JP6840001B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
従来、基板である半導体ウェハ(以下、ウェハと呼称する。)などの表面を液体で処理した後の乾燥工程において、液体により表面が濡れた状態のウェハを超臨界状態の処理流体と接触させることにより、ウェハを乾燥させる方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2013−12538号公報
しかしながら、従来の超臨界状態の処理流体を用いた乾燥方法では、高圧下でウェハを乾燥させた後の処理容器を大気圧まで減圧する際に、大気圧近傍から大気圧までの減圧に多くの時間が必要となる。したがって、超臨界状態の処理流体を用いた乾燥処理全体に要する時間が長くなるという課題がある。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、超臨界状態の処理流体を用いた乾燥方法において、乾燥処理全体に要する時間を短くすることができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る基板処理装置は、超臨界状態の処理流体を用いて基板を乾燥させる乾燥処理が行われる基板処理装置であって、前記乾燥処理が行われる処理容器と、前記処理容器内から前記処理流体を排出する排出流路に設けられ、前記処理容器内を強制排気して減圧する強制排気機構と、前記強制排気機構を制御する制御部と、を備える。そして、前記制御部は、前記処理容器内を前記処理流体が超臨界状態である第1圧力から、前記第1圧力より低い第2圧力を経て、大気圧まで減圧する場合において、前記第1圧力から前記第2圧力までは前記強制排気機構を動作させず、前記第2圧力から大気圧まで前記強制排気機構を動作させる。
実施形態の一態様によれば、超臨界状態の処理流体を用いた乾燥方法において、乾燥処理全体に要する時間を短くすることができる。
図1は、実施形態に係る超臨界状態の処理流体を用いた乾燥処理の概要を示す図である。 図2は、実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す模式図である。 図3は、実施形態に係る洗浄処理ユニットの構成を示す断面図である。 図4は、実施形態に係る乾燥処理ユニットの構成を示す外観斜視図である。 図5は、実施形態に係る乾燥処理ユニットのシステム全体の構成例を示す図である。 図6は、実施形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図7は、実施形態に係るIPAの乾燥メカニズムを説明するための図であり、ウェハが有するパターンを簡略的に示す拡大断面図である。 図8Aは、実施形態に係る乾燥処理全体における時間と処理容器内の圧力との関係の一例を示す図である。 図8Bは、実施形態に係る第2減圧処理における時間と処理容器内の圧力との関係の一例を示す図である。 図9は、実施形態に係る基板処理システムの乾燥処理における処理手順を示すフローチャートである。 図10Aは、実施形態の変形例に係る乾燥処理全体における時間と処理容器内の圧力との関係の一例を示す図である。 図10Bは、実施形態の変形例に係る第1減圧処理および等速減圧処理での時間と可変バルブの弁開度との関係の一例を示す図である。 図11は、実施形態の変形例に係る基板処理システムの乾燥処理における処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理装置および基板処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<乾燥処理の概要>
最初に、図1を参照しながら、実施形態に係る基板処理システム1における乾燥処理の概要について説明する。図1は、実施形態に係る超臨界状態の処理流体を用いた乾燥処理の概要を示す図である。
実施形態に係る基板処理システム1(図2参照)では、処理容器である乾燥処理ユニット17(図2参照)において、図1に示すように、超臨界状態の処理流体70(図7参照)を用いた乾燥処理(ステップS2)が行われる。
また、かかる乾燥処理の前には、処理容器内に処理流体70を供給し、処理容器内の圧力を所定の圧力まで昇圧する昇圧処理(ステップS1)が行われ、乾燥処理の後には、処理容器内から処理流体70を排気し、処理容器を減圧して大気圧に戻す減圧処理(ステップS3)が行われる。
ここで、実施形態に係る乾燥処理における減圧処理は、第1減圧処理(ステップS4)と、第2減圧処理(ステップS5)とを含む。第1減圧処理では、通常の排気手段を用いて、処理容器内の処理流体70を排気する。ここで、処理容器内が高圧状態であれば、かかる高圧状態の内部圧力により処理流体70自体が押し出されて排気が促進されるため、減圧に多くの時間は必要ない。
一方で、処理容器内が大気圧に近づいた場合、内部圧力により処理流体70を処理容器内から押し出す効果が弱くなることから、処理容器に対する大気圧近傍から大気圧までの減圧処理には多くの時間が必要となる。
そこで、実施形態では、処理容器内が大気圧に近づいた段階で、第2減圧処理が行われる。かかる第2減圧処理では、排出流路50b(図5参照)に設けられるエジェクタ63(図5参照、強制排気機構の一例)を動作させることにより、処理容器内に残る処理流体70を強制排気する。なお、「エジェクタ」とは、排出流路50bとは異なる流路64(図5参照)に液体や気体などの流体を通流させて、かかる流路64における流体の流れを利用して、処理容器を減圧することができる器具である。
これにより、処理流体70の排気が促進されるため、減圧時間を短縮することができる。したがって、実施形態によれば、超臨界状態の処理流体70を用いた乾燥方法において、乾燥処理全体に要する時間を短くすることができる。
<基板処理システムの概要>
つづいて、図2を参照しながら、実施形態に係る基板処理システム1の概略構成について説明する。図2は、実施形態に係る基板処理システム1の概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図2に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の半導体ウェハW(以下、ウェハWと呼称する。)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウェハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の洗浄処理ユニット16と、複数の乾燥処理ユニット17とを備える。複数の洗浄処理ユニット16と複数の乾燥処理ユニット17とは、搬送部15の両側に並べて設けられる。なお、図2に示した洗浄処理ユニット16および乾燥処理ユニット17の配置や個数は一例であり、図示のものに限定されない。
搬送部15は、内部に基板搬送装置18を備える。基板搬送装置18は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置18は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いて受渡部14と、洗浄処理ユニット16と、乾燥処理ユニット17との間でウェハWの搬送を行う。
洗浄処理ユニット16は、基板搬送装置18によって搬送されるウェハWに対して所定の洗浄処理を行う。洗浄処理ユニット16の構成例については後述する。
乾燥処理ユニット17は、洗浄処理ユニット16によって洗浄処理されたウェハWに対し、上述した乾燥処理を行う。乾燥処理ユニット17の構成例については後述する。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部19と記憶部20とを備える。
