JP2014093609A - アンテナ装置 - Google Patents

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Hiroyuki Kobayashi
洋幸 小林
Hiroki Hamada
浩樹 濱田
Yujiro Nakayama
裕次郎 中山
Kodai Kukita
広大 久木田
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Abstract

【課題】アンテナ装置のサイズを小型化すること。
【解決手段】本発明のアンテナ装置は、長尺形状を有する誘電体基板11と、誘電体基板11の表面に形成され、送受信する電波の波長に対応する周長を有する環状の導電体(ループ状素子12,14)と、環状の導電体(ループ状素子12,14)の一部の幅を他の部分よりも環の内側に拡張することで形成される縮退分離素子15と、縮退分離素子15上に配置された電気回路(回路パターン20)とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ装置に関するものである。
特許文献1には、図21に示すように、ループ状素子112Aと、このループ状素子112Aとは独立して設置された無給電素子112Bとを同一の誘電体基板111上に構成してアンテナ素子112を構成し、このアンテナ素子112に円偏波を送信または受信させるようにしたループアンテナ110に、誘電体基板111に対して平行または極僅かな傾きを持つ金属板(不図示)を設け、この金属板を誘電体基板111から所定距離だけ離間させて設けたループアンテナ110に関する技術が開示されている。このようなループアンテナによれば、円偏波アンテナを受信するパッチアンテナと同等の受信性能を備え、構成が簡単でコストも低く抑えることができる。このようなループアンテナは、自動車に搭載されるGPSアンテナ等として用いられており、一般的にはガラス窓に貼付される形態で使用されている。
特開2006−311497号公報
ところで、特許文献1に開示された技術では、円偏波特性を得るためにループ状素子112Aは略正方形とすることが必要であり、ガラス窓枠周囲に配置した場合であっても、アンテナエレメントが運転者の視野領域に及ぶことがあった。また、無給電素子112Bをループ状素子112Aの外側に配置する必要がある。このため、ループ状素子112Aと無給電素子112Bの併せたサイズが必要となることから、アンテナのサイズを小型化することが困難との問題点がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、アンテナ形状を長尺形状としつつも円偏波特性を得ることができ、かつ、サイズを小型化することが可能なアンテナ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、長尺形状を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の表面に形成され、送受信する電波の波長に対応する周長を有する環状の導電体と、前記環状の導電体の一部の幅を他の部分よりも環の内側に拡張することで形成される縮退分離素子と、前記縮退分離素子上に配置された電気回路とを有することを特徴とする。
このような構成によれば、アンテナ形状を長尺形状としつつも、円偏波特性を得ることができる。
また、本発明の一側面は、前記電気回路に接続されるケーブルを有し、前記環状の導電体の長辺方向に沿って前記ケーブルが配置されることを特徴とする。
このような構成によれば、アンテナ形状を長尺形状としつつも、円偏波特性を得ることができ、アンテナの特性を一定に保つことができる。
また、本発明の一側面は、前記縮退分離素子の一部より、前記環状の導電体の内側に向かって伸出し、前記導電体から所定の距離を隔てて、所定の距離を沿うように配置される給電素子を有することを特徴とする。
このような構成によれば、アンテナのインピーダンスを適宜調整することが可能となるとともに、縮退分離素子を環状の導電体内に配置することでサイズを小型化することができる。
また、本発明の一側面は、前記環状の前記導電体の一部に虚数インピーダンスを有する素子を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、環状導体を長尺形状とした場合でも特性が劣化することを防止することができる。
また、本発明の一側面は、前記虚数インピーダンスを有する素子がチップインダクタまたは螺旋形状もしくはミアンダ形状を有する導体パターンによるインダクタによって構成されることを特徴とする。
このような構成によれば、インダクタンス成分によって、特性が劣化することを防止することができる。
また、本発明の一側面は、前記虚数インピーダンスを有する素子がチップキャパシタまたはスタブ形状、平行線路形状、櫛歯形状、もしくは、平行平板形状を有する導体パターンによるキャパシタによって構成されることを特徴とする。
このような構成によれば、キャパシタンス成分によって、特性が劣化することを防止することができる。
