JP6838116B1 - 周波数変換器、及び高周波信号の供給方法 - Google Patents

周波数変換器、及び高周波信号の供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】対象信号を高い周波数帯で合成、分配しつつ1本の伝送経路で供給でき、小型化及び解析帯域の広帯域化が図れる周波数変換器、及び高周波信号の供給方法を提供する。【解決手段】周波数変換器1は、高周波信号を生成するためのそれぞれ異なる周波数を有する第1の信号S1と第2の信号S2を混合し、第1の信号S1と第2の信号S2との混合信号S3を1本のケーブル4に出力する周波数混合器3を有する第1の周波数変換部2と、ケーブル4から混合信号を入力し、第1の信号S1と第2の信号S2とに分配する周波数分配器6を有する第2の周波数変換部5と、を備える。周波数変換器1において、周波数混合器3または周波数分配器6の少なくとも一方が、進行波指向性カプラ3aまたは6aによって構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、周波数が異なる複数の信号を混合、分配して1本のケーブルで高周波信号を供給する周波数変換器、及び高周波信号の供給方法に関する。
例えば、ミリ波帯の信号を使用するIEEE802.11adや5Gセルラ等に対応した無線信号を送受信する無線端末(スマートフォン等)の性能試験に用いられる信号発生装置、あるいはスペクトラムアナライザ(SA)などの信号解析装置においては、図12に示す構成を有する周波数変換器70を用いるものがあった。
この周波数変換器70は、例えば、装置本体内に設けられる第1の周波数変換部71と、装置本体外に配置した第2の周波数変換部75とを1本のケーブル76で接続した構成を有する。第1の周波数変換部71では、局部発振周波数信号(以下、ローカル信号(LO)という)と中間周波数(Intermediate Frequency:IF)信号(以下、IF信号という)とを混合してケーブル76で第2の周波数変換部75に伝送し、第2の周波数変換部75では、送られてきた信号からローカル信号とIF信号を分配し、ローカル信号を逓倍器75bで逓倍したうえで、IF信号と混合して無線周波数(Radio Frequency)信号(以下、RF信号という)を生成している。
この従来の周波数変換器70は、第1の周波数変換部71、及び第2の周波数変換部75が、例えば、L(コイルL1〜L3、L11〜L13)及びC(コンデンサC1〜C3、C11〜C13)の各素子を有するLCダイプレクサ(diplexer)で構成されていた。
また、従来、周波数が異なる複数の信号を混合して伝送するものとして、例えば、周波数が等しいか、若しくは近い信号を電力損失なく、かつ入力信号端子間のアイソレーションを維持したまま混合するコンバイナが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−220487公報
上述したように、従来の周波数変換器では、ローカル信号とIF信号を混合、分配して1本のケーブルで送ることで、ローカル信号とIF信号を2本のケーブルでそれぞれ供給することによる煩雑さ、及びコスト高騰を回避することができる。しかしながら、この従来の周波数変換器では、混合、分配対象となる信号(対象信号)、特に、IF信号を高い周波数で供給するには不向きであった。
ここで、高い周波数のIF信号が求められる例について説明する。例えば、近年、開発が進んでいる5Gの無線端末(以下、5G端末)は、ミリ波帯の信号を活用する。ミリ波帯の測定に使う信号は広い帯域幅が必要とされる。一方で、測定に使う信号を解析処理する側では、広い解析帯域幅を必要とし、十分に高いIF信号でないと表示などが行えなくなる。具体例を挙げると、例えば、2GHz程度の幅を見るためには、1GHzの中心周波数帯を有するIF信号に落とさないと対応できない。
今後、5G以降の開発が進展するにつれて測定が求められる帯域幅は広がる一方であると想定されるところ、そうした広帯域幅の測定を行うためには、IF信号の周波数をより高めていくことが不可欠となる。
この点について、従来の周波数変換器では、ローカル信号とIF信号との混合、分配にダイプレクサを使用していたため、周波数レンジが不足し、通せるIF信号の周波数が制限されることとなった。この従来の周波数変換器は、同時に、IF信号の周波数帯域も制限を受けるため、その周波数特性は、例えば、図13に示すように、カットオフ周波数fcが、数MHzから3GHz程度に留まることとなった。かかる従来の周波数変換器は、通せるIF信号の周波数が制限される分、解析帯域幅も制限され、解析帯域幅の広帯域化は困難であった。
また、従来の周波数変換器では、ダイプレクサの周波数レンジの不足に対処すべく、IF信号を分周して送り、出先側で分配後のIF信号を逓倍するようになっており(図12参照)、出先側に逓倍回路を設ける必要性から、回路規模、内部スペースの大型化を免れなかった。
一方で、特許文献1には、ローカル信号とIF信号と混合、分配して1本のケーブルで供給する方式の周波数変換器における解析帯域の広帯域化の技術に関しては何等示唆されていなかった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、対象信号を高い周波数帯で合成、分配しつつ1本の伝送経路で供給でき、小型化、及び解析帯域の広帯域化が図れる周波数変換器、及び高周波信号の供給方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る周波数変換器は、高周波信号を生成するためのそれぞれ異なる周波数を有する第1の信号(S1)と第2の信号(S2)を混合し、前記第1の信号と前記第2の信号との混合信号(S3)を1本の伝送経路(4)に出力する周波数混合器(3)を有する第1の周波数変換部(2)と、前記伝送経路より前記混合信号を入力し、前記第1の信号と前記第2の信号とに分配する周波数分配器(6)を有する第2の周波数変換部(5)と、を備え、前記周波数混合器または前記周波数分配器の少なくとも一方が、進行波指向性カプラ(3a、6a)によって構成されている。
この構成により、本発明の請求項1に係る周波数変換器では、従来方式のダイプレクサに比べて周波数レンジが広い進行波指向性カプラを有するため、対象信号である第1及び第2の信号をより高い周波数帯域で混合、分配しつつ1本の伝送経路で供給できると共に、対象信号の出先側に逓倍回路を設ける必要がなく、小型化を図ることができる。また、従来方式に比べてより高い周波数帯域での対象信号の混合、分配が可能となることにより、当該周波数変換器を使用した装置での解析領域の広帯域化を図ることができる。
また、本発明の請求項2に係る周波数変換器は、前記第1の周波数変換部は、所定の中間周波数帯の中間周波数信号と、局部発振周波数信号とを混合して前記混合信号を生成する周波数混合用進行波指向性カプラ(22c)を有し、前記第2の周波数変換部は、前記混合信号を前記中間周波数信号と前記局部発振周波数信号とに分配する周波数分配用進行波指向性カプラ(26a)と、分配された前記中間周波数信号及び前記局部発振周波数信号を合成し、前記高周波信号である無線周波数信号として出力する無線周波数信号処理部(26b)と、を有する構成であってもよい。
この構成により、本発明の請求項2に係る周波数変換器は、例えば、被試験対象に対する試験用信号を発生する信号発生装置に使用可能である。この場合に、従来方式のダイプレクサに比べて、中間周波数信号と局部発振周波数信号をより高い周波数帯域で混合、分配しつつ1本の伝送経路で供給することができると共に、例えば、外部ミキサを配置する構成とする場合、従来方式では外部ミキサ側に設ける必要があった局部発振周波数信号の逓倍回路を装置本体側に移すことができ、回路規模を小型化することができる。また、従来方式に比べて中間周波数信号の周波数をより高い周波数とすることができ、当該周波数変換器を使用した信号発生装置での解析領域の広帯域化を図ることができる。
