JP6854735B2 - 棚板 - Google Patents

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Description

本発明は、家具、厨房装置、洗面化粧台などの収納設備における棚板に関する。
従来より、収納設備において、左右に立設した側板間にダボを介して架設される棚板として、無垢材、合板、繊維板、パーティクルボードと言った木質系材料で構成されたものや、内部がリブにより区画された複数の中空孔を有する合成樹脂製のものなどが用いられている。
このうち、特に上記の合成樹脂製の棚板は、内部の中空孔によって軽量化が図られ、しかも経済的に得ることができる。しかしながら、その内部を肉抜きして中空にしていることから、棚板として使用の際、長期荷重を受けることによって曲げたわみが進行し、最終的には棚板がダボから外れて落ちると言った問題が生じていた。
そこで、かかる問題を解決し得る技術として、下記の特許文献1(日本国・特開平8−103340号公報)に記載されたものがある。その従来技術は、次のように構成される。
上板、下板、側板より形成される外殻体と、上板、下板とをリブにより連結して形成した中空孔とを有する合成樹脂製棚板において、下板の前後縁に、その幅方向にわたりダボ受け凹部が形成される。そして、少なくとも1つの中空孔に棚板幅にわたる補強桟が嵌入される。
かかる構成の棚板によれば、長期の荷重による曲げたわみに対して抵抗性が増し、耐久性を向上させることができる。
特開平8−103340号公報
しかしながら、上記従来技術には次の問題がある。すなわち、上記のように中空の棚板内部に補強桟を嵌入する技術では、たわみを未然に防ぐと言った観点では或る程度の効果が期待できるものの、一旦たわみが発生し出すと最早何の対処もすることができず、最終的には棚板がダボから外れて落ちるようになる。
なお、長期の荷重による曲げたわみの進行と、一旦たわみが発生し出すと何の対処もできなくなると言った問題は、上記の木質系材料で構成された棚板でも生じ得るものである。
それゆえに、本発明の主たる目的は、棚板に荷重による曲げたわみが生じるようになった場合であっても、当該曲げたわみの解消に向けて対処することが可能な棚板を提供することである。
上記の課題を達成するため、本発明は、例えば、図1から図3に示すように、左右に立設した側板間にダボを介して架設される棚板10を、次のように構成した。
すなわち、矩形板状に形成された棚板本体12の表裏両面に、表裏対称となるようにダボ受け部14を設けたことを特徴とする。
本発明では、棚板本体12の表裏両面に、表裏対称となるようにダボ受け部14が設けられているので、棚板10使用中に曲げたわみが生じた場合には、棚板本体12の天地を入れ替えて、これまでの裏面を上面(表面)へ持って来ることによって、曲げたわみの解消を期待することができる。
本発明においては、上記の棚板本体12を合成樹脂で形成すると共に、その内部に幅方向へ延びるリブ16によって区画された複数の中空孔18を設けるのが好ましい。
この場合、棚板10の軽量化を図れると共に、棚板10を経済的に提供することができるようになる。
なお、本発明は、後述する実施形態に記載された特有の構成を付加することが好ましい。
本発明によれば、棚板に荷重による曲げたわみが生じるようになった場合であっても、当該曲げたわみの解消に向け、棚板の天地を入れ替えて対処することが可能な棚板を提供することができる。
本発明における一実施形態の棚板を示す斜視図である。 本発明における一実施形態の棚板を示す部分拡大側面図である。 本発明における他の実施形態の棚板を示す斜視図である。 本発明における他の実施形態の棚板を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明における一実施形態の棚板10を示す斜視図であり、図2は、その棚板10の部分拡大側面図である。これらの図が示すように、本発明の棚板10は、(図示しないが)左右に立設した収納設備の側板間にダボを介して架設される板材であって、棚板本体12とダボ受け部14とを具備する。
棚板本体12は、矩形板状に形成された硬質の部材(板材)である。この棚板本体12を構成する材料としては、無垢材,合板,繊維板,パーティクルボードなどの木質系材料や、ポリプロピレン(PP),アクリル樹脂(PMMA),ポリエチレンテレフタレート(PET),ABS樹脂と言った熱可塑性樹脂或いはフェノール樹脂,メラミン樹脂と言った熱硬化性樹脂などの合成樹脂材料、アルミニウム合金,ステンレスなどの金属材料を用いることができる。
