JP6837522B2 - 失明性疾患を処置および診断するための方法 - Google Patents

失明性疾患を処置および診断するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6837522B2
JP6837522B2 JP2019125032A JP2019125032A JP6837522B2 JP 6837522 B2 JP6837522 B2 JP 6837522B2 JP 2019125032 A JP2019125032 A JP 2019125032A JP 2019125032 A JP2019125032 A JP 2019125032A JP 6837522 B2 JP6837522 B2 JP 6837522B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
faf
pattern
rpe
eye
administration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019125032A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019194230A (ja
Inventor
ロメイン ボイド,シェリー
ロメイン ボイド,シェリー
Original Assignee
トランスレイタム メディカス インコーポレイテッド
トランスレイタム メディカス インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by トランスレイタム メディカス インコーポレイテッド, トランスレイタム メディカス インコーポレイテッド filed Critical トランスレイタム メディカス インコーポレイテッド
Publication of JP2019194230A publication Critical patent/JP2019194230A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6837522B2 publication Critical patent/JP6837522B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/41Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
    • A61K31/4151,2-Diazoles
    • A61K31/4161,2-Diazoles condensed with carbocyclic ring systems, e.g. indazole
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0002Galenical forms characterised by the drug release technique; Application systems commanded by energy
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0048Eye, e.g. artificial tears
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • G01N33/5008Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells for testing or evaluating the effect of chemical or biological compounds, e.g. drugs, cosmetics
    • G01N33/5082Supracellular entities, e.g. tissue, organisms
    • G01N33/5088Supracellular entities, e.g. tissue, organisms of vertebrates
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/16Ophthalmology
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2800/00Detection or diagnosis of diseases
    • G01N2800/52Predicting or monitoring the response to treatment, e.g. for selection of therapy based on assay results in personalised medicine; Prognosis

