以下、本発明の一実施形態を示す遊技機であるパチスロについて、図1〜図69を参照しながら説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2〜図6を参照して、一実施形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、後述するホッパー装置51やメダル補助収納庫52等(図5参照)を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
外装体2の内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば20個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11とを備えている。
ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに取り付けられており、キャビネット2aの開口部を開閉する。ヒンジは、パチスロ1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられている。この液晶表示装置11は、表示部(表示画面)11aを備えており、液晶表示装置11を用いて映像の表示による演出が実行される。
フロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させるパネル開口10aを有する枠状に形成されている。フロントパネル10には、ランプ群18が設けられている。ランプ群18は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
フロントドア2bの中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
図柄表示領域4は、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール3L,3C,3Rに対応して設けられている。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リール3L,3C,3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。本実施の形態では、リール表示窓4の上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかを組み合わせて構成される擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓4は、台座部12に設けられた枠部材13により形成されている。この枠部材13は、リール表示窓4と、情報表示窓14と、ストップボタン取付部15を有している。
情報表示窓14は、リール表示窓4の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。すなわち、リール表示窓4と情報表示窓14は、連続する1つの開口部として形成されている。この情報表示窓14及びリール表示窓4は、透明の窓カバー16によって覆われている。
窓カバー16は、枠部材13の内面側に配置されており、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能になっている。また、枠部材13は、窓カバー16を挟んで情報表示窓14の開口に対向するシート載置部17を有している。そして、シート載置部17と窓カバー16との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー16により覆われている。
情報シートの取付部を構成する窓カバー16は、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能であり、凹凸や隙間の無い滑らかな表面であるため、情報シートの取付部を利用して、パチスロ1の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。
ストップボタン取付部15は、情報表示窓14の下方に設けられており、正面を向いた平面に形成されている。このストップボタン取付部15には、ストップボタン19L,19C,19Rが貫通する貫通孔が設けられている。ストップボタン19L,19C,19Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン19L,19C,19Rを、それぞれ左ストップボタン19L、中ストップボタン19C、右ストップボタン19Rという。
ストップボタン19L,19C,19Rは、遊技者による操作の対象となる各種装置の一例を示す。また、台座部12には、遊技者による操作の対象となる各種装置として、メダル投入口21、BETボタン22、スタートレバー23、SELECTボタン28、エンターボタン29が設けられている。
メダル投入口21は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口21に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数(例えば、3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分はパチスロ1の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
BETボタン22は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。スタートレバー23は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。
また、フロントドア2bを正面から見てリール表示窓4の左側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器24が設けられている。この7セグ表示器24は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア2bを正面から見て台座部12の左側には、精算ボタン27が設けられている。この精算ボタン27は、パチスロ1の内部に預けられている外部に引き出す(排出する)ために設けられる。台座部12の下方には、腰部パネルユニット31が設けられている。腰部パネルユニット31は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源を有している。
腰部パネルユニット31の下方には、メダル払出口32と、スピーカ用孔33L,33Rと、メダルトレイユニット34が設けられている。メダル払出口32は、後述のメダルセレクタ201から排出されるメダルや後述のホッパー装置51の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口32から排出されたメダルは、メダルトレイユニット34に貯められる。スピーカ用孔33L,33Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
[内部構造]
図3及び図4は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。この図3では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側に設けられたミドルドア41がフロントドア2bに対して閉じた状態を示している。また、図4では、フロントドア2bが開放され、ミドルドア41がフロントドア2bに対して開いた状態を示している。
また、図5は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図6は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
キャビネット2aは、上面板20aと、底面板20bと、左右の側面板20c,20dと、背面板20eを有している(図5参照)。キャビネット2a内部の上側には、キャビネット側スピーカ42が配設されている。このキャビネット側スピーカ42は、取付ブラケット43L,43Rを介してキャビネット2aの背面板20eに取り付けられている。キャビネット側スピーカ42は、例えば、効果音を出力するためのスピーカである。
キャビネット2a内部を正面から見て、キャビネット側スピーカ42の左側方には、キャビネット側中継基板44が配設されている。このキャビネット側中継基板44は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。キャビネット側中継基板44は、ミドルドア41(図3及び図4参照)に取り付けられた後述する主制御基板71(図14参照)と、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ(不図示)、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
キャビネット2a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ42による音の出力を制御するアンプ基板45が配設されている。このアンプ基板45は、左右の側面板20c,20dに固定された取付棚46に取り付けられている。
また、キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の右側には、外部集中端子板47が配設されている(図5参照)。この外部集中端子板47は、キャビネット2aの右側面板20dに取り付けられている。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の左側には、サブ電源装置48が配設されている。このサブ電源装置48は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。サブ電源装置48は、交流電圧100Vの電力を後述する電源装置53に供給する。また、交流電圧100Vの電力を直流電圧の電力に変換して、アンプ基板45に供給する。
キャビネット2aの内部の下側には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置)51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53が配設されている。
ホッパー装置51(貯留手段)は、キャビネット2aにおける底面板20bの中央部に取り付けられている。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能であり、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、例えば、精算ボタン27(図2参照)が押圧されてパチスロ内部に預けられているメダルの精算を行うときに、収容したメダルをクレジット枚数分排出する。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口32(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置されている。メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板20bに係合されており、底面板20bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板20cに取り付けられている。この電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53bを有している(図14参照)。電源装置53は、サブ電源装置48から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
図3,図4及び図6に示すように、ミドルドア41は、フロントドア2bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓4(図4参照)を裏側から開閉可能に構成されている。ミドルドア41の上部と下部には、ドアストッパ41a,41b,41cが設けられている。このドアストッパ41a,41b,41cは、リール表示窓4を裏側から閉じた状態のミドルドア41の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア41を開くには、ドアストッパ41a,41b,41cを回転させてミドルドア41の固定を解除する必要がある。
ミドルドア41には、主制御基板71(図14参照)を収納した主制御基板ケース55と、3つのリール3L,3C,3Rが取り付けられている。3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
図6に示すように、主制御基板ケース55には、設定用鍵型スイッチ56が設けられている。この設定用鍵型スイッチ56は、パチスロ1の設定を変更もしくはパチスロ1の設定の確認を行うときに使用する。
本実施の形態では、主制御基板ケース55と、この主制御基板ケース55に収納された主制御基板71により、主制御基板ユニットが構成されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71(第1制御部)は、後述する主制御回路91(図15参照)を構成する。主制御回路91は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路91の具体的な構成は後述する。
ミドルドア41の上方には、副制御基板72(図14参照)を収容する副制御基板ケース57が配設されおり、副制御基板ケース57の上方には、センタースピーカ58が配設されている。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72は、副制御回路101(図16参照)を構成する。この副制御回路101(第2制御部)は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路101の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース57の右側方には、副中継基板61が配設されている。この副中継基板61は、副制御基板72と主制御基板71とを接続する配線を中継する。また、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。なお、副制御基板72の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板62A,62B,62Cが挙げられる。
LED基板62A,62B,62Cは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース57の両側に配設されている。これらLED基板62A,62B,62Cは、副制御回路101(図16参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示す複数のLED(Light Emitting Diode)85(図14参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施の形態のパチスロ1には、LED基板62A,62B,62C以外に複数のLED基板を備えている。
副中継基板61の下方には、24hドア開閉監視ユニット63が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット63は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、フロントドア2bを開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路101)に出力する。
ミドルドア41の下方には、ボードスピーカ64と、下部スピーカ65L,65Rが配設されている。ボードスピーカ64は、腰部パネルユニット31(図2参照)に対向しており、下部スピーカ65L,65Rは、それぞれスピーカ用孔33L,33R(図2参照)に対向している。
下部スピーカ65Lの上方には、メダルセレクタ201と、メダルシュート202と、ドア開閉監視スイッチ67と、が配設されている。メダルセレクタ201は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを判別する装置であり、メダル投入口21に投入されたメダルを、スロープ203を介してホッパー装置51へ案内し、又はメダルシュート202へ案内する。メダルセレクタ201の具体的な構成については後述する。
メダルシュート202は、略Y字状の筒状の部材であり、メダルセレクタ201によって案内されたメダルやホッパー装置51から排出されたメダルをメダル払出口32(図2参照)に案内する。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、メダルセレクタ201の左側方に配置されている。このドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方であってミドルドア41により開閉される領域には、ドア中継端子板68が配設されている(図4参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71(図14参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板72(図14参照)、メダルセレクタ201及び遊技動作表示基板81(図14参照)との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、BETボタン22、精算ボタン27、ドア開閉監視スイッチ67、後述するBETスイッチ77、スタートスイッチ79等を挙げることができる。
<メダルセレクタの構成>
次に、図7〜図13を参照して、メダルセレクタ201の具体的な構成について説明する。図7は、メダルセレクタ201をパチスロ1の斜め後方から見た斜視図であり、メダルセレクタ201に固定されるカバー部材240を外した態様を示している。図8は、メダルセレクタ201の分解図である。図9は、メダルセレクタ201をパチスロ1の斜め前方から見た斜視図である。図10は、メダルセレクタ201の後述するベース板部204の背面図である。図11は、メダルセレクタ201の後述するセレクトプレート207の斜視図である。図12は、メダルセレクタ201がメダルをホッパー装置51へ案内する場合のメダルの経路を示す図である。図13は、メダルセレクタ201がメダルをメダルシュート202に案内する場合のメダルの経路を示す図である。なお、図7〜図13に示す矢印Xはパチスロ1の左右方向を示し、矢印Yはパチスロ1の前後方向を示し、矢印Zは上下方向を示す。なお、本実施形態のメダルセレクタ201並びに後述する各変形例におけるメダルセレクタ301,メダルセレクタ401、メダルセレクタ501、メダルセレクタ601、メダルセレクタ701及びメダルセレクタ801のそれぞれは、遊技媒体検出手段を構成する。
図7〜図9に示すように、メダルセレクタ201は、ベース板部204と、サブプレート205と、キャンセルシュータ206と、セレクトプレート207(ガイド手段)と、メダルソレノイド208(駆動手段、図9参照)、カメラユニット209(撮像手段、又は、通過物体検出手段)と、を備えている。また、図7に示すように、メダルセレクタ201には、メダルセレクタ201のパチスロ1の前後方向の後側を覆うカバー部材240が固定されている。図7では、メダルセレクタ201から取り外したカバー部材240を破線で示している。カバー部材240は、メダルセレクタ201におけるパチスロ1の前後方向の後側を覆う閉鎖状態と、同後側を露出する開放状態に設定可能である。
ベース板部204は、メダルセレクタ201の外枠筐体を構成する略板状の部材であり、パチスロ1の左右方向の両端部がパチスロ1の後方に折曲するように成型されている。ベース板部204は、パチスロ1の前後方向に直交する一方の平面である後面204bと他方の平面である前面204a(図9参照)を有している。後面204bには、メダルレール210(通路形成部)が、パチスロ1の前方へ凹むように、且つ、略L字状に形成されている。メダルレール210の表面には、複数の突条部210aが形成されている。
ベース板部204の上端部には、メダル投入口21(図2参照)から投入されるメダルを受け入れるメダル入口部211が設けられている。メダル入口部211からメダルセレクタ201内に投入されたメダルは、メダルレール210に沿って上方から下方へ移動する。ベース板部204の下部には、メダル出口部204c(図8参照)が設けられている。メダルセレクタ201内を移動したメダルは、メダル出口部204cから排出され、スロープ203(図4参照)を介してホッパー装置51に収容される。
メダルレール210の略中間位置には前後方向に貫通する中央孔212が形成されており、この中央孔212からはメダルプレッシャ213(図8参照)の端部が露出している。図9に示すように、メダルプレッシャ213は、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部214に回動可能に支持されている。この軸部214には、コイルばね215が取り付けられており、メダルプレッシャ213は、コイルばね215により、メダルプレッシャ213が中央孔212から突出するように付勢されている。
図9に示すように、ベース板部204の前面204aには、磁石217が設けられている。磁石217は、メダルレール210上を移動するメダルの内、適正な材質でない不正メダルを吸着(着磁)する。
また、図8に示すように、メダルレール210の下流領域の略中央部には、前後方向に貫通し、後述するアフタメダルプレッシャ218の後端部が露出する上露出孔219が形成されている。また、メダルレール210の下流領域の下部には、前後方向に貫通し、セレクトプレート207の後述するメダルストッパ部227が露出する下露出孔220が形成されている。
また、図10に示すように、メダルレール210には、6つの基準マーカー260が形成されている。基準マーカー260は、カメラユニット209が撮像するメダルレール210上の領域である撮像領域A1(図10では1点鎖線で示す)内に配置されている。
基準マーカー260は、上部基準マーカー261と、下部基準マーカー262とからなり、上部基準マーカー261は、メダルレール210の上部で、傾斜しながら、左右方向に3つ並ぶように配置されている。また、下部基準マーカー262は、メダルレール210の下部で、傾斜しながら左右方向に3つ並ぶように配置されている。
基準マーカー260は、カメラユニット209が撮像した撮像領域の画像データにおいて、基準マーカー260が形成されている箇所の画素に係る輝度と、基準マーカー260が形成されていない箇所の画素に係る輝度と、が所定値以上異なるように、形成されている。本実施形態では、各基準マーカー260は、メダルレール210に三角形の孔を空けることで形成されている。なお、基準マーカー260の形成態様はこれに限らず、孔の形状は適宜選択可能である。また、例えば、基準マーカー260を、メダルレール210上に、メダルレール210の地の色とは、異なる色の図形を印刷することで、形成してもよい。
図9に示すように、メダルソレノイド208は、ソレノイド本体部208aと、板状に形成され、一端部及び他端部が前後方向に移動可能にソレノイド本体部208aに支持されている可動板部208bを備えている。アフタメダルプレッシャ218は、ベース板部204の前面204aに回動可能に軸支されている。アフタメダルプレッシャ218の前端部がメダルソレノイド208の可動板部208bによってパチスロ1の後方へ押圧されると、アフタメダルプレッシャ218は回動し、アフタメダルプレッシャ218の後端部が上露出孔219(図8参照)から露出する。
図7及び図8に示すように、キャンセルシュータ206は、略板状の部材であり、パチスロ1の左右方向の両端部がパチスロ1の前方に折曲するように成型されている。キャンセルシュータ206は、ベース板部204に着脱可能に固定され、ベース板部204の下部を後方から覆っている。キャンセルシュータ206は、メダル出口部204cを介することなく排出されるメダルをメダルシュート202(図4参照)に案内する。キャンセルシュータ206の左右方向の略中央部の上部には、下方に略矩形状に切り欠いた切欠き部206aが形成されている。
また、キャンセルシュータ206には、報知用LED206cが設けられている。報知用LED206cは、後述するAE補正処理においてエラーが発生した旨を点灯して報知する報知手段を構成する。また、初期化スイッチ206d、色スイッチ206e、刻印スイッチ206fが設けられている。初期化スイッチ206dは、後述する各種テンプレートの削除を含む各種設定をリセットする際に操作される。色スイッチ206eは、後述する色判定の有効、無効を切り換える際に操作される。刻印スイッチ206fは、後述する刻印判定の有効、無効を切り換える際に操作される。
図7及び図8に示すように、サブプレート205は、メダルレール210を後方から覆う板状の部材である。サブプレート205は、平板状の本体部221と、この本体部221の上部に設けた軸部222と、を有している。本体部221の略中央部には、前後方向に貫通する貫通孔221aが設けられており、貫通孔221aからはメダルレール210の略中央部から下流領域が露出している。
軸部222は、ベース板部204に支持されており、サブプレート205は、軸部222を中心に回動可能にベース板部204に取り付けられている。軸部222には、にはコイルばね223が取り付けられている。通常時、サブプレート205は、コイルばね223の付勢力により、ベース板部204側に押し付けられている。このとき、サブプレート205と、サブプレート205に覆われたメダルレール210の上部との間には、メダルが通過可能な空間が形成されている。すなわち、サブプレート205は、メダルを通過させるガイド板として機能する。
ここで、例えば、メダルセレクタ201内にメダル詰まりが生じた場合、サブプレート205をコイルばね223の付勢力に抗して回動させて、メダル詰まりを解消することができる。
図7に示すように、セレクトプレート207は、サブプレート205に覆われていないメダルレール210の略中央部を移動するメダルをガイドする部材である。図11に示すように、セレクトプレート207は、略台形板状のプレート本体224と、プレート本体224の左右方向の両端部がパチスロ1の前方へ折曲することで形成されている一対の軸受部225と、を有している。また、プレート本体224の上部には、パチスロ1の前方へ折曲し、後端部が上方へ折曲することで形成されているフランジ部226が形成されている。また、一方の軸受部225には、下方へ延びるメダルストッパ部227が形成されている。
図7に示すように、プレート本体224は、サブプレート205に覆われていないメダルレール210の略中央部とパチスロ1の前後方向に対向している。
図9に示すように、セレクトプレート207は、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部228に回動可能に支持されている。軸部228にはコイルばね229が設けられており、フランジ部226をパチスロ1の前方へ付勢する。フランジ部226は、メダルソレノイド208の可動板部208bの一端部と接触している。メダルソレノイド208がON状態にあるとき、フランジ部226はメダルソレノイド208の可動板部208bの一端部に押圧され、コイルばね229の付勢力に抗してパチスロ1の後方へ移動する。このときの、セレクトプレート207の回動位置を「ガイド位置」と称する。ガイド位置にあるセレクトプレート207のプレート本体224とメダルレール210との距離は、メダルをキャンセルシュータ206側に排出することなくホッパー装置51へガイド可能な所定の距離に設定されている。また、このときメダルストッパ部227は、下露出孔220(図8参照)から突出しない。
また、メダルソレノイド208がOFF状態にあるとき、フランジ部226はメダルソレノイド208の押圧から解放され、コイルばね229の付勢力によってパチスロ1の前方へ移動する。このときの、セレクトプレート207の回動位置を「排出位置」と称する。排出位置にあるセレクトプレート207のプレート本体224とメダルレール210との距離は、所定の距離よりも長い距離に設定されている。このとき、パチスロ1の前方へ移動するフランジ部226に押圧され、メダルソレノイド208の可動板部208bの一端部はパチスロ1の前方へ移動する。これに伴ってメダルソレノイド208の可動板部208bの他端部がパチスロ1の後方へ移動し、アフタメダルプレッシャ218の前端部を押圧する。これによってアフタメダルプレッシャ218は回動し、アフタメダルプレッシャ218の後端部が上露出孔219(図8参照)から露出する。
メダルストッパ部227は、セレクトプレート207がガイド位置にあるときは下露出孔220(図8参照)から突出せず、排出位置にあるときは下露出孔220から突出する。
図12に示すように、ガイド位置にあるセレクトプレート207は、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合、移動するメダルの上部と接触し、メダルをメダル出口部204c(図8参照)へ案内する。メダルは、セレクトプレート207に案内されているとき、メダルプレッシャ213をパチスロ1の前方へ押圧する。なお、図12では、メダルセレクタ201のサブプレート205やキャンセルシュータ206の図示を省略している。
一方、図13に示すように、排出位置にあるセレクトプレート207は、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合であっても、プレート本体224とメダルレール210との距離が離れているため、メダルをメダル出口部204c(図8参照)へ案内することができない。また、メダルは、メダルプレッシャ213、上露出孔219から突出するアフタメダルプレッシャ218、又は、下露出孔220から突出するメダルストッパ部227に押し出され、キャンセルシュータ206に向けて排出される。なお、図13では、図12と同様に、メダルセレクタ201のサブプレート205やキャンセルシュータ206の図示を省略している。
また、本実施形態においてセレクトプレート207は、通常、ガイド位置に位置付けされているが、所定の条件下(例えば、規定枚数のメダル投入時、エラー発生時、遊技開始時など)では、排出位置に位置付けされている。
また、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法よりも小径の場合、セレクトプレート207がガイド位置にあっても、メダルはセレクトプレート207に案内されず、メダルプレッシャ213に押し出され、キャンセルシュータ206に向けて排出される。
図7及び図8に示すように、カメラユニット209は、第1の基板230、第2の基板231及び図示しないレンズで構成されており、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判定し、判定結果を主制御回路91に出力するユニットである。第1の基板230には、CMOSイメージセンサ232(図17参照)及びLED233(図17参照)が設けられている。第2の基板231には、CMOSイメージセンサ232及びLED233と通信可能、及び、制御可能に接続されている制御LSI234(図17参照)が設けられている。
第1の基板230と第2の基板231は、BtoB(Board-to-Board)形式のコネクタ(不図示)で接続され、また、各基板230,231の角部に設けられた脚部235によって固定されている。なお、カメラユニット209の回路の具体的な構成については後述する。また、本実施形態では、カメラユニット209を2つの基板230,231とレンズで構成する態様を説明したが、これに代えて、CMOSイメージセンサ232、LED233及び制御LSI234を設けた一つの基板で、カメラユニットを構成してもよい。また、絞り機構を追加してもよい。
カメラユニット209は、キャンセルシュータ206の上部の切欠き部206aの周囲に設けられたビス穴206bに、第1の基板230がビス止めされることで、固定されている。
CMOSイメージセンサ232(図17参照)は、第1の基板230の略中央部分に設けられている。CMOSイメージセンサ232は、キャンセルシュータ206の切欠き部206a(図8参照)を介して、メダルレール210上の撮像領域A1(図10参照)を撮像し、撮像した画像データを制御LSI234(図17参照)に出力する。
LED233(図17参照)は、CMOSイメージセンサ232の周囲で面発光し、メダルレール210上を移動する物体に光を照射する。制御LSI234(図17参照)は、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づいて、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判定し、判定結果を主制御回路91に出力する。なお、本実施形態では、切欠き部206aの周囲に形成したビス穴206bにビス止めすることでカメラユニット209をキャンセルシュータ206に固定する態様を説明したが、カメラユニットの固定態様はこれに限定されない。例えば、第1の基板230と第2の基板231の間に取り付けレールを設け、また、キャンセルシュータ206の上部に凹部を設け、この凹部に取り付けレールを嵌めた上で、取り付けレールとキャンセルシュータ206をビス止め又は接着剤で固定するようにしてもよい。
<パチスロが備える回路の構成>
次に、パチスロ1が備える回路の構成について、図14〜図18を参照して説明する。 まず、図14を参照してパチスロ1が備える回路全体の概要について説明する。図14は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に配設された主制御基板71(第1制御手段)と、フロントドア2bに配設された副制御基板72(制御手段、第2制御手段)を有している。
主制御基板71には、リール中継端子板74と、設定用鍵型スイッチ56と、外部集中端子板47と、ホッパー装置51と、メダル補助収納庫スイッチ75と、電源装置53の電源基板53bが接続されている。設定用鍵型スイッチ56、外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されている。外部集中端子板47及びホッパー装置51については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52のスイッチ貫通孔(非表示)を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置53の電源基板53bには、電源スイッチ53aが接続されている。この電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板71には、ドア中継端子板68を介して、メダルセレクタ201、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81及び副中継基板61が接続されている。ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したため、説明を省略する。メダルセレクタ201の回路構成については後述する。
BETスイッチ77は、BETボタン22が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン27が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ79は、スタートレバー23が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板80には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン19L,19C,19Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器24に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板81には、7セグ表示器24とLED82が接続されている。LED82は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68と副中継基板61を介して主制御基板71に接続されている。この副制御基板72には、副中継基板61を介して、サウンドI/O基板84、LED基板62A,62B,62C、24hドア開閉監視ユニット63、メダルセレクタ201が接続されている。これらLED基板62A,62B,62C及び24hドア開閉監視ユニット63については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板84は、センタースピーカ58、ボードスピーカ64、下部スピーカ65L,65R及びフロントドア2bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。
また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板86と、液晶中継基板87が接続されている。これらロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72と共に副制御基板ケース57に収納されている。
ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板62A,62B及びその他のLED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71により構成される主制御回路91について、図15を参照して説明する。
図15は、パチスロ1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板71上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。メインCPU93と前述のホッパー装置51は、本発明の遊技媒体払出装置を構成している。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム(例えば、上述した内部抽籤処理の実行のためのプログラム)、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めた場合は、左ストップボタン19Lが押されたときにリール表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、リール表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板72により構成される副制御回路101について、図16を参照して説明する。
図16は、パチスロ1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11(図2参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ58,64,65L,65R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)とSRAM(Static Random Access Memory)で構成される。DRAMは、揮発性記憶手段としてのワークRAMである。SRAMは、バックアップ電源によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。サブRAM103のSRAMで構成されるバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたデータを記憶可能となっており、電源投入時(電源断復帰時)及び投入後に、当該バックアップ領域のデータを利用可能となっている。また、サブRAM103のDRAMには、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域や、その他バックアップ領域に割り当てられていないデータ(電源オフ状態で消えても問題ないデータ)を格納する格納領域が設けられている。また、後述するエラー情報履歴領域や第1スイッチ情報記憶領域は、バックアップ領域に割り当てられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ58,64,65L,65R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED85等の光源の点灯及び消灯を制御する。
<メダルセレクタの回路構成>
次に、メダルセレクタ201の回路構成について、図17を参照して説明する。
図17は、メダルセレクタ201の回路構成例を示すブロック図である。
図17に示すように、メダルセレクタ201は、カメラユニット209と、メダルソレノイド208と、ダブルフォトセンサ502を備えている。
また、メダルセレクタ201は、ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続されている。また、メダルセレクタ201は、副中継基板61を介して、副制御基板72に接続されている。すなわちメダルセレクタ201は、主制御回路91及び副制御回路101と電気的に接続されている。
主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をON状態又はOFF状態に設定することができる。すなわち主制御回路91は、セレクトプレート207をガイド位置又は排出位置に移動させることができる。
具体的には、主制御回路91は、パチスロ1がメダルを投入可能な状態であるときは投入可の内容のメダル投入信号を出力する。また、主制御回路91は、パチスロ1がメダルを投入可能な状態でないときは投入不可の内容のメダル投入信号を出力する。ここで、「投入可の内容のメダル投入信号を出力する」とは、主制御回路91と接続されている機器(本実施形態ではメダルソレノイド208)間の信号線をON状態に設定することである。また、「投入不可の内容のメダル投入信号を出力する」とは、主制御回路91と接続されている機器(本実施形態ではメダルソレノイド208)間の信号線をOFF状態に設定することである。メダルソレノイド208は、主制御回路91とメダルソレノイド208間の信号線がON状態になったことを検知すると、自身をON状態に設定する。また、メダルソレノイド208は、主制御回路91とメダルソレノイド208間の信号線がOFF状態になったことを検知すると、自身をOFF状態に設定する。
メダルセレクタ201のダブルフォトセンサ502は、ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続されている。ダブルフォトセンサ502は、第1フォトセンサ503と第2フォトセンサ504とからなる。
図8に示すように、第1フォトセンサ503は、メダルセレクタ201のベース板部204におけるメダル出口部204cの付近に設けられている。第1フォトセンサ503は、ベース板部204のメダルレール210上に埋め込まれたフォトダイオード(不図示)と、このフォトダイオードに光(赤外線光)を照射する発光体(不図示)と、を有する。フォトダイオードと発光体は、メダルの厚み以上離れて対向しており、セレクトプレート207がガイド位置にあるときに、メダルレール210上を移動するメダルは、フォトダイオードと発光体との間を通過可能となっている。
発光体は所定光量の光を常に発光する。フォトダイオードが発光体から所定光量以上の光を受光すると、第1フォトセンサ503は、ハイレベルの信号を出力する。一方、フォトダイオードが受光する光の量が所定光量に満たなくなると、第1フォトセンサ503は、ローレベルの信号(メダル検知信号)を出力する。したがって、メダルがフォトダイオードと発光体との間を通過する際に発光体の光を遮ると、第1フォトセンサ503は、メダル検知信号を出力する。
第2フォトセンサ504は、メダルセレクタ201のベース板部204におけるメダル出口部204cの付近で、且つ、第1フォトセンサ503の近傍に、第1フォトセンサ503よりも、メダルレール210上を移動するメダルの移動方向の下流側に、設けられている。なお、その他の点については、第1フォトセンサ503と同様のため、説明を省略する。
なお、本実施形態では、ダブルフォトセンサ502を構成する第1フォトセンサ503及び第2フォトセンサ504が、フォトダイオードと発光体との間をメダルが通過して発光体の光を遮蔽することで、通過する物体を検知する遮蔽型のセンサ方式(すなわち、フォトダイオードの状態がオン状態からオフ状態に変化することで検知する検知方式)を採用する態様を説明した。しかしながら、フォトダイオードで、メダルを検知する態様はこれに限定されない。例えば、フォトダイオードと発光体を左右又は上下に配置して発光体の光を通過するメダルが反射した光をフォトダイオードが受光することでメダルの通過を検知する、いわゆる反射型のセンサ方式を採用してもよい。また、第1フォトセンサ503を遮蔽型、第2フォトセンサ504を反射型、又は、逆の組合せで、フォトダイオードを配置する位置に応じて、これらのセンサ方式を適宜選択して採用してもよい。
上述したように第1フォトセンサ503はメダル出口部204cの付近に設けられ、第2フォトセンサ504は第1フォトセンサ503よりもメダルレール210上の下流に設けられている。このため、第1フォトセンサ503及び第2フォトセンサ504は、セレクトプレート207がガイド位置にあり、メダル出口部204c(図8参照)側へ移動するメダルは検知するが、セレクトプレート207が排出位置にあり、メダルシュート202(図6参照)に案内されるメダルは検知しない。
第1フォトセンサ503及び第2フォトセンサ504から出力されたメダル検知信号は、ドア中継端子板68を介して、主制御基板71(主制御回路91)に入力される。主制御基板71のメインCPU93(図15参照)が、第1フォトセンサ503から入力されたメダル検知信号を検出してから、所定時間内に、第2フォトセンサ504から入力されたメダル検知信号を検出すると、投入されたメダルの枚数をメインCPU93が計数するために設けられたカウンタである投入枚数カウンタの値に1加算する。なお、投入枚数カウンタの値が最大値(例えば、3)の場合は、クレジットされているメダルの枚数をメインCPU93が計数するために設けられたカウンタであるクレジットカウンタの値に1加算する。
クレジットカウンタが最大値(例えば、50)の場合は、主制御回路91は、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定する。これによって、セレクトプレート207(図8参照)が「排出位置」に位置付けされ、メダルが投入不可となり、クレジットカウンタが最大値となった後で投入されたメダルをメダルシュート202(図6参照)に案内してメダル払出口32(図2参照)からメダルトレイユニット34に排出する。
なお、主制御回路91は、単位遊技においてスタートレバー23が遊技者により操作された後においても、メダルセレクタ201のメダルソレノイド208をOFF状態に設定する。
