JP6837411B2 - 販売促進装置、販売促進方法及び販売促進プログラム - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、属人的ノウハウを用いることなく、販売促進のための効果的な施策を決定することを目的とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
KPI(重要業績評価指標)とは、企業経営者が判断をする基準となる経営指標であり、本実施形態においては、売上、利益、販売数量、LTV(ライフタイムバリュー)、ロイヤリティ向上、コンバージョン率(訪問したうちどれ程が購入するのか)、ROI(リターンオンインベストメント)、クーポン回収率、クーポン発券率、施策反応率、施策対象購買率及び来店客数のうちの何れかである。
事象とは、商品の購買に関連して発生するできごとである。例えば、“顧客Aが商品Bを購買したこと”は、事象となりうる。“20歳の顧客Aが商品Bを購買したこと”及び“雨が降っている日に顧客Aが商品Bを購買したこと”もまた事象となり得る。
因果関係とは、2つの事象の間に認められる原因及び結果の関係である。
図1に沿って、各情報の構成及び関連を説明する。後記する本実施形態の販売促進装置1(図5参照)は、販売実績情報31を記憶している。販売実績情報31とは、いわゆる“POS(Point of Sales)”情報であり、店舗(実店舗又は仮想店舗)における取引内容の時系列情報である。具体的には、販売実績情報31は、商品が購買された時点、商品を購買した顧客を特定する情報、店舗を特定する情報、商品を特定する情報、購買された商品の数量等が相互に関連付けられた複数のレコード(行)からなる情報である。
施策とは、商品の販売促進のための具体的な手段であり、「“誰”に“何”を推奨する”」という型式を有する。例えば、施策は、次のようなものであり得る。
〈例1〉商品○○を購買した顧客に、商品◎◎を推奨する。
〈例2〉○○市に住む顧客に、商品◎◎を推奨する。
〈例3〉○○店で購買した顧客に、商品◎◎を推奨する。
〈例4〉○○歳以上の顧客に、商品◎◎を推奨する。
〈例5〉気温が○以上である日に購買した顧客に、商品◎◎を推奨する。
販売促進装置1は、多次元空間を解析し、事象を抽出し、因果関係を生成することによって、施策を決定する。
図2に沿って、因果関係36を説明する。本実施形態の因果関係36は、ベイジアンネットワークで表現される。よって、本実施形態では、因果関係及びベイジアンネットワークの両者に同じ符号“36”が付される。図2(a)のベイジアンネットワーク36は、ノードA、ノードB及びノードCを有する。販売促進装置1は、図1の各情報を参照し、複数のノードを生成する。ノードAは、ある顧客が“屋外テントを購買する”という事象を示す。ノードBは、当該顧客が“バーベキューセットを購買する”という事象を示す。ノードCは、当該顧客が“虫よけスプレーを購買する”という事象を示す。
・所定の期間に、100人の来店客があった。
・そのうち、屋外テントを買った人は10人であった。
・屋外テントと虫よけスプレーを同時に買った人は3人であった。なお、“同時”とは、2つの購買実績の発生時点が、所定の基準を満たす程度(例えば、24時間以内)に近接していることを示す。
〈例11〉屋外テントを購買した顧客に、虫よけスプレーを推奨する。
〈例12〉バーベキューセットを購買した顧客に、虫よけスプレーを推奨する。
図3に沿って、影響度を説明する。前記した項目のうちには、その項目の値の変化がKPI(例えば売上)に対し決定的な影響を及ぼすものが存在する。また、その項目の値の変化がKPIに対し殆ど影響を及ぼさないものも存在する。いま、各項目の値を入力とし、KPIを出力とする関数Fを想定する。
KPI=F(x1,x2,x3,・・・)
・|KPIとxiとの相関係数|
・KPIの分散
・KPI最大値−KPIの最小値
・KPIの確率分布 すなわち、項目がある範囲の値を取る確率
ここでは、KPIに対する影響度が項目ごとに定義される。なお、後記するように、KPIに対する影響度が、項目の値ごとに定義されることも可能である。
図4に沿って、クラスタリングを説明する。販売促進装置1は、任意の項目を軸に有する多次元空間において、販売実績を示す点“●”を描画することができる。個々の●は、複数の項目の値を有しており、各項目の値が、多次元空間の軸の目盛に相当する。説明の簡略化のために、以降では3次元空間の例を採用する。なお、図4(a)及び図4(b)に記載された破線の直方体は、その図が3次元空間であることを明らかにするためのものであり、それ以上の意味を有しない。
〈処理1〉販売促進装置1は、図1の各情報から“商品ID,売上”の組合せを任意の数だけ取得する。図4(a)では、その数は“4”であるとする。ここでの4つの商品IDが、“商品a”、“商品b”、“商品c”及び“商品d”に相当する。
