以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光モジュールおよび面発光光源は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の発光モジュールおよび面発光光源における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
(面発光光源の実施形態)
図1は、本開示のある実施形態による面発光光源の例示的な構成を示す。図1に示す面発光光源200は、上面210aを有する導光板210と、導光板210の上面210aとは反対側に位置する複数の発光素子121とを含む。図1に例示する構成において、導光板210の上面210aの上面視における形状は、全体として長方形状である。ここでは、面発光光源200は、導光板210の下方に位置する層状の光反射部材240をさらに有しており、全体として概ね板状である。図1には、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されており、ここでは、X方向およびY方向は、上面210aの長方形状の互いに直交する辺の一方および他方にそれぞれ一致している。以下、本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。
図1に示す例において、導光板210の上面210aは、面発光光源200の発光面を構成する。上面210aの長方形状の一辺の長さは、例えば1cm以上200cm以下の範囲である。本開示の典型的な実施形態では、導光板210の上面210aの長方形状の一辺は、20mm以上25mm以下の長さを有する。上面210aの長方形状の縦方向および横方向の長さは、例えば、それぞれおよそ24.3mmおよび21.5mmであり得る。
図1に点線で示すように、面発光光源200は、それぞれが少なくとも1つの発光素子を含む複数の発光モジュール100の集合体である。図1に例示する構成において、面発光光源200は、二次元に配列された合計16個の発光モジュール100を含み、ここでは、これら16個の発光モジュール100が4行4列に配置されている。面発光光源200に含まれる発光モジュール100の数およびそれら発光モジュール100の配置は、任意であり、図1に示す構成に限定されない。
各発光モジュール100は、導光板210の上面210aに位置する開口をその一部に含む第1穴部10と、第1穴部10の内部に位置する光反射層130とを有する。後に詳しく説明するように、各発光モジュール100の発光素子121は、第1穴部10の概ね直下の位置に配置される。したがって、この例では、発光モジュール100が4行4列に配置されていることに対応して、発光素子121は、X方向およびY方向に沿って4行4列に配列されている。発光素子121の配置ピッチは、例えば0.05mm以上20mm以下程度とすることができ、1mm以上10mm以下程度の範囲であってもよい。ここで、発光素子121の配置ピッチとは、発光素子121の光軸間の距離を意味する。発光素子121は、等間隔に配置されてもよいし、不等間隔で配置されてもよい。発光素子121の配置ピッチは、互いに異なる二方向の間で同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図2は、本開示のある実施形態による発光モジュールを示す。図2に示す発光モジュール100Aは、図1を参照しながら説明した発光モジュール100の一例である。図2では、発光モジュール100Aを発光モジュール100Aの中央付近で導光板210の上面210aに垂直に切断したときの断面と、導光板210の上面210a側から上面210aに垂直に見たときの発光モジュール100Aの例示的な外観とをあわせて1つの図に模式的に示している。
図2の上段に示すように、発光モジュール100Aは、導光板110Aと、発光素子121をその一部に含む発光構造120と、光反射層130と、光反射部材140とを有する。導光板110Aは、上面110aおよび上面110aとは反対側に位置する下面110bを有し、光反射部材140は、導光板110Aの下面110b側に位置する。導光板110Aおよび光反射部材140は、それぞれ、図1に示す導光板210および光反射部材240の一部である。なお、導光板110Aは、面発光光源200において互いに隣接する2つの発光モジュール100Aの間で連続した単一の導光板の形で形成され得る。ただし、例えば各発光モジュール100Aが独立した導光板110Aを有することにより、面発光光源200において2つの発光モジュール100Aの導光板110Aの間に明確な境界が確認できることもあり得る。
導光板110Aの上面110aは、上面110aの概ね中央部に設けられた第1穴部10Aを有する。第1穴部10Aは、上述の第1穴部10の一例である。すなわち、図2に示す導光板110Aの第1穴部10Aは、図1に表された複数の第1穴部10のうちの1つを表している。他方、ここでは、導光板110Aの下面110bは、第1穴部10Aに対向する位置に第2穴部20を有する。平面視において、発光構造120は、第2穴部20の内側に位置する。
図示するように、導光板110Aの上面110a側の第1穴部10Aは、第1部分11Aおよび第2部分12Aの2つの部分を含む。第1穴部10Aの第1部分11Aは、第2部分12Aよりも導光板110の下面110bの近くに位置し、第2部分12Aとの境界に位置する第1開口11aと、導光板110Aの上面110aに対して傾斜している第1側面11cとを有する。本実施形態において、光反射層130は、第1穴部10Aのうち第1部分11Aに位置する。導光板110Aおよび光反射層130の界面は、発光素子121から出射されて導光板110に導入された光に対して反射面として機能する。すなわち、第1部分11Aの第1側面11cにおける反射により、発光素子121から出射されて導光板110Aの上面110aに向かう光を導光板110A内部に拡散させることができる。
第1穴部10Aの第2部分12Aは、第1穴部10Aのうち、第1部分11Aと導光板110の上面110aとの間に位置する部分である。第2部分12Aは、導光板110の上面110aに位置する第2開口12a、および、第2開口12aと第1部分11Aの第1開口11aとの間に位置する第2側面12cとを有する。
第1部分11Aの内部に光反射層130が位置していることに対し、ここでは、第1穴部10Aの第2部分12Aの内部には樹脂等は充填されておらず、空気層が形成されている。換言すれば、第2部分12Aの内部は、第1部分11Aの内部よりも低い屈折率を有する。この例では、第2部分12Aの第2側面12cは、空気層と導光板110Aとの界面であり、導光板110Aの内部に導入されて第1穴部10Aに向かう光を導光板110Aの内部に戻す反射面として機能する。すなわち、第2部分12Aの第2側面12cによって、導光板110Aの上面110aに対して垂直に近い角度で入射する光を導光板110Aの内部に拡散させることができる。第2部分12Aの内部に空気層が形成されていることは、本開示の実施形態において必須ではない。第2部分12Aは、光反射層130の材料よりも低い屈折率を有する物質で充填されていてもよい。
図2の下段に注目する。本開示の実施形態において、第1部分11Aの第1開口11aの平面視における形状は、正円ではなくオーバル形である。本明細書において、「オーバル形」とは、互いに直交する2つの対称軸を持つ閉曲線を指し、楕円、長円および角丸長方形等を広く含むように解釈される。互いに直交する2つの対称軸とは、例えば楕円の場合、その楕円に関する長軸および短軸である。上記の「オーバル形」のうち、長円は、半径の等しい二つの円を共通外接線でつないだ図形を意味する。本明細書における「オーバル形」には、楕円と長円とを組み合わせたような複合図形も含まれる。ただし、本明細書における「オーバル形」に正円は含まれない。以下の説明では、オーバル形として楕円を例示する。
図2に例示する構成において、第1開口11aは、第1軸としての第1長軸と、第1長軸に直交する、第2軸としての第1短軸とによって規定される楕円形状を有している。ここでは、第1開口11aの楕円形状の第1長軸(図2中に破線LAで示す)は、図のY方向に平行であり、第1短軸(図2中に破線SAで示す)は、図のX方向に平行である。第1長軸と第1短軸とは、平面視において導光板110の概ね中央で交差し、発光素子121は、その光軸がこれらの軸の交点を通るように導光板110Aの下面110b側に配置される。
ここで、面発光光源200の発光面を構成する導光板210の上面210aが長方形状を有することに対応して、本開示の典型的な実施形態では、各発光モジュール100Aの導光板110Aも平面視において長方形状を有する。図2に示す例において、導光板110Aの上面110aは、図のY方向と比較してX方向に長い横長の長方形状を有する。すなわち、この例では、第1開口11aの楕円形状を規定する第1長軸は、導光板110Aの長方形状の短辺に平行であり、第1開口11aの楕円形状の第1短軸は、導光板110Aの長方形状の長辺に平行である。
このように、本開示の実施形態では、導光板110の上面110a側に設けられた第1穴部10のうち内部に光反射層130の配置される第1部分が、導光板110の長方形状の短辺の延びる方向に引き延ばされたオーバル形を有する。本発明者らの検討によると、上述の特許文献1の面発光装置のように、矩形状の導光板の裏面側にLED素子を配置し、LED素子に対応するようにして導光板の表面側に凹部を設けた構成では、導光板の矩形状が正方形から遠ざかるに従い、導光板の特に外縁付近において輝度ムラが生じやすくなる。より具体的には、平面視における導光板の縦横比(アスペクト比)が拡大するにつれて、導光板の矩形状の短辺の中央付近における輝度が高くなりやすい。
これに対し、本開示の実施形態では、上述したように、導光板110の第1穴部10の第1部分が、導光板110の長方形状の短辺の延びる方向に引き延ばされたオーバル形を有する。そのため、第1穴部10の第1部分の第1側面11cと、導光板110の長方形状の短辺側の側面との間の距離が拡大する。その結果、上面110a側から見たときの、導光板110の長方形状の短辺の特に中央付近の輝度が抑制されることとなり、発光モジュール100の厚さの増大を抑制しながら輝度の均一性を向上させることが可能になる。
以下、発光モジュール100Aの各構成要素をより詳細に説明する。
[導光板110A]
