以下に、本願に係る管理装置及び管理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。本発明の管理装置として、危機管理マネジメントシステムに含まれる装置、または危機管理マネジメントシステムの1つの機能として実現された場合を例に説明する。
[実施の形態]
[危機管理マネジメントシステムの概要]
ここで、危機管理マネジメントシステムとは、自治体や企業の危機管理部門が災害やサイバー攻撃といった危機に対応するためのマネジメントを支援するシステムのことである。そして、ある危機管理に対して、様々な危機管理対応業務(タスク)を束ねたものをボードと定義する。ボード内には、危機管理を遂行する上で必要となる各種情報がタスク情報としてまとめられ、危機管理マネジメントシステムでは、これらの情報を利用者に出力することによって、利用者による意思決定や組織間連携を支援する。
[複数の危機管理マネジメントシステムの接続関係]
図1は、複数の危機管理マネジメントシステムの接続関係を説明する図である。図1に示すように、実施の形態では、複数の危機管理マネジメントシステム1Z,1A,1Bが、ネットワークNを介して、通信可能に接続する例について説明する。
危機管理マネジメントシステム1Zは、Z社が使用する危機管理マネジメントシステムである。危機管理マネジメントシステム1Aは、A社が使用する危機管理マネジメントシステムである。危機管理マネジメントシステム1Bは、B社が使用する危機管理マネジメントシステムである。Z社、A社及びB社は、例えば、それぞれ異なるインフラ企業であるが、別会社であり、資本関係はなく、使用するネットワーク体系も異なる。
ここで、本実施の形態では、危機管理マネジメントシステム1Z,1A,1Bは、それぞれが互いに連携する関係を有し、連携関係にあるシステム間でタスク情報を共有する。そして、危機管理マネジメントシステム1Z,1A,1Bは、同様の機能を有するとして説明する。なお、以下では、危機管理マネジメントシステム1Z,1A,1Bのそれぞれを区別することなく総称する場合に単に危機管理マネジメントシステム1と記載する。
[危機管理マネジメントシステムの構成]
次に、危機管理マネジメントシステム1の構成について説明する。図2は、危機管理マネジメントシステム1の概要を説明するための図である。図2に示すように、危機管理マネジメントシステム1は、ネットワーク40を介して、複数の利用者端末10及び管理装置20が接続する構成を有する。なお、管理装置20は、危機を統括して管理する統括管理組織の本部と同じ場所に備えられてもよいし、統括管理組織とは異なる場所に備えられてもよい。また、利用者端末10は、統括管理組織及び統括管理組織に関連する各機関に備えられる。また、本実施の形態では、掲示板のことをボードという。
管理装置20は、例えばサーバ装置である。管理装置20は、危機に対する組織の対応状態を示す危機対応情報等を含むタスク情報を管理する。管理装置20は、対策本部の下部組織や支部等に備えられた利用者端末10に、タスク情報を示す各種画面を表示させることによって、危機対応情報を各利用者端末10に提供する。例えば、管理装置20は、タスク情報を、タスク情報が属するボードに分けて管理し、利用者端末10に、利用者が閲覧可能であるボードを出力して、利用者にタスク情報を提供する。また、管理装置20は、利用者端末10から送信された情報をタスク情報として、関連するボードに対応付けて登録する。
利用者端末10は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話等である。利用者は、各利用者端末10のWebブラウザを介してボードを閲覧することによって、管理装置20から提供されるタスク情報を参照することができる。そして、利用者は、各利用者端末10のWebブラウザを介してボードに情報を書き込むことによって、管理装置20への情報の送信等を行うことができる。
ネットワーク40は、接続される各装置が相互に通信可能に構成されていればよく、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等で構成することができる。
さらに、管理装置20は、他のシステムにおける管理装置20との間でタスク情報を共有する。管理装置20は、事前に、他の危機管理マネジメントシステム1で管理されているボードを、自装置が管理するボードのうちタスク情報の共有対象であるボードと連携させておく。そして、管理装置20は、共有対象のタスク情報を、他のシステムにおける管理装置20との間で送受信し、送受信したタスク情報を登録する。管理装置20は、この処理を行うことによって、他のシステムにおける管理装置20との間でタスク情報を共有する。
[危機管理マネジメントシステムサーバの構成]
次に、この管理装置20の構成について詳細に説明する。なお、本管理装置20が管理するボードのうち、自装置とは異なる他のシステムにおける管理装置20との間でタスク情報の共有が設定されているボードを、第1のボードとして説明する。また、他のシステムにおける管理装置20が管理するボードのうち、共有対象のタスク情報が属するボードを、第2のボードとして説明する。この管理装置20は、図2に示すように、記憶部21とデータ処理部22とを有する。
記憶部21は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、管理装置20を動作させる処理プログラムや、処理プログラムの実行中に使用されるデータなどが記憶される。
本危機管理マネジメントシステム1の運用のために運用管理者が任命されると、この運用管理者は、システムを使用させるために、組織情報や利用者情報など危機対応に必要な情報を登録する。記憶部21は、これらの情報を記憶する。言い換えると、記憶部21は、危機対応に関する危機対応情報として、例えば、タスク等を示す識別情報と、対応業務に含まれる各対応指示及び各対応内容等とを対応付けて記憶する。以下では、危機への対応業務の識別情報をタスクID(identification)とし、各対応指示及び各対応内容の識別情報をタスクログIDとして説明する。そして、タスクを束ねたボードの識別情報をボードIDとして説明する。
記憶部21は、利用者情報記憶部211、組織情報記憶部212、アクセス制御情報記憶部213、ボード情報記憶部214、連携先情報記憶部215及びログ情報記憶部216を有する。
利用者情報記憶部211は、危機管理マネジメントシステム1の利用者情報を示す情報を格納する。利用者情報記憶部211は、利用者ID、氏名、読み仮名、ログインID、パスワード、メールアドレス及び登録日時等、利用者に対応する各種情報が登録される。また、利用者には、組織や役割が割り当てられている。ここで、役割として、「運用管理者」の他、ボードの管理を行う「ボード管理者」、ボードでの情報のやり取りを行う「担当」がある。ユーザに対し、組織は複数対応付けられる。組織によって、ユーザの役割が変わるため、ユーザの役割も組織ごとに一意に設定される。このため、利用者情報記憶部211は、利用者IDに、組織ID、組織における利用者の役割を、組織ごとに対応付けて記憶する。
組織情報記憶部212は、危機管理マネジメントシステム1を有する自治体や企業における、危機に対応するための組織を示す組織管理テーブルを格納する。組織情報記憶部212は、例えば、ある会社の危機管理に対応するための組織が登録されている。
アクセス制御情報記憶部213は、各役割におけるデータのアクセス制御に関連する情報を格納する。すなわち、アクセス制御情報記憶部213は、どの役割がどのようなことができるのか、といった情報を格納する。
ボード情報記憶部214は、タスク情報と、該タスク情報が属するボードの識別情報とを対応付けて記憶する。また、ボード情報記憶部214は、第1のボードのタスク情報が連携先の他のシステムにおける管理装置20に転送された場合、該連携先の他のシステムにおける管理装置20の識別情報と第2のボードの識別情報とを、タスク情報に対応づけて登録する。
具体的には、ボード情報記憶部214は、ボードIDと該IDに対応する危機の各種情報とを対応付けたボード管理テーブルを格納する。ボード情報記憶部214は、各タスクにタスクIDと該タスクが属するボードのボードIDとを対応付けたタスク管理テーブルを格納する。ボード情報記憶部214は、各タスクログにタスクログIDと対応タスクID及びタスクが属するボードIDとを対応付けたタスクログ管理テーブルを格納する。
