JP6840386B2 - 細胞足場材料製造用組成物ならびに細胞足場材料およびその製造方法 - Google Patents

細胞足場材料製造用組成物ならびに細胞足場材料およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞足場材料製造用組成物に関する。また、本発明は、細胞足場材料およびその製造方法に関する。
近年、再生医療用の細胞足場材料の開発が進められている。この細胞足場材料には、細胞外マトリクスそのものから調製されたものや、基材に細胞外マトリクスがコーティングされたもの等がある(例えば、特許文献1や特許文献2等参照)。
ところで、過去に、そのような細胞外マトリクスとして「アジド基修飾細胞外マトリクス」が提案されている(例えば、非特許文献1等参照)。非特許文献1では、細胞毒性のある銅塩触媒の使用を避けるために、銅塩フリーのクリック反応を利用してアジド基修飾細胞外マトリクスを基材に結合させている。
特開2006−254722号公報 特開2014−057595号公報
S.M.Ruff et al., clickECM: Development of a cell-derived extracellular matrix with azide functionalities, Acta Biomater. (2016), http://dx.doi.org/10.1016/j.actbio.2016.12.022
しかし、銅塩フリーのクリック反応を利用するためには、ジベンジルシクロオクチン−アミン等の高価な化合物を用いる必要がある。また、アジド基修飾細胞外マトリクスに何らかの化学修飾を施したいとき、その修飾化合物にシクロオクチン基を導入する必要があるが、化合物によってはシクロオクチン基を導入することができないこともあり、材料設計が制限させることが想定される。
本発明の課題は、比較的安価であって、柔軟に材料設計を行うことができる細胞足場材料製造用組成物を提供することである。
本発明の第1局面に係る細胞足場材料製造用組成物は、メタクリロイル基を有する細胞外マトリクス(以下「メタクリロイル基修飾細胞外マトリクス」という。)を含有する。なお、この細胞足場材料製造用組成物には、メタクリロイル基中のエテニリデン基(ビニリデン基)と共重合することができる化合物(以下「共重合化合物」と称する。)をさらに含有することが好ましい。また、この細胞足場材料製造用組成物には、必要に応じて重合開始剤や、連鎖移動剤、架橋剤、溶媒等の成分を添加してもかまわない。
上述の通り、この細胞足場材料製造用組成物には、メタクリロイル基修飾細胞外マトリクスが含まれる。メタクリロイル基修飾細胞外マトリクスを基材に結合させる場合、例えば、エテニリデン基や、エテニル基(ビニル基)や、エテニレン基(ビニレン基)を有すると共に基材に結合可能である官能基(例えば、アルコキシシリル基等の反応性シリル基等)を有する化合物(例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルジメチルクロロシラン等)により、基材表面にエテニリデン基や、エテニル基(ビニル基)や、エテニレン基(ビニレン基)を導入するだけでよい。このような化合物は、市販で入手可能であり、ジベンジルシクロオクチン−アミン等に比べると、かなり安価である。また、メタクリロイル基修飾細胞外マトリクスに修飾化合物を導入したいとき、エテニル基(ビニル基)や、エテニレン基(ビニレン基)、エテニリデン基(ビニリデン基)等を有する修飾化合物を利用すればよい。現在、そのような修飾化合物は豊富に存在し、また、現在の合成技術ではそのような修飾化合物を安価に合成することは比較的たやすい。したがって、この細胞足場材料製造用組成物は、比較的安価であって、柔軟に材料設計を行うことができる。
本発明の第2局面に係る細胞足場材料は、メタクリロイル基を介して架橋化された細胞外マトリクスからなる。なお、この細胞足場材料には、必要に応じて他の成分が添加されていてもかまわない。なお、このような細胞足場材料は、例えば、上述の細胞足場材料製造用組成物中のメタクリロイル基を有する細胞外マトリクスを、メタクリロイル基を介して架橋化することによって製造される。かかる場合、上述の共重合化合物と前記メタクリロイル基中のエテニリデン基とを共重合することによって、メタクリロイル基を有する細胞外マトリクスを架橋化させることが好ましい。なお、上述の細胞足場材料は、組織再生足場材料として利用可能である。
