JP6855308B2 - 低背型アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は低背型アンテナ装置に関し、特に、車両用の低背型アンテナ装置に関する。
現在、車両には種々のアンテナ装置が搭載されるが、そのようなアンテナ装置として、例えばAM放送及びFM放送が受信可能なAM/FMラジオ用アンテナがある。AM/FMラジオ用アンテナとしては、一般的にロッドアンテナが使用される。ロッドアンテナは、螺線形状の導体からなるエレメント(ヘリカルエレメント)をカバーで被覆したエレメント部とエレメント部を取り付けるためのベースプレートからなる。
このロッドアンテナは、車体に取り付けた際に、エレメント部が車体から大きく突出するため、車両の美観やデザインを損ね、車庫入れや洗車時に破損するおそれがあり、また車外に露出して取り付けられるためエレメント部が盗難に遭うおそれもある。
このような問題から、アンテナ装置全体の高さをロッドアンテナより低くすると共に、エレメントをアンテナケースに収容して車外への露出から守り、アンテナ装着後の車両全体のデザインを考慮してアンテナケースをフカヒレ形状(シャークフィン形状)で構成した低背型アンテナ装置が提案されている。このような低背型のアンテナ装置は、法規制等との兼ね合いから、高さが70mm以下で、長手方向の長さが200mm前後であるものが多い。
しかしながら、このようなアンテナ装置には、70mm以下の低姿勢とすることによるアンテナの導体損失(エレメント長の短縮)の影響で放射効率が低下しやすくなり、感度劣化の原因となるという問題がある。例えば特許文献1には、感度劣化を解決することを目的に、トップロードエレメントとアンプ回路との間にコイルが挿入された低背型アンテナ装置が開示されている。特許文献1では、回路基板上に立設されるエレメントホルダ上にトップロードエレメントが配置されており、このエレメントホルダにコイルが配置されている。コイルの性能劣化はアンテナ利得の低下を招くため、コイルのQ値を低下させる導体がコイルの周囲に存在しないように、トップロードエレメントと回路基板の間の中程にコイルを配置するようにエレメントホルダに把持部を設けていた。
特開2012−204996号公報
しかしながら、特許文献1では、コイルをトップロードエレメントと回路基板の間の中程に配置するように、エレメントホルダに把持部が余計に必要であった。さらに、トップロードエレメントは金属体であるため、これをコイルに近接させる構造の場合、コイルの性能劣化が問題となり、更なる低背化が難しかった。さらに、コイルの性能劣化を防止しながら、アンテナ特性向上のためトップロードエレメントの増大化も望まれていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、アンテナ性能を低下させることなく低背化が可能な低背型アンテナ装置を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による低背型アンテナ装置は、車両に固定されるベースプレートと、ベースプレート上に配置される回路基板であって、ベタアースの存在するベタアースエリアとベタアースの存在しない空白エリアとを有し、ベタアースエリアに載置されるアンプ回路を有し、空白エリアに配置される給電端子を有する、回路基板と、ベースプレートに対して高さ方向に間隔を設けて配置され、給電端子に接続され、第1周波数帯用の容量アンテナとして機能するトップロードエレメントと、回路基板の空白エリアに配置されるコイルであって、トップロードエレメントと回路基板のアンプ回路との間に接続され、トップロードエレメントとコイルの直列回路により第2周波数帯用の共振アンテナとして機能するように調整される、コイルと、トップロードエレメントに設けられる退避部であって、コイルとの距離が離れるような形状を有する退避部と、を具備するものである。
ここで、退避部は、低背型アンテナ装置の頂部側から見てコイルが露出するような形状を有するものであれば良い。
また、トップロードエレメントは、短辺方向が平面の面状体と、給電端子との間の面状傾斜部を有し、退避部は、面状傾斜部に設けられるものであれば良い。
また、トップロードエレメントは、長手方向に延在する頂部と頂部から両側に延在する側面部とを有する流線形状からなり、退避部は、側面部に設けられるものであっても良い。
また、空白エリアは、ベースプレートの端部近傍に配置されるように回路基板上に配置されるものであれば良い。
また、給電端子とコイルは、空白エリアのベタアースエリアから遠い位置に配置されるものであれば良い。
また、給電端子は、ベースプレートの長手方向の中心線に対してずらして回路基板に配置され、コイルは、ベースプレートの長手方向の中心線に対して給電端子とは反対側にずらして配置されるものであれば良い。
