以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(インデックスセンサ;図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン(有効ラインともいう)は、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。
図2は、図柄表示窓113の9つの表示領域1〜9と、本実施形態で採用されている入賞ライン114との関係を示した図である。本実施形態では、表示領域1、4、7によって構成される上段水平入賞ライン(水平入賞ラインL2)、表示領域2、5、8によって構成される中段水平入賞ライン(水平入賞ラインL1)、表示領域1、5、9によって構成される右下がり入賞ライン(対角入賞ラインL3)、表示領域3、5、7によって構成される右上がり入賞ライン(対角入賞ラインL4)の4本の入賞ラインが設定されている。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型の押下スイッチであり、各リール110〜112に対応づけてそれぞれ設けられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。さらに、回転中の各リール110〜112を全て停止させるためのストップボタン137〜139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。第1停止リールを左リール110とする停止操作とする操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第1停止リールを右リール112とする停止操作とする操作順序を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
本実施形態では、ストップボタン137を左ストップボタン137とも称し、左リール110を停止させるためのスイッチとし、ストップボタン138を中ストップボタン138とも称し、中リール111を停止させるためのスイッチとし、ストップボタン139を右ストップボタン139とも称し、右リール112を停止させるためのスイッチとしている。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部の回路構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314と、を搭載している。を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路332を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路332から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ(左ストップボタンセンサともいう)、ストップボタン138センサ(中ストップボタンセンサともいう)、ストップボタン139センサ(右ストップボタンセンサともいう)、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。また、主制御部300は、主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。また、第1副制御部400は、第1副制御部400に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路424を備えており、電圧監視回路424は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路402に出力する。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157やシャッタ163などの制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の制御を行う制御部、シャッタ163の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163を駆動する駆動回路530が設けられ、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532が設けられ、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538が接続されている。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<図柄配列>
図4(a)を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図4(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「BB1図柄(白7ともいう)−BB1図柄−BB1図柄」、BB2が「BB2図柄(青7ともいう)−BB2図柄−BB2図柄」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」(以下、単に、「RB」と称する場合がある)は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「RB図柄(ボーナスともいう)−RB図柄−RB図柄」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
「小役(チェリー、スイカ、ベル)(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー図柄−ANY図柄−ANY図柄」、スイカが「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」、ベルが「ベル図柄−ベル図柄−ベル図柄」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りであり、チェリーが4枚、スイカが12枚、ベルが8枚である。なお、「チェリー図柄−ANY図柄−ANY図柄」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」図柄であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」である。
ここで、入賞役の内部当選確率について概説する。
各々の役の内部当選確率は、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、後述する内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(本実施形態では65536)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。後述する入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件(例えば、後述する入賞役の内部抽選処理の結果)に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(引き込み範囲;ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、特別役の内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
例えば、小役(スイカ)に内部当選した場合には、スイカ図柄は4コマを超えて配置されているので、ストップボタン137〜139を操作するタイミングが好適でないと、スイカ図柄は入賞ラインに停止しない。
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技(リプレイ)に対応する、再遊技図柄の配置間隔は最大4コマであるため、再遊技に内部当選すると、そのタイミングに係わらず100%入賞することになる。
一方、禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、特別役であるBB又はRBの内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<ステッピングモータ>
上述したリールの停止制御及び回転制御は、ステッピングモータの制御に基づいて行われる。そこで、ステッピングモータの制御方法について説明する。
まず、図5を用いて本実施形態のステッピングモータの概要について説明する。同図は、ステッピングモータの概要を示す図である。
図5(a)は、ステッピングモータの回転軸を中心に構造を示す断面図である。このステッピングモータは所謂PM型のステッピングモータであり、その周囲に複数の磁石が配置された回転子Rと、所謂二相の巻線構成による4系統の電磁石が順に配置された固定子Sを備えている(図5(a)の拡大図参照)。なお、本実施形態ではPM型のステッピングモータを用いているが、例えば所謂HB型のステッピングモータのように、別の形式のモータを用いてもよい。
回転子Rに配置された磁石は、N極とS極が等間隔で交互に並ぶように配置されたものであり、その総数は252個である。固定子Sに配置された、電磁石A相、電磁石B相、電磁石A−相、および電磁石B−相の4系統の電磁石は、回転子Rに配置された磁石に対向するように等間隔で並べられている。1系統の電磁石の数は63個であり、固定子S全体には252個の電磁石が配置されている。