N−メタクリロイルガラクトサミンのH−NMRスペクトルである。 ネイティブ培養系、N−メタクリロイルガラクトサミン未添加培養系およびN−メタクリロイルガラクトサミン添加培養系のL929細胞それぞれの蛍光顕微鏡写真である。なお、本図において、左側の写真が明視野像で、右側の写真が蛍光像である。 N−メタクリロイルガラクトサミン未添加培養系L929細胞およびN−メタクリロイルガラクトサミン添加培養系L929細胞により調製されたプロテオグリカンから作製された細胞足場基材の細胞培養実験の結果を示す写真図である。 N−メタクリロイルグルコサミンのH−NMRスペクトルである。 アセチル化N−メタクリロイルグルコサミンのH−NMRスペクトルである。 アセチル化N−メタクリロイルガラクトサミンのH−NMRスペクトルである。
本発明の実施の形態に係る細胞足場材料製造用組成物は、メタクリロイル基を有する細胞外マトリクス(以下「メタクリロイル基修飾細胞外マトリクス」という。)を含有する。
ところで、メタクリロイル基修飾細胞外マトリクスは、例えば、メタクリロイル化アミノ糖を添加した培地で細胞を培養することによって製造することができる。なお、ここにいう「細胞外マトリクス」とは、例えば、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン,ヘパラン硫酸プロテオグリカン,ケラタン硫酸プロテオグリカン,デルマタン硫酸プロテオグリカン等のプロテオグリカン(アグリン,アグレカン,シンデカン,ニューロカン,バーシカン,フォスファカン,ブレビカン等を含む)や、コラーゲン、テネイシンC、テネイシンR、トロンボスポンジン、フィブロネクチン、カドヘリン、ラミニン等の糖タンパク質、および、ヒアルロン酸等のムコ多糖等である。また、ここにいう「メタクリロイル化アミノ糖」としては、例えば、N−メタクリロイルガラクトサミン(以下の化学式(1)参照)、N−メタクリロイルグルコサミン(以下の化学式(2)参照)、アセチル化N−メタクリロイルガラクトサミン(以下の化学式(3)参照)、アセチル化N−メタクリロイルグルコサミン(以下の化学式(4)参照)、アセチル化N−メタクリロイルマンノサミン(以下の化学式(5)参照)等が挙げられる。
なお、細胞取込効率を考えると、アミノ糖中の水酸基がアセチル化されたものが好ましい。このようなメタクリロイル化アミノ糖は、例えば、以下に示される化学反応式(A)により合成され得る。なお、化学反応式(A)では、アミノ糖としてガラクトサミンが用いられているが、他のアミノ糖でも同様の反応が起こり得る。
また、細胞としては、特に限定されないが、メタクリロイル基修飾細胞外マトリクスを、ヒトの組織や臓器(例えば、脊椎円板、頭蓋組織、硬膜、神経組織、肝臓、膵臓、腎臓、膀胱、脾臓、心筋、骨格筋、腱、靭帯、角膜組織および乳房組織等)等を再生するための足場材料またはその一成分として利用する場合、動物細胞、特にヒトの細胞であることが好ましく、例えば、軟骨細胞,線維芽細胞,筋細胞および骨細胞等の筋骨格系細胞や、肝細胞,膵細胞(膵島細胞を含む)および腸内細胞等の実質細胞、神経細胞、骨髄細胞、皮膚細胞、多能性細胞および幹細胞(例えば、胚性幹細胞、成体幹細胞および人工多能性幹(iPS)細胞を含む)が挙げられる。
なお、細胞足場材料製造用組成物には、必要に応じて、メタクリロイル基中のエテニリデン基と共重合することができる化合物(以下「共重合化合物」と称する。)や、重合開始剤、連鎖移動剤、架橋剤、溶媒等の成分が添加されてもかまわない。
ところで、上述の細胞足場材料製造用組成物から細胞足場材料を製造することができる。なお、細胞足場材料の製造の際、メタクリロイル基修飾細胞外マトリクスを架橋処理してハイドロゲル化することが特に好ましい。
<実施例>
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に限定されることはない。
