EUTRAの下りリンクとして、OFDM方式が採用されている。また、EUTRAの上りリンクとして、DFT−spread OFDM方式のシングルキャリア通信方式が採用されている。
図6は、EUTRAの物理チャネル構成を示す図である。下りリンクの物理チャネルは、物理下りリンク共用チャネルPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、物理下りリンク制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、物理報知チャネルPBCH(Physical Broadcast Channel)により構成されている。この他に下りリンク同期信号、下りリンク参照信号の物理信号がある(非特許文献1)。
上りリンクの物理チャネルは、物理ランダムアクセスチャネルPRACH(Physical Random Access Channel)、物理上りリンク共用チャネルPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、物理上りリンク制御チャネルPUCCH(Physical Uplink Control Channel)により構成されている。この他に上りリンク参照信号の物理信号がある(非特許文献1)。
図7は、EUTRAの下りリンクのチャネル構成を示す図である。図7に示す下りリンクのチャネルは、それぞれ論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネルから構成されている。論理チャネルは、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で送受信されるデータ送信サービスの種類を定義する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースで送信されるデータがどのような特性をもち、そのデータがどのように送信されるのかを定義する。物理チャネルは、トランスポートチャネルによって物理層に伝達されたデータを運ぶ物理的なチャネルである。
下りリンクの論理チャネルには、報知制御チャネルBCCH(Broadcast Control Channel)、ページング制御チャネルPCCH(Paging Control Channel)、共通制御チャネルCCCH(Common Control Channel)、専用制御チャネルDCCH(Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネルDTCH(Dedicated Traffic Channel)が含まれる。
下りリンクのトランスポートチャネルには、報知チャネルBCH(Broadcast Channel)、ページングチャネルPCH(Paging Channel)、下りリンク共用チャネルDL−SCH(Downlink Shared Channel)が含まれる。
下りリンクの物理チャネルには、物理報知チャネルPBCH(Physical Broadcast Channel)、物理下りリンク制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、物理下りリンク共用チャネルPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)が含まれる。これらのチャネルは、基地局装置と移動局装置の間で送受信される。
次に、論理チャネルについて説明する。報知制御チャネルBCCHは、システム制御情報を報知するために使用される下りリンクチャネルである。ページング制御チャネルPCCHは、ページング情報を送信するために使用される下りリンクチャネルであり、ネットワークが移動局装置のセル位置を知らないときに使用される。共通制御チャネルCCCHは、移動局装置とネットワーク間の制御情報を送信するために使用されるチャネルであり、ネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有していない移動局装置によって使用される。
専用制御チャネルDCCHは、1対1(point-to-point)の双方向チャネルであり、移動局装置とネットワーク間で個別の制御情報を送信するために利用するチャネルである。専用制御チャネルDCCHは、RRC接続を有している移動局装置によって使用される。専用トラフィックチャネルDTCHは、1対1の双方向チャネルであり、1つの移動局装置専用のチャネルであって、ユーザー情報(ユニキャストデータ)の転送のために利用される。
次に、トランスポートチャネルについて説明する。報知チャネルBCHは、固定かつ事前に定義された送信形式によって、セル全体に報知される。下りリンク共用チャネルDL−SCHでは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応無線リンク制御、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)がサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
ページングチャネルPCHでは、DRXがサポートされ、セル全体に報知される必要がある。また、ページングチャネルPCHは、トラフィックチャネルや他の制御チャネルに対して動的に使用される物理リソース、すなわち物理下りリンク共用チャネルPDSCHにマッピングされる。
次に、物理チャネルについて説明する。物理報知チャネルPBCHは、40ミリ秒周期で報知チャネルBCHをマッピングする。物理下りリンク制御チャネルPDCCHは、下りリンク共用チャネルPDSCHのリソース割り当て、下りリンクデータに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ)情報、および、物理上りリンク共用チャネルPUSCHのリソース割り当てである上りリンク送信許可(上りリンクグラント:Uplink grant)を移動局装置に通知するために使用されるチャネルである。物理下りリンク共用チャネルPDSCHは、下りリンクデータまたはページング情報を送信するために使用されるチャネルである。
次に、チャネルマッピングについて説明する。図7に示されるように、下りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。報知チャネルBCHは、物理報知チャネルPBCHにマッピングされる。ページングチャネルPCHおよび下りリンク共用チャネルDL−SCHは、物理下りリンク共用チャネルPDSCHにマッピングされる。物理下りリンク制御チャネルPDCCHは、物理チャネル単独で使用される。
また、下りリンクにおいて、次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。ページング制御チャネルPCCHは、ページングチャネルPCHにマッピングされる。報知制御チャネルBCCHは、報知チャネルBCHと下りリンク共用チャネルDL−SCHにマッピングされる。共通制御チャネルCCCH、専用制御チャネルDCCH、専用トラフィックチャネルDTCHは、下りリンク共用チャネルDL−SCHにマッピングされる。
図8は、EUTRAの上りリンクのチャネル構成を示す図である。図8に示す上りリンクのチャネルは、それぞれ論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネルから構成されている。各チャネルの定義は下りリンクのチャネルと同じである。
上りリンクの論理チャネルには、共通制御チャネルCCCH(Common Control Channel)、専用制御チャネルDCCH(Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネルDTCH(Dedicated Traffic Channel)が含まれる。
上りリンクのトランスポートチャネルには、上りリンク共用チャネルUL−SCH(Uplink Shared Channel)とランダムアクセスチャネルRACH(Random Access Channel)が含まれる。
上りリンクの物理チャネルには、物理上りリンク制御チャネルPUCCH(Physical Uplink Control Channel)、物理上りリンク共用チャネルPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と物理ランダムアクセスチャネルPRACH(Physical Random Access Channel)が含まれる。これらのチャネルは、基地局装置と移動局装置の間で送受信される。尚、物理ランダムアクセスチャネルPRACHは、主に移動局装置から基地局装置への送信タイミング情報を取得するためのランダムアクセスプリアンブル送信に使用される。ランダムアクセスプリアンブル送信はランダムアクセス手順の中で行なわれる。
次に、論理チャネルについて説明する。共通制御チャネルCCCHは、移動局装置とネットワーク間の制御情報を送信するために使用されるチャネルであり、ネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有していない移動局装置によって使用される。
専用制御チャネルDCCHは、1対1(point-to-point)の双方向チャネルであり、移動局装置とネットワーク間で個別の制御情報を送信するために利用するチャネルである。専用制御チャネルDCCHは、RRC接続を有している移動局装置によって使用される。専用トラフィックチャネルDTCHは、1対1の双方向チャネルであり、1つの移動局装置専用のチャネルであって、ユーザー情報(ユニキャストデータ)の転送のために利用される。
次に、トランスポートチャネルについて説明する。上りリンク共用チャネルUL−SCHでは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応無線リンク制御、間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)がサポートされる。ランダムアクセスチャネルRACHでは、制限された制御情報が送信される。
次に、物理チャネルについて説明する。物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、下りリンクデータに対する応答情報(ACK/NACK)、下りリンクの無線品質情報および、上りリンクデータの送信要求(スケジューリングリクエスト:Scheduling Request:SR)を基地局装置に通知するために使用されるチャネルである。物理上りリンク共用チャネルPUSCHは、上りリンクデータを送信するために使用されるチャネルである。物理ランダムアクセスチャネルは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用されるチャネルである。