また、トップロードエレメントは、空白エリアの上からベタアースエリアの上を跨ぐように配置されるものであれば良い。
また、回路基板のベタアースエリアは、回路基板の両面にベタアースが存在し、アンプ回路のノイズ発生部品は、ベタアースエリアのベースプレート側に配置され、ベタアースエリアのベースプレート側と反対側のベタアースは、ノイズ発生部品に対するシールドとしても機能するものであれば良い。
また、回路基板のベタアースエリアは、回路基板の両面にベタアースが存在し、アンプ回路へのケーブルは、ベタアースエリアのベースプレート側に接続されるものであれば良い。
また、退避部は、さらにアンプ回路との距離が離れるような形状を有するものであっても良い。
さらに、本発明の低背型アンテナ装置は、第3周波数帯用のアンテナエレメントと、回路基板の空白エリアに配置され、第3周波数帯用のアンテナエレメントに接続される第3周波数帯用の調整パターンと、を具備するものであっても良い。
ここで、調整パターンは、回路基板の空白エリアに配置されるコイルとアンプ回路との間のパターンと離間して配置されるものであれば良い。
本発明の低背型アンテナ装置には、アンテナ性能を低下させることなく低背化が可能であるという利点がある。
図1は、本発明の低背型アンテナ装置を説明するための一部断面概略図である。 図2は、本発明の低背型アンテナ装置に用いられる回路基板を説明するための概略図である。 図3は、本発明の低背型アンテナ装置のFM周波数帯における利得特性である。 図4は、本発明の低背型アンテナ装置のベタアースエリアによるノイズ対策の有無によるFM周波数帯における利得特性である。 図5は、本発明の低背型アンテナ装置の退避部の他の例を説明するための一部断面概略図である。 図6は、本発明の低背型アンテナ装置の他の例を説明するための一部断面概略図である。 図7は、本発明の低背型アンテナ装置のさらに他の例を説明するための一部断面概略図である。
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の低背型アンテナ装置を説明するための一部断面概略図であり、図1(a)が側面図であり、図1(b)が正面図であり、図1(c)が平面図である。図示の通り、本発明の低背型アンテナ装置は、ベースプレート10と、回路基板20と、トップロードエレメント30と、コイル40と、退避部50とから主に構成されている。本発明の低背型アンテナ装置は、少なくとも第1周波数帯及び第2周波数帯の2つの周波数帯に対応したものであれば良い。具体的には、例えばFM周波数帯とAM周波数帯の両方の信号を受信可能な複合アンテナとして構成されれば良い。
ベースプレート10は、車両に固定されるものである。ベースプレート10は、具体的には、例えば樹脂等の絶縁体で形成される所謂樹脂ベースであっても良いし、金属等の導電体で形成される所謂金属ベースであっても良い。また、ベースプレート10は、樹脂と金属のコンポジットベースであっても良い。ベースプレート10には、例えばねじボス11が設けられている。車両のルーフ等に設けられた孔にねじボス11が挿入され、車両室内からナットを用いてルーフ等を挟み込むようにしてベースプレート10が固定される。ねじボス11には、車両内部とアンテナ装置とを接続する電源ケーブルや信号ケーブル等のケーブル26が挿通される。また、ベースプレート10は、アンテナカバー1により覆われるように構成されている。アンテナカバー1は、エレメントや回路等を収容する内部空間を有するものであり、低背型アンテナ装置の外形を画定するものである。
回路基板20は、ベースプレート10上に配置されるものである。図2に、本発明の低背型アンテナ装置に用いられる回路基板を示す。図2は、本発明の低背型アンテナ装置に用いられる回路基板を説明するための概略図であり、図2(a)がその上面図であり図2(b)がその底面図であり、図2(c)がその側面拡大図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を示している。図示の通り、回路基板20は、アンプ回路21が載置されるものである。アンプ回路21は、受信信号を増幅するのに用いられる。例えば、本発明の低背型アンテナ装置が、FM周波数帯とAM周波数帯の両方の信号を受信可能な複合アンテナとして構成された場合、アンプ回路21も、複数の周波数帯、即ち、FM周波数帯及びAM周波数帯に応じて設けられる複数の周波数帯別アンプ回路とすれば良い。なお、アンプ回路21には、電源回路等が含まれても良い。