このステッピングモータは、固定子Sに配置された4系統の電磁石を制御することによって回転子Rの周囲に配置された磁石との間に力を与え、回転子Rを回転させるものである。図5(b)には、4系統の電磁石を制御する際に用いられる制御用のパルスの一例が示されている。このパルスは1−2相励磁と呼ばれる励磁方式のパルスである。この方式では、固定子Sの励磁パターンは8パターンになる。図5(c)には、この8つの励磁パターンが、4系統の電磁石に対する信号によって示されている。このパターンは主制御部300のROM306に記憶されている。
リール110〜112を順方向に回転させる場合には、パターン1、パターン2、パターン3、・・・というように、図5(c)に示すパターンを上から下に向かって順に切り替える制御を行う。なお、パターン8の次はパターン1に切り替える制御を行う。また、リール110〜112を逆方向に回転させる場合には、順方向に回転させる場合と逆に、図5(c)に示すパターンを下から上に向かって順に切り替える制御を行う。なお、パターン1の次はパターン8に切り替える制御を行う。さらに、リール110〜112を停止させる場合には、励磁パターンを維持する制御を行えばよい。ただし、本実施形態では、停止状態をより大きいトルクで維持するために、所謂2相励磁と呼ばれる励磁方式によりリール110〜112の停止状態を維持している。
本実施形態のステッピングモータは、励磁パターンを504回切り替えることで、リール110〜112を一回転させることができるものである。すなわち、リール110〜112の位置を0.71°(360°/504)刻みで制御することができる。なお、図柄1つ分移動させる場合は、順方向あるいは逆方向のいずれかの方向に励磁パターンを24回(504回/21図柄)切り替えることが必要になる。
以下、毎回の遊技において実行される通常回転を行う際の励磁パターンの変化について、図6を用いて説明する。同図は、リール制御用のデータを表で示す図である。
図6には、スタートレバー135の操作によって停止状態(停止制御状態)にあるリール110〜112を徐々に加速した後に一定速度に収束させ(加速制御状態)、その後停止操作の操作によって一定速度で回転している(定速制御状態)リール110〜112をそれぞれ停止させる(引込み制御状態、ブレーキ制御状態)までの、一連の制御を行うためのデータ(リール制御用データ)の詳細が示されている。なお、例えば、リール110〜112に施された図柄の位置が表示窓113の有効ライン上に停止するように励磁パターンを調整する等の理由により、停止状態の励磁パターンは一定にならない場合がある。このため、図6では、図5(c)に示す励磁パターンのうち停止状態を維持している励磁パターンを基準とし、そこから順方向に励磁パターンを切り替える回数によって、他の励磁パターンを表している。図6には、この回数が励磁パターンオフセット値として示されている。例えば、励磁パターン2の状態でリールが停止状態である場合には、励磁パターンオフセット値が0であることは励磁パターン2であること示し、励磁パターンオフセット値が1であることは励磁パターン3であること示し、励磁パターンオフセット値が7であることは励磁パターン1であることを示す。
まず、項目「状態」の「停止制御状態」には、リール110〜112の停止状態を維持するためのデータが示されている。このデータによれば、2相励磁方式により一つの励磁パターンを維持することによってリール110〜112の停止状態が保持され、その際のステッピングモータの使用電流は20%であることが示されている。
続いて、スタートレバー135の操作によりリール110〜112の回転を開始する制御が行われる。項目「状態」の「加速制御状態」には、リール110〜112の回転を加速させる制御を行うためのデータが示されている。このデータによれば、1−2相励磁方式の励磁パターンを順次切り替えてゆき、その切り替えの間隔を徐々に短くしていくことにより、リール110〜112の回転を加速させる制御が実行されることが示されている。なお、この制御におけるステッピングモータの使用電流は100%であることが示されている。
また、リール110〜112がある程度加速すると、リール110〜112の回転速度を一定速度に収束させる制御が実行される。リール110〜112の回転速度を一定速度に収束させる制御を行うためのデータが示されている。このデータによれば、所望の速度に合わせて1−2相励磁方式の励磁パターンを等間隔で順次切り替えることにより、リール110〜112の回転速度を一定速度に収束させる制御が実行されることが示されている。なお、この制御におけるステッピングモータの使用電流は100%であることが示されている。
リール110〜112の回転速度が一定速度に収束した後、ストップボタン137〜139の操作に基づき後述する停止制御がされるまで、リール110〜112の回転速度は一定速度に保たれる。項目「状態」の「定速制御状態」及び「引込み制御状態」には、リール110〜112の回転速度を一定速度に保つためのデータが示されている。このデータによれば、所望の速度に合わせて1−2相励磁方式の励磁パターンを等間隔で順次切り替えることが示されている。この制御により、リール110〜112の回転速度が一定に保たれる。なお、上記「定速制御状態」及び「引込み制御状態」によって既にリールの回転速度が一定に収束しているため大きなトルクを必要としない。このため、この制御におけるステッピングモータの使用電流は60%となっている。なお、「定速制御状態」及び「引込み制御状態」には励磁パターンオフセット値が0〜7の計8つしか示されていないが、リール110〜112の停止制御がされるまで、この回転制御は繰り返される。
上記定常回転制御の実行中にストップボタン137〜139が操作されるとリール110〜112の回転を停止する制御が行われる。項目「状態」の「ブレーキ制御状態」には、リール110〜112の回転を停止するためのデータが示されている。このデータによれば、リール110〜112の回転が開始する前の励磁パターンが2相励磁方式によって維持されることが示されている。この制御により、リール110〜112を停止させる。なお、この制御におけるステッピングモータの使用電流は100%であることが示されている。
<複数のストップボタンに対する同時操作>
次に、図7〜図11を用いて、複数のストップボタンを同時に操作した場合の操作制御(以下、同時操作制御ともいう)について説明する。ここで、複数の操作部を同時に操作する場合とは、遊技者の意図した同時操作のほか、遊技者の意図しない同時操作も想定される。例えば、ストップボタンの側面の隙間にゴミ等が存在したため、ストップボタンを押下した後、押下したストップボタンが元の状態に戻らないまま、次のストップボタンを操作した場合などである。
まず、図7〜図10を用いて、ストップボタン137〜139に対する同時操作について説明する。図7は、全リール110〜112が回転中の状態において、ストップボタン137及び138を同時に停止操作した場合、つまり左リール110及び中リール111に対して同時に停止操作が行われた場合の停止態様であり、図8は、全リール110〜112が回転中の状態において、ストップボタン138及び139を同時に停止操作した場合、つまり中リール111及び右リール112に対して同時に停止操作が行われた場合の停止態様である。また、図9は、左リール110が停止、かつ中リール111及び右リール112が回転中の状態において、ストップボタン138及び139を同時に停止操作した場合、つまり中リール111及び右リール112に対して同時に停止操作が行われた場合の停止態様であり、図10は、全リール110〜112が回転中の状態において、全ストップボタン137、138及び139を同時に停止操作した場合、つまり左リール110、中リール111及び右リール112に対して同時に停止操作した場合の停止態様である。
本実施形態では、複数のストップボタンが同時に操作された場合に1つのストップボタンが操作されたものとして、つまり1つのリールに対してのみ停止制御を行うようになっているが、停止制御を行うリールの優先順位が予め決定されている。具体的には、(1)左リール110が最も優先され、(2)中リール111が次いで優先され、(3)右リール112が最後に優先される順位(以下、左中右の優先順位ともいう)となっている。この優先順位は、スロットマシンにおいて、左中右の順序、所謂「順押し」の停止操作が最も多く行われることを反映したものであり、本実施形態においても、遊技者にとって有利度が高い停止操作順序に合致するものである。なお、優先順位は他の順位でもよく、例えば左右中の順序としてもよい。
例えば、図7に示すように、全リール110〜112が回転中にストップボタン137及び138を同時に停止操作し、左リール110及び中リール111に対して同時に停止操作が行われた場合には、上述した優先順位により左リール110は中リール111よりも優先順位が高いので、左リール110に対する停止操作が行われたものとみなされ、左リール110が停止制御される。すなわち、この場合には左リール110が停止する。なお、このとき中リール111は停止しないが、再度ストップボタン138を操作することで中リール111を停止させることができる。
また、図8に示すように、全リール110〜112が回転中にストップボタン138及び139を同時に停止操作し、中リール111及び右リール112に対して同時に停止操作が行われた場合には、上述した優先順位により中リール111は右リール112よりも優先順位が高いので、中リール111に対する停止操作が行われたものとみなされ、中リール111が停止制御される。すなわち、この場合には中リール111が停止する。
また、図9に示すように、左リール110が停止し、中リール111及び右リール112が回転中に、ストップボタン138及び139を同時に停止操作し、中リール111及び右リール112に対して同時に停止操作が行われた場合には、上述した優先順位により中リール111は右リール112よりも優先順位が高いので、中リール111に対する停止操作が行われたものとみなされ、中リール111が停止制御される。すなわち、この場合には中リール111が停止する。
