JP6841824B2 - 自己注射器 - Google Patents

Description

本発明は自己注射器に関する。

自己注射器は公知技術であり、注射器内の液体を患者の体内へ自動的に注入することを主な目的とする。患者の体に針を刺して注射器内の液体を自動的に注入するシステムは多種多様にある。中でも自己注射器は、信頼性を保つ目的で一定数の制約条件を満たさなければならない、比較的複雑な装置である。頑健さ、扱いやすさ、および使いやすさも、この装置の目的の重要な要素である。さらに、自己注射器のほとんどが使い捨てであることから、製造、組立のコストも考慮されるべき要素である。

多数の自己注射器が市販されているが、これらの自己注射器にはある数の欠点が見受けられる。

その結果、既存の自己注射器には細長い円筒形状のものが多い。これにより、自己注射器には次の問題が生じかねない。自己注射器が傾斜面に平行に置かれるとその自己注射器には、自己の軸のまわりに回転して移動する危険性があり、たとえば床に落下した場合、装置が紛失し、または破損する危険性がある。図１〜図４はこの欠点を示す。図１および図２では次のことに注目すべきである。取り外し可能なキャップ２０が自己注射器の定位置に取り付けられている間、自己注射器は、キャップ２０（図２（ａ））と本体の先端部（図２（ｃ））との２点が傾斜面に接触している一方、本体の中間部が傾斜面から持ち上げられている（図２（ｂ））。これら２つの接触点で輪郭が円形である結果、自己注射器は傾斜面の上で転がる。図３および図４は、キャップ２０が自己注射器から取り外されている状態を示す。キャップがないので、自己注射器は本体の中間部だけが傾斜面に接触している（図４（ａ））一方、本体の基端部（図４（ｂ））および先端部（図４（ｃ））が傾斜面から持ち上げられている。中間部の輪郭も円形であるので、自己注射器はやはり傾斜面の上を転がる。こうして、キャップの有無にかかわらず、図１〜図４が示す自己注射器は、傾斜面の上では静止状態を保たない。

このような長尺形状であることにはもう一つの欠点がある。注意を怠り、または視力を損ねたユーザーが自己注射器の使用方向を誤る危険性があり、針の穿刺による負傷のおそれ、および薬液の減少のおそれがある。したがって、図３の自己注射器には、誤った方向に使用されると針でユーザーを負傷させるおそれがある。

特許文献１〜１０は、従来の自己注射器を開示している。

国際公開第２０１５／００１２８０号 国際公開第２０１６／０５０９０２号 国際公開第２０１３／１５５４３５号 国際公開第２０１１／０６７６１５号 欧州特許第２７１６３１８号明細書 米国特許出願公開第２０１３／０７９７１８号明細書 国際公開第２０１５／０３６３４６号 仏国特許出願公開第３０１９７４８号明細書 国際公開第２０１３／１７５１４８号 国際公開第２０１５／１５５４８４号

本発明の目的は、上述の欠点がない自己注射器を提供することである。

本発明の別の目的は、使用上の信頼性が高く、安全であって、負傷の危険性を防ぎ、ならびに製造、組立、および使用が容易で安価な自己注射器を提供することである。

よって本発明は、薬剤が予め充填された自己注射器であって、薬液が入っており、ピストンと針とを含む容器を収容するのに適した、一般的には円筒形状で近似される本体を備える自己注射器を提供する。本体は、先端部と、中間部と、基端部と、自己注射器が使用される前まで基端部に固定されている取り外し可能なキャップとを含む。

中間部は、一般的には円筒形状で近似され、外面に少なくとも１つの径方向への突出部からなる第１回転防止手段を含む。突出部は、中間部の外面に非円筒形状の中間領域を少なくとも１つ形成している。

取り外し可能なキャップは、一般的には円筒形状で近似され、外面に少なくとも１つの非円筒形状の基端領域からなる第２回転防止手段を含む、および／または、本体の先端部は、一般的には円筒形状で近似され、外面に少なくとも１つの非円筒形状の先端領域からなる第３回転防止手段を含む。

