JP6845153B2 - 出力音生成装置、出力音生成方法、及びプログラム - Google Patents

出力音生成装置、出力音生成方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本出願は、2015年11月19日に出願された特願2015−227048に対して優先権の利益を主張するものであり、それを参照することにより、その内容の全てを本願に含める。
以下の開示は、出力音を生成する装置、方法、及びプログラムに関する。
近年、睡眠の改善やリラクゼーション効果を付与するための研究が行われている。人を睡眠に導いたり、リラックス状態に導く方法として、バイノーラルビートとして知られている、周波数の異なる2つの音を左右の耳のそれぞれに与えることによって、脳波の周波数を2つの音の周波数差に誘導する技術が知られている(特許第2750502号公報参照)。
しかしながら、バイノーラルビートは、単体で聞くと「ピー」という耳障りな音として聞こえる場合がある。また、機械等の動作音は、その音だけではノイズとして聞こえやすいが、このような動作音と協和するような音であれば不快感を和らげることができる。
本発明は、耳障りな音として聞こえにくく、不快感を軽減しうる出力音を生成する技術を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態における出力音生成装置は、身体を制御するための出力音を生成する出力音生成装置であって、前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得する取得部と、前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成する変調音生成部と、を備える。
本実施形態の開示によれば、耳障りな音として聞こえにくく、不快感を軽減しうる出力音を生成することができる。
図1は、第1の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図2は、脳波の種類と周波数、及び特徴についてまとめた図である。 図3は、2つの出力部のうちの一方から、加算部によって生成された2つの出力音のうちの一方を出力し、2つの出力部のうちの他方から、加算部によって生成された2つの出力音のうちの他方を出力する構成を示すブロック図である。 図4は、音と、その音の周波数、及び、その音と半音下の音との周波数差を示す図である。 図5は、キーがCメジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図6は、キーがC#メジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図7は、キーがDメジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図8は、キーがD#メジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図9は、キーがEメジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図10は、キーがFメジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図11は、キーがF#メジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図12は、キーがGメジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図13は、キーがG#メジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図14は、キーがAメジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図15は、キーがA#メジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図16は、キーがBメジャーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図17は、キーがCマイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図18は、キーがC#マイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図19は、キーがDマイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図20は、キーがD#マイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図21は、キーがEマイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図22は、キーがFマイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図23は、キーがF#マイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図24は、キーがGマイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図25は、キーがG#マイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図26は、キーがAマイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図27は、キーがA#マイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図28は、キーがBマイナーの場合に、加算音として使用できる音、及びその音についての周波数差の上限値を示す図である。 図29は、正弦波を示す図である。 図30は、第4の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図31は、第7の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図32は、第8の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図33は、第9の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図34は、第10の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図35は、第11の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図36Aは、第11の実施形態の例4におけるベース音の周波数と振幅を例示した模式図である。 図36Bは、図36Aに例示するベース音の振幅の揺らぎを相殺する変調音を例示した模式図である。 図36Cは、図36Bに例示するベース音と変調音とを重ねたときの振幅を例示した模式図である。 図37は、第11の実施形態の例5における変調音の周波数スペクトルを例示した図である。 図38Aは、第11の実施形態の例6におけるベース音の周波数スペクトルを例示した図である。 図38Bは、第11の実施形態の例6における変調音の周波数スペクトルを例示した図である。 図39は、第14の実施形態の例1における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図40は、第14の実施形態の例2における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図41は、第14の実施形態の例4における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図42Aは、第15の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図42Bは、第15の実施形態の応用例1における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図42Cは、第15の実施形態の応用例2における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。 図43は、第17の実施形態におけるベース音の周波数スペクトルを例示した図である。 図44は、第17の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態における出力音生成装置は、身体を制御するための出力音を生成する出力音生成装置であって、前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得する取得部と、前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成する変調音生成部と、を備える(第1の構成)。
第1の構成によれば、ベース音から変調対象となる音を示す音情報を取得し、音情報が示す音を基に変調音が生成される。変調音は、音情報で示される音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた音、又は、音情報で示される音を周期的に連続させた音である。そのため、ベース音だけではノイズとして聞こえるような音であっても、変調音によって耳障りな音となりにくく、不快感を軽減することができる。
第1の構成において、前記ベース音は音楽であり、前記取得部は、前記音情報として、前記音楽のキーを取得し、前記変調音生成部は、取得された前記音楽のキーの第1音、第3音、及び第5音のうちのいずれかの音を抽出し、抽出した音に基づいて前記変調音を生成することとしてもよい(第2の構成)。
第2の構成によれば、ベース音の音楽のキーの第1音、第3音、及び第5音のうちのいずれかの音を抽出して変調音を生成する。変調音はベース音の音楽に対して不自然な音となりにくい音に基づいて生成されているため、耳障りな音として聞こえにくい。
第2の構成において、前記変調音生成部は、前記抽出した音に前記所定の周波数で振幅変調を行った音を前記変調音として生成することとしてもよい(第3の構成)。
第3の構成によれば、脳波を所定の周波数に誘導することができる。また、出力音はバイノーラルビートでないため、ステレオで聴く必要がない。
第2の構成において、前記変調音生成部は、前記抽出した音に前記所定の周波数で周波数変調を行った音を前記変調音として生成することとしてもよい(第4の構成)。
第4の構成によれば、脳波を所定の周波数に誘導することができる。また、出力音はバイノーラルビートでないため、ステレオで聴く必要がない。
第2の構成において、前記変調音生成部は、前記抽出した音と同じ音程の音が所定周期で連続する音を前記変調音として生成することとしてもよい(第5の構成)。
第5の構成によれば、脳波を所定の周波数に誘導することができる。また、出力音はバイノーラルビートでないため、ステレオで聴く必要がない。
第2の構成において、前記変調音生成部は、前記抽出した音に基づいて、周波数差が所定の周波数である2つの音を前記変調音として生成することとしてもよい(第6の構成)。
第6の構成によれば、抽出した音に基づいて、周波数差が所定の周波数である2つの変調音を生成するため、耳障りな音として聞こえにくい出力音を生成することができる。
第3から第6のいずれかの構成において、前記変調音生成部は、取得された前記音楽のキーがメジャーキーの場合、前記変調音を生成するために、前記取得部によって取得されたキーの第1音、第3音、及び第5音に加えて、第2音及び第6音の中から1つの音を抽出することとしてもよい(第7の構成)。
第7の構成によれば、変調音を生成するための音として、ベース音楽のキーがメジャーキーの場合には、キーの第1音、第3音、及び第5音に加えて、第2音及び第6音の中から1つの音を抽出するので、より広い候補の中から1つの音を抽出することができる。
第3から第6のいずれかの構成において、前記変調音生成部は、取得された前記音楽のキーがマイナーキーの場合、前記変調音を生成するために、前記取得部によって取得されたキーの第1音、第3音、及び第5音に加えて、第4音及び第7音の中から1つの音を抽出することとしてもよい(第8の構成)。
第8の構成によれば、変調音を生成するための音として、ベース音楽のキーがマイナーキーの場合には、キーの第1音、第3音、及び第5音に加えて、第4音及び第7音の中から1つの音を抽出するので、より広い候補の中から1つの音を抽出することができる。
第6から第8のいずれかの構成において、前記変調音生成部は、前記変調音を生成するために抽出する音として、その音の周波数と、その音より半音下の音の周波数との差の半分の周波数が前記所定の周波数より大きい音を抽出することとしてもよい(第9の構成)。