さらに、タスク管理テーブルは、第1のボードのタスク情報のうち他のシステムにおける管理装置20に転送されたタスク情報については、第2のボードのボードIDと、転送されたタスク情報に他のシステムの管理装置20が付した第2のボードにおけるタスクIDと、該タスク情報の送信先情報とを対応付けて記憶する。そして、タスク管理テーブルは、タスク情報のうち他のシステムにおける管理装置20から転送されたタスク情報については、転送元における該タスクのボードIDと、該タスク情報の他のシステムにおけるタスクIDと、該タスク情報の送信元情報とを対応付けて記憶する。
また、タスクログ管理テーブルは、第1のボードのタスクログのうち他のシステムにおける管理装置20に転送されたタスク情報については、該タスク情報の送信先情報を対応付けて記憶する。そして、タスクログ管理テーブルは、タスク情報のうち他のシステムにおける管理装置20から転送されたタスク情報については、転送元の起票元組織及び起票者組織における送信元情報を対応付けて記憶する。
なお、本実施の形態では、タスクログは、あるタスクに関する対応指示及び各対応内容等の個々の情報である。したがって、タスクログと、本システムの使用時に出力されるログや、操作内容を表すログとは異なる。
また、ボード管理部224(後述)は、ボード情報記憶部214が格納するボード管理テーブル、タスク管理テーブル及びタスクログ管理テーブルを基に、利用者端末10の画面に表示させるボードを作成する。そして、タスク管理テーブル及びタスクログ管理テーブルでは、他のシステムとの間で共有されるタスク情報については、連携した送信先の他システムを示す送信先情報、第2のボードのボードID、第2のボードにおけるタスクIDを登録する。これによって、本実施の形態では、連携先のシステムと自システムとの双方に登録されている利用者がいなくても、連携先のシステムへのタスクの転送、連携先のシステムにおける転送されたタスクの登録、及び、連携先のシステムで登録されたタスクの登録情報の受信を行うことによって、双方のシステムのボードの情報を見ることができるようになる。
連携先情報記憶部215は、ボードのうち、第1のボードの識別情報に、他のシステムにおける管理装置20への接続先情報及び第2のボードの識別情報を対応付けて記憶する。例えば、連携先情報記憶部215は、第1のボードの識別情報に、他のシステムにおける管理装置20への接続先情報及び第2のボードの識別情報を対応付けた連携先情報管理テーブルを記憶する。
ログ情報記憶部216は、本システムを使用したときの利用者の認証結果、操作内容等を格納する。ログ情報記憶部216は、一連の操作のログを記憶する。
例えば、システム監査人は、監査時に、このログ情報記憶部216に格納されているログを確認することで、誰がいつ何を変更したのか、不正な処理が行なわれていないかといった内容を把握することができる。また、管理装置20では、ネットワークエラーが発生した場合には、他システムとの連携に失敗するが、自システムには影響はないため、自システムの自ボードや他ボードへのタスク作成は実施する。失敗のログはログ情報記憶部216に出力され、かつシステム管理者に、エラー内容が通知される。システム管理者は、エラー内容に基づき、ログ情報記憶部216にあるログを見ることによって、詳細なエラー状況を把握できる。なお、このようなネットワークエラーがある際、管理装置20は、定期的にリカバリを実施する。管理装置20では、システム管理者によって、リカバリ処理の停止及び再開が設定できるようにしている。
データ処理部22は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。例えば、データ処理部22は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。また、データ処理部22は、NIC(Network Interface Card)等を有し、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置との間の通信を行う。データ処理部22は、処理受付部221、送信処理部222、認証処理部223、ボード管理部224、連携先情報管理部225及びログ出力部226を有する。
処理受付部221は、入出力インタフェースから成り、タスク情報に関する指示を受け付ける。処理受付部221は、利用者端末10の操作によって入力された操作データを受信し、操作データを受け付けて、各処理部に操作データを出力する。そして、処理受付部221は、データ処理部22において処理された情報を利用者端末10に出力する。
具体的には、処理受付部221は、利用者端末10からのボードアクセスを受け付けると、認証処理部223の認証処理後、利用者端末10の利用者が閲覧可能である情報を含むボードの一覧を利用者端末10に出力する。処理受付部221は、利用者端末10の利用者がボード一覧からアクセスするボードを選択した場合には、この選択結果を利用者端末10から受信し、ボード管理部224に出力する。処理受付部221は、ボード管理部224が作成したボードを利用者端末10に出力する。
ここで、ボードには、タスクごとに、他システムへの転送の有無を選択できる転送選択欄が対応付けられている。利用者は、自身の利用者端末10に出力されたボードの任意のタスク情報について、他システムへの転送の可否及び転送先を選択することができる。処理受付部221は、任意のタスク情報の転送処理が利用者端末10において選択された場合、このタスク情報について、他のシステムの第2のボードへの転送指示を受け付ける。
送信処理部222は、処理受付部221が、任意のタスク情報について、他のシステムの第2のボードへの転送指示を受け付けると、連携先情報記憶部215が記憶する他のシステムにおける管理装置20への接続先情報及び第2のボードの識別情報を参照して、第2のボードを管理する他のシステムにおける管理装置20に、転送指示を受けたタスク情報を送信する。言い換えると、送信処理部222は、第2のボードを管理する管理装置20に、転送指示を受けたタスク情報を送信する。
なお、処理受付部221が、他のシステムにおける管理装置20へのタスク情報の共有許可要求を受け付けると、送信処理部222は、要求先の管理装置20に対しタスク情報の共有許可を要求する通知を送信する。この通知に応じた他のシステムにおける管理装置20によるタスク情報の共有許可及び第2のボードの識別情報の通知は、処理受付部221が受信し、連携先情報記憶部215に出力する。これらの処理は、タスク情報の転送処理を迅速かつ正確に実行するため、タスク情報の転送処理前に事前に行われる。
認証処理部223は、処理受付部221により利用者端末10のログインIDやパスワードなどの識別情報を受信した場合に、利用者情報記憶部211及び組織情報記憶部212に格納された利用者情報をもとに認証を行なう。
ボード管理部224は、運用管理者及びボード管理者等が操作する利用者端末10からの操作データにしたがって、ボードを作成する。ボードは、例えば、タスクログID、対応タスクID、ボードID、タスクの内容、起票元タスクログフラグ、起票元組織、起票者情報、送信元情報及び転送選択欄等の項目を有する。
また、処理受付部221は、転送先の他のシステムにおける管理装置20から、転送されたタスク情報の第2のボードに対する登録情報を受信する。この際、ボード管理部224は、ボード情報記憶部214に、転送先の他のシステムにおける管理装置20の識別情報と、転送されたタスク情報が登録された第2のボードの識別情報とを、転送されたタスク情報に対応づけて登録する。
連携先情報管理部225は、他のシステムにおける管理装置20への接続先情報及び第2のボードの識別情報を取得し、連携先情報記憶部215に登録する。また、処理受付部221が、他のシステムにおける管理装置20からタスク情報の共有許可及び第2のボードの識別情報の通知を受信すると、連携先情報管理部225は、連携先情報記憶部215に、第1のボードの識別情報に、他のシステムにおける管理装置20への接続先情報及び第2のボードの識別情報を対応付けて登録する。これらの処理は、タスク情報の転送処理を迅速かつ正確に実行するため、タスク情報転送処理前に、予め行われる。
