JP6843184B2 - 開始時刻計算装置、開始時刻計算システム、開始時刻計算方法及び開始時刻計算プログラム - Google Patents
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Description
この場合には、対象パラメータについての目標値と現在値との差と、機器の運転性能とに応じて、機器の運転開始時刻が計算され、運転開始時刻に機器が運転を開始するように制御されている。
この発明は、新規に設置されたような運転実績のない機器についても、適切な運転開始時刻を計算可能にすることを目的とする。
複数の機器それぞれを取得元機器として、前記取得元機器の使用環境に関する1つ以上の環境情報からなる環境情報のパターンと、前記取得元機器が運転された際に計測された対象パラメータの値の経時変化を示す経時変化情報とを取得する運転情報取得部と、
前記運転情報取得部によって取得された環境情報の各パターンを対象として、対象のパターンに対応する前記取得元機器についての前記経時変化情報が示す前記対象パラメータの値の経時変化から、前記対象のパターンに対応する使用環境における機器の運転性能を計算する性能計算部と、
前記取得元機器と同種の対象の機器によって目標時刻に前記対象パラメータを目標値にするための前記対象の機器の運転開始時刻を計算する開始時刻計算装置に、前記性能計算部によって計算された運転性能のうち、前記対象の機器の使用環境に関する環境情報のパターンに対応する前記運転性能を示す性能情報を送信する性能送信部と
を備える。
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る開始時刻計算システム10の構成を説明する。
開始時刻計算システム10は、性能計算装置20と、複数の開始時刻計算装置30とを備える。性能計算装置20と各開始時刻計算装置30とは、通信路50を介して接続されている。
各開始時刻計算装置30は、通信路60を介して機器40が接続されている。各開始時刻計算装置30は、機器40に内蔵されていてもよい。各開始時刻計算装置30に接続された機器40は、同種の機器である。実施の形態1では、機器40は、空調機であるとする。しかし、機器40は、空調機に限らず、加湿器と給湯器と蓄電装置と暖気が必要な機器といったものであってもよい。
性能計算装置20は、機器40の使用環境に応じた、機器40の運転性能を計算する装置である。性能計算装置20は、コンピュータである。
性能計算装置20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24とのハードウェアを備える。プロセッサ21は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
ストレージ23には、性能計算装置20の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ21によりメモリ22に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。これにより、性能計算装置20の各機能構成要素の機能が実現される。
開始時刻計算装置30は、目標時刻に対象パラメータが目標値となるように機器40を動作させるための機器40の運転開始時刻を計算する装置である。開始時刻計算装置30は、コンピュータである。
開始時刻計算装置30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、通信インタフェース34とのハードウェアを備える。プロセッサ31は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
ストレージ33には、開始時刻計算装置30の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ31によりメモリ32に読み込まれ、プロセッサ31によって実行される。これにより、開始時刻計算装置30の各機能構成要素の機能が実現される。
図4から図10を参照して、実施の形態1に係る開始時刻計算システム10の動作を説明する。
実施の形態1に係る性能計算装置20の動作手順は、実施の形態1に係る性能計算方法に相当する。また、実施の形態1に係る性能計算装置20の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る性能計算プログラムに相当する。
運転情報取得部211は、複数の機器40それぞれを取得元機器として、取得元機器の使用環境に関する1つ以上の環境情報からなる環境情報のパターンと、取得元機器が運転された際に計測された対象パラメータの値の経時変化を示す経時変化情報とを、取得元機器が接続された開始時刻計算装置30から取得する。