また、本発明の一側面は、前記虚数インピーダンスを有する素子は、前記環状の前記導電体の短辺に配置されていることを特徴とする。
このような構成によれば、短辺側のインピーダンスを調整することで、特性が劣化することを確実に防止することができる。
また、本発明の一側面は、前記アンテナ装置は、ガラスの表面に貼り付け可能とされ、前記誘電体基板と前記ガラスの貼り付け面との間に前記ガラスよりも低誘電率の層を有することを特徴とする。
このような構成によれば、誘電体であるガラスの影響を受けにくくすることができる。
また、本発明の一側面は、前記誘電体基板と前記ガラスの貼り付け面との間に空隙層を有することを特徴とする。
このような構成によれば、空隙層によって、誘電体であるガラスの影響を受けにくくすることができる。
また、本発明の一側面は、前記電気回路に接続されるケーブルを有し、前記ケーブルは前記誘電体基板の前記ガラス面側に配置されることを特徴とする。
このような構成によれば、ケーブルの太さによって、アンテナ装置の厚さが増加することを防止することができる。
また、本発明の一側面は、前記環状の導電体および前記縮退分離素子を有する第1アンテナの他に、陽極と陰極とを有するダイポール状の第2アンテナを有し、第1アンテナが有する前記環状の導電体を前記第2アンテナの前記陰極として使用することを特徴とする。
このような構成によれば、2種類のアンテナを効率よく配置し、サイズを小型化することができる。
また、本発明の一側面は、前記第2アンテナの前記陽極は、前記環状の導電体の長辺と平行または略平行に延伸されていることを特徴とする。
このような構成によれば、長辺を同じくすることで、2種類のアンテナを狭い領域に効率よく配置することができる。
また、本発明の一側面は、前記第1アンテナ、前記電気回路、および、前記第2アンテナが同一の誘電体基板上に配置されることを特徴とする。
このような構成によれば、2種類のアンテナをサイズの小さい誘電体基板に効率よく配置することができる。
また、本発明の一側面は、前記第1アンテナの給電素子の長さは、前記第2アンテナが送信または受信を行う電波の1/4波長に対応する長さとは異なるように設定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、2種類のアンテナのクロストークを低減することができる。
また、本発明の一側面は、前記第1アンテナは衛星からの電波を受信するアンテナであり、前記第2アンテナは携帯電話の電波を送受信するアンテナであることを特徴とする。
このような構成によれば、衛星からの電波を効率よく受信するとともに、携帯電話の電波を効率よく送受信することができる。
また、本発明の一側面は、前記誘電体基板は可撓性の素材によって形成されるとともに、可撓性を有する筐体に収容されていることを特徴とする。
このような構成によれば、アンテナ装置を搭載する部位の形態に追従してアンテナ装置を搭載することが可能になるとともに、衝撃が加わった場合であっても、アンテナ装置の破損を防止し、使用を可能とすることができる。
本発明によれば、アンテナ形状を長尺形状としつつも円偏波特性を得ることができ、かつ、サイズを小型化することができるアンテナ装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。 図1に示す第1実施形態の底面図と断面図である。 図1に示すコイルパターンの詳細な構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。 図4に示す第2実施形態の底面図と断面図である。 本発明の第3実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。 図6に示す第3実施形態の底面図と断面図である。 図6に示す第3実施形態を自動車に取り付けた状態を示す図である。 従来のフィルムアンテナを自動車に取り付けた状態を示す図である。 図6に示す第3実施形態を自動車に取り付けた他の状態を示す図である。 図6に示す第3実施形態のVSWR特性を示す図である。 図6に示す第3実施形態の第1のアンテナの正面RHCP利得特性を示す図である。 図6に示す第3実施形態の第1のアンテナの正面軸比特性を示す図である。 図6に示す第3実施形態の第2のアンテナの放射効率特性を示す図である。 図6に示す第3実施形態の第2のアンテナの放射効率特性を示す図である。 図6に示す第3実施形態のクロストーク特性を示す図である。 衝突時における従来のフィルムアンテナの状態を示す図である。 衝突時における図6に示す第3実施形態の状態を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。 図19に示す第4実施形態の底面図と断面図である。 従来技術の構成を示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)第1実施形態
