JP6848488B2 - 光干渉断層計 - Google Patents

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Description

本開示は、光干渉の原理により被検眼のOCTデータを取得する光干渉断層計に関する。
深さ方向に関する被検眼の情報を取得するために、眼科分野では光干渉断層計(OCT:optical coherence tomography)が利用されている。また、光干渉断層計として、従来より、被検眼の組織上で測定光を、光スキャナを駆動することで2次元的にスキャン可能な装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ガルバノミラーは、制御性およびスキャンパターンの自由度が高いという特徴があるので、光干渉断層計における典型的な光スキャナとして利用されている。
特開2016−13210号公報
しかしながら、従来、光干渉断層計において、ガルバノミラーは、主走査に利用されるものであっても、せいぜい百ヘルツ程度の範囲で動作されており、それよりも高速に動作させる場合の駆動条件については、十分に検討されていない。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガルバノミラーを用いた測定光の走査に基づいてOCTデータを良好に取得できる光干渉断層計を提供することを技術課題とする。
本開示の第1態様に係る光干渉断層計は、光源からの測定光を被検眼の組織へ照射し、参照光と前記組織で反射された前記測定光との干渉を検出器で検出するOCT光学系と、往路動と復路動とからなる往復駆動を行い被検眼上で前記測定光を所定の主走査方向へ走査する、第1ガルバノミラーおよび第2ガルバノミラーとを、主走査用光スキャナとして有し、更に、前記主走査用光スキャナとは走査方向が異なる副走査用光スキャナを有し、前記主走査用光スキャナと前記副走査用光スキャナとの動作に基づいて前記測定光を前記被検眼上で2次元的にスキャンするための走査部と、前記検出器から出力される信号に基づくAスキャンデータを、少なくとも300キロヘルツ以上の周期で取得する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1ガルバノミラーと前記第2ガルバノミラーとを組み合わせて駆動させることにより、前記第1ガルバノミラーを介した測定光である第1測定光と、前記第2ガルバノミラーを介した測定光である第2測定光と、を被検眼上で互いに独立に主走査方向へ走査すると共に、前記第1ガルバノミラーと前記第2ガルバノミラーとを一定の振り角で繰り返し往復させることにより主走査方向に関して測定光の走査を連続的に2回以上実行させ、且つ、各回の走査の開始タイミングにおける時間差が5ミリ秒以下の値となるように、前記第1ガルバノミラーと前記第2ガルバノミラーとを制御する。
本開示によれば、を用いた測定光の走査に基づいてOCTデータを良好に取得できる。
実施形態に係る光干渉断層計の概略構成を示すブロック図である。 眼底に対するラスタースキャンを説明するための図である。 3次元画像を示す模式図である。 3次元OCTデータに基づく正面画像を示す模式図である。 モニタにおける表示例を示す模式図である。 別の表示例を示す模式図である。 第2のラスタースキャンの例を説明するための図である。 第1の変形例に係る光学系の要部を示す図である。 第1の変形例における各部の動作を示したタイミングチャートである。 第2の変形例に係る光学系の要部を示す図である。 第3の変形例に係る光学系の要部を示す図である。
以下、本開示に係る典型的な実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の光干渉断層計1(以下、「OCT1」と称す)の概略構成を示す。本実施形態において、OCT1は、300キロヘルツ以上の周期でAスキャンを行う。
本実施形態において、OCT1は、FD−OCT(Fourier domain OCT)であってもよい。以下では、OCT1は、FD−OCTの一種であるSS−OCT(Swept source OCT)であるものとして説明する。この場合、OCT1は、光源として、出射波長を時間的に掃引させる波長掃引光源を持ち、検出器として、点検出器を持つ。点検出器は、1つの検出器であってもよいし、複数(例えば、2つ)の検出器を用いて平衡検出を行う平衡検出器であってもよい。また、OCT1は、波長掃引光源による出射波長の変化に応じて参照光と測定光の戻り光の干渉信号をサンプリングし、サンプリングによって得られた各波長での干渉信号に基づいて被検眼のOCTデータを得る。
<光学系>
図1に例示してOCT1は、OCT光学系100と、固視光学系200と、を有する。固視光学系200は、被検眼に固視標を投影する。
OCT光学系100は、主に、光源102と、光スキャナ108と、検出器120と、を有する。また、図1に例示するように、OCT1は、光分割/結合部(スプリッタ/コンバイナ)104と、参照光学系110とを有する。なお、図1の例において、各部を結ぶ実線131〜134は、導光用の光ファイバを示している。
光源102として出射波長を時間的に高速で変化させる波長可変光源(波長走査型光源)が用いられる。光源102は、例えば、300キロヘルツ以上の周期で波長をスキャンする。これによって、OCT1では、Aスキャンデータ(詳細は後述する)が、300キロヘルツ以上の周期で取得可能となる。ここでいう、「300キロヘルツ以上」には、例えば、1メガヘルツ以上の周期でAスキャンが行われる場合についても含まれ得る。このような光源としては、例えば、フーリエ・ドメイン・モード同期(FDML)レーザーであってもよい。FDMLレーザーは、波長掃引光源の一種である。FDMLレーザーは、例えば、利得媒体を含む共振器に、波長掃引フィルタと、分散特性の影響を抑制するための分散補償機構等が導入された構造であってもよい。なお、波長選択フィルタとしては、例えば、回折格子とポリゴンミラーの組み合わせ、ファブリー・ペローエタロンを用いたフィルタが挙げられる(例えば、本出願人による特開2012−222164号公報参照)。なお、光源102は、必ずしもFDMLレーザーである必要はなく、FDMLレーザーとは異なる原理で300キロヘルツ以上の周期で波長をスキャンする光源であってもよい。
図1に示す検出器120として、例えば、受光素子からなる平衡検出器が設けられてもよい。受光素子は、受光部が一つのみからなるポイントセンサであって、例えば、アバランシェ・フォト・ダイオードが用いられる。
図1に示す光分割/結合部104は、光分割部と、光結合部とを兼用している。光分割/結合部104は、光分割部として、光源102から出射された光を、測定光(測定光)と参照光とに分割する。その結果として、測定光は、光スキャナ108を介して眼底Erに導かれ,また、参照光は、参照光学系110に導かれる(詳細は後述する)。また、光分割/結合部104は、光結合部として、眼底Erによって反射された測定光と,参照光とを合成する。詳細は後述するが、これにより、眼底Erによって反射された測定光と,参照光との合成によって取得される干渉光が、検出器(受光素子)120で受光される。なお、上記のような光分割/結合部104の一例として、図1では、ファイバカップラが利用されている。
本実施形態において、光分割/結合部104によって分割された光の一部(測定光)は、まず、光ファイバ132へ入射する。光ファイバ132に入射した測定光は、図示無きコリメータレンズによって平行ビームに変換され、光スキャナ108に入射される。
光スキャナ108は、光源102からの測定光を、眼底Er上で走査するために利用される。光スキャナ108は、眼底Er上でXY方向(横断方向)に測定光を走査させる。本実施形態では、光スキャナ108によって、眼底上において測定光のラスタースキャンが行われる。本実施形態では、図2に例示するようなラスタースキャンが、眼底の一定の領域(位置および面積が一定)において周期的に繰り返される。
光スキャナ108は、瞳孔と略共役な位置に配置される。光スキャナ108は、駆動部(ドライバ)50に入力される制御信号に基づいて動作する。
また、本実施形態の光スキャナ108には、例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ、MEMSスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられてもよい。例えば、図1に示す光スキャナ108には、主走査用の光スキャナ108aと、副走査用の光スキャナ108bと、の2つのスキャナが含まれている。2つの光スキャナ108a,108bは、互いに異なる方向に光を走査する。例えば、光スキャナ108aは、X方向へ光を走査し、光スキャナ108bは、Y方向へ光を走査してもよい。本実施形態において、主走査用の光スキャナ108aは、例えば、少なくともkHzオーダーの周期で走査可能であることが好ましい。図1の例では、このような条件を満たす光スキャナ108aの一例として、レゾナントスキャナが用いられている。但し、レゾナントスキャナに限定されるものではなく、ポリゴンミラー,AOM等の他の光スキャナが主走査用の光スキャナ108aとして採用されてもよい。一方、副走査用のY光スキャナ108bとしては、少なくとも数十Hzオーダーの周期で走査可能であることが好ましい。図1の例では、このような条件を満たす光スキャナ108bの一例として、ガルバノミラーが用いられている。但し、ガルバノミラーに限定されるものではなく、AOM等の他の光スキャナが副走査用の光スキャナ108bとして採用されてもよい。なお、主走査と副走査とが、それぞれ別体の光スキャナで行われる必要はない。例えば、1つの光スキャナで、主走査と副走査とが行われてもよい。つまり、2軸に関して光走査を行うスキャナが、光スキャナ108に適用されてもよい。
本実施形態では、2つのスキャナ108a,108bによって、測定光のラスタースキャンが、眼底上の領域(一定面積の領域)において周期的に行われる。光スキャナ108で偏向された測定光は、対物光学系106を経て、眼底Erに照射される。
測定光の眼底Erからの後方散乱光(反射光)は、投光時の光路を逆に辿って、光分割/結合部104へ導かれる。そして、光分割/結合部104によって参照光と合波されて干渉する。
