JP6842177B2 - 硬貨識別方法、硬貨識別システム及び硬貨識別プログラム - Google Patents

硬貨識別方法、硬貨識別システム及び硬貨識別プログラム Download PDF

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Description

本発明は、硬貨識別方法、硬貨識別システム及び硬貨識別プログラムに関し、さらに言えば、硬貨の真贋判別の精度を改善するために、既設の硬貨識別装置に設定されている硬貨真贋判別用の判定基準に新判定基準を追加設定する際に、その追加設定作業を自動的に実行することを可能とすることによって、担当者が設置場所に出向いて既設の硬貨識別装置を交換する作業や、当該硬貨識別装置に手動で新判定基準を追加設定する作業を省略することができる硬貨識別方法、硬貨識別システム及び硬貨識別プログラムに関する。
なお、本明細書で使用する「硬貨」は、通貨としての硬貨だけでなく、トークンおよびメダル等を含む広い意味を持ち、通貨としての硬貨以外の任意の硬貨相当物を含んでいると共に、その形状も円形に限定されず、多角形をも含んでいる。
従来から、硬貨の入出金処理を自動的に行う硬貨入出金装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この種の硬貨入出金装置は、通常、硬貨投入口に投入された複数枚の硬貨を、硬貨分離送出部で一枚ずつに分離し、硬貨判別部で硬貨の金種および真贋を識別した後、硬貨搬送部で一枚ずつ搬送すると共に金種毎に振り分けて硬貨保留部に保留し、さらに、所定の払出信号(つり銭の払出信号など)に基づいて指示された金種及び枚数の硬貨を、硬貨保留部から取り出して硬貨払出口に払い出すように構成されている。
上述した硬貨入出金装置の硬貨判別部では、投入された硬貨の金種の判別と共に、それら硬貨の真贋の判別も行っており、その判別には複数の硬貨センサを備えた硬貨識別装置が使用されている(例えば特許文献2参照)。硬貨識別装置では、個々の硬貨について金種と真贋を高精度で識別するようになっているが、その設置後(使用開始後)に既存の識別性能つまり識別精度を向上させたい場合や、新たに出現した偽造硬貨を識別できるように既存の識別対象を拡張したい場合がある。これらの場合、硬貨識別装置に組み込んである制御プログラム、つまり硬貨識別プログラム(以下、ファームウェアともいう)を新規なものに更新する必要がある。
上述したファームウェアの更新作業を行うため、従来は、担当のサービスエンジニアが硬貨入出金装置の設置場所まで出張し、既設の硬貨識別装置を新ファームウェアがインストールされた新硬貨識別装置に交換するか、担当者が手動で既設の硬貨識別装置のファームウェアを手動で更新(上書きインストール)し、さらにティーチング(教示)作業まで行っている。硬貨識別装置の交換は費用が高価になるため、通常はファームウェアの手動更新およびティーチングが選択されるが、そのファームウェアの手動更新およびティーチングの作業は、例えば、次のようにして行われる。
すなわち、担当のサービスエンジニアは、まず、新ファームウェアとパーソナルコンピュータ(以下、PCともいう)、更新用アプリケーション、所定枚数(通常は1金種につき30枚)の更新対象硬貨を準備し、その後、これらを持参して既設の硬貨入出金装置の設置場所まで出向く。そして、当該硬貨入出金装置と持参してきた自己のPCを接続して両者間で通信可能としてから、そのPCにインストールされている更新用アプリケーションを操作し、当該硬貨入出金装置内の硬貨識別装置に組み込まれている不揮発性記憶装置にインストールされている現行ファームウェアを、持参してきた新ファームウェアで更新する。その後、当該PC上の更新用アプリケーションを操作して、当該硬貨入出金装置の動作モードを通常モードから教示(ティーチング)モードに遷移させる。そこで、持参してきた所定枚数の更新対象硬貨を順に当該硬貨入出金装置に投入して、当該硬貨識別装置に内蔵された複数の硬貨センサから出力される信号(新判定基準用情報)を読み取らせる。そして、読み取った出力信号から生成される波形信号から所定の判定基準値に相当する電圧値(以下、固有値ともいう)を取得させ、それら固有値を当該硬貨識別装置に内蔵された不揮発性記憶装置に保存するのである。
上述した更新対象硬貨の投入から新判定基準用情報としての前記固有値の取得・保存までのプロセスは、持参した更新対象硬貨の総数(通常は1金種につき30枚)について繰り返される。最後に、更新対象硬貨毎に取得した所定個数の固有値の平均値を算出し、これを新判定基準として前記不揮発性記憶装置に保存する。これでようやく新判定基準の設定が完了する。その後、サービスエンジニアは、再び更新用アプリケーションを操作して当該硬貨入出金装置の動作モードを教示モードから通常モードに遷移させる。すると、当該硬貨入出金装置は以後、従前の判定基準に加えて新判定基準を使用しながら通常の硬貨識別動作を実行する。このようにして、既設の硬貨入出金装置の硬貨識別精度を向上させることが可能となる。
上述したように、上記ファームウェア更新作業は面倒であるだけでなく、サービスコストを上昇させる要因となる、という問題がある。また、既設の硬貨入出金装置に対して何らかの上記ファームウェア更新作業を行えない事情がある場合には、特に問題が大きくなる。このため、何らかの方法で、サービスエンジニアの負担の軽減とサービスコストの低減を達成することが望まれる。
上記要請に応えるために使用できる関連技術としては、例えば特許文献3に開示された「貨幣検査機の較正方法」がある。この方法では、較正に使用する測定値を得るために、既知の較正クラスに属する物品(例えば硬貨)を、任意の順序で貨幣受領機に供給する。較正用の硬貨は、好ましくは別の測定値を正規化係数として使用して複数の測定値を正規化し、正規化した測定値を用いてマハラノビス距離を計算することによって分類する。また、完全性チェックにより信頼性がないことが示唆される場合は、測定値を較正に使用しない。この方法では、貨幣受領機の較正を従来技術よりも迅速かつ容易に行うことができる、とされている。
特開2015−097001号公報 特開2016−115172号公報 特許第4226315号公報
しかし、上述した特許文献3に開示された貨幣検査機の較正方法は、貨幣検査機の検査性能(硬貨識別性能)のバラツキを抑制するための「較正」に使用されるものであり、また、既存の判定基準への新判定基準の追加に係わるものでもない。したがって、この較正方法を上述したファームウェア更新作業に適用するのは容易でない。
本発明は、上述したような問題を解決するべく(要請に応えるべく)なされたものであって、その目的とするところは、担当者が既設の硬貨識別装置の設置場所に出向いて同装置に内蔵されている硬貨識別装置を交換する作業や、既設の硬貨識別装置に手動で新識別基準情報を追加設定する作業を省略することができる硬貨識別方法、硬貨識別システム及び硬貨識別プログラムを提供することにある。
本発明の他の目的は、新識別基準情報の追加設定のために既設の硬貨識別装置による通常の硬貨識別動作を停止する必要がなく、したがって、既設の硬貨識別装置において市場流通硬貨の真贋識別と金種識別(通常運転)を行ないながら、所望の更新対象金種に対して新識別基準情報を追加設定することが可能である硬貨識別方法、硬貨識別システム及び硬貨識別プログラムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、新識別基準情報の追加設定が必要になる度に、新識別基準情報の追加設定が必要な金種と、前記複数のセンサ情報から新固有情報を抽出する方法を指定するだけで、真贋識別精度の向上要請に臨機応変に対処することができる硬貨識別方法、硬貨識別システム及び硬貨識別プログラムを提供することにある。
ここに明記しない本発明のさらに他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかになる。
(1) 本発明の第1の観点によれば、硬貨識別方法が提供される。この硬貨識別方法は、
硬貨を検出した複数の硬貨センサが出力する複数のセンサ情報を用いて、前記硬貨の真贋識別と金種識別とを行なう硬貨識別方法であって、
前記硬貨に係る前記複数のセンサ情報から得た複数の固有情報を対応する前記複数の識別基準情報とそれぞれ比較して、前記硬貨の真贋識別と金種識別とを行い、
前記硬貨が所定の更新対象金種であるか否かを識別する第1判断と、前記硬貨が所定の新識別基準情報の生成に適切であるか否かを識別する第2判断とを通じて、新基準設定用硬貨を選別し、
前記新基準設定用硬貨に係る前記1または複数のセンサ情報から、所定の方法によって新固有情報を抽出し、
前記新固有情報を用いて前記更新対象金種の前記新識別基準情報を設定する
ことを特徴とするものである。
本発明の第1の観点による硬貨識別方法では、上述したように、前記硬貨に係る前記複数の固有情報を対応する前記複数の識別基準情報とそれぞれ比較することで、前記硬貨に対する通常の真贋識別と金種識別を行うことができるから、前記硬貨として、市場に流通している硬貨(市場流通硬貨)を使用することが可能である。つまり、前記更新対象金種の前記新識別基準情報の追加設定のために、教示専用として用意された教示用硬貨を使用する必要がない。しかし、市場流通硬貨には、教示用硬貨として適切でないもの、つまり、流通時に生じる磨耗や損傷等を受けた結果、そのサイズや物理的性質が新規製造硬貨から大きくずれた硬貨が含まれている。そこで、前記硬貨に対する前記真贋識別と前記金種識別を繰り返しながら、前記硬貨が前記更新対象金種であるか否かの前記判断と、前記硬貨が前記新識別基準情報の生成に適切であるか否かの前記判断とを行うことを通じて、前記硬貨の中から前記新基準設定用硬貨を選別する。
その後、上記のようにして選別された前記新規準設定用硬貨についての前記1または複数のセンサ情報から、前記所定の方法を用いて前記新固有情報を抽出する。さらに、前記新固有情報を用いて前記更新対象金種の前記新識別基準情報を設定する。
このようにして、前記市場流通硬貨の真贋識別と金種識別のための通常動作を実行させながら、前記所定の複数の識別基準情報に対して、前記更新対象金種の前記新識別基準情報を自動的に追加設定することが可能である。
よって、本発明の第1の観点による硬貨識別方法によれば、担当者が既設の硬貨識別装置の設置場所に出向いて同装置に内蔵されている硬貨識別装置を交換する作業や、既設の硬貨識別装置に手動で新識別基準情報を追加設定する作業を省略することができる。
また、前記新識別基準情報の追加設定のために、既設の硬貨識別装置による通常の硬貨識別動作を停止する必要がない。つまり、既設の硬貨識別装置において市場流通硬貨の真贋識別と金種識別(通常運転)を行ないながら、所望の更新対象金種に対して新識別基準情報を追加設定することが可能である。
さらに、既設の硬貨識別装置に対して、容易且つ迅速に、所望の金種に対する新識別基準情報を追加することができるようになるので、新識別基準情報の追加設定が必要になる度に、新識別基準情報の追加設定が必要な金種と、前記複数のセンサ情報から新固有情報を抽出する方法を指定するだけで、真贋識別精度の向上要請に臨機応変に対処することができる。
(2) 本発明の第1の観点による硬貨識別方法の好ましい例では、前記更新対象金種の前記新識別基準情報が、複数の前記新基準設定用硬貨に係る複数の前記新固有情報の平均をとって生成される。
(3) 本発明の第1の観点による硬貨識別方法の他の好ましい例では、前記更新対象金種の前記新識別基準情報の設定が完了すると、その後に硬貨識別の対象となる硬貨については、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記複数の識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、且つ、前記複数の識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる。
(4) 本発明の第1の観点による硬貨識別方法のさらに他の好ましい例では、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
前記新識別基準情報の設定が完了すると、前記学習モードから前記通常モードに自動的に遷移し、その後、前記通常モードが自動的に開始され、当該通常モードでは、前記複数の識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、前記複数の識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる。
(5) 本発明の第1の観点による硬貨識別方法のさらに他の好ましい例では、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
前記学習モードと前記通常モードの開始前に、所定の情報保存部に前記新識別基準情報が既に保存されているか否かが探索され、保存されていると判断された場合は前記通常モードが開始され、保存されていないと判断した場合は前記学習モードが開始される。
(6) 本発明の第1の観点による硬貨識別方法のさらに他の好ましい例では、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が教示モードとして設定され、
前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
前記教示モードと前記通常モードの開始前に、所定の状態表示部に教示モード選択画面が表示され、前記教示モード選択画面で教示モードの選択が指示された場合は前記教示モードが開始され、前記教示モード選択画面で教示モードが選択されない場合は前記通常モードが開始される。
(7)本発明の第2の観点によれば、硬貨識別システムが提供される。この硬貨識別システムは、
硬貨を検出した複数の硬貨センサが出力する複数のセンサ情報を用いて、前記硬貨の真贋識別と金種識別とを行なう硬貨識別システムであって、
前記硬貨に係る前記複数のセンサ情報から得た複数の固有情報を対応する前記複数の識別基準情報とそれぞれ比較して、前記硬貨の真贋識別と金種識別とを行う真贋・金種識別手段(例えば、センサ情報取得部、固有情報抽出部、真贋識別部および金種識別部)と、
前記硬貨が所定の更新対象金種であるか否かを識別する第1判断と、前記硬貨が所定の新識別基準情報の生成に適切であるか否かを識別する第2判断とを通じて、新基準設定用硬貨を選別する硬貨選別手段(例えば、更新対象金種識別部および硬貨適性識別部)と、
前記新基準設定用硬貨に係る前記1または複数のセンサ情報から、所定の方法によって新固有情報を抽出する新固有情報抽出手段(例えば、新固有情報抽出部)と、
前記新固有情報抽出手段によって抽出された前記新固有情報を用いて、前記更新対象金種の前記新識別基準情報を設定する新識別基準情報設定手段(例えば、新識別基準情報設定部)と
を備えていることを特徴とするものである。
