JP6848590B2 - 農作物管理システム、遠隔操作装置及び農作物管理方法 - Google Patents
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特許文献4には、複数の農業機械に位置センサ及び稼働状態(種付量、肥料や薬剤の散布量、収穫量等)を測定するセンサを設置し、それら農業機械毎の位置データ及び稼働データを受信して一元的に管理することが記載されている。
特許文献5には、土壌のpH値、温度、芝生や草木の育成状況等を監視し、ロボット式の芝刈り機や散水装置を用いて庭地や庭園を管理するためのシステムが記載されている。
特許文献6には、野生動物に無線信号を送信する端末を保持させ、該野生動物の生息域または該生息域の周囲に複数の受信機を配置し、複数の受信機で受信した電波の到来方向から該野生動物の位置を特定することが記載されている。
そのため、特許文献1−4に記載された技術で実現されるシステムは大規模かつ高価であり、農業従事者の中でも限られた農家しか利用できないという課題がある。特許文献5に記載されたシステムは、農場ではなく、庭地や庭園を管理対象としているが、特許文献1−4と同様に大規模かつ高価となる課題がある。
前記環境情報を受信すると、前記環境情報の送信に用いた電波の到来方位をそれぞれ測定し、該電波の到来方位を示すセンサ方位情報及び受信した前記環境情報を出力する少なくとも2台の位置測定装置と、
前記位置測定装置が出力した前記センサ方位情報から前記センサの位置を特定し、前記位置測定装置が出力した前記環境情報に基づいて実行する作業を決定し、前記センサの位置で前記作業を実行するための操作信号を送信する遠隔操作部と、
前記操作信号にしたがって前記センサの位置へ移動し、前記作業を実行する作業機器と、
を有する。
前記受信した前記環境情報に基づいて実行する作業を決定する制御情報決定部と、
前記位置特定部が特定した前記センサの位置で前記作業を実行するための操作信号を作業機器へ送信する遠隔制御部と、
を有する。
前記環境情報を少なくとも2地点で受信し、前記環境情報の送信に用いた電波の到来方位をそれぞれ測定し、
該電波の到来方位を示すセンサ方位情報から前記センサの位置を特定し、
前記環境情報に基づいて実行する作業を決定し、前記センサの位置で前記作業を実行するための操作信号を送信し、
作業機器が、前記操作信号にしたがって前記センサの位置へ移動し、前記作業を実行する方法である。
図1は、本発明の農作物管理システムの一構成例を示す模式図である。
図1で示すように、本発明の農作物管理システムは、センサ1と、少なくとも2台の位置測定装置21及び22と、遠隔操作部3と、水撒き及び肥料散布機4とを有する。
センサ1が環境情報を送信する周期は、例えばセンサ1が電源として用いるバッテリの容量、管理対象の農作物で必要な生育状況の監視周期等を考慮して設定すればよい。
以下では、位置測定装置21または22を指定しない場合、位置測定装置2と総称する。なお、位置測定装置2は、2台以上であれば何台でもよい。
なお、遠隔操作部3は、環境情報が示す測定値がしきい値を超えたセンサ1の位置、あるいは環境情報が示す測定値がしきい値以下となったセンサ1の位置のみを特定してもよい。その場合、遠隔操作部3の処理負荷を軽減できる。
水撒き及び肥料散布機4は、遠隔操作部3が送信する操作信号にしたがって遠隔操作部3が指定するセンサ1の方向へ飛行すると共に、該センサ1の位置にて、該センサ1の周囲に水、薬剤、肥料等を散布する。また、水撒き及び肥料散布機4は、自機が飛行しているときは、移動中であることを示す移動信号を送信する。
遠隔操作部3が指定するセンサ1とは、環境情報が示す測定値がしきい値を超えたセンサ1、あるいは環境情報が示す測定値がしきい値以下となったセンサ1である。以下では、遠隔操作部3が指定するセンサ1の位置を作業目標と称す。
遠隔操作部3は、水撒き及び肥料散布機4が送信した電波の到来方位から該水撒き及び肥料散布機4の位置を特定する。また、遠隔操作部3は、水撒き及び肥料散布機4の位置と、作業目標であるセンサ1の位置とが略一致する地点にて、水撒き及び肥料散布機4に水、薬剤、肥料等を散布させる。水撒き及び肥料散布機4の位置は、センサ1の位置と同様の方法で特定すればよい。
図2で示すように、位置測定装置21及び22は、送信信号受信部21及び到来方位測定部22をそれぞれ備える。
送信信号受信部21は、センサ1が送信する環境情報及び水撒き及び肥料散布機4が送信する移動信号をそれぞれ受信する。
位置測定装置2と遠隔操作部3とは、周知の有線方式で通信可能に接続してもよく、周知の無線方式で通信可能に接続してもよい。
位置測定装置2は、センサ1と水撒き及び肥料散布機4とが送信した電波を受信できる、例えば周知の無線通信装置で実現できる。
