以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(カードリーダの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカードリーダ1の斜視図である。図2は、図1に示すカードリーダ1からケース本体12を取り外した状態の分解斜視図である。図3は、図1に示すカードリーダ1からケース体4を取り外した状態の斜視図である。図4は、図1に示すカードリーダ1からケース体4および保護基板14等を取り外した状態を別の方向から示す斜視図である。
本形態のカードリーダ1は、カード2に記録されたデータの読取りやカード2へのデータの記録を行う装置である。具体的には、カードリーダ1は、カードリーダ1へのカード2の挿入とカードリーダ1からのカード2の抜取りとを手動で行ってデータの読取りや記録を行ういわゆるディップ式のカードリーダである。このカードリーダ1は、たとえば、無人またはセルフサービス方式のガソリンスタンドの給油装置やATM等の上位装置に搭載されて使用される。
カード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。カード2の一方の面には、磁気データが記録される磁気ストライプが形成されている。また、カード2には、ICチップが内蔵されており、カード2の他方の面には、ICチップの外部接続端子が形成されている。なお、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードや、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
カードリーダ1は、カードリーダ本体3と、カードリーダ本体3を覆うケース体4とを備えている。カードリーダ本体3は、カード2が移動するカード移動路5が形成される本体フレーム6と、カード2に記録された磁気データの読取りおよびカード2への磁気データの記録の少なくともいずれか一方を行う磁気ヘッド7(図4参照)と、カード2に内蔵されるICチップとデータの通信を行うための複数のIC接点バネを有するIC接点ブロック(図示省略)とを備えている。
ケース体4は、カード2の挿入口10が形成される前面カバー11と、ケース本体12とから構成されている。また、カードリーダ1は、制御用のプリント基板である制御基板13(図2参照)と、制御基板13を保護するためのプリント基板である保護基板14と、前面カバー11が取り外されたこと、および、カードリーダ1が上位装置から取り外されたことを検知するためのシートスイッチ(メンブレンスイッチ)15とを備えている。
本形態では、手動で操作されるカード2は、図1等に示すX方向に移動する。すなわち、X方向は、カード移動路5を移動するカード2の移動方向である。また、カード2は、X1方向に挿入され、X2方向に抜き取られる。また、X方向に直交する図1等のZ方向は、カード移動路5を移動するカード2の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに直交する図1等のY方向は、カード移動路5を移動するカード2の幅方向(短手幅方向)である。
以下の説明では、X方向を前後方向、Y方向を左右方向、Z方向を上下方向とする。また、カードリーダ1へのカード2の挿入方向側であるX1方向側を「後ろ」側とし、カードリーダ1からのカード2の抜取り方向側であるX2方向側を「前」側とする。また、左右方向の一方側であるY1方向側を「右」側、左右方向の他方側であるY2方向側を「左」側、上下方向の一方側であるZ1方向側を「上」側、上下方向の他方側であるZ2方向側を「下」側とする。本形態の下側(Z2方向側)は、カード2の厚さ方向の一方側である第1方向側となっており、上側(Z1方向側)は、第2方向側となっている。また、右側(Y1方向側)は、カード2の幅方向の一方側である第3方向側となっており、左側(Y2方向側)は、第4方向側となっている。
本体フレーム6は、カードリーダ1に挿入されたカード2(すなわち、挿入口10から挿入されたカード2)の後端側部分が収容されるカード収容部6aと、磁気ヘッド7が配置されるヘッド配置部6bと、挿入口10から挿入されたカード2を案内するためのカード案内部6cとを備えている。ヘッド配置部6bおよびカード案内部6cは、カード収容部6aよりも前側に配置されている。ヘッド配置部6bおよびカード案内部6cと、カード収容部6aとの間には、鍔状に広がる鍔部6dが形成されている。