第9の構成によれば、同じ音程として聞こえる2つの音を変調音として用いることができるので、違和感の無い音を出力することができる。また、変調音として同じ音程として聞こえる2つの音を用いることにより、2つの加算音をバイノーラルビートとして出力することができる。
第6から第9のいずれかの構成において、前記2つの変調音それぞれに、前記ベース音を加算することによって2つの出力音を生成する加算部と、左右の耳に対応して2つのスピーカを有し、前記出力音を出力する出力部と、をさらに備え、前記2つのスピーカのうちの一方のスピーカは、前記加算部によって生成された2つの出力音のうちの一方の出力音を出力し、他方のスピーカは、前記加算部によって生成された2つの出力音のうちの他方の出力音を出力することとしてもよい(第10の構成)。
第10の構成によれば、周波数差が所定の周波数である2つの変調音のそれぞれにベース音を加算して2つの出力音を生成し、2つのスピーカから2つの出力音を出力する。つまり、いわゆるバイノーラルビートを出力することによって、脳波を所定の周波数に誘導することができ、これにより、身体を制御することができる。
第6から第9のいずれかの構成において、前記2つの変調音を加算することによって出力音を生成する加算部と、前記出力音を出力するスピーカと、前記ベース音を出力するスピーカとを有する出力部と、をさらに備えることとしてもよい(第11の構成)。
第11の構成によれば、2つの変調音を加算した出力音とベース音とを別々に出力するため、ユーザには、出力後にベース音と変調音とが合成された音が聞こえる。そのため、ユーザが各スピーカの位置や角度を微調整することにより、出力される合成音を調整することができる。
第3から第9のいずれかの構成において、前記2つの変調音と前記ベース音のそれぞれを出力す3つの出力部をさらに備えることとしてもよい(第12の構成)。
第12の構成によれば、変調音とベース音とを加算したり、2つの変調音を加算したりする加算部を必要としない。そのため、加算部が設けられる場合と比べて出力音生成装置を簡易な構成で実現できる。また、2つの変調音とベース音とが別々に出力されるため、出力後にベース音と2つの変調音とが合成された音が聞こえる。そのため、ユーザが各出力部の位置や角度を微調整することにより、出力される合成音を調整することができる。
第3から第9のいずれかの構成において、前記2つの変調音の一方と前記ベース音とを加算する加算部と、前記出力音を出力する出力部とをさらに備え、前記出力部は、前記出力音として、前記加算部の加算によって得られる音と、前記2つの変調音の他方の変調音とをそれぞれ出力するスピーカを備えることとしてもよい(第13の構成)。
第13の構成によれば、2つの変調音の一方の変調音とベース音とを加算した音と、もう一方の変調音とを別々のスピーカから出力する。そのため、出力後にベース音と一方の変調音とを加算した音と、もう一方の変調音とが合成された音が聞こえる。そのため、ユーザが各スピーカの位置や角度を微調整することにより、出力される合成音を調整することができる。
第2から第13のいずれかの構成において、前記ベース音を集音する集音部をさらに備え、前記取得部は、前記集音部で集音された前記ベース音のキーを取得することとしてもよい(第14の構成)。
第14の構成によれば、ユーザの周囲に流れている音楽に適した変調音を生成することができる。
第1の構成において、前記取得部は、前記音情報として、前記ベース音の周波数スペクトルに基づいて前記ベース音の基準となる基準音程を取得し、前記変調音は、前記基準音程と所定の音程差を有する音であることとしてもよい(第15の構成)。
第15の構成によれば、変調音はベース音の基準となる音程と所定の音程差を有するため、ベース音と調和し、耳障りな音となりにくい。また、バイノーラルビートのようにステレオで聴く必要がない。
第15の構成において、前記変調音生成部は、前記ベース音と前記変調音とを重ねたときにモノラルビートが形成されるように、前記基準音程に対応する周波数に対して前記所定の周波数だけずれた音を前記変調音として生成することとしてもよい(第16の構成)。
第16の構成によれば、ベース音と変調音とによってモノラルビートが形成されるため、脳波を所定の周波数に誘導することができる。
第15の構成において、前記所定の音程差は、短3度、長3度、4度、5度、短6度、及び長6度のいずれかであることとしてもよい(第17の構成)。
第17の構成によれば、ベース音と協和する変調音を生成することができるため、ユーザに不快感を与えることなく、ユーザの脳波を所定の周波数に誘導することができる。
第15の構成において、前記所定の音程差は、前記基準音程の音と和音を構成する音程差であり、前記変調音生成部は、前記基準音程の音と前記和音を構成する少なくとも2つの変調音を生成することとしてもよい(第18の構成)。
第18の構成によれば、ベース音と和音を形成する2つの変調音を生成するため、ユーザに不快感を与えることなく、ユーザの脳波を所定の周波数に誘導することができる。
第15の構成において、前記変調音生成部は、前記ベース音と同じ音色を有し、前記基準音程の音に対し所定の周波数で変調を行った音を前記変調音として生成することとしてもよい(第19の構成)。
第19の構成によれば、変調音はベース音と同じ音色であり、ベース音と音量が異なる。そのため、変調音は、ベース音に対して耳障りな音となりにくく、脳波を所定の周波数に誘導できる。
第15の構成において、前記変調音生成部は、前記基準音程と同じ周波数スペクトルを有し、前記ベース音と音高が異なる音を前記変調音として生成することとしてもよい(第20の構成)。
第20の構成によれば、変調音はベース音と同じ音色であり、ベース音と音高が異なる。そのため、変調音は、ベース音に対して違和感がなく調和された音となり、脳波を誘導しやすい。
第15の構成において、前記変調音生成部は、前記基準音程の音に対し所定の周波数で振幅変調を行った音を前記変調音として生成することとしてもよい(第21の構成)。
第21の構成によれば、脳波を所定の周波数に誘導することができる。また、出力音はバイノーラルビートでないため、ステレオで聴く必要がない。
第15の構成において、前記変調音生成部は、前記基準音程の音に対し所定の周波数で周波数変調を行った音を前記変調音として生成することとしてもよい(第22の構成)。
第22の構成によれば、脳波を所定の周波数に誘導することができる。また、出力音はバイノーラルビートでないため、ステレオで聴く必要がない。
第15の構成において、前記変調音生成部は、前記基準音程の音を所定周期で連続させた音を前記変調音として生成することとしてもよい(第23の構成)。
第23の構成によれば、脳波を所定の周波数に誘導することができる。また、出力音はバイノーラルビートでないため、ステレオで聴く必要がない。
第15から第23のいずれかの構成において、前記取得部は、前記ベース音の周波数スペクトルにおけるピーク周波数に基づく音程を前記基準音程として取得することとしてもよい(第24の構成)。
第24の構成によれば、ベース音のスペクトル構造のピーク周波数に応じた音程を基に変調音を生成するため、耳障りな音になりにくい。
第15から第24のいずれかの構成において、前記ベース音は環境音であり、前記環境音を集音する集音部をさらに備え、前記取得部は、前記集音部で集音された前記環境音の周波数スペクトルに基づいて前記基準音程を取得することとしてもよい(第25の構成)。
第25の構成によれば、ユーザの周囲に流れる環境音に適した変調音を生成することができる。
第11から第25のいずれかの構成において、前記変調音と前記ベース音とを加算して前記出力音を生成する加算部と、前記加算部で生成された前記出力音を出力する出力部と、をさらに備えることとしてもよい(第26の構成)。
第26の構成によれば、出力音は、ベース音の基準音程を基に生成された変調音とベース音とを加算した音であるため、耳障りな音となりにくい。
第11から第25のいずれかの構成において、前記ベース音を出力するスピーカと、前記変調音を出力するスピーカとを有する出力部をさらに備えることとしてもよい(第27の構成)。
第27の構成によれば、ベース音と変調音とが別々のスピーカで出力されるため、ユーザは、スピーカの位置や角度を変えることにより、ベース音と変調音とで形成されるビートの微調整を行うことができる。
第2の構成において、前記変調音生成部は、前記抽出した音と同じ2つの音に対し、それぞれ、前記所定の周波数で振幅変調を行うことにより、音像定位が異なる2つの前記変調音を生成することとしてもよい(第28の構成)。
第28の構成によれば、脳波を所定の周波数に誘導し、これにより、身体を制御することができる。
第15の構成において、前記変調音生成部は、前記基準音程の音と同じ2つの音に対し、それぞれ、所定の周波数で振幅変調を行うことにより、音像定位が異なる2つの前記変調音を生成することとしてもよい(第29の構成)。
第29の構成によれば、脳波を所定の周波数に誘導し、これにより、身体を制御することができる。
第28又は第29の構成において、左右の耳に対応して2つのスピーカを備える出力部をさらに備え、前記2つのスピーカのうちの一方のスピーカは、前記2つの変調音のうちの一方の変調音を出力し、他方のスピーカは、他方の変調音を出力することとしてもよい(第30の構成)。
第30の構成によれば、脳波を所定の周波数に誘導し、これにより、身体を制御することができる。
第1から第30のいずれかの構成において、前記変調音は、単一の周波数成分を有する音であることとしてもよい(第31の構成)。
第31の構成によれば、変調音に倍音成分が含まれていないので、脳波等を所定の周波数に効果的に誘導することができる。
第1から第31のいずれかの構成において、前記変調音生成部は、生成した前記変調音の音量、前記変調音を生成する際に用いる周波数、及び生成した前記変調音そのものの周波数の少なくとも一つを時間の経過に応じて変化させることとしてもよい(第32の構成)。
第32の構成によれば、時間経過に応じて変調音の音量、変調音を生成する際の周波数、及び生成した変調音そのものの周波数の少なくとも一つを変化させるため、例えば、ユーザの睡眠時間に応じて音量や周波数が異なる変調音を出力させることができる。その結果、ユーザの睡眠を妨げることなく、睡眠状態に応じた適切な変調音によってユーザの脳波を効果的に誘導することができる。
本発明の一実施形態における出力音生成方法は、身体を制御するための出力音を生成する出力音生成方法であって、前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得し、前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成する。
この方法によれば、ベース音から変調対象となる音を示す音情報を取得し、音情報が示す音を基に変調音が生成される。変調音は、音情報で示される音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた音、又は、音情報で示される音を周期的に連続させた音である。そのため、ベース音だけではノイズとして聞こえるような音であっても、変調音によって耳障りな音となりにくく、不快感を軽減することができる。
本発明の一実施形態におけるプログラムは、身体を制御するための出力音を生成する出力音生成装置のコンピュータに、前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得するステップと、前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成するステップと、を実行させる。
このプログラムによれば、ベース音から変調対象となる音を示す音情報を取得し、音情報が示す音を基に変調音が生成される。変調音は、音情報で示される音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた音、又は、音情報で示される音を周期的に連続させた音である。そのため、ベース音だけではノイズとして聞こえるような音であっても、変調音によって耳障りな音となりにくく、不快感を軽減することができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における出力音生成装置の概要構成を示すブロック図である。第1の実施形態における出力音生成装置は、キー取得部1と、加算音決定部2と、加算音生成部3と、音源4と、加算部5と、出力部6とを備える。この出力音生成装置は、ユーザを睡眠状態に導くための出力音、リラックスさせるための出力音、覚醒させるための出力音等、ユーザの身体を制御するための出力音を生成する。