図示例の回路基板20は、その両面にベタアースが存在する例を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、片面にのみベタアースを設けても良い。ここで、ベタアースエリア22は、所謂ベタアースが存在するエリアであり、基板に銅箔等の金属薄膜が面状に存在し回路基板のグラウンドとなるものである。また、空白エリア23は、ベタアースが存在しないエリアである。即ち、金属薄膜がエッチング除去されているエリアである。なお、図2(c)に示される例では、回路基板20がベースプレート10の先端近傍に設けられた係止部12により係止されているものを示した。
アンプ回路21は、ベタアースエリア22に載置されている。より具体的には、アンプ回路21に用いられるトランジスタや抵抗等の電子部品は、回路基板20の表面側及び裏面側のベタアースエリア22に適宜載置されている。ベタアースエリア22には、適宜回路パターンがエッチング形成されており、所定の電子部品を用いてアンプ回路21が形成されている。なお、本明細書では、ベースプレート10側を裏面側と称し、それに対向する面を表面側と称する。
また、給電端子24が、空白エリア23に配置されている。給電端子24は、アンテナエレメントを回路基板20のアンプ回路21に接続する際の端子となるものである。図示例の給電端子24は、挟み込み端子構造を有する雌端子を示した。また、空白エリア23は、ベースプレート10の端部近傍に配置されるように回路基板20上に配置されている例を示した。
トップロードエレメント30は、第1周波数帯用の容量アンテナとして機能するものである。即ち、所謂容量装荷アンテナエレメントである。具体的には、AM周波数帯では、トップロードエレメント30は容量アンテナとして機能する。トップロードエレメント30は、ベースプレート10に対して高さ方向に間隔を設けて配置されるものである。図1に示される例では、トップロードエレメント30は、短辺方向が平面の面状体31と、給電端子24との間の面状傾斜部32とを有する例を示した。また、面状体31は、ベースプレート10に対して平行に延在するように示されている。しかしながら、本発明は特に図示例の形状には限定されず、容量装荷アンテナエレメントとして機能するものであれば如何なる形状であっても良い。トップロードエレメント30は、給電端子24に接続される。図示例では、トップロードエレメント30は、帯状接続線37を用いて給電端子24に接続されている例を示した。即ち、帯状接続線37を雄端子として、雌端子の給電端子24に挟み込むことで接続されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、導線等で給電端子24にトップロードエレメント30が接続されても良い。なお、トップロードエレメント30は、基台やアンテナカバー等を用いて適宜固定されれば良い。
ここで、トップロードエレメント30は、回路基板20の空白エリア23の上からベタアースエリア22の上を跨ぐように配置されている。即ち、回路基板20は、空白エリア23側がベースプレート10の先端近傍側に位置するようにベースプレート10上に配置されている。なお、本明細書中では、ベースプレート10の回路基板20が配置される側を前側と称する。空白エリア23のベタアースエリア22から遠い位置に給電端子24が配置されるため、給電端子24が前側先端近傍に配置されることになる。これにより、トップロードエレメント30をアンテナカバー1の先端側の低くなる部分まで延在させることが可能となる。したがって、アンテナカバー1の先端側の低くなる部分を有効に活用することが可能となる。
コイル40は、トップロードエレメント30と回路基板20のアンプ回路21との間に接続されている。図示例では、具体的にはアンプ回路21と給電端子24の間に接続されている。コイル40は、トップロードエレメント30とコイル40の直列回路により第2周波数帯用の共振アンテナとして機能するように調整されている。例えば、FM周波数帯で共振アンテナとして機能するようにインダクタが選択される。アンプ回路21に接続されない状態(パッシブアンテナ)でトップロードエレメント30とコイル40の直列回路が所望のターゲット周波数になるように調整されれば良い。また、コイル40は、回路基板20の空白エリア23に配置される。図示例では、空白エリア23の表面側に配置されている。即ち、コイル40は回路基板20上に配置されるが、この際、回路基板20の金属薄膜が存在しない空白エリア23に配置される。これにより、コイル40のQ値を低下させる導体がコイル40の周囲に存在しないように構成し、コイル40の性能劣化を防止している。さらに、本発明の低背型アンテナ装置では、給電端子24とコイル40は、空白エリア23のベタアースエリア22から遠い位置に配置されるように構成されれば良い。これにより、コイル40に対するベタアースエリア22の影響をより低減可能となる。
