以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態)を、図面に基づいて説明する。なお、図面において同一又は対応する構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略することがある。
[1.ゲームシステムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るゲームシステム1の全体構成を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、端末10及びサーバ30(ゲーム制御装置の一例)と、を含む。端末10及びサーバ30は、ネットワークNに接続される。このため、端末10及びサーバ30の間で相互にデータ通信が可能である。
端末10は、ユーザが操作するコンピュータである。本実施形態では、端末10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。例えば、端末10は、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型コンピュータを含む)、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯用ゲーム機、店舗等に設置される業務用ゲーム機、デスクトップ型コンピュータ、又はラップトップ型コンピュータによって実現される。図1に示すように、端末10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、及び表示部15を含む。
制御部11は、例えば、少なくとも一つのマイクロプロセッサ等を含む。制御部11は、オペレーティングシステムやその他のプログラムに従って処理を実行する。記憶部12は、主記憶部(例えば、RAM)及び補助記憶部(例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブ)等を含む。記憶部12は、プログラムやデータを記憶するためのものである。通信部13は、ネットワークインタフェース等を含む。通信部13は、ネットワークNを介してデータ通信を行う。
入力部14は、例えば、タッチパネルやボタン等の入力デバイスを含む。入力部14は、ユーザが音声又はジェスチャによって入力操作を行うためのものであってもよい。表示部15は、例えば、液晶表示パネル又は有機ELディスプレイ等である。表示部15は、制御部11の指示に従って画像を表示する。なお、入力部14及び表示部15は、端末10に内蔵されていなくてもよく、端末10に接続された外部装置として設けられてもよい。
サーバ30は、サーバコンピュータである。図1に示すように、サーバ30は、制御部31、記憶部32、及び通信部33を含む。制御部31、記憶部32、及び通信部33のハードウェア構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様である。
なお、記憶部12又は記憶部32に記憶されるものとして説明するプログラムやデータは、例えば、ネットワークNを介して端末10又はサーバ30に供給されるようにしてもよい。また、端末10又はサーバ30は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(例えば、光ディスク又はメモリカード等)に記憶されたプログラム又はデータを読み取るための構成要素(例えば、光ディスクドライブ又はメモリカードスロット等)を含むようにしてもよい。そして、情報記憶媒体を介して端末10又はサーバ30にプログラムやデータが供給されるようにしてもよい。
[2.ゲームシステムにおいて実行されるゲームの概要]
ゲームシステム1は、第1オブジェクトを第2オブジェクトに基づいて選出するゲームを実行する。「オブジェクト」とは、ゲームにおいて使用(操作)され得る対象やゲームにおいて選択され得る対象である。例えば、「オブジェクト」は、ゲームにおいてユーザに付与されるものである。また例えば、「オブジェクト」は、ユーザによる収集の対象となるものである。具体的には、例えば、ゲームカード、ゲームキャラクタ、ゲームアイテム等が「オブジェクト」の一例に相当する。なお、本実施形態では、「オブジェクト」は、ユーザが選択する対象も含む意味であるので、後述の変形例で詳細を説明するように、表示部15に表示される選択肢やボタン等も「オブジェクト」の一例に含まれ得ることになる。本実施形態では、サッカーゲームを例に挙げて説明し、選手キャラクタが第1オブジェクトであり、選手キャラクタを勧誘するスカウトが第2オブジェクトである場合を説明する。ユーザが端末10を操作してゲームが起動すると、メニュー画像が表示部15に表示される。
図2は、メニュー画像の一例を示す図である。図2に示すように、メニュー画像G100には、指示対象P100〜P107が表示される。「指示対象」は、処理が関連づけられた画像、記号又はテキスト等である。指示対象P100には、ユーザが所有する複数の選手キャラクタを含むユーザチームと、コンピュータにより制御される対戦相手チームと、の試合をするための処理が関連付けられている。ユーザが指示対象P100を選択すると、試合に出場する選手キャラクタやユーザチームの戦術などをユーザが指定した後に、試合が開始する。試合自体は、公知の種々の処理で実行されるようにすればよく、例えば、ユーザが選手キャラクタを操作するようにしてもよいし、ユーザチームの選手キャラクタが全てコンピュータの制御により行動するようにしてもよい。試合が終了すると、ユーザが獲得する報酬を示す試合報酬画像が表示部15に表示される。
図3は、試合報酬画像の一例を示す図である。図3に示すように、試合報酬画像G101には、ユーザが獲得した報酬が表示される。報酬としては、ゲームアイテムやゲーム内通貨であってよいが、本実施形態では、スカウトが報酬として与えられる。詳細は後述するが、スカウトの種類によって、獲得可能な選手キャラクタが異なるようになっている。例えば、図3に示す例では、24歳以下の選手キャラクタを獲得可能なスカウトが報酬として与えられている。報酬として与えられるスカウトは、試合結果に応じて異なってもよいし、試合結果に関係なくランダムに決まってもよい。なお、ユーザが指示対象P108を選択すると、メニュー画像G100に戻る。
メニュー画像G100の指示対象P101には、ユーザチームの監督キャラクタを変更したり、フォーメーションや試合に出場する選手キャラクタを変更したりするための処理が関連付けられている。なお、監督キャラクタは、ユーザチームのフォーメーションなどを決めるために用いられる。指示対象P102には、ユーザチームの選手キャラクタに関する情報を表示するための処理が関連付けられている。ユーザチームの選手キャラクタとは、ユーザが獲得した選手キャラクタである。指示対象P103には、ユーザが選手キャラクタを獲得するための処理が関連付けられている。指示対象P104には、ユーザチームの選手キャラクタを育成するための処理が関連付けられている。指示対象P105には、ユーザチームの戦術等を決定するための処理が関連付けられている。指示対象P106には、ゲームアイテム等を購入するための処理が関連付けられている。指示対象P107には、管理者や他のユーザからのプレゼント等を受け取るための処理が関連付けられている。