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。かかるマイクロコンピュータのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、後述する制御を実現する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置4の記憶部20にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
記憶部20は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウェハWを取り出し、取り出したウェハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウェハWは、処理ステーション3の基板搬送装置18によって受渡部14から取り出されて、洗浄処理ユニット16へ搬入される。
洗浄処理ユニット16へ搬入されたウェハWは、洗浄処理ユニット16によって洗浄処理が施された後、基板搬送装置18によって洗浄処理ユニット16から搬出される。洗浄処理ユニット16から搬出されたウェハWは、基板搬送装置18によって乾燥処理ユニット17へ搬入され、乾燥処理ユニット17によって乾燥処理が施される。
乾燥処理ユニット17によって乾燥処理されたウェハWは、基板搬送装置18によって乾燥処理ユニット17から搬出され、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウェハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
<洗浄処理ユニットの概要>
次に、図3を参照しながら、洗浄処理ユニット16の概略構成について説明する。図3は、実施形態に係る洗浄処理ユニット16の構成を示す断面図である。洗浄処理ユニット16は、たとえば、スピン洗浄によりウェハWを1枚ずつ洗浄する枚葉式の洗浄処理ユニットとして構成される。
図3に示すように、洗浄処理ユニット16は、処理空間を形成するアウターチャンバー23内に配置されたウェハ保持機構25にてウェハWをほぼ水平に保持し、このウェハ保持機構25を鉛直軸周りに回転させることによりウェハWを回転させる。そして、洗浄処理ユニット16は、回転するウェハWの上方にノズルアーム26を進入させ、かかるノズルアーム26の先端部に設けられた薬液ノズル26aから薬液やリンス液を予め定められた順に供給することにより、ウェハWの表面の洗浄処理を行う。
また、洗浄処理ユニット16には、ウェハ保持機構25の内部にも薬液供給路25aが形成されている。そして、かかる薬液供給路25aから供給された薬液やリンス液によって、ウェハWの裏面洗浄が行われる。
上述のウェハWの洗浄処理は、たとえば、最初にアルカリ性の薬液であるSC1液(アンモニアと過酸化水素水の混合液)によるパーティクルや有機性の汚染物質の除去が行われ、次に、リンス液である脱イオン水(DeIonized Water:以下、DIWと呼称する。)によるリンス洗浄が行われる。次に、酸性薬液である希フッ酸水溶液(Diluted HydroFluoric acid:以下、DHFと呼称する。)による自然酸化膜の除去が行われ、次に、DIWによるリンス洗浄が行われる。
上述の各種薬液は、アウターチャンバー23や、アウターチャンバー23内に配置されるインナーカップ24に受け止められて、アウターチャンバー23の底部に設けられる排液口23aや、インナーカップ24の底部に設けられる排液口24aから排出される。さらに、アウターチャンバー23内の雰囲気は、アウターチャンバー23の底部に設けられる排気口23bから排気される。
上述のウェハWのリンス処理の後には、ウェハ保持機構25を回転させながら、ウェハWの表面および裏面に液体状態のIPA(以下、「IPA液体」と呼称する。)を供給し、ウェハWの両面に残存しているDIWと置換する。その後、ウェハ保持機構25の回転を緩やかに停止する。
こうして洗浄処理を終えたウェハWは、その表面にIPA液体71(図7参照)が液盛りされた状態(ウェハW表面にIPA液体71の液膜が形成された状態)のまま、ウェハ保持機構25に設けられた不図示の受け渡し機構により基板搬送装置18に受け渡され、洗浄処理ユニット16から搬出される。
ここで、ウェハWの表面に液盛りされたIPA液体71は、洗浄処理ユニット16から乾燥処理ユニット17へのウェハWの搬送中や、乾燥処理ユニット17への搬入動作中に、ウェハW表面の液体が蒸発(気化)することによってパターン倒れが発生することを防ぐ、乾燥防止用の液体として機能する。
洗浄処理ユニット16での洗浄処理を終え、表面にIPA液体71が液盛りされたウェハWは、乾燥処理ユニット17に搬送される。そして、乾燥処理ユニット17内においてウェハW表面のIPA液体71に超臨界状態の処理流体70(図7参照)を接触させることにより、かかるIPA液体71を超臨界状態の処理流体70に溶解させて除去し、ウェハWを乾燥する処理が行われる。
<乾燥処理ユニットの概要>
以下においては、まず、乾燥処理ユニット17の構成について説明し、その後、乾燥処理ユニット17におけるシステム全体の構成について説明する。図4は、実施形態に係る乾燥処理ユニット17の構成を示す外観斜視図である。なお、上述の「処理容器」は、乾燥処理が行われる乾燥処理ユニット17に対応する。
乾燥処理ユニット17は、本体31と、保持板32と、蓋部材33とを有する。筐体状の本体31には、ウェハWを搬入出するための開口部34が形成される。保持板32は、処理対象のウェハWを水平方向に保持する。蓋部材33は、かかる保持板32を支持するとともに、ウェハWを本体31内に搬入したときに、開口部34を密閉する。
本体31は、たとえば直径300mmのウェハWを収容可能な処理空間が内部に形成された容器であり、その壁部には、供給ポート35、36と排出ポート37とが設けられる。供給ポート35、36と排出ポート37とは、それぞれ、乾燥処理ユニット17の上流側と下流側とに設けられる処理流体70(図7参照)を流通させるための供給流路50a(図5参照)と排出流路50b(図5参照)とに接続されている。かかる供給流路50aおよび排出流路50bの構成例については後述する。
供給ポート35は、筐体状の本体31において、開口部34とは反対側の側面に接続されている。また、供給ポート36は、本体31の底面に接続されている。さらに、排出ポート37は、開口部34の下方側に接続されている。なお、図4には2つの供給ポート35、36と1つの排出ポート37が図示されているが、供給ポート35、36や排出ポート37の数は特に限定されない。
また、本体31の内部には、流体供給ヘッダー38、39と、流体排出ヘッダー40とが設けられる。そして、流体供給ヘッダー38、39には複数の供給口38a、39aがかかる流体供給ヘッダー38,39の長手方向に並んで形成され、流体排出ヘッダー40には複数の排出口40aがかかる流体排出ヘッダー40の長手方向に並んで形成される。
流体供給ヘッダー38は、供給ポート35に接続され、筐体状の本体31内部において、開口部34とは反対側の側面に隣接して設けられる。また、流体供給ヘッダー38に並んで形成される複数の供給口38aは、開口部34側を向いている。
流体供給ヘッダー39は、供給ポート36に接続され、筐体状の本体31内部における底面の中央部に設けられる。また、流体供給ヘッダー39に並んで形成される複数の供給口39aは、上方を向いている。
流体排出ヘッダー40は、排出ポート37に接続され、筐体状の本体31内部において、開口部34側の側面に隣接するとともに、開口部34より下方に設けられる。また、流体排出ヘッダー40に並んで形成される複数の排出口40aは、上方を向いている。
流体供給ヘッダー38、39は、処理流体70を本体31内に供給する。また、流体排出ヘッダー40は、本体31内の処理流体70を本体31の外部に導いて排出する。なお、流体排出ヘッダー40を介して本体31の外部に排出される処理流体70には、ウェハWの表面から超臨界状態の処理流体70に溶け込んだIPA液体71(図7参照)が含まれる。