また、本発明の請求項3に係る周波数変換器は、前記周波数混合用進行波指向性カプラの前記中間周波数信号の入力経路に設けられ、前記中間周波数信号より低周波数の被混合信号を、前記入力経路中を流れる前記中間周波数信号に対して混合する混合用ダイプレクサ(23)と、前記周波数分配用進行波指向性カプラの前記中間周波数信号の出力経路に設けられ、前記出力経路中を流れる信号から前記被混合信号を分配する分配用ダイプレクサ(27)と、をさらに有する構成であってもよい。
この構成により、本発明の請求項3に係る周波数変換器は、進行波指向性カプラと混合用ダイプレクサ、及び分配用ダイプレクサを組み合わせることで、中間周波数信号、局部発振周波数信号、及び、被混合信号を混合、分配して1本の伝送経路で供給することができ、解析領域の広帯域化に有用な周波数変換機能と、被混合信号を制御信号として用いた制御機能とを同時に実現できる。
また、本発明の請求項4に係る周波数変換器は、異なる周波数を有する複数の前記被混合信号を、前記中間周波数信号に対してそれぞれ混合する複数の前記混合用ダイプレクサと、前記出力経路中を流れる信号から前記複数の被混合信号をそれぞれ分配する複数の前記分配用ダイプレクサと、を有する構成としてもよい。
この構成により、本発明の請求項4に係る周波数変換器は、周波数の高いところでの混合、分配を各進行波指向性カプラでカバーしつつ、それより低い任意の周波数を各混合用ダイプレクサ、及び各分配用ダイプレクサ)でカバーすることが可能となる。このため、各混合用ダイプレクサ、各分配用ダイプレクサについては高い周波数での混合、分配機能を追い求める必要性がなくなり、設計の自由度を高めることができる。
また、本発明の請求項5に係る周波数変換器は、前記高周波信号は、28GHz帯、及び39GHz帯を含むミリ波帯の信号である構成としてもよい。
この構成により、本発明の請求項5に係る周波数変換器は、例えば、信号発生装置に使用した場合、進行波指向性カプラが、従来方式のダイプレクサに比べて周波数レンジが広く、より高い周波数帯の中間周波数信号、局部発振周波数信号を使用してミリ波帯の試験用信号を発生させることができ、5G端末の測定にも容易に対応可能となる。
また、本発明の請求項6に係る周波数変換器は、高周波信号(S11)と第1の局部発振信号(LO1)を混合して信号(S12)を生成し、前記信号を第1の中間周波数信号(S13)として1本の伝送経路(28)に出力する第1の中間周波数変換部(42b)を有する第1の周波数変換部(41)と、前記伝送経路より前記第1の中間周波数信号を入力し、前記第1の中間周波数信号と第2の局部発振信号(LO2)を混合して前記第1の中間周波数信号よりも低い周波数の第2の中間周波数信号(S15)を生成する第2の中間周波数変換部(46a)を有する第2の周波数変換部(45)と、を備え、前記第1の中間周波数変換部または前記第2の中間周波数変換部の少なくとも一方が、進行波指向性カプラ(43、47)によって構成されていてもよい。
この構成により、本発明の請求項6に係る周波数変換器は、例えば、信号解析装置に適用することができる。この周波数変換器は、信号解析装置に適用することで、第1の中間周波数変換部及び第2の中間周波数変換部に採用した進行波指向性カプラが、従来方式のダイプレクサに比べて周波数レンジが広く、より高い周波数帯の中間周波数信号を使用してミリ波帯の被試験信号を受信可能であることから、5G端末の測定への容易な対応を可能にする。
また、本発明の請求項7に係る高周波信号の供給方法は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の周波数変換器を用い、前記第1の周波数変換部と前記第2の周波数変換部とで前記第1の信号と前記第2の信号間の混合、及び分配を行い、1本の伝送経路(4)を使用して前記高周波信号を生成するための信号を供給する周波数変換器を用いた高周波信号の供給方法であって、前記第1の周波数変換部で、前記第1の信号と前記第2の信号を、前記周波数混合器を構成する前記進行波指向性カプラにより混合し、前記混合信号として前記伝送経路に送出する周波数混合処理ステップ(S12)と、前記第2の周波数変換部で、前記伝送経路により送られてくる前記混合信号を、前記周波数分配器を構成する前記進行波指向性カプラにより、前記第1の信号と前記第2の信号とに分配する周波数分配処理ステップ(S14)と、のうちの少なくともいずれか一方を含む構成である。
この構成により、本発明の請求項7に係る高周波信号の供給方法では、従来方式のダイプレクサに比べて周波数レンジが広い進行波指向性カプラを有するため、周波数混合処理ステップ、及び周波数分配処理ステップで、対象信号である第1及び第2の信号をより高い周波数帯域で混合、分配しつつ1本の伝送経路で供給できると共に、対象信号の出先側に逓倍回路を設ける必要がなく、小型化が図れる。また、従来方式に比べてより高い周波数帯域での対象信号の混合、分配が可能となることにより、当該周波数変換器を使用した装置での解析領域の広帯域化を図ることができる。
本発明は、対象信号を高い周波数帯で合成、分配しつつ1本の伝送経路で供給でき、小型化、及び解析帯域の広帯域化が図れる周波数変換器、及び高周波信号の供給方法を提供することができる。
本発明に係る周波数変換器の概略構成を示す図である。 本発明に係る周波数変換器に使用する進行波指向性カプラの構成及び結合作用を説明するための模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数変換器を使用する信号発生装置の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数変換器の回路構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数変換器を使用した信号発生装置の信号発生動作シーケンスを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数変換器の周波数特性を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数変換器の回路構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数変換器を使用した信号発生装置の信号発生動作シーケンスを示す図である。 本発明の第2の実施形態の変形例に係る周波数変換器の要部回路構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態の変形例に係る周波数変換器の周波数特性を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る周波数変換器の回路構成を示す図である。 従来の周波数変換器の概略構成を示す図である。 従来の周波数変換器の周波数特性を示す図である。
以下、本発明に係る周波数変換器、及び高周波信号の供給方法の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明に係る周波数変換器の構成、及び高周波信号の供給方法の概要について説明する。
本発明に係る周波数変換器1は、図1に示すように、第1の周波数変換部2と、第2の周波数変換部5と、を1本のケーブル4で接続した構成を有する。第1の周波数変換部2は、それぞれ異なる周波数を有する第1の信号S1と第2の信号S2とを混合し、該第1の信号S1と第2の信号S2との混合信号S3をケーブル4に対して出力する周波数混合処理を行う周波数混合器3を有している。第2の周波数変換部5は、周波数混合器3からケーブル4を介して送られてくる混合信号S3を入力し、第1の信号S1と第2の信号S2とに分配する周波数分配処理を行う周波数分配器6を有する。ケーブル4は、本発明における伝送経路を構成する。
本発明に係る周波数変換器1では、周波数混合器3、及び周波数分配器6として、例えば、Forward-Wave Directional Couplers(以下、進行波指向性カプラと称する)が用いられている。
