まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の回路構成例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。尚、本実施例では、特別図柄を文字や記号等の各々を識別可能な複数種類の識別情報とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特別図柄を複数のドット表示の組み合わせにより一定の法則性を有さない識別困難なもの、或いは識別不能なものとしてもよい。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の左端部には、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示エリア5Dが表示されており、演出表示装置5の下部における左右方向の中央には、変動表示中の保留記憶に対応する保留表示をアクティブ表示として表示するアクティブ表示エリア5Fが表示されている。また、演出表示装置5における保留記憶表示エリア5Dの上方位置には、キャラクタ画像Cが表示されている。本実施例のパチンコ遊技機1では、詳細は後述するが、新たな始動入賞が発生することによりキャラクタ画像Cから保留表示が保留記憶表示エリア5Dまたはアクティブ表示エリア5Fに向けて移動する始動入賞演出を実行可能となっている。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸形の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸形の白色表示とする。
尚、以下の説明において、保留記憶表示エリア5Dを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。尚、本実施例では、保留記憶表示を保留表示と称することがある。
保留記憶表示エリア5Dにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
また、演出表示装置5の右上方には、保留記憶表示エリア5Dとともに保留記憶数をLEDの点灯・消灯によって特定可能に表示するための保留表示数対応表示器31が設けられている。尚、本実施例の保留表示数対応表示器31は、8個のLEDを有しており、後述するLED制御基板14を介して演出制御用CPU120によってこれら8個のLEDの点灯・消灯制御が実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示数対応表示器31が有するLEDは、CPU103によって点灯・消灯制御が実行されてもよい。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄及び普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
また、本実施例の普通入賞球装置6A内には、後述する保留表示予告演出の実行時に、該保留表示予告演出の対象となっている保留表示またはアクティブ表示の表示態様に対応する色にて点灯する保留表示態様対応LED30が内蔵されている。尚、本実施例における保留表示態様対応LED30は、後述するLED制御基板14を介して演出制御用CPU120によって点灯・消灯制御が実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示数対応表示器31は、CPU103によって点灯・消灯制御が実行されてもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、前述の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが設けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニット35Aは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの配置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果LED9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果LED9などにおける点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果指定コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果指定コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果指定コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(確変や非確変や突確)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図8に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。尚、本実施例におけるスーパーリーチαのスーパーリーチ演出とスーパーリーチβのスーパーリーチ演出は、共に演出表示装置5の左上部に表示されているキャラクタ画像Cのキャラクタが敵キャラクタと対戦する演出(所謂バトル演出)である(図41参照)。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図7(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図7(A)示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。即ち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図7(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、前述したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「非確変大当り」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」または「確変大当りB」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図5に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、更に、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。即ち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図8に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図8に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151Aと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データとを記憶する。一例として、特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口または第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の入賞が、第1始動入賞口または第2始動入賞口への入賞のいずれであるかを示す始動入賞種別データ、その遊技球の入賞に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「8」)に達するまで記憶する。こうして特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図または第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)を大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してLEDデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図9(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図9(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図9(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶されている。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応したエントリ)が設けられている。
各々の格納領域(エントリ)には、当該エントリが対応する始動入賞が、第1始動入賞口への入賞に対応したものであるのか、第2始動入賞口への入賞に対応したものであるのかを特定可能な始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンド)を格納する領域と、図柄指定コマンドを格納する領域と、変動カテゴリコマンドを格納する領域と、保留記憶数通知コマンドを格納する領域と、がある。
更に、本実施例の始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、後述する保留表示予告演出決定処理(図22)において保留表示予告演出の実行の有無の決定に伴う表示パターンの決定が未決定であるか否か、つまり、新たな始動入賞の発生によって、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドが新たに格納されたことにより表示パターンの決定が未決定である旨を示す表示未決定フラグと、保留記憶表示の表示パターン(表示態様)に応じたフラグ値がセットされる保留表示フラグと、保留表示の表示パターン(表示態様)の最終態様に応じたフラグ値がセットされる変化先フラグと、が各格納領域(エントリ)毎に確保されている。
尚、保留表示フラグには、後述する保留表示予告演出決定処理において、保留表示予告演出の実行が決定されなかった場合には、通常の保留記憶表示の表示パターンに対応する「0」が格納されることで、通常の表示態様(例えば、白抜き○)の保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示され、保留表示予告演出の実行が決定された場合には、通常の表示態様とは異なる特別態様(例えば、四角形(◇)や星(☆))の保留記憶表示の表示パターンに対応する「1」(四角形(◇))または「2」(星(☆))がセットされることで、通常の表示態様とは異なる特別態様の保留記憶表示が保留記憶表示エリア5Dに表示されて、該保留記憶表示に対応する変動表示において、大当りとなる可能性やスーパーリーチとなる可能性が高いことが予告されるようになっている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1」)の変動表示が開始されるときに、該開始条件が成立した保留記憶の内容(データ)が、図9(C)のアクティブ表示記憶バッファ194Bに移動されて、クリアされるとともに、クリアされた格納領域(エントリ)よりも下位の格納領域の記憶内容は、1つずつ上位の格納領域にシフトされていくようになっている。
アクティブ表示記憶バッファ194Bには、上記したように、保留記憶(バッファ番号「1」)の変動表示が開始されるときに、該開始条件が成立した保留記憶の内容(データ)が移動されて、上書き更新されるので、図9(C)に示すように、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aと同様の格納領域が設けられている。つまり、始動口入賞指定コマンドを格納する領域と、図柄指定コマンドを格納する領域と、変動カテゴリコマンドを格納する領域と、保留記憶数通知コマンドを格納する領域と、表示未決定フラグを格納する領域と、表示態様フラグを格納する領域と、変化先フラグを格納する領域と、が設けられている。尚、詳細は後述するが、表示態様フラグの値として「0」がセットされており、且つ変化先フラグの値として「1」や「2」がセットされている保留記憶が存在する場合は、変動表示の実行中に作用演出処理が実行されることによって変化先フラグの値が表示態様フラグの値としてセットされることによって、当該保留記憶に対応する保留表示の表示態様が変化することがある。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やはずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やはずれ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する非確変大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りAと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における所定期間と同じであるが、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)よりも少ない第2回数(例えば、5回)繰返し実行される。尚、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。尚、これら短期開放大当り状態では、ラウンド回数を第2回数である5回とした形態を例示しているが、ラウンド回数は通常開放大当り状態における第1回数(例えば、16回)と同一とする一方、所定数(例えば6)以降の各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)を、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)とすることで、実質的なラウンド回数を通常開放大当り状態よりも少なくするようにしても良い。
このような短期開放大当り状態では、ラウンド数が通常開放大当り状態よりも少ないことにより、通常開放大当り状態よりも獲得できる出玉(賞球)の期待値が少ない大当り状態であれば良い。尚、これら短期開放大当り状態では、全てのラウンドについて、大入賞口の開放期間を第2期間(0.1秒間など)とすることで、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態としても良い。即ち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となることで、通常開放大当り状態よりも獲得可能な出玉(賞球)が少ないものであればよい。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、図5に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図5参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、LED点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、はずれ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチはずれ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」以外の奇数「1」、「3」、「5」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「1」、「3」、「5」である演出図柄は、前述した「7」である演出図柄と同様に確変図柄と称される。尚、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図10のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図10に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に配置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図11は、特別図柄プロセス処理として、図10に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞処理を実行する(S21)。該始動入賞処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、図12に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、更には変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(S111)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図10に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S111の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図10に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図13(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図12のS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図11のS22、図15)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図11のS23、図16)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、演出図柄の変動表示態様がいずれのカテゴリの変動表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留表示予告演出が実行されるようになる。