上述のように配置される流体供給ヘッダー38、39の供給口38a、39aから本体31内に処理流体70が供給され、また流体排出ヘッダー40の排出口40aを介して処理流体70が本体31内から排出されることによって、本体31の内部には、ウェハWの周囲で所定の向きに流動する処理流体70の層流が形成される。
かかる処理流体70の層流は、たとえば、流体供給ヘッダー38から、ウェハWの上方をウェハWの表面に沿って、開口部34の上部に向かって流れる。さらに、処理流体70の層流は、開口部34の上方で下方側に向きを変え、開口部34の近傍を通り、流体排出ヘッダー40に向かって流れる。
かかる層流の例では、乾燥処理ユニット17の内部において、保持板32におけるウェハWと蓋部材33との間に開孔32aが形成され、かかる開孔32aを処理流体70の層流が通過する。
なお、本体31内部への処理流体70の供給時と、本体31からの処理流体70の排出時とにウェハWに加えられうる負荷を軽減する観点からは、流体供給ヘッダーおよび流体排出ヘッダーは、それぞれ複数個設けられることが好ましい。
乾燥処理ユニット17は、さらに、不図示の押圧機構を備える。かかる押圧機構は、本体31内部の処理空間内に供給された超臨界状態の処理流体70によってもたらされる内圧に抗して、本体31に向けて蓋部材33を押し付け、処理空間を密閉する機能を有する。また、かかる処理空間内に供給された処理流体70が所定の温度を保てるように、本体31の表面には、断熱材やテープヒータなどが設けられていてもよい。
次に、図5を参照しながら、乾燥処理ユニット17のシステム全体の構成について説明する。図5は、実施形態に係る乾燥処理ユニット17のシステム全体の構成例を示す図である。かかるシステム全体には、乾燥処理ユニット17と、乾燥処理ユニット17に処理流体70(図7参照)を供給する供給流路50aと、乾燥処理ユニット17内から処理流体70を排出する排出流路50bとが含まれる。
かかるシステム全体において、乾燥処理ユニット17より上流側には流体供給源51が設けられており、かかる流体供給源51から供給流路50aを経由して乾燥処理ユニット17に処理流体70が供給される。流体供給源51には、たとえば、COの処理流体70を発生させるための原料COが貯蔵される。
また、供給流路50aにおける流体供給源51と乾燥処理ユニット17との間には、上流側から下流側に向かって、バルブ52aと、オリフィス55aと、フィルタ57と、バルブ52bとが順次設けられる。なお、ここでいう上流側および下流側の用語は、供給流路50a(または排出流路50b)における処理流体70の流れ方向を基準とする。
バルブ52aは、流体供給源51からの処理流体70の供給のオンおよびオフを調整するバルブであり、開状態では下流側の供給流路50aに処理流体70を流し、閉状態では下流側の供給流路50aに処理流体70を流さない。たとえば、バルブ52aが開状態にある場合、16〜20MPa程度の高圧の処理流体70が、流体供給源51からバルブ52aを介して供給流路50aに供給される。
オリフィス55aは、流体供給源51から供給される処理流体70の圧力を調整する機能を有する。オリフィス55aは、たとえば、かかるオリフィス55aより下流側の供給流路50aに、16MPa程度に圧力が調整された処理流体70を流通させることができる。
フィルタ57は、オリフィス55aから送られてくる処理流体70に含まれる異物を取り除き、クリーンな処理流体70を下流側に流す。
バルブ52bは、乾燥処理ユニット17への処理流体70の供給のオンおよびオフを調整するバルブである。バルブ52bから乾燥処理ユニット17に接続される供給流路50aは、図4に示した供給ポート35に接続され、バルブ52bを流れる処理流体70は、供給ポート35と流体供給ヘッダー38とを介して、本体31内部に供給される。
なお、図5に示す乾燥処理ユニット17のシステム全体では、フィルタ57とバルブ52bとの間で供給流路50aが分岐している。具体的には、フィルタ57とバルブ52bとの間の供給流路50aからは、バルブ52cとオリフィス55bとを介して乾燥処理ユニット17に接続される供給流路50aと、バルブ52dとチェックバルブ58aとを介してパージ装置62に接続される供給流路50aとが分岐して延在する。
バルブ52cとオリフィス55bとを介して乾燥処理ユニット17に接続される供給流路50aは、乾燥処理ユニット17への処理流体70の供給のための補助的な流路である。かかる供給流路50aは、図4に示した供給ポート36に接続され、バルブ52cを流れる処理流体70は、供給ポート36と流体供給ヘッダー39とを介して、本体31内部に供給される。
バルブ52dとチェックバルブ58aとを介してパージ装置62に接続される供給流路50aは、窒素などの不活性ガスを乾燥処理ユニット17に供給するための流路であり、たとえば、流体供給源51からの乾燥処理ユニット17に対する処理流体70の供給が停止している間に活用される。
たとえば、乾燥処理ユニット17を不活性ガスで満たして清浄な状態を保つ場合には、バルブ52dとバルブ52bとが開状態に制御され、パージ装置62から供給流路50aに送られた不活性ガスはチェックバルブ58aと、バルブ52dと、バルブ52bとを介して乾燥処理ユニット17に供給される。
乾燥処理ユニット17のシステム全体において、乾燥処理ユニット17より下流側の排出流路50bには、バルブ52eと、圧力調整バルブ59と、バルブ52fとが、上流側から下流側に向かって順次設けられる。
バルブ52eは、乾燥処理ユニット17からの処理流体70の排出のオンおよびオフを調整するバルブである。乾燥処理ユニット17から処理流体70を排出する場合にはバルブ52eが開状態に制御され、乾燥処理ユニット17から処理流体70を排出しない場合にはバルブ52eが閉状態に制御される。
なお、乾燥処理ユニット17とバルブ52eとの間に延在する排出流路50bは、排出ポート37に接続され、乾燥処理ユニット17の本体31内部の処理流体70は、図4に示した流体排出ヘッダー40と排出ポート37とを介して、バルブ52eに向かって送られる。
圧力調整バルブ59は、乾燥処理ユニット17からの処理流体70の排出量を調整するバルブであり、たとえば背圧弁によって構成することができる。圧力調整バルブ59の開度は、本体31内部からの処理流体70の所望の排出量に応じて、制御装置4の制御下で適応的に調整される。
バルブ52fは、乾燥処理ユニット17からの処理流体70の外部への排出のオンおよびオフを調整するバルブである。処理流体70を外部に排出する場合にはバルブ52fが開状態に制御され、処理流体70を排出しない場合にはバルブ52fが閉状態に制御される。なお、バルブ52fの下流側には、可変バルブ61aとチェックバルブ58bとが設けられる。
可変バルブ61aは、バルブ52fを介して送られてくる処理流体70の外部への排出量を調整するバルブであり、可変バルブ61aの弁開度は処理流体70の所望の排出量に応じて調整される。チェックバルブ58bは、排出される処理流体70の逆流を防ぐ弁であり、処理流体70を確実に外部に排出する機能を有する。
なお、図5に示す乾燥処理ユニット17では、圧力調整バルブ59とバルブ52fとの間で排出流路50bが分岐している。具体的には、圧力調整バルブ59とバルブ52fとの間の排出流路50bからは、バルブ52gを介して外部に接続される排出流路50bと、バルブ52hを介して外部に接続される排出流路50bとが分岐して延在する。
バルブ52gとバルブ52hとは、バルブ52fと同様に、処理流体70の外部への排出のオンおよびオフを調整するバルブである。バルブ52gの下流側には、可変バルブ61bとチェックバルブ58cとが設けられ、処理流体70の排出量の調整と処理流体70の逆流防止とが行われる。