進行波指向性カプラは、例えば、下記参考文献にも例示される周知の方向性結合素子である。
参考文献:書籍名;RF and Microwave Coupled-Line Circuits、著者; R. K. Mongia, I. J. Bahl, P. Bhartia, J. Hong、出版社;Artech House社 2007/6/15 出版(発売日: 2007/6/15)
進行波指向性カプラは、参考文献の第5章(CHAPTER5:149頁)にも記載されるように、「結合線の偶数モード位相速度と奇数モード位相速度が等しくない場合、均一波対称結合線間には進行波結合(forward-wave coupling)が存在する。さらに、(結合された線路の偶数モード特性インピーダンスと奇数モード特性インピーダンスとがほぼ等しくなるように)線路間に比較的大きな間隔を保つことによって、これらの線路間の逆方向波結合(backward-wave coupling)を非常に小さい値に低減することができる。これらのタイプの結合器は、進行波指向性カプラ(forward-wave directional couplers)として知られており、金属導波、誘電体ガイドなどのような非TEMモード伝送線路を使用して実現することができる。」というものである。
進行波指向性カプラは、例えば、図2(a)に示す対称結合線路の構成中、ポート1と4の間に進行波結合を生じ、ポート1と2の間に直接結合を生じる(参考文献の5.1節、図5.1参照)、という性質を有する。
また、進行波指向性カプラは、例えば、図2(b)に示すように、一定の長さにわたって一様に結合されている2本の線(線1、線2)を考えるとき、これらの線は2つの実際の伝送線、またはより一般的な場合には任意の2つの波を表すことができ、線は弱く結合されているので逆方向への結合はごくわずかであり、優勢結合は前進方向でのみ起こり、その結果、電力がポート1に入力された場合、2本の線間で結合された電力は、ポート4のみに現れる(参考文献の5.2節、図5.8参照)という性質を有する。
図1に示す周波数変換器1の構成において、周波数混合器3、及び周波数分配器6としては、それぞれ、上記参考文献に記載される「結合モード理論」に基づいて上述の如くの進行波結合を可能とする(つまり、優勢結合が前方方向でのみ起こり、逆方向への結合がごくわずかである)進行波指向性カプラ3a、及び6aが採用されている。
上記進行波結合を実現すべく、進行波指向性カプラ3aは、進行波結合を生起する2つのライン(線)と、そのうちの一方のラインに対して信号S1を入力するためのポートP11と、もう一方のラインに対して信号S2を入力するためのポートP12と、図2(a)及び(b)に示す線路構造中のダイレクトポート2と同様の機能を果たすポートP21、進行波結合による信号S1と信号S2との合波信号(進行波電力のみに対応する信号)S3を取り出す結合ポートとしてのポートP41と、を有している。
進行波指向性カプラ6aは、進行波結合分配機能を有する2つのラインと、そのうちの一方のラインに対して、進行波指向性カプラ3aでの進行波結合によって生成(合波)された信号S3を入力するためのポートP13と、図2(a)及び(b)に示す線路構造中の絶縁ポート3と同様の機能を果たすポートP31と、上記進行波結合分配機能より信号S3から分配された2つの信号のうちの一方の信号S1を取り出すポートP42と、分配されたもう一方の信号S2を取り出すポートP43と、を有している。
なお、進行波指向性カプラ3a、6aは、例えば、それぞれ、ケーブル4を挟んで電力(信号)の伝搬方向に対して互いに逆向きに挿入されたものである。
上記構成を有する周波数変換器1において、第1の周波数変換部2では、進行波指向性カプラ3aのポートP11とポートP12に、異なる周波数を有する第1の信号S1と第2の信号S2とを入力する。そして、第1の周波数変換部2では、進行波指向性カプラ3aによって、第1の信号S1と第2の信号S2を1つの混合信号S3として混合してポートP41に出力する周波数混合処理を行う。この周波数混合処理によって生成された混合信号S3は、ケーブル4を通じて第2の周波数変換部5に伝送され、進行波指向性カプラ6aのポートP13に入力される。そして、第2の周波数変換部5では、進行波指向性カプラ6aによって、ポートP13に入力された混合信号S3を第1の信号S1と第2の信号S2とに分配し、ポートP42、及びP43にそれぞれ出力する周波数分配処理を行う。
このように、本発明に係る周波数変換器1は、従来の周波数変換器70(図12参照)の第1の周波数変換部71と第2の周波数変換部75で信号の混合、分配を行うために用いられていたダイプレクサを、周波数混合用の進行波指向性カプラ3aと、周波数分配用の進行波指向性カプラ6aとに置き換えた構成を有する。
進行波指向性カプラ3a、6aは、従来方式のLCダイプレクサに比較すると、周波数レンジが広く、混合及び分配処理の対象となる信号(対象信号)を高い周波数で通すことができるという性質を有している。具体的に、進行波指向性カプラ3a、6aは、例えば、後述する第1の実施形態に係る周波数変換器20(図4参照)の周波数混合器(進行波指向性カプラ22c)、周波数分配器(進行波指向性カプラ26a)として用いる場合、図6に示すような周波数特性を有するものとなる。図6に示す周波数特性からも分かるように、本発明に係る周波数変換器1は、進行波指向性カプラ22c、26aを用いることで、対象信号の周波数範囲を、周波数混合部及び周波数分配部に従来方式のLCダイプレクサを使用していたときの数MHz〜3GHzの範囲から、数GHz〜60GHzの範囲まで広げることが可能となる。
LCダイプレクサに比べて周波数レンジが広い進行波指向性カプラ3a、6aを使用する本発明に係る周波数変換器1によれば、対象信号を従来よりも高い周波数帯で混合、分配処理することができ、高い解析周波数幅が要求されるミリ波帯の信号の信号測定にも対応可能となる。
なお、図1の例では、周波数混合器3としての進行波指向性カプラ3aと、周波数分配器6としての進行波指向性カプラ6aと、を有する周波数変換器1の例を挙げているが、本発明はこれに限らず、周波数混合器3または周波数分配器6の少なくとも一方が、周波数混合用の進行波指向性カプラ3a、または周波数分配用の進行波指向性カプラ6aで構成されるものであってもよい。
上記構成を有する周波数変換器1は、例えば、図3に示すように、被試験対象(Device Under Test:DUT)80の性能試験を行う際の試験用信号を生成する信号発生装置10に使用できる他、上記試験用信号を受信したDUT80が送出する信号を被測定信号として受信してその電力レベル等を解析(測定)するSA等の信号解析装置に使用可能である。
この場合におけるDUT80は、例えばスマートフォンなどの無線端末である。DUT80の通信規格としては、セルラ(LTE、LTE−A、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、1xEV−DO、TD−SCDMA等)、無線LAN(IEEE802.11b/g/a/n/ac/ad等)、Bluetooth(登録商標)、GNSS(GPS、Galileo、GLONASS、BeiDou等)、FM、及びデジタル放送(DVB−H、ISDB−T等)が挙げられる。また、DUT80は、IEEE802.11adや5Gセルラ等に対応したミリ波帯の無線信号を送受信する無線端末であってもよい。この場合、周波数変換器1は、信号発生装置10、DUT80によってカバーされるミリ波帯域(例えば、6GHz〜90GHzの周波数帯域)における任意の周波数帯(特に、28GHz帯、39GHz帯は必須)の高周波信号(RF信号)の発生、解析に対応する機能を有する必要がある。
以下、本発明に係る周波数変換器1の信号発生装置への適用例について各実施形態を挙げて説明する。