また、コイル40は、導線を螺旋状に巻回したものをはんだ付けにより回路基板上に設置されれば良いが、例えばチップマウンタで回路基板20上に面実装可能なものであっても良い。さらに、コイル40は図示例では1つのコイルとして示したが、本発明はこれに限定されず、複数のコイルを直列又は並列に接続したコイル群からなるものであっても良い。さらにまた、コイル40は、回路基板20上にパターンニング形成されても良い。即ち、回路基板20上に例えばメアンダ状の配線パターンをエッチング形成したり、回路基板20の表裏面を用いて螺旋状の配線パターンをエッチング形成したりすることで提供されても良い。また、図示例では、コイル40の巻軸がベースプレート10に対して平行となるものを示したが、本発明はこれに限定されず、コイルの巻軸がベースプレート10に対して垂直方向となるように配置されるものであっても良い。
そして、本発明の低背型アンテナ装置は、退避部50を有している。退避部50は、トップロードエレメント30に設けられている。退避部50は、コイル40との距離が離れるような形状を有している。即ち、トップロードエレメント30とコイル40とを離間させるために退避部50が設けられている。トップロードエレメント30も導体であるため、コイル40のQ値を低下させる原因となり得るため、退避部50を設けることでトップロードエレメント30の影響を低減している。図1に示される例では、退避部50は、低背型アンテナ装置の頂部側から見てコイル40が露出するような形状を有すように構成されている。具体的には、図示例の退避部50は、面状傾斜部32に設けられている。図示例では、給電端子24は、ベースプレート10の長手方向の中心線に対してずらして回路基板20に配置されている。即ち、給電端子24は、前側から見て左にずらして配置されている。また、コイル40は、ベースプレート10の長手方向の中心線に対して給電端子24とは反対側にずらして配置されている。即ち、コイル40は、前側から見て右にずらして配置されている。これにより、面状傾斜部32が、ベースプレート10の長手方向の中心線に対してずれるように構成されることになる。したがって、コイル40に近い側のトップロードエレメント30の面状傾斜部32を給電端子24側にずらすことができ、結果としてコイル40に近い側のトップロードエレメント30に退避部50が設けられることになる。即ち、図1に示される例では、退避部50は、トップロードエレメント30の形状を長手方向中心線から左側にずらした非対称とすることで設けられている。
本発明の低背型アンテナ装置では、このように構成されることで、アンテナ性能を低下させることなく低背化が可能となる。図3は、本発明の低背型アンテナ装置のFM周波数帯における利得特性であり、図3(a)が低背型アンテナ装置の高さを変えた場合の比較特性であり、図3(b)が退避部の有無による比較特性である。図3(a)において、実線が低背型アンテナ装置の高さが45mmの場合の利得特性であり、点線が低背型アンテナ装置の高さが70mmの場合の利得特性である。なお、高さが70mmの例は、トップロードエレメントが、長手方向に延在する頂部と頂部から両側に延在する側面部とを有する流線形状のもので、退避部を有さない従来技術のものを用いた。図示の通り、本発明の低背型アンテナ装置では、高さを45mmまで低くしたとしても、従来技術のものと略同等の利得特性が得られることが分かる。
また、図3(b)において、実線が退避部を設けた場合の利得特性であり、点線が退避部を設けない場合の利得特性である。図示の通り、本発明の低背型アンテナ装置では、退避部を設けることで、利得特性が高くなることが分かる。具体的には、FM周波数帯において、0.26dB向上している。
ここで、図2を再度参照すると、本発明の低背型アンテナ装置の回路基板20のベタアースエリア22は、回路基板20の表裏両面にベタアースが存在している。そして、アンプ回路21のノイズ発生部品25が、ベタアースエリアのベースプレート10側に配置されている。具体的には、トランジスタやチューナIC等のノイズ発生部品25が、回路基板20のベタアースエリア22のベースプレート10側に配置されている。このように構成されると、ベタアースエリア22のベースプレート側と反対側のベタアースが、ノイズ発生部品に対するシールドとしても機能することになる。これにより、ノイズ対策が行えるため、さらにアンテナ特性の低下を軽減可能となる。なお、本発明の低背型アンテナ装置では、すべてのノイズ発生部品25がベースプレート10側に配置される必要は必ずしもなく、適宜必要によりベースプレート10側に配置することでノイズ対策を行えば良い。
また、図2に示される通り、アンプ回路21への電源ケーブルや信号ケーブル等のケーブル26は、ベタアースエリア22のベースプレート10側に接続されれば良い。このように構成されると、ベタアースエリア22のベースプレート側と反対側のベタアースが、ケーブル26のシールドとしても機能することになる。これにより、入力される供給電源に乗っているノイズ対策も行えるため、さらにアンテナ特性の低下を軽減可能となる。