参照光学系110は、眼底Erでの測定光の反射によって取得される反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであっても良い。参照光学系110は、例えば、反射光学系(例えば、参照ミラー)によって形成され、光分割/結合部104からの光を反射光学系により反射することにより、光分割/結合部104を介して、検出器120へ導く。他の例としては、参照光学系110は、透過光学系(例えば、光ファイバ)によって形成され、光分割/結合部104からの光を戻さず透過させることにより検出器120へと導いてもよい。
OCT1は、測定光と参照光との光路長差を調整するためにOCT光学系2に配置された光学部材の少なくとも一部を光軸方向に移動させる。例えば、参照光学系110は、参照光路中の光学部材(例えば、参照ミラー)を移動させることにより、測定光と参照光との光路長差を調整する構成を有する。例えば、駆動機構の駆動によって参照ミラーが光軸方向に移動される。光路長差を変更するための構成は、測定光学系20の測定光路中に配置されてもよい。測定光路中に配置された光学部材(例えば、光ファイバの端部)が光軸方向に移動される。
測定光と参照光とが合成された干渉信号光は、光分割/結合部104、およびファイバ134を介して、検出器120へ入射する。これにより、検出器120は、干渉信号光を検出する。
光源102により出射波長が変化されると、これに対応する干渉信号光が検出器120に受光され、結果的に、スペクトル干渉信号光として検出器120に受光される。検出器120から出力されたスペクトル干渉信号(OCT信号ともいう)は、制御部70によって取り込まれる。このスペクトル干渉信号に基づき、深さプロファイルが形成される。
<制御系>
次に、図1を参照して、OCT1の制御系について説明する。OCT1は、制御系として、制御部70、および、メモリ(記憶部)71を主に有する。
制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ(例えば、RAMおよびROM)等で実現される。制御部70は、OCT1の各部の動作を制御する。例えば、制御部70は、眼底上で測定光のラスタースキャンが繰り返し行われるように、光スキャナ108を制御する。また、ラスタースキャンの結果として検出器120から出力される信号に基づいて、被検眼のOCTデータを取得する(詳細は後述する)。ここでいうOCTデータは、1次元OCTデータ,2次元OCTデータ,および,3次元のOCTデータのいずれであってもよい。また、図1の例において、制御部70は、画像処理部を兼用する。例えば、制御部70には、OCTデータに関する各種処理を実行可能な画像処理用のICが含まれていてもよい。
メモリ72は、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体である。メモリ72としては、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、外部サーバー、およびUSBメモリ等のいずれかが用いられてもよい。本実施形態において、メモリ72には、OCTデータおよびOCTデータの解析結果等が記憶される。
また、図1に示すように、OCT1は、操作部(入力インターフェイス)74、および、モニタ75を有していてもよい。図1に示すように、各部は、ネットワーク(バス、LAN等)を介して接続されており、相互にデータ(例えば、画像データ)等を送受信することが可能である。
操作部74は、検者からの操作が入力される。操作部74としては、例えば、マウス、トラックボール、タッチパネルなどのデバイスが用いられてもよい。また、このような接触式のデバイスに限定されるものではなく、例えば、モーションセンサ等の非接触で操作が入力されるデバイスが、操作部74として適用されてもよい。
モニタ75は、OCTデータを視覚化したグラフィック(例えば、断層画像等)、層厚情報等が表示される。本実施形態において、モニタ75の表示制御は、制御部70によって行われる。つまり、本実施形態では、制御部70が、表示制御部を兼用する。モニタ75は、例えば、タッチパネルであってもよい。この場合、モニタ75が操作部74の一部として機能する。また、モニタ75は、2次元的な画面を備えたデバイスであってもよい。この場合、据え置き型、手持ち型、装着型(例えば、ヘッドマウントディスプレイ)等の何れであってもよい。また、画像をスクリーン等に投影する投影型のデバイスであってもよい。モニタ75は、3次元映像を表示する3次元ディスプレイであってもよい。一例として、投影型のデバイスの場合、3次元的な映像が空間中に投影される体積型のディスプレイであってもよい。
<動作説明>
以上のような構成を持つ装置の動作について、以下説明する。
<3次元OCTデータの取得動作>
例えば、制御部70は、検出器120から出力される信号に基づくAスキャンデータ(1次元OCTデータの一例)を、少なくとも300キロヘルツ以上の周期で取得する。なお、本実施形態において、1周期分のAスキャンデータは、眼底上の1点における深さ方向(光軸方向)の組織の情報である。Aスキャンデータは、検出器120から出力される信号(OCT信号)をフーリエ変換することで得られる複素OCT信号であってもよい。また、複素OCT信号が更に処理されて得られる深さプロファイルであってもよい。
本実施形態において、制御部70は、光源102における波長変化の周期と同期してAスキャンデータを取得してもよい。これにより、スキャンライン毎(走査線毎)に、複数ポイントのAスキャンデータが取得される(図2参照)。例えば、300キロヘルツ以上の周期を持つクロック信号が、光源102と制御部70との両方に入力され、これにより、光源102における波長走査と制御部70によるAスキャンデータの取得とが同期されながら、300キロヘルツ以上の周期で実行される構成であってもよい。
また、本実施形態では、3次元OCTデータが、複数ポイントのAスキャンデータに基づいて、制御部70によって取得される。本実施形態における3次元OCTデータは、ラスタースキャンの範囲における3次元的な組織の情報である。1単位(換言すれば、1フレーム分)の3次元OCTデータは、少なくとも1周期のラスタースキャンに基づいて得られる。例えば、1フレーム分の3次元OCTデータには、1周期のラスタースキャンで取得される複数のAスキャンデータが含まれていてもよい。本実施形態において、制御部70は、1周期のラスタースキャンが行われる都度、そのラスタースキャンに基づく3次元OCTデータを生成する。例えば、XY方向に関して2次元的に深さプロファイル(Aスキャンデータの一例)が並べられて形成されるデータが、3次元OCTデータであってもよい。このように、本実施形態では、1周期分のラスタースキャンの結果として検出器120から出力される干渉信号から、1単位(換言すれば、1フレーム分)の3次元OCTデータが形成される。
3次元OCTデータの生成フレームレートは、適宜設定されてもよい。例えば、ラスタースキャンが8Hz程度の周期で行われることで、約8fpsのフレームレートでラスタースキャンの範囲における3次元OCTデータが生成されてもよい。この場合において、Aスキャンデータがおよそ300キロヘルツで取得されるものとすると、1フレームの3次元OCTデータは、眼底のxy方向にて200×200程度のポイントから得たAスキャンデータに基づいて構築される。また、3次元OCTデータにおける深さ方向のポイント数(つまり、1つのAスキャンデータにおけるポイント数)は、例えば、測定光のスペクトル幅等に依存する。例えば、深さ方向に関し、200ポイント程度のポイント数からなるAスキャンデータが取得されてもよい。
<3次元OCTデータに基づく画像の表示>
制御部70は、随時生成される3次元OCTデータを視覚化したグラフィックを、モニタ75において更新しながら表示させる。本実施形態では、新たな3次元OCTデータが取得される都度、制御部70は、モニタ75に表示させるグラフィックを、その新たな3次元OCTデータを視覚化したグラフィックへと更新する。つまり、本実施形態では、モニタ75には、被検眼Eの組織(例えば、眼底の3次元組織)をリアルタイムに示す動画像が表示される。その結果として、リアルタイムな眼底における組織の動態が、動画像を介して観察可能となる。
なお、本開示において「リアルタイム」とは、各時点での被検眼の変化が、略同時に画像および情報等に反映されること、を示すものとする。
<3次元的な画像の表示処理>
なお、3次元OCTデータを視覚化したグラフィックは、例えば、図3に示すような、3次元画像であってもよい。3次元画像は、例えば、各スキャンラインにおける2次元的な反射強度分布(例えば、断層画像)が副走査方向(スキャンラインと交差する方向)に関して並べられた画像であってもよい。つまり、3次元的な反射強度分布を示す画像であってもよい(便宜上、このような画像を、3次元OCT画像と称す)。また、3次元画像は、3次元モーションコントラスト画像であってもよい。なお、モーションコントラストとは、例えば、被検体(被検眼)の動き、時間的な変化などの検出情報である。例えば、フロー画像等もモーションコントラストの一種とする。なお、フロー画像は、例えば、流体等の動き等を検出し、画像化したものである。血液の動きを検出して得られた血管位置を造影した血管造影画像(OCTアンジオグラフィー)等は、モーションコントラストの一種と言える。3次元モーションコントラスト画像を取得する処理の具体例は、後述する。
<任意の断面における断層画像の表示処理>
また、3次元OCTデータを視覚化したグラフィックは、断層画像であってもよい。例えば、3次元OCTデータの取得範囲における任意の断面での信号強度分布に基づく2次元的な画像が、制御部70によって断層画像として生成されてもよい。このような断層画像は、例えば、あるスキャンラインにおける断面を示すものに限られるものではない。例えば、複数のスキャンラインを斜めに横切る断面を示す画像が、断層画像として制御部70によって形成されてもよい。また、断層画像に係る断面は、平面および曲面のいずれであってもよい。なお、断層画像は、モーションコントラスト画像であってもよい。