また、連携先情報管理部225は、任意のタスク情報について第2のボードへの転送指示を処理受付部221が受け付けた際、連携先情報記憶部215を参照し、該タスク情報を転送可能である他のシステムにおける管理装置20の識別情報及び第2のボードの識別情報を取得する。そして、連携先情報管理部225は、取得した情報を処理受付部221に通知する。
また、連携先情報管理部225は、当該管理装置20が外部装置によって送信されたタスク情報を受信すると、外部装置が連携先情報記憶部215に登録された他のシステムにおける管理装置20であるか否かを判定する。連携先情報管理部225によって、外部装置が連携先情報記憶部215に登録された他のシステムにおける管理装置20であると判定された場合について説明する。この場合、ボード管理部224は、ボード情報記憶部214に、他のシステムにおける管理装置20に対応したボードに、受信したタスク情報を登録する。
なお、処理受付部221は、タスク情報転送画面を利用者端末10に提示する際、連携先情報管理部225が取得した、他のシステムにおける管理装置20の識別情報及び第2のボードの識別情報を利用者端末10に提示する。この際、誤った場所へのタスク情報の転送を防止するため、処理受付部221は、該提示した他のシステムにおける管理装置20の識別情報及び第2のボードの識別情報の変更を受け付けない状態で提示を行う。
ログ出力部226は、管理装置20を使用した場合の利用者の認証結果、操作内容等を、ログ情報記憶部216に格納する。
このように、管理装置20は、連携先のシステムへのタスクの転送、連携先のシステムにおける転送されたタスクの登録、及び、連携先のシステムで登録されたタスクの登録情報の受信を行うことによって、双方のシステムのボードの情報を見ることができるようになる。したがって、管理装置20は、連携先のシステムと自システムとの双方に登録されている利用者がいなくても、システムが異なるボード間で効率よく情報を共有することができる。続いて、管理装置20が各処理を行う際に記憶部21から参照するデータの構成について説明する。
[組織管理テーブルの一例]
まず、組織情報記憶部212が記憶する組織管理テーブルのデータ構成について説明する。図3〜図5は、組織管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図3〜図5に示すように、組織管理テーブルには、組織ID、組織名、開始日時、廃止日時、最上位組織等が組織ごとに登録される。
例えば、図3に示すテーブルT1Zは、Z社における危機管理マネジメントシステム1が記憶する組織管理テーブルである。Z社については、Z社の危機に対応するための「危機管理部門」と、グループ会社全体の危機対応を実施する「グループ会社危機対応組織」が登録されており、それぞれの組織にはIDが割り当てられる。
例えば、テーブルT1Zでは、組織ID「1」は、組織名「Z社」であり、開始日時が「2017/4/1 9:00」であり、最上位組織は組織ID「1」の組織である。テーブルT1Zでは、組織ID「2」は、組織名「危機管理部門」であり、開始日時が「2017/4/1 9:30」であり、最上位組織が「1」である。また、テーブルT1Zでは、組織ID「3」は、組織名「グループ会社危機対応組織」であり、開始日時が「2017/4/6 14:35」であり、最上位組織が「1」である。
また、図4に示すテーブルT1Aは、A社における危機管理マネジメントシステム1が記憶する組織管理テーブルである。図4に示すように、A社については、「A社」、A社の危機に対応するための「危機管理部門」や「総務部門」等が登録されており、それぞれの組織にはIDが割り当てられる。また、図5に示すテーブルT1Bは、B社における危機管理マネジメントシステム1が記憶する組織管理テーブルである。図5に示すように、B社については、「B社」、B社の危機に対応するための「危機管理部門」等が登録されており、それぞれの組織にはIDが割り当てられる。
[ボード管理テーブルの一例]
図6及び図7は、ボード管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図6及び図7のテーブルに示すように、ボード管理テーブルには、ボードID、ボードの名前、このボードの概要、作成日時、状態、対応組織、登録日時、登録元組織などが登録される。運用管理者及びリーダは、処理受付部221を介して、ボード管理部224を用いてボードを作成することができる。
図6に示すテーブルT2Zは、Z社における危機管理マネジメントシステム1Zが記憶するボード管理テーブルである。例えば、テーブルT2Zには、ボードID「Zh」に対し、名前「Z社危機に関する情報共有」、概要「EにおけるZ社の危機に関してどのように対応したかを情報共有する」、作成日時「2017/7/21 03:34」、状態「対応中」、対応組織「危機管理部門」、登録日時「2017/7/21 03:57」、登録元組織「危機管理部門」が登録される。また、テーブルT2Zには、ボードID「Zs」に対し、名前「グループ会社F地区大雨対応」、概要「F地区の大雨によるグループ全体の災害状況や対応方針の共有」、作成日時「2017/7/21 03:36」、状態「対応中」、対応組織「危機管理部門 グループ会社危機対応組織」、登録日時「2017/7/21 04:12」、登録元組織「危機管理部門」が登録される。
また、図7に示すテーブルT2Aは、A社における危機管理マネジメントシステム1Aが記憶するボード管理テーブルである。例えば、テーブルT2Aには、ボードID「Ae」に対し、名前「A社における危機情報」、概要「Eにおける危機に関する情報共有」、作成日時「2017/7/21 03:38」、対応組織「危機管理部門」、登録日時「2017/7/21 04:19」、登録元組織「危機管理部門」が登録される。また、図示はしていないが、B社における危機管理マネジメントシステム1Bにおいてもボード管理テーブルを記憶し、例えば、ボードID「Bw」に対し、名前「B社危機対応情報」、概要「EにおけるB社における危機対応情報」、作成日時、対応組織「危機管理部門」、登録日時、登録元組織「危機管理部門」が記憶される。
[タスク管理テーブルの一例]
次に、タスク管理テーブルのデータ構成について説明する。図8〜図10は、タスク管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。タスクIDは、最初に払い出される。
図8〜図10のテーブルに示すように、タスク管理テーブルは、払い出されたタスクIDと、タスクの名称であるタスク名、このタスクIDに対応するタスクがいずれのボードに関係するかを示すボードID、タスクの優先度などが登録される。各々のタスクに対して、関連するタスクログが登録される。さらに、タスク管理テーブルは、他のシステムに転送されたタスク情報については、送信先システム名、該送信先システムが管理する第2のボードのID、及び、転送されたタスクに付された第2のボードにおけるタスクIDを対応付けて記憶する。
具体的に、図8を参照して、タスク管理テーブルのデータ構成について説明する。図8に示すテーブルT3Zは、Z社における危機管理マネジメントシステム1Zが記憶するタスク管理テーブルである。
テーブルT3Zでは、タスクID「30」のタスクは、タスク名が「変電所が不安定」であり、該タスクが属するボードのボードID「Zh」であり、優先度が「重要」と登録される。
また、タスクID「31」のタスクは、タスク名が「F地区の停電」であり、該タスクが属するボードのボードID「Zh」であり、優先度が「緊急」と登録される。さらに、タスクID「31」のタスクの内容は、他システムにも送信されたものである。このため、タスクID「31」のタスクには、送信先システム「A社」、送信先システムにおける第2のボードID「Ae」及び送信先におけるタスクID「108」と、送信先システム「B社」、送信先システムにおける第2のボードID「Bw」及び送信先におけるタスクID「42」が登録される。したがって、タスクID「31」のタスクは、A社のボードID「Ae」及びB社のボードID「Bw」と連携しており、連携先のタスクIDは、A社については「108」であり、B社については「42」である。