鍔部6dは、カード収容部6aの前端から上下方向および左右方向に広がる略長方形の鍔状に形成されている。ヘッド配置部6bおよびカード案内部6cは、鍔部6dから前側へ突出している。ヘッド配置部6bとカード案内部6cとは、左右方向において間隔をあけた状態で形成されている。本形態では、ヘッド配置部6bが右側に配置され、カード案内部6cが左側に配置されている。磁気ヘッド7は、ヘッド配置部6bの前端側に取り付けられている。磁気ヘッド7は、磁気ヘッド7の磁気ギャップがカード移動路5に下側から臨むように配置されている。また、カード収容部6aには、IC接点ブロックが取り付けられている。
前面カバー11は、本体フレーム6の前面側に配置されており、本体フレーム6の前面側部分を覆っている。また、前面カバー11は、カードリーダ1の前面を構成している。前面カバー11の前面側には、上位装置へのカードリーダ1の取付面11aが形成されている。取付面11aは、前後方向に直交する平面となっている。また、前面カバー11の前面側には、上位装置の前面パネルに形成される開口の中に配置される露出部11bが形成されている。露出部11bは、取付面11aから前側へ突出するように形成されており、上位装置にカードリーダ1が取り付けられたときに、上位装置の前面パネルの一部を構成している。
また、前面カバー11には、露出部11bの前面から後ろ側に向かって窪む指挿入部11cが形成されている。指挿入部11cは、ユーザの指が挿入可能となる大きさに形成されており、ユーザがカードリーダ1へカード2を挿入する際、および、ユーザがカードリーダ1からカード2を抜き取る際には、この指挿入部11cにユーザの指が挿入される。挿入口10は、露出部11bの前面、指挿入部11cの左右の両側面および後面に形成されている。また、前面カバー11の前面側には、取付面11aから後ろ側に向かって窪む凹部11dが形成されている。凹部11dは、露出部11bの左側に形成されている。
ケース本体12は、前端が開口する略直方体の箱状に形成されている。前面カバー11とケース本体12とは、前面カバー11の後端とケース本体12の前端とが当接した状態で互いに固定されている。ケース体4は、カードリーダ本体3の上下の両面、左右の両面および前後の両面を覆っている。
制御基板13は、略長方形の平板状に形成されたリジッド基板である。この制御基板13は、カード収容部6aに固定されている。具体的には、制御基板13は、カード収容部6aの上面に固定されている。制御基板13は、制御基板13の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。また、制御基板13は、鍔部6dよりも後ろ側に配置されるとともに、鍔部6dの上端よりも下側に配置されている。磁気ヘッド7は、フレキシブルプリント基板19を介して制御基板13に電気的に接続されている。IC接点ブロックも、フレキシブルプリント基板を介して制御基板13に電気的に接続されている。
図2に示すように、制御基板13には、フレキシブルプリント基板19が接続されるコネクタ22と、保護基板14が接続されるコネクタ23と、シートスイッチ15が接続されるコネクタ24とが実装されている。コネクタ22〜24は、制御基板13の上面に実装されている。また、制御基板13には、シートスイッチ15に電力を供給するバッテリー25が実装されている。
制御基板13は、磁気ヘッド7によってカード2の磁気ストライプから読み取った磁気データの信号(データ信号)や磁気ヘッド7によってカード2の磁気ストライプに記録するデータ信号を伝えるためのデータ信号回路が形成されるデータ信号回路層を備えている。また、制御基板13は、IC接点バネによってカード2のICチップから読み取ったデータの信号(データ信号)やIC接点バネによってカード2のICチップに記録するデータ信号を伝えるためのデータ信号回路が形成されるデータ信号回路層を備えている。
シートスイッチ15は、薄いシート状に形成されている。シートスイッチ15は、前面カバー11が取り外されたことを検知するためのスイッチ部15aと、カードリーダ1が上位装置から取り外されたことを検知するためのスイッチ部15bと、スイッチ部15a、15bを制御基板13に接続する帯状の接続部15cとから構成されている。スイッチ部15a、15bは、接点電極等を有する接触式の検知スイッチである。
スイッチ部15aは、前面カバー11の後面の上端側に固定されている。前面カバー11とケース本体12とが互いに固定された状態では、スイッチ部15aの接点電極は、本体フレーム6の鍔部6dの前面に形成される凸部6eによって前側に押されており、スイッチ部15aは、導通状態となっている。一方、前面カバー11が取り外されると、スイッチ部15aの接点電極が凸部6eに押されなくなって、スイッチ部15aが非導通状態となるため、前面カバー11が取り外されたことが検知される。