なお、同時操作されるストップボタンは2つに限定されるものではなく、3つでもよい。例えば、図10に示すように、全リールが回転中に、ストップボタン137、138及び139を同時に停止操作し、左リール110、中リール111及び右リール112に対して同時に停止操作した場合には、上述した優先順位により左リール110は中リール111及び右リール112よりも優先順位が高いので、左リール110に対する停止操作が行われたものとみなされ、左リール110が停止制御される。すなわち、この場合には左リール110が停止する。
ここで、図11を用いて、本実施形態の「同時」について説明する。図11は、左リール110と中リール111を同時に停止操作した場合のストップボタンセンサのタイミングチャート図である。なお、図11に示す点線は、割込み時間(約1.5ms)ごとに実行される主制御部タイマ割込処理(詳しくは後述する)の実行タイミングを示している。
本実施形態では、主制御部タイマ割込処理の入力ポート状態更新処理(後述する図23のS1003)において、各ストップボタンセンサの検出信号の有無を更新するが、この1回(1割込み)の主制御部タイマ割込処理において、ともにストップボタンセンサの検出信号がON信号である場合を同時操作としている。なお、ストップボタンセンサの検出信号がON信号とは、ストップボタンが押下された状態の信号を意味する。すなわち、2つのボタンの押下されたタイミングが僅かに異なっていても、割込み時間ごとに実行される主制御部タイマ割込処理のタイミングにおいて2つのボタンに対応するそれぞれの検出信号がいずれも押下状態を示す信号であれば同時に押下されたものとみなすものであり、一方のボタンの押下検出があった一の検出タイミングにおいて、他方のボタンの押下検出があった場合を同時操作とする。
例えば、図11(a)は、主制御部タイマ割込処理の一のタイミング(タイミングAまたはB)において、左ストップボタンセンサと中ストップボタンセンサの検出信号はともにON信号を示しているので、この場合は左ストップボタン137と中ストップボタン138の同時操作である。
また、図11(b)も、主制御部タイマ割込処理の一のタイミング(タイミングC)において、左ストップボタンセンサと中ストップボタンセンサの検出信号はともにON信号を示しているので、この場合も左ストップボタン137と中ストップボタン138の同時操作である。
一方、図11(c)は、主制御部タイマ割込処理のいずれのタイミングにおいても、左ストップボタンセンサと中ストップボタンセンサの検出信号がともにON信号を示すことはないので、この場合はストップボタン137と中ストップボタン138の同時操作ではない。
<リール停止制御とリール脱調監視>
次に、本実施形態のリール停止制御とリール脱調監視について説明する。
図12は、ストップボタンユニット136に設けられたストップボタン137〜139に対して遊技者の指等を横スライドさせて、左ストップボタン137→中ストップボタン138→右ストップボタン139の順序で連続的に停止操作(以下、この横スライドさせる停止操作を「スライド操作」、この順序のスライド操作を「左中右のスライド操作」という)を行った場合のリール停止制御の概要を示すタイミングチャートである。
本実施形態では、スライド操作が行われた場合、一の停止操作後、所定の微小時間T1(後述する主制御部タイマ割込処理の実行間隔の約1.5msよりも長い時間であり、停止操作の連続性を妨げない時間。例えば、40msなど)の経過をもって次の停止操作を受け付けることを可能としている。すなわち、スライド操作が行われた場合、全リール110〜112に対する連続的な停止操作が可能となっている。
例えば、図12に示すように、遊技者が左中右のスライド操作を行った場合、スロットマシン100は、まず、時点t1の左ストップボタン137に対する操作に基づいて、左リール110に対する停止準備処理P1を実行した後、左リール110に対する停止処理P2を実行する。
ここで、停止準備処理とは、停止操作の対象リールに対して停止制御に関する種々の情報を設定する処理(後述する「主制御部タイマ割込処理において実行される処理」)を意味し、停止処理とは、停止準備処理で設定された情報に基づいて停止操作の対象リールを実際に停止する処理(後述する「主制御部メイン処理において実行される処理」)を意味する。
次いで、スロットマシン100は、時点t1から所定の微小時間T1以上が経過した時点t2の中ストップボタン138に対する操作に基づいて、中リール111に対する停止準備処理P3を実行した後、中リール111に対する停止処理P4を実行する。
次いで、スロットマシン100は、時点t2から所定の微小時間T1以上が経過した後の時点t3の右ストップボタン139に対する操作に基づいて、右リール112に対する停止準備処理P5を実行した後、右リール112に対する停止処理P6を実行する。
本実施形態では、停止操作間において停止操作の受付を不可とする微小時間T1を設けているが、この微小時間T1はスライド操作の妨げとなる時間でない。また、当該停止操作に係わるリール制御が行われている最中に次の停止操作を受付可能とし、次の停止操作に係わるリール制御を可能としているので、このこともスライド操作の妨げとはなっていない。
例えば、図12では、左リール110に対する停止処理P2を実行中に中ストップボタン137の停止操作を可能としており、停止処理P2を実行中に中ストップボタン137に対して操作が行われた場合、中リール111に対する停止準備処理P3及び停止処理P4を実行可能としている。ここで、停止処理P2、停止準備処理P3及び停止処理P4は、図柄の引き込み数の多少によって時間の長短が決まる。また、中リール111に対する停止処理P4を実行中に右ストップボタン139の停止操作を可能としており、停止処理P4を実行中に右ストップボタン139に対して操作が行われた場合、右リール112に対する停止準備処理P5及び停止処理P6を実行可能としている。
この結果、急いで停止操作を行う遊技者であっても、遊技者の意図する所望の順序でリール110〜112を停止操作することが可能となっている。
図13は、ストップボタンユニット136に設けられたストップボタン137〜139に対して遊技者の指等が同時操作を行った場合の停止制御の概要を示すタイミングチャートである。
本実施形態では、上述したように、同時操作が行われた場合、停止操作に関して予め定めた優先順位が設定されているので、この優先順位に基づいて一の停止操作を受け付け、受け付けた一の停止操作に対応する一のリールの停止制御を実行することとしている。すなわち、同時操作が行われても、全リール110〜112のすべてが停止するのではなく、一のリールが停止する。なお、本実施形態の同時操作における優先順位は、上述したように、左中右の優先順位となっている。
例えば、図13に示すように、遊技者が同時操作を行った場合、スロットマシン100は、まず、左リール110に対する停止準備処理P1を実行した後、左リール110に対する停止処理P2を実行する。すなわち、左リール110に対して停止制御は行われるが、中リール111及び右リール112に対して停止制御は行われない。
これに対して、図14は、従来において同時操作を行った場合の一方式(以下、従来A方式という)の停止制御の概要を示すタイムチャートである。この場合には、図14に示すように、同時操作が行われた場合、全リール110〜112が停止するようになっている。
図15(a)は、従来A方式により、同時操作が行われた場合の各ストップボタンセンサの状態及び各リールの脱調監視処理の有無を示すタイミングチャートである。図15(a)によれば、同時操作が時点t1において行われた場合、左ストップボタン137、中ストップボタン138、及び右ストップボタン139のすべてを受け付けて、全リール110〜112を停止させるようにしている。
図15(b)は、従来A方式において、時点t1において左リール110に脱調が発生している最中に中リール111に対して停止操作を行った場合の各ストップボタンセンサの状態及び各リールの脱調監視処理の有無を示すタイミングチャートである。図15(b)によれば、左リール110の脱調時の処理(具体的には、左リール110の回転復帰に関する処理)を実行するとともに中ストップボタン138を受け付けて、中リール111を停止させている。
なお、図15〜図18に示す点線は、割込み時間(約1.5ms)ごとに実行される主制御部タイマ割込処理の実行タイミングを示している。
図16(a)は、図15(b)の内容をより詳しく示すもので、同一の主制御部タイマ割込処理内において、左リール110の脱調を検出して、左リール110の脱調時の処理を実行するとともに、中ストップボタン138に対する操作に基づいて中リール111を停止させるリール制御処理を実行した場合のタイミングチャートを示している。
このように従来A方式においては、左リール110の脱調が発生している間に中リール111を停止させてしまう。
図16(b)は、図16(a)の場合のリール110〜112の停止態様を示すタイミングチャートである。この場合、遊技者は、図16(b)に示すように、の順押しの停止操作を行っても、左リール110において脱調が発生しているので、中リール111が最初に停止してしまうという事態が生じてしまう。左ストップボタン137、中ストップボタン138の順で操作したにも係わらず、左リール110の脱調を検出したために左リール110を停止させずに中リール111を停止させる。左リール110は脱調ではなくなった場合(左リール110の回転が正常になった場合)に行われた左ストップボタン137によって停止させる。そのため、先に中リール11が停止し次ぎに左リール110が停止することになる。すなわち、従来A方式では、リールに脱調が発生した場合、遊技者の意図しない順序でリール110〜112が停止してしまうという問題が生じていた。