本実施形態では、ユーザが指示対象P103を選択すると、試合で獲得したスカウトを用いて選手キャラクタを獲得することができる。ユーザが指示対象P103を選択すると、選手キャラクタなどを獲得するための契約画像が表示部15に表示される。
図4は、契約画像の一例を示す図である。図4に示すように、契約画像G102には、指示対象P109〜P113が表示される。指示対象P109〜P112には、ユーザが選手キャラクタを獲得するための処理が関連付けられており、指示対象P113には、ユーザが監督キャラクタを獲得するための処理が関連付けられている。ここでは、指示対象P109に、スカウトを用いて選手キャラクタを獲得するための処理が関連付けられているので、ユーザが指示対象P109を選択した場合の処理を説明する。ユーザが指示対象P109を選択すると、スカウトを選択するためのスカウトリスト画像が表示部15に表示される。
図5は、スカウトリスト画像の一例を示す図である。図5に示すように、スカウトリスト画像G103には、ユーザが所有するスカウトのリストL100と、スカウトを選択するためのチェックボックスB100〜B104と、ユーザが選択したスカウトのリストL101と、が表示される。
リストL100には、ユーザが試合をすることで獲得したスカウトが表示される。リストL100に表示可能なスカウトの最大数(図5では5体)以上のスカウトをユーザが所有している場合は、リストL100はスクロール可能な状態になり、ユーザが所有する全てのスカウトの中から選択可能になる。なお、スカウトリスト画像G103では、1体だけスカウトを選択できるようにしてもよいし、複数体のスカウトを選択できるようにしてもよい。本実施形態では、ユーザが3体のスカウトを選択する場合を説明する。
本実施形態には、ユーザが所有する各スカウトには、グレード(レベル)が設定されている。例えば、グレードは、所望の選手キャラクタを獲得する確率に影響する。例えば、「1」〜「5」の5段階のグレードがあり、何れかのグレードが各スカウトに設定される。グレードが高いほど、所望の選手キャラクタを獲得する確率が高くなり、グレードが低いほど、所望の選手キャラクタを獲得する確率が低くなる。図5の画像例では、各スカウトのグレードは、リストL100に表示された星の数で示されている。例えば、チェックボックスB100〜B104で選択可能なスカウトのグレードは、それぞれ順番に「5」、「5」、「3」、「1」、「2」である。
また、リストL100に示すように、各スカウトには、カテゴリ別に得意分野が設定されている。カテゴリは得意分野を分類するものであり、得意分野は、獲得可能な選手キャラクタの属性を示す。ここでの「属性」とは、選手キャラクタの種別・特徴・性質などを表すものである。属性は、数値や文字などの属性値で示される。属性も得意分野と同じようにカテゴリに分類されるものである。例えば、カテゴリとしては、選手キャラクタの「希少度」・「所属リーグ」・「国籍・地域」・「ポジション」・「年齢」・「アビリティ」・「利き足」・「プレイスタイル」等である。
「希少度」は、選手キャラクタの稀少の程度の高低を示すものである。選手キャラクタには、複数段階の「希少度」のうちの何れかが設定される。本実施形態では、希少度は、数値ではなく色で示されるものとする。この場合、希少度と色の種類とが関連付けられている。例えば、希少度が5段階存在し、「ホワイト」、「ブロンズ」、「シルバー」、「ゴールド」、「ブラック」の順番に希少度が高くなる。「所属リーグ」は、世界各国の複数のサッカーリーグのうち選手キャラクタが属するサッカーリーグを示すものである。「国籍・地域」は、複数の国籍又は地域のうち選手キャラクタが属する国籍又は地域を示すものである。「ポジション」は、ゲームにおける役割を示すものである。選手キャラクタには、サッカーにおける複数のポジションの何れかが設定される。「年齢」は、選手キャラクタの現在の年齢を示すものである。「アビリティ」は、選手キャラクタの能力(技能)を示すものである。「アビリティ」を備える選手キャラクタには複数種類の能力のうちの何れかが設定される。「利き足」は、選手キャラクタの利き足を示すものである。選手キャラクタには、右足又は左足の何れかが設定される。「プレイスタイル」は、選手キャラクタのプレイスタイルを示すものである。「プレイスタイル」を備える選手キャラクタには、複数のプレイスタイルの何れかが設定される。なお、現実世界のサッカー選手を模した選手キャラクタが用いられる場合は、そのサッカー選手の現実世界における国籍又は地域・所属チーム・年齢・ポジションが割り当てられる。能力値やスキルなども、現実世界のサッカー選手の能力などに準じたものが適宜割り当てられることになる。
例えば、チェックボックスB100で選択可能なスカウトは、「国籍・地域」が「ヨーロッパ」の選手キャラクタを獲得可能であり、グレードが最高の「5」なので、その選手キャラクタを獲得する確率は、全グレードの中で最も高い。チェックボックスB101で選択可能なスカウトは、「国籍・地域」が「アフリカ」の選手キャラクタを獲得可能であり、グレードが最高の「5」なので、その選手キャラクタを獲得する確率は、全グレードの中で最も高い。チェックボックスB102で選択可能なスカウトは、「国籍・地域」が「アジア」の選手キャラクタを獲得可能であり、グレードが「3」なので、その選手キャラクタを獲得する確率は、全グレードの中で中程度である。チェックボックスB103で選択可能なスカウトは、「ポジション」が「センターフォワード」の選手キャラクタを獲得可能であり、グレードが最低の「1」なので、その選手キャラクタを獲得する確率は全グレードの中で最も低い。チェックボックスB104で選択可能なスカウトは、「ポジション」が「ゴールキーパー」の選手キャラクタを獲得可能であり、グレードが「2」なので、その選手キャラクタを獲得する確率は全グレードの中でやや低い。ユーザは、スカウトのグレードに応じた確率を考慮しながら、欲しい選手キャラクタの属性とスカウトの得意分野とが一致するように、リストL100の中からスカウトを選択することになる。
図6は、ユーザがスカウトを選択した場合のスカウトリスト画像の一例を示す図である。例えば、ユーザがチェックボックスB100を選択すると、図6に示すように、チェックボックスB100と並んで表示されたスカウトがリストL101に表示され、このスカウトが選択された状態となる。リストL101には、ユーザが選択したスカウトのグレードに基づいて定まる交渉力が星の数で示される。交渉力は、ユーザが選択したスカウトの得意分野と一致する属性の選手キャラクタを獲得する確率を示すものであり、ここでは、ユーザが選択したスカウトのグレードの平均値によって定まる。図6では、グレードが「5」のスカウトが1体だけ選択された状態なので、このスカウトのグレードがそのまま交渉力となるので、5つの星がリストL101に表示されている。
なお、本実施形態では、ユーザが既に選択したスカウトと同じカテゴリを得意分野とするスカウトは選択できないようになっている。図6の画像例では、ユーザがカテゴリ「国籍・地域」のスカウトを選択しているので、リストL100のうち、「国籍・地域」のカテゴリを得意分野とするスカウトを示す領域がグレーアウトし、チェックボックスB101,B102が選択できなくなっている。このため、ユーザは、「国籍・地域」以外のカテゴリを得意分野とするスカウトを、あと2体選択することができる。
