EUTRAの下りリンクとして、OFDM方式が採用されている。また、EUTRAの上りリンクとして、DFT−spread OFDM方式のシングルキャリア通信方式が採用されている。
図4は、EUTRAの物理チャネル構成を示す図である。下りリンクの物理チャネルは、物理下りリンク共用チャネルPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、物理下りリンク制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、物理報知チャネルPBCH(Physical Broadcast Channel)により構成されている。この他に下りリンク同期信号、下りリンク参照信号の物理信号がある(非特許文献1)。
上りリンクの物理チャネルは、物理ランダムアクセスチャネルPRACH(Physical Random Access Channel)、物理上りリンク共用チャネルPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、物理上りリンク制御チャネルPUCCH(Physical Uplink Control Channel)により構成されている。この他に上りリンク参照信号の物理信号がある(非特許文献1)。
図5は、EUTRAの下りリンクのチャネル構成を示す図である。図5に示す下りリンクのチャネルは、それぞれ論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネルから構成されている。論理チャネルは、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で送受信されるデータ送信サービスの種類を定義する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースで送信されるデータがどのような特性をもち、そのデータがどのように送信されるのかを定義する。物理チャネルは、トランスポートチャネルによって物理層に伝達されたデータを運ぶ物理的なチャネルである。
下りリンクの論理チャネルには、報知制御チャネルBCCH(Broadcast Control Channel)、ページング制御チャネルPCCH(Paging Control Channel)、共通制御チャネルCCCH(Common Control Channel)、専用制御チャネルDCCH(Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネルDTCH(Dedicated Traffic Channel)が含まれる。
下りリンクのトランスポートチャネルには、報知チャネルBCH(Broadcast Channel)、ページングチャネルPCH(Paging Channel)、下りリンク共用チャネルDL−SCH(Downlink Shared Channel)が含まれる。
下りリンクの物理チャネルには、物理報知チャネルPBCH(Physical Broadcast Channel)、物理下りリンク制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、物理下りリンク共用チャネルPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)が含まれる。これらのチャネルは、基地局装置と移動局装置の間で送受信される。
次に、論理チャネルについて説明する。報知制御チャネルBCCHは、システム制御情報を報知するために使用される下りリンクチャネルである。ページング制御チャネルPCCHは、ページング情報を送信するために使用される下りリンクチャネルであり、ネットワークが移動局装置のセル位置を知らないときに使用される。共通制御チャネルCCCHは、移動局装置とネットワーク間の制御情報を送信するために使用されるチャネルであり、ネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有していない移動局装置によって使用される。
専用制御チャネルDCCHは、1対1(point-to-point)の双方向チャネルであり、移動局装置とネットワーク間で個別の制御情報を送信するために利用するチャネルである。専用制御チャネルDCCHは、RRC接続を有している移動局装置によって使用される。専用トラフィックチャネルDTCHは、1対1の双方向チャネルであり、1つの移動局装置専用のチャネルであって、ユーザー情報(ユニキャストデータ)の転送のために利用される。
次に、トランスポートチャネルについて説明する。報知チャネルBCHは、固定かつ事前に定義された送信形式によって、セル全体に報知される。下りリンク共用チャネルDL−SCHでは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応無線リンク制御、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)がサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
ページングチャネルPCHでは、DRXがサポートされ、セル全体に報知される必要がある。また、ページングチャネルPCHは、トラフィックチャネルや他の制御チャネルに対して動的に使用される物理リソース、すなわち物理下りリンク共用チャネルPDSCHにマッピングされる。
次に、物理チャネルについて説明する。物理報知チャネルPBCHは、40ミリ秒周期で報知チャネルBCHをマッピングする。物理下りリンク制御チャネルPDCCHは、下りリンク共用チャネルPDSCHのリソース割り当て、下りリンクデータに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ)情報、および、物理上りリンク共用チャネルPUSCHのリソース割り当てである上りリンク送信許可(上りリンクグラント:Uplink grant)を移動局装置に通知するために使用されるチャネルである。物理下りリンク共用チャネルPDSCHは、下りリンクデータまたはページング情報を送信するために使用されるチャネルである。
次に、チャネルマッピングについて説明する。図5に示されるように、下りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。報知チャネルBCHは、物理報知チャネルPBCHにマッピングされる。ページングチャネルPCHおよび下りリンク共用チャネルDL−SCHは、物理下りリンク共用チャネルPDSCHにマッピングされる。物理下りリンク制御チャネルPDCCHは、物理チャネル単独で使用される。
また、下りリンクにおいて、次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。ページング制御チャネルPCCHは、ページングチャネルPCHにマッピングされる。報知制御チャネルBCCHは、報知チャネルBCHと下りリンク共用チャネルDL−SCHにマッピングされる。共通制御チャネルCCCH、専用制御チャネルDCCH、専用トラフィックチャネルDTCHは、下りリンク共用チャネルDL−SCHにマッピングされる。
図6は、EUTRAの上りリンクのチャネル構成を示す図である。図6に示す上りリンクのチャネルは、それぞれ論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネルから構成されている。各チャネルの定義は下りリンクのチャネルと同じである。
上りリンクの論理チャネルには、共通制御チャネルCCCH(Common Control Channel)、専用制御チャネルDCCH(Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネルDTCH(Dedicated Traffic Channel)が含まれる。
上りリンクのトランスポートチャネルには、上りリンク共用チャネルUL−SCH(Uplink Shared Channel)とランダムアクセスチャネルRACH(Random Access Channel)が含まれる。
上りリンクの物理チャネルには、物理上りリンク制御チャネルPUCCH(Physical Uplink Control Channel)、物理上りリンク共用チャネルPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と物理ランダムアクセスチャネルPRACH(Physical Random Access Channel)が含まれる。これらのチャネルは、基地局装置と移動局装置の間で送受信される。尚、物理ランダムアクセスチャネルPRACHは、主に移動局装置から基地局装置への送信タイミング情報を取得するためのランダムアクセスプリアンブル送信に使用される。ランダムアクセスプリアンブル送信はランダムアクセス手順の中で行なわれる。
次に、論理チャネルについて説明する。共通制御チャネルCCCHは、移動局装置とネットワーク間の制御情報を送信するために使用されるチャネルであり、ネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続が確立していない移動局装置によって使用される。
専用制御チャネルDCCHは、1対1(point-to-point)の双方向チャネルであり、移動局装置とネットワーク間で個別の制御情報を送信するために利用するチャネルである。専用制御チャネルDCCHは、RRC接続を有している移動局装置によって使用される。専用トラフィックチャネルDTCHは、1対1の双方向チャネルであり、1つの移動局装置専用のチャネルであって、ユーザー情報(ユニキャストデータ)の転送のために利用される。
次に、トランスポートチャネルについて説明する。上りリンク共用チャネルUL−SCHでは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応無線リンク制御、間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)がサポートされる。ランダムアクセスチャネルRACHでは、制限された制御情報が送信される。
次に、物理チャネルについて説明する。物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、下りリンクデータに対する応答情報(ACK/NACK)、下りリンクの無線チャネル品質情報および、上りリンクデータの送信要求(スケジューリングリクエスト:Scheduling Request:SR)を基地局装置に通知するために使用されるチャネルである。物理上りリンク共用チャネルPUSCHは、上りリンクデータを送信するために使用されるチャネルである。物理ランダムアクセスチャネルは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用されるチャネルである。
次に、チャネルマッピングについて説明する。上りリンクでは、図6に示されるようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。上りリンク共用チャネルUL−SCHは、物理上りリンク共用チャネルPUSCHにマッピングされる。ランダムアクセスチャネルRACHは、物理ランダムアクセスチャネルPRACHにマッピングされる。物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、マッピングされるトランスポートチャネルのない物理チャネルである。