これに対して、図17(a)は、本実施形態において同時操作が行われた場合の各ストップボタンセンサの状態及び各リールの脱調監視処理の有無を示すタイミングチャートである。本実施形態では、図17(a)に示すように、時点t1において同時操作が行われた場合、左ストップボタン137、中ストップボタン138、及び右ストップボタン139のストップボタンセンサはオン状態となるが、上述した優先順位に基づき左ストップボタン137だけの操作を受け付けて、左リール110だけを停止させるようにしている。
図17(b)は、本実施形態の同一の主制御部タイマ割込処理内において、左リール110に脱調が発生している最中に中リール111に対して停止操作を行った場合の各ストップボタンセンサの状態及び各リールの脱調監視処理の有無を示すタイミングチャートである。本実施形態では、図17(b)に示すように、時点t1において左リール110の脱調時の処理を実行する一方、中ストップボタン138のストップボタンセンサはオン状態となるが中ストップボタン138に対する操作は受け付けず、中リール111を停止させない。
この結果、本実施形態では、リールに脱調が発生した場合、図16(b)に示すように、遊技者の意図しない順序でリール110〜112が停止してしまう事態が発生することはない。
図18(a)は、図17(b)の内容をより詳しく示すもので、同一の主制御部タイマ割込処理内において、時点t1において左リール110の脱調を検出して、左リール110の脱調時の処理を実行する一方、中ストップボタン138に対する操作があっても中リール111を停止させない場合のタイムチャートを示している。
図18(b)は、同一の割込処理内において、時点t1において中リール111の脱調を検出して、中リール111の脱調時の処理を実行する一方、右ストップボタン139に対する操作があっても右リール112を停止させない場合のタイムチャートを示している。この場合には、中リール111の脱調が発生している間に、右ストップボタン139に対する操作を受け付けないので右リール112を停止させない。すなわち、この場合においても、遊技者が左中右の順押しの停止操作を行ったとしても、遊技者の意図しない順序でリール110〜112が停止してしまう事態が発生することはない。
図19は、以上に述べた本実施形態のリール停止制御に関する特徴を主制御部タイマ割込処理の流れに沿って示したフローチャートである。主制御部タイマ割込処理は、主制御部300により所定の周期(本実施形態では約1.5msに1回)で実行される処理である(詳しくは後述する)。
本実施形態のリール停止制御に関する処理においては、図19に示すように、まず、左リール110に関する処理S10を実行し、次いで、左リール110に関する処理S10を実行した後に中リール111に関する処理S20を実行し、次いで、中リール111に関する処理S20を実行した後に右リール112に関する処理S30を実行する。これは、上述した左中右の優先順位に基づく実行順序である。
左リール110に関する処理S10は、左ストップボタン137の操作受付に関する左ストップボタン受付処理であり、(1)左ストップボタン137の受付が有効な期間において左ストップボタン137に対する操作を受け付けた場合には、左リール110の停止制御に必要な種々の情報を設定する左リール停止準備処理S11を実行し、(2)左ストップボタン137の受付が有効な期間において左ストップボタン137に対する操作を受け付けなかった場合には、左リール110の脱調を監視する左リール脱調監視処理S12を実行する。すなわち、左リール110に関する処理S10において、左リール停止準備処理S11と左リール脱調監視処理S12はともに実行されることはなく、両者のうちのいずれか一方が実行されるようになっている。
同様にして、中リール111に関する処理S20は、中ストップボタン138の操作受付に関する中ストップボタン受付処理であり、(1)中ストップボタン138の受付が有効な期間において中ストップボタン138に対する操作を受け付けた場合には、中リール111の停止制御に必要な種々の情報を設定する中リール停止準備処理S21を実行し、(2)中ストップボタン138の受付が有効な期間において中ストップボタン138に対する操作を受け付けなかった場合には、中リール111の脱調を監視する中リール脱調監視処理S22を実行する。すなわち、中リール111に関する処理S20において、中リール停止準備処理S21と左リール脱調監視処理S22はともに実行されることはなく、両者のうちのいずれか一方が実行されるようになっている。
同様にして、右リール112に関する処理S30は、右ストップボタン139の操作受付に関する右ストップボタン受付処理であり、(1)右ストップボタン139の受付が有効な期間において右ストップボタン139に対する操作を受け付けた場合には、右リール112の停止制御に必要な種々の情報を設定する右リール停止準備処理S31を実行し、(2)右ストップボタン139の受付が有効な期間において右ストップボタン139に対する操作を受け付けなかった場合には、右リール112の脱調を監視する右リール脱調監視処理S32を実行する。すなわち、右リール112に関する処理S30において、右リール停止準備処理S31と右リール脱調監視処理S32はともに実行されることはなく、両者のうちのいずれか一方が実行されるようになっている。
また、主制御部タイマ割込処理の1割込の処理において、左リールに関する処理S10の左リール脱調監視処理S12を実行し、左リール110に脱調が発生していた場合には、左リール110に対して脱調を解消すべく、回転復帰処理を実行するが、その後の中リールに関する処理S20においては、中リール停止準備処理S21を実行することはなく、中リール脱調監視処理S22を実行する。また、右リールに関する処理S30においては、右リール停止準備処理S31を実行することはなく、右リール脱調監視処理S32を実行する。
同様にして、主制御部タイマ割込処理の1割込の処理において、中リールに関する処理S20の中リール脱調監視処理S22を実行し、中リール111に脱調が発生していた場合には、中リール111に対して脱調を解消すべく、回転復帰処理を実行するが、その後の右リールに関する処理S30においては、右リール停止準備処理S31を実行することはなく、右リール脱調監視処理S32を実行する。
これらは、リール110〜112に脱調が発生した場合に、遊技者の意図しない順序でリール110〜112が停止してしまうという問題を解消するための方策である。すなわち、このような場合であっても遊技者の意図した順序(左中右の順押し)でリール110〜112を停止させることができる。
なお、各リール110〜112における脱調監視処理S12、S22、S32は、停止操作済みのリール110〜112に対して実行されないのは勿論である。
以上に述べた本実施形態の特徴を踏まえて、以下、スロットマシン100の動作について説明する。
<主制御部メイン処理>
次に、図20を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
スロットマシン100に電源が投入されると、まず、ステップS101では、各種の初期設定処理を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102では、メダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではベットボタン130〜132による電子的なメダル投入操作、または、メダル投入口141からの直接的なメダル投入操作があったか否かをセンサ回路320による検出によって判定し、投入操作があった場合には、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、第1副制御部400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技役に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。
また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックをセンサ回路320の検出に基づいて行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第1副制御部400に対してスタートレバー135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
ステップS103では、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS104では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、入賞役の内部抽選処理を行う。入賞役の内部抽選処理では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合には、内部当選した役の条件装置(フラグ)を作動させる(その入賞役のフラグがONになる)。また、このステップS105では、入賞役内部抽選の結果を示す内部当選コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。例えば、スイカに内部当選した場合には、スイカに内部当選したことを示す内部当選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行い、入賞役内部抽選の結果がハズレ(入賞役の非当選)の場合には、ハズレを示す内部当選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