本発明の第2の観点による硬貨識別システムでは、上述したように、前記真贋・金種識別手段(例えば、センサ情報取得部、固有情報抽出部、真贋識別部および金種識別部)によって、前記硬貨に対する通常の真贋識別と金種識別を行うことができるから、前記硬貨として、市場に流通している硬貨(市場流通硬貨)を使用することが可能である。つまり、前記更新対象金種の前記新識別基準情報の追加設定のために、教示専用として用意された教示用硬貨を使用する必要がない。しかし、市場流通硬貨には、教示用硬貨として適切でないもの、つまり、流通時に生じる磨耗や損傷等を受けた結果、そのサイズや物理的性質が新規製造硬貨から大きくずれた硬貨が含まれている。そこで、前記・金種識別手段を用いて前記硬貨に対する前記真贋識別と前記金種識別を繰り返しながら、前記硬貨選別手段(例えば、更新対象金種識別部および硬貨適性識別部)によって、前記硬貨が前記更新対象金種であるか否かの前記判断と、前記硬貨が前記新識別基準情報の生成に適切であるか否かの前記判断とを行うことを通じて、前記硬貨の中から前記新基準設定用硬貨を選別する。
その後、前記新固有情報抽出手段(例えば新固有情報抽出部)が、上記のようにして選別された前記新規準設定用硬貨についての前記1または複数のセンサ情報から、前記所定の方法を用いて前記新固有情報を抽出する。さらに、前記新識別基準情報設定手段(例えば新識別基準情報設定部)が、前記新固有情報を用いて前記更新対象金種の前記新識別基準情報を設定する。
このようにして、前記市場流通硬貨の真贋識別と金種識別のための通常動作を実行させながら、前記所定の複数の識別基準情報に対して、前記更新対象金種の前記新識別基準情報を自動的に追加設定することが可能である。
よって、本発明の第2の観点による硬貨識別システムによれば、担当者が既設の硬貨識別装置の設置場所に出向いて同装置に内蔵されている硬貨識別装置を交換する作業や、既設の硬貨識別装置に手動で新識別基準情報を追加設定する作業を省略することができる。また、前記新識別基準情報の追加設定のために、既設の硬貨識別装置による通常の硬貨識別動作を停止する必要がない。つまり、既設の硬貨識別装置において市場流通硬貨の真贋識別と金種識別(通常運転)を行ないながら、所望の更新対象金種に対して新識別基準情報を追加設定することが可能である。
さらに、既設の前記硬貨識別装置に対して、容易且つ迅速に、所望の金種に対する新識別基準情報を追加することができるようになるので、新識別基準情報の追加設定が必要になる度に、新識別基準情報の追加設定が必要な金種と、前記複数のセンサ情報から新固有情報を抽出する方法を指定するだけで、真贋識別精度の向上要請に臨機応変に対処することができる。
(8) 本発明の第2の観点による硬貨識別システムの好ましい例では、前記更新対象金種の前記新識別基準情報が、複数の前記新基準設定用硬貨に係る複数の前記新固有情報の平均をとって生成される。
(9) 本発明の第2の観点による硬貨識別システムの他の好ましい例では、前記更新対象金種の前記新識別基準情報の設定が完了すると、その後に硬貨識別の対象となる硬貨については、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記複数の識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、且つ、前記複数の識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる。
(10) 本発明の第2の観点による硬貨識別システムのさらに他の好ましい例では、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
前記新識別基準情報の設定が完了すると、前記学習モードから前記通常モードに自動的に遷移し、その後、前記通常モードが自動的に開始され、当該通常モードでは、前記複数の識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、前記複数の識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる。
(11) 本発明の第2の観点による硬貨識別システムのさらに他の好ましい例では、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
前記学習モードと前記通常モードの開始前に、所定の情報保存部に前記新識別基準情報が既に保存されているか否かが探索され、保存されていると判断された場合は前記通常モードが開始され、保存されていないと判断した場合は前記学習モードが開始される。
(12) 本発明の第2の観点による硬貨識別システムのさらに他の好ましい例では、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が教示モードとして設定され、
前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
前記教示モードと前記通常モードの開始前に、所定の状態表示部に教示モード選択画面が表示され、前記教示モード選択画面で教示モードの選択が指示された場合は前記教示モードが開始され、前記教示モード選択画面で教示モードが選択されない場合は前記通常モードが開始される。
(13) 本発明の第3の観点によれば、硬貨識別プログラムが提供される。この硬貨識別プログラムは、
硬貨を検出した複数の硬貨センサが出力する複数のセンサ情報を用いて、前記硬貨の真贋識別と金種識別とを行なう硬貨識別プログラムであって、
前記硬貨に係る前記複数のセンサ情報から得た複数の固有情報を対応する前記複数の識別基準情報とそれぞれ比較して、前記硬貨の真贋識別と金種識別を行う機能と、
前記硬貨が所定の更新対象金種であるか否かを識別する判断と、前記硬貨が所定の新識別基準情報の生成に適切であるか否かを識別する判断とを通じて、新基準設定用硬貨を選別する機能と、
前記新基準設定用硬貨に係る前記1または複数のセンサ情報から、所定の方法によって新固有情報を抽出する機能と、
前記新固有情報を用いて前記更新対象金種の前記新識別基準情報を設定する機能とを、コンピュータに実現させることを特徴とするものである。
本発明の第3の観点による硬貨識別プログラムでは、本発明の第1の観点による硬貨識別方法において上述したのと同様の理由により、前記市場流通硬貨の真贋識別と金種識別のための通常動作を実行させながら、前記所定の複数の識別基準情報に対して、前記更新対象金種の前記新識別基準情報を自動的に追加設定することが可能である。
よって、担当者が既設の硬貨識別装置の設置場所に出向いて同装置に内蔵されている硬貨識別装置を交換する作業や、既設の硬貨識別装置に手動で新識別基準情報を追加設定する作業を省略することができる。
また、前記新識別基準情報の追加設定のために、既設の硬貨識別装置による通常の硬貨識別動作を停止する必要がない。つまり、既設の硬貨識別装置において市場流通硬貨の真贋識別と金種識別(通常運転)を行ないながら、所望の更新対象金種に対して新識別基準情報を追加設定することが可能である。
さらに、既設の硬貨識別装置に対して、容易且つ迅速に、所望の金種に対する新識別基準情報を追加することができるようになるので、新識別基準情報の追加設定が必要になる度に、新識別基準情報の追加設定が必要な金種と、前記複数のセンサ情報から新固有情報を抽出する方法を指定するだけで、真贋識別精度の向上要請に臨機応変に対処することができる。
(14) 本発明の第3の観点による硬貨識別プログラムの好ましい例では、前記更新対象金種の前記新識別基準情報が、複数の前記新基準設定用硬貨に係る複数の前記新固有情報の平均をとって生成される。
(15) 本発明の第3の観点による硬貨識別プログラムの他の好ましい例では、前記更新対象金種の前記新識別基準情報の設定が完了すると、その後に硬貨識別の対象となる硬貨については、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記複数の識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、且つ、前記複数の識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる。
(16) 本発明の第3の観点による硬貨識別プログラムのさらに他の好ましい例では、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
前記新識別基準情報の設定が完了すると、前記学習モードから前記通常モードに自動的に遷移し、その後、前記通常モードが自動的に開始され、当該通常モードでは、前記複数の識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、前記複数の識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる。
(17) 本発明の第3の観点による硬貨識別プログラムのさらに他の好ましい例では、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
前記学習モードと前記通常モードの開始前に、所定の情報保存部に前記新識別基準情報が既に保存されているか否かが探索され、保存されていると判断された場合は前記通常モードが開始され、保存されていないと判断した場合は前記学習モードが開始される。
(18) 本発明の第3の観点による硬貨識別プログラムのさらに他の好ましい例では、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が教示モードとして設定され、
前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記硬貨の真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
前記教示モードと前記通常モードの開始前に、所定の状態表示部に教示モード選択画面が表示され、前記教示モード選択画面で教示モードの選択が指示された場合は前記教示モードが開始され、前記教示モード選択画面で教示モードが選択されない場合は前記通常モードが開始される。
本発明の第1の観点による硬貨識別方法、本発明の第2の観点による硬貨識別システムおよび本発明の第3の観点による硬貨識別プログラムでは、(a)担当者が既設の硬貨識別装置の設置場所に出向いて同装置に内蔵されている硬貨識別装置を交換する作業や、既設の硬貨識別装置に手動で新識別基準情報を追加設定する作業を省略することができる、(b)新識別基準情報の追加設定のために既設の硬貨識別装置による通常の硬貨識別動作を停止する必要がなく、したがって、既設の硬貨識別装置において市場流通硬貨の真贋識別と金種識別(通常運転)を行ないながら、所望の更新対象金種に対して新識別基準情報を追加設定することが可能である、(c)新識別基準情報の追加設定が必要になる度に、新識別基準情報の追加設定が必要な金種と、前記複数のセンサ情報から新固有情報を抽出する方法を指定するだけで、真贋識別精度の向上要請に臨機応変に対処することができる、といった効果がある。
硬貨識別装置を内蔵する硬貨入出金装置の構成を示す機能ブロック図であり、前記硬貨識別装置には、本発明の一実施形態に係る硬貨識別システムが組み込まれている。 図1の硬貨入出金装置に内蔵された硬貨識別装置の制御部に組み込まれた、本発明の一実施形態に係る硬貨識別システムの構成を示す機能ブロック図である。 図2の硬貨識別システムの通常モード実行部の構成を示す機能ブロック図である。 図2の硬貨識別システムの学習モード実行部の構成を示す機能ブロック図である。 図2の硬貨識別システムの教示モード実行部の構成を示す機能ブロック図である。 図2の硬貨識別システムの学習モード実行部による学習モードの一連の動作を示すフローチャートである。 図2の硬貨識別システムの通常モード実行部による通常モードの一連の動作を示すフローチャートである。 図2の硬貨識別システムの教示モード実行部による教示モードの一連の動作を示すフローチャートである。 図2の硬貨識別システムが制御部に組み込まれた図1の硬貨識別装置において、硬貨搬送路を通過する硬貨とその硬貨搬送路の両側に配置された硬貨センサを示す概略平面図である。 図9のX−X線に沿った概略断面図である。 図2の硬貨識別システムがその制御部に組み込まれた図1の硬貨識別装置において、その硬貨センサ部に設置された第1〜第3の硬貨センサの配置を示す概略平面図である。 図2の硬貨識別システムがその制御部に組み込まれた図1の硬貨識別装置において、その硬貨センサ部に設置された第1〜第3の硬貨センサから得られる3つの出力信号波形の関係を示す説明図である。 (a)は図2の硬貨識別システムがその制御部に組み込まれた図1の硬貨識別装置において、搬送する硬貨を真正硬貨として識別する場合の、第1及び第2の硬貨センサの出力信号波形を示す説明図、(b)は搬送する硬貨を偽造硬貨として識別する場合の、第1及び第2の硬貨センサの出力信号波形を示す説明図である。 図2の硬貨識別システムがその制御部に組み込まれた図1の硬貨識別装置において、新固有情報として使用可能な点の例を示す図であり、図12に示した第1〜第3の硬貨センサから得られる3つの出力信号波形上に示している。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る硬貨識別システム100の構成を図2に、その硬貨識別システム100を備えた硬貨入出金装置300の構成を図1に、それぞれ示す。硬貨識別システム100は、図2に示すように、硬貨入出金装置300の内部にある硬貨識別装置200の制御部210に組み込まれている。制御部210は、例えば、制御用ソフトウェアが組み込まれたハードウェアとして構成される。
そこで、以下において、最初に硬貨入出金装置300について説明し、その後に硬貨識別システム100について説明する。
(硬貨入出金装置)
硬貨入出金装置300は、図1に示すように、硬貨識別部として機能する硬貨識別装置200と、硬貨入金部301、硬貨振分部302、硬貨保留部303、硬貨出金部304、インターフェース(以下、I/Fとも表記する)305および306、および、制御部310を備えている。
制御部310は、硬貨入金部301と硬貨振分部302、硬貨保留部303および硬貨出金部304の動作を制御する。制御部310は、例えば、制御用ソフトウェアが組み込まれたハードウェアとして構成される。I/F305により、制御部310は硬貨識別装置200と接続されて両者間で信号の送信・受信が可能となっているため、制御部310は硬貨入金部301、硬貨振分部302、硬貨保留部303および硬貨出金部304の動作を硬貨識別装置200の動作と整合させることができる。また、I/F306により、制御部310は図示しない上位装置(例えば金銭登録機)と接続されて両者間で信号の送信・受信が可能であるため、制御部310はその上位装置からの指令(例えば出金指令)に応じた各種動作を行うことができる。
硬貨入金部301は、図示しない硬貨投入口を介して硬貨入出金装置300に供給(投入)される多数の硬貨30を相互に分離して、硬貨入出金装置300の内部の硬貨導入空間に所望の姿勢で導入し、さらに、所望姿勢とされたそれら硬貨30を硬貨識別部として機能する硬貨識別装置200に送出するセクションである。
硬貨識別部として機能する硬貨識別装置200は、硬貨入金部301から搬送されてくる多数の硬貨30の各々について、その金種および真贋を識別し、偽造と判断した硬貨30については所定の真贋信号を生成して硬貨振分部302に送ると共に、真正と判断した硬貨30については所定の真贋信号と金種信号を生成して硬貨振分部302に送る。硬貨識別装置200の構成と機能の詳細については後述する。
硬貨振分部302は、硬貨識別装置200から送られてくる真贋信号と金種信号に応じて、硬貨識別装置200から送られてくる個々の硬貨30(真正と判断されたものに限る)を金種毎に振り分けて硬貨保留部303に送るセクションである。硬貨識別装置200で偽造と判断された硬貨30については、硬貨振分部302は、硬貨保留部303には送らずに、専用通路を通って硬貨出金部304に送って出金トレイ(図示せず)に排出する。