次に、チャネルマッピングについて説明する。上りリンクでは、図8に示されるようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。上りリンク共用チャネルUL−SCHは、物理上りリンク共用チャネルPUSCHにマッピングされる。ランダムアクセスチャネルRACHは、物理ランダムアクセスチャネルPRACHにマッピングされる。物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、マッピングされるトランスポートチャネルのない物理チャネルである。
また、上りリンクにおいて、次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。共通制御チャネルCCCH、専用制御チャネルDCCH、専用トラフィックチャネルDTCHは、上りリンク共用チャネルUL−SCHにマッピングされる。
図9は、EUTRAの移動局装置及び基地局装置の制御データを扱うプロトコルスタック(Protocol stack)である。図10は、EUTRAの移動局装置及び基地局装置のユーザーデータを扱うプロトコルスタックである。図9及び図10について以下で説明する。
物理層(Physical layer:PHY層)は、物理チャネル(Physical Channel)を利用して上位層に伝送サービスを提供する。PHY層は、上位の媒体アクセス制御層(Medium Access Control layer:MAC層)とトランスポートチャネルで接続される。トランスポートチャネルを介して、MAC層とPHY層とレイヤ(layer:層)間でデータが移動する。移動局装置と基地局装置のPHY層間において、物理チャネルを介してデータの送受信が行われる。
MAC層は、多様な論理チャネルを多様なトランスポートチャネルにマッピングを行う。MAC層は、上位の無線リンク制御層(Radio Link Control layer:RLC層)とは論理チャネルで接続される。論理チャネルは、伝送される情報の種類によって大きく分けられ、制御情報を伝送する制御チャネルとユーザー情報を伝送するトラフィックチャネルに分けられる。MAC層は、間欠受送信(DRX・DTX)を行うためにPHY層の制御を行う機能、ランダムアクセス手順を実行する機能、送信電力の情報を通知する機能、HARQ制御を行う機能等を持っている。
RLC層は、上位層から受信したデータを分割(Segmentation)及び連結(Concatenation)し、下位層が適切にデータ送信できるようにデータサイズを調節する。また、RLC層は、各データが要求するQoS(Quality of Service)を保証するための機能も持つ。すなわち、RLC層は、データの再送制御等の機能を持つ。
パケットデータコンバージェンスプロトコル層(Packet Data Convergence Protocol layer:PDCP層)は、ユーザーデータであるIPパケットを無線区間で効率的に伝送するために、不要な制御情報の圧縮を行うヘッダ圧縮機能を持つ。また、PDCP層は、データの暗号化の機能も持つ。
無線リソース制御層(Radio Resource Control layer:RRC層)は、制御情報のみ定義される。RRC層は、無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の設定・再設定を行い、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を行う。RBは、シグナリグ無線ベアラ(Signaling Radio Bearer:SRB)とデータ無線ベアラ(Data Radio Bearer:DRB)とに分けられ、SRBは、制御情報であるRRCメッセージを送信する経路として利用される。DRBは、ユーザー情報を送信する経路として利用される。基地局装置と移動局装置のRRC層間で各RBの設定が行われる。
尚、PHY層は一般的に知られる開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection:OSI)モデルの階層構造の中で第一層の物理層に対応し、MAC層、RLC層及びPDCP層はOSIモデルの第二層であるデータリンク層に対応し、RRC層はOSIモデルの第三層であるネットワーク層に対応する。
ランダムアクセス手順について以下に説明する。ランダムアクセス手順には、競合ベースランダムアクセス手順(Contention based Random Access procedure)と非競合ベースランダムアクセス手順(Non-contention based Random Access procedure)の2つのアクセス手順がある(非特許文献1)。
図11は、競合ベースランダムアクセス手順の手順を示す図である。競合ベースランダムアクセス手順は、移動局装置間で衝突する可能性のあるランダムアクセス手順であり、基地局装置と接続(通信)していない状態からの初期アクセス時や基地局装置と接続中であるが、上りリンク同期が外れている状態で移動局装置に上りリンクデータ送信が発生した場合のスケジューリングリクエストなどに行われる。
図12は、非競合ベースランダムアクセス手順を示す図である。非競合ベースランダムアクセス手順は、移動局装置間で衝突が発生しないランダムアクセス手順であり、基地局装置と移動局装置が接続中であるが、上りリンクの同期が外れている場合に迅速に移動局装置と基地局装置との間の上りリンク同期をとるためにハンドオーバーや移動局装置の送信タイミングが有効でない場合等の特別な場合に基地局装置から指示されて移動局装置がランダムアクセス手順を開始する。非競合ベースランダムアクセス手順は、RRC(Radio Resource Control:Layer3)層のメッセージ及び物理下りリンク制御チャネルPDCCHの制御データにより指示される。
図11を用いて、競合ベースランダムアクセス手順を簡単に説明する。まず、移動局装置1−1がランダムアクセスプリアンブルを基地局装置3−1に送信する(メッセージ1:(1)、ステップS1)。そして、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局装置3−1が、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答(ランダムアクセスレスポンス)を移動局装置1−1に送信する(メッセージ2:(2)、ステップS2)。移動局装置1−1がランダムアクセスレスポンスに含まれているスケジューリング情報を元に上位レイヤ(Layer2/Layer3)のメッセージを送信する(メッセージ3:(3)、ステップS3)。基地局装置3−1は、(3)の上位レイヤメッセージを受信できた移動局装置1−1に衝突確認メッセージを送信する(メッセージ4:(4)、ステップS4)。尚、競合ベースランダムアクセスをランダムプリアンブル送信とも言う。
図12を用いて、非競合ベースランダムアクセス手順を簡単に説明する。まず、基地局装置3−1は、プリアンブル番号(または、シーケンス番号)と使用するランダムアクセスチャネル番号を移動局装置1−1に通知する(メッセージ0:(1)’、ステップS11)。移動局装置1−1は、指定されたプリアンブル番号のランダムアクセスプリアンブルを指定されたランダムアクセスチャネルRACHに送信する(メッセージ1:(2)’、ステップS12)。そして、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局装置3−1が、ランダムアクセスプリアンブルに対する応答(ランダムアクセスレスポンス)を移動局装置1−1に送信する(メッセージ2:(3)’、ステップS13)。ただし、通知されたプリアンブル番号の値が0の場合は、競合ベースランダムアクセス手順を行なう。尚、非競合ベースランダムアクセス手順を専用プリアンブル送信とも言う。
尚、ランダムアクセスプリアンブル送信後、ランダムアクセスレスポンスを受信しない、または、衝突確認メッセージを受信しない場合、ランダムアクセスプリアンブルを再送信する。ランダムアクセスプリアンブルの送信を繰り返しても基地局装置3−1から応答を受信せずにランダムアクセス手順が終了しない場合、移動局装置1−1のMAC層はランダムアクセス問題(Random Access Problem:RAP)を検出して、移動局装置1−1のRRC層にランダムアクセス問題を通知する。移動局装置1−1のRRC層は、MAC層からランダムアクセス問題を通知された場合、無線リンク失敗(Radio Link Failure:RLF)を判断し、再接続処理を行う。
物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、物理下りリンク共用チャネルPUSCHで送信される下りリンクデータの応答(ACK/NACK)、下りリンクの無線チャネル品質情報(Channel Quality Indicator:CQI)、上りリンクデータの送信要求(Scheduling Request:スケジューリングリクエスト)の送信に使用される。移動局装置1−1が上りリンクデータの送信要求を行う場合、基地局装置3−1から割り当てられた物理上りリンク制御チャネルPUCCHを利用して、スケジューリングリクエストを基地局装置3−1に送信する。
スケジューリングリクエスト送信後、基地局装置3−1から物理上りリンク共用チャネルPUSCHを割り当てられた場合、移動局装置1−1は、割り当てられた物理上りリンク共用チャネルPUSCHで移動局装置1−1の送信データのバッファ状態を示すバッファステータスレポート(Buffer Status Report:BSR)を送信する。尚、基地局装置3−1は、バッファステータスレポートに基づいて移動局装置1−1への上りリンクデータスケジューリングを行う。
スケジューリングリクエスト送信後、基地局装置3−1から物理上りリンク共用チャネルPUSCHを割り当てられない場合、移動局装置1−1は、再度、スケジューリングリクエストを送信する。スケジューリングリクエストの再送を繰り返しても基地局装置3−1から物理上りリンク共用チャネルPUSCHを割り当てられない場合、移動局装置1−1は、割り当てられている物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび上りリンク参照信号を解放して、スケジューリングリクエストを目的としたランダムアクセス手順を実行する。尚、ランダムアクセス手順によるスケジューリングリクエストでは、移動局装置1−1は、メッセージ3の送信でバッファステータスレポートを送信する。