ステップS106では、ステップS105の入賞役内部抽選の結果等に基づき、リール停止データを選択する。停止操作順序が問われる入賞役のリール停止データについては、その操作条件も設定されており、これらに対応するリール停止データが選択されると、その操作条件も設定されたことになる。
ステップS107では、スタート操作に基づいて、全リール110〜112の回転を開始させるリール回転開始処理(詳しくは後述)を実行する。
ステップS108では、リール停止制御処理(詳しくは後述)を行う。リール停止制御処理では、後述する主制御部タイマ割込処理のリール状態制御判定処理におけるリール停準備処理の情報に基づいて、リール110〜112を停止制御し、全リールが停止したか否かを判定する。全リールが停止した場合には、ステップS109に進む。
ステップS109では、入賞判定処理を行う。入賞判定処理では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行い、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が揃っていたならばスイカ入賞と判定する。また、このステップS109では、入賞判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS110では、メダル払出処理を行う。メダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。また、ステップS110では、第1副制御部400に対してメダルの払出枚数を示すメダル払出コマンドを送信する準備を行う。
ステップS111では、遊技状態制御処理を行う。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合には次回からBB遊技を開始できるように準備する。また、このステップS111では、遊技状態を示す遊技状態コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。なお、上記各ステップで準備された各種コマンドは、後述する主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(図23のステップS1007)において送信される。
<リール回転開始処理>
次に、図21を用いて、リール回転開始処理について説明する。図21は、図20のステップS107のリール回転開始処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、遊技間隔タイマの値が0であるか否かを判定する。遊技間隔タイマは、主制御部300のRAM308の特定の記憶領域に記憶されるタイマであり、1回の遊技に必要な時間を所定の時間(例えば、最少遊技時間の4.1秒)以上になるように制限し、単位時間における遊技媒体の獲得数または損失数を抑え、遊技の射幸性を制限する目的で設定されるタイマである。遊技間隔タイマは、後述するステップS203で所定のタイマ値(たとえば4.1秒に相当するタイマ値)が設定され、主制御部300のタイマ割込処理(後述する)が実行されるごとにデクリメントされる。遊技間隔タイマの値が0である場合には、1回の遊技に必要な時間が経過したので、ステップS202に進み、そうでない場合には、ステップS201を繰り返す。
ステップS202では、遊技間隔タイマに所定のタイマ値(たとえば4.1秒に相当するタイマ値)を設定する。
ステップS203では、割込み制御状態を「リール制御状態」に設定する。割込み制御状態とは、後述する主制御部タイマ割込処理において参照される情報であり、割込み制御状態が「リール制御状態」の場合には、主制御部タイマ割込処理において、リール制御に関する処理が実行される。
ステップS204では、ルール制御状態を加速制御状態に設定する(図6参照)。なお、リール制御状態とは、主制御部300のRAM308の所定の記憶領域に各リール110〜112それぞれごとに独立して記憶されるリールの制御状態に関する情報であり、図6に示す「停止制御状態」、「加速制御状態」、「定速制御状態」、「引込み制御状態」、「ブレーキ制御状態」のいずれかの情報が記憶される。
ステップS205では、ストップボタン無効タイマ1に所定のタイマ値(リールが一定の回転速度に達するまでの時間)を設定する。ストップボタン無効タイマは、主制御部300のRAM308の特定の記憶領域に記憶されるタイマであり、リールが停止状態から一定の回転速度に達するまでの所定時間を担保する目的で設定されるタイマである。ストップボタン137〜139に対する停止操作は、この所定時間が経過した後(リール制御状態が定速制御状態になると)有効となる。ストップボタン無効タイマの値は、主制御部300のタイマ割込処理(後述する)が実行されるごとにデクリメントされる。
ステップS206では、その他のリールの回転開始に関する処理を行う。例えば、リールが回転開始したことを示すリール回転開始コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
<リール停止制御処理>
次に、図22を用いて、リール停止制御処理について説明する。図22は、図20のステップS108のリール停止制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、ストップボタン無効タイマ1の値が0であるか否かを判定する。ストップボタン無効タイマ1の値が0である場合には、ストップボタン137〜139の停止操作が有効となるので、ステップS302に進む。ストップボタン無効タイマ1の値が0でない場合には、ステップS301を繰り返す。
ステップS302では、ストップボタン137〜139の操作を有効とする。
ステップS303では、ストップボタン137〜139に対する操作があったか否かを判定する。ストップボタン137〜139に対する操作があった場合には、ステップS304に進み、そうでない場合には、ステップS303を繰り返す。
ステップS304では、ストップボタン無効タイマ2に所定の微小時間T1(例えば、40ms)に相当するタイマ値を設定する。ストップボタン無効タイマ2は、主制御部300のRAM308の特定の記憶領域に記憶されるタイマであり、停止操作間の微小時間T1を担保する目的で設定されるタイマである。一のストップボタンに対する停止操作後、この所定の微小時間Tが経過した後に次のストップボタンに対する停止操作が有効となる。ストップボタン無効タイマ2の値は、主制御部300のタイマ割込処理(後述する)が実行されるごとにデクリメントされる。
ステップS305では、いずれかのストップボタンに対する操作があったので、操作されたストップボタンに基づいて、ストップボタン受付コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。なお、ストップボタン受付コマンドには、停止対象となるリールを識別可能な情報(左リール110、中リール111、右リール112を識別可能な情報)、ストップボタン押下時の図柄位置(例えば、図柄表示窓113の中段位置の図柄番号)、及び停止図柄位置を識別可能な情報(例えば、ストップボタンを押下されてからリールが停止するまでの滑りコマ数)などが含まれる。
ステップS306では、全リール110〜112が停止したか否かを判定する。全リール110〜112が停止した場合には、リール停止制御処理を終了し、そうでない場合には、ステップS307に進む。
ステップS307では、次回停止データ、すなわち、停止操作がされていないリールに対してリール停止データの設定を行う。
ステップS308では、ストップボタン受付有効状態を更新する。すなわち、停止操作されたストップボタンを無効、未だ停止操作されていないストップボタンを有効とする。
ステップS309では、ストップボタン無効タイマ2の値が0であるか否かを判定する。ストップボタン無効タイマ2の値が0である場合には、未だ停止操作されていないストップボタン137〜139の停止操作が有効となるので、ステップS310に進む。ストップボタン無効タイマ2の値が0でない場合には、ステップS309を繰り返す。
ステップS310では、未だ停止操作されていないストップボタン137〜139の操作を有効とする。ステップS310の処理終了後はステップS303に進む。
なお、本実施形態では、一のストップボタンの操作を受け付けてから次のストップボタンの操作までの間に所定の微小時間T1(例えば、40ms)だけ停止操作を無効とする無効期間を設けている。しかしながら、遊技者の連続的な停止操作をより妨げないようにするため、このような無効期間を設けないようにしてもよい。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図23を用いて、主制御部300のタイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約1.5msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS1001では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS1002では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS1003では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318(例えば、左ストップボタンセンサ、中ストップボタンセンサ、右ストップボタンセンサ、スタートレバーセンサ、ベットボタンセンサなど)のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS1004では、各種センサ318からの信号に基づいて、割込み制御状態を取得する。