図7は、ユーザがスカウトを3体選択した場合のスカウトリスト画像の一例を示す図である。図7に示すように、ユーザが選択した3体のスカウトがリストL101に表示されている。図7の例では、得意分野が「国籍・地域」の「ヨーロッパ」でありグレードが「5」のスカウトと、得意分野が「効き足」の「右足」でありグレードが「1」のスカウトと、得意分野が「プレイスタイル」の「追い込みエリア・サイド」でありグレードが「1」のスカウトと、の合計3体が選択されている。
例えば、これら3体のスカウトの交渉力は、これらの平均グレードの小数点以下を切り捨てたものとする。このため、図7の場合の交渉力は「2」となり、リストL101に表示される星の数は「2」となる。なお、平均グレードの小数点以下を切り捨てるのではなく、小数点以下を切り上げてもよいし、小数点以下を四捨五入してもよい。他にも例えば、平均グレードの所定桁数だけの小数点をそのまま残してもよい。
指示対象P114には、次の画像へ移行する処理が関連付けられており、指示対象P115には、契約画像G102に戻る処理が関連付けられている。ユーザが3体のスカウトを選択したうえで指示対象P114を選択すると、所望の選手キャラクタを獲得する確率を確認するための確認画像が表示部15に表示される。
図8は、確認画像の一例を示す図である。図8に示すように、確認画像G104には、ユーザが選択した各スカウトの得意分野と属性が一致する選手キャラクタを獲得する確率が表示される。ここでは、3体のスカウトが選択されているため、3つの得意分野の全てに一致する(図8では、条件完全一致と記載する。)確率である「20.00%」と、1つ又は2つの得意分野に一致する(図8では、条件部分一致と記載する。)確率「80.00%」と、が確認画像G104に表示される。
条件完全一致の確率は、ユーザが選択したスカウトの交渉力に基づいて決まる。交渉力が高いほど条件完全一致の確率が高くなり、交渉力が低いほど条件完全一致の確率が低くなる。例えば、「交渉力*10%」の確率が条件完全一致の確率となる。ここでは、3体のスカウトの交渉力が「2」なので、条件完全一致の確率は、「20.00」%となっている。なお、本実施形態では、ユーザが選択した各スカウトの得意分野と1つ以上一致する選手キャラクタが必ず獲得可能になっている。このため、条件完全一致の確率と、条件部分一致の確率と、の合計値は100%となる。
指示対象P116には、次の画像へ移行する処理が関連付けられており、指示対象P115には、スカウトリスト画像G103に戻る処理が関連付けられている。ユーザが指示対象P116を選択すると、ユーザが選択した3体のスカウトを消費することによって、確認画像G104に表示された確率に基づいて獲得する選手キャラクタが決定され、その選手キャラクタを示す獲得画像が表示部15に表示される。
図9は、獲得画像の一例を示す図である。図9に示すように、獲得画像G105には、ユーザが獲得した選手キャラクタが表示される。例えば、図9に示す選手キャラクタは、「国籍・地域」が「ヨーロッパ」に含まれる「フランス」であり、「利き足」が「右足」であるが、「プレイスタイル」は特に設定されていない。このため、ユーザが選択した3体のスカウトの得意練習のうちの2つと一致した選手キャラクタを獲得したことになる。別の言い方をすれば、条件完全一致の確率が「20.00%」のもとで選手キャラクタの抽選が実行された結果、条件完全一致の選手キャラクタは外れてしまったが、2つの条件(得意分野)と一致した選手キャラクタが当選したことになる。なお、図9に示すように、獲得画像G105には、他にも、選手キャラクタの希少度・レベル・ポジション・能力値・年齢・身長などが表示される。本実施形態では、選手キャラクタの希少度は、数値ではなく色で示されるので、レベルの左隣に表示されるボール画像の色により希少度が示されるようにしてよい。
先述したように、条件完全一致の確率は、ユーザが選択した3体のスカウトの交渉力に基づいて決まるので、ユーザが別の組み合わせとなるようにスカウトを選択すると、条件完全一致の確率は変化する。
図10は、図7と異なる組み合わせのスカウトを選択した場合のスカウトリスト画像G103の一例を示す図である。図10の例では、ユーザが、グレードが「1」のスカウトを2体選択し、グレードが「2」のスカウトを1体選択した場合を示している。先述のように、本実施形態では、平均グレードの小数点以下を切り捨てて交渉力とするので、リストL101に示すように、これら3体の交渉力は「1」となる。
図11は、スカウトの交渉力が「1」の場合の確認画像G104の一例を示す図である。図11に示すように、交渉力が「1」である場合の条件完全一致の確率は、交渉力が「2」である場合よりも低い「10.00%」となっている。なお、先述のように、条件完全一致の確率と、条件部分一致の確率と、の合計値は100%となるので、図11では条件部分一致の確率は「90.00%」となっている。
上記のように、ゲームシステム1では、スカウトの交渉力によって変化する条件完全一致の確率と条件部分一致の確率とが、確認画像G104において表示されることによって、所望の選手キャラクタが選出される可能性を考慮してユーザが複数のスカウトを選択することが可能になっている。以降、この処理の詳細について説明する。
[3.ゲームシステムにおいて実現される機能]
図12は、ゲームシステム1で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。
[3−1.サーバにおいて実現される機能]
まず、サーバ30において実現される機能について説明する。本実施形態では、ゲームシステム1の主要な機能がサーバ30で実現される場合を説明する。このため、データ記憶部300、選択受付部310、制限部320、通知部330、及び選出部340が、サーバ30で実現される。
[3−1−1.データ記憶部]
データ記憶部300は、記憶部32を主として実現される。データ記憶部300は、ゲームを実行するのに必要な各種データを記憶する。ここでは、データ記憶部300が記憶するデータの一例として、選手マスタ情報テーブルTBL100、得意分野情報テーブルTBL101、スカウトマスタ情報テーブルTBL102、所有選手情報テーブルTBL103、及び所有スカウト情報テーブルTBL104について説明する。
図13は、選手マスタ情報テーブルTBL100の一例を示す図である。図13に示すように、選手マスタ情報テーブルTBL100は、選手キャラクタの基本情報を格納するデータテーブルである。例えば、選手マスタ情報テーブルTBL100には、選手キャラクタを一意に識別する「選手ID」と関連付けて、選手キャラクタの「名称」・「総合値初期値」・「希少度」・「所属リーグ」・「国籍・地域」・「ポジション」・「年齢」・「能力値初期値」・「利き足」・「プレイスタイル」等の情報が記憶される。本実施形態では、「選手ID」と関連付けられているこれらの情報が、選手キャラクタの属性に相当し、これらの情報が示す値は属性値に相当する。
総合値は、複数の能力値の高さを総合的に1つの数値で示したものである。総合値は、能力値の値を所定の数式に代入することで計算されている。能力値は、複数項目からなり、図13の例では「パス」・「シュート」・「フィジカル」・「ディフェンス」・「スピード」・「ドリブル」・「アビリティ」の7つの項目からなる。「パス」・「シュート」・「フィジカル」・「ディフェンス」・「スピード」・「ドリブル」の数値は、それぞれの能力の高さを示し、例えば、数値が高いほど能力が高いことを示すようにしてもよい。「アビリティ」は、選手キャラクタが獲得している技能を示す。「プレイスタイル」は、選手キャラクタに備えられたプレイスタイルが格納される。