また、メインCPU93が、第2フォトセンサ504から入力されたメダル検知信号、第1フォトセンサ503から入力されたメダル検知信号の順で、メダル検知信号を受信した場合、メダルがメダルレール210上を適正な移動方向とは異なる(逆の)移動方向で移動する、いわゆる逆行エラーが発生したことを検知する。
また、メインCPU93が、メダル検知信号を検出してから一定時間を経過しても、第1フォトセンサ503、第2フォトセンサ504のいずれか、若しくは両方から、メダル検知信号が出力され続けている場合や、第1フォトセンサ503からのメダル検知信号を検出してから一定時間経過しても、第2フォトセンサ504からのメダル検知信号を検出できない場合、メダルがメダルレール210上で留まる、いわゆるメダル詰まりエラーが発生したことを検知する。
主制御回路91(メインCPU93)は、逆行エラーやメダル詰まりエラーを検知すると、遊技を強制的に中断させ、7セグ表示器24(図2参照)に、検知したエラーの内容に応じたエラーコードを表示するとともに、副制御回路101に検知したエラーの内容に応じたエラーコマンドを送信して、副制御回路101を介して、エラーを報知する。例えば、液晶表示装置11にエラーの内容を示すエラー画面(後述する図52の「CE」又は「CR」の四角枠がハイライト表示された画面)を表示したり、副制御回路101が表示を制御する副7セグ表示器(不図示)を設ける場合は、この副7セグ表示器に所定の表示をしたりする。
副制御回路101は、メダルセレクタ201の制御LSI234から後述する色判定の判定結果、刻印判定の判定結果、各種信号やコマンドを受信する。
カメラユニット209は、制御LSI234、CMOSイメージセンサ232及びLED233で構成されている。カメラユニット209の制御LSI234は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成され、CMOSイメージセンサ232及びLED233と電気的に接続されている。制御LSI234は、LED233の発光を制御する。また、制御LSI234は、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づいて、メダルレール210上を移動する物体が正規メダルか否かを判定し、判定結果を、後述するUART252から、副中継基板61を介して副制御基板72(副制御回路101)に送信する。
CMOSイメージセンサ232は、露光時間(シャッタースピード)を1〜25段階で設定する露光時間設定機構を備えている。1段階上がる毎に、露光時間は、7μ秒延びるように設定される。本実施形態では、露光時間の初期値(パチスロ1の電源投入時の値)は、段階10、すなわち70μ秒に設定されている。したがって、本実施形態では、露光時間を、70μ秒から最大175μ秒(段階25に対応する露光時間)の範囲で設定可能となっている。
なお、本実施形態において、採用されているCMOSイメージセンサ232は、解像度が648×488ピクセルであり、フレームレートが240fps(Frames Per Second)のCMOSイメージセンサである。
また、制御LSI234は、報知用LED206cとGPIO250を介して電気的に接続されている。報知用LED206cは、制御LSI234からの指示に応じて点灯及び消灯する。
また、制御LSI234は、初期化スイッチ206d、色スイッチ206e、刻印スイッチ206fとGPIO250を介して電気的に接続されている。通電中に初期化スイッチ206dが操作される(ON状態になる)と、制御LSI234は、初期化処理を行う。初期化処理において、制御LSI234は、後述するSRAM243及びフラッシュメモリ244に記憶されている各種パラメータやテンプレートを削除し、これらに初期値を設定する(リセットする)。
色スイッチ206eは、ON/OFF状態に設定可能である。色スイッチ206eがON状態に設定されると、制御LSI234は、色判定を有効とし、後述する判定完了コマンドに含まれる色判定結果の値を実際の判定結果に応じて「1」(判定OK)又は「0」(判定NG)に設定する。一方、色スイッチ206eがOFF状態に設定されると、制御LSI234は、色判定を無効とし、後述する判定完了コマンドに含まれる色判定結果の値を実際の判定結果に係わらず「1」(判定OK)に設定する。すなわち、色スイッチ206eは、色判定を有効にする場合は、ON状態に設定され、無効にする場合はOFF状態に設定される。
刻印スイッチ206fは、ON/OFF状態に設定可能である。刻印スイッチ206fがON状態に設定されると、制御LSI234は、刻印判定を有効とし、後述する判定完了コマンドに含まれる刻印判定結果の値を実際の判定結果に応じて「1」(判定OK)又は「0」(判定NG)に設定する。一方、刻印スイッチ206fがOFF状態に設定されると、制御LSI234は、刻印判定を無効とし、後述する判定完了コマンドに含まれる刻印判定結果の値を実際の判定結果に係わらず「1」(判定OK)に設定する。すなわち、刻印スイッチ206fは、刻印判定を有効にする場合は、ON状態に設定され、無効にする場合はOFF状態に設定される。
本実施形態において、制御LSI234は、電源投入時における色スイッチeのON/OFF状態に応じて色判定の有効/無効を設定し、また、電源投入時における刻印スイッチfのON/OFF状態に応じて刻印判定の有効/無効を設定する。電源投入後にこれらスイッチが操作されても、電源投入時のスイッチの状態に応じて設定された色判定及び刻印判定の有効/無効は、変更しない。制御LSI234は、初期化スイッチ206d、色スイッチ206e、刻印スイッチ206fのON/OFF状態を予め規定された周期(例えば、10msec周期)で取得する。なお、この周期は、後述するメダルセレクタ無操作コマンドを送信する周期よりも短く設定されている。
<制御LSIの回路構成>
次に、制御LSI234の回路構成について、図18を参照して説明する。
図18は、制御LSI234の回路構成例を示すブロック図である。
制御LSI234は、ホストコントローラ241、画像認識DSP(digital signal processor)回路242、バックアップ電源(不図示)が接続されたSRAM(Static Random Access Memory)243、フラッシュメモリ244、ISP(Image Signal Processing)回路245及びメダルカウント回路246を備えている。また、制御LSI234は、カラー認識回路247、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識アクセラレータ回路249、GPIO(General Purpose Input/Output)250及びUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)252を備えている。これら制御LSI234を構成するデバイスは、バスを介して相互に接続されおり、本実施形態の制御LSI234では、バスのプロトコルとしてAXI(Advanced eXtensible Interface)が採用されている。
また、制御LSI234は、ISI(Image Sensor Interface)回路251を備えている。ISI回路251は、CMOSイメージセンサ232とISP回路に電気的に接続されている。ISI回路251は、CMOSイメージセンサ232からLVDS(Low voltage differential signaling)方式で送信された画像データをRGBベイヤ画像に変換して出力する。このとき、ISI回路251から出力されるRGB画像には固有の画像IDが付される。この画像IDは、後述する各種画像変換を施された後のデータに引き継がれる。このため、後述する各種判定に係るデータに引き継がれている画像IDに基づいて、それぞれの判定結果を紐付けることができる。すなわち、RGB画像内にメダルが写っていた場合、このメダルに対するこれらの判定結果を関連付けることができる。
<ISP回路>
ISP回路245は、ISI回路251からRGBベイヤ画像が出力されると(RGBベイヤ画像が入力される)と、VSYNC(Vertical Synchronization)割込信号を、ホストコントローラ241に出力する。
また、ISP回路245は、ISI回路251から出力されたRGBベイヤ画像にレンズ歪み補正処理と射影変換(ホモグラフィ)処理を施す画像補正処理を行う。
レンズ歪み補正処理は、後述する各種判別・判定処理の精度を高めるため、CMOSイメージセンサ232が撮像した画像データ上の、カメラユニット209におけるレンズの特性に起因して発生する歪みを補正する処理である。
例えば、カメラユニット209のレンズとして、凸レンズを採用した場合、レンズの端の厚みがレンズの中央部の厚みに比べて薄いため、図19に示すような歪みが生じる。図19では、CMOSイメージセンサ232の撮像領域A1と、CMOSイメージセンサ232が撮像した撮像領域A1の画像データG1を模式的に表している。画像データG1における黒点は、撮像領域A1の各格子の頂点に対応する箇所を表している。
図19に示すように、画像データG1では、中央部に比べて端部に比較的大きな歪みが発生している。ISP回路245は、予め設定されている各種補正パラメータに基づきレンズ歪み補正処理を行って画像データG1(ISI回路251から出力されたRGBベイヤ画像)を加工する。具体的には、画像データG1の黒点の位置が、対応する撮像領域A1の格子の頂点と同位置になるように、画像データG1を補完する。これによって、この歪みが後述する各種判別処理に与える影響を抑制する。
なお、各種補正パラメータは、カメラユニット209に採用されるレンズに対する事前の特性評価に基づいて予めプログラム上で規定されている。なお、上記各種補正パラメータをフラッシュメモリ244に記憶させ、レンズ歪み補正処理時にISP回路245に参照されるようにしてもよい。
射影変換処理は、カメラユニット209の取り付け位置のずれが、後述する各種判別・判定処理の精度に影響を与えないように、画像データを補正する処理である。
例えば、カメラユニット209がキャンセルシュータ206に対して、好適な角度でない角度で傾いて取り付けられると、図20Aに示すように、後述する各種判別・判定処理に必要な画像領域A2が歪んで撮像される場合がある。射影変換処理では、この歪みを補正し、画像データを、後述する各種判別・判定処理に好適な態様に補完する。
具体的には、射影変換処理において、ISP回路245は、レンズ歪み補正処理後のRGBベイヤ画像を解析し、このRGBベイヤ画像における少なくとも4つの基準マーカー260の位置(座標:x,y)を検出する。
次に、検出した4つの基準マーカーに対応する、プログラム上で予め規定されている後述する各種判別処理の精度を高めるために好適な画像データにおける基準マーカー260の位置(座標:u,v)に基づき、以下の式1及び式2における変換係数a,b,c,d,e,f,g,hを算出する。
u=(x×a+y×b+c)/(x×g+y×h+1) ・・・式(1)
v=(x×d+y×e+f)/(x×g+y×h+1) ・・・式(2)
そして、算出した変換係数a,b,c,d,e,f,g,hと、レンズ歪み補正処理後のRGBベイヤ画像における各画素の座標値を、上記式1及び式2に代入して、各画素についての変換後の座標を算出し、各画素が算出した変換後の座標に位置するようにこのRGBベイヤ画像を加工する。図20Bは、射影変換処理後のRGBベイヤ画像における図20Aに示す画像領域A2を模式的に表している。
なお、本実施形態では、各種判別処理の精度を高めるために好適な画像データにおける基準マーカー260の位置(座標:u,v)をプログラム上で規定する態様を説明した。しかし、これに代えて、例えば、この基準マーカー260の位置をフラッシュメモリ244に記憶させ、射影変換処理時にISP回路245に参照されるようにしてもよい。
次に、ISP回路245は、レンズ歪み補正処理と射影変換処理後のRGBベイヤ画像を各種フォーマットに変換する色変換処理を行う。色変換処理において、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を、YUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換し、このYUV画像データにおける輝度に係るデータ(以下、「グレースケール画像データ」と称する場合がある)をメダルカウント回路246に出力する(メダルカウント回路246が参照するSRAM243の所定の領域に出力する)。また、グレースケール画像データをSRAM243に記憶させる。なお、SRAM243には、所定数のグレースケール画像データが記憶可能な記憶領域が設けられている。SRAM243に記憶されているグレースケール画像データの数が上限数に達した場合、記憶された順序が古いグレースケール画像データから上書きされる。
また、色変換処理において、ISP回路245は、RGBベイヤ画像を、三つの成分(H:色相、S:彩度、V:明度)からなる色空間(HSV色空間)に対応する画像データ(HSV画像データ)に変換し、このHSV画像データをカラー認識回路247に出力する(カラー認識回路247が参照するSRAM243の所定の領域に出力する)。
また、ISP回路245は、パチスロ1の電源投入時に、ISI回路251からRGBベイヤ画像が出力される(RGBベイヤ画像が入力される)と、出力された画像に所定の画像が含まれているか否かを判定するAE(Auto Exposure)判定処理を行う。本実施形態において、所定の画像とは、メダルレール210の表面に形成された突条部210a(図8参照)の画像である。すなわち、本実施形態では、ISP回路245は、画像データ内に所定の画像が含まれているか否かを判定する画像判定手段を構成する。
ISP回路245は、ISI回路251から出力された画像から所定の長さ以上の直線成分を抽出可能なときに、出力された画像に突条部210aの画像が含まれていると判定し、抽出できないときには、出力された画像に突条部210aの画像が含まれていないと判定する。なお、出力された画像からの所定の長さ以上の直線成分の抽出は、例えば出力された画像にハフ変換処理を施すことにより行われるが、これに限らず、他の特徴抽出方法を用いてもよい。
ISP回路245は、ISI回路251から出力された画像に突条部210aの画像が含まれていると判定するとき、このAE判定処理の判定結果をホストコントローラ241に出力せず、また、以降に、ISI回路251から出力された画像については、AE判定処理を行わない。
一方、ISP回路245は、ISI回路251から出力された画像に突条部210aの画像が含まれていないと判定するとき、このAE判定処理の判定結果をホストコントローラ241に出力する。また、ISP回路245は、CMOSイメージセンサ232の露光時間が、本実施形態における上限の175μ秒(段階25に対応する露光時間)に設定されるまで、ISI回路251から画像が出力されると、出力された画像に対して、AE判定処理を行う。
なお、本実施形態では、所定の画像を、メダルレール210の表面に形成された突条部210aとする態様を説明した。しかし、これに限らず、所定の画像を、例えば、メダルレール210に形成されている基準マーカー260としてもよい。また、出力された画像から直線成分が抽出できるか否かを判定する態様を説明したが、これに限らず、抽出した直線成分の画角強度に基づく判定を行ってもよい。
<カラー認識回路>
カラー認識回路247は、ISP回路245から出力されたHSV画像データの内の色相と彩度に基づいて色判定処理を行う。色判定処理には、メダル検出処理、閾値判定処理、彩度・色相乗算処理、色テンプレート生成処理、及び、色テンプレート比較処理が含まれる。
(1)メダル検出処理
色判定処理において、カラー認識回路247は、ISP回路245から出力されたHSV画像データをSRAM243に記憶させる。なお、SRAM243には、所定数のHSV画像データが記憶可能な記憶領域が設けられている。SRAM243に記憶されているHSV画像データの数が上限数に達した場合、記憶された順序が古いHSV画像データから上書きされる。
また、カラー認識回路247は、ISP回路245から出力されたHSV画像データにメダルの画像が含まれているか否かを判別するメダル検出処理を行う。具体的には、今回、ISP回路245から出力されたHSV画像データと、SRAM243に記憶されている背景HSV画像データと、の差分を検出し、差分部分がメダルの形状と一致する場合は、メダルの画像が含まれていると判別する。なお、背景HSV画像データは、メダルの画像が含まれていないHSV画像データであり、メダルがメダルレール210上を移動していないとき、例えば、電源投入直後に、CMOSイメージセンサ232が撮像した画像データをISP回路245がHSV画像データに変換することで得られる。本実施形態では、ISP回路245は、得られた背景HSV画像データをSRAM243に記憶する。なお、検出された差分部分がメダル形状と一致するか否かは、予めフラッシュメモリ244に保存されたメダル形状のHSV画像データと比較することで判別される。
(2)閾値判定処理
HSV画像データにメダルの画像が含まれていると判別した場合、カラー認識回路247は、このHSV画像データに基づいて、閾値判定処理を行う。閾値判定処理において、カラー認識回路247は、HSV画像データにおけるメダルの画像の所定領域、例えば本実施形態ではメダルの中心を含む略正方形の領域(以下、「メダル領域」と称する場合がある)内の全画素の彩度の値を積算し、また、色相の値を積算する。そして、積算値をメダル領域内の画素数で割って、平均彩度値と、平均色相値と、を算出し、算出した値に基づいて、図21に示す閾値グラフ上の位置を特定する。
ここで、図21の閾値グラフは、縦軸を彩度の値、横軸を色相の値とするグラフである。閾値グラフでは、所定の式に基づいて、グラフ上が許容領域と、非許容領域と、に区分けされている。図21では、許容領域の背景を白地で表し、非許容領域の背景を網掛けで表している。
平均彩度値と、平均色相値とに基づく閾値グラフ上の位置が、許容領域内の場合は、色判定処理を継続する。一方、非許容領域内の場合は、色判定処理の判定結果として、「閾値判定不可」をSRAM243の色判定記憶領域に記憶させ、色判定処理を終了する。なお、SRAM243の色判定記憶領域には、所定数の判定結果が記憶可能であり、記憶されている判定結果が上限数に達した場合、記憶された順序が早い判定結果から上書きされる。
なお、上記に代えて、カラー認識回路247は、メダル領域内の各画素について、その画素の彩度の値と色相の値とに基づいて、図21に示す閾値グラフ上の位置を特定してもよい。この場合、非許容領域内に位置付けられる画素の数が、所定数、例えばメダル領域内の画素数の20%を超えるか否かを判定し、超えない場合は、色判定処理を継続し、超える場合は、色判定処理の判定結果として、「閾値判定不可」をSRAM243に記憶させ、色判定処理を終了させてもよい。
また、閾値グラフにおける許容領域と非許容領域は適宜設定可能である。例えば、図21の非許容領域に加えて、彩度の値が所定値以上、例えば90以上の場合は、非許容領域に位置するような非許容領域を設けてもよい。
(3)彩度・色相乗算処理
閾値判定処理後、カラー認識回路247は、閾値判定処理において、彩度・色相乗算処理を行う。彩度・色相乗算処理において、メダル領域内の各画素の彩度の値と色相の値を乗算し、また、乗算して算出した値を、その画素の位置と対応づけてSRAM243に記憶させる。なお、以後の説明において、メダル領域内の各画素の彩度の値と色相の値との乗算値をその画素の位置に対応づけて記憶したデータのまとまりを「色判定用データ」と称する場合がある。
(4)色テンプレート生成処理
色テンプレート生成処理は、後述する色テンプレート比較処理において用いられる色テンプレートを生成(作成)する処理である。色テンプレート生成処理において、カラー認識回路247は、電源投入後に投入されたメダルが規定初期投入枚数、本実施形態では50枚に達するまでの各メダルに係る色判定用データを相互に比較し、一致する又は所定程度類似する色判定用データをグループ化する。
例えば、カラー認識回路247は、50枚のメダルに係る色判定用データについて、彩度の値と色相の値との乗算値を、対応づけられている画素の位置毎に比較する。そして、一致する又は所定の誤差範囲(例えば、±5)内である乗算値の数が所定数以上(例えば、全乗算値の80%以上)の場合にこれらの色判定用データをグループ化する。
次いで、カラー認識回路247は、属する色判定用データの数の多い順で、上位4つのグループを選定する。そして、選定した上位4つのグループのそれぞれについて、任意の一つの色判定用データを選定し、その4つの色判定用データを色テンプレートとして、SRAM243の色テンプレートを記憶する記憶領域に記憶させる。なお、選定した上位4つのグループのそれぞれについて、任意の一つの色判定用データを選定することに代えて、同一のグループに属する色判定用データの平均値(各画素に係る乗算値の平均値)を算出することで色テンプレートを生成してもよい。また、SRAM243に記憶された色テンプレートは、遊技機の電源投入時に、ホストコントローラ241の初期化処理(不図示)により消去してもよい。
上記のように、色テンプレートを生成することで、例えば、表と裏で刻印(模様)や色が異なる2種類のメダルを正規メダルとして使用する場合で、且つ、色テンプレートがSRAM243の記憶領域に記憶されていない場合に、電源投入後にこれら正規メダルを50枚投入することで、これら2種類のメダルの表と裏に係る4種類の色テンプレートを生成することができる。なお、色テンプレートがSRAM243の記憶領域に記憶されていない場合に、電源投入後に投入された50枚の正規メダルが1種類であったときは、この正規メダルの表と裏に係る2種類の色テンプレートが生成され、後述の色テンプレート比較処理では、生成された2種類の色テンプレートが用いられる。
なお、色テンプレートがSRAM243の記憶領域に記憶されていない場合に、電源投入後に投入されたメダルが規定初期投入枚数、本実施形態では50枚に達するまでの各メダルに係る色判定用データは、ホストコントローラ241の指示に応じて生成される。ホストコントローラ241は、後述するメダルカウント回路246がメダルレール210上を「メダルが通過した」と判定したことを契機に、該判定時から所定時間前の(すなわち、所定フレーム前の)HSV画像データを用いて、色判定用データを生成するように、カラー認識回路247に指示する。なお、この所定時間は、所定時間前のHSV画像データに、必ずメダルの画像が含まれるように、実験やシミュレーションに基づいて予め設定される。
また、この色判定用データは、上述したメダル検出処理、閾値判定処理、彩度・色相乗算処理を経て生成され、SRAM243の色判定用データ記憶領域に記憶される。カラー認識回路247は、色判定用データ記憶領域に記憶された色判定用データが50個に達すると、すなわち50枚のメダルに係る色判定用データが作成されると、色テンプレート生成処理を実行する。
色テンプレート生成処理において、所定程度類似する色判定用データをグループ化できないなどの理由で色テンプレートが作成できなかった場合、カラー認識回路247は、ホストコントローラ241にメダルセレクタエラーコマンドの送信を要求する。ホストコントローラ241は、当該要求に応じて、メダルセレクタエラーコマンドを送信する。なお、このメダルセレクタエラーコマンドのDAT0の値は、「色テンプレート生成エラー」を示す「4」が設定されている。メダルセレクタエラーコマンドの詳細については後述する。
(5)色テンプレート比較処理
色テンプレート生成処理後のメダル検出処理でメダルの画像が含まれていると判別すると、カラー認識回路247は、色テンプレート比較処理を行う。
色テンプレート比較処理では、メダルの画像が含まれていると判別されたHSV画像データについて、閾値判定処理、彩度・色相乗算処理を経て作成された色判定用データと、色テンプレートとを比較し、一致又は所定程度類似するか否かの可否判定を行い、判定結果として「可」又は「否」をSRAM243の色判定記憶領域に記憶させる。本実施形態では、最大4つの色テンプレートを用いるため、最大4つのテンプレートに対する判定結果をSRAM243に記憶させる。また、色テンプレート比較処理では、色判定結果をSRAM243の色判定記憶領域に記憶させる。ここで、色判定結果としては、最大4つのテンプレートに対する判定結果として1つでも「可」が記憶されている場合には「判定OK」が記憶され、全て「否」が記憶されている場合には「判定NG」が記憶される。したがって、1回の色テンプレート比較処理において、最大4つの色テンプレートに対する最大4つの判定結果(可又は否)と、これらの判定結果に基づく1つの色判定結果(判定OK又は判定NG)が記憶される。なお、カラー認識回路247は、SRAM243の色判定記憶領域に、色判定結果を記憶する際は、判定に係るHSV画像データが引き継いでいる上述の画像IDと色判定結果とを関連づけて記憶する。また、色判定結果領域には、所定数の判定結果が記憶可能であり、記憶されている判定結果が上限数に達した場合、記憶された順序が早い判定結果から上書きされる。
例えば、カラー認識回路247は、色判定用データと色テンプレートにおける彩度の値と色相の値との乗算値を、対応づけられている画素の位置毎に比較する。そして、一致する又は所定の誤差範囲(例えば、±5)内である乗算値の数が所定数以上(例えば、全乗算値の80%以上)の場合に一致又は所定程度類似すると判定する。なお、この処理における、一致又は所定程度類似するか否かの判定基準は、適宜設定可能である。
以上のように、色判定処理において、閾値判定処理を行い、また、色テンプレート比較処理を行い、色判定用データと、色テンプレートとを比較し、一致又は所定程度類似するか否かを判定するカラー認識回路247は、メダルレール210上を通過した物体が正規メダルであるか否かを判定する遊技媒体判定手段を構成する。
<メダルカウント回路>
メダルカウント回路246は、ISP回路245から出力されたグレースケール画像データに基づいてカウント処理を行う。カウント処理には、メダル画像判別処理、メダル位置検出処理及び順序判定処理が含まれる。
(1)メダル画像判別処理
カウント処理において、メダルカウント回路246は、まず、メダル画像判別処理を行う。メダル画像判別処理において、メダルカウント回路246は、ISP回路245から出力されたグレースケール画像データに、メダルの画像が含まれているか否かを判別する。具体的には、今回、ISP回路245から出力されたグレースケール画像データと、SRAM243に記憶されている背景グレースケール画像データの各画素について差分を検出し、差分が検出された複数の画素によって形成される形状が、フラッシュメモリ244に保存されているメダル形状のテンプレートデータと一致する場合は、メダルの画像が含まれていると判別する。なお、背景グレースケール画像データは、メダルの画像が含まれていないグレースケール画像データであり、メダルがメダルレール210上を移動していないとき、例えば、電源投入直後に、CMOSイメージセンサ232が撮像した画像データをISP回路245がグレースケール画像データに変換することで得られる。本実施形態では、ISP回路245は、得られた背景グレースケール画像データをSRAM243に記憶する。なお、本実施形態では、メダルカウント回路246が背景グレースケール画像データとISP回路245から出力されたグレースケール画像データの差分を検出し、差分が検出された複数の画素によって形成される形状がメダル形状と一致するか否かでメダルの画像が含まれているか否かを判別した。しかし、これに限らず、差分が検出された複数の画素によって形成される形状の一部がメダル形状の一部と一致するか否かで、メダルの画像が含まれていると判別してもよいし、検出した差分の画素の数が一定数以上ある場合に、メダルの画像が含まれていると判別してもよい。
(2)メダル位置検出処理
次に、メダルカウント回路246は、ISP回路245から出力されたグレースケール画像データで、且つ、メダル画像判別処理においてメダルの画像が含まれていると判別されたグレースケール画像データについて、メダル位置検出処理を行う。メダル位置検出処理において、メダルカウント回路246は、上記のグレースケール画像データにおける所定の判定領域にメダルの画像が存在するか否かを判別し、判別結果をSRAM243に記憶させる。
所定の判定領域は、グレースケール画像データG2内の複数の矩形状の領域であり、本実施形態では、図22〜図24に示すように、判定領域A1〜A4,B1〜B4,C1,C2,D1〜D4,E及びFの合計16個の判定領域が設定されている。なお、図22A〜C、図23D〜F、図24Gは、メダルレール210上を通過し、メダル出口部204cから排出されるメダルMと判定領域との関係を説明するための図である。また、図24Hは、メダルシュート202に案内されるメダルと判定領域との関係を説明するための図である。
各判定領域は、判定領域内に複数の画素が含まれるように、グレースケール画像データG2における各判定領域の角部の座標値(X,Y)を規定することで、プログラム上で予め規定されている。例えば、図25に示すように、C1の判定領域は、領域内に8つの画素を含み、4つの角部の座標値(450,95),(453,95),(450,96),(453,96)によって、その位置が規定されている。なお、図25では、格子の一マスが一画素を示している。
図22A〜C、図23D〜F、図24Gに示すように、判定領域A1〜A4,B1〜B4は、メダルレール210上を通過し、メダル出口部204cから排出されるメダルMの画像の下部に重なるように配置される。また、判定領域C1,C2は、メダルレール210上を通過し、メダル出口部204cから排出されるメダルMの画像の上部に重なるように配置される。また、判定領域E及びFは、メダルレール210上を通過し、メダル出口部204cから排出されるメダルMの画像に重ならないように、配置されている。
また、判定領域Fは、図24Hに示すように、メダルがメダルシュート202に案内される場合のメダルMの画像に重なるように、グレースケール画像データG2の下部に配置される。また、判定領域Eは、メダルMの経路の上方に位置し、不正行為に用いられる各種器具の画像に重なるように、グレースケール画像データG2の上部に配置される。
メダルカウント回路246は、処理の対象であるグレースケール画像データと背景グレースケール画像データの各判定領域における各画素の輝度の差分値を算出し、算出した差分値が閾値以上の画素の数を、判定領域毎にカウントする。そして、メダルカウント回路246は、判定領域毎に、カウントした画素の数が、所定数(例えば本実施形態では1)以上であるか否かを判定し、所定数以上であると判定した場合は、その判定領域にメダルの画像が存在する(メダルがある)と判定する。一方、カウントした画素の数が、所定数に満たないと判定した場合は、その判定領域にメダルの画像が存在しない(メダルがない)と判定する。なお、本実施形態では、本処理においてグレースケール画像データを用いる態様を説明したが、これに限らず、例えば上述の色判定処理で用いた彩度と色相を乗算して生成された色判定用データを用いてもよい。
また、メダルカウント回路246は、メダル位置検出処理において、メダルの画像が存在する(メダルがある)と判定した判定領域について、メダルエッジ検出処理を行う。
メダルエッジ検出処理では、メダルの画像が存在すると判定した判定領域において、輝度の差分値が閾値に満たない画素の配置に基づきメダルの外縁(エッジ)を検出する処理である。本実施形態において、メダルの移動方向は、図22〜図25における左から右方向である。したがって、メダル画像が存在する判定した判定領域について、輝度の差分値が閾値に満たない画素が右側に一つでもあると、メダルカウント回路246は、メダルの移動方向における前側の外縁(移動先方向メダルエッジ)が存在すると判定する。
一方、メダル画像が存在する判定した判定領域について、輝度の差分値が閾値に満たない画素が左側に一つでもあると、メダルカウント回路246は、メダルの移動方向における後側の外縁(移動後方向メダルエッジ)が存在すると判定する。なお、輝度の差分値が閾値に満たない画素が一つもない場合は、メダルカウント回路246は、当該判定領域にメダルの外縁がないと、判定する。
例えば、図25に示す判定領域C1において、右側に位置する画素である5C〜8Cのいずれかの画素において、輝度の差分値が閾値に満たない画素が一つでもある場合は、移動先方向メダルエッジがあると判定する。一方、左側に位置する画素である1C〜4Cのいずれかの画素において、輝度の差分値が閾値に満たない画素が一つでもある場合は、移動後方向メダルエッジがあると判定する。
なお、判定領域E及びFについては、メダル又は各種器具の移動方向が、図22〜24における上から下方向であると考えられることから、輝度の差分値が閾値以上の画素よりも下方に輝度の差分値が閾値に満たない画素が一つでもあるときは、メダルカウント回路246は、メダルの移動方向における下側の外縁(移動先方向メダルエッジ)が存在すると判定する。一方、輝度の差分値が閾値以上の画素よりも上方に輝度の差分値が閾値に満たない画素が一つでもあるときは、メダルカウント回路246は、メダルの移動方向における上側の外縁(移動後方向メダルエッジ)が存在すると判定する。また、輝度の差分値が閾値以上の画素よりも下方又は上方に位置する画素について、輝度の差分値が閾値に満たない画素が一つもない場合は、メダルカウント回路246は、当該判定領域にメダル画像は存在するが、メダルの外縁はないと、判定する。
そして、メダルカウント回路246は、判定対象のグレースケール画像データの各判定領域について、上記判定結果、すなわち、判定領域に、メダル画像が存在するか否かの判定結果、及び、移動先方向メダルエッジ又は移動後方向メダルエッジが存在するか否かの判定結果を、SRAM243に記憶させる。例えば、メダルカウント回路246は、メダルの画像が存在しないと判定した判定領域に対しては「OFF」というデータを記憶させる。また、移動先方向メダルエッジが存在すると判定した判定領域に対しては「IN」というデータ、移動後方向メダルエッジが存在すると判定した判定領域に対しては「OUT」というデータ、そして、メダル画像は存在するが、メダルの外縁はないと判定した判定領域に対しては「ON」というデータを記憶させる。
なお、既に、SRAM243に判定結果が記憶されている場合は、メダルカウント回路246は、直近の判定結果と、今回の判定結果と、を比較し、判定領域のいずれか一つでも判定結果に変化があった場合は、SRAM243に今回の全判定領域についての判定結果を記憶させる。一方、いずれの判定領域の判定結果にも変化がなかった場合は、SRAM243に今回の全判定領域についての判定結果を記憶させない。
また、メダルカウント回路246は、メダルが投入不可の場合、例えば、後述するようにクレジットカウンタが最大値の場合、判定領域A1〜A4,B1〜B4,C1,C2,D1〜D4の判定を省略する。また、この場合、メダルカウント回路246は、SRAMに判定領域A1〜A4,B1〜B4,C1,C2,D1〜D4に対して、上記判定を省略した旨、すなわち未判定である旨を示す「*」データ(具体的な数値としては、16進数の「FF」)を記憶させる。
したがって、図22A〜C、図23D〜F、図24G,Hに示す8個のグレースケール画像データG2について、SRAM243には、図26に示すような、判定領域判定結果データが記憶される。例えば、図22Aのグレースケール画像データG2については、判定領域A1,A2に対して、移動先方向メダルエッジが存在すると判定されるので、「IN」というデータ(具体的な数値としては、16進数の「01」)が記憶され、その他の判定領域に対しては、メダル画像が存在しないと判定されるので、「OFF」というデータ(具体的な数値としては、16進数の「00」)が記憶される。
また、図23Eのグレースケール画像データについては、判定領域A1〜A4,E及びFに対しては、メダル画像が存在しないと判定されるので、「OFF」というデータが記憶される。また、判定領域B1,B2,C1及びC2に対しては、移動後方向メダルエッジが存在すると判定されるので「OUT」というデータ(具体的な数値としては、16進数の「02」)が記憶される。また、判定領域B3,B4,D1〜D4に対しては、メダル画像は存在するが、メダルの外縁がないと判定されるので「ON」というデータ(具体的な数値としては、16進数の「03」)が記憶される。
また、図24Hに示すグレースケール画像データG2について、判定領域Fに対して、メダル画像は存在するが、メダルの外縁がないと判定されるので「ON」というデータが記憶される。また、判定領域A1〜A4,B1〜B4,C1,C2,D1〜D4については、未判定である旨を示す「*」というデータが記憶される。
なお、図22A〜C、図23D〜F、図24Gのグレースケール画像データG2は、メダルがメダルレール210上を通過し、メダル出口部204cから排出される場合に、ISP回路245から出力されるグレースケール画像データG2のうち、説明の便宜上、7つのグレースケール画像データG2を抜粋したものである。すなわち、同場合に、ISP回路245から出力されるグレースケール画像データは、図22A〜C、図23D〜F、図24Gに示すグレースケール画像データG2の他にも存在する。
また、SRAM243には、判定領域判定結果データとして、所定数、本実施形態では14個分のグレースケール画像データに係る上記判定結果を記憶する記憶領域が設けられている。
(3)順序判定処理
メダルカウント回路246は、パチスロ1がメダル投入可の状態のときは、SRAM243に、判定領域判定結果データとして、所定数、本実施形態では14個分のグレースケール画像データに係る上記判定結果が記憶されると、順序判定処理を行う。また、メダルカウント回路246は、パチスロ1がメダル投入不可の状態のときは、SRAM243に、判定領域判定結果データとして、所定数、本実施形態では4個分のグレースケール画像データに係る上記判定結果が記憶されると、順序判定処理を行う。順序判定処理では、時系列的に並ぶ所定の数のグレースケール画像データにおいて、各判定領域についての「IN」,「OUT」,「ON」,「OFF」のデータの遷移の態様が所定の遷移の態様と一致しているか否かを判定し、一致している場合は、メダルレール210上をメダルが通過したと判定する。
ここで、所定の遷移の態様として、本実施形態では、フラッシュメモリ244に図27に示すメダルカウント判定表が数値に変換されて記憶されている。メダルカウント判定表では、メダルがメダルレール210上を通過し、メダル出口部204cから排出される場合の時系列的に並んだ14個のグレースケール画像データ上の各判定領域における「IN」,「OUT」,「ON」,「OFF」のデータの遷移の態様が規定されている。また、メダルがメダルシュート202に案内される場合の時系列的に並んだ4個のグレースケール画像データ上の各判定領域における「IN」,「OUT」,「ON」,「OFF」のデータの遷移の態様が規定されている。なお、これらのデータの遷移の態様は、シミュレーションや実験などによって最も速い速度でメダルが移動した場合を想定して予め規定されている。
パチスロ1がメダル投入可の状態のときの順序判定処理において、メダルカウント回路246は、SRAM243に記憶されている14個分のグレースケール画像データの各判定領域におけるデータ(「IN」,「OUT」,「ON」,「OFF」)の遷移の態様と、メダルカウント判定表で規定されている時系列1〜14に対応するデータの遷移の態様と、を比較し、完全に一致する場合は、「メダルが通過した」と判定する。
また、一致しない場合は、「異常が発生した」と判定する。一致しない場合には、例えば、14個分のグレースケール画像データの各判定領域におけるデータの遷移の態様(以下、「比較対象のデータの遷移の態様」と称する場合がある)の、前半部分はメダルカウント判定表で規定されている時系列1〜8に対応するデータの遷移の態様と一致するが、続く部分がメダルカウント判定表で規定されている時系列8〜4に対応するデータの遷移の態様と一致する場合、いわゆる「時系列の逆行」が発生した場合がある。
また、パチスロ1がメダル投入不可の状態のときの順序判定処理において、メダルカウント回路246は、SRAM243に記憶されている4個分のグレースケール画像データの各判定領域におけるデータの遷移の態様と、メダルカウント判定表で規定されている時系列E1〜E4に対応するデータの遷移の態様と、を比較し、完全に一致する場合は、「メダルがメダルシュート202に案内された」と判定する。
また、SRAM243に各判定領域におけるデータ(「IN」,「OUT」,「ON」,「OFF」)を最初に記憶してから、所定時間(例えば、1秒)経過しても、SRAM243に投入可の場合は14個分又は投入不可の場合は4個分のグレースケール画像データの各判定領域におけるデータが記憶されない場合は、メダル詰まりが発生していると考えられる。このため、この場合、メダルカウント回路246は、「異常が発生した」と判定する。
なお、SRAM243に記憶されているグレースケール画像データの各判定領域におけるデータ(「IN」,「OUT」,「ON」,「OFF」)の数が、所定数に満たない場合、例えば4個又は14個に満たない場合は、データの数の不足により遷移の態様が一致しないため、上記比較処理において、「メダルが通過した」、又は、「メダルがメダルシュート202に案内された」と判定されることはない。なお、この場合、上記比較処理を省略してもよい。また、メダルカウント回路246は、順序判定処理を行った後、SRAM243に記憶されている14個分又は4個分のグレースケール画像データの各判定領域におけるデータを削除する。
また、メダルカウント回路246は、SRAM243にグレースケール画像データの判定領域Eに対して「IN」,「OUT」,「ON」のいずれかのデータが記憶された場合は、SRAM243に14個分又は4個分のグレースケール画像データの各判定領域におけるデータが記憶されることを待たずに、「異常が発生した」と判定する。
また、順序判定処理において、メダルカウント回路246は、順序判定処理における上記の判定結果をカウント処理の判定結果としてSRAM243に記憶させる。すなわち、SRAM243には、カウント処理の判定結果として、「メダルが通過した」(具体的な数値としては16進数の「01」)、「メダルがメダルシュート202に案内された」(具体的な数値としては16進数の「02」)、及び、「異常が発生した」(具体的な数値としては16進数の「10」)、の3種類の判定結果が記憶される。なお、ここで、「メダルが通過した」と判定される場合とは、例えば主制御回路91でメダル投入可の状態で、メダルが投入された場合である。また、「メダルがメダルシュート202に案内された」と判定される場合とは、主制御回路91でメダル投入可の状態で、規定メダルより外径の小さい不正メダルが投入された場合や、主制御回路91でメダル投入不可の状態で、メダルが投入された場合である。また、「異常が発生した」と判定される場合とは、メダルが通過する範囲外で、何らかの異物を検出した場合や、上述のメダルカウンタ判定表に規定されているデータの遷移の態様と比較対象のデータの遷移の態様とが一致しない場合である。
なお、上記比較の結果、完全一致の場合に「メダルが通過した」又は「メダルがメダルシュート202に案内された」と判定することに代えて、所定の程度、例えば一致の度合いが80%以上の場合に、「メダルが通過した」又は「メダルシュート202に案内された」と、所定の判定マージンを考慮して判定してもよい。
また、メダル位置検出処理において、メダルエッジ検出処理を省略してもよい。この場合、メダルカウント回路246は、SRAM243に、メダル画像が存在しないと判定した判定領域に対しては「OFF」というデータを記憶させ、メダル画像は存在すると判定した判定領域に対しては「ON」というデータを記憶させる。そして、図27に示すメダルカウント判定表に、各判定領域における「ON」,「OFF」のデータの遷移の態様を規定する。
また、順序判定処理において、図27に示すメダルカウント判定表を用いた比較に代えて、「ON」のデータが記憶される判定領域の順序を予め規定しておき、この予め規定した順序と実際に「ON」のデータが記憶された判定領域の順序とを、比較して、メダルの通過を判定してもよい。この場合、予め規定する順序を、判定領域A1〜A4をA領域、判定領域B1〜B4をB領域、判定領域C1,C2をC領域、判定領域D1〜D4をD領域と、グループ化した上で規定してもよい。例えば、予め規定する順序を、A〜D領域のいずれも「OFF」、次いでA領域のみ「ON」、次いでA領域、B領域及びC領域が「ON」、次いでB領域、C領域及びD領域が「ON」、次いでD領域のみ「ON」、最後にA〜D領域のいずれも「OFF」としてもよい。なお、この場合、A領域が「ON」とは、判定領域A1〜A4のいずれかについて「ON」のデータが記憶されていることである。
また、グレースケール画像データ上に設定する判定領域の数、形状及び配置場所は、許容される判定所要時間や求める判定の精度に応じ適宜設定可能である。例えば、図22A〜C、図23D〜F、図24G,Hにおいてグレースケール画像データG2の上端部から下端部に亘って上下方向に延びる判定領域を設定してもよい。
<魚眼補正スケーラ回路>
魚眼補正スケーラ回路248は、SRAM243からグレースケール画像データを取得し、取得したグレースケール画像データを魚眼補正する魚眼補正処理を行う。
また、魚眼補正スケーラ回路248は、魚眼補正処理を行ったグレースケール画像データに対して、イコライズ処理を行う。イコライズ処理において、魚眼補正スケーラ回路248は、1/2,1/4,1/8に縮小した縮小画像データを作成する。
また、魚眼補正スケーラ回路248は、イコライズ処理において、作成した縮小画像データそれぞれに対して、バイラテラル変換処理を行う。本実施形態では、縮小画像データのノイズを除去するために、図28に示す3×3のカーネル(画像処理におけるカーネルであって、OSの機能を示すカーネルではない。)のガウシアンフィルタを用いる。しかし、ガウシアンフィルタには、画像データ内のエッジが目立たなくなる(ボケる)という欠点がある。そこで、この欠点を解消するために、バイラテラル変換処理の処理アルゴリズムとして、以下の式3に示すバイラテラルフィルタを採用する。すなわち、バイラテラルフィルタは、ガウシアンフィルタのカーネルを使用して画像データのノイズを除去するとともにエッジ補正及び強調を行うフィルタである。
数1において、バイラテラル変換処理前の画像データの配列をf(i, j)、処理後の画像データの配列をg(i, j)とする。また、wはカーネルサイズ、σは標準偏差、dは輝度値の差を表している。
そして、魚眼補正スケーラ回路248は、イコライズ処理を施した縮小画像データをSRAM243に記憶させる。なお、SRAM243には、所定数の縮小画像データが記憶可能な記憶領域が設けられている。SRAM243に記憶されている縮小画像データの数が上限数に達した場合、記憶された順序が古い縮小画像データから上書きされる。
<画像認識DSP回路>
ホストコントローラ241は、縮小画像データがSRAM243に記憶されると、前処理を行うよう、画像認識DSP回路に指示する。
画像認識DSP回路242は、前処理において、SRAM243から縮小画像データ(本実施形態では、1/4に縮小した縮小画像データ)を取得し、取得した縮小画像データから円領域を検出する円領域検出処理と、非線形拡散フィルタ処理を行いエッジ画像を作成してSRAM243に記憶させるフィルタ処理を行う。また、画像認識DSP回路242は、後述する各種判定処理を行う。なお、本実施形態では、1/4に縮小した画像データを使用しているが、これに限らず、フラッシュメモリ244に使用する縮小画像データを選択するための設定を記憶させ、その設定に応じて、1/2に縮小した画像データ、又は、1/8に縮小した画像データを選択できるようにしてもよい。