ここで、実施形態では、バルブ52hの下流側にエジェクタ63が設けられる。また、かかるエジェクタ63は、排出流路50bとは異なる流路64を介して、流体供給源65に接続されている。そして、かかる流路64を介して、流体供給源65から流体を通流させると、かかる流体の流れにより減圧状態を生じさせることができる。流体供給源65から供給される流体は、たとえば、空気や水蒸気などである。
そして、乾燥処理ユニット17から処理流体70を排出する場合、バルブ52fと、バルブ52gと、バルブ52hとのうちの1以上のバルブが開状態に制御される。ここで、乾燥処理ユニット17のシステム全体において、処理流体70の外部への排出を複数のバルブ(バルブ52f、52g、52h)を介して行うことにより、処理流体70の外部への排出量を細かく制御することができる。
また、上述の供給流路50aおよび排出流路50bの様々な箇所には、処理流体70の圧力を検出する圧力センサと、処理流体70の温度を検出する温度センサとが設置される。図5に示す例では、バルブ52aとオリフィス55aとの間には圧力センサ53aと温度センサ54aとが設けられ、オリフィス55aとフィルタ57との間には圧力センサ53bと温度センサ54bとが設けられる。
また、フィルタ57とバルブ52bとの間には圧力センサ53cが設けられ、バルブ52bと乾燥処理ユニット17との間には温度センサ54cが設けられ、オリフィス55bと乾燥処理ユニット17との間には温度センサ54dが設けられ、乾燥処理ユニット17には圧力センサ53dと温度センサ54eとが設けられる。
さらに、乾燥処理ユニット17とバルブ52eとの間には圧力センサ53eと温度センサ54fとが設けられ、圧力調整バルブ59とバルブ52fとの間には圧力センサ53fと温度センサ54gとが設けられる。
また、乾燥処理ユニット17において処理流体70が流れる任意の箇所には、ヒータHが設けられる。図5に示す例では、乾燥処理ユニット17より上流側の供給流路50aにおいて、バルブ52aとオリフィス55aとの間、オリフィス55aとフィルタ57との間、フィルタ57とバルブ52bとの間、およびバルブ52bと乾燥処理ユニット17との間にヒータHが設けられる。
一方で、乾燥処理ユニット17や、乾燥処理ユニット17より下流側の排出流路50bを含む他の箇所にヒータHが設けられていてもよい。すなわち、流体供給源51から供給される処理流体70が外部に排出されるまでの全流路においてヒータHが設けられていてもよい。
実施形態では、乾燥処理ユニット17に供給する処理流体70の温度を調整する観点から、少なくとも乾燥処理ユニット17より上流側を流れる処理流体70の温度を調整することができる箇所にヒータHが設けられていることが好ましい。
図6は、実施形態に係る制御装置4の機能構成を示すブロック図である。上述のように、制御装置4は、制御部19と記憶部20とを備える。制御装置4は、図5に示した各種要素から計測信号を受信するとともに、図5に示した各種要素に制御指示信号を送信する。
制御装置4は、たとえば、圧力センサ53a〜53fと、温度センサ54a〜54gとの計測結果を受信するとともに、バルブ52a〜52fと、圧力調整バルブ59と、可変バルブ61a、61bと、エジェクタ63とに制御指示信号を送信する。なお、制御装置4が送受信可能な信号は特に限定されない。
<超臨界状態の処理流体を用いた乾燥処理の概要>
次に、処理流体70を用いたIPA液体71の乾燥処理の概要について説明する。図7は、実施形態に係るIPA液体71の乾燥メカニズムを説明するための図であり、ウェハWが有するパターンPを簡略的に示す拡大断面図である。
乾燥処理ユニット17においてCOの処理流体70が乾燥処理ユニット17の本体31内部に導入された当初は、図7(a)に示すように、パターンPの間にはIPA液体71のみが充填されている。
かかるパターンPの間のIPA液体71は、高圧状態(たとえば、16MPa)である超臨界状態の処理流体70と接触することで、徐々に超臨界状態の処理流体70に溶解し、図7(b)に示すように徐々に処理流体70と置き換わる。このとき、パターンPの間には、IPA液体71と超臨界状態の処理流体70とのほかに、IPA液体71と超臨界状態の処理流体70とが混合した状態の混合流体70aが存在する。
さらに、パターンPの間でIPA液体71から超臨界状態の処理流体70への置換が進行するにしたがって、パターンPの間からはIPA液体71が除去され、最終的には図7(c)に示すように、超臨界状態の処理流体70のみによってパターンPの間が満たされる。
パターンPの間からIPA液体71が除去された後に、本体31内の圧力を高圧状態から大気圧まで減圧することによって、図7(d)に示すように、COの処理流体70は超臨界状態から気体状態に変化し、パターンPの間は気体のみによって占められる。このようにしてパターンPの間のIPA液体71は除去され、ウェハWの乾燥処理が完了する。
なお、実施形態では、乾燥防止用の液体としてIPA液体71を用い、処理流体70としてCOを用いているが、IPA以外の液体を乾燥防止用の液体として用いてもよいし、CO以外の流体を処理流体70として用いてもよい。
ここで、超臨界状態の処理流体70は、液体(たとえばIPA液体71)と比べて粘度が小さく、また液体を溶解する能力も高いことに加え、超臨界状態の処理流体70と平衡状態にある液体や気体との間で界面が存在しない。これにより、上述の超臨界状態の処理流体70を用いた乾燥処理では、表面張力の影響を受けることなく液体を乾燥させることができることから、パターンPのパターン倒れを抑制することができる。
一方で、図7で説明した乾燥処理において、乾燥処理後の乾燥処理ユニット17内を高圧状態から大気圧まで減圧する際に、特に大気圧近傍から大気圧までの減圧処理に多くの時間が必要となっていた。したがって、超臨界状態の処理流体70を用いた乾燥処理全体に要する時間が長くなっていた。
そこで、実施形態に係る基板処理システム1の乾燥処理によれば、所定の減圧処理を行うことにより、乾燥処理全体に要する時間を短くすることができる。
<乾燥処理における減圧処理の詳細>
つづいて、図8Aおよび図8Bを参照しながら、実施形態に係る基板処理システム1の乾燥処理における減圧処理の詳細について説明する。図8Aは、実施形態に係る乾燥処理全体における時間と処理容器内の圧力との関係の一例を示す図である。
乾燥処理ユニット17では、まず、時間T1まで基板搬入処理(ステップS101)が行われる。この基板搬入処理では、IPA液体71が液盛りされたウェハWを、乾燥処理ユニット17の内部に搬入する。したがって、図8Aに示すように、基板搬入処理において乾燥処理ユニット17内の圧力は大気圧(〜0MPa)である。
基板搬入処理につづいて、乾燥処理ユニット17では、時間T1から時間T2にかけて、処理流体70の流体導入処理(ステップS102)が行われる。かかる流体導入処理により、図8Aに示すように、乾燥処理ユニット17内の圧力は大気圧から第1圧力P1まで昇圧される。なお、かかる流体導入処理は、図1に示した昇圧処理(ステップS1)に対応する処理である。
ここで、第1圧力P1は、処理流体70であるCOが超臨界状態となる臨界圧力P(約7.2MPa)以上の圧力であり、たとえば、16MPa程度である。したがって、かかる流体導入処理により、乾燥処理ユニット17内の処理流体70は超臨界状態に相変化する。そして、かかる超臨界状態の処理流体70に、ウェハW上のIPA液体71が溶け込み始める。
流体導入処理につづいて、乾燥処理ユニット17では、時間T2から時間T3にかけて、処理流体70の保持処理(ステップS103)が行われる。かかる保持処理では、まず、乾燥処理ユニット17への処理流体70の導入および排出を停止する。
そして、ウェハWのパターンPの間における混合流体70aのIPA濃度およびCO濃度が所定の濃度(たとえば、IPA濃度が30%以下、CO濃度が70%以上)になるまで、乾燥処理ユニット17内の状態(たとえば、圧力)を一定に保持する。