次にハンドオーバー手順について図13を用いて以下に示す。尚、ハンドオーバー元の基地局装置をソース基地局装置、ハンドオーバー先の基地局装置をターゲット基地局装置として以下に示す。移動局装置は、在圏周波数および周辺周波数の周辺セルの無線品質測定を行い、無線品質測定結果を含んだ測定報告メッセージをソース基地局装置に通知する(ステップS101)。ソース基地局装置は、移動局装置の測定結果からハンドオーバーを行うか否かを決定する。ハンドオーバーを行う場合、ソース基地局装置は、ハンドオーバー先のターゲット基地局装置を決定し、ハンドオーバー先のターゲット基地局装置にハンドオーバー要求メッセージを通知する(ステップS102)。
ハンドオーバー要求メッセージは、ターゲット基地局装置でハンドオーバーに必要となる情報が含まれる。ハンドオーバーに必要となる情報には、ソース基地局装置のRRC層レベルのC−RNTIを含んだ移動局装置の情報(UE Context)、RRC層以上の上位層レベルの移動局装置の情報、暗号鍵情報、移動局装置のMACアドレスなどがある。
ハンドオーバー先のターゲット基地局装置は、ハンドオーバーを了解するとハンドオーバー要求応答メッセージをハンドオーバー元のソース基地局装置に通知する(ステップS103)。ハンドオーバー要求応答メッセージは、ターゲット基地局装置のセルの無線パラメータ、ターゲット基地局装置が移動局装置に割り当てる情報が含まれる。割り当てる情報には、上りリンクの無線リソース情報、ハンドオーバー時にランダムアクセス手順を実行する為のプリアンブル情報、ターゲット基地局装置のセルで使用される移動局装置の新しいC−RNTI、暗号鍵に関する情報などが含まれる。
ソース基地局装置がハンドオーバー要求応答メッセージを受信すると、ソース基地局装置は、移動局装置にハンドオーバー指示メッセージを通知する(ステップS104)。ハンドオーバー指示メッセージは、ハンドオーバー要求応答メッセージに含まれているターゲット基地局装置のセルで使用される移動局装置の無線パラメータやターゲット基地局装置が移動局装置に割り当てる情報などが含まれる。
ハンドオーバー指示メッセージを通知後、ソース基地局装置は、ターゲット基地局装置に移動局装置のユーザーデータ情報を含んだステータス転送メッセージを通知する(ステップS105)。そして、ソース基地局装置が保持している移動局装置のユーザーデータをターゲット基地局装置に転送する。移動局装置は、ハンドオーバー指示メッセージを受信すると、ターゲット基地局装置に対する下りリンク同期を行う。移動局装置は、下りリンク同期が完了すると、ターゲット基地局装置と上りリンクの同期をとるためにランダムアクセス手順を実行する(ステップS106)。そして、移動局装置は、ターゲット基地局装置からランダムアクセスレスポンスメッセージを受信し、上りリンク同期のための上りリンク送信タイミングを取得すると、移動局装置は、ターゲット基地局装置にハンドオーバー完了メッセージを通知する(ステップS107)。
ターゲット基地局装置は、ハンドオーバー完了メッセージを受信すると、MME(Mobility Management Entity)に対してパススイッチ要求メッセージを通知し、ソース基地局装置からターゲット基地局装置に移動局装置が接続する基地局装置を変更したことによるデータパス(データ伝送経路)の変更を要求する(ステップS108)。MMEは、パススイッチ要求メッセージを受信すると、ゲートウェイ(Gateway:GW)にモビリティベアラ要求メッセージを通知する(ステップS109)。
GWは、モビリティベアラ要求メッセージを受信すると、移動局装置のユーザーデータのデータパスをソース基地局装置からターゲット基地局装置に切り替えを行う。そして、GWは、MMEにモビリティベアラ要求応答メッセージを通知する(ステップS110)。MMEは、ターゲット基地局装置にパススイッチ要求応答メッセージを通知する(ステップS111)。ターゲット基地局装置は、パススイッチ要求応答メッセージを受信すると、ソース基地局装置に移動局装置の情報の解放を指示する移動局情報解放メッセージを通知する(ステップS112)。ソース基地局装置は、移動局情報解放メッセージを受信すると、ターゲット基地局装置にハンドオーバーした移動局装置の情報を削除する。
3GPPでは、EUTRAの更なる進化のAdvanced−EUTRAの議論も行われている。Advanced−EUTRAでは、上りリンクおよび下りリンクでそれぞれ最大100MHz帯域幅までの帯域を使用して、最大で下りリンク1Gbps以上、上りリンク500Mbps以上の伝送レートの通信を行なうことを想定している。
Advanced−EUTRAでは、EUTRAの移動局装置も収容できるようにEUTRAの20MHz以下の帯域を複数個束ねることで、最大で100MHz帯域を実現することを考えている。尚、Advanced−EUTRAでは、EUTRAの1つの20MHz以下の帯域をコンポーネントキャリア(Component Carrier : CC)と呼んでいる(非特許文献1)。また、1つの下りリンクのコンポーネントキャリアと1つの上りリンクのコンポーネントキャリアを組み合わせて1つのセルを構成する。尚、1つの下りリンクコンポーネントキャリアのみでも1つのセルを構成できる。
基地局装置は、移動局装置の通信能力や通信条件にあった複数のセルを割り当て、割り当てた複数のセルを介して移動局装置と通信を行なうようにしている。尚、移動局装置に割り当てられた複数のセルは、1つのセルを第一セル(Primary Cell:PCell)とそれ以外のセルを第二セル(Secondary Cell:SCell)とに分類される。第一セルには、物理上りリンク制御チャネルPUCCHの割り当てなど特別な機能が設定されている。
また、移動局装置の消費電力を少なくするために、割り当て直後の第二セルに対し、移動局装置は下りリンクの受信処理を行わず(または、物理下りリンク制御チャネルPDCCHで指示された無線リソース割り当て情報に従わない)、基地局装置からアクティベート(Activate、またはアクティベーション(activation))を指示された後、アクティベートを指示された第二セルに対して下りリンクの受信処理を開始する(または、物理下りリンク制御チャネルPDCCHで指示された無線リソース割り当て情報に従う)ようにしている。
また、移動局装置は、基地局装置からアクティベートしている第二セルに対してデアクティベート(deactivate、またはデアクティベーション(deactivation))を指示された後、デアクティベートを指示された第二セルに対して下りリンクの受信処理を停止する(または、物理下りリンク制御チャネルPDCCHで指示された無線リソース割り当て情報に従わない)ようにしている。尚、基地局装置からアクティベートを指示され、下りリンクの受信処理を行っている第二セルをアクティベートセルと言い、また、基地局装置から移動局装置への割り当て直後の第二セル、及びデアクティベートを指示されて下りリンクの受信処理を停止している第二セルをデアクティベートセルと言う。また、第一セルは、常にアクティベートセルである。
尚、移動局装置のMAC層は、キャリアアグリゲーションを行う場合、セルのアクティベーション/デアクティベーションを行うためにPHY層の制御を行う機能及び上りリンクの送信タイミングを管理するためにPHY層の制御行う機能も持っている。
また、図14のように移動局装置が、2つの基地局装置とデュアルコネクト(Dual Connect)して同時に両基地局装置と通信を行うことも検討している。デュアルコネクトとは、マクロセルの基地局装置とスモールセルの基地局装置との間が光ファイバーのような無遅延とみなせる高速なバックボーン回線(backhaulとも称する)ではなく、遅延のある低速なバックボーン回線を用いて接続されているときに、移動局装置がマクロセルの基地局装置とスモールセルの基地局装置と接続して、移動局装置と両基地局装置が複数セルを介してデータの送受信を行うことを仮定している。
デュアルコネクトでは、マクロセルを第一セル(PCell)、スモールセルを第二セル(SCell)として、移動局装置と基地局装置間で通信が行われることが望ましいが、基地局装置のセルの種別(マクロセル、スモールセル)とは無関係に設定されてもよい。また、デュアルコネクトでは、マクロセルの基地局装置と移動局装置間で制御データ(制御情報)の送受信を行い、スモールセルの基地局装置と移動局装置間でユーザーデータ(ユーザー情報)の送受信を行うことを想定している。さらに、制御データおよびユーザーデータよりさらに細かいデータの種類(例えば、QoSまたは論理チャネル等)に基づいて、データ送受信する基地局装置を変更することも考えている。また、キャリアアグリゲーションと同様に、セルのアクティベーション/デアクティベーションを行うことも考えている。
(実施形態)
[構成説明]
図1は、本発明の実施形態に係る移動局装置の構成を示す図である。移動局装置1−1〜1−3は、データ生成部101、送信データ記憶部103、送信HARQ処理部105、送信処理部107、無線部109、受信処理部111、受信HARQ処理部113、MAC情報抽出部115、PHY制御部117、MAC制御部119、データ処理部121、および、RRC制御部123から構成される。
上位層からのユーザーデータおよびRRC制御部123からの制御データは、データ生成部101に入力される。データ生成部101は、PDCP層、RLC層の機能を持つ。データ生成部101は、ユーザーデータのIPパケットのヘッダ圧縮やデータの暗号化、データの分割及び結合等の処理を行い、データサイズを調節する。データ生成部101は、処理を行ったデータを送信データ記憶部103に出力する。
送信データ記憶部103は、データ生成部101から入力されたデータを蓄積し、MAC制御部119からの指示に基づいて指示されたデータを指示されたデータ量分だけ送信HARQ処理部105に出力する。また、送信データ記憶部103は、蓄積されたデータのデータ量の情報をMAC制御部119に出力する。
