JP6854269B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に、遊技媒体が始動入賞領域に進入したことに基づいて変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機に関する。
この種の遊技機として一般的に知られているものとしては、遊技媒体が始動入賞領域に進入したことに基づいて変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態等)に制御可能なものがあった。
このような遊技機としては、変動表示に関する保留記憶情報の記憶数が上限数に達した状態で始動入賞があったときに、遊技制御手段から演出制御手段を送信し、演出制御手段がオーバーフローコマンドに基づいて所定の演出(たとえば遊技結果情報を遊技者に報知可能な演出)を実行するものがあった(特許文献1)。
特開2013−46777号公報(段落0087,0092等)
しかし、前述した従来技術では、保留記憶情報の記憶数が上限数に達した状態で始動入賞があったとき旨を示すオーバーフローコマンドのような専用のコマンドを用いていたので、遊技制御手段に処理負担が増加するという問題があった。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技制御手段の処理負担を軽減することである。
(A) 遊技媒体が始動領域を通過したことに基づいて変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段から送信される情報に応じて演出を制御する演出制御手段と、
変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段と、
遊技媒体が前記始動領域へ進入可能な進入可能状態へ変化可能な可変手段と、
前記可変手段への遊技媒体の進入を促進する促進報知を実行可能な促進報知実行手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
遊技媒体が前記始動領域を通過したことを特定可能な第1情報と、
前記保留記憶手段における前記保留記憶情報の記憶数に関する第2情報と、を送信可能であり、
前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数に達した状態で遊技媒体が前記始動領域を通過したときに、前記第1情報を送信するが前記第2情報を送信せず、
前記演出制御手段は、前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数に達した状態で遊技媒体が前記始動領域を通過したときに、前記第1情報を受信したが前記第2情報を受信しなかったことに基づいて、所定演出を実行可能であり、
前記所定演出として、
実行中の変動表示と、前記保留記憶手段に記憶された前記保留記憶情報とに関連して表示された複数の特定画像を前記第1情報に基づいて変化させることにより、前記有利状態に制御される期待度を示唆可能であり、
それぞれの前記特定画像に対応した変動表示において、前記所定演出によって変化した前記特定画像に応じて異なる内容の特別演出を実行することによって、前記有利状態に制御されることを報知可能であり、
前記特別演出が実行されているときに、前記特定画像を非表示とする。
(1) 遊技媒体(遊技球等)が始動領域(第2始動入賞口14等)を通過したことに基づいて変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機1等)であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560等)と、
前記遊技制御手段から送信される情報(演出制御コマンド等)に応じて演出を制御する演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100等)と、
変動表示に関する情報を保留記憶情報として所定の上限数となるまで記憶する保留記憶手段(RAM55、第1,第2保留記憶バッファ等)と、
可変手段への進入を促進する促進報知を実行可能な促進報知実行手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
遊技媒体が前記始動領域を通過したことを特定可能な第1情報(図8の第2始動入賞指定コマンド等)と、
前記保留記憶手段における前記保留記憶情報の記憶数に関する第2情報(図8の第2保留記憶数指定コマンド等)と、を送信可能であり(図11のS1228,S1229,S1230等)、
前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数に達した状態で遊技媒体が前記始動領域を通過したときに、前記第1情報を送信するが前記第2情報を送信せず(図11のS1222,S1230等)、
前記演出制御手段は、前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数(4個のような上限値等)に達した状態で遊技媒体が前記始動領域を通過したとき(オーバー入賞時)に、前記第1情報を受信したが前記第2情報を受信しなかったことに基づいて、所定演出(図29(G),(H)の昇格演出)を実行可能であり(図31のS635,S636等)、
前記所定演出は、実行中の変動表示と、前記保留記憶手段に記憶された前記保留記憶情報とに関連した特定画像を表示し、該特定画像を前記第1情報に基づいて変化させることにより、前記有利状態に制御される期待度を示唆可能である。
このような構成によれば、遊技制御手段の処理負担を軽減することができる。
(2) 前記(1)の遊技機において、
前記始動入賞領域に遊技媒体が進入可能な状態(開状態)に変化可能な可変入賞装置(可変入賞球装置15等)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、前記可変入賞装置において遊技媒体が前記始動入賞領域に進入したことに基づいて、前記第1情報および前記第2情報を送信可能であり(図11のS1228,S1229等)、
前記演出制御手段は、前記可変入賞装置への入賞を促進する入賞促進演出を実行可能であり(図29(B)の「右打ち」等)、前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数に達した状態でも、前記入賞促進演出を実行可能である(図29(F)の「まだまだ!!」、図29(G),(H)の「まだまだ右打ち!」等)。
このような構成によれば、可変入賞装置へ入賞させればよい状態であることを遊技者に分かり易くなるようにすることができる。
(3) 前記(2)の遊技機において、
前記入賞促進演出は、前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数に達した状態でも、所定期間(変動表示開始時から20秒間)に亘り実行可能である(図30の入賞促進演出等出)。
このような構成によれば、可変入賞装置へ入賞させればよいことをより一層遊技者に分かり易くなるようにすることができる。
(4) 前記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記演出制御手段は、前記保留記憶情報の記憶数に対応する数の所定表示(図29(C)〜(H)の保留等パネル表示等)を表示可能であり、
前記所定表示は、前記有利状態に制御される期待度に応じて異なる複数種類の表示態様から選択された表示態様で表示可能であり(図32(A)のようにパネル最終表示の種類により大当りとなる期待度が異なる等)、
前記所定演出は、前記所定表示の表示態様を、前記有利状態にされる期待度がより高い表示態様に変化するか否かを示唆する演出である(図29(G),(H)の昇格演出等)。
このような構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記演出制御手段は、前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数に達した状態において(図33のS909Y)、前記第1情報を受信するごとに前記所定演出を実行する(図33のS908Y、S911、図35のS933等)。
このような構成によれば、上限数に達した状態での可変入賞装置への入賞ごとに所定表示の表示態様の変化に対する遊技者の期待感を高めることができる。
(6) 前記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記保留記憶情報の記憶数を特定可能な保留情報を保持可能であり、
前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数に達していない状態において、前記第1情
報を受信したが前記第2情報を受信しなかったときは、前記所定演出を実行しない(図31のS631〜S634では、第2始動入賞指定コマンドを受信したが第2保留記憶数指定コマンドを受信しなかったときは、第2始動入賞コマンド正常受信フラグがセットされないことにより、昇格演出が実行されない等)。
このような構成によれば、送信された第2情報を演出制御手段が取りこぼした場合に意図しない状況で所定演出が誤って実行されてしまうこと、および、演出において予期しないバグが発生してしまうことを防ぐことができる。
(7) 前記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
特定状態において遊技媒体が進入可能となる特定可変入賞手段(V判定入賞装置87等)と、
前記特定可変入賞手段内に設けられ、遊技媒体が進入可能な特定領域(V入賞領域870等)と、
変動表示結果が特定表示結果となったことに基づいて、有利状態(図柄大当り等)に制御する第1状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図9のS305〜S307等)と、
変動表示結果が所定表示結果となったことに基づいて、前記特定状態に制御して前記可変入賞手段内の前記特定領域に遊技媒体が進入(V入賞等)可能な状態(小当り状態等)とし、当該特定状態において前記特定領域に遊技媒体が進入したことに基づいて前記有利状態(小当り経由大当り等)に制御する第2状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図9のS308〜S310,S305〜S307等)と、
未だ開始されていない変動表示について前記特定表示結果となるか、または、前記所定表示結果となるかを判定する先読み判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図11のS1215,S1225等)と、
前記先読み判定手段の判定結果に基づいて、特別演出(図21の保留連報知演出等)を実行可能な特別演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ100、図27のS863,S864、図28のS873,S874等))とをさらに備え、
前記特定状態は、特定期間(0.1秒×10回の開放および1秒間の閉鎖を繰返す期間等)が経過したこと、または、前記特定可変入賞手段に特定数(10個等)の遊技媒体が進入したことに基づいて終了し、
前記特別演出手段は、前記特定表示結果となると判定された保留記憶情報と、前記所定表示結果となると判定された保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、前記特別演出を実行可能である(図21(B),(C),(E)、図25のS855〜S857、図27のS863,S864、図28のS873,S874等)。
このような構成によれば、特定表示結果になると判定された保留記憶情報、または、所定表示結果になると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、特別演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 当り種別表を示す図である。 主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。 各乱数を示す説明図である。 当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 第1時短状態における第1,第2特別図柄の変動例を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 小当り開放前処理を示すフローチャートである。 小当り開放中処理を示すフローチャートである。 小当り終了処理を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 ラウンド示唆演出の演出画像を示す演出表示装置の表示画面図である。 保留連報知演出の演出画像を示す演出表示装置の表示画面図である。 保留連報知演出のタイミングチャートである。 ラウンド数示唆演出の演出態様を選択するときに用いられるデータテーブルを示す説明図である。 保留連報知演出有無決定テーブルを示す説明図である。 保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を示すフローチャートである。 ラウンド数示唆演出処理を示すフローチャートである。 保留連報知演出第1処理を示すフローチャートである。 保留連報知演出第2処理を示すフローチャートである。 先読みパネル演出を示すフローチャートである。 先読みパネル演出の制御タイミングを示すタイミングチャートである。 第2始動入賞時コマンドチェック処理を示すフローチャートである。 先読みパネル演出を実行するために用いられるデータテーブルを示す図である。 先読みパネル演出処理を示すフローチャートである。 パネル表示演出処理を示すフローチャートである。 パネル表示昇格演出処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよい。
図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠(図示せず)と、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを有する。
ガラス扉枠の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4、および遊技媒体としての遊技球を打球として打球発射装置から発射するときに操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の奥手には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成された遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技領域7には、多数の遊技釘が植設されている。遊技領域7には、遊技釘のうち一部の遊技釘が示されている。打球発射装置は、発射モータにより駆動されるものであり、打球操作ハンドル5の回動操作位置に応じて、遊技球を打出す力(発射強度)が調整される。これにより、遊技者は、遊技領域7において希望する場所を狙って遊技球を発射することが可能であ
る。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7においては、遊技球が流下する流下経路のうちの第1経路が、正面から見て演出表示装置9よりも左側の領域に主に設けられ、遊技球が流下する流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路が、正面から見て演出表示装置9よりも右側の領域に主に設けられている。
第1経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の左側領域(左側遊技領域)に遊技球を打込むことが左打ちと呼ばれる。第2経路に遊技球を流下させるために演出表示装置9の右側領域(右側遊技領域)に遊技球を打込むことが右打ちと呼ばれる。第1経路は、遊技領域7の左側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、左打ち経路と呼ばれてもよい。また、第2経路は、遊技領域7の右側に遊技球を打ち込むことにより遊技球が流下可能となる経路であるので、右打ち経路と呼ばれてもよい。
なお、第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共有化された経路であってもよい。左遊技領域と右遊技領域とは、たとえば、遊技領域7内における演出表示装置9の端面や遊技釘の配列等により区分けされていればよい。
打球操作ハンドル5の操作に応じて打球発射装置から発射されて遊技領域7に打込まれた遊技球は、左遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。また、遊技球は、右遊技領域へと誘導された場合に、たとえば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域へは誘導不可能または誘導困難となる。
遊技領域7のうちの左遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13は、演出表示装置9の下方に配置されている。第1始動入賞口13には、進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、内部に第1始動入賞口スイッチ13aが設けられている。
遊技領域7のうちの右遊技領域に打分けられた遊技球が進入可能な構造物として、ゲート32、可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87が設けられている。可変入賞球装置15は、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する。また、それぞれに進入した遊技球を検出するためのスイッチとして、ゲート32の内部にはゲートスイッチ32aが、第2始動入賞口14の内部には第2始動入賞口スイッチ14aが、V判定入賞装置87の内部にはV入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15aおよびV判定排出スイッチ15bが、それぞれ設けられている。以下では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞(進入)することを第1始動入賞、第2始動入賞口14に遊技球が入賞(進入)することを第2始動入賞とも称する。
第1始動入賞口13は、変動表示手段(可変表示手段)としての第1特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。第2始動入賞口14は、変動表示手段(可変表示手段)としての第2特別図柄の変動表示(可変表示)を開始するための始動入賞装置として、遊技球(始動入賞球)が進入(入賞)可能な入賞口構造物である。
ゲート32は、遊技球が進入(通過)可能なゲート構造物である。遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄が変動表示する。普通図柄については後述する。左遊技領域では、入賞口構造物のうち第1始動入賞口13に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第1始動入賞口13に遊技球を進入させることを狙うときに、遊
技者は、遊技球を左打ちすればよい。また、右遊技領域では、入賞口構造物のうち第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、第2始動入賞口14、およびゲート32に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、右遊技領域に打分けられた遊技球が第1始動入賞口13に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は左遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。逆に、左遊技領域に打分けられた遊技球がゲート32、および、第2始動入賞口14に進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
V判定入賞装置87は、小当りが発生したときに大当りを発生させるための条件となる遊技球のV入賞を判定するための装置である。
V判定入賞装置87は、透明の部材で形成され、内部を遊技球が通過する様子が視認可能である。V判定入賞装置87は、上部に、前後方向に遊技球が通過可能な幅が設けられ、右から左に向かって傾斜し左右方向に延在した通路の両側(手前側と奥側)に壁部が設けられ、その通路に沿って遊技球が誘導される誘導路が形成されている。導路の中央部には、小当りとなったときに所定期間(たとえば、0.1秒間×10回の開放期間+1秒間の閉鎖期間(インターバル期間)×9回+終了期間1秒間)に亘り開放と閉鎖とが繰返されることにより、開放されている所定期間内に合計約10個数以上の遊技球が入賞可能な開口部としての作動口が形成されている。V判定入賞装置87における遊技球の通路には、誘導される遊技球を減速させるための減速手段としての突起が壁部の両側に交互に複数突出する態様で設けられることにより、右打ち時において、V判定入賞装置87上部の作動口上の通路に遊技球がゆっくりと流れるような構造(以下減速構造という)が形成されている。
小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87内への10個の遊技球の進入が検出されるまで、または、所定期間が経過するまでの比較的長期間に亘り、V判定入賞装置87の開放制御が実行される。このような開放制御期間中には、開放制御が間延びしていると遊技者が感じにくくなるように、後述の図20に示すラウンド数示唆演出、および、図21に示す保留連報知演出のような特定の演出が実行可能である。V判定入賞装置87において、誘導路における作動口が形成されていない部分は、固定部873とよばれる固定された通路をなす。作動口を開閉可能な位置には、作動口上を前後方向に進退移動可能な可動部872が設けられている。
可動部872は、ソレノイド22により駆動され、作動口を開閉するための進退動作が可能である。可動部872の状態により作動口が閉鎖された状態においては、遊技球が可動部872および固定部873の上面を誘導路として通過可能となり、当該誘導路上を右端から左端に誘導されて左端から落下する。可動部872の動作状態により作動口が開放された状態においては、誘導路において作動口が開口するので、誘導路に誘導される遊技球が作動口からV判定入賞装置87の内部に落下可能となる。
V判定入賞装置87(作動口)の内部においては、作動口から進入した遊技球が入賞可能な入賞領域として、特定領域としてのV入賞領域870がV判定入賞装置87の底部における左右方向の中央部に設けられ、さらに、作動口から進入した遊技球のすべてを傾斜した経路によりV入賞領域870上に誘導する傾斜路871が設けられている。V入賞領域870は、遊技球が進入可能なV入賞口を有し、V入賞口から進入した遊技球を下方へ誘導可能である。
V入賞領域870の入賞口(V入賞口)最上端には、V入賞領域870を開放状態と閉鎖状態とのいずれかの状態に切替え可能な板状態の開閉部材(図示省略)が設けられている。開閉部材は、ソレノイド24により駆動され、V入賞口を開閉するための進退動作が可能である。開閉部材の状態によりV入賞口が開放された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球がV入賞領域870内に落下可能な状態となる。一方、開閉部材の状態によりV入賞口が閉鎖された状態においては、V入賞領域870上に誘導された遊技球が開閉部材上を通過して、V入賞領域870の下流側近傍に開口する態様で設けられ、遊技を下方へ誘導可能な入賞球領域(図示省略)内に落下可能な状態となる。
具体的に、V判定入賞装置87のV入賞領域870は、基本的に開放状態とされており、V判定入賞装置87の作動口が開放される小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞領域870内に進入して入賞すると、その遊技球がV入賞領域870に設けられたV入賞スイッチ15aにより検出される。小当り遊技状態において、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出されると、開閉部材が閉鎖状態に制御され、以降にV入賞領域870上に誘導された遊技球は、入賞球領域内に進入することとなる。入賞球領域内に進入した遊技球は、入賞球領域に設けられたV判定入賞スイッチ15bにより検出される。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、1個の遊技球がV入賞スイッチ15aにより検出され、その後の遊技球がV判定入賞スイッチ15bにより検出される。
小当り遊技状態において開放されたV判定入賞装置87は、V入賞スイッチ15aおよびV判定入賞スイッチ15bにより検出された球の合計個数が10個に達すると、作動口が閉鎖され、遊技球が進入不可能な状態とされる。V入賞領域870と入賞球領域とは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、遊技盤6内部の所定の排出路に排出される。排出通路には、排出される遊技球を検出可能なV判定排出スイッチが設けられ、当該スイッチにより排出されるすべての遊技球が検出される。
小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放されたときにおいて、V入賞領域870に遊技球が入賞して所定の有効期間中にV入賞スイッチ87aで遊技球が検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御される。このようなV入賞領域870への遊技球の入賞がV入賞と呼ばれる。パチンコ遊技機1では、前述のように小当りが発生してV判定入賞装置87の作動口が開放される期間中においては、特殊な操作を要することなく平均的に合計10個程度の遊技球がV判定入賞装置87内に進入可能なように構造設計および制御設計がされており、さらに、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可すると、遊技球が必ず(100%)V入賞領域870に進入するように構造設計がされている。また、パチンコ遊技機1では、小当りが発生したときに、遊技者が容易に遊技球をV判定入賞装置87に打込むことができるように、右打ちを指示する右打ち促進報知が実行される。
したがって、小当りが発生したときには、V判定入賞装置87の作動口の開放期間中に、遊技者が遊技球を発射しない場合、および、遊技者が左打ちをする場合を除き、右打ちをすれば、必ず(100%)遊技球がV入賞領域870に進入して大当りが発生することとなる。
なお、この実施の形態では、V判定入賞装置87に遊技球の減速構造を設けた例を示した。しかし、このような減速構造を設けず、V判定入賞装置87における遊技球の誘導路のうちの一部に遊技球を落下させることが可能となる作動口を設け、小当り遊技状態の期間中に10個程度の遊技球をV入賞領域870に進入させるために、作動口を10回開放させる構成を用いてもよい。
V判定入賞装置87の前面側の一部には、「V」という文字形状で構成されたLEDよるなる発光体であるVランプ875が設けられている。Vランプ875は、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに基本的に白色で発光される。Vランプ875は、たとえば、基本的に白色で発光可能であるが、保留連を報知するときのように、遊技状況に応じた演出により、青色、赤色、および、虹色に発光色が変化可能である。なお、Vランプ875は、遊技者により視認可能な位置であれば、V判定入賞装置87において、前面部に設けられてもよく、内部に設けられてもよい。また、Vランプ875は、V判定入賞装置87とは異なる位置(たとえば、V判定入賞装置87の近傍位置等)に設けられてもよい。
可変入賞球装置15は、遊技球が進入可能な遊技者にとって有利な状態(開状態)と、遊技球が進入不可能な遊技者にとって不利な状態(閉状態)とに変化する可変入賞球装置としての役物であり、入口部分にチューリップ状の開成翼片(左右一対形状)を備え、開成翼片の上方に、開成翼片が閉鎖状態での遊技球の進入を制限するストッパ部材が設けられている。この開成翼片は、ソレノイド16により駆動される。可変入賞球装置15は、普通図柄の表示結果が当りになると一定期間(たとえば、1秒間)開成することによって、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。可変入賞球装置15は、「電動チューリップ」、または、その略称である「電チュー」とも呼ばれる。
右遊技領域では、可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球が誘導されてくるように遊技釘が植設されている。このため、これら可変入賞球装置15およびV判定入賞装置87に遊技球を進入させることを狙うときに、遊技者は、遊技球を右打ちすればよい。
なお、左遊技領域に打分けられた遊技球が可変入賞球装置15、および、V判定入賞装置87のいずれかに進入する可能性があるようにしてもよいが、遊技性の観点から、その可能性は右遊技領域に打分けられた遊技球がそれらに進入する可能性に比べて極端に低くすることが望ましい。