具体的には、運転情報取得部211は、後述する開始時刻計算装置30の動作において、運転情報送信部316によって1つ以上の環境情報の項目の組合せである環境情報のパターンと経時変化情報とが送信される度に、環境情報のパターンと経時変化情報とを通信インタフェース24を介して取得する。運転情報取得部211は、環境情報のパターンと経時変化情報とをストレージ23に書き込む。これにより、図5に示すように、環境情報のパターン毎に、経時変化情報が蓄積される。
実施の形態1では、機器40は空調機であるため、環境情報は、空調対象の部屋のサイズと、空調対象の部屋に設置された窓の数及び窓のサイズと、空調対象の部屋を含む建物の構造と、外気温といった情報である。また、対象パラメータは、空調対象の部屋の温度である。
実行判定部212は、運転性能の更新処理を実行するか否かを判定する。
具体的には、実行判定部212は、少なくとも一部の環境情報のパターンについて、前回運転性能を計算した後に、基準数以上の経時変化情報がストレージ23に書き込まれた場合に、運転性能の更新処理を実行すると判定する。基準数は、具体例としては、取得元機器の数に対する割合(例えば、5割又は6割)によって計算される。あるいは、実行判定部212は、指定されたタイミングになった場合に、運転性能の更新処理を実行すると判定する。指定されたタイミングは、毎日1度、毎週1度といった、ユーザによって指定された任意のタイミングである。
実行判定部212は、運転性能の更新処理を実行すると判定した場合には、処理をステップS103に進める。一方、実行判定部212は、運転性能の更新処理を実行しないと判定した場合には、処理をステップS101に戻す。
性能計算部213は、環境情報の各パターンを対象として、対象のパターンに対応する取得元機器についての経時変化情報が示す対象パラメータの値の経時変化から、対象のパターンに対応する使用環境における機器40の運転性能を計算する。
具体的には、まず、性能計算部213は、対象のパターンについて、対応する経時変化情報毎に、その経時変化情報から得られる運転性能を計算する。この際、性能計算部213は、経時変化情報が示す対象パラメータの値の経時変化から、単位時間当たりの対象パラメータの変化量を、その経時変化情報から得られる運転性能として計算する。例えば、図6に示すように、目標値まで到達するのにかかった到達時間Tと、目標値と現在値との差Dと、単位時間当たりの対象パラメータの変化量である運転性能αとの関係をD=T×αとすると、運転性能αは、差Dを到達時間Tで除すことにより計算される。
次に、性能計算部213は、対象のパターンについて、対応する経時変化情報毎に計算された運転性能の平均値を、対象のパターンについての運転性能として計算する。つまり、対象のパターンについての運転性能αは、数1に示すように計算される。ここで、経時変化情報の数はNであり、αkはk番目の経時変化情報について計算された運転性能である。
実施の形態1に係る開始時刻計算装置30の動作手順は、実施の形態1に係る開始時刻計算方法に相当する。また、実施の形態1に係る開始時刻計算装置30の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る開始時刻計算プログラムに相当する。
設定取得部311は、目標時刻と対象パラメータの目標値とを取得する。
具体的には、対象の機器40のユーザによって、対象の機器40のコントローラが操作される等して目標時刻及び目標値が入力される。設定取得部311は、入力された目標時刻及び目標値を通信路60を介して取得する。
目標時刻及び目標値は、目標時刻に対象パラメータが目標値になるように制御されることを想定して設定される。ここでは、対象パラメータは、空調対象の部屋の温度である。したがって、目標時刻及び目標値は、目標時刻に部屋の温度が目標値になるように制御されることを想定して設定される。
環境情報取得部312は、対象の機器40の運転性能に影響を与える対象の機器40の使用環境に関する環境情報のパターンを取得する。
環境情報は、上述した通り、ここでは、空調対象の部屋のサイズと、空調対象の部屋に設置された窓の数及び窓のサイズと、空調対象の部屋を含む建物の構造と、外気温といった情報である。空調対象の部屋のサイズと、空調対象の部屋に設置された窓の数及び窓のサイズと、空調対象の部屋を含む建物の構造といった情報については、対象の機器40の設置時に、対象の機器40のユーザによって入力され、ストレージ33に記憶される。したがって、これらの情報については、環境情報取得部312は、ストレージ33から読み出すことにより取得する。外気温については、環境情報取得部312は、対象の機器40である空調機の室外機に設けられた温度センサーによって計測された温度を取得するといった方法により取得する。
性能取得部313は、ステップS202で取得された環境情報のパターンに対応する運転性能を示す性能情報を性能計算装置20から取得する。