Description

優先権
本願は、2012年5月1日提出の米国仮出願第61/640,854号、2012年5月2日提出の米国仮出願第61/641,393号、2012年8月24日提出の米国仮出願第61/693,226号および2013年3月15日提出の米国仮出願第61/792,436号の優先権を主張し、これらはそれぞれ、その全体において参照により本明細書によって本明細書中に組み込まれる。
本発明は、失明性疾患に対して有効である薬物の探索を含め、失明性疾患の診断、処置または予防に有用である方法および組成物に関する。
失明性疾患には、視覚に影響する多くの障害が含まれる。加齢性黄斑変性(AMD)は、失明を含め、眼の機能障害の主な原因である。「乾性」AMDとも呼ばれるAMDのある一形態である非滲出性AMDは、一般的には網膜色素上皮(RPE)内またはその外部でのドルーゼン蓄積を特徴とする。乾性AMDの末期には、RPEおよびそれを覆う杆体および錐体光受容器の萎縮が起こる。AMDの第二の形態である、滲出性または「湿潤性」または「新生血管」AMDは、脈絡膜血管新生を特徴とする。早期疾患は乾性AMDであることが多く、一方、後期疾患は、湿潤性(新生血管)AMDまたは乾性(萎縮性)AMDの何れかであることが多い。
ドルーゼンは、RPE内またはその外部で生じる白っぽいスポットまたは沈着物である。ドルーゼンは、AMDの決定的な、または疾患に特徴的な特性である。一方、「偽ドルーゼン」または「ドルーゼノイド沈着物」または「網膜下ドルーゼノイド沈着物」という用語は、網膜下腔において、眼に進入する光の経路に対してRPEの前方にあることが示唆される個々の沈着物または帯黄色の曲線状または網状パターンを示すために使用されている。
イメージング技術の違いのために、網状偽ドルーゼン(RPD)の病率をめぐる議論があり、多くの仮説が評価に満たない。AMDのように、RPDは、加齢と関連がある。RPDはまた、一般的には地図状萎縮または脈絡膜血管新生ゆえに、失明とも強い関連がある。しかし、古典的なAMDとは異なり、これは、白色、青色、青色自発蛍光、無赤色、近赤外または赤外を含むが限定されない光の複数の波長で可視化され得る、絡み合った曲線状または網状パターンを特徴とする。RPDの決定的なまたは疾患に特徴的な特性は、ドルーゼンではなく、例えば、光干渉断層法(OCT)を用いて光学的に行われ得るように断面で、または例えば免疫組織化学を行うかもしくは行わない組織学を用いた摘出後試料において、網膜外層およびRPEを評価する場合、網膜下腔においてRPEの前方(上方)にある、基底下方型ドーム、三角形またはスパイク様沈着物として出現する、「偽ドルーゼン」、「ドルーゼノイド沈着物」または「網膜下ドルーゼノイド沈着物」である。古典的なAMDとは異なり、RPDは、心血管系死亡の増加と関連付けられ得る。現在のところ、理論により縛られることを望むものではないが、RPDは、AMDのサブタイプではなく、加齢性黄斑疾患の別個の形態とみなされ得る。RPDはまた、乾性AMDの「拡散−トリックリング(diffuse−trickling)」サブタイプであるともみなされ得る。
現在、AMDまたはRPDなどの失明性疾患の有効な処置のための薬物が不足している。したがって、今もなお、これらの疾患および他の失明性疾患を処置するために有用である治療法が必要とされている。さらに、これらの疾患の有効な診断法が必要とされている。
したがって、ある態様において、本発明は、(a)眼が、(i)動物において失明性疾患の存在を示すのに有効な量の蛍光化合物および(ii)眼組織の萎縮を誘導するのに有効な量の毒素を含む動物に、有効量の試験化合物を投与することと;(b)蛍光化合物に蛍光を生じさせるのに有効な波長および強度を有する光に眼を曝露することと;(c)この眼の蛍光パターンを、蛍光化合物および毒素を含むが試験化合物を含まない動物の眼の蛍光パターンと比較することと;(d)段階(c)の比較の結果が、試験化合物が失明性疾患の処置に有用であることを示す場合、試験化合物を候補化合物として選択することと、を含む、候補化合物が失明性疾患の処置に有用であるか否かを特定するための方法を提供する。
別の態様において、本発明は、乾性AMDの処置または予防を必要とする対象に有効量の式Iの化合物:
Figure 0006837522
または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)を投与することを含む、乾性AMDを処置または予防するための方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、乾性AMDの処置または予防を必要とする対象に有効量のメトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む、乾性AMDを処置または予防するための方法を提供する。
別の態様において、本発明は、RPD疾患の処置または予防を必要とする対象に有効量の(本明細書中で記載のような)式Iの化合物または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)を投与することを含む、RPD疾患を処置する方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、RPD疾患の処置または予防を必要とする対象に有効量のメトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む、RPD疾患を処置する方法を提供する。
また別の態様において、本発明は、失明性疾患を有し、薬剤での処置に反応する可能性がある対象を特定するための方法であって、対象の眼が、無病状態と比べた眼の脈絡膜と網膜との間の上皮バリアにまたがる透過性の上昇(一過性の上昇を含む。)を有するかまたは以前有したか否かを判定することを含み、透過性の上昇が、その対象が薬剤での処置におそらく反応するであろうことを示し;その薬剤が、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩またはおよび(本明細書中で記載のような)式Iの化合物または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)から選択される、方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、薬剤による処置におそらく反応するであろう失明性疾患対象を特定するための方法であって、無病状態と比べて、対象の眼において、RPEにまたがって食作用性免疫細胞が存在(例えば流入)するか否かを判定することを含み、食作用性免疫細胞の存在が、対象が薬剤での処置におそらく反応するであろうことを示し;この薬剤が、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩またはおよび(本明細書中に記載のような)式Iの化合物または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)から選択される、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象における失明性疾患が、対象の免疫細胞の機能を阻害する薬剤での処置に反応性があるか否かを判定するための方法であって、対象の眼における免疫細胞の存在を検出するか、存在しないことを検出するか、またはその量を測定することを含み、対象の眼が約600nmから約900nmの波長を有する光に反応して蛍光を発する、方法を提供する。
本発明の詳細を下記の添付の記述において示す。本明細書中に記載のものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用し得るが、実例となる方法および材料をここで記載する。記述から、および特許請求の範囲から、本発明の他の特性、目的および長所が明らかとなろう。本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈から明らかな別段の断りがない限り、複数であることも含む。別段の定義がない限り、技術および科学用語は全て、本発明が属する技術分野の通常の技術者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
図1は、NaIO注射後、インビボ眼底自発蛍光(FAF)画像により、網状パターンを発現する地図状の損傷領域が特定されることを示す。ICG血管造影により一過性の脈絡網膜透過性が確認される。 図1Aは、視神経頭周辺での早期FAF変化の時間経過を示す。超蛍光の線または境界が、NaIO注射から2から3日後に形成された。この境界は、視神経頭を完全に囲む場合もあるが、囲まない場合もあり、視神経頭と接触していない。蛍光のレース状または網状パターンは、第3日から7日の間に出現し、この線の周辺にあった。第7日までに、このパターンが明確になった。 図1Bは、視神経頭および中間−周辺部網膜を含む合成画像を示し、超蛍光の境界によって、将来的なレース状または網状超蛍光の領域が定められたことを説明する。この例において、NaIO後第3日に見られる境界によって、網膜下部において島状部が規定された。第7日までに、境界はもはや見えなくなり、代わりに顕著な網状パターンが現れた。なお、第3および7日の2つの異なる島状部を示す画像は異なる動物由来であり、そのパターンがいかに一貫して観察されるかを示す。これらなどの小さな島状部は眼の約7%で見られた。 図1Cは、FAFのパターンが、脈絡膜の、フルオレセイン(それぞれ、網膜内側および中間部の左および中央画像)またはICG血管造影(右画像)で見られる網膜および脈絡膜脈管構造パターンとは明らかに異なることを示す。 図1Dは、パターン進行前の第2日前後に起こった上皮を横切る透過性の一過性上昇を示し、ICG血管造影(790nm、色素注射からおよそ6分後)中の顕著なフラッシュにより明らかである。このICGフラッシュは、毒素注射後第1日には検出されず、短時間出現し、第3または4日日に、通常どおりに試験した次の時間点では稀にしか見られない。 図2は、大きな360°環におけるNaIO注射後のFAF変化の成熟を示す。 図2Aは、後極の大部分を包囲する大きな合成FAF画像を示し、これにより、乳頭周囲および周辺部網膜境界の両方によって規定される損傷の360°環が確認された。NaIO後第7日に撮影されたFAF画像から、卵円状、円形、波形状、ロゼット状または動物の足跡型パターンを形成する、曲線状で超蛍光の、複数の別個の、および連続的な領域が確認される。これらは、一般的には第7から14日の間に現れた。詳細は、上の拡大像で提供する。これらの複雑なFAFパターンは、より早期の超蛍光の境界内で生じ、時間とともに融合する。 図2Bは、第14日までに、殆どの動物が、360°環全体を通じて網状の超蛍光のほぼ連続的なパターンを示すことを示す。詳細は中央のボックスで提供する。 図2Cは、NaIO曝露後、第28日までに、パターンがより粒状の様相になったことを示す。パターンがあまりはっきりしない小さな領域はより暗い灰色の領域として見られる。 図2Dは、比較のためのFAFの「拡散−トリックリング(diffuse−trickling)」パターンの臨床画像を示す。本発明は、とりわけ、周辺部超蛍光と連結される、網状、小葉状または波形状卵円状の灰色の低蛍光を含む多くの特性を再現する。 図3は、NaIO注射後の数週間に、網膜外層変形の曲線状、網状パターンが発現することを示す。 図3Aは、このパターンが、自発蛍光細胞の分布と一致することを示す。NaIO注射前(ベースライン)および注射後第4および7日に撮影された切除網膜ホールマウントの低出力(1x、左カラム;5x、右カラム)白色光画像を示す。3から4日後、ベースラインと比較して、微妙な曲線状パターンに気付くが、第7日には明らかとなる。 図3Bは、NaIO後第14日までに、この網状パターンが顕著になり、網膜外層の甚大な変形と一致することを示す。これは、減張切開(ボックス内で拡大)の部位で見られる断面において切り込みまたは襞として出現した。 図3Cは、細胞染色なしで、488nmチャネルの落射蛍光顕微鏡により、網状溝内にある自発蛍光細胞の存在が示されたことを示す。これは、広い光放射(左カラム)ならびに狭い励起および放射(右カラム)の両方を用いて明らかとなるが、これはFAFイメージング中に使用された波長と一致する。網膜における襞は、第7日までの小さな蛍光ドットの存在と関連があった。さらなる拡大により、それらの核に対して空隙がある小さな蛍光細胞の分布が明らかに示された。(血管造影に関する)全身性フルオレセイン−デキストラン注射後の陽性対照組織から、組織処理または染色を行わずに、切除網膜または眼杯における(HRAIIイメージングでのFAFに対して使用されたものと波長が似ている)488nm蛍光検出能が確認された。ベースラインでの陰性対照は、自発蛍光細胞がないことを示す。 図4は、組織学的に調べられた組織所見が、どのようにNaIO−誘導性RPE喪失後のインビボイメージングを説明し得るかを示す解釈的な説明図を示す。 図4Aは、早期AMDの患者からの臨床画像を示し、NIRチャネル(最上部)において網状の偽ドルーゼンおよびいわゆる「標的」病変を示す。すぐ下は、強調のために最初に黒で示し、次いで介在する明るいシグナルを強調するためにバックグラウンドを明るくした、低蛍光スポット(一般的にはドルーゼノイド沈着物として定義されるもの)を強調する2つの図式的な重ね合わせである。下の2つの画像は、RPDの複数の小さな標的病変(円中)を強調し、一方で、一番下の図表は、組織の同心円状の襞により形成される光輪および標的病変である可能性があるものの存在を説明する。 図4Bは、三次元ホールマウントONL組織と2次元の正面臨床FAF画像との間の直接的関係を示す図表的レンダリングを示す。NaIO曝露後第14日までに、網膜外層は、中間部−ONLの複雑な襞を示す(相対的低拡大率[元は40x]で示し、デジタル的に拡大)。デジタル拡大像は、組織襞の同心円状の環を示す。白黒で示される、この同じ領域は、どのようにしてこれが、FAFにおいて中央部に空隙がある環状または卵円状領域に見え得るかを示す。白黒反転(「ネガティブ」画像)から、このONL歪の配置が、中央に明るい標的を有するように見えることが示される。 図4Cは、NaIO注射から14日後のラット網膜のOCTイメージングが、網膜外層を通じて明るい「スパイク」を明らかに示すことを示す。これらは臨床的に説明される。網膜外層を通じた同様の組織切片から、細胞の狭い列を形成する、拡大した網膜下腔において炎症性細胞が下にあるONL襞が明らかになる。インビボ画像と比較するために、これらを白黒で与える。白黒反転(OCT画像と対抗する偽ネガティブ画像)において、網膜下密度が明るく見えると同時に、ONLが消失することが分かる。 図5は、795/810nm cSLOイメージングによって斑点のあるNIR蛍光が検出されるが、予めICG注射がなければ検出できず、すなわち、この蛍光は、代わりに励起/放射フィルターを用いたときのみ検出され得るが、色素注射後(すなわちDNIRA法を使用)、移行時間と一致しないかまたは移行時間にはないとことを示す。図5A−Fは、下記を用いて得られた野生型SDラットの代表的な正常共焦点走査レーザー検眼鏡(cSLO)および血管造影画像を示す。 図5A:無赤色 図5B:赤外反射率(830nm) 図5C:488/500nm自発蛍光(FAF) 図5D:795/810nmNIR蛍光 図5E−Fは、フルオレセインデキストランおよびICG色素をそれぞれ用いた正常な網膜および脈絡膜脈管構造を示す。これらおよび同様の画像を全実験に対して正常対照とする。網膜とRPE層内またはこれらの間で焦点深度を的確に配置するためにこのようなイメージングを使用する。 図5Gは、t=0で5mg/kg ICG色素の単回注射を受けた代表的な動物における遅延近赤外線分析(DNIRA)の時間経過を示す。色素注射前に、検出可能なシグナルは見られない(均一暗画像に留意、上段)。血管造影(第二段)中、網膜血管が可視化され、バックグラウンドは検出不能であり、なお、移行期間中に飽和を防ぐためにcSLOのゲイン(感度)を低くした。血管造影後の数日に、(第3から5段)、ベースラインと比較して斑点状または点状のバックグラウンド蛍光が増加する。遅延NIR蛍光は上部血管により妨げられ、視神経頭にはないが、FAF(図5H)とは異なり、神経頭周囲で明るい円弧または環を形成する。シグナルは依然として強く、使用濃度(5mg/kg)での注射から28日後まで眼底全体に分布する。最下段の僅かに暗い部分は、おそらく、脈絡膜渦静脈の存在を反映すると思われる。 図5Hは、DNIRA時間経過と対比して、フルオレセイン血管造影から3、8および28日後(下段)に見た場合、488/500nm自発蛍光シグナルが注射前の強度に戻る(最上段)ことを示す。最下段の僅かに暗い部分は、おそらく、脈絡膜渦静脈の存在を反映すると思われる。 図6は、NIR蛍光シグナルの強度がDNIRAを用いたICG投与量と相関することを示す。 図6Aは、対照cSLO画像が、ICG色素注射を行わなかった場合、795/810nm蛍光シグナルがないことを説明することを示す。ICGを投与されなかった対照動物は、評価を行った21日間にわたり同じレベルのバックグラウンド蛍光を維持し、シグナルは無視できる程度であった、 図6Bは、同じゲインを用いて、ICG注射から48時間後、0.35mg/kgという低用量で与えた場合、遅延NIR蛍光が容易に検出可能であったことを示す。しかし、時間とともに、DNIRAは、注射後48時間から21日まで徐々に減弱することを示す。 図6Cは、同じゲインを用いて、5mg/kg ICG血管造影の結果、より低用量で行うよりも、48時間の時点で遅延NIR蛍光がより明るくなる(より高強度になる)ことを示す(図6B)。この蛍光は、21日まで概ね変化せず持続した。 図6Dは、一方で、830nmNIR反射率チャネルが同様の変化を示さないことを示す。 図7は、ヨウ素酸ナトリウムによって、遅延NIR蛍光が斑状に失われ、それによって脈絡膜脈管構造がはっきりと見えるようになることを示す。 図7Aは、ICGおよびNaIO注射から3日後に行ったDNIRAを示す。くっきりとしたパッチまたは後極領域における斑点状の蛍光の喪失が見られた。これらの領域は暗く、低蛍光に見え、境界はくっきりとしていた。 図7Bは、これらの領域内で、cSLOのゲイン(感度)が高くなった場合、脈絡膜血管が容易に明らかとなったことを示す。ボックス(拡大)では、視神経から放射状に走る網膜脈管構造とは異なる方向に進む、一部の目立つ脈絡膜血管が確認される(矢印)。斑点状のDNIRA蛍光によって、画像の右上において脈絡膜に対する視野が曖昧になる。 図8は、網状FAFパターンが、インビボおよび切除網膜において成熟し、視神経に近接する領域にはないことを示す。 図8Aは、NaIO投与後第3月までに網膜外層が顕著に失われるにもかかわらず、視神経頭(ONH)にすぐ隣接する領域でONLが維持されたことを示す。より高拡大率の像(下)から、光受容器の核が維持されること、および網膜外層が襞状にならないことが確認された。NaIO3注射後第7日の動物からの代表的な眼のFAFイメージングから、網状パターンが見られないことが確認された。細い点線(内側の円)は、ONHの位置に相当し、一方、太い点線(外側の円)は、正常の非網状FAFのおおよその範囲を描く。 図8Bは、NaIO投与後の網膜外層の明確な変形を明らかにしたH&E染色を示す。NaIO投与前(BL)に、ONLは、ONHから網膜外縁に伸びた暗い直線状のバンドに見えた。7日までに、網膜外層は襞状になったが、ONLは肉眼で見て無傷のままであった。これは、右列の拡大図で見られる。しかし、NaIO3後14日までに、ONLは、明らかな喪失領域を示し、RPEの特殊化した基底膜であるブルッフ膜(BM)に網膜内層が直接裏打ちしていた。これは拡大図で見られる(黒矢印)。 図8Cは、核染色TO−PRO−3(遠赤色蛍光のみがあるカルボシアニン単量体核酸染色、Invitrogen)で画像化したONL全体の共焦点顕微鏡像を示す。ベースラインにおいて、この層は平坦であり、際立った特性はなかった。NaIO投与後の時間が長くなるにつれ、ONLは次第に乱れてきた。直線状の溝、曲線状の形、同心円状の環および孤立した小さな卵円状物または環が第3、6および14日に確認された。 図9は、Iba1細胞が、疾患の早期および後期に、RPEの非存在下で網状FAFパターンに寄与することを示す。 9Aは、疾患進行の早期および後期のFAFおよびIHCで見られる網状パターンの間での比較を示すインビボおよびエクスビボイメージング両方の低(上段)および高(下段)拡大率の像を示す。FAFのパターンから、インビボで抗Iba抗体を用いた蛍光免疫組織化学によって再現されることが確認された。第7日のHRAIIイメージング直後に切除したホールマウント網膜と比較すると、ミクログリアおよびマクロファージ(上)のマーカーであるIba−1に対する抗体を用いて同じ網状パターンが見られた。TO−PRO−3を用いた核染色から、二次元において外顆粒層(光受容器層)の高密度に充填された細胞が、曲線状、卵円状または小葉状パターンを形成するように見えることが示された。この2つを併せて、Iba−1染色が、核染色の間で絡み合うことが見られることが確認された。後期段階の網状パターンの拡大から、Iba−1細胞が、折り畳まれた光受容器核(下)の間の溝に留まっていたことが確認された。 図9Bは、RPEの非存在下でもFAFシグナルが検出され得ることを示す。左:RPE65で染色(緑色)された後部眼杯は、網膜中央部および中間部でのこの単層の喪失を示す(周辺部RPEの環は残る。)。残りの画像は、2種類の異なるRPE標識(MiTF;小眼球転写因子)および特徴的な二重核染色を利用し、眼底自発蛍光の複雑なパターンを有することが見られる領域である中間部および中央部眼杯において、RPE層の喪失を確認する。一方、正常またはほぼ正常なRPEが眼杯外縁に残存する。 図9Cは、RPE細胞を象徴する2個の核の不在により明らかであるように、ホールマウント網膜の中央部のRPE細胞の消失を示唆する核染色を示す。RPEは周辺部網膜組織において依然として見ることができた。これは、中央部および周辺部網膜組織の両方にRPE細胞が存在したベースライン対照と対比的である。 図10は、網膜外層全体の連続共焦点顕微鏡を示し、これは複雑な3次元変形を示し、Iba−1およびCD68食作用性細胞の分布が絡み合うことに対応する。 10Aは、内網状層(IPL)から網膜下腔に伸びる4つの層に光学的に区分された網膜外層の形態変化を示す。ONLは内層および外層に分けられる。赤色=Iba−1、緑色=CD68、青色=核。ベースラインと比較して、NaIO投与後第4日に網膜層において食作用性細胞数の増加が見られ、この時に、Iba−1細胞が網膜内層で主に見られた。これは、両細胞マーカーに対する抗体陰性対照では存在しなかった。 図10Bは、NaIO投与後第14日までに、ONLおよび内部である限りOPL(血管の存在により同定)において、環状および卵円状パターンが明らかとなったことを示す。このパターンは、内側ONLにおいて曲線状であり、きつく折り畳まれた核の層が顕著により密である外側ONLでは曲線性がより強く、曲線状の空隙領域がより小さかった。外側ONLにおいて、襞間で顕著な架橋があった。これらの核の空隙には、Iba−1およびCD68細胞が含有されていた。 図10Cは、最外部ONLまたは拡大した網膜下腔(普通は仮説的な空間)における拡大画像が、光受容器核の間で絡み合ったIba−1およびCD68細胞の網状パターンを示すことを示す。 図11は、切除網膜ホールマウント組織の三次元再構築を示し、これによって、食作用性細胞が、網状パターンを形成する変形した光受容器層内にあることが確認された。 11Aは、ONLおよびIba1細胞の三次元再構成を作製するために網膜外層全体の共焦点Z−シリーズを使用したことを示す。光受容器顆粒層の核染色(赤色)は、それが襞状になることを示した。Iba−1染色(緑色)と合わせると、炎症性細胞が網膜変形により定められる襞の間または襞内にあることが明らかであった。Iba−1陽性細胞単独の再構成から網状パターンが示された。 図11Bは、NaIO投与から28日後の網膜外層の全体像の積み重ねのセグメントのZ−シリーズ再構成が、ピーク(内側)でより狭く、その基底部(中間、外側)でより広く、より絡み合っているという襞の複雑さを説明することを示す。断面イメージングと比較するために、およびこれらの所見の3Dの性質をより詳しく表すために、斜視図も示す(中間のパネル)。正面画像(左)上の星印の位置は、斜視的画像の星印の位置と対応させた。デジタル拡大図(右)は、曲線状であり、網膜外層において連続的であるが、内側−ONLにおいて少なくとも3つのより小さな卵円状部分に分かれた、光受容器層(赤色)の間の溝を示した。Iba1細胞(緑色)は、大部分、光受容器層内、すなわちその外側に位置した。網膜外層の対照再構成は、Iba−1陽性細胞もONLの変形(下列)も示さなかった。これらの画像を作製するためにBitplaneソフトウェア(Imaris)を使用した。 図12は、インビボでのOCTイメージングによって進行性のNaIO誘導性網膜外層変形が特定されたことを示し、臨床での所見と比較した(略語:NFL=神経線維層;GCL=神経節細胞層;IPL=内網状層;INL=内顆粒層;OPL=外網状層;ONL=外顆粒層;IS+OS内節および外節層;RPE=網膜色素上皮;BM=ブルッフ膜)。 12Aは、インビボOCTを示し、網膜下部では起こったが、網膜上部では起こらなかった早期の変化がNaIO投与後最初の3日で観察されたことを説明する。ベースライン画像は、網膜層がOCTで見えることを示した。第3日の網膜の正面画像は、上側および下側部分が示される2つの光切片の位置を示した。上側部分はベースラインと比較して変化がなかった。対照的に、下側は、薄いRPE層の喪失とともに、光受容器内および外節の小さな起伏を示した。 図12Bは、NaIO投与後第14日までに、網膜外層が、複数の湾曲襞、基底下方三角形および、暗い外顆粒層に対して外側(下側)にある、時折見られる明るいシグナルのスパイク形成を含め、顕著な変化を示したことを示す。 図12Cは、よく形成された基底下方三角形が、げっ歯類網膜の第14日の画像で示されることを示す。 図12Dは、げっ歯類モデルで見られるものと同様の基底下方三角形を示す網状偽ドルーゼンがある患者のOCT画像を示す。 図13は、網膜下変化が、インビボでのY−軸およびZ−軸の複雑な3D構造に寄与したことを示す。 13Aは、網膜下変化がY−軸で複雑な3D構造に寄与することを確認する、隣接した連続OCT画像を示す。小さな網膜下半球体または円錐体が多く、中央で示されるように、上下逆の「Y」または「叉骨」と類似した形も形成された。連続画像の体積再構成と比較して、この画像は、正面で見た場合に環状に見える構造を通して、光切片と一致する。環状構造を通し、連続OCT切片の位置を示す画像は、隣接する光学断面の画像に対応する。これらの断面の2つの主要な網膜下シグナル(矢印)は、環の上および下部先端で一緒に近くにあり、中央ではさらに離れていることがわかる。スパイク間の距離を提供する。環のすぐ左の構造の評価から、より小さなループ様構造に対する網膜下構造の同様の寄与が示される。 図13Bは、内側、中間および外側ONLを通した、連続Z−切片のセグメントを積み重ねた体積再構成によって、変形網膜外層下でのシグナルの異なる面の様子が確認されることを示す。同じ組織面を通したOCT切片。(上段)上段で示される平行する緑色の線により結合された3つの面内で形成された体積再構成画像。内側、中間および外側ONLを通したこのようなセグメント再構成から、3つの明確なパターンが明らかとなる。(C、下段)内側ONLにおける点状のスポットの規則的配列構造。(C、下左)中間部−ONLにおけるより曲線状パターン。(C、中間部)最外部ONLは、殆どが拡大した網膜下腔内にあり、複数の複雑な曲線状、ループ状の複合構造を示し、それらの間に相当数の架橋がある。これらの画像は、3D再構成共焦点顕微鏡の所見と相関する(C、下右)。 図14は、ガドリニウムが、循環単球および在住マクロファージを消耗させ、NaIO−誘導性網膜外層損傷のFAFパターンを変化させることを示す。 14Aは、未処置(下パネル)と比較して、どのようにして、GAD処置病変で第3日(上、左)に辺縁の明瞭な境界が少なくなり、第日(上、右)に代表的な損傷の島状部内で辺縁の明瞭なFAFがさらにもっと少なくなるかを示す。 図14Bは、どのようにして、マクロファージ枯渇が損傷領域の縮小につながるかを示す。左:FAF画像は、NaIOから7日後の、小さな三日月状の網状パターンおよび同時に起こるマクロファージのGAD枯渇を示す。右:切除網膜全体と比べて、損傷領域は一般的に見られるものよりも明らかに小さい。 図15は、理論により縛られることを望むものではないが、組織学的に調べた組織所見が、どのようにしてNaIO3−誘導性のRPE喪失後のインビボイメージングを説明し得るかの解釈的な説明図を示す。 15Aは、NIRチャネル(上)において網状偽ドルーゼンおよびいわゆる「標的」病変を示す早期AMDである患者からの臨床画像を示す。すぐ下のものは、最初に強調のために黒にし、次に介在する明るいシグナルを強調するために明るいバックグラウンドにした、低蛍光スポット(一般的にはドルーゼノイド沈着物として定義されるもの)を示す2つの図式的重ね合わせである。下の2つの画像は、RPDの複数の小さな標的病変(円内)にハイライトを当て、最下部の図は、組織の同心円状の襞により形成される光輪状および標的病変である可能性があるものの存在を説明する。 図15Bは、図式的なレンダリングから、三次元ホールマウントONL組織像と二次元正面臨床FAF画像との間の直接的な関係が示唆されることを示す。NaIO投与後第14日までに、網膜外層は中間部−ONLの複雑な襞を示す(比較的低い拡大率[元は40x]で示し、デジタル的に拡大)。デジタル拡大図は、組織襞の同心円状の環を示す。白黒で示されるこの同じ領域から、どのようにして、これが、FAFにおいて中央部に空隙がある環状または卵円状領域に見え得るかが示された。白黒反転レンダリング(すなわち「ネガティブ」画像)から、このONL歪の配置が、中央に明るい標的を有するように見えることが示された。 図15Cは、NaIO投与から14日後のラット網膜のOCTイメージングが、網膜外層を通じてはっきりと明るい「スパイク」を示すことを示す。これらは臨床的に記載される。網膜外層を通じた同様の組織切片から、細胞の狭い列を形成する拡大した網膜下腔において、炎症性細胞が下にあるONL襞が明らかとなる。インビボ画像との比較のために、これらを白黒で表す。白黒反転(OCT画像と対抗する偽ネガティブ画像)において、網膜下密度が明るく見えると同時に、ONLが消失することが分かる。
本発明は、一部、対象および/または動物において失明性疾患を検出および/または測定および/または評価するためのモダリティの探索および、失明性疾患の処置改善のための候補化合物の探索および/または評価におけるこの方法の使用に基づく。具体的に、とりわけ、本発明は、遅延近赤外線分析(DNIRA)と呼ばれる分析方法、および例えば、AMDおよび/またはRPDなどの失明性疾患に対するモデルの作製におけるこの方法の使用を提供する。さらに、本発明は、失明性疾患の特定のタイプ、例えば、AMDおよび/またはRPDなどを診断する方法およびAMDおよび/またはRPDを処置するための方法に関連する。
ある態様において、本発明は、候補化合物が失明性疾患の処置に有用であるか否かを特定するための方法であって、(a)眼が、(i)動物において失明性疾患の存在を示すのに有効な量の蛍光化合物および(ii)眼組織の萎縮を誘導するのに有効な量の毒素を含む動物に有効量の試験化合物を投与することと;(b)蛍光化合物に蛍光を生じさせるのに有効な波長および強度を有する光に眼を曝露することと;(c)この眼の蛍光パターンを、蛍光化合物および毒素を含むが、本試験化合物を含まない動物の眼の蛍光パターンと比較することと;(d)段階(c)の比較の結果が、試験化合物が失明性疾患の処置に有用であることを示す場合、その試験化合物を候補化合物として選択することと、を含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、失明性疾患はAMDまたはRPD疾患である。
いくつかの実施形態において、動物は、マウス、ラットまたはゼブラフィッシュである。
他の実施形態において、蛍光化合物は、約600nmから約900nmの波長の光を吸収し、および/または約750nmから約950nmの波長の光を放射する。具体的な実施形態において、蛍光化合物はICGである。さらに他の実施形態において、蛍光はRPE細胞で生じる。
いくつかの実施形態において、毒素はヨウ素酸ナトリウムである。他の実施形態において、萎縮は、RPE細胞の壊死を含む。他の実施形態において、壊死はパッチとして現れる。
さらに他の実施形態において、比較は、試験化合物を投与してから少なくとも約24時間または少なくとも約7日または少なくとも約30日または少なくとも60日または少なくとも90日後に行う。
様々な実施形態において、光への眼の曝露は、cSLO、FAF、DNIRAまたはOCTを行うことを含む。様々な実施形態において、光への眼の曝露は、白色光、青色光、無赤色光、近赤外または赤外を含む。
様々な実施形態において、失明性疾患の存在は、RPE損傷もしくは喪失または網膜外層喪失のパッチ内のFAFのパターンによって示される。様々な実施形態において、失明性疾患の存在は、RPE損傷もしくは喪失または網膜外層の喪失のパッチ内またはその隣接部、近接部または遠隔部で生じる、またはその非存在下での、FAFのパターンによって示される。いくつかの実施形態において、そのパターンは、曲線状、リボン状、網状、卵円状、環状、波形状、光輪状および標的様病変の1以上である。様々な実施形態において、失明性疾患の存在は、RPE損傷もしくは喪失内または網膜外層喪失のパッチの境界内でのFAFのパターンによって示される。いくつかの実施形態において、そのパターンは、曲線状、リボン状、網状、卵円状、環状、波形状、光輪状および標的様病変の1以上である。様々な実施形態において、失明性疾患の存在は、RPE損傷もしくは喪失または網膜外層喪失のパッチから離れて生じる、またはその非存在下での、FAFのパターンによって示される。いくつかの実施形態において、そのパターンは、曲線状、リボン状、網状、卵円状、環状、波形状、光輪状および標的様病変の1以上である。
様々な他の実施形態において、失明性疾患の存在は、断面パターンまたは横方向パターンによって示される。いくつかの実施形態において、そのパターンは、OCTで観察される。いくつかの実施形態において、そのパターンはRPEおよびまたは網膜外層喪失または網膜下腔で見られる隆起、三角形、ピークまたはスパイクである。
さらに他の実施形態において、本方法は、試験化合物を投与する前に眼を観察する段階をさらに含む。いくつかの実施形態において。この観察は、1以上の投与前の眼の特徴を確立する。
また別の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、試験化合物を投与する前に蛍光化合物を投与することを含む。さらに別の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、(i)さらなる量の蛍光化合物を動物にまたは(ii)第二の蛍光化合物を動物に投与することを含まない。他の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、試験化合物を投与する前に前記毒素を投与することおよび/または蛍光化合物を投与する前に毒素を投与することを含む。
さらに別の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、(i)さらなる量の前記毒素を動物にまたは(ii)第二の毒素を前記動物に投与することを含む。さらに別の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、(i)さらなる量の前記毒素を前記動物に、(ii)第二の毒素を動物に、または(iii)毒素の作用機構に影響を与えると考えられる化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、眼組織萎縮のパッチまたは組織喪失のパッチの形成、成長または拡大の速度の低下を観察することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、候補化合物は、失明性疾患の病態を処置するか、予防するかまたはその速度を低下させるのに有用である。他の実施形態において、複数の候補化合物が同定される。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、失明性疾患の処置において複数の候補化合物の有用性を比較し、その比較に基づいてリード化合物を選択することをさらに含む。
別の態様において、本発明は、乾性AMDの処置または予防を必要とする対象に有効量の式Iの化合物:
Figure 0006837522
または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)を投与することを含む、乾性AMDを処置または予防するための方法を提供する。ある実施形態において、式Iの化合物はビンダリットである。
さらなる態様において、本発明は、乾性AMDの処置または予防を必要とする対象に有効量のメトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む、乾性AMDを処置または予防するための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本方法は、さらなる治療薬を投与することをさらに含む。様々な実施形態において、さらなる治療薬は、抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)−γアゴニストまたは部分アゴニストまたは複合型PPAR−α/γアゴニスト、レニン阻害剤、ステロイドおよびオートファジーを調節する薬剤の1以上である。
いくつかの実施形態において、乾性AMDは、対象の眼における超蛍光FAF領域の存在により特定可能であり、および/または対象の眼における異常蛍光FAF領域の1以上の存在、およびまたは対象の眼における青色スペクトル眼底画像、白色光眼底画像、無赤色眼底画像およびOCTの1以上の変化により、および/または、無病状態と比べた、脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる透過性の(一過性の上昇を含む)上昇により、およびまたは網膜外層の変形、およびまたは無病状態と比べた、脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる中間部−網膜脈管構造の変形により、およびまたは無病状態と比べた、対象のRPEにまたがる食作用性免疫細胞の存在により、特定される。
いくつかの実施形態において、乾性AMDは、早期AMDまたは萎縮性乾性AMDである。
他の実施形態において、対象はヒトである。さらに他の実施形態において、投与は、経口または静脈内で行われるか、または眼内または眼周囲に、または眼の表面に対して行われる。
別の態様において、本発明は、RPD疾患の処置を必要とする対象に有効量の(本明細書中で記載のような)式Iの化合物または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)を投与することを含む、RPD疾患を処置する方法を提供する。ある実施形態において、式Iの化合物はビンダリットである。
さらに別の態様において、本発明は、RPD疾患の処置を必要とする対象に有効量のメトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む、RPD疾患を処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、対象において偽ドルーゼンの量を減少させることおよび/または対象の眼の中心窩領域、周中心窩領域、傍中心窩領域および外中心窩領域の何れか1つで偽ドルーゼンの量を減少させることを含む。他の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、後期疾患への進行速度を低下させることを含み、この後期疾患は、脈絡膜血管新生または地図状萎縮の何れか1つである。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、地図状萎縮の拡大速度を低下させることを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、さらなる治療薬を投与することを含む。様々な実施形態において、さらなる治療薬は、抗VEGF剤、ACE阻害剤、PPAR−γアゴニストまたは部分アゴニストまたは複合型PPAR−α/γアゴニスト、レニン阻害剤、ステロイドおよびオートファジーを調節する薬剤の1以上である。