遊技領域7の中央付近には、特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種の演出表示をすることが可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する変動表示手段として、第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されている。演出表示装置9の表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられている。このような表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄とも呼ばれる)を変動表示する図柄表示領域(図柄表示エリア)が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行し、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示を実行すれば、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。特別図柄表示器を1つのみ備える場合には、始動入賞口を1つのみ設ければよい。また、特別図柄表示器を1つのみ備える場合であっても、始動入賞口を2つ(複数)設け、いずれの始動入賞口に遊技球が入賞したときにも、1つの特別図柄表示器を変動表示させる制御をしてもよい。また、特別図柄表示器を2つ(複数)備える場合に、始動入賞口を1つ設け、所定の順番で2つの特別図柄表示器を変動表示させる(たとえば1回の始動入賞ごとに変動表示させる特別図柄表示器を切替える等)制御をしてもよい。
遊技領域7の下方には、大当り可変入賞球装置20が設けられている。大当り可変入賞球装置20は、右打ちされた遊技球が、右遊技領域に植設された遊技釘によって誘導される。また、大当り可変入賞球装置20は、遊技釘の植設状態により、左遊技領域からは遊技球が進入しないように構成されている。
大当り可変入賞球装置20は、前面が長方形の扉で覆われた大入賞口を備えており、大当りが発生すると、ソレノイド21によって、底辺を軸として扉が前方に傾動し、大入賞口が現れる(開口する)。大当り可変入賞球装置20の内部には、進入した遊技球を検出するためのカウントスイッチ23が設けられている。大当り可変入賞球装置20へは、右遊技領域に遊技球を打込んだ場合にのみ、大入賞口への遊技球の入賞が可能となるように、遊技釘やその他の構造物によって入賞ルートが制限されている。なお、左遊技領域および右遊技領域のいずれに遊技球を打込んだ場合であっても、大入賞口へ入賞できるようにしてもよい。
第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大当り可変入賞球装置20、および、V判定入賞装置87のいずれかに遊技球が入賞すると、それぞれに応じて予め定められた数の賞球が払出される。なお、ゲート32を遊技球が通過した場合にも賞球を払出すようにしてもよい。また、第1始動入賞口13、および、第2始動入賞口14のうちの少なくともいずれかについては、遊技球が入賞しても賞球が払出されないようにしてもよい。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
大当りは、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたとき、および、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄(大当り表示結果)が導出表示されたときのそれぞれで発生する。第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第1特別図柄表示器8aに大当り図柄が導出表
示される。第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことに基づく抽選により大当りとする決定がされたときに、第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が導出表示される。
大当りは、小当り遊技状態となることによってV判定入賞装置87の作動口が開放しているときに進入した遊技球が、V入賞領域870に進入した場合にも発生する。以下、遊技球がV入賞領域870に進入してV入賞スイッチ87aで検出されることをV入賞と呼ぶ。小当りとは、所定の価値付与として、V判定入賞装置87の作動口が開放する当りであり、V入賞を条件として大当りが発生可能となる。V判定入賞装置87において、作動口が開放する遊技状態を「小当り遊技状態」と呼ぶ。そして、小当り遊技状態において、遊技球がV入賞したことに基づいて発生する大当りを、「小当り経由の大当り」と呼ぶ。これに対し、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示の表示結果に基づいて大当り遊技状態となることを、「特別図柄による大当り」と称する。
大当り遊技状態は、所定の価値付与として、遊技者にとって有利な特定遊技状態(有利状態)であり、大当り可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを所定回数繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、大当り可変入賞球装置20が開放(大入賞口が開放)されている状態が、ラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。
大当り遊技状態では、大当り可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、大当り可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定表示)させることである。
また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で未だ開始条件が成立していない変動表示に関する情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。また、このような保留記憶という用語は、保留記憶された情報を示す(特定する)場合にも用いられる。保留記憶は、始動記憶または始動入賞記憶とも呼ばれる。
第1特別図柄については、第1始動入賞口13への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第1保留記憶に基づいて変動表示が実行される。第2特別図柄については、第2始動入賞口14への遊技球の進入に基づく保留記憶としての第2保留記憶に基づいて変動表示が実行される。このような第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当りが発生した場合、大当り発生前に存在していた保留記憶は、そのまま維持され、大当たり
遊技状態の終了後において変動表示のために用いられる。
第2始動入賞口14への第2始動入賞が発生したときには、第1始動入賞の保留記憶があっても、当該第2始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の方が優先して実行される。このように第2特別図柄の変動表示は、第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行される。
第1特別図柄表示器8bおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する1つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを点灯し、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、第2特別図柄保留記憶表示器18bを消灯する。
第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に当りとなり、可変入賞球装置15が遊技者にとって不利な閉状態から所定時間に限って遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
パチンコ遊技機1には、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図3参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン1
20は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3参照)が設けられている。
パチンコ遊技機1においては、遊技状況に応じて、遊技者が左遊技領域を狙う「左打ち」と右遊技領域を狙う「右打ち」とを使い分けるように遊技球を発射することにより、変化に富んだ遊技を楽しむことができるように遊技状態および演出状態が制御される。以下に、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始してからの遊技の流れについて説明する。
遊技者は、パチンコ遊技機1に着席して最初に遊技を開始するときに、まず左打ちによって第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。そして、第1特別図柄の変動表示が実行され、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、左打ちから右打ちに切替えて、開放される大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。大当り遊技状態が終了した後は、演出表示装置9の画面上で遊技者に右打ちによって遊技を行なうことを促す右打ち促進報知が行なわれる。具体的には、演出表示装置9の画面上で「右を狙え」等の表示が行なわれる。
大当り遊技状態中は、開口した大当り可変入賞球装置20を右打ちにより狙う遊技を行なう。大当り遊技状態中は、右打ち促進報知が行なわれる。大当り遊技状態の終了後は、後述する時短状態となれば、引き続き右打ちにより遊技を行なう。大当り遊技終了後、時短状態となっていれば時短状態が開始されることを報知する時短報知が演出表示装置9の画面上で行なわれる。また、時短状態中には、右打ち促進報知も行なわれる。大当り遊技状態の終了後に時短状態とならなければ、大当り遊技状態中に実行される右打ち促進報知が終了することにより、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。なお、時短状態とならなかった場合には、演出表示装置9の画面上で遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知(左打ち報知とも呼ばれる)が行なわれるようにしてもよい。
大当り遊技終了後の時短状態中は、右打ちにより第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が大当り(特別図柄による大当り)となれば、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。また、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、表示結果が小当り表示結果となれば、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87の作動口が開放されるので、右打ちのままV判定入賞装置87を狙い遊技を行なう。小当り遊技状態の開始時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が開始されることを報知する小当り開始報知が行なわれる。また、小当り遊技状態に制御されるときには、特定のタイミング(遊技状況に応じて、後述するような、小当りに応じてV判定入賞装置87の作動口が開放される前に実行される小当り表示の開始タイミング、または、小当り表示が実行されるよりも前の所定のタイミング。)で、右打ち促進報知も行なわれる。
小当り遊技状態によりV判定入賞装置87の作動口が開状態のときに、遊技球が、作動口からV判定入賞装置87の内部に落下し、V入賞領域870に進入して検出されて、V入賞が発生した場合に、小当り経由の大当りが発生する。V入賞が発生したときには、演出表示装置9の画面上でV入賞が発生したことを報知するV入賞報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時は、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り終了後に、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20が開放されるので、遊技者は、右打ちのまま大当り可変入賞球装置20を狙い遊技を行なう。
また、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87を狙い遊技を行なったときに、遊技球がV入賞領域870に進入せず、V入賞領域870以外の非特定領域871に進入した場合には、大当りが発生しない。このように小当り遊技状態中にV入賞が発生しなかったときには、演出表示装置9の画面上でV入賞に失敗したことを報知するV入賞失敗報知が行なわれる。また、小当り遊技状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で小当り遊技状態が終了したことを報知する小当り終了報知が行なわれる。そして、小当り遊技状態の終了後、時短状態が継続しているときに、遊技者は、引続き右打ちのまま可変入賞球装置15を狙い遊技を行なう。時短状態が終了した場合は、右打ちから左打ちに切替えて第1始動入賞口13に遊技球が入賞するように遊技を行なう。時短状態の終了時には、演出表示装置9の画面上で時短が終了したことを報知する時短終了報知と、遊技者に左打ちに戻して遊技を行なうことを促す左打ち促進報知とが行なわれる。
図2は、当り種別表を示す図である。当り種別表には、当りの種別ごとに、大当り発生条件、大当り後の制御状態(遊技状態)、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、大当りにおける各ラウンドの開放時間が示されている。この実施の形態では、大当り当り種別として、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが設けられている。小当り経由の大当りの括弧内は、大当り可変入賞球装置20が開放する回数を示している。
小当りは、可変入賞球装置15に設けられた第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の表示結果が小当り図柄になった場合に発生する。特別図柄の表示結果を小当り図柄にするか否かの判定は、乱数抽選によって事前に行なわれる(特別図柄の小当り判定)。小当りが発生すると、小当り遊技状態となり、開放回数が10回で開放時間が0.1秒という開放パターンでV判定入賞装置87の作動口が開放する。小当り遊技状態の終了後の遊技制御状態(後述する大当り確率、小当り確率、ベース)は、小当り前と同じである。小当りにおいては、小当り遊技状態中にV判定入賞装置87内のV入賞領域870に入賞した遊技球に対して賞球が払出される。小当り遊技状態中には、約10個の入賞球が生じる得ることが設定されており、その入賞球に応じて、約30個の賞球が払出され得ることが設定されている。
V判定入賞装置87の作動口が開放中に、作動口へ遊技球を入賞させ、遊技球がV判定入賞装置87の内部のV入賞領域870に進入(V入賞)した場合は、大当りが発生する。このような小当りを経由した大当りは、小当り経由大当りと呼ばれる。小当り経由大当りには、大当りでのラウンド数が異なる小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りが含まれる。16(15)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第1小当りと呼ばれる。9(8)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第2小当りと呼ばれる。5(4)R時短大当りとなり得るように紐付けられた小当りは、第3小当りと呼ばれる。
一方、小当りを経由せずに、特別図柄の変動表示により直接的に発生する大当りは、図柄大当りと呼ばれる。図柄大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄15R時短大当り、および、図柄4R時短大当りがある。
このように、大当りとしては、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に基づいて直接発生する図柄大当りと、第2特別図柄の変動表示に基づく小当りを経由してV入賞により発生する小当り経由大当りとが含まれる。図柄大当りおよび小当り経由大当りの各大当りは、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御される大当りであり、時短大当りという名称が付けられている。本実施形態における遊技者にとって有利な有利状態には、大当
り可変入賞球装置20が開放することも含まれる。
ここで、時短状態を説明する。時短状態は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利状態)の一例である。時短状態は、特別図柄(演出図柄)の変動時間(変動表示期間)が非時短状態(通常状態)よりも短縮される制御状態である。このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
なお、時短状態では、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する高ベース状態に制御される。
ここで、「ベース」とは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。この割合を高める積極的な制御が行なわれる状態が「高ベース状態」である。一方、このような制御が行なわれない状態が「低ベース状態」である。このような制御は、たとえば、特別図柄の変動開始の契機となる始動入賞の発生を高める制御として実現される。このため、本実施の形態でいえば、可変入賞球装置15(いわゆる電動チューリップ)の開放頻度や開放回数を増加させ、あるいは1回の開放時間を長くすることによって、その可変入賞球装置への入賞を容易化する制御として実現できる。このような制御は、「電チューサポート制御」とも呼ばれる。つまり、高ベース状態とは、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより、その可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞が容易化(高進入化、高頻度化)される制御状態である。「電チューサポート制御」は、「電サポ」という略語で一般的に呼ばれており、本実施形態でも「電サポ」という略語を用いる場合がある。
さらに、高ベース制御(電チューサポート制御)について詳述する。高ベース制御(電チューサポート制御)としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15(普通電動役物)の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、特別図柄の変動契機となる可変入賞球装置が開状態となっている時間比率が高くなるので、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。
また、図柄15R時短大当りは、大入賞口が15回(15R)開放される大当りである。図柄4R時短大当りは、大入賞口が4回(4R)開放される大当りである。小当り経由16(15)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が15回(15R)開放される大当りであり、16ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、15回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄15R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。小当り経由9(8)R時短大当りは、V判定入賞装置87が(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が8回(8R)開放される大当りである。小当り経由5(4)R時短大当りは、V判定入賞装置87が1回(0.1秒×10回)開放された後、V入賞を条件として大入賞口が4回(4R)開放される大当りであり、5ラウンド分入賞装置が開放するが、実質的に大入賞口の開放回数は、4回であり、遊技者は、大入賞口の開放に関して、図柄4R時短大当りと同様の大当り種別と感じる。
図柄4R時短大当り後の時短状態は、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が1回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、約1/7という割合で、小当り経由の大当りを発生させる可能性がある回数としている。
第2特別図柄の変動表示回数が1回という時短の終了条件の回数は、次のような理由で設定されている。図柄4R時短大当りの場合には、基本的に第2特別図柄の変動表示が1回実行完了するまで時短状態(電サポ状態含む)を継続させるが、第2特別図柄を変動表示させるには、右打ちをして遊技球をゲート32に進入させて可変入賞球装置15を開状態にし、その状態で遊技球を可変入賞球装置15に入賞させる必要があり、そのような可変入賞球装置15へ遊技球を入賞させるまでに時間がかかってしまい、保留記憶されていた第1特別図柄が先に変動表示される場合がある。
したがって、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が5回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の1回分の変動表示を確実に実行可能にするための条件である。このようにすることで、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動表示が行なわれなくなってしまうのを防ぐことができる。
図柄4R時短大当り以外の大当り後は、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件と、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件との2つの終了状態が設定されている。このような、時短状態の終了条件の7回という回数は、V判定入賞装置87に進入した遊技球が100%の割合でV入賞領域870に進入することを考慮して設定されている。第2特別図柄の変動表示では、約1/7という割合で小当りが発生する。よって、第2特別図柄の変動表示回数が7回という終了条件は、第2特別図柄の変動表示が実行されるときに、図柄4R時短大当りと比べて、小当り経由の大当りを発生させる可能性が大幅に高くなる回数としている。これにより、小当り経由の大当りの発生に遊技者を注目させることができるとともに、小当り経由の大当りの発生についての遊技者の期待感を高めることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示回数の合計回数が11回という終了条件は、時短状態の開始直後において、第2特別図柄の変動表示開始条件が成立する前に、大当り遊技状態前に最大4個記憶可能な第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまっても、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の7回分の変動回数の変動表示を確実に実行可能にするためである。このようにすることにより、時短状態開始直後において第1始動入賞に基づく保留記憶による第1特別図柄の変動表示が開始されてしまうことで、時短状態において、遊技者にとって有利な大当りに決定されやすい第2特別図柄の変動回数が減少してしまうことを防ぐことができる。
この実施の形態においては、通常状態である低ベース状態においては、第1始動入賞口13が第1経路から入賞可能に設けられているので、第1経路を遊技球が流下した方が、
第2経路を遊技球が流下するよりも、始動入賞の点で遊技者にとって有利である。一方、大当り遊技状態のような有利状態では、開放される大当り可変入賞球装置20が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り時入賞の点で遊技者にとって有利である。また、小当り遊技状態のような特定状態では、開放されるV判定入賞装置87が第2経路から入賞可能に設けられているので、第2経路を遊技球が流下した方が、第1経路を遊技球が流下するよりも、大当り発生の点で遊技者にとって有利である。
なお、このような有利さの比較に限らず、たとえば、その他の入賞口(たとえば、別の可変入賞口(始動入賞用であっても、非始動入賞用であってもよい)が第1経路と第2経路とに設けられており、通常状態としての低ベース状態では第1経路の方が第2経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすく、高ベース状態、大当り遊技状態、および、小当り遊技状態のようなその他の状態では、第2経路の方が第1経路よりも当該可変入賞口に入賞しやすいというような、その他の観点から、通常状態においては第1経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利であり、その他の遊技状態では第2経路を遊技媒体が流下した方が遊技者にとって有利である構成を採用してもよい。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により小当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している
また、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bのそれぞれからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大当り可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、V判定入賞装置87(可動部872)を開閉するソレノイド22、および、V入賞判定入賞装置87(領域870可動部87)を開閉するソレノイド22、V入賞領域870(開閉部材)を開閉するソレノイド24、および、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御、Vランプ875の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、I/Oポート部105を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、I/Oポート部105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図4は、各乱数を示す説明図である。図4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りにするか否か、および、小当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダム1は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム2:大当りの種類(種別、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、
小当り経由5(4)R時短大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム3:変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム4:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、図柄15R時短大当り、図柄4R時短大当り、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りという複数の種別が含まれている。したがって、当り判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りとする決定がされたとき、または、小当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム2)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。ただし、小当り経由の大当りの場合は、V入賞が発生しなければ、決定された大当りは無効となる。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム2)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム2は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、小当りの種別とすることが決定されるときに、同時に小当り図柄が決定される。したがって、ランダム2は、小当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