保持処理につづいて、乾燥処理ユニット17では、時間T3から時間T4にかけて、処理流体70の流通処理(ステップS104)が行われる。かかる流通処理では、乾燥処理ユニット17内の圧力が第1圧力P1で一定になるように圧力調整バルブ59を制御しながら、供給流路50aと排出流路50bとに処理流体70を流通させる。
かかる流通処理では、乾燥処理ユニット17内からはIPA液体71を含んだ処理流体70が排出されるとともに、ウェハW上にはIPA液体71を含まないフレッシュな処理流体70が供給される。したがって、かかる流通処理により、ウェハW上からのIPA液体71の除去が促進される。なお、保持処理および流通処理は、図1に示した乾燥処理(ステップS2)に対応する処理である。
流通処理につづいて、乾燥処理ユニット17では、時間T4から時間T5にかけて、乾燥処理ユニット17内の圧力を第1圧力P1から第2圧力P2まで減圧する第1減圧処理(ステップS105)が行われる。ここで、第2圧力P2は、第1圧力P1より低く、大気圧より高い圧力であり、たとえば、0.3MPa程度である。
第1減圧処理は、たとえば、バルブ52fを開状態に制御するとともに、圧力調整バルブ59および可変バルブ61aの弁開度を全開状態に制御することにより行われる。また、この際、バルブ52g、52hは閉状態に制御される。
第1減圧処理につづいて、図8Aに示すように、乾燥処理ユニット17では、時間T5から時間T6にかけて、乾燥処理ユニット17内の圧力を第2圧力P2から大気圧まで減圧する第2減圧処理(ステップS106)が行われる。
ここで、第2減圧処理では、バルブ52fを開状態から閉状態に変更し、バルブ52hを閉状態から開状態に変更するとともに、エジェクタ63を動作させる。かかるエジェクタ63を動作させることにより、流体供給源65からの流体の流れを利用して、乾燥処理ユニット17内の処理流体70を強制排気することができる。
すなわち、内部圧力が大気圧に近づいた乾燥処理ユニット17内からの排気を促進することができることから、減圧時間を短縮することができる。したがって、実施形態によれば、超臨界状態の処理流体70を用いた乾燥方法において、乾燥処理全体に要する時間を短くすることができる。
また、実施形態では、第2圧力P2が0.1MPa以上であるとよい。第2圧力P2を0.1MPa以上に設定することにより、第2減圧処理をより早く開始することができる。したがって、全体の減圧時間をさらに短縮することができる。
さらに、実施形態では、第2圧力P2が0.5MPa以下であるとよい。第2圧力P2を0.5MPa以下に設定することにより、エジェクタ63に、高価な高圧仕様のエジェクタではなく、安価な通常仕様のエジェクタを用いることができる。したがって、低コストで基板処理システム1の乾燥処理を実施することができる。
さらに、上述の実施形態では、強制排気機構としてエジェクタ63を用いているが、エジェクタ以外の強制排気機構を用いて第2減圧処理を行ってもよい。たとえば、安価なポンプなどを強制排出機構として用いてもよい。
一方で、エジェクタには運動する部分がないため、ポンプに比べて壊れにくいことから、強制排気機構としてエジェクタを用いることにより、より安定して第2減圧処理を実施することができる。
また、上述の実施形態において、エジェクタ63を排出流路50bにおける分岐した排出流路に設けることにより、第1減圧処理などでエジェクタ63に高温・高圧の処理流体70を通流させることを抑制することができる。したがって、エジェクタ63が高温・高圧の処理流体70にさらされることにより悪影響を受けることを抑制することができる。
つづいて、図8Bを参照しながら、時間T6において大気圧に戻った乾燥処理ユニット17の第2減圧処理(ステップS106)を完了させる具体的な処理について説明する。図8Bは、実施形態に係る第2減圧処理における時間と処理容器内の圧力との関係の一例を示す図である。
制御部19は、圧力センサ53dで乾燥処理ユニット17内の圧力をモニタリングし、乾燥処理ユニット17内の圧力が大気圧になったタイミング(時間T6)でエジェクタ63の動作を停止させる。しかしながら、エジェクタ63の動作が完全に停止するまでには所定のタイムラグがあることから、時間T7まで乾燥処理ユニット17内の減圧が継続され、乾燥処理ユニット17内の圧力が大気圧より低い負圧状態となる。
ここで、実施形態では、エジェクタ63と直列に接続されるバルブ52hを、エジェクタ63を停止させたタイミング(時間T6)以降も、所定の時間開状態で維持する。すると、それまでに排気された処理流体70などが、バルブ52hおよびエジェクタ63が設置される排出流路50bから逆流し、図8Bに示すように、時間T8で乾燥処理ユニット17内の圧力が大気圧に戻る。
そこで、乾燥処理ユニット17内の圧力が大気圧に戻った時間T8で、バルブ52hを閉状態に変更することにより、大気圧に戻った乾燥処理ユニット17内を開放することができる。
すなわち、実施形態では、乾燥処理ユニット17内の圧力が大気圧まで減圧されたタイミング(時間T6)でエジェクタ63の動作を停止させるとともに、エジェクタ63の動作を停止させてから所定の時間(時間T6から時間T8まで)経過後にバルブ52hを閉める。これにより、エジェクタ63を動作させて乾燥処理ユニット17内を強制排気する場合に、乾燥処理ユニット17を円滑に開放することができる。ここで、かかる所定の時間は、たとえば、10秒程度である。
図9は、実施形態に係る基板処理システム1の乾燥処理における処理手順を示すフローチャートである。なお、図9に示す基板処理システム1の乾燥処理は、制御装置4の記憶部20に格納されているプログラムを制御部19が読み出すとともに、読み出した命令に基づいて制御部19が洗浄処理ユニット16や乾燥処理ユニット17などを制御することにより実行される。
まず、基板搬送装置18(図2参照)は、洗浄処理ユニット16にウェハWを搬入する。ウェハWは、パターンPが形成されたおもて面を上方に向けた状態でウェハ保持機構25(図3参照)に保持される。その後、制御部19は、洗浄処理ユニット16を制御して、ウェハWの洗浄処理を行う。
かかる洗浄処理は、たとえば、スピン洗浄により、最初にSC1液によるパーティクルや有機性の汚染物質の除去が行われ、次に、DIWによるリンス洗浄が行われる。その後、DHFによる自然酸化膜の除去が行われ、次に、DIWによるリンス洗浄が行われる。最後に、ウェハ保持機構25を回転させながら、ウェハWの表面および裏面にIPA液体71を所定の量供給し、ウェハWの両面に残存しているDIWと置換する。その後、ウェハ保持機構25の回転を緩やかに停止する。
洗浄処理の最後に供給され液盛りされるIPA液体71の量は、たとえば、洗浄処理ユニット16から乾燥処理ユニット17へのウェハWの搬送中や、乾燥処理ユニット17への搬入中に、ウェハW表面のIPA液体71が蒸発することによってパターンPにパターン倒れが発生することを防ぐのに十分な量である。
つづいて、基板搬送装置18は、液盛りされたウェハWを洗浄処理ユニット16から搬出し、乾燥処理ユニット17内に搬入する基板搬入処理を行う(ステップS101)。かかる基板搬入処理では、まず、IPA液体71が液盛りされたウェハWが保持板32(図4参照)に保持される。その後、保持板32と蓋部材33とが、液盛りされたウェハWとともに本体31の内部に収容され、蓋部材33により開口部34が密閉される。
なお、基板搬入処理の際には、図5に示したバルブ52a〜52hと、圧力調整バルブ59と、可変バルブ61a、61bとが、すべて閉状態に制御される。また、エジェクタ63は動作していない。
つづいて、乾燥処理ユニット17では、処理流体70を乾燥処理ユニット17内に導入する流体導入処理が行われる(ステップS102)。かかる流体導入処理では、制御部19が、バルブ52a、52c、52e、52fと、可変バルブ61aとを、閉状態から開状態に変更する。また、制御部19が圧力調整バルブ59の弁開度を制御し、乾燥処理ユニット17内の処理流体70の圧力が所定の第1圧力P1に到達するように調整する。なお、バルブ52b、52d、52g、52hは閉状態が維持され、エジェクタ63は引き続き動作していない。