図1,2は、本発明の第1実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。この図1,2に示す例では、アンテナ装置10は、誘電体基板11、誘電体基板11の表(おもて)面11Aに配設されたループ状素子12,14、コイルパターン13、縮退分離素子15、給電部16、給電素子17、誘電体基板の裏面11Bに配設された回路パターン20、および、シールドケース21を有している。なお、ループ状素子12,14、コイルパターン13、縮退分離素子15、給電部16、および、給電素子17によってループアンテナ18が構成される。第1実施形態に係るアンテナ装置では、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の円偏波を有する電波を受信する。
ここで、誘電体基板11は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)基板等の可撓性を有する長尺形状の誘電体基板によって構成されている。誘電体基板11の表面11Aには、外周に沿って銅箔等の導体パターンによるループ状素子12,14が配置され、縮退分離素子15等とともに環状形状を有するループアンテナ18を形成する。なお、このループアンテナ18の周の長さは、送受信しようとする電波の波長と同じか略同じ長さを有している。
ループアンテナ18の短辺の一部には、虚数インピーダンスを有する素子が配置される。この図1の例では、コイルパターン13が形成されている。図3はコイルパターン13の詳細な構成例を示す斜視図である。図3に示すように、コイルパターン13は、誘電体基板11の表面11Aに配置されているループ状素子14の「コ」字形状を有する端部と、誘電体基板11の表面11Aとは異なる層に形成された「L」字形状を有する導体パターン13Cによって構成される。ループ状素子12の端部12Aは、スルーホール(Through Hole)内に配置された導電ピン13Aによって導体パターン13Cの端部13Bと電気的に接続される。ループ状素子14の端部14Aは、スルーホール内に配置された導電ピン13Eによって導体パターン13Cの端部13Dと電気的に接続される。ループ状素子14の「コ」字形状を有する端部と、「L」字形状を有する導体パターン13Cとによってコイルパターン13が構成される。なお、この虚数インピーダンス素子は、ループ状素子14の短辺と長辺の比や、求められる円偏波特性によっては省略することが可能である。
ループアンテナ18の右上の部分には、環状形状を有する導体パターンの一部を他の部分よりも拡張することで縮退分離素子15が形成されている。縮退分離素子15の左端には切り欠き部15Aが形成され、その切り欠き部15A内には給電部16が形成されている。給電部16には、ループアンテナ18の長辺に沿うように配置される給電素子17が接続されている。
図2の下段の断面図に示すように、誘電体基板11の表面11Aにはループアンテナ18が形成され、一方、裏面11Bには回路パターン20とシールドケース21が配置され、シールドケース21からはケーブル22が伸出している。なお、このケーブル22は、図1,2に示すように、ループアンテナ18の長手方向に沿うように配置される。
ここで、シールドケース21内には、受信した電波を増幅するためのLNA(Low Noise
Amplifier)が回路パターン20上に形成されている。LNAによって増幅された信号は、ケーブル22を介して、図示しない受信装置に供給される。
第1実施形態では、環状形状を有するループ状素子12,14の内部に給電素子17を配置するようにしたので、外部に設ける場合に比較してサイズを小型化することができる。
また、第1実施形態では、導体パターンの一部を、環状形状の内側に拡張して、軸比を調整するための縮退分離素子15を形成するようにしたので、サイズを小型化することができる。
また、第1実施形態では、縮退分離素子15の裏面に電気回路であるLNAを形成するようにしたので、これ以外の部分に形成する場合に比較してサイズを小型化することができる。
また、第1実施形態では、長尺形状を有する誘電体基板11に同じく長尺形状を有するループアンテナ18を形成するようにしたので、正方形の形状の場合に比較して、アンテナ装置の幅を狭くすることができる。また、ループアンテナ18の短辺にコイルパターン13を配置するようにしたので、このコイルパターン13の素子値を調整することで偏波のバランスを調整することが可能となるため、長尺形状とした場合であっても、図1の横および縦方向の偏波を所望のバランスに設定することが可能になる。
また、第1実施形態では、ケーブル22をループアンテナ18の長手方向に沿うように配置したので、アンテナ装置の特性を安定化することができる。
(B)第2実施形態
図4,5は第2実施形態の構成例を示す図である。なお、図4,5において図1,2と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図4,5に示す第2実施形態では、図1,2に示す第1実施形態と比較すると、誘電体基板11の短辺の長さが長くなっている。また、ループアンテナ18が図1,2に示す矩形形状から略台形形状となり、コイルパターン13がチップインダクタ130に置換されている。さらに、給電素子17の形状が図1とは異なっている。なお、それ以外の構成は図1,2の場合と同様である。