(1)円領域検出処理
画像認識DSP回路242は、円領域検出処理において、取得した縮小画像データと、当該縮小画像データに対応する縮小背景グレースケール画像データとの差分を示す背景差分画像を生成する。ここで縮小背景グレースケール画像データとは、SRAM243に記憶されている背景グレースケール画像データに、魚眼補正スケーラ回路248による魚眼補正処理及びイコライズ処理を施した画像データであり、円領域検出処理の前にSRAM243に記憶されている。
次いで、画像認識DSP回路242は、生成した背景差分画像を2値化する。そして、図29に示すように、2値の背景差分画像G3に対して、メダルの外形を示す2値の外形テンプレートT1を用いたテンプレートマッチングを行う。つまり、画像認識DSP回路242は、背景差分画像G3において、外形テンプレートT1と類似する領域がどこに存在するかを特定する。言い換えると、画像認識DSP回路242は、背景差分画像G3において、外形テンプレートT1が示すメダルの外形と一致する領域がどこに存在するかを特定する。なお、外形テンプレートT1は、予めフラッシュメモリ244に記憶されている。
テンプレートマッチングでは、背景差分画像G3上で外形テンプレートT1をラスタスキャン方向に少しずつ(例えば、1画素(ピクセル)ずつ)移動させる。言い換えれば、画像認識DSP回路242は、背景差分画像G3上で外形テンプレートT1をラスタスキャンさせる。このとき、画像認識DSP回路242は、外形テンプレートT1の各位置において、外形テンプレートT1と、それに重なる、背景差分画像G3の部分領域とのAND画像を生成する。これにより、複数の2値のAND画像が生成される。そして、画像認識DSP回路242は、生成した複数のAND画像のうち、画素値が「1」の画素(高輝度画素)の数が最も多いAND画像の生成で使用された外形テンプレートT1の背景差分画像G3上の位置を特定する。この位置は、背景差分画像G3において、外形テンプレートT1と類似した領域が存在する位置である。
そして、画像認識DSP回路242は、特定した位置と同じ位置に存在する、取得した縮小画像データでの部分領域を、円領域として検出する。言い換えれば、画像認識DSP回路242は、特定した位置と同じ位置に外形テンプレートT1を縮小画像データに配置した際に、外形テンプレートT1と重なる、縮小画像データでの部分領域を、円領域として検出する。このとき、部分領域において、その上の外形テンプレートT1が示す円形よりも外側の各画素の画素値を零としたものを円領域としてもよい。画像認識DSP回路242で抽出される円領域はグレースケール画像である。本実施形態では、円領域の外形は四角形であるが、円形等の他の形状であってもよい。
なお、取得した縮小画像データから円領域を抽出する方法として他の方法を採用してもよい。例えば、メダルの外形が円形であることを利用した抽出方法を採用してもよい。この抽出方法では、まず、取得した縮小画像データに対してエッジ検出が行われてエッジ画像が生成される。エッジ画像の生成方法としては、例えば、Sobel法、Laplacian法、Canny法などが使用される。次に、生成されたエッジ画像から円形領域が抽出される。円形領域の抽出方法としては、例えばハフ変換が使用される。そして、エッジ画像における当該円形領域の位置と同じ位置に存在する、取得した縮小画像データでの円形領域が、円領域とされる。
また、背景差分法とラベリングを用いて取得した縮小画像データから円領域を抽出する抽出方法を採用してもよい。この抽出方法では、まず、取得した縮小画像データと縮小背景グレースケール画像データとの差分を示す背景差分画像が生成され、生成された背景差分画像が2値化される。そして、2値の背景差分画像に対して4連結等のラベリングが行われる。そして、2値の背景差分画像における、ラベリングの結果得られた連結領域(独立領域)の位置と同じ位置に存在する、取得した縮小画像データの部分領域が、円領域とされる。
画像認識DSP回路242は、円領域が検出できた場合は、円形検出の判定結果として「判定OK」と、当該判定に係るデータが引き継いでいる上述の画像IDと、を関連づけて、SRAM243に記憶させる。
(2)フィルタ処理
画像認識DSP回路242は、円領域検出処理後に、フィルタ処理を行う。フィルタ処理は、3σ修正処理と、非線形拡散フィルタ処理からなる。
まず、3σ修正処理において、画像認識DSP回路242は、円領域検出処理で検出した円領域に基づいて、取得した縮小画像データにおける円領域の画像データを切り出す。以下、切り出した画像データを円領域画像データと称する場合がある。
次に、画像認識DSP回路242は、切り出した円領域画像データにおける輝度の値について、一定範囲のデータの平均値を中心とした正規分布(図30参照)を作成する。ここで、3σとは、標準偏差の3倍であって、平均値±3σの範囲内にほぼ全てのデータが属する(ばらつきが正規分布である場合、99.7%のデータがこの範囲内に属する)ものである。
そして、輝度の値が−3σよりも小さい画素の輝度、例えば−4σの画素の輝度を、−3σの輝度の値に置き換える。また、輝度の値が3σよりも大きい画素の輝度、例えば4σの画素の輝度を、3σの輝度の値に置き換える。このようにすることで、イレギュラーなデータである輝度の値が極端に大きい画素(明る過ぎる画素)や輝度の値が極端に小さい画素(暗過ぎる画素)が、その後の処理に影響することを抑制することができる。
次に、画像認識DSP回路242は、3σ修正処理後の円領域画像データに対して、非線形拡散フィルタ処理を行いX(縦)方向のエッジ画像XとY(横)方向のエッジ画像Yを作成する。
図31Aは、3σ修正処理後の円領域画像データを模式的に表している。図31Aにおいて、格子の一マスは、画素を示している。また、図31Bはエッジ画像X用係数を示している。ここで図31Aの画素A1〜A8,Pの輝度の値を、それぞれa1〜a8,pとした場合、エッジ画像Xにおける注目画素Pの輝度の値は、エッジ画像X用係数を用いて、以下の式4によって算出される。
Pの輝度(PX)=a1×(−3)+a2×0+a3×3+a4×(−10)+p×0+a5×10+a6×(−3)+a7×0+a8×3…式(4)
画像認識DSP回路242は、3σ修正処理後の円領域画像データの全ての画素について、上記式4を用いて輝度を算出することで、エッジ画像Xを作成する。
図31Cはエッジ画像Y用係数を示している。ここで図31Aの画素A1〜A8,Pの輝度の値を、それぞれa1〜a8,pとした場合、エッジ画像Yにおける注目画素Pの輝度の値は、エッジ画像Y用係数を用いて、以下の式5によって算出される。
Pの輝度(PY)=a1×(−3)+a2×(−10)+a3×(−3)+a4×0+P×0+a5×0+a6×3+a7×10+a8×3…式(5)
画像認識DSP回路242は、3σ修正処理後の円領域画像データの全ての画素について、上記式5を用いて輝度を算出することで、エッジ画像Yを作成する。
エッジ画像X及びエッジ画像Yを作成した後、画像認識DSP回路242は、両画像からエッジ画像XYを作成する。エッジ画像XYにおける各画素の輝度PXYは、エッジ画像Xにおける画素の輝度の値をPXとし、同一位置にあるエッジ画像Yにおける画素の輝度の値をPYとした場合、以下の式6によって算出することができる。
画像認識DSP回路242は、エッジ画像X及びエッジ画像Yの全ての画素について、上記式6を用いて輝度PXYを算出することで、エッジ画像XYを作成し、作成したエッジ画像XYをSRAM243に記憶させる。
なお、画像認識DSP回路242が行う各種判定処理については、後述する。
<画像認識アクセラレータ回路>
画像認識アクセラレータ回路249は、勾配平均画像データに係る処理、エッジ勾配画像に係る処理及び高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform,以下「FFT変換」と称する場合がある)処理を行う。また、画像認識アクセラレータ回路249は、刻印判定処理に用いられる各種テンプレートを作成するテンプレート生成処理を行う。
[勾配平均画像データに係る処理]
勾配平均画像データに係る処理には、回転画像生成処理と、勾配平均画像データ生成処理が含まれる。
(1)回転画像生成処理
回転画像生成処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243からエッジ画像XYを取得し、取得したエッジ画像XYを1度単位で回転させて、360度分の回転画像を生成する。
(2)勾配平均画像データ生成処理
勾配平均画像データ生成処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、回転画像生成処理で生成した360度分の回転画像を累積加算して(重ね合わせて)、勾配平均画像データを生成する。勾配平均画像データの例として、図32Aに示す正規メダルの勾配平均画像データを図32Bに示す。そして、画像認識アクセラレータ回路249は生成した勾配平均画像データをSRAM243に記憶させる。
[エッジ勾配画像に係る処理]
エッジ勾配画像に係る処理には、極座標変換処理、Scharr変換処理、HOG変換処理が含まれる。
(1)極座標変換処理
極座標変換処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243からエッジ画像XYを取得し、取得したエッジ画像XYについて、直交座標を極座標に変換し、極座標画像データを作成する。具体的には、画像認識アクセラレータ回路249は、エッジ画像XYの各画素の直交座標(x,y)を、動径の長さrと、基準位置からの角度φで表した極座標(r, φ)に変換する。極座標(r, φ)と直交座標(x,y)との関係は、以下の式7,8で表される。
x=r cos(φ)・・・式(7)
y=r sin(φ)・・・式(8)
そして、画像認識アクセラレータ回路249は、作成した極座標画像データをSRAM243に記憶させる。
(2)Scharr変換処理
Scharr変換処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243から極座標画像データを取得し、X(縦)方向のエッジ極座標画像XとY(横)方向のエッジ極座標画像Yを作成する。したがって、Scharr変換処理を行う画像認識アクセラレータ回路249は、極座標画像を縦方向画像と横方向画像に分離する方向画像分離手段を構成する。
なお、Scharr変換処理においてエッジ極座標画像Xとエッジ極座標画像Yを作成する態様は、上述した非線形拡散フィルタ処理において、エッジ画像Xとエッジ画像Yを作成する態様と用いる係数を含めて同様のため、ここでは説明を省略する。
(3)HOG変換処理
HOG変換処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、エッジ勾配画像を作成し、作成したエッジ勾配画像にHOG変換を施す。ここで、HOG(Histograms of Oriented Gradients)変換とは、画像データにおける局所領域(セル)の輝度の勾配方向をヒストグラム化することであり、HOG変換を伴う画像マッチングには、局所的な形状変化(幾何学的変換)に強いことや照明の変動に影響を受けにくいという特徴がある。
具体的には、Scharr変換処理で作成したエッジ極座標画像Xとエッジ極座標画像Yからエッジ勾配画像を作成する。エッジ勾配画像における各画素の輝度すなわち勾配強度は、エッジ極座標画像Xにおける画素の輝度の値をQX、同一位置にあるエッジ極座標画像Yにおける画素の輝度の値をQYとした場合、以下の式9によって算出することができる。
また、エッジ勾配画像における各画素の勾配角度は、以下の式10によって算出することができる。
図33では、作成したエッジ勾配画像G4を模式的に示している。画像認識アクセラレータ回路249は、作成したエッジ勾配画像G4における2点鎖線で示した長方形の枠Sを局所領域(セル)として、局所領域毎に局所領域内の輝度の勾配方向のヒストグラムを、作成する。そして作成したヒストグラム一式(以降の説明において、「HOGデータ」と称する場合がある)をSRAM243に記憶させる。
[FFT変換処理]
FFT変換処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、上述の極座標変化処理によって作成され、SRAM243に記憶された極座標画像データを取得し、取得した極座標画像データに対して、FFT変換処理を施す。
具体的には、図34に示すように、画像認識アクセラレータ回路249は、取得した極座標画像データを、複数の領域に区画し、区画した各領域について、周波数と振幅の値を算出する。図では、極座標画像データを所定の角度ごとに区画し、当該区画した領域それぞれについて、周波数と振幅の値を算出した例を示している。
そして、画像認識アクセラレータ回路249は、取得した極座標画像データについて、算出した周波数と振幅の値(以下、これらを「FFTデータ」と称する場合がある)をSRAM243に記憶する。
[テンプレート生成処理]
画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート生成処理を実行し、本テンプレートを生成する。本テンプレートとは、勾配平均画像データ、HOGデータ及びFFTデータのセットからなる。実施形態では、最大で4種類の本テンプレートが生成される。また、本テンプレートは、後述する画像認識DSP回路242が実行する判定処理において用いられる。なお、テンプレート生成処理の詳細については、後述する。
<画像認識DSP回路による判定処理>
次に、画像認識DSP回路242が実行する判定処理について、説明する。判定処理は、テンプレート生成処理において、本テンプレートが生成され、登録された後に、実行される。判定処理には、勾配平均画像テンプレート比較処理、HOGテンプレート比較処理、FFTテンプレート比較処理及び3次元判定処理が含まれる。
(1)勾配平均画像テンプレート比較処理
勾配平均画像テンプレート比較処理において、画像認識DSP回路242は、投入されたメダルについて、画像認識アクセラレータ回路249が生成した勾配平均画像データをSRAM243から取得する。
次に、画像認識DSP回路242は、取得した勾配平均画像データと、各本テンプレートの勾配平均画像データとを比較し、ゼロ平均正規化相互相関マッチング(Zero-mean Normalized Cross Correlation,以降の説明において「ZNCC」と称する場合がある)によって、類似度の評価値xを算出する。なお、ZNCCによって得られる類似度の評価値は、−1.0000000〜1.0000000の範囲で算出され、1.0000000が最も類似度が高い(似ている)評価値となる。
(2)HOGテンプレート比較処理
HOGテンプレート比較処理において、画像認識DSP回路242は、投入されたメダルのHOGデータを取得する。次いで、取得したHOGデータと、各本テンプレートのHOGデータとを比較し、ZNCCによって類似度の評価値yを算出する。
(3)FFTテンプレート比較処理
FFTテンプレート比較処理において、画像認識DSP回路242は、投入されたメダルのFFTデータを取得する。次いで、取得したFFTデータと、各本テンプレートのFFTデータとを比較し、ZNCCによって類似度の評価値zを算出する。
(4)3次元判定処理
3次元判定処理において、画像認識DSP回路242は、上述の処理で算出した評価値x,y,zと、予め設定した係数A,C,Dからなる以下の式が成立する場合に、投入されたメダルと、本テンプレートとが、同一であると判定する。
x+Ay+Cz≧D ・・・式(11)
本実施形態において、本テンプレートは、最大で4種類作成される。画像認識DSP回路242は、各本テンプレートについて、3次元判定処理を行う。また、全ての本テンプレートについて上記式(11)が成り立たない場合は、判定対象のメダルは正規メダルでないと判定する。一方、上記式(11)が成り立つ本テンプレートが1以上あれば、判定対象のメダルが正規メダルと判定する。そして、画像認識DSP回路242は、判定結果として「正規メダル」を示す「判定OK」又は「不正メダル」を示す「判定NG」をSRAM243に記憶させる。画像認識DSP回路242は、判定結果を記憶する際に、判定に係るデータに引き継がれている上述の画像IDと、判定結果とを関連づけて記憶させる。
<GPIO>
GPIO250(図18参照)は、メダルセレクタ201に接続されている各機器と、制御LSI234と、の入出力のためのデバイスである。また、制御LSI234と、メダルセレクタ201を構成する各種デバイスと、の入出力のためのデバイスである。
例えば、GPIO250のLED制御出力PORTが、LED233に接続され、制御LSI234によるLED233の点灯及び消灯制御が可能となっている。また、GPIO250の報知用LED制御出力PORTが、報知用LED206cに接続され、制御LSI234による報知用LED206cの点灯及び消灯制御が可能となっている。また、GPIO250のAE設定用ポートがCMOSイメージセンサ232に接続され、制御LSI234によるCMOSイメージセンサ232の露光時間設定機構の制御(露光時間の設定)が可能となっている。
また、GPIO250のスイッチ入力用PORTが、初期化スイッチ206d、色スイッチ206e、刻印スイッチ206fに接続され、制御LSI234は、初期化スイッチ206d、色スイッチ206e、刻印スイッチ206fのスイッチ状態を取得可能となっている。
<UART>
UART252は、メダルセレクタ201と副制御基板72からなる副制御回路101との間で後述する各種コマンドを送受信するためのシリアル通信用デバイスである。なお、図18では副中継基板61の図示を省略している。
<ホストコントローラ>
ホストコントローラ241は、制御LSI234を構成する各デバイス、例えばメダルカウント回路246、カラー認識回路247、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識DSP回路242、画像認識アクセラレータ回路249、GPIO250、UART252の制御を行う。
また、ホストコントローラ241は、ISP回路245からAE判定処理の判定結果を受信すると、まず、SRAM243において露光時間の段階の値を記憶している領域を参照する。次に、露光時間の段階が「25」すなわち露光時間が上限の175μ秒に設定されていない場合は、CMOSイメージセンサ232の露光時間設定機構に対して、GPIO250のAE設定用PORTを介して、露光時間を1段階上げるように指示する旨の信号を出力する。そして、SRAM243において露光時間の段階の値を記憶している領域の値に1を加算する。なお、本実施形態では、露光時間の初期値が70μ秒に設定されていることから、露光時間の段階の値を記憶している領域に記憶される初期値は10に設定されている。すなわち、本実施形態では、制御LSI234のホストコントローラ241は、CMOSイメージセンサ232の露光時間の設定を行う露光時間設定手段を構成する。
一方、露光時間の段階が「25」すなわち露光時間が上限の175μ秒に設定されている場合は、ホストコントローラ241は、GPIO250の報知用LED制御出力PORTを介して、報知用LED206cに点灯を指示する信号を出力する。また、ホストコントローラ241は、副制御基板72(副制御回路101)に、メダルセレクタエラーコマンドを送信する。送信するメダルセレクタエラーコマンドのDAT0の値は、「掃除エラー」を示す「3」が設定される。なお、メダルセレクタエラーコマンドの詳細については後述する。
また、ホストコントローラ241は、メダルセレクタ201の任意の場所(例えば、第1の基板230の近辺)に設けられた、スイッチ基板(不図示)上に配置された初期化スイッチ(不図示)が押下されると、露光時間の段階を初期値の「10」、すなわち露光時間を70μ秒に設定する。これによって、例えば、遊技ホールの従業員が、カメラユニット209のレンズのメンテナンス(清掃等)した後に、初期化スイッチを押下することで、CMOSイメージセンサ232の適正な露光時間の再設定が可能となる。
また、ホストコントローラ241は、GPIO250を介して、LED233へ点灯指示や消灯指示に係る信号を出力する。
また、ホストコントローラ241には、GPIO250を介して、初期化スイッチ206d、色スイッチ206e、刻印スイッチ206fからのスイッチ状態に係る信号が入力される。
また、ホストコントローラ241は、SRAM243に、カウント処理に係る判定結果として「異常が発生した」が記憶された場合に、メダルセレクタエラーコマンドを副制御回路101に送信する。送信するメダルセレクタエラーコマンドのDAT0の値は、「異物検出エラー」を示す「1」が設定される。なお、メダルセレクタエラーコマンドの詳細については後述する。
また、ホストコントローラ241は、刻印判定処理の結果がSRAM243に記憶されたタイミングで、同一の画像IDに関連づけられている円形検出の判定結果、色判定の判定結果及び刻印判定の判定結果に応じた判定完了コマンドを副制御回路101に送信する。判定完了コマンドの詳細については後述する。
なお、SRAM243には、バックアップ電源(不図示)が接続されており、パチスロ1の電源切断時も一定期間(例えば、1週間程度)はSRAM243に記憶された内容は保持される。
<フラッシュメモリ>
フラッシュメモリ244には、制御LSI234を構成する各種デバイス、例えば、ホストコントローラ241、画像認識DSP回路242、魚眼補正スケーラ回路248、画像認識アクセラレータ回路249が各種処理に用いるパラメータや各種処理に必要なデータが記憶されている。また、フラッシュメモリ244には、上述の露光時間の段階の値を記憶している領域が設けられている。また、式(11)における係数A,C,Dを記憶している領域が設けられている。
<制御LSIの処理フロー>
次に、制御LSI234が行う処理について、図35を参照して説明する。図35は、制御LSI234が行う処理を説明するための処理フロー図である。
図35に示すように、制御LSI234では、大きく分けて入力処理、変換処理、色判定処理、カウント処理及び刻印判定処理が行われる。
<入力処理>
入力処理は、ISI回路251によって行われる。入力処理において、ISI回路251は、上述したとおり、CMOSイメージセンサ232からLVDS方式で送信された画像データをRGBベイヤ画像に変換して、ISP回路245に出力する。
<AE補正処理>
AE補正処理は、パチスロ1の電源投入時に、ISP回路245と、ホストコントローラ241によって行われる。また、AE補正処理は、後述する変換処理、色判定処理やカウント処理と並行して行われる。
AE補正処理において、ISP回路245は、ISI回路251から出力されたRGBベイヤ画像にメダルレール210の表面に形成された突条部210a(図8参照)の画像が含まれているか否かを判定するAE判定処理を行う。また、ISP回路245は、出力された画像に突条部210aの画像が含まれていないと判定するとき、このAE判定処理の判定結果をホストコントローラ241に出力する。
また、AE補正処理において、ホストコントローラ241は、ISP回路245からAE判定処理の判定結果が出力されると、まず、SRAM243において露光時間の段階の値を記憶している領域を参照する。次に、露光時間の段階が「25」すなわち露光時間が上限の175μ秒に設定されていない場合は、CMOSイメージセンサ232の露光時間設定機構に対して、GPIO250のAE設定用PORTを介して、露光時間を1段階上げる(7μ秒延長させる)ように指示する旨の制御信号を出力する。そして、SRAM243において露光時間の段階の値を記憶している領域の値に1を加算する。
このようにすることで、次に、ISP回路245がAE判定処理を行う画像は、露光時間が1段階上がったCMOSイメージセンサ232によって取得された画像に基づくRGBベイヤ画像となる。AE補正処理は、ISP回路245が、AE判定処理で、画像に突条部210aの画像が含まれると判定するまで、又は、露光時間が上限の175μ秒に設定されるまで、繰り返し行われる。
ISP回路245が、AE判定処理において、ISI回路251から出力された画像に突条部210aの画像が含まれていると判定するとき、このAE判定処理の判定結果をホストコントローラに出力せず、また、以降に、ISI回路251から出力された画像については、AE判定処理を行わない。すなわち、CMOSイメージセンサ232の露光時間は、ISP回路245がISI回路251から出力された画像に突条部210aの画像が含まれていると判定するときの露光時間に設定される。なお、ISP回路245が、電源投入後に最初にISI回路251から出力された画像に突条部210aの画像が含まれていると判定する場合は、CMOSイメージセンサ232の露光時間は、初期値の70μ秒(段階10)となる。
AE補正処理において、ホストコントローラ241は、ISP回路245からAE判定処理の判定結果が出力されたとき、露光時間の段階が「25」すなわち露光時間が上限の175μ秒に設定されている場合は、ホストコントローラ241は、GPIO250の報知用LED制御出力PORTを介して、報知用LED206cに点灯を指示する制御信号を出力する。また、ホストコントローラ241は、副制御基板72に、DAT0に「掃除エラー」を示す値「3」が設定されたメダルセレクタエラーコマンドを送信する。
このように、ホストコントローラ241が、報知用LED206cに点灯を指示する制御信号を出力するとともに、副制御基板72に、メダルセレクタエラーコマンドを送信する場合とは、露光時間を上限値の175μ秒に設定してもメダルレール210の突条部210aが撮像できなかった場合である。このような場合、カメラユニット209に何らかの障害(例えばレンズにほこりなどの汚れが付着している)が発生していることが考えられる。このため、この状態ではカメラユニット209を用いた遊技メダルの投入検知及び、不正行為の検知を有効に行えないことから、副制御回路101は、当該障害の発生を報知する種々の処理を行う。本実施形態では、液晶表示装置11に後述するC1エラー画面を表示する。
<変換処理>
変換処理は、ISP回路245によって行われる。変換処理において、ISP回路245は、ISI回路251から出力されたRGBベイヤ画像にレンズ歪み補正処理と射影変換(ホモグラフィ)処理を施す画像補正処理を行う。次いで、ISP回路245は、補正後のRGBベイヤ画像を、YUV画像データに変換し、グレースケール画像データをメダルカウント回路246に出力する色変換処理を行う。また、RGBベイヤ画像を、HSV画像データに変換し、このHSV画像データをカラー認識回路247に出力する色変換処理を行う。
変換処理の後、制御LSI234は、色判定処理、カウント処理、刻印判定処理を行う。なお、これらの処理は、各々の処理を実行する回路が別々の回路として構成されているため、各々の実行可能なタイミングで、並列的に実行される。
<色判定処理>
色判定処理は、カラー認識回路247によって行われる。色判定処理には、メダル検出処理、閾値判定処理、彩度・色相乗算処理、色テンプレート生成処理、及び、色テンプレート比較処理が含まれる。
まず、カラー認識回路247は、ISP回路245から出力されたHSV画像データにメダルの画像が含まれているか否かを判別するメダル検出処理を行う。HSV画像データにメダルの画像が含まれていると判別した場合、カラー認識回路247は、このHSV画像データに基づいて、閾値判定処理を行う。閾値判定処理において、平均彩度値と、平均色相値とに基づく閾値グラフ(図21参照)上の位置が許容領域内の場合は、色判定処理を継続する。一方、非許容領域内の場合は、判定結果として、「閾値判定不可」をSRAM243に記憶させ、色判定処理を終了する。
閾値判定処理後、カラー認識回路247は、彩度・色相乗算処理を行い、色判定用データを作成する。そして、作成した色判定用データと、色テンプレートとを比較し、一致又は所定程度類似するか否かを判定し、判定結果をSRAM243に記憶させる。なお、上述のように、カラー認識回路247は、色判定結果(「判定OK」又は「判定NG」)をSRAM243に記憶させる際は、判定に係るデータが引き継いでいる上述の画像IDと関連付けて記憶させる。
なお、電源投入後に投入されたメダルが規定初期投入枚数、本実施形態では50枚に達するまでは、色テンプレートが生成されていないため、色テンプレート比較処理は実行されない。
また、カラー認識回路247は、電源投入後に投入されたメダルが規定初期投入枚数の50枚に達し、色判定用データ記憶領域に記憶された色判定用データが50個に達すると、すなわち50枚のメダルに係る色判定用データが作成されると、色テンプレート生成処理を実行する。
<カウント処理>
カウント処理は、メダルカウント回路246によって行われる。カウント処理には、メダル検出処理と、順序判定処理が含まれる。メダル検出処理には、上述したメダル画像判別処理及びメダル位置検出処理が対応する。メダル検出処理において、メダルカウント回路246は、ISP回路245から出力されたグレースケール画像データに、メダルの画像が含まれているか否かを判別する。また、ISP回路245から出力されたグレースケール画像データにおける所定の判定領域にメダル画像が存在するか否かを判別し、判別結果(「IN」,「OUT」,「ON」,「OFF」のデータ)をSRAM243に記憶させる。
順序判定処理において、メダルカウント回路246は、SRAM243に記憶されている各判定領域についての「IN」,「OUT」,「ON」,「OFF」のデータの遷移の態様が所定の遷移の態様と一致しているか否かを判定する。そして、判定結果として、「メダルが通過した」、「メダルがメダルシュート202に案内された」又は「異常が発生した」のいずれかをSRAM243に記憶させる。
<刻印判定処理>
刻印判定処理には、魚眼補正スケーラ回路248によって行われる魚眼補正処理及びイコライズ処理が含まれる。また、画像認識DSP回路242によって行われる円領域検出処理、フィルタ処理、勾配平均画像テンプレート比較処理,HOGテンプレート比較処理,FFTテンプレート比較処理及び3次元判定処理が含まれる。また、画像認識アクセラレータ回路249によって行われる回転画像生成処理、勾配平均画像データ生成処理、勾配平均画像テンプレート生成処理、極座標変換処理、Scharr変換処理、HOG変換処理、HOGテンプレート生成処理、FFT変換処理、FFTテンプレート生成処理が含まれる。
魚眼補正処理において、魚眼補正スケーラ回路248は、SRAM243からグレースケール画像データを取得し、取得したグレースケール画像データを魚眼補正する魚眼補正処理を行う。次いで、イコライズ処理において、魚眼補正スケーラ回路248は、魚眼補正処理を行ったグレースケール画像データに対して、イコライズ処理を行い、縮小画像データを作成し、SRAM243に記憶させる。
ホストコントローラ241は、SRAM243に記憶された縮小画像データに対して、刻印判定処理における円領域検出処理以降の処理の実行を画像認識DSP回路242及び画像認識アクセラレータ回路249に指示する。
円領域検出処理において、画像認識DSP回路242は、縮小画像データをSRAM243から取得し、縮小画像データから円領域を検出する。上述のとおり、画像認識DSP回路242は、円領域が検出できた場合は、円形検出の判定結果として「判定OK」と、当該判定に係るデータが引き継いでいる上述の画像IDと、を関連づけて、SRAM243に記憶させる。なお、円領域検出処理において、円領域が抽出(検出)できなかった場合は、刻印判定処理における以降の処理は省略される。
また、フィルタ処理において、画像認識DSP回路242は、検出した円領域について、非線形拡散フィルタ処理を施してエッジ画像XYを作成し、SRAM243に記憶させる。
次いで、回転画像生成処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243からエッジ画像XYを取得し、エッジ画像XYから360度分の回転画像を生成する。また、勾配平均画像データ生成処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、360度分の回転画像を累積加算して(重ね合わせて)、勾配平均画像データを生成し、勾配平均画像データをSRAM243に記憶させる。
次いで、本テンプレートが登録されている場合は、画像認識DSP回路242が、勾配平均画像テンプレート比較処理において、画像認識アクセラレータ回路249が生成した勾配平均画像データをSRAM243から取得する。そして、取得した勾配平均画像データと、各本テンプレートの勾配平均画像データとを比較し、ZNCCによって類似度の評価値xを算出する。
一方、本テンプレートが登録されていない場合は、画像認識アクセラレータ回路249が後述する勾配平均画像テンプレート生成処理を行う。
また、回転画像生成処理に並行して、画像認識アクセラレータ回路249は、極座標変換処理を行う。極座標変換処理において、SRAM243から(上記回転画像生成処理において取得したエッジ画像XYと同一の)エッジ画像XYを取得し、取得したエッジ画像XYについて、直交座標を極座標に変換し、極座標画像データを作成し、極座標画像データをSRAM243に記憶させる。
次いで、Scharr変換処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243から極座標画像データを取得し、非線形拡散フィルタ処理を行いエッジ極座標画像Xとエッジ極座標画像Yを作成する。
次いで、HOG変換処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、エッジ極座標画像Xとエッジ極座標画像Yに基づいてエッジ勾配画像を作成し、作成したエッジ勾配画像にHOG変換を施し、局所領域毎に局所領域内の輝度の勾配方向のヒストグラムを、作成する。そして作成したヒストグラム一式(すなわちHOGデータ)をSRAM243に記憶させる。
次いで、本テンプレートが登録されている場合は、画像認識DSP回路242が、HOGテンプレート比較処理において、判定対象のHOGデータを取得し、取得したHOGデータと、各本テンプレートのHOGデータとを比較し、ZNCCによって類似度の評価値yを算出する。
一方、本テンプレートが登録されていない場合は、画像認識アクセラレータ回路249が後述するHOGテンプレート生成処理を行う。
また、Scharr変換処理に並行して、画像認識アクセラレータ回路249は、FFT変換処理を行う。FFT変換処理において、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243から極座標画像データを取得し、取得した極座標画像データに対して、FFT変換処理を施す。
次いで、本テンプレートが登録されている場合は、画像認識DSP回路242は、FFTテンプレート比較処理において、判定対象のFFTデータを取得し、取得したFFTデータと、各本テンプレートのFFTデータとを比較し、ZNCCによって類似度の評価値zを算出する。
一方、本テンプレートが登録されていない場合は、画像認識アクセラレータ回路249が後述するFFTテンプレート生成処理を行う。
勾配平均画像テンプレート比較処理、HOGテンプレート比較処理及びFFTテンプレート比較処理の結果、評価値x,y,zが算出された後、画像認識DSP回路242は、3次元判定処理を行い、判定結果をSRAM243に記憶する。上述のとおり、画像認識DSP回路242は、判定結果を記憶する際に、判定に係るデータに引き継がれている上述の画像IDと、判定結果とを関連づけて記憶させる。
刻印判定の判定結果がSRAM243に記憶されるとホストコントローラ241は、SRAM243に記憶されている同一の画像IDに関連づけられている円形検出の判定結果、色判定の判定結果及び刻印判定の判定結果に応じた判定完了コマンドを副制御回路101に送信する。
[テンプレート生成処理]
次に、画像認識アクセラレータ回路249が行うテンプレート生成処理について、図36及び図37に示すフローチャートを参照して、説明する。図36及び図37は、テンプレート生成処理の一例を示すフローチャートである。なお、テンプレート生成処理は、所定の周期で繰り返し実行される。また、テンプレート生成処理には、図35に示す勾配平均画像テンプレート生成処理、HOGテンプレート生成処理、FFTテンプレート生成処理を含む処理である。
まず、画像認識アクセラレータ回路249は、メダルが投入されたか否かを判定する(S1)。具体的には、メダルカウント回路246が、ISP回路245から出力されたグレースケール画像データに、メダルの画像が含まれていると判別したか否かを確認する。つまり、メダルカウント回路246がカウント処理を開始したか否かを確認する。メダルが投入されたと判定する場合(S1がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、処理をステップS2に移行する。一方、メダルが投入されていないと判定する場合(S1がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート生成処理を終了する。
ステップS2において、画像認識アクセラレータ回路249は、仮刻印を保持する(S2)。具体的には、メダルカウント回路246がメダルの画像が含まれていると判別したグレースケール画像データに対して魚眼補正スケーラ回路248及び画像認識DSP回路242が各種処理を施して作成したエッジ画像XYを用いて、投入されたメダルの勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータを生成する。そして、これら生成したデータのセットを、SRAM243に記憶する。
次に、画像認識アクセラレータ回路249は、メダルカウントがOKか否かを判定する(S3)。具体的には、ステップS1で開始を確認したメダルカウント回路246によるカウント処理の判定結果が、メダルレール210上を「メダルが通過した」であるか否かを判定する(S3)。ステップS3で、メダルカウントがOKでない場合(判定結果が「メダルが通過した」でない場合,すなわちS3がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、仮刻印を破棄する(S4)。すなわち、画像認識アクセラレータ回路249は、ステップS2でSRAM243に記憶させた勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータを破棄する。そして、画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート生成処理を終了する。
一方、ステップS3において、メダルカウントがOKである場合(判定結果が「メダルが通過した」である場合,すなわちステップS3がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、仮テンプレートがあるか否かを判定する(S5)。具体的には、SRAM243の仮テンプレート記憶領域を参照し、仮テンプレート(勾配平均画像データ、HOGデータ及びFFTデータのセット)が記憶されているか否かを判定する。ここで、本実施形態における仮テンプレート記憶領域として、仮テンプレートを10個(セット)記憶可能なように、仮テンプレート記憶領域No.1〜No.10が設定されている。
仮テンプレートが記憶されていないと判定する場合(S5がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、ステップS2でSRAM243に記憶させた勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータを、仮テンプレートとして仮テンプレート記憶領域No.1〜No.10の中の空き領域に記憶し、空き領域Noに応じた仮テンプレートの累積カウンタの値を1にする(S6)。なお、以降の説明において、仮テンプレート記憶領域No.1〜No.10のそれぞれに記憶されている仮テンプレートを「仮テンプレートNo.1〜No.10」と称する場合がある。すなわち、例えば、仮テンプレート記憶領域No.1に記憶されている仮テンプレートを「仮テンプレートNo.1」と称する場合がある。
次に、画像認識アクセラレータ回路249は、学習メダルカウントを行う(S7)。具体的には、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243に設けられた学習メダルカウンタの値に1を加算する。
次に、画像認識アクセラレータ回路249は、学習メダルカウンタの値が127か否かを判定する(S8)。学習メダルカウンタの値が127の場合(S8がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、処理を後述するステップS14に移行させる。一方、学習メダルカウンタの値が127でない場合(S8がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、学習メダルカウンタの値が259か否かを判定する(S9)。学習メダルカウンタの値が259の場合(S9がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、処理を後述するステップS16に移行させる。一方、学習メダルカウンタの値が259でない場合(S9がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート生成処理を終了する。
ここで、説明をステップS5に戻し、仮テンプレートが記憶されていると判定する場合(S5がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、ステップS2でSRAM243に記憶させた勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータが、仮テンプレートNo.1〜No.10のいずれかと同じか否かを判定する(S10)。すなわち、投入されたメダルが、仮テンプレートNo.1〜No.10のいずれかと同じかを判定する。
この比較において、画像認識アクセラレータ回路249は、ステップS2でSRAM243に記憶させた勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータと、仮テンプレートNo.1〜No.10(の勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータ)とを比較し、類似度の評価値x,y,zを算出する。具体的には、ZNCCによって、勾配平均画像データについて評価値xを算出し、HOGデータについて評価値yを算出し、FFTデータについて評価値zを算出する。そして、算出した評価値x,y,zと、予め設定した係数A,C,Dからなる上述の式(11)が成立する場合に、投入されたメダルと、仮テンプレートとが、同一であると判定する。
ステップS10において、ステップS2で投入されたメダルが、仮テンプレートNo.1〜No.10のいずれかと同じと判定する場合(S10がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、処理をステップS11に移行させる。ステップS11において、画像認識アクセラレータ回路249は、上記式が成立する(すなわち投入メダルと同じと判定された)仮テンプレートについて、累積カウントを行い、且つ、更新処理を行う(S11)。
具体的には、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243に仮テンプレートNo.1〜No.10毎に設けられた累積カウンタの内で、ステップS10で投入メダルと同じと判定された仮テンプレートの累積カウンタの値に1を加算する。また、同じと判定された仮テンプレートの勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータについて、これらのデータのそれぞれとステップS2でSRAM243に記憶させた投入メダルの勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータのそれぞれとを平均化し、更新する。そして、画像認識アクセラレータ回路249は、処理をステップS7に移行させる。
一方、ステップS10において、式(11)が成り立たず、投入されたメダルが、仮テンプレートNo.1〜No.10のいずれとも同じでないと判定する場合(S10がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、処理をステップS12に移行させる。ステップS12において、画像認識アクセラレータ回路249は、仮テンプレートが10個あるか否かを判定する(S12)。具体的には、画像認識アクセラレータ回路249は、仮テンプレート記憶領域No.1〜No.10を参照し、すべてに仮テンプレートが記憶されているか否かを判定する。
仮テンプレート記憶領域No.1〜No.10のすべてに仮テンプレートが記憶されていない場合(S12がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、処理をステップS6に移行させる。そして、ステップS6で、ステップS2でSRAM243に記憶させた勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータを仮テンプレートとして、仮テンプレート記憶領域No.1〜No.10の中の空き領域に記憶する。
一方、仮テンプレート記憶領域No.1〜No.10のすべてに仮テンプレートが記憶されている場合(S12がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、処理をステップS13に移行させる。ステップS13において、画像認識アクセラレータ回路249は、最下位の仮テンプレートとして記憶されている勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータを破棄する。(S13)。また、破棄した仮テンプレートNoの累積カウントの値を0にする。そして、画像認識アクセラレータ回路249は、処理をステップS6に移行させる。なお、移行したステップS6において、ステップS2でSRAM243に記憶させた勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータが仮テンプレートとして記憶される。すなわち、ステップS2でSRAM243に記憶させた勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータがS13で破棄した仮テンプレートに入れ替わるように記憶される。
ここで、説明をステップS8に戻し、学習メダルカウンタの値が127の場合(S8がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートが1種類又は2種類かを判定する(S14)。累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートが1種類又は2種類でないと判定する場合(ステップS14がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート生成処理を終了する。なお、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートが1種類又は2種類でない場合とは、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートが0又は3種類以上ある場合である。