図4に、本発明の低背型アンテナ装置のベタアースエリアによるノイズ対策の有無によるFM周波数帯における利得特性を示す。図中、実線がベタアースエリアによるノイズ対策を施した場合の利得特性であり、点線が施さない場合の利得特性である。図示の通り、本発明の低背型アンテナ装置では、上述のようなノイズ対策を施すことで、利得特性が高くなることが分かる。具体的には、FM周波数帯において、1.1dB向上している。
さらに、図2に示される通り、本発明の低背型アンテナ装置は、さらに第3周波数帯を受信可能に構成しても良い。具体的には、例えば第1周波数帯や第2周波数帯よりも高周波数帯のDTV用の周波数帯の信号を受信するために、第3周波数帯用の調整パターン60が、回路基板20の空白エリア23に配置されている。図示例の調整パターン60は、メアンダ状のものを示したが、本発明はこれに限定されず、チップコイル等であっても良い。調整パターン60により、トップロードエレメントが第3周波数帯用の共振アンテナとして機能するように調整されている。この際、調整パターン60は、回路基板20の空白エリア23に配置されるコイル40とアンプ回路21との間の配線パターン27とは、離間して配置されれば良い。これにより、第2周波数帯用の配線パターン27と調整パターン60とのアイソレーションを取ることが可能となり、周波数帯が近接する場合であっても各信号を十分に分離させることが可能となる。
なお、本発明の低背型アンテナ装置では、図2(c)に示されるように、さらに第4周波数帯用のアンテナエレメント70を設けても良い。例えば、第4周波数帯としては、より高周波数帯のV2XやTEL用の周波数帯である。この場合にも、第4周波数帯用のアンテナエレメント70を、配線パターン27や調整パターン60から離間して配置することで、アイソレーションを取ることが可能となる。
ここで、図1の例では、給電端子24がベースプレート10の長手方向の中心線に対してずらして回路基板20上に配置される例を示したが、本発明はこれに限定されない。図5は、本発明の低背型アンテナ装置の退避部の他の例を説明するための一部断面概略図であり、図5(a)が側面図であり、図5(b)が平面図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を示している。図5に示される例では、給電端子24が、ベースプレート10の長手方向の中心線上に配置されている。そして、退避部50が、トップロードエレメント30が切り欠かれることで設けられている。より具体的には、低背型アンテナ装置の頂部側から見てコイル40が露出するように、トップロードエレメント30が切り欠かれることで、退避部50が設けられている。また、図1に示されるトップロードエレメント30は、その面状体31がベースプレート10に対して平行に延在する面となるものを示した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。図5に示される例では、トップロードエレメント30は、短辺方向が平面の面状体31がアンテナカバー1の上面に沿うような形状を有している。そして、面状傾斜部32と面状体31の繋ぎ目が明確ではなく、連続的なものとなっている。このような例であっても、コイル40に近い部分の面状傾斜部32に退避部50を設けることで、アンテナ特性の向上が可能である。
なお、図5に示される例では、給電端子24がベースプレート10の長手方向の中心線上に配置され、コイル40が前側から見て右にずらして配置されているものを示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、前側から見て左側にさらにコイルを追加し、追加したコイル側にも退避部50を設けても良い。即ち、退避部50がベースプレート10の長手方向の中心線に対して対称に配置されても良い。
また、図1に示されるコイル40は、その巻軸がベースプレート10に対して平行でありベースプレート10の長手方向に対して垂直方向となる方向に配置される例を示したが、図5に示されるコイル40は、ベースプレート10の長手方向に対して平行となる方向に配置される例を示した。このため、退避部50は、コイル40の配置方向に合わせて、ベースプレート10の長手方向に長く切り欠かれている。さらに、図示例では、アンプ回路21との距離が離れるような形状を有するように退避部50が設けられている。即ち、トップロードエレメント30が、アンプ回路21に結合することによるアンテナ性能の劣化を防止している。これにより、さらにアンテナ特性を向上可能となる。