また、このような変動パターン種別には、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がある演出が実行される変動パターン種別等)と、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別(たとえば、小当りと関連性がない演出が実行される変動パターン種別等)とが含まれている。このような、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は、特定の演出が実行される変動パターンであり、小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが含まれている。しがって、このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが実行されたときには、遊技者の期待感を盛上げることが可能となる。小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別は
、小当りとなるときと、小当りとならないときとの両方で選択可能であり、小当りとなるときの方が、小当りとならないときよりも選択される割合が高くなるように設定される。これにより、小当りとなるときに選択可能な変動パターン種別であっても、小当りとならないときも生じるので、実行される変動パターンの種別から小当りとなることが遊技者に予め認知されてしまうことがないようにすることができる。一方、小当りとなるときに選択不可能な変動パターン種別は、たとえば、小当りを経由せずに直接大当りとなることを示唆するような小当りと関連性がない演出がされる変動パターン等であり、小当りとなるときに選択不可能とすることにより、変動パターンの演出と、表示結果との関連性が複雑化しないようにすることができる。なお、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、V判定入賞装置87の開放制御との対応関係に基づいて、特定の変動時間に設定されたものが選択されるように設定されている。このような小当りに関する所定の示唆演出が実行される変動パターンが、小当りとなるときに実行可能となるようにすれば、変動表示時における遊技者の小当りへの期待感を高めることができる。さらに、大当りを得るために所定期間内にV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる必要があるという、小当り遊技状態特有の遊技に遊技者が容易に対応可能な状態となることにより、遊技者がV判定入賞装置87へ遊技球を進入させる有利状態を逃がしにくいようにすることが可能となる。
また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、特定の変動時間に限定されないものとしてもよい。また、小当りとなるときに選択可能な変動パターンは、小当りに関する所定の示唆演出が実行されるものでなくてもよい。また、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けて設けてもよい。また、変動パターンは、小当りとなるときと、はずれとなるときと、大当りとなるときとで、変動パターンを分けず、いずれの変動表示結果となるときにも、選択対象の変動パターンの種類の範囲が同じとなるようにしてもよい。
また、変動パターン種別と変動パターンとを別々に設定し、2段階の抽選処理によって変動パターンを決定するのではなく、変動パターン種別を設けずに変動パターン判定用乱数のみを用いて、1段段階で変動パターンを決定するようにしてもよい。
図5は、第1特図当り判定テーブル、第2特図当り判定テーブル、および、各種大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図5(A)は、第1特図当り判定テーブルを示す説明図である。第1特図当り判定テーブルは、第1特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。図5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図5(B)は、第2特図当り判定テーブルを示す説明図である。第2特図当り判定テーブルは、第2特別図柄について大当り判定および小当り判定をするためのデータテーブルであって、ランダム1と比較される大当り判定値、および、小当り判定値が設定されているテーブルである。図5(B)における上段が大当り判定テーブル部であり、図5(B)における下段が、小当り判定テーブル部である。図5(B)上段に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す、図5(B)下段に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。
CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)、または、第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が検出されると、所定のタイミングで、乱数回路503のカウント値(ランダム1)を抽出する。第1始動入賞については、抽出値を第1特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り
判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。第2始動入賞については、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。そして、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致しないときは、抽出値を第2特図当り判定テーブルに設定された小当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの小当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して小当りにすることに決定する。小当りにすることに決定することは、小当り経由の大当りにすることに仮決定(小当り中にV入賞が生じなければ大当りに制御されないため、仮決定と記載する)することも意味する。
なお、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄の変動表示による停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、第1特別図柄については、小当りとする判定がされないように設定されているが、第1特別図柄について、所定の確率で小当りとする判定がされるように設定してもよい。
図5(C),(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図5(C)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図5(D)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの図柄大当りの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」と「図柄4R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図5(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「図柄15R時短大当り」に対応した大当り判定値が設定されている。
また、図5(C),(D)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「8R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「15R時短大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルには、大当り種別判定用のランダム2の値と比較される数値であって、「小当り経由16(15)R時短大当り」と「小当り経由9(8)R時短大当り」と「小当り経由5(4)R時短大当り」とのそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。ただし、小当り経由大当り種別判定テーブルで決定される大当り種別は、第1小当り(16(15)R時短大当りとなるもの)、第2小当り(9(8)R時短大当りとなるもの)、第3小当り(5(4)R時短大当りとなるもの)のそれぞれに紐付けられた仮の大当り種別であり、小当り遊技状態においてV入賞が発生し
なければ無効となる。
図2および図5に示すように、時短状態(高ベース状態)に制御される変動表示の回数が異なる、第1時短状態(変動表示1回〜5回)、および、第2時短状態(変動表示7回〜11回)のような複数種類の時短状態が存在することにより、時短状態での遊技がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。
次に、各種大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様を説明する。ここでは、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態を代表例として説明する。図6は、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行態様の一例を表形式で示す図である。
4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に、比較的少ない変動表示回数(1回〜5回)に亘り時短状態に制御される第1時短状態のときの第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示については、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していた場合と、大当り遊技状態の発生前に第1特別図柄の保留記憶が存在していない場合とを比較すると、図6(A),(B)に示すように、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の実行バランス態様が異なる。
図6(A)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶が1個ある場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。図6(B)には、時短状態制御開始時に第1特別図柄の保留記憶がない場合の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示例が示されている。
パチンコ遊技機1においては、第1保留記憶または第2保留記憶が存在している状態で大当り遊技状態に制御されると、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶は、大当り遊技状態中において記憶状態が継続されて大当り遊技状態の終了後まで持ち越され、大当り遊技状態の終了後において、変動表示に用いられる。
図6(A)に示すように、8R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶があるときには、優先的に実行させるべき第2特別図柄を変動表示のための第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞がまだされていないので、時短状態においては、まず、1回目の変動表示として、大当り遊技状態の発生前から持ち越された第1特別図柄の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行される。8R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態は、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれるので、その後、図6(A)に示すように、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。
時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間においては、第1特別図柄の保留記憶が存在するときに、その保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が実行される。図6(A)では、時短状態の開始後、第2始動入賞口14への始動入賞が発生するまでの間において、大当り遊技状態への制御前において存在していた第1特別図柄の1個の保留記憶に基づき第1特別図柄の変動表示が1回実行された例が示されている。図6(A)では、時短状態の開始後、2回目に第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が1回実行されたことに基づいて、時短状態の開始後、2回目の変動表示において時短制御が終了した例が示されている。
第2始動入賞口14への始動入賞については、前述のように4個の保留記憶情報が可能である。したがって、第1時短状態の開始後、たとえば第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に実行される電サポ状態での可変入賞球装置15の開放制御状態中において、図6(A)に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。この実施の形態では、第1時短状態の場合は、第2保留記憶情報が溜まりやすいように、変動表示時間がある程度長い変動表示が、1回目の第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて実行される。なお、そのように変動表示時間がある程度長い変動表示は実行しないようにしてもよい。
その後、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示の1回の実行が終了するまでの間に、第2保留記憶情報が記憶されているときには、たとえば図6(A)の3回目〜6回目の第2特別図柄の変動表示欄に示すように、最大限4個の第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行され、約1/7の当選確率の小当り抽選が第2保留記憶情報個数分だけ実行可能となる。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
一方、図6(B)に示すように、時短状態の開始時において、大当り遊技状態への制御前において存在していた保留記憶に基づく第1特別図柄の保留記憶がないときには、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における時短状態で、右打ちがなされてゲート32および第2始動入賞口14に遊技球を進入させる遊技が行なわれ、第1始動入賞口13には遊技球が進入し得ない遊技状態となるので、図6(B)に示すように、1回目の変動表示から第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行され得る。この場合においても、図6(A)の保留記憶ありの場合と同様に、図6(B)に示すような最大限4個の第2保留記憶情報が生じ得る。これにより、第1時短状態が終了しても、第1時短状態中に生じた第2保留記憶情報に基づく小当り経由の大当り発生について、遊技者の期待感を高めることができる。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件は、前述のように、第2特別図柄の変動表示が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が合計5回実行されたときに成立する。
図6(A)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に存在していた第1特別図柄の3個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が3回実行された後、4回目に第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、4回目の変動表示が実行されることにより、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、終了条件が成立し、第1時短状態の制御が終了される。
図6(B)のように、時短状態の開始時において、当該開始時に第1特別図柄の保留記憶が存在せず、1回目から第2特別図柄の変動表示が実行された場合には、1回目の変動表示において第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたことにより、時短状態の終了条件が成立し、時短状態の制御が終了される。
4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されている。これにより、たとえば、図6(A)に示すように、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、第1特別図柄の変動表示よりも遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示が、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了す
る。
また、たとえば、第1時短状態の開始時において最大4個の第1特別図柄の保留記憶が存在しても、第1時短状態において、その4個の保留記憶に基づく第1特別図柄の変動表示が実行された後、第1時短状態の開始時において第1特別図柄の保留記憶が存在しない場合と同じ回数(1回)実行されたことにより、第1時短状態が終了する。
このように、4R時短大当りの大当り遊技状態終了後における第1時短状態の終了条件が、第2特別図柄の変動表示回数が1回実行されたか、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の合計回数が5回実行されたときに成立するように設定されていることにより、第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶があるときと、ないときとで、第1時短状態の制御期間中において、遊技者にとって有利な第2特別図柄の変動表示の実行可能回数が同じ回数となり得るので、時短状態(高ベース状態)における遊技者にとっての有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保することができる。
図5、図6等に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示回数により規定される第1時短状態の終了条件が、第1保留記憶による変動表示が行なわれる最大回数(4回)と、第2特別図柄について予め定められた変動表示が実行される特定回数(1回)との合計回数に設定されているので、第1時短状態において、第1保留記憶による変動表示がある程度の回数行なわれても、第1保留記憶情報によって遊技者にとって有利不利に差が出ることを防止し、遊技の公平性を担保できる。
また、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最小変動表示回数「1」を「7」に置換え、前述した図柄4R時短大当りにおける時短状態での最大変動表示回数「5」を「11」に置換えたものである。したがって、図柄4R時短大当り以外の大当り種別でも、8R時短大当りの場合と同様に、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第1時短状態の開始時における第1特別図柄の保留記憶数の有無および多少にかかわらず、同じ7回という第2特別図柄の変動表示が実行されるまで、第2時短状態が継続する。これにより、図柄4R時短大当り以外の大当り種別については、前述した図柄4R時短大当りについて得られる効果と同様の効果を得ることができる。
図6に示すように、大当り後の時短(電サポ)回数が比較的少ない回数に設定される場合には、前述したように、大当り遊技状態終了直後の第1保留記憶情報の数によって遊技者に不利となるような時短(電サポ)回数とならないようにすることが好ましい。
図7および図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7および図8においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図7および図8に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
図7および図8のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。複数の変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド8
0XX(H)を受信すると、演出表示装置において特別図柄の変動表示に対応した演出を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、はずれ表示結果、大当り種別、小当り種別ごとの大当り表示結果、および小当り表示結果を含む表示結果を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定する図柄確定指定コマンドである。
コマンドA001〜A005(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A305(H)は、大当りの種別ごとに大当り遊技状態の終了を指定する当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が第1時短状態(高ベース状態)であることを指定する第1時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が第2時短状態(高ベース状態)であることを指定する第2時短状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドである。コマンドC0XX(H)における「XX」が第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には、減算後の保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するが、これに限らず、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれについて、保留記憶数を1減算することを指定する保留記憶数減算指定コマンドを用いてもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
コマンドC401(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC402(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC403(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC501(H)は、第1小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC502(H)は、第2小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC503(H)は、第3小当りを開始することを指定するコマンドである。コマンドC601(H)は、V入賞があったことを指定するV入賞指定コマンドである。コマンドC602(H)は、V判定入賞装置87への入賞球(V入賞球とV入賞球以外の入賞球との両方を含む)を検出したことを指定するV入賞球検出指定コマンドである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、RAM55に、第1特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第1保留記憶バッファが設けられている。第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が記憶される。
第2特別図柄については、RAM55に、第2特別図柄の保留記憶情報を記憶するための第2保留記憶バッファが設けられている。第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が記憶される。
第1始動入賞口13への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存(記憶)される。また、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタのそれぞれから乱数値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存(記憶)される。
このように保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム4)は、始動入賞時において抽出して保留記憶バッファに予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、およ
び、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14a、カウントスイッチ23、V入賞スイッチ87a、V判定入賞スイッチ15a、および、V判定排出スイッチ15bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および小当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動入賞口スイッチ13a、第2始動入賞口スイッチ14aおよび役物入賞スイッチ25aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行な
うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図10は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(第1保留記憶データでは4、第2保留記憶データでは4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。
以下の保留記憶に関する説明に関しては、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を小当りとするか否かの決定、および、小当りとする場合の小当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると、特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当り遊技状態となったときに、大当り可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態の終了時の表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
小当り開放前処理(S308)は、小当り遊技状態となったときに、V判定入賞装置87において作動口を開放する制御等を行なう処理である。小当り開放中処理(S309)は、V判定入賞装置87内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したか否かを確認し、V入賞したときにV入賞指定コマンドを送信する処理、および、小当りの終了タイミングとなったときに小当り終了指定コマンドを送信する処理等の処理を行なう処理である。
小当り終了処理(S310)は、大当り可変入賞球装置20内のV入賞領域870に遊技球がV入賞したときに、大当り遊技状態に移行させるための処理(大当り開始指定コマンドの送信、大当り表示時間の設定、大当り開放態様の設定、大入賞口開放前処理のプロセスフラグの移行設定等)を実行し、一方、当該V入賞がされていないときに、大当り遊技状態に移行させずに、特別図柄通常処理(S300)に移行させるための処理を実行する処理である。
図11は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1214)。S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出した第1特別図柄の始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1215)。