同様に、タスクID「32」のタスクは、A社のボードID「Ae」及びB社のボードID「Bw」と連携しており、連携先のタスクIDは、A社については「109」であり、B社については「43」である。
また、図9に示すテーブルT3Aは、A社における危機管理マネジメントシステム1Aが記憶するタスク管理テーブルである。テーブルT3Aを参照すると、タスクID「107」のタスクは、タスク名が「H線に電気が来ない」であり、該タスクが属するボードのボードID「Ae」であり、優先度が「緊急」と登録される。
また、タスクID「108」のタスクは、テーブルT3Zでも示したように、Z社から転送されたボードZhのタスクである。具体的には、タスクID「108」に対し、タスク名が「F地区の停電」、ボードID「Ae」、優先度「緊急」、送信元システム「Z社」、送信元ボードID「Zh」、ボードZhにおけるタスクIDである送信元タスクID「31」が登録される。さらに、該タスクID「108」のタスクは、B社のボード「Bw」にも転送されているため、タスクID「108」に対し、他に送信された送信先システム「B社」、B社におけるボードID「Bw」、ボードBwにおけるタスクIDである送信先タスクID「42」が登録される。
また、図10に示すテーブルT3Bは、B社における危機管理マネジメントシステム1Bが記憶するタスク管理テーブルである。テーブルT3Bを参照すると、タスクID「42」のタスクは、テーブルT3Zでも示したように、Z社から転送されたボードZhのタスクである。このため、タスクID「42」に対し、タスク名が「F地区の停電」、ボードID「Bw」、優先度「緊急」、送信元システム「Z社」、送信元ボードID「Zh」、ボードZhにおけるタスクIDである送信元タスクID「31」が登録される。さらに、タスクID「42」に対し、他に送信された送信先システム「A社」、A社におけるボードID「Ae」、ボードAeにおけるタスクIDである送信先タスクID「108」が登録される。
[タスクログ管理テーブルの一例]
次に、タスクログ管理テーブルのデータ構成について説明する。図11及び図12は、タスクログ管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図11及び図12のテーブルに示すように、タスクログ管理テーブルには、タスクログID、対応タスクID、ボードID、記載された内容、起票元か否かを示す起票元タスクログフラグ、起票元組織、起票者情報、送信先情報などが登録される。
具体的に、図11を参照して、タスクログ管理テーブルのデータ構成について説明する。図11に示すテーブルT4Zは、Z社における危機管理マネジメントシステム1Zが記憶するタスクログ管理テーブルである。例えば、テーブルT4Zでは、タスクログID「73」に対し、対応タスクID「31」、ボードID「Zh」、記載された内容「F地区で停電が発生しました。鉄道、道路への影響が出始めています....」、起票元タスクログフラグ「true」、起票元組織「危機管理部門」、起票者情報「z2」、送信元情報「危機管理部門、A社、B社」などが登録される。
また、図12に示すテーブルT4Aは、A社における危機管理マネジメントシステム1Aが記憶するタスクログ管理テーブルである。テーブルT4Aでは、タスクログID「321」に対し、対応タスクID「108」、ボードID「Ae」、記載された内容「F地区で停電が発生しました。鉄道、道路への影響が出始めています....」、起票元タスクログフラグ「false」が登録される。このタスクログID「321」の対応タスクIDは「108」である。このため、このタスクは、Z社から転送されたものである。このため、タスクログID「321」については、起票元組織「Z社危機管理部門」、起票者情報「z2」、送信元情報「Z社、A社、B社」などが登録される。
[連携先情報管理テーブルの一例]
図13及び図14は、連携先情報管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。図13及び図14のテーブルに示すように、連携先情報管理テーブルには、連携先システムID、連携先システム名、連携先システムURL及び連携先システムボードIDが登録される。連携先情報管理テーブルは、連携先情報管理部225によって、他のシステムにおける管理装置への接続先情報及び第2のボードの識別情報が登録される。
具体的に、図13を参照して、連携先情報管理テーブルのデータ構成について説明する。図13に示すテーブルT5Zは、Z社における危機管理マネジメントシステム1Zが記憶する連携先情報管理テーブルである。
テーブルT5Zでは、連携先システムID「1」には、連携先システム名「Z社危機管理マネジメントシステム」、連携先システムURL「https://www.z_comp.co.jp/rsk
」、連携先システムボードID「Zs[危機に関する情報共有]」、「Zt[サイバー攻撃に関する情報共有]」が登録される。これは、自システム内での連携先に関する情報である。
そして、テーブルT5Zでは、他社のシステムに対する連携先として、連携先システムID「2」には、連携先システム名「A社危機管理マネジメントシステム」、連携先システムURL「https://www.a_comp.co.jp/kiki/」、連携先システムボードID「Zh[Z社危機に関する情報共有]」、「Ae[A社における危機情報]」、「Bw[B社危機対応情報]」が登録される。
さらに、テーブルT5Zでは、他社のシステムに対する連携先として、連携先システムID「3」には、連携先システム名「B社危機管理マネジメントシステム」、連携先システムURL「https://www.b_comp.co.jp/risk/」、連携先システムボードID「Zh[Z社危機に関する情報共有]」、「Ae[A社における危機情報]」、「Bw[B社危機対応情報]」が登録される。
また、図14に示すテーブルT5Aは、A社における危機管理マネジメントシステム1Zが記憶する連携先情報管理テーブルである。テーブルT5Aでは、他社のシステムに対する連携先として、連携先システムID「1」には、連携先システム名「Z社危機管理マネジメントシステム」、連携先システムURL「https://www.z_comp.co.jp/rsk」、連携先システムボードID「Zh[Z社危機に関する情報共有]」、「Ae[A社における危機情報]」が登録される。
[自システム内での連携]
管理装置20が、他システムとの間でタスク情報の共有を行う他、自装置が管理するボード間でタスク情報を共有することもできる。そこで、まず、自システム内での連携について説明する。図15は、Z社内部の組織間の関係を示す図である。図16は、Z社におけるボードと、ボードが対応する組織との対応関係を示す図である。
図15及び図16に示すように、Z社では、危機管理部門は「危機に関する情報共有」ボード(ボードID「Zs」)を用いて、Z社に発生したインシデント対応をしている。危機管理部門には、メンバーとして、担当z1,z2が所属する。一方、情報システム部門は、「サイバー攻撃に関する情報共有」ボード(ボードID「Zt」)を用いて、サイバー攻撃に関する情報共有や対策等の報告を行なっている。情報システム部門には、メンバーとして、担当zm,znが所属する。
ここで、担当z1は、「危機に関する情報共有」ボードでやり取りしているインシデントがサイバー攻撃によるものであることを、担当zmから連絡された。そこで、担当z1は、ボードID「Zs」とボードID「Zt」との間で同じ情報を共有できるように、ボード間の連携を設定する。
まず、担当z1は、運用管理者及びボードID「Zt」のボード管理者に、ボードID「Zs」とボードID「Zt」との連携許可を要求する。運用管理者及びボード管理者がボードID「Zs」とボードID「Zt」との連携を許可すると、管理装置20は、連携先情報記憶部215に、ボードID「Zs」とボードID「Zt」とが互いに連携するボードであることを登録する(例えば、図13のテーブルT5Z、連携先システムID「1」参照)。この登録後、危機管理部門及び情報システム部門のメンバーは、タスク情報をボードID「Zs」とボードID「Zt」の双方のボードに同時に送って、危機対応にあたることが可能になる。