図14は、得意分野情報テーブルTBL101の一例を示す図である。図14に示すように、得意分野情報テーブルTBL101は、スカウトに設定される得意分野とそのカテゴリの種類を定義したデータテーブルである。例えば、得意分野情報テーブルTBL101には、得意分野を一意に識別する「得意分野ID」と関連付けて、得意分野の内容を示す「得意分野」・得意分野が属する「カテゴリ」等の情報が記憶される。
図15は、スカウトマスタ情報テーブルTBL102の一例を示す図である。図15に示すように、スカウトマスタ情報テーブルTBL102は、スカウトの基本情報を格納するデータテーブルである。例えば、スカウトマスタ情報テーブルTBL102には、スカウトを一意に識別する「スカウトID」と関連付けて、スカウトの「グレード」・「得意分野ID」等の情報が記憶される。
図16は、所有選手情報テーブルTBL103の一例を示す図である。図16に示すように、所有選手情報テーブルTBL103は、ユーザが所有する選手キャラクタに関する各種情報を格納するデータテーブルである。例えば、所有選手情報テーブルTBL103には、ユーザを一意に識別する「ユーザID」と関連付けて、ユーザが所有する選手キャラクタの「選手ID」、個々の選手キャラクタを一意に識別する「シリアル番号」、選手キャラクタの「現在の総合値」・「現在のレベル」・「現在のコンディション」・「現在の能力値」等の情報が記憶される。コンディションは、選手キャラクタの状態の良し悪しを示すものである。
なお、ユーザが同じ選手キャラクタを複数所有している場合、これらの選手キャラクタの「選手ID」は同一であるが、「シリアル番号」は異なる。シリアル番号は、ユーザに選手キャラクタが付与される場合に、当該選手キャラクタを識別可能な番号が発行される。シリアル番号だけで選手キャラクタを識別するのではなく、選手IDとシリアル番号の組によって識別するようにしてもよい。また、選手キャラクタの育成具合や試合の結果等に応じて、選手キャラクタの「現在のレベル」が変化し、それに伴って「現在の総合値」や「現在の能力値」も変化する。このため、所有選手情報テーブルTBL103に格納される「現在の総合値」や「現在の能力値」は、選手マスタ情報テーブルTBL100に格納された初期値とは異なる値が格納されることがある。
図17は、所有スカウト情報テーブルTBL104の一例を示す図である。図17に示すように、所有スカウト情報テーブルTBL104は、ユーザが所有するスカウトに関する各種情報を格納するデータテーブルである。例えば、所有スカウト情報テーブルTBL104には、「ユーザID」と関連付けて、ユーザが所有するスカウトの「スカウトID」、個々のスカウトを一意に識別する「シリアル番号」等の情報が記憶される。なお、シリアル番号の意味は選手キャラクタと同様であり、ユーザが同じスカウトを複数所有している場合、これらのスカウトの「スカウトID」は同一であるが、「シリアル番号」は異なることになる。
なお、データ記憶部300に記憶されるデータは、上記の例に限られない。データ記憶部300は、ゲームを実行するために必要なデータを記憶すればよい。例えば、データ記憶部300は、ユーザに関する各種情報やユーザが所有する選手キャラクタのうち試合に出場する選手キャラクタを格納するデータテーブルを記憶してもよい。他にも例えば、データ記憶部300は、ゲームにおいて用意された選手キャラクタの全属性とそのカテゴリを定義したデータテーブルを記憶してもよい。他にも例えば、データ記憶部300は、監督キャラクタの基本情報やユーザが所有している監督キャラクタなどのデータを記憶してもよい。
[3−1−2.選択受付部]
選択受付部310は、制御部31を主として実現される。選択受付部310は、選手キャラクタを選出するための条件と、当該条件を満たす選手キャラクタを選出する場合に用いられるパラメータと、が各々に関連付けられた1以上のスカウトの選択を受け付ける。例えば、選択受付部310は、スカウトリスト画像G103のリストL100に表示されたスカウトの中から1以上のスカウトの選択を受け付けることになる。なお、本実施形態では、選択受付部310がサーバ30により実現される場合を説明するので、ユーザが選択したスカウトを示すデータを端末10から受信することが、スカウトの選択を受け付けることに相当する。
「条件」とは、選手キャラクタを選出する場合に用いられる条件である。例えば、「条件」は、選手キャラクタの情報に関する条件である。例えば、選手キャラクタに関する情報が示す値の範囲が「条件」に相当する。例えば、選手キャラクタの属性を示す属性値であれば、選手キャラクタが所定の属性を有することが条件に相当する。例えば、「条件」は、カテゴリ分けされている。「条件」は、複数のカテゴリのうちの1以上に関するものといえる。ここでの「カテゴリ」は、条件を分類するグループといえる。例えば、「条件」が選手キャラクタの属性であれば、属性を分類するカテゴリといえる。別の言い方をすれば、各カテゴリには、複数の属性が含まれている。本実施形態では、選手キャラクタは、複数種類の属性のうちの1以上を有しているので、「条件」は、複数種類の属性のうちの特定の属性を有することである。即ち、スカウトの得意分野が、「条件」に相当することになる。
本実施形態の「パラメータ」とは、選手キャラクタを選出する場合に参照されるパラメータである。「パラメータ」は、スカウトに関連付けられた所定種類のパラメータである。例えば、「パラメータ」は、選手キャラクタ又はスカウトの属性を示すものである。例えば、「パラメータ」は、スカウトの能力を示すパラメータである。本実施形態では、スカウトを用いて選手キャラクタが選出されるので、選手キャラクタを選出するためのスカウトの能力を示すパラメータであるといえる。別の言い方をすれば、本実施形態では、選手キャラクタがスポーツ選手であるので、ゲーム内ではスカウトが選手キャラクタを探し出すことになるが、スカウトがスポーツ選手を探し出す能力を示すパラメータであるといえる。本実施形態では、スカウトのグレードが「パラメータ」に相当する。
[3−1−3.制限部]
制限部320は、制御部31を主として実現される。制限部320は、同じカテゴリに関する複数の条件に基づいて選手キャラクタを選出する処理が実行されることを制限する。別の言い方をすれば、制限部320は、互いに異なるカテゴリに関する複数の条件に基づいて選手キャラクタを選出する処理の実行を許可し、同じカテゴリに関する複数の条件に基づいて選手キャラクタを選出する処理の実行は禁止する。本実施形態では、スカウトの得意分野と一致することが条件に相当するので、制限部320は、同じカテゴリの複数の得意分野に基づいて選手キャラクタを選出する処理の実行を制限することになる。
「制限」とは、選手キャラクタの選出が実行されないようにすることである。例えば、「制限」は、ユーザがスカウトを選択できないようにすることである。例えば、チェックボックスやラジオボタンなどの入力フォームを無効にすることが選択できないことに相当する。また例えば、「制限」は、ユーザがスカウトを選択することは制限しないが、選択したスカウトに基づいて選出処理を実行しないようにすることである。例えば、「制限」は、選択したスカウトに基づいて確率を計算しないこと、又は、確率は計算するがその確率で選出処理を実行しないことである。
[3−1−4.通知部]