本実施形態では、棚板本体12の材料として合成樹脂材料、とりわけ加工の容易さなどから例えばABS樹脂のような熱可塑性樹脂が用いられる。また、この棚板本体12の形状は、その内部に幅方向へ延びる複数条のリブ16で区画された複数の中空孔18が設けられたものとなっている。このようなリブ16によって区画された中空孔18を有する形状とすることで、棚板本体12の軽量化と機械的強度とのバランスを最適化することができる。なお、本実施形態の棚板本体12では、その前端縁20は、幅方向全体に亘って角部が面取りされてR形状に形成される一方、後端縁22は、鉛直方向に切り落とされた形状となっている。こうすることで、棚板10の安全性と機能性とを確保している。
そして、この棚板本体12の表裏両面には、表裏対称となるようにダボ受け部14が設けられる。
ダボ受け部14は、(図示しないが)左右に立設した収納設備の側板の両内面に突設されたダボと係合し、このダボを介して左右一対の側板に棚板10を架設するための部分である。図1及び図2に示す実施形態では、このダボ受け部14が、棚板本体12の表裏両面における前後の両縁部それぞれにおいて、幅方向全体に延ばされた表裏一対の凹溝で形成される。ここで、このダボ受け部14を上述のように幅方向全体に延ばされた凹溝で形成することによって、棚板10を主として押出成形を用いて連続的且つ経済的に製造することができるようになる。
次に、以上のように構成された棚板10を使用する際には、左右に立設した収納設備の側板の両内面に突設されたダボ(図示せず)を棚板本体12の裏面側に設けられたダボ受け部14に係合させて側板間に棚板10を架設する。これにより収納設備への棚板10の設置が完了する。
続いて、棚板10の上に重量物を載置し続けると、長期の荷重による曲げたわみが生じ始める。そこで、棚板10の天地を入れ替えて(すなわち上下を逆にして)、これまで上側に配置されていたダボ受け部14とダボとを係合させて棚板10を設置する。そうすると、長期の荷重による曲げたわみによって突出した部分が載置物の荷重によって押し戻されて棚板本体12が元の平坦な板状に戻される。そして、更にこのまま棚板10の使用を続けると、再び長期の荷重による曲げたわみが生じ始める。そうすると、上記と同様に棚板10の天地を入れ替える。以下、同様の操作が繰り返されることとなる。
本実施形態の棚板10によれば、棚板10に荷重による曲げたわみが生じるようになった場合であっても、当該曲げたわみの解消に向け、棚板10の天地を入れ替えて対処することが可能な棚板10を提供することができる。
なお、上述の実施形態では、棚板本体12を合成樹脂で形成すると共に、その形状を所定の中空形状とする場合を示したが、例えば、図3に示すように、棚板本体12をMDF(中密度繊維板)などの中実の木質系材料で形成すると共に、ダボ受け部14を棚板本体12の表裏両面における四隅部分にそれぞれ設けるようにしてもよい。この場合、ダボ受け部14は、棚板本体12を切削して形成するよりも棚板本体12の表面を圧縮して凹設するのが好ましい。そうすることで、ダボ受け部14周辺の密度を上げて剛性を高めることができるからである。
また、上述の実施形態では、棚板本体12の前端縁20が幅方向全体に亘って角部が面取りされてR形状に形成される一方、後端縁22が鉛直方向に切り落とされた形状のものを示したが、図4に示すように、棚板本体12の後端縁22も前端縁20と同様に、幅方向全体に亘って角部を面取りしてR形状とし、棚板10の側面視形状が点対称(180°回転対称)となるようにしてもよい。そうすることで、例えば、棚板10を下駄箱で使用する場合、つまり、靴のつま先側が軽く、かかと側が重いと言ったように前後で荷重が偏在するような載置物を載置する場合、棚板10の表裏のみならず、前後も入れ替え可能となり、当該棚板10を利用する際の利便性を向上させることができる。
10:棚板,12:棚板本体,14:ダボ受け部,16:リブ,18:中空孔,20:前端縁,22:後端縁.

Claims (2)

  1. 左右に立設した収納設備の側板間にダボを介して架設される棚板であって、
    矩形板状に形成された棚板本体(12)の表裏両面に、表裏対称となるようにダボ受け部(14)を設けると共に、当該棚板本体(12)の前端縁(20)及び後端縁(22)の幅方向全体に亘って角部を面取りしてR形状とし、側面視形状が180°回転対称となるように形成する、
    ことを特徴とする棚板。
  2. 請求項1の棚板において、
    前記の棚板本体(12)が合成樹脂で形成されると共に、その内部に幅方向へ延びるリブ(16)によって区画された複数の中空孔(18)が設けられる、ことを特徴とする棚板。
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