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る周波数変換器20を備えた信号発生装置10の概略構成を示している。この信号発生装置10は、装置本体10aの外部に外部ミキサ11が接続された構成を有する。この信号発生装置10では、装置本体10a内の一部と外部ミキサ11とによって周波数変換器20が構成されている。信号発生装置10は、ローカル信号とIF信号を混合した混合信号に基づいて高周波信号(例えば、DUT80に送信するミリ波帯の試験用信号)を生成する機能を担う周波数変換器20の他、高周波信号をアナログ信号に変換するD/A変換器、直交変調器、増幅器、表示部、操作部、記憶部、及びこれら各機能部を含む装置全体を制御する制御部を含むが、ここでは、周波数変換機能に特化した構成を開示し、その他の構成は図示を省略している。
図4は、本実施形態に係る周波数変換器20の回路構成を示す図である。図4においては、「IF」、「LO」、「RF」は、それぞれ、IF信号、ローカル信号、RF信号を示している。
図4に示すように、本実施形態に係る周波数変換器20は、第1の周波数変換部21と、第2の周波数変換部25と、を1本のケーブル28で接続して構成される。第1の周波数変換部21は、局部発振器22aと、IF信号発振器22bと、周波数混合用の進行波指向性カプラ22cと、を有している。ケーブル28は、本発明における伝送経路を構成する。
局部発振器22aは、所定の周波数帯のローカル信号を発生し、IF信号発振器22bは、ローカル信号とは異なる周波数帯のIF信号を発生する。進行波指向性カプラ22cは、図1に示す進行波指向性カプラ3aと同等のものであり、ポートP11とIF信号発振器22bとの間、ポートP12と局部発振器22aとの間、ポートP21と接地レベルとの間に、例えば、抵抗値50Ωの抵抗R1、R2、R3がそれぞれ接続されている。
第2の周波数変換部25は、周波数分配用の進行波指向性カプラ26aと、ミキサ26bと、を有している。進行波指向性カプラ26aは、図1に示す進行波指向性カプラ6aと同等のものであり、ポートP13がケーブル28に対する入力側端部に接続されると共に、ポートP31と接地レベルとの間に例えば抵抗値50Ωの抵抗R4が接続されている。ミキサ26bは、進行波指向性カプラ6aのポートP42とポートP43の間に接続されている。
ミキサ26bは、進行波指向性カプラ6aのポートP42とP43とからそれぞれ出力されるIF信号とローカル信号とをミキシングして無線周波数信号(RF信号)を生成するものである。RF信号は、上述したDUT80の試験用信号等に用い得る信号である。ミキサ26bは、本発明における無線周波数信号処理部を構成する。
次に、上記構成を有する周波数変換器20を備えた信号発生装置10の信号発生動作について図5を参照して説明する。ここでは、DUT80(図3参照)に送信する試験用信号を発生する動作を例に挙げて説明する。
信号発生装置10では、DUT80の性能試験に先立って、信号パターン、局部発振周波数、中間周波数等、DUT80に対する試験用信号を生成、送信するために必要な各種パラメータの設定処理を行う(ステップS1:パラメータ設定処理)。この処理は、例えば、上述した操作部での操作入力に応じて行うことができる。
パラメータ設定処理が完了し、例えば、操作部から測定開始の指令が入力されると、周波数変換器20での周波数変換処理が実施される。周波数変換器20ではまず、第1の周波数変換部21において、IF信号発振器22bから出力されるIF信号と、局部発振器22aから出力されるローカル信号とが、進行波指向性カプラ22cのポートP11とポートP12にそれぞれ入力される(ステップS11:入力処理)。ここで、IF信号発振器22bと局部発振器22aとは、上記ステップS1での設定に基づくそれぞれ異なる周波数を有するIF信号とローカル信号とを出力する。
次いで、第1の周波数変換部21では、進行波指向性カプラ22cにおいて、ポートP11に入力されるIF信号と、ポートP12に入力するローカル信号とが混合され、このIF信号とローカル信号とが混合された信号(混合信号)がポートP41に出力される(ステップS12:周波数混合処理)。
上記ステップS12の処理によって出力された混合信号は、その後、ケーブル28を通じて第2の周波数変換部25に伝送され、進行波指向性カプラ26aのポートP13に入力される(ステップS13:伝送処理)。
第2の周波数変換部25では、進行波指向性カプラ26aにおいて、ポートP13に入力される上記混合信号が、IF信号とローカル信号とに分配され、そのうちのIF信号がポートP42に、ローカル信号がポートP43に、それぞれ出力される(ステップS14:周波数分配処理)。
引き続き、第2の周波数変換部25では、上記ステップS14で分配されたIF信号とローカル信号とがミキサ26bによってミキシングされてRF信号が生成される(ステップS15:RF信号生成処理)。このRF信号は、第2の周波数変換部25から当該信号発生装置10へと一旦戻される。
信号発生装置10は、パラメータ設定処理(ステップS1参照)を実行した後、第2の周波数変換部25から送られてくるRF信号を受信し、このRF信号に基づいてDUT80(図3参照)に対する試験用信号を生成し、該試験用信号をDUT80に向けて送信し(ステップS2:試験用信号送信処理)、その後、一連の信号発生動作を終了する。
次に、周波数変換器20の周波数特性について説明する。
本実施形態に係る周波数変換器20のように、異なる周波数を有する複数の信号間での信号の混合、分配を1本のケーブル28を介して行う構成においては、信号を混合する機能部(周波数混合器)、混合された信号を分配する機能部(周波数分配器)の周波数特性によって混合、分配対象の各信号の周波数帯域が制限を受けることがある。
例えば、周波数混合器、周波数分配器として従来方式のダイプレクサを使用するもの(図12参照)では、該ダイプレクサの周波数レンジが狭く、ミリ波帯に対応した周波数変換を行う場合には周波数レンジが不足する。従来方式のダイプレクサを使用したものにあっては、発明が解決しようとする課題の欄でも述べたように、カットオフ周波数fcが、数MHzから3GHzの範囲の値に留まることがあった。
これに対して、本実施形態に係る周波数変換器20では、図4に示すように、周波数混合機能、周波数分配機能として、それぞれ、進行波指向性カプラ22c、26aを使用する。ここで、進行波指向性カプラ22c、26aは、従来方式のダイプレクサに比べて周波数レンジが広く、周波数変換の対象信号であるローカル信号、IF信号を、従来方式のダイプレクサを使用する場合に比べてより高い周波数帯域で通すことができる。
具体的に、本実施形態に係る周波数変換器20によれば、進行波指向性カプラ22c、26aを使用することによって、図6に示すように、カットオフ周波数fcを数GHzから60GHzの範囲まで広げることができる。これにより、従来方式のダイプレクサを用いる場合と比べ、解析帯域を大幅に広帯域化することができ、ミリ波帯の測定にも容易に対応可能となる。
なお、本実施形態に係る周波数変換器20では、進行波指向性カプラ22c、26aを有する構成としているが、必ずしも両方を有する必要がなく、そのうちの少なくとも一方が設けられた構成であればよい。進行波指向性カプラ22cまたは26aのいずれか1つを有する周波数変換器20では、図5に示す信号発生動作において、進行波指向性カプラ22cまたは26aに対応した周波数混合処理(ステップS12)、または周波数分配処理(ステップS14)のいずれか一方が実行されることになる。
上述したように、本発明に係る周波数変換器1(図1参照)は、高周波信号(RF信号)を生成するためのそれぞれ異なる周波数を有する第1の信号S1と第2の信号S2を混合し、第1の信号S1と第2の信号S2との混合信号S3を1本のケーブル4に出力する周波数混合器3を有する第1の周波数変換部2と、ケーブル4より混合信号S3を入力し、第1の信号S1と第2の信号S2とに分配する周波数分配器6を有する第2の周波数変換部5と、を備え、周波数混合器3または周波数分配器6の少なくとも一方が、進行波指向性カプラ3aまたは6aによって構成されるものである。