音源4には、出力音のベースとなるベース音楽が格納されている。ベース音楽は任意の音とすることができる。ただし、ユーザの身体の制御目的に応じた音を用いることが好ましい。例えば、ユーザを睡眠に導く目的であれば、睡眠を誘うのに適したヒーリングミュージックを用いる。音源4に格納されるベース音楽は1種類に限定されることはなく、複数種類であっても良い。音源4に複数種類のベース音楽が格納されている場合、出力部6から出力するために用いる1つのベース音楽をユーザが指定するようにしても良いし、自動的に1つのベース音楽を決定するようにしても良い。音源4に格納されるベース音楽として、CDに記録されている音楽や、インターネットを介してダウンロードした音楽等を用いることもできる。
キー取得部1は、後述の加算音生成部3において変調対象となる音を示す音情報として、音源4に格納されているベース音楽のキー(調)を取得する。音源4に複数種類のベース音楽が格納されている場合、ユーザが指定したベース音楽、または、自動的に決定した1つのベース音楽のキーを取得する。
例えば、音源4にベース音楽を格納しておく際に、そのベース音楽のキーを示す情報も一緒に予め格納しておく。この場合、キー取得部1は、ベース音楽とともに格納されているキーを示す情報に基づいて、ベース音楽のキーを取得する。別の方法として、キー取得部1は、ベース音楽の周波数スペクトルを解析することによって、ベース音楽のキーを取得しても良い。
加算音決定部2は、キー取得部1によって取得されたキーに基づいて、音源4に格納されているベース音楽に加算する音を決定する。加算する音の詳細な決定方法については後述する。
加算音生成部3は、ベース音楽から決定された音を所定の周波数で変調した変調音を生成する。具体的には、加算音生成部3は、加算音決定部2によって決定された音と同じ音であって、所定の周波数差faを有する2つの音を変調音として生成する。なお、本実施形態において、2つの変調音はベース音楽に加算する音であり、ここでは加算音と称する。この2つの加算音は、脳波を所定の周波数faに誘導するための音である。
図2は、脳波の種類と周波数、及び特徴についてまとめた図である。脳波の種類がγ波の場合、その周波数は26〜70Hzであって、ユーザは興奮状態にある。脳波の種類がβ波の場合、その周波数は14〜38Hzであって、ユーザは通常の日常生活の状態にある。脳波の種類がα波の場合、その周波数は8〜14Hzであって、ユーザはリラックス状態にある。脳波の種類がθ波の場合、その周波数は4〜8Hzであって、ユーザは入眠時の状態にある。脳波の種類がδ波の場合、その周波数は0.5〜4Hzであって、ユーザは深い睡眠状態にある。
図2に示すように、脳波の周波数が低いほど、身体状態は安静な状態となっている。特に、脳波が周波数8Hz以下のθ波、δ波の場合には、睡眠状態となっており、4Hz以下のδ波の場合には、深い睡眠状態となっている。このため、大まかには、脳波を低い周波数へと導けば、より深い睡眠状態へと導くことができ、脳波を高い周波数へと導けば、より浅い睡眠状態または覚醒状態へと導くことができる。
所定の周波数faは、脳波を誘導する目標周波数に設定する。例えば、ユーザを睡眠状態に導く場合には、所定の周波数faを8Hz以下の周波数とする。このとき、ユーザの生体情報(ユーザの体動、心拍数、呼吸数等)を取得して脳波を推定し、推定した脳波より低い周波数に所定の周波数faを設定するようにしても良い。すなわち、睡眠状態が深くなるにつれて、推定する脳波の周波数が少しずつ低くなるので、所定の周波数faが少しずつ低くなるように設定する。
脳波を所定の周波数faに誘導することによって、所定の周波数faの大きさに応じて、ユーザを睡眠状態に導いたり、睡眠している状態やウトウトしている状態から覚醒状態に導くことができる。また、所定の周波数faを、脳波がα波の状態に対応する8〜14Hzに設定することによって、ユーザをリラックスさせることもできる。
上述したように、加算音生成部3は、加算音決定部2によって決定された音と同じ音であって、所定の周波数差faを有する2つの加算音を生成する。加算音決定部2によって決定された音の周波数がfbである場合、加算音生成部3は、例えば、周波数がfbの加算音と、周波数がfb−faの加算音とを生成する。ただし、生成する2つの加算音は、この組み合わせに限られず、周波数がfbの加算音と、周波数がfb+faの加算音であっても良いし、周波数がfb−fa/2の加算音と、周波数がfb+fa/2の加算音であっても良い。
加算部5は、加算音生成部3によって生成された2つの加算音と、音源4に格納されているベース音楽とを加算する。具体的には、加算音生成部3によって生成された2つの加算音それぞれに、音源4に格納されているベース音楽を加算することによって、2つの出力音を生成する。
出力部6は、例えばスピーカであって、左右の耳に対応して2つ設けられている。左右の出力部6のうちの一方の出力部6は、加算部5によって生成された2つの出力音のうちの一方を出力し、他方の出力部6は、加算部5によって生成された2つの出力音のうちの他方を出力する。
図3は、2つの出力部6のうちの一方から、加算部5によって生成された2つの出力音のうちの一方を出力し、2つの出力部6のうちの他方から、加算部5によって生成された2つの出力音のうちの他方を出力する構成を示すブロック図である。なお、図3では、説明を容易にするために加算部5を2つ示しているが、実際には1つであっても良い。ただし、図3に示すように、加算部5が2つ設けられていても良い。
2つの出力部6から出力されるこのような音は、バイノーラルビートとして知られている。すなわち、左右の耳に、所定の周波数faだけ異なる2つの音を聞かせることにより、脳波を所定の周波数faに誘導することができる。
加算音決定部2によって、加算音を決定する方法の詳細について、以下で説明する。
音楽を構成する和音は、最も簡単にすると、以下の(1)〜(3)の3種類に分類することができる。(1)〜(3)におけるI、IV、Vは度数を表している。これら(1)〜(3)の和音が最も重要な和音であり、他の和音は、これら3つの和音を変形してできていると考えることができる。
(1)I:トニック
(2)IV:サブドミナント
(3)V:ドミナント
メジャーキーの場合、3つの和音(1)〜(3)の構成音は、以下の(1a)〜(3a)で示される。ただし、(1a)〜(3a)では、キーの構成音を1番下の音から数えた度数で表している。
(1a)I:1,3,5
(2a)IV:4,6,1
(3a)V:5,7,2
マイナーキーの場合、3つの和音の構成音は、以下の(1b)〜(3b)で示される。ただし、(1b)〜(3b)では、キーの構成音を1番下の音から数えた度数で表している。
(1b)Im:1,♭3,5
(2b)IVm:4,♭6,1
(3b)V:5,7,2
上記3つの和音は、基本となる和音である。これらの和音には、それぞれの和音に加えても不自然な音とならない音がある。メジャーキーの場合に、加えても不自然な音とならない音を表1に示し、マイナーキーの場合に、加えても不自然な音とならない音を表2に示す。これらの音は、テンションノートと呼ばれることもある。
Figure 0006845153

Figure 0006845153
なお、表1及び表2において、Vの和音における「1」は、加えることができないとの説もある。しかし、「1」はそのキーにおける最も重要な音であり、Vの和音と同時に使われることもよくあるので、ここでは加えることができる音として挙げている。
表1、表2より、メジャーキー及びマイナーキーのそれぞれの場合に、3つの和音のうちのどの音に加えても不自然とならない音とならない音は、以下の通りである。
・メジャーキーの場合:1,3,5,2,6
・マイナーキーの場合:1,♭3,5,4,♭7
これらの音は、音楽の基本となる3つの和音で共通している音のため、音楽の和音が変化していく中で絶えず加算されていても、違和感の少ない音となる。特に、キーの第1音、第3音、及び第5音は、メジャーキー及びマイナーキーの両方に含まれている。
このため、本実施形態において、加算音決定部2は、キー取得部1によって取得されたキーの第1音、第3音、及び第5音のうちのいずれかの音を加算音として決定する。加算音は、時間的にあまり変化の無い一定の音である略持続音とする。
特に、加算音決定部2は、キー取得部1によって取得されたキーがメジャーキーの場合、そのキーの第1音、第3音、及び第5音に加えて、第2音、及び第6音のうちのいずれかの音を加算音として決定する。また、加算音決定部2は、キー取得部1によって取得されたキーがマイナーキーの場合、そのキーの第1音、第3音、及び第5音に加えて、第4音、及び第7音のうちのいずれかの音を加算音として決定する。
加算後の音をより違和感の無い音とするため、加算音としては、キー取得部1によって取得されたキーの第1音とすることが好ましい。第1音の次に好ましい音は第5音であり、第5音の次に好ましい音は第3音である。
なお、あるメジャーキーに対して、その基音の短3度下の音から始まるマイナーキーは平行調と呼ばれ、全く同じ音から構成される。この平行調では、メジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音と、マイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は同一の音となる。
例えば、CメジャーとAマイナーはどちらも「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ」の音から構成される。そして、加えることができる音は、Cメジャーキーの場合、第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音であるド、ミ、ソ、レ、ラとなり、Aマイナーキーの場合、ラ、ド、ミ、レ、ソとなり、同一の音となる。表3は、Cメジャーキーの場合に、3つの和音とその構成音、及び、加えても不自然な音とならない音を示す表であり、表4は、Aマイナーキーの場合に、3つの和音とその構成音、及び、加えても不自然な音とならない音を示す表である。
Figure 0006845153

Figure 0006845153
図4は、音名と、その音の周波数、及び、その音と半音下の音との周波数差を示す図である。図4に示すように、基準となるA4の音の周波数は440Hzとする。
人間の可聴域は20Hz以上であるので、加算音として使える音はE0以上となる。また、ユーザがバイノーラルビートを聞くと、音の位相が脳内でもある程度保たれて、脳内で干渉を起こすことで、脳波が所定の周波数に誘導される。このため、音の周波数が高すぎると、脳内で位相情報が保たれず、脳波を所定の周波数に誘導することができなくなる。ここでは、バイノーラルビートとして使用する音の上限周波数を1000Hzとする。すなわち、加算音として使える音はB5以下である。
ここで、加算音がバイノーラルビートとして機能するためには、左右の耳に入力される音が同じ音程として認知される必要がある。図4に示すように、低音になるほど、半音下の音との周波数差は小さくなる。半音異なる2つの音は同じ音として認識されないが、2つの音の周波数差が半音の周波数差の半分程度の範囲内であれば、同じ音程に聞こえる。例えば、周波数523.3HzのC5の音について、半音下の音との周波数差は約29.37Hzであるため、C5の音と、C5の音に対して周波数差が約14.7Hz以内の音は、同じ音程に聞こえる。この場合、所定の周波数faが14.7Hz以内であれば、加算音としてC5の音を使用することができるが、所定の周波数faが14.7Hzより大きければ、加算音としてC5の音を使用することができない。
すなわち、加算音決定部2は、加算音として、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下であって、その音の周波数と、その音より半音下の音の周波数との差の半分の周波数が所定の周波数faより大きい音に決定する。加算音として使用できる音は、キーの種類に応じて決定することができる。以下、キー取得部1によって取得されたキーの種類に応じて、加算音として使用できる音について説明する。
<キーがCメジャーの場合>
キーがCメジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。Cメジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、C、E、G、D、Aである。
キーがCメジャーの場合、加算音として使用できる音は、図5に示す通りである。図5では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