例えば、本実施形態では、モニタ75において任意の断面におけるリアルタイムな断層画像が表示されてもよい。断面の位置は、予め定められていてもよい。また、断面の位置は、操作部74からの信号に基づいて、3次元OCTデータの取得範囲の中から制御部70によって選択される位置であってもよい(選択処理)。操作部74からの信号は、検者の所望した断面を指定するための信号であってもよい。操作部74からの信号に基づいて断面の位置が選択された結果、選択された位置に応じた断面を示す断層画像が、制御部70によって、モニタ75に表示されるようになる。結果、所望の断面における組織の様子を、3次元OCTデータ基づいて生成されるリアルタイムな断層画像によって観察できる。
ここで、3次元OCTデータの取得範囲の中から、断層画像として示される断面の位置が、操作部74からの信号に基づいて選択される場合における装置の動作の具体例を、図を参照して説明する。
例えば、図5に示すように、制御部70は、モニタ75上に、3次元OCTデータに基づく3次元画像G1を、予め表示させてもよい。3次元画像G1は、検者が操作部74を操作する際に、断層画像として示される断面の位置を確認するために用いられる。検者は、ポインティングデバイス(操作部74の一種)等を操作して、断面の位置を3次元画像G1上で指定してもよい。例えば、図5の例では、3次元画像G1上で移動されるカーソルC1の位置が、操作部74の操作に応じて変位される。この例では、カーソルC1の位置に応じて断層画像を取得する断面が定められる。例えば、図5に示すカーソルC1は、断面を模しており、この断面での断層画像が、表示される。図5の例では、操作部74の操作に応じてカーソルC1が平行移動および回転移動される。これにより、検者は所望の断面を指定できる。
<正面画像の表示処理>
また、3次元OCTデータを視覚化したグラフィックは、例えば、3次元OCTデータに基づく正面画像であってもよい。3次元OCTデータに基づく正面画像は、例えば、3次元OCTデータの各XY位置において、深さ方向の信号強度分布をZ方向に積算することによって得られる(いわゆる積算画像)。もちろん、正面画像は、積算処理とは異なる処理によって取得されてもよい。例えば、3次元OCTデータにおける深さ方向に関する一部のデータ,に基づいて、正面画像が取得されてもよい。このような正面画像は、例えば、眼底を構成する一部の層に関する正面像であってもよいし、(例えば、図4に示す網膜表層でもよいし、表層以外の特定の層であってもよい)、または、一定の深さでの正面像(例えば、一定の深さ位置での信号強度分布を示すCスキャン画像等)であってもよい。なお、一部の層に関する正面像が取得される場合、制御部30は、3次元OCTデータに対してセグメンテーション処理を行い、層毎の境界を特定する。そして、セグメンテーション処理で特定された境界部分の情報に基づいて、正面画像が形成される。
なお、3次元OCTデータに基づく正面画像は、モーションコントラスト画像であってもよい。
正面画像は、図4に示した2次元的な表示態様(即ち、眼底上のXY方向と画面上の上下左右方向とが対応づけられた態様)に限られるものではない。例えば、層の3次元的な形状が反映された態様で正面画像は表示されてもよい。つまり、正面画像は、曲面形状にて表示されてもよい。また、この場合、正面画像は、一部の層を斜視したようなグラフィックであってもよい。
上記のように、モニタ75においてリアルタイムな正面画像が表示される場合、その正面画像として、何れの深さにある組織の正面画像が示されてもよい。正面画像が示される箇所についての深さ方向の位置は、予め定められていてもよい。また、正面画像が示される箇所についての深さ方向の位置は、操作部74からの信号に基づいて制御部70によって選択される位置であってもよい(選択処理)。操作部74からの信号は、検者の所望した位置を指定するための信号であってもよい。操作部74からの信号に基づいて深さ方向の位置が選択された結果、選択された位置についての正面画像が、制御部70によって、モニタ75に表示されるようになる。結果、検者の所望する深さにある組織の様子を、リアルタイムな正面画像によって観察できる。
ところで、上述したように、3次元OCTデータに基づく正面画像は、少なくとも、眼底を構成する一部の層の正面画像である場合と、一定の深さでの正面画像である場合とが考えられる。
正面画像が一部の層についての正面画像である場合、制御部70は、より詳細には、制御部70は、眼底を構成する複数の層のうちいずれかが選択されて、正面画像として示される。より詳細には、3次元OCTデータへのセグメンテーション処理によって,眼底を構成する複数の層の境界が検出され、検出された境界からいずれかが選択されてもよい。このようにして、正面画像が示される箇所についての深さ方向の位置選択が行われてもよい。そして、制御部70は、選択された層の正面画像を形成し、モニタ75へ表示させてもよい。
一方、3次元OCTデータに基づく正面画像が一定の深さでの正面画像である場合、制御部70は、3次元OCTデータの深さ方向に関する取得範囲内で、該深さ方向に関するいずれかの座標を選択することで、正面画像が示される箇所についての深さ方向の位置選択を行ってもよい。そして、選択された深さ方向の座標における水平面を示す正面画像を(例えば、Cスキャン画像)形成し、モニタ75へ表示させてもよい。
ここで、3次元OCTデータに基づく正面画像が示される箇所についての深さ方向の位置が、操作部74からの信号に基づいて選択される場合における装置の動作の具体例を、図6を参照して説明する。
例えば、図6に示すように、制御部70は、モニタ75上に、3次元OCTデータの深さ方向に関する取得範囲を示すグラフィックG2を、予め表示させてもよい。グラフィックG2は、検者が操作部74を操作する際に、正面画像で示されることを所望する組織の位置(深さ方向の位置)を確認するために用いられる。図6の例において、グラフィックG2には、被検眼の3次元画像が用いられている。検者は、ポインティングデバイス(操作部74の一種)等を操作して、正面画像が示される箇所を、グラフィックG2上で指定してもよい。例えば、図6の例では、グラフィックG2に対し、グラフィックG2における深さ方向に移動するカーソルC3の位置が、操作部74の操作に応じて変位される。この例では、カーソルC3の位置に応じて正面画像が示される箇所が定められる。より詳細には、カーソルC3の配置されている深さにおける正面画像が、制御部70によって生成され、モニタ75に表示される。図6の例では、カーソルC3は、深さ方向に関する座標での水平面(即ち、深さ方向に直交する平面)を模しており、この水平面における正面画像が、表示される。
なお、グラフィックG2は、3次元画像に限定されるものではなく、例えば、あるスキャンラインで得られた断層画像、ある点で取得された深さプロファイルを示すグラフ、および、インジケータ(例えば、数直線)等の他のグラフィックに置き換えられてもよい。
2次元画像に関する断面の指定方法は、必ずしも上記説明したものに限定されるものではない。例えば、モニタ75上に表示される3次元画を介して、検者が任意の曲面の通過座標をポインティングデバイス等を用いて選択することで、その曲面を断面とする2次元画像が制御部70によって表示されてもよい。
ところで、3次元画像,および、2次元画像の例は、上記したものに限定されるものではない。例えば、3次元画像は、例えば、3次元OCTデータの取得範囲全体を視覚化したものに限定されるものではなく、3次元OCTデータの取得範囲における第1の断面と、第1の断面とは異なる第2の断面と、に挟まれる領域を選択的に視覚化したグラフィックであってもよい。ここでいう、第1の断面および第2の断面は、例えば、それぞれが2次元画像の断面を指定する場合と同様の手法で、指定可能であってもよいし、一方の断面を指定することで、他方が自動的に設定される関係でもよい。また、更に言えば、単に、リアルタイムに表示される3次元画像は、3次元OCTデータの取得範囲のうち、任意の3次元的な領域であってもよく、取得範囲全体、および、2つの断面に囲われる領域のいずれかに限定されるものではない。
また、3次元OCTデータのうち、第1の断面とは異なる第2の断面と、に挟まれる領域に関する情報は、例えば、ある1方向(具体例としては、深さ方向)に関して平均化されることにより、第1の断面とは異なる第2の断面と、に挟まれる領域に関する2次元画像が制御部70によって形成されてもよい。
<3次元OCTデータに対する解析処理>
本実施形態では、3次元OCTデータに対する各種処理(例えば、解析処理、および、画像処理等)についても、制御部70によって行われる。例えば、制御部70は、随時生成される各々の3次元OCTデータに対して解析処理が行われる。その結果として、制御部70は、随時生成される3次元OCTデータのリアルタイムな解析結果を出力する。ここでいう『出力』は、例えば、モニタ75への表示出力であってもよい。また、OCT1による撮影と並行して動作する眼科用手術装置(例えば、眼科用手術ロボット、眼科用レーザー手術装置、および、眼科用レーザー光凝固装置等)への出力であってもよい。制御部70から出力される解析結果が、眼科手術装置の動作を制御するための信号として利用されてもよい(詳細は後述する)。まずは、主に解析結果が、モニタ75へ表示出力される場合を説明する。
解析処理の処理結果は、時系列の3次元OCTデータのうち、少なくとも2つの(換言すれば、少なくとも2フレーム分の)3次元OCTデータを処理することで得られるものであってもよい。ここでいう、少なくとも2つの3次元OCTデータは、互いに異なるタイミングで取得される3次元OCTデータである。
<モーションコントラスト画像のリアルタイム表示>
この処理結果として、被検眼Eの3次元モーションコントラストデータが取得されてもよい。そして、例えば、3次元モーションコントラストデータを視覚化したグラフィックであるモーションコントラスト画像による動画像が、解析処理の処理結果としてモニタ75上に表示されてもよい。