さらに他の実施形態において、RPD疾患は、対象の眼における網膜像の明確なパターンの1以上の領域の存在により特定可能であり、この網膜像は、白色光、無赤色光、青色光、FAF、近赤外(NIR)、赤外(IR)、血管造影およびDNIRAおよび/または対象の眼での1以上の異常蛍光FAF領域の存在およびまたは無病状態と比べた、脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる透過性の(一過性の上昇を含む)上昇および/または無病状態と比べた、対象のRPEにまたがる食作用性免疫細胞の存在の1以上である。
他の実施形態において、対象はヒトである。さらに他の実施形態において、投与は、経口または静脈内で行われるかまたは眼内または眼周囲でまたは眼表面に対して行われる。
他の実施形態において、本発明は、1以上の失明性疾患の処置または予防に有用な医薬品の製造における、単独での、またはさらなる治療薬と併用した、式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩の使用を提供する。
また別の態様において、本発明は、対象の眼が、無病状態と比べた、眼の脈絡膜と網膜との間の上皮バリアにまたがる透過性の(一過性の上昇を含む)上昇を有するかまたは以前有したか否かを判定することを含み、透過性の上昇が、対象が薬剤での処置におそらく反応するであろうことを示し;その薬剤が、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩またはおよび(本明細書中で記載のような)式Iの化合物または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)から選択される、失明性疾患を有し、薬剤での処置におそらく反応するであろう対象を特定するための方法を提供する。
ある実施形態において、式Iの化合物はビンダリットである。いくつかの実施形態において、失明性疾患は、乾性AMDおよびRPD疾患の1以上である。
さらに別の態様において、本発明は、薬剤での処置におそらく反応するであろう失明性疾患対象を特定するための方法であって、無病状態と比べてRPEにわたり対象の眼に食作用性免疫細胞(場合によっては網膜内由来またはRPE由来)が存在するか否かを判定することを含み、食作用性免疫細胞の存在が、対象が薬剤での処置におそらく反応するであろうことを示し;薬剤が、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩またはおよび(本明細書中で記載のような)式Iの化合物または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)から選択される、方法を提供する。
ある実施形態において、式Iの化合物はビンダリットである。いくつかの実施形態において、失明性疾患は、乾性AMDおよびRPD疾患の1以上である。他の実施形態において、食作用性免疫細胞の存在はDNIRAによって測定される。
別の態様において、本発明は、対象での失明性疾患が、対象の免疫細胞の機能を阻害する薬剤での処置に反応性があるか否かを判定するための方法であって、対象の眼における、免疫細胞の存在を検出するか、存在しないことを検出するか、またはその量を測定することを含み、対象の眼が、約600nmから約900nmの波長を有する光に反応して蛍光を発する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、その光の波長は約400nmから約900nmである。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、有効量の蛍光化合物を前記対象に投与することをさらに含み、検出および測定は、蛍光化合物の投与から少なくとも1日後に行われる。いくつかの実施形態において、検出および測定は、有効量の蛍光化合物を対象に投与してから少なくとも1日後に行われる。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、対象の眼においてFAFを検出または測定する段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、対象の眼における免疫細胞の有無または量に対してFAFパターンを相関させる段階をさらに含む。
他の実施形態において、失明性疾患は、AMD、中心性漿液性網膜症(CSR)またはRPD疾患である。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。
様々な実施形態において、対象の眼は、約750nmから約950nmの波長を有する光の蛍光を発する。いくつかの実施形態において、蛍光化合物はICGである。
いくつかの実施形態において、検出または測定は、蛍光化合物の投与から、約1日後または約7日後または約30日後に行われる。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、(a)さらなる量の蛍光化合物または(b)第二の蛍光化合物を投与することをさらに含まない。
他の実施形態において、検出または測定は、cSLO、FAF、DNIRAまたはOCT行うことを含む。
いくつかの実施形態において、免疫細胞は、対象の自然免疫系の細胞および/またはマクロファージおよび/またはミクログリア細胞である。
定義
次の定義は、本明細書中で開示される発明と関連して使用される。
別段の定めがない限り、本明細書中で使用される技術及び科学用語は全て、本発明が属する技術分野で熟練者にとって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
「有効量」は、試験化合物および/または候補化合物と関連して使用される場合、失明性疾患の病態、例えば、AMDおよび/またはRPDなどの、測定可能な処置、予防または速度の低下をもたらすのに有効である量である。
「有効量」は、蛍光化合物と関連して使用される場合、光学的検出を可能にする量である。
「有効量」は、式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩と関連して使用される場合、乾性AMDおよび/またはRPD疾患を処置または予防するのに有効である(例えば病態の、測定可能な処置、予防または速度の低下をもたらす)量である。
「有効量」は、別の治療薬と関連して使用される場合、単独でまたは式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩と併用して、乾性AMDおよび/またはRPD疾患を処置または予防するのに有効である(例えば病態の、測定可能な処置、予防または速度の低下をもたらす)量である。「併用して」は、同じ組成物内での、および別個の組成物を介した投与を含み;後者の例では、この、他の治療薬は、式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩である薬剤がその予防的または治療的効果またはその逆を発揮する時間中に、状態を処置または予防するのに有効である。
「有効量」は、毒素、例えば、ヨウ素酸ナトリウムと関連して使用される場合、本明細書中で記載のように、測定可能な眼組織の萎縮を誘導するのに有効である量である。
薬剤は、その薬剤が、失明性疾患の病態の、測定可能な処置、予防または速度の低下をもたらす場合、「失明性疾患の処置に有用」である。
「失明性疾患」という用語は、様々な眼疾患の1つを指し、眼および眼付属器の疾患が含まれる。「失明性疾患」という用語は、例えば本明細書中に記載の障害(例えば非限定例として、AMDおよびRPD)を含む。
「血管新生」という用語は、異常組織におけるかまたは異常な位置での新しい血管形成を指す。
「VEGF」という用語は、透過性上昇を含むが限定されない、血管形成または血管新生の過程を誘導する血管内皮増殖因子を指す。本明細書中で使用される場合、「VEGF」という用語は、例えばVEGF121、VEGF165およびVEGF189を含むVEGF−A/VPF遺伝子のオルタナティブスプライシングにより生じるVEGFの様々なサブタイプ(血管透過性因子(VPF)およびVEGF−Aとしても知られる。)を含む。さらに、本明細書中で使用される場合、「VEGF」という用語は、VEGF−関連血管新生因子、例えばPIGF(胎盤成長因子)、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−DおよびVEGF−Eを含み、これらは、コグネイトVEFG受容体(すなわちVEGFR)を通じて、血管形成または血管新生の過程を誘導するように作用する。「VEGF」という用語は、VEGF受容体、例えばVEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(KDR/Flk−1)またはVEGFR−3(FLT−4)などに結合する成長因子のクラスのあらゆるメンバーを含む。「VEGF」という用語は、「VEGF」ポリペプチドまたは「VEGF」をコードする遺伝子または核酸を指すために使用され得る。
「抗VEGF剤」という用語は、VEGFの活性または産生を部分的または完全の何れかで低下させるかまたは阻害する薬剤を指す。抗VEGF剤は、直接的にまたは間接的に、特異的なVEGF、例えばVEGF165などの活性または産生を低下させるかまたは阻害し得る。さらに、VEGF−関連受容体シグナルを低下させるかまたは阻害するために、「抗VEGF剤」は、VEGFリガンドまたはそのコグネイト受容体の何れかにおいて作用する薬剤を含む。「抗VEGF剤」の非限定例は、VEGF核酸を標的とする、アンチセンス分子、リボザイムまたはRNAi;VEGFの、そのコグネイト受容体への結合を阻止する、抗VEGFアプタマー、VEGFそれ自身に対する抗VEGF抗体もしくはその受容体または可溶性VEGF受容体デコイ;コグネイトVEGF受容体(VEGFR)核酸を標的とする、アンチセンス分子、リボザイムまたはRNAi;コグネイトVEGFR受容体に結合する抗VEGFRアプタマーまたは抗VEGFR抗体;およびVEGFRチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
「抗RAS剤」または「抗レニンアンジオテンシン系薬剤」」という用語は、部分的または完全にの何れかでレニンアンジオテンシン系(RAS)の分子の活性または産生を低下させるかまたは阻害する薬剤を指す。「抗RAS」または「抗レニンアンジオテンシン系」分子の非限定例は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン−受容体ブロッカーおよびレニン阻害剤の1以上である。
「ステロイド」という用語は、次の実例的な化合物ファミリー:コルチコステロイド、ミネラリコステロイド(mineralicosteroid)および性ステロイド(例えば、アンドロゲン性またはエストロゲン性または抗アンドジェニック(andogenic)および抗エストロゲン分子の可能性があるものを含む。)に属するかまたはこれと関連する化合物を指す。これらの中でも、例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチル−プレドニゾロン、トリアムシノロン、フルオシノロン、アルドステロン、スピロノラクトン、ダナゾール(OPTINAとしても知られる。)などが挙げられる。
「ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ剤」または「PPAR−γ剤」または「PPARG剤」または「PPAR−ガンマ剤」」という用語は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体において直接的にまたは間接的に作用する薬剤を指す。この薬剤は、PPAR−α、「PPARA」活性にも影響を及ぼし得る。
「オートファジーを調節する薬剤」という用語は、細胞生存、細胞死、生存、オートファジー、増殖、制御などの調節物質を指す。
「単球走化タンパク質−1」または「MCP−1」という用語は、損傷および感染部位への単球の動員に関与するスモール誘導性遺伝子(Small inducible gene)(SIG)ファミリーのメンバーを指す。
「アルキル」という用語は、本明細書中で使用される場合、別段の定義がない限り、アルカンからの水素原子の除去による、直鎖または分岐状飽和基を指す。代表的な直鎖アルキル基としては、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチルおよびn−ヘキシルが挙げられるがこれらに限定されない。代表的な分岐状アルキル基としては、イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tert−ブチル、−イソペンチル、−ネオペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピルおよび1,2−ジメチルプロピルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、「a」、「an」または「the」は、1または複数を意味し得る。さらに、「約」という用語は、参照数字と関連して使用される場合、参照数字の指示±参照数字の指示の10%を意味する。例えば、「約50」という語は45から55の範囲を包含する。
本明細書中で参照される場合、全ての組成パーセンテージは、別段の断りがない限り、総組成物の重量による。本明細書中で使用される場合、「含む」という語およびその変形物は、一覧中の項目の引用が、この技術の、材料、組成物、装置および方法においても有用であり得る他の類似項目を排除するものではないというように、非限定的であることを意図する。同様に「できる」および「し得る」という用語およびその変形物は、実施形態がある種のエレメントまたは特性を含むことができる、または含み得るという引用が、そのエレメントまたは特性を含有しない本技術の他の実施形態を排除しないように、非限定的であることを意図する。
「含んでいる」、「含有している」または「有している」などの用語の同義語としての「を含む」というオープンエンドな用語は、本明細書中で本発明を記載し、主張するために使用されるものの、本発明またはその実施形態は、「からなる」かまたは「から基本的になる」など、代替的な用語を用いてあるいは記載され得る。
DNIRA
様々な実施形態において、本発明は、当技術分野で公知である様々な技術を用いた光学的イメージングを含む。例えば、このような技術としては、このようなものの三次元再構成を含め、cSLO、FAF、血管造影、OCTが挙げられるがこれらに限定されない。本発明の様々な実施形態において、眼を光に曝露することは、cSLO、FAF、DNIRA、血管造影またはOCTを行うことを含む。様々な実施形態において、イメージングはDNIRAである。様々な実施形態において、上記の技術の何れかの組み合わせを使用し得る。
DNIRAの場合、近赤外(NIR)色素、例えば無毒性用量で与えられる場合のICGなどを含む蛍光検出に適切な化合物は、RPEを標識し得、したがってその後の日または週にICG励起/放射フィルターを用いて見た場合に可視化する。重要なこととして、その後の数日および数週間でのこの可視化は、色素の再投与を行わないものであり得る。したがって、いくつかの態様において、DNIRA技術の中心的な要素は、そのタイミングにある。これは、色素の血管内局在およびその即時の溢出を調べるための、注射後すぐに、移行期間中、または注射後数分から数時間で観察される、ICGまたは他の血管造影色素の今回の使用とは区別される。
ある実施形態において、DNIRAは、非限定例として、毒素または、地図状萎縮拡大を引き起こす他の薬剤(例えばNaIO)の投与の約1日以上前の、および場合によっては、その後の、さらなる量のNaIOまたは地図状萎縮拡大を引き起こす別の薬剤の約1日以上(または約1週間または約1カ月または約3カ月)前の、ICG(および場合によっては血管造影法)など、蛍光検出に適切な化合物の投与を含み得る。例えば、地図状萎縮拡大を引き起こす他の曝露(例えば最初のまたは第二のまたは第三のまたは第四の投与)は、細胞生存、細胞死、生存、オートファジー、増殖、制御などの調節因子であり得る。
地図状萎縮の拡大は、臨床試験計画に対してU.S.Food and Drug Administration(FDA)により承認される主要転帰であり、したがって、本発明は、動物モデルにおける地図状萎縮、特に地図状萎縮の拡大を観察できるようにするので、前臨床疾患モデルと臨床試験計画との間で相関させることができる。本発明の前には動物の眼において地図状萎縮または地図状萎縮の拡大を明確に特定することができなかったことから、前臨床試験と臨床観察との間で直接的に相関させることは不可能であった。
いくつかの実施形態において、蛍光検出に適切な化合物は、蛍光の様々な波長によるイメージングに適切である。いくつかの実施形態において、これらの波長は、例えば青色光、白色光および近赤外を含め、可視光から赤外の範囲、例えば390nmから1mmの範囲である。いくつかの実施形態において、色素は近赤外色素である。いくつかの実施形態において、色素はICGである。
いくつかの実施形態において、投与から、約1日または約2日または約3日または約4日または約5日または約6日または約7日または約10日または約14日または約21日後に、DNIRAが行われる(および/または遅延近赤外蛍光(DNIRF)を観察する。)。いくつかの実施形態において、投与から少なくとも1日後、または投与から、少なくとも2日または少なくとも3日または少なくとも4日または少なくとも5日または少なくとも6日または少なくとも7日または少なくとも10日または少なくとも14日または少なくとも21日後に、DNIRAが行われる。他の実施形態において、投与から、少なくとも約24時間または少なくとも約7日または少なくとも約30日または少なくとも60日または少なくとも90日後に、DNIRAが行われる。他の実施形態において、投与から、少なくとも約2カ月または約3カ月または約4カ月または約5カ月または最長で約6カ月後に、DNIRAが行われる。いくつかの実施形態において、移行段階中(すなわち、眼血管を通じて、眼組織にそれが流入する際の色素の最初の通過)またはその後数分間はDNIRAを行わない。
いくつかの実施形態において、cSLOを用いて可視化が行われる。いくつかの実施形態において、白色光および適切なフィルターを用いて可視化が行われる。いくつかの実施形態において、ICG励起/放射フィルターは、795nm(励起)/810nm(放射)フィルターである。いくつかの実施形態において、ICG励起/放射フィルターは、約795nm(励起)/約810nm(放射)フィルターである。
RPEは、眼の特殊化した光受容器、杆体および錐体に対する「ナース細胞」機能を果たす非常に重要な上皮単層である。失明性疾患、例えば、AMDおよびRPDなどは、理論により縛られることを望むものではないが、一部、因果的にRPEの異常とつながりがある。
DNIRAによって、動物の眼においてインビボでRPE層を明確に特定することが可能になる。さらに、ヒトの眼においてRPEを検出するために使用される主要な技術であるFAFは、おそらくリポフスチンなどのフルオロフォアが比較的少ないため、効果がないかまたは効果に乏しい。ヒトの眼におけるFAFイメージングは、刺激/放射フィルターまたはコヒーレント青色光の存在下で非コヒーレント光の青色スペクトルを用いて行われ、RPEがない(例えば低蛍光シグナル)かまたはRPEが異常である(例えば超蛍光シグナル)領域を特定し得る。ない場合は動物の眼においてRPEを明確に特定できないことから、前臨床試験と臨床観察との間で直接的に相関させることは不可能であった。
したがって、本発明の様々な態様において、失明性疾患の前臨床研究に対して動物の眼においてRPE層を可視化するための方法、例えばDNIRAなどが提供される。
さらに、本明細書中で記載のように、DNIRAまたはその変形物によって、動物の眼において蛍光免疫細胞の可視化がを可能になる。いくつかの実施形態において、DNIRAは、場合によっては毒素投与を含まなくてもよい。
さらに、本明細書中で記載のように、DNIRAまたはその変形物によって、ヒト対象の眼において蛍光免疫細胞の可視化が可能になる。ヒト対象でのいくつかの実施形態において、DNIRAは毒素投与を含まなくてもよい。
失明性疾患
失明性疾患は、様々な眼疾患の1つを指し、眼および眼付属器の疾患を含む。
様々な実施形態において、失明性疾患は、DNIRAまたは当技術分野で公知の技術を用いて、評価および/または特定される。実例的技術としては、cSLO、FAF、OCT(断面、三次元および正面視野によるものを含む。)、SD−OCT(断面、三次元および正面視野によるもの)、血管造影または蛍光の他の波長を含む他のイメージングモダリティが挙げられる。いくつかの実施形態において、これらの波長は、例えば、青色光、白色光、無赤色、近赤外、赤外を含め、青色から赤外、例えば、390nmから1mmの範囲である。
様々な実施形態において、失明性疾患は、RPE損傷もしくは喪失または網膜外層喪失のパッチ内のFAFのパターンによって、評価されるか、または特定可能である。いくつかの実施形態において、パターンは、曲線状、リボン状、網状、卵円状、環状、波形状、光輪状および標的様病変の1以上である。
様々な実施形態において、失明性疾患は、RPE損傷もしくは喪失または網膜外層喪失のパッチの境界内のFAFのパターンによって、評価され、および/または特定可能である。いくつかの実施形態において、パターンは、曲線状、リボン状、網状、卵円状、環状、波形状、光輪状および標的様病変の1以上である。
様々な他の実施形態において、失明性疾患は、断面パターンまたは横方向パターンによって、評価され、および/または特定可能である。いくつかの実施形態において、パターンがOCTで観察される。いくつかの実施形態において、パターンは、RPEおよび/または網膜外層の喪失または隆起、網膜下腔で見られる、三角形、ピークまたはスパイクである。
他の実施形態において、失明性疾患は、対象の眼における超蛍光FAF領域の存在および/または対象の眼における異常蛍光FAF領域の1以上の存在によって、および/または対象の眼における青色スペクトル眼底画像、白色−光眼底画像、無赤色眼底画像およびOCTの1以上の変化によって、および/または無病状態と比べた脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる透過性の上昇(例えば一過性の上昇)によって、および/または網膜外層の変形、および/または無病状態と比べた脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる中間部−網膜脈管構造の変形によって、および/または無病状態と比べた、対象のRPEにまたがる食作用性免疫細胞の存在によって、評価されるか、およびまたは特定可能である。実例的変化としては、2つの異なる時間点および/または実験または臨床状態での、異なる対象および/または動物におけるイメージングパターンの相違が挙げられる。例えば、変化は、同じ対象および/または動物の2つの評価間のイメージングデータの変化および/または第一の対象および/または動物と第二の対象および/または動物のイメージングデータとの間のイメージングデータの変化を包含し得る。
さらに他の実施形態において、失明性疾患は、対象の眼における、白色光、無赤色光、青色光、FAF、近赤外(NIR)、赤外(IR)、血管造影およびDNIRAである網膜像の明確なパターンの1以上の領域の存在、および/または、対象の眼における異常蛍光FAFの1以上の領域の存在および/または無病状態と比べた脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる透過性の上昇(例えば一過性の上昇)および/または無病状態と比べた対象のRPEにまたがる食作用性免疫細胞の存在の1以上によって、評価されるか、および/または特定可能である。
様々な実施形態において、失明性疾患はAMDである。AMDは、先進国では失明の主要な原因である。早期AMDは、疾患の顕著な特質であるドルーゼンの蓄積を特徴とし、一方で地図状萎縮(GA)および脈絡膜血管新生(CNVM)は、それぞれ後期非滲出性(いわゆる「乾性」または萎縮性)および滲出性(いわゆる「湿潤性」または新生血管)疾患の失明性合併症である。抗VEGF療法によって、湿潤性AMDの処置を根本的に変化させたが、全AMD症例の12から15%に相当するに過ぎない。ビタミン補給が進行速度を遅らせ得るが、乾性AMDに対する処置はない。
様々な実施形態において、失明性疾患は、早期非滲出性または「乾燥」AMDである。早期非滲出性または「乾燥」AMDは、ドルーゼン蓄積および、色素沈着変化などの関連特性またはRPE剥離を特徴とし得る。後期または進行した乾性AMDは、RPEおよび上にある光受容器のパッチ状の萎縮を特徴とし得る。これらのパッチは、いわゆる「蛍光透見(window defect)」として臨床的に観察されており、「地図状萎縮」領域として知られている。
様々な実施形態において、失明性疾患は湿潤性AMDである。湿潤性AMDは、網膜またはRPE下の新規血管の成長を特徴とし、この血管は、出血し、液を漏出し得、その結果、大多数の症例で中心視力が急速におよび多くの場合は著しく失われる。この中心視力の喪失は、読み、運転し、顔を認識する能力が損なわれることにより、人間の日常生活に悪影響を与える。いくつかの場合において、黄斑変性は、乾燥型から湿潤型に進行する。
ある実施形態において、失明性疾患は滲出性または湿潤性AMDである。ある実施形態において、失明性疾患は、脈絡膜血管新生(CNVM)を付随する。
いくつかの実施形態において、AMDは、FAF、眼底の、内因性の、天然のまたは病理的に生じるフルオロフォアの空間マッピング(例えば二次元、正面など)のためのインビボイメージング法を用いて検出または評価される。いくつかの実施形態において、理論により縛られることを望むものではないが、FAFイメージングによって、インビボでのRPEの可視化が可能となり、脈絡網膜性障害および網膜色素上皮症の発症機序でのその代謝的変化をより詳しく理解し易くなる。FAFは当技術分野で周知である(例えば、内容が参照により本明細書によって組み込まれる、Bellmanら、Br J Ophthalmol 2003 87:1381−1386を参照)。
いくつかの実施形態において、白色光、青色光、近赤外、赤外を含む光の他の波長によっても、AMDおよび/またはRPE損傷または喪失を可視化し得、脈絡膜を見ることができる「蛍光透見(window defect)」として可視化され得る。いくつかの実施形態において、AMDおよび/またはRPE損傷もしくは喪失は、cSLO、FAF、OCT(断面、三次元および正面視野によるものを含む。)、SD−OCT(断面、三次元および正面視野による)または蛍光の他の波長(例えば青色から赤外の範囲の波長、例えば390nmから1mm、例えば、青色光、白色光、無赤色、近赤外または赤外を含む。)を含む他のイメージングモダリティによっても可視化され得る。
いくつかの実施形態において、後期乾性AMDにおいて、地図状萎縮領域は、低蛍光または暗いFAFの領域として明確に可視化される。いくつかの実施形態において、これらは、RPEが失われている領域に相当する。
いくつかの実施形態において、乾性AMDは、対象の眼における超蛍光FAF領域の存在により特定可能である。いくつかの実施形態において、超蛍光FAF領域の存在により特定可能な乾性AMDは、早期または後期乾性AMDに進行している。いくつかの実施形態において、超蛍光FAFは、リポフスチンまたはリポフスチン様物質の異常密度の可視化促進により引き起こされ得る蛍光の上昇または組織のリポフスチン含量の増加を指す。リポフスチンは、脂質があるかまたはないタンパク質の混合物を含み、その成分は、適切な波長の青色−光照明下で蛍光を発する。リポフスチン様蛍光はまた、このスペクトルでも起こり得、リポフスチンおよびその構成因子以外の分子によるものであり得る。
リポフスチン様蛍光は、RPE細胞および例えば免疫系の細胞(例えば食作用性免疫細胞)などのRPE細胞以外の細胞で生じ得る。
他の実施形態において、AMDは、対象の眼における異常FAFのパターンの存在により特定可能である。いくつかの実施形態において、異常蛍光FAFは、対象の眼で観察される正常な蛍光FAFパターンからの逸脱を指す。正常なFAFにおいては、cSLOまたは改良型眼底カメラを用いて、RPEがない(ゆえにリポフスチンがない)ために視神経頭は暗く(黒色)、血管も、それらが下部のRPE単層からの蛍光を阻止するので暗い。中央の黄斑領域において、黄斑色素による青色光の吸収によってFAFシグナルが低下する。正常の青色−光FAFのこれらの特徴は、異常蛍光の存在について評価する際に考慮され得る。
いくつかの実施形態において、AMDおよび他の失明性疾患と関連する超蛍光FAFは、複雑であり得る二次元空間パターンを示し得る。一部の研究において、超蛍光FAFのこれらのパターンは、早期から後期(新生血管または萎縮性の何れか)疾患への疾患進行速度と相関する。これらのパターンは当技術分野で理解される(例えば、内容がそれらの全体において参照により本明細書によって組み込まれる、Schmitz−Valckenbergら、Survey of Ophthalmology.2009 Jan−Feb;54(1):96−117;Bindewaldら、British Journal of Ophthalmology.2005 Jul;89(7):874−8;Holzら、Am.J Ophthalmology.2007 Mar;143(3):463−72を参照)。
いくつかの実施形態において、乾性AMDは、早期AMDまたは萎縮性乾性AMDである。
いくつかの実施形態において、乾性AMDは、その後期ステージであり、先在の地図状萎縮に対する境界および/または隣接する領域における(いわゆる接合部における)超蛍光または異常蛍光FAF領域の存在を特徴とする。
いくつかの実施形態において、乾性AMDはその後期ステージであり、先在の地図状萎縮がない、超蛍光または異常蛍光FAF領域の存在を特徴とする。これらの実施形態において、理論により縛られることを望むものではないが、これは、将来的なRPEの喪失を予測し得る。
いくつかの実施形態において、早期および後期ステージ両方の乾性AMDは、免疫細胞(例えば食作用性免疫細胞)の存在を特徴とする。免疫細胞の存在は、摘出後または検視眼試料から推定され得る。本明細書中で記載のように、いくつかの実施形態において、免疫細胞の存在はDNIRAを用いて評価される。
いくつかの実施形態において、「拡散トリックリング(diffuse trickling)」などのパターンは、本明細書中で開示される方法を用いて、評価、処置または予防され得る。拡散トリックリング(diffuse trickling)パターンは当技術分野で公知である(例えば、内容がそれらの全体において参照により本明細書によって組み込まれる、Schmitz −Valckenbergら、Survey of Ophthalmology.2009 Jan−Feb;54(1):96−117;Bindewaldら、British Journal of Ophthalmology.2005 Jul;89(7):874−8;Holzら、Am.J Ophthalmology.2007 Mar;143(3):463−72を参照。)。
いくつかの実施形態において、乾性AMDは、無病状態と比べた、脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる透過性の上昇(例えば一過性の上昇)により特定可能である。これは血管(内皮)透過性とは区別される。例えば、これは、血管造影を用いて見られ得る。
いくつかの実施形態において、RPE毒性、RPE喪失および乾性AMDは、DNIRAを用いて、例えばヨウ素酸ナトリウム(NaIO)によって特定可能である。例えば、NaIO処置した眼の、組織分析によって(例えば、RPE65などのRPE細胞マーカーの喪失および/または二核性の細胞染色の喪失を観察することによって)、および/またはインビボでDNIRAを用いて、地図状萎縮と類似する領域を検出し得る。いくつかの実施形態において、RPE毒性、RPE喪失および乾性AMDは、迫り来る組織喪失の領域内でおよび/またはその辺縁部で、複雑であり得る超蛍光FAFシグナルを示すFAFを用いて特定可能である。この複雑な超蛍光FAFシグナルは、複雑であり得、NaIO処置後、数日または数週で、リボン状、曲線状、魚形、波形状、絡み合った形状、分岐状または網状超蛍光を含み得るがこれらに限定されないFAFパターンへと発展する。このようなパターンは、臨床的な乾性AMDで見られるものと類似している。このようなFAFは低蛍光でもあり得る。
さらに、血管造影のみを用いて、またはDNIRAの一部として、直前にまたは一緒に血管造影を行って、FAFの変化の領域の出現から、脈絡膜と網膜との間の上皮バリアにまたがる透過性の(一過性の上昇を含む)上昇(例えば,イメージング前に注射され得る色素の漏出により観察されるものなど;このような色素にはICGが含まれる。)が明らかになり得る。このバリアは、通常は、内側脈絡膜、ブルッフ膜、RPE細胞およびおそらく、RPEと連結された光受容器外層の配置および外境界膜を含む。理論により縛られることを望むものではないが、この特殊化した上皮バリアの一過性の破壊は、網膜外層の折り畳み、凹凸または変形、光受容器層および/または脈絡膜から網膜下腔への炎症性細胞の運動/移動を含むその後の一連の事象の根底にあり得る。しかし、いくつかの実施形態において、このフェーズは一過性であり得、消散し得るかまたは、その規模の面で亜臨床的である。
いくつかの実施形態において、乾性AMDは、無病状態と比べた、対象の網膜色素上皮(RPE)にわたる免疫(例えば食作用性免疫細胞または自然免疫細胞)細胞の存在(例えば流入)により特定可能である。脈絡膜から網膜下腔への、または網膜内層から網膜外層もしくは網膜下腔への、炎症性細胞の運動/移動がある場合、このような細胞は、当技術分野で公知の染色法によって眼球除去した眼または切除組織において同定され得る。NaIOモデルにおいて、免疫系の活性化細胞を検出するために、Iba1染色が使用され得る。さらに、これらの細胞の存在は、例えば、単球/マクロファージ枯渇が起こったNaIO標品との比較によって確認され得る。このような枯渇は、当技術分野で公知であり、例えば塩化ガドリニウム(GAD)またはクロドロネートでの処置によって達成され得る。いくつかの実施形態において、免疫細胞の存在(例えば流入)は、DNIRAの使用によって、インビボで測定および/または判定され得る。本発明以前には、このようなインビボでの可視化は、おそらく、臨床で使用される状況ではなかった。
さらに、対象の細胞において同定され得る免疫細胞の例であるマクロファージは、サブセット:古典的(M1)またはあるいは(M2)活性化マクロファージに分類され得る(例えば、内容がそれらの全体において参照により本明細書によって組み込まれる、Laskin,Chem Res Toxicol.2009 August 17;22(8):1376−1385参照)。理論により縛られることを望むものではないが、M1マクロファージは、IFNγ、LPSおよびTNFαなどの標準的な機構によって活性化され、一方でM2マクロファージは、IL−4、IL−13、IL−10およびTGFβなどの代替的な機構により活性化される。理論により縛られることを望むものではないが、M1マクロファージは、細胞毒性、炎症誘発性の表現型を提示し、一方で、M2マクロファージは、免疫および炎症性反応のいくつかの態様を抑制し、創傷治癒および血管形成に関与する。いくつかの実施形態において、本発明は、M1およびM2マクロファージの1以上の阻害、調節または極性化を含む。
いくつかの実施形態において、乾性AMDは、対象の眼における青色スペクトル眼底画像、白色光眼底画像、無赤色眼底画像およびOCTの1以上の変化により特定可能である。いくつかの実施形態において、乾性AMDは、cSLO、FAF、OCT(断面、三次元および正面視野によるものを含む。)、SD−OCT(断面、三次元および正面視野による。)または蛍光の他の波長(例えば、青色光、白色光、無赤色、近赤外、赤外を含め、例えば青色から赤外、例えば390nmから1mmの範囲の波長)を含む他のイメージングモダリティの1以上の変化により特定可能である。実例的変化としては、2つの異なる時間点および/または実験または臨床状態での、異なる対象および/または動物の場合におけるイメージングパターンの相違が挙げられる。例えば、変化は、同じ対象および/または動物の2つの評価間のイメージングデータの変化および/または第一の対象および/または動物と第二の対象および/または動物のイメージングデータとの間のイメージングデータの変化を包含し得る。
いくつかの実施形態において、AMDは、OCTにより特定可能である。いくつかの実施形態において、断面画像は、網膜下腔において、浅い隆起の存在またはピラミッド型のまたはスパイク様シグナルを示す。三次元または正面OCTイメージングにより、リボン状または曲線状、卵円状、環状、光輪状または標的様シグナルが明らかとなる。いくつかの実施形態において、断面パターンまたは横方向パターンを観察し、この断面または横方向パターンには、RPEおよび/または網膜外層の喪失(萎縮)または、網膜下腔で見られる隆起、三角形、ピークもしくはスパイクが含まれる。様々な実施形態において、これらの特性はAMDの兆候である。
本発明は、さらに、次のもの:「網状ドルーゼノイド疾患」、「偽網状ドルーゼン」および「ドルーゼノイド黄斑疾患」または「網膜下ドルーゼノイド沈着物の存在を特徴とする疾患」としても知られるが、限定されない、RPD疾患の処置または予防のための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、RPD疾患は、処置時に、偽ドルーゼン物質が減少または消失するか、またはその蓄積および/または拡大が緩徐になるものである。いくつかの実施形態において、本発明は、対象の眼の中心窩領域および/または周中心窩領域および/または傍中心窩領域で、処置時に偽ドルーゼンが減少または消失するRPD疾患を処置するための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、さらに、早期から後期疾患への進行速度を低下させるRPD疾患の処置または予防のための方法を提供する。後期疾患には、例えば脈絡膜血管新生または地図状萎縮が含まれ得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、さらに、地図状萎縮の拡大速度を低下させるRPD疾患の処置または予防のための方法を提供する。
いくつかの実施形態において、RPD疾患は、FAFまたは蛍光の他の波長を含む他のイメージングモダリティにより特定可能である。いくつかの実施形態において、これらの波長は、例えば、青色光、白色光、近赤外および赤外を含め、青色から赤外の範囲、例えば390nmから1mmである。
いくつかの実施形態において、RPD疾患は、超−および/または異常−蛍光FAF領域の存在または蛍光の他の波長を含む他のイメージングモダリティにより特定可能である。いくつかの実施形態において、これらの波長は、例えば、青色光、白色光、近赤外および赤外を含め、青色から赤外の範囲、例えば390nmから1mmである。いくつかの実施形態において、RPD疾患は、DNIRAを用いることにより特定可能である。
いくつかの実施形態において、RPD疾患は、白色光、青色光、FAFおよび近赤外および赤外のうち少なくとも1つまたは少なくとも2つまたは少なくとも3つまたは少なくとも4つを用いて特定可能である。具体的な実施形態において、RPD疾患は、青色光により特定可能である。
いくつかの実施形態において、RPD疾患は、OCTにより特定可能である。いくつかの実施形態において、断面画像は、網膜下腔において、浅い隆起またはピラミッド型もしくはスパイク様シグナルの存在を示す。三次元または正面OCTイメージングにより、リボン状または曲線状、卵円状、環状、光輪状または標的様シグナルが明らかとなる。
いくつかの実施形態において、RPDは、無病状態と比べた、脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる透過性の上昇(例えば一過性の上昇)により特定可能である。これは、血管(内皮)透過性とは区別される。例えば、RPE毒性のヨウ素酸ナトリウム(NaIO)モデルを例えば含むDNIRAを用いて、RPE損傷もしくは喪失の地図状領域が形成され得、これは、例えば、組織分析によって(例えばRPE65などのRPE細胞マーカーの喪失および/または二核性の細胞染色の喪失を観察することによって)検出され得る。NaIO−処置したRPEのさらなるFAFイメージングから、組織喪失が差し迫った領域内および/またはその辺縁部で、複雑であり得る超蛍光FAFシグナルが示される。この超蛍光FAFシグナルは、NaIO処置後、数日または数週間で、複雑であり得る、リボン状、曲線状、魚形、波形状、絡み合った形状、分岐状または網状超蛍光を含むがこれらに限定されないFAFのパターンへと発展する。このようなパターンは、臨床的なRPDで見られるものと類似している。