〈処理4〉販売促進装置1は、“KPI”の値が最も大きく、かつ、“影響度”の値が所定の閾値以上である●を特定する。いま、販売促進装置1は、このような条件を満たす●として、“●c”(商品cに対応)を特定したとする。
以上の処理によって、販売促進装置1は、商品cが販売促進の対象として相応しいことを明らかにした。次に、販売促進装置1は、どのような年齢層に商品cを推奨するかを決定する。なお、ここで、販売促進装置1は、KPIの値が最も大きい●以外にも、所定の基準を満たす程度に大きい●を特定してもよい。
〈処理11〉販売促進装置1は、図1の各情報から“年齢,売上”の組合せを任意の数だけ取得する。このとき、販売促進装置1は、商品cを購買した顧客の年齢を取得している。図4(b)では、その数は“4”であるとする。ここでの4つの年齢が、“商品cを購買した年齢a”、“商品cを購買した年齢b”、“商品cを購買した年齢c”及び“商品cを購買した年齢d”に相当する。
〈処理14〉販売促進装置1は、“KPI”の値が最も大きく、かつ、“影響度”軸の値が所定の閾値以上である●を特定する。いま、販売促進装置1は、このような条件を満たす●として、“●a”(年齢aに対応)を特定したとする。なお、ここで、販売促進装置1は、KPIの値が最も大きい●以外にも、所定の基準を満たす程度に大きい●を特定してもよい。
図5に沿って、販売促進装置1の構成を説明する。販売促進装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、入力装置12、出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15及び通信装置16を備える。補助記憶装置15は、販売実績情報31、顧客情報33、KPI情報34及び商品情報35を格納している。これらは、図1における同名の各情報と同じものである。
図6に沿って、処理手順を説明する。説明の途中で、適宜図7及び図8を参照する。
ステップS201において、販売促進装置1のデータ準備部21は、販売実績情報31を取得する。具体的には、第1に、データ準備部21は、補助記憶装置1に記憶されている販売実績情報31のうち、項目“店舗”を除いたうえで、所定の期間に係る部分を取得する。所定の期間とは、例えば、現在日を含む暦年の1月1日から、現在日までの期間である。
第2に、データ準備部21は、販売実績情報31に対して新たに分割番号欄106を設け、分割番号欄106に分割番号を記憶する。分割番号は、分割された顧客層の上から順に、“1”、“2”、“3”、・・・である。この段階で、販売実績情報31は、図7(c)に示す状態になっている。図7(c)では、レコードが4本ごとに分割されている。ここでは説明の簡略化のために4本ごとに分割しているが、実際には、データ準備部21は、例えば数百本ごとに分割する場合もある。
第2に、項目抽出部22は、前記した方法で図1の各情報のすべての項目について、KPIに対する影響度を算出する。
第3に、項目抽出部22は、影響度情報37(図8(a))を作成し、その分割番号欄111、影響度欄112、及び、項目欄113に、それぞれ、処理中の分割番号、ステップS205の“第2”において算出した影響度、及び、項目名を記憶する。項目抽出部22は、繰り返し処理におけるステップS205を経由する都度、処理中の分割番号のレコードを、項目の数だけ作成して行くことになる。そして、項目抽出部22は、影響度情報37(図8(a))を最新の状態で補助記憶装置15に記憶する。
第3に、クラスタリング部24は、ステップS207の“第1”及び“第2”において取得されたKPIが大きい順に、項目に対して順番を付す。
第2に、施策決定部25は、次の情報を出力装置13又は他の任意の装置に表示する。
・ステップS205の“第3”において作成された影響度情報37
・ステップS206の“第2”で決定された因果関係36及び施策38
・ステップS207の“第1”及び“第2”においてクラスタリングが行われた際の3次元図形(図4(a)及び図4(b))
・ステップS208の“第1”において決定された施策38
なお、施策決定部25は、施策38を文字又は音声で出力してもよい。
その後、繰り返し処理が終了した段階で、処理手順を終了する。
本実施形態の販売促進装置1の効果は以下の通りである。
(1)ユーザは、属人的ノウハウを有さなくても、過去の販売実績情報から、販売促進のための具体的な施策を決定することができる。そして、その施策は、因果関係及び影響度から導出されるので、客観的かつ経営的に裏付けられている。
(2)ユーザは、優先的に注目すべき項目を知ることができる。
(3)ユーザは、具体的なターゲット顧客に対し具体的な商品を推奨することができる。