3次元モーションコントラストデータは、眼底のある領域に対して、異なる時間に行われる複数のラスタースキャンに基づいて取得される。より詳細には、制御部70は、検出器120から出力される信号(OCT信号)をフーリエ変換することで複素OCT信号を取得する。例えば、複素OCT信号は、ラスタースキャンが行われる度に、メモリ72に記憶される。ここでは、ラスタースキャン1周期分の複素OCT信号がメモリ72に記憶されることで、1単位(換言すれば、1フレーム分)の3次元OCTデータが得られる。そして、制御部70は、ラスタースキャンのタイミングが異なる複素OCT信号であって、同じ位置(換言すれば、同一のxy座標)についての複素OCT信号を処理することで、そのxy座標における深さ方向のプロファイルを得る。この処理が、Aスキャンデータが取得された位置毎(換言すれば、ポイント毎、xy座標毎)に行われることで、ラスタースキャンの範囲における3次元モーションコントラストデータが取得される。このように、本実施形態では、ラスタースキャンのタイミングが異なる少なくとも2つの3次元OCTデータの処理結果として、3次元モーションコントラストデータが取得される。
なお、複素OCT信号を処理する方法としては、例えば、複素OCT信号の位相差を算出する方法、複素OCT信号のベクトル差分を算出する方法、複素OCT信号の位相差及びベクトル差分を掛け合わせる方法などが知られており、これらのうち、いずれが用いられてもよい。以下の説明では、位相差を算出する方法を例示して説明する。
以上このようにして得られた3次元モーションコントラストデータは、例えば、血管の3次元構造を示す。制御部70は、3次元モーションコントラストデータに基づいてモーションコントラスト画像を逐次生成し、モニタ75に逐次表示させてもよい。また、制御部70によって、血管の3次元構造を示すグラフィックが、3次元OCT画像(前述したように、3次元的な反射強度分布を示す画像)に対して重畳表示されてもよい。これにより、血管の3次元構造が、リアルタイムにモニタ75に表示されてもよい。また、時系列に得られる3次元モーションコントラストデータを、過去の3次元モーションコントラストデータと比較することで、3次元OCTデータが繰り返し取得される途中で生じた出血箇所を検出可能である。検出される出血箇所は、血管の3次元構造を示すグラフィックにおいて、強調表示されてもよい。例えば、手術中であれば、出血箇所が速やかに医師等によって把握されるので、出血に対し、速やかな処置が施されやすい。
<血流の脈動に関する解析>
また、3次元OCTデータに対する解析処理では、血流の脈動に関する解析処理が実行されてもよい。例えば、3次元モーションコントラスト画像を制御部70が更に処理することによって、血流の脈動に関する情報を、解析処理の処理結果として取得してもよい。血流の脈動に関する情報の具体例としては、例えば、血流の向き、血流の速度,血流の流量,血流による圧力,および,脈拍のうち少なくともいずれかを示す情報であってもよく、また、これらのいずれかを時系列で示す情報であってもよい。
図5に示すように、このような処理結果は、リアルタイムな3次元OCTデータを視覚化したグラフィック(図5の例では、3次元画像、および、ある断面のモーションコントラスト画像)と共に、モニタ75へ表示されてもよい。このとき、制御部70は、モニタ75へ表示されるグラフィックと対応するリアルタイムな処理結果を逐次取得し、その処理結果をモニタ75へ表示してもよい。この場合、モニタ75には、3次元OCTデータを視覚化したグラフィックと同時に、そのグラフィックと対応する処理結果が、少なくとも表示される。処理結果の表示例としては、数値であってもよいし、数値の経時的な変化を表したグラフ(例えば、トレンドグラフ)であってもよいし、他の表示態様であってもよい。このように、本実施形態では、診断において有用な血流の情報を、ラスタースキャンが行われる広範囲から、リアルタイムに得ることができる。
<血流の測定>
本実施形態においては、3次元のモーションコントラスト画像から得られる血管の3次元構造と、複数回のラスタースキャンによって得られる3次元OCTデータと、を用いて、血流の絶対速度を求めてもよい。
例えば、3次元モーションコントラスト画像に基づく血管の3次元構造からは、各位置における血流方向と、各位置における血管の直径とが得られる。血管の血流方向は、前述のように血管の3次元構造を細線化することで求めてもよい。細線化には、例えば、モルフォロジ処理、距離変換処理、またはHilditch、Deutschなどの既存アルゴリズムを用いてもよい。
また、ここでは、各位置におけるドップラー位相シフトが、複数回のラスタースキャンによって得られる3次元OCTデータに基づいて導出される。このとき、一定のラスタースキャンが繰り返される場合、ドップラー位相シフトにおけるタイムインターバルには、ラスタースキャンの周期の整数倍の値が採用され得る。なお、タイムインターバルは、同じ位置でのOCT信号の取得間隔である。
例えば、連続する2回のラスタースキャンで得られた2つの3次元OCTデータからは、タイムインターバル=Tとするドップラー位相シフトが求められ、1周期分とばした2回のラスタースキャンで得られる2つの3次元OCTデータからは、タイムインターバル=2Tとするドップラー位相シフトが求められる。同様にして、ラスタースキャンの周期の整数倍をタイムインターバルとするドップラー位相シフトが求められてもよい。
制御部70は、血管の各位置におけるドップラー位相シフトに基づいて、各位置における血流の絶対速度を求める。このとき、各位置におけるドップラー位相シフトにおいて、タイムインターバルは一定であってもよいし、位置毎に異なる値であってもよい。タイムインターバルを位置に応じて異ならせる場合、例えば、制御部70は、ドップラー位相シフトを求めるポイントにおける血管の構造に関する情報に応じて、タイムインターバルを決定し、そのタイムインターバルでのドップラー位相シフトを求めてもよい。血管の構造に関する情報としては、血管の直径(血管径)、血管の向き、分岐の有無、のうち少なくともいずれかであってもよい。
また、1つのポイントにつき、タイムインターバルが互いに異なる複数のドップラー位相シフトを求め、複数のドップラー位相シフトに基づいて、当該ポイントにおける血流の絶対速度を求めてもよい。
本実施例において、制御部70は、血管の各箇所における血流の絶対速度を、リアルタイムに演算してもよい。例えば、新たなラスタースキャン(便宜上、第1のラスタースキャンとする)に基づく3次元OCTデータが得られるたびに、第1のラスタースキャンに基づく3次元OCTデータと、第1の3次元OCTデータとのタイムインターバルが第1のタイムインターバルである第2の3次元OCTデータと、第1の3次元OCTデータとのタイムインターバルが第2のタイムインターバルである第3の3次元OCTデータと(例えば、タイムインターバル=T,2T,3T・・・を含む)、から、各箇所における血流の絶対速度が演算されてもよい。
このようにして得られた各箇所における絶対速度の分布は、例えば、カラーマップとしてモニタ75に表示されてもよい。また、正常眼における血流の絶対速度と、演算によって得られた被検眼Eにおける血流の絶対速度と、の比較が制御部70よって行われてもよい。例えば、制御部70は、両者の差分を取ることで、差分情報を、例えば、数値情報や、差分マップとして出力してもよい。なお、正常眼における血流の絶対速度は、例えば、予めメモリ72に記憶されていてもよい。
また、血流の絶対速度が演算される血管の位置は、検者によって、画面に表示される血管の画像上(例えば、3次元モーションコントラスト画像、断層画像、および,3次元OCTデータに基づく正面画像等のいずれか)で指定されてもよい。例えば、モニタ75に表示される画像の中で血流の絶対速度が演算される箇所が、操作部74に対する検者の操作に基づいて指定されてもよい。検者は、ポインティングデバイス(操作部74の一種)等を操作して、血流の絶対速度を所望する血管を、血管の画像上で指定してもよい。例えば、図5の例では、操作部74の操作に応じて変位されるカーソルC2の位置に応じて、位置指定が行われる。この場合、例えば、制御部70は、指定された箇所における血流の絶対速度を演算してもよい。或いは、各位置における血流の絶対速度をバックグラウンドで演算し、検者によって指定された箇所の演算結果を、選択的に出力(例えば、表示)するようにしてもよい。また、この場合も、前述したような、正常眼における血流の絶対速度との比較処理が行われてもよい。
このような血流の絶対速度の演算は、新たなラスタースキャンに基づく3次元OCTデータが得られるたびに実行され、それにより、演算結果が随時更新されてもよい。但し、血流の絶対速度の演算の頻度は、3次元OCTデータを1フレーム分取得する毎に限られるものではなく、複数フレーム分取得する毎であってもよい。
また、血流の絶対速度の演算結果は、モニタ75に表示されてもよい。演算結果は、例えば、数値およびグラフィック等の少なくともいずれかで表示されてもよい。
なお、血流の脈動の解析するうえで、必ずしも複数フレームの3次元OCTデータは必要とされない。例えば、制御部70は、光スキャナ108を制御し、同一の横断面に関する2次元OCTデータを繰り返し取得することで、その横断面に関して、血流の脈動に関する情報を取得することができる。このときの横断面の繰り返し走査は、例えば、3次元OCTデータを取得するラスタースキャンの合間に行われてもよい。これにより、実質的に3次元OCTデータと略同時に、リアルタイムな血流の脈動に関する情報を得ることができる。また、1周期のラスタースキャンにおいて各スキャンラインが一定回数ずつ繰り返し走査されることで、同一の横断面に関し、スキャンラインの走査間隔が短い複数の2次元OCTデータが取得されてもよい。複数の2次元OCTデータを処理することで、各スキャンラインにおける血流の脈動に関する情報を制御部70は解析してもよい。
<その他の解析処理>
以上、随時取得される3次元OCTデータに対して行われる解析処理として、少なくとも2つの(換言すれば、少なくとも2フレーム分の)3次元OCTデータを用いて処理が行われる場合の具体例を示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、時系列の3次元OCTデータを、フレーム毎に処理するような解析処理が行われてもよい。
<リアルタイム厚み測定>