導光板110Aは、発光素子121からの光を拡散させて上面110aから出射させる機能を有する。導光板110Aは、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂、または、ガラスから形成される概ね板状の部材であり、透光性を有する。これらの材料のうち、特に、ポリカーボネートは、安価でありながら、高い透明度を得ることが可能である。導光板110Aは、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。なお、本明細書における「透光性」および「透光」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。
導光板110Aの上面110aに設けられる第1穴部10Aは、発光素子121から出射されて導光板110Aの下面110b側から導入された光を反射させて導光板110Aの面内に拡散させる機能を有する。導光板110Aにこのような光拡散構造としての第1穴部10Aを設けることにより、上面110aのうち発光素子121の直上以外の領域における輝度を向上させることができる。すなわち、発光モジュール100Aの上面における輝度ムラを抑制することができ、第1穴部10Aは、導光板110Aの薄化に貢献する。導光板110Aの厚さ、すなわち、下面110bから上面110aまでの距離は、典型的には、0.1mm以上5mm以下程度である。本開示の実施形態によれば、導光板110Aの厚さを0.6mm以下程度とすることも可能になる。
図3は、図2のうち発光構造120およびその周辺を拡大して示す。上述したように、本開示の実施形態において、導光板110Aの第1穴部10Aは、第1部分11Aおよび第2部分12Aを含む。図3に例示する構成において、第1穴部10Aの第1部分11Aは、第1側面11cに加えて、導光板110Aの上面110aに概ね平行な底面11bをさらに有する。第1部分11Aの第1開口11aがオーバル形であることに対し、図2中に点線で示すように、ここでは、第1部分11Aの底面11bの平面視における形状は、円形である。すなわち、この例では、第1穴部10Aの第1部分11Aは、導光板110Aの上面110aに設けられた逆錐台形状を有する窪みであるといえる。底面11bの円形状の直径は、例えば0.3mm程度である。
ただし、底面11bの平面視における形状は、円形に限定されず、楕円等のオーバル形であってもよいし、多角形であってもよい。すなわち、導光板110Aの第1穴部10Aは、複数の側面を含む逆錐台形状であり得る。あるいは、第1部分11Aは、導光板110Aの上面110aに平行な底面を有しない形状であってもよい。換言すれば、第1部分11Aは、逆円錐等の逆錐体形状を有する窪みであってもよい。
上述したように、第1穴部10Aの第2部分12Aは、第1部分11Aと導光板110の上面110aとの間に位置し、第2開口12aを有する。平面視における第2開口12aの形状は、典型的には、第1穴部10Aの第1開口11aと同様にオーバル形を有する。ただし、第2開口12aのオーバル形を特徴づける、互いに直交する第3軸と、第3軸よりも短い第4軸とは、それぞれ、導光板110Aの長方形状の長辺および短辺に平行である。すなわち、第1穴部10Aの第1部分11Aの第1開口11aが、導光板110Aの長方形状の短手方向に沿って正円を引き延ばしたような形状を有することに対し、第2部分12Aの第2開口12aは、導光板110Aの長方形状の長手方向に沿って正円を引き延ばしたような形状を有する。
図2に示す例では、第2開口12aは、第1部分11Aの第1開口11aと同様に楕円形を有する。すなわち、ここでは、第2開口12aの第3軸および第4軸は、それぞれ、第2開口12aの楕円形状を規定する長軸および短軸に相当する。第2部分12Aの第2開口12aの第1の対称軸(この例では長軸)に沿った長さと第2の対称軸(この例では短軸)に沿った長さとの間の比も導光板110Aの長方形状のアスペクト比に応じて決定されてよい。例えば、第2部分12Aの第2開口12aの第1の対称軸に沿った長さと第2の対称軸に沿った長さとの間の比は、16:10であってもよい。
図2に例示する構成のように、第1穴部10のうち導光板の上面110aに近い第2部分が、各発光モジュールの長方形状の長辺の延びる方向に相対的に長いオーバル形を有することにより、導光板の内部において長方形状の長辺に平行な方向に光をより拡散させやすくなる。すなわち、より均一に導光板の面内に光を拡散し得る。これにより、発光素子121からの距離が拡大することによる輝度の低下が補償されることとなり、導光板の上面110aにおける輝度ムラをより効果的に低減することが可能になる。
なお、平面視における第2開口12aの形状は、互いに直交する長軸および短軸を有する形状に限定されない。図4に例示するように、平面視における第2開口12aの形状は、発光素子121の位置を中心とする正円であってもよい。
再び図3を参照する。図3に示すように、この例では、導光板110Aの上面110aに対する第1側面11cの傾斜は、上面110aに対する第2側面12cの傾斜よりも緩やかである。このような第1穴部10Aの形状によれば、第1穴部10Aの深さの増大を抑制しながら第1側面11cの面積を増大させられる。したがって、導光板110Aの厚さの増大を回避しながら、導光板110Aの内部で第1側面11cに入射した光をより効果的に導光板110Aの面内に拡散させ得る。
第1側面11cの傾斜の大きさは、断面視において、第1側面11cの下端と上端とを結ぶ線分と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角として求められる。第2側面12cの傾斜についても同様に、断面視において、第2側面12cの下端と上端とを結ぶ線分と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角として求めることができる。
ただし、図3に例示する構成では、第1側面11cおよび第2側面12cのいずれも、断面視において曲線状の形状を有している。このような場合には、以下のようにしてこれら側面の傾斜の大きさを決めればよい。
図3に示す例において、第1穴部10Aの第1部分11Aは、底面11bを有する。したがって、この例では、図3に示すように、底面11bと第1側面11cとの間の境界と、第1開口11aとを結ぶ線分C1と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角θ1を第1側面11cの傾斜の大きさとして採用すればよい。同様に、第2側面12cの傾斜の大きさとしては、第1開口11aと第2開口12aとを結ぶ線分C2と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角θ2を採用すればよい。なお、第1部分11Aが逆錐体形状の窪みの形で導光板110Aの上面110aに形成されている場合には、第1部分11Aのうち導光板110Aの下面110bとの間の距離が最も小さい部分すなわち逆錐体形状の頂部と第1開口11aとを結ぶ線分と、導光板110Aの上面110aに平行な直線とのなす角を第1側面11cの傾斜の大きさとすればよい。
上述したように、ここでは、導光板110Aの上面110aに対する第1側面11cの傾斜は、上面110aに対する第2側面12cの傾斜よりも緩やかである。換言すれば、図3に示す例において、導光板110Aの上面110aと、図3中に破線で示す線分C1とがなす角は、導光板110Aの上面110aと、図3中に破線で示す線分C2とがなす角よりも小さい。すなわち、θ1<θ2の関係が成立している。これとは逆に、導光板110Aの上面110aに対する第2側面12cの傾斜を第1側面11cの傾斜よりも緩やかとしてもよい。言い換えると、導光板110Aの上面110aと、図3中に破線で示す線分C1とがなす角を、導光板110Aの上面110aと、図3中に破線で示す線分C2とがなす角よりも大きくしてもよい。すなわち、θ1>θ2の関係が成立するようにしてもよい。このような構成によれば、導光板110Aの厚さの増大を回避しながら、第2部分12Aの容積を拡大でき、例えば、第1穴部10A中の空気層をより広い領域に拡大できる。したがって、より多くの光が第2側面12cに入射するようになり、光をより効果的に導光板110Aの面内に拡散させることが可能になる。
ここでは、第1側面11cおよび第2側面12cの断面視における形状は、曲線状である。しかしながら、第1側面11cおよび第2側面12cの断面視における形状は、曲線状に限定されず、屈曲および/または段差を含む形状、あるいは、直線状等であってもよい。第1側面11cおよび第2側面12cの断面視における形状が一致している必要も無い。第1側面11cおよび/または第2側面12cの断面視における形状が図3に例示するような曲線状、特に、第1穴部10Aの内部に向かって膨らんだ凸の曲線状であると、導光板110Aの中心から離れた位置まで光を拡散させやすく、上面110a側において均一な光を得る観点からは有利である。
第1穴部10Aの具体的な形状は、図3に例示する形状に限定されず、導光板110Aの下面110b側に配置される発光素子の形状および特性等に応じて適宜に決定され得る。第1穴部10Aの深さ、すなわち、図のZ方向に沿った、第1部分11Aの底面11bから導光板110Aの上面110aまでの距離は、例えば、200μm以上400μm以下の範囲である。そのうち、第1部分11Aの深さは、例えば、80μm以上200μm以下の範囲であり得る。
第1部分11Aの第1開口11aのオーバル形に関し、2つの対称軸に沿った方向の長さの比は、導光板110Aの長方形状の長辺の長さと短辺の長さとの間の比(アスペクト比)に基づいて決定され得る。例えば面発光光源200の導光板210の長方形状のアスペクト比が16:10であり、面発光光源200が16個の発光モジュール100Aの4行4列の配列を含む場合、各発光モジュール100Aの導光板110Aの長方形状も、導光板210の長方形状と同じアスペクト比を有し得る。このとき、第1部分11Aの第1開口11aの第1の対称軸(例えば第1長軸)に沿った長さと第2の対称軸(例えば第1短軸)に沿った長さとの間の比は、導光板110Aの長方形状のアスペクト比に応じて16:10であり得る。あるいは、第1部分11Aの第1開口11aの第2の対称軸に沿った長さに対する、第1の対称軸に沿った長さの比率は、(6.0/5.5)〜(2/1)の範囲であり得る。導光板110Aの長方形状の長辺または短辺に沿った、第1部分11Aの第1開口11aの大きさは、例えば2mm〜2.5mm程度の範囲であり、第2部分12Aの第2開口12aの大きさは、例えば3mm〜4mm程度の範囲であり得る。