図4,5に示す第2実施形態では、図4の左側ではループ状素子12は誘電体基板11の周に沿って配置され、右側ではループ状素子14は左上方向に傾斜した形状を有している。環状形状を有するループ状素子12,14の右上側には矩形形状の縮退分離素子15が設けられている。この例では、ループ状素子12,14は略台形形状を形成する。なお、縮退分離素子15の形状は矩形には限定されない。
縮退分離素子15の左上側には切り欠き部15Aが形成され、切り欠き部15A内には給電部16が配置されている。給電部16からは給電素子17が伸出し、ループアンテナ18の長辺に沿って配置されている。
ループ状素子12とループ状素子14は誘電体基板11の左側において分断されており、この分断されたループ状素子12とループ状素子14の間には、チップインダクタ130が配置されている。
第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、略台形形状を有するループ状素子12,14を有するようにしたが、第1実施形態と同様に、環状形状を有するループ状素子12,14の内部に給電素子17を配置するようにしたので、外部に設ける場合に比較してサイズを小型化することができる。
また、第2実施形態では、ループ状素子12,14の一部を、環状形状の内側に拡張して、軸比を調整するための縮退分離素子15を形成するようにしたので、サイズを小型化することができる。
また、第2実施形態では、縮退分離素子15の裏面に電気回路であるLNAを形成するようにしたので、これ以外の部分に形成する場合に比較してサイズを小型化することができる。
また、第2実施形態では、長尺形状を有する誘電体基板11に同じく長尺形状を有するループアンテナ18を形成するようにしたので、正方形の形状の場合に比較して、アンテナ装置の幅を狭くすることができる。また、ループ状素子12,14の短辺にチップインダクタ130を配置するようにしたので、このチップインダクタ130の素子値を調整することで偏波のバランスを調整が可能となるため、長尺形状とした場合であっても、図4の横および縦方向の偏波を所望のバランスに設定することが可能になる。
また、第2実施形態では、ケーブル22をループアンテナ18の長手方向に沿うように配置したので、アンテナ装置の特性を安定化することができる。
(C)第3実施形態
図6,7は本発明の第3実施形態に係るアンテナ装置の構成例を示す図である。これらの図において、図1,2と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。第3実施形態では、第1実施形態と比較すると、図6に示すように、誘電体基板11の表面11Aでは、縮退分離素子15の右側が延伸され、その端部に切り欠き部15Bが形成されている。切り欠き部15B内には給電部30が設けられ、給電部30からは陽極素子31が伸出している。また、図7に示すように、誘電体基板11の裏面11Bには、ケーブル23の内部導体23Aが給電部30に接続され、外部導体23Bが回路パターン20のグランドに接続されている。また、回路パターン20上にはシールドケース21が配置され、シールドケース21からはケーブル22が伸出している。なお、それ以外の構成は、図1の場合と同様である。
ここで、陽極素子31はダイポールアンテナ38の陽極を構成する。また、第3実施形態では、ループアンテナ18をダイポールアンテナ38の陰極として使用することでダイポールアンテナ38の小型化を図っている。このダイポールアンテナ38は、例えば、携帯電話の電波を送受信するアンテナである。ループアンテナ18と、ダイポールアンテナ38とは異なる周波数の電波によって共振するように設定されている。また、給電素子17の長さは、ダイポールアンテナ38が送受信する電波の1/4波長以外の長さに設定されている。具体的には、給電素子17の長さは、ダイポールアンテナ38の送受信する電波の1/4波長よりも短いか、あるいは、長くなるように設定されている。これにより、微弱な電波を受信するループアンテナ18とのクロストークの発生を抑制することができる。このダイポールアンテナ38を構成する陽極素子31は、図6の右端で折り返される折り返し構造を有するとともに、途中で分岐する分岐構造を有している。これらの構造により、特性の広帯域化を図ることができる。
図7に示すように、誘電体基板11の裏面11Bには、回路パターン20が形成され、その回路パターン20上には、ループアンテナ18で受信した電波を増幅するためのLNA(不図示)が形成され、LNAはシールドケース21によって遮蔽されるとともに、LNAによって増幅された信号を取り出すためのケーブル22が接続されている。また、ダイポールアンテナ38の給電部30には、ケーブル23の内部導体23Aが接続され、回路パターン20のグランドには外部導体23Bが接続されている。