例えば、制御部70によって、被検眼Eの組織における厚みに関する解析処理が行われてもよい。制御部70は、随時生成される3次元OCTデータに基づいて被検眼Eの組織における厚みを解析する。そして、解析結果として、厚みに関する情報を出力してもよい。組織の厚みは、例えば、眼底における層厚であってもよいし、前眼部の組織における厚みであってもよい。解析処理によって各位置における厚みが求められ、解析結果として、被検眼の組織における厚みの2次元的な分布をリアルタイムに示すマップが得られてもよい。マップは、モニタ75に表示されてもよい。リアルタイムな厚みマップは、例えば、被検眼Eに圧力を加えたり、屈折矯正手術,白内障手術等の組織の厚みに影響を及ぼす手術が行われたりする場合に、それらの作業による厚みの変化を検者がリアルタイムに観察する場合等に利用されてもよい。ここでいう手術は、眼科用レーザー手術装置を用いた手術であってもよく、この場合、OCT1は、被検眼Eに対して圧力を付与する眼圧計(例えば、トノメータ)、或いは、眼科用レーザー手術装置を備えてもよい。そして、OCT1において連続して3次元OCTデータが取得される間に、圧力付与やレーザーの照射が行われるよう、各装置が制御されてもよい。また、制御部70は、眼科用レーザー手術装置におけるレーザーの照射を制御するために、厚みに関する解析結果を眼科用レーザー手術装置に対して出力してもよい。
<凝固斑に関する情報の抽出>
また、制御部70は、被検眼において形成された光凝固レーザーの凝固斑を、随時生成される3次元OCTデータに基づいて解析し、凝固斑のサイズ情報,および,被検眼Eにおける凝固斑の位置情報,のうち少なくともいずれかを、リアルタイムな解析結果として出力してもよい。凝固斑は、例えば、リアルタイムに取得される3次元OCTデータが視覚化されたグラフィック(3次元画像でもよいし、ある断面を示す2次元画像でもよい)において、周囲の組織に対し輝度の異なる領域として示されるので、グラフィックへの画像処理によって検出可能である。また、検出される凝固斑のサイズ情報、および、検出される凝固斑の被検眼Eにおける位置情報のうち、少なくともいずれかが、グラフィックに対する画像処理により特定できる。サイズ情報としては、凝固斑の半径,深さ方向の長さ,体積,および,容積等の少なくともいずれかに関する情報であってもよい。また、位置情報としては、被検眼Eにおける凝固斑の形成位置を特定するための情報であればよく、例えば、座標情報等の数値情報であってもよい。また、位置情報は、画像情報であってもよく、例えば、3次元OCTデータを視覚化したグラフィックであって、更に、凝固斑の形成位置が強調されたグラフィックであってもよい。これらの情報が、解析結果としてリアルタイムに出力される。
例えば、このような解析処理が行われるOCT1では、光凝固レーザーの照射後、速やかに、その照射結果を評価するための情報が、上記の解析処理による解析結果として得られる。このため、解析結果を活用することで、光凝固レーザーの照射作業における作業性が向上するものと考えられる。
なお、この場合、OCT1は、被検眼Eに対して光凝固レーザーを照射する光凝固レーザー装置を備えてもよい。そして、OCT1において連続して3次元OCTデータが取得される間に、レーザーの照射が行われるよう、各部が制御部70によって制御されてもよい。また、制御部70は、光凝固レーザー装置におけるレーザーの照射を制御するために、凝固斑に関する解析結果を光凝固レーザー装置に対して出力してもよい。
<眼底の層の剥離状況に関する解析処理>
また、例えば、制御部70によって、被検眼Eの眼底における層の剥離に関する解析処理がリアルタイムに行われてもよい。この解析処理では、データの取得範囲に眼底を含む3次元OCTデータが、解析対象としてOCT1によって取得されることを前提とする。そして、眼底を構成する層同士の剥離箇所が、随時生成される3次元OCTデータに基づいて解析され、その結果(解析結果)として、層同士の剥離箇所の有無,および,剥離箇所の位置,のうち少なくともいずれかを示す情報(剥離箇所情報という)が出力されてもよい。剥離箇所情報をリアルタイムに得ることは、例えば、硝子体手術等において有用である。なお、剥離箇所の位置を示す情報としては、xy方向,および,深さ方向,のうち一方または両方に関して剥離箇所を特定するための情報である。深さ方向に関して剥離箇所を特定するための情報としては、深さ方向における剥離箇所の位置を示す数値情報であってもよいし、互いに剥離された2つの層のうち少なくとも一方を特定する情報であてもよい。硝子体手術に適用される場合、上記の解析処理は、少なくとも内境界膜(ILM)の剥離状況を、リアルタイムな解析結果として得るものであってもよい。
なお、剥離箇所情報の表示出力がモニタ75に対して行われてもよい。3次元OCTデータを視覚化したグラフィック(3次元画像でもよいし、ある断面を示す2次元画像でもよい)上で、少なくとも剥離箇所と対応する箇所が強調表示されてもよい。なお、各層を区別するために、剥離箇所に対する強調表示とは異なる態様で、他の層の境界についても強調表示が行われてもよい。
仮に、層を剥離させる手術が手術ロボット等によって行われるのであれば、制御部70は、手術ロボットにおける剥離動作を制御するために、剥離箇所情報(つまり、解析結果)を手術ロボットに対して出力してもよい。
<被検眼の組織と器具との間隔に関する解析処理>
また、例えば、制御部70は、被検眼Eの診断,治療,または,手術に用いられる器具と、被検眼Eの組織との深さ方向に関する間隔を、随時生成される前記3次元OCTデータに基づいて解析し、器具と被検眼Eの組織との間隔に関する情報を、リアルタイムな解析結果として出力してもよい。この解析処理では、データの取得範囲に被検眼Eの組織と共に,上記器具が含まれる3次元OCTデータが、解析対象としてOCT1によって取得されることを前提とする。
上記の器具としては、プローブ、鉗子、マイクロケラトーム、IOL等のインジェクター等種々の器具が想定されうる。また、器具との間隔が解析される被検眼の組織は、例えば、操作部74を介して被検眼Eの各部から選択されてもよい。また、予め定められた組織であってもよい(例えば、角膜、および、網膜のいずれか等)。
被検眼の組織と器具との間隔についての解析結果は、モニタ75へ表示出力されてもよい。例えば、間隔を数値として示す数値情報が表示されてもよいし、インジケーター等のグラフィックが示されてもよい。
ところで、器具が例えば金属製である場合等に、測定光が器具の表面(光源側表面)で反射され、器具の全体的な形状については、3次元OCTデータから検出できない場合が考えられる。これに対し、例えば、器具の寸法情報(より詳細には、測定光が反射される器具の表面を基準とする寸法情報でもよい)を予め取得しておき、この寸法情報を用いて、器具と、被検眼Eの組織との間隔を解析してもよい。また、この場合、3次元OCTデータにおいて、測定光が器具で遮られることにより、組織の位置情報が得られない箇所が生じ得る。器具で遮られた組織の位置情報は、種々の方法で推定(または補完)されてもよく、そして、推定された位置情報に基づいて、被検眼の組織と器具との間隔の解析が行われてもよい。例えば、制御部70は、被検眼の組織が器具によって遮られていない状態で取得した3次元OCTデータを用いて、随時取得される3次元OCTデータにおいて、器具で遮られた組織に関するデータを補完し、組織と器具との間隔の解析を行ってもよい。
仮に、上記器具が手術ロボット等によって動かされているのであれば、制御部70は、手術ロボットにおける器具の動きを制御するために、器具との間隔に関する解析結果を手術ロボットに対して出力してもよい。
<光スキャナの構造、制御に関する変形例>
上記実施形態の説明では、図1における主走査用の光スキャナ108aとしてレゾナントスキャナを利用し、レゾナントスキャナの往路動による測定光の走査と、復路動による測定光の走査と、を交互に行う場合を、主な実施例として説明した(図2参照)。しかし、上述の通り、本開示にかかる主走査用の光スキャナには、レゾナントスキャナ以外の種々の光スキャナを適用可能である。例えば、後述の具体例のように、1つ、または、複数のガルバノミラーが、主走査用の光スキャナとして利用されてもよい。ガルバノミラーは、制御性およびスキャンパターンの自由度が高いという特徴があり、スキャン速度についても制御によって変更できる。また、ガルバノミラーは、比較的安価に入手できる。
また、上記実施形態の説明では、図2に示すようなラスタースキャンによって、被検眼上で測定光が走査される場合を、主に説明した。しかしながら、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、図2に示した方式では、主走査用の光スキャナにおいて往路動と復路動とが交互に行われ、往路動と復路動とのそれぞれで測定光が走査される。これに対し、後述する具体例のごとく、主走査用光スキャナが、往復動作を行う場合において、その往路動と復路動とのうち、往路動のみに基づいて、Aスキャンデータを得る方式が適用されてもよい(図7参照)。このスキャン方式は、往路動と復路動とのそれぞれで測定光を走査する(つまり、Bスキャンを行う)方式に対し、Aスキャンが行われる位置が、隣接するスキャンラインの間でズレにくくなる。なお、ここでは、「被検眼上の測定光の照射位置を、一方向に移動させる光スキャナの動作」を「往路動」として定義し、「被検眼上の測定光の照射位置を、上記の一方向とは反対方向に移動させる光スキャナの動作」を「復路動」として定義している。つまりは、往路動および復路動は、光スキャナ、或いは、光学系、の設計仕様等によって一義的に定義されなくてもよい。
また、勿論、被検眼に対する測定光の走査方式として、ラスタースキャン以外の走査方式(例えば、リサージュスキャン等)が適用されてもよい。リサージュスキャンの場合、ガルバノミラーにおける往復動作を、ラスタースキャンの場合程速やかに行う必要は必ずしもないので、Aスキャンの取得周期が300kHz以上であっても、ガルバノミラーを用いて、良好に測定光を走査しやすい。リサージュスキャンにおける測定光の走査パターンは、例えば、サイクロイド状であってもよいし、トロコイド状であってもよいし、渦巻き状であってもよいし、その他のパターンであってもよい。更には、測定光の走査方式は、ラスタースキャン及びリサージュスキャン等の2次元的なスキャンに限定されるものではなく、1次元的なスキャンであってもよい。