送信HARQ処理部105は、入力データに符号化を行い、符号化したデータにパンクチャ処理を行う。そして、送信HARQ処理部105は、パンクチャしたデータを送信処理部107に出力し、符号化したデータを保存する。送信HARQ処理部105は、MAC制御部119からデータの再送を指示された場合、保存してある符号化したデータから前回に行なったパンクチャと異なるパンクチャ処理を行い、パンクチャしたデータを送信処理部107に出力する。
送信処理部107は、送信HARQ処理部105から入力されたデータに変調・符号化を行なう。送信処理部107は、変調・符号化されたデータをDFT(Discrete Fourier Transform(離散フーリエ変換))−IFFT(Inverse Fast Fourier Transform(逆高速フーリエ変換))処理し、処理後、CP(Cyclic prefix)を挿入し、CP挿入後のデータを上りリンクの各コンポーネントキャリア(セル)の物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)に配置し、無線部109に出力する。
また、送信処理部107は、PHY制御部117から受信データの応答指示があった場合、ACKまたはNACK信号を生成し、生成した信号を上りリンクの各コンポーネントキャリア(セル)の物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)に配置し、無線部109に出力する。送信処理部107は、PHY制御部117からスケジューリングリクエストの送信指示があった場合、スケジューリングリクエスト信号を生成し、生成した信号を上りリンクの各コンポーネントキャリア(セル)の物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)に配置し、無線部109に出力する。送信処理部107は、PHY制御部117からランダムアクセスプリアンブルの送信指示があった場合、ランダムアクセスプリアンブルを生成し、生成した信号を物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)に配置し、無線部109に出力する。
無線部109は、送信処理部107から入力されたデータをPHY制御部117から指示された送信位置情報(送信セル情報)の無線周波数にアップコンバートし、送信電力を調整して送信アンテナからデータを送信する。また、無線部109は、受信アンテナより受信した無線信号をダウンコンバートし、受信処理部111に出力する。
受信処理部111は、無線部109から入力された信号をFFT(Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換))処理、復号化、復調処理等を行なう。受信処理部111は、復調したデータの中で物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)のデータを受信HARQ処理部113に出力する。また、受信処理部111は、復調したデータの中で物理下りリンク制御チャネルPDCCHから取得した制御データの上りリンク送信データの応答情報(ACK/NACK)および上りリンク送信許可情報(Uplink grant:上りリンクグラント)をMAC制御部119に出力する。尚、上りリンク送信許可情報は、データの変調・符号化方式、データサイズ情報、HARQ情報、送信位置情報などがある。
受信HARQ処理部113は、受信処理部111からの入力データの復号処理を行い、復号処理に成功した場合、データをMAC情報抽出部115に出力する。受信HARQ処理部113は、入力データの復号処理に失敗した場合、復号処理に失敗したデータを保存する。受信HARQ処理部113は、再送データを受信した場合、保存してあるデータと再送データを合成し、復号処理を行う。また、受信HARQ処理部113は、入力データの復号処理の成否をMAC制御部119に通知する。
MAC情報抽出部115は、受信HARQ処理部113から入力されたデータからMAC層(Medium Access Control layer)の制御データを抽出し、抽出した制御情報をMAC制御部119に出力する。MAC情報抽出部115は、残りのデータをデータ処理部121に出力する。データ処理部121は、PDCP層、RLC層の機能を持ち、圧縮されたIPヘッダの解凍機能や暗号化されたデータの復号機能、データの分割及び結合等の処理を行い、データを元の形に戻す。データ処理部121は、RRCメッセージとユーザーデータに分け、RRCメッセージをRRC制御部123に出力し、ユーザーデータを上位層に出力する。
PHY制御部117は、MAC制御部119からの指示により送信処理部107、無線部109、および、受信処理部111を制御する。PHY制御部117は、MAC制御部119から通知された変調・符号化方式、送信電力情報および送信位置情報(送信セル情報)から変調・符号化方式および送信位置を送信処理部107に通知し、送信セルの周波数情報および送信電力情報を無線部109に通知する。
MAC制御部119は、RRC制御部123から指定されたデータ送信制御設定および送信データ記憶部103から取得したデータ量情報および受信処理部111から取得した上りリンク送信許可情報をもとにデータ送信先およびデータ送信優先順位を決定し、送信するデータに関する情報を送信データ記憶部103に通知する。また、MAC制御部119は、送信HARQ処理部105にHARQ情報を通知し、PHY制御部117に変調・符号化方式および送信位置情報(送信セル情報)を出力する。
MAC制御部119は、送信データ記憶部103から取得したデータ量情報からスケジューリングリクエストを送信するか判断し、スケジューリングリクエストの送信を決定した場合、PHY制御部117にスケジューリングリクエスト送信を指示する。MAC制御部119は、スケジューリングリクエストに対応する上りリンク送信許可情報を取得した場合、バッファステータスレポートを作成し、作成したバッファステータスレポートを送信データ記憶部103に出力する。
MAC制御部119は、スケジューリングリクエストの送信回数をカウントして、スケジューリングリクエストの送信回数が最大送信回数に達しても上りリンク送信許可情報を取得しない場合、ランダムアクセスプリアンブル送信をPHY制御部117に指示する。また、MAC制御部119は、RRC制御部123に自移動局装置に割り当てられている上りリンク無線リソースの解放を通知する。
MAC制御部119は、ランダムアクセスプリアンブルの送信回数をカウントして、ランダムアクセスプリアンブルの送信回数が最大送信回数に達しても上りリンク送信許可情報を取得せず、ランダムアクセス手順が終了しない場合、ランダムアクセス問題が発生した判断する。MAC制御部119は、ランダムアクセス問題が発生したセルがマクロセル(第一セル)の場合、RRC制御部123にランダムアクセス問題が発生したことを通知する。
MAC制御部119は、ランダムアクセス問題が発生したセルがスモールセル(第二セル)の場合、マクロセルでのスケジューリングリクエスト送信をPHY制御部117に指示する。そして、MAC制御部119は、マクロセルでのスケジューリングリクエストに対応する上りリンク送信許可情報を取得した場合、スモールセルで送信するデータのバッファステータスレポートを作成し、作成したバッファステータスレポートを送信データ記憶部103に出力する。
MAC制御部119は、受信処理部111から上りリンク送信データに対する応答情報を取得し、応答情報がNACK(否応答)を示していた場合、送信HARQ処理部105とPHY制御部117に再送を指示する。MAC制御部119は、受信HARQ処理部113からデータの復号処理の成否情報を取得した場合、PHY制御部117にACKまたはNACK信号を送信するように指示する。
また、MAC制御部119は、MAC層の機能を持ち、MAC情報抽出部115から入力されたMAC制御情報の中でセル(または、コンポーネントキャリア)のアクティベーション/デアクティベーション指示情報及び間欠受信(DRX)制御情報を取得した場合、アクティベーション/デアクティベーション制御及びDRX制御を行うために無線部109、送信処理部107及び受信処理部111の制御を行うためにPHY制御部117を制御する。
MAC制御部119は、MAC情報抽出部115から入力されたMAC制御情報の中で送信タイミング情報をPHY制御部117へ出力する。MAC制御部119は、上りリンク送信タイミングを管理し、PHY制御部117を制御する。
RRC制御部123は、基地局装置3−1との接続・切断処理、キャリアアグリゲーションの設定、制御データおよびユーザーデータのデータ送信制御設定など基地局装置3−1及び基地局装置3−2と通信を行うための各種設定を行う。RRC制御部123は、前記各種設定に伴う上位層との情報のやり取りを行い、前記各種設定に伴う下位層の制御を行う。RRC制御部123は、基地局装置3−1から割り当てられた各セルの無線リソースを管理する。
RRC制御部123は、RRCメッセージを作成し、作成したRRCメッセージをデータ生成部101に出力する。RRC制御部123は、データ処理部121から入力されたRRCメッセージを解析する。RRC制御部123は、MAC層に必要な情報をMAC制御部119に出力し、物理層に必要な情報をPHY制御部117に出力する。
RRC制御部123は、MAC層から上りリンク無線リソースの解放を通知された場合、対象となるセルに割り当てられている物理上りリンク制御チャネルPUCCH、上りリンク参照信号等の上りリンクの無線リソースを解放する。RRC制御部123は、MAC層からランダムアクセス問題が通知された場合、無線リンク失敗と判断して、再接続処理を行う。
尚、送信処理部107、無線部109、受信処理部111、PHY制御部117は、物理層の動作を行い、送信データ記憶部103、送信HARQ処理部105、受信HARQ処理部113、MAC情報抽出部115、MAC制御部119は、MAC層の動作を行い、データ生成部101及びデータ処理部121は、RLC層及びPDCP層の動作を行い、RRC制御部123はRRC層の動作を行う。
図2は、本発明の実施形態に係る基地局装置の構成を示す図である。基地局装置3−1、または、基地局装置3−2は、データ生成部201、送信データ記憶部203、送信HARQ処理部205、送信処理部207、無線部209、受信処理部211、受信HARQ処理部213、MAC情報抽出部215、PHY制御部217、MAC制御部219、データ処理部221、RRC制御部223、基地局装置間通信部225、MME通信部227、および、GW通信部229から構成される。