1.N−メタクリロイルガラクトサミンの合成
30mL容量のサンプル管にD−(+)−ガラクトサミン塩酸塩(東京化成工業株式会社製)を1.0g量り取り、そこに飽和炭酸水(炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を純水に溶解させたもの)10mLを加えた後、D−(+)−ガラクトサミン塩酸塩を飽和炭酸水に完全に溶解させてガラクトサミン飽和炭酸水溶液を調製した。また、100mL容量のナスフラスコにメタクリル酸クロリド(東京化成工業株式会社製,常圧蒸留における95℃留分)を0.48g量り取り、そこにジエチルエーテル(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を40mL加えた後、メタクリル酸クロリドをジエチルエーテルに完全に溶解させてメタクリル酸クロリドジエチルエーテル溶液を調製した。次に、メタクリル酸クロリドジエチルエーテル溶液を450rpmで撹拌しながら、そこにガラクトサミン飽和炭酸水溶液をゆっくり滴下した。ガラクトサミン飽和炭酸水溶液を滴下し終わった後、上記ナスフラスコをセプタムで密栓すると共に、少量の窒素ガスの入った風船を取り付け、遮光しながら、その混合溶液を24時間撹拌した。撹拌完了後、エバポレーターを用いて混合溶液からジエチルエーテルを取り除いた後、得られた液体を液体窒素で凍結させ、一晩冷凍保存した。次に、アセトニトリル(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)の水溶液(アセトニトリル:純水を質量比で15:1となるように混合したもの)を展開溶媒とするカラムクロマトグラフィーでその液体を精製した(Rf=0.3)。なお、このとき、固定相としてシリカゲル(Merck社製)を用い、カラム温度は室温とし、また、展開速度は約2.5cc/分とした。50cc容量のサンプル管を用いて溶出液を回収したが、この満杯分を1本分とすると、おおよそ6〜8本目以降、すなわち、250〜350ccの溶出液が溶出した以降から目的の液体物を回収することができた。なお、このときの回収量は10本分すなわち500cc程度であった。次いで、その精製済みの液体に100mLの純水を加えた後、エバポレーターを用いてその混合液からアセトニトリルおよび水を充分取り除いた。最後に、得られた液体を、目開き0.20μmのフィルターで濾過した後、その濾液を凍結乾燥した。
2.N−メタクリロイルガラクトサミンの同定
上記濾液を重水に溶解させて重水溶液を調製した。その重水溶液を日本電子株式会社製の400MHz核磁気共鳴(NMR)装置にセットして、その濾液の同定を行ったところ、図1に示されるH−NMRスペクトルを得た。このH−NMRスペクトルからその濾液がN−メタクリロイルガラクトサミンであることが同定された。
3.細胞外マトリクスの調製
10×10cells/mLになるように調製したL929細胞(DSファーマーバイオメディカル社製)を5mL、培地入りのフラスコに播種して、L929細胞を24時間培養した。なお、ここで、培地としては、10v/v%FBS入りEMEM(GIBCO社製)450mLに、Antibiotic−Antimycotic抗生物質−抗真菌剤(life technologies社製)5mLとSerum Fetal Bovine,Australia(FBS)(biowest社製)50mLを無菌的に加えたものを用いた。24時間経過後に培地を交換し、その培地に20mMのN−メタクリロイルガラクトサミン水溶液を500μL添加した。その後、3日おきに培地を交換しながら、L929細胞を9日間培養した。なお、培地を交換する度に、20mMのN−メタクリロイルガラクトサミン水溶液を500μL添加した。9日間の培養後、上記フラスコに20mMの水酸化アンモニウム水溶液(和光純薬工業株式会社製の特級品を純水で20mMに調整したもの)を5mL添加して5分間静置した。フラスコから水酸化アンモニウム水溶液を排出した後、そのフラスコに純水を添加し、フラスコからその純水を回収した。そして、その回収した純水を凍結乾燥して目的の細胞外マトリクスを回収した。なお、以下、このようにして得られた細胞外マトリクスを「N−メタクリロイルガラクトサミン入り培地培養細胞外マトリクス」と称する。