上述したように、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値とは、その音と半音下の音との周波数差の約半分である。例えば、所定の周波数faが5Hzのバイノーラルビートを生成する場合、使用できる加算音は、周波数差の上限値が5Hzより大きい音とする必要があるため、図4を参照すると、G3、A3、C4、D4、E4、G4、A4、C5、D5、E5、G5、A5のうちのいずれかとなる。
<キーがC#メジャーの場合>
キーがC#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。C#メジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、C#、F、G#、D#、A#である。
キーがC#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、図6に示す通りである。図6では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがDメジャーの場合>
キーがDメジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。Dメジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、D、F#、A、E、Bである。
キーがDメジャーの場合、加算音として使用できる音は、図7に示す通りである。図7では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがD#メジャーの場合>
キーがD#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。D#メジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、D#、G、A#、F、Cである。
キーがD#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、図8に示す通りである。図8では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがEメジャーの場合>
キーがEメジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。Eメジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、E、G#、B、F#、C#である。
キーがEメジャーの場合、加算音として使用できる音は、図9に示す通りである。図9では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがFメジャーの場合>
キーがFメジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。Fメジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、F、A、C、G、Dである。
キーがFメジャーの場合、加算音として使用できる音は、図10に示す通りである。図10では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがF#メジャーの場合>
キーがF#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。F#メジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、F#、A#、C#、G#、D#である。
キーがF#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、図11に示す通りである。図11では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがGメジャーの場合>
キーがGメジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。Gメジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、G、B、D、A、Eである。
キーがGメジャーの場合、加算音として使用できる音は、図12に示す通りである。図12では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがG#メジャーの場合>
キーがG#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。G#メジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、G#、C、D#、A#、Fである。
キーがG#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、図13に示す通りである。図13では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがAメジャーの場合>
キーがAメジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。Aメジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、A、C#、E、B、F#である。
キーがAメジャーの場合、加算音として使用できる音は、図14に示す通りである。図14では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがA#メジャーの場合>
キーがA#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。A#メジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、A#、D、F、C、Gである。
キーがA#メジャーの場合、加算音として使用できる音は、図15に示す通りである。図15では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがBメジャーの場合>
キーがBメジャーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音である。Bメジャーキーの第1音、第3音、第5音、第2音、及び第6音は、B、D#、F#、C#、G#である。
キーがBメジャーの場合、加算音として使用できる音は、図16に示す通りである。図16では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがCマイナーの場合>
キーがCマイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。Cマイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、C、D#、G、F、A#である。
キーがCマイナーの場合、加算音として使用できる音は、図17に示す通りである。図17では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがC#マイナーの場合>
キーがC#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。C#マイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、C#、E、G#、F#、Bである。
キーがC#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、図18に示す通りである。図18では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがDマイナーの場合>
キーがDマイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。Dマイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、D、F、A、G、Cである。
キーがDマイナーの場合、加算音として使用できる音は、図19に示す通りである。図19では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがD#マイナーの場合>
キーがD#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。D#マイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、D#、F#、A#、G#、C#である。
キーがD#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、図20に示す通りである。図20では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがEマイナーの場合>
キーがEマイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。Eマイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、E、G、B、A、Dである。
キーがEマイナーの場合、加算音として使用できる音は、図21に示す通りである。図21では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがFマイナーの場合>
キーがFマイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。Fマイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、F、G#、C、A#、D#である。
キーがFマイナーの場合、加算音として使用できる音は、図22に示す通りである。図22では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがF#マイナーの場合>
キーがF#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。F#マイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、F#、A、C#、B、Eである。
キーがF#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、図23に示す通りである。図23では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがGマイナーの場合>
キーがGマイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。Gマイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、G、A#、D、C、Fである。
キーがGマイナーの場合、加算音として使用できる音は、図24に示す通りである。図24では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがG#マイナーの場合>
キーがG#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。G#マイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、G#、B、D#、C#、F#である。
キーがG#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、図25に示す通りである。図25では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがAマイナーの場合>
キーがAマイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。Aマイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、A、C、E、D、Gである。
キーがAマイナーの場合、加算音として使用できる音は、図26に示す通りである。図26では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがA#マイナーの場合>
キーがA#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。A#マイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、A#、C#、F、D#、G#である。
キーがA#マイナーの場合、加算音として使用できる音は、図27に示す通りである。図27では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