硬貨保留部303は、硬貨振分部303によって金種毎に振り分けられた個々の硬貨30(真正と判断されたものに限る)を、金種毎に用意された保留ボックスに保留(収納)するセクションである。硬貨保留部303は、例えば、金種毎に設けられた金種数と同数の保留ボックスを備えており、個々の硬貨30をその金種に対応する振分ゲートを介して異なる経路を通って対応する保留ボックスに保留するように構成される。
硬貨出金部304は、硬貨保留部303に金種毎に収納された硬貨30を、図示しない上位装置(例えば金銭登録機)から送られてくる出金指令に応じて適宜組み合わせ、外部(具体的には出金トレイ)に搬出(出金)するセクションである。
(硬貨識別装置)
次に、図1および図2を参照しながら、硬貨識別装置200について詳細に説明する。
硬貨識別装置200は、図1に示すように、タイミングセンサ201、硬貨センサ部202、記憶部203、状態表示部204、I/F205および制御部210を備えている。
タイミングセンサ201は、所定時刻に所定スピードで情報(信号)を送るためのタイミング信号(クロック信号)を生成して制御部210に供給する。制御部210は、そのタイミング信号に同期するように動作すると共に、硬貨センサ部202、記憶部203、状態表示部204およびI/F205の動作をそのタイミング信号に同期するように制御する。したがって、硬貨識別装置200の全体が、タイミングセンサ201が生成するタイミング信号(クロック信号)に同期して動作することになる。
硬貨センサ部202は、複数の硬貨センサを内蔵していて、硬貨30の通過を検出して複数のセンサ情報を出力するセクションである。硬貨センサ部202は、図11に示すように、直線状の硬貨搬送路10と、その直線状の硬貨搬送路10に沿ってこの順に配置された、一対の対向する第1硬貨センサ20aと、一対の対向する第2硬貨センサ20bと、一対の対向する第3硬貨センサ20cとを備えている。硬貨搬送路10の一端は、硬貨入金部301の硬貨搬送路(図示せず)に接続されている。硬貨入金部301の硬貨投入口(図示せず)から投入された複数の硬貨30は、相互に分離されてから、間隔をあけて1枚ずつ硬貨搬送路10に送り込まれる。硬貨搬送路10の他端は、硬貨振分部302の硬貨搬送路(図示せず)に接続されており、硬貨識別装置200において真贋および金種の識別が完了した各硬貨30は、硬貨搬送路10を通って硬貨振分部302に送られる。
一対の第1硬貨センサ20aと一対の第2硬貨センサ20bの間は所定距離だけ離れており、一対の第2硬貨センサ20bと一対の第3硬貨センサ20cの間も所定距離だけ離れている。一対の第1硬貨センサ20aの一方と、一対の第2硬貨センサ20bの一方と、一対の第3硬貨センサ20cの一方は、硬貨搬送路10の片側(例えば図11において硬貨搬送路10の上側)に配置され、一対の第1硬貨センサ20aの他方と、一対の第2硬貨センサ20bの他方と、一対の第3硬貨センサ20cの他方は、硬貨搬送路10の反対側(例えば図11において硬貨搬送路10の下側)に配置されている。硬貨入金部301から硬貨搬送路10に送り込まれた硬貨30は、図9および図10に示すような形態で、第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cの間を図9の矢印で示す方向に移動する。第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cは、この硬貨30を検出して、第1、第2および第3のセンサ情報をそれぞれ出力する。
一対の第1硬貨センサ20aは、共に同じ構成を持ち、いずれも、コア22aと、そのコア22aの周囲に巻回されたコイル21aとを備えている。各々の第1硬貨センサ20aは、全体形状が略円柱形であって、硬貨搬送路10を搬送される硬貨10の中心とほぼ同心となるように固定されている(図9および図10参照)。第1硬貨センサ20aは、硬貨搬送路10の両側にそれぞれ配置されていて、硬貨搬送路10を搬送される硬貨10をその両側から挟むような状態で、当該硬貨30の「材質」を磁気的に検出する。つまり、第1硬貨センサ20aは、当該硬貨30の材質を磁気的に検出する「材質センサ」である。なお、硬貨10の直径が金種によって異なるため、第1硬貨センサ20aの中心と硬貨10の中心とのずれが大きくなることがあるが、そのようになっても前記物理的性質の検出に支障がないように、第2硬貨センサ20aの直径が設定されている。
一対の第2硬貨センサ20bは、共に同じ構成を持ち、いずれも、コア22bと、そのコア22bの周囲に巻回されたコイル21bとを備えている。各々の第2硬貨センサ20bは、一対の第1硬貨センサ20aと同様に、全体形状が略円柱形であって、硬貨搬送路10を搬送される硬貨10の中心とほぼ同心となるように固定されている。第2硬貨センサ20bは、硬貨搬送路10の両側にそれぞれ配置されていて、硬貨搬送路10を搬送される硬貨10をその両側から挟むような状態で、当該硬貨30の「厚み」を磁気的に検出する。つまり、第2硬貨センサ20bは、当該硬貨30の厚みを磁気的に検出する「厚みセンサ」である。なお、硬貨10の直径が金種によって異なるため、第2硬貨センサ20bの中心と硬貨10の中心とのずれが大きくなることがあるが、そのようになっても前記物理的性質の検出に支障がないように、第2硬貨センサ20bの直径が設定されている。
一対の第3硬貨センサ20cは、共に同じ構成を持ち、いずれも、コア22cと、そのコア22cの周囲に巻回されたコイル21cとを備えている。各々の第3硬貨センサ20cは、一対の第1硬貨センサ20a及び第2硬貨センサ20bと同様に、全体形状が略円柱形であって、硬貨搬送路10を搬送される硬貨10が部分的に重なるように固定されている。第3硬貨センサ20bは、硬貨搬送路10の両側にそれぞれ配置されていて、硬貨搬送路10を搬送される硬貨10をその両側から挟むような状態で、当該硬貨30の「直径」を磁気的に検出する。つまり、第3硬貨センサ20cは、当該硬貨30の直径を磁気的に検出する「直径センサ」である。なお、硬貨10の直径が金種によって異なるため、第3硬貨センサ20cと硬貨10との重なりの程度(重なり状態)が変化するが、その重なりの程度が小さくなっても「直径」の検出に支障がないように、第3硬貨センサ20cと硬貨10の相対位置が設定されている。
記憶部203は、所定の情報を記憶するセクションであり、公知の任意の記憶装置から構成されている。記憶部203は、図2に示すように、識別基準情報記憶部203a、センサ情報記憶部203b、固有情報記憶部203cおよび更新対象金種情報記憶部203dという4つのサブセクションに分かれている。
識別基準情報記憶部203aは、全金種(例えば、日本円であれば1円、5円、10円、50円、100円および500円の6金種)の各々に対して設定された識別基準情報を記憶するサブセクションである。ここでは、前記第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cに対応して、金種毎に3つの識別基準情報を記憶するようになっている。識別基準情報記憶部203aには、硬貨識別装置200の出荷時に金種毎に3つの識別基準情報が記憶されるが、出荷後に新たな識別基準情報を追加設定する必要性が生じることを考慮して、複数の新識別基準情報を記憶するための領域も用意されている。
識別基準情報記憶部203aとしては、任意のタイプの記憶装置を使用可能であるが、電気的に書換え可能な不揮発性記憶装置(EEPROM)を使用するのが好ましい。これら識別基準情報は、最初に設定・記憶させた識別基準情報を硬貨識別装置200の使用開始後に変更することがあるためであり、また、使用開始後に新識別基準情報を追加することもあるためである。EEPROMであれば、これらの状況に容易に対応して、既存識別基準情報の変更や新識別基準情報の追加が可能である。
センサ情報記憶部203bは、第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cから出力される第1、第2および第3のセンサ情報を記憶するサブセクションである。これら3つのセンサ情報は、いずれもアナログ情報であり、1つの硬貨30を検出する毎にそれらの値が変動する。具体的に言えば、これら3つのセンサ情報は、例えば、図12に示すような波形信号であり、硬貨30の通過に起因して異なるタイミングで変動部(谷部)が生成される。これは、3対の硬貨センサ20a、20bおよび20cが直線状の硬貨搬送路10に沿って配置されているからである。
センサ情報記憶部203bとしては、揮発性記憶装置(例えばRAM)を使用するのが好ましい。第1〜第3のセンサ情報は、後述する第1〜第3の固有情報や新固有情報を硬貨30毎に抽出するために利用するので、一時的に記憶する必要があるが、それら固有情報の抽出が完了した後は不要になるためである。センサ情報記憶部203bとして例えばRAMを使用すれば、複数の硬貨30が硬貨搬送路10を連続的に搬送される毎に、3つの硬貨センサ20a、20bおよび20cから出力される第1〜第3のセンサ情報を上書き保存することが可能となり、便利である。
固有情報記憶部203cは、硬貨30毎に第1〜第3のセンサ情報から抽出される第1〜第3の固有情報と、所定の硬貨適性を持つ硬貨30の第1〜第3の固有情報に基づいて生成される新固有情報とを記憶するサブセクションである。新固有情報は、これら第1〜第3のセンサ情報の少なくとも1つを用いて生成・保存される、個々の硬貨30に固有の情報である。第1〜第3の固有情報と新固有情報には、専用の記憶領域(アドレス)が割り当てられており、これらは各々が該当する記憶領域に記憶される。具体的に言えば、例えば、第1〜第3のセンサ情報が図12に示すような波形情報であるとすると、第1〜第3の固有情報は、例えば第1〜第3のセンサ情報の振幅(電圧)の極小値(図12の点A、BおよびCの値)とされる。また、新固有情報は、第1および第2のセンサ情報の交差部の値、換言すれば、第1および第2のセンサ情報が同一振幅(電圧)となる値(図12の点D)とされる。点Dの位置により、硬貨30の真贋を識別可能である。例えば、真正硬貨の場合には、点Dが図13(a)に示す位置(電圧レベル)にあるとすると、偽造硬貨の場合には、点Dが図13(b)に示す位置(電圧レベル)になるため、点Dの位置によって硬貨30の真贋が識別されるのである。
固有情報記憶部203cとしては、識別基準情報記憶部203aと同様に、EEPROMを使用するのが好ましい。これは、後述するように、第1〜第3の固有情報および新固有情報は硬貨30毎に抽出され、また、新識別基準情報は更新対象金種の硬貨30の規定枚数分の新固有情報の平均をとって算出するようにしているため、規定枚数に到達するまでの間、抽出された新固有情報を記憶しておく必要があるからである。算出された新識別基準情報は、既存の識別基準情報に追加して、識別基準情報記憶部203aに記憶される。
更新対象金種情報記憶部203dは、硬貨30毎に更新対象金種であるか否かの識別結果情報を記憶するサブセクションである。例えば、1円、5円、10円、50円、100円および500円の6金種のうちの100円と500円の2つの金種に対して、現行の識別基準情報に新識別基準情報を追加設定が必要であれば、更新対象金種が100円と500円の2つの金種となる。後述するとおり、学習モードでは、金種識別によって判明した各硬貨30の金種が、更新対象金種であるこれら2つの金種のいずれかに一致するか否かが判断され、その結果に係る情報(更新対象金種識別結果情報)が随時記憶される。
更新対象金種情報記憶部203dとしては、揮発性記憶装置(例えばRAM)を使用するのが好ましい。更新対象金種識別結果情報は、硬貨30毎に硬貨適性(新基準情報設定に適性があるか否か)を識別するために利用するので、一時的に記憶する必要があるが、その硬貨適性の識別が完了した後は不要になるためである。更新対象金種情報記憶部203dとして例えばRAMを使用すれば、複数の硬貨30が硬貨搬送路10を連続的に搬送される毎に、更新対象金種識別結果情報を上書き保存することが可能となり、便利である。
状態表示部204は、硬貨識別装置200の動作状態を所定の表示領域(図示せず)に表示して、硬貨入出金装置300のユーザあるいは管理者、担当のサービスエンジニア等に硬貨識別装置200(硬貨入出金装置300)の現在の動作状態、エラーの発生等を告知するセクションである。状態表示部204は、例えば発行色の異なる複数のLEDや小型の液晶パネル等の表示装置を用いて実現することができる。状態表示部204により、例えば、硬貨識別装置200の動作によって偽造硬貨が発見された場合や、硬貨識別動作に異常が生じた場合に、その状態を直ちにユーザや管理者や担当のサービスエンジニア等に告知することが可能となる。
I/F205は、硬貨識別装置200の外側に設けられているI/F305を介して、硬貨識別装置200の制御部210と、硬貨入金部301、硬貨振分部302、硬貨保留部303および硬貨出金部304を制御する制御部310とを接続する。このため、硬貨識別装置200の動作は、硬貨入金部301、硬貨振分部302、硬貨保留部303および硬貨出金部304の動作と整合するように制御することが可能である。
制御部210は、図2に示すように、本発明の一実施形態に係る硬貨識別システム100を包含している。換言すれば、制御部210の内部に、硬貨識別システム100が組み込まれているのである。以下、硬貨識別システム100について詳細に説明する。
(硬貨識別システム)
本発明の一実施形態に係る硬貨識別システム100は、硬貨識別装置200に「通常モード」、「学習モード」および「教示モード」という3つの動作モードを用意していると共に、必要に応じてそれら3つの動作モードを切り換えながら実行可能としている。このため、状況に応じて動作モードを切り替えながら、硬貨識別装置200を「通常モード」、「学習モード」または「教示モード」で動作させることが可能である。
ここでは、硬貨識別システム100の全体がソフトウェアで構成されている。このため、制御部210にインストールされている現行の硬貨識別システム100に、適宜修正を加えて新バージョンを作成した後、その新バージョンを上書きインストールすることで現行の硬貨識別システム100を更新し、同システム100の機能を修正することが可能となっている。
硬貨識別システム100の全体構成は、図2に示すとおりであり、状態判定部110、動作モード制御部120、通常モード実行部130、学習モード実行部140、教示モード実行部150およびシステム更新制御部160を備えている。
システム更新制御部160は、硬貨識別システム100の更新を制御するセクションである。システム更新制御部160によって、インターネット等の通信ネットワークを通じて所定の信号を受信することで、随時、硬貨識別システム100の自動更新(新識別基準情報を追加すべき金種情報を含む新バージョンの上書きインストール)を行い、さらに、後述する学習モードの自動実行を行うことが可能となる。