図17は、作成したタスク情報を自システムの他のボードに転送する際の宛先選択の画面例である。例えば、担当z1が、危機管理部門のボードID「Zs」のタスク情報を、情報システム部門のボードID「Zt」に転送する例について説明する。
この場合、図17に示す画面W1には、自システムにおける他のボードへのタスク情報の転送を選択できるチェックボックスCBaが表示される。例えば、担当z1は、チェックボックスCBaにチェックを入れて自身が属する部門「危機管理部門」を選択する(図17の(1)参照)。すると、画面W1の下部に、「危機管理部門」の連携先のボードとして、情報システム部門のボードID「Zt」が表示される(図17の(2)参照)。情報システム部門のボードID「Zt」は、連携先として登録済みのボードである。なお、この表示欄は、選択解除が不可の状態で表示される(図17の(2)参照)。したがって、担当z1が、ボードを誤って設定することを回避することができる。なお、連携先としてボードは複数設定可能である(図17の(3)参照)。
担当z1は、この画面W1における選択指示を完了し、作成したタスク情報の転送を指示すると、転送先のボード(ボードID「Zt」)に、作成したタスク情報が登録され、情報システム部門のメンバーも、担当z1が作成したタスク情報を確認できる。
[他システム間との連携]
次に、他の危機管理マネジメントシステム1との間の連携について説明する。図18は、Z社、A社及びB社の組織間の関係を示す図である。図19は、Z社、A社及びB社の間におけるネットワーク構成を示す図である。
まず、図18及び図19のネットワーク構成では、複数の危機管理マネジメントシステム1Z,1A,1Bが立ち上がっており、各社は自社のシステムを使用する。ネットワーク体系は異なる。これらの複数の危機管理マネジメントシステムが連携する時には、システム間でのセキュリティを高めておく。以下に、その例を示す。
例えば、サーバ間認証用のサーバを用意し、管理装置20は、ID及びパスワードで相互認証を実施する。認証用IDとして、各々のシステムを区別するためのIDを使用する。また、他の例として、SSL(Secure Sockets Layer)クライアント証明を、危機管理マネジメントシステム1Z,1A,1Bの管理装置20に適用して相互認証を実施する。さらに、管理装置20は、システム間の通信に、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)プロトコルを使用して、データ傍受できないようにする。
また、他の例として、管理装置20は、サーバ証明書を含めた共有データを秘密鍵で暗号化し、公開鍵を用いて復号する。Z社の危機マネジメントシステム1Zは、A社、B社との危機管理マネジメントシステム1A,1Bと連携する際、公開鍵を用いて復号した後で、A社、B社の危機管理マネジメントシステム1A,1Bの接続先情報等を、管理装置20の連携先情報管理テーブルに登録する。
なお、A社が、例えばZ社とのみ連携する時には、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zの接続先情報等を、危機管理マネジメントシステム1Aの管理装置20の連携先情報管理テーブルに登録する。図13のテーブルT5Z、図14のテーブルT5Aは、Z社およびA社において登録された連携先情報管理テーブルの実際の例である。
そして、あるインシデントが発生した際には、各社が関係するボードを作成し、相互に連携させる。図18及び図19では、Z社の危機管理部門が用いるボードID「Zh」、A社の危機管理部門が用いるボードID「Ae」、B社の危機管理部門が用いるボードID「Bw」のボードにおいてタスク情報を共有させる場合について説明する。なお、Z社の危機管理部門には、担当z1,z2が所属する。A社の危機管理部門には、担当a1,a2が所属する。B社の危機管理部門には、担当b1,b2が所属する。
Z社のボードID「Zh」、A社ボードID「Ae」、B社ボードID「Bw」の3つのボードを共有させたい場合、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zでは、ボードID「Zh」の連携先情報として、A社およびB社の危機管理マネジメントシステム1A,1Bの接続先情報と、それぞれ連携を行うボードIDを設定する。すなわち、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zの管理装置20は、図13のテーブルT5Zに示すように、連携先システムID「2」,「3」の各情報を登録する。
同様に、A社の危機管理マネジメントシステム1Aの管理装置20は、図13のテーブルT5Aに示すように、Z社とB社の危機管理マネジメントシステムの接続先情報と各ボードIDを登録する。また、B社の危機管理マネジメントシステム1Bの管理装置20は、Z社とA社の危機管理マネジメントシステムの接続先情報と各ボードIDを設定する。
ここで、例えば、Z社の担当z1は、「危機に関する情報共有」ボードでやり取りしているインシデントが、複数の重要インフラ企業とやり取りすべき情報であるとの指摘を受けた。この場合、担当z1は、A社及びB社に連絡を取り、さらに、管理装置20を操作して、管理装置20から、A社およびB社の危機管理マネジメントシステム1A,1Bの管理装置20に対し、タスク情報共有許可を要求する通知を送信する。これに応じて、管理装置20は、A社およびB社の危機管理マネジメントシステム1A,1Bの管理装置20からタスク情報の共有許可とともに、システム名、接続先情報(例えば、URL)、第2のボードID等を受信すると、連携先情報管理テーブルに受信した情報を登録する。
上記のようなやり取りを行って、Z社、A社、B社それぞれの管理装置20が、連携先情報管理テーブルに連携に必要な情報を登録する。登録後は、タスク情報の転送や登録情報の返信等を行うことによって、どの社からも、タスクまたはタスクログの登録内容がボードで閲覧できるようになる。
図20は、作成したタスク情報を他システムに転送する際の宛先選択の画面例を示す図である。例えば、担当z1が、危機管理部門のボードID「Zh」のタスク情報を、A社及びB社の危機管理マネジメントシステム1A,1Bに転送する例について説明する。
この場合、図20に示す画面W2には、他のシステムへの転送を選択できるチェックボックスCBbが表示される。例えば、担当z1は、このチェックボックスCBbにチェックを入れて自信が属する部門「危機管理部門」を選択する(図20の(1)参照)。すると、画面W1の下部に、「危機管理部門」の連携先の他のシステムにおけるボードとして、A社におけるボードID「Ae[A社における危機情報]」、B社におけるボードID「Bw[B社危機対応情報]」が表示される(図20の(2)参照)。なお、この表示欄は、選択解除が不可の状態で表示される(図20の(2)参照)。したがって、担当z1が、ボードを誤って設定することを回避することができる。なお、連携先としてボードは複数設定可能である(図20の(3)参照)。
[ボード間の連携パターン]
次に、ボード間の連携パターンについて説明する。図21〜図23は、ボード間の連携パターンを説明する図である。
ボード間の連携パターンの一例として、図21に示すように、タスク作成時にタスクを他ボードに複写するパターンがある。この場合、作成したタスクは、ボードA(自ボード)及びボードB(他ボード)に同時に新規タスクとして登録される。なお、このタスクのタスクIDは、ボードAでは「1」が付与され、ボードBでは「30」が付与される。
ボード間の連携パターンの他の例を、図22を参照して説明する。図22の例では、管理装置20は、ボードA(自ボード)の任意のタスクの回答として、ボードB(他ボード)にも送信する。
図22の(a)に示すように、このタスクの回答が、連携しているタスクに対する回答であれば、ボードAのタスクログがボードBのタスクログとして登録される。すなわち、ボードAのタスクログの作成と同時に、ボードBへタスクログとして登録される。例えば、ボードAでは、タスクIDとして「1」が付与され、タスクログIDとして「11」が付与される。また、ボードBでは、タスクIDとして「30」が付与され、タスクログIDとして「35」が付与される。