<キーがBマイナーの場合>
キーがBマイナーの場合、加算音として使用できる音は、周波数が20Hz以上、かつ、1000Hz以下の第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音である。Bマイナーキーの第1音、第3音、第5音、第4音、及び第7音は、B、D、F#、E、Aである。
キーがBマイナーの場合、加算音として使用できる音は、図28に示す通りである。図28では、加算音として使用できる音についての周波数差の上限値も示している。
本実施形態の出力音生成装置によれば、身体を制御するための出力音のベースとなるベース音楽として、キーを取得できるのであれば、任意の音を用いることができ、出力音として耳障りな音になりにくい音を生成することができる。これにより、例えば、出力音生成装置によってユーザを睡眠状態に導く際に、ユーザは好みの音楽をベース音楽として用いることができる。
また、例えば、ユーザを深い睡眠状態に導くためには、ユーザの睡眠状態(脳波の状態)に応じて、所定の周波数faを少しずつ低くしていくことが好ましいと思われる。この場合、ユーザが深い睡眠状態となるまでの間に、ユーザの睡眠状態に応じた出力音を複数回生成する必要があるが、本実施形態の出力音生成装置によれば、その都度、耳障りな音になりにくい音を生成することができる。これは、耳障りな音となりにくい出力音を事前に作成しておいて、その出力音を出力する方法と比べて、大きなメリットがある。
[第2の実施形態]
第2の実施形態における出力音生成装置が第1の実施形態における出力音生成装置と異なるのは、加算部5及び出力部6で行われる処理である。
第2の実施形態における出力音生成装置において、加算部5は、加算音生成部3によって生成された2つの加算音と、音源4に格納されているベース音楽とを加算する。具体的には、加算音生成部3によって生成された2つの加算音を加算し、加算して得られる音に、音源4に格納されているベース音楽を加算する。
出力部6は、加算部5によって生成された出力音を出力する。この場合、出力音はモノラルであるため、出力部6は2つある必要はなく、1つであっても良い。出力部6が2つ設けられている場合には、2つの出力部6からは同じ出力音が出力される。
本実施形態のように、周波数が所定の周波数faだけ異なる2つの加算音を加算し、さらに音源4に格納されているベース音楽と加算して出力した場合でも、脳波を所定の周波数faに誘導することができる。
なお、加算音生成部3によって生成された2つの加算音を加算する際に、1:1の比率で加算せずに、任意の比率で加算することもできる。
[第3の実施形態]
一般的な音には様々な周波数成分が含まれている。特に、音程のある音には、基準となる基音に対して、周波数が2倍、3倍、4倍等となる倍音成分が含まれている。このような音を用いてバイノーラルビートを生成すると、倍音成分については、生成される2つの加算音の周波数差が所定の周波数faの2倍、3倍、4倍等となってしまう。このため、加算音に倍音成分が含まれていると、バイノーラルビートを左右の耳に聞かせることによって、脳波を所定の周波数faに誘導するという効果が低減してしまう可能性がある。
従って、本実施形態では、加算音として、単一の周波数成分を有する音を用いる。単一の周波数成分を有する音とは、例えば時間波形が正弦波(図29参照)の音である。これにより、効果的に脳波を所定の周波数faに誘導することができる。
なお、バイノーラルビートを生成する場合、周波数差が所定の周波数faである2つの加算音を生成するが、2つのうちの1つの加算音だけ、単一の周波数成分を有する音を用いるようにしても良い。
[第4の実施形態]
上述した第1〜第3の実施形態では、ベース音楽から抽出したキーに基づいて、周波数差が所定の周波数である2つの変調音(加算音)を生成し、生成した変調音とベース音楽とを加算する例を説明した。本実施形態では、上述の実施形態とは異なる変調を行って変調音を生成する例について説明する。
<例1>
図30は、本実施形態における出力音生成装置の概略構成を示すブロック図である。なお、図30において、第1の実施形態と同様の構成には第1の実施形態と同様の符号が付されている。本実施形態における出力音生成装置は、キー取得部1と、音決定部21と、変調音生成部31と、出力部61A、61Bとを備える。
音決定部21は、上述した第1の実施形態の加算音決定部2と同様の方法により、キー取得部1によって取得されたキーに基づいて、ベース音楽を変調するための音を決定する。
変調音生成部31は、音決定部21で決定された音を所定の周波数で変調した変調音を生成する。具体的には、例えば、決定された音に、(a×sin2πfc×t+(1−a))[0<a<1/2、t:時間]を乗算する。これにより、決定された音に対して周波数fcで振幅変調を行った変調音が生成される。
出力部61A及び61Bは、それぞれスピーカを備える。出力部61Aは、音源4に格納されたベース音楽を出力し、他方の出力部61Bは、変調音生成部31で生成された変調音を出力する。
人間の脳波は周期変動に同調する性質がある。ベース音楽から抽出した音を所定の周波数で振幅変調した変調音とベース音とを出力することで形成されるビートによって、ユーザの脳波を誘導し、心理状態を制御することができる。また、バイノーラルビートはステレオで聴く必要があるが、本構成の変調音の場合、ステレオで聴く必要がない。
<例2>
上記例1では、変調音生成部31において、音決定部21で決定された音を振幅変調して変調音を生成する例を説明したが、所定の周波数で周波数変調して変調音を生成してもよい。
この場合、変調音生成部31は、例えば、決定された音に対し、(a×sin2πfd×t)[0<a<1/2、t:時間]だけ周波数シフトすることにより、周波数fdで周波数変調された変調音を生成する。
このように、ベース音楽から抽出した音を所定の周波数で周波数変調した変調音とベース音とを出力することで形成されるビートによって、ユーザの脳波を誘導し、心理状態を制御することができる。また、バイノーラルビートはステレオで聴く必要があるが、本構成の変調音の場合、ステレオで聴く必要がない。
<例3>
変調音生成部31において、音決定部21で決定された音の音像定位を周期的に変化させた変調音を生成してもよい。
この場合、出力部61Bは、左右の耳に対応する2つのスピーカを備える。変調音生成部31は、左右2つのスピーカ用に、決定された音と同じ音をそれぞれ割り当てる。そして、一方の音に対し、(a×sin2πfe×t+(1−a))を乗算し、他方の音に対し、(−a×sin2πfe×t+(1−a))を乗算する。つまり、この例では、決定された音と同じ2つの音に対し、それぞれ、周波数fdで振幅変調を行うことにより、音像定位が異なる変調音を生成する。このように構成することより、ユーザの脳波を周波数feに誘導し、心理状態を制御することができる。
[第5の実施形態]
ユーザの脳波を誘導する周波数は約20Hz以下であり、音にすると可聴域を下回るような音である。上記した第4の実施形態では、既存の音を変調させた変調音を出力することで、脳波に変調音の周波数を知覚させている。例えば、ギターを鳴らしたときにギターの音が減衰しながら消えてしまうような減衰音を所定の周波数で連続して鳴らした場合も、第4の実施形態と同様の効果を期待できる。
本実施形態では、減衰音に相当する変調音を生成するべく、変調音生成部31において、音決定部21で決定された音であって、長さの短い音を所定周期で連続させた音を変調音として生成する。つまり、例えば、音決定部21において「ミ」の音が決定された場合において、ユーザの脳波に知覚させる周波数が2Hzである場合、「ミ」の音を、1秒間に2回のペースで連続させた音を変調音として生成する。
このように構成することで、ユーザの脳波に変調音の周波数を知覚させることができ、ユーザの脳波を誘導することができる。
[第6の実施形態]
上述した第4及び第5実施形態で例示した変調音の音量や、変調音を生成する周波数、及び生成した変調音そのものの周波数等のパラメータをユーザの睡眠状態に応じて変化させて出力してもよい。
変調音は、例えば睡眠時のユーザの脳波を誘導する目的で出力される。睡眠状態は時間に応じて変化するものであるため、睡眠時間に応じて変調音も変化することが好ましい。そこで、本実施形態では、例えば、ユーザの睡眠時間の経過とともに音量が小さくなるように、時間に応じた音量の変調音を生成する。この場合、変調音生成部31は、タイマーを備える。変調音生成部31は、タイマーで計測される時間に応じて、時間毎に予め定められた音量の変調音を生成する。
また、ユーザの睡眠時間の経過とともに、生成する変調音の周波数を変化させ、時間に応じて異なる周波数の変調音が出力されるようにしてもよい。この場合、変調音生成部31は、タイマーで計測される時間に応じて、時間毎に予め定められた周波数で変調音を生成する。
このように構成することで、ユーザの睡眠状態に適した変調音を出力させることができ、ユーザの睡眠時の脳波をより有効に誘導することができる。
なお、タイマーで計測する睡眠時間は、変調音を聞かせるユーザの睡眠時間でなくてもよい。例えば、複数人が並んで寝ている場合、変調音を聞かせるべきユーザ以外の他の人の睡眠時間に応じた音量の変調音を出力してもよい。このようにすることで、変調音の出力によって他の人の睡眠を阻害しないようにすることができる。
[第7の実施形態]
上述した第2の実施形態では、加算音生成部3によって生成された2つの加算音を加算し、加算して得られる音に、音源4に格納されているベース音楽を加算して出力した。本実施形態では、2つの加算音を加算して得られる音と、ベース音楽とを別々のスピーカからそれぞれ出力させる。
この場合、図31に示すように、本実施形態における出力音生成装置は、それぞれ1つのスピーカを有する2つの出力部6A、6Bを備える。出力部6Aは、音源4に格納されているベース音楽を出力し、出力部6Bは、加算部5で加算された音を出力する。
加算音は、単調音である場合が多いため、このように構成することで加算部5での加算処理の負荷を軽減することができる。そのため、加算部5の処理性能は、第2の実施形態と比べて高くする必要がない。また、出力部6A、6Bからそれぞれベース音楽と、2つの加算音を加算した音とが出力されるため、ユーザには、出力後にベース音楽と加算音とが合成された音が聞こえる。そのため、ユーザが出力部6A、6Bの各スピーカの位置や角度を微調整することにより、出力される合成音を調整することができる。
[第8の実施形態]
上述した第1の実施形態では、加算部5で、加算音生成部3によって生成された2つの加算音のそれぞれと、音源4に格納されているベース音楽とを加算して2つの出力音を生成し、出力部6に設けられた2つのスピーカのそれぞれから2つの出力音を出力した。本実施形態では加算部5が設けられていない例を説明する。
具体的には、本実施形態における出力音生成装置は、図32に示すように、加算部が設けられず、それぞれ1つのスピーカを有する3つの出力部6A〜6Cを備える。
出力部6Aは音源4に格納されているベース音楽を出力する。出力部6Bは、加算音生成部3において生成された2つの加算音1、加算音2の一方の加算音1を出力し、出力部6Cは、他方の加算音2を出力する。
この構成によれば、加算部が設けられないため、第1の実施形態と比べて出力音生成装置を簡易な構成で実現できる。また、ユーザが出力部6B、6Cの各スピーカの位置や角度を微調整することができるので、加算音1と加算音2の重ね合わせによるビートの発生を調整することができる。つまり、出力部6B、6Cの配置に応じて、バイノーラルビートとモノラルビートとを選択的に発生させることができる。
なお、上記では、出力部6B、6Cはスピーカを備え、スピーカから変調音を出力する例を説明したが、例えば、ファンの音等の機械音を変調音として出力してもよい。つまり、出力部はスピーカに限らない。
[第9の実施形態]
上述した第1の実施形態において、加算部5で、加算音生成部3によって生成された一方の加算音と音源4に格納されているベース音楽とを加算し、他方の加算音はベース音楽と加算せずに出力してもよい。
具体的には、本実施形態における出力音生成装置は、図33に示すように、加算部53において、一方の加算音1と音源4に格納されているベース音楽とを加算し、他方の加算音2はベース音楽と加算しない。本実施形態における出力音生成装置は、それぞれ1つのスピーカを有する2つの出力部6A、6Bを備える。出力部6Aは、加算部53で加算音1とベース音楽とを加算した音を出力し、出力部6Bは、加算音2のみを出力する。
このように構成することで、ユーザが出力部6A、6Bの各スピーカの位置や角度を微調整することができるので、加算音1と加算音2の重ね合わせによるビートの発生を調整することができる。つまり、出力部6A、6Bの配置に応じて、バイノーラルビートとモノラルビートとを選択的に発生させることができる。