流体導入処理において、乾燥処理ユニット17内では、ウェハW上のIPA液体71が超臨界状態の処理流体70に溶け込み始める。そして、超臨界状態の処理流体70とウェハW上のIPA液体71が混ざり始めると、混合流体70aではIPAとCOとが局所的に様々な比率となり、COの臨界圧力も局所的に様々な値となりうる。
しかしながら、実施形態に係る流体導入処理では、乾燥処理ユニット17内への処理流体70の供給圧力が、COの全ての臨界圧力より高い圧力(すなわち臨界圧力の最大値より高い圧力)になるように調整している。これにより、混合流体70aのIPA及びCOの比率に関わらず、乾燥処理ユニット17内の処理流体70は超臨界状態又は液体状態となり、気体状態にはならない。
なお、実施形態では、図8Aに示したように、流体導入処理において乾燥処理ユニット17内の圧力を一定の割合で上昇させているが、流体導入処理では乾燥処理ユニット17内の圧力を一定の割合で上昇させなくともよい。
つづいて、乾燥処理ユニット17では、処理流体70を乾燥処理ユニット17内で保持する保持処理が行われる(ステップS103)。かかる保持処理では、制御部19が、バルブ52c、52eを開状態から閉状態に変更し、乾燥処理ユニット17への処理流体70の導入および排出を停止する。なお、バルブ52a、52fと可変バルブ61aとは開状態が維持され、バルブ52b、52d、52g、52hは閉状態が維持される。また、圧力調整バルブ59は、乾燥処理ユニット17内の圧力が第1圧力P1となる所定の弁開度に維持され、エジェクタ63は引き続き動作していない。
かかる保持処理では、処理流体70が超臨界状態を維持できる程度に乾燥処理ユニット17内の圧力が保たれており、実施形態では第1圧力P1に保たれる。そして、ウェハWのパターンPの間の混合流体70aのIPA濃度およびCO濃度が所定の濃度になるまで、乾燥処理ユニット17内の状態が一定に保持される。
つづいて、乾燥処理ユニット17では、処理流体70を乾燥処理ユニット17内に流通させる流通処理が行われる(ステップS104)。かかる流通処理では、制御部19が、バルブ52b、52eを閉状態から開状態に変更し、乾燥処理ユニット17への処理流体70の導入および排出を再開させる。また、圧力調整バルブ59は、乾燥処理ユニット17内の処理流体70の圧力が第1圧力P1となる弁開度で維持され、バルブ52c、52d、52g、52hは閉状態が維持され、エジェクタ63は引き続き動作していない。
そして、かかる流通処理は、パターンP間のIPA液体71が処理流体70に置換され、乾燥処理ユニット17内に残留するIPA液体71が十分に低減した段階(たとえば、乾燥処理ユニット17内のIPA濃度が0%〜数%に達した段階)まで実施される。
なお、実施形態では、流通処理を所定の圧力(ここでは第1圧力P1)で一定になるように実施しているが、流通処理における処理流体70の圧力の推移はかかる場合に限られない。
たとえば、流通処理において処理流体70の昇圧処理と減圧処理とをくり返すことにより、パターンP間でのIPA液体71から処理流体70への置換を効果的に促すことができることから、乾燥処理を短時間で行うことができる。なお、かかる処理流体70の昇圧処理および減圧処理は、圧力センサ53dで乾燥処理ユニット17内の圧力を測定しながら、圧力調整バルブ59および可変バルブ61aの弁開度を適宜制御することにより実施することができる。
つづいて、乾燥処理ユニット17では、処理流体70を乾燥処理ユニット17内から排出し、乾燥処理ユニット17内を減圧する第1減圧処理が行われる(ステップS105)。かかる第1減圧処理では、制御部19が、バルブ52a、52bを開状態から閉状態に変更し、乾燥処理ユニット17への処理流体70の供給を停止する。
また、制御部19が圧力調整バルブ59および可変バルブ61aを全開状態に変更して保持する。なお、バルブ52e、52fは開状態が維持され、バルブ52c、52d、52g、52hは閉状態が維持され、エジェクタ63は引き続き動作していない。
そして、第1減圧処理は、乾燥処理ユニット17内の圧力が第1圧力P1から所定の第2圧力P2になるまで実施される。
つづいて、乾燥処理ユニット17では、処理流体70を乾燥処理ユニット17内から引き続き排出し、乾燥処理ユニット17内をさらに減圧する第2減圧処理が行われる(ステップS106)。かかる第2減圧処理では、制御部19が、バルブ52fを開状態から閉状態に変更する。また、制御部19がバルブ52hを閉状態から開状態に変更するとともに、エジェクタ63を動作させる。なお、その他のバルブは第1減圧処理の状態が維持される。
これにより、乾燥処理ユニット17内の処理流体70がエジェクタ63により強制排気される。そして、制御部19が、乾燥処理ユニット17内の圧力が大気圧になったタイミングで、エジェクタ63の動作を停止させる。さらに、エジェクタ63の動作を停止させてから所定の時間(たとえば、10秒程度)経過後、制御部19がバルブ52hを開状態から閉状態に変更して、第2減圧処理が終了する。
かかる第2減圧処理が終了すると、乾燥処理ユニット17での乾燥処理が完了する。
<変形例>
つづいて、図10Aおよび図10Bを参照しながら、実施形態の変形例について説明する。図10Aは、実施形態の変形例に係る乾燥処理全体における時間と処理容器内の圧力との関係の一例を示す図である。
変形例に係る基板処理システム1の乾燥処理では、実施形態と同様に、基板搬入処理(ステップS201)と、流体導入処理(ステップS202)と、保持処理(ステップS203)と、流通処理(ステップS204)とが順に行われる。これらの処理については説明を省略する。
流通処理につづいて、乾燥処理ユニット17では、時間T4から時間T5にかけて、乾燥処理ユニット17内の圧力を第1圧力P1から第3圧力P3まで減圧する第1減圧処理(ステップS205)が行われる。ここで、第3圧力P3は、第1圧力P1より低く、COの臨界圧力Pより高い圧力であり、たとえば、8MPa程度である。したがって、第1減圧処理において、乾燥処理ユニット17の内部は超臨界状態に維持される。
図10Bは、実施形態の変形例に係る第1減圧処理および等速減圧処理での時間と可変バルブ61aの弁開度との関係の一例を示す図である。第1減圧処理(ステップS205)において、図10Bに示すように、排出流路50bにおける可変バルブ61aの弁開度は、所定の弁開度V1で一定である。なお、第1減圧処理以降において、圧力調整バルブ59はたとえば全開状態に制御され、維持される。
ここで、可変バルブ61aの弁開度V1は、従来の排出流路に用いられていたオリフィスの弁開度より大きい。したがって、変形例によれば、乾燥処理ユニット17の減圧時間を短縮することができる。
第1減圧処理につづいて、図10Aに示すように、乾燥処理ユニット17では、時間T5から時間T6にかけて、乾燥処理ユニット17内の圧力を第3圧力P3から第2圧力P2まで減圧する等速減圧処理(ステップS206)が行われる。ここで、第2圧力P2は、第3圧力P3および処理流体70の臨界圧力Pより低く、大気圧より高い圧力である。したがって、かかる等速減圧処理において、乾燥処理ユニット17内の処理流体70は超臨界状態から気体状態に相変化する(図7(d)参照)。
ここで、等速減圧処理では、可変バルブ61aの弁開度を制御することにより、図10Aに示すように、第3圧力P3から第2圧力P2まで等しい減圧速度となるように、乾燥処理ユニット17の内部を減圧する。具体的には、乾燥処理ユニット17内の圧力を圧力センサ53dで測定しながら、図10Bに示すように、可変バルブ61aの弁開度を弁開度V1から弁開度V2に徐々に減少させ、その後、弁開度V3まで徐々に増加させるように制御部19で制御することにより、等しい減圧速度で減圧することができる。