状態判定部110は、記憶部203の識別基準情報記憶部203aに所望の金種に対する新識別基準情報が記憶されているかどうかを判定し、判定結果に応じた信号(判定結果信号)を動作モード制御部120に送出するするセクションである。上述したように、識別基準情報記憶部203aには、金種毎に設定された3つの識別基準情報が予め記憶されている。具体的に言えば、1円、5円、10円、50円、100円および500円の6金種の各々について、3つの識別基準情報が設定されている。したがって、識別基準情報記憶部203aには合計18個の識別基準情報が記憶されていることになる。追加設定される新識別基準情報は、これら18個の識別基準情報が記憶されている記憶領域(アドレス)とは異なる記憶領域に記憶されるようになっているので、その新識別基準情報用の記憶領域(アドレス)を順次探索していくことで、識別基準情報記憶部203aに所望の新識別基準情報が記憶されているかどうかが判明する。そこで、状態判定部110は、その結果に応じて、例えば、「すべての対象金種について新識別基準情報が記憶されている」、または、「少なくとも一部の対象金種について新識別基準情報が記憶されていない」という判定結果信号を動作モード制御部120に送出する。
動作モード制御部120は、状態判定部110から出力される判定結果信号の内容に応じて、モード選択信号を出力し、通常モード実行部130、学習モード実行部140および教示モード実行部150のいずれか1つを選択的にアクティブ(活動状態)にするセクションである。判定結果信号が「すべての対象金種について新識別基準情報が記憶されている」というものであれば、新識別基準情報を生成するための学習はもはや不要であるから、動作モード制御部120は「通常モード実行部をアクティブにせよ」というモード選択信号を出力し、それに応じて通常モード実行部130がアクティブになる。その後は、通常モード実行部130によって通常モードの所定の一連の動作が実行される。他方、判定結果信号が「少なくとも一部の対象金種について新識別基準情報が記憶されていない」というものであれば、新識別基準情報を生成するための学習が必要であるから、動作モード制御部120は「学習モード実行部をアクティブにせよ」というモード選択信号を出力し、それに応じて学習モード実行部140がアクティブになる。その後は、学習モード実行部140によって学習モードの所定の一連の動作が実行される。
例えば、100円と500円という2つの金種に対して新識別基準情報を新たに追加設定する場合、識別基準情報記憶部203aの新識別基準情報用の記憶領域(アドレス)を探索すれば、100円および500円という金種に対する新識別基準情報は未だ設定・記憶されていないことが判明するから、状態判定部110が出力する判定結果信号は「少なくとも一部の対象金種について新識別基準情報が記憶されていない」というものになり、したがって、動作モード制御部120は学習モード実行部140をアクティブにする。その後は、学習モード実行部140によって学習モードの一連の動作が実行される。本実施形態では、学習モードの実行中においても、通常モードにおけるものと同様の真贋識別および金種識別の動作が実行されるので、学習モードを実行中でも硬貨入出金装置300の硬貨入出金動作を継続することが可能であり、便利である。学習モードを実行することで、100円と500円という2つの金種に対して新識別基準情報が設定されて識別基準情報記憶部203aに記憶されると、状態判定部110が出力する判定結果信号は「すべての対象金種について新識別基準情報が記憶されている」というものに変わり、したがって、学習モード実行部140が非アクティブにされ、代わりに通常モード実行部140がアクティブになる。その後は、通常モード実行部140よって通常モードの一連の動作が実行されるが、100円と500円という2つの金種については、既存の識別基準情報に加えて新識別基準情報を用いて硬貨30の真贋識別が実行される。
動作モード制御部120は、図2に示すように、状態判定部110が出力する判定結果信号の他に、硬貨識別システム100の外部から送られる外部切替信号も受信するようになっている。外部切替信号は、サービスエンジニアが手動で教示モードを実行させることを希望する場合に使用される。外部切替信号を受信すると、動作モード制御部120は「教示モード実行部をアクティブにせよ」というモード選択信号を出力し、それに応じて教示モード実行部150がアクティブになる。その後は、教示モード実行部150によって教示モードの所定の一連の動作が実行される。なお、教示モードの動作の内容は、学習モードのそれとほぼ同じであるが、教示モードの場合は、「教示モードを実行しますか?」との照会メッセージが状態表示部204に表示され、サービスエンジニアが教示モードの実行を選択した場合に限り、教示モードが実行される点が異なっている。
通常モード実行部130は、通常モード、すなわち、硬貨識別装置200の通常の硬貨識別動作を実行するセクションである。具体的に言えば、硬貨センサ部202から送られてくる3つのセンサ情報に基づいて、搬送されてくる個々の硬貨30の真贋および金種を識別するという一連の動作を実行する。
通常モード実行部130は、図3に示すような構成を有しており、センサ情報取得部131、固有情報抽出部132、真贋識別部133および金種識別部134を備えている。
センサ情報取得部131は、硬貨センサ部202の第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cから出力される第1〜第3のセンサ情報(アナログ情報)を取得し、記憶部203のセンサ情報記憶部203bに保存するサブセクションである。
固有情報抽出部132は、センサ情報取得部131によってセンサ情報記憶部203bに取得され保存された第1〜第3のセンサ情報(アナログ情報)を読み出して、それらセンサ情報の各々から硬貨30の真贋識別と金種識別に使用される第1〜第3の固有情報を抽出し、記憶部203の固有情報記憶部203cに保存するサブセクションである。例えば、時間と共に変動する第1〜第3のセンサ情報の極小値を抽出して、それらをそれぞれ第1〜第3の固有情報とする。
真贋識別部133は、固有情報記憶部203cに保存されている第1〜第3の固有情報を読み出すと共に、識別基準情報記憶部203aに保存されている金種毎の識別基準情報を読み出して、第1〜第3の固有情報と金種毎の識別基準情報を比較することで、個々の硬貨30の真贋を識別するサブセクションである。真贋識別部133は、個々の硬貨30の真贋識別による結果に応じて、現在対象になっている硬貨30が「真正な硬貨である」こと、または「偽造硬貨である」ことを示す真贋信号を生成し、硬貨振分部302に送信する。なお、真贋識別部133によって固有情報記憶部203cから読み出された第1〜第3の固有情報は、固有情報記憶部203cに記憶される。
金種識別部134は、固有情報記憶部203cに保存されている第1〜第3の固有情報を読み出すと共に、識別基準情報記憶部203aに保存されている金種毎の識別基準情報を読み出して、第1〜第3の固有情報と金種毎の識別基準情報を比較することで、個々の硬貨30の金種を識別するサブセクションである。金種識別部134は、個々の硬貨30の金種識別による結果に応じて、現在対象になっている硬貨30の金種を示す金種信号を生成し、硬貨振分部302に送信する。
真贋識別部133と金種識別部134の動作は、第1〜第3の固有情報と金種毎の識別基準情報を比較する部分が共通するので、これらの情報比較処理を通じて、真贋識別と金種識別の双方を行うようにしてもよい。つまり、硬貨30が所定の金種のいずれかに該当すれば、真正なその金種の硬貨であると判断し、いずれの金種にも該当しないと、偽造硬貨と判断するのである。こうすると、その判断を行う部分は、真贋識別部133と金種識別部134の双方の動作を行うので、「真贋・金種識別部」と呼ぶことができる。
学習モード実行部140は、学習モード、すなわち、硬貨識別装置200の通常の硬貨識別動作(上述した通常モード実行部130による真贋識別および金種識別の動作)を実行しながら、更新対象金種に対する新識別基準情報を新たに設定(生成・保存)して、既存の識別基準情報に追加するセクションである。具体的に言えば、硬貨センサ部202から送られてくる3つのセンサ情報に基づいて、搬送されてくる個々の硬貨30の真贋および金種を識別しながら、その真贋および金種の識別結果に基づいて、更新対象金種に対する新識別基準情報を新たに設定する。
学習モードでは、予め、更新対象金種、すなわち、既存(現行)の識別基準情報に加えて新識別基準情報を新たに設定することにより、既存(現行)の真贋識別プロセスを更新する必要がある金種が特定される。例えば、日本円の1円、5円、10円、50円、100円および500円の6金種の硬貨30について硬貨識別を行う場合、これら6金種すべてについて新識別基準情報の追加が必要になることは少なく、それらの一部の金種に限られる場合が多い。そこで、新識別基準情報の追加が必要な金種を更新対象金種として指定しておけば、学習モードでは、その更新対象金種として指定された金種についてのみ、新識別基準情報が追加設定される。
学習モード実行部140は、図4に示すような構成を有しており、センサ情報取得部141、固有情報抽出部142、真贋識別部143、金種識別部144、更新対象金種識別部144a、硬貨適性識別部145、新固有情報抽出部146、新識別基準情報設定部147および動作モード切換部148を備えている。
センサ情報取得部141は、硬貨センサ部202の第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cから出力される第1〜第3のセンサ情報(アナログ情報)を取得し、記憶部203のセンサ情報記憶部203bに保存するサブセクションである。この機能は、通常モード実行部130のセンサ情報取得部131と同じである。
固有情報抽出部142は、センサ情報取得部131によってセンサ情報記憶部203bに取得され保存された第1〜第3のセンサ情報(アナログ情報)を読み出して、それらセンサ情報の各々から硬貨30の真贋識別と金種識別に使用される第1〜第3の固有情報を抽出し、記憶部203の固有情報記憶部203cに保存するサブセクションである。例えば、時間と共に変動する第1〜第3のセンサ情報の極小値を抽出して、それらをそれぞれ第1〜第3の固有情報とする。この機能は、通常モード実行部130の固有情報抽出部132と同じである。
真贋識別部143は、固有情報記憶部203cに保存されている第1〜第3の固有情報を読み出すと共に、識別基準情報記憶部203aに保存されている金種毎の識別基準情報を読み出して、第1〜第3の固有情報と金種毎の識別基準情報を比較することで、個々の硬貨30の真贋を識別するサブセクションである。真贋識別部143は、個々の硬貨30の真贋識別による結果に応じて、現在対象になっている硬貨30が「真正な硬貨である」こと、または「偽造硬貨である」ことを示す真贋信号を生成し、硬貨振分部302に送信する。なお、真贋識別部133によって固有情報記憶部203cから読み出された第1〜第3の固有情報は、固有情報記憶部203cに記憶される。この機能は、通常モード実行部130の真贋識別部143と同じである。
金種識別部144は、固有情報記憶部203cに保存されている第1〜第3の固有情報を読み出すと共に、識別基準情報記憶部203aに保存されている金種毎の識別基準情報を読み出して、第1〜第3の固有情報と金種毎の識別基準情報を比較することで、個々の硬貨30の金種を識別するサブセクションである。金種識別部144は、個々の硬貨30の金種識別による結果に応じて、現在対象になっている硬貨30の金種を示す金種信号を生成し、硬貨振分部302に送信する。この機能は、通常モード実行部130の金種識別部134と同じである。
真贋識別部143と金種識別部144との動作は、第1〜第3の固有情報と金種毎の識別基準情報を比較する部分が共通するので、これらの情報比較処理を通じて、真贋識別と金種識別の双方を行うようにしてもよい。つまり、硬貨30が所定の金種のいずれかに該当すれば、真正なその金種の硬貨であると判断し、いずれの金種にも該当しないと、偽造硬貨と判断するのである。こうすると、その判断を行う部分は、真贋識別部143と金種識別部144の双方の動作を行うので、「真贋・金種識別部」と呼ぶことができる。これは、通常モード実行部130の場合と同じである。
更新対象金種識別部144aは、真贋識別部143と金種識別部144の識別処理の結果として得られる個々の硬貨30の金種情報を、所定の更新対象金種情報と比較することで、個々の硬貨30の金種が更新対象金種に該当するか否かを識別するサブセクションである。所定の更新対象金種情報は、ここでは、更新対象金種識別部144aの内部に予め書き込まれ(指定され)ているが、例えば他の記憶領域に記憶させておき、必要時にその記憶領域から読み出すようにしてもよい。
硬貨適性識別部145は、学習モード実行中に真贋であると判断された硬貨30が、新識別基準情報の追加設定に対する適性(硬貨適性)を有しているか否か、換言すれば、新識別基準情報を追加設定する際に使用できる好適なサイズと好適な物理的特性を有しているか否かを識別するサブセクションである。識別対象となっている硬貨30が硬貨適性を有しているか否かに応じて、硬貨適性識別部145はその識別結果を示す適性識別結果信号を新固有情報抽出部146に送る。
新固有情報抽出部146は、硬貨適性識別部145から送られる適性識別結果信号に応じて、センサ情報取得部151によってセンサ情報記憶部203bに保存された第1〜第3のセンサ情報(アナログ情報)の各々を読み出し、それらセンサ情報に基づいて硬貨30の真贋識別と金種識別に使用される新固有情報(これは第4の固有情報に相当する)を抽出し、記憶部203の固有情報記憶部203cに保存するサブセクションである。硬貨適性識別部145から送られる適性識別結果信号が、硬貨30が硬貨適性を有しているというものである場合は、新固有情報を抽出して固有情報記憶部203cに一時的に保存する。適性識別結果信号が、硬貨30が硬貨適性を有していないというものである場合は、新固有情報の抽出・保存は行わない。新固有情報としては、例えば、時間と共に変動する第1および第2のセンサ情報が同じ値をとるタイミングを検出し、そのタイミングで得られた値を、新固有情報(第4の固有情報)として使用することができる。
新識別基準情報設定部147は、新固有情報抽出部146によって抽出・保存された新固有情報に基づいて新識別基準情報を生成(設定)し、識別基準情報記憶部203abに保存するサブセクションである。例えば、新固有情報抽出部146によって1枚の硬貨30について抽出・保存される新固有情報を規定枚数分集め、それらの平均をとって新識別基準情報とし、識別基準情報記憶部203abに保存することができる。
動作モード切換部148は、必要に応じて動作モードを切り換えるためのサブセクションである。つまり、学習モードにおいて1つの更新対象金種に対して新識別基準情報の追加設定が完了すると、動作モード切換部148は、状態判定部110に指示して記憶部203の識別基準情報記憶部203aを探索させ、識別基準情報記憶部203aの新識別基準情報記憶領域に、新識別基準情報が存在していない所定の更新対象金種が1つでもあれば、学習モードを継続し、学習モードの一連の動作を再度実行する。他方、新識別基準情報が存在していない所定の更新対象金種が見つからなければ、換言すれば、識別基準情報記憶部203aの新識別基準情報記憶領域にすべての更新対象金種に対して新識別基準情報が存在することが判明すると、今まで実行していた学習モードを終了し、通常モードの実行を開始する。