導光板110Aは、下面110b側の、第1穴部10Aと対向する位置に第2穴部20を有する。第2穴部20の内部には、接合部材190と、発光構造120とが位置する。図3に例示する構成において、発光構造120は、発光素子121に加えて、板状の波長変換部材150、接合部材160および第2の光反射部材170を含む。発光構造120は、接合部材190によって導光板110Aの第2穴部20の位置に接合される。
図2に示すように、第2穴部20は、例えば四角錐台状を有する。典型的には、導光板110Aの下面110b側に位置する第2穴部20の中心は、上面110a側に位置する第1穴部10Aの中心に概ね一致させられる。面発光光源200の導光板210は、射出成型、トランスファー成型、熱転写等により形成することができる。金型のキャビティの内部に、キャビティの内壁から突出する凸部を所定の位置に設けておくことにより、図2に示すような断面形状を精度よく形成することができる。すなわち、金型を利用した成型法によれば、第2穴部20の中心と、その第2穴部20に対応する第1穴部10Aの中心とを比較的容易に一致させ得る。
第2穴部20の平面視における形状が矩形状である場合、第2穴部20は、図2に示すようにその矩形状の一辺が導光板110Aの長方形状の一辺と平行となるように導光板110Aの下面110bに形成されてもよい。あるいは、第2穴部20は、その矩形状の外形の一辺が導光板110Aの長方状の辺に対して傾斜するように導光板110Aの下面110bに形成されてもよい。例えば、第2穴部20の開口の矩形状の一辺が導光板110Aの長方形状の対角線と概ね平行となるように第2穴部20を導光板110Aに形成してもよい。
第2穴部20の平面視における形状としては、矩形状のほか、円形状も採用し得る。第2穴部20の形状および大きさは、求める光学特性に応じて適宜に決定し得る。例えば、第2穴部20は、円錐台形状等を有していてもよい。導光板110Aの下面110bに形成される第2穴部20の開口の大きさは、例えば、0.05mm以上10mm以下とすることができ、好ましくは、0.1mm以上1mm以下である。ここで、第2穴部20の開口の大きさとは、第2穴部20が平面視において例えば矩形状の開口を有する場合、その矩形状の対角線方向に沿った長さであり、第2穴部20が平面視において円形状の開口を有する場合には、その円形状の直径である。
図5は、図2に示す発光モジュール100Aから導光板110Aを取り出して模式的に示す。図5では、導光板110Aを上面110a側から見た外観および下面110b側から見た外観に加えて、導光板110Aを図のYZ面に平行に切断したときの導光板110Aの端面および導光板110Aを図のZX面に平行に切断したときの導光板110Aの端面もあわせて1つの図に示されている。
図5中に示された例示的な端面形状から理解されるように、本実施形態において、導光板110Aの下面110bは、上面110aに概ね平行な部分と上面110aに垂直な側面とを接続する曲面110pおよび曲面110qを有する。曲面110pは、導光板110Aの4つの側面のうち図のZX面に平行な側面と、下面110bのうち上面110aに概ね平行な部分との間に位置する。他方、曲面110qは、導光板110Aの残りの2つの側面のうち図のYZ面に平行な側面と、下面110bのうち上面110aに概ね平行な部分との間に位置する。図5の最下段に太い実線の両矢印RDで模式的に示すように、本実施形態では、曲面110pと曲面110qとは滑らかに接続され、曲面110pと曲面110qとの間には明確な境界は形成されていない。換言すれば、導光板110Aを下面110b側から見たとき、導光板110Aの長方形状の角部と導光板110Aの中心とを結ぶ線上に稜線のような構造は形成されない。
[光反射層130]
本実施形態において、光反射層130は、第1穴部10Aのうち第1部分11Aに位置する。ここでは、光反射層130は、第1穴部10Aの内部において第1部分11Aの全体を占めるように形成されている。光反射層130は、例えば光反射性のフィラーが分散された樹脂、あるいは金属等の光反射性の材料から形成される。光反射層130は、誘電体多層膜であってもよい。
ここで、本明細書において、「反射性」、「光反射性」とは、発光素子121の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。光反射層130の、発光素子121の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。
発光素子121の上方に光反射層130を配置することにより、発光素子121から出射されて導光板110Aの中央付近で導光板110Aの上面110aに向かって進行する光を光反射層130で反射させることができる。したがって、発光素子121から出射された光を導光板110Aの面内で効率的に拡散させることが可能になる。また、導光板110Aの上面110aのうち発光素子121の直上の領域の輝度が局所的に極端に高くなることを抑制することができる。ただし、光反射層130が発光素子121からの光を完全に遮蔽することは必須ではない。この意味で、光反射層130は、発光素子121からの光の一部を透過する半透過の性質を有していてもよい。
光反射層130と導光板110との界面は、完全な反射面ではない。換言すれば、光反射層130は、導光板110の内部に拡散された光の一部を反射し、一部を吸収する。そのため、本実施形態のように、第1穴部10Aの第1部分11Aの形状として、導光板110の長方形状の短辺に沿った方向に相対的に長いオーバル形を採用した場合であっても、光反射層130による吸収を利用することにより、導光板110の長方形状の長辺の中央付近における輝度の極端な上昇を回避し得る。すなわち、光反射層130と導光板110との界面が導光板110の外縁に近づくことによる輝度ムラの増大を抑制し得る。
光反射層130を光反射性の樹脂材料で形成する場合は、例えばディスペンサによって第1部分11Aを光反射性の樹脂材料で充填し、付与された材料を熱、光等によって硬化させることにより形成できる。光反射層130を形成するための樹脂材料の母材としては、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)等を用い得る。光反射性のフィラーとしては、金属の粒子、または、母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウム等の各種希土類酸化物の粒子等である。光反射層130が白色を有すると有益である。
光反射層130中の光反射性のフィラーの分布は、光反射層130内でほぼ一定であってもよいし、偏りまたは勾配を有していてもよい。例えば、光反射層130の形成の工程において母材の硬化前にフィラーが沈降または母材から分離することにより、光反射層130中の光反射性のフィラーの分布に偏りが生じ得る。例えば、図6に示すように、光反射層130は、第1領域131と、フィラーの濃度が相対的に低い第2領域132とを有し得る。図6に示す例では、複数の第2領域132が、第1穴部10Aの中心に向かって第1穴部10Aの外縁から延びている。あるいは、図7に示す例のように、光反射層130は、第1部分11Aの第1開口11aの付近に、複数の島状の部分133を有し得る。
平面視における単位面積あたりのフィラーの数で定義されるフィラーの数密度が、光反射層130の外縁付近と比較して中央付近において相対的に高いと、発光素子121の直上の領域の輝度が局所的に極端に高くなることを抑制しやすく、有益である。図6および図7に示すいずれの例においても、フィラーの数密度は、光反射層130の外縁付近と比較して中央付近において相対的に高いといえる。なお、第1部分11Aの全体が光反射層130で充填されていることは、本開示の実施形態において必須ではない。光反射層130は、第1部分11Aの一部を占めていればよい。例えば、第1部分11Aの第1側面11cを覆うように光反射層130を第1穴部10A内に形成してもよい。
図3に示すように、ここでは、光反射層130の上面130aは、概ね平坦面である。ただし、光反射層130の上面130aの形状は、この例に限定されず、発光素子121とは反対側に突出する凸状、あるいは、発光素子121側に窪んだ凹状等であってもよい。特に、光反射層130の上面130aが、発光素子121とは反対側に突出する凸状であると、第1部分11Aの第1開口11aの位置を基準としたときの光反射層130の中央付近の厚さが相対的に大きくなる結果、発光素子121の直上の領域の輝度が局所的に極端に高くなることをより効果的に抑制し得る。
[発光素子121]
発光素子121の典型例は、LEDである。図3に例示する構成おいて、発光素子121は、素子本体122と、発光素子121の上面120aとは反対側に位置する電極124とを有する。素子本体122は、例えば、サファイアまたは窒化ガリウム等の支持基板と、支持基板上の半導体積層構造とを含む。半導体積層構造は、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた活性層とを含む。半導体積層構造は、紫外〜可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含んでいてもよい。この例では、発光素子121の上面120aは、素子本体122の上面に一致している。電極124は、正極および負極の組を含み、半導体積層構造に所定の電流を供給する機能を有する。
面発光光源200に設けられる複数の発光素子121の各々は、青色光を出射する素子であってもよいし、白色光を出射する素子であってもよい。複数の発光素子121は、互いに異なる色の光を発する素子を含んでいてもよい。例えば、複数の発光素子121が、赤色光を出射する素子、青色光を出射する素子および緑色光を出射する素子を含んでいてもよい。ここでは、発光素子121として、青色光を出射するLEDを例示する。
ここでは、各発光モジュール100A中の発光素子121は、波長変換部材150等を含む発光構造120の形で、接合部材160によって波長変換部材150の下面側に固定されている。この例では、発光素子121は、平面視において第2穴部20の内側に位置している。発光素子121の光軸は、第1穴部10Aの中心に概ね一致させられる。