4.細胞外マトリクスへのN−メタクリロイルガラクトサミンの導入確認
4−1.試薬の調製
(1)ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルマレイミド溶液の調製
マイクロチューブ(エッペンドルフ社製)にポリ(エチレングリコール)メチルエーテルマレイミド(ALDRICH社製)の粉末を5.0mg量り取り、そこに0.1mLのジメチルスルホキシドを加えて、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルマレイミドをジメチルスルホキシドに完全に溶解させた。そして、その溶液をさらにジメチルスルホキシドで5倍希釈して、1.0mg/mLのポリ(エチレングリコール)メチルエーテルマレイミド溶液を調製した。最後に、このポリ(エチレングリコール)メチルエーテルマレイミド溶液10μLをリン酸緩衝生理食塩水(日水製薬株式会社製のDulbecco’s PBS(−)を純水に溶解し、それをオートクレーブで殺菌処理したもの)990μLに溶解させた。
(2)ポリ(エチレングリコール)チオール溶液の調製
マイクロチューブ(エッペンドルフ社製)にSUNBRIGHT PTE−100SH(日油株式会社製)を100mg量り取り、そこにリン酸緩衝生理食塩水(日水製薬株式会社製のDulbecco’s PBS(−)を純水に溶解し、それをオートクレーブで殺菌処理したもの)1000μLを加えてピッペッティングし、SUNBRIGHT PTE−100SHをリン酸緩衝生理食塩水に完全に溶解させた後、その溶液をフィルター濾過して滅菌した。なお、ここにいう「ポリ(エチレングリコール)チオール」は、以下の化学式(6)に示されるように4つのチオール基(SH基)を有している。
(3)Alexa溶液の調製
1.0mgのAlexa Fluor 488 C5−マレイミド(Thermo Fisher社製)が入った容器に1.0mLのジメチルスルホキシドを加え、その溶液10μLをリン酸緩衝生理食塩水(日水製薬株式会社製のDulbecco’s PBS(−)を純水に溶解し、それをオートクレーブで殺菌処理したもの)990μLに溶解させた。
4−2.手順
20×10cells/mLとなるように調製したL929細胞懸濁液1.0mLを、培地入りのガラスベースディッシュ(100μL容量)に加え、L929細胞を24時間培養した。なお、ここで、培地としては、10v/v%FBS入りEMEM(life technologies社製)450mLに、Antibiotic−Antimycotic抗生物質−抗真菌剤(life technologies社製)5mLとSerum Fetal Bovine,Australia(FBS)(biowest社製)50mLを無菌的に加えたものを用いた。24時間経過後に培地を交換し、終濃度が20mMになるよう調製したN−メタクリロイルガラクトサミン水溶液を上記ガラスベースディッシュに添加した。その後、3日おきに培地を交換すると共にN−メタクリロイルガラクトサミン水溶液を上記ガラスベースディッシュに添加した。9日間の培養後、上記ガラスベースディッシュから培地を排出し、リン酸緩衝生理食塩水(日水製薬株式会社製のDulbecco’s PBS(−)を純水に溶解し、それをオートクレーブで殺菌処理したもの)2.0mLでL929細胞を3回洗浄した。続いて、洗浄に用いたリン酸緩衝生理食塩水を全て上記ガラスベースディッシュから排出し、そのガラスベースディッシュに1,000μLのリン酸緩衝生理食塩水(日水製薬株式会社製のDulbecco’s PBS(−)を純水に溶解し、それをオートクレーブで殺菌処理したもの)、および、上述の通りに調製したポリ(エチレングリコール)メチルエーテルマレイミド溶液60μLを添加して15分間、室温で静置した。なお、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルマレイミドは、プリテオグルカンに含まれるチオール基(SH基)をブロッキングする役目を担う。続いて、先の添加溶液を上記ガラスベースディッシュから全て排出し、先と同様にリン酸緩衝生理食塩水2.0mLでL929細胞を3回洗浄した。