スイッチ部15bは、前面カバー11の凹部11dの底面(後ろ側の面)に固定されている。カードリーダ1が上位装置に取り付けられた状態では、スイッチ部15bの接点電極は、上位装置の前面パネルの後面に形成される凸部(図示省略)によって後ろ側に押されており、スイッチ部15bは、導通状態となっている。一方、上位装置からカードリーダ1が取り外されると、スイッチ部15bの接点電極が上位装置の凸部に押されなくなって、スイッチ部15bが非導通状態となるため、カードリーダ1が上位装置から取り外されたことが検知される。
接続部15cの一端は、コネクタ24に接続されている。接続部15cの他端側は、スイッチ部15aに繋がる部分と、スイッチ部15bに繋がる部分とに分岐している。鍔部6dには、前後方向に貫通する貫通穴が形成されており、シートスイッチ15は、この貫通穴を通過するように引き回されている。
(フレキシブルプリント基板および保護基板の構成)
図5(A)は、図4に示すフレキシブルプリント基板19の展開図であり、図5(B)は、図4に示すフレキシブルプリント基板19の構成を説明するための断面図である。図6は、図4に示す磁気ヘッド7およびフレキシブルプリント基板19を抜き出して別の方向から示す斜視図である。図7は、図2に示す保護基板14の構成を説明するための断面図である。
フレキシブルプリント基板19(以下、「FPC19」とする。)は、細長い帯状に形成されている。FPC19の一端は、磁気ヘッド7に接続されている。具体的には、FPC19の一端は、磁気ヘッド7の下端側に接続されている。FPC19の他端は、コネクタ22に接続されている。すなわち、FPC19の他端は、コネクタ22を介して制御基板13に接続されている。FPC19は、所定形状に折り曲げられた状態で本体フレーム6に沿って引き回されている。
FPC19は、コネクタ22に接続される被接続部19aと、磁気ヘッド7に接続される被接続部19bと、被接続部19bを覆う覆部19cと、被接続部19bと覆部19cとを繋ぐ接続部19dと、被接続部19aと覆部19cとを繋ぐ接続部19eとから構成されている。被接続部19aは、略長方形状に形成されている。被接続部19bおよび覆部19cは、略正方形状に形成されている。接続部19dは、直線状に形成されている。
接続部19eは、直線状に形成される第1直線接続部19fおよび第2直線接続部19gと、第1直線接続部19fと第2直線接続部19gとの間に配置される略楕円形状の楕円接続部19hとから構成されている。第1直線接続部19fの一端は、被接続部19aに繋がり、第1直線接続部19fの他端は、楕円接続部19hに繋がっている。第2直線接続部19gの一端は、覆部19cに繋がり、第2直線接続部19gの他端は、楕円接続部19hに繋がっている。
第1直線接続部19fおよび第2直線接続部19gは、FPC19が展開された状態で、第1直線接続部19fと第2直線接続部19gとが同一直線上に配置されるように形成されている。接続部19dは、FPC19が展開された状態で、第2直線接続部19gと接続部19dとが直交するように形成されている。楕円接続部19hには、2個の貫通穴19j、19kが形成されている。
被接続部19bは、磁気ヘッド7の下端部に半田付けされて接続されている。覆部19cは、被接続部19bを下側から覆っている。すなわち、覆部19cは、被接続部19bが接続される磁気ヘッド7の出力端子を下側から覆っている。接続部19dは、被接続部19bが覆部19cに覆われるように折り返されている。なお、被接続部19b、接続部19dおよび覆部19cは、樹脂製の封止部材(図示省略)によって覆われている。また、磁気ヘッド7の下端には、図4に示すように、覆部19cを下側から覆うカバー29が固定されている。
接続部19eは、磁気ヘッド7から後ろ側に向かって引き回されている。また、接続部19eは、薄いフィルム状に形成される接続部19eと本体フレーム6の表面とが平行になるように、本体フレーム6の表面に沿って引き回されている。本形態では、第2直線接続部19gおよび楕円接続部19hは、本体フレーム6の鍔部6dの前側に配置され、第1直線接続部19fは、鍔部6dの後ろ側に配置されている。