ここで仮に、従来のオリフィスより弁開度が大きい一定の弁開度V1のまま、第1圧力P1から臨界圧力P以下になるまで減圧した場合、乾燥処理ユニット17内の温度が下がり、乾燥処理ユニット17内の処理流体70が超臨界状態から気体状態に急激に相変化する。これにより、乾燥処理ユニット17内の処理流体70の状態が不安定になる恐れがある。
そして、乾燥処理ユニット17内における処理流体70の状態が不安定になった場合、乾燥処理ユニット17の内部にパーティクルが発生したり、ウェハWのパターンPが倒れたりするなどの不具合が生じる恐れがある。
しかしながら、変形例では、等速減圧処理において等しい減圧速度となるように乾燥処理ユニット17の内部を減圧する。これにより、乾燥処理ユニット17が臨界圧力P以下になる際に、乾燥処理ユニット17内の処理流体70の状態を安定に維持することができる。したがって、変形例によれば、乾燥処理ユニット17内部でのパーティクルの発生や、ウェハWのパターンP倒れなどを抑制することができる。
すなわち、変形例では、乾燥処理ユニット17内の処理流体70を安定に維持したまま、乾燥処理ユニット17の減圧時間をさらに短縮することができる。したがって、変形例によれば、超臨界状態の処理流体70を用いた乾燥方法において、乾燥処理全体に要する時間をさらに短くすることができる。
なお、等速減圧処理における減圧速度は、乾燥処理ユニット17内の処理流体70の状態を安定に維持することができる減圧速度であり、たとえば、0.6MPa/s程度である。
等速減圧処理につづいて、乾燥処理ユニット17では、時間T6から時間T7にかけて、乾燥処理ユニット17内の圧力を第2圧力P2から大気圧まで減圧する第2減圧処理(ステップS207)が行われる。かかる第2減圧処理では、上述の実施形態と同様に、エジェクタ63を動作させて、乾燥処理ユニット17内の処理流体70を強制排気する。これにより、乾燥処理ユニット17の減圧時間を短縮することができる。
そして、第2減圧処理が終了する時間T7において、乾燥処理ユニット17の内部が大気圧に戻り、超臨界状態の処理流体70によるウェハWの乾燥処理が完了する。
ここまで示したように、変形例における乾燥処理では、乾燥処理ユニット17内の第1減圧処理および等速減圧処理において、排出流路50bに設けられる可変バルブ61aの弁開度を、第1圧力P1から第3圧力P3までは大きくし、第3圧力P3から徐々に小さくし、その後、第2圧力P2になるまで徐々に大きくするように制御している(図10B参照)。これにより、乾燥処理ユニット17内のCOを安定に維持したまま、乾燥処理ユニット17の減圧時間をさらに短縮することができる。
また、変形例では、可変バルブ61aを用いて等速減圧処理を実施している。これにより、弁開度を細かく制御しながら減圧することができることから、等しい減圧速度を安定して実現することができる。したがって、変形例によれば、可変バルブ61aを用いることにより、乾燥処理ユニット17内部でのパーティクルの発生や、ウェハWのパターンP倒れなどを効果的に抑制することができる。
一方で、必ずしも可変バルブを用いて等速減圧処理を実施しなくともよい。たとえば、排出流路50bの一部を複数並列となるように形成し、かかる複数並列の排出流路50bのそれぞれに開閉制御のみが可能なバルブを複数設けて、かかる複数のバルブを所定の組み合わせで開閉することにより弁開度を適宜調整してもよい。なお、この場合においても、弁開度を弁開度V1から徐々に減少させ、その後段階的に増加させればよい。
さらに、変形例では、図10Bに示したように、等速減圧処理において可変バルブ61aの弁開度を徐々に小さくし、その後、徐々に大きくさせているが、等速減圧処理では可変バルブ61aの弁開度を一定の割合で減少させてもよく、乾燥処理ユニット17内の圧力が等しい減圧速度となるように制御すればよい。
図11は、実施形態の変形例に係る基板処理システム1の乾燥処理における処理手順を示すフローチャートである。変形例に係る基板処理システム1の乾燥処理では、実施形態と同様に、基板搬入処理(ステップS201)と、流体導入処理(ステップS202)と、保持処理(ステップS203)と、流通処理(ステップS204)とが順に行われる。これらの処理については説明を省略する。
つづいて、乾燥処理ユニット17では、処理流体70を乾燥処理ユニット17内から排出し、乾燥処理ユニット17内を減圧する第1減圧処理が行われる(ステップS205)。かかる第1減圧処理では、制御部19が、バルブ52a、52bを開状態から閉状態に変更し、乾燥処理ユニット17への処理流体70の供給を停止する。
また、制御部19が圧力調整バルブ59および可変バルブ61aを全開状態に変更して保持する。なお、バルブ52e、52fは開状態が維持され、バルブ52c、52d、52g、52hは閉状態が維持され、エジェクタ63は引き続き動作していない。
そして、第1減圧処理は、乾燥処理ユニット17内の圧力が第1圧力P1から所定の第3圧力P3になるまで実施される。
つづいて、乾燥処理ユニット17では、処理流体70を乾燥処理ユニット17内から引き続き排出し、乾燥処理ユニット17内をさらに減圧する等速減圧処理が行われる(ステップS206)。かかる等速減圧処理では、バルブ52a〜52hと圧力調整バルブ59との開閉状態が、第1減圧処理における開閉状態のまま維持され、エジェクタ63は引き続き動作していない。
一方で、乾燥処理ユニット17内の圧力が等しい減圧速度になるよう、制御部19が可変バルブ61aの弁開度を調整する。たとえば、図10Bに示すように、制御部19は、可変バルブ61aの弁開度が弁開度V1から弁開度V2まで徐々に減少させ、その後、弁開度V3まで徐々に増加するように変化させる。
そして、等速減圧処理は、乾燥処理ユニット17内の圧力が第3圧力P3から所定の第2圧力P2になるまで実施される。
つづいて、乾燥処理ユニット17では、処理流体70を乾燥処理ユニット17内から引き続き排出し、乾燥処理ユニット17内をさらに減圧する第2減圧処理が行われる(ステップS207)。かかる第2減圧処理では、制御部19が、バルブ52fを開状態から閉状態に変更する。また、制御部19がバルブ52hを閉状態から開状態に変更するとともに、エジェクタ63を動作させる。なお、その他のバルブは等速減圧処理の状態が維持される。
これにより、乾燥処理ユニット17内の処理流体70がエジェクタ63により強制排気される。そして、制御部19が、乾燥処理ユニット17内の圧力が大気圧になったタイミングで、エジェクタ63の動作を停止させる。さらに、エジェクタ63の動作を停止させてから所定の時間(たとえば、10秒程度)経過後、制御部19がバルブ52hを開状態から閉状態に変更して、第2減圧処理が終了する。
かかる第2減圧処理が終了すると、乾燥処理ユニット17での乾燥処理が完了する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。たとえば、上述の変形例では、等速減圧処理につづけてすぐに第2減圧処理を行っていたが、等速減圧処理と第2減圧処理との間に、可変バルブ61aによる等速減圧やエジェクタ63による強制排気ではない通常の減圧処理を挟んで行ってもよい。
実施形態に係る基板処理装置は、超臨界状態の処理流体70を用いて基板(ウェハW)を乾燥させる乾燥処理が行われる基板処理装置であって、乾燥処理が行われる処理容器(乾燥処理ユニット17)と、処理容器(乾燥処理ユニット17)内から処理流体70を排出する排出流路50bに設けられ、処理容器(乾燥処理ユニット17)内を強制排気して減圧する強制排気機構(エジェクタ63)と、強制排気機構(エジェクタ63)を制御する制御部19と、を備える。そして、制御部19は、処理容器(乾燥処理ユニット17)内を処理流体70が超臨界状態である第1圧力P1から、第1圧力P1より低い第2圧力P2を経て、大気圧まで減圧する場合において、第1圧力P1から第2圧力P2までは強制排気機構(エジェクタ63)を動作させず、第2圧力P2から大気圧まで強制排気機構(エジェクタ63)を動作させる。これにより、超臨界状態の処理流体70を用いた乾燥方法において、乾燥処理全体に要する時間を短くすることができる。