次に、図6を用いて本発明の低背型アンテナ装置の他の例について説明する。図6は、本発明の低背型アンテナ装置の他の例を説明するための一部断面概略図であり、図6(a)が側面図であり、図6(b)が正面図であり、図6(c)が平面図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を示している。図示例では、トップロードエレメント30が、長手方向に延在する頂部35と頂部35から両側に延在する側面部36とを有する流線形状からなるものを示した。図1の例では、給電端子24がベースプレート10の長手方向の中心線に対してずらして回路基板20上に配置される例を示したが、図6では、給電端子24は、ベースプレート10の長手方向の中心線上に配置される例を示した。そして、退避部50が、トップロードエレメント30の側面部36に設けられる例を示した。より具体的には、低背型アンテナ装置の頂部35側から見てコイル40が露出するように、トップロードエレメント30の側面部36が切り欠かれることで、退避部50が設けられている。なお、図示例では、側面部36だけでなく帯状接続線37も切り欠かれることで、退避部50が設けられる例を示した。また、図示例では、コイル40の巻軸がベースプレート10に対して垂直方向となるように配置されるものを示した。退避部50を設けることで、コイル40の巻軸がベースプレート10に対して垂直方向となるように配置されたとしても、トップロードエレメント30の影響を低減することが可能となる。
このように、本発明の低背型アンテナ装置は、トップロードエレメント30の形状が如何なるものであっても、コイルとの距離が離れるような形状を有する退避部を設けることで、アンテナ性能の低下を抑制可能である。
なお、図6に示されるような流線形状のトップロードエレメント30であっても、図1に示されるように、給電端子24がベースプレート10の長手方向の中心線に対してずらして配置され、トップロードエレメント30の形状を長手方向中心線からずらした非対称とすることで退避部50が設けられても良い。
これまでの説明では、本発明の低背型アンテナ装置は車両のルーフ上に設置されるシャークフィン形状等のものを中心に説明したが、本発明の低背型アンテナ装置はこれに限定されない。図7に本発明の低背型アンテナ装置のさらに他の例を示す。図7は、本発明の低背型アンテナ装置のさらに他の例を説明するための一部断面概略図であり、図7(a)が側面図であり、図7(b)が平面図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を示している。図示例では、主要構成要素のベースプレート10と、回路基板20と、トップロードエレメント30と、コイル40と、退避部50とが、ボックスカバー2に収容されている。ボックスカバー2は、例えば樹脂製のものであり、所望の受信周波数信号を透過可能なものであれば良い。また、ベースプレート10は、ボックスカバー2の底面の開口を閉じる蓋の役割を有している。なお、ベースプレート10を回路基板20で代用し、回路基板20によりボックスカバー2の底面の開口を閉じるようにしても良い。また、トップロードエレメント30は、面状体31からなるものであり、帯状接続線37で接続される例を示した。図示例の回路基板20は、ボックスカバー2の底面全体を概ね覆う程度の大きさを有している。また、コイル40が設けられる回路基板20の空白エリア23は上述の図示例と同様であるが、回路基板20のベタアースエリア22は、トップロードエレメント30の開放端(給電端子24とは遠い側)の下まで延在するように設けられている。これにより、例えば図示例の低背型アンテナ装置を、金属ボディによるグラウンドを確保できないスポイラやピラー、ダッシュボード等に内蔵することも可能となる。他の構造についてはこれまで説明したものと同様のため、詳説は省略する。図示例のような低背型アンテナ装置であっても、トップロードエレメント30に退避部50を設けることで、アンテナ特性の向上が可能である。
なお、本発明の低背型アンテナ装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 アンテナカバー
2 ボックスカバー
10 ベースプレート
11 ボス
12 係止部
20 回路基板
21 アンプ回路
22 ベタアースエリア
23 空白エリア
24 給電端子
25 ノイズ発生部品
26 ケーブル
27 配線パターン
30 トップロードエレメント
31 面状体
32 面状傾斜部
35 頂部
36 側面部
37 帯状接続線
40 コイル
50 退避部
60 調整パターン
70 第4周波数帯用アンテナエレメント

Claims (13)

  1. 車両用の低背型アンテナ装置であって、該低背型アンテナ装置は、
    車両に固定されるベースプレートと、
    前記ベースプレート上に配置される回路基板であって、ベタアースの存在するベタアースエリアとベタアースの存在しない空白エリアとを有し、ベタアースエリアに形成される回路パターン上に載置されるアンプ回路を有し、空白エリアに配置される給電端子を有する、回路基板と、