一方、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートが1種類又は2種類であると判定する場合(ステップS14がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、累積カウンタが10以上の仮テンプレートを、本テンプレートに登録し、仮テンプレート記憶領域に記憶されている他の仮テンプレートは破棄する(S15)。ここで、本テンプレートに登録とは、SRAM243に設定されている本テンプレート記憶領域に、累積カウンタが10以上の仮テンプレートを、記憶させること、すなわちテンプレートの生成を完了することを意味する。そして、画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート生成処理を終了する。なお、以降の説明において、本テンプレート記憶領域に記憶されている仮テンプレートを「本テンプレート」と称する場合がある。
ここで、説明をステップS9に戻し、学習メダルカウンタの値が259の場合(S9がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートは0種類か否かを判定する(S16)。累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートは0種類であると判定する場合(S16がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、処理を後述するステップS20に移行する。
一方、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートが0種類でないと判定する場合(S16がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートは5種類以上か否かを判定する(S17)。累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートは5種類以上でないと判定する場合(S17がNO判定の場合,すなわち10以上の仮テンプレートが1〜4種類の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートを本テンプレートに登録し、仮テンプレート記憶領域に記憶されている他の仮テンプレートは破棄する(S18)。そして、画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート生成処理を終了する。
一方、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートが5種類以上であると判定する場合(S17がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、累積カウンタの値が上位4位と5位の仮テンプレートについて、累積カウンタの値が等しいか否かを判定する(S19)。累積カウンタの値が等しくない場合(19がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、累積カウンタの値が上位1位から4位までの4種類の仮テンプレートを本テンプレートに登録し、仮テンプレート記憶領域に記憶されている他の仮テンプレートは破棄する(S21)。そして、画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート生成処理を終了する。
ステップS16で、累積カウンタの値が10以上の仮テンプレートは0種類であると判定する場合(S16がYES判定の場合)及びステップS19で、累積カウンタの値が等しいと判定する場合(S19がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、ホストコントローラ241にメダルセレクタエラーコマンドの送信を要求する(S20)。ホストコントローラ241は、当該要求に応じて、メダルセレクタエラーコマンドを送信する。なお、このメダルセレクタエラーコマンドのDAT0の値は、「刻印テンプレート生成エラー」を示す「5」が設定されている。メダルセレクタエラーコマンドの詳細については後述する。
そして、画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート生成処理を終了する。
[本テンプレート更新処理]
次に、画像認識アクセラレータ回路249が行う本テンプレート更新処理について、図38を参照して、説明する。図38は、本テンプレート更新処理の一例を示すフローチャートである。本テンプレート更新処理は、画像認識DSP回路242が3次元判定処理を行う度に実行される。
まず、画像認識アクセラレータ回路249は、画像認識DSP回路242の3次元判定処理の判定結果が「正規メダル」か否か、すなわち「判定OK」か否か、を判定する(S31)。判定結果が「正規メダル」でない場合、すなわち「判定NG」の場合(S31がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、本テンプレート更新処理を終了する。
一方、判定結果が「正規メダル」である場合、すなわち「判定OK」の場合(S31がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243に設定されている正規メダルカウンタの値に1を加算する(S32)。
次いで、画像認識アクセラレータ回路249は、正規メダルカウンタの値が4であるか否かを判定する(S33)。正規メダルカウンタの値が4でない場合(S33がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、本テンプレート更新処理を終了する。
一方、正規メダルカウンタの値が4である場合(S33がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、本テンプレート更新処理を行う(S34)。具体的には、直近の3次元判定処理で、式(11)が成立した本テンプレートの勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータのそれぞれに、投入されたメダルの勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータを合成する。本実施形態では、投入されたメダルの勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータを1/256の加重平均で、本テンプレートの勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータのそれぞれに合成する。なお、投入されたメダルの勾配平均画像データ、HOGデータ、FFTデータに対する重み付けは1/256に限らず、任意に設定可能である。また、本実施形態では、加重平均で合成する方法を説明したが、これに限らず、単純平均、又は、指数平均で合成してもよい。
ステップS34の後、画像認識アクセラレータ回路249は、正規メダルカウンタをクリアし、本テンプレート更新処理を終了する。
なお、式(11)が成立する本テンプレートが複数ある場合は、x+Ay+Czで算出される値がもっとも大きな値に係る本テンプレートを更新する。例えば、本テンプレートとして、本テンプレートA,Bの二つが登録されていた場合で、投入されたメダルを本テンプレートAと比較した場合のx+Ay+Czの値が2.4であり、投入されたメダルを本テンプレートBと比較した場合のx+Ay+Czの値が2である場合は、本テンプレートAを更新する。
上述のテンプレート生成処理(図36及び図37参照)によって、例えば、表と裏で刻印(模様)が異なる2種類のメダルを正規メダルとして使用する場合は、これら2種類のメダルの表と裏に係る4種類のテンプレートを生成することができる。また、正規メダルが1種類であったときは、この正規メダルの表と裏に係る2種類のテンプレートが生成することができる。
[係数更新処理]
次に、画像認識アクセラレータ回路249が行う係数更新処理について、図39を参照して、説明する。図39は、係数更新処理の一例を示すフローチャートである。係数更新処理は、式(11)における係数A,C,Dの値を更新する処理である。係数更新処理は、画像認識DSP回路242が3次元判定処理を行う度に実行される。
まず、画像認識アクセラレータ回路249は、画像認識DSP回路242の3次元判定処理の判定結果が「判定OK」か否かを判定する(S41)。判定結果が「判定OK」でない場合(S41がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、係数更新処理を終了する。
一方、判定結果が「判定OK」である場合(S41がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、SRAM243に設定されている更新用メダルカウンタの値に1を加算する(S42)。
次に、画像認識アクセラレータ回路249は、テンプレート比較の結果を累積する(S43)。具体的には、3次元判定処理において「判定OK」と判定されたときの評価値x,y,zの平均値と、標準偏差を算出する。そして、算出したx,y,zの平均値と標準偏差をSRAM243の所定の領域に記憶する。
次に、画像認識アクセラレータ回路249は、更新用メダルカウンタの値が所定値か否かを判定する(S44)。本実施形態において所定値は、例えば、500,1000,以降は1000の倍数(例えば、2000,3000,4000)に設定されている。
更新用メダルカウンタの値が所定値でない場合(S44がNO判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、係数更新処理を終了する。一方、更新用メダルカウンタの値が所定値の場合(S44がYES判定の場合)、画像認識アクセラレータ回路249は、閾値を更新する。
ここで、閾値の更新方法について、更新用メダルカウンタの値が500のとき、すなわちテンプレート生成後に投入された正規メダルが500枚に達したときを例に説明する。まず、評価値xと評価値yに着目し、x+Ay≧Bが成り立つとき、正規メダルと判別すると考える。この場合、テンプレート生成後に投入され、正規メダルと判断された500枚のメダルについて、xの平均を「μx」、標準偏差を「σx」とし、yの平均を「μy」、標準偏差を「σy」とするとき、y=1のときの閾値直線上のxの値は、以下の式で与えられる。
x1=μx−σx×kx ・・・式(12)
また、x=1のときの閾値直線上のyの値は、以下の式で与えられる。
y1=μy−σy×ky ・・・式(13)
なお、kは別途定める定数、例えば12αである。
上記の式(12),(13)によって、係数A,Bを以下の式で求めることができる。
A=(x1−1)/(y1−1)
B=x1+A
次に、上記で求めた係数Aを用いて、同様に、式(11)のx+Ay+Cz≧Dにおける係数C,Dについて求める。
ここで、x+Ay=wとし、w+Cz≧Dとした場合、テンプレート生成後に投入され、正規メダルと判断された500枚のメダルについて、zの平均「μz」とし、zの標準偏差を「σz」とするとき、w=1のときの閾値直線上のzの値は、以下の式で与えられる。
z1=μz−σz×kz ・・・式(14)
また、z=1のときの閾値直線上のwの値は、以下の式で与えられる。
w1=μw−σw×kw ・・・式(15)
なお、μw=μx+Aμy、σw=σx+Aσyとする。
上記式(14),(15)によって、C,Dを以下の式で求めることができる。
C=(w1−1)/(z1−1) ・・・式(16)
D=w1+C ・・・式(17)
ここで、図40において、x1,y1,z1について3次元のグラフで示す。図40において、x1,y1,z1をつなぐ太線が、閾値平面の輪郭を示している。図40において、閾値平面と、破線で囲まれた空間の内で、原点から遠い部分(図40の手前の部分、網掛けで表示)に、本テンプレートとの比較の結果としての評価値x,y,zが示す点が含まれる場合(すなわち、3次元判定処理で判定結果がOKの場合)、投入されたメダルは、正規メダルと判定される。すなわち、本実施形態において、上記式(12)〜(14)で算出されたx1,y1,z1が形成する閾値平面と判定基準座標(1,1,1)との間に、評価値x,y,zが内包されるか否かを判定する判定方式を、3次元判定処理と称している。なお、図40では、便宜上、座標(0,0,0)〜(−1,−1,−1)の空間の図示を省略している。
次に、画像認識アクセラレータ回路249は、フラッシュメモリ244の記憶されている係数A,C,Dを算出した係数A,C,Dに更新する(S46)。そして、画像認識アクセラレータ回路249は、係数更新処理を終了する。
[カバー開放検出処理]
次に、メダルカウント回路246が行うカバー開放検出処理について説明する。
上述したように、メダルセレクタ201には、メダルセレクタ201のパチスロ1の前後方向の後側を覆うカバー部材240が固定されている(図7参照)。このカバー部材240がメダルセレクタ201におけるパチスロ1の前後方向の後側を露出する開放状態に設定されていると、同後側を覆う閉鎖状態に設定されている場合に比べて、メダルレール210上に、余計な光が当たってしまう。これによって、メダルセレクタ201が行う刻印判定処理に悪影響が及び、判定精度が落ちてしまうことが考えられる。また、通常の運用では、カバー部材240が開放状態となる原因としては、メダルセレクタ201のメンテナンス時のカバー部材240の取付不備、又は、メダルセレクタ201へのゴト行為(例えば、クレジット満杯ゴト等)が考えられる。
そこで、本実施形態のメダルカウント回路246は、カバー部材240が開放状態になっていることを検出するカバー開放検出処理を行う。ここで、グレースケール画像において、メダルの通過に係る輝度の変化と、メダルレール210上に、余計な光が当たっている場合の輝度の変化とは類似している場合がある。このため、本処理において、メダルカウント回路246は、複数の判定領域、例えば判定領域A1〜A4,B1〜B4,C1,C2,D1〜D4(図22参照)において、判定結果が「ON」の状態が所定時間(例えば、10秒)続いた場合に、カバー部材240が開放状態になっていると判定する。そして、判定結果を、ホストコントローラ241に出力する。ホストコントローラ241は、判定結果を検知すると、副制御回路101に対し、メダルセレクタエラーコマンドを送信する。なお、このメダルセレクタエラーコマンドのDAT0には「カバー開放エラー」を示す「2」が設定されている。なお、メダルセレクタエラーコマンドの詳細については後述する。
副制御回路101は、DAT0には「カバー開放エラー」を示す「2」が設定されているメダルセレクタエラーコマンド、カバー開放エラー報知処理を実行する。ここで、カバー開放エラー報知処理とは、後述のC1エラー画面を、液晶表示装置11に表示する処理である。これによって、この報知画面を見る者、例えば遊技ホールの従業員は、カバー部材240が開放状態であることを把握できる。
なお、本実施形態では、カバー開放検出処理において、判定領域A1〜A4,B1〜B4,C1,C2,D1〜D4(図22参照)について、判定結果が「ON」の状態が所定時間続いた場合に、カバー開放と判定する態様を説明した。しかし、カバー開放検出処理において着目する複数の判定領域は、適宜設定可能である。ただし、メダル詰まりの場合に、誤ってカバー開放と判定しないように、一枚のメダルが問題なく通過するときに、同時に「ON」状態にならない領域(例えば、A2とD4)が含まれていることが望ましい。
<メダルセレクタと副制御回路間で送受信されるコマンド>
ここで、図41を参照し、メダルセレクタと副制御回路間で送受信されるコマンドについて、説明する。図41は、メダルセレクタと副制御回路間で送受信されるコマンドの一覧表である。
[メダルセレクタが送信するコマンド]
まず、メダルセレクタ201が副制御回路101へ送信するコマンドについて説明する。図41に示すように、当該コマンドには、起動完了コマンド、判定完了コマンド、メダルセレクタエラーコマンド、メダルセレクタ無操作コマンド、ACKコマンド、NAKコマンドがある。いずれのコマンドも、2バイトの送信カウンタ(CNT)と、DAT0〜DAT6からなるパラメータを含んで構成されている。なお、本実施形態において、DAT0〜DAT6は、それぞれ1バイト(ビット0〜ビット7)のデータである。また、各種コマンドのデータ長は、送信カウンタを加えた9バイトに設定されているが、このデータ長は適宜設定可能である。
メダルセレクタ201が送信するコマンドにおける送信カウンタ(CNT)の初期値は、メダルセレクタ201の起動回数が設定されている。この送信カウンタの値は、メダルセレクタ201が副制御回路101にコマンドを送信する度に1が加算される。
[起動完了コマンド]
起動完了コマンドは、メダルセレクタ201に電源が投入され、起動処理が終了した後に送信される。起動完了コマンドのDAT0のビット0の値は、初期化が行われた否かを示す。「0」は、「初期化なし」を示し、「1」は「初期化あり」を示す。ここで、メダルセレクタ201の制御LSI234は、通電中に初期化が行われると、フラッシュメモリ244の起動用初期化フラグ格納領域の値に「1」を設定する。そして、制御LSI234は、電源が投入され、起動完了コマンドを送信する際に、フラッシュメモリ244の起動用初期化フラグ格納領域を参照し、格納されている値に応じて、起動完了コマンドのDAT0のビット0の値を設定する。起動完了コマンドのDAT0のビット0の値が「1」の場合、すなわち起動時の起動用初期化フラグ格納領域の値に「1」が設定されている場合、メダルセレクタ201が副制御回路101から起動完了コマンドに対するACKコマンドを受信すると、制御LSI234は、起動用初期化フラグ格納領域の値に「0」を設定する。
また、起動完了コマンドのDAT0のビット1の値は、コマンド送信時に色判定が有効か無効かを示す。値「0」は、「色判定無効」を示し、値「1」は「色判定有効」を示す。「色判定有効」となる場合は、コマンド送信時に色テンプレートが作成済みであり、起動時の色スイッチがON状態の場合である。それ以外の場合は「色判定無効」となる。また、起動完了コマンドのDAT0のビット2の値は、コマンド送信時に刻印判定が有効か無効かを示す。値「0」は、「刻印判定無効」を示し、値「1」は「刻印判定有効」を示す。「刻印判定有効」となる場合は、コマンド送信時に刻印テンプレートが作成済みであり、起動時の刻印スイッチがON状態の場合である。それ以外の場合は「刻印判定無効」となる。
起動完了コマンドのDAT1は、コマンド送信時の各種スイッチのON/OFF状態を示す。ビット0の値は初期化スイッチのON/OFF状態を示し、ビット1の値は色スイッチのON/OFF状態を示し、ビット2の値は刻印スイッチのON/OFF状態を示す。いずれのビットにおいても、「0」は、「OFF状態」を示し、「1」は「ON状態」を示す。
[判定完了コマンド]
判定完了コマンドは、送信カウンタ(CNT)と、円形検出の判定結果、色判定の判定結果及び刻印判定の判定結果と、を示すパラメータを含んで構成される。判定完了コマンドのDAT0の値は円形検出の判定結果を示し、DAT1の値は色判定の判定結果を示し、DAT2の値は刻印判定の判定結果を示す。いずれのビットにおいても、「0」は、「NG」(すなわち「判定NG」)を示し、「1」は「OK」(すなわち「判定OK」)を示す。
[メダルセレクタエラーコマンド]
メダルセレクタエラーコマンドは、メダルセレクタ201が各種エラーを検知したときに送信される。このコマンドは、送信カウンタ(CNT)と、コマンド送信時に発生中のエラーの種類を示すパラメータと、を含んで構成される。メダルセレクタエラーコマンドのDAT0の値は0〜6に設定される。「0」は「エラーなし」を示し、「1」は「異物検出エラー」を示し、「2」は「カバー開放エラー」を示す。また、「3」は「掃除エラー」を示し、「4」は「色テンプレート生成エラー」を示し、「5」は「刻印テンプレート生成エラー」を示し、そして、「6」は、「CMOSハードエラー」を示す。なお、メダルセレクタ201の制御LSI234は、各種エラーを検知したとき、SRAM243に設けられたエラー記憶領域(初期値「0」)にエラーの内容(1〜6)を記憶する。SRAM243に記憶されたエラーの内容は、メダルセレクタ201が副制御回路101から後述するエラー解除コマンドを受信したとき削除される(初期値「0」が記憶される)。
[メダルセレクタ無操作コマンド]
メダルセレクタ無操作コマンドは、メダルセレクタ201から周期的に副制御回路101に送信される。メダルセレクタ無操作コマンドには、送信カウンタ(CNT)が含まれる。
また、メダルセレクタ無操作コマンドのDAT0のビット0の値は、初期化が行われた否かを示す。「0」は、「初期化なし」を示し、「1」は「初期化あり」を示す。ここで、メダルセレクタ201の制御LSI234は、通電中に初期化が行われると、SRAM243の無操作用初期化フラグ格納領域の値に「1」を設定する。そして、制御LSI234は、メダルセレクタ無操作コマンドを送信する際に、SRAM243の無操作用初期化フラグ格納領域を参照し、格納されている値に応じて、メダルセレクタ無操作コマンドのDAT0のビット0の値を設定する。メダルセレクタ無操作コマンドのDAT0のビット0の値が「1」の場合、すなわち無操作用初期化フラグ格納領域の値に「1」が設定されている場合、メダルセレクタ201が副制御回路101から当該メダルセレクタ無操作コマンドに対するACKコマンドを受信すると、制御LSI234は、無操作用初期化フラグ格納領域の値に「0」を設定する。
その他のメダルセレクタ無操作コマンドのDAT0及びDAT1については、起動完了コマンドのDAT0及びDAT1と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、メダルセレクタ無操作コマンドのDAT3には、上述したSRAM243のエラー記憶領域の内容(0〜6のいずれかの値)がセットされる。内容は、メダルセレクタエラーコマンドのDAT0と同様である。
メダルセレクタ無操作コマンドのDAT3、DAT4の値は、メダルセレクタ201の起動回数を示す。この起動回数は、フラッシュメモリ244に記憶されており、メダルセレクタ201が起動する毎に、起動回数に1が加算される。具体的には、メダルセレクタ201は、図示しない制御電源管理部を有し、制御電源管理部は、メダルセレクタ201への電源電圧の供給(電源の投入)が開始され、予め設定された電圧値を上回った場合に、制御LSI234にリセット信号を出力する。制御LSI234は、リセット信号が入力されたことに基づいて、起動回数を1加算する。メダルセレクタ201(の制御LSI234)は、メダルセレクタ無操作コマンド送信時に、フラッシュメモリ244の起動回数を参照し、DAT3、DAT4の値を設定する。なお、起動回数は、上述した初期化スイッチ206dの操作により、制御LSI234が行う、初期化処理で初期値「0」に初期化される。
[ACKコマンド、NAKコマンド]
ACKコマンドは、メダルセレクタ201が副制御回路101から送信されたコマンドを正常に受信できたときに送信される。NAKコマンドは、メダルセレクタ201が副制御回路101から送信されたコマンドを正常に受信できなかったときに送信される。ACKコマンド及びNAKコマンドには、送信カウンタ(CNT)が含まれている。また、ACKコマンド及びNAKコマンドのDAT0、DAT1の値は、副制御回路101から送信されたコマンドに含まれている送信カウンタの値を示す。
[副制御回路が送信するコマンド]
次に、副制御回路101がメダルセレクタ201へ送信するコマンドについて説明する。図41に示すように、当該コマンドには、エラー解除コマンド、投入状態コマンド、ACKコマンド、NAKコマンドがある。いずれのコマンドも、2バイトの送信カウンタ(CNT)と、DAT0〜DAT6からなるパラメータを含んで構成されている。本実施形態において、DAT0〜DAT6は、それぞれ1バイト(ビット0〜ビット7)のデータである。また、各種コマンドのデータ長は、送信カウンタを加えた9バイトに設定されているが、このデータ長は適宜設定可能である。
副制御回路101が送信するコマンドにおける送信カウンタ(CNT)の初期値は、副制御回路101の起動後、最初にコマンドを送信する際に取得する乱数が設定される。なお、この乱数を発生させるために、この乱数を発生させる専用の乱数発生処理(ソフト乱数)、又は、デバイスを設けてもよいし、演出の態様を決定する際に用いる乱数を発生させる乱数発生処理、又は、デバイスを利用してもよい。
[エラー解除コマンド]
エラー解除コマンドは、後述するメダルセレクタコマンド送信処理(図59参照)において、メダルセレクタ201に発生したエラーの解除条件が成立したときに送信される。ただし、エラーの解除条件の成立とは、メダルセレクタ201に発生したエラーが実際に解除されたか否かではなく、エラー解除コマンドを送信するための条件が成立したか否かである。
[投入状態コマンド]
投入状態コマンドは、所定の周期又は後述するメダルセレクタコマンド送信処理(図59参照)において送信される。投入状態コマンドのDAT0の値は、メダル受付可か否かを示す。「1」は、「受付可」を示し、「0」は「受付不可」を示す。
[ACKコマンド、NAKコマンド]
ACKコマンドは、副制御回路101がメダルセレクタ201から送信されたコマンドを正常に受信できたときに送信される。NAKコマンドは、副制御回路101がメダルセレクタ201から送信されたコマンドを正常に受信できなかったときに送信される。ACKコマンド及びNAKコマンドには、送信カウンタが含まれている。また、ACKコマンド及びNAKコマンドのDAT0、DAT1の値は、メダルセレクタ201から送信されたコマンドに含まれている送信カウンタの値を示す。
<メダルセレクタと副制御回路間のコマンド送受信シーケンス>
次に、図42を参照し、メダルセレクタと副制御回路間のコマンド送受信シーケンスの一例について説明する。図42は、メダルセレクタと副制御回路間のコマンド送受信シーケンスの一例を説明するための図である。
パチスロ1に電源が投入され、メダルセレクタ201及び副制御回路101が起動すると、メダルセレクタ201は、副制御回路101に起動完了コマンドを送信する。このとき、フラッシュメモリ244に記憶されている起動回数が「10」のとき、起動完了コマンドに含まれる送信カウンタ(CNT)の値は「10」となる。
続いて、起動完了コマンドを正常に受信した副制御回路101は、メダルセレクタ201にACKコマンドを送信する。このACKコマンドに含まれる送信カウンタの値は、送信時に取得した乱数の値、例えば「256」となる。また、このACKコマンドのDAT0及びDAT1の値は、受信した起動完了コマンドに含まれていた送信カウンタの値である「10」となる。
続いて、図42に示す例では、メダルセレクタ201は、副制御回路101にメダルセレクタ無操作コマンドを送信する。このメダルセレクタ無操作コマンドに含まれる送信カウンタの値は、初期値「10」に1を加算した「11」となる。
続いて、メダルセレクタ無操作コマンドを正常に受信した副制御回路101は、メダルセレクタ201にACKコマンドを送信する。このACKコマンドに含まれる送信カウンタの値は、初期値「256」に1を加算した「257」となる。また、このACKコマンドのDAT0及びDAT1の値は、受信したメダルセレクタ無操作コマンドに含まれていた送信カウンタの値である「11」となる。
続いて、図42に示す例では、副制御回路101は、投入状態コマンドをメダルセレクタ201に送信する。この投入状態コマンドに含まれる送信カウンタの値は「257」に1を加算した「258」となる。ここで、何らかの原因でメダルセレクタがリブート(再起動)し、再起動後、投入状態コマンドに対するACKコマンドを送信する場合、このACKコマンドに含まれる送信カウンタは、再び初期値となる。この場合、起動回数は「11」となるので、ACKコマンドに含まれる送信カウンタは「11」となる。
本実施形態において、副制御回路101は、メダルセレクタ201からACKコマンドを受信すると、受信したACKコマンドに含まれている送信カウンタの値が、前回、メダルセレクタ201から受信したコマンドに含まれていた送信カウンタの値に「1」を加算した値と等しいか否かを判定する。そして、等しくないと判定する場合は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、エラー内容として「CMOS CNT」(以下、「ACKカウントエラー」と称する場合がある)、発生日時として現在の日付と時刻を記憶させる。
図42に示す例では、受信したACKコマンドに含まれている送信カウンタの値は「11」である。また、前回、メダルセレクタ201から受信したコマンドであるメダルセレクタ無操作コマンドに含まれていた送信カウンタの値「11」に「1」を加算した値は「12」である。したがって、サブCPU102は、これらの値が等しくないと判定する。このため、サブCPU102は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、エラー内容として「CMOS CNT」(ACKカウントエラー)、発生日時として現在の日付と時刻を記憶させる。
また、メダルセレクタ201は、500msecの周期で副制御回路101にコマンドを送信する。例えば、図42に示す例では、起動完了コマンドを副制御回路101に送信した500msec後にメダルセレクタ無操作コマンドが副制御回路101に送信される。なお、メダルセレクタ201から副制御回路101にコマンドを送信する周期は適宜設定可能である。
<副制御回路が行う各種処理>
次に副制御回路101(のサブCPU102)が行う各種処理について、図43〜図60を参照して説明する。
[電源投入処理]
電源投入処理について、図43を参照して、説明する。図43は、電源投入処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU102は、パチスロ1の電源投入時に、電源投入処理を行う。
電源投入処理において、まず、サブCPU102は、初期化処理を行う(S101)。具体的には、サブCPU102は、各ドライバの初期化やカーネル(kernel又はOperating System)の起動を実行する。
次に、サブCPU102は、サブRAM103に設けられているサブ電源投入カウンタ(の値)に1を加算する(S102)。具体的には、副制御回路101は、図示しない副制御電源管理部を有し、副制御電源管理部は、副制御回路101への電源電圧の供給(電源の投入)が開始され、予め設定された電圧値を上回った場合に、サブCPU102の図示しないリセット端子にリセット信号を出力する。サブCPU102は、リセット信号が入力されたことに基づいて、サブ電源投入カウンタ(の値)に1を加算する。なお、サブ電源投入カウンタは、メダルセレクタ201が初期化され、副制御回路101がメダルセレクタ201から初期化がセットされた(DAT0のビット0に1がセットされた)起動完了コマンドを受信したときに、クリアされる(0がセットされる)。
そして、サブCPU102は、電源投入処理を終了する。
[無操作コマンド受信時処理]
無操作コマンド受信時処理について、図44を参照して、説明する。図44は、無操作コマンド受信時処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU102は、副制御回路101が主制御回路91から無操作コマンドを受信したときに、無操作コマンド受信時処理を行う。
ここで、主制御回路91から副制御回路101に送信されるコマンドには、エラーコマンド、スタートコマンド、入賞作動コマンド、メダル投入コマンドや無操作コマンドがある。
エラーコマンドは、主制御回路91がエラーを検知したときに、主制御回路91から副制御回路101に送信される。エラーコマンドには、例えば主制御回路91が検知した各種エラーの内容を示すパラメータを含んで構成される。スタートコマンドは、主制御回路91が遊技者のスタートレバー23の操作を検知したときに、主制御回路91から副制御回路101に送信される。
入賞作動コマンドは、所定のタイミングで、主制御回路91から副制御回路101に送信される。入賞作動コマンドには、例えば表示役の種別、ロック演出に係るフラグ、メダルの払出枚数等を示すパラメータを含んで構成される。副制御回路101は、入賞作動コマンドを受信することで、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
メダル投入コマンドは、再遊技の作動時や、遊技者の投入操作(BETボタン22の押下やメダル投入口21へのメダルの投入)時に、主制御回路91から副制御回路101に送信される。メダル投入コマンドには、メダルの投入枚数及び後述するクレジット投入カウンタが含まれる。
無操作コマンドは、メインCPU93が所定の時間(例えば、1.1173ms)毎に実行する割込の処理において、上述の無操作コマンド以外の全てのコマンドを送信しないときに送信される。無操作コマンドには、各種ボタン(BETボタン22やストップボタン19L,19C,19R等)の押下状態や、メダルソレノイド208を、ON状態に設定しているか、OFF状態に設定しているかを示す情報が含まれている。また、後述するリセットスイッチがON状態かOFF状態かを示す情報が含まれている。
無操作コマンド受信時処理において、サブCPU102は、サブRAM103の無操作コマンド格納領域に受信した無操作コマンドの各種パラメータを保存する(記憶させる)(S111)。これによって、サブCPU102は、保存した各種パラメータに応じた各種処理を実行することができる。そして、サブCPU102は、無操作コマンド受信時処理を終了する。
[メダルセレクタ通信タスク]
メダルセレクタ通信タスクについて、図45を参照して、説明する。図45は、メダルセレクタ通信タスクの一例を示すフローチャートである。サブCPU102は、電源投入処理後に、メダルセレクタ通信タスクを実行する。
メダルセレクタ通信タスクにおいて、まず、サブCPU102は、10msec周期待ち処理を行う(S121)。具体的には、サブCPU102は、処理がステップS121に移行してから10msec経過するまでの間、処理をステップS122へ移行させず、10msec経過後に処理をステップS122に移行させる。すなわちメダルセレクタ通信タスクのステップS122以降の処理は、10msec毎に行われる。
次に、サブCPU102は、メダルセレクタ受信バッファに受信データがあるか否かを判定する(S122)。メダルセレクタ受信バッファは、サブRAM103に設けられており、メダルセレクタ201から副制御回路101に送信された各種コマンドやデータを一時的に記憶する。
ステップS122で、メダルセレクタ受信バッファに受信データがないと判定した場合(S122がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理をステップS121に移行させる。一方、ステップS122で、メダルセレクタ受信バッファに受信データがあると判定した場合(S122がYES判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド受信処理を行う(S123)。メダルセレクタコマンド受信処理では、サブCPU102は、メダルセレクタ201から受信したコマンドに応じて各種処理を実行する。メダルセレクタコマンド受信処理の詳細については、後述する。
次に、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド送信処理(S124)を行う。メダルセレクタコマンド送信処理では、サブCPU102は、メダルセレクタ201に各種コマンドを送信する。メダルセレクタコマンド送信処理の詳細については、後述する。ステップS124の後、サブCPU102は、処理をステップS121に移行させる。
[メダルセレクタコマンド受信処理]
メダルセレクタコマンド受信処理について、図46を参照して、説明する。図46は、メダルセレクタコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。
メダルセレクタコマンド受信処理において、まず、サブCPU102は、メダルセレクタ201から受信したコマンドが起動完了コマンドか否かを判定する(S131)。
ステップS131で、受信したコマンドが起動完了コマンドであると判定する場合(S131がYES判定の場合)、サブCPU102は、起動完了コマンド受信時処理を行う(S132)。起動完了コマンド受信時処理の詳細については、後述する。その後、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド受信処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
一方、ステップS131で、受信したコマンドが起動完了コマンドでないと判定する場合(S131がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタ201から受信したコマンドが判定完了コマンドか否かを判定する(S133)。
ステップS133で、受信したコマンドが判定完了コマンドであると判定する場合(S133がYES判定の場合)、サブCPU102は、判定完了コマンド受信時処理を行う(S134)。判定完了コマンド受信時処理の詳細については、後述する。その後、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド受信処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
一方、ステップS133で、受信したコマンドが判定完了コマンドでないと判定する場合(S133がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタ201から受信したコマンドがメダルセレクタエラーコマンドか否かを判定する(S135)。
ステップS135で、受信したコマンドがメダルセレクタエラーコマンドであると判定する場合(S135がYES判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタエラーコマンド受信時処理を行う(S136)。メダルセレクタエラーコマンド受信時処理の詳細については、後述する。その後、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド受信処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
一方、ステップS135で、受信したコマンドがメダルセレクタエラーコマンドでないと判定する場合(S135がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタ201から受信したコマンドがACK又はNAKコマンドか否かを判定する(S137)。
ステップS137で、受信したコマンドがACK又はNAKコマンドであると判定する場合(S137がYES判定の場合)、サブCPU102は、ACK/NAKコマンド受信時処理を行う(S138)。ACK/NAKコマンド受信時処理では、受信したACK/NAKコマンドに応じて各種処理を行う。なお、各種処理の例としては、後述するエラー解除コマンドに対するACKコマンドを、メダルセレクタ201から受信したときに、液晶表示装置11にC1エラー画面(図54参照)の表示の終了を指示することや上述のACKカウントエラーをエラー情報履歴に登録することがある。その後、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド受信処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
一方、ステップS137で、受信したコマンドがACK又はNAKでないと判定する場合(S137がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタ201から受信したコマンドがメダルセレクタ無操作コマンドか否かを判定する(S139)。
ステップS139で、受信したコマンドがメダルセレクタ無操作コマンドであると判定する場合(S139がYES判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタ無操作コマンド受信時処理を行う(S140)。メダルセレクタ無操作コマンド受信時処理の詳細については、後述する。その後、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド受信処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
一方、ステップS139で、受信したコマンドがメダルセレクタ無操作コマンドでないと判定する場合(S139がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド受信処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
[起動完了コマンド受信時処理]
起動完了コマンド受信時処理について、図47を参照して、説明する。図47は、起動完了コマンド受信時処理の一例を示すフローチャートである。
起動完了コマンド受信時処理において、まず、サブCPU102は、受信バッファから設定情報を取得し、保存する(S141)。具体的には、サブCPU102は、受信バッファに記憶されているメダルセレクタ201から受信した起動完了コマンドのDAT0(初期化の有無、色判定・刻印判定の有効無効)を設定情報として、サブRAM103の設定情報記憶領域に記憶させる。
次に、サブCPU102は、ステップS141で保存した設定情報に、初期化ありを示す情報が含まれているか否かを判定する(S142)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103の設定情報記憶領域に記憶させた設定情報の値を参照し、ビット0の値が1(初期化あり)か否かを判定する。
ステップS142で、保存した設定情報に、初期化ありを示す情報が含まれていないと判定する場合(S142がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述のステップS144に移行させる。
一方、ステップS142で、保存した設定情報に、初期化ありを示す情報が含まれていると判定する場合(S142がYES判定の場合)、サブCPU102は、初期化エラー画面表示要求を行う(S143)。具体的には、サブCPU102は、初期化エラー画面の表示を、液晶表示装置11に指示する。
当該指示を受けた液晶表示装置11は、図48に示すような初期化エラー画面を、表示部11aに表示させる。本実施形態において、初期化エラー画面には、遊技機を正面から見て右下部に、「セレクターが初期化されました。」という文字列が表示されている。
ステップS143の後、又は、ステップS142で、保存した設定情報に、初期化ありを示す情報が含まれていないと判定する場合(S142がNO判定の場合)、サブCPU102は、ステップS144の処理を行う。ステップS144において、サブCPU102は、受信バッファからスイッチ情報を取得する。具体的には、サブCPU102は、受信バッファに記憶されているメダルセレクタ201から受信した起動完了コマンドのDAT1(各種スイッチのON/OFFの状態)を取得する。
次に、サブCPU102は、第1スイッチ情報記憶領域のスイッチ情報と、ステップS144で取得したスイッチ情報と、が一致するか否かを判定する(S145)。ここで、第1スイッチ情報記憶領域は、サブRAM103のバックアップ領域に割り当てられている。第1スイッチ情報記憶領域には、後述するステップS147において、前回の起動時のスイッチ情報と今回の起動時のスイッチ情報とに変化があった場合に、今回の起動時のスイッチ情報が記憶される。
ステップS145において、一致すると判定する場合(S145がYES判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述するステップS148に移行させる。一方、ステップS145において、一致しないと判定する場合(S145がNO判定の場合)、サブCPU102は、セレクタスイッチエラー画面表示要求を行う(S146)。具体的には、サブCPU102は、セレクタスイッチエラー画面の表示を、液晶表示装置11に指示する。
当該指示を受けた液晶表示装置11は、図49に示すようなセレクタスイッチエラー画面を、表示部11aに表示させる。本実施形態において、セレクタスイッチエラー画面には、遊技機を正面から見て右下部に、「セレクタースイッチが変更されました。」という文字列が表示されている。また、ステップS144で取得したスイッチ情報に応じて、色スイッチ及び刻印スイッチのON/OFF状態を示す文字列が表示されている。本実施形態では、色スイッチ及び刻印スイッチのON状態を示す文字列として、図に示すように、「COLOR SW:ON」、「MARK SW:ON」が表示される。なお、この場合、色スイッチのOFF状態を示す文字列は、「COLOR SW:OFF」、刻印スイッチのOFF状態を示す文字列は、「MARK SW:ON」となる
次に、サブCPU102は、ステップS144で取得したスイッチ情報を、第1スイッチ記憶領域に保存する(上書き記憶する)。
次に、サブCPU102は、ステップS144で取得したスイッチ情報を、サブRAM103の第2スイッチ情報記憶領域に記憶させる。そして、サブCPU102は、起動完了コマンド受信時処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
[判定完了コマンド受信時処理]
判定完了コマンド受信時処理について、図50を参照して、説明する。図50は、判定完了コマンド受信時処理の一例を示すフローチャートである。
判定完了コマンド受信時処理において、まず、サブCPU102は、判定結果をキューに登録する(S151)。具体的には、サブCPU102は、受信バッファに記憶されているメダルセレクタ201から受信した判定完了コマンドのDAT0(円形検出OK/NG)、DAT1(色判定OK/NG)、DAT2(刻印判定OK/NG)の値(データ)をキューに登録する。
ここで、本実施形態のサブRAM103のDRAMには、図51に示すような、キューが設けられている。キューは、FIFO(First In, First Out:先入れ先出し)設定の60ブロック分のデータが登録可能な領域である。1ブロックのデータは、判定完了コマンドのDAT0〜DAT2のデータで構成される。60ブロック分のデータがキューに登録された状態で、61ブロック目のデータD61をキューに登録すると、最初にキューに登録したデータD1がキューから溢れて排出される。このため、キューには、常に直近の60枚のメダルについての判定結果が登録されていることになる。なお、以後の説明において、キューからデータが溢れて排出されることを「キュー溢れ」と称する場合がある。