具体的には、性能取得部313は、ステップS202で取得された環境情報のパターンを、通信インタフェース34を介して性能計算装置20に送信する。すると、性能計算装置20の性能送信部214は、送信された環境情報のパターンに対応する運転性能を示す性能情報をストレージ23から読み出す。そして、性能送信部214は、読み出された性能情報を、通信インタフェース24を介して開始時刻計算装置30に送信する。性能取得部313は、性能計算装置20から送信された性能情報を取得する。
時刻計算部314は、ステップS203で取得された性能情報が示す運転性能に基づき、対象の機器40によって目標時刻に対象パラメータを目標値にするための対象の機器40の運転開始時刻を計算する。
具体的には、まず、時刻計算部314は、対象パラメータの現在値を取得する。実施の形態1では、時刻計算部314は、空調対象の部屋の現在の温度を現在値として取得する。時刻計算部314は、ステップS201で取得された目標値と現在値との差Dと、ステップS203で取得された運転性能αとから、目標値まで到達するのにかかる到達時間Tを計算する。目標値と現在値との差Dと、運転性能αと、到達時間Tとの関係が図6に示す関係である場合には、時刻計算部314は、目標値と現在値との差Dを運転性能αで除すことにより、到達時間Tを計算することができる。
そして、時刻計算部314は、現在時刻の到達時間Tだけ前の時刻を運転開始時刻として計算する。
運転制御部315は、ステップS204で計算された運転開始時刻になったか否かを判定する。
運転制御部315は、運転開始時刻になった場合には、処理をステップS206に進める。一方、運転制御部315は、運転開始時刻になっていない場合には、一定時間経過後に再び運転開始時刻になったか否かを判定する。
運転制御部315は、対象の機器40に運転を開始させる。
具体的には、運転制御部315は、通信インタフェース34を介して、対象の機器40に運転開始の信号を送信して、対象の機器40に運転を開始させる。
運転制御部315は、ステップS201で取得された目標時刻になったか否かを判定する。
運転制御部315は、目標時刻になった場合には、処理をステップS208に進める。一方、運転制御部315は、目標時刻になっていない場合には、一定時間経過後に再び目標時刻になったか否かを判定する。
運転制御部315は、対象の機器40の運転制御を行う。
具体的には、運転制御部315は、通信インタフェース34を介して、対象の機器40に運転制御の信号を送信して、対象の機器40に目標値を維持するような運転をさせる。この際、運転制御部315は、必要に応じて、対象の機器40に運転を停止させてもよい。
運転情報送信部316は、ステップS206で対象の機器40が運転を開始してから、ステップS207で目標時刻になったと判定されるまでの対象パラメータの値の経時変化を示す経時変化情報を性能計算装置20に送信する。
具体的には、運転情報送信部316は、ステップS206で対象の機器40が運転を開始してから、ステップS207で目標時刻になったと判定されるまでの間にメモリ32に書き込まれた対象パラメータの値を読み出す。運転情報送信部316は、対象パラメータの値を時系列に並べた情報を経時変化情報として、通信インタフェース34を介して性能計算装置20に送信する。
図9に示すように、環境情報のパターンが、窓のサイズと、部屋のサイズと、建物の構造とのパターンによって設定されており、性能計算装置20によって環境情報の各パターンについての運転性能が計算されているとする。
このとき、図8のステップS201で、ある開始時刻計算装置30に接続された機器40に対して、目標時刻が11時30分であり、目標値が27℃であると入力されたとする。また、この機器40についての環境情報のパターンは、窓のサイズが小であり、部屋のサイズが大であり、建物の構造が木造であるとする。
すると、図8のステップS203で性能取得部313は、環境情報のパターンに対応するパターンEの性能情報を取得する。パターンEの性能情報が示す運転性能は、10分当たりに4℃上昇させることを示す。ここで、現在値である部屋の現在の温度は18℃であるとする。すると、図8のステップS204で時刻計算部314は、(27℃−18℃)/4℃×10分を計算することにより、目標値まで到達するのにかかる到達時間Tは22.5分であると計算する。そして、時刻計算部314は、目標時刻11時30分の22.5分前である11時7分30秒を運転開始時刻として計算する。
パターンEに対応する環境情報のパターンに該当する機器40の制御が基準数以上実行されたとする。すると、図4のステップS101でパターンEについての経時変化情報が基準数以上取得される。そのため、図4のステップS102で運転性能の更新処理を実行すると判定される。そして、図4のステップS103で性能計算部213は、蓄積された経時変化情報に基づき、運転性能を計算する。これにより、図10に示すように、パターンEについての運転性能が更新される。