通知部330は、制御部31を主として実現される。通知部330は、選択受付部310により複数のスカウトの選択を受け付けた場合、当該複数のスカウトにそれぞれ関連付けられた複数のグレードを用いて、当該複数のスカウトにそれぞれ関連付けられた複数の条件を満たす選手キャラクタが選出される可能性に関する情報を通知する。
「可能性に関する情報」とは、複数の条件を満たす選手キャラクタが選出される可能性を識別可能な情報である。例えば、「可能性に関する情報」は、可能性の有無や条件を満たす選手キャラクタが選出される確率である。この確率は、0%〜100%の間で示される。「可能性に関する情報」は、可能性を直接的に通知するための情報であってもよいし、可能性を間接的に通知するための情報であってもよい。「直接的に通知する」とは、可能性の有無そのものを示す記号を表示させたり、確率そのものを示す数値を表示させたりすることである。「間接的に通知する」とは、可能性や確率そのものを示すのではなく可能性や確率を示唆することであり、例えば、星などの画像や「○」などの記号の数によって可能性の有無又は確率の高低を示したり、画像の表示態様によって可能性の有無又は確率の高低を示したりすることである。例えば、画像・記号の数が多いほど可能性が有る又は確率が高いことを示す。また例えば、画像の大きさが大きくなるほど・輝度が高くなるほど・色が濃くなるほど、可能性が有る又は確率が高いことを示す。本実施形態では、通知部330が通知する「可能性に関する情報」は、複数の条件を満たす選手キャラクタが選出される確率である場合を説明する。
「通知」とは、情報を出力することである。例えば、「通知」は、所定の画像を表示させること、又は、所定の音声を出力させることである。「通知」は、可能性に関する情報を示す画像を表示させること、又は、可能性に関する情報を示す音声を出力させることである。
通知部330は、複数のスカウトの各々のグレードに基づいて選手キャラクタが選出される確率を取得する。本実施形態では、各スカウトのグレードの単純平均値が用いられる場合を説明するが加重平均値が用いられてもよいし、各スカウトのグレードを所定の数式に代入して得られる値を用いてもよい。例えば、グレードの平均値(即ち、交渉力)と確率との関連付けは、予めデータ記憶部300に記憶されているものとする。この関連付けは、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。本実施形態では、先述したように、「交渉力*10%」の数式である。通知部330は、各スカウトのグレードの平均値(即ち、交渉力)に関連付けられた確率を取得する。
本実施形態では、通知部330は、複数の条件の全てを満たす選手キャラクタが選出される可能性に関する情報を通知する。「条件の全てを満たす」とは、複数の条件の全てに合致することであり、n(nは2以上の整数)個の条件のうちのn個に合致することである。例えば、条件が属性であれば、全ての属性を有することである。本実施形態では、通知部330は、条件完全一致の確率を確認画像G104で表示させることになる。
本実施形態では、通知部330は、複数の条件の一部を満たす選手キャラクタが選出される可能性に関する情報を更に通知する。「条件の一部を満たす」とは、n個の条件のうちの1つ以上n−1個未満の条件に合致することである。本実施形態では、通知部330は、条件部分一致の確率を確認画像G104で表示させることになる。
[3−1−5.選出部]
選出部340は、制御部31を主として実現される。選出部340は、複数のスカウトのグレードを用いて、複数の条件を満たす選手キャラクタを選出する。選出部340は、各スカウトのグレードに応じた確率に基づいて、選手キャラクタの抽選処理を実行する。確率の取得方法は、通知部330で説明した方法と同じである。抽選処理は、条件を満たす選手キャラクタを当選させるか否かを決定する処理である。選出部340は、条件を満たす選手キャラクタを当選させると決定した場合、選手マスタ情報テーブルTBL100を参照して、条件に合致する選手キャラクタを特定する。例えば、選出部340は、スカウトの得意練習の少なくとも1つに合致する選手キャラクタを特定する。条件を満たす選手キャラクタが複数存在する場合は、選出部340は、その中の1以上を選出する。この選出方法は、予め定められた方法であればよく、例えば、ランダムに選出してもよいし、ユーザが所有していない選手キャラクタとなるように選出してもよい。
本実施形態では、選出部340は、複数の条件の全てを満たす選手キャラクタが選出されなかった場合は、複数の条件の一部を満たす選手キャラクタを選出することになる。即ち、選出部340は、各スカウトのグレードに応じた確率に基づいて、条件完全一致の選手キャラクタを当選させるかを決定することになる。選出部340は、当選させないと決定した場合、選手マスタ情報テーブルTBL100を参照して、複数の条件の一部を満たす選手キャラクタを特定する。条件の一部を満たす選手キャラクタが複数存在した場合、選出部340は、その中の1以上を選出する。この選出方法は、先述したように、予め定められた方法であればよい。
[3−2.端末において実現される機能]
次に、端末10において実現される機能について説明する。図12に示すように、端末10は、操作受付部100及び表示制御部110を含む。
[3−2−1.操作受付部]
操作受付部100は、制御部11を主として実現される。操作受付部100は、ユーザが入力部14を用いて行う各種操作を受け付ける。操作受付部100は、受け付けた操作内容を示すデータを、通信部13を利用してサーバ30に送信することになる。
[3−2−2.表示制御部]
表示制御部110は、制御部11を主として実現される。表示制御部110は、表示部15に各種画像を表示部15に表示させる。例えば、表示制御部110は、サーバ30から受信したデータに基づいて、表示部15に各種画像を表示させる。本実施形態では、表示制御部110は、メニュー画像G100、試合報酬画像G101、契約画像G102、スカウトリスト画像G103、確認画像G104、及び獲得画像G105を表示部15に表示させる。
[4.ゲームシステムにおいて実行される処理]
図18及び図19は、ゲームシステム1において実行される処理を示す図である。図18及び図19に示す処理は、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムに基づいて実行し、制御部31が記憶部32に記憶されたプログラムに基づいて実行する。下記に説明する処理が実行されることによって、図12に示す機能ブロックが実現される。なお、ここでは、契約画像G102(図4)が表示部15に表示されている状態で指示対象P109が選択された場合に実行される処理を説明する。
図18に示すように、まず、端末10においては、指示対象P109が選択されると、制御部11は、スカウトリスト画像G103の表示要求をサーバ30に送信する(S101)。表示要求は、表示対象の画像を識別する情報を含む所定形式のデータにより行われるようにすればよい。なお、端末10からサーバ30に対してデータが送信される場合には、ユーザIDや端末10のIPアドレス等も送信されており、サーバ30は、どの端末10からデータを受信したかを特定可能になっている。