さらに、DNIRAにおいて、FAF変化領域の出現の直前またはこれと同時に行われる血管造影から、(イメージングの前に注射され得る色素の漏出により観察されるなど;このような色素はICGを含む。)脈絡膜と網膜との間の上皮バリアにまたがる透過性の上昇(一過性の上昇を含む)が明らかとなる。このバリアは、通常は、内側脈絡膜、ブルッフ膜、RPE細胞およびおそらく、RPEと連結された光受容器外層の配置および外境界膜を含む。理論により縛られることを望むものではないが、この特殊化した上皮バリアの一過性の破壊は、光受容器層の折り畳み、凹凸または変形を含むその後の一連の事象を可能にし得る。しかし、いくつかの実施形態において、このフェーズは一過性であり得、消散し得るかまたは、その規模の面で亜臨床的である。
いくつかの実施形態において、RPDは、無病状態と比べた対象の網膜色素上皮(RPE)にわたる免疫細胞(例えば食作用性免疫細胞)の存在(例えば流入)により特定可能である。いくつかの実施形態において、免疫細胞の存在(例えば流入)は、DNIRAによって検出および/または測定される。脈絡膜から網膜下腔へのまたは網膜内層から網膜外層もしくは網膜下腔への炎症性細胞の運動/移動がある場合、このような細胞は、当技術分野で公知であるように染色によって特定され得る。例えばNaIOモデルを使用して、免疫系の活性化された食作用性細胞を検出するために、Iba1染色を使用し得る。さらに、これらの細胞の存在は、単球/マクロファージ枯渇が起こったNaIO標本との比較によって確認され得る。このような枯渇は当技術分野で公知であり、例えば、塩化ガドリニウム(GAD)またはクロドロネートでの処置によって達成され得る。さらに、対象の細胞で特定される食作用性免疫細胞の例であるマクロファージは、サブセット:古典的(M1)またはあるいは(M2)活性化マクロファージに分類され得る(例えば、内容がそれらの全体において参照により本明細書によって組み込まれる、Laskin,Chem Res Toxicol.2009 August 17;22(8):1376−1385参照)。理論により縛られることを望むものではないが、M1マクロファージは、IFNγ、LPSおよびTNFαなどの標準的な機構によって活性化され、一方でM2マクロファージは、IL−4、IL−13、IL−10およびTGFβなどの代替的な機構により活性化される。理論により縛られることを望むものではないが、M1マクロファージは、細胞毒性、炎症誘発性の表現型を提示し、一方で、M2マクロファージは、免疫および炎症性反応のいくつかの態様を抑制し、創傷治癒および血管形成に関与する。例えば、本発明は、いくつかの実施形態において、M1およびM2マクロファージの1以上の阻害、調節または極性化を含む。
いくつかの実施形態において、RPD疾患は、対象の眼における青色スペクトル眼底画像、白色光眼底画像、無赤色眼底画像およびOCTの1以上の変化により特定可能である。いくつかの実施形態において、RPD疾患は、cSLO、FAF、OCT(断面、三次元および正面視野によるものを含む。)、SD−OCT(断面、三次元および正面視野による)または蛍光の他の波長(例えば、青色光、白色光、無赤色、近赤外、赤外を含め、例えば青色から赤外の範囲の波長、例えば390nmから1mm)を含む他のイメージングモダリティの1以上の変化により特定可能である。実例的変化としては、2つの異なる時間点および/または実験または臨床状態での、異なる対象および/または動物の場合におけるイメージングパターンの相違が挙げられる。例えば、変化は、同じ対象および/または動物の2つの評価間のイメージングデータの変化および/または第一の対象および/または動物と第二の対象および/または動物のイメージングデータとの間のイメージングデータの変化を包含し得る。
別の実施形態において、失明性疾患は、c1qTNF5欠乏またはその対応する遺伝子突然変異と関連するLORD(遅発型網膜変性)もしくは網膜変性または、スターガルト病を含むが限定されない別の黄斑症、パターンジストロフィーならびに網膜色素変性症(RP)および関連疾患である。ある実施形態において、黄斑症は遺伝性である。
他の実施形態において、失明性疾患は、理論により縛られることを望むものではないが、白点症候群(例えば匐行性脈絡網膜症、匐行性網膜症、急性後部多発性斑状網膜色素上皮症(APMPPE)、多発消失性白点症候群(MEWDS)、急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)、点状内側脈絡膜層症(PIC)およびびまん性網膜下線維症(DSF))を含むが限定されない、黄斑変性を伴うかまたは伴わない網膜炎症を特徴とし得る特発性障害である。
他の実施形態において、失明性疾患は、中心性漿液性網膜症(CSR)である。CSRは、それらの支持組織からの網膜黄斑層の体液剥離(fluid detachment)である。CSRは、網膜下またはRPE下空間への体液の漏出および蓄積を特徴とし得ることが多い。理論により縛られることを望むものではないが、体液の漏出および蓄積は、RPEにおける小さな破損のために起こり得る。
いくつかの実施形態において、超−および/または異常−蛍光FAF領域の存在または350nmから1,000nmの光の他の波長によって、失明性疾患の1以上が特定可能である。いくつかの実施形態において、DNIRAを用いて失明性疾患の1以上が特定可能である。
いくつかの実施形態において、例えば、cSLO、FAF、OCT(断面、三次元および正面視野によるものを含む。)、SD−OCT(断面、三次元および正面視野による)または蛍光の他の波長(例えば青色光、白色光、無赤色、近赤外または赤外を含め、青色から赤外の範囲の波長、例えば、390nmから1mm)を含む他のイメージングモダリティによって、失明性疾患の1以上が特定可能である。
いくつかの実施形態において、失明性疾患は、ある一定のステージまたは進行状態のものであり得る。いくつかの実施形態において、失明性疾患は、初期、新生、無活動、進行性または活動性であり得る。
先在失明性疾患を処置することに加えて、本発明は、これらの障害の発症を予防するかまたは遅延させるための予防方法を含む。予防的適用において、特定の失明性疾患に罹患し易いかまたはそのリスクがある対象に薬剤を投与し得る。このような易罹患性は、例えば、家族性素因、遺伝子検査、リスク因子分析、血液または他のサイトカインまたはバイオマーカーレベルおよび、多面的分析、例えばFAF、青色光、白色光、無赤色、近赤外、赤外、DNIRAなどを含み得る眼の検査によって判定され得る。このような易罹患性は、例えばOCTによる、断面、三次元および正面視野での検出によっても判定され得る。
確定した既知の失明性疾患を処置することに加えて、本発明は、白色光、青色光、FAF、赤外、近赤外、DNIRAを含む、300から1,000nmの範囲波長の光を用いた、またはOCTによる、断面、三次元および正面視野での、インビボイメージングの特定のパターンを含む。インビボイメージングの特定のパターンに対する適用において、特定の失明性疾患に罹患し易いかまたはそのリスクがある対象に薬剤を投与し得る。このような診断または易罹患性は、例えば、FAF、青色光、白色光、無赤色、近赤外、赤外、DNIRAなどの多面的分析を含み得る、眼の検査、家族性素因、遺伝子検査、リスク因子分析および血液または他のサイトカインまたはバイオマーカーレベルにより判定され得る。このような易罹患性は、例えば、断面、三次元および正面視野での、OCTによる検出によって、判定され得る。
本発明の薬剤
様々な態様において、本発明は、候補化合物および/または試験化合物の同定および使用を提供する。候補化合物および/または試験化合物の同定および使用を提供する実施形態において、候補化合物および/または試験化合物は、化学物質、分子、化合物、生物学的物質(例えば抗体またはペプチド)、薬物、プロドラッグ、細胞療法剤、低分子量合成化合物または低分子薬であり得る。いくつかの実施形態において、候補化合物および/または試験化合物は、当技術分野で公知の化合物のライブラリから選択される。いくつかの実施形態において、候補化合物は、失明性疾患を処置するか、バインディング眼疾患(binding eye disease)を予防するか、または失明性疾患の発症速度を低下させるために有用である。
様々な態様において、本発明は、乾性AMDおよび/またはRPDを処置または予防するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩はまた、例えば抗VEGF剤、ACE阻害剤、PPAR−γアゴニストまたは部分アゴニスト、レニン阻害剤、ステロイドおよびオートファジーを調節する薬剤、ならびにセマピモド、MIF阻害剤、CCR2阻害剤、CKR−2B、2−チオミダゾール、CAS445479−97−0、CCX140、クロドロネート、クロドネート(clodonate)−リポソーム製剤または塩化ガドリニウムの1以上を含む、さらなる治療薬と一緒にも投与される。
様々な態様において、本発明は、対象における薬剤(「本発明の薬剤」)での処置におそらく反応性があるであろう失明性疾患対象を特定すること、および/または対象における失明性疾患が薬剤での処置に反応性があるか否か判定することを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明の薬剤は、式Iの化合物:
Figure 0006837522
または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)である。
様々な実施形態において、RおよびRは独立に、水素、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、RおよびRは独立に、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、RおよびRは、メチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、水素、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
いくつかの実施形態において、特にRが水素である場合、式Iの化合物は、医薬的に許容可能な塩の形態である。
いくつかの実施形態において、RおよびRはメチルであり、Rは水素である。このような実施形態において、式Iの化合物は、2−メチル−2−[[1−(フェニルメチル)−1H−インダゾール−3イル]メトキシ]プロパン酸としても知られる2−((1−ベンジルインダゾール−3−イル)メトキシ)−2−メチルプロピオン酸である。このような化合物は、ビンダリットとして一般に知られており、次の構造を有する:
Figure 0006837522
ビンダリットの合成は、その全体において参照により本明細書によって組み込まれる米国特許第4,999,367号で詳細に記載されている。
ビンダリットは、インビトロおよびインビボのMCP−1産生の阻害剤であり、理論により縛られることを望むものではないが、炎症の動物モデルにおけるその有益な効果は、この抗MCP−1活性に関連し得る(Miroloら、Eur Cytokines Netw 2008;19:119−122)。ビンダリットはまた、MCP−2およびMCP−3の産生を選択的に阻害することも示されている(Miroloら、Eur Cytokines Netw 2008;19:119−122参照)。
いくつかの実施形態において、本発明の薬剤は、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩である。メトトレキサートは、構造:
Figure 0006837522
を有する。
メトトレキサートはまた、そのIUPAC名、(2S)−2−[(4−{[(2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル](メチル)アミノ}ベンゾイル)アミノ]ペンタン二酸によっても;「MTX」によってもおよび「アメトプテリン」によっても知られている。「メトトレキサートナトリウム」は、米国において処方箋により入手可能である。メトトレキサートの合成は、その全体において参照により本明細書によって組み込まれる米国特許第4,080,325号に記載されている。
さらに別の実施形態において、本発明の薬剤は、マクロファージ極性化の調節物質である。マクロファージ極性化の実例的調節物質としては、例えばアゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニストまたは混合型PPAR−γ/αアゴニストを含む、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR−g)調節物質が挙げられる。
いくつかの実施形態において、PPARγ調節物質は、完全アゴニストまたは部分アゴニストである。いくつかの実施形態において、PPARγ調節物質は、チアゾリジンジオン(TZDまたはグリタゾン)の薬物クラスのメンバーである。非限定例として、PPARγ調節物質は、ロシグリタゾン(AVANDIA)、ピオグリタゾン(ACTOS)、トログリタゾン(REZULIN)、ネトグリタゾン、リボグリタゾン、シグリタゾン、ロダニンの1以上であり得る。いくつかの実施形態において、PPARγ調節物質は、イルベサルタンおよびテルメサルタンのうち1以上である。いくつかの実施形態において、PPARγ調節物質は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID、例えばイブプロフェンなど)およびインドールである。既知の阻害剤としては、実験的薬剤GW−9662が挙げられる。PPARγ調節物質のさらなる例は、WIPO公開第WO/1999/063983号、WO/2001/000579号、Nat Rev Immunol.2011 Oct 25;11(11):750−61に記載されているか、または内容がそれらの全体において参照により本明細書によって組み込まれるWO/2002/068386の方法を用いて同定される薬剤である。
いくつかの実施形態において、PPARγ調節物質は、「二重」または「平衡」または「パン」PPAR調節物質である。いくつかの実施形態において、PPARγ調節物質は、2以上のPPARアイソフォームに結合するグリタザールであり、例えば、ムラグリタザール(Pargluva)およびテサグリタザール(Galida)およびアレグリタザールである。
別の実施形態において、本発明の薬剤は、内容がそれらの全体において参照により本明細書によって組み込まれる、Bianchiら(Mar 1995)Molecular Medicine(Cambridge,Mass.)1(3):254−266に記載のようなセマピモド(CNI−1493)である。
さらに別の実施形態において、本発明の薬剤は、遊走阻止因子(MIF)阻害剤である。実例的MIF阻害剤は、内容がそれらの全体において参照により本明細書によって組み込まれる、WIPO公開第WO2003/104203号、WO2007/070961号、WO2009/117706号および米国特許第7,732,146号および同第7,632,505号および同第7,294,753号 7294753号に記載されている。いくつかの実施形態において、MIF阻害剤は、(S,R)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾール酢酸メチルエステル(ISO−1)、イソオキサゾリン、p425(J.Biol.Chem.,287,30653−30663)、エポキシアザジラジオンまたはビタミンEである。
さらに別の実施形態において、本発明の薬剤は、例えば、内容がそれらの全体において参照により本明細書によって組み込まれる、米国特許および米国公開第US7,799,824号、同第US8,067,415号、同第US2007/0197590号、同第US2006/0069123号、同第US2006/0058289号および同第US2007/0037794号に記載のようなケモカイン受容体2(CCR2)阻害剤である。いくつかの実施形態において、CCR2)阻害剤は、マラビロク、セニクリビロク(cenicriviroc)、CD192、CCX872、CCX140、2−((イソプロピルアミノカルボニル)アミノ)−N−(2−((cis−2−((4−(メチルチオ)ベンゾイル)アミノ)シクロへキシル)アミノ)−2−オキソエチル)−5−(トリフルオロメチル)−ベンズアミド、ビクリビロク、SCH351125、TAK779、Teijin、RS−504393、化合物2、化合物14または化合物19(Plos ONE 7(3):e32864)である。
様々な具体的な実施形態において、本発明の薬剤は、CKR−2B、2−チオミダゾール、CCR2アンタゴニス(CAS445479−97−0)およびCCX140の1以上である。
また別の実施形態において、本発明の薬剤はクロドロネートである。さらに別の実施形態において、本薬剤は、内容がそれらの全体において参照により本明細書によって組み込まれる、Barreraら、Arthritis and Rheumatism,2000,43,pp.1951−1959に記載のようなクロドロネートリポソーム製剤である。
さらに別の実施形態において、本発明の薬剤は、ガドリニウムのキレート化または非キレート化型、例えば塩化ガドリニウム(GAD)である。
様々な実施形態において、本発明の薬剤は抗VEGF剤である。本方法に有用な抗VEGF剤の非限定例としては、ラニビズマブ、ベバシズマブ、アフリベルセプト、KH902VEGF受容体−Fc、融合タンパク質、2C3抗体、ORA102、ペガプタニブ、ベバシラニブ、SIRNA−027、デクルシン、デクルシノール、ピクロポドフィリン、ググルステロン、PLG101、エイコサノイドLXA4、PTK787、パゾパニブ、アキシチニブ、CDDO−Me、CDDO−Imm、シコニン、β−、ヒドロキシイソバレリルシコニン、ガングリオシドGM3、DC101抗体、Mab25抗体、Mab73抗体、4A5抗体、4E10抗体、5F12抗体、VA01抗体、BL2抗体、VEGF関連タンパク質、sFLT01、sFLT02、ペプチドB3、TG100801、ソラフェニブ、G6−31抗体、VEGFのエピトープに結合する融合抗体および抗体が挙げられる。本方法で有用な抗VEGF剤のさらなる非限定例としては、ヒト血管内皮増殖因子−A(VEGF−A)、ヒト血管内皮増殖因子−B(VEGF−B)、ヒト血管内皮増殖因子−C(VEGF−C)、ヒト血管内皮増殖因子−D(VEGF−D)およびヒト血管内皮増殖、因子−E(VEGF−E)およびVEGFのエピトープに結合する抗体の1以上に特異的に結合する物質が挙げられる。
ある実施形態において、抗VEGF剤は、抗体ラニビズマブまたは医薬的に許容可能なその塩である。ラニビズマブは、商標LUCENTISのもと市販されている。別の実施形態において、抗VEGF剤は、抗体ベバシズマブまたは医薬的に許容可能なその塩である。ベバシズマブは、商標AVASTINのもと市販されている。別の実施形態において、抗VEGF剤は、アフリベルセプトまたは医薬的に許容可能なその塩である。アフリベルセプトは、商標EYLEAのもと市販されている。ある実施形態において、抗VEGF剤は、ペガプタニブまたは医薬的に許容可能なその塩である。ペガプタニブは、商標MACUGENのもと市販されている。別の実施形態において、抗VEGF剤は、VEGFのエピトープ、例えばVEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−DまたはVEGF−Eのエピトープなどに結合する抗体または抗体断片である。いくつかの実施形態において、VEGFアンタゴニストは、VEGFおよびVEGFRの結合が阻害されるように、VEGFのエピトープに結合する。ある実施形態において、エピトープは、折り畳まれたVEGF分子の表面にエピトープが露出されるような、提示されるVEGFの三次元構造の成分を包含する。ある実施形態において、エピトープは、VEGFからの直線状のアミノ酸配列である。
様々な実施形態において、本発明の薬剤は、レニンアンジオテンシン系(RAS)阻害剤である。いくつかの実施形態において、レニンアンジオテンシン系(RAS)阻害剤は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシン−受容体ブロッカーおよびレニン阻害剤の1以上である。
本発明において有用であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の非限定例としては、アラセプリル、アラトリオプリル、アルチオプリルカルシウム、アンコベニン、ベナゼプリル、ベナゼプリル塩酸塩、ベナゼプリラット、べンザゼプリル(benzazepril)、ベンゾイルカプトプリル、カプトプリル、カプトプリルシステイン、カプトプリルグルタチオン、セラナプリル、セラノプリル、セロナプリル、シラザプリル、シラザプリラット、コンベルスタチン、デラプリル、デラプリル二酸、エナラプリル、エナラプリラット、エナルキレン、エナプリル、エピカプトプリル、ホロキシミチン、ホスフェノプリル、ホセノプリル、ホセノプリルナトリウム、ホシノプリル、ホシノプリルナトリウム、ホシノプリラット、ホシノプリル酸、グリコプリル、へモルフィン−4、イダプリル、イミダプリル、インドラプリル、インドラプリラット、リベンザプリル、リシノプリル、リシウミンA、リシウミンB、ミキサンプリル、モエキシプリル、モエキシプリラット、モベルチプリル、ムラセインA、ムラセインB、ムラセインC、ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドプリラット、ピバロプリル、ピボプリル、キナプリル、キナプリル塩酸塩、キナプリラット、ラミプリル、ラミプリラット、スピラプリル、スピラプリル塩酸塩、スピラプリラット、スピロプリル、スピラプリル塩酸塩、テモカプリル、テモカプリル塩酸塩、テプロチド、トランドラプリル、トランドラプリラット、ウチバプリル、ザビシプリル、ザビシプリラット、ゾフェノプリル、ゾフェノプリラット、医薬的に許容可能なその塩およびこれらの混合物が挙げられるが限定されない。
本発明において有用であるアンジオテンシン−受容体ブロッカーの非限定例としては、イルベサルタン(その全体において参照により本明細書によって組み込まれる米国特許第号5,270,317号)、カンデサルタン(その全体において参照により本明細書によって組み込まれる米国特許第5,196,444号および同第5,705,517号)、バルサルタン(その全体において参照により本明細書によって組み込まれる米国特許第5,399,578号)およびロサルタン(その全体において参照により本明細書によって組み込まれる米国特許第5,138,069号)が挙げられるが限定されない。
本発明において有用であるレニン阻害剤の非限定例としては、アリスキレン、ジテキレン、エナルキレン、レミキレン、テルラキレン、シプロキレンおよびザンキレン、医薬的に許容可能なその塩およびこれらの混合物が挙げられるが限定されない。
様々な実施形態において、本発明の薬剤はステロイドである。いくつかの実施形態において、ステロイドは、次の実例的化合物ファミリー:コルチコステロイド、ミネラリコステロイド(mineralicosteroid)および性ステロイド(例えば、アンドロゲン性またはエストロゲン性または抗アンドジェニック(andogenic)および抗エストロゲン性分子の可能性があるものを含む。)に属するかまたはこれと関連する化合物である。これらの中でも、例えば、非限定例として、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチル−プレドニゾロン、トリアムシノロン、フルオシノロン、アルドステロン、スピロノラクトン、ダナゾール(OPTINAとしても知られる。)などが挙げられる。
様々な実施形態において、本発明の薬剤は、オートファジー、ミクロオートファジー、マイトファジーまたはオートファジーの他の形態を調節する薬剤である。いくつかの実施形態において、候補薬物および/または化合物は、シロリムス、タクロリミス(tacrolimis)、ラパマイシン、エベロリムス、バフィロマイシン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、スパウチン−1、メトホルミン、ペリホシン、レスベラトロール、トリコスタチン、バルプロ酸、Z−VAD−FMKまたは当業者にとって公知の他のものの1以上である。理論により縛られることを望むものではないが、オートファジー、ミクロオートファジー、マイトファジーまたはオートファジーの他の形態を調節する薬剤は、細胞内成分、例えば細胞小器官、ミトコンドリア、小胞体、脂質またはその他などであるが限定されないものの再循環を変化させ得る。理論により縛られることをさらに望むものではないが、この薬剤は、微小管結合タンパク質1A/1B−軽鎖3(LC3)を通じて作用してもよいし、または作用しなくてもよい。
蛍光化合物
いくつかの実施形態において、蛍光化合物は、蛍光の様々な波長でのイメージングに適切である。いくつかの実施形態において、これらの波長は、例えば、青色光、白色光および近赤外を含む、可視光から赤外、例えば390nmから1mmの範囲である。いくつかの実施形態において、色素は近赤外色素である。いくつかの実施形態において、色素はICGである。
いくつかの実施形態において、蛍光化合物は、蛍光の様々な波長でのイメージングに適切である。いくつかの実施形態において、これらの波長は、例えば、青色光、白色光および近赤外を含む、可視光から赤外、例えば390nmから1mmの範囲である。いくつかの実施形態において、吸収は、約390nmから約1mmである。いくつかの実施形態において、放射は、約390nmから約1mmである。
いくつかの実施形態において、蛍光化合物は、約600nmから約900nmの波長の光を吸収し、および/または約750nmから約950nmの波長の光を放射する。
いくつかの実施形態において、色素は、近赤外色素である。いくつかの実施形態において、色素は、ICGイメージングである。いくつかの実施形態において、ICG励起/放射フィルターは、795nm(励起)/810nm(放射)である。
いくつかの実施形態において、蛍光化合物、例えば色素(ICGを含む。)の用量は、蛍光化合物の有効量である。様々な実施形態において、ICGの用量は、約0.1から約10mg/kg動物である。いくつかの実施形態において、用量は、約0.1または約0.3または約0.5または約1.0または約2.0または約3.0または約4.0または約5.0または約6.0または約7.0または約8.0または約9.0または約10.0mg/kg動物である。
様々な実施形態において、蛍光化合物またはその代謝産物は、RPE細胞および/または免疫細胞において生じる蛍光を引き起こす。
他の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、(i)さらなる量の蛍光化合物を動物に、または(ii)第二の蛍光化合物を動物に投与することを含まない。
毒素
いくつかの実施形態において、RPEまたは網膜を含むが限定されない眼組織に影響を及ぼすことが知られている毒素が提供される。
いくつかの実施形態において、毒素は、アルミニウム、アミノフェノキシアルカン(非限定例としては、ラットへの1,4,−bis(4−アミノフェノキシ)−2−フェニルベンゼンが挙げられるがこれに限定されない。)、陽イオン性両染性薬物/三環系抗鬱薬(非限定例としては、アミオダロン、クロロアミトリプチリン(chloroamitriptyline)、クロルフェンテルミン、クロミプラミン、イミプラミン、イプリンドール、様々なアミノグリコシドおよびその他の陽イオン性両染性化合物が挙げられるがこれらに限定されない。)、デフェリオキサミン、dl−(p−トリフルオロメチルフェニル)イソプロピルアミン塩酸塩、フッ化物(例えばフッ化ナトリウム)、ヨウ素酸塩(非限定例としては、ヨウ素酸ナトリウムまたはカリウムが挙げられるがこれらに限定されない。)、ヨード酢酸、鉛、メタノールおよびギ酸、4,4’−メチレンジアニリン、N−メチル−N−ニトロスウレア(nitrosurea)、ナフタレン、ナフトール、ニトロアニリン(N−3−ピリジルメチル−N’−p−ニトロフェニルウレア/ニトロアニリン/ピリミニル)、有機リン酸エステル(非限定例としては、エチルチオメトン、フェンチオンおよびフェニトロチオンが挙げられるが限定されない。)、シュウ酸エステル(非限定例としては、シュウ酸ジブチルが挙げられるが限定されない。)、フェノチアジン(非限定例としては、ピペリジルクロロフェノチアジン、チオリダジンおよびクロルプロマジンが挙げられるが限定されない。)、キノリン(非限定例としては、クロロキンおよびヒドロキシクロロキンが挙げられるが限定されない。)、ストレプトゾトシン、タウリン欠乏、ウレタン、金属キレート剤により起こる亜鉛欠乏およびそれらの誘導体および変異体の1以上である。
いくつかの実施形態において、毒素はヨウ素酸塩である。いくつかの実施形態において,毒素は、ヨウ素酸ナトリウムまたはカリウムである。
いくつかの実施形態において、毒素は、眼組織の萎縮を誘導する。様々な実施形態において、萎縮は、壊死および/またはアポトーシスを含む。様々な実施形態において、壊死および/またはアポトーシスを含む萎縮は、RPE細胞のものである。いくつかの実施形態において、毒素は、オートファジーを低下させるかまたは変化させる。いくつかの実施形態において、毒素は、地図状萎縮および/または地図状萎縮の拡大を誘導する。いくつかの実施形態において、毒素は、上述の影響の1以上を誘導する。
いくつかの実施形態において、毒素は、1回または2回または3回投与される。いくつかの実施形態において、毒素は、1回または2回または3回または4回または5回投与される。いくつかの実施形態において、第2回目または第3回目または第4回目または第5回目の投与は、第1回目から約1日または1週間または1カ月以内である。
いくつかの実施形態において、投与される毒素は、本明細書中に記載の薬剤の1以上であり得る。様々な実施形態において、第二または第三または第四または第五の適用は、本明細書中で記載のような、および当技術分野で公知のような、オートファジー、細胞生存、細胞死、増殖、制御などの調節物質である。
別の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、(i)さらなる量の第一の毒素を動物に、および/または(ii)第二の毒素を動物に投与することを含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、眼組織萎縮のパッチまたは組織喪失のパッチの形成、成長または拡大の速度の低下を観察することをさらに含む。
様々な実施形態において、毒素の用量は当業者にとって公知である。例えば、適切な投与量は、およびこれらの間の全値範囲を含め、約0.1mg/kgから約100mg/対象体重kg、例えば約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、約0.9mg/kg、約1mg/kg、約1.1mg/kg、約1.2mg/kg、約1.3mg/kg、約1.4mg/kg、約1.5mg/kg、約1.6mg/kg、約1.7mg/kg、約1.8mg/kg、約1.9mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg、約80mg/kg、約85mg/kg、約90mg/kg、約95mg/kgまたは約100mg/体重kgの範囲であり得る。
ある実施形態において、毒素は、NaIOであり、その用量は、約50mg/体重kgである。ある実施形態において、毒素は、NaIOであり、その用量は、約45mg/体重kgである。ある実施形態において、毒素は、NaIOであり、その用量は、約30mg/体重kgである。
医薬的に許容可能な塩および賦形剤
本明細書中に記載の何れの薬剤も、医薬的に許容可能な塩を形成させるために、無機または有機塩基と反応し得る無機もしくは有機酸またはカルボキシル基と反応し得る十分に塩基性の官能基を保持し得る。医薬的に許容可能な酸付加塩は、当技術分野で周知であるように、医薬的に許容可能な酸から形成される。このような塩としては、その全体において参照により本明細書によって組み込まれる、Journal of Pharmaceutical Science,66,2−19(1977)およびThe Handbook of Pharmaceutical Salts;Properties,Selection,and Use.P.H.StahlおよびC.G.Wermuth(eds.),Verlag,Zurich(Switzerland)2002で列挙される医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
医薬的に許容可能な塩としては、非限定例として、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酸性酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファスルホン酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、o−アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン−2−安息香酸塩、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、α−ヒドロキシ酪酸塩、ブチン−1,4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,4−ジカルボン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ケイ皮酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、リンゴ酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、フタル酸塩、テラフタル酸塩(teraphthalate)、プロピオール酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、セバシン酸塩、スベリン酸塩、p−ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エチルスルホン酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、ナフタレン−1,5−スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩および酒石酸塩が挙げられる。
「医薬的に許容可能な塩」という用語は、酸性官能基、例えばカルボン酸官能基などおよび塩基を有する本発明の化合物の塩も指す。適切な塩基としては、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムおよびリチウムなどの水酸化物;アルカリ土類金属、例えばカルシウム及びマグネシウムなどの水酸化物;他の金属、例えばアルミニウム及び亜鉛などの水酸化物;アンモニアおよび有機アミン、例えば未置換またはヒドロキシ−置換モノ、ジまたはトリ−アルキルアミン、ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル、N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−またはトリス−(2−OH−低級アルキルアミン)、例えばモノ−;ビス−またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミンまたはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシル−低級アルキル)−アミン、例えばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンまたはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミンなど;N−メチル−D−グルカミン;およびアミノ酸、例えばアルギニン、リジンなどが挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本発明の薬剤は、その形態または医薬的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、医薬的に許容可能な塩はナトリウム塩である。いくつかの実施形態において、特に式Iの化合物のRが水素である場合、式Iの化合物は、医薬的に許容可能な塩の形態である。いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、ビンダリットの医薬的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、メトトレキサートは、その形態または医薬的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態において、メトトレキサートの医薬的に許容可能な塩はメトトレキサートナトリウムである。
さらに、医薬的に許容可能な担体またはビヒクルを含む組成物の成分として、本明細書中に記載の何らかの薬剤を対象に投与し得る。このような組成物は、的確な投与に対する形態を提供するために、場合によっては適切な量の医薬的に許容可能な賦形剤を含み得る。
医薬賦形剤は、液体、例えば水および、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えばピーナツ油、ダイズ油、鉱物油、ゴマ油などを含む、油である。医薬賦形剤は、塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプン糊、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などであり得る。さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤および着色剤を使用し得る。ある実施形態において、対象に投与される際、医薬的に許容可能な賦形剤は無菌である。本明細書中に記載の何らかの薬剤が静脈内投与される場合、水は有用な賦形剤である。塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液もまた、液体賦形剤、具体的には注射用溶液として使用され得る。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、胡粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなども挙げられる。本明細書中に記載の何れの薬剤も、必要に応じて、少量の湿潤または乳化剤またはpH緩衝剤も含み得る。
処方物、投与および投薬
本明細書中に記載の何れの薬剤も、溶液、懸濁液、乳液、眼内注射、硝子体内注射、局所点眼薬、結膜下注射、テノン嚢下注射、経強膜的処方物、錠剤、丸剤、ペレット剤、カプセル剤、液体、粉剤、持続放出処方物を含有するカプセル剤、座剤、乳液、エアロゾール剤、噴霧剤、懸濁液の形態または使用に適切な何らかの他の形態をとり得る。ある実施形態において、本組成物は、硝子体内注射(例えば、ILUVIENまたは類似の形態参照)または埋め込み(例えば、RETISERTまたは類似の形態参照)に適切である。ある実施形態において、本組成物は、カプセル剤の形態である(例えば、米国特許第5,698,155号参照)。適切な医薬賦形剤の他の例は、参照により本明細書中に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1447−1676(Alfonso R.Gennaro eds.,19th ed.1995)に記載されている。
ある実施形態において、本明細書中に記載の何れの薬剤も、例えば、硝子体内または眼内投与を含む眼投与用および/または静脈内投与のために処方される。一般的には、投与のための組成物は、無菌等張水性緩衝液を含む。必要な場合、本組成物はまた、可溶化剤も含み得る。また、本薬剤は、当技術分野で公知のような適切なビヒクルまたは送達装置とともに送達され得る。本明細書中で概説する併用療法薬は、1つの送達ビヒクルまたは送達装置中で同時送達され得る。投与のための組成物は、場合によっては、注射部位の疼痛を緩和するために、局所麻酔薬、例えばリグノカインなどを含み得る。
ある実施形態において、本明細書中に記載の何れの薬剤も、眼内投与に適している組成物として通常の手順に従い処方される。
ある実施形態において、本明細書中に記載の何れの薬剤も、ヒトへの経口投与に適している組成物として通常の手順に従い処方される。経口送達のための組成物は、例えば、錠剤、薬用キャンディー、水性または油性懸濁液、顆粒剤、粉剤、乳液、カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤の形態であり得る。経口投与される組成物は、医薬的に口当たりがよい製剤を提供するために、1以上の薬剤、例えば、甘味剤、例えばフルクトース、アスパルテームまたはサッカリンなど;香味剤、例えばペパーミント、ウィンターグリーン油またはチェリーなど;着色剤;および保存料を含み得る。さらに、錠剤または丸剤形態の場合、本組成物は、消化管における崩壊および吸収を遅延させるために被覆され得、それにより、長時間にわたる持続作用がもたらされる。本明細書中に記載の浸透圧的に活性があり推進する何らかの薬剤を取り巻く選択的透過性膜も、経口投与される組成物に適切である。これらの後者のプラットフォームにおいて、カプセルを取り巻く環境からの体液は、推進化合物により吸収され、この化合物が膨張して、開口部を通じて薬剤または薬剤組成物を移動させる。これらの送達プラットフォームは、すぐに放出される処方物のスパイク型のプロファイルとは逆に、基本的にゼロ次の送達プロファイルを提供し得る。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールなどの遅延物質も有用であり得る。経口組成物は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロースおよび炭酸マグネシウムなど、標準的な賦形剤を含み得る。ある実施形態において、賦形剤は医薬グレードのものである。