この構成により、本発明に係る周波数変換器1では、従来方式のダイプレクサに比べて周波数レンジが広い進行波指向性カプラ3aまたは6aを有するため、対象信号である第1の信号S1、及び第2の信号S2をより高い周波数帯域で混合、分配しつつ1本のケーブル4で供給できると共に、対象信号S1、S2の出先側に逓倍回路を設ける必要がなく、小型化を図ることができる。また、従来方式に比べてより高い周波数帯域での対象信号S1、S2の混合、分配が可能となることにより、当該周波数変換器1を使用した装置(測定装置)での解析領域の広帯域化を図ることができる。
また、本実施形態に係る周波数変換器20は、図1に示す周波数変換器1の構成を前提としたものであり、第1の周波数変換部21が、IF信号(第1の信号S1に相当)と、ローカル信号(第2の信号S2に相当)とを混合して混合信号(信号S3に相当)を生成する周波数混合用の進行波指向性カプラ22c(図1の構成中の周波数混合器3に相当)を有し、第2の周波数変換部25が、上記混合信号をIF信号とローカル信号とに分配する周波数分配用進行波指向性カプラ26aと、該周波数分配用進行波指向性カプラ26aにより互いに分配されたIF信号とローカル信号とを合成し、RFを出力するミキサ26bと、を有する構成である。
この構成により、本実施形態に係る周波数変換器20は、例えば、DUT80に対する試験用信号を発生する信号発生装置10(図3参照)に使用可能である。信号発生装置10に使用される周波数変換器20では、従来方式のダイプレクサに比べて、IF信号とローカル信号をより高い周波数帯域で混合、分配しつつ1本のケーブル28で供給することができるようになる。また、従来方式に比べてIF信号の周波数をより高い周波数とすることができ、当該周波数変換器20を使用した信号発生装置10での解析領域の広帯域化を図ることができる。
また、従来方式に比べて周波数レンジが高い本構成によれば、例えば、外部ミキサ11を配置する構成(図3参照)とする場合、従来方式では外部ミキサ11側に設ける必要があったローカル信号の逓倍回路(逓倍器75b;図12参照)を、装置本体10a側に移動することができる。これにより、本構成では、電源容量やスペースに関する制約が大きいコンバータ(外部ミキサ11)側の回路規模を小さくすることが可能となる。
また、本実施形態に係る周波数変換器20において、上記RF信号は、28GHz帯、及び39GHz帯を含むミリ波帯の信号である。この構成により、本実施形態に係る周波数変換器20は、例えば、信号発生装置10に使用した場合、進行波指向性カプラ22c、26aが、従来方式のダイプレクサに比べて数は数レンジが広く、より高い周波数帯のIF信号、ローカル信号を使用してミリ波帯の試験用信号を発生させることができ、5G端末の測定にも容易に対応可能となる。
また、本発明に係る高周波信号の供給方法は、図1に示す構成を前提とする周波数変換器1を用い、第1の周波数変換部2と第2の周波数変換部5とで第1の信号S1と第2の信号S2間の混合、及び分配を行い、1本のケーブル4を使用して高周波信号(RF信号)を生成するための信号を供給する高周波信号の供給方法であって、第1の周波数変換部2で、第1の信号S1と第2の信号S2を、周波数混合器3を構成する進行波指向性カプラ3aにより混合し、混合信号S3としてケーブル4に送出する周波数混合処理ステップS12(図5参照)と、第2の周波数変換部5で、ケーブル4により送られてくる混合信号S3を、周波数分配器6を構成する進行波指向性カプラ6aにより、第1の信号S1と第2の信号S2とに分配する周波数分配処理ステップS14(図5参照)と、のうちの少なくともいずれか一方を含むものである。
この構成により、本発明に係る高周波信号の供給方法では、従来方式のダイプレクサに比べて周波数レンジが広い進行波指向性カプラ3a、6aを有するため、周波数混合処理ステップS12、及び周波数分配処理ステップS14で、対象信号である第1及び第2の信号S1、S2をより高い周波数帯域で混合、分配しつつ1本のケーブル4で供給できると共に、第1及び第2の信号S1、S2の出先側に例えば第2の信号S2の逓倍回路を設ける必要がなく、小型化が図れる。また、従来方式に比べてより高い周波数帯域での対象信号の混合、分配が可能となることにより、当該周波数変換器1を使用した装置での解析領域の広帯域化を図ることができる。
以上の構成により、周波数変換器1、20では、対象信号である信号S1、S2をより高い周波数帯で合成、分配することができ、当該周波数変換器1、20を使用する装置での解析帯域の広帯域化を容易に実現可能となる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る周波数変換器20Aの概略構成を示している。この周波数変換器20Aは、第1の実施形態に係る信号発生装置10(図3参照)と同等の信号発生装置10Aに、第1の実施形態に係る周波数変換器20(図4参照)に代えて実装されるものである。図7に示す周波数変換器20Aの構成において、周波数変換器20と同様の部分には同一の符号を付している。以下の説明では、周波数変換器20と異なる点を主体に説明し、周波数変換器20と共通する点についての詳細な説明は割愛する。
本実施形態に係る周波数変換器20Aは、第1の周波数変換部21Aと、第2の周波数変換部25Aと、が1本のケーブル28で接続された構成を有する。第1の周波数変換部21Aは、進行波指向性カプラ22cのポートP11に対するIF信号の入力経路中に例えば3つの混合用ダイプレクサ23a、23b、23c(以下、まとめて符号23で示すことがある。)が直列的に接続されている。第1の周波数変換部21Aにおけるそれ以外の構成は、第1の実施形態に係る第1の周波数変換部21(図4参照)と同様である。
第2の周波数変換部25Aは、進行波指向性カプラ26aのポートP42からのIF信号の出力経路中に、上述した混合用ダイプレクサ23a、23b、23cにそれぞれ対応する3つの分配用ダイプレクサ27a、27b、27c(以下、まとめて符号27で示すことがある。)が直列的に接続されている。第2の周波数変換部25Aにおけるそれ以外の構成は、第1の実施形態に係る第2の周波数変換部25(図4参照)と同様である。
周波数変換器20Aにおいて、混合用ダイプレクサ23a、23b、23c、及び分配用ダイプレクサ27a、27b、27cは、それぞれ、例えば、3つのポート(P1、P2、P3)を有し、L(コイル)及びC(コンデンサ)の各素子で構成される既存のダイプレクサ(3ポートフィルタ素子)により構成される。
第1の周波数変換部21Aにおいて、混合用ダイプレクサ23cは、3つのポートのうちの例えばポートP1とポートP2に、それぞれ、IF信号発振器22bからのIF信号と、入力端子T13からの第1の被混合信号とを入力し、両信号を合成してポート3へ出力する。混合用ダイプレクサ23bは、ポートP1とポートP2に、それぞれ、IF信号及び第1の被混合信号の混合信号と、入力端子T12からの第2の被混合信号とを入力し、これらの信号を合成してポート3へ出力する。混合用ダイプレクサ23aは、ポートP1とポートP2に、それぞれ、IF信号、第1及び第2の被混合信号の混合信号と、入力端子T11からの第3の被混合信号とを入力し、これらの信号を合成してポート3へ出力する。ここで、混合用ダイプレクサ23a、23b、23cのポート1とポート3は、進行波指向性カプラ22cの入力経路を構成している。
進行波指向性カプラ22cは、IF信号と第1ないし第3の被混合信号との混合信号をポートP11に入力する一方で、局部発振器22aからのローカル信号をポートP12に入力し、これらの信号を混合し、該混合信号をポートP41に出力する。
ここで、第1ないし第3の被混合信号は、周波数がそれぞれ異なり、IF信号、ローカル信号よりも低い周波数の信号である。第1ないし第3の被混合信号は、例えば、第1の周波数変換部21Aと第2の周波数変換部25A間の制御に用いられる制御用信号であり、一例としては、DCバイアス信号、シリアル制御信号などの種々の信号が挙げられる。