この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、当該始動入賞時に得られた各種データが保留記憶情報として記憶された後、変動表示の開始条件が成立すると、変動表示を開始するタイミングにおいて、特別図柄通常処理(S300)で、当該保留記憶情報に基づき、変動表示を開始する特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)について、変動表示結果を大当り表示結果とするか否かの決定、および、大当り種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、および、大当り種別判定値に基づいて行なう。そして、変動パターン設定処理(S301)において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された変動パターン種別判定値、および、変動パターン判定値に基づいて行なう。
一方、このような決定とは別に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動表示が開始される前のタイミング、具体的には、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミング(保留記憶情報が記憶されたタイミング)で、その始動入賞時に得られた各種データを記憶した保留記憶情報を先読みし、その先読みした保留記憶情報に基づいて、予め大当りとなるか否かの決定、小当りとなるか否かの決定、大当りの種別の決定、および、変動パターン種別の決定を、前述した各種乱数値に対応して設定された大当り判定値、大当り種別判定値、および、変動パターン種別判定値に基づいて先読み判定する入賞時演出処理を実行する。そのようにすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出図柄の変動表示が実行されるよりも前に予め変動表示結果を予測し、始動入賞時の各種判定結果に基づいて、演出図柄の変動表示中に大当りとなること(大当りとなる可能性)を予告する先読み予告等の先読み演出を実行することが可能である。
そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1216)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1217)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1218)とともに、第1保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1219)。
S1216,S1217の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
また、この実施の形態では、S1216〜S1219の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。
S1222で第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記
憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S1224)。S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別決定用乱数(ランダム2)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム4)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU56は、検出された第2特別図柄の始動入賞について、S1215で説明したような入賞時演出処理と同様の入賞時演出処理を実行する(S1225)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1226)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1227)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1228)とともに、第2保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S1229)。
S1222で第2保留記憶数が上限値に達している場合は、第2始動入賞としては無効な始動入賞となるが、図29(G),(H)に示すような「先読みパネル演出」における「オーバー入賞に応じた昇格演出」を実行するために、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(S1230)、処理を終了する。その場合においては、第2保留記憶数が上限値に達しており増加しないので、第2始動口スイッチ14aがオンしても第2保留記憶数指定コマンドが送信されない。オーバー入賞とは、入賞個数の上限数等の入賞個数の規定値を超えた遊技球の入賞をいい、この場合においては、第2始動保留記憶数を超えて無効となる第2始動入賞をいう。
なお、S1230のように、保留記憶数が上限値に達している場合に、始動入賞としては無効な始動入賞となるが、始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する処理は、「先読みパネル演出」における「オーバー入賞に応じた昇格演出」等のオーバー入賞に応じた各種演出を実行するために、始動口スイッチ通過処理において、第1始動入賞について実行するようにしてもよい。
S1226,S1227の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1226〜S1229の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図12は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
S51で保留記憶バッファに保留記憶データがない場合には、客待ちデモ指定コマンド
を送信するための処理(S80)を行なった後、処理を終了する。一方、S51で第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の保留記憶バッファに格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファに格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける保存領域の内容を消去する。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数
値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファからランダム1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S61)。この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS1214や始動口スイッチ通過処理のS1224で抽出し保留記憶バッファや乱数バッファに格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図5参照)や小当り判定値(図5参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、第1特別図柄については図5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、第2特別図柄については図5(B)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60のY)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
S61で大当りとすることに決定した場合には(S61のY)、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。
次に、特別図柄ポインタが「第1」を示しているか否かを判定する(S72)。特別図柄ポインタが「第1」のときは、図5(C)の第1特図大当り種別判定テーブルを選択し(S73)、S75に進む。一方、特別図柄ポインタが「第1」を示していない場合(「第2」を示している場合)は、図5(D)の第2特図大当り種別判定テーブルを選択し(S74)、S75に進む。
S75では、S73またはS74で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を大当りの種別に決定し(S75)、S81に進む。
また、S61で大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示す
データであるか否かを確認することにより、大当り判定対象が第2特別図柄の変動表示であるか否か確認する(S76)。S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータでない(第1特別図柄の変動表示である)ときは、後述するS82に進む。一方、S76で特別図柄ポインタに設定されているデータが「第2」を示すデータである(第2特別図柄の変動表示である)ときは、図5(B)の第2特図当り判定テーブルを使用して、大当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値に一致するか否かを判定することより、小当り判定の処理を行なう(S76)。すなわち、大当り判定用乱数(ランダム1)の値が図5(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると(S76のY)、第2特別図柄に関して小当りとすることに決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S77Y)、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(S78)。
小当りフラグをセットした後は、図5(E)の小当り経由大当り種別判定テーブルを選択し(S79)、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別を小当り経由大当りの種別として決定する(S80)。そして、S81に移行する。一方、S77で小当り判定用乱数(ランダム1)の値がいずれの小当り判定値にも一致しなければ(S77のN)、後述するS82に移行する。
S81では、S75またはS80で決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに記憶し(S81)、S82に進む。たとえば、大当り種別が「図柄15R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「01」が設定され、大当り種別が「図柄4R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファに「02」が設定される。一方、大当り種別が「小当り経由16(15)R時短大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして大当り種別バッファとは別の仮大当り種別バッファに「03」が設定される。大当り種別が小当り経由9(8)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「04」が設定される。大当り種別が小当り経由5(4)R時短大当りの場合には大当り種別を示すデータとして仮大当り種別バッファに「05」が設定される。これらのうち、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りを示すデータは、小当り遊技状態においてV入賞が生じなければ大当りが発生せずに無効となるデータあり、仮設定される。
S82では、特別図柄の停止図柄を設定する(S78)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に設定する。小当りフラグがセットされている場合には、S80で選択決定した小当り種別に応じた小当り図柄となる「1」、「5」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、S75で選択決定した大当り種別に応じた大当り図柄となる「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S79)。
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。
特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動表示を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定され
ている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する図柄確定指定コマンドをセットする(S132)。これにより、図柄確定指定コマンドが図6のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、S139に移行する(S133)。
図柄15R時短大当りまたは図柄4R時短大当りとすることが決定されたときのように、大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、時短状態に制御されるときにセットされるフラグである時短フラグがセットされているときには、その時短フラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に、決定された大当りの種別に応じて、大当り開始1指定コマンド、または、大当り開始2指定コマンドのいずれかのコマンド(大当り開始指定コマンド)を送信するための処理をする(S135)。
これにより、セットされた大当り開始指定コマンドが図9のS28において、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。具体的には、大当りの種別が図柄4R時短大当りである場合には、大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が図柄15R時短大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別がいずれの種別に該当するかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。以降、大入賞口開放前処理において、大入賞口制御タイマが1減算されて、0になると大入賞口が開放されてラウンドが開始される。
また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、前述したROM54に記憶されている大当り種類別の開放パターンデータを参照し、開放回数(たとえば、15回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、ラウンド間のインターバル時間(たとえば、5秒)等の開放態様を示すデータを所定の記憶領域にセット(設定)する(S137)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S138)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、大入賞口開放前処理に移行する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていない場合に、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S139)。S139で小当りフラグがセットされているときは、ROM54に記憶されている小当りの開放パターンデータを参照し、小当りの開放制御に用いる小当り開放制御タイマの設定を含む開放回数(たとえば、10回)、開放時間(たとえば、0.1秒)、および、開放間のインターバル時間等の開放態様を示すデータを特定の記憶領域にセット(設定)する(S140)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S141)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、小当り開放前処理に移行する。
一方、S139で小当りフラグがセットされていないときは、第1時短状態または第2時短状態による時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S142)。S142で、時短フラグがセットされていないときは、時短状態ではないので、後述するS152に進む。一方、S142で、時短フラグがセットされているときは、時短状態であるので、時短状態における第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図
柄の変動表示回数との合計値を計数するための計数手段としての合計時短回数カウンタを−1減算更新する(S143)。
S143で減算更新する合計時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、4R図柄時短大当り後の第1時短状態に制御されるときにはS165により5回にセットされ、4R図柄時短大当り以外の種別の大当り後の第2時短状態に制御されるときにはS168により11回にセットされ、S143により、はずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。合計時短回数カウンタは、第1時短状態の終了条件の成立の有無の判断と、第2時短状態の終了条件の成立の有無の判断との両方の判断をするために用いられる。
次に、特別図柄ポインタが「第2」を示すデータであるか否かを確認することに基づいて、第2特別図柄の変動表示の終了時であるか否かを確認する(S145)。S145で、第2特別図柄ではなく、第1特別図柄の変動表示の終了時であるときは、後述するS148に進む。一方、S145で、第2特別図柄の変動表示の終了時であるときは、特図2時短回数カウンタを−1減算更新する(S146)。S146で減算更新する特図2時短回数カウンタは、大当り遊技終了後に第1時短状態または第2時短状態に制御されたときの第2特別図柄の変動表示回数を計数する計数手段である。特図2時短回数カウンタは、図14の大当り終了処理において、第1時短状態に制御されるときにS165により5回にセットされ、第2時短状態に制御されるときにS168により11回にセットされる。特図2時短回数カウンタは、S146により、第2特別図柄がはずれ表示結果となる変動表示が1回実行されるごとに減算更新される。
次に、S146で更新された特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S147)。S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になったときは、第1時短状態の終了条件の1つが成立したとき、または、第2時短状態の終了条件の1つが成立したときであるので、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために、後述するS149に進む。一方、S147で、特図2時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、第1時短状態の終了条件の他の1つの終了条件が成立しているか否かを確認するために、S148に進む。
S148では、時短状態における第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数に基づいて、実行中の第1時短状態または第2時短状態の終了条件が成立したか否かを確認するために、S143で減算更新された合計時短回数カウンタの計数値が「0」になったか否かを確認する(S148)。S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、後述するS152に進む。一方、S148で、合計時短回数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S149に進む。
S149,S150は、第1時短状態と第2時短状態とのそれぞれにおいて、S147により第2特別図柄の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときと、S148により第1特別図柄および第2特別図柄の合計の変動表示回数が終了条件の回数となったと判定されたときとのいずれかのときに、実行中の第1時短状態または第2時短状態を終了させるために実行される。
S149では、セットされている時短フラグをリセットする(S149)。次に、S150では、セットされている時短回数カウンタをリセットする(S150)。そして、時短状態での変動表示回数に基づいて時短条件が終了したことに応じて、通常状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理をし(S151)、S152に進む。
S152では、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S152)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
このような特別図柄停止処理においては、S142〜S151により、第1時短状態のときは、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第1時短状態を終了させる処理が行なわれる。また、S142〜S151により、第2時短状態のときは、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立したときに、第2時短状態を終了させる処理が行なわれる。
図14は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S161)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S162)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、今回の大当り遊技状態において、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、終了する大当りの種別が8R時短大当りであるか否かを確認する(S163)。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りであるときは、第1時短状態に制御するために、第1時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「1」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S164)、合計時短回数カウンタに「5」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示5回対応)のデータをセットする(S165)。そして、第1時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S167)、S170に進む。
S163により終了する大当りの種別が図柄4R時短大当りでないときは、終了する大当りの種別が図柄4R時短大当り以外の大当り種別であるときであり、第2時短状態に制御するために、第2時短状態の終了条件として、特図2時短回数カウンタに「7」(第2特別図柄の変動表示1回対応)のデータをセットし(S167)、合計時短回数カウンタに「11」(第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示11回対応)のデータをセットする(S168)。そして、第2時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための処理を行ない(S169)、S170に進む。
S170では、第1時短状態または第2時短状態に制御するために、時短フラグをセットする(S170)。第1時短状態に制御するときには、第1時短フラグをセットする。一方、第2時短状態に制御するときには、第2時短フラグをセットする。そして、大当り遊技状態の終了に応じて、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S171)、処理を終了する。これにより、特別図柄プロセスは、特別図柄通常処理に移行する。
これにより、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態の終了後に第1時短状態に制御され、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に第2時短状態に制御される。そして、第1時短状態および第2時短状態のそれぞれの終了条件は、第2特別図柄のみの変動表示回数と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計変動表示開放回数とにより個別に規定される。
このような大当り終了処理においては、S164,S165により、図柄4R時短大当
りの大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の1回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計5回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第1時短状態に制御する設定がされる。また、S167,S168により、図柄4R時短大当り以外の大当り種別の大当り遊技状態の終了後に、第2特別図柄の7回のはずれ変動表示の実行と、第1特別図柄および第2特別図柄の合計11回のはずれ変動表示の実行とのいずれかが成立するまで、第2時短状態に制御する設定がされる。
図15は、小当り開放前処理(S308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、CPU56は、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、ソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口の開放動作を開始させる(S411)。次に、CPU56は、小当り遊技状態が開始されることを示す小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する(S412)。次に、CPU56は、小当りの開放状態におけるV入賞領域870への入賞個数を当該開放状態の終了条件として用いるために、計数手段としてのV判定入賞個数カウンタをセットする(S413)。具体的に、S413では、V判定入賞個数カウンタのカウンタ値を「10」にセットし、V入賞個数をダウンカウントするための設定をする。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り開放中処理(S309)に対応した値に更新する(S413)。
図16は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU56は、小当り開放制御タイマを−1減算更新する(S430)。次に、後述するS435でV入賞個数を計数するV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているか否かを確認する(S431)。V判定入賞個数カウンタは、図15のS413により「10」にセットされ、10個のV入賞球を計数すると、計数値が「0」となる。S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、S441に進む。一方、S430でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっていないときは、図13のS140でセットされた小当り開放制御タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S432)。
S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしているときは、S441に進む。一方S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしていないときは、図13のS140で設定された小当りの開放態様に基づき、小当り開放制御タイマの計時値に対応してソレノイド22を制御することで可動部872を開放状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を開閉させるための処理を行なう(S433)。
次に、V判定入賞装置87内部で開放状態となっているV入賞領域870にV入賞口から遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S434)。S434でオン状態となっているときは、V入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグをセットする(S435)。そして、V入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S436)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出されたことを認識することができ、V入賞個数を認識することが可能となる。次に、ソレノイドを駆動することにより開閉部材を動作させ、V入賞領域870のV入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させ(S437)、S439に進む。これにより、V判定入賞装置87内に進入した遊技球の1個目がV入賞すると、V入賞領域870のV入賞口が閉鎖状態にされ、その後に、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は、すべて入賞球領域に誘導され、V判定入賞スイッチ15bにより検出される。