    前記ベースプレートに対して高さ方向に間隔を設けて配置され、給電端子に接続され、第1周波数帯用の容量アンテナとして機能するトップロードエレメントと、
    前記回路基板の空白エリアに配置されるコイルであって、トップロードエレメントと回路基板のアンプ回路との間に接続され、トップロードエレメントとコイルの直列回路により第2周波数帯用の共振アンテナとして機能するように調整される、コイルと、
    前記トップロードエレメントをコイルとの距離が離れるように、ベースプレートの長手方向の中心線に対してずらすように構成することで、又はトップロードエレメントを切り欠くことで、空間として設けられ退避部と、
    を具備すること特徴とする低背型アンテナ装置。
  2. 請求項1に記載の低背型アンテナ装置において、前記退避部は、低背型アンテナ装置の頂部側から見てコイルが露出するような形状を有することを特徴とする低背型アンテナ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の低背型アンテナ装置において、前記トップロードエレメントは、短辺方向が平面の面状体と、給電端子との間の面状傾斜部を有し、
    前記退避部は、面状傾斜部に設けられることを特徴とする低背型アンテナ装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の低背型アンテナ装置において、前記トップロードエレメントは、長手方向に延在する頂部と頂部から両側に延在する側面部とを有する流線形状からなり、
    前記退避部は、側面部に設けられることを特徴とする低背型アンテナ装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の低背型アンテナ装置において、前記空白エリアは、ベースプレートの端部近傍に配置されるように回路基板上に配置されることを特徴とする低背型アンテナ装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の低背型アンテナ装置において、前記給電端子とコイルは、空白エリアのベタアースエリアから遠い位置に配置されることを特徴とする低背型アンテナ装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の低背型アンテナ装置において、前記給電端子は、ベースプレートの長手方向の中心線に対してずらして回路基板に配置され、
    前記コイルは、ベースプレートの長手方向の中心線に対して給電端子とは反対側にずらして配置される、
    ことを特徴とする低背型アンテナ装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の低背型アンテナ装置において、前記トップロードエレメントは、空白エリアの上からベタアースエリアの上を跨ぐように配置されることを特徴とする低背型アンテナ装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れかに記載の低背型アンテナ装置において、前記回路基板のベタアースエリアは、回路基板の両面にベタアースが存在し、
    アンプ回路のノイズ発生部品は、ベタアースエリアに形成される回路パターン上のベースプレート側に配置され、
    ベタアースエリアのベースプレート側と反対側のベタアースは、ノイズ発生部品に対するシールドとしても機能する、
    ことを特徴とする低背型アンテナ装置。
  10. 請求項1乃至請求項9の何れかに記載の低背型アンテナ装置において、前記回路基板のベタアースエリアは、回路基板の両面にベタアースが存在し、
    アンプ回路へのケーブルは、ベタアースエリアに形成される回路パターン上のベースプレート側に接続されることを特徴とする低背型アンテナ装置。
  11. 請求項1乃至請求項10の何れかに記載の低背型アンテナ装置において、前記退避部は、さらにアンプ回路との距離が離れるように、空間として設けられることを特徴とする低背型アンテナ装置。
  12. 請求項1乃至請求項11の何れかに記載の低背型アンテナ装置であって、さらに、第3周波数帯用のアンテナエレメントと、
    前記回路基板の空白エリアに配置され、第3周波数帯用のアンテナエレメントに接続される第3周波数帯用の調整パターンと、
    を具備することを特徴とする低背型アンテナ装置。
  13. 請求項12に記載の低背型アンテナ装置において、前記調整パターンは、回路基板の空白エリアに配置されるコイルとアンプ回路との間のパターンと離間して配置されることを特徴とする低背型アンテナ装置。
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