ステップS1005では、取得した割込み制御状態に従って各種遊技処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS1006では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。例えば、上述した遊技間隔タイマ、ストップボタン無効タイマ1、2などの更新処理を行う。
ステップS1007では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(例えば、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴うリール回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴うストップボタン受付コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示す遊技状態コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS1008では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS1009では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS1003において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS1010では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS1012に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS1011に進む。
ステップS1011では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS1001で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図20に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS1012では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理(詳しくは後述)を行い、その後、図20に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<各種遊技処理>
次に、図24を用いて、各種遊技処理について説明する。なお、図24は、図23のステップS1005の各種遊技処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1101では、割込み制御状態がリール停止制御状態であるか否かを判定する。割込み制御状態がリール停止制御状態であるか否かを判定する。割込み制御状態がリール停止制御状態である場合には、ステップS1102に進み、そうでない場合には、ステップS1103に進む。
ステップS1102では、リール制御状態判定処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS1103では、その他の各種遊技処理を実行する。例えば、メダル投入状態では、メダル投入に関する処理、メダル払出状態では、メダル払出に関する処理を実行する。
<リール制御状態判定処理>
次に、図25を用いて、各種遊技処理について説明する。図25は、図24のステップS1102のリール制御状態判定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1201では、ストップボタン137〜139の操作受付が有効であるか否かを判定する。ストップボタン137〜139の操作受付が有効である場合には、ステップS1202に進み、ストップボタン受付処理(詳しくは後述)を行い、次いで、各リール110〜112ごとに、ステップS1206〜S1208の処理を行う。一方、ストップボタン137〜139の操作受付が有効でない場合には、ステップS1203〜S1205に進み、左リール脱調監視処理(詳しくは後述)、中リール脱調監視処理(詳しくは後述)及び右リール脱調監視処理(詳しくは後述)を行い、次いで、各リール110〜112ごとに、ステップS1206〜S1208の処理を行う。
なお、ストップボタン137〜139の操作受付が有効となるのは、リール回転開始処理(図21参照)においてストップボタン無効タイマに設定された所定時間(リールが一定の回転速度に達するまでの時間)が経過した後であり、リール制御状態が定速制御状態になってからである。また、一のストップボタン137〜139に対して停止操作が行われた場合には、この停止操作後、所定の微小時間T1が経過した後である。
ステップS1206では、励磁切替フラグが設定されているか否かを判定する。励磁切替フラグは、現在設定されている励磁パターンオフセット値を更新するか否かを示すフラグ情報であり、本実施形態において励磁切替フラグが設定されている場合には、現在設定されている励磁パターンオフセット値を更新する、つまり励磁パターンを切り替えるようになっている。励磁切替フラグが設定されている場合には、ステップS1207に進み、そうでない場合には、ステップS1208に進む。
ステップS1207では、励磁パターンオフセット値を更新する。この結果、更新された励磁パターンオフセット値に応じた励磁パターンに切り替えられる。例えば、図6に示すリール制御用データにおいて、リール制御状態が「加速制御状態」にあり、現在、1行目の励磁パターンオフセット値「0」が設定されている場合には、2行目の励磁パターンオフセット値である「1」に更新される。同様にして、図6に示すリール制御用データにおいて、リール制御状態が「定速制御状態」にあり、現在、3行目の励磁パターンオフセット値「2」が設定されている場合には、4行目の励磁パターンオフセット値である「3」に更新される。
ステップS1208では、リール制御状態に応じた各リール制御処理(詳しくは後述)を行う。
<ストップボタン受付処理>
次に、図26を用いて、ストップボタン受付処理について説明する。図26は、図25のステップS1202のストップボタン受付処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1301では、左ストップボタン137の操作フラグがONであるか否かを判定する。ここで、ストップボタンの操作フラグとは、当該ストップボタンに対して停止操作が行われたか否かを示すフラグであり、前回以前の主制御部タイマ割込処理において当該ストップボタンに対して停止操作が行われたと判定された場合にはON、そうでない場合(今回の主制御部タイマ割込処理において当該ストップボタンに対して停止操作が行われたと判定された場合も含む)にはOFFが設定される。左ストップボタン137の操作フラグがONでない、つまりOFFである場合には、ステップS1302に進み、左ストップボタン137の操作フラグがONの場合には、ステップS1304に進む。
ステップS1302では、左ストップボタン操作処理(詳しくは後述)を実行し、次いで、ステップS1303に進み、左リール脱調監視処理(詳しくは後述)を実行する。ステップS1303の左リール脱調監視処理を実行した後はステップS1304に進む。
ステップS1304では、中ストップボタン138の操作フラグがONであるか否かを判定する。中ストップボタン138の操作フラグがONでない、つまりOFFである場合には、ステップS1305に進み、中ストップボタン138の操作フラグがONの場合には、ステップS1308に進む。
ステップS1305では、ストップボタン137〜139の操作受付が有効であるか否かを判定する。ここで、再度、ストップボタン137〜139の操作受付が有効であるか否かを判定するのは、ステップS1302の左ストップボタン操作処理、S1303の左リール脱調監視処理においてストップボタン137〜139の操作受付が無効となる場合があるからである。ストップボタン137〜139の操作受付が有効である場合には、ステップS1306に進み、中ストップボタン操作処理(詳しくは後述)を実行し、次いで、ステップS1307に進み、中リール脱調監視処理(詳しくは後述)を実行する。一方、ストップボタン137〜139の操作受付が無効である場合には、ステップS1307に進み、中リール脱調監視処理(詳しくは後述)を実行する。なお、ステップS1307の中リール脱調監視処理を実行した後はステップS1308に進む。
ステップS1308では、右ストップボタン139の操作フラグがONであるか否かを判定する。右ストップボタン139の操作フラグがONでない、つまりOFFである場合には、ステップS1309に進み、右ストップボタン139の操作フラグがONの場合には、ストップボタン受付処理を終了する。
ステップS1309では、ストップボタン137〜139の操作受付が有効であるか否かを判定する。ここで、再度、ストップボタン137〜139の操作受付が有効であるか否かを判定するのは、ステップS1302の左ストップボタン操作処理、ステップS1303の左リール脱調監視処理、ステップS1306の中ストップボタン操作処理、ステップS1307の中リール脱調監視処理においてストップボタン137〜139の操作受付が無効となる場合があるからである。ストップボタン137〜139の操作受付が有効である場合には、ステップS1310に進み、右ストップボタン操作処理(詳しくは後述)を実行し、次いで、ステップS1311に進み、右リール脱調監視処理(詳しくは後述)を実行する。一方、ストップボタン137〜139の操作受付が無効である場合には、ステップS1311に進み、右リール脱調監視処理(詳しくは後述)を実行する。
<左・中・右ストップボタン操作処理>
