を通した比較例(図15)の結果より、空気UFR発生装置により微小気泡が発生していることが確認できた(図15の頂点が123nm、141nmの山を参照)。
また、水道水をろ過装置+空気UFB発生装置を通した比較例(図15)と水道水をろ過装置+空気UFB発生装置+判定器を通した比較例(図16)の結果より、空気UFBにより発生した微小気泡は消失せず、合体してより粒径の大きな微小気泡になった(図15の頂点が123nm、141nmの山と図16の頂点が214nmの山を比較して参照)。
また、比較例と比較例の結果より、本発明の微小気泡発生装置により、空気ではない気体のウルトラファインバブルが発生していることがわかった。
また、図11の分析結果における、D10%径、D50%径、D90%、及び個数濃度は、図12から図16の結果に概ね符合していることがわかった。
また、実施例、実施例の結果から、水として、ミネラルウォーターを用いることもでき、導電性チップとして備長炭を用いても水中に水素と酸素の微小気泡を発生可能なことがわかった。
また、水道水の電気伝導度が10mS/m以上20mS/m程度であること(栗田工業の「水」のプロが教える水処理相談サイトの水処理教室のページ:https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/003.html参照)、及び実施例のミネラルウォーターの電気伝導度から、水としては電気伝導度が10mS/m以上
30mS/m以下の水が好ましいことが分かった。
(実施形態2)
図5は、本発明の第2実施形態に係る微小気泡発生装置200を示している。微小気泡発生装置200は、図4に示すように、並列される第1、及び第2の2つの通水室3,3と、2つの通水室3,3に磁界を形成すべく、通水室3,3を挟むように配設される第1乃至第3の3個の永久磁石4,4,4と、通水室3,3の流入口31側、及び流出口32側に連通する一対の送液管209,209と、通水室3,3内に充填される導電性チップ5,5,・・・とを備えている。
尚、本実施形態において、第1実施形態と共通する部材については、同一記号を付して説明を省略する。
2つの通水室3,3は、長手方向を平行に、流入口31を同じ向きにして並列に配置されている。送液管209は、エルボー管209aと、三方管209cを2個の直管209b,209bで連結して形成され、エルボー管209aと、三方管209cを、2つの通水室3,3の流入口31、又は流出口32に連通するように通水室3,3に連結されている。上流側(図4左側)の送液管209の入り口209dから流入した電解液は、二手に分かれて、エルボー管209aから第1(図4上側)通水室3へ流入し、三方管209cから第2(図4下側)通水室へ流入する。第1通水室3からエルボー管209aに送出された微小気泡含有水2と、第2通水室3から三方管209cに送出された微小気泡含有水2は、合流して、下流側(図4右側)の送液管209の出口209eから送出される。このように、本実施形態に係る微小気泡発生装置200は、水1を2つの通水室3に分割して並列処理するため、1つの通水室3で水1を処理する場合に比べて、2倍の効率で微小気泡含有水を形成することができる。
本発明の微小気泡発生装置は、上記の実施形態や実施例に限られるものではなく、例えば、磁石は、通水室を挟んで一対を設ける必要はなく、通水室の一方のみに設ければ足りる。導電性チップは、長さが5mmを超えてもよいし、5mm未満であってもよい。通水室は、流入口と流出口を備えた中空状をなしていれば、円管状でなく、角菅状であってもよいし、箱型であってもよい。通水室は、3つ以上設けられてもよく、通水室を直列に設けてもよい。
本発明の微小気泡発生装置、及び微小気泡発生方法は、電池等の電源を必要とせずに、水中に微小気泡を発生できるので、屋内、屋外を追わず、蛇口やシャワーからの水道水、ウオーターサーバーからの飲料水その他の水に、微小気泡を発生させる用途に好適に用いることができる。
100,200 微小気泡発生装置
1 水
3 通水室
4 磁石
5 導電性チップ
33 内壁

Claims (2)

  1. 水を電気分解して微小気泡を発生させる微小気泡発生装置であって、
    内部に水を流すよう構成された中空状の通水室と、
    前記通水室内を流れる水流と交差する方向に磁界を加える磁石と、
    前記通水室内に充填される一、又は複数個の導電性チップと
    を備え、
    前記水は、電気伝導度が10mS/m以上30mS/m以下の水であり、
    前記導電性チップは、ウバメガシから形成され、一般社団法人全国燃料協会が規定する精錬度が0度から2度の備長炭からなり、前記通水室に対し非固定で充填されていることを特徴とする微小気泡発生装置。
  2. 水を電気分解して微小気泡を発生させる微小気泡発生方法であって、
    電気伝導度が10mS/m以上30mS/m以下の水と、
    ウメバガシから形成され、一般社団法人全国燃料協会が規定する精錬度が0度から2度の備長炭からなる一、又は複数の導電性チップとを用い、
    中空状の通水室に、前記一、又は複数個の導電性チップを非固定で充填し、
    前記通水室内に前記水を流しながら、この水流と交差する方向に磁界を加えることを特徴とする微小気泡発生方法。
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