図13(A)に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図12のS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、変動表示結果が「はずれ」となることに応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S124)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S125)。時短フラグがセットされていない場合は(S125;N)、はずれ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし、時短フラグがセットされている場合は(S125;Y)、はずれ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S127)。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。また、はずれ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルである。
尚、本実施例では、これらのはずれ用変動パターン判定テーブルAやはずれ用変動パターン判定テーブルDに加えて、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、これらはずれ用変動パターン判定テーブルA〜Cのうち、はずれ用変動パターン判定テーブルAでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aまでの値が割り当てられており、はずれ用変動パターン判定テーブルB,Cでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aを超える値が割り当てられている。一方、はずれ用変動パターン判定テーブルA〜Cでは、スーパーリーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうちB〜997までの値が割り当てられている。
このため、S126においてはずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、はずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定するようになっている。
図13(A)に示すように、S123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
また、S128において判定した大当り種別に応じた図柄指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、大当り変動パターンを複数のいずれかに判定するためのテーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S130)。
S126,S127,S130の処理のいずれかを実行した後には、S126,S127,S130の処理にて設定された変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(S131)。本実施例では、図13(B)に示すように、少なくとも変動表示結果が「はずれ」となる場合に、合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「スーパーリーチ」の変動表示態様となる変動カテゴリと、「非リーチ」と「スーパーリーチ」以外の変動表示態様(例えばノーマルリーチ)となる「その他」の変動カテゴリと、を設け、乱数値MR3に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
その後、S131の処理による判定結果に応じた変動カテゴリ指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特図保留記憶部151に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。即ち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図14は、特別図柄通常処理として、図11のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて合計特図保留記憶数が「0」である場合には、特別図柄通常処理を終了する。一方、S141にて合計特図保留記憶数が「0」でない場合には(S141;N)、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている最初の保留データの始動入賞種別が「第1」であるか否か、つまり、保留番号「1」に対応して記憶されている最初の保留データが第1始動入賞によるものであるか否かを判定する。
最初の保留データの始動入賞種別が「第1」である場合には(S142;Y)、特別図柄ポインタを「第1」に更新した後にS145に進み(S143)、最初の保留データの始動入賞種別が「第2」である場合には(S142;N)、特別図柄ポインタを「第2」に更新した後にS145に進む(S144)。
S145では、保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S145の処理に続いて、特別図柄ポインタが示す保留記憶数カウンタの値を−1し、特図保留記憶部151Aのデータを更新する。具体的には、特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S146)。
次いで、合計保留記憶数カウンタの値を−1するとともに(S147)、特別図柄ポインタが示す保留記憶数指定コマンドの送信設定を行い、S149に進む(S148)。こうして設定された保留記憶数指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図10に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図6に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「はずれ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「はずれ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図7(A)に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「非確変」、「確変A」、「確変B」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が非確変大当りに対応する「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りAに対応する「確変A」であれば「1」とし、確変大当りBに対応する「確変B」であれば「2」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、更には、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変A」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「確変B」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
図15は、変動パターン設定処理として、図11のS23にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S161)。そして、大当りフラグがオンであれば(S161;Y)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S162)。
S161にて大当りフラグがオフであるときには(S161;N)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否か(セットされているか)を判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(S163)。そして、時短フラグがオンであれば(S163;Y)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、はずれ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S164)。
一方、時短制御中ではないとき、つまり、時短フラグがオフであるとき(セットされていないとき)には(S163;N)、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定し、該特定した合計保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(S165)。
特定した合計保留記憶数が2以上でない場合(S165;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、はずれ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットする(S166)。
また、特定した合計保留記憶数が2以上である場合(S165;Y)には、S167に進んで、合計保留記憶数が5以上であるか否かを更に判定する(S167)。
合計保留記憶数が5以上でない場合(S167;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、はずれ用変動パターン判定テーブルBを選択してセットする(S168)。
また、合計保留記憶数が5以上である場合(S167;Y)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、はずれ用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(S169)。
S162,S164,S166,S168,S169の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン判定テーブルまたははずれ用変動パターン判定テーブルA〜Dのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S170)。
尚、大当りフラグがオフであるときには、S170の処理にて変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。即ち、S170の処理には、変動表示結果が「はずれ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S170にて変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S171)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S171の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S172)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
S172の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S173)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S174)、変動パターン設定処理を終了する。
S172でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図10に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。尚、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果指定コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図16は、特別図柄停止処理として、図11のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、S24の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグ及び時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変A)、大当り開始2指定コマンド(確変B)、大当り開始3指定コマンド(非確変)を送信するための設定を行う(S185)。
更にCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、非確変大当りや確変大当りAの場合には16回、確変大当りBの場合には5回)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図17は、大当り終了処理として、図11のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、即ち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、時短フラグをセットし(S209)、時短回数カウンタに「0」をセットした後(S210)、S213に進む。
一方、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBでない場合(S207;N)には、S211とS212を実行することで、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタに「100」をセットした後、S213に進む。
S213では、大当りフラグをクリアし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S214)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S215)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S216)。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図18は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図19は、コマンド解析処理として、図18のS54にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S221)。このとき、受信コマンドがなければ(S221;N)、コマンド解析処理を終了する。
S221にて受信コマンドがある場合には(S221;Y)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S222)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(S222;Y)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(S223)。例えば、S223の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S222にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(S222;N)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S224)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(S224;Y)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(S225)。例えば、S225の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