一方、S434でオン状態となっていないときは、V入賞が検出されていないときであり、V判定入賞スイッチ15bがオン状態となっているか否かを判定する(S438)。
S438でオン状態となっているときはS439に進み、S438でオン状態となっていないときは処理を終了する。
S439では、図15のS413により「10」にセットされたV判定入賞個数カウンタの計数値を「−1」するダウンカウントを行ない(S439)、V判定入賞球検出指定コマンドを送信するための処理をする(S440)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞球が検出された後、判定入賞装置87内に進入したV入賞球が検出されたことを認識することができ、判定入賞装置87内に進入した遊技球の個数を認識することが可能となる。
次に、V入賞が検出されたときにセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S437)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一方、V入賞フラグがセットされていなければ、S434で判定されたV入賞の検出に応じて、V入賞フラグをセットし(S438)、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S436)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が検出されたことを認識することができる。小当り遊技状態においては、複数個の遊技球がV判定入賞装置87内部のV入賞領域870に進入可能となるため、小当り遊技状態における1個目のV入賞球が検出されるとS438によりV入賞フラグがセットされるので、2個目以降のV入賞球が検出されても、重ねてS438,S439が実行されないように制御される。
S431でV判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になっているときは、小当りのV入賞個数が上限値に到達したことにより小当りの開放終了条件が成立したときであり、また、S432で小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、小当りの開放制御が終了したことにより小当りの開放終了条件が成立したときである。これらのときに、CPU56は、ソレノイド22を制御することで可動部872を閉鎖状態に動作させ、V判定入賞装置87の作動口を閉鎖する(S441)。V判定入賞個数カウンタの計数値が「0」になったときは、小当りの開放態様に応じたV判定入賞装置87の開放途中であっても、V判定入賞個数カウンタの計数値に応じてV判定入賞装置87が強制的に閉鎖される。小当り開放制御タイマがタイムアウトしたときは、V判定入賞装置87が小当りの開放態様における小当りの開放制御の終了に応じて閉鎖される。
次に、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間に相当するデータをV入賞有効期間タイマにセットし(S442)、特別図柄プロセスフラグの値を、小当り終了処理(S310)に対応した値に更新し(S443)、処理を終了する。これにより、V判定入賞装置87の閉鎖後のV入賞有効期間である特定期間の計時が開始される。なお、このようにV入賞有効期間である特定期間が設定されていることにより、V入賞領域を遊技球が何かの拍子に通常通過する時間より遅れて通過した場合であっても、遊技球を検出することができる。また、特定期間が設定されているので、不正にV入賞領域へ入賞させようとした者がいたとしてもその期間しか検出されないので、不正を防ぐこともできる。
図17は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(S310)を示すフローチャートである。小当り終了後処理において、CPU56は、V入賞有効期間タイマを−1減算更新し(S441)、V入賞有効期間タイマがタイムアウト(タイマ値=0)したか否かを確認する(S442)。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしていないときは、すでにV入賞が検出されたときにS434またはS445でセットされるV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S443)。V入賞フラグがセットされていれば処理を終了する。一
方、V入賞フラグがセットされていなければ、V入賞有効期間中にV入賞領域870に遊技球が進入したことにより発生するV入賞が検出されたか否かを判定するために、V入賞スイッチ87aがオン状態となっているか否かを判定する(S444)。S444でオン状態となっていないときは、処理を終了する。一方、S444でオン状態となっているときは、V入賞有効期間中にV入賞が検出されたときであり、V入賞が検出されたことを示すV入賞フラグをセットする(S445)。そして、V入賞指定コマンドを送信するための処理をし(S446)、処理を終了する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、V入賞が発生したことを認識することができる。
S442でV入賞有効期間タイマがタイムアウトしているときは、小当り終了指定コマンドを送信するための処理をする(S447)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当りが終了したことを認識することができる。次いで、ソレノイド23の状態を変化させることにより、開閉部材を開動作させてV入賞領域870(V入賞口)を開放状態に復帰させる制御が行なわれる(S447A)。次に、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S448)。S448でV入賞フラグがセットされていれば、大当りとすることが決定され、大当りフラグをセットする(S449)。
パチンコ遊技機1では、前述したように、小当り遊技状態において、後述する右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV判定入賞装置87内に遊技球を進入させることができ、V判定入賞装置87内に進入した遊技球は必ずV入賞領域870にV入賞することにより、略100%の確率で、V入賞フラグがセットされる(図16のS435)ことに基づいて、S449で大当りフラグがセットされて、大当り遊技状態に制御される。
次いで、CPU56は、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを、V入賞の発生により正規に大当りとなることが決まったことに応じて、当該データを大当り種別バッファに正式に記憶させる(S450)。そして、その時点でセットされていた時短フラグ(図14の大当り終了処理でセットされる第1時短フラグ、第2時短フラグ)を一旦リセットする(S451)。
次いで、CPU56は、S450で記憶されたデータに対応する大当り種別に応じて、大当り開始3指定コマンド、大当り開始4指定コマンド、または大当り開始5指定コマンドを送信する(S452)。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態が開始することを認識することができる。次に、大入賞口制御タイマに、大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S453)。
また、ROM54に記憶されている大当りの開放パターンデータを参照し、大当り種別に応じて、開放回数(たとえば、15回、8回、または、4回)、開放時間(たとえば、29秒)、インターバル時間(ラウンド間の大入賞口閉鎖時間)等の開放態様を示す開放パターンデータをRAM55に形成される所定の記憶領域にセットする(S454)。このようなデータのうち、開放回数のデータは、S456において、開放回数を計数するための開放回数カウンタにセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S455)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じたときには、大当り遊技状態に移行する。
S448でV入賞フラグがセットされていなければ、大当り遊技状態が発生しないので、S81で大当り仮種別バッファに記憶した小当り経由の大当り種別を示すデータを消去し(S456)、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(S300)に対応
した値に更新し(S460)、処理を終了する。これにより、小当り遊技状態においてV入賞が生じなかったときには、大当り遊技状態に移行しない。
図18は、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。たとえば、コマンド解析処理においては、変動パターンコマンドが受信されたときに、RAM103に形成された変動パターンコマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、コマンド解析処理においては、表示結果指定コマンドが受信されたときに、RAM103に形成された表示結果指定コマンド格納領域に当該コマンドデータが格納される。また、その他、各種の演出制御コマンドが受信されたときに、当該コマンドを受信したことを示すフラグがセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容に従って演出表示装置9での特別図柄の変動表示に対応した演出等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、変動パターンコマンドにより特定される変動表示時間が経過したとき、または、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させるようにしてもよい。変動パターンコマンドは、変動時間の長さ、および、変動表示結果等の変動表示態様を指定するために必要な情報が特定可能なデータよりなるコマンドである。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄を変動表示させる演出制御を実行するときの停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別を行なうことに基づいて決定する。
図19は、図18に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、S500,S501の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S810のうちいずれかの処理を行なう。各処理においては以下のような処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動パターンに対応する演出が実行されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。また、演出制御プロセス処理では、特別図柄の変動表示と並列的に表示可能な態様で、普通図柄の変動表示に対応する(同期した)演出も実行される。
打球促進演出処理(S500):遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した各種演出制御コマンドに基づいて、遊技状態を確認し、遊技状態に応じた打球促進演出を実行する。打球促進演出とは、遊技領域7における第1経路(左打ち経路)および第2経路(右打ち経路)のうち、少なくともいずれか一方への遊技球の打込みを促進させる報知をする演出である。具体的に、打球促進演出には、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする右打ち促進報知演出が含まれるが、打球促進演出には、当該右打ち促進報知演出と、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込みを促進させる報知をする左打ち促進報知の演出とを含むようにしてもよい。
右打ち促進報知の演出は、たとえば、演出表示装置の特定の表示領域において、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示することにより行なわれる。
この実施形態では、遊技球の打込みとして左打ちを基本としており、打球促進演出として、左打ち促進報知を実行せず、右打ち促進報知を実行している状態に基づいて、第2経路(右打ち経路)への遊技球の打込み(右打ち)を促進させ、逆に、右打ち促進報知を実行していない状態に基づいて、第1経路(左打ち経路)への遊技球の打込み(左打ち)を促進させる演出制御例を説明する。
なお、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。また、打球促進演出としては、遊技状態に応じて、左打ち促進報知と、右打ち促進報知との両方を使い分ける演出制御をしてもよい。
先読み処理(S501):遊技制御用マイクロコンピュータ560が有する保留記憶情報に対応する保留記憶情報(保留情報)を記憶し、当該保留記憶情報を先読み演出のために使用可能とする処理である。先読み演出とは、ある保留記憶情報に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留記憶情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留記憶情報が小当りまたは図柄大当りとなることを示すときに、保留連報知演出と呼ばれる予告演出(図21参照)が先読み演出として実行可能である。以下では、先読み演出の対象とした保留記憶情報を「ターゲットの保留記憶情報」と称する。また先読み演出の対象とした保留情報に基づいた保留表示を「ターゲットの保留表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認す
る。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):大当り(第1大当りまたは第2大当り)が発生したときに、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):大当りのラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S808):小当りが発生したときに、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための小当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を所定時間(たとえば、1秒間)行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(S809):小当りにおいて、V判定入賞装置87の開放中における各種の演出制御を行なう。そして、V判定入賞装置87が閉鎖したら、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S810):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出制御を行なう。また、小当り遊技状態において、V入賞ス
イッチ87aにより遊技球のV入賞が検出され、V入賞が発生したことが判定されたときには、V入賞が発生したことを報知するV入賞演出制御をする。小当り遊技状態においてV入賞が発生したときには、大当り遊技状態に移行させるために、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に対応した値に更新する。一方、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかったときには、大当り遊技状態に移行させないので、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置9の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU101は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。また、演出制御プロセス処理では、S500により、演出制御プロセスの実行状況を確認し、遊技制御状態に応じて、打球促進演出が実行される。
パチンコ遊技機1では、打球促進演出として、高ベース状態右打ち促進報知、小当り右打ち促進報知、および、大当り右打ち促進報知を含む複数種類の打球促進演出を実行可能である。高ベース状態右打ち促進報知は、高ベース状態において、右打ちをしてゲート32および可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。小当り右打ち促進報知は、小当り遊技状態において、右打ちをしてV判定入賞装置87(V入賞領域)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。大当り右打ち促進報知は、大当り遊技状態において、右打ちをして大当り可変入賞球装置20(大入賞口)への遊技球の進入を狙わせるための打球促進演出である。
高ベース状態右打ち促進報知、小当り右打ち促進報知、および、大当り右打ち促進報知は、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示する同じ画像を用いて実行してもよい。つまり、右打ち促進報知が、高ベース状態での促進報知と、小当りでの促進報知と、大当りでの促進報知とのいずれの種類に該当するかを特定不可能な状態で表示するものでもよい。右打ち促進報知は、「右打ち」というような右打ちを示唆して促進するような文字画像を右向きの矢印画像ととともに継続的に表示する画像として、高ベース状態右打ち促進報知については青色の画像で表示し、小当り右打ち促進報知については黄色の画像で表示し、大当り右打ち促進報知については赤色の画像で表示する等、異なる画像を用いて実行してもよい。この実施形態では、高ベース状態右打ち促進報知については青色の画像で表示し、小当り右打ち促進報知については黄色の画像で表示し、大当り右打ち促進報知については赤色の画像で表示する例を説明する。また、打球促進演出の種類に応じて、演出に用いる画像の大きさを異ならせるようにしてもよい。たとえば、遊技者にとっての有利度により、演出に用いる画像の大きさを異ならせるようにしてもよい。一例として、小当り右打ち促進報知については小型の画像を用いて促進報知をし、高ベース状態右打ち促進報知については中型の画像を用いて促進報知をし、大当り右打ち促進報知については大型の画像を用いて促進報知をするようにしてもよい。なお、高ベース状態右打ち促進報知については、大当り右打ち促進報知と同様に、大型の画像を用いて促進報知をしてもよい。
次に、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、演出表示装置9で表示される大当り遊技状態中の演出の一例として、Vコンボ演出(VCOMBO演出)を説明する。Vコンボ演出は、第2始動入賞口14への入賞に基づき「図柄大当り」または「小当り経由の大当り」となったときに、大当り遊技状態中の所定ラウンド間において予め定められた期間中に、大当り遊技状態における賞球の払出数(出球)を所定段階で報知する演出であり、主に賞球の払出数を複数回に分
けて段階的に報知する演出である。
図20は、ラウンド示唆演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図20では、ラウンド示唆演出の一例が時間経過に応じて示され、ラウンド示唆演出と関係が少ない画像は省略されている。ラウンド示唆演出は、小当り遊技状態においてV入賞の発生により大当りとなることが決定されたときにおいて、演出表示装置9の表示画像により、当該小当り終了経由で実行される大当り遊技状態でのラウンド数を示唆する演出である。
図20(A)〜(E)には、ラウンド示唆演出の一例が示されている。小当り遊技状態においては、V判定入賞装置87が開放状態に制御され、V判定入賞装置87内に遊技球が進入可能となる。そのような状態でV入賞が発生すると、図20(A)に示すように、演出表示装置9において、V字形状のV入賞画像94が表示される。これにより、入賞が発生したことを示すV入賞報知がされる。V入賞画像94の表示は、V判定入賞装置87が閉鎖状態に制御されるまで継続される。
図20(A)〜(E)に示すように、V入賞の発生に応じてV入賞画像94が表示されたときには、オーラ(aura)を模したオーラ画像95(95A〜95E)が、V入賞画像94の周囲にまとわりつくエフェクト画像的な表示態様で表示される。オーラ画像は、図20(A)〜(E)に示すように、オーラ画像白95A、オーラ画像青95B、オーラ画像緑95C、オーラ画像赤95D、または、オーラ画像虹95Eという複数種類の色から選択された色で表示される。図中においては、括弧付の色文字によりオーラ画像95の色が示されている(色文字は、実際には表示されないが、表示されてもよい)。オーラ画像95の色は、図20(A)〜(E)のように、小当り遊技中において白→青→緑→赤→虹というような所定の複数段階で変化表示可能である。このようなオーラ画像95の色は、V判定入賞装置87への入賞個数に応じて段階的に変化可能となる演出が行なわれる。
オーラ画像95の色は、小当り遊技中において、最初に表示された色が変化しない場合もあり、変化する場合もある。オーラ画像95は、大当り遊技状態でのラウンド数の期待度を色に示唆することが可能である。ラウンド数の多さの期待度の大小関係は、「白<青<緑<赤<虹」という対応関係が予め定められている。これにより、遊技者は、オーラ画像95の色により、大当り遊技状態でのラウンド数の多さの期待度を認識することが可能となる。たとえば、オーラ画像赤95Dが表示されたときの方が、オーラ画像青95Bが表示されたときよりもラウンド数が多くなる可能性が大きいということを遊技者は認識することができる。
図20のようなラウンド数示唆演出が実行されることにより、特定領域に遊技媒体が進入した後、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて、V入賞オーラ画像95を表示する演出のような所定演出の演出態様が変化させられるので、遊技の進行が間延びすることなく、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出が、V入賞画像94の表示によりV入賞を報知する演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて段階的に変化可能であるので、ラウンド数示唆演出とV判定入賞装置87に進入した遊技球の数とに遊技者を注目させることができる。
また、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて制御される大当り遊技状態のラウンド数(ラウンド数の有利度)に応じて段階的に変化可能であるので、当該大当りのラウンド数を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
図21は、保留連報知演出の演出画像を示す演出表示装置9の表示画面図である。図22は、保留連報知演出のタイミングチャートである。図21および図22を用いて、特別演出としての保留連報知演出を説明する。図21では、(A)〜(D)に保留連報知演出の一例が時間経過に応じて示されている。図22では、小当り遊技状態の開始時からV入賞に基づく大当り遊技状態の開始当初までの期間の演出制御タイミングが示されている。
保留連とは、大当りが発生したときに存在している保留記憶情報において、将来的に大当りとなる保留記憶情報があり、当該大当りの大当り遊技状態の終了後に、大当り発生前に存在していた当該保留記憶情報の範囲内で次の大当りが発生するというような、大当り発生時に存在していた保留記憶情報の範囲内で次の大当りが連続的に発生する保留記憶情報範囲内での連続な大当り(保留内連荘)をいう。小当りは、V入賞の発生に基づいて小当り経由大当りとなるので、小当りの保留記憶情報は、将来的に大当りとなる保留記憶情報である。
この実施の形態における保留連は、時短状態(高ベース状態)で大当りとなったときにおける第2保留記憶情報の保留記憶情報内を対象として判断する。第2保留記憶情報が存在すると、第1保留記憶情報よりも第2保留記憶情報が優先して変動表示に用いられるため、時短状態(高ベース状態)では、第2保留記憶情報の保留記憶情報内に小当りまたは図柄大当りの保留記憶情報があれば、連続的な大当りが発生し得るので、これらの保留記憶情報が保留連の記憶情報と判断される。
図22に示すように小当り遊技状態が開始された後、図19の開放中処理(S809)の演出の実行中において、V入賞が発生すると、図21(A)および図22に示すように、演出表示装置9で、V字形状のV入賞画像94が比較的短い所定期間に亘り表示される。これにより、V入賞が発生したことを示すV入賞報知がされる。保留連演出が実行されるときには、小当り遊技状態および大当り遊技状態に亘り次のような演出が実行される。
小当り遊技状態中において、V入賞発生後に所定時間が経過すると、図21(B)および図22に示すように、演出表示装置9の画面全体が黒色に変化(暗転)して何も表示されていないように見せるブラックアウト表示が、図19の開放中処理(S809)および小当り終了処理(S810)により、基本的演出として実行される小当り中の開放中演出および小当り終了時の終了演出の代わりに、小当り遊技状態の終了時まで継続して実行される(保留連報知演出の第1処理)。ブラックアウト表示としては、所定画像の視認性を基準状態よりも低い視認困難状態に変化させる視認困難演出、または、遊技者に驚きを与えるための演出であればよく、たとえば、表示画面全体を黒一色の画像に暗転するのではなく、通常表示されている演出画像(演出図柄、キャラクタ、および、背景画像等の演出画像)の前面側に半透明の黒色等の所定色の画像を重ねて表示することにより、表示画面全体の画像の明度を低下させて画像を全体的に暗くする演出や遊技者に特別感を与える演出が行なわれるようにしてもよい。
そして、当該小当り遊技状態の終了後においては、図19の大当り表示処理(S804)により、基本的演出として実行される大当り開始時のファンファーレ演出(大当り開始を報知する演出であり図中に破線で示す)の代わりに、図21(C)または(D)および図22に示すような保留連報知が実行される(保留連報知演出の第2処理)。具体的に、
保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が3つある場合には、図21(C)のように「+3BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が4つある場合には、図21(D)のように「+4BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。また、図示を省略するが、保留記憶情報内に特定の図柄大当りとなる保留記憶情報と特定の小当りとなる保留記憶情報との合計が2つある場合には、「+2BONUS」という文字が表示されることにより保留連報知が行なわれる。このように、保留連報知演出では、大当り遊技状態の終了後に保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数に応じて異なる演出が実行され、個数が報知される。
このように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報、および、小当りとなると判定された保留記憶情報の数が保留連報知演出において特定可能に報知されるので、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
このような保留連報知は、図22に示すように、大当り遊技の第1ラウンドの開始前までというような、大当り遊技状態の演出開始当初の特定期間経過まで実行される。保留連報知が実行された後は、図19のラウンド中処理(S805)により、たとえば、図21(E)および図22に示すように、大当り遊技状態の第1ラウンドの演出が開始される。このように、保留連報知演出は、小当り遊技状態と大当り遊技状態とに跨って実行される。