第2の周波数変換部25Aにおいて、進行波指向性カプラ26aは、第1の周波数変換部21Aの進行波指向性カプラ22cからケーブル28を介してポートP13に入力する混合信号を、第1の混合信号とローカル信号とに分配し、第1の混合信号をポートP42に出力する一方で、ローカル信号をポートP43からミキサ26bへと出力する。ここで、ポートP13に入力する混合信号は、IF信号、ローカル信号及び第1ないし第3の被混合信号が混合された信号であり、ポートP42に出力される第1の混合信号は、その混合信号からIF信号が分配された後の信号である。
第2の周波数変換部25Aにおいて、分配用ダイプレクサ27aは、3つのポートのうちの例えばポートP3に第1の混合信号を入力し、該第1の混合信号から第3の被混合信号を分配して端子T21に出力する一方、残った信号(第2の混合信号)をポートP1に出力する。分配用ダイプレクサ27bは、3つのポートのうちの例えばポートP3に第2の混合信号を入力し、該第2の混合信号からさらに第2の被混合信号を分配して端子T22に出力する一方、残った信号(第1の混合信号)をポートP1に出力する。分配用ダイプレクサ27cは、3つのポートのうちの例えばポートP3に第1の混合信号を入力し、該第1の混合信号からさらに第1の被混合信号を分配して端子T23に出力する一方、残った信号(IF信号)をポートP1に出力する。ここで、分配用ダイプレクサ27a、27b、27cのポート1とポート3は、進行波指向性カプラ26aの出力経路を構成している。
その後、ミキサ26bは、分配用ダイプレクサ27cからのIF信号と、進行波指向性カプラ26aのポートP43からのローカル信号とをミキシングし、RF信号として出力する。
次に、周波数変換器20Aを有する信号発生装置10Aの信号発生動作について図8を参照して説明する。ここでもDUT80(図3参照)に送信する試験用信号を発生する動作を例に挙げて説明する。図8に示す信号発生動作は、周波数変換器20Aによる混合、及び分配対象の信号として、IF信号とローカル信号の他、第1ないし第3の被混合信号が加わる点が第1の実施形態に係る信号発生装置10の信号発生動作(図5参照)と異なっている。図8を参照し、第1の実施形態に係る信号発生装置10とは異なる点を主体にその信号発生動作を説明する。
図8に示すように、本実施形態に係る信号発生装置10Aは、DUT80を対象とする試験を行うためのパラメータ設定処理(ステップS1)を行った後、測定開始の指令を受けた周波数変換器20Aが、ステップS11A〜S14Aの周波数変換処理を実行する。
周波数変換処理において、周波数変換器20Aはまず、第1の周波数変換部21Aにおいて、IF信号発振器22bから出力されたIF信号と、入力端子T13、T12、T11からそれぞれ供給される第1ないし第3の被混合信号と、局部発振器22aから出力される局部発振信号(ローカル信号)と、を入力する(ステップS11A:入力処理)。
次いで、第1の周波数変換部21Aにおいて、混合用ダイプレクサ23cは、IF信号と第1の被混合信号とを合成して出力し、混合用ダイプレクサ23bは、混合用ダイプレクサ23cから出力される信号と第2の被混合信号を合成して出力し、混合用ダイプレクサ23aは、混合用ダイプレクサ23bから出力される信号と第3の被混合信号を合成して出力する。さらに進行波指向性カプラ22cは、混合用ダイプレクサ23aから出力されてポートP11に入力される信号(第1ないし第3の被混合信号とIF信号との混合信号)と、局部発振器22aから出力されてポートP12に入力するローカル信号とを混合し、その混合信号をポートP41に出力する(ステップS12A:周波数混合処理)。
進行波指向性カプラ22cのポートP41から出力される混合信号は、ケーブル28を通じて伝送され、第2の周波数変換部25Aの進行波指向性カプラ26aのポートP13に入力される(ステップS13A:伝送処理)。
引き続き、周波数変換器20Aでは、第2の周波数変換部25Aにおいて、進行波指向性カプラ26aのポートP13に入力される混合信号から、該進行波指向性カプラ26a、及び分配用ダイプレクサ27a、27b、27cを用いてローカル信号、第1ないし第3の各被混合信号、及びIF信号を順次分配する処理を実施する(ステップS14A:周波数分配処理)。
この処理においてはまず、進行波指向性カプラ26aが、上記混合信号を、IF信号と第1ないし第3の被混合信号とが混合されている第1の混合信号と、ローカル信号とに分配し、第1の混合信号をポートP42から分配用ダイプレクサ27aに出力する一方、ローカル信号をポートP43からミキサ26bに出力する。
次いで、分配用ダイプレクサ27aは、第1の混合信号を入力し、該第1の混合信号から第3の被混合信号を分配し、第2の混合信号として後段に出力するとともに、分配した第3の被混合信号を出力端子T21に出力する。分配用ダイプレクサ27bは、第2の混合信号を入力し、該第2の混合信号から第2の被混合信号を分配し、第1の混合信号として後段に出力するとともに、分配した第2の被混合信号を出力端子T22に出力する。分配用ダイプレクサ27cは、第1の混合信号を入力し、該第1の混合信号から第1の被混合信号を分配し、元のIF信号として後段に出力するとともに、分配した第1の被混合信号を出力端子T23に出力する。
その後、第2の周波数変換部25Aでは、上記ステップS14Aで分配されたIF信号とローカル信号とがミキサ26bによってミキシングされてRF信号が生成される(ステップS15:RF信号生成処理)。このRF信号は、信号発生装置10Aに戻され、DUT80(図3参照)に対する試験用信号として送信される(ステップS2:試験用信号送信処理)。
本実施形態に係る周波数変換器20Aによれば、IF信号とローカル信号との混合、分配を1本のケーブル28を介して行う際、第1ないし第3の被混合信号の混合、分配も同時に行うことができ、この第1ないし第3の被混合信号として制御用信号を伝送することで、第1の周波数変換部21Aと第2の周波数変換部25Aと間の種々の制御を効率的に実施することができる。
なお、本実施形態では、それぞれ3つの混合用ダイプレクサ23、及び分配用ダイプレクサ27を有する例を挙げているが、本発明はこれに限らず、より多数あるいは少数の混合用ダイプレクサ23、及び分配用ダイプレクサ27を設けた構成であってもよい。
図9は、本実施形態の変形例に係る周波数変換器20Bの要部の概略構成を示す図である。図9においては、便宜的に、周波数変換器20Bが有する第1の周波数変換部21Bと第2の周波数変換部25Bを一つにまとめて示している。ここで、左端の部分が「OUT」端子である回路部が第1の周波数変換部21Bの要部構成に相当し、「IN」端子である回路部が第2の周波数変換部25Bの要部構成に相当している。
図9に示すように、この変形例に係る周波数変換器20Bにおいて、第1の周波数変換部21B(図7の第1の周波数変換部21Aに相当)は、周波数混合用の進行波指向性カプラ22cと、その入力経路中に設けられるN個の混合用ダイプレクサ23a、23b、・・・、23nとを有し、第2の周波数変換部25B(図7の第2の周波数変換部25Aに相当)は、周波数分配用の進行波指向性カプラ26aと、その出力経路中に設けられるn個の分配用ダイプレクサ27a、27b、・・・、27nとを有している。
第1の周波数変換部21Bにおいて、混合用ダイプレクサ23a、23b、・・・、23nは、それぞれ、Band1、2、・・・、nの信号(被混合信号)を入力し、前段からの入力信号(IF信号を含む)と混合するようになっている。進行波指向性カプラ22cは、Band0に相当する周波数を有する信号(ローカル信号)を入力し、もう一方の入力信号(Band1、2、・・・、nを含む)と混合するようになっている。