また、上りリンクにおいて、次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。共通制御チャネルCCCH、専用制御チャネルDCCH、専用トラフィックチャネルDTCHは、上りリンク共用チャネルUL−SCHにマッピングされる。
図7は、EUTRAの移動局装置及び基地局装置の制御データを扱うプロトコルスタック(Protocol stack)である。図8は、EUTRAの移動局装置及び基地局装置のユーザーデータを扱うプロトコルスタックである。図7及び図8について以下で説明する。
物理層(Physical layer:PHY層)は、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層に伝送サービスを提供する。PHY層は、上位の媒体アクセス制御層(Medium Access Control layer:MAC層)とトランスポートチャネルで接続される。トランスポートチャネルを介して、MAC層とPHY層とレイヤ(layer:層)間でデータが移動する。移動局装置と基地局装置のPHY層間において、物理チャネルを介してデータの送受信が行われる。
MAC層は、多様な論理チャネルを多様なトランスポートチャネルにマッピングを行う。MAC層は、上位の無線リンク制御層(Radio Link Control layer:RLC層)とは論理チャネルで接続される。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユーザー情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられる。MAC層は、間欠受信/間欠送信(DRX/DTX)を行うためにPHY層の制御を行う機能、ランダムアクセス手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能等を持っている。
RLC層は、上位層から受信したデータを分割(Segmentation)及び連結(Concatenation)し、下位層が適切にデータ送信できるようにデータサイズを調節する。また、RLC層は、各データが要求するQoS(Quality of Service)を保証するための機能も持つ。すなわち、RLC層は、データの再送制御等の機能を持つ。
パケットデータコンバージェンスプロトコル層(Packet Data Convergence Protocol layer:PDCP層)は、ユーザーデータであるIPパケットを無線区間で効率的に伝送するために、制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持つ。また、PDCP層は、データの暗号化の機能も持つ。
無線リソース制御層(Radio Resource Control layer:RRC層)は、制御情報のみ定義される。RRC層は、無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の設定・再設定を行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を行う。RBは、シグナリグ無線ベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)とデータ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)とに分けられる。SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用される。DRBは、ユーザー情報を送信する経路として利用される。基地局装置と移動局装置のRRC層間で各RBの設定が行われる。
尚、PHY層は一般的に知られる開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection:OSI)モデルの階層構造の中で第一層の物理層に対応し、MAC層、RLC層およびPDCP層はOSIモデルの第二層であるデータリンク層に対応し、RRC層はOSIモデルの第三層であるネットワーク層に対応する。
ランダムアクセス手順について以下に説明する。ランダムアクセス手順には、競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access procedure)と非競合ベースランダムアクセス手順(Non-contention based Random Access procedure)の2つのアクセス手順がある(非特許文献1)。
競合ベースランダムアクセス手順は、移動局装置間で衝突する可能性のあるランダムアクセス手順であり、基地局装置と接続(通信)していない状態からの初期アクセス時や基地局装置と接続中であるが、上りリンク同期が外れている状態で移動局装置に上りリンクデータ送信が発生した場合のスケジューリングリクエストなどに行われる。
非競合ベースランダムアクセス手順は、移動局装置間で衝突が発生しないランダムアクセス手順であり、基地局装置と移動局装置が接続中であるが、上りリンクの同期が外れている場合に迅速に移動局装置と基地局装置との間の上りリンク同期をとるためにハンドオーバーや移動局装置の送信タイミングが有効でない場合等の特別な場合に基地局装置から指示されて移動局装置がランダムアクセス手順を開始する。非競合ベースランダムアクセス手順は、RRC(Radio Resource Control:Layer3)層のメッセージ及び物理下りリンク制御チャネルPDCCHの制御データにより指示される。
競合ベースランダムアクセス手順を簡単に説明する。まず、移動局装置1−1がランダムアクセスプリアンブルを基地局装置3−1に送信する(メッセージ1:(1)、ステップS1)。そして、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局装置3−1が、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答(ランダムアクセスレスポンス)を移動局装置1−1に送信する(メッセージ2:(2)、ステップS2)。移動局装置1−1がランダムアクセスレスポンスに含まれているスケジューリング情報を元に上位レイヤ(Layer2/Layer3)のメッセージを送信する(メッセージ3:(3)、ステップS3)。基地局装置3−1は、(3)の上位レイヤメッセージを受信できた移動局装置1−1に衝突確認メッセージを送信する(メッセージ4:(4)、ステップS4)。尚、競合ベースランダムアクセスをランダムプリアンブル送信とも言う。
非競合ベースランダムアクセス手順を簡単に説明する。まず、基地局装置3−1は、プリアンブル番号(または、シーケンス番号)と使用するランダムアクセスチャネル番号を移動局装置1−1に通知する(メッセージ0:(1)’、ステップS11)。移動局装置1−1は、指定されたプリアンブル番号のランダムアクセスプリアンブルを指定されたランダムアクセスチャネルRACHに送信する(メッセージ1:(2)’、ステップS12)。そして、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局装置3−1が、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答(ランダムアクセスレスポンス)を移動局装置1−1に送信する(メッセージ2:(3)’、ステップS13)。ただし、通知されたプリアンブル番号の値が0の場合は、競合ベースランダムアクセス手順を行なう。尚、非競合ベースランダムアクセス手順を専用プリアンブル送信とも言う。
スケジューリングリクエスト(SR : Scheduling Request)について以下に説明する。物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、物理下りリンク共用チャネルPUSCHで送信される下りリンクデータの応答(ACK/NACK)、下りリンクの無線チャネル品質情報(Channel Quality Indicator:CQI)、上りリンクデータの送信要求(Scheduling Request:スケジューリングリクエスト)の送信に使用される。移動局装置1−1が上りリンクデータの送信要求を行う場合、基地局装置3−1から割り当てられた物理上りリンク制御チャネルPUCCHを利用して、スケジューリングリクエストを基地局装置3−1に送信する。
スケジューリングリクエスト送信後、基地局装置3−1から物理上りリンク共用チャネルPUSCHを割り当てられた場合、移動局装置1−1は、割り当てられた物理上りリンク共用チャネルPUSCHで移動局装置1−1の送信データのバッファ状態情報を示すバッファステータスレポート(Buffer Status Report:BSR)を送信する。尚、基地局装置3−1は、バッファステータスレポートに基づいて移動局装置1−1への上りリンクデータスケジューリングを行う。
スケジューリングリクエスト送信後、基地局装置3−1から物理上りリンク共用チャネルPUSCHを割り当てられない場合、移動局装置1−1は、再度、スケジューリングリクエストを送信する。スケジューリングリクエストの再送を繰り返しても基地局装置3−1から物理上りリンク共用チャネルPUSCHを割り当てられない場合、移動局装置1−1は、割り当てられている物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび上りリンク参照信号を解放して、スケジューリングリクエストを目的としたランダムアクセス手順を実行する。尚、ランダムアクセス手順によるスケジューリングリクエストでは、移動局装置1−1は、メッセージ3の送信でバッファステータスレポートを送信する。
移動局装置のMAC層の機能について、より詳細に以下に説明する。 MAC層は、各論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングする機能を持っている。この手順は論理チャネル優先順位付け(Logical Channel Prioritization:LCP)手順と呼ばれている。基本的なLCP手順は、各論理チャネルの優先度と、無線ベアラのQoSに対応する一定期間内に送信しなければならない送信ビットレート(Prioritized Bit Rate:PBR)とを考慮して送信データの送信優先順位を決定し、上りリンクグラントを受信した時点での送信優先順位の高いデータからトランスポートチャネルにマッピングを行う。基地局装置との接続時にMAC層は、各RBの論理チャネル番号、論理チャネルの優先度とPBR等の情報をRRC層から取得する。
また、MAC層は、各論理チャネルに対応する送信バッファのデータ量を通知する機能を持っている。この機能をバッファステータスレポート(Buffer Status Report:BSR)と言う。BSRでは、各論理チャネルを論理チャネルグループ(Logical Channel Group:LCG)に割り当て、各LCGに対する送信バッファ量をMAC層のメッセージとして基地局装置に通知する。
BSRがトリガされる条件として、いくつかの条件がある。例えば、送信可能なデータが発生し、更に、このデータが送信バッファにあるデータより論理チャネルの優先度が高い場合にBSRのトリガ条件が満たされる。また、1つの定期的なタイマーが満了した場合にBSRのトリガ条件が満たされる。尚、BSRには、1つの論理チャネルグループのバッファ状態を報告するShort BSRと複数の論理チャネルグループのバッファ状態を報告するLong BSRがある。