成分は、別個に、または、例えば、活性薬剤の量が示される、アンプル、プレフィルドシリンジまたはサシェなどの密封容器中の予混合溶液、凍結乾燥粉末または水不含濃縮物として単位剤形中で一緒に混合して供給され得る。本明細書中に記載の何れの薬剤も、硝子体内または眼内送達により投与されるべき場合、これは、例えば、プレフィルドシリンジまたは注射器で、または適切なシリンジへの引き抜き用のアンプル中に分注され得る。本明細書中に記載の何れかの薬剤が点滴により投与されるべき場合、例えば無菌医薬グレードの水または塩水を含有する点滴瓶に分注され得る。本明細書中に記載の何れかの薬剤が注射により投与されるべき場合、成分が投与前に混合され得るように、注射用の無菌水または塩水のアンプルが提供され得る。
本明細書中に記載の何れの薬剤も、制御放出または持続放出手段によって、または当業者にとって周知である送達装置によって、投与され得る。例としては、それぞれがその全体において参照により本明細書中に組み込まれる、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;同第4,008,719号;同第5,674,533号;同第5,059,595号;同第5,591,767号;同第5,120,548号;同第5,073,543号;同第5,639,476号;同第5,354,556号;および同第5,733,556号に記載のものが挙げられるがこれらに限定されない。このような剤形は、例えば、様々な割合で所望の放出プロファイルを提供するための、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、ゲル、透過性膜、浸透系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェアまたはそれらの組み合わせを用いた1以上の活性成分の制御または持続放出を提供するために有用であり得る。本明細書中に記載のものを含む当業者にとって公知の適切な制御または持続放出処方物は、本明細書中に記載の薬剤の活性成分との使用に対して容易に選択され得る。したがって、本発明は、制御または持続放出に適している錠剤、カプセル剤、ゲルカップおよびカプレットなどであるが限定されない、経口投与に適切な単位剤形を提供する。
活性成分の制御または持続放出は、pHの変化、温度の変化、適切な光の波長による刺激、濃度または酵素の利用可能性、濃度または水の利用可能性または他の物理学的条件または化合物を含むが限定されない様々な条件によって刺激され得る。
組成物は、従来からの混合、造粒、被覆または重合法それぞれに従い調製され得、本組成物は、ある実施形態において約0.1%から約99%;および別の実施形態において約1%から約70%重量または体積の本明細書中に記載の何らかの薬剤を含み得る。
別の実施形態において、本明細書中に記載の何れの薬剤も、別の薬剤と同時投与された場合、相乗的に作用し、このような薬剤が単剤療法として使用される場合に一般的に使用される用量よりも低い用量で投与される。
例えば、本明細書中に記載の何らかの薬剤の投与量ならびに投与計画は、処置されている失明性疾患、対象の全身健康状態および投与する医師の裁量を含むが限定されない様々なパラメーターに依存し得る。本明細書中に記載の何れの薬剤も、それを必要とする対象に、さらなる治療薬の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間前)、それと同時に、またはその後に(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間または12週間後)投与され得る。様々な実施形態において、本明細書中に記載の何れの薬剤も、1分空けて、10分空けて、30分空けて、1時間未満空けて、1時間空けて、1時間から2時間空けて、2時間から3時間空けて、3時間から4時間空けて、4時間から5時間空けて、5時間から6時間空けて、6時間から7時間空けて、7時間から8時間空けて、8時間から9時間空けて、9時間から10時間空けて、10時間から11時間空けて、11時間から12時間空けて、最長で24時間空けてまたは最長で48時間空けて投与される。ある実施形態において、式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩および1以上のさらなる治療薬を含む本発明の薬剤は、3時間以内に投与される。別の実施形態において、式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩および1以上のさらなる治療薬を含む本発明の薬剤は、1分から24時間空けて投与される。
単回投与量を生成させるために担体材料と混合される本明細書中に記載の何らかの薬剤の量は、処置されている対象および特定の投与方式に依存して変動し得る。最適投与量範囲の判定を促進するために、インビトロまたはインビボアッセイを使用し得る。
一般に、有用である用量は当業者にとって公知である。例えば、用量は、内容がその全体において参照により組み込まれる参考文献Physicians’ Desk Reference,66th Edition,PDR Network;2012 Edition(December 27,2011)を用いて決定され得る。
本明細書中に記載の何らかの薬剤の投与量は、状態の重症度、その状態が処置されるべきか、または予防されるべきか否か、および処置しようとする対象の年齢、体重および健康状態を含むいくつかの因子に依存し得る。さらに、特定の対象に関する薬理ゲノム学(治療薬の薬物動態、薬力学または効力プロファイルにおける遺伝子型の影響)情報は、使用される投与量に影響を与え得る。さらに、正確な個々の投与量は、投与されている具体的な薬剤の組み合わせ、投与時間、投与経路、処方物の性質、排泄速度、処置されている特定の失明性疾患、障害の重症度および障害の解剖学的位置を含む様々な因子に幾分依存して調整され得る。投与量の幾分かの変動が予想され得る。
いくつかの実施形態において、投与は、経口または静脈内でまたは眼内または眼周囲に、または眼の表面に対して行われる。
ヒトに対して眼に、例えば硝子体内に投与する場合、例えば、例えば式I、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩および/またはさらなる治療薬を含む本発明の薬剤の投与量は、通常、0.003mgから5.0mg/眼/投与または0.03mgから3.0mg/眼/投与または0.1mgから1.0mg/眼/投与である。ある実施形態において、投与量は、0.03mg、0.3mg、1.5mgまたは3.0mg/眼である。別の実施形態において、投与量は、0.5mg/眼である。投与量は、0.01mLから0.2mL投与/眼または0.03mLから0.15mL投与/眼または0.05mLから0.10mL投与/眼の範囲であり得る。ある実施形態において、投与は、少なくとも3カ月にわたり毎月400μgの化合物である。
一般に、哺乳動物に経口投与する場合、本明細書中に記載の何らかの薬剤の投与量は、0.001mg/kg/日から100mg/kg/日、0.01mg/kg/日から50mg/kg/日または0.1mg/kg/日から10mg/kg/日であり得る。ヒトに経口投与する場合、本明細書中に記載の何らかの薬剤の投与量は、一般に、0.001mgから1000mg/日、1mgから600mg/日または5mgから30mg/日である。ある実施形態において、経口投与量は600mg/日である。ある実施形態において、経口投与量は、300mg用量/日を2回である。別の実施形態において、経口投与量は、7.5mg/週から15mg/週である。
非経口注射による本明細書中に記載の何らかの薬剤の投与の場合、投与量は一般的に、0.1mgから250mg/日、1mgから20mg/日または3mgから5mg/日である。1日に最大4回まで、注射を行い得る。一般に、経口または非経口投与される場合、本明細書中に記載の何らかの薬剤の投与量は、一般的に、0.1mgから1500mg/日または0.5mgから10mg/日または0.5mgから5mg/日である。最大3000mg/日までの投与量が投与され得る。
いくつかの実施形態において、1以上の本明細書中に記載の何らかの薬剤を眼に投与することが所望され得る。投与は、非限定例として、眼内、硝子体内、局所(点眼剤および軟膏を含むが限定されない。)、結膜下、テノン嚢下、経強膜的,脈絡膜上、網膜下およびイオン導入法を介したものであり得る。
他の投与経路、例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、鼻腔内、脳内、膣内、経皮、直腸、吸入による、または局所に、など、特に耳、鼻、眼または皮膚への経路も使用され得る。
投与方式は、施術者の裁量に委ねられ得、医学的状態の部位に一部依存する。殆どの例において、投与の結果、本明細書中に記載の何らかの薬剤が血流に放出される。
本明細書中に記載の何れの薬剤も経口投与され得る。このような薬剤は、何らかの他の従来からの経路によって、例えば、静脈内点滴またはボーラス注射によって、上皮または皮膚粘膜の裏打ち(例えば、口腔粘膜、直腸および小腸粘膜など)を通じた吸収によっても投与され得、別の生物学的活性薬剤と一緒に投与され得る。投与は全身的または局所的であり得る。例えばリポソーム、微粒子、マイクロカプセル剤、カプセル剤での封入など、様々な送達系が知られており、投与するために使用され得る。
投与のさらなる方法としては、眼内、硝子体内、眼の局所(点眼剤、軟膏および挿入物を含むが限定されない。)、結膜下、テノン嚢下、脈絡膜上、経強膜的、経皮、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、鼻腔内、脳内、膣内、経皮、直腸的、吸入による、または局所的、特に耳、鼻、目または皮膚に対するものが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の何らかの薬剤の複数を眼に投与する。投与は、非限定例として、眼内、硝子体内、局所(点眼剤および軟膏を含むが限定されない。)、結膜下、テノン嚢下、経強膜的およびイオン導入法であり得る。投与方式は、施術者の裁量に委ねられ得、一部、医学的状態の部位に依存する。殆どの例において、投与の結果、血流に放出される。
具体的な実施形態において、処置が必要な領域に局所的に投与することが所望される得る。
別の実施形態において、送達は、小胞、特にリポソーム中であり得る(Langer,1990,Science 249:1527−1533;Treatら、Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−Berestein and Fidler(eds.),Liss,New York,pp.353−365(1989))。また別の実施形態において、送達は制御放出系であり得る。ある実施形態において、遅延放出眼内装置を使用し得る。いくつかの実施形態において、この装置は、局所的に送達される分解性または非分解性液体、ゲル、ポリマーなどからなる。
別の実施形態において、ポリマー性材料を使用し得る(Medical Applications of Controlled Release,LangerおよびWise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Florida(1974);Controlled Drug Bioavailability,Drug Producuct Design and Performance,Smolen and Ball(eds.),Wiley,New York(1984);Ranger and Peppas,1983,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61;Levyら、1985,Science 228:190;Duringら、1989,Ann.Neurol.25:351;Howardら、1989,J.Neurosurg.71:105も参照)。別の実施形態において、処置しようとする標的領域、例えば網膜、の近接部に制御放出系を設置し得、したがって必要であるのは全身性用量の一部のみである(例えば、Goodson,Medical Applications of Controlled Release,前出、vol.2,pp.115−138(1984)参照)。Langer,1990,Science 249:1527−1533)による概説で論じられる他の制御放出系を使用し得る。
本明細書中に記載の何らかの薬剤の投与は、独立に、1日1回から4回または1カ月に1回から4回または1年に1回から6回または2、3、4または5年ごとに1回であり得る。投与は、1日または1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、1年間、2年間、3年間の期間にわたり得、対象の生涯にもわたり得る。慢性的な長期投与は多くの症例において適応とされる。投与量は、単回用量としてまたは複数回に分割して投与され得る。一般に、長期にわたり、通常は少なくとも数週間または数ヶ月、設定間隔で所望の投与量を投与すべきであるが、数カ月または数年以上の長期投与が必要であり得る。
対象のタイプ、人種、年齢、体重、性別および医学的状態、処置しようとする状態の重症度、投与経路;対象の腎臓または肝臓機能;個体の薬理ゲノム学的性質;および使用される本発明の具体的な化合物を含む様々な因子に従い、本明細書中に記載の何らかの薬剤を利用する投与量計画を選択し得る。単回1日用量で本明細書中に記載の何らかの薬剤を投与してもよいし、または総1日投与量を1日2、3または4回の分割用量で投与してもよい。さらに、投与計画を通じて間欠的ではなく連続的に本明細書中に記載の何らかの薬剤を投与し得る。
処置方法
様々な態様において、本発明は、乾性AMDおよび/またはRPDを処置または予防するための方法を提供する。これらの態様において、「本発明の薬剤」は、単剤療法および併用療法(例えばさらなる治療薬として)の両方に有用な化合物を含む。一般に、単剤療法は、式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩の使用を含み、一方で、併用療法は、抗VEGF剤、ACE阻害剤、PPAR−γアゴニスト、レニン阻害剤、ステロイド、オートファジーを調節する薬剤 PPARγ調節物質、セマピモド、MIF阻害剤、CCR2阻害剤、CKR−2B、2−チオミダゾール、CAS445479−97−0、CCX140、クロドロネート、クロドネート(clodonate)−リポソーム製剤または塩化ガドリニウムの1以上を含むさらなる治療薬と併用して、式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩を含む。
本明細書中で開示される処置の何れかの評価は、非限定例として、cSLO、FAF、OCT(断面、三次元および正面視野によるものを含む。)、SD−OCT(断面、三次元および正面視野による。)または蛍光の他の波長(例えば青色光、白色光、無赤色、近赤外または赤外を含め、青色から赤外、例えば、390nmから1mmの範囲の波長)を含む他のイメージングモダリティを含む光学的イメージングを含み得る。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、対象において偽ドルーゼンの量を減少させ、および/または対象の眼の中心窩領域、周中心窩領域、傍中心窩領域および外中心窩の何れか1つにおいて偽ドルーゼンの量を減少させることをを含む。他の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、脈絡膜血管新生または地図状萎縮の何れかである後期疾患への進行速度を低下させることを含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、地図状萎縮の拡大速度を低下させることを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の処置方法は、乾性AMDおよび/またはRPDの、処置、予防または発症速度の低下を含む。
化合物評価方法
いくつかの態様において、本発明は、候補化合物が失明性疾患の処置に有用であるか否かを判定するための方法であって、(a)眼が、(i)動物において失明性疾患の存在を示すのに有効な量の蛍光化合物および(ii)眼組織の萎縮を誘導するのに有効な量の毒素を含む動物に有効量の試験化合物を投与することと;(b)蛍光化合物に蛍光を生じさせるのに有効な波長および強度を有する光に眼を曝露することと;(c)その眼の蛍光パターンを、蛍光化合物および毒素を含むが試験化合物を含まない動物の眼の蛍光パターンと比較することと;(d)段階(c)の比較の結果が、試験化合物が失明性疾患の処置に有用であることを示す場合、試験化合物を候補化合物として選択することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、段階(b)は、蛍光化合物の投与と同時に行われるかまたは蛍光化合物の投与後に行われるにせよ、蛍光化合物に蛍光を生じさせるのに有効な波長および強度を有する光に眼を曝露することを含む。
他の実施形態において、比較は、試験化合物を投与から、少なくとも約24時間または少なくとも約7日または少なくとも約30日または少なくとも60日または少なくとも90日後に行う。他の実施形態において、比較は、少なくとも約2カ月または約3カ月または約4カ月または約5カ月または最長約6カ月で行う。いくつかの実施形態において、比較は、有効量の試験化合物の投与前および投与後の、同じ動物の眼の観察を含む。いくつかの実施形態において、比較は、異なる条件下(例えば、有効量の試験化合物の投与を行うかまたは行わない。)での異なる動物の眼の観察を含む。
さらに他の実施形態において、本方法は、試験化合物を投与する前に眼を観察する段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、この観察は、眼の1以上の投与前の特徴を確立する。
いくつかの実施形態において、比較および/または観察は、2つの異なる条件の間(例えば、有効量の試験化合物の投与を行うかまたは行わない。)で、非限定例として、例えば、cSLO、FAF、OCT(切断面、三次元および正面視野によるものを含む。)、SD−OCT(断面、三次元および正面視野による)または蛍光の他の波長を含む他のイメージングモダリティ(例えば青色光、白色光、無赤色、近赤外または赤外を含め、例えば青色から赤外、例えば390nmから1mmの範囲の波長)を含め、光学的イメージングを評価することを含む。
いくつかの実施形態において、化合物は、それが、失明性疾患の病態の、処置、予防または速度の低下を提供する場合、失明性疾患の処置に有用である。
また別の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、試験化合物を投与する前に蛍光化合物を投与することを含む。さらに別の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、(i)さらなる量の蛍光化合物を動物に、または(ii)第二の蛍光化合物を動物に投与することを含まない。
他の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、試験化合物を投与する前に前記毒素を投与することおよび/または蛍光化合物を投与する前に毒素を投与することを含む。
他の実施形態において、複数の候補化合物が同定される。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、失明性疾患の処置における複数の候補化合物の有用性を比較し、この比較に基づいてリード化合物を選択することをさらに含む。いくつかの実施形態において、リード化合物は、複数の候補化合物の中でも好ましい化合物である。
いくつかの実施形態において、比較は、2つの異なる条件の間の(例えば第一の候補化合物対第二の候補化合物によるもの)で、非限定例としてcSLO、FAF、OCT(断面、三次元および正面視野によるものを含む。)、SD−OCT(断面、三次元および正面視野による)または蛍光の他の波長(例えば、青色光、白色光、無赤色、近赤外または赤外を含め、例えば青色から赤外、例えば390nmから1mmの範囲の波長)を含む他のイメージングモダリティを含め、光学的イメージングを評価することを含む。2を超える候補化合物を比較し得る。
診断および予測方法
いくつかの態様において、本発明は、失明性疾患を有し、薬剤での処置におそらく反応するであろう対象を特定するための方法であって、対象の眼が、無病状態と比べた、眼の脈絡膜と網膜との間の上皮バリアにまたがる透過性の(一過性の上昇を含む)上昇を有するかまたは以前そうであったか否かを判定することを含み、透過性の上昇が、対象が薬剤での処置におそらく反応するであろうことを示し;薬剤が、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩またはおよび(本明細書中で記載のような)式Iの化合物または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)から選択される、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、薬剤による処置におそらく反応性があるであろう失明性疾患対象を特定するための方法であって、対象の眼が、無病状態と比べてRPEにわたる(および/または網膜内層からの)食作用性免疫細胞の存在(例えば流入)を有するか否かを判定することを含み、食作用性免疫細胞の存在が、対象が薬剤での処置におそらく反応するであろうことを示し;薬剤が、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩またはおよび(本明細書中で記載のような)式Iの化合物または医薬的に許容可能なその塩(式中、RおよびRのそれぞれは、独立にHまたはC−Cアルキルであり、Rは、HまたはC−Cアルキルである。)から選択される、方法を提供する。
別の態様において、本発明は、対象での失明性疾患が、対象の免疫細胞の機能を阻害する薬剤での処置に反応性があるか否かを判定するための方法であって、対象の眼における免疫細胞の存在を検出するか、存在しないことを検出するか、またはその量を測定することを含み、対象の眼が、約600nmから約900nmまたは約400nmから約900nmまたは約400から約1600nmの波長を有する光に反応して蛍光を発する、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、有効量の蛍光化合物を対象に投与することを含み、検出または測定は、蛍光化合物の投与から少なくとも1日後に行われる。いくつかの実施形態において、検出または測定は、有効量の蛍光化合物を対象に投与してから少なくとも1日後に行われる。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、対象での失明性疾患が、対象の免疫細胞の機能を阻害する薬剤での処置に反応性があるか否かを判定するために、DNIRAを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、対象の眼においてFAFを検出または測定する段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、対象の眼における免疫細胞の有無または量に対してFAFパターンを相関させる段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、FAFデータとDNIRAデータとの間で相関させることを含む。いくつかの実施形態において、相関させることは、FAFにおいて観察される空間パターンおよび約600nmから約900nmまたは約400nmから約900nmまたは約400から約1600nmの波長を有する光に反応した対象の眼の蛍光に対するものである。
いくつかの実施形態において、超蛍光FAFの領域またはFAFの異常パターンは、低蛍光または超蛍光であり得る異常DNIRAの領域と空間的に一致し得る。異常FAFまたは超蛍光FAFは、疾患活性領域と一致し、萎縮領域を予測し得るので、理論により縛られることを望むものではないが、DNIRAがRPEを標識し、空間的に超蛍光FAFまたは異常FAFと一致する実施形態において、色素(例えばICG)を取り込む食作用性RPE細胞は、異常な量のリポフスチンまたはリポフスチン様物質を有する。さらに、理論により縛られることを望むものではないが、DNIRAが免疫細胞(例えば食作用性免疫細胞または自然免疫系の細胞)を標識し、空間的に超蛍光FAFまたは異常FAFと一致する実施形態において、色素(例えばICG)を取り込む食作用性免疫細胞は、異常な量のリポフスチン様物質のリポフスチンを有し、および/または異常な量のリポフスチンまたはリポフスチン様物質を有する細胞と一致する。したがって、いくつかの実施形態において、異常FAFと異常DNIRAとの共局在は、治療に対する細胞標的を特定し得る。このような共局在は、いくつかの実施形態において、疾患の動物モデルおよび患者の両方において、疾患進行を抑え、遅延させ、予防するための、免疫系標的能を提供する。
いくつかの実施形態において、検出または測定は、蛍光化合物の投与から約1日または約7日後に、または約30日後に行われる。他の実施形態において、比較は、少なくとも約2カ月または約3カ月または約4カ月または約5カ月でまたは最長約6カ月で行われる。いくつかの実施形態において、比較は、有効量の試験化合物の投与前後の同じ動物の眼の観察を含む。いくつかの実施形態において、比較は、異なる条件下(例えば有効量の試験化合物の投与を行うかまたは行わない。)の異なる動物の眼の観察を含む。
いくつかの実施形態において、比較は、2つの異なる条件(例えば有効量の試験化合物の投与を行うかまたは行わない。)間で、非限定例としてcSLO、FAF、OCT(断面、三次元および正面視野によるものを含む。)、SD−OCT(断面、三次元および正面視野による)または蛍光の他の波長(例えば、青色光、白色光、無赤色、近赤外または赤外を含む、例えば青色から赤外、例えば390nmから1mmの範囲の波長)を含む他のイメージングモダリティを含む光学的イメージングを評価することを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の方法は、(a)さらなる量の蛍光化合物または(b)第二の蛍光化合物を投与することをさらに含まない。
対象および/または動物
いくつかの実施形態において、対象および/または動物は、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ウサギ、ヒツジまたは非ヒト霊長類、例えばサル、チンパンジーまたはヒヒである。他の実施形態において、対象および/または動物は、非哺乳動物、例えばゼブラフィッシュなどである。いくつかの実施形態において、対象および/または動物は、(例えばGFPによる)蛍光タグ付加細胞を含み得る。いくつかの実施形態において、対象および/または動物は、例えばRPE細胞および/または免疫細胞などの蛍光細胞を含むトランスジェニック動物である。いくつかの実施形態において、対象および/または動物はヒトである。いくつかの実施形態において、ヒトは小児である。他の実施形態において、ヒトは成人である。他の実施形態において、ヒトは高齢者である。他の実施形態において、ヒトは患者と呼ばれ得る。
ある一定の実施形態において、ヒトは、約0から約6カ月齢、約6から約12カ月齢、約6から約18カ月齢、約18から約36カ月齢、約1から約5歳、約5から約10歳、約10から約15歳、約15から約20歳、約20から約25歳、約25から約30歳、約30から約35歳、約35から約40歳、約40から約45歳、約45から約50歳、約50から約55歳、約55から約60歳、約60から約65歳、約65から約70歳、約70から約75歳、約75から約80歳、約80から約85歳、約85から約90歳、約90から約95歳または約95から約100歳の範囲の年齢である。
他の実施形態において、対象は、非ヒト動物であり、したがって、本発明は、獣医学的使用に関する。具体的な実施形態において、非ヒト動物は、家庭で飼育されるペットである。別の具体的な実施形態において、非ヒト動物は家畜動物である。
様々な実施形態において、対象のおよび/または動物の眼は、(i)対象および/または動物において失明性疾患の存在を示すのに有効な量の蛍光化合物および(ii)眼組織の萎縮を誘導するのに有効な量の毒素を含む。いくつかの実施形態において、このような対象および/または動物に本発明の薬剤を投与するか、または本発明の薬剤を投与しない。
様々な実施形態において、RPEおよび免疫細胞を評価し、および/または影響が及ぼされる。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、対象のおよび/または動物の自然免疫系の細胞を含む。いくつかの実施形態において、このような細胞としては、マクロファージ、単球およびミクログリア細胞が挙げられるがこれらに限定されない。様々な実施形態において、本発明は、対象のおよび/または動物の眼において、免疫細胞の存在を検出すること、存在しないことを検出すること、またはその量を測定することを提供する。
キット
本発明は、本明細書中に記載の何らかの薬剤の投与を簡素化し得るキットを提供する。本発明の代表的なキットは、単位剤形中に本明細書中に記載の何らかの薬剤を含む。ある実施形態において、単位剤形は、本明細書中に記載の何らかの薬剤および医薬的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはビヒクルを含有する、無菌であり得るプレフィルドシリンジなどの容器である。本キットは、本明細書中に記載の何らかの薬剤の使用を指示するラベルまたは印刷された説明書をさらに含み得る。本キットはまた、開瞼器、局所麻酔薬および眼表面のための清浄剤も含み得る。本キットはまた、本明細書中に記載の1以上のさらなる薬剤もさらに含み得る。
ある実施形態において、本キットは、例えば、式Iの化合物、メトトレキサートまたは医薬的に許容可能なその塩を含む有効量の本発明の薬剤および、有効量の別の治療薬、例えば本明細書中に記載のものなど、を含有する容器を含む。
次の非限定実施例により、本発明をさらに説明する。
(実施例)
(実施例1):RPE毒素、NaIOの全身注射は、AMDおよび/またはRPDと類似の複雑なFAFのパターンを誘導する。
RPE毒素、ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)は、地図状萎縮(GA)と類似のラットの眼におけるRPEおよび低蛍光DNIRAのパッチ状の喪失を生じさせた。このモデルは、RPE萎縮を発現しただけでなく、進行性の乾性AMD、RPDおよび拡散トリックリング(diffuse trickling)型の乾性AMDと最も密接に類似している、進行性の臨床的疾患と関連する複雑なFAFパターンを正確に再現した。
材料:ICG(Cardiogreen)、ヨウ素酸ナトリウム、ハリスヘマトキシリンおよびエオシンは、Sigma−Aldrich(Oakville,ON,Canada)から入手した。5%フェニレフリン塩酸塩溶液中のトロピカミド、0.8%(Diophenyl−T)は、Sandoz Canada Inc(Boucherville,QC,Canada)からのものであり、GenTeal潤滑点眼剤は、Novartis Pharmaceuticals Canada Inc(Dorval,QC,Canada)からのものであった。パラホルムアルデヒド、リン酸緩衝液塩水(PBS)中32%は、Electron Microscopy Sciences(Hatfield,PA)からのものであった。マウス抗ラットCD68抗体は、AbD Serotec(Oxford,UK)から、マウスIgGは、Santa Cruz Biotechnology(Santa Cruz,CA,USA)からのものであった。ウサギ抗Iba−1は、Wako Pure Chemical Industries Ltd(Osaka,Japan)からのものであった。Alexa−標識蛍光ヤギ抗マウス二次抗体、イソレクチンIB複合物およびTO−PRO−3核酸染色は、Invitrogen(Camarillo,CA,USA)からのものであった。Dako蛍光封入剤は、Dako North America(Burlington,ON,Canada)からのものであった。
動物手順:Canadian Council on Animal Careに従い、ARVO Statement for the Use of Animals in Ophthalmic and Vision Researchに準拠して、全手順を行った。全実験に対して、12時間の暗/光サイクルで、自由摂餌および摂水で、6から10週齢のSprague Dawley(SD)ラットを維持した。評価については、ケタミン(100mg/kg)およびキシラジン(10mg/kg)でラットに麻酔をかけ、Diophenyl−Tで瞳孔を拡張させた。GenTeal潤滑点眼剤を用いて眼を適切な状態にした。1回のイメージング期間後または連続イメージング後の何れかに、T61(Intervet Canada,Whitby,Canada)の心腔内注射によって動物を安楽死させた。
0.9%塩化ナトリウム中で実験の各セットに対してヨウ素酸ナトリウム(45%溶液)を新たに調製し、45mg/kg体重の最終濃度になるように注射した。全部で192個の眼を評価した。
市販の共焦点走査レーザー検眼鏡(cSLO,Spectralis,Heidelberg Retinal Angiography,HRA−II;Heidelberg Engineering GmbH,Germany)およびEye Explorer Image Capture system,version 1.1.10を用いて眼底画像撮影を行った。無赤色(RF、緑優位)イメージングに対するバリアフィルターなしで、フルオレセイン血管造影用の500nmバリアフィルターを用いて、ICG血管造影用の795/810nm励起/放射で、赤外線反射率イメージング用の830nmレーザーを用いて、488nm励起波長で画像を捕捉した。
488nmFAFを評価するために、フルオレセイン色素なしでcSLOイメージングを行った。ベースラインで、または各試験中の何れの時間にも、フルオレセインを与えなかった。脈管構造を同時に画像化し、FAF画像分析に対する目印を提供することが必要であった場合、尾静脈を介して2または5mg/kgで、予め挿入た23ゲージの尾静脈カテーテルにICGを注射した。少数の明確に示された状況、例えばモデルの最初の特徴評価などにおいて、フルオレセインデキストラン(200kD)を静脈内に入れた。フルオレセイン血管造影を用いたこれらの後者の研究からの結果は一部の動物において行われ、FAF分析には含めなかった。
ベースライン(第0日、すなわち全身性NaIO注射前)で、およびNaIO後、第3または4日(3/4)、第7または8日(7/8)および第13または14日(13/14)に、眼底画像を通常通り得た。さらに、モデルの最初の特徴評価に対して、21から28日に、および最長で88日(3カ月)に、NaIO後24時間で画像を獲得した。可能であれば、次の順序:視神経頭、上右、右、下右、下側、下左、左、上左および上部視野で、少なくとも9画像からなる合成画像を撮影した。いくつかの場合において、必要に応じて、一般的にはcSLOに対して動物を再配置することによって、より末梢で画像の第二または第三の完全または部分的な環状画像を得た。一方、完全な9画像を撮影できなかった他の場合では、部分合成画像を作製した。
高解像度スペクトルドメインOCT画像を得た(Envisu R2200 VHR Animal SDOIS System,Bioptogen,USA)。網膜レベルでおよそ2.8μmの方位分解能で36,000/秒の速度でスキャンを獲得した。
組織分析:ダビッドソン固定液による固定後、当技術分野で公知のように、パラフィン−包埋組織のヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)組織学を行った。Nikon Upright E800顕微鏡でパラフィン−包埋切片を見た。脱パラフィン処理および再水和手順は、H&E組織処理の場合のように行った。
免疫組織化学の場合、室温でTBS中5%BSA中で切片をブロッキング処理し、穏やかに振盪させながら抗CD68抗体とともに4℃で一晩温置した。リンスした後、二次抗体とともに室温で2時間、試料を温置し、再び洗浄した。陰性対照の場合、一次抗体として等価な最大モル濃度でコグネイトIgGを使用した。TO−PRO−3で核を対比染色した。
共焦点および蛍光顕微鏡:TCS SL共焦点蛍光顕微鏡(Leica Microsystems,GmbH,Wetzlar,Germany)を用いて画像を獲得し、画像を捕捉し、Leica共焦点ソフトウェアを用いて分析した。488nm波長光下で細胞の自発蛍光シグナルを見るために、直立落射蛍光顕微鏡(Olympus BX50)も使用した。Imarisソフトウェアバージョン7.4.2(Bitplane)を用いて、共焦点連続z−切片の3D再構成を行った。
正常Sprague Dawleyラットの眼のインビボでのFAFおよび血管造影イメージングから、RPE蛍光を阻止するので暗く見える放射状に配列した網膜血管によって、およびRPEがない視神経頭(ONH)の中央の低蛍光環によって遮られる、かすかな均一のすりガラス様の輝きが生じた(図1)。全身性NaIO注射から3日後、超蛍光境界がある、イソ−または僅かに超蛍光のFAF領域が1つ出現し、孤立した島状部、扇形部または360°環の形態をとった(図1)。島状部または扇形部は、一貫してONHに対して下側または下側半網膜に位置する(図1)。360°環が存在する場合、これは、一般的には眼底の大部分を包含し、一方の境界がONHに隣接し、取り囲み、他方が中間部から遠位網膜外縁にある。大きな360°環は、最も多く観察される形態であり、ヨウ素酸ナトリウムで処置した眼の102/110(93%)で起こる(図2)。全例において、島状部、扇形部または環はONHに接近したが、ONHとは接触はしなかった(図1から3)。160を超える眼において、これらおよび次の観察を確認した。
NaIO注射からおよそ4から5日後に始まり、島状部、扇形部または環内で、超/低蛍光が交互になったFAFの顕著な網状または曲線状パターンが出現した(図1)。第7日までに、このパターンが顕著になった。小さな病変において、これは島状部/または扇状部に完全に広がり、急速に現れた。大きな360°環において、これは最初、近位および遠位境界で著しく、次の週にわたり現れ続け、これによりその曲線状成分が、部分的ループ、卵円状、環状、ロゼット型および波形状または「足跡型」のFAFパターンに寄与するようになった(図2)。一部の領域において、曲線状、円形または卵円状形態が癒合し、周囲の領域より暗く見え、均一に暗灰色の低蛍光FAFパッチに見えた。時間とともに、超蛍光網状パターンがインシトゥで成熟し、より顆粒状になり、滑らかさが少ない曲線となった(図2)。しかし、最後の分析時間点である20週という後期の場合でさえも、境界はその超蛍光網状パターンを保ち、網膜外縁に対して僅かに進み続けた。
一部の動物で行ったフルオレセイン血管造影から、網状パターンが、網膜または脈絡膜脈管構造とは一致しないことが確認された(なお、488nm色素であるフルオレセイン−デキストランは、指示がない限り、FAFイメージングが行われた動物には与えなかった。)(図1)。しかし、ICG血管造影により、NaIOからおよそ2から3日後に、RPEおよびBMにわたり脈絡網膜接触面で生じる透過性の変化が明らかとなったが、これは、FAFの環の島状部、扇形部の出現と空間的にも時間的にも一致する(図1)。この透過性の上昇は一過性であり、第7日までに解消され、次の時間点では通常通り評価された。網膜血管は漏出しなかった。NaIOモデルにおいて、H&E染色から、体液の網膜下腔への蓄積が確認される。これは、インビボでの超高解像度OCTによっても観察された。