そして、そのガラスベースディッシュに390μLのリン酸緩衝生理食塩水、上述の通りに調製したポリ(エチレングリコール)チオール溶液150μL、および、60μLのEosin−Y溶液(株式会社同仁化学研究所製,終濃度5μg/mLとなるようにリン酸緩衝生理食塩水で調整したもの)を添加した後、そこに可視光を10分間照射した。なお、可視光の照射は、オプトコート蛍光励起用505nm LEDハンディライト(λ=505nm)を用いて行った。また、ポリ(エチレングリコール)チオール中のチオール基は、以下の化学反応式(B)の通り、エンと反応する。すなわち、L929細胞が生成するプリテオグルカン中にN−メタクリロイルガラクトサミンが組み込まれていれば、ポリ(エチレングリコール)チオール中のチオール基は、N−メタクリロイルガラクトサミン中のメタクリロイル基と反応して結合する。このとき、同プリテオグリカンにチオール基が過剰に導入された状態となる。
続いて、先の添加溶液を全て排出し、先と同様にリン酸緩衝生理食塩水2.0mLでL929細胞を3回洗浄した。そして、そのガラスベースディッシュに1,000μLのリン酸緩衝生理食塩水、および、上述の通りに調製したAlexa溶液60μLを添加して15分間、室温で静置した。なお、Alexa Fluor 488 C5−マレイミドは、そのマレイミド基を介してポリ(エチレングリコール)チオールの過剰なチオール基と反応して結合する。Alexa Fluor 488 C5−マレイミドには蛍光部位が存在するため、その蛍光部位の励起波長を受光すると、その蛍光部位が蛍光を発する。最後に、先の添加溶液を全て排出し、先と同様にリン酸緩衝生理食塩水2.0mLでL929細胞を3回洗浄した。そして、そのガラスベースディッシュに1,000μLのリン酸緩衝生理食塩水を添加してから、株式会社キーエンス製の蛍光顕微鏡IX−71を用いてL929細胞を顕微鏡観察した。
なお、細胞外マトリクスへのN−メタクリロイルガラクトサミンの導入を確認する目的で、N−メタクリロイルガラクトサミン未添加培養系L929細胞およびネイティブ培養系L929細胞も用意した。N−メタクリロイルガラクトサミン未添加系培養系L929細胞の培養は、N−メタクリロイルガラクトサミン水溶液の代わりに100μLのリン酸緩衝生理食塩水を添加した以外は上記手順の通りに行われた。一方、ネイティブ培養系929細胞の培養は、(i)N−メタクリロイルガラクトサミン水溶液の代わりに100μLのリン酸緩衝生理食塩水を添加し、(ii)390μLのリン酸緩衝生理食塩水、150μLのポリ(エチレングリコール)チオール溶液、および、60μLのEosin−Y溶液の代わりに600μLのリン酸緩衝生理食塩水の添加し、(iii)1,000μLのリン酸緩衝生理食塩水、および、60μLのAlexa溶液の代わりに1,060μLのリン酸緩衝生理食塩水を添加した以外は上記手順の通りに行われた。
各系のL929細胞の蛍光顕微鏡写真を図2に示した(図中のスケールバーは50μmを示している。)。なお、ここで、「Native」はネイティブ培養系L929細胞を示し、「GalM(−)」はN−メタクリロイルガラクトサミン未添加培養系L929細胞を示し、「GalM(+)」はN−メタクリロイルガラクトサミン添加培養系L929細胞を示している。また、左側の写真が明視野像で、右側の写真が蛍光像である。
図2の蛍光像(右側)から明らかなように、ネイティブ培養系L929細胞およびN−メタクリロイルガラクトサミン未添加培養系L929細胞の蛍光像では蛍光部分をほとんど確認することができないが、N−メタクリロイルガラクトサミン添加培養系L929細胞の蛍光像では、蛍光部位を確認することができる。このため、N−メタクリロイルガラクトサミン添加培養系L929細胞のプロテオグリカンの糖鎖部位にN−メタクリロイルガラクトサミンが組み込まれたことが確認された。
5.細胞足場基板の調製