以下に、1つ又は複数のガルバノミラーを主走査用の光スキャナへ適用した場合の実施例を示す。以下の実施例において、特に断りが無い場合、測定光は眼底上で走査されるものとする。この実施例の説明において、制御部70は、上記実施例と同様に、300キロヘルツ以上の周期で、Aスキャンデータを取得する。また、実施例において、制御部70は、次のようにガルバノミラーを制御してもよい。すなわち、ガルバノミラーを一定の振り角で繰り返し往復させることにより、主走査方向に関して測定光の走査を連続的に2回以上実行させる。このとき、各回の走査の開始タイミングにおける時間差が5ミリ秒以下となるように駆動制御を行う。このときのガルバノミラーの振り角(上記の「一定の振り角」)は、眼底上での数ミリ程度の距離と対応する。例えば、9mm程度、或いは、それ以上の距離と対応していてもよい。
そして、制御部70は、2回以上の走査で得られたAスキャンデータを処理してもよい。1つのスキャンライン上で繰り返し走査が行われた場合、そのスキャンラインに対して測定光が1通り走査される度に複数のAスキャンデータからなるデータセットが取得される。そして、制御部70は、1つのスキャンラインに関して時系列に取得された複数のデータセット同士を処理してもよい。ここでいう処理は、例えば、スキャンラインに関する断層画像の加算画像(加算画像には、加算平均画像を含む)を得る処理であってもよい。また、スキャンラインに関する血管造影画像(OCTアンジオグラフィー)を生成し、取得する処理であってもよい。
一方、互いに異なる複数のスキャンラインに対して測定光が走査された場合、制御部は、複数のスキャンラインに対する測定光の走査によって得られたAスキャンデータに基づいて3次元OCTデータを生成してもよい。この場合、制御部70は、主走査用の光スキャナであるガルバノミラーと共に、副走査用の光スキャナを駆動制御する。
<主走査用の光スキャナとして1つのガルバノミラーを適用した例>
ここで、主走査用の光スキャナとしてガルバノミラーが1つだけ設けられている具体例を説明する。 この具体例では、主走査用の光スキャナであるガルバノミラーの往復動作のうち、往路動のみに基づいてOCTデータを取得する。
ここで、ガルバノミラーは、現状、往路動および復路動のそれぞれにおいて、少なくとも1ミリ秒程度の時間を要すると考えられている。また、1回の主走査に要する時間を短くすることと、Aスキャンの位置決め精度と、は、トレードオフの関係になっている。そこで、ガルバノミラーの往復動作のうち、復路動を1ミリ秒程度の時間で実行し、残りの時間で、往路動を実行してもよい。つまり、ガルバノミラーの往路動が、1ミリ秒から4ミリ秒程度の範囲で実行することで、ガルバノミラーを一定の振り角で繰り返し往復させる場合において、各回の走査の開始タイミングにおける時間差を5ミリ秒以下とすることができる。また、Aスキャンデータの取得周期を、300kHzと仮定した場合において、ガルバノミラーによる1回の往路動ごとに、およそ、300ポイントから1200ポイントのAスキャンデータが取得され得る。
また、この他、各回の走査の開始タイミングにおける時間差を、5ミリ秒以下とすることについては、以下のような技術的な意義がある。
例えば、血管が良好に造影されたOCTアンジオグラフィーが取得されやすくなる。例えば、下記の非特許文献1には、眼底のOCTアンジオグラフィーにおいて、タイムインターバルは、1ミリ秒から5ミリ秒の範囲で設定されることが好ましい(更に好ましくは、2.5ミリ秒から5ミリ秒の範囲)との結果が示されている。ここで、ガルバノミラーを主走査用の光スキャナとして使用した場合、少なくともガルバノミラーの1往復に2ミリ秒を必要とするので、本実施例では、タイムインターバル(走査の開始タイミングにおける時間差)を、2ミリ秒から5ミリ秒の範囲で実現され得る。
なお、非特許文献1では、backstitched B-scansと呼ばれる手法で、1ミリ秒等のごく短いタイムインターバルが実現されている。backstitched B-scansでは、1つのスキャンライン上で測定光を走査する場合に、2つ進み1つ戻る要領で、複数回にわたってガルバノミラーを小刻みに切り戻し、走査を行う手法である。しかしながら、この手法は、ガルバノミラーが小刻みに切り戻される度に、タイムインターバルを要するので、1つのスキャンラインあたりの走査に、時間がかかりやすい。これに対し、本実施例では、300kHz以上でAスキャンデータが取得されることにより、往路動の途中でガルバノミラーの向きを切り戻さなくても、1スキャンラインあたり数百以上のポイントのOCTデータを、上記のタイムインターバルで取得できる。つまり、1つのスキャンラインに対して測定光の照射位置を一様に移動させる走査が、最低2回行われることにより、そのスキャンラインに対するOCTアンジオグラフィーを得ることができる。
つまり、非特許文献と比較して、ガルバノミラーをより簡単に制御ながら、より高速に、OCTアンジオグラフィーを得るための走査が実現される。
非特許文献1:“Angiography of the retina and the choroid with phase-resolved OCT using interval-optimized backstitched B-scans” Boy Braaf, Koenraad A. Vermeer, Kari V. Vienola, and Johannes F. de Boer;Optics Express Vol. 20, Issue 18, pp. 20516-20534 (2012)
また、例えば、各回のスキャンにおける眼の動きの影響が抑制される。固視微動等の眼の動きは、周期の短い成分ほど、振幅(眼の動きの量)が小さくなる傾向がある。例えば、下記の非特許文献2によると、10Hz以上の領域において、振幅は、0.5arcmin(眼底2.5マイクロメートル以下)まで低減する。1つのスキャンラインに対する1回の走査が、ガルバノミラーの往路動に基づいて1ミリ秒から4ミリ秒程度の時間で実行されるので、目標とするスキャンライン上で、測定光が精度よく走査されやすい。
非特許文献2: ”Real-time eye motion compensation for OCT imaging with tracking SLO”,Kari V. Vienola, Boy Braaf, Christy K. Sheehy, Qiang Yang, Pavan Tiruveedhula, David W. Arathorn, Johannes F. de Boer, and Austin Roorda; Biomedical Optics Express,Vol. 3,issue11,pp. 2950-2963,(2012),
また、刺激に対する応答や、拍動による組織変化を見るうえでも、各回の走査の開始タイミングにおける時間差が短いことが望ましいと考えられる。例えば、OCE(Optical Coherence Elastography)が知られており、エア・パフによる刺激に基づく組織の変形を観察する検査がある。例えば、前眼部の場合、変形は数ミリ秒の内に起こり、弾性波は広範囲に広がってしまう。例えば、撮影装置1が、前眼部OCTとして適用される場合において、各回の走査に要する時間が、1ミリ秒から3ミリ秒程度の範囲に設定されていれば、変形を観察するうえで、十分なスキャン範囲で、且つ、時間間隔で、前眼部のOCTデータを得ることができると考えられる。
また、例えば、ラスタースキャンが行われ、その結果として3次元OCTデータが生成・取得される場合、1秒程度、或いは、それ未満のラスタースキャンによって、xy方向の一方の辺について256ポイント以上、他方の辺について512ポイント以上、の矩形領域におけるAスキャンデータを、1秒程度、又は、それ未満の時間でのラスタースキャンに基づいて取得できる。
なお、主走査用の光スキャナとしてレゾナントスキャナを適用した上記の実施例の説明では、高速なAスキャンが、時系列の3次元OCTデータを連続的に取得するために利用される場合を説明したが、必ずしも、連続的に取得される必要はない。例えば、短時間で3次元OCTデータの取得動作を完了させるために、高速なAスキャンが利用されてもよい。この場合、所定のトリガ信号が、制御部70に対して入力されたことを契機として、3次元OCTデータの取得動作が開始されてもよい。なお、トリガ信号は、検者によるレリーズ操作に基づいて、入力されてもよい。
ところで、 ヒトの瞬きの頻度は、個人差が大きいが、20〜30回程度を中心として分布している(例えば、下記の非特許文献3等を参照されたい)。この実施例では、1辺につき数百ポイント以上のポイント数の範囲を、瞬きの時間間隔に対し十分短い時間で測定光を走査することができる。結果、被検者における開瞼等の負担が、良好に抑制されるものと考えられる。
非特許文献3:「瞬目回数に関する研究-(其の1)正常成人の瞬目回数に就て」;南 熊太,山城 主計,南 ミツ,発行日 1957/7/15;臨床眼科 11巻 7号
例えば、制御部70は、1回の往路動の時間が3ミリ秒以下となるように、ガルバノミラーの駆動制御を行ってもよい。例えば、300キロヘルツ以上の周期で、Aスキャンデータを取得する場合において、1回あたりの往路動の時間が3ミリ秒以下に設定されていることにより、1秒あたり、300本以上のスキャンラインに対し、測定光が走査される。このとき、ガルバノミラーにおける1回の往路動が、2ミリ秒以上3ミリ秒以下の範囲で行われるように、ガルバノミラーの駆動制御が行われることが好ましい。この場合、各Aスキャンを、所期する位置に良好な精度で行うことが可能となる。
また、制御部70は、Aスキャンデータを、例えば、350キロヘルツ以上500キロヘルツ以下の範囲で取得してもよい。この場合において、ガルバノミラーにおける往路動の速度を、1回あたりの往路動により1024ポイント以上のAスキャンデータが取得できる範囲で制御してもよい。一例として、Aスキャンデータの取得周期が400キロヘルツ程度である場合、主走査方向が1024ポイント程度、副走査方向が512ポイント程度、を少なくとも持つ次元OCTデータが、1周期当たり2秒以下のラスタースキャンによって取得できるようになる。
<主走査用の光スキャナとして2つのガルバノミラーを適用した例>