以上のように、実施の形態1に係る開始時刻計算システム10は、性能計算装置20が、複数の機器40を取得元機器として、環境情報のパターンと経時変化情報とを取得し、環境情報のパターン毎に機器40の運転性能を計算する。そして、開始時刻計算装置30は、接続された機器40についての環境情報のパターンに対応する運転性能を示す性能情報を性能計算装置20から取得して、性能情報が示す運転性能に基づき運転開始時刻を計算する。
これにより、開始時刻計算装置30は、接続された機器40が新規に接続され運転実績がないような場合であっても、機器40について適切な運転開始時刻を計算可能になる。
これにより、運転実績が増えるほど運転性能の精度が高くなり、適切な運転開始時刻を計算可能になる。
<変形例1>
実施の形態1では、図8のステップS204で取得された現在値である部屋の温度に基づき運転開始時刻を計算し、運転開始時刻になると機器40である空調機の運転が開始された。ここで、運転開始時刻は、目標値と現在値との差Dに基づき計算される。そのため、運転開始時刻を計算するタイミングによって部屋の温度が変わる場合には、運転開始時刻を計算するタイミングによって計算される運転開始時刻が異なってしまう。この場合には、運転開始時刻が適切でなくなる可能性がある。
例えば、図9を参照して説明した例では、目標時刻が11時30分であり、目標値が27℃であり、現在値である部屋の温度は18℃であった。このとき、運転開始時刻は、11時7分30秒と計算された。しかし、例えば、時刻が11時00分になったときには、部屋の温度が23℃になっていたとする。すると、(27℃−23℃)/4℃×10分を計算することにより、目標値まで到達するのにかかる到達時間Tは10分になる。つまり、運転開始時刻は、11時30分の10分前である11時20分になる。すなわち、運転開始時刻を計算した時点よりも、現在値である部屋の温度が目標値に近づいたため、運転開始時刻を遅くした方が適切であったことになる。なお、逆に、運転開始時刻を計算した時点よりも、現在値である部屋の温度が目標値から遠くなった場合には、運転開始時刻を早くした方が適切であったことになる。
ステップS301からステップS304の処理は、図8のステップS201からステップS204の処理と同じである。また、ステップS309からステップS313の処理は、図8のステップS205からステップS209の処理と同じである。
時刻計算部314は、ステップS304で計算された運転開始時刻の基準時間前になったか否かを判定する。
時刻計算部314は、運転開始時刻の基準時間前になった場合には、処理をステップS306に進める。一方、時刻計算部314は、運転開始時刻の基準時間前になっていない場合には、一定時間経過後に再び運転開始時刻の基準時間前になったか否かを判定する。
環境情報取得部312は、対象の機器40の運転性能に影響を与える対象の機器40の使用環境に関する環境情報のパターンを取得する。
性能取得部313は、ステップS306で取得された環境情報のパターンに対応する運転性能を示す性能情報を性能計算装置20から取得する。
時刻計算部314は、ステップS304と同様の方法により、運転開始時刻を計算し直す。つまり、時刻計算部314は、改めて対象パラメータの現在値を取得する。そして、時刻計算部314は、取得された現在値と、ステップS307で取得された性能情報とに基づき、運転開始時刻を計算する。
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例2として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例2について、実施の形態1と異なる点を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、性能計算装置20は、プロセッサ21とメモリ22とストレージ23とに代えて、電子回路25を備える。電子回路25は、性能計算装置20の各機能構成要素と、メモリ22と、ストレージ23との機能とを実現する専用の回路である。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、開始時刻計算装置30は、プロセッサ31とメモリ32とストレージ33とに代えて、電子回路35を備える。電子回路35は、開始時刻計算装置30の各機能構成要素と、メモリ32と、ストレージ33との機能とを実現する専用の回路である。
各機能構成要素を1つの電子回路25,35で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路25,35に分散させて実現してもよい。
変形例3として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
実施の形態2は、複数の機器40を取得元機器として取得された環境情報のパターンに含まれない環境情報のパターンについての運転性能を計算する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