S224にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(S224;N)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S226)。S226にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S226;N)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S227)。S227にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(S227;N)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S228)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(S228;Y)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S229)。
S228にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(S228;N)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(S230)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(S230;Y)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(S231)。
そして、S229,S231の処理のいずれかを実行した後は、格納したエントリの表示未決定フラグに、保留表示態様が未決定である旨を示す「1」をセットする(S232)。
S226にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(S226;Y)、S227にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(S227;Y)、あるいはS223,S225,S232の処理のいずれかを実行した後には、受信コマンドを図示しない始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納し(S233)、S221の処理に戻る。
尚、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。即ち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
S230にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(S230;N)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(S234)、S221の処理に戻る。
図20は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留表示やアクティブ表示に関する演出の制御を実行するための保留演出処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図21は、演出制御プロセス処理における保留演出処理(S72)を示すフローチャートである。保留演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、保留表示予告演出の実行・非実行を決定するための保留表示予告演出決定処理を実行する(S901)。次に、始動入賞により発生した保留表示を保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させるための始動入賞演出処理(S902)、保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留表示を、新たな変動表示が開始されたことに基づいて新たな表示位置に表示する保留表示・アクティブ表示移行演出を実行するための保留表示・アクティブ表示移行演出処理(S904)、保留表示やアクティブ表示の表示態様を表示態様フラグに基づいて更新する保留表示・アクティブ表示更新処理(S905)、保留表示態様対応LED30を保留表示やアクティブ表示の表示態様に対応する色で点灯させる保留表示態様対応LED点灯処理(S906)、保留表示数対応表示器31が有するLEDを保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留表示数に応じて点灯・消灯させる保留表示数対応表示器点灯処理()S907を実行し、保留演出処理を終了する。
図22は、保留演出処理における保留表示予告演出決定処理(S901)を示すフローチャートである。保留表示予告演出決定処理では、演出制御用CPU120は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aをチェックし(S240)、始動入賞時のコマンドの新たな格納が有るか否かを、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが存在するか否かにより判定する(S241)。
表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが無い場合は(S241;N)、保留表示予告演出決定処理を終了し、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリが有る場合は(S241;Y)、既に変化先フラグに「1」または「2」がセットされているエントリが有るか否か、つまり、既に保留表示予告演出の実行が決定されている保留記憶が有るか否かを判定する(S242)。変化先フラグに「1」または「2」がセットされているエントリが有る場合は(S242;Y)、S256に進み、変化先フラグに「1」または「2」がセットされているエントリが無い場合は(S242;N)、該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドであるか否か、つまり、図柄指定コマンドがはずれを示すコマンドであるか否かを判定する(S243)。該エントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドでない場合、つまり、大当り(確変大当りA、確変大当りB、非確変大当りのいずれか)を示すコマンドである場合は(S243;N)、当該エントリの図柄指定コマンドから大当り種別を特定する(S244)。
そして、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データとS244において特定した大当り種別に基づいて、図示しない大当り時保留表示予告演出判定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出を実行するか否かと、保留表示予告演出を実行する場合における表示パターンと、を決定する(S245)。
S245においては、例えば、図25(A)に示すような決定割合で保留表示予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。図25(A)に示す決定割合の設定例では、S244の処理において特定した大当り種別に応じて、保留表示予告演出の有無や表示パターン(予告種別)の決定割合を異ならせている。
具体的には、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として、表示パターンβ及び表示パターンγの2種類が設けられている。このうち、保留表示予告演出の表示パターンが表示パターンβに決定された場合には、保留記憶表示が白色の四角形(◇)で保留記憶表示エリア5Dに表示され、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)が表示パターンγに決定された場合には、保留記憶表示が白色の星形(☆)で保留記憶表示エリア5Dに表示される。尚、本実施例において保留表示予告演出の非実行が決定される場合は、保留記憶表示が白色の丸形(○)である表示パターンαにて保留記憶表示エリア5Dに表示される。
尚、変動表示結果が大当りとなる場合は、保留表示予告演出が非実行に決定される場合が無く、必ず保留表示予告演出の実行が決定されて表示パターン(予告種別)として表示パターンβまたは表示パターンγのどちらかの表示パターン(予告種別)が決定される。
また、図25(A)に示すように、大当り種別が「確変大当りA」である場合には、表示パターン(予告種別)として表示パターンγが決定される割合は、表示パターンβが決定される割合よりも高く設定されている。一方で、大当り種別が「確変大当りB」または「非確変大当り」である場合には、表示パターン(予告種別)として表示パターンγが決定される割合は、表示パターンβが決定される割合よりも低く設定されている。
このような設定により、変動表示結果が「大当り」であり、かつ表示パターン(予告種別)として表示パターンγの表示が実行された場合は、表示パターンβの表示が実行された場合よりも大当り種別が確変大当りAである割合が高くなり、遊技者の確変大当りAとなることに対する期待度を高めることができる。
尚、本実施例では、変動表示結果が「大当り」である場合は、必ず保留表示予告演出の実行を決定することで保留記憶表示を白色の四角(◇)に表示する表示パターンβまたは白色の星形(☆)に表示する表示パターンγのいずれか一方の表示パターンを実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が「大当り」である場合であっても、変動表示結果が「はずれ」である場合と同様に保留表示予告演出の非実行を決定する場合を設けても良い。
また、S243において、表示未決定フラグに「1」がセットされているエントリの図柄指定コマンドが第1図柄指定コマンドである場合、つまり、はずれを示すコマンドである場合は(S243;Y)、新たな格納のあったエントリの変動カテゴリ指定コマンドが示す変動カテゴリを特定する(S247)。具体的には、該エントリの変動カテゴリ指定コマンドがC600Hであれば、「非リーチ」の変動パターンのカテゴリであると特定し、C601Hであれば、「スーパーリーチ」の変動パターンのカテゴリであると特定し、C602Hであれば、ノーマルリーチを含む「その他」の変動パターンのカテゴリであると特定すれば良い。
そして、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した保留表示予告演出用の乱数値を示す数値データと、S247において特定した変動パターンのカテゴリとに基づいて、図示しないはずれ時保留表示予告演出判定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出を実行するか否かと、保留表示予告演出を実行する場合における表示パターン(予告種別)と、を決定する(S248)。
S248においては、例えば、図25(B)に示すような決定割合で保留表示予告演出の実行の有無と表示パターン(予告種別)とを決定する。図25(B)に示す決定割合の設定例では、S247の処理において特定した変動パターンのカテゴリに応じて、保留表示予告演出の実行の有無や表示パターン(予告種別)の決定割合を異ならせている。
具体的には、表示パターン(予告種別)として、表示パターンβ及び表示パターンγの2種類が設けられている。このうち、表示パターン(予告種別)が表示パターンβに決定された場合には、保留記憶表示が白色の四角形(◇)で保留記憶表示エリア5Dに表示され、表示パターン(予告種別)が表示パターンγに決定された場合には、保留記憶表示が白色の星形(☆)で保留記憶表示エリア5Dに表示される。尚、保留表示予告演出が非実行に決定される場合は、保留記憶表示が丸形(○)で保留記憶表示エリア5Dに表示される。
図25(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であり、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合には、変動表示結果が「はずれ」であり、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも保留表示予告演出が実行される割合(「予告演出なし」以外に決定される割合)が高く設定されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動表示結果が「はずれ」であり、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも保留表示予告演出が実行される割合(「予告演出なし」以外に決定される割合)が高く設定されている。
変動表示結果が「はずれ」である場合において保留表示予告演出の実行が決定される際には、変動カテゴリが「その他」である場合には、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されている。また、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されている。更に、変動表示結果が「はずれ」である場合において保留表示予告演出の実行が決定される際には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合には、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されており、変動パターンのカテゴリが「スーパーリーチ」である場合には、変動パターンのカテゴリが「その他」である場合よりも表示パターンβが決定される割合が高く設定されている。
尚、変動表示結果が「はずれ」である場合においては、変動パターンのカテゴリが「非リーチ」、「その他」、「スーパーリーチ」のいずれにおいても、保留表示予告演出が非実行に決定される割合が最も高く設定されており、保留表示予告演出が実行に決定され、かつ表示パターンγが決定される割合が最も低く設定されている。
更に、図25(A)に示すように、変動表示結果が「大当り」である場合においては、保留表示予告演出が非実行(予告演出なし)に決定されることがないとともに、保留表示予告演出が実行に決定され、かつ表示パターンβまたは表示パターンγが決定される割合は、変動表示結果が「はずれ」である場合のいずれの変動パターンのカテゴリにおける表示パターンβまたは表示パターンγが決定される割合よりも高く設定されている。
更に、変動表示結果が「はずれ(非リーチ)」、「はずれ(スーパーリーチ)」、「はずれ(その他)」である場合において、保留表示予告演出の実行が決定される際には、表示パターンβが決定される割合が、表示パターンγが決定される割合よりも高く設定されている。一方、変動表示結果が「大当り(確変A)」である場合において、保留表示予告演出の実行が決定される際には、表示パターンγが決定される割合が、表示パターンβが決定される割合よりも高く設定されている。
このような設定により、保留表示予告演出の表示パターン(予告種別)として表示パターンβまたは表示パターンγが実行(表示)された場合には、表示パターンβまたは表示パターンγが実行(表示)されない場合よりも変動表示結果が「大当り」となる可能性が高く、特に表示パターンγが実行(表示)された場合には、変動表示結果が「大当り」であり、かつ大当り種別が「確変大当りA」となる割合が高まるため、遊技者の期待度を高めることができる。
S248の実行後、演出制御用CPU120は、S248において保留表示予告演出の実行が決定されたか否か、つまり、表示パターン(予告種別)を表示パターンβと表示パターンγのいずれかに決定したか否かを判定する(S249)。保留表示予告演出の実行が決定された場合は(S249;Y)、S250に進み、保留表示予告演出の実行が決定されていない場合は(S249;N)、S256に進む。
尚、S256において、演出制御用CPU120は、当該エントリの保留表示フラグに、白色の「○」を示す「0」をセットした後、S257に進む。
S245の実行後、または、S249において保留表示予告演出の実行が決定された場合は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出したシフト回数決定用の乱数値を示す数値データと、該エントリの図柄指定コマンドと保留記憶数(合計保留記憶数)に基づいて、図示しないシフト回数決定テーブルを参照することにより、当該保留表示または当該アクティブ表示の表示態様が変化するまでのシフト回数を決定する(S250)。
具体的には、図柄指定コマンドが大当りを示している場合は、図26(A)に示すような決定割合にて保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化するまでのシフト回数を決定し、図柄指定コマンドがはずれを示している場合は、図26(B)に示すような決定割合にて保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化するまでのシフト回数を決定する。