好ましくは、本体の中間部は、容器の内容物を見せることが可能な中間窓を少なくとも１つ有し、第１回転防止手段は、径方向へ突出した中間窓の少なくとも１つの縁からなる。

好ましくは、中間窓の径方向へ突出した縁が中間窓の全体を囲む。

好ましくは、中間窓の径方向へ突出した縁が中間窓の一部のみを囲む。

好ましくは、中間窓は、本体の中間部において直径の両側で対向するように２つ設けられており、それぞれが第１回転防止手段を有する。

好ましくは、取り外し可能なキャップは、円形状の外周部分を含み、第２回転防止手段は、円形状の外周部分に形成された少なくとも１つの平坦部からなる。

好ましくは、平坦部は、円形状の外周部分において直径の両側で対向するように２つ設けられている。

好ましくは、本体の先端部は、注射の終了を視覚的に表示可能な先端窓を少なくとも１つ有し、第３回転防止手段は、径方向へ突出した先端窓の少なくとも１つの縁からなる。

好ましくは、先端窓の径方向へ突出した縁が先端窓の全体を囲む。

好ましくは、先端窓の径方向へ突出した縁が先端窓の一部のみを囲む。

好ましくは、先端窓は、本体の先端部において直径の両側で対向するように２つ設けられており、それぞれが第３回転防止手段を有する。

好ましくは、自己注射器は、突出位置と作動位置との間で本体に対して移動可能な作動スリーブをさらに備え、突出位置では、作動スリーブの少なくとも一部が本体から外へ突出し、作動位置では、作動スリーブが本体の中へ軸方向に移動しており、突出位置は、自己注射器が作動する前の第１突出位置と、作動した後の第２突出位置とを含み、作動スリーブは、突出位置へ向かう力をばねから受ける。

好ましくは、作動スリーブは、注射領域に接触する接触端を有する。

以下に示す詳細な説明および添付図面は、非限定的な例に基づいて本発明の特徴や利点を明確にするものである。
保護キャップが取り外される前の従来の自己注射器の側面図である。 （ａ）、（ｂ）、および（ｃ）はそれぞれ、傾斜面に置かれた自己注射器の、図１の直線Ａ−Ａ、Ｂ−Ｂ、およびＣ−Ｃに沿った断面図である。 図１の自己注射器の、保護キャップが取り外された後の側面図である。 （ａ）、（ｂ）、および（ｃ）はそれぞれ、傾斜面に置かれた自己注射器の、図３の直線Ｂ−Ｂ、Ｃ−Ｃ、およびＤ−Ｄに沿った断面図である。 本発明の実施形態を構成する自己注射器の、保護キャップが取り外される前の側面図である。 （ａ）、（ｂ）、（ｃ）、および（ｄ）はそれぞれ、傾斜面に置かれた自己注射器の、図５の直線Ａ−Ａ、Ｂ−Ｂ、Ｃ−Ｃ、およびＤ−Ｄに沿った断面図である。 図５の自己注射器の、保護キャップが取り外された後の側面図である。 （ａ）、（ｂ）、および（ｃ）はそれぞれ、傾斜面に置かれた自己注射器の、図７の直線Ｂ−Ｂ、Ｃ−Ｃ、およびＤ−Ｄに沿った自己注射器の断面図である。 （ａ）は、ある変形例における取り外し可能なキャップの斜視図であり、（ｂ）は、（ａ）が示すキャップが取り付けられた自己注射器の、図６の（ａ）と同様な図である。 （ａ）〜（ｄ）は４つの変形例の側面図である。 （ａ）〜（ｄ）は他の４つの変形例の側面図である。 （ａ）〜（ｄ）はさらに他の４つの変形例の側面図である。

以下の説明では、用語「先端」および「基端」は、自己注射器の針に対する位置を表す。用語「軸方向」および「径方向」は、自己注射器の長手方向に伸びる中心軸に対する方向を表す。用語「上部」および「下部」は、図１１（ａ）〜１１（ｄ）における向き付けを表す。