発光素子121の平面視における形状は、典型的には、矩形状である。発光素子121の矩形状の一辺の長さは、例えば1000μm以下である。発光素子121の矩形状の縦および横の寸法は、500μm以下であってもよい。縦および横の寸法が500μm以下の発光素子は、安価に調達しやすい。あるいは、発光素子121の矩形状の縦および横の寸法は、200μm以下であってもよい。発光素子121の矩形状の一辺の長さが小さいと、液晶表示装置のバックライトユニットへの適用において、高精細な映像の表現、ローカルディミング動作等に有利である。特に、縦および横の両方の寸法が250μm以下であるような発光素子は、上面の面積が小さくなるので発光素子の側面からの光の出射量が相対的に大きくなる。したがって、バットウィング型の配光特性を得やすい。ここで、バットウィング型の配光特性とは、広義には、発光素子の上面に垂直な光軸を0°として、0°よりも配光角の絶対値が大きい角度において発光強度が高い発光強度分布で定義されるような配光特性を指す。
[波長変換部材150]
図3に例示する構成において、発光構造120中の波長変換部材150は、第2穴部20の内部であって導光板110Aと発光素子121との間に位置する。換言すれば、波長変換部材150は、発光素子121の上方であって第2穴部20の底部に位置する。ここで、「第2穴部20の底部」とは、導光板110Aの下面110bを上に向けたときの第2穴部20の底に相当する部分を意味する。このように、本明細書では、発光モジュールについて図面に表された姿勢に拘泥することなく、「底部」および「底面」の用語を使用することがある。第2穴部20の底部は、発光モジュール100Aを図3に示す姿勢としたとき、導光板110Aの下面110b側に形成されるドーム状の構造の天井部分であるともいえる。
波長変換部材150は、発光素子121から出射された光の少なくとも一部を吸収し、発光素子121からの光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、波長変換部材150は、発光素子121からの青色光の一部を波長変換して黄色光を発する。このような構成によれば、波長変換部材150を通過した青色光と、波長変換部材150から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。図3に例示する構成では、発光素子121から出射された光は、基本的に波長変換部材150を介して導光板110Aの内部に導入される。したがって、混色後の光が導光板110Aの内部で拡散されることになり、輝度ムラの抑制された例えば白色光を導光板110Aの上面110aから取り出すことが可能である。本実施形態は、光を導光板内に拡散させてから波長変換する場合と比較して光の均一化に有利である。
波長変換部材150は、典型的には、樹脂中に蛍光体の粒子が分散された部材である。蛍光体等の粒子を分散させる樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。導光板110Aに効率的に光を導入する観点からは、波長変換部材150の母材が導光板110Aの材料よりも低い屈折率を有すると有益である。波長変換部材150の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、波長変換部材150に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、波長変換部材150の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。
蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体およびCASN等の窒化物系蛍光体、YAG系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換物質の例であり、YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換物質の例である。βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換物質の例である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
波長変換部材150に含まれる蛍光体が同一の面発光光源200に含まれる複数の発光モジュール100内で共通であることは必須ではない。複数の発光モジュール100の間で、波長変換部材150の母材に分散させる蛍光体を異ならせることも可能である。面発光光源200の導光板210に設けられる複数の第2穴部20のうち、ある一部の第2穴部20に、入射した青色光を黄色光に変換する波長変換部材を配置し、他のある一部の第2穴部20内に、入射した青色光を緑色光に変換する波長変換部材を配置してもよい。さらに、残余の第2穴部20内に、入射した青色光を赤色光に変換する波長変換部材を配置してもよい。
[接合部材160]
接合部材160は、発光素子121の側面の少なくとも一部を覆う透光性の部材である。図3に模式的に示すように、典型的には、接合部材160は、発光素子121の上面120aと波長変換部材150との間に位置する層状の部分を有する。
接合部材160の材料としては、透明な樹脂材料を母材として含む樹脂組成物を用いることができる。接合部材160は、発光素子121の発光ピーク波長を有する光に対して、例えば60%以上の透過率を有する。光を有効に利用する観点から、発光素子121の発光ピーク波長における接合部材160の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
接合部材160の母材の典型例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂である。接合部材160の母材として、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用いてもよい。接合部材160は、典型的には、導光板110Aの屈折率よりも低い屈折率を有する。接合部材160は、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。
上述したように、接合部材160は、発光素子121の側面の少なくとも一部を覆う。また、接合部材160は、後述の光反射部材170との界面である外面を有する。発光素子121の側面から出射されて接合部材160に入射した光は、接合部材160の外面の位置で発光素子121の上方に向けて反射される。断面視における接合部材160の外面の形状は、図3に示すような直線状に限定されない。断面視における接合部材160の外面の形状は、折れ線状、発光素子121に近づく方向に凸の曲線状、発光素子121から離れる方向に凸の曲線状等であってもよい。
[(第2の)光反射部材170]
光反射部材170は、波長変換部材150の下面側(導光板110Aとは反対側)に位置する、光反射性を有する部材である。図3に示すように、光反射部材170は、接合部材160の外面、発光素子121の側面のうち接合部材160に覆われていない部分、および、発光素子121の、上面120aとは反対側に位置する下面のうち電極124を除く領域を覆う。光反射部材170は、電極124の側面を覆い、他方、電極124の下面は、光反射部材170の下面から露出されている。
光反射部材170の材料としては、光反射層130の材料と同様の材料を用いることができ、例えば、光反射部材170の材料と光反射層130の材料とが共通であってもよい。発光素子121の下面のうち電極124を除く領域を光反射部材170で覆うことにより、導光板110Aの上面110aとは反対側への光の漏れを抑制できる。また、光反射部材170で発光素子121の側面をも覆うことにより、発光素子121からの光を上方に集中させ、波長変換部材150に効率的に光を導入させることが可能になる。
[第2の接合部材190]
上述したように、発光構造120は、第2の接合部材190により第2穴部20の底部に配置される。図3に示すように、第2の接合部材190の少なくとも一部は、第2穴部20の内部に位置する。第2の接合部材190は、第2穴部20の底部と波長変換部材150との間に位置する部分を有していてもよい。図3に示すように、第2の接合部材190は、導光板110Aの下面110bよりも導光板110Aの上面110aとは反対側に盛り上がった部分を有し得る。
第2の接合部材190は、接合部材160と同様に、透明な樹脂材料を母材として含む樹脂組成物から形成され得る。第2の接合部材190の材料は、接合部材160の材料と異なっていてもよいし、共通であってもよい。第2の接合部材190は、典型的には、導光板110Aの屈折率よりも低い屈折率を有する。
[光反射部材140]
光反射部材140は、光反射性を有し、導光板110Aの下面110bの少なくとも一部を覆う。導光板110Aと同様に、光反射部材140は、面発光光源200において互いに隣接する2つの発光モジュール100Aにまたがって連続的に形成され得る。
導光板110Aの下面110b側に光反射部材140を配置することにより、導光板110Aの下面110b側に向かう光を導光板110Aと光反射部材140との界面で上面110aに向けて反射させることができ、導光板110Aの上面110aからより効率的に光を取り出し得る。特に、ここでは、光反射部材140は、導光板110Aの下面110bに加えて第2の接合部材190をも覆っている。第2の接合部材190を光反射部材140で覆うことにより、第2の接合部材190からの導光板110Aの下面110b側への光の漏れを抑制して光の取出し効率を向上させ得る。
図2および図3に例示する構成において、光反射部材140は、層状の基部140nと、導光板110Aの下面110b側から上面110a側に向かって立ち上がる壁部140wとを含む。導光板110Aの周縁部に壁部140wを配置することにより、導光板110Aの周縁部における輝度が中心部と比較して相対的に低くなることを回避し得る。
図2に示すように、光反射部材140の上面140aは、導光板110Aの下面110bに整合した形状を有する。ここでは、導光板110Aの下面110bは、平坦領域Rfおよび平坦領域Rfを取り囲む傾斜領域Rsを有している。平坦領域Rfは、導光板110Aの上面110aに概ね平行である。他方、導光板110Aの下面110bのうち傾斜領域Rsは、平坦領域Rfから導光板110Aの上面110aに向かって立ち上がる形状を有する。光反射部材140の上面140aには、導光板110Aの下面110bが平坦領域Rfおよび傾斜領域Rsを有することに対応して、発光素子121を取り囲む傾斜面140sが形成されている。傾斜面140sは、光反射部材140の壁部140wの上面である。