酸素プラズマ処理したガラス基板を、5mMの3−メルカプトプロピルジメチルクロロシラン(東京化成工業株式会社製)を含むトルエン溶液に一晩浸漬した。また、1.25Mの2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(日油株式会社製)、5.0mg/mLのN−メタクリロイルガラクトサミン入り培地培養細胞外マトリクス水溶液および0.0125MのN,N’−メチレンビスアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)を純水に溶解し、250μLの溶液を調製した。なお、ここで、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンはコモノマーとして機能し、N,N’−メチレンビスアクリルアミドは架橋剤として機能する。そして、この溶液に、50mg/mLのペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)15μLとN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン5μLを添加して混合した。最後に、この混合溶液を上記処理済みの基板に塗布して、同基板を3時間静置した後に一晩純水に浸漬して洗浄した。
6.細胞培養実験
「5.細胞足場基板の調製」で調製した細胞足場基板を24穴組織培養用シャーレにセットし、8×10cells/mLの濃度に調整したL929細胞(DSファーマバイオメディカル社製)を播種して、L929細胞を3日間培養した。3日間経過後に細胞足場基板を、リン酸緩衝液で3回洗浄した。その後に位相差顕微鏡で細胞足場基材の表面を観察した。その際の撮像を図3に示した。なお、図中、「GalM(+)」で示されている方が、「5.細胞足場基板の調製」で調製した細胞足場基板上でのL929細胞培養結果を示している。同図から明らかなように、同細胞足場基板は、L929細胞の足場として十分に機能している。なお、これは、N−メタクリロイルガラクトサミン入り培地培養細胞外マトリクス、すなわち、メタクリロイル化プロテオグリカンがガラス基材に結合されているからであると考えられる。一方、「GalM(−)」は、N−メタクリロイルガラクトサミン未添加培養系L929細胞で調製されたプロテオグリカンを「5.細胞足場基板の調製」の欄に示される手順と同じ手順で処理された細胞足場基板上でのL929細胞培養結果を示している。同図から明らかなように、同細胞足場基板は、L929細胞の足場として十分に機能していない。これは、同細胞足場基板にプロテオグリカンが被覆されていない、すなわち、プロテオグリカンにはメタクリロイル基が存在せず同プロテオグリカンがガラス基板に結合されていないからであると考えられる(このプロテオグリカンはガラス基材に結合しないため、最後の洗浄処理時にそのプロテオグリカンが全て洗い流されたと考えられる。)。
<合成例>
以下、参考までにN−メタクリロイルグルコサミン、アセチル化N−メタクリロイルグルコサミン、およびアセチル化N−メタクリロイルガラクトサミンの合成例を示す。なお、これらのメタクリロイル化アミノ糖は、上記実施例1中で使用されているN−メタクリロイルガラクトサミンと置き換えても、実施例1に示された結果と同様の結果となることが確認されている。
(合成例1)
1.N−メタクリロイルグルコサミンの合成
D−(+)−ガラクトサミン塩酸塩をD−(+)−グルコサミン塩酸塩(東京化成工業株式会社製)に代えた以外は、「1.N−メタクリロイルガラクトサミンの合成」の欄に記載した手順と同じ手順でN−メタクリロイルグルコサミンを合成した。
2.N−メタクリロイルグルコサミンの同定
「2.N−メタクリロイルガラクトサミンの同定」の欄に記載した通り、N−メタクリロイルグルコサミンの重水溶液を日本電子株式会社製の400MHz核磁気共鳴(NMR)装置にセットして、その濾液の同定を行ったところ、図4に示されるH−NMRスペクトルを得た。このH−NMRスペクトルからその濾液がN−メタクリロイルグルコサミンであることが同定された。
(合成例2)
1.アセチル化N−メタクリロイルグルコサミンの合成