以下、本発明に係る自己注射器を望ましい実施形態に基づいて説明する。自己注射器は、複雑な装置であって、機能実現のためのモジュールを複数備える。これらモジュールは、必ずしも組み合わせて用いる必要はなく、それぞれ別個に独立して用いることもできる。また、図示した形状とは異なる形状の自己注射器に用いることもできる。さらに、各図面は模式図であり、自己注射器の構成要素の形状を正確に表しているとは限らない。また、明瞭性の観点から、各図面の縮尺は実際とは異なる場合がある。加えて、各図面は自己注射器の全ての構成要素を示すものではなく、本発明の動作に必要な構成要素のみを示す。よって、明瞭性の観点から、自己注射器のうち本発明に影響を及ぼさない内部構成については図示しておらず、以下に簡単に触れるだけに留める。また、図示した自己注射器に各種の追加的な、および／または補足的な構成要素やモジュールを組み合わせてもよい。

図面に示されている自己注射器は本体１を含む。本体１は一般的には円筒形状で近似され、その中では軸方向に作動スリーブ１０が摺動する。作動スリーブ１０は下端１０１を含む。下端１０１は、注射領域の周辺で患者の体に接触する。好ましくは、自己注射器は、下側本体、中間本体、および上側本体を含む。これらは一体に組み合わされて自己注射器の本体１を形成する。以下では、用語「本体」および参照番号「１」は、下側本体を中間本体および上側本体と組み合わせて一体化したものを表すのに使用する。なお、本体１は任意の数、例えば２つの部分から構成されてもよい。

本体１は、注射針の基端に基端部を有する。基端部には、取り外し可能なキャップ２０が組み合わされている。キャップ２０は、ユーザーが自己注射器を作動させる前に取り外さねばならない。本体１はさらに、先端部および中間部を有する。先端部は注射針から軸方向に離れており、望ましくは先端窓１１を少なくとも１つ有する。中間部は望ましくは中間窓１２を少なくとも１つ有する。本体１の基端部、中間部、および先端部はいずれも一般的には円筒形状で近似される。同様に、キャップ２０も円筒形状で近似される。こうして自己注射器は、キャップが取り付けられていてもいなくても、円筒形で近似される細長い形状であり、本発明がなければ、傾斜面に置かれると転がりやすい。

自己注射器には、容器（図示せず）が挿入可能である。容器には薬液が入れられ、ピストンＰおよび注射針が取り付けられている。ピストンＰは、容器内を移動することにより針を通して薬液が注射されるように構成されている。本明細書で言及される注射器はいかなる種類であってもよい。より一般には、本明細書における「注射器」という用語は、針が取り付けられた、あらゆる種類の容器を網羅する。好ましくは、容器は薬剤充填済み注射器である。この容器は、図１、図３、図１０、および図１２に示されているように、中間窓１２を通して見える。好ましくは、中間窓１２は本体１の中間部において、直径の両側で対向するように２つ設けられている。中間窓１２が少なくとも１つ設けられることにより、使用前における容器内の薬液の容量が１００％であることを確かめることができる。また、注射の終了時にはピストンを確認することもできる。自己注射器の使用前にもピストンが見えてもよい。

自己注射器は自動注射システム、特にピストンロッド（図示せず）を含む。ピストンロッドは、ピストンＰを容器内で移動させて、針を通して薬液が投与されるようにピストンＰと協働するように構成されている。従来、ピストンロッドは、注入用ばね（図示せず）から投与位置へ向かって力を受ける。作動するまでは、ピストンロッドは適切な注入阻止手段によって静止位置に保持されている。望ましい注入阻止の例は特許文献９、１０に開示されている。

自己注射器はまた、視覚的、聴覚的、および／または触覚的な指示器を含んでいてもよい。この装置は、ユーザーに対して自己注射器を注射部位から外してもよい旨を、特に、可聴音、振動、ならびに／または、視覚的および／もしくは触覚的な刺激によって通知する。指示器は特に指示素子を少なくとも１つ備えていてもよい。指示素子は、本体１の先端窓１１内の適切な表示による視覚的刺激に加えて、聴覚的、および／または触覚的な刺激をも与える。好ましくは、先端窓１１は、本体１の先端部において、直径の両側で対向するように２つ設けられている。