尚、BSRのトリガ条件が満たされた場合にBSRを通知するための無線リソース(物理上りリンク共用チャネルPUSCH)が割り当てられていない場合、MAC層は、PHY層にスケジューリングリクエスト(SR)を送信するように指示する。MAC層は、無線リソースが割り当てられてから、BSRを送信する。PHY層は、MAC層からスケジューリングリクエストの送信を指示された場合、物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用してスケジューリングリクエストを送信する。尚、MAC層は、スケジューリングリクエスト送信のための物理上りリンク制御チャネルPUCCHを割り当てられていない(有効でない)場合、PHY層に対して物理ランダムアクセスチャネルPRACHを使用したスケジューリングリクエストを行うように指示する。
3GPPでは、EUTRAの更なる進化のAdvanced−EUTRAの議論も行われている。Advanced−EUTRAでは、上りリンクおよび下りリンクでそれぞれ最大100MHz帯域幅までの帯域を使用して、最大で下りリンク1Gbps以上、上りリンク500Mbps以上の伝送レートの通信を行なうことを想定している。
Advanced−EUTRAでは、EUTRAの移動局装置も収容できるようにEUTRAの20MHz以下の帯域を複数個束ねることで、最大で100MHz帯域を実現することを考えている。尚、Advanced−EUTRAでは、EUTRAの1つの20MHz以下の帯域をコンポーネントキャリア(Component Carrier : CC)と呼んでいる。また、1つの下りリンクのコンポーネントキャリアと1つの上りリンクのコンポーネントキャリアを組み合わせて1つのセルを構成する。尚、1つの下りリンクコンポーネントキャリアのみでも1つのセルを構成できる。
基地局装置は、移動局装置の通信能力や通信条件にあった複数のセルを割り当て、割り当てた複数のセルを介して移動局装置と通信を行なうようにしている。尚、移動局装置に割り当てられた複数のセルは、1つのセルを第一セル(Primary Cell:PCell)とそれ以外のセルを第二セル(Secondary Cell:SCell)とに分類される。第一セルには、物理上りリンク制御チャネルPUCCHの割り当てなど特別な機能が設定されている。
また、移動局装置の消費電力を少なくするために、割り当て直後の第二セルに対し、移動局装置は下りリンクの受信処理を行わず(または、物理下りリンク制御チャネルPDCCHで指示された無線リソース割り当て情報に従わない)、基地局装置からアクティベート(Activate、またはアクティベーション(activation))を指示された後、アクティベートを指示された第二セルに対して下りリンクの受信処理を開始する(または、物理下りリンク制御チャネルPDCCHで指示された無線リソース割り当て情報に従う)ようにしている。
また、移動局装置は、基地局装置からアクティベートしている第二セルに対してデアクティベート(deactivate、またはデアクティベーション(deactivation))を指示された後、デアクティベートを指示された第二セルに対して下りリンクの受信処理を停止する(または、物理下りリンク制御チャネルPDCCHで指示された無線リソース割り当て情報に従わない)ようにしている。尚、基地局装置からアクティベートを指示され、下りリンクの受信処理を行っている第二セルをアクティベートセルと言い、また、基地局装置から移動局装置への割り当て直後の第二セル、及びデアクティベートを指示されて下りリンクの受信処理を停止している第二セルをデアクティベートセルと言う。また、第一セルは、常にアクティベートセルである。
尚、移動局装置のMAC層は、キャリアアグリゲーションを行う場合、セルのアクティベーション/デアクティベーションを行うためにPHY層の制御を行う機能及び上りリンクの送信タイミングを管理するためにPHY層の制御を行う機能を備えている。
また、図9のように移動局装置が、2つの基地局装置とデュアルコネクト(Dual Connect)して同時に両基地局装置と接続を行うことも検討している。デュアルコネクトとは、マクロセルの基地局装置とスモールセルの基地局装置との間が光ファイバーのような無遅延とみなせる高速なバックボーン回線(backhaulとも称する)ではなく、遅延のある低速なバックボーン回線を用いて接続されているときに、移動局装置がマクロセルの基地局装置とスモールセルの基地局装置と接続して、移動局装置と両基地局装置が複数セルを介してデータの送受信を行うことを仮定している(非特許文献2)。
キャリアアグリゲーションと同様に、デュアルコネクトでは、マクロセルを第一セル(PCell)、スモールセルを第二セル(SCell)として、移動局装置と基地局装置間で通信が行われることが望ましいが、基地局装置のセルの種別(マクロセル、スモールセル)とは無関係に設定されてもよい。また、デュアルコネクトでは、マクロセルの基地局装置と移動局装置間で制御データ(制御情報)の送受信を行い、スモールセルの基地局装置と移動局装置間でユーザーデータ(ユーザー情報)の送受信を行うことを想定している。
さらに、制御データおよびユーザーデータという分類以外に、データの種類(例えば、QoSまたは論理チャネル等)に基づいて、データ送受信する基地局装置を変更することも考えられている。例えば、同じデータ無線ベアラのデータをマクロセルの基地局装置とスモールセルの基地局装置の異なる基地局装置から移動局装置に送信し、また、同じデータ無線ベアラのデータを移動局装置からマクロセルの基地局装置とスモールセルの基地局装置の異なる基地局装置に送信することが考えられている。
図10に示すようなデュアルコネクト接続では、マクロセルの基地局装置3−1とMME(Mobility Management Entity)間では、少なくとも移動局装置1−1の制御情報(Control-plane information)の送受信が行われる。スモールセルの基地局装置3−2とGW(Gateway)間は、少なくとも移動局装置1−1のユーザー情報(User-plane information)の送受信が行われる。マクロセルの基地局装置3−1とスモールセルの基地局装置3−2の間では、移動局装置1−1を制御するための制御情報の送受信が行われる。
マクロセルの基地局装置3−1と移動局装置1−1間では、少なくとも制御情報の送受信が行われる。スモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間では、ユーザー情報の送受信が行われる。尚、マクロセルの基地局装置3−1と移動局装置1−1間では、ユーザー情報の送受信を行う場合もある。
また、図11に示すようなデュアルコネクト接続では、マクロセルの基地局装置3−1とMME(Mobility Management Entity)間では、少なくとも移動局装置1−1の制御情報(Control-plane information)の送受信が行われる。マクロセルの基地局装置3−1とGW(Gateway))間では、少なくとも移動局装置1−1のユーザー情報(User-plane information)の送受信が行われる。
マクロセルの基地局装置3−1は、スモールセルの基地局装置3−2にGWから受信したユーザー情報を転送する。また、スモールセルの基地局装置3−2は、移動局装置1−1から受信したユーザー情報を基地局装置3−1に転送する。また、マクロセルの基地局装置3−1とスモールセルの基地局装置3−2の間では、移動局装置1−1を制御するための制御情報の送受信が行われる。
マクロセルの基地局装置3−1と移動局装置1−1間では、制御情報またはユーザー情報の送受信が行われる。スモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間では、ユーザー情報の送受信が行われる。尚、図4の構成でのデュアルコネクトの場合、同じ無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の情報をマクロセルとスモールセルの両セルを介して移動局装置と両基地局装置が送受信するベアラ分割(Bearer Split)が行われる。
尚、各基地局装置の配置関係により移動局装置での下りリンクコンポーネントキャリア毎の受信タイミングと、上りリンクコンポーネントキャリア毎の基地局装置への送信タイミングの両方または一方がセル毎に異なる場合、上りリンクの送信タイミングが同じとなるセルをグループ化して通信を行う。この送信タイミングが同じとなるセルをグループ化することを送信タイミンググループ(Timing Advance Group)という。移動局装置のMAC層は、送信タイミンググループを管理するためにPHY層の制御を行う機能も備えている。
(実施形態)
[構成説明]
図1は、本発明の実施形態に係る移動局装置の構成を示す図である。移動局装置1−1〜1−3は、上りリンクデータ処理部101、上りリンク制御部103−1、上りリンク制御部103−2、送信データ記憶部105−1、送信データ記憶部105−2、送信HARQ処理部107−1、送信HARQ処理部107−2、送信処理部109−1、送信処理部109−2、無線部111−1、無線部111−2、受信処理部113−1、受信処理部113−2、受信HARQ処理部115−1、受信HARQ処理部115−2、MAC情報抽出部117−1、MAC情報抽出部117−2、下りリンク制御部119−1、下りリンク制御部119−2、下りリンクデータ処理部121−1、下りリンクデータ処理部121−2、PHY制御部123、MAC制御部125、および、RRC制御部127から構成される。
上位層からのユーザーデータおよびRRC制御部127からの制御データは、上りリンクデータ処理部101に入力される。上りリンクデータ処理部101は、PDCP層の機能を持つ。上りリンクデータ処理部101は、ユーザーデータのIPパケットのヘッダ圧縮やデータの暗号化、データの分割及び結合等の処理を行い、データサイズを調節する。上りリンクデータ処理部101は、処理を行ったデータを上りリンク制御部103−1、または、上りリンク制御部103−2に出力する。
尚、上りリンクデータ処理部101は、基地局装置3−1からの指示によりデータを上りリンク制御部103−1または上りリンク制御部103−2に出力するようにしても良い。また、上りリンクデータ処理部101は、送信データ記憶部105−1および送信データ記憶部105−2に蓄積されているデータ量、または、下りリンク無線チャネル品質情報などを考慮して上りリンク制御部103−1または上りリンク制御部103−2に出力するようにしても良い。
上りリンク制御部103−1または上りリンク制御部103−2は、RLC層の機能を持つ。上りリンク制御部103−1または上りリンク制御部103−2は、上りリンクデータ処理部101から入力されたデータに対してデータの分割及び結合等の処理を行い、データサイズを調節する。また、上りリンク制御部103−1または上りリンク制御部103−2は、特定のデータに対して再送制御を行う。上りリンク制御部103−1または上りリンク制御部103−2は、処理を行ったデータを送信データ記憶部105−1または送信データ記憶部105−2に出力する。
送信データ記憶部105−1は、上りリンク制御部103−1から入力された各論理チャネルのデータを蓄積(バッファリング)し、MAC制御部125からの指示に基づいて指示されたデータを指示されたデータ量分だけ送信HARQ処理部107−1に出力する。また、送信データ記憶部105−1は、MAC制御部125からの指示に基づいて蓄積されたデータのデータ量の情報をMAC制御部125に出力する。