GW通信部229からのユーザーデータおよびRRC制御223からの制御データは、データ生成部201に入力さる。データ生成部201は、PDCP層、RLC層の機能を持ち、ユーザーデータのIPパケットのヘッダ圧縮やデータの暗号化、データの分割及び結合等の処理を行い、データサイズを調節する。データ生成部201は、処理を行ったデータとデータの論理チャネル情報を送信データ記憶部203に出力する。
送信データ記憶部203は、データ生成部201から入力されたデータをユーザー毎に蓄積し、MAC制御部219からの指示に基づいて指示されたユーザーのデータを指示されたデータ量分だけ送信HARQ処理部205に出力する。また、送信データ記憶部203は、蓄積されたデータのデータ量の情報をMAC制御部219に出力する。
送信HARQ処理部205は、入力データに符号化を行い、符号化したデータにパンクチャ処理を行う。そして、送信HARQ処理部205は、パンクチャしたデータを送信処理部207に出力し、符号化したデータを保存する。送信HARQ処理部205は、MAC制御部219からデータの再送を指示された場合、保存してある符号化したデータから前回に行なったパンクチャと異なるパンクチャ処理を行い、パンクチャしたデータを送信処理部207に出力する。
送信処理部207は、送信HARQ処理部205から入力されたデータに変調・符号化を行なう。送信処理部207は、変調・符号化されたデータを各セルの物理下りリンク制御チャネルPDCCH、下りリンク同期信号、物理報知チャネルPBCH、物理下りリンク共用チャネルPDSCHなどの信号及び各チャネルにマッピングし、マッピングしたデータを直列/並列変換、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform(逆高速フーリエ変換))変換、CP挿入などのOFDM信号処理を行い、OFDM信号を生成する。
そして、送信処理部207は、生成したOFDM信号を無線部209に出力する。また、送信処理部207は、MAC制御部219から受信データの応答指示があった場合、ACKまたはNACK信号を生成し、生成した信号を物理下りリンク制御チャネルPDCCHに配置し、無線部209に出力する。送信処理部207は、PHY制御部217から通知された上りリンク送信許可情報を物理下りリンク制御チャネルPDCCHに配置し、無線部209に出力する。
無線部209は、送信処理部207から入力されたデータを無線周波数にアップコンバートし、送信電力を調整して送信アンテナからデータを送信する。また、無線部209は、受信アンテナより受信した無線信号をダウンコンバートし、受信処理部211に出力する。受信処理部211は、無線部209から入力された信号をFFT(Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換))処理、復号化、復調処理等を行なう。
受信処理部211は、復調したデータの中で物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)のデータを受信HARQ処理部213に出力する。また、受信処理部211は、復調したデータの中で物理上りリンク制御チャネルPUCCHから取得した制御データの下りリンク送信データの応答情報(ACK/NACK)、下りリンク無線チャネル品質情報(CQI)及び上りリンク送信要求情報(スケジューリングリクエスト)をMAC制御部219に出力する。
受信HARQ処理部213は、受信処理部211からの入力データの復号処理を行い、復号処理に成功した場合、データをMAC情報抽出部215に出力する。受信HARQ処理部213は、入力データの復号処理に失敗した場合、復号処理に失敗したデータを保存する。受信HARQ処理部213は、再送データを受信した場合、保存してあるデータと再送データを合成し、復号処理を行う。また、受信HARQ処理部213は、入力データの復号処理の成否をMAC制御部219に通知する。
MAC情報抽出部215は、受信HARQ処理部213から入力されたデータからMAC層の制御データを抽出し、抽出した制御情報をMAC制御部219に出力する。MAC情報抽出部215は、残りのデータをデータ処理部221に出力する。MAC層の制御データには、バッファステータスレポートなどがある。データ処理部221は、PDCP層、RLC層の機能を持ち、圧縮されたIPヘッダの解凍機能や暗号化されたデータの復号機能、データの分割及び結合等の処理を行い、データを元の形に戻す。データ処理部221は、RRCメッセージとユーザーデータに分け、RRCメッセージをRRC制御部223に出力し、ユーザーデータを上位層に出力する。
PHY制御部217は、MAC制御部219からの指示により送信処理部207、無線部209、および、受信処理部211を制御する。PHY制御部217は、MAC制御部219から通知された上りリンクのスケジューリング結果から上りリンク送信許可情報を作成し、送信処理部207に通知する。
MAC制御部219は、MAC層の機能を持ち、RRC制御部223や下位層などから取得した情報をもとにMAC層の制御を行う。MAC制御部219は、下りリンクおよび上りリンクで送信されるデータのスケジューリング処理を行う。MAC制御部219は、受信処理部211から入力された下りリンク送信データの応答情報(ACK/NACK)、下りリンク無線チャネル品質情報(CQI)、及び、送信データ記憶部203から取得したユーザー毎のデータ量情報から下りリンクデータのスケジューリング処理を行う。MAC制御部219は、スケジューリング処理の結果に基づいて、送信データ記憶部203、送信HARQ処理部205、送信処理部207を制御する。
MAC制御部219は、受信処理部211から入力された上りリンク送信要求情報(スケジューリングリクエスト)、MAC情報抽出部215から入力されたバッファステータスレポートから上りリンクデータのスケジューリング処理を行う。MAC制御部219は、スケジューリング処理の結果をPHY制御部217に通知する。MAC制御部219は、マクロセルの物理上りリンク共用チャネルPUSCHで受信したバッファステータスレポートがスモールセルに対するバッファステータスレポートを示していた場合、RRC制御部223にスモールセルに対するバッファステータスレポートを取得したことを通知する。
また、MAC制御部219は、受信処理部211から上りリンク送信データに対する応答情報を取得し、応答情報がNACK(否応答)を示していた場合、送信HARQ処理部205と送信処理部207に再送を指示する。MAC制御部219は、受信HARQ処理部213からデータの復号処理の成否情報を取得した場合、送信処理部207にACKまたはNACK信号を送信するように指示する。
また、MAC制御部219は、移動局装置1−1に割り当てたセル(または、コンポーネントキャリア)のアクティベーション/デアクティベーション処理や上りリンク送信タイミングの管理等を行う。
RRC制御部223は、移動局装置1−1との接続・切断処理、キャリアアグリゲーションの設定、移動局装置1−1の制御データおよびユーザーデータをどのセルで送受信するかのデータ送信制御設定など移動局装置1−1と通信を行うための各種設定を行い、前記各種設定に伴う上位層との情報のやり取りを行い、前記各種設定に伴う下位層の制御を行う。
RRC制御部223は、各種RRCメッセージを作成し、作成したRRCメッセージをデータ生成部201に出力する。RRC制御部223は、データ処理部221から入力されたRRCメッセージを解析する。RRC制御部223は、MAC層に必要な情報をMAC制御部219に出力し、物理層に必要な情報をPHY制御部217に出力する。また、RRC制御部223は、ハンドオーバー、または、デュアルコネクトを行う場合、基地局装置間通信部225およびMME通信部227に必要な情報を通知する。
RRC制御部223は、MAC制御部219からマクロセルの物理上りリンク共用チャネルPUSCHでスモールセルに対するバッファステータスレポートの取得を通知された場合、デュアルコネクトを解除するため、スモールセルの基地局装置3−2にデュアルコネクト解放要求メッセージを作成し、基地局装置間通信部225にメッセージを出力する。また、RRC制御部223は、パススイッチ要求メッセージを作成し、MME通信部227にメッセージを出力する。
基地局装置間通信部225は、他の基地局装置と接続し、RRC制御部223から入力された基地局装置間の制御メッセージを他の基地局装置に送信する。また、基地局装置間通信部225は、他の基地局装置からの基地局装置間の制御メッセージを受信し、受信した制御メッセージをRRC制御部223に出力する。基地局装置間の制御メッセージには、ハンドオーバーリクエストメッセージ、デュアルコネクト解放要求メッセージ、ハンドオーバーリクエスト応答メッセージ、デュアルコネクト解放要求応答メッセージ、ステータス転送メッセージ、移動局情報解放メッセージなどがある。
MME通信部227は、MMEと接続し、RRC制御部223から入力された基地局装置−MME間の制御メッセージをMMEに送信する。また、MME通信部227は、MMEからの基地局装置−MME間の制御メッセージを受信し、受信した制御メッセージをRRC制御部223に出力する。基地局装置−MME間の制御メッセージには、パススイッチ要求メッセージ、パススイッチ要求応答メッセージなどがある。
GW間通信部229は、GWと接続し、GWから送られる移動局装置のユーザーデータを受信し、受信したデータをデータ生成部201に出力する。また、GW間通信部229は、データ処理部221から入力された移動局装置のユーザーデータをGWに送信する。
尚、送信処理部207、無線部209、受信処理部211は、PHY層の動作を行い、送信データ記憶部203、送信HARQ処理部205、受信HARQ処理部213、MAC情報抽出部215、MAC制御部219は、MAC層の動作を行い、データ生成部201及びデータ処理部221は、RLC層及びPDCP層の動作を行い、RRC制御部223はRRC層の動作を行う。
[動作説明]
図6〜図14で説明したような無線通信システムを想定する。そして、図6が示すように、基地局装置3−1と複数の移動局装置1−1、1−2、1−3とが通信を行なう。また、図14で説明したマクロセルの基地局装置3−1およびスモールセルの基地局装置3−2がデュアルコネクトでキャリアアグリゲーションを行い複数のセルを介して移動局装置1−1と通信を行なうような無線通信システムを想定している。