作動スリーブ１０は、その突出位置へ向かう力をばね（図示せず）から受ける。このばねの種類は問わない。ばねは、作動スリーブ１０に加え、本体１に固定されたある部材とも協働する。図７に示されているように、作動スリーブ１０は、作動される前は第１突出位置にあって注射針を覆っている。作動中、作動スリーブ１０は、本体１の内部を作動位置へ向かって摺動する。作動位置では作動スリーブ１０が注射針を露出させて、穿刺およびその後の薬液の注射を可能にさせる。注射後にユーザーが注射部位から自己注射器を外した場合、作動スリーブ１０は使用後の第２突出位置へ戻る。この位置では作動スリーブ１０が再び注射針のまわりに配置されるので、注射針による負傷の危険性が回避される。なお、作動スリーブ１０の第１突出位置と第２突出位置とは、異なる位置であっても、同一の位置であってもよい。

好ましくは、自己注射器が使用されるまで、注射針は保護具で守られる。保護具は一般的にはエラストマーからなり、内部に注射針の先端が突き刺さるようになっている。この構成では好ましくは、キャップ２０が取り外されることで保護具が注射針から取り外される。

ユーザーは、自己注射器を使用する場合、自己注射器を本体１の所等でつかみ、注射すべき体の部位に作動スリーブ１０を押し当てる。ユーザーが作動スリーブ１０に加えた押圧力は作動スリーブ１０に、本体１の内部で摺動させて注射針を露出させる。こうして、ユーザーが自己注射器に加えた押圧力の結果、注射針がユーザーに突き刺さる。

作動スリーブ１０が作動位置（本体１の内部における終点）に到達することをきっかけにして、注射段階が開始する。注射段階の間、ピストンロッドは注射器の内部を摺動し、注入用ばねの作用でピストンＰを押す。こうして薬液が投与される。

注射の終了時、場合によっては所定時間が経過した後に指示器が作動し、自己注射器を注射部位から外してもよい旨をユーザーに通知する。これに応じて、作動スリーブ１０は再びばねの作用で本体１から第２突出位置へ向かって移動させられる。このとき、作動スリーブ１０はロックされているので、自己注射器の使用後におけるユーザーの安全が確実に保証され、注射針による負傷のいかなる危険も回避される。

好ましくは、自己注射器は回転防止手段を少なくとも２つ、望ましくは３つ含む。回転防止手段は、傾斜面上での自己注射器の回転を、キャップ２０の有無にかかわらず防ぐ部材である。

一般的には円筒形状で近似される本体１の中間部は第１回転防止手段１２５を含む。この手段は、本体１の中間部の外面に非円筒形状の中間領域を少なくとも１つ設けている。図７および図８に示すように、第１回転防止手段１２５は、キャップ２０が取り外された後において自己注射器の回転を防ぐ。図７では次の点を見るべきである。キャップ２０がない状態では、本体１の基端部および先端部はいずれも支持面には接触していない。これは特に図８（ｂ）および図８（ｃ）に示されている。したがって、本体１のうち支持面に接触するのは中間部のみであり、支持面が傾斜している場合、図８（ａ）が示すように、第１回転防止手段１２５が自己注射器の回転を防止する。図８（ａ）では、左側部分の詳細が右側部分に拡大されている。

好ましくは、第１回転防止手段１２５は、少なくとも１つの突出部によって形成されている。この突出部は、本体１の中間部の略円筒形状である外面から径方向において外側へ突出している。

好ましくは、第１回転防止手段１２５は、少なくとも１つの中間窓１２の、径方向において外側に突出した少なくとも１つの縁によって形成されている。図１０（ａ）〜図１０（ｄ）は４種類の実施形態を示す。図１０（ａ）では、径方向に突出した縁は中間窓１２を完全に囲んでいる。図１０（ｂ）では、径方向に突出した縁は中間窓１２の先端部のみを囲んでいる。図１０（ｃ）では、中間窓１２は中間部にのみ、径方向に突出した縁を含み、図１０（ｄ）では、基端部にのみ含む。当然ではあるが、その他の変形も可能である。好ましくは、２つの中間窓１２は、直径の両側に対向するように設けられ、それぞれが第１回転防止手段１２５を有する。