送信データ記憶部105−1は、論理チャネルのデータが無い状態で、上りリンク制御部103−1から新たに論理チャネルのデータが入力された場合、MAC制御部125に新しいデータが発生したことを通知する。また、送信データ記憶部105−1は、蓄積されている論理チャネルのデータより優先度の高い論理チャネルのデータが上りリンク制御部103−1から入力された場合、MAC制御部125に優先度の高いデータが発生したことを通知する。送信データ記憶部105−2は、送信データ記憶部105−1と同様に、上りリンク制御部103−2から入力されたデータを処理する。
送信HARQ処理部107−1は、送信データ記憶部105−1からの入力データに符号化を行い、符号化したデータにパンクチャ処理を行う。そして、送信HARQ処理部107−1は、パンクチャしたデータを送信処理部109−1に出力し、符号化したデータを保存する。送信HARQ処理部107−1は、MAC制御部125からデータの再送を指示された場合、保存してある符号化したデータから前回に行なったパンクチャと異なるパンクチャ処理を行い、パンクチャしたデータを送信処理部109−1に出力する。送信HARQ処理部107−2は、送信HARQ処理部107−1と同様に、送信データ記憶部105−2から入力されたデータを処理し、送信処理部109−2に出力する。
送信処理部109−1は、送信HARQ処理部107−1から入力されたデータに変調・符号化を行なう。送信処理部109−1は、変調・符号化されたデータをDFT(Discrete Fourier Transform(離散フーリエ変換))−IFFT(Inverse Fast Fourier Transform(逆高速フーリエ変換))処理し、処理後、CP(Cyclic prefix)を挿入し、CP挿入後のデータを上りリンクの各コンポーネントキャリア(またはセル)の物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)に配置し、無線部111−1に出力する。
また、送信処理部109−1は、PHY制御部123から受信データの応答指示があった場合、ACKまたはNACK信号を生成し、生成した信号を上りリンクの各コンポーネントキャリア(または、セル)の物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)に配置し、無線部111−1に出力する。送信処理部109−1は、PHY制御部123からスケジューリングリクエストの送信指示があった場合、スケジューリングリクエスト信号を生成し、生成した信号を上りリンクの各コンポーネントキャリア(または、セル)の物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)に配置し、無線部111−1に出力する。
送信処理部109−1は、PHY制御部123からランダムアクセスプリアンブルの送信指示があった場合、ランダムアクセスプリアンブルを生成し、生成した信号を物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)に配置し、無線部111−1に出力する。送信処理部109−2は、送信処理部109−1と同様に、送信HARQ処理部107−2から入力されたデータを処理し、処理したデータを無線部111−2に出力する。
無線部111−1は、送信処理部109−1から入力されたデータをPHY制御部123から指示された送信位置情報(送信セル情報)の無線周波数にアップコンバートし、送信電力を調整して送信アンテナからデータを送信する。また、無線部111−1は、受信アンテナより受信した無線信号をダウンコンバートし、受信処理部113−1に出力する。
同様に無線部111−2は、送信処理部109−2から入力されたデータをPHY制御部123から指示された送信位置情報(送信セル情報)の無線周波数にアップコンバートし、送信電力を調整して送信アンテナからデータを送信する。また、無線部111−2は、受信アンテナより受信した無線信号をダウンコンバートし、受信処理部113−2に出力する。尚、無線部111−1および無線部111−2で制御される周波数は、同じ周波数帯域であっても良いし、異なる周波数帯域であっても良い。
受信処理部113−1は、無線部111−1から入力された信号をFFT(Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換))処理、復号化、復調処理等を行なう。受信処理部113−1は、復調したデータの中で物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)のデータを受信HARQ処理部115−1に出力する。また、受信処理部113−1は、復調したデータの中で物理下りリンク制御チャネルPDCCHから取得した制御データの上りリンク送信データの応答情報(ACK/NACK)および上りリンク送信許可情報(Uplink grant:上りリンクグラント)をMAC制御部125に出力する。
尚、上りリンク送信許可情報は、上りリンク無線リソース(物理上りリンク共用チャネル)の送信位置情報、データの変調・符号化方式、データサイズ情報、HARQ情報などがある。また、受信処理部113−1は、下りリンク参照信号を測定して、基地局装置3−1および移動局装置1−1間の下りリンク無線チャネル品質を測定する。受信処理部113−2は、受信処理部113−1と同様に、無線部111−2から入力されたデータを処理し、処理したデータを受信HARQ処理部115−2に出力する。
受信HARQ処理部115−1は、受信処理部113−1からの入力データの復号処理を行い、復号処理に成功した場合、データをMAC情報抽出部117−1に出力する。受信HARQ処理部115−1は、入力データの復号処理に失敗した場合、復号処理に失敗したデータを保存する。受信HARQ処理部115−1は、再送データを受信した場合、保存してあるデータと再送データを合成し、復号処理を行う。
また、受信HARQ処理部115−1は、入力データの復号処理の成否をMAC制御部125に通知する。受信HARQ処理部115−2は、受信HARQ処理部115−1と同様に、受信処理部113−2から入力されたデータを処理し、処理したデータをMAC情報抽出部117−2に出力する。
MAC情報抽出部117−1は、受信HARQ処理部115−1から入力されたデータからMAC層(Medium Access Control layer)の制御データを抽出し、抽出した制御情報をMAC制御部125に出力する。MAC情報抽出部117−1は、残りのデータを下りリンク制御部119−1に出力する。MAC情報抽出部117−2は、MAC情報抽出部117−1と同様に、受信HARQ処理部115−2から入力されたデータを処理し、処理したデータを下りリンク制御部119−2に出力する。
下りリンク制御部119−1は、RLC層の機能を持ち、MAC情報抽出部117−1かから入力されたデータの分割及び結合等の処理を行う。下りリンク制御部119−1は、処理したデータを下りリンクデータ処理部121に出力する。下りリンク制御部119−2は、下りリンク制御部119−1と同様に、MAC情報抽出部117−1かから入力されたデータを処理し、処理したデータを下りリンクデータ処理部121に出力する。
下りリンクデータ処理部121は、PDCP層の機能を持ち、圧縮されたIPヘッダの伸張(復元)機能や暗号化されたデータの復号機能、データの分割及び結合等の処理を行う。下りリンクデータ処理部121は、RRCメッセージとユーザーデータに分け、RRCメッセージをRRC制御部127に出力し、ユーザーデータを上位層に出力する。
PHY制御部123は、MAC制御部125からの指示により送信処理部109−1、送信処理部109−2、無線部111−1、無線部111−2、受信処理部113−1および受信処理部113−2を制御する。PHY制御部123は、MAC制御部125から通知された変調・符号化方式、送信電力情報および送信位置情報(送信セル情報)から変調・符号化方式および送信位置を送信処理部109−1または送信処理部109−2に通知し、送信セルの周波数情報および送信電力情報を無線部111−1または無線部111−2に通知する。
MAC制御部125は、RRC制御部127から指定されたデータ制御設定および送信データ記憶部105−1または送信データ記憶部105−2から取得したデータ量情報および受信処理部113−1または受信処理部113−2から取得した上りリンク送信許可情報をもとにデータ送信先およびデータ送信優先順位を決定し、送信するデータに関する情報を送信データ記憶部105−1または送信データ記憶部105−2に通知する。また、MAC制御部125は、送信HARQ処理部107−1または送信HARQ処理部107−2にHARQ情報を通知し、PHY制御部123に変調・符号化方式および送信位置情報を出力する。
MAC制御部125は、送信データ記憶部103−1または送信データ記憶部103−2からデータの蓄積状態の変化を通知されるとバッファステータスレポートをトリガする。MAC制御部125は、バッファステータスレポートがトリガされた状態で、受信処理部113−1または受信処理部113−2から上りリンク送信許可情報を取得した場合、送信データ記憶部103に各論理チャネルのデータの蓄積量を報告するように指示する。
MAC制御部125は、送信データ記憶部105−1または送信データ記憶部105−2から各論理チャネルのデータの蓄積量の情報を取得すると、バッファステータスレポートを作成し、作成したバッファステータスレポートを送信データ記憶部105−1または送信データ記憶部105−2に出力する。
MAC制御部125は、バッファステータスレポートがトリガされた状態で、上りリンク送信許可情報を取得していない場合、スケジューリングリクエストの送信を決定し、PHY制御部123にスケジューリングリクエスト送信を指示する。MAC制御部125は、スケジューリングリクエストに対応する上りリンク送信許可情報を取得した場合、バッファステータスレポートを作成し、作成したバッファステータスレポートを送送信データ記憶部105−1または送信データ記憶部105−2に出力する。
MAC制御部125は、スケジューリングリクエストの送信回数をカウントして、スケジューリングリクエストの送信回数が最大送信回数に達しても上りリンク送信許可情報を取得しない場合、ランダムアクセスプリアンブル送信をPHY制御部123に指示する。また、MAC制御部125は、RRC制御部127に自移動局装置に割り当てられている上りリンク無線リソースの解放を通知する。
MAC制御部125は、受信処理部113−1または受信処理部113−2から上りリンク送信データに対する応答情報を取得し、応答情報がNACK(否応答)を示していた場合、送信HARQ処理部107−1または送信HARQ処理部107−2とPHY制御部123に再送を指示する。MAC制御部125は、受信HARQ処理部115−1または受信HARQ処理部115−2からデータの復号処理の成否情報を取得した場合、PHY制御部123にACKまたはNACK信号を送信するように指示する。
また、MAC制御部125は、MAC層の機能を持ち、MAC情報抽出部117−1またはMAC情報抽出部117−2から入力されたMAC制御情報の中でセル(または、コンポーネントキャリア)のアクティベーション/デアクティベーション指示情報及び間欠受信(DRX)制御情報を取得した場合、アクティベーション/デアクティベーション制御及びDRX制御のために、無線部111−1または無線部111−2、送信処理部109−1または送信処理部109−2および受信処理部113−1または受信処理部113−2の制御を行うようPHY制御部123に指示する。