移動局装置1−1がマクロセルの基地局装置3−1で制御データを送信し、スモールセルの基地局装置3−2でユーザーデータを送信するために、移動局装置1−1は上りリンクの無線リソースを取得するために上りリンク送信要求(Scheduling Request:スケジューリングリクエスト)を送信する必要がある。
しかし、スケジューリングリクエストを送信するための物理上りリンク制御チャネルPUCCHがマクロセルに対してのみ移動局装置1−1に割り当てられ、移動局装置1−1がスモールセルに対するユーザーデータ送信のためのスケジューリングリクエストをマクロセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHで送信する場合、マクロセルの基地局装置3−1とスモールセルの基地局装置3−2間に通信遅延があるため、スモールセルの基地局装置3−2が直ぐに移動局装置1−1への上りリンクのスケジューリングを行うことができない。そこで、マクロセルの基地局装置3−1は、スケジューリングの遅延を防ぐためにマクロセルだけでなく、スモールセルに対してもスケジューリングリクエストを送信するための物理上りリンク制御チャネルPUCCHを移動局装置1−1に割り当てる。
移動局装置1−1は、送信バッファにマクロセルの基地局装置3−1に送信するデータがあり、マクロセルの上りリンク無線リソースが割り当てられていない場合、割り当てられたマクロセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用してスケジューリングリクエストをマクロセルの基地局装置3−1に送信する。また、移動局装置1−1は、送信バッファにスモールセルの基地局装置3−2に送信するデータがあり、スモールセルの上りリンク無線リソースが割り当てられていない場合、割り当てられているスモールセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用してスケジューリングリクエストをスモールセルの基地局装置3−2に送信する。
そして、各基地局装置は、移動局装置1−1からのスケジューリングリクエストを受信するとバッファステータスレポートを送信するための上りリンク無線リソースを移動局装置1−1に割り当てる。移動局装置1−1は、各基地局装置から割り当てられた上りリンクの無線リソースを使用して各基地局装置にバッファステータスレポートを送信する。
尚、移動局装置1−1は、割り当てられたマクロセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用してスケジューリングリクエストをマクロセルの基地局装置3−1に最大送信回数分送信してもマクロセルの基地局装置3−1から上りリンクの無線リソースが割り当てられない場合、割り当てられているマクロセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび上りリンク参照信号の無線リソースを解放して、スケジューリングリクエストのためランダムアクセス手順を実行する。
ランダムアクセス手順実行によりマクロセルの基地局装置3−1から上りリンクの無線リソースが割り当てられた場合、移動局装置1−1は、マクロセルの基地局装置3−1から割り当てられた上りリンクの無線リソースを使用してマクロセルの基地局装置3−1に基地局装置3−1への送信に対応するバッファステータスレポートを送信する。尚、ランダムアクセス手順を実行し、ランダムアクセスプリアンブルの送信回数が最大送信回数に達してもランダムアクセス手順が終了せずにマクロセルの基地局装置3−1から上りリンクの無線リソースが割り当てられない場合、移動局装置1−1は、ランダムアクセス問題を検出して、無線リンク失敗を判断し、再接続処理を行う。
また、移動局装置1−1は、スモールセルに割り当てられた物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用してスケジューリングリクエストをスモールセルの基地局装置3−2に最大送信回数分送信してもスモールセルの基地局装置3−2から上りリンクの無線リソースが割り当てられない場合、スモールセルに割り当てられている物理上りリンク制御チャネルPUCCHおよび上りリンク参照信号の無線リソースを解放して、スケジューリングリクエストのためランダムアクセス手順を実行する。
ランダムアクセス手順実行によりスモールセルの基地局装置3−2から上りリンクの無線リソースが割り当てられた場合、移動局装置1−1は、スモールセルの基地局装置3−2から割り当てられた上りリンクの無線リソースを使用してスモールセルの基地局装置3−2に基地局装置3−2への送信に対応するバッファステータスレポートを送信する。
尚、ランダムアクセス手順を実行し、ランダムアクセスプリアンブルの送信回数が最大送信回数に達してもランダムアクセス手順が終了せずにスモールセルの基地局装置3−2から上りリンクの無線リソースが割り当てられない場合、移動局装置1−1は、ランダムアクセス手順は成功しなかったと判断する。
そして、移動局装置1−1は、マクロセルにおいてスケジューリングリンクエストを行う。すなわち、移動局装置1−1は、マクロセルの基地局装置3−1に物理上りリンク制御チャネルPUCCHまたはランダムアクセス手順でのスケジューリングリクエストを送信する。マクロセルの基地局装置3−1へのスケジューリングリクエストにより上りリンクの無線リソースが割り当てられた場合、移動局装置1−1は、マクロセルの基地局装置3−1に基地局装置3−2への送信に対応するバッファステータスレポートを送信する。
マクロセルの基地局装置3−1は、取得したバッファステータスレポートがスモールセルの基地局装置3−2に対するバッファステータスレポートと判断すると、スモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間の上りリンクの無線リンクに問題が発生したと判断する。そして、マクロセルの基地局装置3−1は、デュアルコネクトを解除する手順を実行する。
このように、移動局装置1−1がスモールセルの基地局装置3−2へのデータ送信に対応するバッファステータスレポートをマクロセルの基地局装置3−1に送信することにより、マクロセルの基地局装置3−1がスモールセルの基地局装置3−2の無線リンクの問題を検出し、移動局装置1−1のユーザーデータ送信を妨げないようにする。
図3は、移動局装置1−1のスケジューリングリクエスト送信処理に関するフローチャートの例を示す。尚、マクロセル(プライマリーセル:Primary Cell)の基地局装置を基地局装置3−1、スモールセル(セカンダリーセル:Secondary Cell)の基地局装置を基地局装置3−2として、移動局装置1−1は、マクロセルセルで制御データを送信し、スモールセルセルでユーザーデータを送信するものとする。尚、ここで示す制御データとは、RRC層の制御メッセージのことを言う。
移動局装置1−1は、送信バッファに新たに送信するデータが発生したか確認する(ステップS201)。送信するデータが発生していない場合、移動局装置1−1は、ステップS201に戻り、送信するデータの発生を待つ。送信するデータが発生した場合、移動局装置1−1は、送信バッファの状態を示したバッファステータスレポート(Buffer Status Report:BSR)を送信するための物理上りリンク共用チャネルPUSCHの割り当てがあるかどうか確認する(ステップS202)。
物理上りリンク共用チャネルPUSCHの割り当てがある場合、移動局装置1−1は、割り当てられている物理上りリンク共用チャネルPUSCHを使用してバッファステータスレポートを基地局装置3−1または基地局装置3−2に送信する(ステップS203)。物理上りリンク共用チャネルPUSCHの割り当てがない場合、発生した送信データに対応するセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHでスケジューリングリクエストを送信する(ステップS204)。
つまり、基地局装置3−1に送信するデータがある場合、移動局装置1−1は、基地局装置3−1の上りリンクセルの物理上りリンク共用チャネルPUSCHでバッファステータスレポートを送信するか、または、基地局装置3−1の上りリンクセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHでスケジューリングリクエストを送信する。また、基地局装置3−2で送信するデータがある場合、移動局装置1−1は、基地局装置3−2の上りリンクセルの物理上りリンク共用チャネルPUSCHでバッファステータスレポートを送信するか、または、基地局装置3−2の上りリンクセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHでスケジューリングリクエストを送信する。
スケジューリングリクエストの送信後、移動局装置1−1は、一定期間の間、スケジューリングリクエストを送信した上りリンクのセルに対応する下りリンクのセルの物理下りリンク制御チャネルPDCCHをモニタして、物理上りリンク共用チャネルPUSCHの送信許可情報(Uplink grant)を受信したか確認する(ステップS205)。物理上りリンク共用チャネルPUSCHの送信許可情報を受信した場合、移動局装置1−1は、割り当てられた物理上りリンク共用チャネルPUSCHを使用して対応するバッファステータスレポートを基地局装置3−1または基地局装置3−2に送信する(ステップS214)。
一定期間の間に物理上りリンク共用チャネルPUSCHの送信許可情報を受信しない場合、移動局装置1−1は、スケジューリングリクエストの送信回数がスケジューリングリクエストの最大送信回数に達したかを確認する(ステップS206)。スケジューリングリクエストの送信回数がスケジューリングリクエストの最大送信回数に達していない場合、ステップS204に戻り、移動局装置1−1は、再度、スケジューリングリクエストを送信する。
スケジューリングリクエストの送信回数がスケジューリングリクエストの最大送信回数に達しても物理上りリンク共用チャネルPUSCHの送信許可情報を受信しない場合、移動局装置1−1は、物理上りリンク制御チャネルPUCCH、上りリンク参照信号などの割り当てられている上りリンク無線リソースを解放して、ランダムアクセス手順によるスケジューリングリクエストを行う。移動局装置1−1は、ランダムアクセスプリアンブルを物理ランダムアクセスチャネルPRACHに送信する(ステップS207)。