また、接続部19eは、図4に示すように、ヘッド配置部6bの下面およびカード収容部6aの下面に沿って磁気ヘッド7から後ろ側に引き回された後、鍔部6dの後ろ側で右側に90°に折り曲げられて右側へ向かって引き回されている。その後、接続部19eは、図2に示すように、上側に90°に折り曲げられて、カード収容部6aの右側面に沿って引き回されてから、左側に90°に折り曲げられて、制御基板13の上面に沿って引き回されている。接続部19eの、左側に90°に折り曲げられた部分の先端は、被接続部19aに繋がっている。被接続部19aは、コネクタ22に差し込まれている。すなわち、被接続部19aは、制御基板13に接続されている。また、被接続部19aは、薄いフィルム状に形成される被接続部19aと制御基板13の表面とが平行になるように配置されている。
このように、接続部19eは、ヘッド配置部6bの下面およびカード収容部6aの下面に沿って磁気ヘッド7から後ろ側に伸びる第1基板部としての基板部19pと、基板部19pの後端で右側に90°に折り曲げられた第1折曲部としての折曲部19qと、折曲部19qから右側に伸びる第2基板部としての基板部19rと、基板部19rの右端で上側に90°に折り曲げられた第2折曲部としての折曲部19sと、折曲部19sから上側に伸びる第3基板部としての基板部19tと、基板部19tの上端で左側に90°に折り曲げられた第3折曲部としての折曲部19uと、折曲部19uから左側に伸びる基板部19vとから構成されている。折曲部19uの左端は、被接続部19aの右端に繋がっている。本形態では、基板部19vと被接続部19aとによって第4基板部が構成されている。
基板部19pの前端側部分は、第2直線接続部19gと楕円接続部19hとによって構成されており、鍔部6dの前側に配置されている。基板部19pの後端側部分、基板部19r、19t、19v、折曲部19q、19s、19uおよび被接続部19aは、鍔部6dの後ろ側に配置されている。基板部19pは、上述のように、ヘッド配置部6bの下面およびカード収容部6aの下面に沿って引き回されている。また、基板部19rは、カード収容部6aの下面に沿って引き回され、基板部19tは、カード収容部6aの右側面に沿って引き回され、基板部19vおよび被接続部19aは、制御基板13の上面に沿って引き回されている。なお、鍔部6dには、前後方向に貫通する貫通穴6f(図4参照)が形成されており、接続部19eは、貫通穴6fを通過するように引き回されている。
また、FPC19は、カード2から読み取られたデータの信号およびカード2に記録されるデータの信号の少なくともいずれか一方を伝えるためのデータ信号回路が形成されるデータ信号回路層32と、自身が断線したことおよび短絡したことを検知するための破壊検知回路が形成される破壊検知回路層34と、データ信号回路層32および破壊検知回路層34を保護する絶縁層35とを備えている。データ信号回路層32の外形、破壊検知回路層34の外形および絶縁層35の外形は、FPC19の外形とほぼ等しくなっている。
図5(B)に示すように、絶縁層35とデータ信号回路層32と絶縁層35と破壊検知回路層34と絶縁層35とは、FPC19の一方の面から他方の面に向かってこの順番で積層されている。すなわち、破壊検知回路層34は、絶縁層35を介してデータ信号回路層32と重なっている。また、破壊検知回路層34は、FPC19の厚さ方向におけるデータ信号回路層32の一方側のみに形成されている。
データ信号回路は、磁気データの信号を伝える。このデータ信号回路は、データ信号回路層32のほぼ全域に形成されている。破壊検知回路には、破壊検知信号が流れている。破壊検知回路は、破壊検知回路層34の、被接続部19aの部分と覆部19cの部分と接続部19eの部分とに形成されている。また、破壊検知回路は、バッテリー25に接続されている。
基板部19pでは、データ信号回路層32が本体フレーム6側(すなわち、ヘッド配置部6b側およびカード収容部6a側)に配置され、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されている。すなわち、基板部19pでは、データ信号回路層32が上側に配置され、破壊検知回路層34が下側に配置されている。
一方、基板部19r、19t、19vおよび被接続部19aでは、破壊検知回路層34が本体フレーム6側に配置され、データ信号回路層32がカードリーダ1の外部側に配置されている。すなわち、基板部19rでは、破壊検知回路層34が上側に配置され、データ信号回路層32が下側に配置されている。また、基板部19tでは、破壊検知回路層34が左側に配置され、データ信号回路層32が右側に配置されている。さらに、基板部19vおよび被接続部19aでは、破壊検知回路層34が下側に配置され、データ信号回路層32が上側に配置されている。