MAC制御部125は、送信タイミングタイマーを用いて上りリンクの送信タイミングの有効・無効を管理する。MAC制御部125は、セル毎または送信タイミンググループ毎に送信タイミングタイマーを持ち、セル毎または送信タイミンググループ毎に送信タイミング情報を適用した場合に対応する送信タイミングタイマーをスタートまたはリスタートさせる。MAC制御部125は、送信タイミングタイマーが満了した場合、送信タイミングタイマーが満了したセルに対する上りリンク送信を停止する。
MAC制御部125は、MAC情報抽出部117−1またはMAC情報抽出部117−2から入力されたMAC制御情報の中で送信タイミング情報をPHY制御部123へ出力する。MAC制御部125は、上りリンク送信タイミングを管理し、PHY制御部123を制御する。
RRC制御部127は、基地局装置3−1とのRRC接続及び接続解放処理、キャリアアグリゲーションの設定、制御データおよびユーザーデータのデータ制御設定など基地局装置3−1及び基地局装置3−2と通信を行うための各種設定を行う。RRC制御部127は、各種設定に伴う上位層との情報のやり取りを行い、各種設定に伴う下位層の制御を行う。RRC制御部127は、基地局装置3−1から割り当てられた各セルの無線リソースを管理する。
RRC制御部127は、RRCメッセージを作成し、作成したRRCメッセージを上りリンクデータ処理部101に出力する。RRC制御部127は、下りリンクデータ処理部121から入力されたRRCメッセージを解析する。RRC制御部127は、MAC層に必要な情報をMAC制御部125に出力し、物理層に必要な情報をPHY制御部123に出力する。
RRC制御部127は、各データの論理チャネル、各データの論理チャネルの優先度、各制御データの論理チャネルと論理チャネルグループの関係を示した情報、基地局装置(またはセル、セルグループ)と論理チャネルとの関係情報等のデータ制御設定情報を取得した場合、MAC制御部125にデータ送信制御設定情報を出力する。また、RRC制御部127は、基地局装置3−1と基地局装置3−2とのデュアルコネクトでの通信を行うと認識した場合、デュアルコネクト状態であることをMAC制御部125に通知する。
RRC制御部127は、MAC層から上りリンク無線リソースの解放を通知された場合、対象となるセルに割り当てられている物理上りリンク制御チャネルPUCCH、上りリンク参照信号等の上りリンクの無線リソースを解放する。
尚、送信処理部109−1、送信処理部109−2、無線部111−1、無線部111−2、受信処理部113−1、受信処理部113−2およびPHY制御部123は、物理層の動作を行う。送信データ記憶部105−1、送信データ記憶部105−2、送信HARQ処理部107−1、送信HARQ処理部107−2、受信HARQ処理部115−1、受信HARQ処理部115−2、MAC情報抽出部117−1、MAC情報抽出部117−2およびMAC制御部125は、MAC層の動作を行う。
上りリンク制御部103−1、上りリンク制御部103−2、下りリンク制御部119−1および下りリンク制御部119−2は、RLC層の動作を行う。上りリンクデータ処理部101および下りリンクデータ処理部121は、PDCP層の動作を行い、RRC制御部127はRRC層の動作を行う。
また、上りリンク制御部103−1、送信データ記憶部105−1、送信HARQ処理部107−1、送信処理部109−1および無線部111−1は基地局装置3−1に対する送信動作を行い、上りリンク制御部103−2、送信データ記憶部105−2、送信HARQ処理部107−2、送信処理部109−2および無線部111−2は基地局装置3−1に対する送信動作を行う。
下りリンク制御部119−1、MAC情報抽出部117−1、受信HARQ処理部115−1、受信処理部113−1および無線部111−1は基地局装置3−1に対する受信動作を行い、下りリンク制御部119−2、MAC情報抽出部117−2、受信HARQ処理部115−2、受信処理部113−2および無線部111−2は基地局装置3−2に対する受信動作を行う。
図2は、本発明の実施形態に係る基地局装置の構成を示す図である。基地局装置3−1は、下りリンクデータ処理部201、下りリンク制御部203、送信データ記憶部205、送信HARQ処理部207、送信処理部209、無線部211、受信処理部213、受信HARQ処理部215、MAC情報抽出部217、上りリンク制御部219、上りリンクデータ処理部221、PHY制御部223、MAC制御部225、RRC制御部227、基地局装置間通信部229、MME通信部231、および、GW通信部233から構成される。
GW通信部233からのユーザーデータおよびRRC制御227からの制御データは、下りリンクデータ処理部201に入力される。下りリンクデータ処理部201は、PDCP層の機能を持つ。下りリンクデータ処理部201は、ユーザーデータのIPパケットのヘッダ圧縮やデータの暗号化、データの分割及び結合等の処理を行い、データサイズを調節する。下りリンクデータ処理部201は、処理を行ったデータを下りリンク制御部203または基地局装置間通信部229に出力する。
尚、下りリンクデータ処理部201は、下りリンク無線チャネル品質情報、移動局装置1−1に対する下りリンクデータのデータ量、基地局装置3−1または基地局装置3−2の全移動局装置に対する送信データ量(トラフィック量)の少なくとも1つを考慮して、データを下りリンク制御部203または基地局装置間通信部229に出力する。
下りリンク制御部203は、RLC層の機能を持つ。下りリンク制御部203は、下りリンクデータ処理部201から入力されたデータに対してデータの分割及び結合等の処理を行い、データサイズを調節する。また、下りリンク制御部203は、特定のデータに対して再送制御を行う。下りリンク制御部203は、処理を行ったデータを送信データ記憶部205に出力する。
送信データ記憶部205は、下りリンク制御部203から入力されたデータをユーザー毎に蓄積し、MAC制御部225からの指示に基づいて指示されたユーザーのデータを指示されたデータ量分だけ送信HARQ処理部207に出力する。また、送信データ記憶部205は、蓄積されたデータのデータ量の情報をMAC制御部225に出力する。
送信HARQ処理部207は、入力データに符号化を行い、符号化したデータにパンクチャ処理を行う。そして、送信HARQ処理部207は、パンクチャしたデータを送信処理部209に出力し、符号化したデータを保存する。送信HARQ処理部207は、MAC制御部225からデータの再送を指示された場合、保存してある符号化したデータから前回に行なったパンクチャと異なるパンクチャ処理を行い、パンクチャしたデータを送信処理部209に出力する。
送信処理部209は、送信HARQ処理部207から入力されたデータに変調・符号化を行なう。送信処理部209は、変調・符号化されたデータを各セルの物理下りリンク制御チャネルPDCCH、下りリンク同期信号、物理報知チャネルPBCH、物理下りリンク共用チャネルPDSCHなどの信号及び各チャネルにマッピングし、マッピングしたデータを直列/並列変換、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform(逆高速フーリエ変換))変換、CP挿入などのOFDM信号処理を行い、OFDM信号を生成する。
そして、送信処理部209は、生成したOFDM信号を無線部211に出力する。また、送信処理部209は、MAC制御部225から受信データの応答指示があった場合、ACKまたはNACK信号を生成し、生成した信号を物理下りリンク制御チャネルPDCCHに配置し、無線部211に出力する。送信処理部209は、PHY制御部223から通知された上りリンク送信許可情報を物理下りリンク制御チャネルPDCCHに配置し、無線部211に出力する。
無線部211は、送信処理部209から入力されたデータを無線周波数にアップコンバートし、送信電力を調整して送信アンテナからデータを送信する。また、無線部211は、受信アンテナより受信した無線信号をダウンコンバートし、受信処理部213に出力する。受信処理部213は、無線部211から入力された信号をFFT(Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換))処理、復号化、復調処理等を行なう。
受信処理部213は、復調したデータの中で物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)のデータを受信HARQ処理部215に出力する。また、受信処理部213は、復調したデータの中で物理上りリンク制御チャネルPUCCHから取得した制御データの下りリンク送信データの応答情報(ACK/NACK)、下りリンク無線チャネル品質情報(CQI)及び上りリンク送信要求情報(スケジューリングリクエスト)をMAC制御部225に出力する。また、受信処理部213は、上りリンク参照信号を測定して、基地局装置3−1および移動局装置1−1間の上りリンク無線チャネル品質を測定する。
受信HARQ処理部215は、受信処理部213からの入力データの復号処理を行い、復号処理に成功した場合、データをMAC情報抽出部217に出力する。受信HARQ処理部215は、入力データの復号処理に失敗した場合、復号処理に失敗したデータを保存する。受信HARQ処理部215は、再送データを受信した場合、保存してあるデータと再送データを合成し、復号処理を行う。また、受信HARQ処理部215は、入力データの復号処理の成否をMAC制御部225に通知する。
MAC情報抽出部217は、受信HARQ処理部215から入力されたデータからMAC層の制御データを抽出し、抽出した制御データをMAC制御部225に出力する。MAC情報抽出部217は、残りのデータを上りリンク制御部219に出力する。MAC層の制御データには、バッファステータスレポートなどがある。
上りリンク制御部219は、RLC層の機能を持つ。上りリンク制御部219は、MAC情報抽出部217から入力されたデータに対してデータの分割及び結合等の処理を行い、データサイズを調節する。また、上りリンク制御部219は、特定のデータに対して再送制御を行う。上りリンク制御部219は、処理を行ったデータを上りリンクデータ処理部221に出力する。
上りリンクデータ処理部221は、PDCP層の機能を持つ。上りリンクデータ処理部221は、圧縮されたIPヘッダの伸張(復元)機能や暗号化されたデータの復号機能、データの分割及び結合等の処理を行う。上りリンクデータ処理部221は、RRCメッセージとユーザーデータに分け、RRCメッセージをRRC制御部227に出力し、ユーザーデータをGW通信部233に出力する。
PHY制御部223は、MAC制御部225からの指示により送信処理部209、無線部211、および、受信処理部213を制御する。PHY制御部223は、MAC制御部225から通知された上りリンクのスケジューリング結果から上りリンク送信許可情報を作成し、送信処理部209に通知する。
MAC制御部225は、MAC層の機能を持つ。MAC制御部225は、RRC制御部227や下位層などから取得した情報に基づいてMAC層の制御を行う。MAC制御部225は、下りリンクおよび上りリンクで送信されるデータのスケジューリング処理を行う。MAC制御部225は、受信処理部213から入力された下りリンク送信データの応答情報(ACK/NACK)、下りリンク無線チャネル品質情報(CQI)、及び、送信データ記憶部205から取得したユーザー毎のデータ量情報から下りリンクデータのスケジューリング処理を行う。MAC制御部225は、スケジューリング処理の結果に基づいて、送信データ記憶部205、送信HARQ処理部207、送信処理部209を制御する。
MAC制御部225は、受信処理部213から入力された上りリンク送信要求情報(スケジューリングリクエスト)、MAC情報抽出部217から入力されたバッファステータスレポートから上りリンクデータのスケジューリング処理を行う。MAC制御部225は、スケジューリング処理の結果をPHY制御部223に通知する。