サーバ30においては、表示要求を受信すると、制御部31は、得意分野情報テーブルTBL101、スカウトマスタ情報テーブルTBL102、及び所有スカウト情報テーブルTBL104を参照し、スカウトリスト画像G103の表示データを生成して、端末10に対して送信する(S301)。S301においては、制御部31は、表示要求をしたユーザIDに関連付けられたレコードを参照し、ユーザが所有するスカウトを特定する。そして、制御部31は、当該スカウトのグレード・カテゴリ・得意分野を特定して、スカウトリスト画像G103の表示データを生成する。なお、表示データは、所定形式のデータであればよく、例えば、HTML形式であってもよい。また、スカウトリスト画像G103の表示データとともに、リストL100に表示されるスカウトのシリアル番号・グレード・カテゴリ・得意分野も送信されるものとする。
端末10においては、表示データを受信すると、制御部11は、スカウトリスト画像G103を表示部15に表示させる(S103)。制御部11は、入力部14からの信号に基づいて、ユーザの操作を特定する(S105)。S105においては、チェックボックスB100等を選択することで行われるスカウトの選択、又は、指示対象P114,P115の選択が行われる。なお、ユーザが3体のスカウトを選択するまでは指示対象P114を選択できないようにしてもよい。
ユーザが指示対象P115を選択した場合(S105;P115)、契約画像G102に戻るので本処理は終了する。一方、ユーザがスカウトを選択した場合(S105;スカウト選択)、制御部11は、ユーザが選択したスカウトのグレード・カテゴリ・得意分野をリストL101に表示させる(S107)。S107においては、制御部11は、ユーザが選択したスカウトのシリアル番号を記憶部12に記録しておき、そのスカウトの平均グレードから計算した交渉力をリストL101に表示させることになる。なお、スカウトのシリアル番号・グレード・カテゴリ・得意分野は、スカウトリスト画像G103の表示データとともに受信したデータを記憶部12に記録しておけばよい。
制御部11は、ユーザが選択したスカウトと同じカテゴリを得意練習とするスカウトをグレーアウトしてチェックボックスを無効にする(S109)。S109においては、制御部11は、ユーザが選択したスカウトのカテゴリと、まだ選択されていないスカウトのカテゴリと、を比較して一致するスカウトに対応するリストL100内の領域をグレーアウトしてチェックボックスを選択できない「disabled」属性に変更する。
一方、S105において、ユーザが指示対象P114を選択した場合(S105;P114)、制御部11は、確認画像G104の表示要求をサーバ30に送信する(S111)。S111においては、制御部11は、表示要求とともに、ユーザが選択した3体のスカウトのシリアル番号を送信する。なお、シリアル番号ではなく、3体のスカウトの交渉力が送信されるようにしてもよい。
サーバ30においては、表示要求を受信すると、制御部31は、スカウトマスタ情報テーブルTBL102及び所有スカウト情報テーブルTBL104を参照し、条件完全一致の確率と条件部分一致の確率を計算する(S303)。S303においては、制御部31は、ユーザが選択した3体のスカウトのシリアル番号に関連付けられたスカウトIDを特定し、そのスカウトIDに関連付けられたグレードに基づいて交渉力を算出する。なお、端末10から交渉力を受信する場合は、この計算は省略してよい。そして、制御部31は、交渉力を所定の数式に代入して条件完全一致の確率を計算し、この確率を100%から減算することで条件部分一致の確率を計算する。図19に移り、制御部31は、S303の計算結果に基づいて、確認画像G104の表示データを生成して、端末10に対して送信する(S305)。
端末10においては、表示データを受信すると、制御部11は、確認画像G104を表示部15に表示させる(S113)。制御部11は、入力部14からの信号に基づいて、ユーザの操作を特定する(S115)。ユーザが指示対象P117を選択した場合(S115;P117)、S101の処理に戻る。ユーザが指示対象P116を選択した場合(S115;P116)、制御部11は、獲得画像G105の表示要求をサーバ30に送信する(S117)。
サーバ30においては、表示要求を受信すると、制御部31は、S303で計算した確率に基づいて、ユーザが選択した3体のスカウトの得意分野と全て一致する選手キャラクタを選出するか否かを判定する(S307)。S307においては、制御部31は、S303で計算した確率に基づいて、例えば、制御部31は、0〜99の100個の自然数の中で、S303で計算した確率と同じ個数だけ当たりの数値をランダムに決定する。そして、制御部31は、乱数を発生させてその下2桁が当たりの数値になるか否かを判定する。なお、確率に基づいて当選を判定する方法は、これに限られず、予め定められたアルゴリズムに基づいて判定すればよい。
全て一致する選手キャラクタを選出すると判定された場合(S307;Y)、制御部11は、選手マスタ情報テーブルTBL100を参照し、ユーザが選択した3体のスカウトの得意分野と全て一致する選手キャラクタを選出する(S309)。S309においては、制御部11は、選手マスタ情報テーブルTBL100に格納された選手キャラクタの属性と、ユーザが選択した3体のスカウトの得意分野と、を比較して、完全一致する選手キャラクタをランダムに1体選出する。なお、選手キャラクタはランダムに選出されなくてもよいし、複数体選出してもよい。
一方、全て一致する選手キャラクタを選出すると判定されない場合(S307;Y)、制御部11は、選手マスタ情報テーブルTBL100を参照し、ユーザが選択した3体のスカウトの得意分野の一部と一致する選手キャラクタを選出する(S311)。S311においては、制御部11は、選手マスタ情報テーブルTBL100に格納された選手キャラクタの属性と、ユーザが選択した3体のスカウトの得意分野と、を比較して、ユーザが選択した3体のスカウトの得意分野と部分一致する選手キャラクタをランダムに1体選出する。なお、選手キャラクタはランダムに選出されなくてもよいし、複数体選出してもよい。
制御部31は、S309又はS311で選出した選手キャラクタを所有選手情報テーブルTBL103に追加し(S313)、ユーザが選択した3体のスカウトを所有スカウト情報テーブルTBL104から削除する(S315)。S313においては、制御部31は、所有選手情報テーブルTBL103に新たなレコードを生成し、選手マスタ情報テーブルTBL100を参照し、S309又はS311で選出した選手キャラクタの選手IDが格納されたレコードの内容と、所定の方法で発行したシリアル番号と、を格納する。シリアル番号は、他のシリアル番号と重複しないように所定のルールで発行すればよい。S315においては、制御部31は、ユーザIDが格納されたレコードの中からユーザが選択した3体のスカウトを削除する。制御部31は、S313において所有選手情報テーブルTBL103に追加した選手キャラクタを示す獲得画像G105の表示データを生成して、端末10に対して送信する(S317)。
端末10においては、表示データを受信すると、制御部11は、確認画像G104を表示部15に表示させ(S119)、本処理は終了する。
以上説明したゲームシステム1によれば、ユーザによる選択を受け付けた複数のスカウトにそれぞれ関連付けられた複数の得意分野と一致する選手キャラクタが選出される可能性に関する情報を通知するので、所望の選手キャラクタが選出される可能性を考慮してユーザが複数のスカウトを選択することができる。例えば、複数の得意分野と一致する選手キャラクタが選出される可能性に関する情報をユーザに通知した後に選手キャラクタの選出を開始するため、ユーザは、所望の選手キャラクタがどの程度の可能性で選出されるかを事前に知ることができる。そのため、所望の選手キャラクタが選出される可能性が高くなる様々なスカウトを組み合せることができる。特に、実施形態のように、選手キャラクタを選出するとスカウトを消費するような場合には、ユーザは、所望の選手キャラクタが選出される可能性が低いにもかかわらず無駄にスカウトを消費してしまうことを回避することができる。