図26(A)及び図26(B)に示すように、本実施例では図柄指定コマンドが大当りを示している場合とはずれを示している場合とで、保留記憶数(合計保留記憶数)に応じて異なる割合にて保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示の表示態様の変化タイミングを0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。尚、図26に示す例において、変化タイミング(シフト回数)が0であるということは、始動入賞のタイミングで保留表示が表示パターンβや表示パターンγで表示されることを指す。
本実施例では、図柄指定コマンドが大当りを示している場合は、図柄指定コマンドがはずれを示している場合よりも保留表示予告演出の対象である保留表示やアクティブ表示のシフト回数を多く決定する割合が高く設定されているため、保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化するタイミングに遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図柄指定コマンドが大当りを示している場合は、図柄指定コマンドがはずれを示している場合よりも保留表示予告演出の対象である保留表示やアクティブ表示のシフト回数を少なく決定する割合が高く設定してもよいし、図柄指定コマンドが大当りを示している場合と図柄指定コマンドがはずれを示している場合とで、保留表示予告演出の対象である保留表示やアクティブ表示のシフト回数の決定割合に差を設けないようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタにS250において決定した値をセットし(S251)、該シフト回数カウンタにセットされた値が「0」であるか否かを判定する(S252)。シフト回数カウンタにセットされた値が「0」である場合(S252;Y)は、該エントリの表示態様フラグと変化先フラグにS245またはS248において決定した表示パターンに対応する値(1または2)をセットしてS257に進み(S253)、シフト回数カウンタにセットされた値が「1」以上である場合(S252;N)は、該エントリの表示態様フラグに「0」をセットするとともに(S254)、該エントリの変化先フラグにS245またはS248において決定した表示パターンに対応する値(1または2)をセットしてS257に進む(S255)。
そして、演出制御用CPU120は、S257において該エントリの表示未決定フラグに「0」をセットする。次に、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出の実行期間中であるか否かを判定する(S261)。尚、スーパーリーチ演出の実行期間中であるか否かは、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応する値であるか否かを判定し、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応する値である場合に、更に、実行中のプロセスデータを参照することで、スーパーリーチ演出の実行期間中であるか否かを判定すればよい。
スーパーリーチ演出の実行期間中である場合(S261;Y)は、保留表示予告演出決定処理を終了し、スーパーリーチ演出の実行期間中でない場合(S261;N)は、保留記憶数(合計保留記憶数)が1であるか否かを判定する(S262)。保留記憶数が2以上、つまり、当該保留記憶が既に他の保留記憶が1以上存在する状態で発生した保留記憶である場合(S262;N)は、S263に進み、保留記憶数が1である場合(S262;Y)は、S271に進む。
S263において演出制御用CPU120は、該エントリの表示態様フラグが「0」であるか否かを判定する。該エントリの表示態様フラグが「0」である場合(S263;Y)は、表示パターンα(つまり、保留表示予告演出非実行の表示パターン)である保留表示の保留記憶表示エリア5Dにおける移動先位置を保留記憶数に基づいて決定し、該決定した移動先位置を記憶する(S264)。そして、S269に進む。
また、該エントリの表示態様フラグが「0」でない場合(S263;N)は、該エントリの表示態様フラグが「1」であるか否かを判定する(S265)。該エントリの表示態様フラグが「1」である場合(S265;Y)は、表示パターンβである保留表示の保留記憶表示エリア5Dにおける移動先位置を保留記憶数に基づいて決定し、該決定した移動先位置を記憶する(S266)。そして、S269に進む。更に、該エントリの表示態様フラグが「1」でない場合(S265;N)は、該エントリの表示態様フラグが「2」であるとして、表示パターンγである保留表示の保留記憶表示エリア5Dにおける移動先位置を保留記憶数に基づいて決定し、該決定した移動先位置を記憶する(S268)。そして、S269に進む。
尚、本実施例における保留記憶表示エリア5Dは、合計保留記憶数が1であり且つ変動表示の実行中である場合に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号1に対応する保留表示を表示するための保留1表示位置、合計保留記憶数が2である場合に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号2に対応する保留表示を表示するための保留2表示位置、合計保留記憶数が3である場合に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号3に対応する保留表示を表示するための保留3表示位置、合計保留記憶数が4である場合に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号4に対応する保留表示を表示するための保留4表示位置、合計保留記憶数が5である場合に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号5に対応する保留表示を表示するための保留5表示位置、合計保留記憶数が6である場合に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号6に対応する保留表示を表示するための保留6表示位置、合計保留記憶数が7である場合に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号7に対応する保留表示を表示するための保留7表示位置、合計保留記憶数が8である場合に始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号8に対応する保留表示を表示するための保留8表示位置が、下方か上方に向けて一直線上に並設されている。
つまり、これら保留1表示位置〜保留8表示位置のうち、保留1表示位置が最もキャラクタ画像Cから遠方位置に設けられており、保留8表示位置が最もキャラクタ画像Cの近接位置に設けられている(キャラクタ画像Cからの距離:保留1表示位置>保留2表示位置>保留3表示位置>保留4表示位置>保留5表示位置>保留6表示位置>保留7表示位置>保留8表示位置)。S264、S266、S268においては、保留表示の移動先位置を保留記憶数に基づいてこれら保留1表示位置〜保留8表示位置のいずれかに決定する。
次に、S269において、演出制御用CPU120は、保留記憶数(合計保留記憶数)を始動入賞演出開始時保留記憶数として記憶する。また、保留表示をS264、S266、S268のいずれかにおいて決定した移動先位置に向けて等速で移動させるための第1始動入賞演出の実行中であることを示す第1始動入賞演出実行中フラグをセットして保留表示予告演出決定処理を終了する(S270)。
また、S271において演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値が変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値であるか否かを判定する。演出制御プロセスフラグの値が変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値でない場合、つまり、変動表示の実行中、または、大当り遊技の実行中である場合は、S263〜S270の処理を実行する。一方、演出制御プロセスフラグの値が変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値である場合、つまり、当該保留記憶が他の保留記憶数が0であり且つ変動表示実行中でも大当り遊技の実行中でもない状態で発生した保留記憶である場合は、保留表示をアクティブ表示としてアクティブ表示エリア5Fに向けて第1始動入賞演出と同一の速さで移動させるための第2始動入賞演出の実行中であることを示す第2始動入賞演出実行中フラグをセットして保留表示予告演出決定処理を終了する(S272)。
図27は、保留演出処理における始動入賞演出処理(S902)を示すフローチャートである。始動入賞演出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、第2始動入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S281)。第2始動入賞演出実行中フラグがセットされている場合(S281;Y)は、第2始動入賞演出実行処理(S287)を実行して始動入賞演出処理を終了し、第2始動入賞演出実行中フラグがセットされていない場合(S281;N)は、第1始動入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S282)。
第1始動入賞演出実行中フラグがセットされていない場合(S282;N)は、始動入賞演出処理を終了し、第1始動入賞演出実行中フラグがセットされている場合(S282;Y)は、始動入賞演出開始時保留記憶数と現在の保留記憶数とを比較し(S283)、現在の保留記憶数は始動入賞演出開始時保留記憶数から減少しているか否かを判定する(S284)。現在の保留記憶数が始動入賞演出開始時保留記憶数から減少している場合(S284;Y)は、現在の保留記憶数に基づいて保留記憶表示エリア5Dにおける保留表示の移動先位置を保留1表示位置〜保留7表示位置の中から再決定して記憶し、S286に進む(S285)。尚、現在の保留記憶数が始動入賞演出開始時保留記憶数から減少していない場合は、S285の処理を実行せずにS286に進む。
そして、S286において演出制御用CPU120は、第1始動入賞演出実行処理を実行して始動入賞演出処理を終了する。
図28は、始動入賞演出処理における第1始動入賞演出実行処理を示すフローチャートである。第1始動入賞演出実行処理において、演出制御用CPU120は、先ず、後述の第1始動入賞演出用プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(S401)。第1始動入賞演出用プロセスタイマが動作中でない場合(S401;N)は、新たな保留表示の表示態様、つまり、始動入賞時受信コマンドバッファの最下位のエントリに格納されている表示態様フラグの値に応じた第1始動入賞演出用プロセステーブルを選択する(S402)。そして、選択した第1始動入賞演出用プロセステーブルの第1始動入賞演出用プロセスデータ1における第1始動入賞演出用プロセスタイマをスタートさせる(S403)。つまり、本実施例の第1始動入賞演出においては、始動入賞に基づいて保留表示予告演出の実行が決定され、且つ図26に示すようにシフト回数として0回が決定された場合は、表示パターンβまたは表示パターンγにて表示される保留表示を保留記憶表示エリア5Dに向けて移動させる。
尚、第1始動入賞演出用プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音を制御するための音制御実行データ等が、各第1始動入賞演出用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、第1始動入賞演出用プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って第1始動入賞演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行して第1始動入賞演出実行処理を終了する(S404)。例えば、演出表示装置5において保留表示の画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯・消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。尚、本実施例における第1始動入賞演出用プロセステーブルは、第1始動入賞演出として、保留表示をキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留1表示位置に向けて移動させるための画像(アニメーション)を表示するためのプロセステーブルである。
また、第1始動入賞演出用プロセスタイマが動作中である場合(S401;Y)、演出制御用CPU120は、第1始動入賞演出用プロセスタイマの値を−1し(S405)、第1始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S406)。第1始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S406;N)、演出制御用CPU120は、第1始動入賞演出用プロセスタイマに対応する第1始動入賞演出用プロセスデータの内容に従って第1始動入賞演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行する(S407)。そして、保留表示が保留記憶表示エリア5Dにおける移動先位置(保留表示予告演出決定処理のS264、S266、S268のいずれか、または、始動入賞演出処理のS285にて再決定した保留1表示位置〜保留7表示位置のいずれか)に到達したか否かを判定する(S408)。
保留表示が保留記憶表示エリア5Dにおける移動先位置に到達していない場合(S408;N)は、第1始動入賞演出実行処理を終了し、保留表示が保留記憶表示エリア5Dにおける移動先位置に到達していない場合(S408;Y)は、S412に進む。
また、第1始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトした場合(S406;Y)、演出制御用CPU120は、最後の第1始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトしたか否か、つまり、保留表示が保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶数1に対応する位置(保留1表示位置)に到達したか否かを判定する(S409)。最後の第1始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S409;N)は、第1始動入賞演出用プロセスデータの切替を行い(S410)、次の第1始動入賞演出用タイマをスタートさせる(S410a)そして、次の第1始動入賞演出用プロセスタイマに対応する第1始動入賞演出用プロセスデータの内容に従って第1始動入賞演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行する(S411)。そして、S408に進む。
更に、最後の第1始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトした場合(S409;Y)は、S412に進む。S412において、演出制御用CPU120は、第1始動入賞演出実行中フラグをクリアし、第1始動入賞演出実行処理を終了する。
つまり、本実施例における第1始動入賞演出は、図30(A)及び図30(B)に示すように、変動表示の実行中に始動入賞が発生することによって、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dにおける保留1表示位置に向けて保留表示を移動させるための共通のアニメーションを表示する演出であり、予め決められた位置(保留1表示位置〜保留8表示位置のいずれか)に保留表示が到達したことに基づいて保留表示が移動するアニメーションが終了される。このように、本実施例では、第1始動入賞演出の実行データとして、共通のアニメーションの表示を実行するための1のデータ(第1始動入賞演出用プロセスデータ)のみを記憶することにより、各保留記憶数に応じた第1始動入賞演出の実行データを記憶する必要がないので、データ容量を抑えることができる。
更に、本実施例の第1始動入賞演出においては、図27のS284及び図285に示すように、新たな変動表示が開始されたこと等により保留記憶数が減少したとしても、保留表示の移動先位置を変更することができるので、保留表示を保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶数に基づく適切な位置に移動させて表示できるので、遊技者に違和感を与えて第1始動入賞演出の演出効果の低下を防ぐことができる。