50mL容量のスクリュー管に50mg(0.202mM)のN−メタクリロイルグルコサミン(合成例1で合成したもの)を量り取った。先のスクリュー管に0.5mLのピリジン(和光純薬工業株式会社製,一級試薬)を添加して、そのスクリュー管の内容物を24時間撹拌した。24時間経過後、そのスクリュー管に134μLの無水酢酸(1.42mM,N−メタクリロイルグルコサミンの7当量,東京化成工業株式会社製)および小スパチュラ0.5杯分の4−(ジメチルアミノ)ピリジン(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を添加した。再度、その内容物を24時間撹拌した後、そのスクリュー管に適量のトルエンを添加して減圧雰囲気下で溶媒を取り除き、その内容物を濃縮した。その後、その濃縮物に10mLのジクロロメタン(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を添加し、その濃縮物をジクロロメタンに完全に溶解させてからそのジクロロメタン溶液を分液漏斗に移した。そして、その分液漏斗に0.5Mの冷塩酸水溶液(塩酸(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を純水で希釈したもの)10mL加えてから分液漏斗をよく振盪し、濃縮物から水相にアセチル化N−メタクリロイルグルコサミンを抽出した(なお、洗浄操作は十分に行った。)。二相が完全に分離するまで分液漏斗を静置した後、分液漏斗から水相を抜き取った。次いで、再度、分液漏斗に0.5Mの冷HCl水溶液10mL加えてから分液漏斗をよく振盪した。二相が完全に分離するまで分液漏斗を静置した後、分液漏斗から水相を抜き取った。続いて、分液漏斗に10mLの純水を加えてから分液漏斗をよく振盪した。二相が完全に分離するまで分液漏斗を静置した後、分液漏斗から水相を抜き取った。さらに続いて、分液漏斗に10mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を飽和水溶液となるように純水で希釈したもの)を加えてから分液漏斗をよく振盪した。二相が完全に分離するまで分液漏斗を静置した後、分液漏斗から水相を抜き取った。その後、分液漏斗から有機相を抜き取り、有機相に無水硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を一晩投入して、その有機相を乾燥させた。そして、乾燥後の有機相をろ過した後、その濾液を減圧雰囲気下で濃縮した。次いで、ヘキサン(和光純薬工業株式会社製,一級試薬)と酢酸エチル(和光純薬工業株式会社製,一級試薬)との混合液(ヘキサン:酢酸エチルを体積比で1:1となるように混合したもの)を展開溶媒とするカラムクロマトグラフィーでその濃縮物を精製した(Rf=0.3)。なお、このとき、固定相としてシリカゲル(Merck社製)を用い、カラム温度は室温とし、また、展開速度は約2.5cc/分とした。50cc容量のサンプル管を用いて溶出液を回収したが、この満杯分を1本分とすると、おおよそ4本目以降、すなわち、150ccの溶出液が溶出した以降から目的の液体物を回収することができた。なお、このときの回収量は2〜3本分すなわち100〜150cc程度であった。最後に、その精製物を減圧雰囲気下で濃縮して、目的のアセチル化N−メタクリロイルグルコサミンを得た。
2.アセチル化N−メタクリロイルグルコサミンの同定
上記濃縮液を重メタノールに溶解させて重メタノール溶液を調製した。その重メタノール溶液を日本電子株式会社製の400MHz核磁気共鳴(NMR)装置にセットして、その濃縮液の同定を行ったところ、図5に示されるH−NMRスペクトルを得た。このH−NMRスペクトルからその濃縮液がアセチル化N−メタクリロイルグルコサミンであることが同定された。
(合成例3)
1.アセチル化N−メタクリロイルガラクトサミンの合成