教示モード実行部150は、教示モード、すなわち、硬貨識別装置200の通常の硬貨識別動作(真贋の識別と金種の識別)を実行することなく、対象金種に対する新識別基準情報を新たに設定(生成・保存)して、既存の識別基準情報に追加するセクションである。具体的に言えば、硬貨センサ部202から送られてくる3つのセンサ情報に基づいて、個々の硬貨30の真贋および金種を識別しながら、その真贋および金種の識別結果に基づいて所定の更新対象金種に対する新識別基準情報を新たに設定するセクションである。教示モード実行部150は、サービスエンジニアから教示モードを実行する旨の指示がなされた場合に限り、アクティブになるように構成されている。
教示モード実行部150は、図5に示すような構成を有しており、センサ情報取得部151、固有情報抽出部152、真贋識別部153、金種識別部154、更新対象金種識別部154a、硬貨適性識別部155、新固有情報抽出部156、新識別基準情報設定部157、教示モード選択画面表示部158および動作モード切換部159を備えている。
教示モード実行部150のセンサ情報取得部151、固有情報抽出部152、真贋識別部153、金種識別部154および更新対象金種識別部154a、硬貨適性識別部155、新固有情報抽出部156および新識別基準情報設定部157は、それぞれ、学習モード実行部140のセンサ情報取得部141、固有情報抽出部142、真贋識別部143、金種識別部144、更新対象金種識別部144a、硬貨適性識別部145、新固有情報抽出部146および新識別基準情報設定部147と同じ機能を有している。したがって、教示モード実行部150のこれらのセクションについての説明は省略する。
教示モード選択画面表示部158は、硬貨識別装置200の状態表示部204またはサービスエンジニアが硬貨識別装置200に接続したパーソナルコンピュータの画面に、所定の教示モード選択画面を表示し、教示モードを選択するか否かをサービスエンジニアに照会するサブセクションである。その教示モード選択画面で、サービスエンジニアが「教示モードを選択する」旨を指示すると、教示モード実行部150がアクティブになって教示モードの一連の動作を実行する。その教示モード選択画面で、サービスエンジニアが「教示モードを選択しない」旨を指示すると、教示モードの動作は開始されず、代わりに通常モードが開始される。
動作モード切換部159は、必要に応じて動作モードを切り換えるためのサブセクションである。つまり、教示モードにおいて1つの更新対象金種に対して新識別基準情報の追加設定が完了すると、動作モード切換部159は、状態判定部110に指示して記憶部203の識別基準情報記憶部203aを探索させ、識別基準情報記憶部203aの新識別基準情報記憶領域に、新識別基準情報が存在していない所定の更新対象金種が1つでもあれば、教示モードを継続し、教示モードの一連の動作を再度実行する。他方、新識別基準情報が存在していない所定の更新対象金種が見つからなければ、換言すれば、識別基準情報記憶部203aの新識別基準情報記憶領域にすべての更新対象金種に対して新識別基準情報が存在することが判明すると、今まで実行していた教示モードを終了し、通常モードの実行を開始する。
(硬貨識別装置の動作)
次に、以上のような構成と機能を持つ硬貨識別装置200の動作について、図6〜図8のフローチャートを参照しながら説明する。
ここでは、識別対象の硬貨30の金種が日本円の1円、5円、10円、50円、100円および500円の6種であると仮定する。また、新識別基準情報を追加設定すべき金種(更新対象金種)は、500円と100円の2金種であると仮定する。
上述したように、第1〜第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cは、いずれも磁気センサであり、また、直線状の硬貨搬送路10に沿って所定間隔をあけて配置されている。このため、硬貨搬送路10を搬送される硬貨30が第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cの近傍をこの順に通過すると、硬貨センサ20a、20bおよび20cから出力される信号である第1〜第3のセンサ情報は、一時的に変動し、しかも、それら変動は異なった時刻に生じる。したがって、第1〜第3のセンサ情報は、それぞれ、例えば、図12に示すような波形信号Wa、WbおよびWcのようになる。第1センサ情報である波形信号Waの振幅(電圧値)の変動が生じるタイミングが最も早く、第3センサ情報である波形信号Wcの振幅の変動が生じるタイミングが最も遅く、第2センサ情報である波形信号Wbの振幅の変動が生じる時刻(タイミング)は、第1波形信号Waと第3波形信号Wcの変動時刻の間である。
このように、第1〜第3のセンサ情報は、連続値をとるアナログ情報であり、また、それらの値(振幅)の変動するタイミングがずれている。硬貨識別装置200は、このような第1〜第3のセンサ情報を用いて、予め設定した識別基準を用いて個々の硬貨30の硬貨識別、すなわち真贋識別および金種識別を行い、さらに、これら真贋識別に使用する新識別基準の追加設定を、所定の更新対象金種に対して行う。以下、硬貨識別装置200の硬貨識別動作をその動作モード別に説明する。
(通常モード)
まず、通常モードの動作について説明する。通常モードは、硬貨入出金装置300の日常的な運用時に使用されるものであり、図3に示した通常モード実行部130によって実現される。その動作フローは図7に示すとおりである。
最初に、センサ情報取得部131により、1個の硬貨30を検出すると第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cから出力される、第1、第2および第3のセンサ情報が、取得されたか否かを判断する(ステップS21)。取得されたと判断すると、センサ情報取得部131は、取得された第1〜第3のセンサ情報を記憶部203のセンサ情報記憶部203bに一時的に保存し、ステップS22に進む。取得されていないと判断すると、センサ情報取得部131は、ステップS21の直前に戻り、所定時間の経過後、再度、上記と同じ判断をする。なお、センサ情報取得部131は、これらセンサ情報が到来すると自動的に取得するように構成されており、また、ステップS21の判断は所定時間毎に行われるので、ステップS21はこれらセンサ情報の到来を常時待機するステップと言うことができる。
ステップS22では、固有情報抽出部132により、センサ情報記憶部203bからさきほど保存された第1〜第3のセンサ情報を読み出して、それらセンサ情報から所定の方法で第1〜第3の固有情報を抽出する。ここで、「固有情報」とは、硬貨識別(つまり硬貨30の真贋識別と金種識別)に使用される情報である。例えば、前記抽出方法が「各センサ情報の極小値を抽出する」というものであれば、時間と共に変動する第1〜第3のセンサ情報の電圧値の極小値が抽出されて、それら極小値がそれぞれ第1〜第3の固有情報とされる。この場合、第1〜第3のセンサ情報である波形信号Wa、WbおよびWcの振幅(電圧)の極小値は、図12の点A、BおよびCの値となる。こうして固有情報抽出部132により抽出された第1〜第3の固有情報は、記憶部203の固有情報記憶部203cに一時的に保存される。
ステップS23では、真贋識別部133により、固有情報記憶部203cからさきほど保存した第1〜第3の固有情報を読み出すと共に、記憶部203の識別基準情報記憶部203aに予め保存されている第1〜第3の識別基準情報を読み出して、第1〜第3の固有情報と第1〜第3の識別基準情報とをそれぞれ比較し、現在の識別対象とされた(つまり直近で第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cに検出された)硬貨30が真正硬貨であるか、偽造硬貨であるかを判断する(真贋識別)。例えば、当該硬貨30の第1〜第3の固有情報の各々が、日本円の6金種の各々について設定された第1〜第3の識別基準情報のいずれかの下限値と上限値の間の範囲内(下限値と上限値を含む)にあれば、真正硬貨と判断される。当該硬貨30の第1〜第3の固有情報のいずれかが、日本円の6金種のいずれかに係る第1〜第3の識別基準情報の下限値と上限値の間の範囲内(下限値と上限値を含む)になければ、偽造硬貨と判断される。この真贋識別(ステップS23での判断)により、偽造硬貨であると判断されると、当該硬貨30は所定の硬貨排出処理(ステップS27)を通じて、硬貨入出金装置300の外部(例えば出金トレイ)に排出される。その後、ステップS21の直前に戻り、次に識別対象とされた硬貨30に対してステップS21〜S23の処理を行う。真正硬貨であると判断されると、ステップS24に進む。
ステップS24では、金種識別部134により、固有情報記憶部203cから読み出した識別対象の硬貨30の第1〜第3の固有情報を、識別基準情報記憶部203aから読み出した第1〜第3の識別基準情報とそれぞれ比較して、対象となっている硬貨30がどの金種であるかを判断する(金種識別)。例えば、当該硬貨30の第1〜第3の固有情報の各々が、日本円の6金種のいずれかに係る第1〜第3識別基準情報の下限値と上限値の間の範囲内(下限値と上限値を含む)にあると判断されたその金種が、当該硬貨30の金種であると判断される。こうして金種識別が終了すると、ステップS25に進む。
ステップS24では、対象となっている硬貨30は、ステップS23の真贋識別における処理によって既に真正硬貨と判断されている。このため、例えば、ステップS23の説明で上述したように、ステップS23において、当該硬貨30の第1〜第3の固有情報の各々が、日本円の特定の1つの金種に対して設定された第1〜第3の識別基準情報の下限値と上限値の間の範囲内(下限値と上限値を含む)にあることが判明している。よって、ステップS23の真贋識別の途中経過から当該硬貨30の金種を直ちに知ることができる。このため、固有情報記憶部203cから読み出した第1〜第3の固有情報を、識別基準情報記憶部203aから読み出した第1〜第3の識別基準情報とそれぞれ比較する必要がなく、効率的である。このように、ステップS23とS24の真贋識別と金種識別とを一括して実施するようにしてもよい。
金種毎に設定されている第1〜第3の識別基準情報は、いずれも、単一の値ではなく、許容範囲が設定されている。具体的に言うと、例えば、500円の金種に対する第1〜第3の識別基準情報をそれぞれS1(500)、S2(500)およびS3(500)とすれば、各々の識別基準情報S1(500)、S2(500)およびS3(500)毎に、
p1(500)≦S1(500)≦q1(500)、
p2(500)≦S2(500)≦q2(500)、
p3(500)≦S3(500)≦q3(500)
のように、許容範囲が設定される。
同様に、100円の金種に対する第1〜第3の識別基準情報をそれぞれS1(100)、S2(100)およびS3(100)とすれば、
p1(100)≦S1(100)≦q1(100)、
p2(100)≦S2(100)≦q2(100)、
p3(100)≦S3(100)≦q3(100)
のように、許容範囲が設定される。50円の金種については、
p1(50)≦S1(50)≦q1(50)、
p2(50)≦S2(50)≦q2(50)、
p3(50)≦S3(50)≦q3(50)
のように、許容範囲が設定される。10円の金種については、
p1(10)≦S1(10)≦q1(10)、
p2(10)≦S2(10)≦q2(10)、
p3(10)≦S3(10)≦q3(10)
のように、許容範囲が設定される。5円の金種については、
p1(5)≦S1(5)≦q1(5)、
p2(5)≦S2(5)≦q2(5)、
p3(5)≦S3(5)≦q3(5)
のように、許容範囲が設定される。1円の金種については、
p1(1)≦S1(1)≦q1(1)、
p2(1)≦S2(1)≦q2(1)、
p3(1)≦S3(1)≦q3(1)
のように、許容範囲が設定される。
そして、識別対象の硬貨30の第1〜第3固有情報のいずれかが、500円、100円、50円、10円、5円および1円の6金種のいずれかに係る上述した第1〜第3識別基準情報の下限値と上限値の間の範囲内(下限値と上限値を含む)にないと判断されると、当該硬貨30は偽造硬貨と判断される。逆に、当該硬貨30の第1〜第3の固有情報の各々が、上記6金種のいずれかに係る上述した第1〜第3識別基準情報の下限値と上限値の間の範囲内(下限値と上限値を含む)にあると判断されると、真正硬貨と判断される(ステップS23)。そして、この判断過程で、第1〜第3の固有情報の各々が、上述した第1〜第3識別基準情報の下限値と上限値の間の範囲内(下限値と上限値を含む)にあると判断されたその金種が、当該硬貨30の金種であると判断される(ステップS24)。
ステップS25では、ステップS23およびS24での真贋識別と金種識別に対応した真贋信号と金種信号を、硬貨入出金装置300の硬貨振分部302に向けて出力する。硬貨振分部302は、受信した真贋信号と金種信号の内容に応じて硬貨30の振分動作を実行する。
次のステップS26では、現在対象となっている硬貨30に対して後続の硬貨30があるか否かを判断する。後続の硬貨30がある場合は、ステップS21の直前に戻り、ステップS21以降の処理を繰り返す。後続の硬貨30がない場合は、硬貨識別処理を終了し、次にセンサ情報が到来するのを待機する。後続の硬貨30があるか否かの判断は、例えば、後続の硬貨30に係る第1〜第3のセンサ信号の到来をセンサ信号取得部131で検出することで、容易に行うことができる。
硬貨入出金装置300の日常運転で使用される通常モードでは、以上のようにして、対象となる個々の硬貨30の真贋識別と金種識別が順次行われる。
(学習モード)
次に、硬貨識別装置200の学習モードの動作について説明する。学習モードは、学習させることによって硬貨識別装置200に新識別基準情報を追加設定するために使用されるものである。学習モードは、図4に示した学習モード実行部140によって実現されるものであり、その動作フローは図6に示すようになる。
ここでは、通常モードの説明において上述したように、新識別基準情報の追加設定(既存識別基準情報の更新)が必要な金種(更新対象金種)が、日本円硬貨の6金種のうちの500円および100円の2金種とする。しかし、本発明はこれには限定されず、新識別基準情報の追加設定が必要な金種(更新対象金種)は1金種だけでもよいし、3金種以上(6金種以下)としてもよいことは言うまでもない。
学習モードでは、所定の更新対象金種(500円と100円)に対する新識別基準情報を生成するための学習を行うが、その学習は、通常モードと同様の動作をしながら実施される。すなわち、ユーザから供給される市場流通硬貨を学習に使用し、それら市場流通硬貨の真贋および金種の識別を行う過程で第1〜第3のセンサ情報から更新対象金種の各々に対する新固有情報を生成し、それら新固有情報を用いて更新対象金種の各々に対する新識別基準情報が追加設定される。このような学習モードの詳細は、以下に説明するとおりである。
最初に、状態判定部110により、硬貨30の所定の更新対象金種のすべてについて新識別基準情報が設定されているか否かを判断し、その結果に応じた判定結果信号を動作モード制御部120に出力する(ステップS1)。
ステップS1における新識別基準情報が未設定の更新対象金種があるか否かの判断は、ここでは、状況判定部110によって、記憶部203の識別基準情報記憶部203aの所定の記憶領域(アドレス)を探索(検査)することによって行う。つまり、6金種の各々に対する識別基準情報(既存識別基準情報)は、硬貨入出金装置300の出荷時にすでに設定されており、識別基準情報記憶部203aの所定の記憶領域(アドレス)にそれぞれ保存されている。また、出荷後(運用開始後)に、既存識別基準情報とは別個に追加設定される新識別基準情報は、識別基準情報記憶部203aの既存識別基準情報とは異なる所定の記憶領域(アドレス)に個別に保存されるように構成されている。このため、新識別基準情報の保存用記憶領域の全体を探索することで、これらの記憶領域の各々に何らかの情報(値)が保存されているか否かは容易に判明する。よって、新識別基準情報の保存用記憶領域の全体を探索すれば、新識別基準情報が未設定の更新対象金種があるか否かの判断が可能となる。