図14を参照して、実施の形態2に係る性能計算装置20の構成を説明する。
性能計算装置20は、パターン指定部215を備える点が図2に示す性能計算装置20と異なる。
図15及び図16を参照して、実施の形態2に係る開始時刻計算システム10の動作を説明する。
実施の形態2に係る性能計算装置20の動作手順は、実施の形態2に係る性能計算方法に相当する。また、実施の形態2に係る性能計算装置20の動作を実現するプログラムは、実施の形態2に係る性能計算プログラムに相当する。
パターン指定部215は、運転性能を計算する環境情報のパターンの指定を受け付ける。
具体的には、パターン指定部215は、通信インタフェース24を介して、ユーザによって指定された環境情報のパターンを受け付ける。
ここでは、複数の機器40を取得元機器として取得された環境情報のパターンに含まれない環境情報のパターンが指定されたものとして説明する。つまり、図4に示す処理において、運転性能が未だ計算されていない環境情報のパターンが指定されたものとして説明する。しかし、複数の機器40を取得元機器として取得された環境情報のパターンに含まれる環境情報のパターンが指定されてもよい。複数の機器40を取得元機器として取得された環境情報のパターンに含まれる環境情報のパターンが指定された場合には、以下で説明する方法により計算された運転性能により指定されたパターンについての運転性能が更新される。
性能計算部213は、複数の機器40を取得元機器として取得された環境情報の各パターンについての運転性能に基づき、各環境情報について、運転性能に与える影響を表す補正係数を計算する。つまり、性能計算部213は、図4に示す処理において、運転性能が計算された環境情報の各パターンの運転性能に基づき、各環境情報について、運転性能に与える影響を表す補正係数を計算する。
具体的には、性能計算部213は、各パターンについての運転性能を、機器40の固有の運転性能である基本性能と、そのパターンに含まれる環境情報についての補正係数との和として表す。つまり、基本性能をα0とし、L個の環境情報それぞれについての補正係数をα1,α2,...,αLとし、パターンにおける各環境情報についての重みをβ1,β2,...,βLとして、運転性能αを数2によって表す。ここで、パターンにおける各環境情報についての重みとは、例えば、環境情報が窓であれば、窓の個数等である。
性能計算部213は、ステップS401で受け付けされたパターンにおける各環境情報についての重みと、ステップS402で計算された各環境情報についての補正係数と、機器40の基本性能とから、ステップS401で受け付けされたパターンについての運転性能を計算する。
具体的には、ステップS401で受け付けされたパターンについての運転性能をαとし、各環境情報についての補正係数をα1,α2,...,αLとし、各環境情報についての重みをβ1,β2,...,βLとして、数2を解くことにより、運転性能αを計算する。
環境情報1及び環境情報2を持つパターンAと、環境情報1及び環境情報3を持つパターンBと、環境情報2を2つ持つパターンCとの運転性能が既に計算されているとする。このとき、環境情報2及び環境情報3を持つパターンDについての運転性能が計算されるとする。
この場合には、i=1,...,3の各整数iについてのパターンの運転性能αiは数4のように表される。
以上のように、実施の形態2に係る開始時刻計算システム10は、性能計算装置20が複数の機器40を取得元機器として取得された環境情報のパターンに含まれない環境情報のパターンについての運転性能を計算する。特に、性能計算装置20は、複数の機器40を取得元機器として取得された環境情報のパターンの運転性能に基づき、含まれない環境情報のパターンについての運転性能を計算する。
これにより、これまで存在しなかった環境情報のパターンについての運転性能を精度よく計算することが可能である。その結果、開始時刻計算装置30は、接続された機器40が新規に接続され運転実績がないような場合であっても、機器40について適切な運転開始時刻を計算可能になる。
Claims (5)
- 対象の機器の運転性能に影響を与える前記対象の機器の使用環境に関する1つ以上の環境情報からなる環境情報のパターンを取得する環境情報取得部と、
前記対象の機器と同種の複数の機器それぞれを取得元機器として、前記取得元機器についての環境情報の各パターンを対象として、対象のパターンに対応する前記取得元機器が運転された際に計測された対象パラメータの値の経時変化から、前記対象のパターンに対応する使用環境における機器の運転性能を計算する性能計算装置から、前記環境情報取得部によって取得された前記環境情報のパターンに対応する前記運転性能を示す性能情報を取得する性能取得部と、