次に、図27を用いて、左・中・右ストップボタン操作処理について説明する。図27は、図26のステップS1302の左ストップボタン操作処理、ステップS1306の中ストップボタン操作処理、及びステップS1310の右ストップボタン操作処理の流れを詳しく示すフローチャートである。なお、左ストップボタン操作処理、中ストップボタン操作処理、及び右ストップボタン操作処理は、対象となるリールが異なるだけで処理内容は同一である。
ステップS1401では、当該主制御部タイマ割込処理において処理対象となるストップボタンの操作が行われたか否かを判定する。処理対象となるストップボタンとは、例えば、左ストップボタン操作処理においては左ストップボタン137であり、中ストップボタン操作処理においては中ストップボタン138であり、右ストップボタン操作処理においては右ストップボタン139である。当該主制御部タイマ割込処理において処理対象となるストップボタンの操作が行われた場合には、ステップ1402〜S1408の左・中・右リール停止準備処理に進み、そうでない場合には、左・中・右ストップボタン操作処理を終了する。すなわち、左・中・右ストップボタン操作処理の左・中・右リール停止準備処理が実行されるのは、当該主制御部タイマ割込処理において処理対象となるストップボタンの操作が行われた場合である。
ステップS1402では、処理対象となるストップボタンの操作フラグをONに設定する。例えば、左ストップボタン操作処理においては左ストップボタン137の操作フラグをONに設定する。また、本実施形態では、同時操作において1つの停止操作しか受け付けないので、以後、当該タイマ割込処理内におけるストップボタン137〜139の操作受付を無効とする。
ステップS1403では、停止対象リールに関して、図柄番号カウンタの値を取得して、停止操作された図柄位置を検出する。
ステップS1404では、選択されたリール停止制御データ、及び停止操作された図柄位置に基づいて、引込みコマ数(滑りコマ数)を取得する。
ステップS1405では、取得した引込みコマ数に基づいて、引込みカウンタの値を設定する。引込みカウンタとは、リール制御状態が引込み制御状態にある保持時間を担保するためのタイマであり、引込み制御状態の保持時間(割込み回数)に相当する数値が設定される。具体的には、引込コマ数に24を乗じた乗算値に割込残数を加算した値が引込みカウンタに設定される。
ステップS1406では、リール制御状態を引込み制御状態に設定する。
ステップS1407では、停止可能リール情報を更新する。例えば、全リール110〜112が停止可能な状態から、左リール110に対して第1停止操作が行われると、左リール110は停止不可能なリール、中リール111及び右リール112は停止可能なリールに更新される。
<左・中・右リール脱調監視処理>
次に、図28を用いて、左・中・右リール脱調監視処理について説明する。図28は、図25のステップS1203及び図26のステップS1307の左リール脱調監視処理、図25のステップS1204及びステップS1311の中リール脱調監視処理、並びに図25のステップS1205及びステップS1311の右リール脱調監視処理の流れを詳しく示すフローチャートである。なお、左リール脱調監視処理、中リール脱調監視処理、及び右リール脱調監視処理は、対象となるリールが異なるだけで処理内容は同一である。
ここで、図25のステップS1203、S1204及びS1205のリール脱調監視処理は、全リール110〜112のうち、いずれかのリールにおいて脱調が発生してストップボタン137〜139の操作受付が無効となった場合に実行されるリール脱調監視処理であり、図26のステップS1303、S1307及びS1311のリール脱調監視処理は、ストップボタン137〜139の操作受付が有効であり、ストップボタン137〜139に対する操作が行われなかった場合に実行されるリール脱調監視処理である。
脱調の発生は、所定の契機(例えば、リールの定速回転開始を契機)の成立後、所定の期間(例えば、1秒)を監視し、この所定の期間にインデックスセンサが遮光片を検知したか否かをタイマ割込処理内で監視する。インデックスセンサが遮光片を検知しないまま所定の時間の経過があった場合、リールの回転を復帰させる処理(リールの再加速処理)を実行する。なお、インデックスセンサが遮光片を検知したか否かをタイマ割込処理内で監視する他の方法で脱調を検出してもよい。
ステップS1501では、処理対象となるストップボタン137〜139の操作フラグがONであるか否かを判定する。例えば、左リール脱調監視処理においては左ストップボタン137の操作フラグがONであるか否かを判定し、中リール脱調監視処理においては中ストップボタン138の操作フラグがONであるか否かを判定し、右リール脱調監視処理においては右ストップボタン139の操作フラグがONであるか否かを判定する。処理対象となるストップボタンの操作フラグがONでない、つまりOFFである場合には、処理対象となるリールに対してステップS1502〜S1505の脱調に関する実質的な処理を実行し、処理対象となるストップボタンの操作フラグがONである場合には、処理対象となるリールに対して脱調に関する実質的な処理を実行せずに左・中・右リール脱調監視処理を終了する。ここで、処理対象となるリールとは、例えば、左リール脱調監視処理においては左リール110、中リール脱調監視処理においては中リール111、右リール脱調監視処理においては右リール112である。
なお、図26に示すように、左リール脱調監視処理(ステップS1303)、中リール脱調監視処理(ステップS1307)、及び右リール脱調監視処理(ステップS1311)は、処理対象となるストップボタン137〜139に操作フラグがOFFの場合(ステップS1301:NO、ステップS1304:NO、ステップS1308:NO)に実行される処理であるが、再度、ステップS1501において処理対象となるストップボタン137〜139の操作フラグがONであるか否かを判定するのは、図26の左ストップボタン操作処理(ステップS1302)、中ストップボタン操作処理(ステップS1306)及び右ストップボタン操作処理(ステップS1310)において処理対象となるストップボタン137〜139の操作フラグがONとなる場合があるからである。この結果、当該主制御部タイマ割込処理において各ストップボタン操作処理において操作対象となるストップボタン137〜139に対する操作受付があった場合には、操作対象となるリール110〜112において実質的な脱調監視処理(ステップS1502〜S1505)は実行されない。
ステップS1502では、処理対象となるリール110〜112の脱調監視を行う。
ステップS1503では、ステップS1502の処理対象となるリール110〜112の脱調監視において脱調が発生しているか否かを判定する。処理対象となるリール110〜112の脱調監視において脱調が発生している場合には、ステップS1504に進み、そうでない場合には、左・中・右リール脱調監視処理を終了する。
ステップS1504では、処理対象となるリール110〜112の脱調監視において脱調が発生していたので、ストップボタン137〜139の操作受付を無効とする。
ステップS1505では、処理対象となるリール110〜112に対してリール回転復帰処理を実行開始する。リール回転復帰処理とは、処理対象となるリール110〜112を加速させるための加速パターンに関する情報を設定する処理である。この結果、処理対象となるリール110〜112が加速され、処理対象となるリール110〜112の脱調が解消されたとき(後述する図29のリール制御状態に応じた各リール制御処理のステップS1604の定速制御処理)にストップボタン137〜139の操作受付を有効とする。
<リール制御状態に応じた各リール制御処理>
次に、図29を用いて、リール制御状態に応じた各リール制御処理について説明する。図298は、図25のステップS1208のリール制御状態に応じた各リール制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1601では、リール制御状態が「加速制御状態」であるか否かを判定する。リール制御状態が「加速制御状態」である場合には、ステップS1602に進み、そうでない場合には、ステップS1603に進む。
ステップS1602では、リール110〜112を加速制御する加速制御処理を実行する。加速制御処理では、図6に示した表の加速制御状態の電流、励磁パターンオフセット値及び保持時間に基づいて、加速制御に関する情報の設定・更新を行う。励磁パターンオフセット値に基づいてリール110〜112を加速するための情報を設定する。
ステップS1603では、リール制御状態が「定速制御状態」であるか否かを判定する。リール制御状態が「定速制御状態」である場合には、ステップS1604に進み、そうでない場合には、ステップS1605に進む。
ステップS1604では、リールを定速制御する定速制御処理を行う。定速制御処理では、図6に示した表の定速制御状態の電流、励磁パターンオフセット値及び保持時間、並びにインデックスセンサによる検出に基づいて、定速制御に関する情報の設定・更新を行う。また、リール110〜112に脱調が発生していた場合には、脱調が発生したリール110〜112を加速するための情報の設定・更新を行う。この結果、リール110〜112の脱調が解消されたときには、脱調の間、無効とされていたストップボタン137〜139の操作受付を有効とする、
ステップS1605では、リール制御状態が「引込み制御状態」であるか否かを判定する。リール制御状態が「引込み制御状態」である場合には、ステップS1606に進み、そうでない場合には、ステップS1607に進む。
ステップS1606では、リールを引込み制御する引込み制御処理を行う。引込み制御処理では、図6に示した表の引込み制御状態の電流、励磁パターンオフセット値及び保持時間、並びに引込みカウンタの値に基づいて、引込み制御に関する情報の設定・更新を行う。