ステップS1において、すべての対象金種について新識別基準情報が設定されていると判断された場合は、新識別基準情報の追加設定は不要であるから、状況判定部110の判定結果信号は「通常モードを実行せよ」との指示になる。動作モード制御部120は、その判定結果信号にしたがって、通常モード実行部130をアクティブにする。こうして、硬貨識別装置200は通常モードに遷移する(ステップS15)。すると、アクティブになった通常モード実行部130が、図7に示した通常モードの一連の動作を実行する(ステップS16)。その後は、硬貨識別装置200は、図7に示した動作フローにしたがって動作する。
ステップS1において、すべての更新対象金種についてすでに新識別基準情報が設定されていない、つまり、少なくとも1つの更新対象金種について新識別基準情報が設定されていないと判断された場合は、状態判定部110が出力する判定結果信号は「学習モードを実行せよ」との指示になり、それにしたがって、動作モード制御部120が学習モード実行部140をアクティブにする。こうして、硬貨識別装置200は学習モードに遷移する(ステップS2)。その後、次のステップS3に進む。
ステップS3では、センサ情報取得部141により、1個の硬貨30の検出により第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cから出力される、第1、第2および第3のセンサ情報が、取得されたか否かを判断する。取得されたと判断すると、センサ情報取得部141は、取得された第1〜第3のセンサ情報を記憶部203のセンサ情報記憶部203bに一時的に保存し、ステップS4に進む。取得されていないと判断すると、センサ情報取得部141は、ステップS3の直前に戻り、所定時間の経過後、再度、上記と同じ判断をする。なお、センサ情報取得部141は、これらセンサ情報が到来すると自動的に取得するように構成されており、また、ステップS3の判断は所定時間毎に行われるので、ステップS3はこれらセンサ情報の到来を常時待機するステップと言うことができる。また、ステップS3での動作は、通常モード(図7)のステップS21と同じである。
ステップS4では、固有情報抽出部142により、センサ情報記憶部203bからさきほど保存された第1〜第3のセンサ情報を読み出して、それらセンサ情報から所定の方法で第1〜第3の固有情報を抽出する。例えば、前記抽出方法が、通常モードと同様の「各センサ情報の極小値を抽出する」というものであれば、時間と共に変動する第1〜第3のセンサ情報の電圧値の極小値が抽出されて、それら極小値がそれぞれ第1〜第3の固有情報とされる。この場合、第1〜第3のセンサ情報である波形信号Wa、WbおよびWcの振幅(電圧)の極小値は、図12の点A、BおよびCの値となる。こうして固有情報抽出部142により抽出された第1〜第3の固有情報は、記憶部203の固有情報記憶部203cに一時的に保存される。なお、ステップS4での動作は、通常モード(図7)のステップS22と同じである。
ステップS5では、真贋識別部143により、固有情報記憶部203cからさきほど保存した第1〜第3の固有情報を読み出すと共に、記憶部203の識別基準情報記憶部203aに予め保存されている第1〜第3の識別基準情報を読み出して、第1〜第3の固有情報と第1〜第3の識別基準情報とをそれぞれ比較し、現在の識別対象とされた(つまり直近で第1、第2および第3の硬貨センサ20a、20bおよび20cに検出された)硬貨30が真正硬貨であるか、偽造硬貨であるかを判断する(真贋識別)。この真贋識別は、例えば、当該硬貨30の第1〜第3の固有情報の各々が、日本円の6金種の各々について設定された第1〜第3の識別基準情報の下限値と上限値の間の範囲内(下限値と上限値を含む)にあれば、真正硬貨と判断される。これら6金種のいずれにも該当しない場合は、偽造硬貨と判断される。この真贋識別(ステップ5での判断)により、偽造硬貨であると判断されると、当該硬貨30は所定の硬貨排出処理(ステップS6)を通じて、硬貨入出金装置300の外部(例えば出金トレイ)に排出される。その後、ステップS3の直前に戻り、次に識別対象とされた硬貨30に対してステップS3〜S5の処理を行う。真正硬貨であると判断されると、ステップS7に進む。なお、ステップS5およびS6での動作は、それぞれ、通常モード(図7)のステップS23およびS27と同じである。
ステップS7では、金種識別部144により、固有情報記憶部203cから読み出した識別対象の硬貨30の第1〜第3の固有情報を、識別基準情報記憶部203aから読み出した第1〜第3の識別基準情報とそれぞれ比較して、対象となっている硬貨30がどの金種であるかを判断する(金種識別)。こうして金種識別が終了すると、ステップS8に進む。なお、ステップS7での動作は、通常モード(図7)のステップS24と同じである。
ステップS7では、対象となっている硬貨30は、ステップS5の真贋識別における処理によって既に真正硬貨と判断されている。このため、例えば、ステップS5の説明で上述したように、ステップS5において、当該硬貨30の第1〜第3の固有情報の各々が、日本円の特定の1つの金種に対して設定された第1〜第3の識別基準情報の下限値と上限値の間の範囲内(下限値と上限値を含む)にあることが判明している。よって、ステップS5の真贋識別の途中経過から当該硬貨30の金種を直ちに知ることができる。このため、固有情報記憶部203cから読み出した第1〜第3の固有情報を、識別基準情報記憶部203aから読み出した第1〜第3の識別基準情報とそれぞれ比較する必要がなく、効率的である。このように、ステップS5とS6の真贋識別と金種識別とを一括して実施するようにしてもよい。
ステップS8では、硬貨適性識別部145によって、ステップS7で判明した当該硬貨30の金種が、新識別基準情報を追加設定すべき「更新対象金種」であるか否かを判断する。対象金種でない場合は、ステップS9とステップS10を飛ばして、ステップS11の直前に飛び、ステップS11以降の動作を実行する。これは、識別対象である硬貨30が更新対象金種でない場合は、ステップS9の硬貨適性の判断とステップS10の固有情報の保存を実施しないことを意味する。他方、更新対象金種である場合は、次のステップS9に進み、当該硬貨30の硬貨適性を判断する。
当該硬貨30の金種が更新対象金種である500円または100円であると判断された場合は、次のステップS9に進み、当該硬貨30の硬貨適性を判断する。
ここで、「硬貨適性」とは、識別対象となっている硬貨30が新識別基準情報の生成に適切であるか否かを示す、硬貨30の性質または特性を意味し、当該硬貨30から取得され且つセンサ情報記憶部203bに保存されている第1〜第3のセンサ情報が、それぞれ、第1〜第3の適性基準情報の許容範囲内に含まれているか否かで判断する。
例えば、通常モードの場合において上述したように、対象金種の1つである500円の金種に対する第1〜第3の識別基準情報S1(500)、S2(500)およびS3(500)が、それぞれ、
p1(500)≦S1(500)≦q1(500)、
p2(500)≦S2(500)≦q2(500)、
p3(500)≦S3(500)≦q3(500)
のように設定されている場合、それらの下限値p1(500)、p2(500)およびp3(500)よりもそれぞれ大きく設定された「新下限値」p1n(500)、p2n(500)およびp3n(500)と、それらの上限値q1(500)、q2(500)およびq3(500)よりもそれぞれ小さく設定された「新上限値」q1n(500)、q2n(500)およびq3n(500)が新たに設定される。
したがって、500円の金種に対する第1〜第3の適性基準情報A1n(500)、A2n(500)およびA3n(500)が、それぞれ、
p1n(500)≦A1n(500)≦q1n(500)、
p2n(500)≦A2n(500)≦q2n(500)、
p3n(500)≦A3n(500)≦q3n(500)
のように設定される。
ただし、p1n(500)>p1(500)、p2n(500)>p2(500)、p3n(500)>p3(500)であり、q1n(500)<q1(500)、q2n(500)<q2(500)、q3n(500<q3(500)である。
同様に、通常モードの場合において上述したように、もう1つの対象金種である100円の金種に対する第1〜第3の識別基準情報S1(100)、S2(100)およびS3(100)が、それぞれ、
p1(100)≦S1(100)≦q1(100)、
p2(100)≦S2(100)≦q2(100)、
p3(100)≦S3(100)≦q3(100)
のように設定されている場合、それらの下限値p1(100)、p2(100)およびp3(100)よりもそれぞれ大きく設定された「新下限値」p1n(100)、p2n(100)およびp3n(100)と、それらの上限値q1(100)、q2(100)およびqn(100)よりもそれぞれ小さく設定された「新上限値」q1n(100)、q2n(100)およびq3n(100)が新たに設定される。
したがって、100円の金種に対する第1〜第3の適性基準情報A1n(100)、A2n(100)およびA3n(100)が、それぞれ、
p1n(100)≦A1n(100)≦q1n(100)、
p2n(100)≦A2n(100)≦q2n(100)、
p3n(100)≦A3n(100)≦q3n(100)
のように設定される。
ただし、p1n(100)>p1(100)、p2n(100)>p2(100)、p3n(100)>p3(100)であり、q1n(100)<q1(100)、q2n(100)<q2(100)、q3n(100<q3(100)である。
上述した500円の金種に対する第1〜第3の適性基準情報A1n(500)、A2n(500)およびA3n(500)の許容範囲は、例えば、500円の金種に対する第1〜第3の識別基準情報S1n(500)、S2n(500)およびS3n(500)の許容範囲に対して所定の割合に設定するのが好ましい。同様に、上述した100円の金種に対する第1〜第3の適性基準情報A1n(100)、A2n(100)およびA3n(100)の許容範囲も、例えば、100円の金種に対する第1〜第3の識別基準情報S1n(100)、S2n(100)およびS3n(100)の許容範囲に対して所定の割合に設定するのが好ましい。ここで、所定の割合とは、例えば70%あるいは60%であるが、これら以外の値でもよいことは言うまでもない。必要な真贋識別精度に応じて、この割合は任意に調整することができる。
このように、500円金種に対する第1〜第3の適性基準情報A1n(500)、A2n(500)およびA3n(500)の許容範囲を、同金種に対する第1〜第3の識別基準情報S1n(500)、S2n(500)およびS3n(500)の許容範囲に対して所定割合で狭くしているのは、市場流通硬貨は使用されて(流通して)いる間に磨耗、損傷あるいは変成することが多く、その結果として、硬貨識別装置20の識別対象となった時には新規製造時のサイズや物理的特性とはずれていることが多いためである。可能な限り新規製造時の状態に近いサイズや物理的特性を持つ硬貨を選別して、ステップS9の硬貨適性判断に使用することにより、そのように選別された硬貨30から得られる新固有情報が新規製造時のそれに近づくことになり、そのために、追加設定される新識別基準情報を、学習用に用意された専用硬貨を用いて学習する場合に得られる新識別基準情報に、可能なかぎり近づけることが可能となる利点がある。
ステップS9において、金種が500円または100円であり、且つ、500円の金種に対する第1〜第3の適性基準情報A1n(500)、A2n(500)およびA3n(500)の許容範囲、または、100円の金種に対する第1〜第3の適性基準情報A1n(100)、A2n(100)およびA3n(100)の許容範囲内に含まれている場合は、識別対象となっている当該硬貨30は「硬貨適性あり」と判断する。そして、次のステップS10に進み、その硬貨30、すなわち、ステップS7で更新対象金種(500円または100円)と判断され、且つ、ステップS9で硬貨適性が良好と判断された硬貨30についての第1〜第3の固有情報を用いて、新識別基準情報の生成のための新固有情報を生成し、固有情報記憶部203cの識別領域(アドレス)に一時的に保存する。その後、次のステップS11に進む。他方、当該許容範囲内に含まれていない場合は、当該硬貨30は「硬貨適性なし」と判断し、次のステップS10を実行することなく、ステップS11の直前に飛ぶ。
ステップS11では、ステップS5での真贋識別とステップS7での金種識別とに対応する内容の真贋信号と金種信号を、硬貨入出金装置300の硬貨振分部302に向けて出力する。硬貨振分部302は、受信した真贋信号と金種信号の内容に応じて硬貨30の振分動作を実行する。そして、次のステップS12に進む。
ステップS12では、ステップS5の真贋識別とステップS7の金種識別とステップS9の硬貨適性識別を経てきた硬貨30、すなわち、金種が500円または100円で硬貨適性良好と判断された硬貨30の総数が、規定枚数に到達したか否かを判断する。これは、規定枚数分の対象金種の硬貨30の識別を行ってから、規定枚数分の新固有情報(ステップS10で保存したもの)の平均をとることで、新固有情報の値のバラツキの影響を低減するためである。したがって、「規定枚数」は、このようなバラツキの影響を低減できる程度の値に設定すればよい。「規定枚数」は、例えば30枚とすることができるが、これ以外の枚数でもよいことは言うまでもない。
ステップS12において、「規定枚数に到達していない」と判断されると、ステップS3の直前に戻り、ステップS3〜S11の処理を再度実行する。「規定枚数に到達した」と判断されると、次のステップS13に進む。
ステップS13では、硬貨30の規定枚数分の新固有情報(ステップS10で保存したもの)の平均をとることで、更新対象金種である500円または100円に対する新識別基準情報を算出(生成)し、識別基準情報記憶部203aの該当する記憶領域に保存する。そして、次のステップS14に進む。
ステップS14では、新識別基準情報を設定する他の対象金種があるか否かを判断する。つまり、ステップS1〜S13までで、更新対象金種である500円および100円の少なくとも一方に対する新識別基準情報の算出(生成)・保存が未了の場合は、「新識別基準情報を設定する他の対象金種がある」と判断し、ステップS3の直前に飛んで、ステップS3〜ステップS13を再度実行する。他方、更新対象金種である500円と100円の双方に対する新識別基準情報の算出(生成)・保存が完了している場合は、「新識別基準情報を設定する他の対象金種がない」と判断し、ステップS15の直前に飛ぶ。
この時、状況判定部110は、「通常モードを実行せよ」との指示を持つ判定結果信号を自動的に出力するため、動作モード制御部120が通常モード実行部130をアクティブにする。こうして、硬貨識別装置200の動作モードは学習モードから通常モードに遷移する(ステップS15)。すると、アクティブになった通常モード実行部130が、図7に示した通常モードの一連の動作を実行する(ステップS16)。その後は、硬貨識別装置200は、図7に示した動作フローにしたがって動作する。