位置特定部31は、到来方位測定部22で測定した電波の到来方位からセンサ1、または水撒き及び肥料散布機4の位置をそれぞれ特定する。
制御情報決定部32は、センサ1で測定した環境情報に基づいて水撒き及び肥料散布機4が実行する作業(水撒き、薬剤または肥料の散布等)を決定する。
遠隔制御部33は、位置特定部31で特定したセンサ1の位置と、水撒き及び肥料散布機4の位置と、制御情報決定部32が決定した作業とに基づいて水撒き及び肥料散布機を動作させるための操作信号を送信する。
図3は、図1及び2に示した遠隔操作部を実現する情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
図3に示す情報処理装置は、プログラムにしたがって所定の処理を実行する処理装置200と、処理装置200に対してコマンドや情報等を入力するための入力装置300と、処理装置200の処理結果を出力するための出力装置400とを有する。
記録媒体203は、CPU201に処理を実行させるためのプログラムが記録される。記録媒体203は、磁気ディスク、半導体メモリ、光ディスクあるいはその他の記録媒体であってもよい。
データ蓄積装置204は、位置測定装置2から受信した情報及び遠隔操作部3の処理で必要な情報を保存する。そのような情報として、センサ1が送信した電波の到来方位を示す情報、水撒き及び肥料散布機4が送信した電波の到来方位を示す情報、それらの到来方位から特定したセンサ1、並びに水撒き及び肥料散布機4の位置を示す情報、上記環境情報、上記しきい値等がある。
I/Oインタフェース部206は、入力装置300及び出力装置400とのインタフェース装置である。
通信装置207は、位置測定装置2及び水撒き及び肥料散布機4とデータや情報を送受信する。
処理装置200は、記録媒体203に記録されたプログラムにしたがって処理を実行することで、遠隔操作部3としての機能を実現する。
制御部41は、遠隔操作部3が送信する操作信号にしたがって水撒き及び肥料散布機4を作業目標であるセンサ1の方向へ移動させると共に、自機が移動中であることを示す移動信号を送信する。また、制御部41は、遠隔操作部3が送信する操作信号にしたがって水撒き及び肥料散布機4に水、薬剤または肥料等を散布させる。制御部41は、CPU、メモリ及び通信装置等を備えた情報処理装置で実現できる。
図4は図1に示した位置測定装置の処理の一例を示すフローチャートであり、図5は図1に示した遠隔操作部の処理の一例を示すフローチャートである。
以下では、位置測定装置2が1台のセンサ1から送信される環境情報を受信し、遠隔操作部3が該センサ1の位置を特定し、1台の水撒き及び肥料散布機4の動作を制御する例で説明する。位置測定装置2が複数のセンサ1から環境情報を受信する場合も、位置測定装置2及び遠隔操作部3は、センサ1毎に同様の処理を実行すればよい。
位置測定装置2は、ステップS1で環境情報を受信すると、その電波の到来方位を測定し(ステップS2)、測定した該電波の到来方位を示す情報と共にセンサ1が送信した環境情報を遠隔操作部3へ送信する(ステップS3)。
位置測定装置2は、ステップS4で移動信号を受信すると、その電波の到来方位を測定し(ステップS5)、測定した該電波の到来方位を示す情報を遠隔操作部3へ送信する(ステップS6)、ステップS1に戻ってステップS1からの処理を繰り返す。
遠隔操作部3は、センサ方位情報を位置測定装置2から受信すると、該センサ方位情報に基づいて環境情報を送信したセンサ1の位置を特定する(ステップS12)。
遠隔操作部3は、作業目標及び水撒き及び肥料散布機4で実行する作業を決定すると、操作信号を用いて水撒き及び肥料散布機4に動作を開始させ、作業目標へ移動させる(ステップS14)。
水撒き及び肥料散布機4は、遠隔操作部3から送信される操作信号にしたがって移動を開始すると、上述したように移動信号を送信し、位置測定装置2がその電波の到来方位を示す情報を遠隔操作部3へ送信する。
遠隔操作部3は、作業機方位情報を位置測定装置2から受信すると、該作業機方位情報に基づいて移動信号を送信した水撒き及び肥料散布機4の位置を特定する(ステップS16)。
一方、作業目標の位置と水撒き及び肥料散布機4の位置とが一致する場合、遠隔操作部3は、該位置にてステップS13で決定した作業(水撒き、薬剤または肥料の散布等)を水撒き及び肥料散布機4に実行させて(ステップS19)処理を終了する。
図6で示すように、本発明の農作物管理システムは、センサ101と、少なくとも2台の位置測定装置1021及び1022と、遠隔操作部103と、作業機器104とを有する。
位置測定装置1021及び1022は、環境情報を受信すると、該環境情報の送信に用いた電波の到来方位をそれぞれ測定する。また、位置測定装置1021及び1022は、該電波の到来方位を示すセンサ方位情報及び受信した環境情報を出力する。