図8は第3実施形態のアンテナ装置10Bを自動車40に配置した場合の取り付け状態を示す図である。なお、自動車40に取り付ける場合には、図6,7に示すアンテナ装置10Bを、可撓性を有する筐体内に収容し、この筐体に柔軟性を有する両面テープによってフロントガラス41に接着する。図8の例では、アンテナ装置10Bはフロントガラス41のサンバイザ42直近に取り付けられている。第3実施形態のアンテナ装置10Bは図6,7に示すように長尺形状を有することから幅が狭く、また、誘電体基板11とシールドケース21が主な厚さを構成することから厚さも薄い。このため、サンバイザ42のフロントガラス41側の端部付近にアンテナ装置10Bを配置することで、運転者の視界がアンテナ装置10Bによって遮られることを防止できる。図9は、従来のフィルムアンテナの配置例を示している。従来のフィルムアンテナ51は、フロントガラス41の一部に貼付されることから、図9に示すように、運転者の視界を遮る。一方、図8に示すように第3実施形態のアンテナ装置10Bでは視界に与える影響が軽微である。図10はアンテナ装置10Bをフロントピラー43に沿うように配置した例である。この図に示すように、アンテナ装置10Bをフロントピラー43付近に配置することによっても、運転者の視界に与える影響を軽微とすることができる。
図11〜16は、第3実施形態のアンテナ装置10Bの特性を示す図である。まず、図11は、アンテナ装置10Bを図8,10に示すように、フロントガラス41等に配置した場合において、ループアンテナ18とダイポールアンテナ38の周波数によるVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)の変化を示している。図11に示すように、ループアンテナ18では曲線C2に示すようにVSWRは1.6GHz付近で略1となり、また、ダイポールアンテナ38では曲線C1に示すようにVSWRは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)の周波数である0.8GHz付近と1.8GHz付近で略1となっている。
図12,13は、アンテナ装置10Bをフロントガラス41等に配置した場合における、ループアンテナ18の正面方向特性を示す図である。より具体的には図12は正面右旋円偏波(RHCP:Right Hand Circular Polarization)利得を示しており、図13は正面軸比を示している。これらの図に示すように、ループアンテナ18の正面右旋円偏波利得は1.6GHz付近で略0dBicになるとともに、正面軸比が0dBとなっている。
図14,15はダイポールアンテナ38の放射効率を示し、具体的には3軸の合成平均利得としての放射効率を示している。これらの図に示すように、ダイポールアンテナ38からの全放射電力と供給電力の比である放射効率は、GSM(登録商標)の周波数である0.8GHz付近と1.8GHz付近で0.5〜0.8の範囲となっている。
図16は、図6に示す給電素子17の長さを調整した場合のクロストークの変化を示す図である。この図において、曲線C1は給電素子17の長さを、ダイポールアンテナ38が送受信する電波の波長λ(周波数は約2GHz)の1/4の長さに設定した場合における、ダイポールアンテナ38と、ループアンテナ18との間のクロストークの周波数による変化を示す図である。一方、曲線C2は、給電素子17の長さを、λ/4以外の長さに設定した場合(図16の例ではλ/4よりも長く設定した場合)における、ダイポールアンテナ38とループアンテナ18との間のクロストークの周波数による変化を示す図である。曲線C1に示すように、給電素子17の長さを、ダイポールアンテナ38が送受信する電波のλ/4の長さに設定した場合には2GHz付近のクロストークが増大し、曲線C2に示すように、λ/4以外の長さに設定した場合には2GHz付近のクロストークが減少している。
このように、給電素子17の長さを調整することで、ダイポールアンテナ38とループアンテナ18の間のクロストークを減少させ、これらのアイソレーションを高めることができる。このようにクロストークを減少させることにより、LNA回路が飽和することを防止できる。より詳細には、ループアンテナ18は、人工衛星から届く微弱な電波を受信するため、感度の高いLNA回路を実装しているが、ダイポールアンテナ38は、送受信共用のアンテナであるため最大で50dBm程度の電波を放射する可能性がある。ダイポールアンテナ38の出力がループアンテナ18に混信してしまうと、LNA回路が飽和してしまい、衛星電波受信の機能を喪失してしまう可能性がある。そこで、アンテナ間のクロストークを低く保つ必要がある。特に、GNSSの周波数帯域と、デジタル携帯電話(GMS)に使用される2GHz帯は周波数が近いためクロストークを低く設定することが必要になる。クロストークの目標値としては、LNA回路の仕様にもよるが、一例として、2GHz帯で−20dB以下とすることができる。