保護基板14は、フレキシブルプリント基板であり、柔軟性を有するフィルム状に形成されている。図7に示すように、保護基板14は、自身が断線したことおよび短絡したことを検知するための第2の破壊検知回路が形成される破壊検知回路層37と、破壊検知回路層37を挟むように配置される絶縁層38とを備えている。第2の破壊検知回路は、保護基板14のほぼ全域に形成されている。第2の破壊検知回路には、破壊検知信号が流れている。また、第2の破壊検知回路は、バッテリー25に接続されている。絶縁層38は、破壊検知回路層37の上下の両面を覆っている。
保護基板14は、カードリーダ1の後面側に配置される後面部14aと、カードリーダ1の上面側に配置される上面部14bと、カードリーダ1の下面側に配置される下面部14cと、カードリーダ1の右側面側に配置される右側面部14dと、カードリーダ1の左側面側に配置される左側面部14eと、コネクタ23に接続される帯状の被接続部14fとから構成されている。また、保護基板14は、鍔部6dよりも後ろ側に配置されている。
保護基板14は、所定形状のフレキシブルプリント基板を折り曲げることで形成されており、後面部14aと上面部14bと下面部14cと右側面部14dと左側面部14eと被接続部14fとは一体になっている。具体的には、後面部14aの上端と上面部14bの後端とが繋がり、後面部14aの下端と下面部14cの後端とが繋がり、右側面部14dの上端側部分の上端と上面部14bの右端とが繋がり、左側面部14eの上端側部分の上端と上面部14bの左端とが繋がり、右側面部14dの下端側部分の下端と下面部14cの右端とが繋がり、左側面部14eの下端側部分の下端と下面部14cの左端とが繋がっている。また、被接続部14fは、上面部14bの前端に繋がっている。
後面部14aは、制御基板13およびカード収容部6aよりも後ろ側に配置され、上面部14bは、制御基板13およびカード収容部6aよりも上側に配置され、下面部14cは、制御基板13およびカード収容部6aよりも下側に配置され、右側面部14dは、制御基板13およびカード収容部6aよりも右側に配置され、左側面部14eは、制御基板13およびカード収容部6aよりも左側に配置されている。すなわち、保護基板14は、上下の両側、左右の両側および後ろ側からカード収容部6aおよび制御基板13を囲むように配置されており、上下の両側、左右の両側および後ろ側からカード収容部6aおよび制御基板13を覆っている。
また、下面部14cは、FPC19の基板部19p、19rよりも下側に配置されており、基板部19pの、鍔部6dよりも後ろ側の部分および基板部19rを下側から覆っている。右側面部14dは、FPC19の基板部19tよりも右側に配置されており、基板部19tを右側から覆っている。上面部14bは、FPC19の基板部19vおよび被接続部19aよりも上側に配置されており、基板部19vおよび被接続部19aを上側から覆っている。
このように、FPC19の一部分は、保護基板14に覆われている。すなわち、保護基板14は、FPC19の一部分を覆っており、FPC19の一部を保護する機能を果たしている。本形態の後面部14aは第1保護基板であり、下面部14cは第2保護基板であり、上面部14bは第3保護基板であり、右側面部14dは第4保護基板であり、左側面部14eは第5保護基板である。
FPC19の一部分が保護基板14に覆われている領域を保護領域PAとし、保護領域PAを外れた領域を非保護領域NPAとすると、本形態では、鍔部6dの後ろ側が保護領域PAとなっている。また、鍔部6dの前側が非保護領域NPAとなっている。磁気ヘッド7は、非保護領域NPAに配置されている。制御基板13は、保護領域PAに配置されている。
上述のように、基板部19pでは、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されている。すなわち、非保護領域NPAに配置される基板部19pの前端側部分では、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されている。また、保護領域PAに配置される基板部19pの後端側部分でも、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されている。一方、保護領域PAに配置される基板部19r、19t、19vおよび被接続部19aでは、破壊検知回路層34が本体フレーム6側に配置され、データ信号回路層32がカードリーダ1の外部側に配置されている。