保留連報知演出が実行されるときにブラックアウト表示が実行されるのは、次のような理由によるものである。保留連報知演出が実行される場合、図20に示すラウンド数示唆演出が実行されない。前述した減速構造のV判定入賞装置87を用いる場合には、V判定入賞装置87上の通路を遊技球がゆっくりと流下するため、小当りでV判定入賞装置87の開放状態中において、合計10回の開放回のうち、どの時点でV入賞が発生するか、および、どの時点で開放状態の終了条件である上限個数の10個目の遊技球がV判定入賞装置87内に進入するかについて小当り発生ごとにばらつきが生じる。これにより、小当り遊技状態が終了するタイミングには、小当り発生ごとにばらつきが生じる。図20に示すラウンド数示唆演出のように、V判定入賞装置87内への遊技球の進入個数に応じて演出が不定期に変化する演出を実行する場合には、遊技者に違和感を与えるような演出とはならない。しかし、小当り遊技状態が開始してから小当り遊技状態が終了するまでの期間中の演出表示として、たとえば一定期間経過後にエンディングを迎えるような、時間経過に応じて演出内容が変化する物語性がある演出等を実行すると仮定した場合には、小当り発生ごとに、小当り終了時の演出状態が異なることになる等、遊技者に違和感を与える演出となってしまうおそれがあり、小当り発生ごとに小当り終了時の演出状態を均一化する調整をすることが困難となる。そこで、遊技者に違和感を与えないような小当り遊技の演出を実行するために、演出内容が変化しないブラックアウト表示による演出が実行される。つまり、小当り遊技状態の演出期間が変化しても遊技者に違和感を与えないようにするための期間調整画像として、ブラックアウト表示が実行される。このような期間調整画像としてブラックアウト表示を実行することより、演出期間の調整等について保留連報知演出を好適に実行することができる。
小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図21(A)のV入賞報知が実行可能であり、さらに、保留連報知演出が実行可能であるので、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときの演出に遊技者を注目させることができる。
また、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
また、保留連報知演出では、大当り遊技状態の終了後に保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数に応じて異なる演出が実行され、個数が報知される。これにより、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
さらに、保留連報知演出では、たとえば、図21(C)の「+3BONUS」と、図21(D)の「+4BONUS」とのように、保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数が所定数未満のとき(3個等)と、所定数以上のとき(4個等)とで実行する特別演出の演出態様が異なることにより、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
なお、図21の保留連報知演出では、V入賞報知を短時間実行した後にブラックアウト表示を実行する例を示した。しかし、これに限らず、V入賞報知をせずにブラックアウト表示を実行するようにしてもよい。また、保留連報知演出を実行する場合において、ブラックアウト表示を実行せずに、たとえば、所定の静止画像または短期間の繰返し動作を実行する動画像等のその他の画像を表示してもよい。また、ブラックアウト表示期間は固定期間としてもよい。保留連報知演出は、小当り遊技状態の終了後における大当りのラウンド演出中に至るまで実行してもよい。保留連報知演出ラを大当りのラウンド演出中に至るまで実行する場合に、ブラックアウト表示期間を固定時間にするときは、V入賞時から固定期間のブラックアウト表示が実行されるので、期間のブラックアウト表示期間を固定期間としてもよく、大当りのラウンド演出中における至るまで、ブラックアウト表示の終了時が不定になるようにしてもよい。また、保留連報知演出は、V入賞時に実行してもよく、V入賞後のV判定入賞装置87の開放期間中に実行してもよい。
図23は、ラウンド数示唆演出の演出態様を選択するときに用いられるデータテーブルを示す説明図である。図23(A)には、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95の色を変化させる複数種類の演出パターンを記憶したVオーラ色変化演出パターンテーブルが示されている。図23(B)には、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出パターンを選択するために用いられるVオーラ色変化演出パターン選択テーブルが示されている。
図23(A)では、第1パターン〜第8パターンの演出パターンが示されている各演出パターンには、小当り遊技状態中のV判定入賞装置87への入賞個数(1個〜10個等)のそれぞれに対応してV入賞オーラ画像95の色が設定されている。たとえば、第6パターンでは、1〜2個目のときは白色、3〜6個目のときは青色、7〜8個目のときは緑色、9〜10個のときは赤色となるように、データが設定されている。V判定入賞装置87への入賞個数は、V入賞スイッチ87aおよびV判定入賞スイッチ15aにより検出された遊技球の合計値である。なお、V判定入賞装置87への入賞個数は、V判定排出スイッチ15bにより検出された遊技球の値を用いてもよい。
ラウンド数の多さの期待度の大小関係は、「白<青<緑<赤<虹」という対応関係が予
め定められているため、各演出パターンでは、入賞個数が増えるにしたがって白→青→緑→赤という順番にしたがって色が変化し得るような色変化パターンが設定されている。虹色は、青色、緑色、赤色のような他の色を含む色である。このように、入賞個数が増えるにしたがってラウンド数の多さの期待度が高い色に変化する演出パターンにより、小当り遊技状態でのV判定入賞装置87の開放中において、遊技者の期待感を高めることができ、開放制御が間延びしていると遊技者が感じにくくなるようにすることができる。
第8パターンは、他の演出パターンと異なり、1〜10個目のすべてについて虹色が設定されており、色が変化せず虹色に固定される演出パターンである。これは、虹色は、小当り経由16(15)R時短大当りが確定したことを示唆する特別な色として用いられるためである。なお、小当り経由16(15)R時短大当りが確定したことを示唆する演出パターンとしては、たとえば、白→青→緑→赤→虹という順番にしたがって色が変化し得る演出パターンを用いてもよい。
図23(B)では、小当り経由大当りの種別と、図23(A)の第1パターン〜第8パターンとの対応関係が示されている。図23(B)では、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、および、小当り経由5(4)R時短大当りのそれぞれを対象として、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしてVコンボ演出パターン選択用の乱数SR2(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、対応する第1パターン〜第8パターンのそれぞれに割振られている。
図23(B)では、「白<青<緑<赤<虹」という、ラウンド数の多さの期待度の大小関係に対応して、「小当り経由5(4)R時短大当り<小当り経由9(8)R時短大当り<小当り経由16(15)R時短大当り」という対応関係で、最終的な10個目の色についてのラウンド数期待度が大きい演出パターンの選択率が高くなるようにデータが設定されている。図23(B)では、小当り経由16(15)R時短大当りのときのみ、第8パターンが選択可能に設定されている。これにより、第8パターン(1個目〜10個目すべてが虹色)でラウンド数示唆演出が実行されたときには、小当り経由16(15)R時短大当りとなることが確定したことを遊技者に示唆することが可能となる。なお、小当り経由16(15)R時短大当り以外の大当りについても、第8パターンが選択可能となるようにしてもよい。
図24は、保留連報知演出有無決定テーブルを示す説明図である。保留連報知演出有無決定テーブルは、ROM102に記憶されている。
図24の保留連報知演出有無決定テーブルでは、図柄15R時短大当り、および、小当り経由16(15)R時短大当りの合計保留連個数が0個〜4個のそれぞれであるときについて、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとしての保留連報知有無決定用の乱数SR2(0〜149の数値範囲)の合計150個の数値が、「実行有(実行する)」と「実行無(実行しない)」とに割振られている。
このように、保留連報知演出は、大入賞口が15回開放する大当りとなり得る保留記憶情報と対象として実行可能である。なお、保留連報知演出は、その他の種別の大当りとなり得る保留記憶情報を対象として実行可能としてもよい。保留連報知演出有無決定テーブルでは、対象となる保留記憶情報が0個または1個であるときは、「実行有」が決定されず、「実行なし」のみが決定されるように、データが設定されている。
また、保留連報知演出有無決定テーブルでは、対象となる保留記憶情報の合計が2個以上の複数個のときに「実行有」が決定可能となるようにデータが設定されており、対象となる保留記憶情報の個数が多くなる程、「実行有」が決定される割合が高くなるようにデ
ータが設定されている。これにより、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとのような遊技者にとって有利なラウンド数となる大当りとなり得る保留記憶情報の数に応じて、保留連報知演出を実行する割合が異なるので、保留連報知演出が実行された際に、有利なラウンド数となる大当りが何回分実行されるかについて、遊技者を注目させることができる。
さらに、保留連報知演出が実行されたときに、大当りとなり得る保留記憶情報が複数存在していることを遊技者が認識することができることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
さらに、保留連報知演出有無決定テーブルでは、大当り種別のうち、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとの保留連個数の合計が2個以上のときに保留連報知演出を実行するようにデータが設定されている。これにより、保留連報知演出が実行されたときに、大当り種別のうち、ラウンド数が多いことにより遊技者にとってより有利となる大当り種別となり得る保留記憶情報が複数以上記憶されていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、保留連報知演出の実行対象として、図柄15R時短大当り、および、16(15)R時短大当りというようなラウンド数が比較的多い大当りとなり得る保留記憶情報を用いたので、保留連報知演出が実行されると、遊技者は自然と大入賞口が15回開放するという最も遊技者にとって有利な大当り遊技状態となる期待度が高くなるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
次に、保留連報知演出およびラウンド数示唆演出について実行の有無の決定および演出種類の選択をする保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を説明する。図25は、保留連・ラウンド数示唆演出選択処理を示すフローチャートである。
図25の保留連・ラウンド数示唆演出選択処理は、演出図柄変動開始処理(図19のS801)において各種演出を設定する処理に含まれる。保留連・ラウンド数示唆演出選択処理では、まず、今回実行される変動表示の変動表示結果が小当り表示結果であるか否かを今回の変動に際して受信した表示結果指定コマンドに基づいて判定(表示結果を特定可能な変動パターンコマンドに基づいて判定してもよい)する(S851)。受信した表示結果指定コマンドは、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU101は、RAM103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域に小当り表示結果を指定するコマンドが格納されているか否かにより、小当り表示結果であるか否かを判定する。
S851により小当り表示結果ではないときは、処理を終了する。一方、S851により小当り表示結果であるときは、図19の先読み処理(S501)で記憶された現在の第2保留記憶情報(第2始動入賞口14への第2始動入賞に基づく保留記憶情報)を取得する(S852)。そして、取得した第2保留記憶情報に基づき、保留連報知演出の対象となる図柄大当り(図柄15R時短大当り)となる保留記憶情報の有無を確認する(S853)とともに、保留連報知演出の対象となる小当りとなる(小当り経由16(15)R時短大当りとなり得る)保留記憶情報の有無を確認する(S854)。次に、SR2を抽出し、S853,S854での確認情報に基づき、保留連報知演出有無決定テーブルを用いて、現在の第2保留記憶情報内の保留記憶情報に基づいて保留連報知演出を実行するか否か(実行の有無)を決定する(S855)。
この実施形態では、前述のように、小当り遊技状態に制御されたときに、右打ち促進報知にしたがって右打ちをすれば、略100%の確率でV入賞が発生して大当り遊技状態に
制御されるので、小当りとなる保留記憶情報についても、大当りとなる保留記憶情報とともに、保留連となる保留記憶情報として判定される。
S855により保留連報知演出を実行する決定がされたときは、今回の変動表示に対応して保留連報知演出を実行するときに用いるためのデータである保留連報知演出情報(たとえば、報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を所定の演出データ記憶領域に記憶し(S857)、処理を終了する。
一方、S855により保留連報知演出を実行しない決定がされたときは、ラウンド示唆演出(オーラ画像の色変化演出)を実行することを決定する(S858)。次に、S851で確認した表示結果指定コマンドに基づいて小当り経由大当りの種別を確認するとともに、SR3を抽出し、図23(B)のVオーラ色変化演出パターン選択テーブルを用いて、実行するラウンド示唆演出の演出パターンを選択決定する(S859)。そして、決定された演出パターンでラウンド示唆演出を実行するときに用いるためのデータとして、図23(A)のでVオーラ色変化演出パターンテーブルに記憶された演出パターンデータを記憶する等、ラウンド数示唆演出情報(たとえば、ラウンド数示唆演出パターン、ラウンド数示唆演出の有無等)を特定の演出データ記憶領域に記憶し(S860)、処理を終了する。
変動表示が小当り表示結果となるときにおいて、保留連報知演出を実行することが決定されたときには、S857で記憶されたデータに基づいて、保留連報知演出が実行される。一方、変動表示が小当り表示結果となるときにおいて、保留連報知演出を実行しないことが決定されたときには、S860で記憶されたデータに基づいて、ラウンド数示唆演出が実行される。保留連報知演出を備えていないパチンコ遊技機の場合には、S855の後にS858を実行すればよい。
なお、保留連報知演出を実行するときにも、ラウンド数示唆演出を実行してもよい。また、ラウンド数示唆演出は、保留連報知演出を実行しないときに必ず実行するのではなく、保留連報知演出を実行しないときに、所定の抽選によりラウンド数示唆演出を実行するか否かを決定してもよい。また、所定の抽選によりラウンド数示唆演出を実行するか否かを決定し、ラウンド数示唆演出を実行することが決定されたときは、保留連報知演出を実行しないようにしてもよい。このように、保留連報知演出とラウンド数示唆演出とは、どちらかを優先して実行してもよく、どちらかを優先せずに両方を実行可能としてもよい。
次に、前述のラウンド数示唆演出を実行するラウンド数示唆演出処理を説明する。図26は、ラウンド数示唆演出処理を示すフローチャートである。図26のラウンド数示唆演出処理は、小当り演出の開放中処理(図19のS809)の一部の処理として構成され、実行される。
ラウンド数示唆演出処理では、まず図25のS860で記憶されたラウンド数示唆演出情報(ラウンド数示唆演出パターン、ラウンド数示唆演出の実行の有無等)を取得する(S840)。次に、S840により取得したラウンド数示唆演出の実行の有無に関する情報に基づいて、ラウンド数示唆演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S841)。S841でラウンド数示唆演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S841でラウンド数示唆演出を実行する決定がされているときは、V判定入賞装置87に進入した遊技球が検出されたときに出力されるV特定入賞球検出指定コマンドの受信時であるか否かを確認する(S842)。
S842でコマンドの受信時ではないときは、処理を終了する。一方、S842でコマンドの受信時ではあるときは、V判定入賞装置87に進入した遊技球を計数する計数手段
としての入賞個数カウンタを+1加算更新する(S843)。そして、S840で取得したラウンド数示唆演出の演出パターンに基づき、更新後の入賞個数カウンタで計数された個数に対応する色でオーラ画像95を表示する(S843)。S843において個数に対応する色でオーラ画像95が表示されることにより、V判定入賞装置87に進入した遊技球の個数に応じてオーラ画像95の色が変化可能なラウンド数示唆演出が実行されることとなる。V入賞画像94は、小当り演出の開放中処理(S809)においてV入賞指定コマンドを受信したことに基づいて、表示が開始されるものであり、V入賞が発生すると、直後にV特定入賞球検出指定コマンドを受信することとなるので、S843により、V入賞画像94に対応するオーラ画像95が、S844により決められた色でV入賞発生直後から表示されることとなる。これにより、図20(A)〜(E)のようにオーラ画像95の色が変化可能なラウンド数示唆演出が実行される。
次に、前述の保留連報知演出を小当り遊技中に実行する保留連報知演出の第1処理を説明する。図27は、保留連報知演出第1処理を示すフローチャートである。図27の保留連報知演出第1処理は、小当り演出の開放中処理(図19のS809)の一部の処理として構成され、実行される。
保留連報知演出第1処理では、まず図25のS857で記憶された保留連報知演出情報(報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を取得する(S861)。次に、S861により取得した保留連報知演出の実行の有無に関する情報に基づいて、保留連報知演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S862)。S862で保留連報知演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S862で保留連報知演出を実行する決定がされているときは、V判定入賞装置87のV入賞領域870へのV入賞球がV入賞スイッチ87aで検出されたときに送信されるV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時であるか否かを判定する(S863)。
S863でV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時ではないときは、処理を終了する。一方、S863でV入賞検出指定コマンドの受信時後所定期間経過時であるときは、S861により取得した報知対象保留連個数に関する情報に基づいて、小当り演出の開放中処理(S809)および小当り終了処理(S810)が終了するまで実行するブラックアウト表示を開始し(S864)、処理を終了する。これにより、図21(B)のようなブラックアウト表示が小当り遊技の終了時まで実行される。
次に、前述の保留連報知演出を大当り表示中に実行する保留連報知演出の第2処理を説明する。図28は、保留連報知演出第2処理を示すフローチャートである。図28の保留連報知演出第2処理は、大当り演出の大当り表示処理(図19のS804)の一部の処理として構成され、実行される。
保留連報知演出第2処理では、まず図25のS857で記憶された保留連報知演出情報(報知対象保留連個数、保留連報知演出の実行の有無等)を取得する(S871)。次に、S871により取得した保留連報知演出の実行の有無に関する情報に基づいて、保留連報知演出を実行する決定がされているか否かを確認する(S872)。S872で保留連報知演出を実行する決定がされていないときは、処理を終了する。一方、S872で保留連報知演出を実行する決定がされているときは、S871により取得した報知対象保留連個数に関する情報に基づいて、保留連報知態様として、+2BONUS(対象保留連個数2個の場合)、+3BONUS(対象保留連個数3個の場合)、+4BONUS(対象保留連個数4個の場合)のいずれかを選択する(S873)。そして、S873で選択された保留連報知態様で、大当り表示演出期間中という所定期間に亘り実行する保留連報知の実行が開始される。れにより、たとえば、図21(C),(D)のような保留連報知が実行される。
[V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例]
次に、V入賞画像オーラ色により保留連報知演出をする変形例を説明する。図21では、「+3BONUS」というように文字情報により保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、図20に示すような色変化が可能なオーラ画像95を用いて保留連報知演出をするようにしてもよい。
オーラ画像95を用いた保留連報知演出としては、V入賞画像94に付随して表示されるオーラ画像95を、たとえば、V判定入賞装置87に進入した遊技球が増えることに応じて、図20のようにオーラ画像95の色を変化させ、前述のような保留連報知として、オーラ画像95の色を虹色等の特定の色とする演出をするようにしてもよい。このような保留連報知演出は、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示するような所定演出の演出態様を特定態様に変化可能とすることにより、保留連報知演出を実行すればよい。
このような保留連報知演出を実行すれば、保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と、小当りとなる保留記憶情報との少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、オーラ画像を表示する演出の演出態様が特定態様に変化可能であるので、保留記憶情報に図柄大当りまたは小当り経由の大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
[保留連報知演出の演出態様変化の変形例]
次に、保留連報知演出を実行するときにおいて、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り経由大当りとなる保留記憶情報の合計数が複数ある場合と、小当り経由大当りとなる保留記憶情報のみが複数ある場合とで保留連報知演出の演出態様が異なる例を説明する。
大当り遊技状態となったときの第2保留記憶情報については、図柄大当りとなる保留記憶情報のみが存在する第1保留連種別の場合と、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り(小当り経由大当り)となる保留記憶情報の両方が存在する第2保留連種別の場合と、小当り(小当り経由大当り)のみが存在する第3保留連種別の場合とがあり得る。このような複数種類の保留連種別は、いずれも保留連と呼ばれるが、保留連報知演出として、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なる演出態様で保留連報知を実行するようにしてもよい。たとえば、第1保留連種別の場合は、「+3ボーナス」というような片仮名で保留連報知をし、第2保留連種別の場合は、「+3BONUS」というような英文字で保留連報知をし、第3保留連種別の場合は、「+3ぼーなす」というような平仮名で保留連報知をしてもよい。また、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なる色で保留連報知に関する文字等の画像を表示するようにしてもよい。また、保留連があることを報知する場合には、保留連種別に応じて異なるキャラクタ画像を表示すること(保留連数に付随する表示でもよく、キャラクタ画像単独表示でもよい)により、保留連報知に関する文字等の画像を表示するようにしてもよい。また、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、「+3ボーナス」というような演出態様、「+3BONUS」というような演出態様、および、「+3ぼーなす」というような複数種類の演出態様のうちから、演出態様を抽選により選択決定してもよい。その場合には、第1保留連種別〜第3保留連種別の保留連種別ごとに、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにしてもよい。
このような保留連報知演出を実行すれば、保留連種別に応じて、実行する保留連報知演
出の演出態様を異ならせることが可能であるので、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。また、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにする場合には、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
[保留連報知演出の制限制御をする変形例]
次に、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する例を説明する。
大当り遊技状態となったときの第2保留記憶情報において、図柄大当りとなる保留記憶情報と小当り(小当り経由の大当り)となる保留記憶情報が複数ある場合に保留連報知演出を実行するときに、保留連報知演出が実行された大当り遊技状態が終了して、保留連報知対象となった大当りが実行され、その大当り遊技状態においても、保留連報知演出が実行されると、その保留連報知演出が、前回の大当り遊技状態において報知対象とされた保留連の保留記憶情報を対象として継続して実行されているのか、新たに生じた保留記憶情報に基づく保留連の保留記憶情報を対象として新たに実行されているのかを遊技者が区別しにくくなり、不明確な演出となってしまう。
そこで、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する演出制御を実行すればよい。保留連報知演出が実行された後に、報知連報知の対象とされたすべての保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるまで、保留連制限フラグをセットして、新たに保留記憶情報を確認して保留連報知を実行するための処理を実行しないように、演出制御処理の実行を制限すればよい。このようにすれば、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行が禁止されることにより、保留連報知演出を新たに実行することが制限されるので、当該保留連報知演出の報知対象の保留記憶情報がどれかを明確化することができる。
なお、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限(禁止)する例としては、つぎのような演出を実行してもよい。
たとえば、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連の数をアイコン画像等によるストック画像の個数で特定可能に表示し、保留連報知演出の対象となった大当り遊技状態が消化されるごとに、アイコン画像を減らしていく演出をしてもよい。さらに、新たに発生した保留記憶情報に基づいて保留連報知をするときには、このようなアイコン画像を増やす演出をしてもよい。このように保留連の報知対象数が遊技者に認識可能となるように可視化することにより、遊技者が理解しやすい保留連報知演出を実行することが可能となる。また、このような演出を実行すれば、単に保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行を制限するよりも、保留連報知演出が遊技者に認識される頻度が高くなり、面白みがある演出を実行することができる。
[第2保留記憶情報に基づく大当り期待度の先読みパネル演出例]
次に、特定種類の大当り遊技状態終了後における第2保留記憶情報に基づく大当り期待度の先読み演出について説明する。
図29は、特定種類の大当り遊技状態終了後における第2保留記憶情報に基づく大当り
期待度の先読み演出をする先読みパネル演出を示すフローチャートである。図29に示す先読み演出は、図5に示した大当り種類のうち、特定種類の大当りである「図柄4R時短大当り」の大当り遊技状態終了の第1回目の変動表示時を対象として実行される。図30は、先読みパネル演出の制御タイミングを示すタイミングチャートである。以下、図29および図30を用いて、先読みパネル演出の演出制御を説明する。
図29を参照して、左,中,右の演出図柄91,92,93は、変動表示中の状態が下向き矢印で示されている。演出表示装置9の表示領域内における下部には、第1保留記憶数を保留画像により表示する第1保留表示エリアと、第2保留記憶数を保留画像により表示する第2保留表示エリアとを含む保留表示エリアと、変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像を保留画像と類似するような画像等のアクティブ画像を表示するアクティブ表示エリアとが設けられるが、図29では、表示が省略される。
保留表示エリアおよびアクティブ表示エリアでは、基本的に、円形等の所定の形状で保留画像およびアクティブ画像が表示されるが、図29の先読みパネル演出では、アクティブ画像および保留画像が図29(C)〜図29(H)のようなパネル状の画像で表示されるパネル画像85の表示(以下、パネル表示という場合もある)が行なわれる。
