JP6842080B2 - 強誘電体の分極ドメイン可視化観察方法及びその装置 - Google Patents

強誘電体の分極ドメイン可視化観察方法及びその装置 Download PDF

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本発明は、強誘電体の分極ドメインを可視化観察する方法及びその装置に関し、特に、強誘電体に電場を印加したときの微細な光学的変化から分極ドメインを可視化観察する方法及びその装置に関する。
強誘電体にその分極の向きと逆向きに電場を印加すると、ある閾値以上で、強誘電体内部に電場と同じ向きに分極ドメインが出現する。一方、電場と逆向きのドメインは静電エネルギーを最小化するように徐々に反転していって、最終的には強誘電体全体で分極が反転する。この分極反転現象において、物質内の不純物や格子欠陥などの影響によって反転しないドメインが残存してしまう場合がある。かかる場合、電場−分極特性におけるヒステリシスループが得られず、メモリ素子としての記憶特性に大きな影響が生じる。そこで、強誘電体の動作確認や劣化過程の解析などにおいて分極ドメインを直接、観察できる方法が求められる。
ここまで、分極ドメインを可視化観察する方法としては、走査型電子顕微鏡(SEM)、圧電応答顕微鏡(PFM)、第二次高調波発生(SHG)顕微鏡、又はテラヘルツ放射顕微鏡などの顕微鏡を用いた観察方法が提案されている。また、顕微電場変調分光法なども提案されている。このうち、顕微電場変調分光法は、強誘電体に電場を印加することで生じる光透過率・反射率のわずかな変化から分極ドメインを可視化しようとするものである。
例えば、特許文献1では、電場の印加によって、電場の向きと同方向及び反対方向の各分極ドメインの光学吸収ピークの位置が光波長に対して反対方向にシフトすることを利用して、分極ドメインの可視化を顕微鏡下で行って分極マッピングする方法を開示している。ここでは、印加できる電場の大きさから反射率の変化は10-6〜10-3程度しか得られず、このような微小な変化を直接的に観察するのは困難なことを述べている。そこで、交流電場を印加し、これに同期した信号を検出するロック−イン検出法によって反射率の微小な変化に対する観察精度を上げるとしている。
特開2004−85399号公報
上記したように、検査工程などの現場でも用い得る簡易且つ高速な強誘電体の分極ドメインの観察方法、例えば、真空環境を準備せずとも簡易に観察できる方法が求められる。そこで、光学顕微鏡を用いた顕微電場変調分光法などが考慮されるが、強誘電体の分極ドメインのわずかな光学変化を可視化できたとしても、その分極反転の状態を判別できる程度に高分解能で観察することは容易ではない。
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡易な観察方法でありながら、高速且つ高い分解能をもって観察できる強誘電体の分極ドメインの可視化観察方法及びその装置の提供を目的とする。
本発明による強誘電体の分極ドメインを可視化観察する方法は、強誘電体薄膜に前記分極ドメインを反転させない大きさの正負の電場を周期Tで交互に形成させるとともに、これと同期させて前記強誘電体薄膜に照射した単色光の透過光又は反射光を二次元光検出器によって撮像し、正電場及び負電場のそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージを得る可視化観察方法において、前記差イメージの複数からの積算イメージを得てコントラストを与えるとともに、前記周期Tを短時間側にシフトさせて前記差イメージのノイズ除去を図ることを特徴とする。
かかる発明によれば、真空環境を準備せずとも簡易に観察でき、しかも、強誘電体の分極ドメインの分極反転の状態を判別できる程度に高分解能且つ高速に観察することができる。
上記した発明において、前記電場の方向を前記強誘電体薄膜の面内で可変とすることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、分極ドメインの向きと電場方向とを垂直とならないようにオフセットさせ得るので常に観察を与えることができるのである。