また、条件完全一致の選手キャラクタが選出される可能性に関する情報を通知することによって、ユーザが所望するものに完全に一致するものが選出される可能性をユーザが考慮して複数のスカウトを選択することができる。
また、複数の得意分野の全てに一致する選手キャラクタが選出されなかったとしても、複数の得意分野の一部と一致する選手キャラクタが選出されるので、ある程度はユーザが所望しているものを選出することができる。また、複数の得意分野の全てを満たす選手キャラクタが選出される可能性と、複数の得意分野の一部を満たす選手キャラクタが選出される可能性と、の両方を考慮して複数の条件を選択することができる。
また、同じカテゴリの得意分野に基づいて選出処理が実行されると、どの選手キャラクタも満たさない得意分野の組み合わせになってしまう可能性があるが、これを制限することによって、一致する選手キャラクタが存在するような得意分野で選出を行うことができる。例えば、本実施形態のように選手キャラクタが選出される場合、選手キャラクタの所属地域は1つのみとなる。この場合に、複数の地域を条件にすると、複数の地域の全てを有する選手キャラクタは存在しないので、誰も当選しないような状態となってしまうが、このような状態が発生するのを防止することができる。
また、本実施形態のように、選手キャラクタが属性を有している場合、ユーザは、自分のプレイスタイルに合った属性と完全に一致する選手キャラクタを欲しいと思うことが多い。この場合に、ユーザがスカウトを選択することで属性の組み合わせを選択可能になるので、ユーザが所望する属性の組み合わせに基づいて選手キャラクタを選出することが可能になり、ユーザが欲する選手キャラクタを選出可能になる。
また、確認画像G104において条件に合った選手キャラクタが選出される確率が表示されるので、複数の条件を満たす選手キャラクタが選出される確率をユーザが考慮して複数の条件を選択することができる。
[5.変形例]
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
(1)例えば、図20は、変形例の機能ブロック図である。図20に示すように、本変形例では、実施形態で説明した機能に加えて、スカウト通知部350が実現される。例えば、スカウト通知部350は、制御部31を主として実現される。スカウト通知部350は、複数のスカウトのうち、選出部340により選出された選手キャラクタが満たす条件が関連付けられたスカウトを識別可能な情報を通知する。
「識別可能な情報」とは、スカウトを識別可能な画像又は音声である。例えば、スカウトを示す画像を表示させること、その画像に所定のエフェクト処理を施すこと、その画像に表示されたスカウトに所定の動作をさせることである。エフェクト処理としては、画像の大きさを変えること、画像の輝度・色彩・模様を変えること、画像を点滅させること、画像を移動させることであってよい。他にも例えば、スカウトの名前がある場合には、その名前が表示されたり、その音声が出力されたりすることであってもよい。
図21は、ユーザが獲得した選手キャラクタの属性と一致する得意分野のスカウトが通知される様子を示す図である。図21では、獲得画像G105において通知される場合を説明する。図21に示すように、例えば、スカウト通知部350は、ユーザが選択した3体のスカウトのうち、獲得した選手キャラクタの属性と一致する得意分野のスカウトがガッツポーズをするように、スカウト画像I100内でアニメーションが再生される。
選出部340が選出した選手キャラクタが条件完全一致のものであれば、スカウト通知部350は、全てのスカウトのスカウト画像I100内で所定のアニメーションを実行することになる。一方、選出部340が選出した選手キャラクタが条件部分一致のものであれば、スカウト通知部350は、選手キャラクタの属性と各スカウトの得意分野とを比較し、一致する得意分野のスカウトを示すスカウト画像I100内だけで所定のアニメーションを実行することになる。
なお、スカウト通知部350が通知を行う画像は、任意の画像であってよく、獲得画像G105の後に表示される画像であってもよいし、獲得画像G105の前に表示される画像であってもよい。また、スカウト通知部350は、選出部340が選出した選手キャラクタの属性と得意分野が一致しなかったスカウトについて、スカウト画像I100内だけで所定のアニメーションを実行するようにしてもよい。
変形例(1)によれば、選出された選手キャラクタの属性と一致する得意分野が関連付けられたスカウトを識別可能な情報が通知されるので、どのスカウトを選択したがために、所望の選手キャラクタが選出されたかを把握することができる。
(2)また例えば、上記においては、第2オブジェクトの一例としてスカウトを説明したが、第2オブジェクトは、ユーザが選択する対象となるものであればよい。他にも例えば、表示部15に表示された選択肢やボタンのような指示対象が第2オブジェクトに相当してもよい。この場合、選択受付部310は、表示部15に表示された複数の指示対象の中からユーザによる選択を受け付けることになる。各指示対象には、選手キャラクタを選出するための条件と、当該条件を満たす選手キャラクタを選出する場合に用いられるパラメータと、が関連付けられているので、例えば、各指示対象に当該条件や当該パラメータが表示される。指示対象の選択が受け付けられた後は、実施形態で説明した処理と同様の処理が実行されて、ユーザが選択した指示対象に関連付けられた条件とパラメータのもとで選手キャラクタが選出されるようにすればよい。
また例えば、獲得画像G105において、条件完全一致の確率と条件部分一致の確率の両方が表示される場合を説明したが、これらの何れか一方のみが表示されるようにしてもよい。
また例えば、ゲームシステム1では、主要な機能がサーバ30で実現される場合を説明したが、各機能が端末10側で実現されてもよい。この場合、端末10が、ゲーム制御装置に相当する。データ記憶部300は、記憶部12を主として実現され、他の各機能は、制御部11を主として実現されることになる。更に、上記説明した各機能が端末10とサーバ30とで分担するようにしてもよい。
例えば、データ記憶部300がサーバ30で実現され、他の各機能が端末10で実現される場合、データ記憶部300に記憶された各テーブルの内容がネットワークNを介して端末10に送信され、端末10の処理結果を示すデータがネットワークNを介してサーバ30に送信されて各テーブルの内容が更新される。
例えば、選択受付部310が端末10で実現される場合、選択受付部310は、ユーザが選択したスカウトを識別するデータをサーバ30に送信することになる。通知部330が端末10で実現される場合、端末10で確率が計算されてもよいし、サーバ30が計算した確率を受信して通知するようにしてもよい。選出部340が端末10で実現される場合、選出部340は、選出した選手キャラクタのシリアル番号をサーバ30に送信することになる。
更に、サーバ30が存在しなくてもよい、各端末10がオフラインで実行するゲームであってもよい。この場合、上記説明した各機能の全てが端末10内で実現されることになる。