次に、サブCPU102は、キュー溢れありか否かを判定する(S152)。キュー溢れがないと判定する場合(S152がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述するステップS157に移行する。一方、キュー溢れがあると判定する場合(S152がYES判定の場合)、サブCPU102は、キュー登録チェック処理を行う(S153)。キュー登録チェック処理において、サブCPU102は、キューに登録されている60ブロック分のデータ(ここでは、1ブロックに格納されているデータを1つのデータとする)の内で、円形検出、色判定及び刻印判定の判定結果のいずれか一つでも「0」すなわち「NG(判定NG)」を含むデータの数を計数する。すなわち計数結果としてのデータ数は、円形検出、色判定及び刻印判定の判定結果のいずれか1つでも「判定NG」となったメダル、つまり「不正メダル」の数となる。
次に、サブCPU102は、ステップS153で計数したNG判定を含むデータの数が、すなわち不正メダルの数が閾値(本実施形態では、「5」)以上か否かを判定する(S154)。NG判定を含むデータの数が閾値以上でないと判定する場合(S154がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述するステップS157に移行する。一方、NG判定を含むデータの数が閾値以上であると判定する場合(S154がYES判定の場合)、サブCPU102は、C2エラー画面表示要求を行う(S155)。具体的には、サブCPU102は、C2エラー画面の表示を、液晶表示装置11に指示する。
当該指示を受けた液晶表示装置11は、図52に示すようなC2エラー画面を、表示部11aに表示させる。本実施形態において、C2エラー画面は、画面の中央に「係員をお呼びください」という文字列と、当該文字列の下に、複数の四角枠が横一列に表示されている。複数の四角枠のそれぞれには、2文字のアルファベットからなるエレーコードが表示されている。本実施形態では、画面の左側から右側にかけて、四角枠のそれぞれに、CC、CE、CO、CR、HE、HJ、DO、CA、C1、C2のエラーコードが表示されている。また、複数の四角枠の下には、「ERROR CODE」という文字列と、当該文字列の下方に、各エラーコードの内容を示す文字列が表示されている。例えば、「CC:投入メダル通過カウントエラー」、「C1:CMOSセレクターエラー1」、「C2:CMOSセレクターエラー2」という文字列が表示されている。また、図示では省略しているが、C2エラー画面において、C2のエラーコードが表示されている四角枠は、他の四角枠と区別可能な態様で発光するハイライト表示がされている。
次に、サブCPU102は、C2_1エラーをエラー情報履歴に登録する(S156)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、エラー内容として「C2_1」、発生日時として現在の日付と時刻を記憶させる。
ステップS156の後、また、ステップS152でキュー溢れがないと判定する場合(S152がNo判定の場合)、或いは、ステップS154でNG判定を含むデータの数が閾値以上でないと判定する場合(S154がNo判定の場合)、サブCPU102は、ステップS157の処理を行う。ステップS157において、サブCPU102は、メダル受付可、且つ、判定結果はOKか否かを判定する。具体的には、サブRAM103のメダル受付状態フラグ設定領域を参照し、メダル受付状態フラグが立っているか(値が「1」か)否か、及び、ステップS151でキューに登録した判定結果は、判定OKか(円形検出、色判定及び刻印判定のいずれも「OK(判定OK)」か)、を判定する。
ステップS157において、メダル受付可でない、又は、判定結果はOKでないと判定する場合(S157がNO判定の場合)、サブCPU102は、判定完了コマンド受信時処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
一方、ステップS157において、メダル受付可であり、且つ、判定結果はOKである判定する場合(S157がYES判定の場合)、サブCPU102は、サブメダルカウンタ(の値)に1を加算する。サブメダルカウンタは、サブRAM103に設けられており、副制御回路101が主制御回路91からメダル投入コマンドを受信したときに、クリアされる(0がセットされる)。
次に、サブCPU102は、サブメダルカウンタ(の値)は、所定値以上か否かを判定する(S159)。ここでの所定値は、単位遊技に投入可能な最大のメダル数(本実施形態では3枚)にパチスロ1にクレジットできるメダルの最大数(本実施形態では50枚)の和以上であれば、適宜設定可能である。本実施形態では、この所定値として、「55」が設定されている。ステップS159において、サブメダルカウンタ(の値)は、所定値以上でないと判定する場合(S159がNO判定の場合)、サブCPU102は、判定完了コマンド受信時処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
一方、サブCPU102は、サブメダルカウンタ(の値)は、所定値以上であると判定する場合(S159がYES判定の場合)、サブCPU102は、C2エラー画面表示要求を行う(S160)。具体的には、サブCPU102は、C2エラー画面(図52参照)の表示を、液晶表示装置11に指示する。当該指示を受けた液晶表示装置11は、C2エラー画面を、表示部11aに表示させる。
次に、サブCPU102は、C2_2エラーをエラー情報履歴に登録する(S161)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、エラー内容として「C2_2」、発生日時として現在の日付と時刻を記憶させる。そして、サブCPU102は、判定完了コマンド受信時処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
なお、ステップS154における閾値の値は、適宜変更可能である。例えば、後述する液晶表示装置11に表示されるホールメニュー画面上で選択可能なメニューに閾値設定メニューを設け、当該メニューが選択された場合に、閾値を任意の値に変更してもよい。例えば、閾値は「5」、「10」、「15」の3段階で設定可能としてもよく、また、「1」〜「99」の値を任意に設定可能としてもよい。なお、上述した閾値「5」は、デフォルトで設定される閾値であり、サブRAM103のバックアップ領域に格納される。
[メダルセレクタエラーコマンド受信時処理]
メダルセレクタエラーコマンド受信時処理について、図53を参照して、説明する。図53は、メダルセレクタエラーコマンド受信時処理の一例を示すフローチャートである。
メダルセレクタエラーコマンド受信時処理において、まず、サブCPU102は、C1エラー発生中か否かを判定する(S171)。具体的には、サブCPU102は、液晶表示装置11に図54に示すC1エラー画面が表示されているか否かを確認し、C1エラー画面が表示中の場合は、エラー発生中と判定し、表示中でない場合は、エラー発生中でないと判定する。
図54に示すC1エラー画面は、上述のC2エラー画面(図52参照)と比べ、ハイライト表示がされる四角枠が、C2のエラーコードが表示されている四角枠ではなく、C1のエラーコードが表示されている四角枠である点以外、C2エラー画面と同様の画面である。
ここで、本実施形態では、メダルセレクタに係るエラーの種類として、C1エラーとC2エラーの2種類がある。C2エラーは、副制御回路101(のサブCPU102)によって、発生したと判断されるエラー(例えば、上述のC2_1、C2_2エラー及び後述のC2_3エラー、C2_4エラー)であり、C2エラー発生時には、C2エラー画面(図52参照)が表示される。
一方、C1エラーは、メダルセレクタ201(の制御LSI234)によって、発生したと判断されるエラーである。本実施形態において、C1エラーには、異物検出エラー、カバー開放エラー、掃除エラー、色テンプレート生成エラー、刻印テンプレート生成エラー、ハードエラーの6種類がある。
ステップS171の処理で、C1エラー発生中であると判定する場合(S171がYES判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタエラーコマンド受信時処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
一方、ステップS171の処理で、C1エラー発生中でないと判定する場合(S171がNO判定の場合)、サブCPU102は、受信バッファのエラー状態が0か否かを判定する(S172)。具体的には、サブCPU102は、受信バッファに記憶されているメダルセレクタエラーコマンドのDAT0又はメダルセレクタ無操作コマンドのDAT2(図41参照)を参照し、すなわちエラー状態を示すデータを参照する。そして、値が「エラーなし」を示す「0」か否かを判定する。
ステップS172で、エラー状態を示すデータの値が「0」であると判定する場合(S172がYES判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタエラーコマンド受信時処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
一方、ステップS172で、エラー状態を示すデータの値が「0」でない判定する場合(S172がNO判定の場合)、サブCPU102は、C1エラー画面表示要求を行う(S173)。具体的には、サブCPU102は、C1エラー画面(図54参照)の表示を、液晶表示装置11に指示する。
次に、サブCPU102は、「C1_*」エラーをエラー情報履歴に登録する(S174)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、受信バッファに記憶されているコマンドにおけるエラー状態に応じたエラー内容(「1」〜「6」のいずれか)と発生日時として現在の日付と時刻を登録する。例えば、受信バッファに記憶されているコマンドにおけるエラー状態が「刻印テンプレート生成エラー」を示す「5」の場合、エラー内容として「C1_5」が登録される。そして、サブCPU102は、メダルセレクタエラーコマンド受信時処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
[メダルセレクタ無操作コマンド受信時処理]
メダルセレクタ無操作コマンド受信時処理について、図55を参照して、説明する。図55は、メダルセレクタ無操作コマンド受信時処理の一例を示すフローチャートである。
メダルセレクタ無操作コマンド受信時処理において、まず、サブCPU102は、受信バッファに記憶されているメダルセレクタ無操作コマンドのDAT0のビット0の値が「初期化あり」を示す「1」か否かを判定する(S181)。初期化ありでないと判定する場合(S181がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述するステップS183に移行させる。
一方、初期化ありと判定する場合(S181がYES判定の場合)、サブCPU102は、初期化エラー画面表示要求を行う(S182)。具体的には、サブCPU102は、初期化エラー画面の表示を、液晶表示装置11に指示する。当該指示を受けた液晶表示装置11は、初期化エラー画面(図48参照)を、表示部11aに表示させる。
ステップS182の後、又は、ステップS181で初期化ありでないと判定する場合(S181がNO判定の場合)、サブCPU102は、起動回数判定処理を行う(S183)。起動回数判定処理では、メダルセレクタ201で計数する電源投入の回数と、副制御回路101で計数する電源投入の回数と、の整合を確認し、両者の差が予め設定した閾値以上の場合にエラーを報知する。なお、起動回数判定処理の詳細については、後述する。
次に、サブCPU102は、スイッチ状態判定処理を行う(S184)。スイッチ状態判定処理では、メダルセレクタ201の各種スイッチの状態を確認し、変化がある場合はエラー情報履歴に登録する。なお、スイッチ状態判定処理の詳細については、後述する。
次に、サブCPU102は、上述のメダルセレクタエラーコマンド受信時処理(図53参照)を行う(S185)。これによって、何らかの障害が生じて、副制御回路101がメダルセレクタ201からのエラーコマンドを受信できなかった場合にも、メダルセレクタ無操作コマンドを受信することで、副制御回路101は、メダルセレクタ201の生じているエラー状態を適切に検知し、報知することができる。そして、サブCPU102は、メダルセレクタ無操作コマンド受信時処理を終了し、処理をメダルセレクタ通信タスク(図45参照)のステップS124に戻す。
[起動回数判定処理]
起動回数判定処理について、図56を参照して、説明する。図56は、起動回数判定処理の一例を示すフローチャートである。
起動回数判定処理において、まず、サブCPU102は、受信バッファから起動回数を取得し、起動回数とサブ電源投入カウンタの値の差を算出する(S191)。具体的には、サブCPU102は、受信バッファに記憶されているメダルセレクタ201から受信したメダルセレクタ無操作コマンドのDAT3,4(図41参照)を参照して起動回数を取得し、サブ電源投入カウンタの値の差の絶対値を算出する。
次に、ステップS191で算出した差の絶対値が予め設定した閾値以上か否かを判定する(S192)。本実施形態において、閾値として「5」が設定されている。なお、閾値は適宜変更可能である。ステップS192で、差が閾値以上でないと判定する場合(S192がNO判定の場合)、サブCPU102は、起動回数判定処理を終了し、処理をメダルセレクタ無操作コマンド受信時処理(図55参照)のステップS184に戻す。
一方、ステップS192で、差が閾値以上であると判定する場合(S192がYES判定の場合)、サブCPU102はC2エラー画面表示要求を行う(S193)。具体的には、サブCPU102は、上述のC2エラー画面(図52参照)の表示を、液晶表示装置11に指示する。当該指示を受けた液晶表示装置11は、C2エラー画面を、表示部11aに表示させる。
次に、サブCPU102は、C2_3エラーをエラー情報履歴に登録する(S194)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、エラー内容として「C2_3」、発生日時として現在の日付と時刻を記憶させる。そして、サブCPU102は、起動回数判定処理を終了し、処理をメダルセレクタ無操作コマンド受信時処理(図55参照)のステップS184に戻す。
[スイッチ状態判定処理]
スイッチ状態判定処理について、図57を参照して、説明する。図57は、スイッチ状態判定処理の一例を示すフローチャートである。
スイッチ状態判定処理において、まず、サブCPU102は、受信バッファからスイッチ情報を取得する(S201)。具体的には、サブCPU102は、受信バッファに記憶されているメダルセレクタ201から受信したメダルセレクタ無操作コマンドのDAT1(図41参照)を参照し、スイッチ情報、すなわち初期化スイッチ206d、色スイッチ206e及び刻印スイッチの状態206f(ON/OFFの状態)を取得する。
次に、ステップS201で取得したスイッチ情報と、第2スイッチ情報記憶領域に記憶されているスイッチ情報と、が一致するか否かを判定する(S202)。具体的には、サブCPU102は、起動完了コマンド受信時処理(図47参照)のステップS148又は後述のステップS209で、サブRAM103の第2スイッチ情報記憶領域に記憶させたスイッチ情報と、ステップS201で取得したスイッチ情報とが一致するか否かを判定する。一致すると判定する場合(S202がYES判定の場合)、サブCPU102は、スイッチ状態判定処理を終了し、処理をメダルセレクタ無操作コマンド受信時処理(図55参照)のステップS185に戻す。
一方、ステップ202において、ステップS201で取得したスイッチ情報と、第2スイッチ情報記憶領域に記憶されているスイッチ情報と、が一致しないと判定する場合(S202がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理をS203に移行する。S203において、サブCPU102は、刻印判定は有効か否かを判定する(S203)。具体的には、サブCPU102は、起動完了コマンド受信時処理(図47参照)のステップS141で保存した設定情報のビット2の値が1(刻印判定有効)か否かを判定する。
ステップS203で、刻印判定が有効でないと判定する場合(S203がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述のステップS206に移行させる。一方、ステップS203で、刻印判定が有効であると判定する場合(S203がYES判定の場合)、サブCPU102は、処理をステップS204に移行させる。ステップ204において、サブCPU102は、ステップS201で取得したスイッチ情報の内で刻印スイッチに係るスイッチ情報(ON/OFFの状態)と、第2スイッチ情報記憶領域に記憶されている刻印スイッチに係るスイッチ情報(ON/OFFの状態)と、が一致するか否かを判定する(S204)。一致すると判定する場合(S204がYES判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述のステップS206に移行させる。
一方、ステップS205で、一致しないと判定する場合(S204がNO判定の場合)、「CMOS MARK *」をエラー情報履歴に登録する(S205)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、エラー内容として「CMOS MARK *」と、発生日時として現在の日付と時刻を記憶させる。エラー内容には、ステップS201で取得したスイッチ情報の内で刻印スイッチに係るスイッチ情報(ON/OFFの状態)に応じて、「CMOS MARK ON」又は「CMOS MARK OFF」を登録する。取得した刻印スイッチに係るスイッチ情報が「ON状態」を示している場合は、エラー内容として「CMOS MARK ON」を登録し、取得した刻印スイッチに係るスイッチ情報が「OFF状態」を示している場合は、エラー内容として「CMOS MARK OFF」を登録する。
ステップS205の後、或いは、ステップS203でNO判定の場合、又は、ステップS204でYES判定の場合、サブCPU102は、処理をステップS206に移行させる。ステップS206で、サブCPU102は、色判定は有効か否かを判定する(S206)。具体的には、サブCPU102は、起動完了コマンド受信時処理(図47参照)のステップS141で保存した設定情報のビット1の値が1(色判定有効)か否かを判定する。
ステップS206で、色判定が有効でないと判定する場合(S206がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述のステップS209に移行させる。一方、ステップS206で、色判定が有効であると判定する場合(S206がYES判定の場合)、サブCPU102は、処理をステップS207に移行させる。ステップ207において、サブCPU102は、ステップS201で取得したスイッチ情報の内で色スイッチに係るスイッチ情報(ON/OFFの状態)と、第2スイッチ情報記憶領域に記憶されている色スイッチに係るスイッチ情報(ON/OFFの状態)と、が一致するか否かを判定する(S207)。一致すると判定する場合(S206がYES判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述のステップS209に移行させる。
一方、ステップS207で、一致しないと判定する場合(S207がNO判定の場合)、「CMOS COL *」をエラー情報履歴に登録する(S208)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、エラー内容として「CMOS COL *」と、発生日時として現在の日付と時刻を記憶させる。エラー内容には、ステップS201で取得したスイッチ情報の内で色スイッチに係るスイッチ情報(ON/OFFの状態)に応じて、「CMOS COL ON」又は「CMOS COL OFF」を登録する。取得した色スイッチに係るスイッチ情報が「ON状態」を示している場合は、エラー内容として「CMOS COL ON」を登録し、取得した色スイッチに係るスイッチ情報が「OFF状態」を示している場合は、エラー内容として「CMOS COL OFF」を登録する。
ステップS208の後、或いは、ステップS206でNO判定の場合、又は、ステップS207でYES判定の場合、サブCPU102は、処理をステップS209に移行させる。ステップS209で、サブCPU102は、ステップS201で取得したスイッチ情報、すなわち初期化スイッチ、色スイッチ及び刻印スイッチの状態(ON/OFFの状態)を、第2スイッチ情報記憶領域に保存する(上書きして記憶する)。そして、サブCPU102は、スイッチ状態判定処理を終了し、処理をメダルセレクタ無操作コマンド受信時処理(図55参照)のステップS185に戻す。
[メダル投入コマンド受信時処理]
メダル投入コマンド受信時処理について、図58を参照して、説明する。図58は、メダル投入コマンド受信時処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU102は、副制御回路101が主制御回路91からメダル投入コマンドを受信したときに、投入コマンド受信時処理を行う。
メダル投入コマンド受信時処理において、まず、サブCPU102は、受信バッファのクレジット投入カウンタは0か否かを判定する(S211)。ここで、上述のようにメダル投入コマンドのパラメータには、クレジット投入カウンタが含まれている。クレジット投入カウンタは、クレジットされたメダル枚数からBETを行うメダル枚数を特定する情報である。すなわち、メダル投入コマンドにおけるクレジット投入カウンタの値が「0」であることは、クレジットされたメダルがBETされたことによって投入コマンドが送信されたのではないことを示している。
ステップS211では、サブCPU102は、サブRAM103の受信バッファに記憶されているメダル投入コマンドを参照し、メダル投入コマンドに含まれているクレジット投入カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。クレジット投入カウンタの値が「0」でないと判定する場合(S211がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダル投入コマンド受信時処理を終了する。
一方、クレジット投入カウンタの値が「0」であると判定する場合(S211がYES判定の場合)、サブCPU102は、サブメダル投入カウンタの値に1を加算する(S212)。サブメダル投入カウンタは、サブRAM103に設けられており、サブメダル投入カウンタは、遊技開始時すなわちスタートコマンド受信時、または、遊技終了時すなわち入賞コマンド受信時に、0がセットされる(クリアされる)。
次に、サブCPU102は、メダルセレクタ201から判定完了コマンドを受信したか否かを判定する(S213)。受信したと判定する場合(S213がYES判定の場合)、サブCPU102は、メダル投入コマンド受信時処理を終了する。一方、受信していないと判定する場合(S213がNO判定の場合)、サブメダル投入カウンタの値が所定値以上か否かを判定する(S214)。なお、ここでの所定値は、適宜設定可能である。本実施形態では、この所定値として「3」が設定されている。
ステップS214で、サブCPU102が、サブメダル投入カウンタの値が所定値以上でないと判定する場合(S214がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダル投入コマンド受信時処理を終了する。一方、サブメダル投入カウンタの値が所定値以上であると判定する場合(S214がYES判定の場合)、サブCPU102は、C2エラー画面表示要求を行う。具体的には、サブCPU102は、上述のC2エラー画面(図52参照)の表示を、液晶表示装置11に指示する。当該指示を受けた液晶表示装置11は、C2エラー画面を、表示部11aに表示させる。
次に、サブCPU102は、C2_4エラーをエラー情報履歴に登録する(S216)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、エラー内容として「C2_4」、発生日時として現在の日付と時刻を記憶させる。そして、サブCPU102は、メダル投入コマンド受信時処理を終了する。
[メダルセレクタコマンド送信処理]
メダルセレクタコマンド送信処理について、図59を参照して、説明する。図59は、メダルセレクタコマンド送信処理の一例を示すフローチャートである。
メダルセレクタコマンド送信処理において、サブCPU102は、まず、ACK又はNAK受信時か否かを判定する(S221)。具体的には、サブCPU102は、メダルセレクタ201から直近に受信したコマンドが、ACK又はNAKコマンドか否かを判定する。ACK又はNAK受信時であると判定する場合(S221がYES判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述するステップS223に移行させる。
一方、ステップS221においてACK又はNAK受信時でないと判定する場合(S221がNO判定の場合)、サブCPU102は、ACK/NAK送信処理を行う(S222)。この処理において、サブCPU102は、メダルセレクタ201にACK又はNAKコマンドを送信する。そして、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド送信処理を終了する。
ステップS221で、ACK又はNAK受信時であると判定する場合(S221がYES判定の場合)、サブCPU102は、エラー解除判定処理を行う(S223)。エラー解除判定処理では、サブCPU102は、各種エラーに係る解除条件が成立すると、解除条件が成立したエラーに係る解除条件フラグに成立をセットする(値「1」をセットする)。なお、エラー解除判定処理の詳細は、後述する。
次に、サブCPU102は、C1エラー発生中、且つ、解除条件フラグが成立か否かを判定する(S224)。具体的には、サブCPU102は、液晶表示装置11にC1エラー画面(図54参照)が表示されているか否かに基づいてC1エラー発生中か否かを判定する。また、サブCPU102は、サブRAM103に設けられている解除条件フラグ格納領域に「1」がセットされているか否かに基づいて解除条件フラグが成立しているか否かを判定する。C1エラーが発生中でない、又は、解除条件フラグが成立でないと判定する場合(S224がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述のステップS226に移行させる。
一方、ステップS224において解除条件フラグが成立である判定する場合(S224がYES判定の場合)、サブCPU102は、エラー解除コマンド送信処理を行う(S225)。この処理において、サブCPU102は、メダルセレクタ201にエラー解除コマンドを送信する。そして、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド送信処理を終了する。なお、サブCPU102は、副制御回路101がエラー解除コマンドに対するACKコマンドをメダルセレクタ201から受信したとき、上述のメダルセレクタコマンド受信処理(図46)のステップS138のACK/NAK受信時処理において、液晶表示装置11にC1エラー画面の表示の終了を指示する。
ステップS224で、解除条件フラグが成立でないと判定する場合(S224がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダル受付フラグはメダル受付不可か否かを判定する(S226)。メダル受付フラグ格納領域は、サブRAM103に設けられている。メダル受付フラグ格納領域には、後述するステップS229,S232で、主制御回路91から受信した無操作コマンドに含まれているメダルソレノイド208のON/OFF状態の情報に基づいて、ON状態の場合は「1」(受付可)、OFF状態の場合は「0」(受付不可)がセットされる。ステップS226で、メダル受付フラグはメダル受付不可でない(受付可である)と判定する場合(S226がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述するステップS230に移行させる。
ステップS226で、メダル受付フラグはメダル受付不可であると判定する場合(S226がYES判定の場合)、サブCPU102は、無操作コマンドのメダルソレノイドはON状態か否かを判定する(S227)。具体的には、サブCPU102は、主制御回路91から受信した直近の無操作コマンドが格納されている無操作コマンド格納領域を参照し、この無操作コマンドに含まれるメダルソレノイド208のON/OFF状態の情報に基づいて、メダルソレノイドはON状態か否かを判定する。なお、無操作コマンド格納領域は、上述のとおりサブRAM103に設けられている。
ステップS227で、メダルソレノイドはON状態でないと判定する場合(S227がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド送信処理を終了する。一方、ステップS227で、メダルソレノイドはON状態であると判定する場合(S227がYES判定の場合)、サブCPU102は、投入状態(可)コマンドを送信する(S228)。具体的には、サブCPU102は、DAT0の値が「1」(受付可)の投入状態コマンドを、メダルセレクタ201に送信する。
次に、サブCPU102は、メダル受付フラグにメダル受付可をセットする(S229)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103のメダル受付フラグ格納領域に「1」(受付可)をセットする。そして、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド送信処理を終了する。
ステップS226で、メダル受付フラグはメダル受付不可でないと判定する場合(S226がNO判定の場合)、サブCPU102は、無操作コマンドのメダルソレノイドはOFF状態か否かを判定する(S230)。具体的には、サブCPU102は、主制御回路91から受信した直近の無操作コマンドが格納されている無操作コマンド格納領域を参照し、この無操作コマンドに含まれるメダルソレノイド208のON/OFF状態の情報に基づいて、メダルソレノイドはOFF状態か否かを判定する。
ステップS230で、メダルソレノイドはOFF状態でないと判定する場合(S230がNO判定の場合)、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド送信処理を終了する。一方、ステップS230で、メダルソレノイドはOFF状態であると判定する場合(S230がYES判定の場合)、サブCPU102は、投入状態(不可)コマンドを送信する(S231)。具体的には、サブCPU102は、DAT0の値が「0」(受付不可)の投入状態コマンドを、メダルセレクタ201に送信する。
次に、サブCPU102は、メダル受付フラグにメダル受付不可をセットする(S232)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103のメダル受付フラグ格納領域に「0」(受付不可)をセットする。そして、サブCPU102は、メダルセレクタコマンド送信処理を終了する。
[エラー解除判定処理]
エラー解除判定処理について、図60を参照して、説明する。図60は、エラー解除判定処理の一例を示すフローチャートである。
エラー解除判定処理において、サブCPU102は、まず発生中エラーはC1又はC2エラーか否かを判定する(S241)。具体的には、サブCPU102は、液晶表示装置11にC1エラー画面(図54参照)又はC2エラー画面(図52参照)を表示しているか否かに基づいて、発生中エラーはC1又はC2エラーか否かを判定する。発生中エラーはC1又はC2エラーでないと判定する場合(S241がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述のステップS248に移行させる。
一方、S241で、発生中エラーはC1又はC2エラーであると判定する場合(S241がYES判定の場合)、サブCPU102は、24hドア監視スイッチは開状態か否かを判定する(S242)。ここで、24hドア開閉監視スイッチは、ドア開閉監視スイッチ67の上方の位置に設けられて、24hドア開閉監視ユニット63に接続されており、フロントドア2bの開閉を検知する。サブCPU102は、24hドア開閉監視スイッチの検知結果に基づいて開状態か(すなわちフロントドア2bが開状態か)否かを判定する。24hドア監視スイッチが開状態でないと判定する場合(S242がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述のステップS247に移行させる。
一方、S242で、24hドア監視スイッチが開状態であると判定する場合(S242がYES判定の場合)、無操作コマンドのリセットスイッチはON状態か否かを判定する(S243)。ここで、リセットスイッチは、主制御回路91に接続されているスイッチであり、パチスロ1の各種設定やエラー状態をリセットする際に、遊技機の管理者(例えば、遊技ホールの従業員)などの押下操作によってON状態に設定される。リセットスイッチは、フロントドア2bが開状態のときに露出し、遊技者の管理者などの押下操作によってON状態に設定可能となる。主制御回路91が周期的に副制御回路101に送信する無操作コマンドには、リセットスイッチがON状態かOFF状態かを示す情報が含まれている。したがって、サブCPU102は、サブRAM103の無操作コマンド格納領域に格納されている無操作コマンドを参照し、リセットスイッチがON状態であるか否かを判定する。リセットスイッチがON状態でないと判定する場合(S243がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理を後述のステップS247に移行させる。
一方、S243において、リセットスイッチがON状態であると判定する場合(S243がYES判定の場合)、サブCPU102は、発生中エラーはC1エラーか否かを判定する(S244)。具体的には、サブCPU102は、液晶表示装置11にC1エラー画面(図54参照)を表示しているか否かに基づいて、発生中エラーはC1エラーか否かを判定する。
S244において、発生中エラーはC1エラーであると判定する場合(S244がYES判定の場合)、解除条件フラグに成立をセットする(S245)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103の解除条件フラグ格納領域に「1」(成立)をセットする。そして、サブCPU102は、エラー解除判定処理を終了し、処理をメダルセレクタコマンド送信処理(図59参照)のステップS224に戻す。
S244において、発生中エラーはC1エラーでないと判定する場合(S244がNO判定の場合、すなわちC2エラーが発生している場合)、サブCPU102は、C2エラー画面表示終了要求を行う(S246)。具体的には、サブCPU102は、C2エラー画面の表示の終了を、液晶表示装置11に指示する。当該指示を受けた液晶表示装置11は、図52に示すようなC2エラー画面の表示を終了する。そして、サブCPU102は、エラー解除判定処理を終了し、処理をメダルセレクタコマンド送信処理(図59参照)のステップS224に戻す。
ステップS242で24hドア監視スイッチが開状態でないと判定する場合(S242がNO判定の場合)、及び、ステップS243で無操作コマンドのリセットスイッチはON状態でないと判定する場合(S243がNO判定の場合)、サブCPU102は、処理をステップS247に移行させる。ステップS247において、サブCPU102は、解除条件フラグに不成立をセットする(S245)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103の解除条件フラグ格納領域に「0」(不成立)をセットする。そして、サブCPU102は、エラー解除判定処理を終了し、処理をメダルセレクタコマンド送信処理(図59参照)のステップS224に戻す。
ステップS241で発生中エラーはC1エラー又はC2エラーでないと判定する場合(S241がNO判定の場合)、サブCPU102は、発生中エラーは初期化エラー又はセレクタスイッチエラーかを判定する(S248)。具体的には、サブCPU102は、液晶表示装置11に初期化エラー画面(図48参照)又はセレクタスイッチエラー画面(図49参照)を表示しているか否かに基づいて、発生中エラーは初期化エラー又はセレクタスイッチエラーかを判定する。発生中エラーは初期化エラー又はセレクタスイッチエラーでないと判定する場合(S248がNO判定の場合)、サブCPU102は、エラー解除判定処理を終了し、処理をメダルセレクタコマンド送信処理(図59参照)のステップS224に戻す。
一方、ステップS248で発生中エラーは初期化エラー又はセレクタスイッチエラーであると判定する場合(S248がYES判定の場合)、台座部12に設けられたSELECTボタン28(図2参照)が押下された否かを判定する(S249)。SELECTボタン28の押下を検知するセンサは副制御回路101に電気的に接続されている。このため、サブCPU102は、SELECTボタン28の押下を検知可能となっている。ステップS249で、SELECTボタン28が押下されなかったと判定する場合(S249がNO判定の場合)、サブCPU102は、エラー解除判定処理を終了し、処理をメダルセレクタコマンド送信処理(図59参照)のステップS224に戻す。
一方、S249において、SELECTボタン28が押下されたと判定する場合(S247がYES判定の場合)、サブCPU102は、初期化エラー画面(図48参照)又はセレクタスイッチエラー画面(図49参照)表示終了要求を行う(S250)。具体的には、サブCPU102は、液晶表示装置11に表示されている初期化エラー画面(図48参照)又はセレクタスイッチエラー画面(図49参照)の表示の終了を液晶表示装置11に指示する。当該指示を受けた液晶表示装置11は、初期化エラー画面又はセレクタスイッチエラー画面の表示を終了する。そして、サブCPU102は、エラー解除判定処理を終了し、処理をメダルセレクタコマンド送信処理(図59参照)のステップS224に戻す。
<エラー情報履歴画面>
次に、所定の操作が行われた場合に、副制御回路101が液晶表示装置11に表示させるエラー情報履歴画面について、図61を参照して説明する。図61は、エラー情報履歴画面の一例を示す図である。
本実施形態では、例えば、遊技機の管理者(例えば、遊技ホールの従業員)が設定用鍵型スイッチ56を操作すると、主制御回路91は所定のコマンドを副制御回路101に送信する。副制御回路101はこの所定のコマンドを受信すると、液晶表示装置11にホールメニュー画面(不図示)を表示させる。ホールメニュー画面には、台座部12(図2参照)に設けられたSELECTボタン28及びエンターボタン29の操作によって、選択可能な各種メニュー、日時設定変更メニューやエラー履歴メニュー、が表示されている。
エラー履歴メニューが選択されると、副制御回路101は、サブRAM103のエラー情報履歴領域を参照し、当該領域に記憶されているエラー情報に基づくエラー情報履歴画面(図61参照)を液晶表示装置11に表示させる。エラー情報履歴画面では、エラー情報履歴領域に記憶されているエラー情報、すなわちエラー内容とエラー内容に関連付けられた日時(発生日時)が、降順で表示されている。
例えば、メダルセレクタエラーコマンド受信時処理(図53参照)のS174で登録されたエラー情報が、エラー内容「C1_1」(「異物検出エラー」)で、発生日時が2012年6月1日0時10分9秒の場合、図61に示すエラー履歴画面では、通し番号が付された上で、通し番号No「1」、エラー内容「C1_1」、発生日時「2012/06/01 00:10:09」と表示される。このため、当該画面を見る者は、2012年6月1日0時10分9秒に異物検出エラーが発生したことを把握できる。なお、表示されるエラー内容は、メダルセレクタエラーコマンド受信時処理(図53参照)で受信したメダルセレクタエラーコマンドの内容、すなわち発生したエラーに応じて変化する。例えば、カバー開放エラーが生じた場合は、表示されるエラー内容は「C1_2」となる。
また、当該画面を見る者は、通し番号No「4」、エラー内容「C2_2」、発生日時「2012/05/30 15:23:17」の表示から、が2012年5月30日15時23分17秒にC2_2エラーが発生したことを把握できる。なお、C2_1エラー、C2_3エラー、C2_4エラーが発生し、これらのエラーに係る情報がエラー情報履歴領域に記憶されている場合は、上述のC2_2エラーが発生した場合と同様に、エラー履歴画面には、エラー内容として「C2_1」,「C2_3」,「C2_4」が表示される。このため、当該画面を見る者は、これらのエラーが発生したことを把握できる。
また、当該画面を見る者は、通し番号No「16」、エラー内容「CMOS CNT」、発生日時「2012/05/26 08:30:00」の表示から、が2012年5月26日8時30分00秒に、ACKカウントエラーが発生したことを把握できる。
<第1の作用>
本実施形態のパチスロ1では、副制御回路101は、メダルセレクタ201から判定完了コマンドを受信する。このため、カラー認識回路247が行う、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づく色判定処理の結果が、「閾値判定不可」、又は、4つの色テンプレートいずれにも一致又は所定程度類似しないである場合、すなわち、投入されたメダルの色が正規メダルの色と一致しない「判定NG」の場合、副制御回路101は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為があったことを検知できる。
また、画像認識DSP回路242が行う、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づく刻印判定処理の結果(本実施形態では、3次元判定の結果)が「判定NG」である場合、すなわち投入されたメダルの刻印と正規メダルの刻印が異なる場合、副制御回路101は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為があったことを検知できる。
また、CMOSイメージセンサ232から出力された画像データに基づくカウント処理の結果が「異常が発生した」である場合、副制御回路101は、メダルセレクタ201から異物検出エラーが発生したことを示すDAT0の値が「1」のメダルセレクタエラーコマンドを受信する。このため、副制御回路は、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為があったことをできる。
したがって、副制御回路101は、特殊な器具をメダル投入口に挿入して行われる不正行為や、正規メダルと同径で色や刻印(模様)のみ異なるメダルを使用して行われる不正行為を、精度よく検知することができる。
<第2の作用>
また、本実施形態のパチスロ1では、メダルセレクタ201の制御LSI234が、電源投入後、投入されたメダルが規定初期投入枚数、本実施形態では50枚に達するまでのメダルレール210上を通過するメダルを含む画像に基づいて、色判定処理に用いられる色テンプレートを生成する。
したがって、遊技店において、正規メダルとして使用するメダルの変更があった場合に、電源投入後、変更後の正規メダルを50枚連続して投入することで、変更後の正規メダルに係る色テンプレートを容易に生成することができる。また、正規メダルが、例えば遊技機への投入や、払出し、また、遊技店での洗浄によって劣化し、正規メダルの現状の状態に対応した色テンプレートを生成することができるので、各種判定の結果の精度を保つことができる。
<第3の作用>
また、本実施形態のパチスロ1では、刻印判定処理で用いる本テンプレートを上述のテンプレート生成処理によって生成する。したがって、メダルを所定枚数投入すれば本テンプレートを生成できるので、本テンプレートを容易に生成することができる。
また、上述の本テンプレート更新処理によって、本テンプレートを逐次更新する。このため、例えば遊技機への投入や、払出し、また、遊技店での洗浄などで劣化し、刻印が当初よりも目立たなくなった場合でも、正規メダルの現状の状態に応じて本テンプレートを更新できる。このため、各種判定の結果の精度を保つことができる。
また、3次元判定処理によって、1つの判定対象に対し、異なる3種類のテンプレート比較処理の結果に基づいて刻印の判定を行うことができる。このため、判定の精度が向上する。
また、上述の係数更新処理によって、3次元判定処理において用いる上記式(11)における係数A,C,Dを更新するので、経年劣化などによって、刻印に変化が生じた場合でも、正規メダルの現状の状態に応じて係数を更新できる。このため、各種判定の結果の精度を保つことができる。
<第4の作用>
また、本実施形態のパチスロ1では、制御LSI234のメダルカウント回路246が、ISP回路245から出力されたグレースケール画像データに基づいてカウント処理を行う。メダルカウント回路246は、カウント処理における順序判定処理において、SRAM243に記憶されている複数(本実施形態では16個)の判定領域についての輝度の変化に基づく「IN」,「OUT」,「ON」,「OFF」のデータの遷移の態様がメダルカウント判定表(図27参照)の遷移の態様と一致しているか否かを判定する。そして、一致している場合は、メダルレール210上を「メダルが通過した」又は「メダルがメダルシュート202に案内された」と判定する。また、判定領域Eに対して「IN」,「OUT」,「ON」のいずれかのデータが記憶されている場合は、異常が発生したと判定する。
以上のように、複数の判定領域における輝度の変化に基づいてメダルの通過などを判定するため、判定の精度を高めることができる。
また、グレースケール画像データ上に設定する判定領域の数は、許容される判定所要時間や求める判定の精度に応じ適宜設定可能である。したがって、例えば、判定の精度を更に高めるために、判定領域の数を増加させた場合でも、メダルカウント用のフォトセンサなどの部品を新たに設置する必要がない。このため、製造コストの増加を抑制することができる。
また、副制御回路101は、カウント処理の判定結果が、「異常が発生した」である場合、遊技機に正規の遊技媒体が用いられていると誤認させて遊技を行う不正行為があったことを検知する。すなわち、カウント処理の判定結果に基づいて、不正行為を検知することができる。
<第5の作用>
また、本実施形態のパチスロ1では、制御LSI234のISP回路245が、ISI回路251から出力されたRGBベイヤ画像にレンズ歪み補正処理と射影変換(ホモグラフィ)処理を施す画像補正処理を行う。
このため、カメラユニット209のレンズの特性やカメラユニット209の取り付け位置のずれが各種判別・判定処理に影響を与えないようにRGBベイヤ画像を補完し、各種判定処理の精度を高めることができる。
<第6の作用>