主走査用の光スキャナとしてガルバノミラーが複数個設けられている場合、主走査に用いられる各々のガルバノミラーの偏向方向は、互いに共通してもよい。また、各々のガルバノミラーは、分岐の無い光路上に配置されてもよいし(直列配置)、分岐した複数の光路上にそれぞれ配置されていてもよい(並列配置)。また、主走査用の光スキャナとして、3つ以上のガルバノミラーが適用される場合、直列配置と並列配置とを組み合わせたものであってもよい。
なお、主走査用の光スキャナとしてガルバノミラーが複数個設けられている場合において、各々のガルバノミラーにおける1回の往路動に要する時間は、上記<主走査用の光スキャナとして1つのガルバノミラーを適用した例>において示した範囲であってもよい。
ここで、図8,図10,図11に、主走査用の光スキャナに対し、並列配置または直列配置された2つのガルバノミラーが適用された場合の具体例を示す。図8,図10,図11は、図1に示した実施例に対する変容例を、それぞれ示している。なお、図8,図10,図11には、図1の実施例に対する主な相違点であるOCT光学系100の一部分が抜粋されている。つまり、ファイバ132から被検眼Eの間に相当する箇所が、図1と、図8,図10,図11と、の間では異なっている。なお、変容例の説明において、図1の実施例と共通する構成については、図1と同じ符号を用い、詳細な説明を省略する。
<主走査用光スキャナの具体的な変容例(並列配置)>
まず、図8に示した変容例について説明する。図8の変容例において、OCT光学系100は、2軸による光走査を、光スキャナ208によって行う。また、変容例におけるOCT光学系100には、光スイッチ210(「光選択部」の一例)が設けられている。図8において、光スイッチ210は、ファイバ132の出射端から光スキャナ208の間に配置されている。また、光スキャナ208を経た測定光は、図1の実施例と同様、対物光学系106を経由して、被検眼Eへ照射される。
光スキャナ208は、2つのガルバノミラー208a1,208a2を、主走査用の光スキャナとして有する。また、副走査のために、光スキャナ208には、光スキャナ208bが設けられている。図8において、ガルバノミラー208a1,208a2は、副走査用の光スキャナ208bよりも、被検眼E側に配置されている。また、副走査用の光スキャナ208bと、ガルバノミラー208a1,208a2と、の間には、光スキャナ208bから各ガルバノミラー208a1,208a2へ導かれる測定光の向きを偏向するためのレンズ208cが設けられていてもよい。なお、以下の説明において、説明の便宜上、特に断りが無い限り、2つのガルバノミラー208a1,208a2における被検眼上の走査位置、および、走査範囲は、互いに一致しているものとする。また、OCT光学系100は、各ガルバノミラー208a1,208a2を経由した測定光に基づくAスキャンデータにおいて、互いに同一の深度帯の情報が示されるように、各ガルバノミラー208a1,208a2と対応する参照光路を有する。この場合において、参照光路は、それぞれのガルバノミラー208a1,208a2に対して個別に設けられる必要はなく、共用されてもよい。この場合、参照光とそれぞれのガルバノミラー208a1,208a2を経由した測定光との光路長差が、2つの測定光において互いに一致するように、測定光路が形成される。
光スイッチ210は、「光選択部」の一例として、測定光を、主走査用の2つのガルバノミラー208a1,208a2の1つに、選択的に導くために利用される。即ち、ビームステアリング210は、測定光を、2つのガルバノミラー208a1,208a2のうち、一方に選択的に導く状態と、他方に選択的に導く状態と、に切換わる。なお、図8に例示した光スイッチ210は、スイッチ本体を通過(透過または反射)する光の向きを切換え、これにより、測定光が導かれる光スキャナを、2つのガルバノミラー208a1,208a2の間で切換える。
このような光スイッチの一例として、LCOS型の空間光変調器(SLM)等の非機械的なビームステアリングが挙げられる。例えば、LCOS型のSLMには、数十マイクロ秒のオーダーで、液晶分子の向きを切換可能なデバイスがあることが知られている。つまり、ガルバノミラー208a1,208a2による測定光の走査に要する時間に対し、十分短い時間で、ビームステアリングの状態が切り替えられる。
このようなビームステアリングの他、光スイッチは、いわゆる電子型のもの、機械型のもの、等が適宜適用可能である。
ここで、図9のタイミングチャートを参照して、2つのガルバノミラー208a1,208a2、および、光選択部(光スイッチ210)の詳細な動作を説明する。
図9において、ガルバノミラー208a1,208a2に関するグラフでは、旋回量が増大している期間が、往路動の期間を示し、旋回量が減少している期間が、復路動の期間を示している。
図9において、光スイッチ210の状態を、[A]と [B]との2つによって示す。[A]は、ガルバノミラー208a1,208a2のうち、ガルバノミラー208a1へ測定光を導く状態であり、[B]は、ガルバノミラー208a2へ測定光を導く状態である。2つのガルバノミラー208a1,208a2の往復動作と同期して、光スイッチ210の状態が、逐次、切換えられる。つまり、2つのガルバノミラー208a1,208a2は、各々の往路動の期間に測定光が導かれるように、光スイッチ210の状態が制御される。
図9に示すように、主走査用として設けられた2つのガルバノミラー208a1,208a2における往復動作は、互いに異なるタイミングで行われる。即ち、2つのガルバノミラー208a1,208a2は、交互に往路動を行い、各往路動において、測定光が走査される。このとき、図9に示したタイミングチャートでは、2つのガルバノミラー208a1,208a2のうち1つが、択一的に往路動を行い、測定光を走査する。また、2つのガルバノミラー208a1,208a2のうち、一方の復路動の間に、他方の往路動が開始される。このとき、例えば、一方の往路動が完了し、更に、光スイッチ210において、状態の切換動作が行われてから、他方の往路動作が開始される。但し、図9においては、光スイッチ210の状態の切換の所要時間を、図示の便宜上、大きく示しているが、前述したように、往路動および復路動に対して十分に短い時間で光スイッチ210の状態を切換可能である。このため、光スイッチ210の状態の切換の所要時間を考慮することなく、単に、2つのガルバノミラー208a1,208a2のうち一方の往路動の完了タイミングをトリガとして、他方の往路動を開始させてもよい。また、2つのガルバノミラー208a1,208a2のうち、一方による復路動が、他方の復路動の間に行われればよく、この場合、必ずしも他方の往路動の完了タイミングで、一方の往路動が開始される必要はない。例えば、光スイッチ210の切換前に、往路動を開始させておくことで、測定光の走査速度を安定させてもよい。
このような動作の結果として、2つのガルバノミラー208a1,208a2のうち一方の復路動の期間に、他方の往路動により測定光を走査できる。これにより、3次元OCTデータ、或いは、OCTアンジオグラフィーの取得動作に要する時間を抑制できる。
例えば、Aスキャンデータの取得周期が400キロヘルツ程度である場合、各ガルバノミラー208a1,208a2における往路動が、2.5ミリ秒程度で行われることにより、主走査方向の辺が1000ポイント程度となる3次元OCTデータが得られる。また、1周期あたり1秒程度(四捨五入にて1秒)のラスタースキャンによって、主走査方向の辺が1024ポイント、と副走査方向の辺が512ポイントとなり、高速に処理しやすい3次元OCTデータを取得できるようになる。
次に、図10の変容例を説明する。図10の変容例では、図8における光スイッチ210が別のデバイスに置き換えられている。また、ファイバビームスプリッタ220を介して、ファイバ132が、ファイバ221とファイバ222とに分岐している。これにより、ファイバ221,222の各々の出射端から、測定光が同時に照射される。
ファイバ221から出射される測定光は、ガルバノミラー208a1へ導かれ、ファイバ222から出射される測定光は、ガルバノミラー208a2へ導かれる。各々のファイバ221,222からの測定光の射線上には、シャッター230a,230bが配置されている。本変容例では、シャッター230a,230bが、光切換部として利用される。2つのシャッター230a,230bにおける開閉が、シャッター230aとシャッター230bとの間で、互い違い行われるように、制御される。より詳細には、2つのガルバノミラー208a1,208a2は、各々の往路動の期間に測定光が導かれるように、2つのシャッター230a,230bの状態が制御される。
シャッター230a,230bとしては、例えば、カーセルシャッター(Kerr Cell Shutter )が適用されてもよい。この場合、カー効果を利用して、ナノ秒レベルで高速に開閉動作が可能である。また、これに限らず、種々の光シャッターを、シャッター230a,230bとして適用可能である。また、シャッターに代えて、例えば、各ファイバ221,222からの測定光の射線上に、回転スリットが、光切換部として設けられていてもよい。各ファイバ221,222からの測定光のうち、一方が回転スリットのスリットを通過し、他方が回転スリットに形成される遮光部によって遮光される。回転スリットがモータ等で回転されることによって、被検眼へ照射される測定光が切換わる。
<主走査用光スキャナの具体的な変容例(直列配置)>
次に、図11の変容例について説明する。図11の変容例において、OCT光学系100は、2軸による光走査を、光スキャナ308によって行う。光スキャナ308は、2つのガルバノミラー308a1,308a2を、主走査用の光スキャナとして有する。また、副走査のために、光スキャナ308には、光スキャナ308bが設けられている。図11において、ガルバノミラー308a1,308a2は、副走査用の光スキャナ308bよりも、被検眼E側に配置されている。
主走査用の光スキャナとして設けられた2つのガルバノミラー308a1,308a2は、一方によって走査された測定光が他方によって更に走査されるように、直列的に配置されている。これにより、2つのガルバノミラー308a1,308a2のうち、1つのみが駆動する場合に対して、測定光の振り角を増大させ得る。