インビボで観察されるFAFパターンの病理学的相関を調べるために、白色光下で、蛍光IHC標識なしで、インビボイメージングに対して使用した同じ波長である488nmで落射蛍光顕微鏡によって、低拡大率で切除網膜ホールマウントを観察した。その後の組織分析に依存して、この目的のために2台の顕微鏡:狭い励起/放射枠(488/520nm)の落射蛍光装置および水銀アークランプおよび450から490nmバンドでの励起後に515nmより長い蛍光を与える、(帯域ではなく)ロングパスフィルターを備えた共焦点顕微鏡の倒立Leica DM IRE2観察システムを使用した。白色光下で、正常ラット網膜は、技術的問題による幾分かの変形があるが、全体的に非常に均一に見える。(図3A)。一方、NaIO注射から7日後に得た試料では、微妙な灰白色の細い網状パターンが見られる。第14日までに、このパターンがより明らかになり、網膜の切り口で最もよく示される小さな網膜外層の襞と一致することが分かる(図3B)。488nm蛍光下で見ると、この同じ曲線状パターンが明らかとなる。注射から7日後までに明らかになるが、自発蛍光の増強により、第14日までにこのパターンがより見やすくなる(図3C)。より高拡大率の落射蛍光顕微鏡を用いて、このレース状の曲線状パターンが、網膜外層の溝または襞と一直線になっているように見える自発蛍光細胞の空間的分布と一致することが明らかになった(図3)。
図4は、NaIOモデルにおける組織所見とのRPDの臨床的特性の比較を示す。RPDの患者の臨床的OCTイメージング(網膜下腔において基底下方ピラミッド型構造を示す。)に加えて、カラーおよび無赤色眼底画像を得た(図4)。無赤色画像から、RPDの個々の偽ドルーゼンを構成する小さな暗いスポットが示された(図4A、最上部の画像)。これらは、暗灰色オーバーレイを用いて特定される。発明者らは、さらに、いわゆる、RPDの特徴である「標的病変」の存在を、円で囲み、強調する。これらは、中央部がより明るい、暗いスポットに見える。平行して、偽着色し、白黒画像、−「ポジ」および「ネガ」の両方−として与える場合、標的様病変およびRPDの光輪と正の相関があると思われる、正面および断面の両方での折り畳まれたラット網膜外層の概略図。まとめると、これらのデータから、2Dで正面で見た、中央部が暗いレース状または網状パターンの円、光輪および標的病変内の暗い偽ドルーゼンの2Dパターンは、3Dで用量分析的に検討した場合の、隆起環およびクレーターと対応することが示唆される。偽ドルーゼン間マトリクスは、断面にした場合にOCTによりピラミッド状またはスパイク状に見えるリボン状の持続性の網膜下炎症からなる。これらの構造間の失われた網膜外層は暗く見える。これにより、OCTで定められる偽ドルーゼンがRPDの暗いパッチに隣接すると判別される。理論により縛られることを望むものではないが、この網膜の構造変形との相関によって、いくつかのイメージングモダリティにおいてなぜRPDが視覚化され得、シグナルがフルオロフォア依存性であった場合に起こるであろうように、488nmなどの特定の波長のみに限定されないかがさらに説明される。
(実施例2):全身性ICG投与後のラットの眼のDNIRAによって、インビボで網膜色素上皮(RPE)層が特定される。
全身注射後、近赤外線色素であるICGがRPE/網膜外層を標識し得るので、RPEおよびRPE萎縮の検出を促進し得ることが明らかにされる。ICG励起/放射フィルターを用いてDNIRAにおいて観察される変化は、RPE/網膜外層の喪失の領域を特定するために、疾患のモデルにおいてFAFの代わりに有用である。
0.35および5.0mg/kgの用量で46匹のSprague Dawleyラットにおいて、ICG色素またはPBSを全身的に注射し、注射前に、その後、第2、7および21日に、しかるべき位置で795/810nm励起/放射フィルター付きの共焦点走査レーザー検眼鏡(cSLO)を用いてインビボで眼底を評価した。毒性の可能性を評価するために網膜電図写真(ERG)を行った。一部の動物において、RPE損傷または喪失を誘導するために、RPE毒素を注射した。
具体的には、動物実験の場合、眼の研究における動物の人道的使用のためのAssociation for Research in Vision & Ophthalmology(ARVO)ガイドラインに従って、およびSt.Michael’s Hospital Animal Care Committeeガイドラインに従って、動物を扱った。12時間の暗/光サイクルで、自由摂餌および摂水で、体重200から300gの6から10週齢の46匹のSprague Dawley(SD)ラットを維持した。ケタミン(100mg/kg)およびキシラジン(10mg/kg)の組み合わせで動物を麻酔し、5%フェニレフリン塩酸塩溶液中0.8%トロピカミド(Diophenyl−T,Sandoz Canada Inc)1滴で瞳孔を拡張させた。全手順中、角膜表面にGenTeal潤滑点眼剤(Novartis,Canada)を繰り返し適用した。
CSLO:市販のcSLO(Heidelberg Retinal Angiography,HRA−2,Heidelberg Engineering,Germany)を用いてインビボ画像を獲得した。無赤色、FAF(488/500nm励起/放射)、NIRチャネル(830nm)およびICGチャネル(795/810nm励起/放射)で画像を得た。
ICGおよびフルオレセイン血管造影:実験前に、5.0mg/mLの最終保存濃度になるように、ICG色素(Cardiogreen,Sigma,Cat#12633)を新たに調製した。尾静脈に23ゲージカテーテルを挿入し、0.35または5.0mg/kgの用量でICG色素を注入した。注射前(ベースライン)、色素循環中およびその後20分間までの様々な間隔で画像を撮影した。一部の動物において、5.0mg/kgの最終用量とするために、尾静脈カテーテルを介してIVで5.0mg/mLでフルオレセイン−デキストラン(200kD)(Sigma,Cat#FD2000S)溶液を注射した。一部の動物のみにおいて、ICGおよびフルオレセイン血管造影を同時にを行い、そうでないものではフルオレセインを注射しなかった。それぞれ488/500nmおよび795/810nmの励起および放射フィルターを用いてフルオレセインおよびICGチャネルにおいて、血管造影画像を得た。対照動物にはPBSを与えた。
DNIRA:ICG血管造影設定を用いて、すなわち励起/放射フィルターを用いたが、血管造影から24時間、48時間、3日、7日、21日および28日後に色素の再注射を行わず、ICG注射後、数日および数週間でDNIRA画像を得た。本研究の時間経過中、再び血管造影を行わなかった。
毒素投与:一部の動物(n=7)において、45mg/kg体重の投与量で、尾静脈に挿入された23Gカテーテルを介してRPE毒素NaIO(Sigma,cat#424064)を全身的に注射した。これらの動物において、NaIO注射直前に0.35mg/kgでのICG血管造影を行った。ICGおよびNaIO注射から7日後にDNIRAを行った。
網膜電図写真(ERG):Espion(DiagnosysLLC,USA)mini−Ganzfeld ERGシステムを用いて、ICGまたはPBSを投与した動物を評価した。麻酔後、電気的にサイレントな加温パッド上に動物を置き、GenTeal潤滑点眼剤の適用後、金コイル電極を角膜表面上に置いた。短い一連の薄暗いフラッシュ(0.01カンデラs/m、1.0Hz)後、既に発明者らが一貫して最長b−波振幅に近い反応を生じさせると判断した明るいフラッシュ(3カンデラ s/m)を1回用いて暗順応b−波振幅を評価した。ベースライン(注射前)に対して注射後振幅を比較するために、スチューデントt検定を使用した。
統計学的分析は、ANCOVA回帰分析を使用した。
正常なSprague Dawleyラットの眼において代表的なベースライン(ICG前)cSLO所見(図5)を示し、全実験に対してPBS処置動物(図6A)を正常対照とした。無赤色(すなわち緑優性)イメージングにより、視神経頭(ONH)および網膜の放射状血管が特定された(図5A)。NIRチャネル(830nm)においてより長い波長で低レベルの内因性シグナルも見られ、より深い光浸透ゆえに生じるより深い脈絡膜血管のいくつかのポテンシャルイメージングとともに、ONHおよび脈管構造の類似の画像が提供された(図5B)。ヒトでの研究と一致して、FAFは、細かい部分が欠け、放射状網膜血管により不明瞭となり、ONHでは存在しないかすかなすりガラス様の輝きに見えた(図5C)。しかし、この拡散した輝きは非常に微かである。
一方、ICG血管造影に関して、しかるべき位置でNIR励起/放射フィルターを用いて、ICG注射前の眼では、シグナルは全く無いか、または無視できる程度のシグナルしか観察できなかった(図5D)。走査線は明確であり、脈管構造は辛うじて検出可能であるか、または検出不能であった。これは、60を超える眼で観察された。ICG注射の直後、移行期間中および実験的エンドポイント、つまり20分後まで、網膜血管および脈絡膜血管の両方(図5Fおよび図5G第二のパネル)が特定された。フルオレセイン血管造影でも、正常な網膜脈管構造が確認された(図5E)。野生型SD動物において、何れのフルオロフォアを用いても何れの血管床からも漏出は見られなかった。
ICG励起/放射フィルター存在下でNIR刺激下でICG血管造影前のベースライン画像ではシグナルが示されなかったにもかかわらず、第0日(t=0)でのICGの単回注射後、3、8、21および28日で得られた画像から、蛍光の遅延および持続が明らかとなった(図5G)。これは、フルオレセイン−デキストラン色素を用いて血管造影後に行った同様の実験で観察されず、しかるべき位置でフルオレセイン血管造影フィルターを用いて分析したが(図5H)、この場合、実験の時間経過を通して同レベルの低い注射前蛍光が見える。予ICG注射なしでもこれは起こらなかった(図6A)。ICG後のこのNIR蛍光遅延の定性的分析から、正面で見て、網膜血管に対して深く(外側)、脈絡膜脈管構造に対する視野を遮る、後極でのより小さな斑点の「モザイク」パターンも示され、このことから、網膜と脈絡膜との間でのその位置が示唆される。ONHおよび乳頭周囲領域は蛍光を発しなかった。これらの特性は、患者において青色スペクトルで行われたFAFの場合と類似する。同じ焦点面が両蛍光技術に対して最適であることが明らかになった。
ICG注射後にDNIRAを用いて行った観察は用量依存的であった(図6)。血管造影に対して使用される最初のICG投与量が多いほど、NIRシグナルが明るくなる。高用量5mg/kgでは、適切な品質の画像を得るために、cSLOのゲイン(感度)を低下させる必要があり、一方で、低用量(0.35mg/kg)は輝度が低く、適切な品質の画像を得るためにゲインを向上させる必要があった。同じレベルのゲイン設定で撮影された比較画像(図6A、図6Bおよび図6C)から、用量反応性の輝度の向上が明らかとなった。同じ実験において、第28日までに、斑点のあるパターンが、低用量ICGを投与された動物において減弱していったことも分かった(図6B)。一方、高用量ICGを投与された動物において、注射後第3日と28日との間で目立った相違はあまりなかった(図6C)。
ICG活性化に必要な795/810nm励起/放射フィルターがない、830nmでのNIR反射イメージングでは、DNIRAで観察される、斑点のある、用量依存的で時間依存的な蛍光の所見は得られなかった。
DNIRAによってRPEおよび/または網膜外層複合物が特定されることが分かったので、RPEの構造異常性を特定するためにDNIRAを使用し得ると判断した。RPE毒素、NaIOの全身注射と併用してDNIRAを使用した。NaIOは、RPE細胞に対して直接的に毒性であり、それらの喪失へとつながり;その後に上部にある光受容器のアポトーシスが起こる。NaIO注射後の数日および数週においてDNIRAから、斑点のある蛍光の連続的バックグラウンド内の大きな黒いパッチとして明らかである、著しい低蛍光の地図状(空間的)パッチが特定された。これらの低蛍光パッチは、明確な境界により囲まれていた。さらに、cSLOのゲイン上昇とともに、これらのパッチを通じた視野が明るくなり、脈絡膜の詳細が明確に可視化されるようになった(図7)。脈絡膜血管の複雑さ、ONHに関する様々な大きさおよび非放射状パターンによって、脈絡膜血管を特定した。一方、斑点のある層によって、この視野が遮られたが、上部にある網膜血管の可視化が継続されるようになった。これらのデータは、DNIRAによってICG−標識RPE/網膜外層が検出されるという見解と一致した。
さらに、毒性実験によって、臨床前実験に対するDNIRAの適合性が明らかになった。網膜電図写真撮影を行って、高および低用量全身ICG濃度をPBSと比較した。これらのデータから、対照動物で示される変化と比較して、注射後3週間においてb−波振幅の統計学的に有意な差は示されず、使用した用量範囲にわたり、DNIRAが脈絡網膜性疾患の前臨床研究で安全であることが明らかになる。高用量が臨床で使用されるものよりも十分に高い一方で、低用量は、グラム/体重で、従来的な眼底カメラでの臨床イメージングに対して使用される用量と一致する。
(実施例3):失明性疾患の処置のための化合物の探索
失明性疾患のモデルとなる動物が確立されたので、このような動物に試験化合物を投与する。
失明性疾患の症状は、蛍光検出を含むインビボイメージングを用いて決定される。失明性疾患の特徴を示すのに十分な時間またはそれ以降に、眼において蛍光を観察することによって、候補化合物を同定する。本明細書中に記載のような失明性疾患の特徴を低減または消去する能力について、候補化合物を評価する。
(実施例4):失明性疾患に対する化合物の活性の評価
失明性疾患のモデルとなる動物が開発されたので、このような動物に試験化合物を投与する。
失明性疾患の症状は、蛍光検出を含むインビボイメージングを用いて決定される。失明性疾患の特徴および候補化合物の活性を示すのに十分な時間またはそれ以降に、眼において蛍光を観察することによって、候補化合物の活性を評価する。本明細書中で記載のような失明性疾患の特徴を低減または消去する能力について、候補化合物を評価し得る。
(実施例5):ビンダリットでの乾性AMDの処置
56歳から100歳以上のヒト対象は、次の臨床試験のうち1以上により診断されるように、乾性AMDを発症している:臨床検査、(何らかの波長での)FAF、近赤外および/または無赤色写真、異常血管過程の同定および局在確認を可能にするフルオレセイン血管造影;ヒト網膜および脈絡膜など、光学的散乱媒質内からの高解像度の断面または正面画像を提供するOCT;および、網膜色素上皮組織切片において小さな自発蛍光構造(リポフスチン顆粒)の蛍光分布を解像するために特別に設計された高解像度顕微鏡設定を用いた、構造化照明光顕微鏡。
12週間にわたり1日1回、2x300mg経口用量で対象にビンダリットを投与する。最初の12週間の処置期間後、臨床転帰について対象を評価する。あるいは、薬物送達ビヒクルありかまたはなしで、患者にビヒクル含有ビンダリットの硝子体内注射を行う。
当技術分野で周知であるような標準的な視力検査を用いて、最初の臨床的転帰を判定する。距離を置いたスネレン視力表上の印および物体を明確に見る能力について、対象を評価する。
第二の臨床的転帰は、地図状萎縮の進行速度を評価する。これを行うために、網膜イメージング前に1.0%トロピカミドおよび2.5%フェニレフリンを用いて対象の瞳孔を拡張させる。Helbら、Acta Ophthalmol.2010 Dec;88(8):842−9に記載のような2枚の独立した走査ミラーにより、cSLOおよびスペクトル−ドメイン光干渉断層法(SD−OCT)の同時記録を可能にする機器(例えば、Spectralis HRA+OCT;Heidelberg Engineering,Heidelberg,Germany)を用いてイメージングを行う。5種類の操作モードを使用する:白色光、無赤色光、近赤外、FAFおよびOCT。
近−赤外線反射率(λ=815nm)およびFAF(λ=488nmで励起、放射500−700nm)画像の取得を含む標準化操作プロトコールに従い、cSLO画像を得る。870nmの照明波長、40,000A−スキャンの取得速度および1.8mmのスキャン深度で同時SD−OCTイメージングを行う。およその中心窩の中央部を通じて、または、RPDの場合は網膜黄斑の血管アーケードに近接して、1回は垂直および1回は水平で、1つの眼あたり2回のSD−OCTスキャンを行う。必要に応じてフルオレセイン血管造影(λ=488nm、放射500−700nm、10%フルオレセイン色素)を行う。眼底カメラ(例えばFF450 Visupac ZK5;Carl Zeiss Meditec AG,Jena,Germany)を用いてカラー眼底写真を得る。
臨床転帰データの解釈から、もしあればさらなる処置についての判断に関する情報が得られる。
(実施例6):併用療法による乾性AMDの処置
56歳から100歳以上のヒト対象は、次の臨床的な検査のうち1以上により診断されるように、乾性AMDを発症している:異常血管過程の特定および局在確認を可能にする、臨床検査、白色光眼底画像、何らかの波長でのFAF、近赤外および/または無赤色写真、青色光照明、および/またはフルオレセインまたはICG血管造影;ヒト網膜および脈絡膜など、光学的散乱媒質内からの高解像度の断面、三次元および正面画像を提供するOCT;および、網膜色素上皮組織または他の細胞および細胞層において小さな自発蛍光構造(リポフスチン、リポフスチン様または他の顆粒)の分布を解像するための、特別に設計された高解像度顕微鏡または検眼鏡設定を用いた、構造化照明光顕微鏡。
12週間にわたり1日1回、2x300mg経口用量で対象にビンダリットを投与する。対象にまた、患眼あたり0.5mgの用量で1カ月(およそ28日)に1回、ラニビズマブ注射も行う。最初の12週間の処置期間後、臨床転帰について対象を評価する。
当技術分野で周知であるような標準的な視力検査を用いて、最初の臨床転帰を判定する。距離を置いたスネレン視力表上の印および物体を明確に見る能力について、対象を評価する。
第二の臨床転帰は、地図状萎縮の進行速度を評価する。これを行うために、網膜イメージング前に1.0%トロピカミドおよび2.5%フェニレフリンまたは同等の薬剤を用いて対象の瞳孔を拡張させる。Helbら、Acta Ophthalmol.2010 Dec;88(8):842−9に記載のような、cSLOおよびSD−OCTの同時記録を可能にする機器(例えば、Spectralis HRA+OCT;Heidelberg Engineering,Heidelberg,Germany)を用いてイメージングを行う。複数の操作モードを使用し得る:白色光、無赤色光、青色光、近赤外およびOCT。改変眼底カメラを用いても同様の分析を行い得る。
近−赤外線反射率(λ=800−1000nm)およびFAF(λ=280−550nmで励起、放射350−700nm)画像の取得を含み得る、当技術分野で公知のプロトコールに従いcSLO画像を得る。例えば870nmの照明波長、40,000A−スキャンの取得速度および1.8mmのスキャン深度で、同時SD−OCTイメージングを行う。網膜黄斑を通して、さらにまたは、RPDの場合は網膜黄斑の血管アーケードに近接して、各眼あたり複数のSD−OCTスキャンを行う。他のOCTイメージング、例えば、時間ドメインおよび掃引ドメインなども使用し得る。必要に応じてフルオレセイン血管造影(λ=488nm、放射500−700nm、10%フルオレセイン色素)を行う。眼底カメラ(例えばFF450 Visupac ZK5;Carl Zeiss Meditec AG,Jena,Germany)を用いてカラー眼底写真を得る。
臨床転帰データの解釈から、もしあればさらなる処置についての判断に関する情報が得られる。実例的データ分析には、黄斑キューブ(cube)分析および5ラインラスターが含まれる。
(実施例7):薬剤に対する失明性疾患対象反応の検出および/または予測
ラットの眼においてマルチモーダルイメージングを使用して、RPE毒素、NaIOの全身注射が、乾性AMDおよび/またはRPDの侵襲性型の患者の場合と同様の複雑なFAFのパターンを誘導すると判断した。組織像および蛍光顕微鏡によって、インビボFAFのパターンが、RPE損傷もしくは喪失領域に動員された自然免疫系の自発蛍光細胞の空間的分布と一致することが示された。
インビボでのマルチモーダルおよび血管造影法のイメージング:市販の共焦点走査レーザー検眼鏡、(cSLO、Spectralis,Heidelberg Retinal Angiography,HRA−II;Heidelberg Engineering GmbH,Germany)およびEye Explorer Image Captureシステム、version 1.1.10を用いて眼底イメージングを行った。無赤色(RF、緑優性)イメージング用のバリアフィルターなしで、フルオレセイン血管造影に対して500nmのバリアフィルターを用いて、488nm励起の波長で、ICG血管造影に対して795/810nm励起/放射で、赤外反射率イメージングに対して830nmレーザーで、画像を取得した。488nmFAFを評価するために、フルオレセイン色素なしでcSLOイメージングを行った。脈管構造を同時に画像化し、FAF画像分析に対する目印を提供することが必要であった場合は、予め挿入された23ゲージ尾静脈カテーテルに2または5mg/kgで尾静脈を介してICGを注射した。
正常なSprague Dawleyラットの眼のFAFイメージングにおいて、RPE蛍光を阻止する放射状に配列した網膜血管により遮られ、したがって暗く見える、かすかな均一のすりガラス様の輝きが生じた。このようなイメージングはまた、RPEがない場合、視神経頭(ONH)での中央部の低蛍光の円も特徴とした。NaIOの全身注射(45%溶液、0.9%塩化ナトリウム中で各実験セットに対して新たに調製し、45mg/kg体重の最終濃度になるように注射)を実験用ラットに与えた。注射から3日後、超蛍光境界がある、イソ−または僅かに超蛍光のFAF領域が1つ出現し、孤立した島状部、扇形部または360°環の形態をとった。全例において、島状部、扇形部または環がONHに接近したが、これと連続しなかった。160を超える眼にわたり、これらおよび次の観察が確認された。
NaIO注射からおよそ4から5日後に始まり、島状部、扇形部または環内で、超/低蛍光が交互になったFAFの顕著な網状または曲線状パターンが出現した。第7日までに、このパターンが目立っており、数週間にわたり出現が続き、これによりその曲線状成分が、部分的ループ、卵円状、環状、ロゼット型および波形状または「足跡型」FAFパターンに寄与した。最後の分析時間点である20週間という後期の場合でさえも、境界は超蛍光網状パターンを保ち、網膜外縁に対して僅かに進み続けた。
一部の動物で行ったフルオレセイン血管造影から、網状パターンが、網膜脈管構造または脈絡膜脈管構造とは一致しないことが確認され、一方で、NaIOからおよそ2から3日後に、ICG血管造影により、RPEおよびBMにわたり脈絡網膜接触面で生じる透過性の変化が明らかとなったが、これはFAFの環の島状部、扇形部の出現と空間的にも時間的にも一致する。この透過性の上昇は、一過性であり、第7日までに解消され、次の時間点では通常通り評価された。網膜血管は漏出しなかった。パラフィン−包埋組織のヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)組織学および免疫組織化学(IHC)(当技術分野で公知;例えば、ダビッドソン固定液による固定およびパラフィン−包埋切片作製の後に行われ、Nikon Upright E800顕微鏡で観察する。)によって、体液の網膜下腔への蓄積が確認された。これは、インビボで超高解像度OCTによっても観察された(Envisu R2200 VHR Animal SDOIS System,Bioptogen,USAを用いて高解像度160nmスペクトルドメインOCT画像を得て;網膜レベルでおよそ2.8μmの方位分解能で36,000/秒の速度でスキャンを取得した。)。
切除網膜およびRPEの自発蛍光および免疫蛍光分析:インビボで観察されるFAFパターンの病理学的相関を判定するために、白色光下で、および蛍光IHC標識なしで、インビボイメージングに対して使用した同じ波長である488nmで落射蛍光顕微鏡によって、低拡大率で切除網膜ホールマウントを観察した。その後の組織分析に依存して、この目的のために2台の顕微鏡:狭い励起/放射枠(488/520nm)の落射蛍光装置および水銀アークランプおよび450から490nmバンドでの励起後に515nmより長い蛍光を与える、(帯域ではなく)ロングパスフィルターを備えた共焦点顕微鏡の倒立Leica DM IRE2観察システムを使用した。白色光下で、正常ラット網膜は、技術的問題による幾分かの変形があるが、全体的に非常に均一に見えた。一方、NaIO注射から7日後に得た試料において、微妙な灰白色の細い網状パターンが明らかになった。第14日までに、このパターンがより明らかになり、小さな網膜外層の襞と一致することが観察されたが、これは網膜の切り口で最もよく示された。488nm蛍光下で見ると、この同じ曲線状パターンが明らかであった。より高拡大率の落射蛍光顕微鏡を用いて、このレース状の曲線状パターンが、網膜外層の溝または襞と一直線になっているように見える自発蛍光細胞の空間的分布と一致することが明らかになった。
FAFの網状パターンと一致する自発蛍光細胞の正体を明らかにするために、488nmチャネルを回避する自然免疫系のマーカーで切除網膜を染色した。Iba1は、パン−ミクログリア/マクロファージマーカーであり、ラット網膜にあり;それに対する抗体によって、主要な食作用性細胞集団が同定される。このマーカーを用いて、ホールマウント網膜において正面から見た場合、すなわちz−面で見た場合、Iba1細胞がレース状で曲線状のパターンに配置されることが分かった。さらに、光受容器核染色と比較した場合、この曲線状パターンが、変形したONLの襞間に割り込んでいることが分かる。このIba1細胞パターンは、FAFイメージングによってインビボで観察される超蛍光のパターンと、および切除網膜における自発蛍光細胞のパターンと一致する。NaIO注射から7日および12週間後の両方で、インビボFAFおよびIba1染色の対応するパターンが観察された。重要なこととして、NaIOから7日後に、全てのRPE細胞が後部眼杯にはなく、これらの細胞が、観察されるFAFに関与し得ないことが確認される。また、単球/マクロファージ枯渇が起こった標品とのイメージングの比較によって、自発蛍光細胞が食作用性として同定されることが確認された。このような枯渇は、塩化ガドリニウム(GAD)での処置によって達成した。GADでの処置時、境界の区画の減少を含め、極めて曖昧な網状FAFパターンが観察された。
このような食作用性細胞の同定は、乾性AMDおよび/またはRPDを示すものであり、薬剤に対する対象の反応を予測するものである。具体的に、このような食作用性細胞の観察によって、対象が薬剤での処置におそらく反応するであろうということになる。
無病状態と比べた脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる透過性の一過性上昇の特定は、乾性AMDおよび/またはRPDを示すものであり、薬剤に対する対象の反応を予測するものである。具体的に、無病状態と比べた脈絡膜と網膜との間の対象の上皮バリアにまたがる透過性の一過性上昇の観察によって、対象が薬剤での処置におそらく反応するであろうということになる。
切除網膜およびRPEの遅延近赤外線分析(DNIRA):遅延近赤外分析(DNIRA)によってもまた、正常な眼との比較における異常な特性の特定を行う。ICG血管造影設定、すなわち励起/放射フィルターを用いて、しかし血管造影から24時間、48時間、3日、7日、21日または28日後に色素の再注射を行わずに、ICG注射などの色素注射後数日および数週間にDNIRA画像を得る。本研究の時間経過中、再び血管造影を行うことはない。
毒素投与に対して、45mg/kg体重の投与量で、23Gカテーテルを介してNaIO(Sigma,cat#424064)などの毒素を全身的に注射する。NaIO注射直前に0.35mg/kgでICG血管造影を行う。ICGおよびNaIO注射から7日後にDMRAを行う。
(実施例8):免疫細胞を標識する全身性ICG投与後の、インビボでのラットの眼のDNIRA
インビボで観察されるFAFパターンの病理学的相関を調べるために、白色光下で、および蛍光IHC標識なしで、インビボイメージングに対して使用した同じ波長である488nmで落射蛍光顕微鏡によって、低拡大率で切除網膜ホールマウントを観察した。その後の組織分析に依存して、この目的のために2台の顕微鏡:狭い励起/放射枠(488/520nm)の落射蛍光装置および水銀アークランプおよび450から490nmバンドでの励起後に515nmより長い蛍光を与える、(帯域ではなく)ロングパスフィルターを備えた共焦点顕微鏡の倒立Leica DM IRE2観察システムを使用した。白色光下で、正常ラット網膜は、技術的問題による幾分かの変形があるが、全体的に非常に均一に見える。(図3A)。一方、NaIO注射から7日後に得た試料において、微妙な灰白色の細い網状パターンが明らかになった。第14日までに、このパターンがより明らかになり、小さな網膜外層の襞と一致することが分かるが、これは網膜の切り口で最もよく示された(図3B)。488nm蛍光下で見ると、この同じ曲線状パターンが明らかとなった。注射から7日後までに明らかになるものの、自発蛍光の増強により、第14日までにこのパターンがより見やすくなった(図3C)。より高拡大率の落射蛍光顕微鏡を用いて、このレース状の曲線状パターンが、網膜外層の溝または襞と一直線になっているように見える自発蛍光細胞の空間的分布と一致することが明らかになった(図3D)。
理論により縛られることを望むものではないが、このことから、観察されるFAFのインビボパターンが、網膜外層における自発蛍光細胞の分布と一致することが示唆される。これは、臨床的に関連するFAFパターンを異常RPEに帰する、一般的な理論と対照をなすが、発明者らが使用した単離網膜試料ではRPEがないことに留意されたい。理論により縛られることを望むものではないが、このことからまた、このモデルで観察されるFAFの2次元パターンが、網膜外層の3次元の曲線状の襞内に限定される自発蛍光細胞の分布と一致するということも示唆される。
したがって、網膜外層構造の空間的および時間的変化および自発蛍光細胞タイプの正体を調べた。
神経網膜の薄層状の性質のため、発明者らは、密に並んだ光受容器核の層である通常は平坦な外顆粒層(ONL)の立体配位的な変化を観察することによって、網膜外層変形を容易に評価し得ると推論した。したがって、新たに切除したホールマウント網膜の自発蛍光分析直後に核染色を行い、非488チャネルにおいて落射蛍光または共焦点顕微鏡によって組織を評価した。眼全体のH&Eによる断面の評価も行った。
NaIO投与前のベースラインで、核染色Topro3を用いた共焦点顕微鏡によって、ONLが平坦であり、血管染色がなかったことが確認される(図4C)。NaIO投与から3日後、時折浅くなる直線状の皺が付随する、ONLの僅かに曲線状の溝に気付いた。第7日までに、ONL変形がより著しくなり、明瞭に相互接続した一連の溝が生じた。第14日までに、これらの変化がより複雑で、幅がより大きくなった。
共焦点顕微鏡を用いて得られた画像に対して90°の網膜断面のH&E組織像から、NaIO−誘導性RPE毒性によって、最初に網膜下体液の増加を付随するONLの小さな凹凸が生じ、光受容器の喪失は殆どないことが示された(図4B)。後に、明らかな光受容器喪失によって、ONLの谷がRPEの基底膜であるブルッフ膜(BM)に近接して並ぶ、より幅が広い襞が生じた。最終的に、これらの谷の外側への延長によって、網膜外層変性が大きな連続領域となり、網膜内層の大分部がBMに対して近接して並ぶようになる。
FAFの網状パターンと一致する自発蛍光細胞の正体を判定するために、488nmチャネルを回避する自然免疫系のマーカーで切除網膜を染色した。Iba1は、パン−ミクログリア/マクロファージマーカーであり、ラット網膜にあり;それに対する抗体によって、主要な食作用性細胞集団が特定される。このマーカーを用いて、ホールマウント網膜において正面から、すなわちz−面で見た場合、Iba1細胞がレース状で曲線状のパターンに配置されることが分かった(図5)。さらに、光受容器核染色と比較した場合、この曲線状パターンが、変形したONLの襞間に割り込んでいることが分かった。図5で示されるように、このIba1細胞パターンは、FAFイメージングによってインビボで観察される超蛍光のパターン(図1および2)と、および切除網膜における自発蛍光細胞のパターン(図3)と一致する。NaIO注射から7日および12週間後の両方で、インビボFAFおよびIba1染色の対応するパターンが示される(図5Aおよび5B)。7日間までに、NaIO投与後、全てのRPE細胞が後部眼杯にはなく、これらの細胞が、観察されたFAFに関与しなかったことが確認された(図5Cおよび5D)。
次に、内網状層(INL)から外網状層(OPL)に、内側、中間および外側ONLと段階的に移動する、ホールマウント網膜の正面連続共焦点顕微鏡(すなわちz−軸)によって、Iba1細胞と網膜外層との間の3次元(3D)関係を評価した。これらの3段階で共焦点画像のショートスタック(セグメント)を推定した(平板化)(図6)。単球系列の活性化CD68マクロファージの共分布も評価した。
NaIO投与前のベースラインで、IPLにおいてのみIba1細胞が見られた。CD68細胞は同定されなかった(図6A)。NaIO投与から3から4日後、Iba1細胞数が増加し、IPLにおいて、および、外側ONLを含め、網膜外層全体でも増加した(図6B)。NaIO投与から2週間後、ONLの曲線状の襞の間で絡み合ったIba1およびCD68細胞の複雑な分布が見られた。さらに、血管の中間部網膜層であるOPLと同程度に内部で、光受容器核のくっきりとした光学的に区分された異所性の円または卵円状部であり、それによって、通常は2つの別個の組織区画である、変形した光受容器顆粒層および血管層が、接触するようになることが観察される。中間部−ONLにおいて、変形顆粒層の卵形の断面は、より曲線状または魚形に見え、それらの中央空隙内で大きなIba1およびCD68細胞が見られた。ONLの最外部の三分の一において、光学的断面は曲線状のままであり、多くの架橋セグメントと概ね連続していた。通常は単なる潜在空隙である網膜下腔が網膜外層変形によって拡大し、Iba1および/またはCD68炎症性細胞および光受容器核が、ブルッフ膜のすぐ内側で(失われた光受容器外節が通常は存在する空間で)一緒に示される。
切除ホールマウント網膜の共焦点走査顕微鏡および三次元再構成を行った(図7A)。これらのデータから、Iba1細胞が、光受容器核間に割り込む網状またはレース状パターンを形成したことが示された。さらに、同じ3つの面に分割される、z−スタックの推定(図7B右)から、内側−ONLが、ONLの環状または卵円状断面を特徴とすることが示された。一方、中間部−ONLは、顆粒層のループ状の湾曲断面を特徴とし、外側ONLは、複数の架橋エレメントとともにより大きな曲線状セグメントから形成される。これらの層の斜体積測定投影(oblique volumetric projections)から、いくつかの円錐状ピークがその底部で1つの連続的な襞から伸長している、結果的に得られるONLの偽−矩形格子立体配置が容易に説明される(図7B中央および右)。理論により縛られることを望むものではないが、これらのデータから、炎症性細胞の殆どが、ONLの谷内またはその間にはなく、むしろ拡大した網膜下腔においてONLピーク下(すなわちその外側)で見られることが明らかとなる。
理論により縛られることを望むものではないが、これらの観察から、変形網膜外層下での自発蛍光炎症性細胞の3次元分布が、これらの動物におけるインビボFAFイメージングの2Dパターンの主要因であることが示される。
インビボ変化およびFAF所見に対して切除組織で行われたこれらの観察を相関させるために、インビボでの高解像度OCTを用いて生きている網膜の3D用量分析を行った。HR−OCTから、かつては摘出後の組織検体においてしか観察されなかった網膜の無侵襲のインビボ断面が提供される。OCTイメージングは、異なる光学密度の層間の接触面で生成されるシグナルに依存し、これによって、正常ラット網膜において、その多薄層構造が確認される。網膜のこの3つの主要な最外部OCT境界は、内側から外側に、外境界膜(ELM)、光受容器内節および外節の接合部(IS/OS)およびRPE/BMである(図8A、左)。臨床およびこれらの研究の両方における標準的技術によって、暗い部分(すなわちシグナルなし)として、ONLを含む顆粒層は任意に設定される。
NaIO投与から3日後、OCTを用いて取得された生きている網膜の再構成正面画像から、視神経に対して下側領域に限定される微妙な変化が明らかとなった(図8A、中央)。ベースラインおよび上部網膜(NaIO投与から3日後にほぼ正常に見える。)(図8A、中央部)と比較して、下部網膜の光学的断面から、光受容器IS/OS連結部およびELMの僅かな変形が示され、明るく(高輝度)浅い隆起が見えるようになる(図8A、右)。このシグナルは、ONLの外側およびBMの内側で見られた。細く暗い線は、RPEがもはや存在しないことを示した。第14日までに、これらの隆起が成熟し、顕著なピークになり、この一部が、底部がBMに乗っているように見える、明るくはっきりとした三角形またはピラミッド型を形成する(図8Bおよび8C)。他の隆起は、光受容器層を通じてELMから伸長し、中間部網膜に到達する別個の狭いスパイクを形成した。ヒトRPD患者からの臨床的OCT画像から、この疾患に特徴であるピラミッド型の網膜下の沈着物が示される(図8D)。
RPDの特徴であり、本システムで見られる、明るい隆起、三角形およびスパイクが、網膜下腔で観察される自発蛍光食作用性細胞の分布と一致するか否かを試験するために、容積−強度投影法(volume−intensity projection、VIP)を使用した。これらは、OCT−生成光学切片から構成され、z−およびy−軸で再構成され得る生きているインビボの組織の3次元ブロックを評価する手段を提供した。
y−軸における隣接OCT画像の再構成から、隣り合って並んでいる隆起または三角形が、円形、卵円状、光輪状および標的様病変などの複雑な構造に寄与することが示された。図9Aで示される例において、2個の網膜下隆起が、円の「側面」を形成し、その上面および下面で一緒になり、中央部で最も離れる。1個の隆起、ピラミッドおよびスパイクは、より単純な曲線状構造に寄与する。
この所見をさらに裏付けるために、次に、z−軸(すなわち内側−ONLから外側ONLへの段階的な短いセグメント)のVIPを分析した(図9B)。内側−ONLを通じたVIPから、網膜全体にわたる規則的に間隔があいた一連の点状スポットが示された。中間部−ONLからのVIPにより、あまり規則的でない間隔の魚形または湾曲した短い線が示され、そのうち一部が架橋である。外側ONLからのVIPによって、多くの架橋エレメントとともに連続的な曲線状セグメントが示された。これらの所見は、切除ホールマウント網膜から作製された3Dデータと正の相関がある(図6)。
さらに、超蛍光FAFまたは異常FAFパターンおよび超蛍光DNIRAが、食作用性細胞の分布と相関または共局在したことを確認するために、マクロファージ活性を低下させる希土類金属塩である塩化ガドリニウム(GADまたはGdCl)を用いて循環マクロファージ/単球集団を枯渇させた。免疫細胞のGAD枯渇によって、NaIO−誘導性のFAFパターンおよびDNIRAの著しい変化が生じた。単球/マクロファージ集団のGAD枯渇から、FAFのNaIO−誘導性パターンの顕著な変化へと至った。これは、損傷の地図状領域内およびその境界の両方で定性的に明らかであった(図8)。
実施例9:RPDの臨床インビボイメージングおよび拡散トリックリング(diffuse trickling)AMD:
図10において、NaIOモデルにおいて組織所見に対してRPDの臨床的特性を直接比較する画像および解釈的な図表を提供する。ヒトRPD患者の臨床OCTイメージングに加えて(網膜下腔において基底下方ピラミッド型構造を示す。図8D)、カラーおよび無赤色眼底画像も得た(図10)。無赤色画像から、RPDの個々の偽ドルーゼンを構成する小さな暗いスポットが示された(図10A、上の画像)。暗灰色オーバーレイを用いてこれらを特定した。これは、さらに、RPDの特徴である、いわゆる「標的病変」の存在を、円で囲み、強調する。これらは、中央がより明るい、暗いスポットに見える。平行して、偽着色し、白黒画像、−「ポジ」および「ネガ」の両方−として与える場合、標的およびRPDの光輪と正の相関がある、折り畳まれたラット網膜外層の概略図を正面および断面の両方で与える。
これらのデータから、2Dで正面から見た、中央が暗い、円、光輪および標的病変のレース状または網状パターン内の暗い偽ドルーゼンの2Dパターンが、3Dで用量分析的に認められる環の隆起およびクレーターと一致することが示唆される。
同等物
当業者は、通常の範囲を超えない実験を用いて、本明細書中で具体的に記載する具体的な実施形態に対する多くの同等物を認識するかまたは確認することができる。このような同等物は、次の特許請求の範囲に包含されるものとする。
参照による組み込み
本明細書で参照する特許および刊行物は全て、それらの全体において参照により本明細書によって組み込まれる。