上記した発明において、前記単色光の波長は、200〜2000nmの範囲内にあることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、幅広い強誘電体材料について可視化観察が可能になるのである。
上記した発明において、前記周期Tは、10Hz〜1000Hzの周波数に対応することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、通常、10-4オーダーの光学的変化を短時間で可視化できるのである。
更に、本発明による強誘電体の分極ドメインを可視化観察する装置は、前記強誘電体薄膜に単色光を照射する光源と、強誘電体薄膜に正負の電場を周期Tで交互に形成させるファンクションジェネレータと、前記単色光の透過光又は反射光を集光し二次元光検出器上に結像させる光学系と、前記二次元光検出器の画像信号を処理する画像処理手段と、を含み、前記画像処理手段は、周期Tに同期させて正電場及び負電場のそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージを得るとともに、前記差イメージの複数からの積算イメージを得てコントラストを与えるとともに、前記ファンクションジェネレータは、前記周期Tを短時間側にシフトさせて前記差イメージのノイズ除去を図ることを特徴とする。
かかる発明によれば、真空環境を準備せずとも簡易に観察でき、しかも、強誘電体の分極ドメインの分極反転の状態を判別できる程度に高分解能且つ高速に観察することができる。
上記した発明において、前記強誘電体薄膜に複数対の電極を与えて前記電場の方向を前記強誘電体薄膜の面内で可変とすることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、分極ドメインの向きと電場方向とを垂直とならないようにオフセットさせ得るので常に観察を与えることができるのである。
上記した発明において、前記単色光の波長は、200〜2000nmの範囲内にあることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、幅広い強誘電体材料について可視化観察が可能になるのである。
上記した発明において、前記周期Tは、10Hz〜1000Hzの周波数に対応することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、通常、10-4オーダーの光学的変化を短時間で可視化できるのである。
本発明による観察装置を示す図である。 本発明の原理を説明する図である。 図2の部分拡大図である。 電極位置に対する分極反転を説明する図である。 実施例で用いた強誘電体の構造式である。 本発明の観察方法の一例を示す図である。 撮像タイミングを示すタイムチャートである。 分極ドメインの可視化例である。 電場による光透過率の変化率と光波長との関係を示すグラフである。 分極ドメインの時間変化の可視化例である。
まず、本発明の1つの実施例による強誘電体の分極ドメイン観察装置について述べる。
図1に示すように、分極ドメイン観察装置1は、基板11上に与えられた強誘電体からなる薄膜試料10に光源20から単色光を導き照射するとともに、ファンクションジェネレータ30によって薄膜試料10の一対の電極12間に正負の電場を所定周期Tで交互に形成させる装置である。ファンクションジェネレータ30によって生成された電圧変動、例えば、周期Tの矩形パルス電圧は昇圧アンプ32からプローバー34を経て電極12に与えられる。
ここでは、光源20からの光を光路切り換え器23によって光ファイバ24a又は24bのいずれかへと導くようになっており、透過モードでは、レンズ26aによって薄膜試料10に光が照射され、反射モードでは、レンズ26bによって薄膜試料10に光が照射される。
透過モード及び反射モードのいずれであっても、薄膜試料10からの光が対物レンズ27を経て二次元光検出器28に導かれ結像される。二次元光検出器28で電気信号に変換された画像信号は、画像処理装置40で画像処理されて表示器42に表示される。
ここで、画像処理装置40での画像処理は、周期Tに同期させて正電場及び負電場のそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージを得るとともに、この差イメージの複数からの積算イメージを得て高いコントラストを得るものである。なお、これについては後述する。