第2の周波数変換部25Bにおいて、進行波指向性カプラ26aは、第1の周波数変換部21Bの進行波指向性カプラ22cによる混合信号を、Band0に相当する周波数を有する信号(ローカル信号)と、Band1、2、・・・、nを含む信号とに分配するようになっている。また、分配用ダイプレクサ27a、27b、・・・、27nは、それぞれ、Band1、2、・・・、nを含む信号から、それぞれ、Band1、2、・・・、nの各信号を取り出すことができる構成となっている。
図10は、変形例に係る周波数変換器20Bでの処理信号の周波数特性を示す図である。図10に示すように、周波数変換器20Bは、例えば、Band0としてIF信号の周波数帯が割り当てられ、Band1としてローカル信号の周波数帯が割り当てられている。これに加え、周波数変換器20Bでは、Band2、3、・・・、nとして、各種制御信号を割り当て可能である。
変形例に係る周波数変換器20Bの構成によれば、進行波指向性カプラ22c、または26aと、従来方式のN個ずつのダイプレクサ(混合用ダイプレクサ23、分配用ダイプレクサ27)を組み合わせることで、それらを連結して、(N+1)のバンド数の信号を混合、分配することが可能となる。例えば、N=2とした場合、ローカル信号経路と、IF信号経路と、シリアル制御線と、DC Bias経路を1本のケーブル28にまとめることが可能となる。
本実施形態に係る周波数変換器20A、その変形例に係る周波数変換器20Bのいずれも、従来方式で用いていたダイプレクサに代えて、周波数レンジの広い進行波指向性カプラ22c、26aを使用しているため、IF信号とローカル信号との間で広い周波数のまま混合、分配処理して1本のケーブル28により供給できる点、IF信号の周波数を高くすることにより解析帯域の広帯域化を容易に実現し得る点において、第1の実施形態に係る周波数変換器20と同様の作用効果を奏する。
加えて、本実施形態に係る周波数変換器20Aでは、周波数混合用進行波指向性カプラ22cのIF信号の入力経路に設けられ、IF信号より低周波数の被混合信号を、入力経路中を流れるIF信号に対して混合する混合用ダイプレクサ23と、周波数分配用進行波指向性カプラ26aのIF信号の出力経路に設けられ、該出力経路中を流れる信号から被混合信号を分配する分配用ダイプレクサ27と、をさらに有する構成である。
この構成により、本実施形態に係る周波数変換器20Aでは、進行波指向性カプラ22cと混合用ダイプレクサ23、及び進行波指向性カプラ26aと分配用ダイプレクサ27を組み合わせることで、IF信号、ローカル信号、及び、被混合信号を混合、分配して1本のケーブル28で供給することができ、解析領域の広帯域化に有用な周波数変換機能と、被混合信号を制御信号として用いた制御機能とを同時に実現することができる。
特に、本実施形態に係る周波数変換器20Aでは、異なる周波数を有する複数の被混合信号(第1ないし第3の被混合信号)を、IF信号に対してそれぞれ混合する複数の混合用ダイプレクサ23(23a、23b、23c)と、上記出力経路中を流れる信号から複数の被混合信号をそれぞれ分配する複数の分配用ダイプレクサ27(27a、27b、27c)と、を有する構成としている。
つまり、本実施形態に係る周波数変換器20Aは、周波数の高いところでの混合、分配を各進行波指向性カプラ22c、26aでカバーしつつ、それより低い任意の周波数帯域を混合用ダイプレクサ23a、23b、23c、及び分配用ダイプレクサ27a、27b、27cでカバーする構成である。この構成により、混合用ダイプレクサ23a、23b、23c、分配用ダイプレクサ27a、27b、27cについては高い周波数での混合、分配機能を追い求める必要性がなくなり、設計の自由度を高めることができる。
なお、本実施形態については、上記変形例に係る周波数変換器20B(図9参照)のように、混合用ダイプレクサ23、または分配用ダイプレクサ27をより多い数(n個)に増やすようにすれば、さらに多くの周波数レンジの信号を混合、分配することが可能となる(図10参照)。
上記各実施形態、及び変形例では、信号発生装置10に使用する周波数変換器20、20A、20Bの例を挙げているが、本発明に係る進行波指向性カプラを用いる周波数変換器(図1参照)の構成は、例えば、信号発生装置10が送信する高周波信号(RF信号:図4参照)を試験用信号として受信したDUT80が送出する信号を被測定信号として受信してその電力レベル等を解析(測定)するSA等の信号解析装置にも使用可能である。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係る周波数変換器40を備えた信号解析装置30Dの概略構成を示している。
この信号解析装置30は、装置本体30aの外部に外部ミキサ30bが接続された構成を有し、装置本体30a内の一部と外部ミキサ30bとによって周波数変換器40が構成されている。
周波数変換器40は、第1の周波数変換部41と、第2の周波数変換部45と、を1本のケーブル28で接続して構成される。第1の周波数変換部41は、ミキサ42aと、第1の中間周波数変換部42bと、を有している。第1の中間周波数変換部42bは、図1に示す進行波指向性カプラ3a、6aと同等の進行波指向性カプラ43によって構成されるが、そのポートPa、Pb、Pc、Pdに対する対象結合線路間の進行波結合や直接結合の現れ方が進行波指向性カプラ3a、6aとは異なっている。進行波指向性カプラ42bは、ポートPa、Pbがミキサ42aに接続されており、ポートPdが抵抗R5を介してGND(接地レベル)に接続されている。
第2の周波数変換部45は、第2の中間周波数変換部46aと、局部発振器46bと、を有している。第2の中間周波数変換部46aは、図1に示す進行波指向性カプラ3a、6aと同等の進行波指向性カプラ47によって構成されるが、そのポートPa、Pb、Pc、Pdに対する対象結合線路間の進行波結合や直接結合の現れ方が進行波指向性カプラ3a、6aとは異なっている。進行波指向性カプラ47は、ポートPeが入力端子に接続され、ポートPfが抵抗R6を介してGNDに接続されている。ポートPgは周波数変換器31、ADC(AC/DCコンバータ)32、解析部33を通る経路に接続されている。ポートPgは、抵抗R7及び局部発振器46bを介してGNDに接続されている。
上記構成を有する周波数変換器40において、第1の周波数変換部41は、DUT80が送信する高周波信号(RF信号:被試験信号)S11を受信してミキサ42に入力する。ミキサ42は、その入力信号S11と第1のローカル信号(LO1)をミキシングすることによって第1の中間周波数(IF)信号S12を生成し、進行波指向性カプラ43のポートPaに入力する。ここで第1のローカル信号(LO1)は、進行波指向性カプラ43のポートPdから入力され、ポートPbcから出力されてミキサ42に与えられるようになっている。進行波指向性カプラ43は、ミキサ42aから入力する第1のIF信号S12をポートPaから取り込んで信号S13としてポートPcへと出力する。進行波指向性カプラ43のポートPcから出力された信号S13は、ケーブル28によって第2の周波数変換部45へと送られる。
第2の周波数変換部45は、ケーブル28によって送られてくる信号S13を受信し、進行波指向性カプラ47のポートPeに入力する。進行波指向性カプラ47は、ポートPeから入力する信号S13と、ポートPhから入力する第2のローカル信号(LO2)との進行波結合によって発生する第2のIF信号S15をポートPgから出力する。ここで第2のIF信号S15は、第2の周波数変換部45のミキサ42aの出力である第1のIF信号S12よりも低い周波数である。
進行波指向性カプラ47のポートPeから出力された第2のIF信号S15は、周波数変換部31でさらに低い周波数の信号(IF信号)S16に変換される。その後、信号S16はADC32によりアナログ信号からデジタル信号に変換されて解析部33に入力する。解析部33は、その入力信号に基づいて、DUT80が送出した被試験信号の解析処理を行う。