また、本実施形態のパチスロ1では、制御LSI234のカラー認識回路247が、閾値判定処理を行う。これによって、明らかに色相又は彩度の値が正規メダルと異なものについて、色テンプレートと一致又は所定程度類似すると誤判定されることを抑制することができる。すなわち、色テンプレートとの一致度に基づく判定に加えて、判定対象の色自体が有効な色であるか否かを判定できるので、色判定処理の判定結果の精度を高めることができる。
<第7の作用>
また、本実施形態のパチスロ1では、制御LSI234の魚眼補正スケーラ回路248が、イコライズ処理において、作成した縮小画像データそれぞれに対して、バイラテラル変換処理を行う。
これによって、グレースケール画像データのノイズを減少させ、且つ、グレースケール画像データ内のエッジを強調することができる。このため、刻印判定処理における判定結果の精度を高めることができる。
<第8の作用>
また、本実施形態のパチスロ1では、制御LSI234の画像認識アクセラレータ回路249が、HOG変換処理を行う。また、画像認識DSP回路242が、刻印判定処理において、HOG変換処理によって作成された判定対象のHOGデータと本テンプレートのHOGデータとの一致度合いを評価し、評価値を算出する。そして、算出した評価値を用いて刻印判定を行う。
したがって、回転しながらメダルレール210上を通過するメダルの撮像データに対して、局所的な形状変化(幾何学的変換)に強みを有するHOG変換処理を伴う画像マッチングを行うことで、刻印判定処理の判定結果の精度を高めることができる。
<第9の作用>
本実施形態のパチスロ1では、制御LSI234の画像認識アクセラレータ回路249が、HOG変換処理の前に、極座標変換処理を行う。
これによって、正規メダルの外周領域の特徴が、HOG変換処理によって作成されるヒストグラム一式に反映され易くなる。したがって、外周領域に特徴的な刻印(模様)が施されているメダルについて、その後の刻印判定処理の判定結果の精度を高めることができる。
<第10の作用>
本実施形態のパチスロ1では、制御LSI234の画像認識アクセラレータ回路249が、FFT変換処理を行う。また、画像認識DSP回路242が、刻印判定処理において、FFT変換処理によって作成された判定対象のFFTデータと本テンプレートのFFTデータとが一致度合いを評価し、評価値を算出する。そして、算出した評価値を用いて刻印判定を行う。
このため、画像全体の比較だけでなく、所定角度単位での個別の比較が容易にできる。このため、メダルの刻印の特徴がでにくい部分(平面)についての判定を省略し、傷等によるノイズ成分の除去することで、刻印判定処理の判定結果の精度を高めることができる。
<第11の作用>
本実施形態のパチスロ1では、制御LSI234のISP回路245及びホストコントローラ241によってAE補正処理が行われる。このため、CMOSイメージセンサ232の露光時間を、メダルレール210の突条部210aが撮像可能な露光時間に設定することができる。これによって、適切な露光時間を設定できるので、CMOSイメージセンサ232を備えるカメラユニット209で撮像した画像に基づく色判定処理、刻印判定処理やカウント処理の精度を確保することができる。
また、カメラユニット209のレンズに多少ほこりなどが付着し汚れても、LED233の輝度を上げることに代えて露光時間を延長させることにより、LED233の寿命の短命化を抑制しつつ、色判定処理、刻印判定処理やカウント処理の精度を確保することができる。また、レンズの汚れの除去の頻度を下げることができるので、遊技ホールの従業員の作業負荷を低減できる。
<第12の作用>
本実施形態のパチスロ1では、AE補正処理において、ISP回路245からAE判定処理の判定結果が出力されたとき、ホストコントローラ241は、露光時間が上限の175μ秒に設定されている場合は、報知用LED206cに点灯を指示する信号を出力し、報知用LED206cが点灯する。これによって、報知用LED206cを見る者、例えば遊技ホールの管理者は、カメラユニット209に何らかの障害(例えばレンズにほこりなどの汚れが付着している)が発生していることを把握することができる。
また、AE補正処理において、ISP回路245からAE判定処理の判定結果が出力されたとき、ホストコントローラ241は、露光時間が上限の175μ秒に設定されている場合は、副制御基板72(副制御回路101)に、メダルセレクタ201から掃除エラーが発生したことを示すDAT0の値が「3」のメダルセレクタエラーコマンドを送信する。このコマンドを受信した副制御回路101は、液晶表示装置11にC1エラー画面(図54参照)を表示させる。そして、所定の操作が行われると、副制御回路101は、液晶表示装置にエラー情報履歴画面(図61参照)を表示させる。エラー情報履歴画面には、掃除エラーが発生した旨を示す表示として、エラー内容「C1_3」と発生日時が表示される。これによって、当該表示を見る者に、掃除エラーが発生していることを把握させ、カメラユニット209の掃除(レンズの汚れの除去など)を促すことができる。これによって、色判定処理、刻印判定処理やカウント処理の精度が確保できない、すなわち不正行為の検知が有効に行えない状態で遊技が行われることを抑制することができる。
なお、本実施形態では、パチスロ1の電源投入時にAE補正処理を行う態様を説明したが、AE補正処理の実行タイミングは適宜設定可能である。例えば、フロントドア2bが開放され、ドア開閉監視スイッチ67から出力されたセキュリティー信号を主制御回路91が検知したときに、AE補正処理を実行してもよい。また、パチスロ1に対する操作が検出されなくなってから所定の時間が経過したときに、AE補正処理を実行してもよい。また、所定時間、例えば1時間、経過する毎にAE補正処理を実行してもよい。
<第13の作用>
本実施形態では、副制御回路101(のサブCPU102)は、判定完了コマンド受信時処理(図50参照)において、受信した判定完了コマンドにおける判定結果をサブRAM103に設けられたキューに登録する(ステップS151)。次いで、キュー溢れが生じたことを契機に、キューに登録された判定結果の内の「判定NG」の数をカウントし、その値が閾値(本実施形態では「5」)以上であるか否かを判定する(ステップS152〜S154)。
そして、閾値以上の場合は、サブCPU102は、液晶表示装置11にC2エラー画面(図52参照)を表示させる(ステップS155参照)。また、サブCPU102は、サブRAM103のエラー情報履歴領域にエラー内容「C2_1」及び発生日時を記憶させる(ステップS156参照)。そして、副制御回路101は、所定の操作に応じて、エラー情報履歴領域に記憶されているエラー情報に基づくエラー情報履歴画面(図61参照)を液晶表示装置11に表示させる。これによって、エラー情報履歴画面を見る者は、C2_1エラーが発生したことを把握できる。
したがって、キューに登録された判定結果の内の「判定NG」の数が閾値を以上であること、すなわち直近の60枚の投入メダルの内の不正メダルの数が所定量を超えたことを、キュー溢れを契機に、検知及び報知することができる。キュー溢れを利用するため、当該検知及び報知のためのタイミングを特別に規定する処理を追加することを要せず、効率的に、投入された不正メダルが所定量を超えたことを検知及び報知することができる。
<第14の作用>
本実施形態では、副制御回路101(のサブCPU102)は、メダル投入コマンド受信時処理(図58参照)において、主制御回路91からメダル投入コマンドを受信しているのにも関わらず、メダルセレクタ201から判定完了コマンドを受信していないことが単位遊技中に所定回数以上続いた場合、液晶表示装置11にC2エラー画面(図52参照)を表示させる(ステップS215参照)。また、サブCPU102は、サブRAM103のエラー情報履歴領域にエラー内容「C2_4」及び発生日時を記憶させる(ステップS216参照)。そして、副制御回路101は、所定の操作に応じて、エラー情報履歴領域に記憶されているエラー情報を表示するエラー情報履歴画面(図61参照)を液晶表示装置11に表示させる。これによって、エラー情報履歴画面を見る者は、C2_4エラーが発生したことを把握できる。
ここで、主制御回路91からメダル投入コマンドを受信しているのにも関わらず、メダルセレクタ201から判定完了コマンドを受信しない場合には、撮像手段の撮像範囲外での不正行為や、画像処理で判断不可能な不正行為が発生したことが考えられる。本実施形態では、上記のような場合に、液晶表示装置11にC2エラー画面を表示させ、また、所定の操作に応じて、「C2_4」及び発生日時を含むエラー情報に基づくエラー情報履歴画面を液晶表示装置11に表示させる。これによって、撮像手段の撮像範囲外での不正行為や、画像処理で判断不可能な不正行為が発生したことを、認識できる。
<第15の作用>
本実施形態では、副制御回路101(のサブCPU102)は、判定完了コマンド受信時処理(図50参照)において、メダル受付可の状態(ステップS157参照)で、サブメダルカウンタの値が、所定値以上か否かを判定する(ステップS159参照)。所定値は、単位遊技に投入可能な最大のメダル数(本実施形態では3枚)にパチスロ1にクレジットできるメダルの最大数(本実施形態では50枚)の和以上に設定されている。
そして、所定値以上と判定する場合、サブCPU102は、液晶表示装置11にC2エラー画面(図52参照)を表示させる(ステップS160参照)。また、サブCPU102は、サブRAM103のエラー情報履歴領域にエラー内容「C2_2」及び発生日時を記憶させる(ステップS161参照)。そして、副制御回路101は、所定の操作に応じて、エラー情報履歴領域に記憶されているエラー情報に基づくエラー情報履歴画面(図61参照)を液晶表示装置11に表示させる。これによって、エラー情報履歴画面を見る者は、C2_2エラーが発生したことを把握できる。
ここで、サブメダルカウンタの値が上記のように設定されている所定値以上になる状態は、パチスロ1にクレジット可能な枚数を超えたメダルが投入されているという異常な状態である。本実施形態では、上記のような状態が発生した場合に、液晶表示装置11にC2エラー画面を表示させ、また、所定の操作に応じて、「C2_4」及び発生日時を含むエラー情報に基づくエラー情報履歴画面を液晶表示装置11に表示させる。すなわち、副制御回路101は、上記の異常な状態を検知し、その発生を報知できる。これによって、上記の異常な状態を発生させる原因と考えられるメダルをメダル投入口に投入することなくクレジットを増加させる不正行為の発生を認識できる。
<第16の作用>
本実施形態では、副制御回路101(のサブCPU102)は、起動回数判定処理(図56参照)において、メダルセレクタ無操作コマンドに含まれる起動回数と、サブ電源投入カウンタの差を算出する(ステップS192参照)。そして、その差が閾値以上の場合、サブCPU102は、液晶表示装置11にC2エラー画面(図52参照)を表示させる(ステップS193参照)。また、サブCPU102は、サブRAM103のエラー情報履歴領域にエラー内容「C2_3」及び発生日時を記憶させる(ステップS194参照)。そして、副制御回路101は、所定の操作に応じて、エラー情報履歴領域に記憶されているエラー情報に基づくエラー情報履歴画面(図61参照)を液晶表示装置11に表示させる。これによって、エラー情報履歴画面を見る者は、C2_3エラーが発生したことを把握できる。
ここで、サブ電源投入カウンタの値は、電源投入処理(図43参照)が行われる度、すなわち起動する度に、1加算される(ステップS102参照)。また、メダルセレクタ無操作コマンドに含まれる起動回数(図41参照)は、メダルセレクタ201が起動する毎に、1が加算される。通常は、パチスロ1に電源が投入されると、副制御回路101とメダルセレクタ201の両方に電源が投入され、共に起動することから、サブ電源投入カウンタの値及びメダルセレクタ無操作コマンドに含まれる起動回数は等しくなる。したがって、これらが等しくない場合には、副制御回路101又はメダルセレクタ201のいずれかを単独で再起動させることを伴う不正行為が発生したことが考えられる。
本実施形態では、上記のような場合に、液晶表示装置11にC2エラー画面を表示させ、また、所定の操作に応じて、「C2_3」及び発生日時を含むエラー情報に基づくエラー情報履歴画面を液晶表示装置11に表示させる。これによって、再起動を伴う不正行為を認識できる。
また、本実施形態では、上記差が単に生じた場合ではなく、上記差が適宜設定可能な閾値以上である場合に、液晶表示装置11にC2エラー画面を表示させる処理などを行うため、上記差が自然発生的に生じた場合に、エラー画面の表示などが行われることを防止できる。このため、C2エラー画面の表示や「C2_3」及び発生日時を含むエラー情報に基づくエラー情報履歴画面の表示によって、故意に副制御回路101又はメダルセレクタ201のいずれかが単独で再起動させられたこと、すなわち再起動を伴う不正行為が行われたことを確実に認識できる。
<第17の作用>
本実施形態では、メダルセレクタ201の制御LSI234は、通電中に初期化が行われると、フラッシュメモリ244の起動用初期化フラグ格納領域の値に「初期化あり」を示す「1」を設定する。そして、制御LSI234は、電源が投入時に、フラッシュメモリ244の起動用初期化フラグ格納領域を参照し、「初期化あり」を示す情報を含む起動完了コマンドを副制御回路101に送信する。また、メダルセレクタ201の制御LSI234は、通電中に初期化が行われると、SRAM243の無操作用初期化フラグ格納領域の値に「初期化あり」を示す「1」を設定する。そして、制御LSI234は、無操作用初期化フラグ格納領域を参照し、「初期化あり」を示す情報を含むメダルセレクタ無操作コマンドを副制御回路101に送信する。
また、副制御回路101(のサブCPU102)は、「初期化あり」を示す情報を含む起動完了コマンドを受信すると、起動完了コマンド受信時処理(図47参照)において、初期化エラー画面(図48参照)を液晶表示部11(の表示部11a)に表示させる(ステップS143参照)。
また、副制御回路101(のサブCPU102)は、「初期化あり」を示す情報を含むメダルセレクタ無操作コマンドを受信すると、メダルセレクタ無操作コマンド受信時処理(図47参照)において、初期化エラー画面(図48参照)を液晶表示部11(の表示部11a)に表示させる(ステップS182参照)。
したがって、初期化処理が行われた場合、メダルセレクタ無操作コマンドにおいて、直ちに初期化エラー画面が表示されるので、初期化処理の発生をすぐに認識できる。また、起動時には、前回の通電中に初期化処理が行われていると、起動完了コマンド受信時処理において、初期化エラー画面が表示されるので、前回の通電中に初期化処理が行われたことを認識できる。すなわち、初期化処理が行われたことを確実に認識できるので、初期化処理を伴う不正行為を認識できる。
<第18の作用>
本実施形態では、副制御回路101(のサブCPU102)は、起動完了コマンド受信時処理(図47参照)において、色判定の有効・無効を切り換える色スイッチ206eと、刻印判定の有効・無効を切り換える刻印スイッチ206fの起動時の状態を含むスイッチ情報を、第1スイッチ情報記憶領域に記憶する(ステップS147参照)。また、副制御回路101は、同処理において、第1スイッチ情報記憶領域に記憶されている前回のスイッチ情報と、今回受信した起動完了コマンドに含まれるスイッチ情報とを比較し、一致しない場合は、セレクタスイッチエラー画面(図49参照)を液晶表示装置11(の表示部11a)に表示させる(ステップS146)。
また、副制御回路101(のサブCPU102)は、スイッチ状態判定処理(図57参照)において、メダルセレクタ無操作コマンドに含まれるスイッチ情報と第2スイッチ情報記憶領域に記憶されているスイッチ情報とを比較し(ステップS202,S204,S207参照)、一致しない場合は、サブRAM103のエラー情報履歴領域に、その旨を登録する(ステップS205,S207参照)。そして、副制御回路101(のサブCPU102)は、所定の操作に応じてエラー情報履歴領域に記憶されている情報を表示するエラー情報履歴画面(図61参照)を液晶表示装置11に表示させる。
したがって、エラー情報履歴画面(図61参照)によって、スイッチの操作の有無を認識できる。また、起動時に、起動完了コマンド受信時処理において、セレクタスイッチエラー画面(図49参照)が液晶表示装置11(の表示部11a)に表示されるので、前回の通電中にスイッチの操作が行われたことを認識できる。すなわち、色判定及び刻印判定の有効・無効を切り換えるスイッチの操作の有無を認識できるため、当該スイッチの不正操作を伴う不正行為を認識できる。
<第19の作用>
本実施形態のメダルセレクタ201と副制御回路101との間のコマンド送受信シーケンス(図42参照)において、副制御回路101(のサブCPU102)は、メダルセレクタ201からACKコマンドを受信すると、受信したACKコマンドに含まれている送信カウンタの値が、前回、メダルセレクタ201から受信したコマンドに含まれていた送信カウンタの値に「1」を加算した値と等しいか否かを判定する。そして、等しくないと判定する場合は、サブRAM103に設けられたエラー情報履歴領域に、エラー内容として「CMOS CNT」(ACKカウントエラー)、発生日時として現在の日付と時刻を記憶させる。
また、副制御回路101は、所定の操作に応じて、サブRAM103のエラー情報履歴領域に記憶されているエラー情報に基づくエラー情報履歴画面(図61参照)を液晶表示装置11に表示させる。これによって、エラー情報履歴画面を見る者は、ACKカウントエラーが発生したことを把握できる。
ここで、上記の副制御回路101の判定において、値の不一致が生じる場合には、副制御回路101又はメダルセレクタ201のいずれかを単独で再起動させることを伴う不正行為が発生したことが考えられる。本実施形態では、エラー情報履歴画面を見る者は、ACKカウントエラーが発生したことを把握できる。このため、再起動を伴う不正行為を認識できる。
<第20の作用>
本実施形態のメダルセレクタ201は、C1エラーの発生時に、発生したエラーの内容を示す情報を含むメダルセレクタエラーコマンド(図41のメダルセレクタエラーコマンドのDAT0参照)を送信する。また、メダルセレクタ201から周期的に送信されるメダルセレクタ無操作コマンドには、発生しているエラーの内容を示す情報が含まれている(図41のメダルセレクタ無操作コマンドのDAT2参照)。これらのコマンドを受信した副制御回路101は、液晶表示装置11に、C1エラー画面(図54参照)を表示させ、また、所定の操作に応じてエラー情報履歴画面(図61参照)を表示させる。
このため、メダルセレクタ201と副制御回路101とのコマンドの送受信に何らかの障害が生じ、副制御回路101がメダルセレクタ201からメダルセレクタエラーコマンドを適切に受信できなくても、周期的に送信されるメダルセレクタ無操作コマンドによって、メダルセレクタ201は、副制御回路101にエラーが発生していること及びエラーの内容を伝達することができる。これによって、メダルセレクタ201にエラーが生じた場合に、当該エラーを確実に認識することができる。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明の遊技機は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形実施が可能である。なお、以下の変形例の説明において、上述した実施形態における構成要素と同一または類似の構成要素については、その説明を省略し、また、図面においては同一の符号を付す。
<変形例1>
例えば、図22〜図24に示す判定領域に対応する位置に、孔を設けたメダルセレクタ301を用いてもよい。
変形例1に係るメダルセレクタ301の構成について、図62を参照して説明する。図62は、変形例1におけるメダルセレクタを説明するための図である。なお、図62においては、メダルセレクタ301のキャンセルシュータ206及びカメラユニット209(図7参照)の図示を省略している。
メダルセレクタ301のベース板部304にはメダルレール310が、パチスロ1の前方へ凹むように、且つ、略L字状に形成されている。メダルレール310の表面には、複数の突条部310aが形成されている。
また、メダルレール310において、図22〜図24に示す判定領域A1〜A4及び判定領域B1〜B4に対応する位置に、これらの判定領域を合わせた形状と同形状の判定領域AB孔310bが形成されている。また、同様に判定領域C1,C2に対応する位置に同形状の判定領域C孔310cが形成され、また、判定領域D1〜D4に対応する位置に同形状の判定領域D310d孔が形成されている。また、図示は省略するが、ベース板部304には、図22〜図24に示す判定領域Fに対応する位置に、判定領域F孔310eが形成されている。
また、図63に示すようにメダルセレクタ301のサブプレート305には、図22〜図24に示す判定領域Fに対応する位置に、判定領域F孔305aが形成されている。サブプレート305に形成されている判定領域F孔305aと、ベース板部304に形成されている判定領域F孔310eとは、前後方向に連通している。
なお、メダルセレクタ301のその他の点においては、メダルセレクタ201と同様のため、説明を省略する。
本変形例では、判定領域A1〜A4,B1〜B4,C1,C2,D1〜D4,及びFのそれぞれの対応する位置に、孔(判定領域AB孔310b,判定領域C孔310c,判定領域D310d孔及び判定領域F孔310e,305a)を設けた。したがって、メダルカウント回路246が行うメダル位置検出処理において用いられる背景グレースケール画像データ(メダルの画像が含まれていないグレースケール画像データ)の各判定領域に対応する位置の輝度の値が、これらの孔を設けていない場合に比べて、より低い値(光源用のLED233の光が孔を通過することでCMOSイメージセンサ232に反射しないため)となる。このため、メダルレール310の表面に近い輝度のメダルが使用されても、背景グレースケール画像データの各判定領域における輝度と、処理の対象であるグレースケール画像データにおけるメダルの画像の輝度との差分を算出できる(例えば、メダルレール310の表面の輝度の値を50とした場合に、孔の部分の輝度の値が22であれば、差分として28の値が算出される)。したがって、メダル位置検出処理においてメダルレール310の表面に近い輝度のメダル(表面をブラック、グレー、ブラウン系の色に加工したメダルや、表面が劣化、又は、汚れて、光の反射が十分でないメダル等)を含む多様なメダルを正確に検出することができる。また、同様に、メダルカウント回路246が行うメダルエッジ検出処理の精度も高めることができる。すなわち、本変形例では、メダル位置検出処理を行うメダルカウント回路246は、物体有無検出手段を構成する。
なお、メダルレール310における図22〜図24に示す判定領域Eに対応する位置に、同形状の孔を設けてもよい。また、本変形例のその他の点については、上記の実施形態と同様のため、説明を省略する。
<変形例2>
次に、変形例2の遊技機について、図63及び図64を参照して説明する。
図63は、変形例2の遊技機におけるメダルセレクタの回路構成例を示すブロック図である。また、図64は、変形例2の遊技機における制御LSIの回路構成例を示すブロック図である。
なお、変形例2に係る遊技機についての以下の説明において、上述した実施形態におけるパチスロ1と共通する構成や機能については、説明を省略する。
図63及び図64に示すように、変形例2のメダルセレクタ401における制御LSI234とメダルソレノイド208とは電気的に接続されている。したがって、制御LSI234は、メダルソレノイド208をON状態又はOFF状態に設定することができる。具体的には、制御LSI234は、GPIO250を介して、GPIO250に割り付けられた出力PORTから、メダルソレノイド208をON状態又はOFF状態に設定する制御信号をメダルソレノイド208に出力する。
本変形例におけるメダルセレクタ401のホストコントローラ241は、上述したメダルセレクタ201と同様に、魚眼補正スケーラ回路248が、縮小画像データを作成して、SRAM243に記憶させると、当該記憶させた縮小画像データに対して、刻印判定処理における円領域検出処理以降の処理の実行を画像認識DSP回路242及び画像認識アクセラレータ回路249に指示する。なお、円領域検出処理において、円領域が抽出できなかった場合は、刻印判定処理における以降の処理は省略される。
このようにすることで、メダルレール210上を移動する物体が、メダルレール210の上露出孔219又は下露出孔220(図8参照)に達する前に、画像認識DSP回路242は、この物体に対する刻印判定処理の判定結果(3次元判定の結果)をSRAM243に記憶させることができる。
刻印判定の結果を取得したホストコントローラ241は、取得した判定結果が「判定NG」である場合、メダルソレノイド208をOFF状態に設定する制御信号をメダルソレノイド208に出力する。この場合、判定対象の物体を、上露出孔219から突出するアフタメダルプレッシャ218、又は、下露出孔220から突出するメダルストッパ部227に押し出させ、キャンセルシュータ206に向けて排出させることができる。
また、本変形例におけるメダルセレクタ401のホストコントローラ241は、上述したメダルセレクタ201と同様に、刻印判定処理の結果がSRAM243に記憶されたタイミングで、同一の画像IDに関連づけられている色判定の判定結果をSRAM243から取得し、色判定処理の判定結果に応じて、メダルソレノイド208をON状態又はOFF状態に設定する制御信号をメダルソレノイド208に出力する。
このため、本変形例では、メダルレール210上を移動する物体が、メダルレール210の上露出孔219又は下露出孔220(図8参照)に達する前に、この物体に対する色判定処理の判定結果に応じて、メダルソレノイド208をON状態又はOFF状態に設定することができる。
具体的には、ホストコントローラ241は、取得した閾値判定処理の判定結果として「閾値判定不可」が記憶されている場合、又は、色判定結果として「否」が記憶されている場合、すなわち「判定NG」の場合、メダルソレノイド208をOFF状態に設定する制御信号をメダルソレノイド208に出力する。この場合、判定対象の物体を、上露出孔219から突出するアフタメダルプレッシャ218、又は、下露出孔220から突出するメダルストッパ部227に押し出させ、キャンセルシュータ206に向けて排出させることができる。
一方、色判定の結果及び刻印判定の結果が「判定OK」の場合、ホストコントローラ241は、メダルソレノイド208の状態がON状態のまま維持されるようにする。この場合、判定対象の物体はホッパー装置51に案内される。
変形例におけるメダルセレクタ401のホストコントローラ241は、SRAM243に記憶させた縮小画像データに対して行った円領域検出処理において円領域が検出できなくなったとき、メダルソレノイド208をON状態に設定する制御信号をメダルソレノイド208に出力する。このようにすることで、次に投入された物体が正規のメダルの場合に、このメダルをホッパー装置51に適切に導くことができる。すなわち、制御LSI234は、メダルソレノイド208の駆動を制御する駆動制御手段を構成する。
本変形例において、主制御回路91(主制御基板71)は、メダルセレクタにメダル投入信号を出力する。具体的には、主制御回路91は、パチスロ1がメダルを投入可能なメダル投入許可状態ではないとき、投入不可の内容のメダル投入信号を、メダルセレクタ401へ出力する。
ここで、パチスロ1がメダルを投入可能なメダル投入許可状態ではないときとは、例えば、単位遊技においてスタートレバー23が遊技者により操作された後、また、クレジットカウンタが最大値(例えば、50)のとき、である。
主制御回路91から投入不可の内容のメダル投入信号が出力されると、メダルセレクタ401のホストコントローラ241は、メダルソレノイド208をOFF状態に設定する。
また、主制御回路91は、パチスロ1がメダルを投入可能なメダル投入許可状態のとき、投入許可の内容のメダル投入信号を、メダルセレクタ401へ出力する。なお、ホストコントローラ241は、主制御回路91から投入許可の内容のメダル投入信号が出力されると、メダルソレノイド208をON状態に設定する。
なお、本変形例のその他の点については、上記の実施形態と同様のため、説明を省略する。
本変形例のパチスロ1では、メダルレール210上を通過する物体について刻印判定処理及び色判定処理を行い、その結果に基づいて、メダルソレノイド208を動作させる。このため、判定対象の物体を、判定の結果に基づいて、適切に、キャンセルシュータ206、又は、ホッパー装置51に導くことができる。
なお、主制御回路91は、ホストコントローラ241を介さず、直接メダルソレノイド208をON状態又はOFF状態に設定してもよい。
<変形例3>
変形例3のパチスロは、メダルセレクタ501を備える。メダルセレクタ501では、カウント処理の判定結果として、SRAM243に「メダルが通過した」と記憶された場合には、ホストコントローラ241は、その旨を示すメダルカウントコマンドを、副制御回路101に送信する。そして、副制御回路101は、メダルカウントコマンドを受信すると、主制御回路91の投入枚数カウンタ及びクレジットカウンタとは別に、サブRAM103上に設けられたサブ投入枚数カウンタ及びサブクレジットカウントで、主制御回路91と同様に、投入枚数やクレジットされているメダルの枚数を管理する。
変形例3におけるメダルセレクタ501の回路構成は、メダルセレクタ201の回路構成(図17参照)と同様であるため、図示を省略する。また、メダルセレクタ501の制御LSIの回路構成は、メダルセレクタ201の制御LSIの回路構成と同様であるため、図示を省略する。なお、メダルセレクタ501については、メダルセレクタ201に設けられている、初期化スイッチ206d、色スイッチ206e、及び、刻印スイッチ206fの設置を省略してもよい。
<差枚数報知機能>
また、変形例3のパチスロにおいて、主制御回路91で管理しているメダルのカウント枚数と、副制御回路101で管理しているメダルのカウント枚数と、を所定のタイミングで比較し、差枚数が所定枚数を超えた場合に、報知するという差枚数報知機能を備えてもよい。なお、差枚数報知機能については以下に詳細に説明する。
主制御回路91のメインCPU93は、ダブルフォトセンサ502の第1フォトセンサ503から入力されたメダル検知信号を検出してから、所定時間内に、第2フォトセンサ504から入力されたメダル検知信号を検出すると、投入されたメダルの枚数をメインCPU93が計数するために設けられたカウンタである投入枚数カウンタ又はクレジットカウントの値に1加算するともに、メインRAM95に設けられたメインカウント枚数記憶領域の値に1加算する。メインカウント枚数記憶領域は、2バイトの記憶領域からなる。すなわち、メインカウント枚数記憶領域の値は、0〜65535の範囲で変化可能となっている。なお、メインカウント枚数記憶領域の値に1加算する際、メインカウント枚数記憶領域の値が65535の場合は、メインCPU93は、メインカウント枚数記憶領域の値を0に設定する。
本変形例では、主制御回路91(のメインCPU93)は、無操作コマンドを副制御回路101に送信する際に、その時点におけるメインカウント枚数記憶領域の値を、パラメータとして無操作コマンドに含ませる。
副制御回路101が、メダルセレクタ501からメダルカウントコマンドを受信すると、サブCPU102は、サブRAM103に設けられたサブカウント枚数記憶領域の値に1加算する。サブカウント枚数記憶領域は、2バイトの記憶領域からなる。すなわち、サブカウント枚数記憶領域の値は、0〜65535の範囲で変化可能となっている。なお、サブカウント枚数記憶領域の値に1加算する際、サブカウント枚数記憶領域の値が65535の場合は、サブCPU102は、サブカウント枚数記憶領域の値を0に設定する。
副制御回路101が主制御回路91から無操作コマンドを受信すると、サブCPU102は、サブカウント枚数記憶領域を参照し、サブカウント枚数記憶領域の値から、無操作コマンドに含まれているメインカウント枚数記憶領域の値を、減算する。そして、サブCPU102は、減算の結果の絶対値が5以上であるか否かを判定する。判定の結果が、5以上である場合は、サブCPU102は、副7セグ表示器(不図示)に所定の表示(例えば「CC」)を表示させ、エラーを報知する。一方、判定の結果が、5以上でない場合は、サブCPU102は、副7セグ表示器に所定の表示(例えば「CC」)を表示させない。
なお、副7セグ表示器に所定の表示を「CC」に代えて、主制御回路91で管理しているメダルのカウント枚数(メインカウント枚数記憶領域の値)と、副制御回路101で管理しているメダルのカウント枚数(サブカウント枚数記憶領域の値)との差枚数が所定枚数以上(本変形例では5枚以上)であるエラーが発生していることを容易に認識可能なように他の表示、例えば「CE」と表示させてもよい。また、所定数は、適宜設定可能である。例えば、10枚又は20枚と設定してもよい。
差枚数報知機能を備えるパチスロでは、主制御回路91で管理しているメダルのカウント枚数と、副制御回路101で管理しているメダルのカウント枚数との差枚数が所定枚数以上の場合に、副7セグ表示器に所定の表示を表示させることで、その旨を報知できる。なお、本変形例では、サブカウント枚数記憶領域の値とメインカウント枚数記憶領域の値とを減算し、その結果の絶対値が5以上の場合に、副7セグ表示器でエラーを報知する例を説明した。しかし、エラーの報知の態様は、これに限らない。例えば、副7セグ表示器に所定の表示を表示させることに代えて、液晶表示装置11(図14参照)にエラー画面を表示してもよい。また、副7セグ表示器に所定の表示を表示させることに加えて、スピーカ58,64,65L及び65R(図14参照)の全て又はいずれかから警告音を出力するようにしてもよい。また、上述した副7セグ表示器を用いた報知、液晶表示装置11を用いた報知及びスピーカ58,64,65L,65Rを用いた報知を適宜組み合わせて報知を行ってもよい。
ここで、主制御回路91で管理しているメダルのカウント枚数と、副制御回路101で管理しているメダルのカウント枚数との差枚数が所定枚数以上となる場合としては、ダブルフォトセンサ502に障害が発生したことによりメダル検知信号が適切に出力されていない場合や、メダルセレクタ501の制御LSI234に障害が発生したことにより制御LSI234(のメダルカウント回路246)が行うメダルカウント処理に適切に行われない場合などが考えられる。
このため、差枚数報知機能に係る報知があると、遊技機の管理者(例えば、遊技ホールの従業員)は、ダブルフォトセンサ502や制御LSI234の挙動をチェックすることで、これらに生じた障害を認識することができ、障害を除去できる。このため、障害がない状態で各種処理を行わせることができるので、ダブルフォトセンサ502から出力されるメダル検知信号に基づく主制御回路91でのメダルのカウント処理などの信頼性が向上する。また、制御LSI234が行うメダルカウント処理を含む各種処理の信頼性が向上する。
なお、無操作コマンドにメインカウント枚数の値を示すパラメータを含ませる例を説明したが、当パラメータを含ませるコマンドは、これに限らず、例えば入賞作動コマンド又はメダル投入コマンドに、当パラメータを含ませてもよい。
<セレクタ監視機能>
また、本変形例のパチスロでは、主制御回路91からの指示に応じてセレクトプレート207がガイド位置又は排出位置に移動したか否かを判定し、主制御回路91からの指示に応じてセレクトプレート207が移動していないと判定する場合は、エラー報知するセレクタ監視機能を備えてもよい。なお、以下に説明するセレクタ監視機能に係る主制御回路91、副制御回路101及びメダルセレクタ501(の制御LSI234)が行う各種処理は、上述の各デバイスが実施する各種処理と並行して行われる。
セレクタ監視機能を備えたパチスロにおいて、主制御回路91は、無操作コマンドを副制御回路101に送信する際に、その時点においてメダルソレノイド208をON状態に設定しているかOFF状態に設定しているかを示すパラメータを無操作コマンドに含ませる。具体的には、主制御回路91は、主制御回路91とメダルソレノイド208間の信号線をON状態に設定している場合は、メダルソレノイド208をON状態に設定している旨を示すパラメータを無操作コマンドに含ませ、一方、主制御回路91は、主制御回路91とメダルソレノイド208間の信号線を、OFF状態に設定している場合は、メダルソレノイド208をOFF状態に設定している旨を示すパラメータを無操作コマンドに含ませる。すなわち、主制御回路91は、メダルソレノイド208を、セレクトプレート207がガイド位置に移動するように制御している(ON状態に設定している)のか、排出位置に移動するように制御している(OFF状態に設定している)のかを示す情報を無操作コマンドに含ませて出力する。
副制御回路101は、無操作コマンドを受信すると、受信した無操作コマンドに含まれているメダルソレノイド208をON状態に設定しているかOFF状態に設定しているかを示すパラメータに基づいて、上述の投入状態コマンドをメダルセレクタ501に送信する。
制御LSI234は、前回受信した投入状態コマンドが示す受付状態(「受付可」又は「受付不可」)と、今回受信した投入状態コマンドが示す受付状態とに変化があったとき、位置判定処理を行う。本変形例では、位置判定処理を行う制御LSI234が、位置判定手段を構成する。
位置判定処理において、制御LSI234は、ISP回路245が、レンズ歪み補正処理と射影変換処理後のRGBベイヤ画像を各種フォーマットに変換する色変換処理を行うことによって、生成され、SRAM243に記憶された一番新しいグレースケール画像データを取得する。
次いで、制御LSI234は、取得したグレースケール画像データを解析し、セレクトプレート207がガイド位置にあるか排出位置にあるかを判定する。具体的には、制御LSI234は、グレースケール画像データにおけるメダルの進行方向(図65の矢印A方向)に直交する方向のメダルレール210の幅(以下、単に「レール幅」と称する場合がある)に基づいて、ガイド位置にあるか排出位置にあるかを判定する。
図65では、ガイド位置にあるときのセレクトプレート207を実線で示し、排出位置にあるセレクトプレート207におけるプレート本体224の端部(メダルの進行方向に沿って延存する箇所)を鎖線で示している。図65に示すように、セレクトプレート207がガイド位置にあるときのレール幅W1は、セレクトプレート207が排出位置にあるときのレール幅W2よりも狭くなる。制御LSI234は、実験やシミュレーションに基づいて予め設定されたガイド位置にあるときのレール幅と、グレースケール画像データにおけるレール幅とを比較し、一致する場合は、セレクトプレート207がガイド位置にあると判定する。一方、グレースケール画像データにおけるレール幅の方が広い場合は、セレクトプレート207が排出位置にあると判定する。
なお、セレクトプレート207がガイド位置にあるか排出位置にあるかの判定方法は、上述した方法以外の方法を適宜採用可能である。例えば、制御LSI234は、実験やシミュレーションに基づいて予め設定されたガイド位置にあるときのセレクトプレート207の形状データと、グレースケール画像データにおけるセレクトプレート207の形状とを比較し、一致する場合は、セレクトプレート207がガイド位置にあると判定し、一致しない場合は、セレクトプレート207が排出位置にあると判定してもよい。
次いで、制御LSI234は、受信した投入状態コマンドが「受付可」を示す場合、位置判定処理においてセレクトプレート207が排出位置にある(ガイド位置にない)と判定したときは、その旨を示すメダルセレクタエラーコマンドを副制御回路101に送信する。一方、同場合に、セレクトプレート207がガイド位置にあると判定したときは、位置判定処理を終了する。
また、制御LSI234は、受信した投入状態コマンドが「受付不可」を示す場合、位置判定処理においてセレクトプレート207がガイド位置にあると判定したときは、その旨を示すメダルセレクタエラーコマンドを副制御回路101に送信する。一方、同場合に、セレクトプレート207がガイド位置にあると判定したときは、位置判定処理を終了する。
副制御回路101は、上記メダルセレクタエラーコマンドを受信すると、上記の制御エラーが発生している旨を、液晶表示装置11等を用いて報知する。
本変形例のパチスロでは、主制御回路91がメダルソレノイド208をON状態に設定している(投入可のメダル投入信号を出力している)にも関わらず、セレクトプレート207が排出位置にある(ガイド位置にない)ときに、エラーが報知される。また、主制御回路91がメダルソレノイド208をOFF状態に設定している(投入不可のメダル投入信号を出力して)にも関わらず、セレクトプレート207がガイド位置にある(排出位置にない)ときに、エラーが報知される。すなわち、主制御回路91からの指示に応じてセレクトプレート207が移動していない場合に、エラーを報知することができる。
主制御回路91からの指示に応じてセレクトプレート207が移動していない場合としては、例えばメダルソレノイド208が故障している場合が考えられる。また、例えばメダルレール210上に異物が存在し、セレクトプレート207がガイド位置に移動することを妨げている場合が考えられる。本変形例では、遊技機の管理者(例えば、遊技ホールの従業員)は、エラーの報知によって、メダルソレノイド208の故障や、メダルレール210上の異物の存在を把握できるので、これらの不備に早期に対応することができる。
なお、メダルセレクタ501のその他の点については、メダルセレクタ201と同様のため、説明を省略する。
<変形例4>
次に、変形例4の遊技機について、図66を参照して説明する。
図66は、変形例4の遊技機におけるメダルセレクタの回路構成例を示すブロック図である。
なお、変形例4に係る遊技機についての以下の説明において、上述した実施形態におけるパチスロ1と共通する構成や機能については、説明を省略する。
図66に示すように、本変形例のメダルセレクタ601では、上述した変形例2に係るメダルセレクタ401と同様に、制御LSI234とメダルソレノイド208とが電気的に接続されている。したがって、制御LSI234は、メダルソレノイド208をON状態又はOFF状態に設定することができる。
また、本変形例における制御LSI234は、上述した変形例と同様に、メダルレール210上を移動する物体について刻印判定処理及び色判定処理を行い、その結果に応じてメダルソレノイド208の動作を制御する。
すなわち、本変形例では、変形例2と同様に、メダルレール210上を移動する物体が、メダルレール210の上露出孔219又は下露出孔220に達する前に、制御LSI234の画像認識DSP回路242は、この物体に対する刻印判定処理をSRAM243に記憶させる。刻印判定の結果を取得したホストコントローラ241は、取得した判定結果が「判定NG」である場合、メダルソレノイド208をOFF状態に設定する制御信号をメダルソレノイド208に出力する。
また、本変形例におけるメダルセレクタ401のホストコントローラ241は、上述したメダルセレクタ201と同様に、刻印判定処理の結果がSRAM243に記憶されたタイミングで、同一の画像IDに関連づけられている色判定の判定結果をSRAM243から取得し、色判定処理の判定結果に応じて、メダルソレノイド208をON状態又はOFF状態に設定する制御信号をメダルソレノイド208に出力する。
したがって、刻印判定及び色判定の判定結果が「判定NG」の判定対象の物体を、上露出孔219から突出するアフタメダルプレッシャ218、又は、下露出孔220から突出するメダルストッパ部227に押し出させ、キャンセルシュータ206に向けて排出させることができる。
また、本変形例における主制御基板71で構成される主制御回路91は、パチスロ1がメダルを投入可能なメダル投入許可状態ではないとき、例えば、単位遊技においてスタートレバー23が遊技者により操作された後、また、クレジットカウンタが最大値のときは、メダル投入不可の内容のメダル投入コマンドを副制御基板72で構成される副制御回路101に送信する。また、パチスロ1がメダルを投入可能なメダル投入許可状態のときは、投入許可の内容のメダル投入コマンドを副制御回路101に送信する。
副制御回路101は、主制御回路91から送信されたメダル投入コマンドを、ドア中継端子板68及び副中継基板61を介して、受信する。メダル投入コマンドを受信した副制御回路101は、受信したメダル投入コマンドの内容に対応する投入状態コマンド(「受付可」又は「受付不可」)をメダルセレクタ601に送信する。
メダルセレクタ601は、副制御回路101から出力された受付不可の内容の投入状態コマンドを受信すると、制御LSI234のホストコントローラ241は、メダルソレノイド208をOFF状態に設定する。すなわち、本変形例では、ホストコントローラ241は、直近に投入された物体に対する色判定又は刻印判定の判定結果が「判定NG」のとき、及び、副制御回路101から受付不可の内容の投入状態コマンドを受信したときに、メダルソレノイド208をOFF状態に設定する。
本変形例において、主制御回路91は、ダブルフォトセンサ502から出力されるメダル検知信号に基づいて、逆行エラーやメダル詰まりエラーを検知し、これらのエラーが検知されたときは、遊技を強制的に終了させる。
なお、メダルセレクタ601のその他の点については、変形例2で説明したメダルセレクタ401と同様のため、説明を省略する。
本変形例では、パチスロ1が上述したメダル投入許可状態でないとき、主制御回路91は、投入不可の内容のメダル投入コマンド送信し、当該メダル投入コマンドを受信した副制御回路101は、同内容(受付不可)の投入状態コマンドを送信する。そして、メダルセレクタ601は受付不可の投入状態コマンドと、メダルソレノイド208をOFF状態に設定し、メダルをキャンセルシュータ206に向けて排出させる。また、メダル投入許可状態であっても、メダルセレクタ601の制御LSI234は、色判定又は刻印判定の判定結果が「判定NG」のとき、はメダルソレノイド208をOFF状態に設定し、メダルをキャンセルシュータ206に向けて排出させる。したがって、投入されたメダルを適切にカウントできる。また、投入されたメダルを、キャンセルシュータ206、又は、ホッパー装置51に、適切に導くことができる。
<変形例5>
次に、変形例5の遊技機について、図67及ぶ図68を参照して説明する。
図67は、変形例5の遊技機におけるメダルセレクタの背面図である。なお、図67では、メダルセレクタ701のサブプレート205、キャンセルシュータ206や基準マーカー260の図示を省略している。
また、図68は、変形例5の遊技機におけるメダルセレクタの回路構成例を示すブロック図である。
なお、変形例5に係る遊技機についての以下の説明において、上述した実施形態におけるパチスロ1と共通する構成や機能については、説明を省略する。
図67に示すように、本変形例のメダルセレクタ701は、2つのセレクトプレート、セレクトプレート707a及びセレクトプレート707bを備えている。また、図68に示すように、メダルセレクタ701は、2つのメダルソレノイド、第1メダルソレノイド708a及び第2メダルソレノイド708bを備えている。第1メダルソレノイド708a及び第2メダルソレノイド708bは、メダルソレノイド208(図9参照)と同様のソレノイド本体部(不図示)と可動板部(不図示)を備えている。