[第10の実施形態]
上述した第2の実施形態において、例えば、音源4が、出力音生成装置の外部で発せられている環境音である場合、出力音生成装置を図34のように構成してもよい。
具体的には、図34に示すように、出力音生成装置は、音源4の音を集音するマイクを有する受音部7を備え、キー取得部1は、受音部7で集音された音からキー(調)を取得する。加算部5は、加算音生成部3で生成された2つの加算音を加算する。出力部6は、加算部5で加算された音を出力する。なお、環境音は、自然の音や音楽でもよく、ピーク周波数を持ち、音程を有する音であればよい。
このように構成することで、出力音生成装置の外部の音源に対し、その音源と調和する加算音を出力することができる。その結果、ユーザに伝わる音全体として違和感のない音を提供することができる。
[第11の実施形態]
上述した第1の実施形態では、ベース音楽から取得したキーに基づいて、所定の周波数faだけ異なる2つの変調音をバイノーラルビートとして聞かせる例を説明した。本実施形態では、例えば、ファン等の機械の動作音を含む環境音をベース音とし、ベース音と調和する変調音をベース音と共に出力することでユーザの脳波を誘導する例を説明する。
<例1>
図35は、本実施形態における出力音生成装置の機能構成図である。図35に示すように、出力音生成装置100は、音源101、音程取得部102、音決定部103、変調音生成部104、及び出力部105を備える。
音源101は、マイクを備え、ベース音をマイクにより集音して音程取得部102へ出力する。ベース音は、例えばファン、コンプレッサー、モータ等の動作音やガス機器の燃焼音等を含む環境音である。
音程取得部102は、音源101で集音されたベース音の周波数スペクトルを解析し、その周波数スペクトルに基づいて、ベース音の基準となる音程を取得する。具体的には、音程取得部102は、周波数スペクトルにおいてピーク周波数を検出し、ピーク周波数に対応する音程をベース音の音程とする。特に、ファン、コンプレッサー、モーター等が発する音は、回転体の回転数に起因するピーク周波数を有する。ピーク周波数の音及びその倍音で構成されるスペクトルは単音のスペクトルといえる。
音決定部103は、音程取得部102で取得された音程に基づき、出力部105から出力する変調音の音程を決定する。
変調音生成部104は、音決定部103で決定された音程の音に対し、所定の変調を行って変調音を生成する。具体的には、例えば、ベース音と重ね合わせたときにモノラルビートが形成されるように、決定された音程の周波数と所定の周波数差を有する変調音を生成する。つまり、決定された音程の周波数がf1である場合、その周波数f1とわずかに周波数がずれた(f1+Δf)の周波数を有する音を変調音として生成する。
出力部105は、少なくとも1つのスピーカを備える。出力部105は、変調音生成部104で生成された変調音をスピーカから出力する。
ファン等の動作音だけでは単なるノイズとして聞こえるが、ファン等の動作音から抽出されたベース音と所定の周波数差を有する変調音が出力されることでモノラルビートが形成される。その結果、ベース音と変調音とを重ねた音をユーザの脳に同調させることができる。
<例2>
上記変調音生成部104(図35参照)において生成される変調音とベース音との周波数差は、変調音とベース音によって和音が形成される音程の関係を有してもよい。つまり、ベース音と変調音とで協和を感じさせる音程差が形成されていればよい。具体的には、例えば、変調音生成部104は、音決定部103で決定された音程と、短3度、長3度、4度、5度、短6度、長6度のいずれかの音程差を有する変調音を生成する。なお、変調音はベース音に対してオクターブ単位のずれがあってもよい。
このように構成することで、ベース音だけではユーザに不快感を与えるノイズとなる場合であっても、ベース音と協和した変調音が出力されることで、不快感を低減することができる。
<例3>
上記例2では、ベース音と1つの変調音とで和音が形成される例であったが、ベース音と少なくとも2つの変調音とで和音が形成されるようにしてもよい。
例えば、音程取得部102で取得された音程が「ド」の場合、音決定部103は、取得された音程と同じ「ド」の音を変調音の音程として決定する。
変調音生成部104は、決定された音程「ド」を含む長三和音として、コードC(ド、ミ、ソ)、コード♭A(♭ラ、ド、♭ミ)、コードF(ファ、ラ、ド)のいずれかが形成されるように2つの変調音を形成する。つまり、変調音生成部104は、コードCの長三和音を形成する場合、「ミ」及び「ソ」にそれぞれ相当する2つの変調音を生成する。また、コード♭Aの長三和音を形成する場合、変調音生成部104は、「♭ラ」及び「♭ミ」にそれぞれ相当する2つの変調音を生成する。また、コードFの長三和音を形成する場合、変調音生成部104は、「ファ」及び「ラ」にそれぞれ相当する2つの変調音を生成する。
なお、和音の構成は上記の例に限らない。短三和音であってもよいし、根音、第3音、第5音、第7音からなる四和音(セブンスコード)であってもよい。
このように構成することで、ベース音だけではノイズとして聞こえる場合であっても、ベース音から特定される音程の音と和音を構成する2つの変調音が出力されることで、不快感を軽減することができる。
<例4>
変調音は、ベース音と同じ音色、すなわち、ベース音と同様の周波数スペクトルを有する音であってもよい。
この場合、音決定部103は、音程取得部102で取得された音程と同じ周波数スペクトルを有する音を変調音の音程として決定する。変調音生成部104は、音決定部103で決定された音程の音を、ベース音の振幅に応じて振幅変調を行い、変調音を生成する。
つまり、例えば、図36Aに示すように、ベース音の音量(振幅)が揺らいでいる場合、図36Bに示すように、ベース音の振幅のゆらぎを相殺するように、ベース音と同じ音程を有する変調音の振幅を調整する。さらに、図36Cで示すように、変調音とベース音とを重ねた振幅が所定の周波数で揺らぐように、変調音に対して振幅変調を行う。
この構成によれば、動作音(ベース音)に変調音を重ねた振幅が所定の周波数で揺らぐように変調音を出力させることができるので、ユーザの脳波を所定の周波数に誘導することができる。
<例5>
本実施形態の例1〜例3では、ベース音から取得した音程と所定の音程差を有する変調音を生成したが、これら変調音は単一のピーク周波数を有する音であってもよい。つまり、この場合、変調音の周波数スペクトルは、図37に示すように、1つのピーク周波数を有する。つまり、変調音の時間波形は正弦波となる。
変調音に複数の倍音が含まれる場合、ベース音と変調音とが重ね合わされたとき、意図しない周波数でビートが生じる。そのため、このように構成することで、意図しない周波数でのビートの発生が生じにくくなる。また、変調音は単一のピーク周波数を有するため、変調音の生成や変調の自由度が高くなる。
<例6>
変調音は、ベース音と同じ音色で、音の高さが異なる音であってもよい。この場合、音決定部103(図35参照)は、音程取得部102で取得された音程と同じ音程を変調音の音程として決定する。変調音生成部104は、音決定部103で決定された音程の音と同じ周波数スペクトルを有する音を生成し、その音に対してピッチシフト処理を行って変調音を生成する。具体的には、例えば、ベース音の周波数スペクトルが図38Aに示すスペクトル構造である場合、変調音生成部104は、図38Aで示す音の再生速度を変えず、音高のみを変化させた図38Bに示す周波数スペクトル構造を有する変調音を生成する。この場合、図38Bに示す変調音のスペクトルは、図38Aに示すベース音のスペクトルが周波数方向に縮小されており、変調音の音高はベース音よりも低くなる。
ベース音と同様の周波数スペクトル構造を有する変調音は、ベース音と同等の音色を有する。そのため、ベース音と変調音とで和音を形成する場合、異なる音色の変調音と和音を形成する場合よりも自然で聞きやすい音となる。
<例7>
変調音は、ベース音から取得された音程の音に対し、所定の周波数で振幅変調を行った音でもよい。この場合、図35において、音決定部103は、音程取得部102で取得された音程と同じ音程を変調音の音程として決定する。変調音生成部104は、音決定部103で決定された音程の音に対し、所定の周波数fpで振幅変調を行った音を変調音として生成する。具体的には、例えば、決定された音程の音に対し、(a×sin2πfp×t+(1−a))[0<a<1/2、t:時間]を乗算する。
脳波は、周期変動に同調する性質があるため、この性質を利用して脳波を誘導できると考えられる。この例における変調音は、ベース音の基準となる音程の音と音量が異なるが、その音と周波数は同じである。そのため、変調音の出力により、ユーザの脳波を変調音とベース音とに同調させ、ユーザの脳波を誘導することができる。
<例8>
変調音は、所定の周波数で周波数変調を行った音でもよい。この場合、図35において、変調音生成部104は、音決定部103で決定された音程の音に対し、所定の周波数fqで周波数変調を行った音を変調音として生成する。具体的には、例えば、決定された音程の音に対し、(a×sin2πfq×t)[0<a<1/2、t:時間]だけ周波数シフトを行う。
上記の通り、この例における変調音は、ベース音の基準となる音程を所定の周波数だけシフトした音である。そのため、変調音の出力により、ユーザの脳波を変調音とベース音とに同調させ、ユーザの脳波を所定の周波数に誘導することができる。
<例9>
変調音は、音決定部103(図35参照)で決定された音程の音の音像定位を周期的に変化させた音であってもよい。
この例において、出力部105(図35参照)は、左右の耳に対応する2つのスピーカを備える。また、変調音生成部104(図35参照)は、2つのスピーカのそれぞれに対し、音決定部103で決定された音程の音を割り当てる。そして、一方の音に対し、(a×sin2πfr×t+(1−a))[0<a<1/2、t:時間]を乗算し、他方の音に対し、(−a×sin2πfr×t+(1−a))を乗算する。つまり、この例では、音決定部103で決定された音程と同じ2つの音に対し、それぞれ振幅変調を行うことにより、位相が異なる2つの変調音を生成する。
出力部105における2つのスピーカの一方は、生成された2つの変調音のうち、そのスピーカに割り当てられた一方の変調音を出力し、他方のスピーカは、そのスピーカに割り当てられた他方の変調音を出力する。
このように音像定位が周期的に変化する変調音が出力されることで、ユーザの脳波を変調音に同調させ、ユーザの脳波を誘導することができる。
[第12の実施形態]
上記第11の実施形態において、上述した第5の実施形態と同様、減衰音のような変調音を生成してもよい。
この場合、図35において、変調音生成部104は、減衰音に相当する変調音を生成するべく、音決定部103で決定された音程であって、長さが短い音を所定周期で連続させた音を変調音として生成する。つまり、例えば、音程取得部102で「ミ」の音程が取得され、音決定部103で「ミ」の音程が変調音の音程として決定されたとする。ユーザの脳波に知覚させる周波数が2Hzである場合、変調音生成部104は、決定された「ミ」の音を、1秒間に2回のペースで連続させた音を変調音として生成する。
このように構成することで、ファン等の動作音(ベース音)の基準となる音程の音を用いてユーザの脳波を所定周波数に誘導することができる。
[第13の実施形態]
上述した第11及び第12の実施形態において例示した変調音のパラメータ(音量又は周波数)を、上述した第6の実施形態と同様、ユーザの睡眠状態に応じて変化させて出力してもよい。
この場合、変調音生成部104(図35参照)は、例えばタイマーを備える。変調音生成部104は、例えば、タイマーで計測される時間に応じて、時間毎に予め定められた音量の変調音を生成する。また、変調音生成部104は、タイマーで計測される時間に応じて、時間毎に予め定められた周波数で変調した変調音を生成してもよい。
このように構成することで、ユーザの睡眠状態に適した変調音を出力させることができ、ユーザの睡眠時の脳波をより有効に誘導することができる。
なお、タイマーで計測する睡眠時間は、変調音を聞かせるユーザの睡眠時間でなくてもよい。例えば、複数人が並んで寝ている場合、変調音を聞かせるべきユーザ以外の他の人の睡眠時間に応じた音量の変調音を出力してもよい。このようにすることで、変調音の出力によって他の人の睡眠を阻害しないようにすることができる。
また、例えば、ユーザの生体情報を測定し、生体情報を基にユーザの睡眠状態を測定し、睡眠状態に応じて予め定められた周波数で変調した変調音を生成してもよい。
[第14の実施形態]
<例1>
上述した第11〜第13の実施形態では、変調音生成部104(図35参照)で生成された変調音のみを出力部105から出力する例を説明したが、変調音とは別にベース音も出力するようにしてもよい。