ランダムアクセスプリアンブルの送信後、移動局装置1−1は、一定期間の間、ランダムアクセスプリアンブルを送信した上りリンクのセルに対応する下りリンクのセルの物理下りリンク制御チャネルPDCCHをモニタして、ランダムアクセスレスポンスを受信したか確認する(ステップS208)。ランダムアクセスレスポンスを受信した場合、移動局装置1−1は、ランダムアクセスレスポンスで示された物理上りリンク共用チャネルPUSCHを使用してバッファステータスレポートを基地局装置3−1または基地局装置3−2に送信する(ステップS214)。
一定期間の間にランダムアクセスレスポンスを受信しない場合、移動局装置1−1は、ランダムアクセスプリアンブルの送信回数がランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数に達したかを確認する(ステップS209)。ランダムアクセスプリアンブルの送信回数がランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数に達していない場合、ステップS207に戻り、移動局装置1−1は、再度、ランダムアクセスプリアンブルを送信する。
ランダムアクセスプリアンブルの送信回数がランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数に達した場合、ランダムアクセスプリアンブルを送信したセルがマクロセルかスモールセルかを確認する(ステップS210)。マクロセルの場合、移動局装置1−1は、ランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数に達したことによりランダムアクセス問題を検出し、無線リンク失敗と判断して再接続処理を行う(ステップS211)。
スモールセルの場合、移動局装置1−1は、ランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数に達したことによりランダムアクセス手順が成功しなかったと判断して、スモールセルでのユーザーデータ送信を中止し、スモールセルでのユーザーデータ送信制御からマクロセルでのユーザーデータ送信制御に変更し、マクロセルの基地局装置3−1に対してスケジューリングリクエストを送信する(ステップS212)。
マクロセルの基地局装置3−1に対するスケジューリングリクエスト送信後、移動局装置1−1は、スケジューリングリクエスト送信から物理上りリンク共用チャネルPUSCHの割り当て情報を取得するまでステップS104からステップS111までと同様の動作を行う。物理上りリンク共用チャネルPUSCHの送信許可情報を取得した場合、移動局装置1−1は、マクロセルの基地局装置3−1にスモールセルの基地局装置3−2に送信予定だったユーザーデータに関するバッファステータスレポートを送信する(ステップS213)。
尚、移動局装置1−1は、スモールセルでのランダムアクセスプリアンブルの最大送信回数に達したことによりランダムアクセス問題を検出し、無線リンク失敗と判断して、マクロセルでのユーザーデータ送信制御に変更し、マクロセルの基地局装置3−1にスケジューリングリクエストを送信するようにしても良い。
また、移動局装置1−1は、物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用したスケジューリングリクエストがスケジューリングリクエストの最大送信回数に達した場合に、上りリンクの無線リンク失敗と判定して、マクロセルの基地局装置3−1にスケジューリングリクエストを送信するようにしても良い。
上記例では、移動局装置1−1がスケジューリングリクエスト送信処理中に上りリンクの無線リンクで無線リンクの問題を検出した場合の動作例を示したが、下りリンクの無線リンクで無線リンク問題を検出した場合も同様にマクロセルの基地局装置3−1にバッファステータスレポートを送信することによりスモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間の無線リンクの問題を通知することができる。
つまり、移動局装置1−1は下りリンクの無線チャネル品質測定のために下りリンク参照信号を測定する。移動局装置1−1は、下りリンク参照信号が受信できなくなった場合、または、下りリンク参照信号の受信品質がある値以下になった場合に、下りリンクの無線リンク問題を検出する。下りリンクの無線リンク問題の検出後、一定時間経過しても下りリンクの無線リンク問題が解消されない場合、移動局装置1−1は、下りリンクの無線リンク失敗の発生を判断する。
尚、移動局装置1−1は、以下のセルを対象として下りリンクの無線リンク失敗について判断する。例えば、(1)PUCCHが割り当てられているセル、(2)基地局装置3−1から指定されたセル、(3)上りリンク送信タイミングの基準となるセル、(4)PRACHが割り当てられているセル、(5)各セルグループのうち最もセルインデックス値が小さいセル、などである。
下りリンクの無線リンク失敗がマクロセルで発生した場合、移動局装置1−1は、再接続処理を行い。下りリンクの無線リンク失敗がスモールセルで発生した場合、移動局装置1−1は、マクロセルの基地局装置3−1にスケジューリングリクエストを送信し、続いてバッファステータスレポートの送信を試みる。
また、基地局装置3−1は、マクロセルの物理上りリンク共用チャネルPUSCHで移動局装置1−1からバッファステータスレポートを受信し、バッファステータスレポートがスモールセルの基地局装置3−2で送信すべきバッファステータスレポートと認識すると、基地局装置3−1は移動局装置1−1とスモールセルの基地局装置3−2間の下りリンクに問題が発生したと解釈する。
また、移動局装置1−1は、スモールセルの上りリンク、または下りリンクで無線リンクの問題を検出した場合、スモールセルでのデータ送受信を中止し、スモールセルをデアクティベートするようにしても良い。更に、移動局装置1−1は、スモールセルをデアクティベートするだけでなく、スモールセルを解放するようにしても良い。
また、移動局装置1−1は、スモールセルの上りリンク、または下りリンクで無線リンクの問題を検出した場合、スモールセルに対するバッファステータスレポートをマクロセルの基地局装置3−1に送信するだけでなく、マクロセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用して、スモールセルの下りリンク無線チャネル品質情報(Channel Quality Indicator:CQI)を送信するようにしても良い。
また、移動局装置1−1は、スモールセルの上りリンク、または下りリンクで無線リンクの問題を検出した場合、スモールセルに対するバッファステータスレポートをマクロセルの基地局装置3−1に送信する代わりに、マクロセルの物理上りリンク制御チャネルPUCCHを使用して、スモールセルの下りリンク無線チャネル品質情報(Channel Quality Indicator:CQI)を送信するようにしても良い。マクロセルの基地局装置3−1は、スモールセルの下りリンク無線チャネル品質情報を受信することでスモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間の無線リンクで無線リンク問題が発生したと解釈する。
基地局装置3−1は、デュアルコネクトを中止するためにスモールセルの基地局装置3−2にデュアルコネクトの解放を指示するメッセージを送信する。基地局装置3−2は、デュアルコネクトの解放を指示するメッセージを受信するとデュアルコネクトを中止して、ユーザーデータのデータパスを基地局装置3−1に戻す処理を行う。
マクロセルの基地局装置3−1とスモールセルの基地局装置3−2間でデュアルコネクトを解放する手順を以下に示す。図4は、本発明の実施形態に係るデュアルコネクト解放手順の一例を示した図である。
移動局装置1−1は、基地局装置3−2へ送信するユーザーデータのバッファ状況を示したバッファステータスレポートを基地局装置3−1に通知する(ステップS301)。基地局装置3−1は、受信したバッファステータスレポートが基地局装置3−2に対するユーザーデータのバッファステータスレポートと認識すると、移動局装置1−1とスモールセルの基地局装置3−2間の上りリンクに問題が発生したと解釈する。そして、基地局装置3−1は、デュアルコネクトを中止するためのデュアルコネクト解放要求メッセージをスモールセルの基地局装置3−2に通知する(ステップS302)。
デュアルコネクト解放要求メッセージは、デュアルコネクトを中止する移動局装置1−1を示す情報(例えば、移動局装置識別情報C−RNTI)が少なくとも含まれる。デュアルコネクト解放要求メッセージには、デュアルコネクトを中止する理由を含めてもよい。スモールセルの基地局装置3−2は、デュアルコネクトの中止を了解すると、デュアルコネクト解放要求応答メッセージをマクロセルの基地局装置3−1に通知する(ステップS303)。
基地局装置3−1がデュアルコネクト解放要求応答メッセージを受信すると、基地局装置3−1は移動局装置1−1にユーザーデータ送信をスモールセルからマクロセルに変更させるためのデータ送信制御設定メッセージを送信する(ステップS304)。そして、基地局装置3−1は、移動局装置1−1にスモールセルのデアクティベーションを指示するデアクティベーション指示メッセージを通知する(ステップS305)。デアクティベーション指示メッセージ送信後、基地局装置3−1は、移動局装置1−1にスモールセルの削除を示したキャリアアグリゲーション設定メッセージを通知するようにしても良い。
基地局装置3−2は、デュアルコネクト解放要求応答メッセージの送信後、基地局装置3−1に移動局装置1−1のユーザーデータ情報を含んだステータス転送メッセージを通知する(ステップS306)。この後、基地局装置3−2は、基地局装置3−2が保持している移動局装置1−1のユーザーデータを基地局装置3−2に転送する。
基地局装置3−1は、ステータス転送メッセージ受信後、MME(Mobility Management Entity)に対してパススイッチ要求メッセージを通知し、移動局装置1−1のユーザーデータのデータパスを基地局装置3−2から基地局装置3−1に変更するよう要求する(ステップS307)。
MMEは、パススイッチ要求メッセージを受信すると、GW(Gateway)にモビリティベアラ要求メッセージを通知する(ステップS308)。GWは、モビリティベアラ要求メッセージを受信すると、移動局装置1−1のユーザーデータのデータパスを基地局装置3−2から基地局装置3−1に変更する。そして、GWは、MMEにモビリティベアラ要求応答メッセージを通知する(ステップS309)。MMEは、基地局装置3−1にパススイッチ要求応答メッセージを通知する(ステップS310)。