図8は、図2および図3に示す発光モジュール100Aから光反射部材140を取り出して示す。図8では、図のXY面に平行に異なる高さごとに光反射部材140を切断したときに得られる複数の端面もあわせて1つの図に示している。
図5を参照しながら説明したように、導光板110Aの下面110bのうち上面110aに概ね平行な部分と、導光板110Aの側面とは、曲面110pまたは曲面110qによって接続されている。ここでは、図8の右側最下段に二重鎖線BDで模式的に示すように、下面110bの平坦領域Rfと傾斜領域Rsとの境界は、楕円等のオーバル形の形状を有する。この例では、平坦領域Rfと傾斜領域Rsとの境界のオーバル形は、導光板110Aの長方形状の短辺に沿った方向と比較して長辺に沿った方向に長い。
導光板110Aの下面110b側に位置する光反射部材140は、導光板110Aの内部において下面110b側に向かう光を上面110a側に反射させることにより、導光板110Aの下面110b側からの光の漏れを抑制して、光の利用効率を向上させる機能を有する。ここで、導光板110Aの長方形状の4辺に沿って発光素子121を取り囲むようにしてそれぞれが平面状の4つの傾斜面を反射部材に設けると、互いに隣接する2つの傾斜面の境界に、導光板の長方形状の対角線に沿って延びる谷状の屈曲が生じることになる。導光板の下面側に位置する反射部材にこのような谷状の屈曲が形成されていると、導光板の長方形状の辺に平行な方向と比較して、長方形状の対角線に沿った方向の輝度が低くなりやすい。
これに対し、本実施形態において、光反射部材140の傾斜面140sの形状は、滑らかな椀状とされている。換言すれば、光反射部材140の上面140aは、平面視において光反射部材140の中心と長方形状の角とを結ぶ線上に谷状の屈曲を有しない。
導光板110Aの下面110bの平坦領域Rfと傾斜領域Rsとの境界をオーバル形とすることにより、光反射部材140の傾斜面140sを全体として滑らかな椀状とすることが容易になる。本実施形態のように、光反射部材140の上面140aのうち導光板の長方形状の対角線に位置する領域を曲面状とすることにより、導光板の長方形状の対角線に位置する領域に直線状の屈曲あるいは溝が形成されることを回避できる。その結果、導光板の長方形状の対角線上に暗い部分が生じることを回避することが可能になる。換言すれば、光反射部材140の上面140aのうち導光板の長方形状の対角線に位置する領域を曲面状とすることによって輝度ムラ抑制の効果が得られる。
傾斜面140sの断面視における形状は、図8に示すような曲線状であってもよいし、直線状であってもよい。傾斜面140sの断面視における形状は、これらに限定されず、段差、屈曲等を含んでいてもよい。
なお、1つの面発光光源200に含まれる複数の発光モジュール100の間、または、1つの発光モジュール100の中で、発光素子121を取り囲む壁部140wの高さを異ならせてもよい。例えば、1つの面発光光源200に含まれる複数の傾斜面140sのうち、面発光光源200の導光板210の最外周に位置する傾斜面140sの高さを、導光板210の他の部分に位置する傾斜面140sの高さよりも大きくしてもよい。
光反射部材140の材料としては、上述の第2の光反射部材170の材料と同様の材料を適用し得る。光反射部材140の材料と光反射部材170の材料とを共通とすることにより、光反射性の材料で導光板110Aの下面110bの概ね全体を覆う光反射部材を一体的に形成し得る。導光板110Aの下面110b側に光反射部材140を形成することにより、導光板110Aの補強等の効果も期待できる。
[配線層180]
図2および図3に例示する構成において、発光モジュール100Aは、光反射部材140の下面140b上に位置する配線層180をさらに有する。配線層180は、導光板110Aとは反対側に位置する、発光素子121の電極124に電気的に接続されている。図示するように、この例では、配線層180は、光反射部材170上に位置する部分も含んでいる。
配線層180は、典型的には、Cu等の金属から形成された単層膜または積層膜である。配線層180は、不図示の電源等に接続されることにより各発光素子121に所定の電流を供給する端子として機能する。
図9Aは、図1に示す面発光光源200を導光板210の上面210aとは反対の下面側から見たときの外観の一例を示す。なお、図9Aでは、わかり易さのために複数の発光モジュール100Aの間の境界を点線により示しているが、複数の発光モジュール100Aの間に明確な境界が形成されていることは本開示の実施形態において必須ではない。
図9Aに例示する構成において、配線層180は、各発光モジュール100Aの発光構造120に含まれる発光素子121を電気的に接続している。この例では、各発光素子121は、平面視において矩形状を有しており、配線層180のうち各発光素子121の正極および負極に接続する一対の部分は、発光素子121の矩形状の対角方向に延伸するように形成されている。
配線層180の配線パターンは、面発光光源200の駆動方法に応じて適宜に決定される。この例では、それぞれが、4行4列に配置された発光素子121のうちの2つの直列接続を含む8つの直列回路を並列に接続している。もちろん、複数の発光素子121の電気的接続は、この例に限定されず、例えば、面発光光源200中の複数の発光素子121を2以上のグループに分け、これらグループの単位で駆動するように回路を構成してもよい。
このように、発光モジュール100Aの下面側に配線層180を設けることにより、例えば面発光光源200中の複数の発光素子121同士を電気的に接続することが容易になる。特に、図9Aに示す例では、配線層180は、配線のうち比較的面積の大きな部分として形成された正極181および負極182を含んでいる。このような構成によれば、面発光光源200を支持する基板側に複雑な配線パターンを形成せずとも、面発光光源200側に設けられた正極181および負極182をはんだ等によって基板上のドライバ等と電気的に接続することにより、面発光光源200中の複数の発光素子121と、ドライバとの間の電気的な接続を得ることができる。
図9Bは、面発光光源を導光板の上面とは反対側から見たときの外観の他の例を模式的に示す。図9Bに示す面発光光源200Aは、上述の面発光光源200と同様に、4行4列に配列された、合計16個の発光モジュールを含んでいる。この例では、それぞれが発光素子121を含む16個の発光モジュールが4つのグループに分けられている。各グループは、2行2列に配列された4個の発光モジュールを含む。配線層180は、ここでは、面発光光源200Aに含まれる発光モジュールがこれらのグループの単位で駆動するような回路を構成する。
図9Bに示す例において、それぞれが4個の発光モジュールを含む各グループは、2行2列に配置された4個の発光素子121a〜121dを有する。この例では、配線層180は、それぞれが2個の発光素子121を含む2つの直列回路を並列に接続した配線パターンを形成している。すなわち、発光素子121aと発光素子121bとが直列に接続され、発光素子121cと発光素子121dとが直列に接続され、かつ、これらの2つの直列接続が並列に接続されている。
図9Bに示す例では、4個の発光モジュールを含むグループごとに正極181および負極182の組が配置されている。ここでは、正極181および負極182は、それぞれが2個の発光素子を含む2つの直列回路に挟まれるように形成されている。すなわち、この例では、正極181は、発光素子121aと発光素子121cとの間に位置し、負極182は、発光素子121bと発光素子121dとの間に位置している。
直列接続されている2個の発光素子121のうち、例えば発光素子121aおよび発光素子121bの直列回路の部分に着目すると、この例では、配線層180のうち発光素子121aと発光素子121bとを接続する部分は、蛇行した形状を有している。換言すれば、配線層180のうち発光素子121aと発光素子121bとを接続する部分は、2つの屈曲を含んでいる。同様に、この例では、配線層180のうち発光素子121cと発光素子121dとを接続する部分も、2つの屈曲を含んでいる。なお、ここでは、配線層180のうち発光素子121aと発光素子121bとを接続する部分の蛇行形状は、発光素子121cと発光素子121dとを接続する部分の蛇行形状と同一形状である。この例のように、配線層180のうち2以上の発光素子を直列に接続する部分が蛇行した形状を有していると、面発光光源200Aにねじれ等を生じさせる外力が加わった場合に配線層180へのクラックの発生を抑制できるので有利である。
図示するように、配線層180のうち各発光素子121の電極に接続する一対の部分は、発光素子121の矩形状の対角方向に延伸するように形成され得る。このとき、発光素子121に接続する一対の部分を構成する一方と他方とが、発光素子121の矩形状の対角方向(図9Bに示す例において紙面の右上から左下に延びる方向または紙面の左上から右下に延びる方向)に関して対称な形状を有すると有益である。配線層180のうち発光素子121の電極に接続する一対の部分を発光素子121の矩形状の対角方向に関して対称な形状とすることにより、配線層180の形成に伴って生じる応力の影響を緩和し得る。例えば、導電ペーストの付与および硬化によって配線層180を形成する場合に、配線層180の材料の硬化時に生じる応力の影響を緩和することができる。
図9Bに例示する構成において、配線層180のうち発光素子121aから正極181に向かって延びる部分は、発光素子121aからまず発光素子121aの矩形状の対角方向に延伸し、鋭角に屈曲した後に直進する形状を有している。他方、配線層180のうち発光素子121cと正極181とを接続する部分は、発光素子121cから正極181に向かって発光素子121cの矩形状の対角方向に延びている。発光素子121cと正極181とが緩やかな曲線で接合されるので、配線層180を印刷によって形成する場合、印刷を良好に行うことができ、所望の膜厚の配線層を得やすい。
配線層180は、単層構造を有していてもよいし、積層構造を有していてもよい。配線層180を2層の積層膜の形で形成する場合、配線層180の第1層が導光板210側に位置し、発光素子121の電極に接続される。配線層180の第2層は、第1層の表面に配置される。配線層180の第2層は、第1層の表面の全体を覆っていなくてもよい。平面視において、例えば、第1層の表面のうち、配線層180が発光素子121に接続される部分の近傍に位置する領域が第2層から露出されていてもよい。例えば、第2層における発光素子121側の端部は、平面視において発光素子121に重なっていてもよいし、発光素子121から離れた位置にあってもよい。