この場合には、図39に示すように、出力音生成装置100aは、1つのスピーカをそれぞれ備える出力部105A及び出力部105Bを備える。出力部105Aは、変調音生成部104で生成された変調音を出力する。出力部105Bは、音源101で集音されたベース音を出力する。
なお、ここでは、出力部105Bから集音したベース音を出力するが、ベース音が機械等の動作音である場合、集音したベース音を出力しなくてもよい。出力部105Bから集音したベース音を出力する場合、集音したベース音と変調音の音量を合わせることで、スピーカと動作音の発生源との距離差を補ったり、リバーヴ等のエフェクト効果を加えることができる。
<例2>
上述した第11〜第13の実施形態において、変調音生成部104で生成された変調音を、音源101で集音されたベース音と加算して出力してもよい。
この場合、図40に示すように、出力音生成装置100bは、加算部106と出力部115とを備える。加算部106は、変調音生成部104で生成された変調音と、音源101で集音されたベース音とを加算した出力音を生成する。出力部115は、1つのスピーカを備え、加算部106で生成された出力音を出力する。
<例3>
上述した第11の実施形態の例1〜例8、第12の実施形態、第13の実施形態において、ベース音が1種類の場合について説明したが、これら実施形態において、ベース音は2種類以上でもよい。
例えば、異なる2つの機械の動作音がベース音がある場合、図35において、音源101は、2つの機械の動作音をそれぞれ集音した2つのベース音を記憶する。
音程取得部102は、2つのベース音のそれぞれについて周波数スペクトル解析を行い、各ベース音の周波数スペクトルにおけるピーク周波数に対応する音程を取得する。
音決定部103は、音程取得部102においてベース音ごとに取得された音程に基づいて、ベース音それぞれに対する変調音の音程を決定する。
変調音生成部104は、ベース音ごとに決定された音程の音に対し、それぞれ所定の周波数で変調を行って変調音を生成する。
出力部105は、2つのスピーカを備え、一方のスピーカから変調音生成部104で生成された2つの変調音のうち一方の変調音を出力し、もう一方の変調音を他方のスピーカから出力する。
このように構成することで、ユーザは、出力された2つの変調音が重なって聞こえる。そのため、ユーザは、出力する2つのスピーカの位置や角度を直接変えることにより、出力された2つの変調音によって形成されるビートを調整することができる。
<例4>
上記例3では、2つの変調音をそれぞれのスピーカから出力する例を説明したが、2つの変調音を加算して出力してもよい。この場合、出力音生成装置100cは、図41に示すように、加算部116と出力部115を備える。加算部116は、変調音生成部104で生成される2つの変調音を加算した出力音を生成する。出力部125は、1つのスピーカを備え、加算部116で生成された出力音を出力する。
<例5>
上記例2及び例3において、加算部を設ける例を説明したが、加算部を設けず、変調音生成部において加算処理を行ってもよい。つまり、上記例2の場合、図40において、変調音生成部104は、生成した変調音と、音源101で集音されたベース音とを加算して出力音を生成する。出力部115は、変調音生成部104で生成された出力音を出力する。
また、上記例3の場合、図41において、変調音生成部104は、ベース音ごとに生成した2つの変調音を加算して出力音を生成する。出力部105は、変調音生成部104で生成された出力音を出力する。なお、この場合に、出力部105は、1つのスピーカを備えていればよい。
[第15の実施形態]
上述した第11〜第14の実施形態において、例えば、出力音生成装置が扇風機であってもよい。この場合、ベース音は、その送風音であり、出力音生成装置は、ファンの回転数に応じた音程をベース音の音程として出力音を生成する。
例えば、ファンの回転数がZ(rpm)、ファンの羽根の数がNであるとき、ファンの周波数はN×Z/60(Hz)となる。送風音には、この周波数がピークとなる狭帯域音であって、翼通過音と呼ばれる音が含まれる。扇風機は、例えば、送風の強さを表す「強」、「中」、「弱」の3つの動作モードを有する。扇風機のファンの回転数は、この動作モードに応じて変化し、翼通過音の周波数はファンの回転数によって変化する。
そこで、本実施形態では、出力音生成装置において、扇風機の動作モードに応じた周波数を予め記憶し、扇風機の動作モードに応じた周波数をベース音の音程として取得する。
具体的には、図42Aに示すように、出力音生成装置100dは、上述した図35と同様の音決定部103、変調音生成部104、及び出力部105に加えて、制御部107、駆動部108、及び音程取得部112を備える。以下、本実施形態に特有の構成について説明する。
制御部107は、CPU等のプロセッサ及びメモリを含み、動作モードに応じた周波数を予め記憶する。制御部107は、図示しないリモコン等から扇風機の動作モードを受け付け、受け付けた動作モードで駆動部108を駆動させる。また、制御部107は、受け付けた動作モードに応じた周波数を音程取得部112に出力する。
駆動部108は、ファン及びファンを駆動するモータ等を含む。駆動部108は、制御部107の制御の下、動作モードに応じた回転数でモータを駆動させてファンを回転させる。
音程取得部112は、制御部107から出力された周波数に対応する音程をベース音(送風音)の音程として取得する。
音決定部103は、音程取得部102において取得された音程に基づいて、上述した第11〜第13のいずれかの実施形態と同様の方法を用いて変調音の音程を決定する。
変調音生成部104は、音決定部103で決定された音程の音に対し、上述した第11〜第13のいずれかの実施形態と同様の方法を用いて変調音を生成する。
出力部105は、1つのスピーカを備え、変調音生成部104で生成された変調音を出力する。
このように、動作モードに応じた周波数を予め記憶しておくことにより、音程取得部112においてベース音の周波数解析を行うことなくベース音の音程を取得することができる。そのため、ベース音の周波数解析を行う場合と比べて周波数解析に要する負荷を軽減することができる。また、この構成によれば、可聴周波数帯域以外の周波数を有するベース音に対しても適用することができる。
(応用例1)
第15の実施形態では、出力音生成装置そのものが扇風機である例を説明したが、出力音生成装置が、外部に設けられた2つの扇風機の動作モードに応じた変調音を生成して出力してもよい。つまり、この場合、図42Bに示すように、出力音生成装置100eにおいて、駆動部は設けられず、制御部107に替えて、制御部117を備える。制御部117は、2つの扇風機のそれぞれの動作モードに応じた周波数を記憶する。また、制御部117は、2つの扇風機からそれぞれ動作モードを取得し、扇風機ごとに、その動作モードに応じた周波数を音程取得部112へ出力する。
音程取得部112は、制御部107から出力された扇風機ごとの周波数に対応する音程を、扇風機ごとのベース音(送風音)の音程として取得する。
音決定部103は、音程取得部102において取得された扇風機ごとの音程に基づいて、上述した第11〜第13のいずれかの実施形態と同様の方法を用いて、扇風機ごとの変調音の音程を決定する。
変調音生成部104は、音決定部103で決定された扇風機ごとの音程の音に対し、上述した第11〜第13のいずれかの実施形態と同様の方法を用いて、扇風機ごとの変調音を生成する。
出力部105は、2つのスピーカを備える。一方のスピーカは、変調音生成部104で生成された2つの変調音の一方を出力し、もう一方のスピーカは他方の変調音を出力する。
(応用例2)
上記応用例1では、扇風機ごとの変調音を別々のスピーカから出力したが、2つの変調音を加算して出力してもよい。
この場合、出力音生成装置は、図42Cに示すように、変調音生成部104で生成された扇風機ごとの変調音を加算するための加算部116を備える。出力部135は、1つのスピーカを備え、加算部116で加算して得られる出力音を出力する。
なお、この例では加算部116を設けたが、加算部116を設けず、変調音生成部104において扇風機ごとの変調音を加算して出力部135に出力してもよい。このように構成することで、加算部を設ける場合と比べ、出力音生成装置を簡易な構成で実現できる。
[第16の実施形態]
上述した第11〜第15の実施形態では、ベース音として、主に、ファン等の機械の動作音を例に説明したが、ベース音は、出力音生成装置の周囲に流れているBGM等であってもよい。つまり、ベース音となる環境音は、出力音生成装置の周囲で流れる機械の動作音や音楽等であってもよい。要するに、ベース音は、ピーク周波数を持ち、音程を有する音であればよい。
[第17の実施形態]
本実施形態では、上述した第11〜第16の実施形態におけるベース音が明確な音程を持たない場合について説明する。
例えば、ベース音が、図43の実線で示すスペクトル構造である場合、ピーク周波数が特定できず、ベース音は明確な音程を持たない音である。この場合、図43の実線のスペクトル構造から特定される破線のスペクトル構造は、ベース音の音程を近似したスペクトル構造である。スペクトル構造における2つの山状の部分は比較的狭い周波数帯であり、振幅が大きい方の山状部分の周波数帯において最大振幅値をとる周波数f11をベース音の基準となる音程を示すピーク周波数とし、他の周波数帯に含まれるピーク周波数をベース音の倍音の周波数とする。
図44は、本実施形態における出力音生成装置の機能構成図である。出力音生成装置100gは、上述した図35の構成に加え、近似部109を備える。近似部109は、音源101のベース音に対して周波数スペクトル解析を行い、そのスペクトル構造において、振幅が最も大きい周波数帯における最大振幅値をとる周波数をベース音の基底音の周波数として特定し、他の周波数帯に含まれるピーク周波数をベース音の倍音の周波数として特定する。
音程取得部102は、近似部109で特定された周波数を含む音程、つまり、基底音の周波数をベース音の基準となる音程として取得する。
このように構成することで、ベース音が明確な音程を有する音でない場合であっても、ベース音の音程を近似することで、ベース音に応じた変調音を生成することができる。
(応用例1)
第17の実施形態において、ベース音が第15の実施形態で示した扇風機の送風音である場合、送風音は明確な音程を持たない。扇風機の翼通過音は、実際には、上述したN×Z/60(Hz)の周波数にピークを有する単音ではなく、この周波数の近傍に周波数分布を有する音となり、明確な音程を有さない。
そのため、この場合には、例えば、近似部109において、扇風機の動作モードごとに、その動作モードに応じたN×Z/60(Hz)の周波数を、動作モードにおける音程を示すピーク周波数として記憶してもよい。または、動作モードに応じたN×Z/60(Hz)の周波数の近傍の周波数分布から、動作モードの基準となる音程を示す周波数を予め特定しておき、特定した周波数を動作モードと対応づけて近似部109に予め記憶するようにしてもよい。
(応用例2)
第17の実施形態において、ベース音が出力音生成装置の周囲の環境音である場合、出力音生成装置においてマイクを備え、マイクにより受音した環境音の音程を近似部109で特定してもよい。
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
[変形例]
(1)上述した実施形態では、出力音生成装置が出力部を備えるものとして説明したが、出力部を備えない構成としても良い。この場合、市販のスピーカ等を用いて、出力音生成装置によって生成された出力音を出力することができる。出力音生成装置と市販のスピーカ等との間は、有線または無線により接続することができる。
(2)上記実施形態(変形例を含む)で説明した出力音生成装置において、各ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されても良いし、一部又は全部を含むように1チップ化されても良い。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
(3)また、上記各実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。そして、上記各実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)、マイクロプロセッサ、プロセッサ等により行われる。それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。記憶装置(記憶媒体)は、一時的でない有形のものであり、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。