上述したところから明らかなように、硬貨識別装置200では、学習モードの実行中であっても、硬貨入出金装置300の設置場所で市場流通硬貨を用いた通常の硬貨入出金動作(通常モードの一連の動作)が実行される。この時、硬貨入出金装置300は「現在使用可能な状態にある」、つまり「運転中である」と、状態表示部204に表示される。この表示は、実行中のモードを実現する通常モード実行部130または学習モード実行部140が行う。
(教示モード)
続いて、硬貨識別装置200の教示モードの動作について説明する。教示モードは、図5に示した教示モード実行部150によって実現されるものであり、その動作フローは図8に示すようになる。なお、教示モードは、担当のサービスエンジニアが手動で新識別基準情報の教示を行うことがあるのを考慮したものであるから、そのような事態が生じない場合は、教示モードを省略できることは言うまでもない。
図8の教示モードにおけるステップS31〜S46は、図6の学習モードにおけるステップS1、すなわち、硬貨30の更新対象金種について新識別基準情報が設定されているか否かを判断するステップに代えて、教示モードを実行するか否かを判断するステップS31が設けられている点を除き、図6の学習モードのステップS2〜S16と同じである。したがって、以下では、相違点であるステップS31についてのみ説明し、動作が同じ部分についての説明は省略する。
教示モードにおけるステップS31では、教示モードを実行するか否かの判断をする。これは、担当のサービスエンジニアが手動で新識別基準情報の教示を行うことがあるのを考慮して、その場合に教示モードを手動で選択できるように、硬貨識別装置200が構成されているからである。そのために、教示モード実行部150には、教示モード選択画面表示部158が追加されている。
ステップS31では、教示モード選択画面表示部158によって、所定の教示モード選択画面(図示せず)が状態表示部204に表示され、それを見たサービスエンジニアが「教示モードを実行する」との指示をした場合は、硬貨識別装置200は教示モードに遷移し(ステップS32)、教示モードのステップS33〜S46の一連の動作を実行する。その際には、新識別基準情報の学習に使用する所定枚数の学習専用硬貨を用いて、手動で学習モードを実行することになる。こうすることにより、学習モードについて上述したのと同様にして、所定の対象金種に対する新識別基準情報の追加設定が可能となる。
他方、ステップS31において、サービスエンジニアが「教示モードを実行しない」との指示をした場合は、ステップS45に飛び、初期状態から通常モードに遷移して(ステップS45)、通常モード実行部130が通常モードの一連の動作を実行する(ステップS46)。その後は、通常モードの一連の動作が実行される。
なお、図8に示した教示モードの動作フローにおいて、所定枚数の学習専用硬貨をサービスエンジニアが持参して学習に使用するのであれば、真正硬貨の判断(真贋識別)をするステップS35や、硬貨適性の判断をするステップS39は省略可能である。
(実現形態)
次に、以上の構成と機能を有する本発明の硬貨識別システム100の実現形態について説明する。
本発明の硬貨識別システム100は、ソフトウェア(ファームウェア)のみで構成してもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして構成してもよい。硬貨識別装置200の制御部210に組み込みが可能であれば、任意の形態として実現可能である。
既設の硬貨入出金装置300において、特定の更新対象金種について新識別基準情報の追加設定が必要になった場合、硬貨識別装置200の制御部210に組み込まれた硬貨識別システム100を動作させて、学習モードを実行させる必要がある。しかし、既設の硬貨入出金装置300において、硬貨識別装置200の制御部210に硬貨識別システム100が組み込まれていない場合は、学習モードを実行することができない。このため、背景技術の説明で既述したように、担当のサービスエンジニアが出向いて、既設の硬貨識別装置200それ自体を新識別基準情報の追加設定が完了した新規の硬貨識別装置と交換するか、あるいは、同サービスエンジニアが手動で硬貨識別装置200を制御するためのファームウェアを新しいものに更新してから、手動で学習させることで新識別基準情報を追加設定することが必要である。
しかし、本発明の硬貨識別システム100では、上記のような不便は解消される。すなわち、上記実施形態のように、硬貨識別システム100をソフトウェアのみで構成すれば、つまり、硬貨識別装置200を制御するためのファームウェアの形式で作成すれば、例えば、ファームウェア形式の硬貨識別システム100を、例えば硬貨入出金装置300の管理者にインターネットを介してダウンロードしてもらい、さらに既存のファームウェアに上書きインストールしてもらうことで、既存の硬貨識別装置200の制御部210に硬貨識別システム100を容易に組み込むことができる。(制御部210のファームウェアが格納される部分は、通常、EEPROM等の書き換え可能な記憶装置で構成されているから、実現に支障はない。)このようにして、硬貨識別システム100が既存の硬貨識別装置200の制御部210に組み込まれると、直ちに図6に示した学習モードが自動的に開始されるように、システム更新制御部160に予め設定しておくだけで、学習モードが自動実行され、通常の真贋識別と金種識別を行いながら新識別基準情報を自動的に追加設定するようになる。この場合は、教示モードは省略可能である。
あるいは、硬貨入出金装置300をインターネットに常時接続しておき、硬貨入出金装置300の提供者側から、インターネットを介して、ファームウェア形式とされた硬貨識別システム100を自動ダウンロードと既存ファームウェアへの上書きインストールの自動実行のための指令を、硬貨識別システム100システムの更新制御部160に予め書き込んでおいてもよい。この場合は、管理者の手を患わせることなく、直ちに学習モードが自動実行され、通常の真贋識別と金種識別を行いながら新識別基準情報を追加設定することも可能である。この方式が最も簡便である。この場合も、教示モードは省略可能である。
さらに、本発明の硬貨識別システム100をハードウェアとソフトウェアの組み合わせよりなるユニットまたはチップとして構成してもよい。つまり、ソフトウェアが書き込まれたハードウェアとしてのユニットまたはチップとして構成してもよい。ただし、この場合は、当該ユニットまたはチップの送付が別途必要になる点と、管理者等によって当該ユニットまたはチップを交換してもらうことが必要になる点で、全体をソフトウェア(ファームウェア)形式とする上記の場合より少し不便である。
既設の硬貨入出金装置300において、硬貨識別装置200の制御部210に硬貨識別システム100がいったん組み込まれると、更新されたファームウェア形式の硬貨識別システム100も、システム更新制御部160の機能によって自動ダウンロードと既存ファームウェアへの上書きインストールが自動実行されるようになる。このため、その後に、任意の金種に対する新識別基準情報の追加設定が必要になっても、ファームウェア形式とした硬貨識別システム100を自動更新と学習モードの自動実行が指令されるように構成することで、任意の金種に対する新識別基準の追加設定が随時可能となる。
なお、本発明の硬貨識別方法は、上述した硬貨識別システム100によって実行される方法に該当する。また、本発明の硬貨識別プログラムは、上述した硬貨識別システム100によって実行される方法を実行するプログラム、あるいは、上述した硬貨識別システム100の各機能を実現するプログラムである。これらプログラムの形態は特に限定されず、上述したファームウェアの形態でもよいし、ファームウェア以外の形態でもよい。硬貨識別装置200の制御部210に組み込み可能であれば、任意の形態のプログラムとすることが可能である。
以上、詳細に述べたように、本発明の上記実施形態に係る硬貨識別システム100では、状態判定部110によって通常モード実行部130と学習モード実行部140と教示モード実行部150のいずれか1つを切り替えながら使用できるように構成されており、学習モード実行部140が、
(a)硬貨30に係る第1、第2および第3の固有情報を対応する第1、第2および第3の識別基準情報とそれぞれ比較して、硬貨30の真贋識別と金種識別とを行う真贋・金種識別手段としての、センサ情報取得部141、固有情報抽出部142、真贋識別部143および金種識別部144と、
(b)硬貨30が所定の更新対象金種であるか否かを識別する第1判断と、硬貨30が所定の新識別基準情報の生成に適切であるか否かを識別する第2判断とを通じて、前記新識別基準情報の生成に適切な硬貨(新基準設定用硬貨)を選別する硬貨選別手段としての、更新対象金種識別部144aおよび硬貨適性識別部145と、
(c)前記新基準設定用硬貨に係る前記第1〜第3のセンサ情報の少なくとも1つから、所定の方法によって新固有情報を抽出する新固有情報抽出手段としての、新固有情報抽出部146と、
(d)前記新固有情報抽出手段としての新固有情報抽出部147によって抽出された前記新固有情報を用いて、前記更新対象金種の前記新識別基準情報を設定する新識別基準情報設定手段としての新識別基準情報設定部147と
を備えている。
このため、前記真贋・金種識別手段としてのセンサ情報取得部141、固有情報抽出部142、真贋識別部143および金種識別部144によって、硬貨30に対する通常の真贋識別と金種識別を行うことができるから、硬貨30として、市場に流通している硬貨(市場流通硬貨)を使用することが可能である。つまり、前記更新対象金種の新識別基準情報の追加設定のために、教示専用として用意された教示用硬貨を使用する必要がない。しかし、市場流通硬貨には、教示用硬貨として適切でないもの、つまり、流通時に生じる磨耗や損傷等を受けた結果、そのサイズや物理的性質が新規製造硬貨から大きくずれた硬貨が含まれている。
そこで、前記・金種識別手段としてのセンサ情報取得部141、固有情報抽出部142、真贋識別部143および金種識別部144を用いて、硬貨30に対する真贋識別と金種識別を繰り返しながら、前記硬貨選別手段としての更新対象金種識別部144aおよび硬貨適性識別部145によって、硬貨30が更新対象金種であるか否かの前記第1判断と、硬貨30が新識別基準情報の生成に適切であるか否かの前記第2判断とを行うことを通じて、硬貨30の中から新基準設定用硬貨を選別する。
その後、前記新固有情報抽出手段としての新固有情報抽出部146が、上記のようにして選別された新規準設定用硬貨についての第1〜第3のセンサ情報の少なくとも1つから、所定の方法を用いて新固有情報を抽出する。さらに、新識別基準情報設定手段としての新識別基準情報設定部147が、新固有情報を用いて更新対象金種の新識別基準情報を設定する。
このようにして、市場流通硬貨の真贋識別と金種識別のための通常動作を実行させながら、第1〜第3の識別基準情報に対して、更新対象金種の新識別基準情報を自動的に追加設定することが可能である。
よって、本実施形態に係る硬貨識別システム100によれば、担当者が既設の硬貨識別装置200の設置場所に出向いて同装置200に内蔵されている硬貨識別装置100を交換する作業や、既設の硬貨識別装置200に手動で新識別基準情報を追加設定する作業を省略することができる。また、前記新識別基準情報の追加設定のために、既設の硬貨識別装置100による通常の硬貨識別動作を停止する必要がない。つまり、既設の硬貨識別装置200において市場流通硬貨の真贋識別と金種識別(通常運転)を行ないながら、所望の更新対象金種に対して新識別基準情報を追加設定することが可能である。
さらに、既設の硬貨識別装置100に対して、容易且つ迅速に、所望の金種に対する新識別基準情報を追加することができるようになるので、新識別基準情報の追加設定が必要になる度に、新識別基準情報の追加設定が必要な金種と、第1〜第3のセンサ情報から新固有情報を抽出する方法を指定するだけで、真贋識別精度の向上要請に臨機応変に対処することができる。
さらに、学習モードの一連の動作の実行が完了すると、自動的に通常モードの一連の動作が実行されるので、所望の更新対象金種に対して新識別基準情報の追加設定が完了すると、直ちにより効率的な通常動作を開始することができる。
(変形例)
上述した実施形態は、本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、更新対象金種の硬貨30の第1〜第3の固有情報が規定枚数分、集積するまで待ち、その後に規定枚数分の第1〜第3の固有情報の平均をとって新識別基準情報を生成・保存しているが、本発明はこれには限定されない。例えば、更新対象金種の1枚目(最初)の硬貨30についての第1〜第3の固有情報が取得された段階で、それら固有情報に基づいて仮の新固有情報を生成・保存し、同じ更新対象金種の2枚目の硬貨30についての第1〜第3の固有情報が取得された段階で、その2枚目の硬貨30についての新固有情報を生成・保存すると共に、上記の仮の新識別基準情報との平均をとって、新たな仮の新固有情報を生成・保存する。次に、2枚目と3枚目の硬貨30について、1枚目と2枚目の硬貨30に係る上記処理と同様の処理を行う。以後、これと同じ処理を所定の規定枚数(例えば30枚)に到達するまで繰り返して、最終的な新固有情報を生成・保存し、それを新識別基準情報として追加設定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、新識別基準情報の追加設定が必要な対象金種が、日本円の硬貨30の6金種のうちの500円および100円の2金種であると仮定している。しかし、本発明はこれには限定されず、新識別基準情報の追加設定が必要な対象金種は1金種だけでもよいし、3金種以上としてもよい。さらに、使用する硬貨30は、日本円以外の硬貨であってもよいことは言うまでもない。
さらに、上記実施形態では、第1硬貨センサ20aで硬貨30の材質を、第2硬貨センサ20bで硬貨30の厚みを、第3硬貨センサ20cで硬貨30の直径を、それぞれ検出するようにしているが、本発明はこれには限定されない。これら硬貨センサの総数は必要に応じて、適宜変更することが可能である。例えば、識別対象となる硬貨30の直径範囲が広い場合には、直径センサを複数個(複数対)使用することが必要となるが、これは材質範囲や厚み範囲が広い場合も同様である。また、硬貨30の材質、厚みおよび直径以外の特徴を検出したい場合は、その必要性に応じて第4硬貨センサ、第5硬貨センサ・・・というように、硬貨センサの総数が増加することになる。本発明はこれらのすべての場合を包含しており、硬貨センサの総数に制限はない。
さらに、上記実施形態では、新固有情報として、第1および第2のセンサ情報の交差部の値、つまり、第1および第2のセンサ情報が同一振幅(電圧)となる値(図12の点D)が使用されているが、点D以外の点も新固有情報として設定できることは言うまでもない。特定のセンサ情報について真正硬貨と偽造硬貨の間で波形に何らかの差異が生じるものであれば、その差異がある部分を新固有情報として使用可能であり、その点に制限はない。例えば、図14に正方形の点で示した点Eは、波形信号Wbの振幅(電圧)の極小値から一定値の電圧上昇を検出した時の波形信号Wcの値を示しているが、この点Eも新固有情報として使用可能である。点E以外にも、図14に三角形の点で示したいくつかの点も、新固有情報として使用可能であることは言うまでもない。