尚、基地局装置3−1は、パススイッチ要求メッセージに基地局装置3−2とデュアルコネクト状態を解放することを示した情報を含めることでハンドオーバーでないデータパスの変更要求であることをMMEに示すようにしても良い。また、デュアルコネクト用に新たなパススイッチ要求メッセージ、パススイッチ要求応答メッセージを用意するようにしても良い。
基地局装置3−1は、パススイッチ要求応答メッセージを受信すると、基地局装置3−2に移動局装置1−1の情報の解放を指示する移動局情報解放メッセージを通知する(ステップS311)。基地局装置3−2は、移動局情報解放メッセージを受信すると、移動局装置1−1の情報を削除する。
尚、ユーザーデータのデータパスがGWと基地局装置3−1間で設定され、基地局装置3−1が基地局装置3−2へユーザーデータを転送して、デュアルコネクト接続している場合、ステップS307、ステップS308、ステップS309およびステップS310は実行しなくても良い。また、基地局装置3−2は、ステータス転送メッセージ送信後、または、ステータス転送メッセージ送信後のユーザーデータの転送後、移動局情報解放メッセージを受信することなく移動局装置1−1の情報を削除ようにしても良い。
上記のようにマクロセルの基地局装置3−1が移動局装置1−1からスモールセルの基地局装置3−2へのデータ送信に対応したバッファステータスレポートを受信することにより、スモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間の無線リンク問題を検出して、マクロセルの基地局装置3−1がスモールセルの基地局装置3−2とのデュアルコネクトを素早く解除することにより、移動局装置1−1のユーザーデータ送信を妨げないようにすることができる。
上記例は、移動局装置1−1がマクロセルの基地局装置3−1にスモールセルの基地局装置3−2に対して送信すべきバッファステータスレポートを送信することにより、マクロセルの基地局装置3−1が基地局装置3−2と移動局装置間の無線リンクの問題を検出して、スモールセルの基地局装置3−2にデュアルコネクトの解除を通知する手順について示したが、以下にスモールセルの基地局装置3−2からマクロセルの基地局装置3−1にデュアルコネクトの解除を通知する手順を示す。
スモールセルの基地局装置3−2は、移動局装置1−1から上りリンクの無線品質を測定するために送信される上りリンク参照信号の受信品質を測定する。尚、上りリンク参照信号の受信品質測定結果は、移動局装置1−1の上りリンクスケジューリングに使用される。基地局装置3−2は、上りリンク参照信号が受信できなくなった場合、または、上りリンク参照信号の受信品質がある値以下になった場合などの無線リンクの問題を検出した場合、基地局装置3−2は、マクロセルの基地局装置3−1にデュアルコネクトを中止するためにデュアルコネクトの解放を指示するメッセージを送信する。
基地局装置3−1は、デュアルコネクトの解放を指示するメッセージを受信するとデュアルコネクトを中止して、ユーザーデータのデータパスを基地局装置3−1に戻す処理を行う。
マクロセルの基地局装置3−1とスモールセルの基地局装置3−2間でデュアルコネクトを解放する手順を以下に示す。図5は、本発明の実施形態に係るデュアルコネクト解放手順の一例を示した図である。尚、マクロセルの基地局装置を基地局装置3−1、スモールセルの基地局装置を基地局装置3−2として以下に示す。
スモールセルの基地局装置3−2は、移動局装置1−1から上りリンクの無線チャネル品質を測定するために送信される上りリンク参照信号の受信品質を測定する。基地局装置3−2は、上りリンク参照信号が受信できなくなった場合、または、上りリンク参照信号の受信チャネル品質がある値以下になった場合などの無線リンクの問題を検出した場合、基地局装置3−2は、マクロセルの基地局装置3−1にデュアルコネクトを中止するためにデュアルコネクト解放要求メッセージを送信する(S401)。
尚、スモールセルの基地局装置3−2は、上りリンク参照信号が受信できなくなってから一定時間経過しても上りリンク参照信号が受信できない場合、または、上りリンク参照信号の受信チャネル品質がある値以下になってから一定時間経過しても上りリンク参照信号の受信チャネル品質がある値以下の場合に無線リンクの問題を検出したと判断しても良い。
デュアルコネクト解放要求メッセージは、デュアルコネクトを中止する移動局装置1−1を示す情報(例えば、移動局装置識別情報C−RNTI)が少なくとも含まれる。デュアルコネクト解放要求メッセージには、デュアルコネクトを中止する理由を含めてもよい。基地局装置3−1は、デュアルコネクト解放要求メッセージを受信すると、デュアルコネクトを中止して、ユーザーデータのデータパスを基地局装置3−1に戻す処理を行う。マクロセルの基地局装置3−1は、デュアルコネクトの中止を了解すると、デュアルコネクト解放要求応答メッセージをスモールセルの基地局装置3−2通知する(ステップS402)。
基地局装置3−1がデュアルコネクト解放要求応答メッセージの送信後、基地局装置3−1は、移動局装置1−1に移動局装置1−1のユーザーデータを基地局装置3−1のセルに送信するよう指示するデータ送信制御メッセージを送信する(ステップS403)。
そして、基地局装置3−1は、スモールセルのデアクティベート指示を移動局装置1−1に通知する(ステップS404)。尚、デアクティベート指示の送信後、基地局装置3−1は、移動局装置1−1にスモールセルの削除を示したキャリアアグリゲーション設定メッセージを通知してもよい。
基地局装置3−2は、デュアルコネクト解放要求応答メッセージの受信後、基地局装置3−1に移動局装置1−1のユーザーデータ情報を含んだステータス転送メッセージを通知する(ステップS405)。この後、基地局装置3−2は、基地局装置3−2が保持している移動局装置1−1のユーザーデータを基地局装置3−2に転送する。
基地局装置3−1は、ステータス転送メッセージ受信後、MME(Mobility Management Entity)に対して、パススイッチ要求メッセージを通知し、移動局装置1−1のユーザーデータのデータパスを基地局装置3−2から基地局装置3−1に変更するよう要求する(ステップS406)。
MMEは、パススイッチ要求メッセージを受信すると、GW(Gateway)にモビリティベアラ要求メッセージを通知する(ステップS407)。GWは、モビリティベアラ要求メッセージを受信すると、移動局装置1−1のユーザーデータのデータパスを基地局装置3−2から基地局装置3−1に変更する。そして、GWは、MMEにモビリティベアラ要求応答メッセージを通知する(ステップS408)。MMEは、基地局装置3−1にパススイッチ要求応答メッセージを通知する(ステップS409)。
尚、基地局装置3−1は、パススイッチ要求メッセージに基地局装置3−2とデュアルコネクト状態を解放することを示した情報を含めることでハンドオーバーを伴わないデータパスの変更要求であることをMMEに示すようにしても良い。また、デュアルコネクト用に新たなパススイッチ要求メッセージ、パススイッチ要求応答メッセージを用意するようにしても良い。
基地局装置3−1は、パススイッチ要求応答メッセージを受信すると、基地局装置3−2に移動局装置1−1の情報の解放を指示する移動局情報解放メッセージを通知する(ステップS410)。基地局装置3−2は、移動局情報解放メッセージを受信すると、移動局装置1−1の情報を削除する。
尚、ユーザーデータのデータパスがGWと基地局装置3−1間で設定され、基地局装置3−1が基地局装置3−2へユーザーデータを転送して、デュアルコネクト接続している場合、ステップS406、ステップS407、ステップS408、および、ステップS409は実行しなくても良い。また、基地局装置3−2は、ステータス転送メッセージ送信後、または、ステータス転送メッセージ送信後のユーザーデータの転送後、移動局情報解放メッセージを受信することなく移動局装置1−1の情報を削除ようにしても良い。
上記例では、移動局装置1−1が、スモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間の無線リンクに問題が発生したことを検出した場合にマクロセルの基地局装置3−1にバッファステータスレポートを通知することで無線リンクに問題が発生したことを認識させて、スモールセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間のデータ送受信が滞らないようにする方法を示したが、マクロセルの基地局装置3−2と移動局装置1−1間の無線リンクに問題が発生した場合にも同様である。
つまり、移動局装置1−1がマクロセルの基地局装置3−1と移動局装置1−1間の無線リンクに問題が発生したことを検出した場合、移動局装置1−1は、スモールセルの基地局装置3−2にバッファステータスレポートを通知することで無線リンクに問題が発生したことをスモールセルの基地局装置3−2に認識させる。
そして、スモールセルの基地局装置3−2は、マクロセルの基地局装置3−1と移動局装置1−1間の無線リンクに問題が発生したことを認識した場合、第一セル(Primary Cell:PCell)としての機能をスモールセルに移行させる処理をマクロセルの基地局装置間で行う。このようにすることで、再接続処理をできるだけ発生しないようにすることができる。また、マクロセルの基地局装置3−1が、マクロセルの基地局装置3−1と移動局装置1−1間の無線リンクに問題が発生したことを検出した場合も同様である。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
実施形態では、端末装置もしくは通信装置の一例として移動局装置を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来ることは言うまでもない。
また、説明の便宜上、実施形態の移動局装置1−1、基地局装置3−1および基地局装置3−2を機能的なブロック図を用いて説明したが、移動局装置1−1、基地局装置3−1および基地局装置3−2の各部の機能またはこれらの機能の一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより移動局装置や基地局装置の制御を行なっても良い。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上記各実施形態に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。