また、MAC制御部225は、受信処理部213から上りリンク送信データに対する応答情報を取得し、応答情報がNACK(否応答)を示していた場合、送信HARQ処理部207と送信処理部209に再送を指示する。MAC制御部225は、受信HARQ処理部215からデータの復号処理の成否情報を取得した場合、送信処理部209にACKまたはNACK信号を送信するように指示する。
また、MAC制御部225は、移動局装置1−1に割り当てたセル(または、コンポーネントキャリア)のアクティベーション/デアクティベーション処理を行う。MAC制御部225は、送信タイミンググループ及び各送信タイミンググループの上りリンク送信タイミングの管理等を行う。
RRC制御部227は、移動局装置1−1とのRRC接続及び接続解放処理、キャリアアグリゲーションの設定、デュアルコネクトの設定、デュアルコネクト時に移動局装置1−1の制御データおよびユーザーデータをどのセル(または、基地局装置)で送受信するかのデータ制御設定など移動局装置1−1と通信を行うための各種設定を行い、各種設定に伴う上位層との情報のやり取りを行い、各種設定に伴う下位層の制御を行う。
RRC制御部227は、各種RRCメッセージを作成し、作成したRRCメッセージを下りリンクデータ処理部201に出力する。RRC制御部227は、上りリンクデータ処理部221から入力されたRRCメッセージを解析する。RRC制御部227は、MAC層に必要な情報をMAC制御部225に出力し、物理層に必要な情報をPHY制御部223に出力する。また、RRC制御部227は、ハンドオーバー、または、デュアルコネクトを行う場合、基地局装置間通信部229およびMME通信部231に必要な情報を通知する。
基地局装置間通信部229は、他の基地局装置(基地局装置3−2)と接続し、RRC制御部227から入力された基地局装置間の制御メッセージを他の基地局装置に送信する。また、基地局装置間通信部229は、他の基地局装置からの基地局装置間の制御メッセージを受信し、受信した制御メッセージをRRC制御部227に出力する。基地局装置間の制御メッセージには、ハンドオーバーに関係するメッセージ、デュアルコネクトの接続及び接続解放に関する制御メッセージ、移動局装置1−1のデータ制御に関するメッセージなどがある。
また、基地局装置間通信部229は、デュアルコネクトしている移動局装置1−1の下りリンクユーザーデータを他の基地局装置に送信する。基地局装置間通信部229は、デュアルコネクトしている移動局装置1−1の上りリンクユーザーデータを他の基地局装置から受信し、受信したデータ上りリンクデータ処理部221に出力する。
MME通信部231は、MME(Mobility Management Entity)と接続し、RRC制御部227から入力された基地局装置−MME間の制御メッセージ(S1メッセージ)をMMEに送信する。また、MME通信部231は、MMEからの基地局装置−MME間の制御メッセージを受信し、受信した制御メッセージをRRC制御部227に出力する。基地局装置−MME間の制御メッセージには、パススイッチ要求メッセージ、パススイッチ要求応答メッセージなどがある。
GW間通信部233は、GW(Gateway)と接続し、GWから送られる移動局装置1−1のユーザーデータを受信し、受信したデータを下りリンクデータ処理部201に出力する。また、GW間通信部233は、上りリンクデータ処理部221から入力された移動局装置1−1のユーザーデータをGWに送信する。
尚、送信処理部209、無線部211、受信処理部213は、PHY層の動作を行い、送信データ記憶部205、送信HARQ処理部207、受信HARQ処理部215、MAC情報抽出部217、MAC制御部225は、MAC層の動作を行い、下りリンク制御部203及び上りリンク制御部219は、RLC層の動作を行い、下りリンクデータ処理部201および上りリンクデータ処理部221は、PDCP層の動作を行い、RRC制御部227はRRC層の動作を行う。
図3は、本発明の実施形態に係る基地局装置の構成を示す図である。基地局装置3−2は、下りリンク制御部301、送信データ記憶部303、送信HARQ処理部305、送信処理部307、無線部309、受信処理部311、受信HARQ処理部313、MAC情報抽出部315、上りリンク制御部317、PHY制御部319、MAC制御部321、RRC制御部323、基地局装置間通信部325、および、MME通信部327から構成される。
基地局装置間通信部325からのユーザーデータは、下りリンク制御部301に入力される。下りリンク制御部301は、RLC層の機能を持ち、基地局装置間通信部325から入力されたデータに対してデータの分割及び結合等の処理を行い、データサイズを調節する。また、下りリンク制御部301は、特定のデータに対して再送制御を行う。下りリンク制御部301は、処理を行ったデータを送信データ記憶部303に出力する。
送信データ記憶部303は、下りリンク制御部301から入力されたデータをユーザー毎に蓄積し、MAC制御部321からの指示に基づいて指示されたユーザーのデータを指示されたデータ量分だけ送信HARQ処理部305に出力する。また、送信データ記憶部303は、蓄積されたデータのデータ量の情報をMAC制御部321に出力する。
送信HARQ処理部305は、入力データに符号化を行い、符号化したデータにパンクチャ処理を行う。そして、送信HARQ処理部305は、パンクチャしたデータを送信処理部307に出力し、符号化したデータを保存する。送信HARQ処理部305は、MAC制御部321からデータの再送を指示された場合、保存してある符号化したデータから前回に行なったパンクチャと異なるパンクチャ処理を行い、パンクチャしたデータを送信処理部307に出力する。
送信処理部307は、送信HARQ処理部305から入力されたデータに変調・符号化を行なう。送信処理部307は、変調・符号化されたデータを各セルの物理下りリンク制御チャネルPDCCH、下りリンク同期信号、物理報知チャネルPBCH、物理下りリンク共用チャネルPDSCHなどの信号及び各チャネルにマッピングし、マッピングしたデータを直列/並列変換、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform(逆高速フーリエ変換))変換、CP挿入などのOFDM信号処理を行い、OFDM信号を生成する。
そして、送信処理部307は、生成したOFDM信号を無線部309に出力する。また、送信処理部307は、MAC制御部321から受信データの応答指示があった場合、ACKまたはNACK信号を生成し、生成した信号を物理下りリンク制御チャネルPDCCHに配置し、無線部309に出力する。送信処理部307は、PHY制御部319から通知された上りリンク送信許可情報を物理下りリンク制御チャネルPDCCHに配置し、無線部309に出力する。
無線部309は、送信処理部307から入力されたデータを無線周波数にアップコンバートし、送信電力を調整して送信アンテナからデータを送信する。また、無線部309は、受信アンテナより受信した無線信号をダウンコンバートし、受信処理部311に出力する。受信処理部311は、無線部309から入力された信号をFFT(Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換))処理、復号化、復調処理等を行なう。
受信処理部311は、復調したデータの中で物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)のデータを受信HARQ処理部313に出力する。また、受信処理部311は、復調したデータの中で物理上りリンク制御チャネルPUCCHから取得した制御データの下りリンク送信データの応答情報(ACK/NACK)、下りリンク無線チャネル品質情報(CQI)及び上りリンク送信要求情報(スケジューリングリクエスト)をMAC制御部321に出力する。受信処理部313は、上りリンク参照信号を測定して、基地局装置3−2および移動局装置1−1間の上りリンク無線チャネル品質を測定する。
受信HARQ処理部313は、受信処理部311からの入力データの復号処理を行い、復号処理に成功した場合、データをMAC情報抽出部315に出力する。受信HARQ処理部313は、入力データの復号処理に失敗した場合、復号処理に失敗したデータを保存する。受信HARQ処理部313は、再送データを受信した場合、保存してあるデータと再送データを合成し、復号処理を行う。また、受信HARQ処理部313は、入力データの復号処理の成否をMAC制御部321に通知する。
MAC情報抽出部315は、受信HARQ処理部313から入力されたデータからMAC層の制御データを抽出し、抽出した制御データをMAC制御部321に出力する。MAC情報抽出部315は、残りのデータを上りリンク制御部317に出力する。MAC層の制御データには、バッファステータスレポートなどがある。
上りリンク制御部317は、RLC層の機能を持つ。上りリンク制御部317は、MAC情報抽出部315から入力されたデータに対してデータの分割及び結合等の処理を行い、データサイズを調節する。また、上りリンク制御部317は、特定のデータに対して再送制御を行う。上りリンク制御部317は、処理を行ったデータを基地局装置間通信部325に出力する。
PHY制御部319は、MAC制御部321からの指示により送信処理部307、無線部309、および、受信処理部311を制御する。PHY制御部319は、MAC制御部321から通知された上りリンクのスケジューリング結果から上りリンク送信許可情報を作成し、送信処理部307に通知する。
MAC制御部321は、MAC層の機能を持つ。MAC制御部321は、RRC制御部323や下位層などから取得した情報をもとにMAC層の制御を行う。MAC制御部321は、下りリンクおよび上りリンクで送信されるデータのスケジューリング処理を行う。MAC制御部321は、受信処理部311から入力された下りリンク送信データの応答情報(ACK/NACK)、下りリンク無線チャネル品質情報(CQI)、及び、送信データ記憶部303から取得したユーザー毎のデータ量情報から下りリンクデータのスケジューリング処理を行う。MAC制御部321は、スケジューリング処理の結果に基づいて、送信データ記憶部303、送信HARQ処理部305、送信処理部307を制御する。
MAC制御部321は、受信処理部311から入力された上りリンク送信要求情報(スケジューリングリクエスト)、MAC情報抽出部315から入力されたバッファステータスレポートから上りリンクデータのスケジューリング処理を行う。MAC制御部321は、スケジューリング処理の結果をPHY制御部319に通知する。
また、MAC制御部321は、受信処理部311から上りリンク送信データに対する応答情報を取得し、応答情報がNACK(否応答)を示していた場合、送信HARQ処理部305と送信処理部307に再送を指示する。MAC制御部321は、受信HARQ処理部313からデータの復号処理の成否情報を取得した場合、送信処理部307にACKまたはNACK信号を送信するように指示する。
また、MAC制御部321は、移動局装置1−1に割り当てたセル(または、コンポーネントキャリア)のアクティベーション/デアクティベーション処理を行う。MAC制御部321は、送信タイミンググループ及び各送信タイミンググループの上りリンク送信タイミングの管理等を行う。