ところで、第3実施形態は、自動車が交通事故等に遭遇した場合に、GNSSまたはGPSによって事故発生位置を特定し、特定した位置情報とエアバッグおよび衝突センサー情報等をセンターへ自動的に通報する自動通報装置のアンテナとして使用することができる。ところで、従来のフィルムアンテナをこのような自動通報装置のアンテナとして使用する場合、図17に示すようにアンテナの特性が変化したり、送信ができなくなったりする場合がある。すなわち、図17の上段に示すように、フィルムアンテナ60に対して衝撃が加わった場合、図17の中段に示すように、フロントガラス41等の表面に配置するフィルムアンテナ60の場合、事故の衝撃によってフロントガラス41からフィルムアンテナ60が剥離する。ガラスの誘電率は6〜7程度であり、これは空気の誘電率である1よりも大きいため、ガラスから剥離することにより誘電率が大きく変化し、周波数特性が変化するため、アンテナの特性が劣化する。このため、最悪の場合にはセンターに情報を送信できなくなる場合がある。また、図17の下段に示すようなガラスアンテナ60の場合、事故によってガラスが破損し、断線する場合が想定される。また、ガラスが剥離することで、前述の場合と同様に誘電率の変化によってアンテナの特性が変化することで、センターに情報を送信できなくなることが想定される。
一方、第3実施形態の場合には、図18の下段に示すように、アンテナ装置10Bは、例えば、可撓性を有する素材で構成される筐体70内に配置され、筐体70は柔軟性を有する両面テープ71,72によってフロントガラス41に貼付される。このため、事故の衝撃が加わった場合には、図18の中段に示すように、ガラス表面から剥離するため、断線することを防止できる。また、図18の下段に示すように、誘電体基板11はフロントガラス41から離間して(空隙層を挟んで)配置されているため、図18の中段に示すように、ガラス表面から剥離した場合でも、誘電率の変化によって特性が変化することを防止できる。このため、事故時でも、センターとの通信を確実に行うことができる。
(D)第4実施形態
つぎに、第4実施形態について説明する。図19,20は、本発明の第4実施形態の構成例を示す図である。なお、図19,20において、図6,7と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図19,20では、図6,7と比較すると、コイルパターン13がチップインダクタ130に置換されている。また、ループ状素子12,14の形状が略台形形状に変更されるとともに、給電素子17と陽極素子31の形状が図6,7の場合と異なっている。なお、これら以外の構成は、図6,7の場合と同様である。
第4実施形態も第3実施形態と同様に、異なる2種類のアンテナを一の誘電体基板11上に設けることでサイズを小型化することができる。また、ループアンテナ18をダイポールアンテナ38の陰極として共用することでサイズを一層小型化することができる。
また、第4実施形態では、給電素子17の長さを、ダイポールアンテナ38が送受信する電波の波長の1/4以外の長さに設定することで、クロストークを低減することができる。また、チップインダクタ130をループアンテナ18の短辺側に配置することで、このコイルパターン13の素子値を調整することで偏波のバランスを調整が可能となるため、長尺形状として場合であっても、図1の横および縦方向の偏波を所望のバランスに設定することが可能になる。
また、第4実施形態では、ケーブル22,23をループアンテナ18の長辺方向に沿うように配置しているので、特性を安定化することができる。また、LNA回路を縮退分離素子15上に設けるようにしたので、サイズを小型化することができる。
また、第4実施形態では、図18に示すように、筐体70内に収容してフロントガラス41に両面テープ等によって固定するとともに、フロントガラス41と離間するように筐体70内に配置するようにしたので、自動車が事故に巻き込まれた場合であっても、継続して通信を行うことができる。
(E)変形実施形態の説明
以上の各実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の実施形態では、ループアンテナ18は矩形または台形形状を有するようにしたが、これら以外にも、例えば、楕円形状や多角形形状とすることも可能である。誘電体基板11についても同様に矩形形状以外にも楕円形状や多角形形状とすることも可能である。
また、第1,3実施形態ではコイルパターン13を用い、第2,4実施形態ではチップインダクタ130を用いるようにしたが、この逆の構成としてもよい。また、コイルパターン13の代わりに、例えば、ミアンダ形状を有する導体パターンによるインダクタを用いることもできる。
また、以上の各実施形態では、インダクタを用いるようにしたが、これ以外にも、例えば、キャパシタを用いるようにすることができる。その場合、例えば、チップキャパシタを用いたり、あるいは、スタブ形状、平行線路形状、櫛歯形状、もしくは、平行平板形状を有する導体パターンによるキャパシタを用いたりすることができる。
また、図1,4,6,19に示す給電素子17の形状は一例であって、このような形状だけに限定されるものではなく、例えば、先端が屈曲していない形状としてもよい。また、図6,19に示す陽極素子31の形状も一例であって、これ以外の形状であってもよい。例えば、分岐を有していない構造であったり、先端が屈曲していない構造であったりしてもよい。