図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後において、図29(A)のように演出表示装置9で演出図柄91,92,93の変動表示が実行されることにより、第1回目の変動表示が開始される。その後、たとえば、5秒間等に設定された第1期間の経過時において、図29(B)のように、演出図柄91,92,93が表示画面の左上隅部に縮小されて移動し、第2入賞始動入賞口14(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞(進入)を促進するための入賞促進報知をする入賞促進報知演出が開始される。入賞促進報知演出としては、演出表示装置9の画面中央部において、図29(B)のように「右打ち!!電チューを狙え」という入賞促進メッセージ84と、右打ちを示唆する右向きの右打ち示唆矢印96とを含む画像が表示されるとともに、このようなメッセージが音声としてスピーカ27から出力される。これにより、遊技者は、第2入賞始動入賞口14(可変入賞球装置15)を狙って右打ちをすることとなる。
図29(B)の入賞促進報知演出の具体例としては、たとえば、演出表示装置9において遊技盤の盤面全体を模した画像を表示した後、可変入賞球装置15および第2入賞始動入賞口14の位置が特定可能とする画像を表示することにより、入賞対象の位置を遊技者が容易に認識できるような入賞促進報知演出が行なわれる。
そして、図29(C)のように、右打ち示唆矢印96が表示画面の右上隅部に縮小されて移動し、画面中央部において、1個のアクティブ画像および最大4個の保留画像を表示するための複数枚(5枚)のパネルを示すパネル画像85が表示される。図29(C)に示すように、第2保留記憶情報がまだ生じていない状態では、現在実行中の変動表示に対応するアクティブ画像のみが左上部のパネル領域内に表示されている。パネル画像85の各パネル領域に表示可能なアクティブ画像および保留画像としては、大当りとなる期待度を示唆可能な「A」,「B」,「C」,「D」という文字が表示される。大当りとなる期待度の大きさは、「A」>「B」>「C」>「D」という大小関係が設定されている(図32(A)等参照)。
パネル画像85では、図29(D)のように、左上部にアクティブ画像、中上部に1個目の第2保留記憶情報の保留画像、右上部に2個目の第2保留記憶情報の保留画像、左下部に3個目の第2保留記憶情報の保留画像、右下部に4個目の第2保留記憶情報の保留画像が「A」〜「D」のうちいずれかの文字で表示されていく。そして、第2保留記憶情報の記憶数が上限値に到達すると、図29(E)のように、パネル画像85における全パネ
ル領域に、大当りとなる期待度を示唆する画像が表示されることとなる。このようなアクティブ画像および保留画像をパネル表示する演出は、保留等パネル演出と呼ばれる。
第2保留記憶情報の記憶数が上限値(4個)に到達すると、第2入賞始動入賞口14(可変入賞球装置15)への遊技球のオーバー入賞(進入)に応じて、パネル画像85における各パネルに表示された保留画像を、さらに大当りとなる期待度が高い画像に変化させることにより大当り期待度を昇格可能とするパネル表示昇格演出の実行が開始される。パネル表示昇格演出の実行が開始されるときには、図29(F)のように、右打ち示唆矢印96の表示が継続されるとともに、「まだまだ!!」というような新たな入賞促進メッセージ97の画像が表示されるとともに、このようなメッセージが音声としてスピーカ27から出力される。このように入賞促進演出が継続されることにより、遊技者は、さらに第2入賞始動入賞口14(可変入賞球装置15)を狙って右打ちを継続することとなる。
第2保留記憶情報の記憶数が上限値に到達した状態においてさらに第2入賞始動入賞口14に遊技球が進入しても、始動入賞が無効であるオーバー入賞となるが、パネル表示昇格演出においては、このようなオーバー入賞が検出されることに応じて、図29(G),(H)のようなパネル表示された保留画像の大当り期待度を昇格させる昇格演出が実行可能となる。昇格演出が実行される場合において、昇格演出の実行対象となるパネルは、図29(G),(H)のように太枠で表示されることにより、識別可能とされ、「B」〜「D」のいずれかを示す保留画像が、より大当り期待度が高い画像に変化される昇格表示と、変化されない非昇格表示とのいずれかが行なわれる。
昇格演出は、各保留画像について昇格演出パターンが選択されるものである。また保留画像によっては昇格演出が実行されない選択がされる場合もある。このような事情により、昇格演出は、オーバー入賞が検出されることに応じて、複数のパネル表示を対象として実行される場合と、1つのパネル表示を対象として実行される場合と、どのパネル表示でも実行されない場合とがある。
このようなパネル表示昇格演出の実行中においては、図29(G),(H)のように、「まだまだ右打ち!」というような新たな入賞促進メッセージ98の画像が表示されるとともに、このようなメッセージが音声としてスピーカ27から出力されることにより、遊技者は、オーバー入賞となる場合であっても、第2入賞始動入賞口14(可変入賞球装置15)を狙って右打ちを継続する。これにより、前述のようなオーバー入賞に応じたパネル表示の昇格演出が実行可能となる。
前述した保留等パネル表示演出およびパネル表示昇格演出と、入賞促進演出とは、変動表示の開始時から第2期間(たとえば、20秒間)が経過したときに終了する。図29(J)のように、先読みパネル演出においては、第2期間の経過時に、図29(J)のように演出がリーチ状態に発展し、その後、図29(K)のように「バトル開始!」というような演出メッセージ99の画像が表示されるとともに、このようなメッセージが音声としてスピーカ27から出力される。そして、当該変動表示に関する変動表示結果を導出する前の演出として、味方(遊技者の味方)キャラクタと敵(遊技者の敵)キャラクタとが戦うバトル演出が実行される。
バトル演出においては、味方キャラクタが勝つと変動表示結果が大当り表示結果となり、味方キャラクタが負けると図29(K)のように、変動表示結果が大当り表示結果となる。
バトル演出において、味方キャラクタは、Aキャラクタ、Bキャラクタ、Cキャラクタ、Dキャラクタという複数種類のキャラクタのうちから、パネル画像85の各パネルに示
された「A」〜「D」の表示に対応するキャラクタが選択される。味方キャラクタが勝つ期待度は、「Aキャラクタ>Bキャラクタ>Cキャラクタ>Dキャラクタ」という大小関係が設定されている。図29の例では、アクティブ画像に対応するパネルが「B」を示しているため、当該変動表示のバトル演出では、Bキャラクタが味方キャラクタとして登場し、バトル演出が実行される。
このように、パネル画像85の各パネルに示された「A」〜「D」の表示結果は、大当りとなる期待度を示すものであるとともに、このようなバトル演出に味方キャラクタが勝つ期待度でもある。
実行中の当該変動表示が終了すると、次に、当該変動表示中に保留記憶された1個目の第2保留記憶情報(図29(E)で「A」がパネルに示された保留記憶情報)に基づく変動表示が開始され、リーチ状態となった後に、パネル画像85のパネルに示された表示に対応するキャラクタが選択されて、前述と同様のバトル演出が実行される。このようなパネル画像85のパネルの表示を用いたバトル演出を実行する変動表示は、前述のようにパネル画像85に示されたすべての第2保留記憶情報のすべてについてはずれ表示結果が表示されるまで、または、いずれかの第2保留記憶情報の変動表示で大当り表示結果が導出表示されるまで、繰返し実行される。その場合においては、各変動表示中に、図29に示すパネル画像85の表示は継続され、第2保留記憶情報が変動表示で消化されるごとに、大当りとならなかった保留記憶に対応するパネル領域には「×」等のマークが付与される。そして、各変動表示中に、対応する第2保留記憶情報に応じたキャラクタを用いたバトル演出が実行されて変動表示結果が表示されていく。
このような先読みパネル演出における保留等パネル表示演出の実行中に保留記憶された以降に生じた第2保留記憶情報については、先読みパネル演出の実行対象とはされない。
なお、バトル演出としては、パネル画像85の各パネルに示された「A」〜「D」に対応するキャラクタが選択されてバトル演出が実行される例を示したが、これに限らず、バトル演出に用いられるキャラクタが1種類に固定されており、パネル画像85の各パネルに示された「A」〜「D」は、単にバトル演出に勝つ期待度を示すようにしてもよい。
また、パネル画像85の各パネルに示された「A」〜「D」は、単に文字を表示する代わりに、バトル演出に登場する「A」〜「D」のキャラクタに対応するキャラクタ画像を表示するようにしてもよい。
また、このように、パネル画像85の各パネルに「A」〜「D」のキャラクタに対応するキャラクタ画像を表示する場合において、パネル画像85の全パネルが同じキャラクタで揃った場合(昇格演出前でもよく、昇格演出中、または、昇格演出後でもよい)に、大当りとなることが確定するようにしてもよい。また、パネル画像85の各パネルに「A」〜「D」の文字を表示する場合も、同様の演出をしてもよい。
このような大当り確定を示唆する演出は、最初の1つ目の第2保留記憶情報が大当りとなるときに実行してもよい。また、このような大当り確定を示唆する演出は、最初の1つ目の第2保留記憶情報が大当りとなるとき以外の場合にも実行してもよい。たとえば、3つの第2保留記憶情報が大当りとなるときときにおいて、偶然に1つ目および2つ目のパネルの画像が同じ画像に揃っているときは、全パネルに表示される画像を同じ画像に揃えて大当り確定を示唆する演出を実行するようにしてもよい。
また、このように、パネル画像85の各パネルに表示される「A」〜「D」のような画像による大当りの期待度は、図19(E)のように最初に全パネル領域に画像が表示され
るまでは、第2始動入賞の検出ごとに表示される大当り期待度が成り下がらないようにしてもよい。
また、バトル演出としては、パネル画像85の各パネルに示された「A」〜「D」のうち、大当り期待度が高い「A」,「B」の両方に対応する第1キャラクタと、それよりも大当り期待度が低い「C」,「D」の両方に対応する第2キャラクタとのうちから、キャラクタが選択されてバトル演出が実行されるようにしてもよい。
このような先読みパネル演出が実行されることにより、大当り遊技状態の終了後に生じた第2保留記憶情報について、大当りとなる期待度の大きさが示唆されることにより、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、第2保留記憶情報の記憶数が上限値に達した状態での可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)へのオーバー入賞に応じて、保留画像の昇格演出が実行可能となることにより、演出の面白みを向上させることでき、遊技者の期待感を高めることができる。
また、前述の先読みパネル演出では、第2保留記憶情報の記憶数が上限値に達した状態でも入賞促進演出の実行により、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)へ入賞させればよい状態であることを遊技者に分かり易くなるようにすることができる。
また、先読みパネル演出では、第2保留記憶情報の記憶数が上限値に達した状態でも入賞促進演出が所定期間(変動表示開始時から20秒間)に亘り実行されることにより、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)へ入賞させればよいことをより一層遊技者に分かり易くなるようにすることができる。
また、先読みパネル演出では、第2保留記憶情報の記憶数に対応する数のパネル表示が行なわれ、そのパネル表示について、大当りとなる期待度がより高い期待度に変化するか否かを示唆する図29(G),(H)のような昇格演出が行なわれることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
また、先読みパネル演出では、第2保留記憶情報の記憶数が上限値に達した状態において第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信するごとに昇格演出が実行されるので、第2保留記憶情報数が上限値に達した状態での可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)への入賞ごとに昇格演出による保留画像の変化に対する遊技者の期待感を高めることができる。
次に、図18のコマンド解析処理(S704)の一部を構成するサブルーチンであり、第2始動入賞指定コマンドを受信したときに、第2保留記憶情報数コマンドの取りこぼしがあったか否かを判断することに基づいて、受信した第2始動入賞指定コマンドが正常に受信されたか否かをチェックする処理である第2始動入賞時コマンドチェック処理を説明する。
図31は、第2始動入賞時コマンドチェック処理を示すフローチャートである。第2始動入賞時コマンドチェック処理では、まず、先読みパネル演出の実行時であり、かつ、第2保留記憶情報数が上限値であるか否かを判定する(S631)。先読みパネル演出の実行時であるか否かは、演出制御マイクロコンピュータ100において、後述する図33の先読みパネル演出処理が実行されているか否かを確認することにより判定される。また、第2保留記憶情報数が上限値であるか否かは、演出制御マイクロコンピュータ100において、第2保留記憶数指定コマンドを受信するごとに、第2保留記憶数を示すデータを予め定められた保留記憶数記憶領域において記憶しておき、そのデータに基づき、第2保留記憶数を演出制御マイクロコンピュータ100側で確認することにより行なう。
S631で、「先読みパネル演出の実行時であり、かつ、第2保留記憶情報数が上限値である」状態に該当するときは、第2始動入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(S635)。S635で第2始動入賞指定コマンドを受信していないときは、処理を終了する。一方、S635で第2始動入賞指定コマンドを受信しているときは、第2保留記憶数指定コマンドを正常に受信したことを示す第2始動入賞コマンド正常受信フラグをセットし(S636)、処理を終了する。
図11のS1221,S1222,S1230に示すように、第2保留記憶情報数が上限値に達した状態で第2始動入賞口スイッチ14aにより遊技球が検出されると、第2保留記憶数指定コマンドが送信されずに第2始動入賞指定コマンドが送信されるので、第2保留記憶情報数が上限値に達した状態で第2始動入賞指定コマンドのみを受信したときは、正常なコマンド送信パターンである。したがって、その場合には、正常なコマンド受信であるとみなして、前述のようなオーバー入賞に基づく昇格演出等の演出の実行が可能となる。
また、S631で、「先読みパネル演出の実行時であり、かつ、第2保留記憶情報数が上限値である」状態に該当しないときは、第2始動入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(S632)。S632で第2始動入賞指定コマンドを受信していないときは、処理を終了する。一方、S632で第2始動入賞指定コマンドを受信しているときは、第2保留記憶数指定コマンドを受信したか否かを判定する(S633)。S633で第2保留記憶数指定コマンド処理を受信していないときは、処理を終了する。一方、S632で第2始動入賞指定コマンドを受信しているときは、第2始動入賞コマンド正常受信フラグをセットし(S636)、処理を終了する。
図11のS1221,S1222,S1228,S1229に示すように、第2保留記憶情報数が上限値でない状態で第2始動入賞口スイッチ14aにより遊技球が検出されると、第2始動入賞指定コマンドと第2保留記憶数指定コマンドとの両方が送信される。これにより、第2保留記憶情報数が上限値でない状態で第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドを受信したときは、正常なコマンド送信パターンである。その場合には、正常なコマンド受信であるとみなして第2始動入賞コマンド正常受信フラグをセットし(S634)、各種の制御が実行される。
一方、第2保留記憶情報数が上限値でない状態で第2保留記憶数指定コマンドを受信せずに、第2始動入賞指定コマンドのみを受信したときは、第2保留記憶数指定コマンドを取りこぼした場合のように、異常なコマンド受信パターンである。その場合には、異常なコマンド受信であるとみなして、第2始動入賞コマンド正常受信フラグがセットされないので、たとえば、前述のようなオーバー入賞に基づく昇格演出等、意図しない状況で所定演出が誤って実行されてしまうこと、および、演出において予期しないバグが発生してしまうことを防ぐことができる。
このように、専用の演出制御コマンドを用いずに、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドのような既存の演出制御コマンドを用いてオーバー入賞時の昇格演出等の各種演出を実行することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
次に、図29および図30に示す先読みパネル演出を実行するために用いられるデータテーブルを説明する。以下に説明する各種データテーブルは、ROM102に記憶されている。図32は、先読みパネル演出を実行するために用いられるデータテーブルを示す図である。
図32(A)は、先読みパネル演出の各パネルで表示される最終表示を選択するための先読みパネル演出最終表示選択テーブルを示す図である。図32(A)では、小当り経由16(15)R時短大当り、小当り経由9(8)R時短大当り、小当り経由5(4)R時短大当り、および、はずれのそれぞれを対象として、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとして先読みパネル演出最終表示選択用の乱数SR4(0〜119の数値範囲)の合計120個の数値が、「A」〜「D」という最終表示のそれぞれに割振られている。これにより、読みパネル演出の各パネルで表示される「A」〜「D」のパネル表示により、大当りへの遊技者の期待感を盛上げることができる。
図32(A)では、「A>B>C>D」という、大当りの期待度の大小関係に対応して、小当り経由の時短大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、「A>B>C>D」という選択割合となるようにデータが設定されている。これにより、読みパネル演出の各パネルで表示される「A」〜「D」のパネル表示により、大当り発生への遊技者の期待感を盛上げることができる。また、図32(A)では、「A>B>C>D」という選択割合でラウンド数が多い小当り経由の時短大当りが選択可能となるように、データが設定されている。これにより、読みパネル演出の各パネルで表示される「A」〜「D」のパネル表示により、大当り時のラウンド数への遊技者の期待感を盛上げることができる。
図32(B)は、先読みパネル演出においてパネル表示の昇格演出の演出パターンを選択するための昇格演出パターン選択テーブルを示す図である。図32(B)では、図32(A)で選択される「A」〜「D」のパネル表示のそれぞれを対象として、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとして昇格演出パターン選択用の乱数SR5(0〜149の数値範囲)の合計150個の数値が、「D→C→B→A」、「D→C→B」、「D→C」、「C→B→A」、「C→B」、「B→A」という昇格演出パターンのそれぞれに割振られている。これにより、昇格演出のバリエーションが豊富化し、演出の面白みを向上させることができる。
図32に示された昇格演出パターンは、第2保留記憶情報が上限値に達した状態でオーバー入賞が検出されるごとに矢印で示されたパネル表示の変化をするパネルを示している。一例として「D→C→B→A」の昇格演出パターンは、1回目のオーバー入賞で「D→C」の変化をし、2回目のオーバー入賞で「C→B」の変化をし、3回目のオーバー入賞で「B→A」の変化をする演出態様である。
なお、昇格演出パターンとしては、1回のオーバー入賞検出で1段階ずつ昇格するのではなく、1回のオーバー入賞検出で一度に複数段階昇格するものが含まれてもよい。また、昇格演出パターンとしては、オーバー入賞検出ごとに毎回昇格せずに、複数回のオーバー入賞検出で1段階または複数段階昇格するものが含まれてもよい。また、昇格演出パターンとしては、オーバー入賞検出ごとに昇格させるか否かを抽選により選択するものであってもよい。
図32(C)は、昇格演出の実行の有無を選択するための昇格演出有無選択テーブルを示す図である。図32(C)では、図32(B)で選択される昇格演出パターンのそれぞれを対象として、演出制御用マイクロコンピュータ100により更新される乱数の1つとして昇格演出有無選択用の乱数SR6(0〜199の数値範囲)の合計200個の数値が、「昇格演出有」と「昇格演出無」とのそれぞれに割振られている。これにより、オーバー入賞が検出されても、昇格演出が実行されるときと、昇格演出が実行されないときとが生じるので、演出の面白みを向上させることができる。
なお、図32(C)では、各昇格演出パターンについて、昇格演出有を選択する割合の
方が昇格演出無を選択する割合よりも高く設定されているが、その割合の関係は逆の関係であってもよい。また、図32(C)では、すべての種類の昇格演出パターンで昇格演出有を選択する割合が同じである例を示したが、これに限らず、昇格演出パターンごとに昇格演出有を選択する割合が異なるようにしてもよい。また、昇格演出を実行するか否かの選択は、昇格演出パターンごとに決定せず、保留記憶情報(表示パネル)ごとに昇格演出を実行するか否かを決定してもよい。
次に、図29および図30に示す先読みパネル演出を演出図柄変動中処理(S802)において実行する先読みパネル演出処理を説明する。図33は、先読みパネル演出処理を示すフローチャートである。図33の先読みパネル演出処理は、演出図柄変動中処理(S802)の一部の処理として構成され、実行される。
先読みパネル演出処理では、まず、今回実行される変動表示の変動表示結果が図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の第1回目の変動表示であるか否かを判定する(S901)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、変動表示時に選択する変動パターンとして、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の第1回目の変動表示時に必ず選択する演出パターンとしての特殊演出パターンが設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、図10の変動パターン設定処理(S301)において、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の第1回目の変動表示時であるか否かを判定する処理ステップと、当該処理ステップにより図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の第1回目の変動表示時であると判定されたときに、その回の変動表示の変動パターンとして、前述の特殊変動パターンを選択する処理ステップと、選択した特殊変動パターンを指定する変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する処理ステップとが含まれている。
S901では、前述のような特殊変動パターンを受信したか否かを、RAM103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域のデータに基づいて確認することにより、今回実行される変動表示の変動表示結果が図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の第1回目の変動表示であるか否かを判定する。
S901では、図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後の第2特別図柄の第1回目の変動表示であるか否かの判定において、ないと判定されたときは処理を終了し、あると判定されたときは現在のタイミングが変動表示の開始時であるか否かを判定する(S902)。S902で変動表示の開始時であると判定されたときには、図29(A)のように、通常の変動表示の演出を開始させることにより、演出図柄の変動表示を開始させ(S903)、処理を終了する。一方、S902で変動表示の開始時ではないと判定されたときには、演出制御用マイクロコンピュータ100が変動表示時間を計時するために用いる変動表示時間タイマより計時される変動表示の開始時からの時間経過を確認することにより、図30で説明したような変動表示開始後の第1期間の経過時であるか否かを判定する(S904)。
S904で第1期間の経過時であると判定されたときには、図29(B)のような入賞促進報知演出を開始させる(S905)。さらに、図29(C)のような保留等パネル表示演出を開始させ(S906)、処理を終了する。
一方、S904で第1期間の経過時ではないと判定されたときには、S905で開始された保留等パネル表示演出の実行中であるか否かを判定する(S907)。S907で保留等パネル表示演出の実行中であると判定されたときには、第2始動入賞指定コマンドの
受信時であるか否かを確認することに基づいて、第2始動入賞の検出時であるか否かを判定する(S908)。S908では、図31に示した第2始動入賞コマンド正常受信フラグがセットされたことを条件として、第2始動入賞の検出時であると判断する。
S908により第2始動入賞の検出時ではないときは、後述するS912に進む。一方、S908により第2始動入賞の検出時であるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100側で前述のように管理している第2保留記憶数が上限値(4個)に達しているか否かを判定する(S909)。
S909で第2保留記憶数が上限値に達していないときは、パネル表示演出処理(S910)を実行し、後述するS912に進む。パネル表示演出処理(S910)は、図29(C)〜(E)および図30に示す保留等パネル表示演出を実行する処理であり、その具体的な内容は、図34を用いて説明する。一方、S909で第2保留記憶数が上限値に達しているときは、パネル表示昇格演出処理(S911)を実行し、後述するS912に進む。パネル表示昇格演出処理(S911)は、図29(G)〜(H)および図30に示すパネル表示昇格演出を実行する処理であり、その具体的な内容は、図35を用いて説明する。パネル表示昇格演出処理(S911)において、昇格演出は、直ちに実行されるのではなく、図19(F)のようなパネル表示昇格演出開始時における入賞促進報知を実行するための所定期間(たとえば、3秒間等)が経過した後に実行される。
S912では、変動表示時間タイマより計時される変動表示の開始時からの時間経過を確認することにより、図30で説明したような変動表示開始後の第2期間の経過時であるか否かを判定する(S912)。
S912で第2期間の経過時でないと判定されたときには、処理を終了する。一方、S912で第2期間の経過時であると判定されたときには、図29(I)および図30のように入賞促進報知演出を終了させ(S913)、保留等パネル表示演出を終了させる(S914)。そして、図29(J)および図30のように、当該変動表示でのバトル演出を開始させ(S915)、処理を終了する。
このような先読みパネル演出処理により、図29および図30に示したような先読みパネル演出が実行される。
図34は、図33のS910で実行されるパネル表示演出処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、パネル表示演出処理において以下のような処理を実行する。
図示を省略しているが、第2始動入賞記憶数が上限値に到達した後、パネル表示昇格演出の開始当初の所定期間中には、図29(E)に示すような入賞促進報知演出を実行するための処理が実行される。そのような入賞促進報知演出の実行中においては、オーバー入賞に応じた昇格演出は実行されず、入賞促進報知演出の終了後において、昇格演出が実行されることとなる。
パネル表示演出処理では、図33のS908で第2始動入賞の検出時であると判断された第2始動入賞の保留記憶情報について先読みし、大当りか否かの情報、および、大当りとなるときの大当り種別の情報等の所定の先読み情報を取得する(S921)。
次に、先読みパネル演出最終表示選択用の乱数SR4を抽出し、図32(A)の先読みパネル演出最終表示選択テーブルを用い、先読み情報から得られる当該第2始動入賞の当りはずれ表示結果と、SR4の抽出値とに基づいて、先読みパネル演出において対応する
パネルで表示する最終表示を選択決定する(S922)。
次に、昇格演出パターン選択用の乱数SR5を抽出し、図32(B)の昇格演出パターン選択テーブルを用い、S922で決定された最終表示と、SR5の抽出値とに基づいて、対応するパネル領域での昇格演出パターンを選択決定する(S923)。
次に、昇格演出有無選択用の乱数SR6を抽出し、図32(C)の昇格演出有無選択テーブルを用い、S923で決定された昇格演出パターンと、SR6の抽出値とに基づいて、対応するパネル領域での昇格演出の有無を選択決定する(S924)。