本発明の硬貨識別方法、硬貨識別システムおよび硬貨識別プログラムは、通貨としての硬貨だけでなく、トークンおよびメダル等の硬貨相当物に対しても適用可能である。本発明の硬貨識別方法、硬貨識別システムおよび硬貨識別プログラムは、硬貨の真贋識別の精度を改善するために利用できるが、それ以外にも、硬貨の金種識別の精度を改善するためにも利用可能である。
10 硬貨搬送路
20a、20b、20c 硬貨センサ
21a、21b、21c 硬貨センサのコイル
22a、22b、22c 硬貨センサのコア
30 硬貨
100 硬貨識別システム
110 状態判定部
120 動作モード制御部
130 通常モード実行部
131 センサ情報取得部
132 固有情報抽出部
133 真贋識別部
134 金種識別部
140 学習モード実行部
141 センサ情報取得部
142 固有情報抽出部
143 真贋識別部
144 金種識別部
144a 更新対象金種識別部
145 硬貨適性識別部
146 新固有情報抽出部
147 新識別基準情報設定部
148 動作モード切換部
150 教示モード実行部
151 センサ情報取得部
152 固有情報抽出部
153 真贋識別部
154 金種識別部
154a 更新対象金種識別部
155 硬貨適性識別部
156 新固有情報抽出部
157 新識別基準情報設定部
158 教示モード選択画面表示部
159 動作モード切換部
160 システム更新制御部
200 硬貨識別装置
201 タイミングセンサ
202 硬貨センサ部
203 記憶部
203a 記憶部の識別基準情報記憶部
203b 記憶部のセンサ情報記憶部
203c 記憶部の固有情報記憶部
203d 記憶部の更新対象金種情報記憶部
204 状態表示部
205 インターフェース(I/F)
210 制御部
300 硬貨入出金装置
301 硬貨入金部
302 硬貨振分部
303 硬貨保留部
304 硬貨出金部
305、306 インターフェース(I/F)
310 制御部

Claims (21)

  1. 硬貨を検出した複数の硬貨センサが出力する複数のセンサ情報を用いて、前記硬貨の真贋識別と金種識別とを行なう硬貨識別方法であって、
    識別対象となっている硬貨に係る前記複数のセンサ情報から得た複数の固有情報を対応する複数の既存識別基準情報とそれぞれ比較して、当該硬貨の真贋識別と金種識別とを行い、
    識別対象となっている硬貨が更新対象金種であるか否かを識別する第1判断と、当該硬貨が新識別基準情報の生成に適切であるか否かを識別する第2判断とを通じて、前記更新対象金種の新基準設定用硬貨を選別し、
    前記新基準設定用硬貨に係る前記複数のセンサ情報の少なくとも1つから、前記更新対象金種の新固有情報を抽出し、
    前記新固有情報を用いて前記更新対象金種の前記新識別基準情報を設定し、
    前記第2判断では、複数の適性基準情報として、前記更新対象金種に係る前記複数の既存識別基準情報の許容範囲をそれぞれ狭めたものが使用され、
    識別対象となっている硬貨に係る前記複数の固有情報が、対応する前記複数の適性基準情報の許容範囲内にそれぞれ包含されるか否かによって、前記更新対象金種の前記新基準設定用硬貨が選別される
    ことを特徴とする硬貨識別方法。
  2. 前記更新対象金種に係る前記複数の適性基準情報が、前記更新対象金種に係る前記複数の既存識別基準情報の許容範囲の各々に、1より小さい所定比率を乗算することで生成される請求項1に記載の硬貨識別方法。
  3. 前記更新対象金種の前記新識別基準情報が、前記更新対象金種の複数の前記新基準設定用硬貨に係る複数の前記新固有情報の平均をとって生成される請求項1または2に記載の硬貨識別方法。
  4. 前記更新対象金種の前記新識別基準情報の設定が完了すると、その後に識別対象となる硬貨については、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記複数の既存識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、且つ、前記複数の既存識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる請求項1〜3のいずれかに記載の硬貨識別方法。
  5. 識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
    前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
    前記学習モードにおいて前記新識別基準情報の設定が完了すると、前記学習モードから前記通常モードに自動的に遷移し、その後、前記通常モードが自動的に開始され、当該通常モードでは、前記複数の既存識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、前記複数の既存識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる請求項1〜のいずれかに記載の硬貨識別方法。
  6. 識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
    前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
    前記学習モードと前記通常モードの開始前に、所定の情報保存部に前記新識別基準情報が既に保存されているか否かが探索され、保存されていると判断された場合は前記通常モードが開始され、保存されていないと判断した場合は前記学習モードが開始される請求項1〜のいずれかに記載の硬貨識別方法。
  7. 識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が教示モードとして設定され、
    前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
    前記教示モードと前記通常モードの開始前に、所定の状態表示部に教示モード選択画面が表示され、前記教示モード選択画面で前記教示モードの選択が指示された場合は前記教示モードが開始され、前記教示モードが選択されない場合は前記通常モードが開始される請求項1〜4のいずれかに記載の硬貨識別方法。
  8. 硬貨を検出した複数の硬貨センサが出力する複数のセンサ情報を用いて、前記硬貨の真贋識別と金種識別とを行なう硬貨識別システムであって、
    識別対象となっている硬貨に係る前記複数のセンサ情報から得た複数の固有情報を対応する複数の既存識別基準情報とそれぞれ比較して、当該硬貨の真贋識別と金種識別とを行う真贋・金種識別手段と、
    識別対象となっている硬貨が更新対象金種であるか否かを識別する第1判断と、当該硬貨が新識別基準情報の生成に適切であるか否かを識別する第2判断とを通じて、前記更新対象金種の新基準設定用硬貨を選別する硬貨選別手段と、
    前記新基準設定用硬貨に係る前記複数のセンサ情報の少なくとも1つから、前記更新対象金種の新固有情報を抽出する新固有情報抽出手段と、
    前記新固有情報を用いて前記更新対象金種の前記新識別基準情報を設定する新識別基準情報設定手段とを備え、
    前記第2判断では、複数の適性基準情報として、前記更新対象金種に係る前記複数の既存識別基準情報の許容範囲をそれぞれ狭めたものが使用され、
    識別対象となっている硬貨に係る前記複数の固有情報が、対応する前記複数の適性基準情報の許容範囲内にそれぞれ包含されるか否かによって、前記更新対象金種の前記新基準設定用硬貨が選別される
    ことを特徴とする硬貨識別システム。
  9. 前記更新対象金種に係る前記複数の適性基準情報が、前記更新対象金種に係る前記複数の既存識別基準情報の許容範囲の各々に、1より小さい所定比率を乗算することで生成される請求項8に記載の硬貨識別システム。
  10. 前記更新対象金種の前記新識別基準情報が、前記更新対象金種の複数の前記新基準設定用硬貨に係る複数の前記新固有情報の平均をとって生成される請求項8または9に記載の硬貨識別システム。
  11. 前記更新対象金種の前記新識別基準情報の設定が完了すると、その後に識別対象となる硬貨については、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記複数の既存識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、且つ、前記複数の既存識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる請求項8〜10のいずれかに記載の硬貨識別システム。
  12. 識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
    前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
    前記学習モードにおいて前記新識別基準情報の設定が完了すると、前記学習モードから前記通常モードに自動的に遷移し、その後、前記通常モードが自動的に開始され、当該通常モードでは、前記複数の既存識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、前記複数の既存識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる請求項8〜11のいずれかに記載の硬貨識別システム。
  13. 識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
    前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
    前記学習モードと前記通常モードの開始前に、所定の情報保存部に前記新識別基準情報が既に保存されているか否かが探索され、保存されていると判断された場合は前記通常モードが開始され、保存されていないと判断した場合は前記学習モードが開始される請求項8〜11のいずれかに記載の硬貨識別システム。
  14. 識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が教示モードとして設定され、
    前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
    前記教示モードと前記通常モードの開始前に、所定の情報表示部に教示モード選択画面が表示され、前記教示モード選択画面で前記教示モードの選択が指示された場合は前記教示モードが開始され、前記教示モードが選択されない場合は前記通常モードが開始される請求項8〜11のいずれかに記載の硬貨識別システム。
  15. 硬貨を検出した複数の硬貨センサが出力する複数のセンサ情報を用いて、前記硬貨の真贋識別と金種識別とを行なう硬貨識別プログラムであって、
    識別対象となっている硬貨に係る前記複数のセンサ情報から得た複数の固有情報を対応する複数の既存識別基準情報とそれぞれ比較して、当該硬貨の真贋識別と金種識別とを行う機能と、
    識別対象となっている硬貨が更新対象金種であるか否かを識別する第1判断と、当該硬貨が新識別基準情報の生成に適切であるか否かを識別する第2判断とを通じて、前記更新対象金種の新基準設定用硬貨を選別する機能と、
    前記新基準設定用硬貨に係る前記複数のセンサ情報の少なくとも1つから、前記更新対象金種の新固有情報を抽出する機能と、
    前記新固有情報を用いて前記更新対象金種の前記新識別基準情報を設定する機能と
    をコンピュータに実現させ、
    前記第2判断では、複数の適性基準情報として、前記更新対象金種に係る前記複数の既存識別基準情報の許容範囲をそれぞれ狭めたものが使用され、
    識別対象となっている硬貨に係る前記複数の固有情報が、対応する前記複数の適性基準情報の許容範囲内にそれぞれ包含されるか否かによって、前記更新対象金種の前記新基準設定用硬貨が選別される
    ことを特徴とする硬貨識別プログラム。
  16. 前記更新対象金種に係る前記複数の適性基準情報が、前記更新対象金種に係る前記複数の既存識別基準情報の許容範囲の各々に、1より小さい所定比率を乗算することで生成される請求項15に記載の硬貨識別プログラム。
  17. 前記更新対象金種の前記新識別基準情報が、前記更新対象金種の複数の前記新基準設定用硬貨に係る複数の前記新固有情報の平均をとって生成される請求項15または16に記載の硬貨識別プログラム。
  18. 前記更新対象金種の前記新識別基準情報の設定が完了すると、その後に識別対象となる硬貨については、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、前記複数の既存識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、且つ、前記複数の既存識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる請求項15〜17のいずれかに記載の硬貨識別プログラム。
  19. 識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
    前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
    前記学習モードにおいて前記新識別基準情報の設定が完了すると、前記学習モードから前記通常モードに自動的に遷移し、その後、前記通常モードが自動的に開始され、当該通常モードでは、前記複数の既存識別基準情報と前記新識別基準情報とを使用して前記硬貨の真贋識別が行われ、前記複数の既存識別基準情報を使用して前記金種識別が行われる請求項15〜18のいずれかに記載の硬貨識別プログラム。
  20. 識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が学習モードとして設定され、
    前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
    前記学習モードと前記通常モードの開始前に、所定の情報保存部に前記新識別基準情報が既に保存されているか否かが探索され、保存されていると判断された場合は前記通常モードが開始され、保存されていないと判断した場合は前記学習モードが開始される請求項15〜18のいずれかに記載の硬貨識別プログラム。
  21. 識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別を行いながら、前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行う動作形式が教示モードとして設定され、
    前記新基準設定用硬貨の選別と前記新固有情報の抽出と前記新識別基準情報の設定を行うことなく、識別対象となっている硬貨について前記真贋識別と前記金種識別のみを行う動作形式が通常モードとして設定されていて、
    前記教示モードと前記通常モードの開始前に、所定の状態表示部に教示モード選択画面が表示され、前記教示モード選択画面で前記教示モードの選択が指示された場合は前記教示モードが開始され、前記教示モードが選択されない場合は前記通常モードが開始される請求項15〜18のいずれかに記載の硬貨識別プログラム。
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