また例えば、上記説明した各機能のうち、選択受付部310、通知部330、及び選出部340以外の機能はゲームシステム1で省略してもよい。また例えば、ゲームキャラクタが選出される場合を例に挙げたが、ゲームアイテムやゲームキャラクタなどの種々のオブジェクトを選出するゲームを実行するゲームシステム1に、本発明を適用することができる。
[6.発明のまとめ]
以上のような記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために、適宜図面に記載された符号を括弧書きで記載するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
1)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、第1オブジェクトを選出するための条件と、当該条件を満たす前記第1オブジェクトを選出する場合に用いられるパラメータと、が各々に関連付けられた1以上の第2オブジェクトの選択を受け付ける選択受付手段(310)と、前記選択受付手段(310)により複数の前記第2オブジェクトの選択を受け付けた場合、当該複数の第2オブジェクトにそれぞれ関連付けられた複数の前記パラメータを用いて、当該複数の第2オブジェクトにそれぞれ関連付けられた複数の前記条件を満たす前記第1オブジェクトが選出される可能性に関する情報を通知する通知手段(330)と、前記複数のパラメータを用いて、前記複数の条件を満たす前記第1オブジェクトを選出する選出手段(340)と、を含むことを特徴とする。
8)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10,30)は、第1オブジェクトを選出するための条件と、当該条件を満たす前記第1オブジェクトを選出する場合に用いられるパラメータと、が各々に関連付けられた1以上の第2オブジェクトの選択を受け付ける選択受付手段(310)と、前記選択受付手段(310)により複数の前記第2オブジェクトの選択を受け付けた場合、当該複数の第2オブジェクトにそれぞれ関連付けられた複数の前記パラメータを用いて、当該複数の第2オブジェクトにそれぞれ関連付けられた複数の前記条件を満たす前記第1オブジェクトが選出される可能性に関する情報を通知する通知手段(330)と、前記複数のパラメータを用いて、前記複数の条件を満たす前記第1オブジェクトを選出する選出手段(340)と、を含むことを特徴とする。
9)また、本発明の一態様に係るプログラムは、1)〜7)の何れかに記載のゲームシステム(1)又は8)に記載のゲーム制御装置としてコンピュータを機能させる。
10)また、本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、9)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。
上記1)、8)〜10)に記載の発明によれば、選択を受け付けた複数の第2オブジェクトにそれぞれ関連付けられた複数の条件を満たす第1オブジェクトが選出される可能性に関する情報を通知するので、所望のオブジェクトが選出される可能性を考慮してユーザが複数の条件を選択することができる。例えば、複数の条件を満たすオブジェクトが選出される可能性に関する情報をユーザに通知した後に第1オブジェクトの選出を開始するため、ユーザは、所望のオブジェクトがどの程度の可能性で選出されるかを事前に知ることができる。そのため、所望のオブジェクトが選出される可能性が高くなる様々な条件を組み合せることができる。特に、オブジェクトを選出すると第2オブジェクトを消費するような場合には、ユーザは、所望のオブジェクトが選出される可能性が低いにもかかわらず無駄に第2オブジェクトを消費してしまうことを回避することができる。
2)本発明の一態様では、前記通知手段(330)は、前記複数の条件の全てを満たす前記第1オブジェクトが選出される可能性に関する情報を通知する、ことを特徴とする。
2)に記載の発明によれば、条件の全てを満たす第1オブジェクトが選出される可能性に関する情報を通知することによって、ユーザが所望するものに完全に一致するものが選出される可能性をユーザが考慮して複数の条件を選択することができる。
3)本発明の一態様では、前記選出手段(340)は、前記複数の条件の全てを満たす前記第1オブジェクトが選出されなかった場合は、前記複数の条件の一部を満たす前記第1オブジェクトを選出し、前記通知手段(330)は、前記複数の条件の一部を満たす前記第1オブジェクトが選出される可能性に関する情報を更に通知する、ことを特徴とする。
3)に記載の発明によれば、複数の条件の全てを満たす第1オブジェクトが選出されなかったとしても、複数の条件の一部を満たす第1オブジェクトが選出されるので、ある程度はユーザが所望しているものを選出することができる。また、複数の条件の全てを満たす第1オブジェクトが選出される可能性と、複数の条件の一部を満たす第1オブジェクトが選出される可能性と、の両方を考慮して複数の条件を選択することができる。
4)本発明の一態様では、前記ゲームシステム(1)は、前記複数の第2オブジェクトのうち、前記選出手段(340)により選出された前記第1オブジェクトが満たす前記条件が関連付けられた第2オブジェクトを識別可能な情報を通知する手段(350)、を更に含むことを特徴とする。
4)に記載の発明によれば、選出された第1オブジェクトが満たした条件が関連付けられた第2オブジェクトを識別可能な情報が通知されるので、どの第2オブジェクトを選択したがために、所望の第1オブジェクトが選出されたかを把握することができる。
5)本発明の一態様では、前記条件は、複数のカテゴリのうちの1以上に関するものであり、前記ゲームシステム(1)は、同じカテゴリに関する前記複数の条件に基づいて前記第1オブジェクトを選出する処理が実行されることを制限する手段(320)、を更に含むことを特徴とする。
5)に記載の発明によれば、同じカテゴリの条件に基づいて選出処理が実行されると、どの第1オブジェクトも満たさない条件の組み合わせになってしまう可能性があるが、これを制限することによって、条件を満たす第1オブジェクトが存在するような条件で選出を行うことができる。例えば、オブジェクトがサッカー選手である場合、サッカー選手の所属地域は1つのみとなる。この場合に、複数の地域を条件にすると、複数の地域の全てを有するサッカー選手は存在しないので、誰も当選しないような状態となってしまうが、このような状態が発生するのを防止することができる。
6)本発明の一態様では、前記第1オブジェクトは、複数種類の属性のうちの1以上を有しており、前記条件は、前記複数種類の属性のうちの特定の属性を有することである、ことを特徴とする。
6)に記載の発明によれば、オブジェクトが属性を有している場合、ユーザは、自分のプレイスタイルに合った属性と完全に一致するオブジェクトを欲しいと思うことが多い。この場合に、ユーザが第2オブジェクトを選択することで属性の組み合わせを選択可能になるので、ユーザが所望する属性の組み合わせに基づいて第1オブジェクトを選出することが可能になり、ユーザが欲する第1オブジェクトを選出可能になる。
7)本発明の一態様では、前記情報は、前記複数の条件を満たす前記第1オブジェクトが選出される確率である、ことを特徴とする。
7)に記載の発明によれば、複数の条件を満たすオブジェクトが選出される確率をユーザが考慮して複数の条件を選択することができる。