50mL容量のスクリュー管に50mg(0.202mM)のN−メタクリロイルガラクトサミン(実施例1で合成したもの)を量り取った。先のスクリュー管に0.5mLのピリジン(和光純薬工業株式会社製,一級試薬)を添加して、そのスクリュー管の内容物を24時間撹拌した。24時間経過後、そのスクリュー管に134μLの無水酢酸(1.42mM,N−メタクリロイルガラクトサミンの7当量,東京化成工業株式会社製)および小スパチュラ0.5杯分の4−(ジメチルアミノ)ピリジン(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を添加した。再度、その内容物を24時間撹拌した後、そのスクリュー管に適量のトルエンを添加して減圧雰囲気下で溶媒を取り除き、その内容物を濃縮した。その後、その濃縮物に10mLのジクロロメタン(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を添加し、その濃縮物をジクロロメタンに完全に溶解させてからそのジクロロメタン溶液を分液漏斗に移した。そして、その分液漏斗に0.5Mの冷塩酸水溶液(塩酸(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を純水で希釈したもの)10mL加えてから分液漏斗をよく振盪し、濃縮物から水相にアセチル化N−メタクリロイルグルコサミンを抽出した(なお、洗浄操作は十分に行った。)。二相が完全に分離するまで分液漏斗を静置した後、分液漏斗から水相を抜き取った。次いで、再度、分液漏斗に0.5Mの冷HCl水溶液10mL加えてから分液漏斗をよく振盪した。二相が完全に分離するまで分液漏斗を静置した後、分液漏斗から水相を抜き取った。続いて、分液漏斗に10mLの純水を加えてから分液漏斗をよく振盪した。二相が完全に分離するまで分液漏斗を静置した後、分液漏斗から水相を抜き取った。さらに続いて、分液漏斗に10mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(飽和炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を飽和水溶液となるように純水で希釈したもの)を加えてから分液漏斗をよく振盪した。二相が完全に分離するまで分液漏斗を静置した後、分液漏斗から水相を抜き取った。その後、分液漏斗から有機相を抜き取り、有機相に無水硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製,特級試薬)を一晩投入して、その有機相を乾燥させた。そして、乾燥後の有機相をろ過した後、その濾液を減圧雰囲気下で濃縮した。次いで、ヘキサン(和光純薬工業株式会社製,一級試薬)と酢酸エチル(和光純薬工業株式会社製,一級試薬)との混合液(ヘキサン:酢酸エチルを体積比で1:1となるように混合したもの)を展開溶媒とするカラムクロマトグラフィーでその濃縮物を精製した(Rf=0.45)。最後に、その精製物を減圧雰囲気下で濃縮して、目的のアセチル化N−メタクリロイルグルコサミンを得た。
2.アセチル化N−メタクリロイルガラクトサミンの同定
上記濃縮液を重クロロホルムに溶解させて重クロロホルム溶液を調製した。その重クロロホルム溶液を日本電子株式会社製の400MHz核磁気共鳴(NMR)装置にセットして、その濃縮液の同定を行ったところ、図6に示されるH−NMRスペクトルを得た。このH−NMRスペクトルからその濃縮液がアセチル化N−メタクリロイルガラクトサミンであることが同定された(なお、図6中の1〜2ppm付近のピークは、残存しているヘキサンのピークであると推察される。)。
本発明に係る細胞足場材料製造用組成物は、比較的安価であって柔軟に材料設計を行うことができるという特徴を有し、組織再生足場材料等の細胞足場材料の製造に有用である。

Claims (5)

  1. メタクリロイル基を有する細胞外マトリクスを含有する、細胞足場材料製造用組成物。
  2. 前記メタクリロイル基中のエテニリデン基と共重合することができる化合物をさらに含有する、請求項1に記載の細胞足場材料製造用組成物。
  3. メタクリロイル基を介して架橋化された細胞外マトリクスからなる細胞足場材料。
  4. メタクリロイル基を有する細胞外マトリクスを、メタクリロイル基を介して架橋化する、細胞足場材料の製造方法。
  5. 前記メタクリロイル基を有する細胞外マトリクスを、前記メタクリロイル基中のエテニリデン基と共重合することができる化合物と前記メタクリロイル基中のエテニリデン基とを共重合することによって架橋化する、請求項4に記載の細胞足場材料の製造方法。
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