尚、本実施例では、第1始動入賞演出として保留記憶数にかかわらず共通のアニメーションの表示を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1始動入賞演出としては、保留記憶数に応じて異なるアニメーションの表示を実行してもよい。
図29は、始動入賞演出処理における第2始動入賞演出実行処理を示すフローチャートである。第2始動入賞演出実行処理において、演出制御用CPU120は、先ず、後述の第2始動入賞演出用プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(S421)。第2始動入賞演出用プロセスタイマが動作中でない場合(S421;N)は、新たなアクティブ表示の表示態様、つまり、始動入賞時受信コマンドバッファのバッファ番号「1」のエントリに格納されている表示態様フラグの値に応じた第2始動入賞演出用プロセステーブルを選択する(S422)。そして、選択した第2始動入賞演出用プロセステーブルの第2始動入賞演出用プロセスデータ1における第2始動入賞演出用プロセスタイマをスタートさせる(S423)。つまり、本実施例の第2始動入賞演出においては、始動入賞に基づいて保留表示予告演出の実行が決定された場合は、表示パターンβまたは表示パターンγにて表示されるアクティブ表示をアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させる。
尚、第2始動入賞演出用プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音を制御するための音制御実行データ等が、各第2始動入賞演出用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、第2始動入賞演出用プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って第2始動入賞演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行して第2始動入賞演出実行処理を終了する(S424)。例えば、演出表示装置5において保留表示の画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯・消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。尚、本実施例における第2始動入賞演出用プロセステーブルは、第2始動入賞演出として、保留表示をキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dを通過してアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させるための画像(アニメーション)を表示するためのプロセステーブルである。
また、第2始動入賞演出用プロセスタイマが動作中である場合(S421;Y)、演出制御用CPU120は、第2始動入賞演出用プロセスタイマの値を−1し(S425)、第2始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S426)。第2始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S426;N)、演出制御用CPU120は、第2始動入賞演出用プロセスタイマに対応する第2始動入賞演出用プロセスデータの内容に従って第2始動入賞演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行して第2始動入賞演出実行処理を終了する(S427)。
また、第2始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトした場合(S426;Y)、演出制御用CPU120は、最後の第2始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトしたか否か、つまり、保留表示がアクティブ表示エリア5Fに到達したか否かを判定する(S428)。最後の第2始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S428;N)は、第2始動入賞演出用プロセスデータの切替を行い(S429)、次の第2始動入賞演出用プロセスタイマをスタートさせる(S429a)。そして、次の第2始動入賞演出用プロセスタイマに対応する第2始動入賞演出用プロセスデータの内容に従って第2始動入賞演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行し、第2始動入賞演出実行処理を終了する(S430)。
更に、最後の第2始動入賞演出用プロセスタイマがタイマアウトした場合(S428;Y)、演出制御用CPU120は、第2始動入賞演出実行中フラグをクリアし、第2始動入賞演出実行処理を終了する(S431)。
つまり、本実施例における第2始動入賞演出は、図30(C)及び図30(D)に示すように、保留記憶が存在せず、且つ変動表示の非実行中に始動入賞が発生することによって、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dを通過(経由)してアクティブ表示エリア5Fに向けて保留表示を移動させるためのアニメーションを表示する演出であり、アクティブ表示エリア5Fに保留表示が到達したことに基づいて保留表示が移動するアニメーションが終了される。
尚、第2始動入賞演出は、前述したように、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dを通過(経由)してアクティブ表示エリア5Fに向けて保留表示を移動させる演出であるため、キャラクタ画像Cからアクティブ表示エリア5Fまでの距離は、キャラクタ画像Cから保留1表示位置までの距離よりも長く設定されているとともに(キャラクタ画像Cからの距離:アクティブ表示エリア>保留1表示位置>保留2表示位置>保留3表示位置>保留4表示位置>保留5表示位置>保留6表示位置>保留7表示位置>保留8表示位置)、第2始動入賞演出の演出時間は、第1始動入賞演出よりも長く設定されている。
具体的には、図24に示すように、第1始動入賞演出として、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留1表示位置へ保留表示を移動させるための演出時間をT1、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留2表示位置へ保留表示を移動させるための演出時間をT2、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留3表示位置へ保留表示を移動させるための演出時間をT3、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留4表示位置へ保留表示を移動させるための演出時間をT4、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留5表示位置へ保留表示を移動させるための演出時間をT5、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留6表示位置へ保留表示を移動させるための演出時間をT6、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留7表示位置へ保留表示を移動させるための演出時間をT7、キャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留8表示位置へ保留表示を移動させるための演出時間をT8とし、第2始動入賞演出としてキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dを経由してアクティブ表示エリア5Fへ保留表示を移動させるための演出時間をT0とすると、T0が最も長く、次いで、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8の順に演出時間が短くなっていく(演出時間:T0>T1>T2>T3>T4>T5>T6>T7>T8)。
図31は、保留演出処理における保留表示・アクティブ表示移行演出実行処理を示すフローチャートである。保留表示・アクティブ表示移行演出実行処理において、演出制御用CPU120は、先ず、保留表示・アクティブ表示移行演出の実行中であることを示す保留表示・アクティブ表示移行演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S291)。保留表示・アクティブ表示移行演出実行中フラグがセットされていない場合(S291;Y)は、更に、変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、変動開始コマンドが受信されているか否かを判定する(S292)。変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合(S292;N)は、保留表示・アクティブ表示移行演出処理を終了し、保留表示・アクティブ表示移行演出実行中フラグがセットされている場合(S292;Y)は、保留記憶数(合計保留記憶数)及び表示されている保留表示の表示態様の組み合わせに応じた保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセステーブルを選択する(S293)。そして、選択した保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセステーブルの保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスデータ1における保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマをスタートさせる(S294)。
尚、保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音を制御するための音制御実行データ等が、各保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って保留表示・アクティブ表示移行演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行する(S295)。例えば、演出表示装置5において各保留表示を変動表示の開始に基づいて保留記憶表示エリア5Dにおける1つ上位の表示位置(保留1表示位置〜保留7表示位置のいずれか)やアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯・消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、S295の実行後、演出制御用CPU120は、保留表示・アクティブ表示移行演出実行中フラグをセットして保留表示・アクティブ表示移行演出処理を終了する(S296)。
また、保留表示・アクティブ表示移行演出実行中フラグがセットされている場合(S291;Y)、演出制御用CPU120は、保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマの値を−1し(S297)、保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S298)。保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S298;N)、演出制御用CPU120は、保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマに対応する保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスデータの内容に従って保留表示・アクティブ表示移行演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行して保留表示・アクティブ表示移行演出処理を終了する(S299)。
また、保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマがタイマアウトした場合(S426;Y)、演出制御用CPU120は、最後の保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマがタイマアウトしたかを判定する(S300)。最後の保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S300;N)は、保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスデータの切替を行い(S301)、次の保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマをスタートさせる(S301a)。そして、次の保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマに対応する保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスデータの内容に従って保留表示・アクティブ表示移行演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行し、保留表示・アクティブ表示移行演出処理を終了する(S302)。
尚、最後の保留表示・アクティブ表示移行演出用プロセスタイマがタイマアウトした場合(S300;Y)は、保留表示・アクティブ表示移行演出実行中フラグをクリアして保留表示・アクティブ表示移行演出処理を終了する(S303)。
以上のように、本実施例では、変動表示を開始するタイミングから保留表示・アクティブ表示移行演出を実行することで、保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留表示を新たな表示位置やアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させることが可能となっている。
図32は、保留演出処理における保留表示・アクティブ表示更新処理を示すフローチャートである。保留表示・アクティブ表示更新処理において、演出制御用CPU120は、先ず、スーパーリーチ演出の実行期間中であるか否かを判定する(S501)。尚、スーパーリーチ演出の実行期間中であるか否かは、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応する値であるか否かを判定し、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理に対応する値である場合に、更に、実行中のプロセスデータを参照することで、スーパーリーチ演出の実行期間中であるか否かを判定すればよい。
スーパーリーチ演出の実行期間中である場合(S501;Y)は、S506に進み、スーパーリーチ演出の実行期間中でない場合(S501;N)は、保留表示・アクティブ表示移行演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S502)。保留表示・アクティブ表示移行演出実行中フラグがセットされている場合(S502;Y)は、保留表示・アクティブ表示更新処理を終了し、保留表示・アクティブ表示移行演出実行中フラグがセットされていない場合(S502;N)は、第2始動入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S503)。
第2始動入賞演出実行中フラグがセットされている場合(S503;Y)は、保留表示・アクティブ表示更新処理を終了し、第2始動入賞演出実行中フラグがセットされていない場合(S503;N)は、アクティブ表示記憶バッファ194Bに格納されている表示態様フラグから特定される表示態様(表示パターン)にてアクティブ表示を更新表示する(S504)。次いで、演出制御用CPU120は、第1始動入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S505)。第1始動入賞演出実行中フラグがセットされている場合(S505;Y)は、保留表示・アクティブ表示更新処理を終了し、第1始動入賞演出実行中フラグがセットされていない場合(S505;N)は、S506に進む。
また、S506において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されている表示態様フラグから特定される表示態様(表示パターン)にて各保留表示を更新表示し、保留表示・アクティブ表示更新処理を終了する。
以上のように、本実施例の保留表示・アクティブ表示更新処理が実行されることにより、第1始動入賞演出や第2始動入賞演出の実行中は、保留表示の表示態様が変化しないようになっている。また、スーパーリーチ演出の実行中においては、保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留表示の表示態様が更新されない(表示パターンβや表示パターンγに変化しない)ため、遊技者を実行中の変動表示や当該変動表示に対応するアクティブ表示に注目させることが可能となっている。