RRC制御部323は、移動局装置1−1との接続及び接続解放処理、キャリアアグリゲーションの設定、移動局装置1−1の制御データおよびユーザーデータをどのセルで送受信するかのデータ制御設定など移動局装置1−1と通信を行うための各種設定を行い、各種設定に伴う上位層との情報のやり取りを行い、各種設定に伴う下位層の制御を行う。
RRC制御部323は、各種設定に伴う基地局装置間の制御メッセージを作成し、作成した制御メッセージを基地局装置間通信部325に出力する。RRC制御部323は、基地局装置間通信部325から基地局装置間の制御メッセージを解析する。RRC制御部323は、MAC層に必要な情報をMAC制御部321に出力し、物理層に必要な情報をPHY制御部319に出力する。また、RRC制御部323は、ハンドオーバー、または、デュアルコネクトを行う場合、基地局装置間通信部325およびMME通信部327に必要な情報を通知する。
基地局装置間通信部325は、他の基地局装置(基地局装置3−1)と接続し、RRC制御部323から入力された基地局装置間の制御メッセージを他の基地局装置に送信する。また、基地局装置間通信部325は、他の基地局装置からの基地局装置間の制御メッセージを受信し、受信した制御メッセージをRRC制御部323に出力する。すなわち、デュアルコネクトにおいて、基地局装置3−3と移動局装置1−1との無線リンクに関する各種設定は、基地局装置3−1を経由して移動局装置1−1に通知される。基地局装置間の制御メッセージには、ハンドオーバーに関係するメッセージ、デュアルコネクトの接続及び接続解放に関する制御メッセージ、移動局装置1−1のデータ制御に関するメッセージなどがある。
また、基地局装置間通信部325は、デュアルコネクトしている移動局装置1−1の上りリンクユーザーデータを他の基地局装置(基地局装置3−1)に送信する。基地局装置間通信部325は、デュアルコネクトしている移動局装置1−1の下りリンクユーザーデータを他の基地局装置から受信し、受信したデータを下りリンク制御部301に出力する。
MME通信部327は、MME(Mobility Management Entity)と接続し、RRC制御部323から入力された基地局装置−MME間の制御メッセージをMMEに送信する。また、MME通信部327は、MMEからの基地局装置−MME間の制御メッセージを受信し、受信した制御メッセージをRRC制御部323に出力する。基地局装置−MME間の制御メッセージには、パススイッチ要求メッセージ、パススイッチ要求応答メッセージなどがある。
尚、送信処理部307、無線部309、受信処理部311、PHY制御部319は、PHY層の動作を行い、送信データ記憶部303、送信HARQ処理部305、受信HARQ処理部313、MAC情報抽出部315、MAC制御部321は、MAC層の動作を行い、下りリンク制御部301及び上りリンク制御部317は、RLC層の動作を行い、RRC制御部323はRRC層の動作を行う。
[動作説明]
図4〜図11で説明したような無線通信システムを想定する。そして、図4が示すように、基地局装置3−1と複数の移動局装置1−1、1−2、1−3とが通信を行なう。また、図9で説明したマクロセルの基地局装置3−1およびスモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1が複数のセルを介して通信を行なうような無線通信システムを想定する。
また、図11に示すように移動局装置1−1は、デュアルコネクトで基地局装置3−1と基地局装置3−2と接続する。マクロセルの基地局装置3−1と移動局装置1−1間では、制御情報(制御データ)またはユーザー情報(ユーザーデータ)の送受信が行われる。スモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間では、ユーザー情報の送受信が行われる。
以下では、基地局装置3−1は、セル1を介して、移動局装置1−1と接続し、基地局装置3−2は、セル2を介して、移動局装置1−1と接続しているとして、基地局装置および移動局装置の動作を示す。尚、各基地局装置は、移動局装置1−1に対して複数のセルを割り当てても良い。セル1は送信タイミンググループ1(またはセルグループ1)、また、セル2は送信タイミンググループ2(またはセルグループ2)として設定されても良い。
基地局装置3−1は、各制御データの無線ベアラの設定情報として、各制御データの論理チャネル、各制御データの論理チャネルの優先度、各制御データの論理チャネルと論理チャネルグループ(LCG:Logical Channel Group)の関係を示したデータ制御情報を移動局装置1−1に通知する。また、基地局装置3−1は、各ユーザーデータの無線ベアラの設定情報として、各ユーザーデータの論理チャネル、各ユーザーデータの論理チャネルの優先度、各ユーザーデータの論理チャネルと論理チャネルグループの関係を示した情報、論理チャネル(または論理チャネルグループ)と送受信セルに関する情報を移動局装置1−1に通知する。
例えば、基地局装置3−1は、制御データ1に対応する論理チャネル1を設定し、論理チャネル1を論理チャネルグループ1に設定する。また、基地局装置3−1は、制御データ2に対応する論理チャネル2を設定し、論理チャネル2を論理チャネルグループ2に設定する。また、基地局装置3−1は、ユーザーデータ1に対応する論理チャネル3を設定し、論理チャネル3を論理チャネルグループ3に設定する。また、基地局装置3−1は、ユーザーデータ2に対応する論理チャネル4を設定し、論理チャネル4を論理チャネルグループ4に設定する。
基地局装置3−1は、論理チャネル3(または、論理チャネルグループ3)のデータをセル1(または、基地局装置3−1)およびセル2(または、基地局装置3−2)で送信するように設定し、論理チャネル4(または、論理チャネルグループ4)のデータをセル2(または、基地局装置3−2)で送信するように設定する。また、基地局装置3−1は、論理チャネル1の優先度を論理チャネル2より優先度が高く設定し、論理チャネル3の優先度を論理チャネル4より優先度が高く設定するとする。
また、基地局装置3−1は、セル1(基地局装置3−1)およびセル2(基地局装置3−2)の両方のセルに対して送信する論理チャネル(または論理チャネルグループ)のデータに対して、どちらのセル(基地局装置)で優先的にデータを送信するかの優先送信セル(優先基地局装置)情報を移動局装置1−1に通知する。つまり、基地局装置3−1は、ベアラ分割を設定したデータに対して、優先的にデータを送信するセルを決定し、移動局装置1−1に優先的にデータを送信するセルを通知する。
例えば、基地局装置3−1は、論理チャネル3(または、論理チャネルグループ3)のデータをセル2(または、基地局装置3−2)に対して優先的に送信するように指示する情報を移動局装置1−1に通知する。
移動局装置1−1は、基地局装置3−1から上記情報を受信すると、論理チャネル1および論理チャネル2(または、論理チャネルグループ1および論理チャネルグループ2)のデータをセル1(または基地局装置3−1)で送信し、論理チャネル3(または、論理チャネルグループ3)のデータをセル1およびセル2(または、基地局装置3―1および基地局装置3−2)で送信し、論理チャネル4(または、論理チャネルグループ4)のデータをセル2(または基地局装置3−2)で送信するように設定を行う。
移動局装置1−1は、論理チャネル3(または、論理チャネルグループ3)のデータをセル1およびセル2(または、基地局装置3―1および基地局装置3−2)で送信するように設定されたので、論理チャネル3のデータに対してベアラ分割(bearer split)が設定されたと認識する。より具体的には、移動局装置1−1は、基地局装置3−1から、ある一つの無線ベアラに対応する(リンクする)2つ以上のRLC層に関する設定(rlc-Config)と、RLC層に関するそれぞれの設定に対応する(リンクする)MAC層に関する設定(mac-MainConfig)(またはRLC層の設定に対応するMAC層の設定を示す識別子情報)が通知されたときに、ベアラ分割(bearer split)が設定されたと認識する。
尚、基地局装置3−1は、各無線ベアラ(または、論理チャネル)に対して、別途、ベアラ分割(bearer split)を行うか否かを示す情報を送っても良い。また、移動局装置1−1は、論理チャネル3(または、論理チャネルグループ3)のデータをセル2に対して優先的に送信する設定(制御)を行う。また、基地局装置3−1は、ベアラ分割するデータに対して、基地局装置3−1および基地局装置3−2の各基地局装置へ送信されるデータ量の割合の情報を通知するようにしても良い。
移動局装置1−1で上りリンクのデータが発生した場合、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、論理チャネル(論理チャネルグループ)とセル(基地局装置)の関係に対応した送信部にデータを入力する。
例えば、論理チャネル1のデータが発生した場合は、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、セル1(基地局装置3−1)に対応した送信部にデータを入力する。つまり、論理チャネル1のデータが発生した場合は、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、上りリンク制御部103−1にデータを入力する。処理後、データが送信データ記憶部105−1に蓄積(バッファリング)されると、移動局装置1−1のMAC制御部125は、セル1(基地局装置3−1)に対するバッファステータスレポートをトリガ(trigger)する。
基地局装置3−1からセル1の無線リソース(物理上りリンク共用データチャネルPUSCH)が割り当てられている場合、移動局装置1−1は、バッファステータスレポートおよび論理チャネル1のデータをセル1を介して基地局装置3−1に送信する。そして、再度、基地局装置3−1からセル1の上りリンク送信許可情報を受信し、セル1の無線リソースが割り当てられた場合、移動局装置1−1は、残りのデータを基地局装置3−1に送信する。基地局装置3−1からセル1の無線リソースが割り当てられてない場合、物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用したスケジューリングリクエスト、または、ランダムアクセス手順を使用したスケジューリングリクエストを行う。
例えば、論理チャネル3のデータが発生した場合は、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、優先送信セル情報がセル2であることから、上りリンク制御部103−2にデータを入力する。処理後、データが送信データ記憶部105−2に蓄積(バッファリング)されると、移動局装置1−1のMAC制御部125は、セル2(基地局装置3−2)に対するバッファステータスレポートをトリガ(trigger)する。
基地局装置3−2からセル2の無線リソース(物理上りリンク共用データチャネルPUSCH)が割り当てられている場合、移動局装置1−1は、バッファステータスレポートおよび論理チャネル3のデータをセル2を介して基地局装置3−2に送信する。そして、再度、基地局装置3−2からセル2の無線リソースを割り当てられた場合、移動局装置1−1は、残りのデータを基地局装置3−2に送信する。基地局装置3−2からセル2の無線リソースが割り当てられてない場合、移動局装置1−1は、基地局装置3−2に対して物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用したスケジューリングリクエスト、または、ランダムアクセス手順を使用したスケジューリングリクエストを行う。