図８（ａ）から理解できるように、径方向へ突出した縁は、径方向において肩形を成しているので、自己注射器の回転を妨げる。

図５および図６（ｂ）から理解できるように、キャップ２０が嵌まった状態では本体１の中間部、特に中間窓１２は支持面に接触しない。よって、この状態では第１回転防止手段１２５は効果を発揮しない。それ故、キャップ２０が自己注射器に取り付けられた状態で効果を発揮する他の回転防止手段を、自己注射器は備えなければならない。

第１変形例では、キャップ２０は第２回転防止手段２１を含む。この手段は、一般に円筒形状で近似されるキャップ２０の外面に、非円筒形状の基端領域を少なくとも１つ形成している。好ましくは、キャップ２０は径方向における外側の輪郭が円形状であり、この中に形成された少なくとも１つの平坦部によって第２回転防止手段２１は構成されている。この構成を図９（ａ）および図９（ｂ）に示す。好ましくは、平坦部はキャップ２０に、その直径の両側で対向するように２つ設けられている。当然ではあるが、その他の変形例も可能である。例えば、平坦部に代えて径方向の突出部であってもよい。

第２変形例では、本体１の一般的には略円筒形状である先端部は第３回転防止手段１１５を含む。この手段は、本体１の先端部の外面に非円筒形状の先端領域を少なくとも１つ形成している。

好ましくは、第３回転防止手段１１５は、本体１の先端部の略円筒形状である外面から径方向において外側へ突出した少なくとも１つの突出部によって形成されている。

好ましくは、第３回転防止手段１１５は、少なくとも１つの先端窓１１の径方向へ突出した少なくとも１つの縁によって形成されている。図１１（ａ）〜図１１（ｄ）は４種類の実施形態を示す。図１１（ａ）では、径方向へ突出した縁は先端窓１１を完全に囲んでいる。図１１（ｂ）では、径方向へ突出した縁は先端窓１１の両横の辺にのみ形成されている。図１１（ｃ）では、先端窓１１の上辺および下辺がそれぞれ、径方向へ突出した縁を有する。最後に図１１（ｄ）では、径方向へ突出した縁は先端窓１１の上辺にのみ形成されている。当然ではあるが、その他の変形例も可能である。好ましくは、先端窓１１は直径の両側に対向するように２つ設けられ、それぞれが第３回転防止手段１１５を有する。

図６（ｄ）から理解できるように、径方向へ突出した縁は径方向において肩形を成し、自己注射器の回転を妨げる。

上述した２つの変形例を組み合わせることも、もちろん可能である。

発明の別の好ましい観点からは、少なくとも１つの中間窓１２はその外形が、本体１の基端部へ向いた矢印の形である。この形により、自己注射器が誤った方向で使用されることが回避される。この矢印はユーザーに対し、自己注射器をどの方向で作動させる必要があるかを明示している。

好ましくは、この矢印はまた、特に中間窓１２が径方向へ突出した縁を上述のように含む場合、視力を損ねた人々でも容易に検出可能である。

図１２（ａ）〜図１２（ｄ）は４種類の実施形態を示す。

図１２（ａ）および図１２（ｂ）に示す変形例では、中間窓１２の基端部１２１は三角形の部分を含み、矢印の先端を形成し、中間窓１２の残りの部分と肩部１２３でつながっている。図１２（ｂ）が含む肩部１２３は寸法が比較的大きい。

図１２（ｃ）もまた、三角形の基端部１２１を含む。しかし、肩部１２３は含まない。

最後に図１２（ｄ）が含む基端部１２１は更に丸い。しかし、矢印はなお、本体１の基端部を指している。この実施形態では、中間窓１２の先端部１２２もまた、本体１の基端部を指す突端の形をした輪郭を含み、これが、注射針の方を指すという中間窓１２の視覚的印象を強めている。もちろん、図１２（ｄ）の先端部１２２は、図１２（ａ）〜図１２（ｃ）の変形例と組み合わされてもよい。