また、図22の(b)に示すように、このタスクの回答が、連携していないタスクに対する回答であれば、ボードAのタスクログがボードBの新規タスクとして登録される。すなわち、ボードAのタスクログの作成と同時に、ボードBへ新規タスクとして登録される。例えば、ボードAでは、タスクIDとして「1」が付与され、タスクログIDとして「11」が付与される。また、ボードBでは、タスクIDとして「30」が付与される。
ボード間の連携パターンの他の例として、図23を参照し、ボードA及びボードBの連携前にボードAで作成されたタスクまたはタスクログを、連携後にボードBに登録する例を説明する。図23に示すように、管理装置20は、連携前にボードAで作成されたタスクまたはタスクログについては、自ボード(ボードA)には複写せず、ボードBのみに複写する。言い換えると、ボードAのタスクは作成済みである。連携後、管理装置20は、このタスクを転送することによって、ボードBにタスク登録させる。したがって、双方のタスク登録には時間差が生じる。なお、このタスクのタスクIDは、ボードAでは「1」が付与されており、ボードBでは「30」が付与される。
図21〜図23を用いて説明したいずれのパターンにおいても、タスク送信することによって、その後、ボードAとボードBとの間でタスクを共有することができる。図24は、タスクログの作成経緯を示す図である。まず、連携開始後に作成されたタスクログ(タスクログβ−2)について説明する。この場合、管理装置20は、タスクログβ―2を連携先の管理装置20に送信するタイミングで、タスクログβ−2を含むタスクβ、及び、タスクβに関連するタスクログβ−1も一緒に連携先の管理装置20に送信する(図24の(1)参照)。これによって、連携先の管理装置20では、タスクログβ−2とともに、過去の経緯(タスクβ及びタスクログβ−1)も見ることができるようになる。
また、連携前に作成し、連携後にやり取りがないタスクおよびタスクログ(タスクα、タスクログα−1〜α−n)について説明する。このタスクα、タスクログα−1〜α−nについては、管理装置20は、タスク複写機能を用いて連携先の管理装置20と共有することによって、双方で過去のやり取りも共有することができる。具体的には、適切な時期に、タスク複写機能により、タスクα、タスクログα−1〜α−nまでの一連のやり取りを連携先の管理装置20に転送し、共有する(図24の(2)参照)。
[ボード間の連携の設定]
次に、ボード間の連携の設定について詳細に説明する。例えば、Z社運用管理者またはZ社ボード管理者がボードの設定を変更する場合について説明する。図25は、利用者端末10に表示される画面の一例である。
この場合、管理装置20は、Z社運用管理者またはZ社ボード管理者によるボード設定変更要求を受け付けて、図25に示すボード変更用の画面MZ1を利用者端末10に表示させる。この画面MZ1のうち、枠M1内の領域に、ボード間連携のための設定欄が表示される。Z社運用管理者またはZ社ボード管理者は、この枠M1内の各設定欄に対し、設定や書き込みを行うことによって、ボード間の連携の設定を行う。
Z社の危機管理マネジメントシステム1Zでは、事前にA社、B社について管理装置20の連携先情報管理テーブルに接続先情報が登録済みである。このため、画面MZ1では、連携先システム名のプルダウンをクリックすると、登録されている連携先システム名が選択できる。
例えば、Z社運用管理者またはZ社ボード管理者は、欄Q1をプルダウンすると、A社危機管理マネジメントシステムが選択可能である。Z社運用管理者またはZ社ボード管理者は、A社危機管理マネジメントシステムを選択した場合、このA社危機管理マネジメントシステムでの連携先であるボードIDを欄Q11、ボード名を欄A12に入力する。具体的には、欄Q11には「Ae」を入力し、欄Q12には「A社における危機情報」を入力する。また、Z社運用管理者またはZ社ボード管理者は、欄Q2をプルダウンし、B社危機管理マネジメントシステムを選択した場合、このB社危機管理マネジメントシステムでの連携先であるボードID「Bw」を欄Q21、ボード名「B社危機対応情報」を欄Q22に入力する。
そして、Z社運用管理者またはZ社ボード管理者は、連携先のA社及びB社のシステムのボード管理者に連携の設定を行ったことを通知する場合は、チェックボックスR1「連携先ボード管理者に通知する」にチェックをつける。
このように、Z社運用管理者またはZ社ボード管理者は、連携先システム名、連携先ボードID、連携先ボード名を設定した後に、変更ボタンU1を選択すると、管理装置20において、ボードの連携先に関する設定が変更される。
この連携先の設定は、事前に、すなわち、ボードへのタスク登録前に行うことが望ましい。事前に連携先を設定することによって、タスクの共有がタイムラグなく行われるためである。もちろん、上記のように連携後であっても過去のタスクの共有は可能であるため、必ずしも事前に連携先を設定する必要はない。
[タスクの共有処理の流れ]
次に、タスクの共有処理の流れについて説明する。図26は、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zの利用者端末10に表示されるボードの一例を示す図である。
例えば、担当z1の利用者端末10の画面には、図26に示すように、ボードID「Zh」のボードLZが表示される。図26に示すように、ボードLZには、タスクID、優先度、状態、タスク名、更新日時、起票日時、送信側、受信側、連絡内容、転送欄が表示される。さらに、ボードLZの転送選択欄には、各タスクログIDに対応させて、転送する旨を選択可能であるプルダウンP11,P12,P13が設けられる。
例えば、担当z1が、ボードID「Zh」のタスクID「32」のタスク情報を、A社及びB社のボード間で共有する指示を行った場合について説明する。担当z1は、共有対象のタスクID「32」の行における転送選択欄のプルダウンP13のうち「転送する」(欄P13s)を選択する。この結果、担当z1の利用者端末10には、タスク転送指示用の画面が表示される。
図27は、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zの利用者端末10に表示されるタスク転送指示用の画面の一例を示す図である。担当z1の転送指示操作に応じて、管理装置20は、担当z1の利用者端末10の画面に、図27に示す画面MZ2を表示させる。画面MZ2は、転送を指示したタスク名、優先度及び送信内容を左側領域に表示する。また、画面MZ2は、自ボードにおける送信先領域R21、外部システム連携領域R22及び送信先ボード選択領域R23を右側領域に表示する。
担当z1は、自ボードにおける送信先については、送信先領域R21のチェックボックスにチェックを入れる。そして、担当z1は、外部システム連携領域R22に示された連携先のシステムの名称やボードIDを確認する。さらに、他のシステムにタスク情報を送信する場合には、送信先ボード選択領域R23の欄R23sをプルダウンし、送信先ボードを選択する。続いて、担当z1は、送信実行ボタンU2を選択する。
管理装置20は、上記操作によりタスクの転送指示を受け付けると、転送指示を受けた連携先のシステムの接続先情報を連携先情報記憶部215から取得し、転送先の連携先システムにタスク情報を送信する。図27の例では、Z社の管理装置20から、A社の危機管理マネジメントシステム1AのボードID「Ae」に、ボードID「Zh」のタスク「32」のタスク情報が転送される。これに応じて、A社の危機管理マネジメントシステム1Aの管理装置20は、転送されたタスク情報を、Z社に対応するボードに登録し、新たにタスクIDまたはタスクログIDを付与する。
具体的には、A社の危機管理マネジメントシステム1Aの管理装置20は、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zからタスク情報を受信すると、登録対象であるボードID「Ae」のボードに、転送されたタスク情報を登録する。例えば、図27の画面MZ2に示すタスクが転送された場合には、図9のテーブルT3A及び図12のテーブルT4Aに示すように、転送されたタスクには、A社の管理装置20によって、タスクログID「322」、タスクID「109」が付与され、送信元情報や他の送信先情報と対応付けて登録される。