光源20は、ハロゲンランプ、重水素ランプ、キセノンランプなどを用い得て、かかるランプ光を分光器又はバンドパスフィルタ22を通して単色化した紫外−近赤外域の光を薄膜試料10に照射する。また、紫外−近赤外域の波長域の単色光を直接取り出すことの出来るLEDも適宜、用い得る。
二次元光検出器28は、300−1000nmに感度を有するCMOSカメラやCCDカメラ、1000nm以上の近赤外域に感度を有するInGaAsカメラやHgCdTeカメラを使用し得る。300nm以下の紫外域については、CCDやCMOSカメラにイメージインテンシファイアを装着することで感度をもたせてもよい。
かかるイメージングデバイスは、後述するように、対物レンズ27の視野で決まる面積範囲の情報を二次元光検出器28で一括して取得することができるため、スポット状に集光した光を走査する測定方法に比べて高速且つ広範囲に分極ドメインを観察することができる。また、対物レンズ27の視野については、例えば、10cm四方の大面積の薄膜試料10に適用させることもできるのである。さらに、二次元光検出器28に結像する空間分解能は、二次元光検出器28の画素密度と対物レンズ27の開口数と光源20からの光の波長に依存しており、高開口数の対物レンズ27と高画素密度の二次元光検出器28を用いることで、光の回折限界に相当する高い空間分解能、例えば、従来技術(特許文献1)では、10μm程度の空間分解能が限界とされていたが、これを数100nm程度にまであげることができるのである。
次に、本発明の原理について、図2及び3を用いて説明する。
図2(a)に示すように、強誘電体薄膜試料10の光透過率や反射率の信号強度は電場に依存してわずかに変化する。例えば、正電場を形成したときの信号強度をA、一方で、負電場に切り換えたときの信号強度をBとする。この変化dは電場の大きさにも依存するが、分極ドメインを反転させない程度の大きさの電場の切り換えでは、通常、10-4オーダーと非常に小さく、この検出には非常に高い感度の計測手法を要求される。つまり、強誘電体薄膜試料10に正電場を形成させたときと、負電場を形成させたときの差イメージdには、光源20の強度や二次元光検出器28の感度の時間的な揺らぎが含まれており、これらは10-4オーダーの透過率や反射率の変化よりも大きくなってしまう(例えば、図2(a)のD参照、D>>d)。このため、正電場を形成した状態と負電場を形成した状態で光強度をそれぞれ積算したとしても(図2(a)のA及びB)、これらのイメージの差分dでは、時間的な揺らぎDに打ち消されて検出することはできなかった。
一方、図2(b)に示すように、上記したような時間的な揺らぎDよりも早い時間スケールで正電場と負電場のスイッチ(変調)を繰り返し、各周期での正電場及び負電場の印加状態(図2(b)のF1及びF2)でのイメージを撮像してそれぞれの差分d1、2、d3......dnを求め、差分イメージを積算d1+d2+d3+.....+dnすることで、揺らぎの影響を取り除くのである。
つまり、上記した装置1における強誘電体薄膜10の分極ドメインを可視化観察する方法は、強誘電体薄膜10に分極ドメインを反転させない大きさの正負の電場を周期Tで交互に形成させるとともに、これと同期させて強誘電体薄膜10に照射した単色光の透過光又は反射光を二次元光検出器28によって撮像し、正電場及び負電場のそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージを得る可視化観察方法である。そして、一対の正負の電場の差イメージを複数積算し積算イメージを得てコントラストを与えるのである。
このとき、周期Tを短時間側にシフトさせることで差イメージのノイズ除去を図ることが可能となる。この電場の変調は、ファンクションジェネレータ30によって行い、その変調周波数は、T=15Hz−1kHzであることが好ましい。高周波数の方が、低周波数の揺らぎを受けにくく、短時間で積算回数を稼げるため、高感度な検出に有利である。このためには、高周波数での撮像が可能な高フレームレート(30〜2000fps)の二次元光検出器28を用いることが好ましい。なお、二次元光検出器28は、ノイズレベルが可能な限り低く、ダイナミックレンジが広く、感度を有する波長域がより広いことが好ましい。これと合わせ、高速の画像処理装置40を用いることで、二次元光検出器28での撮像と並行して、上記した正電場及び負電場のイメージの差分を求め、その積算処理を行うことができるようになる。つまり、撮像を終えてから差分イメージの積算処理を行う場合に比べて、大幅に短い時間で測定を完了することが可能となるのである。