図33は、保留演出処理における保留表示態様対応LED点灯処理を示すフローチャートである。保留表示態様対応LED点灯処理において、演出制御用CPU120は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ194A内に表示態様フラグが「1」のエントリが有るか否か、つまり、保留記憶表示エリア5Dに表示パターンβにて表示されている保留表示が有るか否かを判定する(S311)。始動入賞時受信コマンドバッファ194A内に表示態様フラグが「1」のエントリが有る場合(S311;Y)は、保留表示態様対応LED30を、表示パターンβにて表示されている保留表示に対応する青色にて点灯開始して保留表示態様対応LED点灯処理を終了する(S312)。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194A内に表示態様フラグが「1」のエントリが無い場合(S311;N)は、始動入賞時受信コマンドバッファ194A内に表示態様フラグが「2」のエントリが有るか否か、つまり、保留記憶表示エリア5Dに表示パターンβにて表示されている保留表示が有るか否かを判定する(S313)。始動入賞時受信コマンドバッファ194A内に表示態様フラグが「2」のエントリが有る場合(S313;Y)は、保留表示態様対応LED30を、表示パターンγにて表示されている保留表示に対応する赤色にて点灯開始して保留表示態様対応LED点灯処理を終了する(S314)。
また、表示態様フラグが「2」のエントリが無い場合(S313;N)、演出制御用CPU120は、保留表示態様対応LED30が青色または赤色にて点灯中であるか否かを判定する(S315)。保留表示態様対応LED30が青色または赤色にて点灯中である場合(S315;Y)は、保留表示態様対応LED30を消灯して保留表示態様対応LED点灯処理を終了し(S316)、保留表示態様対応LED30が青色及び赤色にて点灯中でない場合(S315;N)は、S316を実行せずに保留表示態様対応LED点灯処理を終了する。
尚、本実施例の保留表示対応LED点灯処理においては、表示パターンβや表示パターンγにて表示されている保留表示がアクティブ表示エリア5Fに移動することによって保留表示態様対応LED30を消灯する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示対応LED点灯処理においては、アクティブ表示エリア5Fに移動した保留表示(アクティブ表示)に対応する変動表示が終了するまで保留表示態様対応LED30の点灯(表示パターンβに対応する青色や表示パターンγに対応する赤色での点灯)を継続してもよい。
尚、保留演出処理における保留表示数対応表示器点灯処理(S907)においては、演出制御用CPU120は、保留記憶数(合計保留記憶数)に基づいて保留表示数対応表示器31におけるLEDの点灯・消灯を制御すればよい。具体的には、図30(A)及び図30(B)に示すように、新たな始動入賞が発生したことにより保留記憶数が増加した場合は、保留表示数対応表示器31が有するLEDを追加で点灯させ、新たな変動表示が開始されたことにより保留記憶数が減少した場合は、保留表示数対応表示器31が有するLEDを1つ消灯する。
尚、本実施例では、図30(C)及び図30(D)に示すように、保留記憶が存在せず且つ変動表示の非実行中に始動入賞が発生した場合は、一旦該始動入賞に基づく保留記憶は始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納された後にアクティブ表示記憶バッファ194Bに移行する(図34参照)ので、保留表示数対応表示器31におけるLEDが1つ一瞬のみ点灯するが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留記憶が存在せず且つ変動表示の非実行中に始動入賞が発生した場合は、保留表示数対応表示器31におけるLEDを点灯させないようにしてもよい。
図34は、図20に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、先ず、変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S321)。変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S321;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S321;Y)、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号「1」の保留記憶をアクティブ表示記憶バッファ194Bに移行させる(S322)。また、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおけるバッファ番号「2」〜「8」の保留記憶をバッファ番号分ずつ上位にシフトする(S323)。
具体的には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「2」に対応付けて格納されている保留記憶をバッファ番号「1」に対応付けて格納するようにシフトし、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「3」に対応付けて格納されている保留記憶をバッファ番号「2」に対応付けて格納するようにシフトし、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「4」に対応付けて格納されている保留記憶をバッファ番号「3」に対応付けて格納するようにシフトし、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「5」に対応付けて格納されている保留記憶をバッファ番号「4」に対応付けて格納するようにシフトし、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「6」に対応付けて格納されている保留記憶をバッファ番号「5」に対応付けて格納するようにシフトし、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「7」に対応付けて格納されている保留記憶をバッファ番号「6」に対応付けて格納するようにシフトし、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「8」に対応付けて格納されている保留記憶をバッファ番号「7」に対応付けて格納するようにシフトする。
S323の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S324)。
次いで、変動表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した変動表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S325)。この場合、演出制御用CPU120は、変動表示結果指定コマンドで指定される変動表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、本実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、図35に示す作用演出決定処理(S326)を実行して、当該変動表示において保留表示またはアクティブ表示に作用する作用演出を実行するか否か及び作用演出の演出パターンを決定する。
図35に示すように、本実施例の作用演出決定処理において演出制御用CPU120は、先ず、シフト回数カウンタに1〜7のいずれかの値がセットされているか否か、つまり、保留表示予告演出の対象であるが未だ表示態様が表示パターンαから変化していない保留表示が有るか否かを判定する(S341)。シフト回数カウンタに1〜7のいずれかの値がセットされていない場合(S341;N)は、S344に進み、シフト回数カウンタに1〜7のいずれかの値がセットされている場合(S341;Y)は、シフト回数カウンタの値を−1する(S342)。次に、演出制御用CPU120は、シフト回数カウンタの値が0となったか否か、つまり、開始する変動表示が保留表示予告演出の対象となっている保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化する変動表示であるか否かを判定する(S343)。シフト回数カウンタの値が0となっていない場合(S343;N)はS344に進み、シフト回数カウンタの値が0となった場合(S345)はS345に進む。
S344において演出制御用CPU120は、開始する変動表示が保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化の非対象変動であることに基づいて、作用演出の実行・非実行及び演出パターンを決定する。尚、S344において演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した作用演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、図示しない非対象変動用作用演出実行決定テーブルを参照することにより、図36(A)に示す決定割合にて作用演出の実行・非実行と演出パターンを決定すればよい。
具体的には、演出制御用CPU120は、図36(A)に示すように、85%の割合で作用演出の非実行を決定し、14%の割合で作用演出を演出パターンAにて実行することを決定し、1%の割合で作用演出を演出パターンBにて実行することを決定する。
一方、S345において演出制御用CPU120は、開始する変動表示が保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化の対象変動であることに基づいて、作用演出の実行・非実行及び演出パターンを決定する。尚、S345において演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した作用演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、図示しない対象変動用作用演出実行決定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示の変化先表示態様(変化先フラグにセットされている値)に応じて図36(B)に示す決定割合にて作用演出の実行・非実行と演出パターンを決定すればよい。
具体的には、演出制御用CPU120は、図36(B)に示すように、保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示の変化先表示態様が表示パターンβである場合(変化先フラグに「1」がセットされている場合)は、0%の割合で作用演出の非実行を決定し、70%の割合で作用演出を演出パターンAにて実行することを決定し、30%の割合で作用演出を演出パターンBにて実行することを決定する。また、保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示の変化先表示態様が表示パターンγである場合(変化先フラグに「2」がセットされている場合)は、0%の割合で作用演出の非実行を決定し、20%の割合で作用演出を演出パターンAにて実行することを決定し、80%の割合で作用演出を演出パターンBにて実行することを決定する。
このように、本実施例では、作用演出が演出パターンBにて実行される場合は、作用演出が演出パターンAにて実行される場合よりも高い割合で保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化するようになっている。更に、保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示の表示態様が変化する場合には、作用演出が演出パターンBにて実行されることで、作用演出が演出パターンAにて実行される場合よりも高い割合で保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示の表示態様が表示パターンγに変化するようになっている。このため、本実施例では、作用演出が実行される場合は、作用演出が演出パターンAと演出パターンBのどちらで実行されるかに遊技を注目させることができ、遊技興趣を向上させることが可能となっている。
尚、本実施例の作用演出における演出パターンAは、キャラクタが保留表示またはアクティブ表示に攻撃を加える演出パターンであり、演出パターンBは、演出パターンBとは異なるキャラクタが保留表示またはアクティブ表示に攻撃を加える演出パターンである。このように、本実施例の作用演出では、演出パターンに応じて保留表示またはアクティブ表示に攻撃を加えるキャラクタが異なっているので、遊技者は、保留表示またはアクティブ表示に攻撃を加えるキャラクタを認識することによって作用演出の演出パターンを特定することが可能となっている。
S344またはS345の実行後、演出制御用CPU120は、S344またはS345にて作用演出の実行を決定したか否かを判定する(S346)。S344またはS345にて作用演出の実行を決定した場合(S346;Y)、演出制御用CPU120は、作用演出の実行を決定したことを示す作用演出実行決定フラグをセットするとともに(S347)、S344またはS345にて決定した演出パターンを記憶して作用演出決定処理を終了する(S348)。尚、S344またはS345にて作用演出の実行を決定しなかった場合(S346;N)は、S347及びS348を実行せずに作用演出決定処理を終了する。
作用演出終了後、演出制御用CPU120は、図34に示す演出図柄変動開始処理に戻り、作用演出実行決定フラグがセットされているか否かを判定する(S327)。作用演出実行決定フラグがセットされている場合(S327;Y)は、作用演出開始待ちタイマに作用演出開始時までの期間に応じた値をセットするとともに(S328)、作用演出実行決定フラグをクリアしてS330に進む(S329)。また、作用演出実行決定フラグがセットされていない場合(S327;N)は、S328及びS329を実行せずにS330に進む。
S330において演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S331)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音を制御するための音制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(S332)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、本実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S333)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S334)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にセットして演出図柄変動開始処理を終了する(S335)。
図37は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S351,S352,S353)。また、演出制御用CPU120は、作用演出開始待ちタイマがセットされている(作用演出を行うことに決定されている)か、または作用演出実行中フラグがセットされている(作用演出の実行中である)場合には(S354;Y)、図38に示す作用演出処理を実行する(S355)。作用演出開始待ちタイマも作用演出実行中フラグもセットされていない場合には、S355の作用演出処理を実施することなく、S356に進む。
S356において演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S357)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S358)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S359)。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S360)。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S361)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S361;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S362)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S363)。