このように、本形態では、少なくとも鍔部6dの前側においては、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されている。すなわち、少なくとも非保護領域NPAにおいては、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、かつ、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されている。すなわち、FPC19は、少なくとも非保護領域NPAにおいて、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、かつ、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されるように引き回されている。
なお、本形態では、データを不正に取得するために犯罪者によって何らかの不正行為が行われて、保護基板14の第2の破壊検知回路の断線や短絡が検知されたり、FPC19の破壊検知回路の断線や短絡が検知されたり、上位装置からカードリーダ1が取り外されたことが検知されたり、前面カバー11が取り外されたことが検知されたりすると、制御基板13に記憶されているデータを消去したり、制御基板13を使用不可な状態にしたり、上位装置に異常を通知する等の所定の処理が実行される。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、FPC19の厚さ方向におけるデータ信号回路層32の一方側のみに破壊検知回路層34が形成されている。そのため、本形態では、FPC19の厚さ方向におけるデータ信号回路層32の両側に破壊検知回路層34が形成されている場合と比較して、FPC19のコストを低減することが可能になるとともに、FPC19の厚さを薄くすることが可能になる。
また、本形態では、保護領域PAでは、FPC19の一部分が保護基板14に覆われている。そのため、本形態では、保護領域PAにおいて、犯罪者がデータ不正取得用の信号線をデータ信号回路層32のデータ信号回路に取り付けようとしたときに、少なくとも保護基板14の第2の破壊検知回路を断線させたり短絡させたりして、FPC19に対して不正行為が行われていることを検知することが可能になる。
また、本形態では、非保護領域NPAに配置される基板部19pの前端側部分は保護基板14に覆われていないが、非保護領域NPAに配置される基板部19pの前端側部分では、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、かつ、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されている。そのため、本形態では、非保護領域NPAにおいて、犯罪者がデータ不正取得用の信号線をデータ信号回路層32のデータ信号回路に取り付けようとしたときに、破壊検知回路層34の破壊検知回路を断線させたり短絡させたりして、FPC19に対して不正行為が行われていることを検知することが可能になる。
すなわち、本形態では、保護領域PAおよび非保護領域NPAのいずれの領域においても、犯罪者がデータ不正取得用の信号線をデータ信号回路層32のデータ信号回路に取り付けようとしたときに、FPC19に対して不正行為が行われていることを検知することが可能になる。そのため、本形態では、FPC19に対して不正行為が行われていることが検知されたときに、所定の処理を実行することで、データ信号回路層32のデータ信号回路からの磁気データの不正取得を防止することが可能になる。このように、本形態では、FPC19のコストを低減すること、および、FPC19の厚さを薄くすることが可能であっても、データ信号回路層32のデータ信号回路からの磁気データの不正取得を防止することが可能になる。
また、本形態では、FPC19の厚さを薄くすることが可能になるため、FPC19の柔軟性を高めることが可能になる。したがって、本形態では、FPC19の一端が磁気ヘッド7に接続されていても、カード2に対する磁気ヘッド7の追従性を確保することが可能になる。
本形態では、FPC19は、細長い帯状に形成されている。そのため、本形態では、FPC19が複数の屈曲部を有する複雑な形状に形成されている場合と比較して、FPC19を製造する際の、FPC19の取り数を増やすことが可能になる。したがって、本形態では、FPC19のコストをより低減することが可能になる。一方で、本形態では、FPC19が細長い帯状に形成されているため、折曲部19qよりもFPC19の他端側に配置される基板部19r、19t、19vおよび被接続部19aでは、破壊検知回路層34が本体フレーム6側に配置され、データ信号回路層32がカードリーダ1の外部側に配置されている。