図67に示すように、セレクトプレート707aは、板状のプレート本体724aと、プレート本体724aの左右方向の両端部がパチスロ1の前方へ折曲することで形成されている一対の軸受部(不図示)と、を有している。また、プレート本体724aの上部には、パチスロ1の前方へ折曲し、後端部が上方へ折曲することで形成されているフランジ部726aが形成されている。
セレクトプレート707aは、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部(不図示)に回動可能に支持されている。軸部にはコイルばねが設けられており、フランジ部726aをパチスロ1の前方へ付勢する。フランジ部726aは、第1メダルソレノイド708aの可動板部の一端部と接触している。第1メダルソレノイド708aがON状態にあるとき、フランジ部726aは第1メダルソレノイド708aの可動板部の一端部に押圧され、コイルばねの付勢力に抗してパチスロ1の後方へ移動する。このときの、セレクトプレート707aの回動位置を「ガイド位置」と称する。ガイド位置にあるセレクトプレート707aのプレート本体724aとメダルレール210との距離は、メダルをキャンセルシュータ206側に排出することなくメダル出口部204c(図8参照)側へガイド可能な所定の距離に設定されている。
また、第1メダルソレノイド708aがOFF状態にあるとき、フランジ部726aは第1メダルソレノイド708aの押圧から解放され、コイルばねの付勢力によってパチスロ1の前方へ移動する。このときの、セレクトプレート707aの回動位置を「排出位置」と称する。排出位置にあるセレクトプレート707aのプレート本体724aとメダルレール210との距離は、所定の距離よりも長い距離に設定されている。
ガイド位置にあるセレクトプレート707aは、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合、移動するメダルの上部と接触し、メダルをメダル出口部204c(図8参照)側(図67における右側)へ移動するように案内する。メダルは、セレクトプレート707aに案内されているとき、メダルプレッシャ213をパチスロ1の前方へ押圧する。
一方、排出位置にあるセレクトプレート707aは、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合であっても、プレート本体724aとメダルレール210との距離が離れているため、メダルをメダル出口部204c(図8参照)側へ案内することができない。また、メダルは、メダルプレッシャ213に押し出され、キャンセルシュータ206(図7参照)に向けて排出される。
また、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法よりも小径の場合、セレクトプレート707aがガイド位置にあっても、メダルはセレクトプレート707aに案内されず、メダルプレッシャ213に押し出され、キャンセルシュータ206に向けて排出される。
図67に示すように、セレクトプレート707bは、セレクトプレート707aよりも、メダルレール210をメダルが移動する方向の下流側に、設けられている。セレクトプレート707bは、板状のプレート本体724bと、プレート本体724bの左右方向の両端部がパチスロ1の前方へ折曲することで形成されている一対の軸受部(不図示)と、を有している。また、プレート本体724bの上部には、パチスロ1の前方へ折曲し、後端部が上方へ折曲することで形成されているフランジ部726bが形成されている。また、一方の軸受部には、下方へ延びるメダルストッパ部727bが形成されている。
セレクトプレート707bは、ベース板部204の前面204aに設けられた軸部(不図示)に回動可能に支持されている。軸部にはコイルばねが設けられており、フランジ部726bをパチスロ1の前方へ付勢する。フランジ部726bは、第2メダルソレノイド708bの可動板部の一端部と接触している。第2メダルソレノイド708bがON状態にあるとき、フランジ部726aは第2メダルソレノイド708bの可動板部の一端部に押圧され、コイルばねの付勢力に抗してパチスロ1の後方へ移動する。このときの、セレクトプレート707bの回動位置を「ガイド位置」と称する。ガイド位置にあるセレクトプレート707bのプレート本体724bとメダルレール210との距離は、メダルをキャンセルシュータ206側に排出することなくメダル出口部204c側へガイド可能な所定の距離に設定されている。また、このときメダルストッパ部727bは、下露出孔220から突出しない。
また、第2メダルソレノイド708bがOFF状態にあるとき、フランジ部726bは第2メダルソレノイド708bの押圧から解放され、コイルばねの付勢力によってパチスロ1の前方へ移動する。このときの、セレクトプレート707bの回動位置を「排出位置」と称する。排出位置にあるセレクトプレート707bのプレート本体724bとメダルレール210との距離は、所定の距離よりも長い距離に設定されている。このとき、パチスロ1の前方へ移動するフランジ部726bに押圧され、第2メダルソレノイド708bの可動板部の一端部はパチスロ1の前方へ移動する。これに伴って第2メダルソレノイド708bの可動板部の他端部がパチスロ1の後方へ移動し、アフタメダルプレッシャ218(図8参照)の前端部を押圧する。これによってアフタメダルプレッシャ218は回動し、アフタメダルプレッシャ218の後端部が上露出孔219から露出する。また、メダルストッパ部727bが下露出孔220から突出する。
ガイド位置にあるセレクトプレート707bは、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合、移動するメダルの上部と接触し、メダルをメダル出口部204c(図8参照)側(図67の右側)へ案内する。
一方、排出位置にあるセレクトプレート707bは、メダルレール210上を移動するメダルが規格寸法を満たす場合であっても、プレート本体724bとメダルレール210との距離が離れているため、メダルをメダル出口部204c(図8参照)側へ案内することができない。また、メダルは、上露出孔219から突出するアフタメダルプレッシャ218、又は、下露出孔220から突出するメダルストッパ部727bに押し出され、キャンセルシュータ206に向けて排出される。
図68に示すように、メダルセレクタ701は、第1フォトセンサ503と第2フォトセンサ504からなるダブルフォトセンサ502を備えている。ダブルフォトセンサ502は、ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続されている。
なお、上記の実施形態と同様に、ダブルフォトセンサ502の第1フォトセンサ503はメダル出口部204c(図8参照)の付近に設けられ、第2フォトセンサ504は第1フォトセンサ503よりもメダルレール210上の下流に設けられている。このため、第1フォトセンサ503及び第2フォトセンサ504は、セレクトプレート707bがガイド位置にあり、メダル出口部204c(図8参照)側へ移動するメダルは検知するが、セレクトプレート707a又はセレクトプレート707bが排出位置にあり、メダルシュート202(図6参照)に案内されるメダルは検知しない。
また、本変形例のダブルフォトセンサ502のその他の構成及び機能、また、ダブルフォトセンサ502(の第1フォトセンサ503及び第2フォトセンサ504)から出力されるメダル検知信号に基づく、主制御回路91での投入枚数カウンタ及びクレジットカウンタの値の管理の態様については、上述したため、ここでの説明は省略する。
また、第1メダルソレノイド708aは、ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続されている。したがって、主制御基板71から構成される主制御回路91は、第1メダルソレノイド708aをON状態又はOFF状態に設定することができる。
主制御回路91は、パチスロ1がメダルを投入可能なメダル投入許可状態ではないとき、例えば、単位遊技においてスタートレバー23が遊技者により操作された後、また、クレジットカウンタが最大値のときは、第1メダルソレノイド708aをOFF状態に設定する。また、パチスロ1がメダルを投入可能なメダル投入許可状態のときは、第1メダルソレノイド708aをON状態に設定する。
また、図68に示すように、メダルセレクタ701における制御LSI234と第2メダルソレノイド708bとは電気的に接続されている。したがって、制御LSI234は、第2メダルソレノイド708bをON状態又はOFF状態に設定することができる。
また、本変形例における制御LSI234は、上述した変形例2におけるメダルセレクタ401の制御LSI234と同様に、メダルレール210上を移動する物体について刻印判定処理や色判定処理を行い、判定結果に応じて第2メダルソレノイド708bを制御する。
すなわち、本変形例では、変形例2と同様に、メダルレール210上を移動する物体が、メダルレール210の上露出孔219又は下露出孔220に達する前に、色判定及び刻印判定の判定結果に基づいて、第2メダルソレノイド708bのON/OFF状態を制御できる。
このため、刻印判定又は色判定の判定結果が「判定NG」の場合、第2メダルソレノイド708bをOFF状態に設定する制御信号を第2メダルソレノイド708bに出力する。この場合、判定対象の物体を、上露出孔219から突出するアフタメダルプレッシャ218、又は、下露出孔220から突出するメダルストッパ部727bに押し出させ、キャンセルシュータ206に向けて排出させることができる。
また、変形例におけるメダルセレクタ701のホストコントローラ241は、SRAM243に記憶させた縮小画像データに対して行った円領域検出処理において円領域が検出できなくなったとき、第2メダルソレノイド708bをON状態に設定する制御信号を第2メダルソレノイド708bに出力する。
図68に示すように、メダルセレクタ701におけるカメラユニット209の制御LSI234は、副中継基板61を介して、副制御基板72に接続されている。したがって、上述の実施形態や変形例と同様に、副制御回路101とメダルセレクタ701間で各種コマンドの送受信が行われる。
また、副制御回路101は、メダルセレクタ701の制御LSI234におけるホストコントローラ241を介して、第2メダルソレノイド708bをON状態又はOFF状態に設定することができる。具体的には、副制御回路101は、メダルセレクタ701のホストコントローラ241から出力される上述のメダルカウントコマンドを検出すると、サブRAM103に設けられた投入枚数カウンタの値に1加算する。なお、サブRAM103の投入枚数カウンタの値が最大値(例えば、3)の場合は、クレジットされているメダルの枚数をサブCPU102が計数するためにサブRAM103に設けられたカウンタであるクレジットカウンタの値に1加算する。副制御回路101は、単位遊技においてスタートレバー23が遊技者により操作された後(スタートコマンドを受信した時)、また、サブRAM103のクレジットカウンタが最大値(例えば、50)のときは、第2メダルソレノイド708bをメダルセレクタ701のホストコントローラ241を介してOFF状態に設定する。また、パチスロがメダルを投入可能なメダル投入許可状態のときは、第2メダルソレノイド708bを、ホストコントローラ241を介してON状態に設定する。
また、主制御回路91は、ダブルフォトセンサ502から出力されるメダル検知信号に基づいて、逆行エラーやメダル詰まりエラーを検知し、これらのエラーが検知されたときは、遊技を強制的に終了させる。また、主制御回路91は、副制御回路101に、検知したエラーの内容に応じたエラーコマンドを送信する。
副制御回路101は、主制御回路91から、逆行エラーやメダル詰まりエラーに係るエラーコマンドを受信した場合には、メダルセレクタ701の制御LSI234におけるホストコントローラ241を介して、第2メダルソレノイド708bをOFF状態に設定する。
本変形例では、パチスロ1が上述したメダル投入許可状態でないとき、主制御回路91は、第1メダルソレノイド708aをOFF状態に設定し、メダルをキャンセルシュータ206に向けて排出させる。また、第1メダルソレノイド708aがON状態であっても、メダルセレクタ701の制御LSI234は、色判定又は刻印判定の判定結果が「判定NG」のときは第2メダルソレノイド708bをOFF状態に設定し、メダルをキャンセルシュータ206に向けて排出させる。したがって、投入されたメダルを適切にカウントできる。また、投入されたメダルを、キャンセルシュータ206、又は、ホッパー装置51に、適切に導くことができる。
<変形例6>
次に、変形例6の遊技機について、図69を参照して説明する。
図69は、変形例6の遊技機におけるメダルセレクタの回路構成例を示すブロック図である。
なお、変形例6に係る遊技機についての以下の説明において、上述した実施形態におけるパチスロ1と共通する構成や機能については、説明を省略する。
本変形例におけるメダルセレクタ801は、変形例5のメダルセレクタ701と同様に、2つのセレクトプレート、セレクトプレート707a及びセレクトプレート707bを備えている(図67参照)。
また、図69に示すように、メダルセレクタ801における第2メダルソレノイド708bと、副制御基板72が、副中継基板61を介して、電気的に接続されている。このため、副制御基板72で構成される副制御回路101は、第2メダルソレノイド708bをON状態又はOFF状態に設定することができる。一方、制御LSI234と第2メダルソレノイド708bとは、電気的に接続されていない。この点が変形例5との相違点である。以下では、この相違点に関して説明を行い、変形例5と共通する点については説明を省略する。
図69に示すように、変形例5と同様に、メダルセレクタ801におけるカメラユニット209の制御LSI234は、副中継基板61を介して、副制御基板72に接続されている。したがって、副制御回路101とメダルセレクタ801間で、上述の各種コマンドが送受信可能となっている。
本変形例では、メダルレール210上を移動する物体が、メダルレール210の上露出孔219又は下露出孔220に達する前に、色判定及び刻印判定の判定結果に基づく判定完了コマンドを、副制御回路101に送信する。
そして、副制御回路101は、受信した判定完了コマンドにおける色判定又は刻印判定の判定結果が「判定NG」の場合、第2メダルソレノイド708bをOFF状態に設定する制御信号を、第2メダルソレノイド708bに出力する。この場合、判定対象の物体を、上露出孔219から突出するアフタメダルプレッシャ218、又は、下露出孔220から突出するメダルストッパ部727bに押し出させ、キャンセルシュータ206に向けて排出させることができる。
一方、副制御回路101は、受信した判定完了コマンドにおける色判定及び刻印判定の判定結果が「判定OK」の場合、第2メダルソレノイド708bの状態はON状態のまま維持される。この場合、判定対象の物体はメダル出口部204c側へ案内され、すなわちホッパー装置51に案内される。
また、変形例におけるメダルセレクタ801のホストコントローラ241は、SRAM243に記憶させた縮小画像データに対して行った円領域検出処理において円領域が検出できなくなったとき、その旨を示すコマンドを出力する。副制御回路101(のサブCPU102)は、このコマンドを受信すると、第2メダルソレノイド708bをON状態に設定する制御信号を第2メダルソレノイド708bに出力する。
本変形例では、パチスロ1が上述したメダル投入許可状態でないとき、主制御回路91は、第1メダルソレノイド708aをOFF状態に設定し、メダルをキャンセルシュータ206に向けて排出させる。また、第1メダルソレノイド708aがON状態であっても、副制御回路101が、メダルセレクタ701から色判定又は刻印判定の判定結果が「判定NG」である判定完了コマンドを受信した場合、第2メダルソレノイド708bをOFF状態に設定し、メダルをキャンセルシュータ206に向けて排出させる。したがって、投入されたメダルを適切にカウントできる。また、投入されたメダルを、キャンセルシュータ206、又は、ホッパー装置51に、適切に導くことができる。
<その他の変形例>
また、上記実施形態では、最大で4つの色テンプレート及び本テンプレートを生成する態様を説明したが、これらテンプレートの数は、許容される判定所要時間や求める判定の精度に応じ適宜設定可能である。
また、上記実施形態では、SRAM243に記憶された、色テンプレート、本テンプレートが、遊技機の電源投入時に初期化スイッチを押下すると消去される。しかし、これに代えて、SRAM243に記憶されている各種テンプレートを消去するために任意の操作を設定してもよい。例えば、遊技機の設定の変更に連動して、SRAM243の各種テンプレートを消去してもよい。
また、メダルが投入不可の場合の順序判定処理において、SRAM243に記憶されている4個のグレースケール画像データの各判定領域におけるデータの遷移の態様と、メダルカウント判定表で規定されているE1〜E4に対応するデータの遷移の態様と、が一致しない場合は、「異常が発生した」と判定し、判定結果をSRAM243に記憶してもよい。
また、上記実施形態では、ホストコントローラ241が、縮小画像がSRAM243に記憶されると、画像認識DSP回路242に前処理の実行を指示する態様を説明した。しかし、これに代えて、ホストコントローラ241は、メダルカウント回路246がメダルレール210上を「メダルが通過した」と判定したことを契機に、該判定時から所定時間前の(すなわち、所定フレーム前の)縮小画像データを用いて、前処理を行うよう、画像認識DSP回路に指示してもよい。なお、この所定時間は、所定時間前の縮小画像に、必ずメダルの画像が含まれるように、実験やシミュレーションに基づいて予め設定される。この場合、メダル通過後に、通過したメダルについて、事後的に正規メダルか否かを判定することになる。
また、色判定処理における閾値判定処理を省略してもよい。また、カラー認識回路247は、ISP回路245から出力された色相と彩度に係るデータに基づいて以下のような色判定処理を行ってもよい。この色判定処理において、カラー認識回路247は、まず、画像データの中心付近の色相と彩度に係るデータの積算値をベクトルで表現し(ベクトル変換し)、3次元空間上でベクトルの角度を計算する。次に、カラー認識回路247は、計算したベクトルの角度と、所定の色閾値とを比較して、正規メダルの色と一致するか否かを判定する。所定の閾値は、正規メダルに係る画像データについて上述した処理と同様の方法で計算したベクトルの角度に基づいて予め定められている閾値(例えば、比較対象となる正規メダルに係る3次元空間上のベクトルの個々の座標(XYZ)上の角度の±10度以内)である。
また、上記実施形態では、色テンプレートが生成されるタイミング(電源投入後メダルが50枚投入されたとき)と本テンプレートが生成されるタイミング(学習メダルカウンタの値が127又は259)が異なっている。このため、本テンプレートが生成されるまで、色判定処理を行わないようにしてもよい。または、本テンプレートの生成中に、色判定処理を行い、色判定処理の判定結果が「閾値判定不可」又は「否」に係るメダルに係るデータについて、本テンプレートの生成に用いないようにしてもよい。
また、本発明を、遊技媒体を用いる他の遊技機、例えばパチンコに採用してもよい。
また、メダルレール210上を移動する物体を検知する近接センサの一例としてダブルフォトセンサ502を用いる態様を説明したが、これに限らず、物体の接近や近傍の検出対象の有無を非接触で検出できる他の近接センサ(誘導形、静電容量形、超音波形、光電形、磁気形近接スイッチ)を用いてもよい。
[本発明の一実施形態の応用例1]
次に、本発明の一実施形態の応用例1に係る遊技用装置1500について説明する。
遊技用装置1500は、ホールに設置されるメダル計数機であり、例えば、複数のパチスロ1が配列された島の端部に設けられている。また、遊技用装置1500は、上述のメダルセレクタ201,301,401,501,601,701,801のいずれかを備える。以下の説明では、メダルセレクタ201を備える遊技用装置1500について説明する。
図70は、本発明の実施形態の応用例1に係る遊技用装置1500を上面から見た平面図である。図70に示すように、遊技用装置1500は、投入されたメダル(遊技媒体)を貯留する、すり鉢状の凹部が形成されたホッパ1543(遊技媒体貯留手段)を備えている。ホッパ1543の下部には、投入したメダルの一つ一つをメダル受穴1524に落とし込み、当該メダル受穴1524を偏芯回転させる受穴付回転盤1526を備えている。受穴付回転盤1526は、計数開始スイッチ1541を押下することによってその回転を開始する。受穴付回転盤1526のメダル受穴1524に入ったメダルは、受穴付回転盤1526の回転に伴って1ホッパ543の下部から排出され、ホッパ1543の下方に設けられたメダルセレクタ201に流入する。そして、メダルセレクタ201のダブルフォトセンサ502の検出結果に基づき計数機1549(遊技媒体計数手段)のメダル検出部(図示省略)及び計数機制御手段(図示省略)により検出、計数されて、貯留される。なお、計数機制御手段は、処理装置及び各種メモリで構成され、計数機が行う各種処理(遊技媒体の計数処理を含む)を制御する。
遊技用装置1500の上面には、投入したメダルを計数した枚数を表示する投入枚数表示部1540aと、投入したメダルのうちレシート(記録媒体の一形態。)に印刷する枚数を設定する際に押下するレシート印刷枚数設定スイッチ1534rと、前記設定したレシート印刷枚数を表示するレシート印刷枚数表示部1540bと、投入したメダルのうち貯メダルカード(記録媒体の一形態。)に記録する貯メダル数を設定する際に押下するカード記録枚数設定スイッチ1534cと、前記設定したカード記録枚数を表示するカード記録枚数表示部1540cと、を備えている。
また、遊技用装置1500の上面には、投入したメダルのうちレシートに印刷する枚数や、貯メダルカードに記録する貯メダル数を設定する0〜9までの数字スイッチ(入力手段1534の一形態。)と、入力した枚数を修正する際に押下して直前に入力した数値を消去するBSスイッチとが配されている。また遊技用装置1500の上面には、前記各メダルの枚数を設定した後に、レシートに印刷する処理、貯メダルカードに記録する処理の実行を指示するエントリースイッチ1534eが配置されている。
また、遊技用装置1500は、磁気記録式又はICタグを内蔵した貯メダルカードに対して貯メダル数を読み書きしたり、遊技者を識別する固有の識別情報(カードID)を読み取るカードリーダライタ1537(記録媒体制御手段の一形態。)と、レシートの用紙にメダル枚数やバーコード、又はQRコード(登録商標)を印刷して出力するレシート印刷手段1539(記録媒体制御手段の一形態。)と、正規のメダルでないメダルとして検出されたメダルを貯留するメダル受皿1517と、を備えている。
このようなメダルセレクタを備える遊技用装置1500によれば、上記実施形態又は上記変形例と同様の作用効果を奏する。すなわち、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を検知することができる。
例えば、上述のように、メダルセレクタ201を採用し、遊技用装置1500に、上述の各種画面(図48,図49,図52,図54,図61参照)を表示可能な液晶表示装置を設けたり、又は、遊技用装置1500を液晶表示装置に接続したり、することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる行為などの不正行為を検知することができる。この場合、各種画面を表示させるために副制御回路101が行う各種動作は、計数機制御手段が行ってもよいし、別途、副制御回路101と同様の制御手段を設け、当該制御手段で行ってもよい。
また、制御LSI234が、メダルソレノイドをON状態又はOFF状態に設定することができるメダルセレクタ(例えば、変形例2,4,5のメダルセレクタ401,601,701)を採用する場合は、ダブルフォトセンサ502は、正規のメダルのみ検出可能となるので、計数機1549(遊技媒体計数手段)のメダル検出部及び計数機制御手段では、正規のメダルのみ検出、計数されて、貯留される。なお、ダブルフォトセンサ502の検出結果に代えて、メダルセレクタからの判定完了コマンド(図41参照)に基づいて、計数機制御手段が正規のメダルのみ計数するようにしてもよい。
[本発明の一実施形態の応用例2]
次に、本発明の一実施形態の応用例に係る遊技用装置1600について説明する。
遊技用装置1600は、ホールにおいて、各パチスロ1に併設され、隣接するパチスロ1に対応して設置されており、対応する当該パチスロ1との間で通信可能に接続されるメダル計数機である。また、遊技用装置1600は、上述のメダルセレクタ201,301,401,501,601,701,801のいずれかを備える。以下の説明では、メダルセレクタ201を備える遊技用装置1600について説明する。
図71は、本発明の実施形態の応用例2に係る遊技用装置1600の内部構成を示す斜視図である。図71に示すように、遊技用装置1600の前面部1621には、LED(light emitting diode)部1631、カード挿入口1632、紙幣を投入可能な紙幣挿入口1633、タッチパネルLCD(liquid crystal display)により構成された操作ユニット1634、カメラ1635、非接触ICカードリーダライタ1636、メダル(遊技媒体)払出トレー1637、スピーカカバー1638、メダル(遊技媒体)計数用投入口1639等が設けられている。カード挿入口1632は、例えばホールのカード発行機(図示せず)によって発行された情報カードを受け付け可能な挿入口である。LED部1631は、フルカラーLED1631A、赤外LED(赤外線発光ダイオード)1631Bから構成されている。
遊技者は、情報カード又は所定金額の紙幣を、カード挿入口1632又は紙幣挿入口1633に投入することで、遊技に必要な遊技媒体としてのメダルの貸し出しを受けることができる。また、遊技者は、非接触ICカードを、非接触ICカードリーダライタ1636にかざすことで、遊技に必要なメダルの貸し出しを受けることができる。
遊技用装置1600は、情報カード、紙幣及びICカードといった価値媒体の投入を受けると、投入された価値媒体の金額に応じた数のメダルを、内部に設けられた払出用ホッパ(第1の計数部)1651によって計数してメダル払出トレー1637から払い出す。遊技者は、メダル払出トレー1637から払い出されたメダルをパチスロ1のメダル投入口21(図2参照)へ投入することにより、パチスロ1において遊技を行うことができる。
また、パチスロ1においては、遊技の結果に応じて、メダルトレイユニット34にメダルを払い出すようになされている。遊技者は、このメダルをメダルトレイユニット34から掬い取って、遊技用装置1600のメダル計数用投入口1639へ投入することにより、このメダルを遊技用装置1600によって計数させることができる。遊技用装置1600は、メダル計数用投入口1639から投入されたメダルを、内部に設けられた計数用ホッパ(第2の計数部)によって計数する。
計数された結果は、カード挿入口1632から挿入されたカードに記録され、又は、ホールコンピュータに設けられた記憶部に記憶される。
計数用ホッパにおいて計数されたメダルは、遊技用装置1600の底面部に設けられた排出口から搬送コンベアに排出され、回収される。なお、搬送コンベアが設けられていない場所では、遊技用装置1600の下部にメダルを貯留するための貯留ボックスを設置し、この貯留ボックスへメダルを排出するようにしてもよい。
遊技用装置1600は、筐体1622の内部に、情報カード、紙幣、非接触ICカード等の価値媒体を識別する識別手段(情報カードリーダ、紙幣識別装置1661、ICカードリーダライタ等)と、電源ユニット1665とを収納する第1の収納空間AR11を有している。また、第1の収納空間AR11の下方には、払出用ホッパ1651と計数用ホッパ1671とを上下に併設して収納する第2の収納空間AR13を有している。第1の収納空間AR11には、上部に識別手段(情報カードリーダ、紙幣識別装置1661、ICカードリーダライタ等)が収納され、下部に電源ユニット1665が収納されている。すなわち、第1の収納空間AR11の下部は、電源ユニット1665を収納する電源ユニット収納空間AR12を形成している。
第1の収納空間AR11の下方の第2の収納空間AR13に収納された払出用ホッパ1651は、その上部において筐体1622の背面部に設けられた補給用開口部1652を介して、ホールからの補給路によりメダルが補給されるようになっている。この補給用開口部1652と払出用ホッパ1651との間には、補給通路1653が設けられており、補給用開口部1652から補給されたメダルは、補給通路1653を介して払出用ホッパ1651に落下する。
一方、筐体1622の前面部1621に設けられたメダル計数用投入口1639と計数用ホッパ1671との間には、導入通路1672が設けられたおり、メダル計数用投入口1639から投入されたメダルは、この導入通路1672を介して計数用ホッパ1671に落下する(矢印a)。計数用ホッパ1671には、メダルセレクタ201と、メダルを計数する計数手段と、が設けられている。メダル計数用投入口1639から投入されたメダルは、メダルセレクタ201に流入し、計数手段により計数され、筐体1622の底面部に設けられた排出口1673から搬送コンベアに排出され(矢印b)、回収される。
遊技用装置1600の前面部1621には、前面パネル1623が設けられており、この前面パネル1623には、スピーカカバー1638が設けられている。このスピーカカバー1638は、前面パネル1623(スピーカカバー1638)の裏面側に設けられたスピーカからの音を前方に透過させる複数の透過口を有している。
図72は、本発明の実施形態の応用例2に係る計数用ホッパ1671の断面図である。図72に示すように、計数用ホッパ1671のメダル通路1676の前面部にはメダルを受けるための開口部1675が設けられており、この開口部1675には、外部からメダルを投入するためのメダル計数用投入口1639(図71参照)が取り付けられる。これにより、メダル計数用投入口1639へ投入されたメダルは、開口部1675及びメダル通路1676を介して計数用ホッパ1671へ導かれる。計数用ホッパ1671へ導かれたメダルは、メダルセレクタ201に流入する。そして、メダルセレクタ201のダブルフォトセンサ502の検出結果に基づき計数手段により計数され、計数用ホッパ1671の底面部に設けられた排出口1674から筐体1622の排出口1673(図71参照)を介して搬送コンベアに排出される。計数用ホッパ1671の排出口1674には、排出されるメダルをガイドするガイド部1674A、1674Bが設けられており、このガイド部1674A、1674Bによって、メダルの排出方向を斜め方向にすることができる。これにより、計数用ホッパ1671の排出口から排出されるメダル(すなわち筐体1622の排出口1673(図71)から排出されるメダル)の排出方向を、遊技用装置1600の下方近傍に配された搬送コンベアの方向にすることができる。
因みに、計数用ホッパ1671の開口部1675及びメダル計数用投入口1639(図71参照)の大きさは、遊技者の手が入り難い大きさとされている。メダル計数用投入口1639には、前面パネル1623(図71参照)に併設して、板状のメダルガイド部材1629(図71参照)が固定されている。これにより、遊技者の手がメダル計数用投入口1639から入り難くすることができる。
また、開口部1675にはフォトセンサ(図示せず)が設けられており、遊技者の手が入った場合にこれを検出するようになっている。これにより、遊技者の手が誤って挿入された場合、又は、不正により手が挿入された場合等に、フォトセンサによって検出し、計数用ホッパ1671の動作を停止させることができる。なお、このフォトセンサの取り付け位置は、メダル計数用投入口1639(図71参照)及び開口部1675を介して投入されるメダルを誤検出しない位置に設けられている。例えば、開口部1675の上部の状態のみを検出するように設けることにより、開口部1675の下方を滑り込むメダルは検出せずに、開口部1675の上部まで入り込む遊技者の手だけを検出することができる。因みに、計数用ホッパ1671には、メダルの投入を検出するためのセンサ(図示せず)も設けられている。
このようなメダルセレクタを備える遊技用装置1600によれば、上記実施形態又は変形例と同様の作用効果を奏する。すなわち、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を検知することができる。
例えば、上述のように、メダルセレクタ201を採用し、遊技用装置1600に、上述の各種画面(図48,図49,図52,図54,図61参照)を表示可能な液晶表示装置を設けたり、又は、遊技用装置1600を液晶表示装置に接続したり、することで、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる行為などの不正行為を検知することができる。この場合、各種画面を表示させるために副制御回路101が行う各種動作は、計数手段が行ってもよいし、別途、副制御回路101と同様の制御手段を設けることで行ってもよい。
また、制御LSI234が、メダルソレノイドをON状態又はOFF状態に設定することができるメダルセレクタ(例えば、変形例2,4,5のメダルセレクタ401,601,701)を採用する場合は、ダブルフォトセンサ502は、正規のメダルのみ検出可能となるので、遊技用装置1600の計数手段では、正規のメダルのみ計数される。なお、ダブルフォトセンサ502の検出結果に代えて、メダルセレクタからの判定完了コマンド(図41参照)に基づいて、計数手段が正規のメダルのみ計数するようにしてもよい。
[本発明の一実施形態の応用例3]
次に、本発明の一実施形態の応用例3に係る遊技用装置1700について説明する。
遊技用装置1700は、、上述のメダルセレクタ201,301,401,501,601,701,801のいずれかを備える。以下の説明では、変形例2のメダルセレクタ201を備える遊技用装置1700について説明する。また、遊技用装置1700は、スタンドアローンで遊技媒体の選別のみを行うものであってもよいし、遊技媒体の数を計数するための装置(所謂、ジェットカウンタ、各台計数機)に接続、内蔵されるものであってもよいし、遊技機に内蔵されるものであってもよい。なお、本応用例3のメダルセレクタ201は、メダルセレクタ401と同様に、制御LSI234が、メダルソレノイドをON状態又はOFF状態に設定することができるものとする。
図73は、本発明の一実施形態の応用例3に係る遊技用装置1700の内部構造例を示す斜視図である。
図73に示すように、遊技用装置1700は、筐体M2と、筐体M2の上側に設けられ、選別対象となるメダルが収容される収容部M21と、筐体M2の内部に配置され、投入されたメダルを1つずつ送り出す送り出し部としてのホッパ装置M20と、メダルを選別するメダルセレクタ201と、ホッパ装置M20から送り出されたメダルを受け入れてメダルセレクタに案内する第1の案内部としてのガイド部材M40と、を有している。上述のように、本応用例3では、2つのメダルセレクタ201が設けられている。即ち、ホッパ装置M20から2つのガイド部材M40・M40を介して、夫々2つのメダルセレクタ201にメダルを供給するように構成されている。また、遊技用装置700は、筐体M2内部の下側後方に電源ユニットM10を有している。図示しないが、電源ユニットM10は、ホッパ装置M20やメダルセレクタ201に電源を供給するように電気的に接続されている。
また、2つのメダルセレクタ201の下方には、2つのメダルセレクタ201により、正規のメダルであると検知されたメダルを排出口に導く第1排出通路M50が配置されている。また、2つのメダルセレクタ201の下方には、2つのメダルセレクタ201により、正規でないと判定されたメダルを通過させて下皿に案内する通路である第2排出通路M8・M8が夫々に配置されている。また、筐体M2内の底面には、第2排出通路M8・M8に対応する位置に、第2排出口M11・M11が形成されている。
このようなメダルセレクタを備える遊技用装置1700によれば、上記実施形態又は上記変形例と同様の作用効果を奏する。すなわち、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為を検知することができる。
以上、本実施形態の変形例及び応用例1〜3について説明したが、本実施形態の各構成と変形例の各構成と応用例1〜3各構成とは、矛盾が無い限り、任意に組み合わせることができる。
以上、本発明に係る遊技機の実施形態、各種変形例及び応用例について説明したが、本発明はこれに限定されず、上記実施形態及び各種変形例の構成を適宜組み合わせてもよい。
<まとめ>
[差枚数報知機能]
遊技媒体検出手段が備える近接センサの検知結果に基づいて、遊技媒体のカウント処理を行う第1制御部と、遊技媒体検出手段が備える通過判定手段が通路を通過する物体を撮像した画像データに基づいて通路を物体が通過したと判定したとき、遊技媒体をカウントするカウント処理を行う第2制御部と、を備える遊技機において、第1制御部が行うカウント処理の信頼性の向上が望まれている。また、第2制御部が行う各種処理の信頼性の向上が望まれている。
本発明は、上記第1の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の目的は、第1制御部及び第2制御部が行うカウント処理の信頼性の向上させることにある。
上記第1の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第1の遊技機を提供する。
遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ501)と、
遊技に関する制御を実行する第1制御部(例えば、主制御回路91)と、
遊技の演出に関する制御を実行する第2制御部(例えば、副制御回路101)と、
遊技媒体を貯留する貯留手段(例えば、ホッパー装置51)と、を備える遊技機であって、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、 前記通路を移動する物体を検知する近接センサ(例えば、ダブルフォトセンサ502)と、
前記通路を撮像する撮像手段(例えば、カメラユニット209)と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて前記通路を物体が通過したか否かを判定する通過判定手段(例えば、制御LSI234)と、
前記通過判定手段が前記通路を物体が通過したと判定したとき、その旨を前記第2制御部へ通知する通過判定通知手段(例えば、制御LSI234)と、
前記画像データに基づいて、前記通路を通過した物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234のカラー認識回路247及び画像認識DSP回路242)と、
前記通路を通過する物体を前記貯留手段に導くガイド位置と、前記物体を遊技機外に排出する排出位置との間を移動可能に設けられたガイド手段(例えば、セレクトプレート207)と、
前記ガイド手段を駆動させる駆動手段(例えば、メダルソレノイド208)と、を有し、
前記第1制御部は、
前記近接センサの検知結果に基づいて前記通路を移動する物体のカウントを行い、
遊技媒体の投入を許可する状態のときは、前記駆動手段を制御して、前記ガイド手段を前記ガイド位置に移動させ、
遊技媒体の投入を許可する状態でないときは、前記駆動手段を制御して、前記ガイド手段を前記排出位置に移動させ、
前記第2制御部は、前記通過判定通知手段からの通知に基づいて前記通路を通過した物体のカウントを行い、
前記第1制御部がカウントした値と前記第2制御部がカウントした値との差が所定の値以上のとき、エラーを報知する
ことを特徴とする遊技機。
前記近接センサは、前記通路を通過する物体を検知すると検知結果を出力する第1のセンサ(例えば、第1フォトセンサ503)と第2のセンサ(例えば、第2フォトセンサ504)を有し、
前記第1制御部は、前記第1のセンサの検知結果の出力と前記第2のセンサの検知結果の出力の順序が所定の順序の場合に、前記通路を移動する物体のカウントを行ってもよい。
前記第1制御部がカウントした値を記憶する第1カウント記憶手段(例えば、メインRAM95)と、
前記第2制御部がカウントした値を記憶する第2カウント記憶手段(例えば、サブRAM103)と、を備え、
前記第1カウント記憶手段及び前記第2カウント記憶手段は、それぞれ2バイトの記憶領域により構成されていてもよい。
上記構成の本発明の第1の遊技機では、第1制御部がカウントした値と第2制御部がカウントした値との差が所定の値以上のとき、エラーを報知する。
ここで、第1制御部がカウントした値と第2制御部がカウントした値との差が所定の値以上となる場合としては、近接センサや通過判定手段に障害が発生したこと等が考えられる。
このため、エラーの報知があると、遊技機の管理者(例えば、遊技ホールの従業員)は、近接センサや通過判定手段の挙動をチェックすることで、これらに生じた障害を認識することができ、障害を除去できる。このため、障害がない状態で各種処理を行うことができるので、第1制御部が行うカウント処理の信頼性の向上させることができる。また、第2制御部が行う各種処理の信頼性の向上させることができる。
[セレクタ監視機能]
遊技媒体をガイドするガイド手段を駆動させる駆動手段の故障や、遊技媒体が通過する通路上に異物が存在するなどの不備を早期に把握し対応することが望まれている。
本発明は、上記第2の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第2の目的は、遊技媒体をガイドするガイド手段を駆動させる駆動手段の故障や、遊技媒体が通過する通路上の異物の存在を報知可能な遊技機を提供することにある。
上記第2の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第2の遊技機を提供する。
遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ501)と、
遊技に関する制御を実行する第1制御部(例えば、主制御回路91)と、
遊技の演出に関する制御を実行する第2制御部(例えば、副制御回路101)と、
遊技媒体を貯留する貯留手段(例えば、ホッパー装置51)と、を備える遊技機であって、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、 前記通路を移動する物体を検知する近接センサ(例えば、ダブルフォトセンサ502)と、
前記通路を撮像する撮像手段(例えば、カメラユニット209)と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234のカラー認識回路247及び画像認識DSP回路242)と、
前記通路を通過する物体を前記貯留手段に導くガイド位置と、前記物体を遊技機外に排出する排出位置との間を移動可能に設けられたガイド手段(例えば、セレクトプレート207)と、
前記ガイド手段を駆動させる駆動手段(例えば、メダルソレノイド208)と、を有し、
前記第1制御部は、
前記近接センサの検知結果に基づいて遊技媒体のカウントを行い、
遊技媒体の投入を許可する状態のときは、前記駆動手段を制御して、前記ガイド手段を前記ガイド位置に移動させ、
遊技媒体の投入を許可する状態でないときは、前記駆動手段を制御して、前記ガイド手段を前記排出位置に移動させ、
前記駆動手段を、前記ガイド手段が前記ガイド位置に移動するように制御しているのか、前記排出位置に移動するように制御しているのかを示す制御内容情報を出力し、
前記遊技媒体検出手段は、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記制御内容情報が前記ガイド手段が前記ガイド位置に移動するように制御している旨を示すときに、前記ガイド手段が前記ガイド位置にあるか否かを判定し、且つ、前記制御内容情報が前記ガイド手段が前記排出位置に移動するように制御している旨を示すときに、前記ガイド手段が前記排出位置にあるか否かを判定する位置判定手段と、
前記位置判定手段が前記ガイド手段が前記ガイド位置にないと判定するとき、又は、前記位置判定手段が前記ガイド手段が前記排出位置にないと判定するとき、前記第2制御部にエラーを通知するエラー通知手段と、を更に有し、
前記第2制御部は、前記エラー通知手段から通知されたエラーを報知する
ことを特徴とする遊技機。
また、前記撮像手段を介して得られる画像データにおいて、前記通路の幅は、前記ガイド手段が前記ガイド位置にあるとき、前記ガイド手段が前記排出位置にあるときに比べて狭くなり、
前記位置判定手段は、前記撮像手段を介して得られる画像データにおける前記通路の幅(例えば、レール幅W1,W2)に基づいて、前記ガイド手段が前記ガイド位置にあるか否か、又は、前記ガイド手段が前記排出位置にあるか否か、を判定してもよい。
また、前記位置判定手段は、前記撮像手段を介して得られるカラー画像データをグレースケールデータに変換した画像データに基づいて、前記ガイド手段が前記ガイド位置にあるか否か、又は、前記ガイド手段が前記排出位置にあるか否か、を判定してもよい。
上記構成の本発明の第2の遊技機では、第1制御部が駆動手段を、ガイド手段がガイド位置に移動するように制御しているにも関わらず、ガイド手段がガイド位置にないときにエラーが報知される。また、第1制御部が駆動手段を、ガイド手段が排出位置に移動するように制御しているにも関わらず、ガイド手段が排出位置にないときにエラーが報知される。すなわち、第1制御部からの指示に応じてガイド手段が移動していない場合に、エラーを報知することができる。
第1制御部からの指示に応じてガイド手段が移動していない場合としては、例えば駆動手段が故障している場合が考えられる。また、例えば遊技媒体が通過する通路上に異物が存在し、ガイド手段がガイド位置に移動することを妨げている場合が考えられる。本変形例では、遊技機の管理者(例えば、遊技ホールの従業員)は、エラーの報知によって、駆動手段の故障や遊技媒体が通過する通路上の異物の存在を把握できるので、これらの不備に早期に対応することができる。
[テンプレート生成処理]
遊技媒体検出手段が、通路を通過する物体を撮像した画像データと、テンプレートデータとが一致するか又は所定程度類似するか否かに基づいて、通路を通過した物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する場合で、テンプレートデータを生成するテンプレート生成手段を備えている場合、大多数の正規メダルの中に混入していた不正メダルに基づいてテンプレートデータが生成されてしまうことを抑制することが望まれている。
本発明は、上記第3の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第3の目的は、大多数の正規メダルの中に混入していた不正メダルに基づいてテンプレートが生成されてしまうことを抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
上記第3の課題を解決するために、本発明では、以下のような構成の第3の遊技機を提供する。