また、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S361;N)、またはS363の実行後、演出制御用CPU120は、スーパーリーチ演出の開始タイミングであるか否かを判定する(S364)。スーパーリーチ演出の開始タイミングである場合は、演出表示装置5の左上部に表示されているキャラクタ画像Cを非表示化する(S365)。S365の実行後、またはスーパーリーチ演出の開始タイミングでないと判定した場合(S364;N)は、スーパーリーチ演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S366)。スーパーリーチ演出の終了タイミングである場合(S366;Y)は、演出表示装置5の左上部におけるキャラクタ画像Cの表示を再開する(S367)。
S367の実行後、または、スーパーリーチ演出の終了タイミングでない場合(S366;N)、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S368)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S370)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S369;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S370)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S361の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図38は、演出図柄変動中処理における作用演出処理(S355)を示すフローチャートである。作用演出処理において、演出制御用CPU120は、先ず、作用演出の実行中であることを示す作用演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S371)。作用演出実行中フラグがセットされていない場合(S371;N)は、作用演出開始待ちタイマの値を−1し(S372)、該作用演出開始待ちタイマがタイマアウトしたか否か(作用演出開始待ちタイマの値が0となったか否か)を判定する(S373)。作用演出開始待ちタイマがタイマアウトしていない場合(S373;N)は作用演出処理を終了し、作用演出開始待ちタイマがタイマアウトした場合(S373;Y)は、作用演出実行中フラグをセットする(S374)。
次いで、演出制御用CPU120は、作用演出期間タイマに作用演出期間に応じた値をセットし(S375)、作用演出の演出パターンに応じた作用演出用プロセステーブルを選択する(S376)。そして、選択した作用演出用プロセステーブルの作用演出用プロセスデータ1における作用演出用プロセスタイマをスタートさせる(S377)。
尚、作用演出用プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音を制御するための音制御実行データ等が、各作用演出用プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、作用演出用プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って作用演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行して作用演出処理を終了する(S378)。例えば、演出表示装置5において作用演出の演出パターンに応じたキャラクタが保留表示やアクティブ表示に作用する(攻撃を加える)させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯・消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、S371において作用演出実行中フラグがセットされていると判定した場合(S371;Y)、演出制御用CPU120は、作用演出プロセスタイマと作用お演出期間タイマの値を−1し(S379,S380)、作用演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S381)。作用演出期間タイマがタイマアウトしていない場合(S381;N)は、更に、作用演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S382)。作用演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S382;N)は、実行中の作用演出用プロセスタイマに対応する作用演出プロセスデータの内容に従って作用演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行してS387に進む(S383)。
また、作用演出プロセスタイマがタイマアウトした場合(S382;Y)は、作用演出用プロセスデータの切替を行い(S384)、次の作用演出用プロセスタイマをスタートさせる(S385)。そして、次の作用演出用プロセスタイマに対応する作用演出用プロセスデータの内容に従って作用演出(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8Rの制御)を実行し、S387に進む(S386)。
そして、S387において演出制御用CPU120は、保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化タイミングであるか否かを判定する。保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化タイミングでない場合(S387;N)は作用演出を終了し、保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化タイミングである場合(S387;Y)、演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aまたはアクティブ表示記憶バッファ194Bにおいて、保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示に応じた変化先フラグの値を、該保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示に応じた表示態様フラグの値としてセットして作用演出処理を終了する(S388)。
このように、作用演出処理のS388において表示態様フラグの値が変化先フラグの値にセットされた後、保留表示・アクティブ表示更新処理(S905)が実行されることによって、保留表示予告演出の対象である保留表示またはアクティブ表示の表示態様が表示パターンβまたは表示パターンγの表示態様に更新される。尚、前述したS381において作用演出期間タイマがタイマアウトした場合(S381;Y)は、作用演出実行中フラグをクリアして作用演出処理を終了する(S389)。
本実施例における変動表示においては、図39に示すように、変動表示が開始されると、保留表示・アクティブ表示移行演出が実行され、保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留表示の移動が行われる。そして、保留表示・アクティブ表示移行演出が終了した後、該変動表示において作用演出の実行が決定されている場合は、作用演出が実行される。尚、該変動表示が保留表示またはアクティブ表示の表示態様変化の対象変動である場合(シフト回数カウンタの値が0である場合)は、該作用演出の終了タイミングにおいて保留表示またはアクティブ表示の表示態様が表示パターンαから表示パターンβまたは表示パターンγに変化する。
尚、当該変動表示がリーチ(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)の変動パターンである場合、作用演出は、リーチ演出の開始よりも前のタイミングで終了する。つまり、本実施例におけるリーチ演出(ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出)中においては、作用演出の実行が制限されている。このように、リーチ演出中における作用演出の実行を制限することによって遊技をリーチ演出に注目させることができるので、リーチ演出の興趣が作用演出の実行によって低下してしまうことを防ぐことができる。
次に、本実施例における演出表示装置5での演出態様について図40〜図43に基づいて説明する。先ず、図40(A)は、保留記憶数が3個であり且つ演出図柄の変動表示中である状態を例示している。尚、図40(A)においては、保留記憶数が3個である(保留記憶表示エリア5Dに保留表示が3個表示されている)ことに基づいて、保留表示数対応表示器31のLEDが3個点灯している。
図40(A)及び図40(B)に示すように、変動表示中に始動入賞が発生すると、第1始動入賞演出として、演出表示装置5の左上部に表示されているキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留4表示位置に向けての保留表示の移動が開始される。そして、図40(C)及び図40(D)に示すように、該第1始動入賞演出中に変動表示が終了したことに基づいて演出表示装置5に演出図柄がはずれの組み合わせで導出表示されると、次の変動表示が開始される。このとき、保留表示・アクティブ表示移行演出が実行されることによって、保留記憶表示エリア5Dの保留1表示位置に表示されていた保留表示が、アクティブ表示としてアクティブ表示エリア5Fに向けて移動するとともに、保留記憶表示エリア5Dの保留2表示位置に表示されていた保留表示が保留1表示位置に向けて移動し、保留記憶表示エリア5Dの保留3表示位置に表示されていた保留表示が保留3表示位置に向けて移動する。
このように、第1始動入賞演出中に保留記憶表示エリア5Dに表示されていた保留表示が上位の表示位置に移動した場合、即ち、第1始動入賞演出中に保留記憶数が減少した場合は、演出制御用CPU120が始動入賞演出処理のS285の処理(図27参照)を実行することによって第1始動入賞演出として移動中の保留表示の移動先位置を再決定するので、第1始動入賞演出として移動中の保留表示は、図40(E)に示すように、再決定した移動先位置(図40に示す例では保留3表示位置)に到達することができる。
また、実行中の変動表示がアクティブ表示の表示態様の変化対象且つスーパーリーチの変動である場合は、図41(A)及び図41(B)に示すように、先ず、作用演出が実行されてアクティブ表示の表示態様が変化する。そして、図41(C)〜図41(E)に示すように、演出図柄がリーチの組み合わせで表示された後にスーパーリーチ演出が開始されると、演出表示装置5の左上部におけるキャラクタ画像Cが非表示化される。前述したように、本実施例のスーパーリーチ演出は、キャラクタ画像Cのキャラクタが敵キャラクタと対戦する所謂バトル演出である。
尚、図41(E)に示すように、スーパーリーチ演出中に新たな始動入賞が発生した場合は、演出表示装置5の左上部にキャラクタ画像Cが表示されていないため、第1始動入賞演出が実行されることなく、新たな保留表示が保留記憶表示エリア5Dに表示される。そして、該スーパーリーチ演出の実行後は、図42(F)に示すように、演出図柄が大当りまたははずれの組み合わせで導出表示される。このとき、演出表示装置5の左上部において、キャラクタ画像Cが再び表示される。
以上のように本実施例では、スーパーリーチ演出の実行期間中においては演出表示装置5の左上部からキャラクタ画像Cを消去(非表示化)しているが、これは、図43(A)〜図43(C)に示すように、仮に、スーパーリーチ演出中においても第1始動入賞演出を実行するために演出表示装置5の左上部にキャラクタ画像Cの表示を維持すると、キャラクタ画像Cのキャラクタと同一のキャラクタがスーパーリーチ演出において表示されてしまうため、どちらがスーパーリーチ演出のキャラクタであるのかの判別が困難となってしまうためである。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1あっては、第1始動入賞演出の実行中に新たな変動表示が開始されたことにより保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留表示数が減少したとしても、第1始動入賞演出として移動中の保留表示の移動先位置を再決定することができるので、実行中の第1始動入賞演出の途切れによって遊技者に違和感を与えて、第1始動入賞演出による演出効果が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、第1始動入賞演出と第2始動入賞演出とで保留表示及びアクティブ表示を同一の速さで移動させることによって、第1始動入賞演出及び第2始動入賞演出における演出期間と保留表示及びアクティブ表示の移動長さ(移動距離)とを異ならせることができるので、第1始動入賞演出及び第2始動入賞演出を、保留表示やアクティブ表示の移動先位置に応じた適切な態様にて行うことができる。
尚、本実施例では、第1始動入賞演出において、保留表示の移動先位置に応じて第1始動入賞演出の演出時間と保留表示の移動長さ(移動距離)とが異なる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1始動入賞演出の演出時間と保留表示の移動長さ(移動距離)のうち少なくとも一方は保留表示の移動先位置にかかわらず一定であってもよい。
また、第1始動入賞演出や第2始動入賞演出として移動中の保留表示やアクティブ表示を表示パターンβや表示パターンγにて表示可されている場合には、保留表示態様対応LED30の点灯色によって該移動中の保留表示やアクティブ表示が表示パターンβや表示パターンγにて表示されていることを遊技者に対して認識させることができるので、遊技興趣を向上できる。
また、演出表示装置5に保留表示を表示するための保留記憶表示エリア5Dと、実行中の変動表示対応するアクティブ表示を表示するためのアクティブ表示エリア5Fと、を設け、変動表示が開始される際には、保留表示・アクティブ表示移行演出として、保留記憶表示エリア5Dの保留1表示位置に表示されている保留表示をアクティブ表示としてアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させるとともに、保留2表示位置〜保留8表示位置に表示されている保留表示を1つ上位の表示位置に向けて移動させることで、開始される変動表示がいずれの保留表示に対応する変動表示であるかを分かり易くできる。
尚、本実施例では、演出表示装置5に保留表示を表示するための保留記憶表示エリア5Dと、実行中の変動表示対応するアクティブ表示を表示するためのアクティブ表示エリア5Fと、を設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5にはアクティブ表示エリア5Fを設けないようにしてもよい。尚、このように演出表示装置5にアクティブ表示エリア5Fを設けない場合は、保留記憶表示エリア5Dにおいて、新たな変動表示が開始される毎に保留1表示位置に表示されている保留表示を消去し、保留2表示位置〜保留8表示位置に表示されている保留表示を1つ上位の表示位置に向けて移動させればよい。
また、保留記憶数が0且つ変動表示の非実行中に新たな始動入賞が発生した場合は、第2始動入賞演出として保留表示をキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dまで移動させた後、更にアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させるので、新たな保留記憶が発生したことを遊技者に認識させることができる。
尚、本実施例では、第1始動入賞演出を実行するためのデータと第2始動入賞演出を実行するためのデータを個別に設ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2始動入賞演出としては、第1始動入賞演出を実行するためのデータを用いて、保留表示をキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dの保留1表示位置まで移動させ、次に第2始動入賞演出用のデータを用いて、保留表示を保留記憶表示エリア5Dの保留1表示位置からアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させてもよい。
このようにすることで、第1始動入賞演出と第2始動入賞演出とでキャラクタ画像Cから保留表示を保留記憶表示エリア5Dの保留1表示位置まで移動させるためのデータを共通化できるので、始動入賞演出のデータ容量を抑えることができる。
また、図39に示すように、作用演出は、変動表示中における保留表示・アクティブ表示移行演出の実行後に実行されるので、保留表示・アクティブ表示移行演出として移動中の保留表示を対象として作用演出が実行されることがなく、作用演出を実行するための処理を簡素化することができる。尚、本実施例では、保留表示・アクティブ表示移行演出として移動中の保留表示を対象として作用演出が実行されることがない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示・アクティブ表示移行演出として移動中の保留表示を対象として作用演出を実行してもよい。