(4)ユーザは、因果関係の決定及び影響度の算出に際し、条件付確率、回帰分析等を行うための既存のアプリケーションを活用できる。
(5)ユーザは、例えば購買力等の顧客層ごとに施策を決定することができる。
(6)ユーザは、施策に反映させるべき経営指標を選択することができる。
2 外部サーバ
3 通信ネットワーク
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 主記憶装置
15 補助記憶装置
16 通信装置
21 データ準備部
22 項目抽出部
23 因果関係決定部
24 クラスタリング部
25 施策決定部
31 販売実績情報
32 外部情報
33 顧客情報
34 KPI情報
35 商品情報
36 因果関係(ベイジアンネットワーク)
37 影響度情報
38 施策
Claims (8)
- 商品の取引情報を含む販売実績情報を記憶する記憶装置と、
前記販売実績情報に基づいて、商品の販売促進のための施策を決定する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
商品の販売に関する複数の項目のそれぞれについて前記項目の値の変化が経営指標の変化に及ぼす影響度を算出し、前記複数の項目から、前記算出した影響度が所定の基準より大きい項目を抽出し、
前記抽出した項目が、商品の属性に関する情報である商品情報、及び、顧客の性別、年齢、住所、趣味又は購買行動の少なくとも一つの情報である顧客情報である場合、前記商品の属性のうち、所定の基準より大きい前記経営指標に対応する属性を特定し、
当該特定した属性の商品を購買した顧客の前記顧客情報の値のうち、所定の基準より大きい前記経営指標に対応する値を特定し、
前記特定した顧客情報の値を有する顧客に対し、前記特定した商品の属性が示す商品を推奨する
ことを特徴とする販売促進装置。 - 前記影響度は、
前記項目の値と前記経営指標との間の統計値であること、
を特徴とする請求項1に記載の販売促進装置。 - 前記影響度は、
回帰直線の傾き、相関係数、分散、又は、確率分布のうちの何れかであること、
を特徴とする請求項2に記載の販売促進装置。 - 前記制御装置は、
前記決定した施策を任意の装置に対し出力すること、
を特徴とする請求項3に記載の販売促進装置。 - 前記制御装置は、
前記項目を抽出するのに先立ち、前記商品の購買金額に基づき、前記販売実績情報を複数の群に分割すること、
を特徴とする請求項4に記載の販売促進装置。 - 前記経営指標は、
売上、利益、販売数量又は来店客数のうちの何れかであり、
前記制御装置は、
ユーザが何れかの経営指標を入力するのを受け付けること、
を特徴とする請求項5に記載の販売促進装置。 - 販売促進装置の記憶装置は、
商品の取引情報を含む販売実績情報を記憶しており、
前記販売促進装置の制御装置は、
前記販売実績情報に基づいて、商品の販売促進のための施策を決定し、
前記制御装置は、前記施策を決定するに際し、
商品の販売に関する複数の項目のそれぞれについて前記項目の値の変化が経営指標の変化に及ぼす影響度を算出し、前記複数の項目から、前記算出した影響度が所定の基準より大きい項目を抽出し、
前記抽出した項目が、商品の属性に関する情報である商品情報、及び、顧客の性別、年齢、住所、趣味又は購買行動の少なくとも一つの情報である顧客情報である場合、前記商品の属性のうち、所定の基準より大きい前記経営指標に対応する属性を特定し、
当該特定した属性の商品を購買した顧客の前記顧客情報の値のうち、所定の基準より大きい前記経営指標に対応する値を特定し、
前記特定した顧客情報の値を有する顧客に対し、前記特定した商品の属性が示す商品を推奨する
ことを特徴とする、販売促進装置の販売促進方法。 - コンピュータを、
商品の取引情報を含む販売実績情報を記憶する記憶装置と、
前記販売実績情報に基づいて、商品の販売促進のための施策を決定する制御装置と、
して機能させる販売促進プログラムであって、
前記制御装置に対して、
商品の販売に関する複数の項目のそれぞれについて前記項目の値の変化が経営指標の変化に及ぼす影響度を算出し、前記複数の項目から、前記算出した影響度が所定の基準より大きい項目を抽出し、
前記抽出した項目が、商品の属性に関する情報である商品情報、及び、顧客の性別、年齢、住所、趣味又は購買行動の少なくとも一つの情報である顧客情報である場合、前記商品の属性のうち、所定の基準より大きい前記経営指標に対応する属性を特定し、
当該特定した属性の商品を購買した顧客の前記顧客情報の値のうち、所定の基準より大きい前記経営指標に対応する値を特定し、
前記特定した顧客情報の値を有する顧客に対し、前記特定した商品の属性が示す商品を推奨する処理を実行させること、
を特徴とする、販売促進プログラム。
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