図9Bでは、それぞれが、2行2列に配列された4個の発光素子121を有する4つのグループの配列を含む面発光光源200Aを例示している。しかしながら、面発光光源における、それぞれが複数の発光モジュールを含む複数のグループの配列および各グループの構成は、図9Bに示す例に限定されない。例えば、面発光光源は、複数の発光素子121が2行2列で配列されている単一のグループから構成されてもよい。また、各グループ内の配線パターンは、図9Bに示す例に限定されない。配線層180の配線パターンとして、図9Bに示す配線パターンを90度回転したパターンを採用することもできる。このとき、正極181および負極182の位置も、図9Bに示す例から90度回転させられ得る。
図9Cは、配線層180の表面に絶縁層を形成した例を模式的に示す。図9Cに例示するように、配線層180の表面に絶縁層190を配置することにより、絶縁層190によって水分、埃等から配線層180を保護することができる。図9Cに例示する構成において、絶縁層190は、導光板210側の第1層191と、第1層191の表面に配置される第2層192とを含む2層構造を有している。絶縁層190の第1層191は、配線層180の正極181および負極182に重なる位置に開口191Aを有する。また、絶縁層190の第2層192も、配線層180の正極181および負極182に重なる位置に開口192Aを有している。第2層192は、さらに、各発光素子121と重なる位置に開口192Bを有する。換言すれば、絶縁層190の第1層191は、配線層180の正極181と重なる領域および負極182と重なる領域を除いて導光板210の下面の概ね全体を覆う。絶縁層190の第2層192は、配線層180の正極181と重なる領域および負極182と重なる領域、ならびに、各発光素子121と重なる領域を除いて第1層191上に配置される。すなわち、導光板210の下面側において、配線層180の正極181および負極182は、絶縁層190で覆われておらず絶縁層190から露出されており、各発光素子121は、絶縁層190の2層構造のうち第1層191で選択的に覆われている。
絶縁層190は、図9Cに示すように2層であってもよいが、単層であってもよい。また、絶縁層190は、無色でもよいし、有色(例えば、青色)でもよい。なお、図9Aに示す例においても、配線層180上に絶縁層190を配置してもよい。この場合もやはり絶縁層190は、2層であってもよいし、単層であってもよい。
図9Dは、図9Bに示す配線パターンを備える面発光光源の複数個を二次元的に配列した例を模式的に示す。図9Dは、図9Bに示す、それぞれが4個の発光モジュールを含む合計512のグループを縦方向に16個、横方向に32個配列した面発光光源の例を示す模式図である。図9Cに示す面発光光源500は、後述する図11に示す面発光光源300と同様に、例えば、15.6インチのスクリーンサイズに適合する。図9Dに示すように、面発光光源500は、複数の発光素子121が二次元的に配列された領域(以下、本体領域と呼ぶことがある。)と、それぞれが本体領域の矩形状の一辺から同一方向に突出する4つの突出領域とを有する。各突出領域には、複数の発光素子121に接続された配線が集約されることによって形成された中継端子510が配置される。中継端子510には、電源等が接続され、中継端子510および配線層180を介して外部電源から発光素子121に電流が供給される。
面発光光源500の本体領域と突出領域との境界部が段差を含んでいてもよい。本体領域と突出領域との境界部に段差を形成しておくことにより、面発光光源を筐体等の別部材に収容する際に面発光光源の極端な位置ずれの発生を抑制し得る。中継端子510の数は、発光素子121の数、または、面発光光源の本体領域に含まれる発光モジュールのグループ数に応じて適宜変更され得る。
図10は、面発光光源200を配線基板に接続した例を示す。本開示の発光装置は、図10に例示するように、配線基板260を有し得る。配線基板260は、面発光光源200の下面側、すなわち、導光板210の上面210aとは反対側に位置し、発光モジュール100Aの配線層180に接続される。
図10に例示する構成において、配線基板260は、絶縁基材265と、絶縁基材265上の配線層261と、被覆層263と、複数のビア264と、保護部材266とを有する。配線層261は、絶縁基材265の主面のうち、発光モジュール100Aとは反対側の主面上に位置する。被覆層263は、所定の厚さで配線層261の少なくとも一部を覆っており、配線層261を保護する機能を有する。
図10に示すように、ここでは、発光モジュール100Aと配線基板260との間に、樹脂等から形成された第3の接合部材268が介在されており、この接合部材268によって発光モジュール100Aが配線基板260に固定されている。図10に模式的に示すように、複数のビア264のそれぞれは、絶縁基材265を貫通して、上述の配線層261を発光モジュール100Aの配線層180に電気的に接続する。保護部材266は、絶縁基材265の発光モジュール100Aとは反対側の主面側において複数のビア264に対応するように設けられ、ビア264および配線層261のうちビア264の周辺に位置する部分を保護する。
配線基板260の配線層261には、配線基板260上の面発光光源200を駆動させるための例えばドライバが接続される。その結果、配線基板260の配線層261およびビア264を介して、複数の発光素子121とドライバとの間に電気的接続が形成される。本実施形態によれば、各発光素子121との接続を有する配線層180を面発光光源200側に設けることができるので、配線基板260側に複雑な配線パターンを形成することなく、ローカルディミング等に要求される接続を容易に形成することができる。配線層180は、各発光素子121の電極124の下面よりも大きな面積を有し得るので、配線基板260に対する電気的な接続の形成も比較的容易である。発光モジュール100が配線層180を有しない場合には、発光素子121の電極124に配線基板260のビア264を接続してもよい。
このように、発光モジュール100Aの下面100b側に配線層180を設けることにより、複数の発光素子121を含む面発光光源200側に配線が形成されることになり、発光素子121ごとに配線基板260との間の電気的接続を形成する必要がなくなる。換言すれば、面発光光源200あるいは発光モジュール100Aと、電源等との間の接続が容易になる。すなわち、電源等に接続された配線基板260を面発光光源200に接続することによって簡単に面発光が得られる。特に、後述するように複数の面発光光源200を組み合わせてさらに大型の面発光光源を構築し、複数の発光素子121を例えば面発光光源200の単位で駆動させることにより、この大型の面発光光源をローカルディミング動作させることができる。もちろん、発光素子121を1以上の発光モジュール100Aの単位で駆動させるような配線パターンを配線層180に適用してもかまわない。
図11は、複数の面発光光源200を二次元に配置した例を示す。複数の面発光光源200を二次元に配置することにより、より大面積の発光面が得られる。
図11に示す面発光光源300は、図1に示す面発光光源200を複数個有する。図11は、面発光光源200を8行16列に配置した例であり、面発光光源200の二次元配列を導光板210の上面210a側から見た外観を模式的に示している。ここでは、導光板210の上面210aの法線方向から見たときの各導光板210の上面210aの形状は、長方形状であり、面発光光源300の発光面としての導光板210の上面210aの集合も、全体として長方形状である。面発光光源300は、導光板210の上方に拡散シート、プリズムシート等の光学シートをさらに有していてもよい。
行方向または列方向において隣接する2つの面発光光源200の導光板210は、典型的には、互いに直接に接触する。しかしながら、隣接する2つの面発光光源200の導光板210が互いに直接に接触するようにして二次元配列が形成されることは必須ではなく、互いに隣接する2つの導光板210間に、これらを互いに光学的に結合する導光構造が介在されてもよい。このような導光構造は、例えば、導光板210の側面に透光性の接着剤を付与した後、付与した接着剤を硬化させることによって形成できる。あるいは、互いに間隔をあけて複数の面発光光源200を二次元に配置し、互いに隣接する2つの導光板210の間の領域を透光性の樹脂材料で充填後、樹脂材料を硬化させることによって導光構造を形成してもよい。導光板210間に位置する導光構造の材料としては、上述の接合部材160と同様の材料を用いることができる。導光構造の母材として、導光板210の材料と同等かそれ以上の屈折率を有する材料を用いることができると有益である。導光板210間に位置する導光構造に光拡散機能を付与してもよい。
各面発光光源200の縦方向の長さLおよび横方向の長さWが、例えばそれぞれおよそ24.3mmおよび21.5mmである場合、図11に示す面発光光源200の配列は、アスペクト比が16:10の、15.6インチのスクリーンサイズに適合している。例えば、図11に示す面発光光源300は、15.6インチのスクリーンサイズを有するラップトップパソコンのバックライトユニットに好適に用いることができる。
この例では、各面発光光源200の上面である、導光板210の上面210aの集合が発光面を構成する。そのため、面発光光源300に含まれる面発光光源200の数を変更したり、面発光光源200の配置を変更したりすることにより、スクリーンサイズの異なる複数種の液晶パネルに容易に面発光光源300を適用することができる。すなわち、面発光光源200中の導光板210等に関する光学計算をやり直したり、導光板210を形成するための金型を再製作したりする必要なく、スクリーンサイズの変更に対して柔軟に対応することが可能である。そのため、スクリーンサイズの変更に対して製造コストおよびリードタイムの増大を招来させずに済む。
図12は、図11に示す複数の面発光光源200のセットをさらに2行2列に配列した構成を示す。この場合、合計512個の面発光光源200により、アスペクト比が16:10の、31.2インチのスクリーンサイズに適合した面発光光源400を構成することができる。例えば、図12に示す面発光光源200の配列は、液晶テレビのバックライトユニット等に用いることができる。このように、本実施形態によれば、さらに大面積の発光面を得ることも比較的容易である。