しかしながら、本形態では、基板部19r、19t、19vおよび被接続部19aは、鍔部6dの後ろ側の保護領域PAに配置されているため、基板部19r、19t、19vおよび被接続部19aにおいて、破壊検知回路層34が本体フレーム6側に配置され、データ信号回路層32がカードリーダ1の外部側に配置されていても、データ信号回路層32のデータ信号回路からの磁気データの不正取得を防止することが可能になる。すなわち、本形態では、FPC19のコストをより低減しつつ、データ信号回路層32のデータ信号回路からの磁気データの不正取得を防止することが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態において、制御基板13は、カード収容部6aの下面に固定されていても良い。この場合には、FPC19の接続部19eは、基板部19pのみによって構成されている。また、制御基板13に接続される被接続部19aは、基板部19pの後端に繋がっている。この場合には、非保護領域NPAおよび保護領域PAのいずれの領域においても、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、かつ、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されている。
上述した形態では、保護領域PAに配置される基板部19pの後端側部分では、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されているが、非保護領域NPAのみにおいて、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されていても良い。すなわち、保護領域PAに配置されるFPC19の全体において、破壊検知回路層34が本体フレーム6側に配置され、データ信号回路層32がカードリーダ1の外部側に配置されていても良い。
上述した形態では、後面部14aと上面部14bと下面部14cと右側面部14dと左側面部14eとが一体になっているが、後面部14a、上面部14b、下面部14c、右側面部14dおよび左側面部14eの少なくとも1つが別体で形成されていても良い。この場合には、後面部14a、上面部14b、下面部14c、右側面部14dおよび左側面部14eの少なくとも1つが平板状のリジッド基板であっても良い。また、後面部14a、上面部14b、下面部14c、右側面部14dおよび左側面部14eの全てが別体で形成される場合には、後面部14a、上面部14b、下面部14c、右側面部14dおよび左側面部14eの全てが平板状のリジッド基板であっても良い。また、上述した形態において、保護基板14は、後面部14aを備えていなくても良いし、左側面部14eを備えていなくても良い。
上述した形態では、FPC19に形成される破壊検知回路を用いて、破壊検知回路の断線および短絡が検知されているが、破壊検知回路を用いて、破壊検知回路の断線または短絡の一方のみが検知されても良い。同様に、上述した形態では、保護基板14に形成される第2の破壊検知回路を用いて、第2の破壊検知回路の断線および短絡が検知されているが、保護基板14に形成される第2の破壊検知回路を用いて、第2の破壊検知回路の断線または短絡の一方のみが検知されても良い。
上述した形態において、カードリーダ本体3は、IC接点ブロックを備えていなくても良い。また、上述した形態において、カードリーダ1は、カード2を自動で搬送するカード搬送機構を有するカード搬送式のカードリーダであっても良い。また、上述した形態において、IC接点ブロックと制御基板13とを繋ぐフレキシブルプリント基板がFPC19と同様に構成されていても良い。すなわち、IC接点ブロックと制御基板13とを繋ぐフレキシブルプリント基板は、データ信号回路層32と破壊検知回路層34とを備えていても良い。
また、IC接点ブロックと制御基板13とを繋ぐフレキシブルプリント基板がFPC19と同様に構成されている場合であって、かつ、このフレキシブルプリント基板の一部分が非保護領域NPAに配置されている場合には、このフレキシブルプリント基板は、薄いフィルム状に形成されるフレキシブルプリント基板と本体フレーム6の表面と平行になるように本体フレーム6の表面に沿って引き回されるとともに、少なくとも非保護領域NPAにおいて、データ信号回路層32が本体フレーム6側に配置され、かつ、破壊検知回路層34がカードリーダ1の外部側に配置されるように引き回されている。この場合には、カードリーダ本体3は、磁気ヘッド7を備えていなくても良い。