10,10A,10B,10C アンテナ装置
11 誘電体基板
12,14 ループ状素子(環状の導電体)
13 コイルパターン
15 縮退分離素子
15A,15B 切り欠き部
16,30 給電部
17 給電素子
18 ループアンテナ
20 回路パターン
21 シールドケース
22,23 ケーブル
31 陽極素子
38 ダイポールアンテナ
130 チップインダクタ

Claims (16)

  1. 長尺形状を有する誘電体基板と、
    前記誘電体基板の表面に形成され、送受信する電波の波長に対応する周長を有する環状の導電体と、
    前記環状の導電体の一部の幅を他の部分よりも環の内側に拡張することで形成される縮退分離素子と、
    前記縮退分離素子上に配置された電気回路と、
    を有することを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記電気回路に接続されるケーブルを有し、前記環状の導電体の長辺方向に沿って前記ケーブルが配置されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記縮退分離素子の一部より、前記環状の導電体の内側に向かって伸出し、前記導電体から所定の距離を隔てて、所定の距離を沿うように配置される給電素子を有することを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記環状の前記導電体の一部に虚数インピーダンスを有する素子を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記虚数インピーダンスを有する素子がチップインダクタまたは螺旋形状もしくはミアンダ形状を有する導体パターンによるインダクタによって構成されることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 前記虚数インピーダンスを有する素子がチップキャパシタまたはスタブ形状、平行線路形状、櫛歯形状、もしくは、平行平板形状を有する導体パターンによるキャパシタによって構成されることを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
  7. 前記虚数インピーダンスを有する素子は、前記環状の前記導電体の短辺に配置されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  8. 前記アンテナ装置は、ガラスの表面に貼り付け可能とされ、前記誘電体基板と前記ガラスの貼り付け面との間に前記ガラスよりも低誘電率の層を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  9. 前記誘電体基板と前記ガラスの貼り付け面との間に空隙層を有することを特徴とする請求項8に記載のアンテナ装置。
  10. 前記電気回路に接続されるケーブルを有し、前記ケーブルは前記誘電体基板の前記ガラス面側に配置されることを特徴とする請求項8または9に記載のアンテナ装置。
  11. 前記環状の導電体および前記縮退分離素子を有する第1アンテナの他に、陽極と陰極とを有するダイポール状の第2アンテナを有し、
    前記第1アンテナが有する前記環状の導電体を前記第2アンテナの前記陰極として使用することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  12. 前記第2アンテナの前記陽極は、前記環状の導電体の長辺と平行または略平行に延伸されていることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ装置。
  13. 前記第1アンテナ、前記電気回路、および、前記第2アンテナが同一の誘電体基板上に配置されることを特徴とする請求項11または12に記載のアンテナ装置。
  14. 前記第1アンテナの給電素子の長さは、前記第2アンテナが送信または受信を行う電波の1/4波長に対応する長さとは異なるように設定されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  15. 前記第1アンテナは衛星からの電波を受信するアンテナであり、前記第2アンテナは携帯電話の電波を送受信するアンテナであることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  16. 前記誘電体基板は可撓性の素材によって形成されるとともに、可撓性を有する筐体に収容されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021112031A1 (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 株式会社クラレ アンテナシステムおよびアンテナ回路基板

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