次に、S924により昇格演出有の決定がされたか否かを確認する(S925)。S925により昇格演出有の決定がされていないときは、S923で決定された昇格演出パターンの最終の表示の表示態様で、対応するパネル領域での表示を実行し(S928)、処理を終了する。一方、S925により昇格演出有の決定がされているときは、S923で決定された昇格演出パターンのデータを、対応するパネル領域の昇格演出パターンとしてRAM102における所定の昇格演出パターン記憶領域に記憶する(S926)。そして、S923で決定された昇格演出パターンのうちの最初の表示態様(1段階目の表示態様)で、対応するパネル領域での表示を実行し(S927)、処理を終了する。
図柄4R時短大当りの大当り遊技状態終了後において、第2保留記憶数が上限値に到達するまでの間、第2始動入賞が検出されるごとに、このような先読みパネル処理が実行されることにより、図29(C)〜(E)のように、第2始動入賞が検出されるごとにパネル画像85の各パネル領域に保留画像が表示されていく。
図35は、図33のS911で実行されるパネル表示昇格演出処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、パネル表示昇格演出処理において以下のような処理を実行する。
まず、図34のS926で第2保留記憶情報に対応して昇格演出パターン記憶領域に記憶された昇格演出パターンが少なくとも1つあるか否かを確認する(S931)。S931で昇格演出パターン記憶領域に昇格演出パターンが記憶されていないときは、処理を終了する。一方、S931で昇格演出パターン記憶領域に昇格演出パターンが記憶されているときは、第2始動入賞口14への入賞に基づく第2保留記憶数の上限値を超えたオーバー入賞の個数を計数するオーバー入賞カウンタの値を+1更新する(S932)。オーバー入賞カウンタの初期値は「0」である。
次に、S932で加算更新後のオーバー入賞カウンタの計数値に基づいて、昇格演出領域に記憶された昇格演出パターンに応じた昇格演出を実行させ(S933)、処理を終了する。たとえば、1つ目の第2保留記憶情報に対応して「C→B→A」という昇格演出パターンが記憶され、対応するパネルに「C」が表示され、2つ目の第2保留記憶情報に対応して「D→C→B」という昇格演出パターンが記憶され、対応するパネルに「D」が表示されている場合において、次のようにパネル画像85が変化する演出が実行される。たとえば、第2保留記憶数が上限値に到達した後、1回目のオーバー入賞が検出されたときは、オーバー入賞カウンタの計数値が「1」となったことに基づいて、1つ目の第2保留記憶情報に対応するパネルの表示が「C」→「B」に変化し、2つ目の第2保留記憶情報に対応するパネルの表示が「D」→「C」に変化する。そして、その後、2回目のオーバー入賞が検出されたときは、オーバー入賞カウンタの計数値が「2」となったことに基づいて、1つ目の第2保留記憶情報に対応するパネルの表示が「B」→「A」に変化し、2つ目の第2保留記憶情報に対応するパネルの表示が「C」→「B」に変化する。
このように、パネル表示昇格演出処理においては、第2保留記憶数が上限値に到達後、可変入賞球装置15の第2始動入賞口14へのオーバー入賞が検出されるごとに、パネル画像85での昇格演出が実行される。
図示を省略しているが、パネル表示昇格演出処理においては、第2始動入賞口14へのオーバー入賞が検出されるごとに、パネル画像85での昇格演出が実行されるが、予め選択された昇格演出パターンに応じた個数のオーバー入賞がなかったときには、該当するパネル領域について、パネル表示昇格演出処理の終了時に、予め選択された昇格演出パターンの最終表示の表示態様に強制的に変化させる演出が実行される。なお、そのような演出を実行せずに、選択された昇格演出パターンに応じた個数のオーバー入賞がなかったときには、パネル表示昇格演出処理の終了時の表示態様をそのまま継続させてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図31に示すように、専用の演出制御コマンドを用いずに、第2始動入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数指定コマンドのような既存の演出制御コマンドを用いて、図29(G),(H)のようなオーバー入賞時の昇格演出等の各種演出を実行することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
(2) 図29(F)の「まだまだ!!」、図29(G),(H)の「まだまだ右打ち!」等のように、先読みパネル演出では、第2保留記憶情報の記憶数が上限値に達した状態でも入賞促進演出が実行されることにより、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)へ入賞させればよい状態であることを遊技者に分かり易くなるようにすることができる。
(3) 図30に示すように、先読みパネル演出では、第2保留記憶情報の記憶数が上限値に達した状態でも入賞促進演出が所定期間(変動表示開始時から20秒間)に亘り実行されることにより、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)へ入賞させればよいことをより一層遊技者に分かり易くなるようにすることができる。
(4) 先読みパネル演出では、第2保留記憶情報の記憶数に対応する数のパネル表示が行なわれ、そのパネル表示について、大当りとなる期待度がより高い期待度に変化するか否かを示唆する図29(G),(H)のような昇格演出が行なわれることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図30に示すように、先読みパネル演出では、第2保留記憶情報の記憶数が上限値に達した状態において第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100が受信するごとに昇格演出が実行されるので、第2保留記憶情報数が上限値に達した状態での可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)への入賞ごとに昇格演出による保留画像の変化に対する遊技者の期待感を高めることができる。
(6) 図31のS631〜S634では、第2始動入賞指定コマンドを受信したが第2保留記憶数指定コマンドを受信しなかったときは、第2始動入賞コマンド正常受信フラグがセットされないことにより、昇格演出が実行されない等、2保留記憶情報数が上限値でない状態で第2保留記憶数指定コマンドを受信せずに、第2始動入賞指定コマンドのみを受信したときは、第2保留記憶数指定コマンドを取りこぼした場合のように、異常なコマンド受信パターンである。その場合には、異常なコマンド受信であるとみなして、第2始動入賞コマンド正常受信フラグがセットされないので、たとえば、前述のようなオーバー入賞に基づく昇格演出等、意図しない状況で所定演出が誤って実行されてしまうこと、および、演出において予期しないバグが発生してしまうことを防ぐことができる。
(7) 図21のように、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図20のようなラウンド数示唆演出が実行されることにより、特定領域に遊技媒体が進入した後、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて、V入賞オーラ画像95を表示する演出のような所定演出の演出態様が変化させられるので、遊技の進行が間延びすることなく、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図20のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出が、V入賞画像94の表示によりV入賞を報知する演出が実行されたことに関連して実行されるので、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(10) 図20のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、V判定入賞装置87に進入した遊技球の数に応じて段階的に変化可能であるので、ラウンド数示唆演出とV判定入賞装置87に進入した遊技球の数とに遊技者を注目させることができる。
(11) 図23のように、V入賞オーラ画像95によるラウンド数示唆演出の演出態様(色)が、小当り遊技状態においてV入賞したことに基づいて制御される大当り遊技状態のラウンド数(ラウンド数の有利度)に応じて段階的に変化可能であるので、当該大当りのラウンド数を遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(12) 図21のように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報と小当りとなると判定された保留記憶情報との合計が複数以上記憶されていると判定されたときに保留報知演出が実行されるので、保留連報知演出が実行されたときに、大当りとなり得る保留記憶情報が複数存在していることを遊技者が認識することができることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(13) 図21のように、小当り遊技状態の演出期間が変化しても遊技者に違和感を与えないようにするための期間調整画像として、ブラックアウト表示が実行される。このような期間調整画像としてブラックアウト表示を実行することより、演出期間の調整等について保留連報知演出を好適に実行することができる。
(14) 保留連報知演出では、たとえば、図21(C)の「+3BONUS」と、図21(D)の「+4BONUS」とのように、保留記憶情報内で大当りとなり得る保留記憶情報の合計個数が所定数未満のとき(3個等)と、所定数以上のとき(4個等)とで実行する特別演出の演出態様が異なることにより、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(15) 図24のように、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとのような遊技者にとって有利なラウンド数となる大当りとなり得る保留記憶情報の数に応じて、保留連報知演出を実行する割合が異なるので、保留連報知演出が実行された際に、有利なラウンド数となる大当りが何回分実行されるかについて、遊技者を注目させることができる。
(16) 保留連報知演出有無決定テーブルでは、大当り種別のうち、図柄15R時短大当りと小当り経由16(15)R時短大当りとの保留連個数の合計が2個以上のときに
保留連報知演出を実行するようにデータが設定されている。これにより、保留連報知演出が実行されたときに、大当り種別のうち、ラウンド数が多いことにより遊技者にとってより有利となる大当り種別となり得る保留記憶情報が複数以上記憶されていることを遊技者が認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(17) 図21のように、図柄大当りになると判定された保留記憶情報、または、小当りになると判定された保留記憶情報のうち少なくともいずれか一方が含まれていることに基づいて、保留連報知演出が実行可能であるので、演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(18) 図21のように、図柄大当りとなると判定された保留記憶情報、および、小当りとなると判定された保留記憶情報の数が保留連報知演出において特定可能に報知されるので、遊技者にとって有利な保留記憶情報の数を遊技者が具体的に認識可能となることにより、演出により遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(19) 小当り遊技状態においてV入賞が発生したときに、図21(A)のV入賞報知が実行可能であり、さらに、保留連報知演出が実行可能であるので、小当り遊技状態においてV入賞が発生したときの演出に遊技者を注目させることができる。
(20) [保留連報知演出の演出態様変化の変形例]に示すように、図柄大当りとなる保留記憶情報および小当り経由大当りとなる保留記憶情報の合計数が複数ある場合と、小当り経由大当りとなる保留記憶情報のみが複数ある場合とで保留連報知演出の演出態様が異なるときに、保留連種別に応じて、実行する保留連報知演出の演出態様を異ならせることが可能であるので、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(21) [保留連報知演出の演出態様変化の変形例]に示すように、第1保留連種別〜第3保留連種別のそれぞれについて、実行する演出態様を選択する割合が異なるようにする場合には、いずれの演出態様で保留連報知演出が実行されるかに遊技者を注目させることができる。
(22) [保留連報知演出の制限制御をする変形例]に示すように、保留連が複数あることを報知する保留連報知演出を実行した後は、保留連報知演出の対象となった保留記憶情報がすべて消化されるまで保留連報知演出の実行が禁止されることにより、保留連報知演出を新たに実行することが制限されるので、当該保留連報知演出の報知対象の保留記憶情報がどれかを明確化することができる。
〔その他の変形例〕
次に、その他の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、先読みパネル演出として、第2保留記憶情報に対応するパネルを表示してパネルの表示態様により大当りとなる期待度を示唆し、大当りとなる期待度を昇格可能とする演出を示したが、これに限らず、先読みパネル演出として、第1保留記憶情報に対応するパネルを表示してパネルの表示態様により大当りとなる期待度を示唆し、大当りとなる期待度を昇格可能とする演出を実行するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、先読みパネル演出として、第2保留記憶情報に対応するパネルを表示してパネルの表示態様により大当りとなる期待度を示唆し、大当りとなる期待度を昇格可能とする演出を示したが、これに加え、当該変動表示に対応するパネルの表示態様についても、大当りとなる期待度を昇格可能とする演出を実行可能としてもよ
い。
(3) 前述した実施の形態では、先読みパネル演出について、図32に示すように、先に最終表示と、昇格演出パターンとを選択した後、昇格演出の有無を決定する例を示したが、これに限らず、先に、昇格演出の有無を決定し、昇格演出有の決定がされた場合にのみ、最終表示と、昇格演出パターンとを選択するようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、予め昇格演出パターンを選択しておき、オーバー入賞が検出されるごとに昇格演出パターンにしたがって昇格させる演出を示した。しかし、これに限らず、予め昇格演出パターンを選択せずに、オーバー入賞が検出されるごとに、昇格演出を実行するか否かを抽選により選択するようにしてもよい。その場合においては、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、昇格演出を実行する割合が高くなるようにすることが望ましい。
(5) 前述した実施の形態で示した可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)へのオーバー入賞に応じた演出は、前述した先読みパネル演出以外に、大当り期待度に応じて枠ランプ等の各種発光体を変化させる演出、および、大当り期待度に応じて演出図柄の背景画像の表示態様を変化させる演出等のその他の演出に適用することも可能である。
(6) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出の演出パターンを実行するための抽選による各種選択決定は、小当りとなる変動表示の変動開始時に実行してもよく、その小当り遊技状態となった時点で実行してもよい。
(7) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出として、予め決定された演出パターンにしたがって遊技球の進入ごとにV入賞オーラ画像95の演出態様を変化させる例を示した。しかし、これに限らず、遊技球の進入検出ごとに、V入賞オーラ画像95の演出態様(たとえば、色)を変化させるか否かを抽選により決定し、その抽選結果に基づき、V入賞オーラ画像95の演出態様を変化させるようにしてもよい。その場合には、遊技球の進入検出ごとに、色変化させるか否かの判定と、変化させる色の選択決定とを実行してもよく、遊技球の進入検出ごとに、色変化を必ずさせるものとし、変化させる色の選択決定をするようにしてもよい。
(8) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出においてV入賞オーラ画像95が虹色となったときに、16(15)R時短大当りとなることが確定する例を示した。しかし、これに限らず、16(15)R時短大当りとなり、かつ、保留連となる保留記憶情報が存在するときに、V入賞オーラ画像95が虹色となるような演出をしてもよい。また、5(4)R時短大当りとなり、かつ、保留連となる保留記憶情報が存在するときに、V入賞オーラ画像95が虹色となるような演出をしてもよい。
(9) 前述した実施形態では、所定演出としてのラウンド数示唆演出において、V入賞オーラ画像95の色が変化し得る演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、ラウンド数示唆演出としては、V入賞画像94が「v」字から「W」字に変化する演出を実行してもよい。その場合においては、V入賞オーラ画像95の色が前述した場合と同様に変化するようにしてもよい。
(10) 前述した実施形態では、有利状態として説明した大当り遊技状態は、可変入賞手段を複数回開放させる大当り遊技状態の一例が代表例として挙げられる。
(11) 前述した実施形態では、ラウンド示唆演出として、V入賞画像94に付随してV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出を一例として示したが、これに限らず、V
入賞画像94に付随しない画像としてV入賞オーラ画像を表示し(たとえば、V入賞画像94から離れた位置でオーラ状のエフェクト画像を表示する等)、その色を変化させる演出をしてもよい。また、V入賞画像94に付随してV入賞オーラ画像95の色を変化させる演出を実行するか否かは所定の抽選により、実行するか否かを決定し、実行しない場合があってもよい。
(12) 前述した実施形態では、保留連報知として、「+3BONUS」のように、図柄大当りの保留連数と、小当りによる保留連数との合計を特定可能な表示をする例を示した。しかし、これに限らず、図柄大当りの保留連数と、小当りによる保留連数とのそれぞれが個別に特定可能となるような表示をしてもよい。
(13) 前述した実施形態では、ラウンド数示唆演出を実行するときの演出パターンとして、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の演出データを設けていないが、これに限らず、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の演出データを設けてもよい。たとえば、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超える場合の色は、10個目の色と同じ色とする等の演出データを設けてもよい。このようにすれば、V判定入賞装置87への遊技球の進入個数が10個を超えた場合についても、違和感を生じさせることなく、ラウンド数示唆演出を実行することができる。
(14) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報の内容を先読みして、「図柄大当り」となる保留記憶情報と「小当り」となる保留記憶情報とのいずれかがある場合に、保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、「小当り」となる保留記憶情報がある場合にのみ保留連報知演出を実行するようにしてもよい。「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合にのみ保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
(15) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内に、「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合と、「小当り」となる保留記憶情報がある場合とのそれぞれについて、同様の演出態様の保留連報知演出を実行する例を示した。しかし、これに限らず、「図柄大当り」となる保留記憶情報がある場合と、「小当り」となる保留記憶情報がある場合とで異なる演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(16) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内にある「図柄大当り」の数と「小当り」の数との合計数にかかわらず、同様の演出態様の保留連報知演出を実行してもよく、当該合計数に応じて異なる演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(17) 前述した実施形態では、大当り遊技状態が発生したときに存在する第2保留記憶情報内に、「図柄大当り」のみがある場合と、「小当り」のみがある場合と、「図柄大当りおよび小当りの両方がある場合」とで同様の演出態様の保留連報知演出を実行してもよく、これらの場合に応じて異なる種類の演出態様の保留連報知演出を実行してもよい。
(18) 保留連報知演出を実行するための第2保留記憶情報の先読みは、小当りまたは大当りとなる変動表示の開始時に実行してもよく、小当り遊技状態中に実行してもよく、大当り遊技状態中に実行してよい。
(19) 前述した保留連報知演出として実行されるVランプ演出は、保留連数を報知
可能な演出でなくてもよく、保留連数を報知可能な演出であってもよい。保留連数を報知可能な演出とする場合には、Vランプ演出において、保留連数とランプの発光色との関係を予め定めておき、その関係に基づいて、ランプ発光色により保留連数を報知可能としてもよい。
(20) 「小当り経由の大当り」については、小当りと判定されたときに大当りの種類を選択決定するのではなく、V入賞が発生したときに、大当りのラウンド数等の制御パターンを複数種類の制御パターンから選択するようにしてもよい。
(21) 前述した実施形態に示した可変入賞球装置15、V判定入賞装置87、および、大当り可変入賞球装置20等の構造物の配置は、一例であり、次のような、異なる配置を採用してもよい。たとえば、大当り可変入賞球装置20は、右遊技領域に設けてもよい。また、大当り可変入賞球装置20の内部にV入賞領域を設け、その大当り可変入賞球装置20が、大当り用の可変入賞球装置と、小当り用の可変入賞球装置とを1つの可変入賞球装置で兼用するようにしてもよい。
(22) 前述した実施形態では、V判定入賞装置87のV入賞領域に遊技球が入賞したときに、大当り遊技状態となって大当り可変入賞球装置20のみが開放する例を示したが、これに限らず、その大当り遊技状態において、V判定入賞装置87も所定の開放態様で開放されるようにしてもよく、V判定入賞装置87のみが所定の開放態様で開放されるようにしてもよい。
(23) 前述した実施形態では、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、必ずV判定入賞装置87が開放される例を示したが、これに限らず、可変入賞球装置15の開放時に遊技球が可変入賞球装置15内に入賞したときに、特定の抽選に基づいて開放状態とするか否かを決定し、開放状態とする抽選結果となったときに、V判定入賞装置87を開放するようにしてもよい。
(24) 前述した実施形態では、小当り遊技状態においてV判定入賞装置87内のV入賞領域に遊技球が入賞したら大当り遊技状態に制御される例を示したが、これに限らず、小当り遊技状態と同様の動作が実行される大当り遊技状態の制御により、このような遊技状態の動作を実行させるようにしてもよい。たとえば、第1ラウンドでV判定入賞装置87を開放し、第2ラウンド以降のラウンドで大当り可変入賞球装置20を開放するような開放パターンの大当り遊技制御を実行可能とする。大当り判定によりこのような大当り遊技制御を実行することが決定された場合には、このような大当り遊技状態が開始され、当該大当り遊技状態の第1ラウンドの制御として、V判定入賞装置87を開放させることにより小当り遊技状態と見せ、第1ラウンドで遊技球がV入賞領域870にV入賞したときに、当該大当り遊技状態を継続させることにより、大当り可変入賞球装置20を開放させる第2ラウンド以降のラウンド制御を実行させて大当り遊技状態と見せる。一方、当該大当り遊技状態の第1ラウンドで、V判定入賞装置87において遊技球がV入賞領域870に入賞しないときには、当該大当り遊技状態として、第2ラウンド以降に継続させずに、第1ラウンドで終了させる制御を実行する。
(25) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の
手元に払出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の遊技球を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、球貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、遊技球の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。
(26) 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
(27) 遊技者にとって有利な遊技状態とは、大当り遊技状態、時短状態、高ベース状態、および、大当り遊技後の遊技状態が通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態等、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であればどのような遊技状態であってもよい。
(28) 前述した操作演出では、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段として、スティックコントローラ122のような遊技者により操作可能な操作手段の操作を検出可能な傾倒方向センサユニット123のような検出手段を一例として示した。しかし、これに限らず、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては、プッシュボタン120の操作を検出可能なプッシュセンサ124等のその他の検出手段を用いてもよく、操作手段の操作を検出する手段ではなく、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。
(29) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
14 第2始動入賞口、1 パチンコ遊技機、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、100 演出制御用マイクロコンピュータ、55 RAM、15 可変入賞球装置、87 V判定入賞装置、870 V入賞領域、95 V入賞オーラ画像。

Claims (1)

  1. 遊技媒体が始動領域を通過したことに基づいて変動表示を行ない、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
    遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
    前記遊技制御手段から送信される情報に応じて演出を制御する演出制御手段と、
    変動表示に関する情報を保留記憶情報として記憶する保留記憶手段と、
    遊技媒体が前記始動領域へ進入可能な進入可能状態へ変化可能な可変手段と、
    前記可変手段への遊技媒体の進入を促進する促進報知を実行可能な促進報知実行手段と、を備え、
    前記遊技制御手段は、
    遊技媒体が前記始動領域を通過したことを特定可能な第1情報と、
    前記保留記憶手段における前記保留記憶情報の記憶数に関する第2情報と、を送信可能であり、
    前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数に達した状態で遊技媒体が前記始動領域を通過したときに、前記第1情報を送信するが前記第2情報を送信せず、
    前記演出制御手段は、前記保留記憶情報の記憶数が所定の上限数に達した状態で遊技媒体が前記始動領域を通過したときに、前記第1情報を受信したが前記第2情報を受信しなかったことに基づいて、所定演出を実行可能であり、
    前記所定演出として、
    実行中の変動表示と、前記保留記憶手段に記憶された前記保留記憶情報とに関連して表示された複数の特定画像を前記第1情報に基づいて変化させることにより、前記有利状態に制御される期待度を示唆可能であ
    それぞれの前記特定画像に対応した変動表示において、前記所定演出によって変化した前記特定画像に応じて異なる内容の特別演出を実行することによって、前記有利状態に制御されることを報知可能であり、
    前記特別演出が実行されているときに、前記特定画像を非表示とする、遊技機。
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