(4)上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。なお、上記実施形態に係る出力音生成装置をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上記実施形態においては、説明便宜のため、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
1…キー取得部、2…加算音決定部、3…加算音生成部、4,101…音源、5…加算部、6,6A〜6C,105,105A,105B,115,125,135…出力部、21,102,112…音程取得部、100〜100g…出力音生成装置、103…音決定部、104…変調音生成部、106,116…加算部、107,117…制御部、108…駆動部、109…近似部

Claims (35)

  1. 身体を制御するための出力音を生成する出力音生成装置であって、
    前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得する取得部と、
    前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成する変調音生成部と、
    を備え
    前記ベース音は音楽であり、
    前記取得部は、前記音情報として、前記音楽のキーを取得し、
    前記変調音生成部は、取得された前記音楽のキーの第1音、第3音、及び第5音のうちのいずれかの音を抽出し、抽出した音に基づいて前記変調音を生成する、出力音生成装置。
  2. 前記変調音生成部は、前記抽出した音に所定の周波数で振幅変調を行った音を前記変調音として生成する、請求項に記載の出力音生成装置。
  3. 前記変調音生成部は、前記抽出した音に所定の周波数で周波数変調を行った音を前記変調音として生成する、請求項に記載の出力音生成装置。
  4. 前記変調音生成部は、前記抽出した音と同じ音程の音が所定周期で連続する音を前記変調音として生成する、請求項に記載の出力音生成装置。
  5. 前記変調音生成部は、前記抽出した音に基づいて、周波数差が所定の周波数である2つの音を前記変調音として生成する、請求項に記載の出力音生成装置。
  6. 前記変調音生成部は、取得された前記音楽のキーがメジャーキーの場合、前記変調音を生成するために、前記取得部によって取得されたキーの第1音、第3音、及び第5音に加えて、第2音及び第6音の中から1つの音を抽出する、請求項2から5のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  7. 前記変調音生成部は、取得された前記音楽のキーがマイナーキーの場合、前記変調音を生成するために、前記取得部によって取得されたキーの第1音、第3音、及び第5音に加えて、第4音及び第7音の中から1つの音を抽出する、請求項2から5のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  8. 前記変調音生成部は、前記変調音を生成するために抽出する音として、その音の周波数と、その音より半音下の音の周波数との差の半分の周波数が前記所定の周波数より大きい音を抽出する、請求項5から7のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  9. 前記2つの変調音それぞれに、前記ベース音を加算することによって2つの出力音を生成する加算部と、
    左右の耳に対応して2つのスピーカを有し、前記出力音を出力する出力部と、をさらに備え、
    前記2つのスピーカのうちの一方のスピーカは、前記加算部によって生成された2つの出力音のうちの一方の出力音を出力し、他方のスピーカは、前記加算部によって生成された2つの出力音のうちの他方の出力音を出力する、請求項5から8のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  10. 前記2つの変調音を加算することによって出力音を生成する加算部と、
    前記出力音を出力するスピーカと、前記ベース音を出力するスピーカとを有する出力部と、をさらに備える請求項2から8のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  11. 前記2つの変調音と前記ベース音のそれぞれを出力する3つの出力部をさらに備える、請求項2から8のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  12. 前記2つの変調音の一方と前記ベース音とを加算する加算部と、
    前記出力音を出力する出力部とをさらに備え、
    前記出力部は、前記出力音として、前記加算部の加算によって得られる音と、前記2つの変調音の他方の変調音とをそれぞれ出力するスピーカを備える、請求項2から8のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  13. 前記ベース音を集音する集音部をさらに備え、
    前記取得部は、前記集音部で集音された前記ベース音のキーを取得する、請求項1から12のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  14. 身体を制御するための出力音を生成する出力音生成装置であって、
    前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得する取得部と、
    前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成する変調音生成部と、
    を備え、
    前記取得部は、前記音情報として、前記ベース音の周波数スペクトルに基づいて前記ベース音の基準となる基準音程を取得し、
    前記変調音は、前記基準音程と所定の音程差を有する音である、出力音生成装置。
  15. 前記変調音生成部は、前記ベース音と前記変調音とを重ねたときにモノラルビートが形成されるように、前記基準音程に対応する周波数に対して所定の周波数だけずれた音を前記変調音として生成する、請求項14に記載の出力音生成装置。
  16. 前記所定の音程差は、短3度、長3度、4度、5度、短6度、及び長6度のいずれかである、請求項14に記載の出力音生成装置。
  17. 前記所定の音程差は、前記基準音程の音と和音を構成する音程差であり、
    前記変調音生成部は、前記基準音程の音と前記和音を構成する少なくとも2つの変調音を生成する、請求項14に記載の出力音生成装置。
  18. 前記変調音生成部は、前記ベース音と同じ音色を有し、前記基準音程の音に対し所定の周波数で振幅変調を行った音を前記変調音として生成する、請求項14に記載の出力音生成装置。
  19. 前記変調音生成部は、前記基準音程と同じ周波数スペクトルを有し、前記ベース音と音高が異なる音を前記変調音として生成する、請求項14に記載の出力音生成装置。
  20. 前記変調音生成部は、前記基準音程の音に対し所定の周波数で振幅変調を行った音を前記変調音として生成する、請求項14に記載の出力音生成装置。
  21. 前記変調音生成部は、前記基準音程の音に対し所定の周波数で周波数変調を行った音を前記変調音として生成する、請求項14に記載の出力音生成装置。
  22. 前記変調音生成部は、前記基準音程の音を所定周期で連続させた音を前記変調音として生成する、請求項14に記載の出力音生成装置。
  23. 前記取得部は、前記ベース音の周波数スペクトルにおけるピーク周波数に基づく音程を前記基準音程として取得する、請求項14から22のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  24. 前記ベース音は環境音であり、
    前記環境音を集音する集音部をさらに備え、
    前記取得部は、前記集音部で集音された前記環境音の周波数スペクトルに基づいて前記基準音程を取得する、請求項14から23のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  25. 前記変調音と前記ベース音とを加算して前記出力音を生成する加算部と、
    前記加算部で生成された前記出力音を出力する出力部と、
    をさらに備える請求項14から24のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  26. 前記ベース音を出力するスピーカと、前記変調音を出力するスピーカとを有する出力部をさらに備える請求項14から24のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  27. 前記変調音生成部は、前記抽出した音と同じ2つの音に対し、それぞれ、所定の周波数で振幅変調を行うことにより、音像定位が異なる2つの前記変調音を生成する、請求項に記載の出力音生成装置。
  28. 前記変調音生成部は、前記基準音程の音と同じ2つの音に対し、それぞれ、所定の周波数で振幅変調を行うことにより、音像定位が異なる2つの前記変調音を生成する、請求項14に記載の出力音生成装置。
  29. 左右の耳に対応して2つのスピーカを備える出力部をさらに備え、
    前記2つのスピーカのうちの一方のスピーカは、前記2つの変調音のうちの一方の変調音を出力し、他方のスピーカは、他方の変調音を出力する、請求項27または28に記載の出力音生成装置。
  30. 前記変調音は、単一の周波数成分を有する音である、請求項1から29のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  31. 前記変調音生成部は、生成した前記変調音の音量、前記変調音を生成する際に用いる周波数、及び生成した前記変調音そのものの周波数の少なくとも一つを時間の経過に応じて変化させる、請求項1から30のいずれか一項に記載の出力音生成装置。
  32. 身体を制御するための出力音を生成する出力音生成方法であって、
    前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得し、
    前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成し、
    前記ベース音は音楽であり、
    前記音情報を取得する際に、前記音情報として、前記音楽のキーを取得し、
    前記変調音を生成する際に、取得された前記音楽のキーの第1音、第3音、及び第5音のうちのいずれかの音を抽出し、抽出した音に基づいて前記変調音を生成する、出力音生成方法。
  33. 身体を制御するための出力音を生成する出力音生成方法であって、
    前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得し、
    前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成し、
    前記音情報を取得する際に、前記音情報として、前記ベース音の周波数スペクトルに基づいて前記ベース音の基準となる基準音程を取得し、
    前記変調音は、前記基準音程と所定の音程差を有する音である、出力音生成方法。
  34. 身体を制御するための出力音を生成する出力音生成装置のコンピュータに、
    前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得するステップと、
    前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成するステップと、を実行させるプログラムであって、
    前記ベース音は音楽であり、
    前記音情報を取得するステップにおいて、前記音情報として、前記音楽のキーを取得し、
    前記変調音を生成するステップにおいて、取得された前記音楽のキーの第1音、第3音、及び第5音のうちのいずれかの音を抽出し、抽出した音に基づいて前記変調音を生成する、プログラム。
  35. 身体を制御するための出力音を生成する出力音生成装置のコンピュータに、
    前記出力音のベースとなるベース音に基づき、変調対象となる音を示す音情報を取得するステップと、
    前記出力音に含まれる音であって、前記音情報が示す音の音量、音程、及び音色の少なくとも1つを周期的に変化させた変調音、又は、前記音情報が示す音を周期的に連続させた変調音を生成するステップと、を実行させるプログラムであって、
    前記音情報を取得するステップにおいて、前記音情報として、前記ベース音の周波数スペクトルに基づいて前記ベース音の基準となる基準音程を取得し、
    前記変調音は、前記基準音程と所定の音程差を有する音である、プログラム。
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