なお、一対の電極12によって与えられる電場の方向が強誘電体薄膜10の面内で可変とすることで、分極ドメインの向きと電場方向とを垂直とならないようにオフセットさせて常に観察できるようにすることが好ましい。例えば、後述する一対の電極12を複数対方向設けて観察を行うことが考慮できる。
ところで、図4に示すように、強誘電体薄膜試料10では、一対の電極12を薄膜の主面に対して、同一面に与える(横型、図4(a)参照)、又は、両面に与える(縦型、図4(b)参照)ことが可能である。前者では、主面と平行な方向に分極をもつドメインを、縦型の配置では、基板と垂直な方向に分極をもつドメインを可視化可能である。
ここで、図4(b)に示すような縦型の配置において、透過光によるイメージングを行う場合、上下一対の電極12にITOなどの光源20からの光に対して透明な電極か、光を透過させる程度に薄い金属薄膜を用いる。一方、反射光によるイメージングを行う場合、光を入射する側のみ上記したような電極を与えることとなる。いずれにしても、透過光によるイメージングを行う場合には、強誘電体薄膜試料10の厚さを光が透過できる程度に薄くしなければならない。
上記した分極ドメイン観察装置1及び観察方法によれば、真空環境を準備せずとも簡易に観察でき、しかも、強誘電体の分極ドメインの分極反転の状態を判別できる程度に高分解能且つ高速に観察することができるのである。
次に、図5に示すような、[H−dppz][Hca](2,3−ジ(2−ピリジニル)ピラジン(dppz)とクロラニル酸(H2ca)からなるプロトン移動塩からなる強誘電体薄膜(この詳細については、例えば、S. Horiuchi et al., J. Am. Chem. Soc. 135, 4492 (2013)を参照できる。)について、上記した装置で分極ドメイン観察を行った観察例について説明する。
まず、図6に示すように、ストライプ状に複数の平行な電極101を蒸着したガラス基板100を用意し、この上に有機強誘電体を溶媒に溶かした溶液104をピペット103の先端から滴下した(図6(a)参照)。ここでは、溶媒にはアセトンを用い、その濃度は0.2wt%、基板への滴下量は30μLとした。
この上から撥水処理を施したガラス基板105を被せることで、溶液104をガラス基板100の上に薄く濡れ広がった状態とする(図6(b)参照)。この状態で室温にて静置し、溶媒が蒸発するのを数時間から数日間放置し、ガラス板105を除去する(図6(c)参照)。これにより、基板100上の電極101間に跨がった状態の薄片状の強誘電体単結晶薄膜104aを成長させ得る。
観察方法は以下の如きである。なお、ここでは図1を参照して説明する。
単結晶薄膜10(図6の104aに対応)を与えられた基板100を装置1の光学レンズ26aに対向させて配置し、電極12(図6の電極101に対応)にプローバー34を当てて電気的接触を与える。光学レンズ26aを調節して単結晶薄膜11にピントを合わせ、波長530nmの光を照射する。電極12間に、ファンクションジェネレータ30及び昇圧アンプ32を用いて、45Hzの繰返し周期で+15Vと−15Vの電圧を交互に印加する。
一方、この2倍の繰返し周期(90Hz)のトリガを二次元光検出器(CMOSカメラ)28に入力し、+15Vの電圧を印加した正状態と−15Vの電圧を印加した負状態のそれぞれについて撮像を行う。
図7には、印加電圧のタイムチャートと、撮像トリガのタイムチャートを示した。22ms毎に繰り返される矩形状の正負のパルスにおいて、同じタイミングで11ms毎に撮像するのである。
撮像と並行して、画像処理装置40において、各周期で撮像された正負状態のイメージの差分及び積算処理を行う。その結果を以下に示す。
まず、図8(a)に示すように、3分程度の測定時間で、白黒の境界線を明確に表したイメージを得ることができた。また、図8(b)に示すように、公知のPFMによる観察(例えば、S. V. Kalinin et al., Jpn. J. Appl. Phys. 46, 5674 (2007)に参照される。)でも同様のイメージを得られた。つまり、図8(a)に示す灰色と白色部分が分極の向きを180度反転させたドメインに相当するのである。