Claims (11)

  1. ヒト患者の眼における網膜色素上皮(RPE)細胞によって摂取される蛍光化合物を含む組成物であって、前記蛍光化合物はインドシアニングリーン(ICG)であり、前記組成物は乾性加齢性黄斑変性(AMD)または網状偽ドルーゼン(RPD)を診断するための方法において使用することを特徴とし、前記方法は、
    (a)前記組成物を前記患者に全身的に投与する、工程、
    (b)約600nm〜約900nmの波長を有する光を眼に曝露する工程であって、前記曝露は前記蛍光化合物の投与後少なくとも約24時間後に行う、工程、および
    (c)前記患者の眼におけるRPE損傷または網膜外層の喪失のパッチ内の二次元空間蛍光パターンを検出する工程であって、前記蛍光パターンは前記患者における臨床的な乾性AMDまたはRPDの存在の兆候である、工程、
    を含む、組成物。
  2. 前記曝露および検出はICGの再投与無しに行われる、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記蛍光はRPE細胞において生じる、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記曝露はICGの移行段階中には行われない、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記曝露は蛍光化合物投与の約48時間後に行われる、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記曝露は蛍光化合物投与の約72時間後に行われる、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記方法は、共焦点走査レーザー検眼鏡(cSLO)、眼底自発蛍光(FAF)、または光干渉断層法(OCT)を行うことを含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記パターンは、RPE損傷もしくは喪失または網膜外層の喪失のパッチ内の眼底自発蛍光(FAF)であり、前記パターンは、曲線状、リボン状、網状、卵円状、環状、波形状、光輪状および標的様病変の1以上である、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記パターンは、RPE損傷もしくは喪失または網膜外層の喪失のパッチの境界内の眼底自発蛍光(FAF)であり、前記パターンは、曲線状、リボン状、網状、卵円状、環状、波形状、光輪状および標的様病変の1以上である、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記パターンは、OCTにより観察される、RPEおよび/または網膜外層の喪失または網膜下腔で見られる隆起、三角形、ピークまたはスパイクの断面パターンまたは横方向パターンである、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記方法は、(i)さらなる量の前記蛍光化合物を前記患者にまたは(ii)第二の蛍光化合物を前記患者に投与することを含まない、請求項1に記載の組成物。
JP2019125032A 2012-05-01 2019-07-04 失明性疾患を処置および診断するための方法 Active JP6837522B2 (ja)