図28は、A社の危機管理マネジメントシステム1Aの利用者端末10に表示されるボードを例示する図である。上記処理後に、A社の担当a1がボードID「Ae」を呼び出すと、利用者端末10の画面には、図28に示すボードLAが表示される。このボードLAには、タスクID「109」のタスク名として、ボードID「Zh」のタスクID「32」のタスク名「G地区の停電」が表示される。そして、ボードLAのタスクID「109」には、連絡内容として「F地区の変電所がストップしたため、G地区にも停電が起きています。」が表示される。
また、A社の危機管理マネジメントシステム1Aの管理装置20は、転送されたタスクログのA社における登録情報を、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zの管理装置20に送信する。すなわち、A社の管理装置20は、転送されたタスク情報にタスクログID「322」及びタスクID「109」を付与し、ボードID「Ae」に登録した旨を示す登録情報を、Z社の管理装置20に送信する。
Z社の管理装置20がこの登録情報を受信すると、Z社のボード管理部224がボード情報記憶部214に登録情報を登録する。具体的には、ボード管理部224は、図8のテーブルT3Z及び図11のテーブルT4Zに示すように、転送されたタスクID「32」、タスクログID「74」のタスク情報に対し、送信先であるA社を示す情報、共有先のボードID「Ae」及びA社において付されたタスクID「109」を登録する。これによって、タスク情報の転送処理は終了する。
[タスク情報に対する処理の流れ]
次に、タスク情報に対する処理の流れについて説明する。例えば、Z社の危機管理マネジメントシステム1ZからA社の危機管理マネジメントシステム1A及びB社の危機管理マネジメントシステム1Bへタスクが送信される場合を例に説明する。
まず、Z社においては、管理装置20は、利用者のタスク作成処理を受け付けて、対応するボードにタスク情報を登録する。そして、利用者が、タスクの転送を指示した場合には、管理装置20は、図27に示すタスク転送指示用の画面を利用者端末10に表示させる。利用者は、利用者端末10に表示された画面にしたがって、送信先ボードID、ログインID、組織名、パスワードを入力した上で、タスク情報の転送を指示する。なお、連携先の他の危機管理マネジメントシステムの接続先情報やタスク共有されるボードのIDは、事前に連携先情報記憶部215に登録されている。
管理装置20は、タスク情報の転送指示を受け付けると、タスクの内容を、作成時に付与された危機管理マネジメントシステム1ZでのタスクIDとともに、HTTPSプロトコルを使用して、A社及びB社に送信する。
図29は、タスク転送のために管理装置20が送信する情報の構成を示す図である。管理装置20は、図29のテーブルT6に示すデータ構成の情報を送信する。すなわち、図29に示すように、管理装置20が送信する情報は、送信先のシステム名、登録先のボード(第2のボード)ID、送信元のシステム名、及び、送信元におけるボード(第1のボード)ID、タスク名や内容等の送信データを有する構成である。
送信先のシステム、例えば、A社の管理装置20では、Z社から送信された情報を受信し、この受信データから得られる送信元システムやボードIDを、連携先情報設定テーブルの情報と照合する。そして、A社の管理装置20は、受信データから得られる送信元システムやボードIDと、連携先情報設定テーブルの情報とが一致した場合には、送信データに含まれるタスクまたはタスクログを登録する。すなわち、A社の管理装置20は、ボードIDやタスクIDをチェックし、該当するボードにタスク情報を登録する。
図30は、タスク転送前後のZ社の危機管理マネジメントシステム1Zの管理装置20が記憶するタスク情報と、A社の危機管理マネジメントシステム1Aの管理装置20が記憶するタスク情報とを示す図である。図30の(a)上段に示すように、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zにおいて、ボードID「Zh」にタスクID「31」のタスク情報が登録される。この時点では、図30の(b)上段に示すように、A社の危機管理マネジメントシステム1Aにおいて、Z社と関連するタスク情報は登録されていない。
その後、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zにおいて、ボードID「Zh」のタスクID「31」に対し、A社の危機管理マネジメントシステム1Aへの転送が指示される。この転送指示にしたがい、ボードID「Zh」のタスクID「31」タスク情報がA社の危機管理マネジメントシステム1Aに転送される。
これに応じて、A社の危機管理マネジメントシステム1Aでは、図30の(b)下段に示すように、ボードID「Zh」のタスクID「31」タスク情報をボードID「Ae」登録し、タスクID「108」を付与する。そして、A社の危機管理マネジメントシステム1Aは、登録内容をZ社の危機管理マネジメントシステム1Zに送信する。Z社の危機管理マネジメントシステム1Zでは、A社の危機管理マネジメントシステム1Aからの登録情報を受けて、タスクID「31」のタスク情報に、A社のシステムにおいて該タスク情報が登録されたボードID「Ae」及びA社にて該タスク情報に付与されたタスクID「108」を登録する。
なお、Z社の危機管理マネジメントシステム1Zは、B社の危機管理マネジメントシステム1Bにも同様にこのタスクID「31」のタスク情報の転送処理を行った場合、同様に、B社のシステムにおいて該タスク情報が登録されたボードID「Bw」及びB社にて該タスク情報に付与されたタスクID「42」を登録する。
[他のシステム間における通信処理の処理手順]
次に、他のシステム間における通信処理の処理手順について説明する。図31は、実施の形態における危機管理マネジメントシステム間の通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。ここでは、Z社における危機管理マネジメントシステム1Zと、A社における危機管理マネジメントシステム1Aとの間の通信処理を例に説明する。
図31に示すように、Z社における危機管理マネジメントシステム1Zでは、管理装置20が、利用者のタスク登録指示及び転送指示を受け付けると、タスクIDを決定し、決定したタスクIDとともにタスクの内容を自システムのボードに登録する(ステップS1)。そして、Z社における危機管理マネジメントシステム1Zの管理装置20は、タスク情報を、HTTPSプロトコルを用いてA社の危機管理マネジメントシステム1Aの「A社における危機情報」ボードに送る(ステップS2)。
A社の危機管理マネジメントシステム1Aでは、送信されたタスク情報を受信すると、タスク(タスクログ)を該当ボードに登録し、ボード情報記憶部214の情報を更新する(ステップS3)。そして、A社の危機管理マネジメントシステム1Aは、受信したタスク情報を登録したボードID、A社の危機管理マネジメントシステム1Aにおいて付与したタスクID、タスクログIDを、HTTPSプロトコルを用いて、送信元のZ社の危機管理マネジメントシステム1Zに送る(ステップS4)。
Z社の危機管理マネジメントシステム1Zは、送信先のA社の危機管理マネジメントシステム1Aから登録情報を受信すると、ボード情報記憶部214の情報を更新し(ステップS5)、送信したタスクに対応付けて、A社におけるボードID、タスクID、タスクログIDを登録する。
[管理装置におけるタスク情報転送処理の処理手順]
次に、管理装置20におけるタスク情報転送処理について説明する。図32は、管理装置20におけるタスク情報転送処理の処理手順を示すシーケンス図である。具体的には、図32に示す処理は、図31に示すステップのうち、タスクを送信するZ社の危機管理マネジメントシステム1Zにおける管理装置20が実行する処理である。