また、図8(a)において、上向きの分極をもつドメイン(灰色部、上向き矢印参照)と下向きの分極をもつドメイン(白色部、下向き矢印参照)のそれぞれについて、電場による光透過率の変化率(ΔT/T)を光の波長を変えて測定した。
図9に示すように、照射波長530nmにおいて、上向きのドメインは負の変化率(勾配p1を参照)を示すのに対し、下向きのドメインは正の変化率(勾配p2を参照)を示しており、差イメージの分極ドメインのコントラストは、この変化率の差によるものである。
次に、強誘電体([H−dppz][Hca])に分極ドメインを反転させる閾値以上の電圧(100V)を与えて、上記同様にして時間経過に沿って撮像を行った。
図10に示すように、時間経過にともない、徐々に分極ドメインが反転して変化する様子を観察できた。更に、反転しきらず残ったドメイン(r部参照、なお、上下の黒色部は電極を示す部分である。)を可視化できた。かかるドメインの可視化は、強誘電体材料の性能劣化の要因を明らかにするなどの目的において非常に有用であると考えられる。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1 分極ドメイン観察装置
10 強誘電体薄膜試料
12 電極
20 光源
22 フィルタ
23 光路切り換え器
24 光ファイバ
26 レンズ
28 二次元光検出器
30 ファンクションジェネレータ
32 昇圧アンプ
40 画像処理装置
42 表示器

Claims (6)

  1. 強誘電体の分極ドメインを可視化観察する方法であって、
    強誘電体薄膜に前記分極ドメインを反転させない大きさの15Hzから1kHzの間の周期Tの矩形状の正負のパルス電圧を与えて正負の電場を周期Tで交互に形成させるとともに、これと同期させて前記強誘電体薄膜に照射した単色光の透過光又は反射光を二次元光検出器によって撮像し、正電場及び負電場のそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージの複数からの積算イメージを得てコントラストを与えることを特徴とする強誘電体の分極ドメイン可視化観察方法。
  2. 前記電場の方向を前記強誘電体薄膜の面内で可変とし、分極ドメインの向きと電場方向とを垂直とならないようにオフセットさせることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の強誘電体の分極ドメイン可視化観察方法。
  3. 前記単色光の波長は、200〜2000nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の分極ドメイン可視化観察方法。
  4. 強誘電体の分極ドメインを可視化観察する装置であって
    誘電体薄膜に単色光を照射する光源と、
    前記強誘電体薄膜に前記分極ドメインを反転させない大きさの15Hzから1kHzの間の周期Tの矩形状の正負のパルス電圧を与えて正負の電場を周期Tで交互に形成させるファンクションジェネレータと、
    前記単色光の透過光又は反射光を集光し二次元光検出器上に結像させる光学系と、
    前記二次元光検出器の画像信号を処理する画像処理手段と、を含み、
    前記画像処理手段は、周期Tに同期させて正電場及び負電場のそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージの複数からの積算イメージを得てコントラストを与えることを特徴とする強誘電体の分極ドメイン可視化観察装置。
  5. 前記強誘電体薄膜に複数対の電極を与えて前記電場の方向を前記強誘電体薄膜の面内で可変とし、分極ドメインの向きと電場方向とを垂直とならないようにオフセットさせることを特徴とする請求項4記載の強誘電体の分極ドメイン可視化観察装置。
  6. 前記単色光の波長は、200〜2000nmの範囲内にあることを特徴とする請求項4又は5に記載の分極ドメイン可視化観察装置。
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