当然ながら、その他の変形例も可能である。

本発明は、特に、関節リウマチ、多発性硬化症、およびクローン病などの自己免疫疾患の治療、癌の治療、肝炎などの抗ウイルス療法による治療、糖尿病の治療、貧血の治療、アナフィラキシーショックなどのアレルギー性発作の治療に用いられる装置に適用される。

本発明について、有利な実施の形態に基づいて説明したが、当然ながら当業者は、添付の特許請求の範囲において定義した本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、各種の変形を適用可能である。

Claims (9)

1. 薬剤が予め充填された自己注射器であって、
   薬液が入っており、ピストンロッドによって移動可能なピストン（Ｐ）と針とを含む容器を収容するのに適した、細長い円筒形状の本体（１）
   を備え、
   前記本体（１）は、
   円形状の先端部と、中間部と、基端部と、前記自己注射器が使用される前まで前記基端部に固定されている取り外し可能なキャップ（２０）と
   を含み、
   前記中間部は、円形状の外面に少なくとも１つの径方向への突出部からなる第１回転防止手段（１２５）を含み、
   前記突出部は、前記中間部の外面に非円筒形状の中間領域を少なくとも１つ形成しており、
   前記取り外し可能なキャップ（２０）は、円形状の外周部分と、円形状の外面に少なくとも１つの非円筒形状の基端領域からなる第２回転防止手段（２１）とを含み、
   前記本体（１）の先端部は、円形状の外面に少なくとも１つの非円筒形状の先端領域からなる第３回転防止手段（１１５）を含み、
   前記本体（１）の中間部は、自己注射器の使用前において、前記容器の薬液を見せることが可能な中間窓（１２）を少なくとも１つ有し、
   前記第１回転防止手段（１２５）は、径方向へ突出した前記中間窓（１２）の少なくとも１つの縁からなる
   ことを特徴とする自己注射器。
2. 前記中間窓（１２）の径方向へ突出した縁が前記中間窓（１２）の全体を囲むことを特徴とする請求項１に記載の自己注射器。
3. 前記中間窓（１２）の径方向へ突出した縁が前記中間窓（１２）の一部のみを囲むことを特徴とする請求項１に記載の自己注射器。
4. 前記第２回転防止手段（２１）は、前記円形状の外周部分に形成された少なくとも１つの平坦部からなることを特徴とする請求項１から３までのいずれか１項に記載の自己注射器。
5. 前記本体（１）の先端部は、注射の終了を視覚的に表示可能な先端窓（１１）を少なくとも１つ有し、
   前記第３回転防止手段（１１５）は、径方向へ突出した前記先端窓（１１）の少なくとも１つの縁からなる
   ことを特徴とする請求項１から４までのいずれか１項に記載の自己注射器。
6. 前記先端窓（１１）の径方向へ突出した縁が前記先端窓（１１）の全体を囲むことを特徴とする請求項５に記載の自己注射器。
7. 前記先端窓（１１）の径方向へ突出した縁が前記先端窓（１１）の一部のみを囲むことを特徴とする請求項５に記載の自己注射器。
8. 突出位置と作動位置との間で前記本体（１）に対して移動可能な作動スリーブ（１０）をさらに備え、
   前記突出位置では、前記作動スリーブ（１０）の少なくとも一部が前記本体（１）から外へ突出し、
   前記作動位置では、前記作動スリーブ（１０）が前記本体（１）の中へ軸方向に移動しており、
   前記突出位置は、前記自己注射器が作動する前の第１突出位置と、作動した後の第２突出位置とを含み、
   前記作動スリーブ（１０）は、前記突出位置へ向かう力をばねから受ける
   ことを特徴とする請求項１から７までのいずれか１項に記載の自己注射器。
9. 前記作動スリーブ（１０）は、注射領域に接触する接触端（１０１）を有することを特徴とする請求項８に記載の自己注射器。

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