複数の面発光光源200の組み合わせによって、より大面積の発光面を構成する手法によれば、スクリーンサイズに応じて光学系の設計をやり直したり、導光板の形成のための金型を再製作したりすることなく、多様なスクリーンサイズの液晶パネルに柔軟に対応することが可能になる。すなわち、スクリーンサイズに適合したバックライトユニットを低コストかつ短納期で提供し得る。また、仮に、断線等により点灯しない発光素子が存在した場合であっても、不具合が生じた発光素子を含む面発光光源を交換すれば済むという利点も得られる。
以上に説明したように、本開示の実施形態によれば、光反射層130による光の反射によって発光素子121の直上の位置での輝度の極端な上昇を抑制しながら、発光素子121からの光を導光板110Aの面内で拡散させることができる。また、第1穴部10Aのうち発光素子121に近い側の第1部分11Aの第1開口11aがオーバル形とされることにより、導光板110Aの長方形状の短辺に近い部分の輝度が相対的に高くなることを抑制し得る。その結果、薄型でありながら均一な光を提供することが可能になる。さらに、図3を参照して説明した例のように、発光素子121と導光板110Aとの間に波長変換部材150を介在させることにより、混色後の光を導光板110Aの面内で拡散させてから導光板110Aの上面110aから出射させることができる。
本開示の実施形態によれば、例えば、光反射部材140を含めた構造の厚さ、換言すれば、発光素子121の電極124の下面から導光板110Aの上面110aまでの距離を例えば5mm以下、3mm以下または1mm以下に縮小し得る。発光素子121の電極124の下面から導光板110Aの上面110aまでの距離は、0.7mm以上1.1mm以下程度であり得る。
図13は、本開示の他のある実施形態による発光モジュールの断面を模式的に示す。図13に示す発光モジュール100Bは、図1に示す発光モジュール100の他の一例である。図2を参照しながら説明した発光モジュール100Aと比較して、発光モジュール100Bは、導光板110Aに代えて導光板110Bを有する。図13に示すように、導光板110Bの上面110aには、第1穴部10Bが設けられており、これまでに説明した例と同様に、第1穴部10Bの内部に光反射層130が位置している。
図14は、図13のうち発光構造120およびその周辺を拡大して示す。図14に例示する構成において、第1穴部10Bは、第1部分11Bと、第1部分11Aと比較して上面110aのより近くに位置し、導光板110Bの上面110aに位置する第2開口12aを含む第2部分12Bとを有する。光反射層130は、第1穴部10Bのうち第1部分11Bの内部に位置する。
第1穴部10Bの第1部分11Bは、底面11bと、第1側面11cと、第2部分12Bとの境界に位置する第1開口11aとを有する。図14に示すように、ここでは、第1部分11Bは、第1側面11cと第1開口11aとの間に位置する内壁面11wをさらに有する。内壁面11wは、導光板110Bの上面110aに対して概ね垂直である。図示するように、この例では、光反射層130は、第1穴部10Bのうち第1部分11Bの底面11bから第1開口11aまでの空間を占めており、概ね円柱状の部分と、概ね逆円錐台状の部分とを結合した形状を有する。
第1部分11Bの内壁面11wは、図のZ方向に沿って例えば50μm程度の高さを有する。図14に示すように、第1部分11Bの第1側面11cと第1開口11aとの間に内壁面11wを設けることにより、光反射層130の形成時に、光反射層130の材料が第1開口11aの位置を越えて第2部分12Bの第2側面12c上に拡がることを防止し得る。換言すれば、第1部分11Bに内壁面11wを設けることにより、内壁面11wの位置で光反射層130の外縁の形状を画定することが可能になる。そのため、光反射層130の材料の一部が第2部分12Bの第2側面12c上に不規則に残ることに起因する輝度ムラの発生を回避し得る。また、光反射層130の材料の一部が第2部分12Bに進入することによる、第2部分12Bの内部に形成される例えば空気層の体積の減少を抑制することが可能である。なお、金型等を利用した成型の便宜から、内壁面11wは、第1部分11Bが導光板110Bの下面110b側から上面110aに向かって拡がるような形状を有するように、導光板110Bの上面110aの法線に対して5°程度傾斜させられ得る。
図13および図14に示す発光モジュール100Bを導光板110Bの上面110a側から見たときの外観は、図2の下段、あるいは、図4に示す、発光モジュール100Aに関する外観とほぼ同様であり得る。すなわち、第1部分11Bの第1開口11aの平面視における形状は、オーバル形である。第1部分11Bの第2開口12aの平面視における形状もオーバル形または正円であってよい。ただし、第1開口11aのオーバル形を規定する第1長軸は、導光板110Bの長方形状の短辺に平行であり、第2開口12aのオーバル形を規定する第2長軸は、第1長軸に直交する。なお、導光板110Bの上面110a側から第1部分11Bを見たときの、第1側面11cと内壁面11wとの間の境界は、オーバル形を有する。第1側面11cと内壁面11wとの間の境界のオーバル形を規定する2つの対称軸の長短の関係は、第1開口11aのオーバル形を規定する2つの対称軸の長短の関係と同じである。すなわち、第1側面11cと内壁面11wとの間の境界のオーバル形を規定する2つの対称軸のうち、長い側の対称軸は、導光板110Bの長方形状の短辺に平行とされる。
本発明者らの検討によれば、発光モジュール中の導光板の厚さを低減させると、長方形状の短辺の中央付近における輝度の増大が顕著になる。ただし、本開示の実施形態では、導光板の上面110a側に設けられる第1穴部の特に第1開口11aの平面視における形状をオーバル形としているので、導光板の厚さの低減に伴う、長方形状の短辺の中央付近における輝度の増大を抑制可能である。また、導光板の厚さの低減に伴い、発光素子121の直上の領域の輝度が増大しやすくなるが、光反射層130の母材中に分散させる光反射性のフィラーの量を増大させることにより、導光板の厚さの低減に伴う、発光素子121の直上の領域の輝度の極端な増大を回避可能である。ここで、第1部分11Bの深さ、換言すれば、図のZ方向に沿った、底面11bから第1開口11aまでの距離は、例えば、100μm以上150μm以下の範囲であり得る。第1部分11Bが内壁面11wを有することにより、第1部分11B内部に位置する光反射層130の体積を増大させて、発光素子121の直上の領域の輝度の極端な増大を回避するという効果も期待できる。
図15は、本開示のさらに他のある実施形態による発光モジュールの断面を模式的に示す。図13に示す発光モジュール100Cは、図1に示す発光モジュール100のさらに他の一例であり、導光板110Aと、導光板110Aの第2穴部20の内部に配置された発光構造123とを有する。発光構造123は、接合部材190によって導光板110Aの第2穴部20の底部に固定される。
発光構造123は、発光素子121および波長変換部材153を含む。図15に模式的に示すように、波長変換部材153は、発光素子121の上面120aだけでなく、素子本体122の側面をも覆っている。このように、波長変換部材の形状は、板状に限定されず、発光素子121の上面120aに加えて側面を覆うような形状であってもよい。このような構成によれば、発光素子120の側面から出射されて波長変換を受けた光を効率良く導光板110A内に入射させ得る。
この例では、光反射部材140は、波長変換部材153および発光素子121のうち、導光板110Aの上面110aとは反側に位置する部分をも覆っている。ただし、発光素子121の電極124の下面は、発光モジュール100Cの下面100b側において光反射部材140の下面140bから露出される。発光素子121の電極124の下面を除いて発光構造123の下面を光反射部材140で覆うことにより、発光モジュール100Cの下面100b側への光の漏れを抑制して光の取出し効率の低下を回避し得る。なお、導光板110Aに代えて導光板110Bを適用可能なことは、言うまでもない。
図16は、本開示のさらに他のある実施形態による発光モジュールの断面を模式的に示す。図16に示す発光モジュール100Dも、上述の面発光光源200を構成する発光モジュール100の一例である。
図16に示す発光モジュール100Dは、導光板110Aと、発光素子121をその一部に含む発光構造125と、波長変換シート350とを有する。図16に例示する構成において、波長変換シート350は、導光板110Aの上面110a上に位置する。波長変換シート350は、導光板110Aの上面110aに接していてもよいし、導光板110Aの上面110aから間隔をあけて導光板110Aの上0方に配置されてもよい。導光板110Aの上方に拡散シート、プリズムシート等の光学シートがさらに配置される場合、輝度ムラ低減の観点からは、拡散シート、波長変換シート350、プリズムシートが上面110aに近い側からこの順に導光板110Aの上方に配置されると有利である。すなわち、導光板110Aの上面100aと波長変換シート350との間に拡散シートが位置し、かつ、拡散シートとプリズムシートとの間に波長変換シート350が位置すると有益である。
波長変換シート350は、典型的には、蛍光体の粒子が分散された樹脂シートである。このような波長変換シート350を用いることにより、導光板110Aの上方に蛍光体を均一に配置することができる。導光板110Aに代えて、導光板110Bを適用してもよい。この場合にも、同様の効果が得られる。波長変換シート350の材料としては、波長変換部材150、153を形成するための材料と同様の材料を用い得る。
上述の発光構造120と比較して、発光構造125は、波長変換部材150に代えて板状の透光性部材320を有する。すなわち、発光構造125は、発光素子121、透光性部材320、接合部材160および光反射部材170を含む。
透光性部材320は、透光性の材料から形成される。透光性部材320の材料としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。透光性部材320の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、透光性部材320に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、透光性部材320の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。