遠隔操作部103は、位置測定装置21及び22が出力したセンサ方位情報からセンサ101の位置を特定する。また、遠隔操作部103は、位置測定装置1021及び1022が出力した環境情報に基づいて実行する作業を決定する。さらに、遠隔操作部103は、センサ101の位置で作業を実行するための操作信号を送信する。
作業機器104は、操作信号にしたがってセンサ101の位置へ移動し、作業を実行する。
上記センサ1はセンサ101の一例であり、上記位置測定装置21及び22は位置測定装置1021及び1022の一例である。また、上記遠隔操作部3は遠隔操作部103の一例であり、上記水撒き及び肥料散布機4は作業機器104の一例である。
また、水撒き及び肥料散布機4は、広大な範囲に水、薬剤、肥料等を散布する必要がないため、無人ヘリコプターのように高価な散布機を用いる必要がない。そのため、小規模で安価な農作物管理システムで農作物の生育管理を実現できる。
さらに、本発明は、遠隔操作部3で保持するしきい値を季節、天候、時間帯、栽培中の農作物の種類等に応じて変更することで、多様な農作物の生育管理に適用できる。
2、21、22、1021、1022 位置測定装置
3、103 遠隔操作部
4 水撒き及び肥料散布機
5 農場
21 送信信号受信部
22 到来方位測定部
31 位置特定部
32 制御情報決定部
33 遠隔制御部
41 制御部
104 作業機器
Claims (9)
- 栽培している農作物に関する環境情報を測定し、測定した前記環境情報を送信するセンサと、
前記環境情報を受信すると、前記環境情報の送信に用いた電波の到来方位をそれぞれ測定し、該電波の到来方位を示すセンサ方位情報及び受信した前記環境情報を出力する少なくとも2台の位置測定装置と、
前記位置測定装置が出力した前記センサ方位情報から前記センサの位置を特定し、前記位置測定装置が出力した前記環境情報に基づいて実行する作業を決定し、前記センサの位置で前記作業を実行するための操作信号を送信する遠隔操作部と、
前記操作信号にしたがって前記センサの位置へ移動し、前記作業を実行する作業機器と、
を有する農作物管理システム。 - 前記作業機器は、
移動中に移動していることを示す移動信号を送信し、
前記位置測定装置は、
前記移動信号を受信すると、前記移動信号の送信に用いた電波の到来方位を測定し、該電波の到来方位を示す作業機方位情報を出力し、
前記遠隔操作部は、
前記作業機方位情報から前記作業機器の位置を特定し、前記センサの位置と前記作業機器の位置とが一致するように前記操作信号を送信する請求項1記載の農作物管理システム。 - 前記遠隔操作部は、
前記環境情報が示す測定値が予め設定されたしきい値を超えた場合、前記センサの位置で実行する作業を決定する請求項1または2記載の農作物管理システム。 - 前記遠隔操作部は、
前記環境情報が示す測定値が予め設定されたしきい値以下となった場合、前記センサの位置で実行する作業を決定する請求項1または2記載の農作物管理システム。 - 前記遠隔操作部は、
前記環境情報が示す測定値が予め設定されたしきい値を超えたセンサの位置を特定する請求項1から4のいずれか1項記載の農作物管理システム。 - 前記遠隔操作部は、
前記環境情報が示す測定値が予め設定されたしきい値以下となったセンサの位置を特定する請求項1から4のいずれか1項記載の農作物管理システム。 - 栽培している農作物に関する環境情報を測定するセンサから送信された前記環境情報を受信すると共に該受信した電波の到来方位をそれぞれ測定する2台以上の位置測定装置から送信された、前記環境情報と前記電波の到来方位を示すセンサ方位情報とを受信し、前記受信した前記センサ方位情報に基づいて前記センサの位置を特定する位置特定部と、
前記受信した前記環境情報に基づいて実行する作業を決定する制御情報決定部と、
前記位置特定部が特定した前記センサの位置で前記作業を実行するための操作信号を作業機器へ送信する遠隔制御部と、
を有する遠隔操作装置。 - 前記位置特定部は、
前記作業機器から送信された移動信号の送信に用いた電波の到来方位を示す作業機方位情報に基づいて前記作業機器の位置を特定し、
前記遠隔制御部は、
前記センサの位置と前記位置特定部が特定した前記作業機器の位置とが一致するように前記操作信号を送信する請求項7記載の遠隔操作装置。 - センサを用いて栽培している農作物に関する環境情報を測定し、測定した前記環境情報を送信し、
前記環境情報を少なくとも2地点で受信し、前記環境情報の送信に用いた電波の到来方位をそれぞれ測定し、
該電波の到来方位を示すセンサ方位情報から前記センサの位置を特定し、
前記環境情報に基づいて実行する作業を決定し、前記センサの位置で前記作業を実行するための操作信号を送信し、
作業機器が、前記操作信号にしたがって前記センサの位置へ移動し、前記作業を実行する農作物管理方法。
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