また、スーパーリーチ演出の実行中においては、第1始動入賞演出を実行しないことによって、スーパーリーチ演出の実行中に第1始動入賞演出が実行されることによる遊技興趣の低下を抑えることができるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が大当りとなる割合がスーパーリーチβのスーパーリーチ演出よりも低いスーパーリーチαのスーパーリーチ演出においては、第1始動入賞演出を実行してもよい。また、スーパーリーチ演出以外においても、変動表示中に変動表示結果が大当りとなることを予告する予告演出を実行可能とする場合は、該予告演出の実行中においても第1始動入賞演出を実行しないようにしてもよい。
尚、本実施例では、第1始動入賞演出としては、新たな保留表示を保留記憶数に対応する移動先位置(保留1表示位置〜保留8表示位置のいずれか)に表示するまで(到達するまで)を含めているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1始動入賞演出としては、たな保留表示を保留記憶数に対応する移動先位置に表示するまでを含めなくともよい。更に、本実施例のように第1始動入賞演出を実行する場合は、第1始動入賞演出としての保留表示の移動中に新たな第1始動入賞演出の実行を規制することによって新たな保留表示を保留記憶数に対応する移動先位置に表示させないようにできる。
また、図41(D)及び図41(E)に示すように、本実施例では、スーパーリーチ演出の実行中に新たな始動入賞が発生した場合は、該新たな始動入賞に基づく第1始動入賞演出を実行せず、保留記憶表示エリア5Dにおける新たな保留表示の追加表示と、保留表示数対応表示器31における新たなLEDの追加点灯と、を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチ演出の実行中に新たな始動入賞が発生した場合は、該新たな始動入賞に基づく第1始動入賞演出と保留記憶表示エリア5Dにおける新たな保留表示の追加表示とを実行せず、保留表示数対応表示器31における新たなLEDの追加点灯のみ行うようにしてもよい。更に、演出表示装置5の右上部等の所定位置において保留記憶数を数字にて表示可能とし、スーパーリーチ演出の実行中に新たな始動入賞が発生した場合は、該新たな始動入賞に基づく第1始動入賞演出、保留記憶表示エリア5Dにおける新たな保留表示の追加表示、保留表示数対応表示器31における新たなLEDの追加点灯を実行せず、演出表示装置5の右上部等の所定位置における保留記憶数の表示のみを更新してもよい。
また、作用演出の実行に応じて保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する場合と変化しない場合とがあるので、保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化するか否かに遊技者を注目させることができる。更に、作用演出が演出パターンAで実行される場合と演出パターンBとで実行される場合とでは、保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する割合が異なっているとともに、保留表示やアクティブ表示の表示態様が表示パターンβや表示パターンγに変化する割合も異なっているので、作用演出のいずれの演出パターンにて実行されるかに遊技者を注目させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、保留記憶数が0であり且つ変動表示の非実行中である場合、新たな始動入賞が発生したことに基づいて第2始動入賞演出を実行することで、保留表示をキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dを経由してアクティブ表示エリア5Fに移動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1として図44(A)〜図44(B)に示すように、保留記憶数が0であり且つ変動表示の非実行中であるときに新たな始動入賞が発生した場合は、第2始動入賞演出を実行することなく保留表示をアクティブ表示としてアクティブ表示エリア5Fに表示してもよいし、また、第2始動入賞演出として、保留表示をキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dを経由することなく直接アクティブ表示エリア5Fに移動させてもよく、このようにすることで、新たな始動入賞が発生してからアクティブ表示エリア5Fにアクティブ表示が表示されるまでの期間を短縮できる。
更に、保留記憶数が0であり且つ変動表示の非実行中であるときに新たな始動入賞が発生した場合は、第2始動入賞演出として、保留記憶表示エリア5Dにおける保留1表示位置の近傍からアクティブ表示エリア5Fに向けて保留表示を移動させる、つまり、前記実施例の第2始動入賞演出の一部を実行してもよい。
また、前記実施例では、保留記憶表示エリア5Dに表示されている保留表示や、アクティブ表示エリア5Fに表示されているアクティブ表示に対して作用演出を実行することによってこれら保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞演出として保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動中の保留表示に対して作用演出を実行することによって保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させてもよい。
具体的には、変形例2として図45(A)〜図45(D)に示すように、演出表示装置5の左側方に左右方向に移動可能な可動体を設ける。そして、始動入賞が発生したことに基づいて第1始動入賞演出としてキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dに向けて保留表示を移動させ、該移動中の保留表示を可動体の動作によって隠蔽する。尚、図45(A)〜図45(D)に示すように、本変形例2では第1始動入賞演出としてキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dに向けて移動する保留表示を可動体によって隠蔽する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述したように、第2始動入賞演出としてキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dを経由してアクティブ表示エリア5Fに向けて移動するアクティブ表示を可動体によって隠蔽してもよい。つまり、本変形例2においては、可動体による保留表示やアクティブ表示の隠蔽が作用演出に該当する。
このように始動入賞演出としてキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動する保留表示やアクティブ表示を可動体によって隠蔽する場合は、該可動体によって保留表示が隠蔽されたタイミングで該保留表示やアクティブ表示の表示態様を表示パターンβや表示パターンγに変化させることで、遊技者からは、可動体の後方を通過した保留表示やアクティブ表示の表示態様が表示パターンαから表示パターンβまたは表示パターンγに変化したと認識されるので、キャラクタ画像Cから移動中の保留表示やアクティブ表示に対して遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。更に、始動入賞演出としてキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動する保留表示やアクティブ表示に対して作用演出が実行されることがあるので、始動入賞演出としてキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動する保留表示やアクティブ表示に遊技者を注目させることができる。
また、始動入賞演出としてキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動する保留表示やアクティブ表示は、可動体によって隠蔽された状態で該可動体の後方を通過して遊技者から視認可能となるので、保留表示やアクティブ表示が可動体の後方を移動している期間に対して遊技者を注目させることができる。更に、図45に示すように、可動体によって始動入賞演出としてキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動する保留表示やアクティブ表示を隠蔽する場合は、可動体の動作によって遊技者に対して作用演出として高い演出効果を与えることができる。
尚、本変形例2では、作用演出として、可動体を動作せることでキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動する保留表示やアクティブ表示を隠蔽する演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、作用演出としては、図46に示すように、演出表示装置5に表示する画像によってキャラクタ画像Cから保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動する保留表示やアクティブ表示を隠蔽し、該保留表示やアクティブ表示の表示態様を変化させてもよい。
また、前記実施例では、保留表示やアクティブ表示に対して作用演出を実行することでこれら保留表示やアクティブ表示の表示態様を1回のみ変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示やアクティブ表示の表示態様は2回以上変化してもよい。更に、前記実施例では、表示パターンαである保留表示やアクティブ表示に対して作用演出を実行することで、これら保留表示やアクティブ表示の表示態様を表示パターンβと表示パターンγとのどちらかに変化可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示パターンαである保留表示やアクティブ表示の表示態様は、3以上の表示パターン(例えば、表示パターンβや表示パターンγに加えて、保留表示やアクティブ表示を表示パターンγよりも変動表示結果が大当りとなる割合(大当り期待度)が高い黒塗りの星型(★)に表示する表示パターンδ)に変化可能であってもよい。
このように、保留表示やアクティブ表示の表示態様を複数回変化可能且つ保留表示やアクティブ表示の表示態様を3以上の表示パターンに変化可能である場合は、変形例3として図47(A)〜図47(E)に示すように、作用演出を、保留表示やアクティブ表示の変化割合が異なる演出パターンAや演出パターンBにて実行可能とするとともに、図47(F)〜図47(G)に示すように、作用演出を、保留表示やアクティブ表示に作用することによってこれら保留表示やアクティブ表示の表示態様を特定の表示パターンに変化させる演出パターンCを実行可能としてもよい。
具体的には、作用演出を演出パターンAや演出パターンBにて実行する場合は、保留表示やアクティブ表示の表示態様を表示パターンβ、表示パターンγ、表示パターンδの全てに変化可能とする一方で、作用演出を演出パターンCにて実行する場合は、保留表示やアクティブ表示の表示態様を100%の割合で表示パターンδに変化させればよい。つまり、本変形例における作用演出は、本発明における変化演出に該当する。
尚、図47に示すように、本変形例3では、演出パターンCの作用演出として、表示パターンβの保留表示に黒塗りの星型が作用することによって、該保留表示の表示態様を表示パターンδに変化させる、つまり、表示パターンβから表示パターンγを経由せずに変動表示結果が大当りとなる割合が最も高い表示パターンδに変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出パターンCの作用演出は、保留表示やアクティブ表示に作用することによって、保留表示やアクティブ表示の表示態様を予め定められた表示パターンに変化させる演出であれば、演出パターンCの作用演出によって保留表示やアクティブ表示の表示態様が変化する先の表示パターンは表示パターンβや表示パターンγであってもよい。このように、作用演出の演出パターンとして保留表示の表示態様を特定の表示パターンに変化させる演出パターンCを実行可能とすることで、作用演出に対して遊技者を注目させることができるので、作用演出の演出効果及び遊技興趣を向上できる。
また、本変形例3として図47に示すように、保留表示やアクティブ表示対して複数回に亘って作用演出を実行することで、保留表示やアクティブ表示の表示態様を複数回変化可能とする場合は、作用演出を演出パターンA→演出パターンB→演出パターンCのように順番に実行することによって保留表示やアクティブ表示の表示態様を表示パターンα→表示パターンβ→表示パターンγ→表示パターンδの順に変化させる場合と、作用演出を演出パターンCのみ実行することによって保留表示やアクティブ表示の表示態様を表示パターンαから表示パターンβ及び表示パターンγを経由させずに表示パターンδに変化させる場合を設けることで、作用演出の演出パターンに対して遊技者を注目させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、変動表示の開始毎に作用演出を実行するか否かを決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、作用演出の実行を決定する契機は、変動表示の開始タイミング以外であってもよい。例えば、変形例4として、変動表示中に保留記憶数が上限値(本実施例では8)等の特定の値に達したことを上限に作用演出の実行を決定してもよい。尚、このように、変動表示中に保留記憶数が上限値等の特定の値に達したことを上限に作用演出の実行を決定する場合は、次回の変動表示において作用演出を実行し、保留表示内に保留表示予告演出の対象の保留表示が存在する場合は、該保留表示の表示態様を作用演出の終了タイミングにおいて変化させればよい。このようにすることで、新たな保留記憶が記憶されるように遊技者に対して遊技を促進することができる。
また、前記実施例では、図22に示すように、保留表示内に既に保留表示演出の実行が決定されている保留表示が存在する場合は、始動入賞の発生により新たに表示される保留表示について保留表示予告演出の対象としない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の保留表示を保留表示予告演出の対象とする、つまり、保留記憶表示エリア5Dにおいて複数の保留表示を表示パターンβや表示パターンγにて表示してもよい。尚、このように、複数の保留表示を保留表示予告演出の対象とする場合は、最も先に表示態様が表示パターンβや表示パターンγに変化した保留表示に応じた色で保留表示態様対応LED30を点灯し、該保留表示に対応する変動表示の開始または終了まで保留表示態様対応LED30の点灯色を維持してもよいし、いずれかの保留表示の表示態様が表示パターンβや表示パターンγに変化する毎に保留表示態様対応LED30の発光色を更新してもよい。
また、前記実施例では、始動入賞が発生した始動入賞口にかかわらず、始動入賞に基づく保留記憶に応じた保留表示を順に保留記憶表示エリア5Dに追加表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5に2つの保留記憶表示エリアを設け、第1始動入賞口への入賞により発生した始動入賞に基づく保留記憶に応じた保留表示と第2始動入賞口への入賞により発生した始動入賞に基づく保留記憶に応じた保留表示とをそれぞれ異なる保留記憶表示エリアに追加表示していくようにしてもよい。
また、前記実施例では、始動入賞が発生した始動入賞口にかかわらず、発生した保留記憶の順に変動表示を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1始動入賞口への入賞により発生した保留記憶に基づく変動表示と第2始動入賞口への入賞により発生した保留記憶に基づく変動表示のいずれか一方を優先して実行するようにしてもよいし、これら第1始動入賞口への入賞により発生した保留記憶に基づく変動表示と第2始動入賞口への入賞により発生した保留記憶に基づく変動表示とを同時に実行可能としてもよい。
尚、本実施例では、新たに発生した保留表示について保留表示予告演出の対象と決定し、且つシフト回数を0に決定した場合は、始動入賞演出として表示パターンβまたは表示パターンγにて表示される保留表示やアクティブ表示を保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、新たに発生した保留表示について保留表示予告演出の対象と決定し、且つシフト回数を0に決定した場合は、始動入賞演出として表示パターンαにて表示される保留表示やアクティブ表示を保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5Fに向けて移動させ、これら保留表示やアクティブ表示が移動先位置(保留記憶表示エリア5Dやアクティブ表示エリア5F)に到達したことに基づいてこれら保留表示やアクティブ表示の表示態様を表示パターンβまたは表示パターンγに変化させてもよい。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。