図17は、本開示のさらに他のある実施形態による発光モジュールを上面側から見た外観を模式的に示す。発光モジュール100Eも、面発光光源200を構成する発光モジュール100に適用可能である。発光モジュール100Eは、図3を参照しながら説明した発光モジュール100Aと比較して、導光板110Aに代えて導光板110Eを有する。
図17に模式的に示すように、発光モジュール100Eの導光板110Eの上面110aは、ドット状の複数の凸部116を有する。導光板110Eの上面110aは、上面110aのうち第1穴部10Aと重ならない領域に位置する第1領域111と、第1領域111の内側に位置する第2領域112とを有する。この例では、第1領域111が第2領域112を取り囲んでおり、複数の凸部116は、導光板110Eの上面110aのうち第1領域111に選択的に配置されている。
導光板110Eの上面110a側の表面のうち光拡散構造としての第1穴部と重ならない領域に例えば複数の凸部116を設けることにより、導光板110Eの下面110b側から導光板110Eの内部に導入される、発光素子121からの光を第1領域111から効率的に取り出すことが可能になる。すなわち、導光板110Eの上面110aの法線方向から見たときの第1領域111における輝度を相対的に向上させることができる。この例では、導光板110Eの上面110aのうち相対的に暗くなりやすい、導光板110Eの長方形状の4つの角部とその付近に複数の凸部116が配置されている。そのため、導光板110Eの長方形状の4つの角部とその付近における輝度を向上させることができ、その結果、輝度ムラをより抑制する効果が得られる。
図17に例示する構成において、複数の凸部116は、それぞれが平面視において円形を有し、上面110aから突出した形状を有する。複数の凸部116の円形の直径は、例えば1μm以上500μm以下の範囲である。もちろん、各凸部116の形状は、円形に限定されず、楕円形、多角形、不定形等の他の形状であってもかまわない。なお、図17では、わかり易さのために、凸部116を誇張して大きく描いている。
図のYZ断面またはZX断面における各凸部116の断面形状の典型例は、半円であるが、凸部116は、導光板110Eの上面110aから突出する形状を有していれば、導光板110Eの内部での全反射を抑制することにより、上面110aから取り出される光を増大する効果を発揮し得る。凸部116は、所望の光学特性に応じて半球形状、円錐形状、角錐形状、角錐台等の種々の形状を採り得る。あるいは、ドット状に代えてリング状の凸部を導光板110Eの上面110aに配置してもよい。また、図17に示す例では、複数の凸部116は、それぞれの中心が三角格子の格子点上に位置するように第1領域111に配置されているが、複数の凸部116の配置は、この例に限定されず、所望の光学特性に応じて任意の配置を採用し得る。例えば、正方格子の格子点上に中心が位置するように複数の凸部116が第1領域111に二次元に配置されてもよい。
この例では、複数の凸部116が導光板110Eの上面110aの第1領域111にほぼ一様な数密度で配置されている。ただし、本開示の実施形態において、複数の凸部116の数密度が一定であることは必須ではない。発光素子121から離れるに従って複数の凸部116の数密度を増大させることにより、単位面積あたりに凸部116が占める割合を発光素子121を中心として同心円状に増大させることができる。その結果、発光素子121からより遠くに位置する領域の輝度が増大され、輝度ムラを抑制する効果が得られる。ここで、複数の凸部の数密度とは、導光板の上面における単位面積あたりの凸部の個数を意味する。なお、本明細書における「同心円」には、中心を共通とする複数の正円の集合だけでなく、互いに直交する対称軸の交点が一致する複数のオーバル形(例えば楕円)の集合をも包含するように解釈される。
発光素子121から離れるに従って数密度が増大するように導光板110Eの上面110aに複数の凸部116を形成してもよい。例えば、発光素子121から離れるに従って配置ピッチが縮小するように複数の凸部116を導光板110Eの上面110aに配置してもよい。ここで、複数の凸部の配置ピッチとは、隣り合う2つの凸部の中心間の距離のうち最小のものとして定義できる。複数の凸部116の配置ピッチは、各凸部116の寸法および形状、ならびに、得ようとする光学特性等に応じて適宜選択することができる。複数の凸部116の配置ピッチは、例えば10μm以上200μm以下の範囲である。
あるいは、発光素子121から離れるに従って複数の凸部116のサイズを拡大していってもよい。このような構成によっても、発光素子121から離れるに従って複数の凸部116の数密度を増大させることができる。ドット状に代えてリング状を各凸部116の形状に採用する場合には、互いに隣接する2つのリングの間隔を発光素子121から離れるにつれて小さくしていったり、リングの幅を発光素子121から離れるにつれて大きくしていったりすることにより、発光素子121から離れるに従って複数の凸部116の数密度を増大させることが可能である。
ここでは、複数の凸部116は、導光板110Dの上面110aのうち第2領域112および第1穴部10Aが形成されている領域を除いた領域に設けられている。換言すれば、導光板110Eの第2領域112は、ここでは平坦面である。図17に二重鎖線で示すように、この例では、第2領域112は、発光素子121の位置を中心とする概ね楕円形の領域である。もちろん、第1領域111だけでなく第2領域112に複数の凸部116を形成してもよい。このとき、第1領域111と第2領域112との間で複数の凸部116の数密度を互いに異ならせてもよい。
複数の凸部116に代えて、それぞれがドット状の複数の凹部を導光板の上面110aに形成してもよい。本明細書における「ドット」とは、平面視において、円および楕円に代表されるような丸い形状を有する構造を一般的に指し、本明細書の「ドット」は、導光板の上面110aから突出する形状および上面110aに対して窪んでいる形状のいずれをも包含するように解釈され得る。あるいは、それぞれがリング状の複数の凹部(複数の溝部といってもよい)を導光板の上面110aに形成してもよい。複数の凸部116に代えて複数の凹部を導光板の上面110aに設けた場合であっても、導光板の上面110aに複数の凸部116に設けたときと同様の輝度ムラ抑制の効果が期待できる。複数の凸部および複数の凹部を導光板の上面110aに混在させてもよい。なお、凸形状は、導光板の上面110aから突出するために複数の凸部の高さだけ導光板の厚さが増大するが、導光板の製造に金型等を利用する場合、形成しやすい。
複数の凹部の数密度および配置ピッチは、それぞれ、複数の凸部に関する数密度および配置ピッチと同様に定義できる。複数の凹部の数密度は、導光板の上面における単位面積あたりの凹部の個数によって定義され、複数の凹部の配置ピッチは、隣り合う2つの凹部の中心間の距離のうち最小のものとして定義され得る。
以下、導光板の構成の異なる複数のサンプルを想定して光学計算を行い、各サンプルに関して導光板の上面側の輝度ムラを評価した。
実施例のサンプルとして、それぞれが、図13および図14に示す発光モジュール100Bと同様の構成を有する複数の発光モジュールの4行4列の配列を含む面発光光源を想定し光学計算を実行した。導光板の長方形状のアスペクト比は、16:10である。ここでは、平面視における第1穴部の第1部分の第1開口および第2部分の第2開口の形状として、いずれもオーバル形を想定している。
また、参考例として、第1穴部の第1部分の第1開口および第2部分の第2開口の形状が、中心を共通とする正円である発光モジュールの4行4列の配列を含む面発光光源を想定し、光学計算を実行した。ここで、参考例の面発光光源に含まれる各発光モジュールの導光板の下面は、実施例のサンプルと同様に平坦領域および傾斜領域を含む。ただし、平面視における平坦領域および傾斜領域の境界の形状は、楕円形ではなく矩形状として計算を行った。なお、参考例のサンプルにおける導光板の長方形状のアスペクト比は、16:9とし、参考例のサンプルにおける導光板の厚さは、実施例のサンプルにおける導光板よりも150μm大きい。
図18および図19は、実施例のサンプルの導光板上にさらにプリズムシートを配置したと想定したときの輝度プロファイルのシミュレーション結果を示す。図18は、導光板の中央付近における、導光板の短手方向に沿った輝度プロファイルであり、図19は、導光板の中央付近における、導光板の長手方向に沿った輝度プロファイルである。図20は、参考例のサンプルの導光板上にさらにプリズムシートを配置したと想定したときの輝度プロファイルのシミュレーション結果を示す。図20は、導光板の中央付近における、導光板の短手方向に沿った輝度プロファイルである。なお、プリズムシートとしては、それぞれが導光板の短手方向に平行に延びる三角柱状の複数の構造が一方の主面に形成されたシートと、それぞれが導光板の長手方向に平行に延びる三角柱状の複数の構造が一方の主面に形成されたシートとの積層体を想定して計算を実行した。
実施例のサンプルに関するプリズムシート上の輝度と、参考例のサンプルに関するプリズムシート上の輝度とを比較したところ、実施例のサンプルに関する輝度は、参考例のサンプルに対して10%の増大を示していた。プリズムシート上の輝度は、以下の方法により算出した。まず、4行4列に配列された16個の発光モジュールをそれぞれ任意の大きさのメッシュで複数の領域に区画し、区分された領域ごとに、プリズムシートを介した輝度を求め、これらの平均値をプリズムシート上の輝度とした。
また、以下の方法により、プリズムシート上の輝度の均一性を評価した。まず、4行4列に配列された16個の発光モジュールのうち中央に位置する2行2列の部分を取り出し、この取り出された部分を、任意の大きさのメッシュで複数の領域に区画する。そして、区分された各領域について輝度を計算する。領域ごとに得られた複数の輝度値から最大値および最小値を抽出し、((輝度の最小値)/(輝度の最大値))*100(「*」は乗算を表す。)の計算式によって求めた値をサンプルの「輝度均一性(%)」とした。
参考例のサンプルの輝度均一性は、90%であったことに対し、実施例のサンプルの輝度均一性は、92%であった。すなわち、通常は導光板が薄くなるほど輝度に関する均一性を得ることが難しくなる傾向があるところ、実施例のサンプルでは、参考例のサンプルと比較して導光板が薄いにもかかわらず、輝度均一性に関してより高い値が得られた。このように、第1穴部の第1部分の第1開口の形状としてオーバル形を採用することにより、導光板の上面における輝度ムラをより効果的に抑制できることがわかった。