また、実施形態に係る基板処理装置において、強制排気機構は、排出流路50bに設けられ、排出流路50bとは異なる流路64に流体を通流させ、異なる流路64の流体の流れを利用するエジェクタ63である。これにより、より安定して第2減圧処理を実施することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置において、第2圧力P2は、0.1MPa以上0.5MPa以下である。これにより、全体の減圧時間をさらに短縮することができるとともに、低コストで基板処理システム1の乾燥処理を実施することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置は、排出流路50bにおいて強制排気機構(エジェクタ63)と直列に設けられ、制御部19により制御可能であるバルブ52hをさらに備える。そして、制御部19は、処理容器(乾燥処理ユニット17)内が大気圧になるタイミングで強制排気機構(エジェクタ63)の動作を停止させ、強制排気機構(エジェクタ63)の動作を停止させてから所定の時間経過後、バルブ52hを閉める。これにより、乾燥処理ユニット17を円滑に開放することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置は、排出流路50bに設けられ、制御部19により制御可能である可変バルブ61aをさらに備える。そして、制御部19は、第1圧力P1より低く第2圧力P2より高い第3圧力P3から、第2圧力P2まで等しい減圧速度となるように可変バルブ61aの弁開度を制御する。これにより、超臨界状態の処理流体70を用いた乾燥方法において、乾燥処理全体に要する時間をさらに短くすることができる。
また、実施形態に係る基板処理装置において、処理流体70は、第3圧力P3では超臨界状態であり、第2圧力P2では気体状態である。これにより、乾燥処理ユニット17内部でのパーティクルの発生や、ウェハWのパターンP倒れなどを抑制することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置において、強制排気機構(エジェクタ63)は、排出流路50bから分岐した排出流路に設けられる。これにより、エジェクタ63が高温・高圧の処理流体70にさらされることによって悪影響を受けることを抑制することができる。
また、実施形態に係る基板処理方法は、超臨界状態の処理流体70を用いて処理容器(乾燥処理ユニット17)内で基板(ウェハW)を乾燥させる乾燥処理が行われる基板処理方法であって、処理容器(乾燥処理ユニット17)内を処理流体70が超臨界状態である第1圧力P1から、第1圧力P1より低い第2圧力P2まで減圧する第1減圧工程(ステップS4、S105、S205)と、第2圧力P2から大気圧まで処理容器(乾燥処理ユニット17)内を減圧する第2減圧工程(ステップS5、S106、S207)と、を含む。そして、第2減圧工程(ステップS5、S106、S207)は、処理容器(乾燥処理ユニット17)の排出流路50bに設けられ、処理容器(乾燥処理ユニット17)内を強制排気して減圧する強制排気機構(エジェクタ63)を動作させて行う。これにより、超臨界状態の処理流体70を用いた乾燥方法において、乾燥処理全体に要する時間を短くすることができる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、強制排気機構は、排出流路50bに設けられ、排出流路50bとは異なる流路64に流体を通流させ、異なる流路64の流体の流れを利用するエジェクタ63である。これにより、より安定して第2減圧処理を実施することができる。
実施形態に係る基板処理装置においては、強制排出機構として、安価な通常仕様のエジェクタを用いたが、これに限ることはなく、安価なポンプなどの強制排出機構を用いても良い。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
W ウェハ
1 基板処理システム
4 制御装置
16 洗浄処理ユニット
17 乾燥処理ユニット
19 制御部
50b 排出流路
61a 可変バルブ
63 エジェクタ(強制排気機構)
64 流路
70 処理流体
71 IPA液体
P1 第1圧力
P2 第2圧力
P3 第3圧力

Claims (8)

  1. 超臨界状態の処理流体を用いて基板を乾燥させる乾燥処理が行われる基板処理装置であって、
    前記乾燥処理が行われる処理容器と、
    前記処理容器内から前記処理流体を排出する排出流路に設けられ、前記処理容器内を強制排気して減圧する強制排気機構と、
    前記強制排気機構を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記処理容器内を前記処理流体が超臨界状態である第1圧力から、前記第1圧力より低い第2圧力を経て、大気圧まで減圧する場合において、前記第1圧力から前記第2圧力までは前記強制排気機構を動作させず、前記第2圧力から大気圧まで前記強制排気機構を動作させ
    前記第2圧力は、
    0.1MPa以上0.5MPa以下である
    基板処理装置。
  2. 前記強制排気機構は、
    前記排出流路に設けられ、前記排出流路とは異なる流路に流体を通流させ、前記異なる流路の前記流体の流れを利用するエジェクタである、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記排出流路において前記強制排気機構と直列に設けられ、前記制御部により制御可能であるバルブをさらに備え、
    前記制御部は、
    前記処理容器内が大気圧になるタイミングで前記強制排気機構の動作を停止させ、
    前記強制排気機構の動作を停止させてから所定の時間経過後、前記バルブを閉める
    請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記排出流路に設けられ、前記制御部により制御可能である可変バルブをさらに備え、
    前記制御部は、
    前記第1圧力より低く前記第2圧力より高い第3圧力から、前記第2圧力まで等しい減圧速度となるように前記可変バルブの弁開度を制御する
    請求項1〜のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  5. 前記処理流体は、
    前記第3圧力では超臨界状態であり、
    前記第2圧力では気体状態である
    請求項に記載の基板処理装置。
  6. 前記強制排気機構は、
    前記排出流路から分岐した排出流路に設けられる
    請求項1〜のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  7. 超臨界状態の処理流体を用いて処理容器内で基板を乾燥させる乾燥処理が行われる基板処理方法であって、
    前記処理容器内を前記処理流体が超臨界状態である第1圧力から、前記第1圧力より低い第2圧力まで減圧する第1減圧工程と、
    前記第2圧力から大気圧まで前記処理容器内を減圧する第2減圧工程と、
    を含み、
    前記第2減圧工程は、
    前記処理容器の排出流路に設けられ、前記処理容器内を強制排気して減圧する強制排気機構を動作させて行い、
    前記第2圧力は、
    0.1MPa以上0.5MPa以下である
    基板処理方法。
  8. 前記強制排気機構は、
    前記排出流路に設けられ、前記排出流路とは異なる流路に流体を通流させ、前記異なる流路の前記流体の流れを利用するエジェクタである
    請求項に記載の基板処理方法。
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