遊技媒体を投入する投入口(例えば、メダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、メダルセレクタ201)と、を備える遊技機であって、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、メダルレール210)と、 前記通路を撮像する撮像手段(例えば、カメラユニット209)と、
前記撮像手段が撮像した画像データに基づいて、前記通路を通過した物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する判定処理を行う遊技媒体判定手段(例えば、制御LSI234のカラー認識回路247及び画像認識DSP回路242)と、
判定処理に用いられるテンプレートデータを生成するテンプレート生成手段(例えば、制御LSI234のカラー認識回路247及び、画像認識アクセラレータ回路249)と、を有し、
前記遊技媒体判定手段は、前記画像データと、前記テンプレートデータとが一致するか又は所定程度類似するか否かに基づいて、前記通路を通過した物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定し、
前記テンプレート生成手段は、複数の前記画像データを、同一又は所定程度類似する前記画像データのグループにグループ化し、同一の前記グループに属する前記画像データの数が多い順の上位所定順位内の前記グループの内で、属する前記画像データの数が所定数以上の前記グループそれぞれについて、各前記グループに属する前記画像データに基づいて前記テンプレートデータを生成する
ことを特徴とする遊技機。
また、前記投入口から投入された遊技媒体の数が特定の数(例えば、259)を超える前に、前記テンプレート生成手段によって前記画像データの数が前記所定数以上の前記グループを生成できない場合には、テンプレート異常を通知するテンプレート異常通知手段(例えば、制御LSI234)を備えてもよい。
また、前記テンプレート生成手段は、
前記投入口から投入された前記遊技媒体が第1の規定数(例えば、127)のときに、前記画像データの数が前記所定数以上の前記グループの数が第1のグループ数(例えば、1又は2)の場合、又は、前記投入口から投入された前記遊技媒体が第2の規定数(例えば、259)のときに、前記画像データの数が前記所定数以上の前記グループの数が第2のグループ数(例えば、1〜4)の場合、前記テンプレートデータを生成してもよい。
上記構成の本発明の第3の遊技機では、属するデータの数が所定数に満たないグループに基づいてテンプレートデータを生成することがない。このため、大多数の正規メダルの中に混入していた不正メダルに基づいてテンプレートデータが生成されてしまうことを抑制することができる。
[FFT刻印判定]
従来、メダル通路に2個のメダル検知用の近接センサを設け、各近接センサの出力に基づいてメダル通路を遊技用のメダルが通過したかどうかを判断することで、板状体のような器具が用いられた不正行為を検知するスロットマシンが知られている(例えば、特開2002−342814号公報参照)。また、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが知られている(例えば、特開2006−271462号公報参照)。
本発明の第4の目的は、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為の検知の精度を高めることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の第4の遊技機又は遊技用装置を提供する。
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を撮像する撮像手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記画像データを、直交座標画像データであり、且つ、グレースケール画像である第1画像データに変換する第1画像変換手段(例えば、後述の色変換処理を行うISP回路245)と、
前記第1画像データを極座標画像データである第2画像データに変換する第2画像変換手段(例えば、後述の極座標変換処理を行う画像認識アクセラレータ回路249)と、
前記第2画像データを所定の角度単位でフーリエ変換し第3画像データに変換する第3画像変換手段(例えば、後述のFFT変換処理を行う画像認識アクセラレータ回路249)と、
予め生成されたテンプレートデータと前記第3画像データとを比較し、比較結果を導出する比較結果導出手段(例えば、後述のFFTテンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、を有し、
前記比較結果に基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する
ことを特徴とする遊技機。
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記画像データを、直交座標画像データであり、且つ、グレースケール画像である第1画像データに変換する第1画像変換手段と、
前記第1画像データを極座標画像データである第2画像データに変換する第2画像変換手段と、
前記第2画像データを所定の角度単位でフーリエ変換し第3画像データに変換する第3画像変換手段と、
予め生成されたテンプレートデータと前記第3画像データとを比較し、比較結果を導出する比較結果導出手段と、を有し、
前記比較結果に基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する
ことを特徴とする遊技用装置。
上記構成の本発明の第4の遊技機又は遊技用装置では、画像全体の比較だけでなく、角度単位での個別の比較が容易にできるので、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為の検知の精度が高まる。
[3次元判定]
また、上記第4の目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の第5の遊技機又は遊技用装置を提供する。
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を撮像する撮像手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記画像データを、それぞれ異なる第1画像データ(例えば、後述の勾配平均画像データ)、第2画像データ(例えば、後述のHOGデータ)及び第3画像データ(例えば、後述のFFTデータ)に変換する画像変換手段(例えば、後述の画像認識アクセラレータ回路249)と、
予め生成された第1テンプレートデータと前記第1画像データとを比較し、第1比較結果を導出する第1比較結果導出手段(例えば、後述の勾配平均画像テンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、
予め生成された第2テンプレートデータと前記第2画像データとを比較し、第2比較結果を導出する第2比較結果導出手段(例えば、後述のHOGテンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、
予め生成された第3テンプレートデータと前記第3画像データとを比較し、第3比較結果を導出する第3比較結果導出手段(例えば、後述のFFTテンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、を有し、
前記第1比較結果、前記第2比較結果及び前記第3比較結果と、予め設定した判定閾値と、に基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する
ことを特徴とする遊技機。
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記画像データを、それぞれ異なる第1画像データ、第2画像データ及び第3画像データに変換する画像変換手段と、
予め生成された第1テンプレートデータと前記第1画像データとを比較し、第1比較結果を導出する第1比較結果導出手段と、
予め生成された第2テンプレートデータと前記第2画像データとを比較し、第2比較結果を導出する第2比較結果導出手段と、
予め生成された第3テンプレートデータと前記第3画像データとを比較し、第3比較結果を導出する第3比較結果導出手段と、を有し、
前記第1比較結果、前記第2比較結果及び前記第3比較結果と、予め設定した判定閾値と、に基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する
ことを特徴とする遊技用装置。
また、前記第1画像データは、前記画像データを回転させて累積した勾配平均画像データであり、前記第2画像データは、前記画像データをHOG(Histograms of Oriented Gradients)変換したHOGデータであり、前記第3画像データは、前記画像データをフーリエ変換したフーリエ変換データあってもよい。
上記構成の本発明の第6の遊技機又は遊技用装置によれば、1つの判定対象に対し、異なる3種類のテンプレート比較処理の結果に基づいて刻印の判定を行うことができる。このため、判定の精度が向上し、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為の検知の精度が高まる。
[係数更新処理]
また、上記第4の目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の第6の遊技機又は遊技用装置を提供する。
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を撮像する撮像手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記画像データを、それぞれ異なる第1画像データ(例えば、後述の勾配平均画像データ)、第2画像データ(例えば、後述のHOGデータ)及び第3画像データ(例えば、後述のFFTデータ)に変換する画像変換手段(例えば、後述の画像認識アクセラレータ回路249)と、
予め生成された第1テンプレートデータと前記第1画像データとを比較し、第1比較結果を導出する第1比較結果導出手段(例えば、後述の勾配平均画像テンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、
予め生成された第2テンプレートデータと前記第2画像データとを比較し、第2比較結果を導出する第2比較結果導出手段(例えば、後述のHOGテンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、
予め生成された第3テンプレートデータと前記第3画像データとを比較し、第3比較結果を導出する第3比較結果導出手段(例えば、後述のFFTテンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、を有し、
前記第1比較結果、前記第2比較結果及び前記第3比較結果と、予め設定した判定閾値(例えば、後述の係数D)と、に基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定し、
前記第1比較結果、前記第2比較結果及び前記第3比較結果のそれぞれの平均及び偏差に基づいて、前記判定閾値を更新する
ことを特徴とする遊技機。
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記画像データを、それぞれ異なる第1画像データ、第2画像データ及び第3画像データに変換する画像変換手段と、
予め生成された第1テンプレートデータと前記第1画像データとを比較し、第1比較結果を導出する第1比較結果導出手段と、
予め生成された第2テンプレートデータと前記第2画像データとを比較し、第2比較結果を導出する第2比較結果導出手段と、
予め生成された第3テンプレートデータと前記第3画像データとを比較し、第3比較結果を導出する第3比較結果導出手段と、を有し、
前記第1比較結果、前記第2比較結果及び前記第3比較結果と、予め設定した判定閾値と、に基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定し、
前記第1比較結果、前記第2比較結果及び前記第3比較結果のそれぞれの平均及び偏差に基づいて、前記判定閾値を更新する
ことを特徴とする遊技用装置。
また、前記遊技媒体判定手段は、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であると所定回数判定したときに、前記判定閾値を更新してもよい。
上記構成の本発明の第7の遊技機又は遊技用装置によれば、経年劣化などによって、刻印に変化が生じた場合でも、正規メダルの現状の状態に応じて、判定に用いる閾値を含む各種係数を更新することができる。このため、各種判定の結果の精度を保つことができる。したがって、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為の検知の精度を高めることができる。
[テンプレート更新処理]
上記第4の目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の第7の遊技機又は遊技用装置を提供する。
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を撮像する撮像手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記画像データを、それぞれ異なる第1画像データ(例えば、後述の勾配平均画像データ)、第2画像データ(例えば、後述のHOGデータ)及び第3画像データ(例えば、後述のFFTデータ)に変換する画像変換手段(例えば、後述の画像認識アクセラレータ回路249)と、
前記第1画像データ、前記第2画像データ及び前記第3画像データのそれぞれに対応する第1テンプレートデータ、第2テンプレートデータ及び第3テンプレートデータを生成するテンプレート生成手段と、
前記第1テンプレートデータと前記第1画像データとを比較し、第1比較結果を導出する第1比較結果導出手段(例えば、後述の勾配平均画像テンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、
前記第2テンプレートデータと前記第2画像データとを比較し、第2比較結果を導出する第2比較結果導出手段(例えば、後述のHOGテンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、
前記第3テンプレートデータと前記第3画像データとを比較し、第3比較結果を導出する第3比較結果導出手段(例えば、後述のFFTテンプレート比較処理を行う画像認識DSP回路242)と、を有し、
前記第1比較結果、前記第2比較結果及び前記第3比較結果と、予め設定した判定閾値(例えば、後述の係数D)と、に基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定し、
前記テンプレート生成手段は、正規の遊技媒体と判定された遊技媒体に係る前記第1画像データ、前記第2画像データ及び前記第3画像データと、前記第1テンプレートデータ、前記第2テンプレートデータ及び前記第3テンプレートデータと、を合成するテンプレート更新処理を行う
ことを特徴とする遊技機。
遊技媒体検出手段を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記画像データを、それぞれ異なる第1画像データ、第2画像データ及び第3画像データに変換する画像変換手段と、
前記第1画像データ、前記第2画像データ及び前記第3画像データのそれぞれに対応する第1テンプレートデータ、第2テンプレートデータ及び第3テンプレートデータを生成するテンプレート生成手段と、
前記第1テンプレートデータと前記第1画像データとを比較し、第1比較結果を導出する第1比較結果導出手段と、
前記第2テンプレートデータと前記第2画像データとを比較し、第2比較結果を導出する第2比較結果導出手段と、
前記第3テンプレートデータと前記第3画像データとを比較し、第3比較結果を導出する第3比較結果導出手段と、を有し、
前記第1比較結果、前記第2比較結果及び前記第3比較結果と、予め設定した判定閾値と、に基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定し、
前記テンプレート生成手段は、正規の遊技媒体と判定された遊技媒体に係る前記第1画像データ、前記第2画像データ及び前記第3画像データと、前記第1テンプレートデータ、前記第2テンプレートデータ及び前記第3テンプレートデータと、を合成するテンプレート更新処理を行う
ことを特徴とする遊技用装置。
また、前記テンプレート生成手段は、前記遊技媒体判定手段が、正規の遊技媒体と判定した遊技媒体が所定枚数に達する毎に、正規の遊技媒体と判定した遊技媒体に係る前記第1画像データ、前記第2画像データ及び前記第3画像データのそれぞれを加重平均化し、加重平均化したそれぞれと、前記第1テンプレートデータ、前記第2テンプレートデータ及び前記第3テンプレートデータと、を合成するテンプレート更新処理を行ってもよい。
上記構成の本発明の第7の遊技機又は遊技用装置によれば、テンプレートを逐次更新する。このため、例えば遊技機への投入や、払出し、また、遊技店での洗浄などで劣化し、刻印が当初よりも目立たなくなった場合でも、正規メダルの現状の状態に応じてテンプレートを更新できる。このため、各種判定の結果の精度を保つことができる。したがって、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為の検知の精度が高まる。
[カバー開放検出]
従来、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが知られている(例えば、特開2006−271462号公報参照)。
しかしながら、上記のスロットマシンでは、メダルセレクタのCCDカメラが撮像する箇所、投入されたメダルやCCDカメラ自体などに、不要な光が当たると、撮像画像に基づく、投入されたメダルが正規メダルか否かの判定の精度が、低下する虞がある。また、そのために、不要な光を検出するセンサ等を設けると、メダルセレクタの部品点数が増え製造コストが上がってしまう。
本発明の第5の目的は、製造コストを抑制するとともに、正規メダルか否かの判定の精度が低下することを防止できる遊技機又は遊技用装置を提供することにある。
上記第5の目的を達成するために、本発明は、以下のような構成の第8の遊技機又は遊技用装置を提供する。
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を撮像する撮像手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、
前記画像データに予め設定されている複数の通過判定領域について遊技媒体の有無を判定し、時系列的に連続する複数の前記画像データにおける前記複数の通過判定領域の遊技媒体の有無の変化態様が所定の態様と一致する場合に遊技媒体をカウントするカウント手段(例えば、後述のメダルカウント回路246)と、を有し、
前記遊技媒体検出手段の所定の位置には、前記遊技媒体判定手段の判定に不要な光を遮る遮光手段(例えば、後述のカバー部材240)が配置され、
前記カウント手段は、前記遮光手段が所定の位置に配置されているか否かを判断する遮光判断手段を有し、
前記遮光判断手段は、所定の前記通過判定領域の輝度の変化を所定時間以上検出した場合に、前記遮光手段が所定の位置に配置されていない異常を検知する(例えば、後述のカバー開放検出処理)
ことを特徴とする遊技機。
遊技媒体検出手段を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、
前記画像データに予め設定されている複数の通過判定領域について遊技媒体の有無を判定し、時系列的に連続する複数の前記画像データにおける前記複数の通過判定領域の遊技媒体の有無の変化態様が所定の態様と一致する場合に遊技媒体をカウントするカウント手段と、を有し、
前記遊技媒体検出手段の所定の位置には、前記遊技媒体判定手段の判定に不要な光を遮る遮光手段が配置され、
前記カウント手段は、前記遮光手段が所定の位置に配置されているか否かを判断する遮光判断手段を有し、
前記遮光判断手段は、所定の前記通過判定領域の輝度の変化を所定時間以上検出した場合に、前記遮光手段が所定の位置に配置されていない異常を検知する
ことを特徴とする遊技用装置。
上記構成の本発明の第8の遊技機又は遊技用装置によれば、製造コストを上げることなく、正規メダルか否かの判定の精度が低下することを防止できる。すなわち、判定に不要な光が当たるのを防止できるので、判定の結果の精度を保つことができる。したがって、正規の遊技媒体が用いられていると誤認させる不正行為の検知の精度が高まる。
また、撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、遮光手段が所定の位置に配置されているか否かを判断するので、当該判断のために他のセンサを取り付ける必要がない。このため、部品点数を減らすことができ、製造コストの増加を抑制できる。また、画像データに基づく判断のため、専用のセンサを設ける場合に比べて、当該判断の条件を容易に変更することができる。
ところで、特開2006−271462号公報には、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが記載されている。また、このスロットマシンは、不適正メダル(不正メダル)の貯留量が所定量に達した場合にエラーを報知する。
しかしながら、上記公報に記載されたスロットマシンよりも効率的に、投入された不正メダルが所定量を超えたことを、報知可能な遊技機が望まれている。
本発明の第6の目的は、効率的に、投入された不正メダルが所定量を超えたことを、報知可能な遊技機及び遊技用装置を提供することにある。
上記第6の目的を達成するために、以下のような構成の遊技機及び遊技用装置を提供する。
制御手段(例えば、後述の副制御回路101)と、
各種画像を表示するための表示手段(例えば、後述の液晶表示装置11)と、
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、
前記遊技媒体判定手段の判定結果を前記制御手段に出力する判定結果出力手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記判定結果出力手段から出力された前記判定結果を、予め定められた記憶可能数記憶する判定結果記憶領域(例えば、後述のキュー)を有する記憶部(例えば、後述のサブRAM103)と、
前記判定結果記憶領域に最新の判定結果を記憶する時に、前記判定結果記憶領域に前記記憶可能数の前記判定結果が記憶されていた場合には、前記判定結果記憶領域に記憶されている前記判定結果の内の最古の判定結果を前記判定結果記憶領域から出力し、且つ、前記最新の判定結果を記憶する判定結果記憶手段と、を有し、
前記判定結果記憶手段が前記最古の判定結果を出力したことを契機に、前記判定結果記憶領域に記憶されている前記記憶可能数の前記判定結果に含まれている正規の遊技媒体でないとの前記判定結果の数が所定数以上かを判定し、所定数以上と判定する場合に前記表示手段によって異常の発生を報知する(例えば、後述の判定完了コマンド受信時処理のステップS152〜S155)
ことを特徴とする遊技機。
制御手段と、
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段と、
を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、
前記遊技媒体判定手段の判定結果を前記制御手段に出力する判定結果出力手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記判定結果出力手段から出力された前記判定結果を、予め定められた記憶可能数記憶する判定結果記憶領域を有する記憶部と、
前記判定結果記憶領域に最新の判定結果を記憶する時に、前記判定結果記憶領域に前記記憶可能数の前記判定結果が記憶されていた場合には、前記判定結果記憶領域に記憶されている前記判定結果の内の最古の判定結果を前記判定結果記憶領域から出力し、且つ、前記最新の判定結果を記憶する判定結果記憶手段と、を有し、
前記判定結果記憶手段が前記最古の判定結果を出力したことを契機に、前記判定結果記憶領域に記憶されている前記記憶可能数の前記判定結果に含まれている正規の遊技媒体でないとの前記判定結果の数が所定数以上かを判定し、所定数以上と判定する場合に異常の発生を報知する
ことを特徴とする遊技用装置。
上記構成の遊技機又は遊技用装置、効率的に、投入された不正メダルが所定量を超えたことを、報知することができる。
ところで、特開2006−271462号公報には、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが記載されている。
しかしながら、上記公報に記載されたスロットマシンでは、CCDカメラ(撮像手段)の撮像範囲外で行われる不正行為や、画像処理で判断不可能な不正行為の発生を認識することができなかった。
本発明の第7の目的は、撮像手段の撮像範囲外で行われる不正行為や、画像処理で判断不可能な不正行為の発生を認識可能な遊技機を提供することにある。
上記第7の目的を達成するために、以下のような構成の遊技機を提供する。
各種画像を表示するための表示手段(例えば、後述の液晶表示装置11)と、
第1制御手段(例えば、後述の主制御回路91)と、
第2制御手段(例えば、後述の副制御回路101)と、
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を撮像する撮像手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記撮像手段を介して得られる画像データに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、
前記遊技媒体判定手段の判定結果を前記第2制御手段に出力する判定結果出力手段と、
前記通路を物体が通過したことを検知する物体検知手段(例えば、後述のダブルフォトセンサ502)と、
前記物体検知手段の検知結果を前記第1制御手段に出力する検知結果出力手段と、を有し、
前記第1制御手段は、前記検知結果出力手段から出力された前記検知結果を第2制御手段に送信する検知結果送信手段を有し、
前記第2制御手段は、
前記判定結果出力手段から受信した前記判定結果に基づいて前記遊技媒体の数をカウントする判定結果カウント手段と、
前記検知結果送信手段から送信された前記検知結果に基づいて前記遊技媒体の数をカウントする検知結果カウント手段と、を有し、
前記判定結果カウント手段がカウントした数と、前記検知結果カウント手段がカウントした数との差が所定値以上のときに異常の発生を前記表示手段によって報知する(例えば、後述のメダル投入コマンド受信時処理のステップS214,S215)
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、撮像手段の撮像範囲外で行われる不正行為や、画像処理で判断不可能な不正行為の発生を認識できる。
ところで、特開2006−271462号公報には、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが記載されている。
しかしながら、上記公報に記載されたスロットマシンでは、実際にメダルをメダル投入口に投入することなくクレジットを増加させる不正行為(いわゆるクレマンゴト)の発生を認識することができなかった。
本発明の第8の目的は、メダルをメダル投入口に投入することなくクレジットを増加させる不正行為の発生を認識可能な遊技機を提供することにある。
上記第8の目的を達成するために、以下のような構成の遊技機を提供する。
各種画像を表示するための表示手段(例えば、後述の液晶表示装置11)と、
第1制御手段(例えば、後述の主制御回路91)と、
第2制御手段(例えば、後述の副制御回路101)と、
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、
投入された前記遊技媒体を貯留するための貯留手段(例えば、後述のホッパー装置51)と、
投入された前記遊技媒体を遊技者へ返却して前記遊技媒体を貯留するための返却貯留手段(例えば、後述のメダルトレイユニット34)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、
前記遊技媒体判定手段の判定結果を第2制御手段に出力する判定結果出力手段と、
前記貯留手段又は前記返却貯留手段のいずれか一方に前記遊技媒体を導くための経路を転換するための転換手段(例えば、後述のメダルソレノイド208)と、を有し、
前記第1制御手段は、
前記転換手段を制御するための転換制御手段(例えば、後述のメインCPU93)と、
前記転換制御手段が制御した制御状態を前記第2制御手段に送信する制御状態送信手段(例えば、後述のメインCPU93)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記判定結果出力手段から出力された前記判定結果の内で正規の遊技媒体であるとの判定結果の数を計数する計数手段(例えば、後述のサブCPU102)と、
前記制御状態送信手段から送信された制御状態が、前記貯留手段へ制御された状態で、前記計数手段が計数する数が所定数を超える場合に前記表示手段によって異常を報知する異常報知手段(例えば、後述の判定完了コマンド受信時処理のステップS157,S159,S160を行うサブCPU102)と、を有する
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の遊技機によれば、メダルをメダル投入口に投入することなくクレジットを増加させる不正行為の発生を認識できる。
ところで、特開2006−271462号公報には、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが記載されている。
上記公報に記載されたスロットマシンのような遊技機において、CCDカメラを備える撮像ユニットに係る不正行為には、撮像ユニットや撮像ユニットに接続された各種ユニットのいずれか一方の再起動(リブート)を伴う不正行為がある。しかしながら、上記公報に記載されたスロットマシンでは、再起動を伴う不正行為を認識することが困難であった。
本発明の第9の目的は、再起動を伴う不正行為を認識可能な遊技機及び遊技用装置を提供することにある。
上記第9の目的を達成するために、以下のような構成の遊技機及び遊技用装置を提供する。
各種画像を表示するための表示手段(例えば、後述の液晶表示装置11)と、
制御手段(例えば、後述の副制御回路101)と、
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、
前記遊技媒体検出手段が起動した回数である第1の回数を記憶する第1起動回数記憶手段(例えば、後述のSRAM243)と、
前記第1起動回数記憶手段が記憶する前記第1の回数を前記制御手段に送信する送信手段(例えば、後述の制御LSI234)と、を有し、
前記制御手段は、
前記制御手段が起動した回数である第2の回数を記憶する第2起動回数記憶手段(例えば、後述のサブRAM103)を有し、
前記送信手段によって送信された前記第1の回数と、前記第2起動回数記憶手段が記憶する前記第2の回数との差が閾値を越えた場合に前記表示手段によって異常の発生を報知する(例えば、後述の起動回数判定処理のステップS192,S193を行うサブCPU102)
ことを特徴とする遊技機。
制御手段と、
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、
前記遊技媒体検出手段が起動した回数である第1の回数を記憶する第1起動回数記憶手段と、
前記第1起動回数記憶手段が記憶する前記第1の回数を前記制御手段に送信する送信手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記制御手段が起動した回数である第2の回数を記憶する第2起動回数記憶手段を有し、
前記送信手段によって送信された前記第1の回数と、前記第2起動回数記憶手段が記憶する前記第2の回数との差が閾値を越えた場合に異常の発生を報知する
ことを特徴とする遊技用装置。
上記構成の遊技機及び遊技用装置によれば、再起動を伴う不正行為を認識できる。
とろこで、特開2006−271462号公報には、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが記載されている。
上記公報に記載されたスロットマシンのような遊技機において、CCDカメラを備える撮像ユニットに係る不正行為には、撮像ユニットの各種設定をリセットする処理である初期化処理を伴う不正行為がある。しかしながら、上記公報に記載されたスロットマシンでは、初期化処理を伴う不正行為を認識することが困難であった。
本発明の第10の目的は、初期化処理を伴う不正行為を認識可能な遊技機及び遊技用装置を提供することにある。
上記第10の目的を達成するために、以下のような構成の遊技機及び遊技用装置を提供する。
各種画像を表示するための表示手段(例えば、後述の液晶表示装置11)と、
制御手段(例えば、後述の副制御回路101)と、
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、
前記遊技媒体判定手段に制御されて情報を記憶可能な媒体記憶手段(例えば、後述のSRAM243)と、
前記媒体記憶手段の所定の領域を初期化するための操作を行う初期化操作手段(例えば、後述の初期化スイッチ)と、を有し、
前記媒体記憶手段は、初期化情報格納領域を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記初期化操作手段が操作されたことに基づいて前記媒体記憶手段の所定の領域の初期化処理を行い、且つ、初期化処理が行われたことを示す初期化情報を前記媒体記憶手段の前記初期化情報格納領域に記憶する初期化処理手段と、
前記媒体記憶手段の前記初期化情報格納領域に記憶された前記初期化情報を含む情報を前記制御手段に送信する第1送信手段(例えば、後述の起動完了コマンドを送信する制御LSI234)と、
起動時に、前記媒体記憶手段の前記初期化情報格納領域に記憶された前記初期化情報を含む情報を前記制御手段に送信する第2送信手段(例えば、後述のメダルセレクタ無操作コマンドを送信する制御LSI234)と、を有し、
前記制御手段は、前記第1送信手段又は前記第2送信手段から受信した情報に前記初期化情報が含まれていた場合には、前記表示手段によって前記媒体記憶手段における所定の領域の初期化が行われたことを報知する(例えば、後述の起動完了コマンド受信時処理のステップS143及びメダルセレクタ無操作コマンド受信時処理のステップS182を行うサブCPU102)
ことを特徴とする遊技機。
制御手段と、
遊技媒体を投入する投入口と、
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、
前記遊技媒体判定手段に制御されて情報を記憶可能な媒体記憶手段と、
前記媒体記憶手段の所定の領域を初期化するための操作を行う初期化操作手段と、を有し、
前記媒体記憶手段は、初期化情報格納領域を有し、
前記遊技媒体判定手段は、
前記初期化操作手段が操作されたことに基づいて前記媒体記憶手段の所定の領域の初期化処理を行い、且つ、初期化処理が行われたことを示す初期化情報を前記媒体記憶手段の前記初期化情報格納領域に記憶する初期化処理手段と、
前記媒体記憶手段の前記初期化情報格納領域に記憶された前記初期化情報を含む情報を前記制御手段に送信する第1送信手段と、
起動時に、前記媒体記憶手段の前記初期化情報格納領域に記憶された前記初期化情報を含む情報を前記制御手段に送信する第2送信手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1送信手段又は前記第2送信手段から受信した情報に前記初期化情報が含まれていた場合には、前記媒体記憶手段における所定の領域の初期化が行われたことを報知する
ことを特徴とする遊技用装置。
上記構成の遊技機及び遊技用装置によれば、初期化処理を伴う不正行為を認識できる。
ところで、特開2006−271462号公報には、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが記載されている。
上記公報に記載されたスロットマシンのような遊技機において、CCDカメラを備える撮像ユニットに係る不正行為には、撮像ユニットに係る各種設定の有効・無効を切り換えるスイッチの不正操作を伴う不正行為がある。しかしながら、上記公報に記載されたスロットマシンでは、このような不正操作を伴う不正行為を認識することが困難であった。
本発明の第11の目的は、各種設定の有効・無効を切り換えるスイッチの不正操作を伴う不正行為を認識可能な遊技機及び遊技用装置を提供することにある。
上記第11の目的を達成するために、以下のような構成の遊技機及び遊技用装置を提供する。
各種画像を表示するための表示手段(例えば、後述の液晶表示装置11)と、
制御手段(例えば、後述の副制御回路101)と、
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、
前記遊技媒体判定手段の判定を有効又は無効に選択する選択手段(例えば、後述の色判定スイッチ及び刻印判定スイッチ)と、
前記選択手段の選択状態を前記制御手段に送信する状態送信手段(例えば、後述の制御LSI234)と、を有し、
前記制御手段は、
前回の電源投入時における前記選択手段の前記選択状態を記憶する第1状態記憶手段(例えば、後述の第1スイッチ情報記憶領域)と、
前記第1状態記憶手段に記憶された前記選択状態と、前記状態送信手段から受信した前記選択状態とを比較し、一致するか判定する選択状態比較手段(例えば、後述の起動完了コマンド受信時処理のステップS145を行うサブCPU102)と、を備え、
前記選択状態比較手段によって、前記第1状態記憶手段に記憶された前記選択状態と、前記状態送信手段から受信した前記選択状態とが一致しないと判定されたとき、前記表示手段によって判定結果を報知する(例えば、後述の起動完了コマンド受信時処理のステップS146を行うサブCPU102)
ことを特徴とする遊技機。
制御手段と、
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、
前記遊技媒体判定手段の判定を有効又は無効に選択する選択手段と、
前記選択手段の選択状態を前記制御手段に送信する状態送信手段と、を有し、
前記制御手段は、
前回の電源投入時における前記選択手段の前記選択状態を記憶する第1状態記憶手段と、
前記第1状態記憶手段に記憶された前記選択状態と、前記状態送信手段から受信した前記選択状態とを比較し、一致するか判定する選択状態比較手段と、を備え、
前記選択状態比較手段によって、前記第1状態記憶手段に記憶された前記選択状態と、前記状態送信手段から受信した前記選択状態とが一致しないと判定されたとき、判定結果を報知する
ことを特徴とする遊技用装置。
上記構成の遊技機及び遊技用装置によれば、各種設定の有効・無効を切り換えるスイッチを不正に操作することを伴う不正行為を認識できる。
ところで、特開2006−271462号公報には、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが記載されている。
上記公報に記載されたスロットマシンのような遊技機において、CCDカメラを備える撮像ユニットに係る不正行為には、撮像ユニットや撮像ユニットに接続された各種ユニットのいずれか一方の再起動(リブート)を伴う不正行為がある。しかしながら、上記公報に記載されたスロットマシンでは、再起動を伴う不正行為を認識することが困難であった。
本発明の第12の目的は、再起動を伴う不正行為を認識可能な遊技機及び遊技用装置を提供することにある。
上記第12の目的を達成するために、以下のような構成の遊技機及び遊技用装置を提供する。
各種画像を表示するための表示手段(例えば、後述の液晶表示装置11)と、
制御手段(例えば、後述の副制御回路101)と、
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、を備え、
前記遊技媒体判定手段は、
前記制御手段に各種コマンドを送信するコマンド送信手段と、
起動後に前記制御手段に送信したコマンドの数を累積カウントする送信コマンド数カウント手段と、を有し、
前記各種コマンドには、前記制御手段から所定のコマンドを受信したときに、当該コマンドを正常に受信したことを示すACKコマンドを含み、
前記コマンド送信手段は、前記制御手段に送信する前記各種コマンドに、前記送信コマンド数カウント手段が累積カウントしたカウントの値を示すカウント情報を含んで送信し、
前記制御手段は、
受信した前記各種コマンドに含まれている前記カウント情報を記憶するカウント情報記憶手段(例えば、後述のサブRAM103)と、
前記カウント情報記憶手段が記憶する前回受信したカウント情報に含まれている前記カウント情報に1を加算した値と、今回受信した前記各種コマンドに含まれている前記カウント情報が示す値と、が一致するか否かを判定する判定手段(例えば、後述のサブCPU102)と、を有し、
前記判定手段が一致しないと判定する場合、前記表示手段によって異常を報知する
ことを特徴とする遊技機。
制御手段と、
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、を備え、
前記遊技媒体判定手段は、
前記制御手段に各種コマンドを送信するコマンド送信手段と、
起動後に前記制御手段に送信したコマンドの数を累積カウントする送信コマンド数カウント手段と、を有し、
前記各種コマンドには、前記制御手段から所定のコマンドを受信したときに、当該コマンドを正常に受信したことを示すACKコマンドを含み、
前記コマンド送信手段は、前記制御手段に送信する前記各種コマンドに、前記送信コマンド数カウント手段が累積カウントしたカウントの値を示すカウント情報を含んで送信し、
前記制御手段は、
受信した前記各種コマンドに含まれている前記カウント情報を記憶するカウント情報記憶手段と、
前記カウント情報記憶手段が記憶する前回受信したカウント情報に含まれている前記カウント情報に1を加算した値と、今回受信した前記各種コマンドに含まれている前記カウント情報が示す値と、が一致するか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記判定手段が一致しないと判定する場合、異常を報知する
ことを特徴とする遊技用装置。
上記構成の遊技機及び遊技用装置によれば、再起動を伴う不正行為を認識できる。
ところで、特開2006−271462号公報には、CCDカメラを用いて、投入された不適正メダル(不正メダル)の判定を行うスロットマシンが記載されている。
上記公報に記載されたスロットマシンのような遊技機において、CCDカメラを備える撮像ユニット、すなわち投入されたメダルが正規メダルか否かを判定するユニットにエラーが生じた場合に、当該エラーを確実に認識することが望まれている。
本発明の第13の目的は、投入されたメダルが正規メダルか否かを判定するユニットに生じたエラーを確実に認識可能な遊技機及び遊技用装置を提供することにある。
上記第13の目的を達成するために、以下のような構成の遊技機及び遊技用装置を提供する。
各種画像を表示するための表示手段(例えば、後述の液晶表示装置11)と、
制御手段(例えば、後述の副制御回路101)と、
遊技媒体を投入する投入口(例えば、後述のメダル投入口21)と、
前記投入口から投入された遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段(例えば、後述のメダルセレクタ201)と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部(例えば、後述のメダルレール210)と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段(例えば、後述のカメラユニット209)と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段(例えば、後述の制御LSI234)と、
前記遊技媒体判定手段に制御されて情報を記憶可能な媒体記憶手段(例えば、後述のSRAM243)と、を備え、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体検出手段の異常を検出し、検出した異常示す異常情報を前記媒体記憶手段に記憶する異常検出手段と、
前記異常検出手段が異常を検出したことに基づいて前記媒体記憶手段に記憶された異常情報を前記制御手段に送信する第1送信手段(例えば、後述のメダルセレクタエラーコマンドを送信する制御LSI234)と、
前記媒体記憶手段に記憶された異常情報を前記制御手段に所定の周期で送信する第2送信手段(例えば、後述のメダルセレクタ無操作コマンドを送信する制御LSI234)と、を有し、
前記制御手段は、
前記第1送信手段又は前記第2送信手段から送信された異常情報を受信する異常情報受信手段(例えば、後述のサブCPU102)と、
所定の操作が行われた場合に、異常の解除情報を前記遊技媒体検出手段に送信する解除情報送信手段(例えば、後述のサブCPU102)と、を有し、
前記異常情報を受信したとき、前記表示手段によって異常の解除を示唆する示唆報知(例えば、後述のC1エラー画面の表示)を行い、
前記遊技媒体判定手段は、解除情報を受信した後、前記異常検出手段が検出した異常を検出出来なかった場合には、前記媒体記憶手段に記憶された異常情報を削除する
ことを特徴とする遊技機。
制御手段と、
遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段と、を備え、
前記遊技媒体検出手段は、
遊技媒体が通過する通路を形成する通路形成部と、
前記通路を通過する物体を検出する通過物体検出手段と、
前記通過物体検出手段を介して得られるデータに基づいて、前記通路を通過する物体が正規の遊技媒体であるか否かを判定する遊技媒体判定手段と、
前記遊技媒体判定手段に制御されて情報を記憶可能な媒体記憶手段と、を備え、
前記遊技媒体判定手段は、
前記遊技媒体検出手段の異常を検出し、検出した異常示す異常情報を前記媒体記憶手段に記憶する異常検出手段と、
前記異常検出手段が異常を検出したことに基づいて前記媒体記憶手段に記憶された異常情報を前記制御手段に送信する第1送信手段と、
前記媒体記憶手段に記憶された異常情報を前記制御手段に所定の周期で送信する第2送信手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記第1送信手段又は前記第2送信手段から送信された異常情報を受信する異常情報受信手段と、
所定の操作が行われた場合に、異常の解除情報を前記遊技媒体検出手段に送信する解除情報送信手段と、を有し、
前記異常情報を受信したとき、異常の解除を示唆する示唆報知を行い、
前記遊技媒体判定手段は、解除情報を受信した後、前記異常検出手段が検出した異常を検出出来なかった場合には、前記媒体記憶手段に記憶された異常情報を削除する
ことを特徴とする遊技用装置。
上記構成の遊技機及び遊技用装置によれば、投入されたメダルが正規メダルか否かを判定するユニットに生じたエラーを確実に認識できる。