すなわち、2つのガルバノミラー308a1,308a2は、往路動および復路動が、同期して制御される。また、往路動および復路動における旋回の向きについても、互いに一致される。その結果、ガルバノミラー308a1で測定された測定光が、ガルバノミラー308a2によって更に走査され、主走査方向に関する走査速度が、2つのガルバノミラー308a1,308a2の一方のみが駆動した場合に対して増幅される。
2つのガルバノミラー308a1,308a2のうち、より被検眼Eの近くに配置されるガルバノミラー308a2は、ガルバノミラー308a1に対して、ミラーのサイズが大きくてもよい。ガルバノミラー308a1によって測定光が走査されることにより、ガルバノミラー308a2の位置では、ガルバノミラー308a1の位置に対して測定光の通過範囲が広くなると考えられるが、その場合でも、ガルバノミラー308a2が測定光を確実に反射しやすくなる。
また、制御部70は、2つのガルバノミラー308a1,308a2における旋回速度を、必ずしも互いに一致させて駆動させる必要はない。例えば、2つのガルバノミラー308a1,308a2のうち、より被検眼の近くに配置される一方を、他方に対して速い旋回速度で駆動させてもよい。上記のように、2つのガルバノミラー308a1,308a2のうち、より被検眼の近くに配置される一方のサイズが、他方に対して大きい場合が考えられる。ミラーのサイズが小さいほど、高速に動作できるので、2つのガルバノミラー308a1,308a2のうち、より被検眼の近くに配置される一方を、他方に対して速い旋回速度で駆動させることで、2つのガルバノミラー308a1,308a2における走査速度を、高速化できると考えられる。
以上、実施形態に基づいて説明を行ったが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記に説明した各種処理の結果として、必要とされる動画像の滑らかさ、測定精度、解析精度等との関係で、フレームレート、画像の解像度(換言すれば、各方向のポイント数)、または、その両方について、上記例示した値に対して高い値が必要とされる、或いは、低い値でも満足することが想定される。このため、上記例示した値は、必要とされる測定精度、解析精度との関係で適宜変更されてもよい。例えば、一定の効果が得られる範囲で、Aスキャンデータの取得周期が,300キロヘルツ未満の装置に対し、本開示の技術は適用されてもよい。
なお、上記実施形態では、専ら、被検眼の眼底に関する3次元OCTデータが処理される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。本開示の技術は、被検眼の一部または全体に関する3次元OCTデータを取得する装置に対して適用さればよく、例えば、前眼部に関する3次元OCTデータを取得するOCTデバイスに対して本開示の技術は適用されてもよいし、前眼部から眼底までの各位置に関する3次元OCTデータを取得するOCTデバイスに対して本開示の技術は適用されてもよい。
また、図8,図9に示した変形例の説明では、各ガルバノミラー208a1,208a2を経由した測定光に基づくAスキャンデータにおいて、互いに同一の深度帯の情報が示されるものとして説明したが、互いに異なる深度帯の情報が示されてもよい。この場合、参照光とガルバノミラー208a1を経由した測定光(以下、第1測定光と称す)との間における光路長差と、参照光とガルバノミラー208a2を経由した測定光(以下、第2測定光と称す)との間における光路長差と、に深度帯の違いに応じた違いがあればよい。つまり、各ガルバノミラー208a1,208a2と対応して、光路長が互いに異なる参照光路が設けられていてもよいし、測定光路の光路長がガルバノミラー208a1を経由する場合と、ガルバノミラー208a2を経由する場合とにおいて、互いに異なっていてもよい。
また、各ガルバノミラー208a1,208a2を経由したそれぞれの測定光の間で、合焦位置が異なっていてもよい。例えば、2つのガルバノミラー208a1,208a2のうち、一方を経由した測定光は網膜表面(第1の合焦位置の一例)に合焦され、他方を経由した測定光はより脈絡膜側の位置(第2の合焦位置の一例)に合焦されてもよい。このような構成により、網膜における観察範囲全体を高感度で観察できる。
また、例えば、ラスタースキャンにおける測定光の走査速度、および、測定光が走査される領域のサイズ、のうち、少なくとも一方は、制御部70によって、ラスタースキャン毎に変更可能であってもよい。
測定光の走査速度が速くなるほど、また、被検眼上で測定光が走査される領域が大きくなるほど、光安全性を満たしつつ、被検眼に照射できる測定光の光量を増加できる。そこで、例えば、制御部70は、測定光の走査速度、および、測定光が走査される領域のサイズのうち、少なくとも一方、を変更した場合に、走査速度の変化量に応じて、測定光の光量を変更してもよい。この場合、制御部70は、光源からの出力を制御することで、光量調整を行ってもよい。また、制御部70は、測定光の投光光路上に設けられた部材を制御することによって、被検眼へ照射される測定光の光量を調整してもよい。例えば、ファイバアッテネータ(減衰器)を設け、ファイバアッテネータにおける減衰量を制御してもよい。また、光路上に挿脱可能なアパーチャまたはフィルタ、或いは、開口径を変更可能なアパーチャ等を設け、アパーチャまたはフィルタによる遮光量を、切換えてもよい。
また、ガルバノミラー208a1を経由した測定光(「第1測定光」と称す)における走査範囲(以下、「第1走査範囲」と称す)と、ガルバノミラー208a2を経由した測定光(「第2測定光」と称す)における走査範囲(以下、「第2走査範囲」と称す)とは、互いに異なっていてもよい。
第1走査範囲は、第2走査範囲に対し、走査範囲が少なくとも主走査方向に関して狭く、且つ、第1走査範囲におけるAスキャンデータの取得位置間隔が、第2走査範囲に対して密になるように、ガルバノミラー208a1,208a2における振り角、および、駆動速度が、制御部70によって制御されてもよい。例えば、ガルバノミラー208a1を、ガルバノミラー208a2に対して小さな振り角で、低い角速度で旋回させることで、上記の走査状態が実現されてもよい。
第1走査範囲と第2走査範囲とが互いに異なる場合において、例えば、第1走査範囲は、篩状板を含む範囲(例えば、視神経乳頭部)であって、第2走査範囲は、第1走査範囲を含む範囲となるように、第1走査範囲、および、第2走査範囲が、それぞれ制御部70によって設定されてもよい。これにより、詳細な篩状板の厚み情報と、篩状板の周囲における眼底の層厚情報と、が速やかに得られる。つまり、緑内障診断において有用な情報を良好に得ることができる。
また、第1走査範囲と第2走査範囲とが互いに異なる場合において、第1測定光と第2測定光とは、光量が互いに異なっていてもよい。例えば、第2測定光に対し、第1測定光の光量を少なくしてもよい。これにより、光安全性を満足しつつ、第1測定光に基づくOCTデータのS/N比を高めることができる。
また、ガルバノミラー208a1を経由する測定光(第1測定光)と、ガルバノミラー208a2を経由する測定光(第2測定光)と、の偏光が互いに異なっていてもよい。直交する偏光成分を有していてもよい。そして、制御部70は、第1測定光に基づく検出器からの受光信号、および、第2測定光に基づく検出器からの受光信号を処理して、偏光OCTデータを取得してもよい。なお、偏光OCTデータから、偏光一様性(DOPU)断層像、複屈折(RetardationまたはBirefringence)断層像、偏光軸回転(Axis-Orientation)断層像といった各種情報を得る手法については、種々の手法が知られており、これが適用されてもよい。例えば、特開2013−148482号公報等を参照されたい。
上記実施形態では、OCT1がFD−OCTの一種であるSS−OCTであるものとして説明を行った。しかし、OCT1は、他のFD−OCTに対して適用されてもよい。例えば、OCT1は、SD−OCT(Spectral domain OCT)であってもよい。OCT1がSD−OCTである場合、OCT1は、光源として、低コヒーレント長の光束を出射する光源を持ち、検出器として、参照光と被検眼からの測定光の戻り光との干渉信号を波長成分毎に検出する分光検出器を持つ。そして、分光検出器で得られた各波長での干渉信号に基づいて被検眼のOCTデータが得られる。また、本開示の技術は、FD−OCT(SS−OCT,SD−OCT等)以外のOCTデバイスに適用されてもよい。
1 光干渉断層計
70 制御部
75 モニタ
100 干渉光学系
102 光源
108,208 走査部
120 検出器
E 被検眼

Claims (1)

  1. 光源からの測定光を被検眼の組織へ照射し、参照光と前記組織で反射された前記測定光との干渉を検出器で検出するOCT光学系と、
    往路動と復路動とからなる往復駆動を行い被検眼上で前記測定光を所定の主走査方向へ走査する、第1ガルバノミラーおよび第2ガルバノミラーとを、主走査用光スキャナとして有し、更に、前記主走査用光スキャナとは走査方向が異なる副走査用光スキャナを有し、前記主走査用光スキャナと前記副走査用光スキャナとの動作に基づいて前記測定光を前記被検眼上で2次元的にスキャンするための走査部と、
    前記検出器から出力される信号に基づくAスキャンデータを、少なくとも300キロヘルツ以上の周期で取得する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記第1ガルバノミラーと前記第2ガルバノミラーとを組み合わせて駆動させることにより、前記第1ガルバノミラーを介した測定光である第1測定光と、前記第2ガルバノミラーを介した測定光である第2測定光と、を被検眼上で互いに独立に主走査方向へ走査すると共に、
    前記第1ガルバノミラーと前記第2ガルバノミラーとを一定の振り角で繰り返し往復させることにより主走査方向に関して測定光の走査を連続的に2回以上実行させ、且つ、各回の走査の開始タイミングにおける時間差が5ミリ秒以下の値となるように、前記第1ガルバノミラーと前記第2ガルバノミラーとを制御する、光干渉断層計。
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