前記対象パラメータの値を取得して、取得された前記対象パラメータの値と、前記性能取得部によって取得された前記性能情報が示す運転性能とに基づき、前記対象の機器によって目標時刻に前記対象パラメータを目標値にするための前記対象の機器の運転開始時刻を計算し、前記運転開始時刻の基準時間前になると、前記対象パラメータの値を取得し直して、取得し直された前記対象パラメータの値と、前記性能情報が示す運転性能とに基づき、前記運転開始時刻を計算し直す時刻計算部と
を備える開始時刻計算装置。 - 前記環境情報取得部は、前記時刻計算部によって計算された運転開始時刻の基準時間前になると、前記環境情報のパターンを取得し直し、
前記性能取得部は、取得し直された前記環境情報のパターンに対応する前記運転性能を示す性能情報を取得し直し、
前記時刻計算部は、取得し直された前記性能情報が示す運転性能に基づき、前記対象の機器の運転開始時刻を計算し直す
請求項1に記載の開始時刻計算装置。 - 性能計算装置と開始時刻計算装置とを備える開始時刻計算システムであり、
前記性能計算装置は、
複数の機器それぞれを取得元機器として、前記取得元機器の使用環境に関する1つ以上の環境情報からなる環境情報のパターンと、前記取得元機器が運転された際に計測された対象パラメータの値の経時変化を示す経時変化情報とを取得する運転情報取得部と、
前記運転情報取得部によって取得された環境情報の各パターンを対象として、対象のパターンに対応する前記取得元機器についての前記経時変化情報が示す前記対象パラメータの値の経時変化から、前記対象のパターンに対応する使用環境における機器の運転性能を計算する性能計算部と
を備え、
前記開始時刻計算装置は、
前記取得元機器と同種の対象の機器についての環境情報のパターンを取得する環境情報取得部と、
前記性能計算部によって計算された前記運転性能のうち、前記環境情報取得部によって取得された前記環境情報のパターンに対応する前記運転性能を示す性能情報を取得する性能取得部と、
前記対象パラメータの値を取得して、取得された前記対象パラメータの値と、前記性能取得部によって取得された前記性能情報が示す運転性能とに基づき、前記対象の機器によって目標時刻に対象パラメータを目標値にするための前記対象の機器の運転開始時刻を計算し、前記運転開始時刻の基準時間前になると、前記対象パラメータの値を取得し直して、取得し直された前記対象パラメータの値と、前記性能情報が示す運転性能とに基づき、前記運転開始時刻を計算し直す時刻計算部と
を備える開始時刻計算システム。 - 環境情報取得部が、対象の機器の運転性能に影響を与える前記対象の機器の使用環境に関する1つ以上の環境情報からなる環境情報のパターンを取得し、
性能取得部が、前記対象の機器と同種の複数の機器それぞれを取得元機器として、前記取得元機器についての環境情報の各パターンを対象として、対象のパターンに対応する前記取得元機器が運転された際に計測された対象パラメータの値の経時変化から、前記対象のパターンに対応する使用環境における機器の運転性能を計算する性能計算装置から、取得された前記環境情報のパターンに対応する前記運転性能を示す性能情報を取得し、
時刻計算部が、前記対象パラメータの値を取得して、取得された前記対象パラメータの値と、取得された前記性能情報が示す運転性能とに基づき、前記対象の機器によって目標時刻に前記対象パラメータを目標値にするための前記対象の機器の運転開始時刻を計算し、前記運転開始時刻の基準時間前になると、前記対象パラメータの値を取得し直して、取得し直された前記対象パラメータの値と、前記性能情報が示す運転性能とに基づき、前記運転開始時刻を計算し直す開始時刻計算方法。 - 対象の機器の運転性能に影響を与える前記対象の機器の使用環境に関する1つ以上の環境情報からなる環境情報のパターンを取得する環境情報取得処理と、
前記対象の機器と同種の複数の機器それぞれを取得元機器として、前記取得元機器についての環境情報の各パターンを対象として、対象のパターンに対応する前記取得元機器が運転された際に計測された対象パラメータの値の経時変化から、前記対象のパターンに対応する使用環境における機器の運転性能を計算する性能計算装置から、前記環境情報取得処理によって取得された前記環境情報のパターンに対応する前記運転性能を示す性能情報を取得する性能取得処理と、
前記対象パラメータの値を取得して、取得された前記対象パラメータの値と、前記性能取得処理によって取得された前記性能情報が示す運転性能とに基づき、前記対象の機器によって目標時刻に前記対象パラメータを目標値にするための前記対象の機器の運転開始時刻を計算し、前記運転開始時刻の基準時間前になると、前記対象パラメータの値を取得し直して、取得し直された前記対象パラメータの値と、前記性能情報が示す運転性能とに基づき、前記運転開始時刻を計算し直す時刻計算処理と
を行う開始時刻計算装置としてコンピュータを機能させる開始時刻計算プログラム。
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