なお、図11においては、周波数変換器40の第1の中間周波数変換部42b及び第2の中間周波数変換部46aに進行波指向性カプラ43、47を採用した例を挙げているが、本発明は、第1の中間周波数変換部42b又は第2の中間周波数変換部46aのいずれか一方が進行波指向性カプラを採用した構成であればよい。
このように、本実施形態に係る信号解析装置30では、周波数変換器40の第1の周波数変換部41及び第2の周波数変換部45に進行波指向性カプラを採用したものである。具体的に、本実施形態に係る信号解析装置30の周波数変換器40は、図11に示すように、高周波信号(RF信号)S11と第1のローカル信号(LO1)を混合して信号S12を生成し、該信号S12を第1のIF信号S13として1本のケーブル28に出力する第1の中間周波数変換部42bを有する第1の周波数変換部41と、ケーブル28より第1のIF信号S13を入力し、該第1のIF信号S13と第2のローカル信号(LO2)を混合して第1のIF信号S13よりも低い周波数の第2のIF信号S15を生成する第2の中間周波数変換部46aを有する第1の周波数変換部41と、を備え、第1の中間周波数変換部42bまたは第2の中間周波数変換部46aの少なくとも一方が、進行波指向性カプラ43、47によって構成されたものである。
上記構成の周波数変換器40を有する本実施形態に係る信号解析装置30では、第1の中間周波数変換部42b、第2の中間周波数変換部46aの少なくともいずれか一方が進行波指向性カプラ(43、47)により構成されているため、周波数混合器3、周波数分配器6として進行波指向性カプラを用いた第1及び第2の実施形態並びにその変形例に係る信号発生装置10A、10B、10Cと同様、進行波指向性カプラを採用した周波数変換機能部分が、従来方式のダイプレクサに比べて、IF信号とローカル信号をより高い周波数帯域で処理しつつ1本のケーブル28で供給することができるようになる。また、従来方式に比べてIF信号の周波数をより高い周波数とすることができ、その結果、周波数変換器40を採用した信号解析装置30での解析領域の広帯域化を図ることが可能となる。
本発明は、上述した第1実施形態とその変形例、及び第3の実施形態の限らず、さらに他の形態での実施も可能とすることはいうまでもない。
以上のように、本発明に係る周波数変換器、及び高周波信号の供給方法は、対象信号を高い周波数帯で合成、分配しつつ1本の伝送経路で供給でき、小型化、及び解析帯域の広帯域化が図れるという効果を有し、5G端末が使用するミリ波帯を含む広帯域の信号を測定する装置に使用する周波数変換器、及び高周波信号の供給方法として有用である。
1 周波数変換器
2 第1の周波数変換部
3 周波数混合器
3a 進行波指向性カプラ
4 ケーブル(伝送経路)
5 第2の周波数変換部
6 周波数混合器
6a 進行波指向性カプラ
10、10A、10B 信号発生装置
20、20A、20B 周波数変換器
21、21A、21B 第1の周波数変換部
22c 進行波指向性カプラ(周波数混合用進行波指向性カプラ)
23a、23b、23c、23n 混合用ダイプレクサ
25、25A、25B 第2の周波数変換部
26a 進行波指向性カプラ(周波数分配用進行波指向性カプラ)
26b ミキサ(無線周波数信号処理部)
27a、27b、27c、27n 分配用ダイプレクサ
28 ケーブル(伝送経路)
30 信号解析装置
41 第1の周波数変換部
42b 第1の中間周波数変換部
43 進行波指向性カプラ
45 第2の周波数変換部
46a 第2の中間周波数変換部
47 進行波指向性カプラ

Claims (7)

  1. 高周波信号を生成するためのそれぞれ異なる周波数を有する第1の信号(S1)と第2の信号(S2)を混合し、前記第1の信号と前記第2の信号との混合信号(S3)を1本の伝送経路(4)に出力する周波数混合器(3)を有する第1の周波数変換部(2)と、
    前記伝送経路より前記混合信号を入力し、前記第1の信号と前記第2の信号とに分配する周波数分配器(6)を有する第2の周波数変換部(5)と、を備え、
    前記周波数混合器または前記周波数分配器の少なくとも一方が、進行波指向性カプラ(3a、6a)によって構成されていることを特徴とする周波数変換器。
  2. 前記第1の周波数変換部は、所定の中間周波数帯の中間周波数信号と、局部発振周波数信号とを混合して前記混合信号を生成する周波数混合用進行波指向性カプラ(22c)を有し、
    前記第2の周波数変換部は、
    前記混合信号を前記中間周波数信号と前記局部発振周波数信号とに分配する周波数分配用進行波指向性カプラ(26a)と、
    分配された前記中間周波数信号及び前記局部発振周波数信号を合成し、前記高周波信号である無線周波数信号として出力する無線周波数信号処理部(26b)と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の周波数変換器。
  3. 前記周波数混合用進行波指向性カプラの前記中間周波数信号の入力経路に設けられ、前記中間周波数信号より低周波数の被混合信号を、前記入力経路中を流れる前記中間周波数信号に対して混合する混合用ダイプレクサ(23)と、
    前記周波数分配用進行波指向性カプラの前記中間周波数信号の出力経路に設けられ、前記出力経路中を流れる信号から前記被混合信号を分配する分配用ダイプレクサ(27)と、
    をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の周波数変換器。
  4. 異なる周波数を有する複数の前記被混合信号を、前記中間周波数信号に対してそれぞれ混合する複数の前記混合用ダイプレクサと、
    前記出力経路中を流れる信号から前記複数の被混合信号をそれぞれ分配する複数の前記分配用ダイプレクサと、
    を有することを特徴とする請求項3に記載の周波数変換器。
  5. 前記高周波信号は、28GHz帯、及び39GHz帯を含むミリ波帯の信号であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の周波数変換器。
  6. 高周波信号(S11)と第1の局部発振信号(LO1)を混合して信号(S12)を生成し、前記信号を第1の中間周波数信号(S13)として1本の伝送経路(28)に出力する第1の中間周波数変換部(42b)を有する第1の周波数変換部(41)と、
    前記伝送経路より前記第1の中間周波数信号を入力し、前記第1の中間周波数信号と第2の局部発振信号(LO2)を混合して前記第1の中間周波数信号よりも低い周波数の第2の中間周波数信号(S15)を生成する第2の中間周波数変換部(46a)を有する第2の周波数変換部(45)と、を備え、
    前記第1の周波数変換部または前記第2の周波数変換部の少なくとも一方が、進行波指向性カプラ(43、47)によって構成されていることを特徴とする周波数変換器。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の周波数変換器を用い、前記第1の周波数変換部と前記第2の周波数変換部とで前記第1の信号と前記第2の信号間の混合、及び分配を行い、1本の伝送経路(4)を使用して前記高周波信号を生成するための信号を供給する周波数変換器を用いた高周波信号の供給方法であって、
    前記第1の周波数変換部で、前記第1の信号と前記第2の信号を、前記周波数混合器を構成する前記進行波指向性カプラにより混合し、前記混合信号として前記伝送経路に送出する周波数混合処理ステップ(S12)と、
    前記第2の周波数変換部で、前記伝送経路により送られてくる前記混合信号を、前記周波数分配器を構成する前記進行波指向性カプラにより、前記第1の信号と前記第2の信号とに分配する周波数分配処理ステップ(S14)と、のうちの少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする高周波信号の供給方法。
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