Applications Claiming Priority (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261640854P 2012-05-01 2012-05-01
US61/640,854 2012-05-01
US201261641393P 2012-05-02 2012-05-02
US61/641,393 2012-05-02
US201261693226P 2012-08-24 2012-08-24
US61/693,226 2012-08-24
US201361792436P 2013-03-15 2013-03-15
US61/792,436 2013-03-15

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017028425A Division JP2017114894A (ja) 2012-05-01 2017-02-17 失明性疾患を処置および診断するための方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019194230A JP2019194230A (ja) 2019-11-07
JP6837522B2 true JP6837522B2 (ja) 2021-03-03

Family

ID=49514154

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015509271A Pending JP2015523546A (ja) 2012-05-01 2013-04-30 失明性疾患を処置および診断するための方法
JP2017028425A Pending JP2017114894A (ja) 2012-05-01 2017-02-17 失明性疾患を処置および診断するための方法
JP2019125032A Active JP6837522B2 (ja) 2012-05-01 2019-07-04 失明性疾患を処置および診断するための方法

Family Applications Before (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015509271A Pending JP2015523546A (ja) 2012-05-01 2013-04-30 失明性疾患を処置および診断するための方法
JP2017028425A Pending JP2017114894A (ja) 2012-05-01 2017-02-17 失明性疾患を処置および診断するための方法

Country Status (9)

Country Link
EP (2) EP2844250B1 (ja)
JP (3) JP2015523546A (ja)
CN (2) CN107050020A (ja)
AU (2) AU2013255050B2 (ja)
CA (2) CA3095012C (ja)
DK (1) DK2844250T3 (ja)
ES (1) ES2656292T3 (ja)
IL (3) IL235395A (ja)
WO (1) WO2013163758A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8999292B2 (en) 2012-05-01 2015-04-07 Translatum Medicus Inc. Methods for treating and diagnosing blinding eye diseases
HUE049518T2 (hu) * 2014-05-15 2020-09-28 Translatum Medicus Inc Készítmények és eljárások a szem megbetegedéseinek kezelésére és diagnosztizálására
US20180221339A1 (en) * 2015-06-16 2018-08-09 Translatum Medicus, Inc. Compositions and methods for treating and diagnosing ocular disorders
JP6664115B2 (ja) * 2016-03-15 2020-03-13 原 英彰 アフリベルセプトによる網膜保護作用
WO2017223331A1 (en) * 2016-06-24 2017-12-28 Lumenis Ltd. Selective skin treatments utilizing laser-equivalent intense pulsed light devices
US11610311B2 (en) 2016-10-13 2023-03-21 Translatum Medicus, Inc. Systems and methods for detection of ocular disease
US11369695B2 (en) 2016-12-05 2022-06-28 The Jackson Laboratory Fat droplets in retina and optic nerve as a diagnostic marker for neurodegeneration and glaucoma in humans
US20210060017A1 (en) * 2018-02-27 2021-03-04 Shilpa Medicare Ltd Methotrexate ophthalmic solution
WO2019203309A1 (ja) * 2018-04-18 2019-10-24 株式会社ニコン 画像処理方法、プログラム、画像処理装置、及び眼科システム
WO2019203311A1 (ja) * 2018-04-18 2019-10-24 株式会社ニコン 画像処理方法、プログラム、及び画像処理装置
CN109222890A (zh) * 2018-08-24 2019-01-18 微云(武汉)科技有限公司 一种眼睛健康情况确定方法、装置和存储介质
CN109585017B (zh) * 2019-01-31 2023-12-12 上海宝藤生物医药科技股份有限公司 一种年龄相关性黄斑变性的风险预测算法模型和装置
EP3990433A4 (en) 2019-06-25 2023-07-26 Translatum Medicus Inc. METHODS FOR THE MANUFACTURE OF 2-((1-BENZYL-1H-INDAZOL-3-YL)METHOXY)-2-METHYLPROPANOIC ACID AND ITS DERIVATIVES
JP7406403B2 (ja) * 2020-02-28 2023-12-27 浜松ホトニクス株式会社 眼底画像処理方法、眼底画像処理装置、眼底画像処理プログラム、及びそのプログラムを記録する記録媒体
CN114099515A (zh) * 2021-12-27 2022-03-01 中山大学中山眼科中心 氨甲蝶呤在制备治疗视网膜色素变性的药物方面的应用

Family Cites Families (45)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3536809A (en) 1969-02-17 1970-10-27 Alza Corp Medication method
US3598123A (en) 1969-04-01 1971-08-10 Alza Corp Bandage for administering drugs
US3845770A (en) 1972-06-05 1974-11-05 Alza Corp Osmatic dispensing device for releasing beneficial agent
US3916899A (en) 1973-04-25 1975-11-04 Alza Corp Osmotic dispensing device with maximum and minimum sizes for the passageway
US4008719A (en) 1976-02-02 1977-02-22 Alza Corporation Osmotic system having laminar arrangement for programming delivery of active agent
US4080325A (en) 1976-11-17 1978-03-21 The United States Of America As Represented By The Department Of Health, Education And Welfare Synthesis of methotrexate
IE58110B1 (en) 1984-10-30 1993-07-14 Elan Corp Plc Controlled release powder and process for its preparation
US5138069A (en) 1986-07-11 1992-08-11 E. I. Du Pont De Nemours And Company Angiotensin II receptor blocking imidazoles
US5073543A (en) 1988-07-21 1991-12-17 G. D. Searle & Co. Controlled release formulations of trophic factors in ganglioside-lipsome vehicle
IT1230441B (it) 1989-02-07 1991-10-23 Acraf Eteri della serie dell'indazolo
IT1229203B (it) 1989-03-22 1991-07-25 Bioresearch Spa Impiego di acido 5 metiltetraidrofolico, di acido 5 formiltetraidrofolico e dei loro sali farmaceuticamente accettabili per la preparazione di composizioni farmaceutiche in forma a rilascio controllato attive nella terapia dei disturbi mentali organici e composizioni farmaceutiche relative.
US5120548A (en) 1989-11-07 1992-06-09 Merck & Co., Inc. Swelling modulated polymeric drug delivery device
ATE134624T1 (de) 1990-02-19 1996-03-15 Ciba Geigy Ag Acylverbindungen
US5270317A (en) 1990-03-20 1993-12-14 Elf Sanofi N-substituted heterocyclic derivatives, their preparation and the pharmaceutical compositions in which they are present
US5196444A (en) 1990-04-27 1993-03-23 Takeda Chemical Industries, Ltd. 1-(cyclohexyloxycarbonyloxy)ethyl 2-ethoxy-1-[[2'-(1H-tetrazol-5-yl)biphenyl-4-yl]methyl]benzimidazole-7-carboxylate and compositions and methods of pharmaceutical use thereof
US5698155A (en) 1991-05-31 1997-12-16 Gs Technologies, Inc. Method for the manufacture of pharmaceutical cellulose capsules
US5580578A (en) 1992-01-27 1996-12-03 Euro-Celtique, S.A. Controlled release formulations coated with aqueous dispersions of acrylic polymers
US5591767A (en) 1993-01-25 1997-01-07 Pharmetrix Corporation Liquid reservoir transdermal patch for the administration of ketorolac
IT1270594B (it) 1994-07-07 1997-05-07 Recordati Chem Pharm Composizione farmaceutica a rilascio controllato di moguisteina in sospensione liquida
DK0770397T3 (da) 1995-10-18 2004-08-09 Akzo Nobel Nv Newcastle disease viruskombinationsvaccine
IT1276031B1 (it) * 1995-10-31 1997-10-24 Angelini Ricerche Spa Composizione farmaceutica per il trattamento delle malattie autoimmuni
US6541669B1 (en) 1998-06-08 2003-04-01 Theravance, Inc. β2-adrenergic receptor agonists
CA2377309C (en) 1999-06-30 2010-11-23 Tularik Inc. Compounds for the modulation of ppar.gamma. activity
US20030235584A1 (en) 2000-02-28 2003-12-25 Kloetzer William S. Method for preparing anti-MIF antibodies
DK2026073T3 (en) * 2000-04-29 2016-07-25 Univ Iowa Res Found Diagnosis and treatment of macular degeneration-related disorders
WO2002068386A2 (en) 2001-02-27 2002-09-06 The Johns Hopkins University Tools and methods for identifying ppar$g(d)-specific agonists and antagonists
UY27304A1 (es) 2001-05-24 2002-12-31 Avanir Pharmaceuticals Inhibidores del factor inhibidor de la migración de los macrófagos y métodos para su identificación
NZ537301A (en) 2002-06-07 2006-06-30 Cortical Pty Ltd Therapeutic molecules and methods-1
AU2003215549A1 (en) 2003-02-03 2004-08-30 Janssen Pharmaceutica N.V. Mercaptoimidazoles as ccr2 receptor antagonists
US7083802B2 (en) * 2003-07-31 2006-08-01 Advanced Ocular Systems Limited Treatment of ocular disease
AU2005267385B2 (en) 2004-06-25 2011-11-10 Janssen Pharmaceutica N.V. Quaternary salt CCR2 antagonists
EP1802602A1 (en) 2004-09-28 2007-07-04 Janssen Pharmaceutica N.V. Substituted dipiperdine ccr2 antagonists
JP4897690B2 (ja) * 2004-10-12 2012-03-14 ジェネンテック, インコーポレイテッド 補体関連障害の予防および処置のためのCRIgポリペプチド
US7622583B2 (en) 2005-01-14 2009-11-24 Chemocentryx, Inc. Heteroaryl sulfonamides and CCR2
US8067415B2 (en) 2005-11-01 2011-11-29 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Compounds useful as antagonists of CCR2
CA2634212A1 (en) 2005-12-21 2007-06-28 Cortical Pty Ltd. Mif inhibitors
US20070197590A1 (en) 2006-01-31 2007-08-23 Demong Duane E Substituted dipiperidine ccr2 antagonists
DE102006030382A1 (de) * 2006-06-29 2008-01-03 Carl Zeiss Meditec Ag Verfahren und Vorrichtung zur optischen Detektion am Auge
PT2254869T (pt) * 2008-03-07 2017-07-18 Acraf Novos derivados de 1-benzil-3-hidroximetilindazole e suas utilizações no tratamento de doenças com base na expressão de cx3cr1 e p40
EP2252318A4 (en) 2008-03-20 2012-04-18 Carolus Therapeutics Inc PROCESS FOR TREATMENT OF IGNITION
US20100286136A1 (en) 2009-05-08 2010-11-11 Simon Jones Dihydronaphthyridinyl and related compounds for use in treating ophthalmological disorders
TW201201808A (en) * 2010-01-06 2012-01-16 Glaxo Wellcome Mfg Pte Ltd Treatment method
TW201202214A (en) * 2010-05-27 2012-01-16 Santen Pharmaceutical Co Ltd Novel indazole derivative or salt thereof, production intermediate thereof, and prophylactic or therapeutic agent for chorioretinal degeneratire disease using the same
JP2012006918A (ja) * 2010-05-27 2012-01-12 Santen Pharmaceut Co Ltd イソキノリンスルホニル誘導体を有効成分として含有する網脈絡膜変性疾患の予防または治療剤
EP4245370A3 (en) * 2010-07-12 2023-11-29 University of Southern California Biocompatible substrate for facilitating interconnections between stem cells and target tissues and methods for implanting same

Also Published As

Publication number Publication date
EP2844250A4 (en) 2015-11-18
DK2844250T3 (en) 2018-01-08
AU2016219703A1 (en) 2016-09-15
JP2015523546A (ja) 2015-08-13
EP2844250A1 (en) 2015-03-11
CA2911041C (en) 2020-12-15
EP3338776A1 (en) 2018-06-27
AU2013255050A1 (en) 2014-11-13
IL254995A0 (en) 2017-12-31
CA2911041A1 (en) 2013-11-07
CN104334173B (zh) 2017-05-03
IL254995B (en) 2018-08-30
EP2844250B1 (en) 2017-11-08
CA3095012C (en) 2023-02-07
JP2017114894A (ja) 2017-06-29
CN107050020A (zh) 2017-08-18
AU2013255050B2 (en) 2016-07-28
IL260714B (en) 2019-08-29
AU2016219703B2 (en) 2017-09-14
CN104334173A (zh) 2015-02-04
CA3095012A1 (en) 2013-11-07
ES2656292T3 (es) 2018-02-26
IL235395A (en) 2017-10-31
JP2019194230A (ja) 2019-11-07
WO2013163758A1 (en) 2013-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6837522B2 (ja) 失明性疾患を処置および診断するための方法
US11110184B2 (en) Methods for treating and diagnosing blinding eye diseases
JP6625064B2 (ja) 眼障害を治療かつ診断するための組成物および方法
CA2870353C (en) Compositions and methods for treating and diagnosing ocular disorders

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190802

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200714

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6837522

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250