尚、優先送信セルが設定され、優先送信セルに対する送信バッファのデータ量が減らない、または、送信バッファのデータ量がある閾値を超えた場合、移動局装置1−1は優先送信セルでないセルに対する送信部にデータを入力するようにしても良い。優先送信セルの基地局装置から無線リソースを割り当てられない、または、基地局装置から割り当てられる無線リソース量を超えて、移動局装置側で送信データが発生している場合、移動局装置1−1は優先送信セルでないセルに対する送信部にデータを入力するようにする。
例えば、論理チャネル3のデータのデータ量が送信データ記憶部105−2のある一定量を超えた場合、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、上りリンク制御部103−1にデータを入力する。移動局装置1−1のMAC制御部125は、セル1(基地局装置3−1)に対するバッファステータスレポートをトリガ(trigger)し、セル1に対してもデータを送信するようにする。
そして、論理チャネル3のデータのデータ量が送信データ記憶部105−2のある一定量を下回った場合、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、再度、上りリンク制御部103−2にデータを入力するようにする。尚、送信バッファの閾値は、基地局装置3−1から通知しても良いし、あらかじめ、基地局装置3−1および移動局装置1−1間で決めておいても良い。
また、移動局装置1−1は、移動局装置−基地局装置間の無線チャネル品質の状態で基地局装置3−1、または、基地局装置3−2にデータを送信するか決定しても良い。また、移動局装置1−1は、移動局装置−基地局装置間の無線チャネル品質の状態、送信バッファのデータ量などの移動局装置1−1の状態、基地局装置3−1からの指示の少なくとも1つを考慮して、基地局装置3−1、または、基地局装置3−2にデータを送信するか決定しても良い。また、移動局装置1−1は、その他の移動局装置1−1の内部情報(例えば、各ベアラのデータの伝送速度など)を考慮してデータ送信先の基地局装置を決定するようにしても良い。
上記は、移動局装置1−1がデータを送信するセルを決定する例を示したが、基地局装置3−1または基地局装置3−2が移動局装置にデータ送信させるセル(基地局装置)を決定し、送信先セル情報を移動局装置1−1に通知し、移動局装置1−1が送信先セル情報(送信先基地局装置情報)を基づいてデータを送信する例を以下に示す。
基地局装置3−1および基地局装置3−2は、どちらのセル(基地局装置)で移動局装置1−1にベアラ分割(bearer split)の対象となるデータを送信させるかを決定する。例えば、基地局装置3−1および基地局装置3−2は、各基地局装置が上りリンクの無線チャネル品質を測定し、上りリンクの無線チャネル品質が良好なセル(基地局装置)に対して送信指示を行うようにしても良いし、各基地局装置の上りリンクのデータ量(トラフィック量)の少ないセル(基地局装置)に送信指示を行うようにしても良い。
また、基地局装置3−1および基地局装置3−2は、上りリンクの無線チャネル品質が良好で、且つ、基地局装置の上りリンクのデータ量(トラフィック量)の少ないセル(基地局装置)に送信指示を行うようにしても良い。また、デュアルコネクト設定直後の初期段階では、基地局装置3−1、または、基地局装置3−2はどちらか一方のセル(基地局装置)に送信指示を行うようにしても良い。例えば、デュアルコネクト設定直後では、基地局装置3−2が、移動局装置1−1にスモールセルの基地局装置3−2のセル2に対して送信するように指示する。
また、デュアルコネクト設定直後の初期段階では、移動局装置1−1がどちらか一方のセル(基地局装置)に送信を行うようにあらかじめ決めていても良い。例えば、デュアルコネクト設定直後では、移動局装置1−1は、スモールセルの基地局装置3−2のセル2に対して送信するように移動局装置および基地局装置間で決めておく。
基地局装置3−1および基地局装置3−2は、どちらのセル(基地局装置)で移動局装置1−1にベアラ分割(bearer split)の対象となるデータを送信させるかを決定後、基地局装置3−1または基地局装置3−2は、MAC層のメッセージ、または、物理層の情報として、送信先セル情報を移動局装置1−1に通知する。尚、基地局装置3−1および基地局装置3−2は、ベアラ分割の対象となる全てのデータに対して、送信先セルを指示するようにしても良いし、ベアラ分割の対象となるベアラ毎に送信先セルを指示するようにしても良い。
尚、基地局装置3−2が、基地局装置3−1に基地局装置3−2および移動局装置1−1間(セル2)の上りリンク無線チャネル品質、または、基地局装置3−2のトラフィック量を通知し、基地局装置3−1が自基地局装置の情報と比較して、移動局装置1−1にどちらのセルで送信させるかを決定しても良いし、逆に、基地局装置3−1が、基地局装置3−2に基地局装置3−1および移動局装置1−1間(セル1)の上りリンク無線チャネル品質、または、基地局装置3−1のトラフィック量を通知し、基地局装置3−2が自基地局装置の情報と比較して、移動局装置1−1にどちらのセルで送信させるかを決定しても良い。
また、どちらかの基地局装置で移動局装置1−1にデータを送信させている中、上りリンク無線チャネル品質が悪化した場合、または、基地局装置のトラフィック量が増加した場合、移動局装置1−1にデータ送信をさせている基地局装置がもう一方の基地局装置に送信先セルの変更を通知するようにしても良い。また、基地局装置3−1および基地局装置3−2間の通信速度(または、伝送遅延時間)を考慮して、基地局装置3−1は移動局装置1−1にどちらのセルで送信させるかを決定しても良い。
例えば、移動局装置1−1がセル2(基地局装置3−2)でデータ送信の実行中に、セル2(基地局装置3−2)でのトラフィック量が増加し、移動局装置1−1への無線リソース(物理上りリンク共用チャネルPUSCH)の割り当てが困難になった場合、基地局装置3−2は、基地局装置3−1に送信先セルの変更を通知する。そして、基地局装置3−1は、移動局装置1−1にセル1でデータ送信するように送信先セル情報を通知する。
移動局装置1−1は、送信先セル情報を受信した場合、送信先セル情報で指示されたセルにデータを送信するように設定する。送信先セル情報は、MACメッセージまたはRRCメッセージで送信されてもよい。例えば、移動局装置1−1は、セル2でデータを送信するように示された送信先セル情報を受信した場合、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、上りリンク制御部103−2にデータを出力するように設定する。
そして、論理チャネル3のデータが発生した場合は、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、上りリンクデータ処理部101が処理したデータを上りリンク制御部103−2にデータを入力する。上りリンク制御部103−2でのデータ処理後、データが送信データ記憶部105−2に蓄積(バッファリング)されると、移動局装置1−1のMAC制御部125は、セル2(基地局装置3−2)に対するバッファステータスレポートをトリガ(trigger)する。
基地局装置3−2からセル2の無線リソース(物理上りリンク共用データチャネルPUSCH)が割り当てられている場合、移動局装置1−1は、バッファステータスレポートおよび論理チャネル3のデータをセル2を介して基地局装置3−2に送信する。そして、再度、基地局装置3−2からセル2の無線リソースを割り当てられた場合、移動局装置1−1は、残りのデータを基地局装置3−2に送信する。基地局装置3−2からセル2の無線リソースが割り当てられてない場合、移動局装置1−1は、基地局装置3−2に対して物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用したスケジューリングリクエスト、または、ランダムアクセス手順を使用したスケジューリングリクエストを行う。
基地局装置3−2の上りリンクのデータ量(トラフィック量)または移動局装置1−1−基地局装置3−2間の上りリンク無線チャネル品質に変化があり、基地局装置3−1のセル1に送信セルを変更した場合、基地局装置3−1は、移動局装置1−1にセル1でデータを送信するよう示した送信先セル情報を通知する。
移動局装置1−1は、セル1でデータを送信するように示された送信セル情報を受信した場合、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、上りリンク制御部103−1にデータを出力するように設定する。そして、論理チャネル3のデータが発生した場合は、移動局装置1−1の上りリンクデータ処理部101は、上りリンクデータ処理部101が処理したデータを上りリンク制御部103−1にデータを入力する。上りリンク制御部103−1でのデータ処理後、データが送信データ記憶部105−1に蓄積(バッファリング)されると、移動局装置1−1のMAC制御部125は、セル1(基地局装置3−1)に対するバッファステータスレポートをトリガ(trigger)する。
基地局装置3−1からセル1の無線リソース(物理上りリンク共用データチャネルPUSCH)が割り当てられている場合、移動局装置1−1は、バッファステータスレポートおよび論理チャネル3のデータをセル1を介して基地局装置3−1に送信する。そして、再度、基地局装置3−1からセル1の無線リソースを割り当てられた場合、移動局装置1−1は、残りのデータを基地局装置3−1に送信する。基地局装置3−1からセル1の無線リソースが割り当てられてない場合、移動局装置1−1は、基地局装置3−1に対して物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用したスケジューリングリクエスト、または、ランダムアクセス手順を使用したスケジューリングリクエストを行う。
尚、基地局装置3−1および基地局装置3−2は、移動局装置1−1からスケジューリングリクエストを受信した場合、または、移動局装置1−1からバッファステータスレポートを受信した場合、移動局装置1−1に対して、上りリンク無線リソースを割り当て、上りリンク無線リソース割り当てを示した上りリンク送信許可情報を物理下りリンク制御チャネルPDCCHを介して移動局装置1−1に通知する。
このようにすることで、移動局装置1−1は、適切なセル(または、基地局装置)に対して、移動局装置1−1のバッファステータスレポートまたは上りリンクデータ送信を行うことができる。また、基地局装置3−1および基地局装置3−2は、適切なセル(または、基地局装置)に対する上りリンクデータ送信制御を移動局装置1−1に実行させることができる。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
実施形態では、端末装置もしくは通信装置の一例として移動局装置を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来ることは言うまでもない。
また、説明の便宜上、実施形態の移動局装置1−1、基地局装置3−1および基地局装置3−2を機能的なブロック図を用いて説明したが、移動局装置1−1、基地局装置3−1および基地局装置3−2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより移動局装置や基地局装置の制御を行なっても良い。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上記各実施形態に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。