図32に示すように、まず、処理受付部221が利用者端末10によるログインを受け付けると(ステップS11)、認証処理部223は、利用者端末10のログイン情報と、利用者情報記憶部211及び組織情報記憶部212とに格納されている情報とを参照し、認証を検証する(ステップS12)。認証処理部223が該利用者端末10の認証に成功すると、ボード管理部224は、アクセス制御情報記憶部213に格納されている情報を参照して、この利用者がアクセス可能なボードを検索する。そして、ボード管理部224は、利用者が閲覧可能であるボード一覧を、ボード情報記憶部214に格納されている情報を参照して作成する(ステップS13)。処理受付部221は、ボード管理部224が作成したボード一覧を利用者端末10に送信する。
処理受付部221が、利用者端末10によるボード一覧からのアクセスするボードの選択を受け付けると(ステップS14)、ボード管理部224は、アクセス制御情報記憶部213及びボード情報記憶部214を参照し、利用者からアクセスを指定されたボードに関する情報を読み出し(ステップS15)、ボードを作成する。処理受付部221は、ボード管理部224が作成したボードの内容(例えば、図26のボードLZ)を、利用者端末10(例えば、担当z1)に送信して表示させる(ステップS16)。
処理受付部221が、利用者端末10より、あるタスクまたはタスクログの選択及び選択したタスクまたはタスクログの転送指示を受けると、選択したタスクまたはタスクログの転送処理を起動する(ステップS17)。これを受けて、ボード管理部224は、ボード情報記憶部214を参照して、該当するタスクまたはタスクログの詳細を検索する(ステップS18)。そして、ボード管理部224は、検索したタスクまたはタスクログを処理受付部221に出力する。
処理受付部221は、例えば、必要事項の記載のための画面(例えば、図27の画面MZ2)を利用者端末10に表示させて、必要事項を受け付け、転送先の連携先システムに関する情報を呼び出す(ステップS19)。これにともない、ボード管理部224は、アクセス制御情報記憶部213及びボード情報記憶部214に格納されている情報を参照して、利用者がアクセス可能なボードを検索する(ステップS20)。そして、連携先情報管理部225は、連携先情報記憶部215を参照して、転送対象のタスクが属する関連ボードの連携先情報を検索する(ステップS21)。
処理受付部221は、ボード管理部224及び連携先情報管理部225が検索した情報を基に、対象のタスクの、自システム内への転送先を選択するとともに他システムへの送信先を選択する(ステップS22)。
これにより、ボード管理部224は、アクセス制御情報記憶部213及びボード情報記憶部214が格納する情報を更新して、自システムの指定ボードに、転送対象のタスクの内容を、新規タスク、新規タスクログとして登録する(ステップS23)。
また、送信処理部222は、連携先情報管理部225が検索した他のシステムにおける管理装置20への接続先情報及び第2のボードの識別情報を参照して、転送対象のタスクを、該タスクが属するボードに対応付けられた連携先の他システムに送信する処理を実行する(ステップS24)。
送信処理部222による転送処理が完了する(ステップS25)。その後、処理受付部221は、転送先の管理装置20から、タスク、タスクログの登録情報を受信する(ステップS26)。具体的には、登録情報は、転送先の管理装置20における、対象タスクまたはタスクログの登録ボードID、タスクIDまたはタスクログIDを含む。そこで、ボード管理部224は、受信したタスクまたはタスクログの登録情報をボード情報記憶部214に登録して(ステップS27)、処理を終了する。なお、一連の操作ログは、ログ出力部226によってログ情報記憶部216に記録されている(ステップS28)。
[管理装置におけるタスク情報受信処理の処理手順]
次に、管理装置20におけるタスク情報受信処理について説明する。図33は、管理装置20におけるタスク情報受信処理の処理手順を示すシーケンス図である。具体的には、図33に示す処理は、図31に示すステップのうち、タスクを受信したA社の危機管理マネジメントシステム1Aにおける管理装置20が実行する処理である。
図33に示すように、まず、処理受付部221が転送元からタスクまたはタスクログの転送情報を受信すると(ステップS31)、連携先情報管理部225は、連携先情報記憶部215を参照し、連携先情報として、転送元のシステムの名称とタスクまたはタスクログを登録するボードIDとを検索する(ステップS32)。
ボード管理部224は、連携先情報管理部225による検索結果を基に、ボード情報記憶部214から、登録するボードを検索する(ステップS33)。続いて、ボード管理部224は、受信した情報に含まれるタスクまたはタスクログを、検索したボードに新規タスク、新規タスクログとして登録する(ステップS34)。この際、ボード管理部224は、登録したタスクまたはタスクログに対して新たに、本管理装置20におけるタスクID、タスクログIDを付与する。また、ボード管理部224は、登録したタスクに対し、転送元の危機管理マネジメントシステムの名称、転送元において該タスクが属するボードID、転送元におけるタスクID等も対応付けて登録する。
ボード管理部224によるタスクまたはタスクログの登録が完了すると(ステップS35)、送信処理部222は、本管理装置20において登録したボードID、タスクIDまたはタスクログID等の登録情報を転送元に通知して(ステップS36)、処理を終了する。なお、一連の操作ログは、ログ出力部226によってログ情報記憶部216に記録されている(ステップS37)。
[実施の形態の効果]
このように、本実施の形態に係る管理装置20は、連携先の他のシステムとの間においてタスク情報の共有を行うために、自装置のタスク情報を、他のシステムに転送する。その後、管理装置20は、他のシステムから、転送されたタスク情報の第2のボードにおける登録情報を受信すると、この連携先の他のシステムの識別情報と第2のボードの識別情報とを、転送したタスク情報に対応づけて登録する。
また、管理装置20は、連携する他のシステムから管理装置20から送信されたタスク情報を受信すると、他のシステムに対応する自装置のボードに、受信したタスク情報を登録する。この結果、タスク管理テーブル及びタスクログ管理テーブルには、他のシステムとの間で共有されるタスク情報については、連携先の他システムを示す情報、第2のボードのボードID、第2のボードにおけるタスクIDを登録される。
このように、本実施の形態では、連携先のシステムへのタスクの転送、連携先のシステムにおける転送されたタスクの登録、及び、連携先のシステムで登録されたタスクの登録情報の受信を行う。この結果、本実施の形態によれば、利用者は、他のシステムのボードの情報を自システムのボードの情報として見ることができるようになる。したがって、本実施の形態に係る管理装置20は、連携先のシステムと自システムとの双方に登録されている利用者がいなくても、システムが異なるボード間で効率よく情報を共有することができる。
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、本実施の形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
[プログラム]
図34は、プログラムが実行されることにより、管理装置20が実現されるコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、管理装置20の各処理を規定するプログラムは、コンピュータ1000により実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、管理装置20における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
また、上述した実施の形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して実行する。
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN、WAN等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施の形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。