ステップS1607では、リール制御状態が「ブレーキ制御状態」であるので、ブレーキ制御処理を行う。ブレーキ制御処理では、図6に示した表のブレーキ制御状態の電流、励磁パターンオフセット値及び保持時間に基づいて、ブレーキ制御に関する情報の設定・更新を行う。
<その他の変形例>
図30は、本実施形態のリール停止制御に関する変形例の特徴を主制御部タイマ割込処理の流れに沿って示したフローチャートである。図30に示すように、左リール110に関する処理S10、中リール111に関する処理S20及び右リール112に関する処理S30の実行順序は上記実施形態と同一であるが、左リール110に関する処理S10を実行する前に、左リール脱調監視処理S12、中リール脱調監視処理S22及び右リール脱調監視処理S32を左中右の優先順位に従って実行するようにしてもよい。
この変形例においても、リール110〜112に脱調が生じたとしても、遊技者の意図した順序(例えば、左中右の順押し)でリールを停止させることができる。
また、本実施形態では、リール脱調監視処理において所定のリールに対して脱調の発生を検知した場合には、ストップボタンに対する操作を受け付けず、他のリールに対する停止準備処理を行わなかった。しかしながら、このような場合、ストップボタンに対する操作を受け付けるが、他のリールに対する停止準備処理を行わないようにしてもよい。
また、本実施形態では、主制御部タイマ割込処理において、先にストップボタン操作処理を実行し、その後、リール脱調処理を実行した(図26参照)。そして、ストップボタン操作処理の中でリール停止準備処理を実行するようにしていた(図27参照)。しかしながら、リール停止準備処理の実行順序はこれに限定されない。リール脱調処理において脱調の発生を検知しない場合に、その後、リール停止準備処理を実行するようにしてもよい。
<実施形態のまとめ>
以上述べたように、本発明の実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100など)によれば、
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110〜112)と、
前記複数のリールの回転を個別に停止させるために操作される複数のストップボタン(例えば、ストップボタン137〜139)と、
前記ストップボタンによる操作の受け付けに基づいて前記リールを停止させる制御を実行する制御手段(例えば、主制御部300、リール停止制御処理S108、リール制御状態判定処理など)と、
を備えた遊技台であって、
前記制御手段は、一遊技の進行に従って実行されるメイン処理(例えば、主制御部メイン処理)と、予め定められた時間間隔(例えば、1.5ms)で前記メイン処理に割り込んで実行される割込処理(例えば、主制御部タイマ割込処理)と、を実行可能な手段であり、
前記制御手段は、前記割込処理において、前記リールの停止に係わる第一の処理(例えば、リール停止準備処理における停止操作があった場合の処理)を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記割込処理において、前記リールの脱調に係わる第二の処理(リール脱調監視処理におけるリール脱調時の処理)を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記割込処理において、前記第二の処理を実行した場合、該割込処理において前記第一の処理を実行しない手段である、
ことを基本的構成とする。
この基本的構成によれば、リールに脱調が生じたとしても、リールの停止に係わる処理を実行しないので、遊技者の所望の順序でリールを停止させることができる。
上記基本的構成において、
前記制御手段は、前記割込処理において、前記ストップボタンの受付の有無を判定する第三の処理(例えば、リール停止準備処理において停止操作の有無を判定する処理)を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記割込処理において、前記リールの脱調の発生の有無を判定する第四の処理(例えば、リール脱調監視処理においてリールに脱調が発生しているか否かを判定する処理)を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記第三の処理において、前記ストップボタンの受付があった場合には、該ストップボタンに対応する前記リールの停止に係わる前記第一の処理を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記第四の処理において、前記リールの脱調の発生があった場合には、該リールを回転復帰させる前記第二の処理を実行する手段であり、
前記複数のリールは、優先順位が設けられたリールであり、
前記複数のリールは、第一のリール(例えば、左リール110)と、前記第一のリールよりも優先順位が低い第二のリール(例えば、中リール111)と、を備え
前記制御手段は、前記割込処理において、前記第一のリールに対して前記第四の処理を実行した後に、前記第二のリールに対して前記第三の処理を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記第一のリールに対する前記第四の処理に基づいて前記第二の処理を実行した場合には、前記第二のリールに対する前記第三の処理を実行しない手段である、
ことを第1の好適な構成とする。
この第1の好適な構成によれば、優先順位の高いリールから停止操作の受け付けの有無を判定し、脱調の発生の有無を判定するので、優先順位に基づいてリールを停止させることができる。
上記基本的構成において、
前記制御手段は、前記割込処理において、前記ストップボタンの受付の有無を判定する第三の処理(例えば、リール停止準備処理において停止操作の有無を判定する処理)を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記割込処理において、前記リールの脱調の発生の有無を判定する第四の処理(例えば、リール脱調監視処理においてリールに脱調が発生しているか否かを判定する処理)を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記第三の処理において、前記ストップボタンの受付があった場合には、該ストップボタンに対応する前記リールの停止に係わる前記第一の処理を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記第四の処理において、前記リールの脱調の発生があった場合には、該リールを回転復帰させる前記第二の処理を実行する手段であり、
前記複数のリールは、優先順位が設けられたリールであり、
前記複数のリールは、第一のリール(例えば、左リール110)と、前記第一のリールよりも優先順位が低い第二のリール(例えば、中リール111)と、を備え
前記制御手段は、前記割込処理において、前記第一のリールに対して前記第四の処理を実行した後に、前記第二のリールに対して前記第三の処理を実行する手段であり、
前記制御手段は、前記第一のリールに対する前記第四の処理に基づいて前記第二の処理を実行した場合には、前記第二のリールに対する前記第三の処理に基づいて前記第一の処理を実行しない手段である、
ことを第2の好適な構成とする。
この第2の好適な構成によれば、優先順位の高いリールから停止操作の受け付けの有無を判定し、脱調の発生の有無を判定するので、優先順位に基づいてリールを停止させることができる。
上記第1の好適な構成又は第2の好適な構成において、
前記複数のリールは、左リール(例えば、左リール110)、中リール(例えば、中リール111)、及び右リール(例えば、右リール112)を備え、
前記複数のストップボタンは、前記左リールの回転を停止させるために操作される左ストップボタン(例えば、左ストップボタン137)と、前記中リールの回転を停止させるために操作される中ストップボタン(例えば、中ストップボタン138)と、及び前記右リールの回転を停止させるために操作される右ストップボタン(例えば、右ストップボタン139)と、を備え、
前記優先順位は、前記左リール、前記中リール、前記右リールの順序であり、
前記制御手段は、1回の前記割込処理において、まず、前記左リールに対して前記第三の処理、次いで前記第四の処理を実行し、次に、前記中リールに対して前記第三の処理、次いで前記第四の処理を実行し、最後に、前記右リールに対して前記第三の処理、次いで前記第四の処理を実行する手段である、
ことを第3の好適な構成とする。
この第3の好適な構成によれば、左リール、中リール、右リールの順序で停止操作の受け付けの有無を判定し、脱調の発生の有無を判定するので、所謂順押しの操作に基づいてリールを停止させることができる。
上記第1の好適な構成、第2の好適な構成、又は第3の好適な構成において、
前記第一の処理は、前記リールの回転を停止させる停止制御処理(以下「第五の処理」という)(例えば、リール停止制御処理S108)に要する情報を設定する停止準備処理であり、
前記制御手段は、前記割込処理の前記第三の処理において、前記第一のリールに対応する前記ストップボタンの受付があり、前記第一のリールに対して前記第一の処理を実行した場合、該第一の処理を実行した後、前記メイン処理において前記第一のリールに対して前記第五の処理を開始するとともに前記割込処理において、前記第二のリールに対して前記第三の処理を実行する手段である、
ことを第4の好適な構成とする。
この第4の好適な構成によれば、遊技者のスライド操作に基づくリールの停止制御を円滑に実行することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。