図1には、本実施形態に係る電力変換装置10が示されている。本実施形態に係る電力変換装置10は、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車又は燃料電池自動車等の車両に搭載され、当該車両に設けられている負荷に供給する電力を調整する装置である。もちろん、電力変換装置10は、車両以外の用途に用いられてもよい。
電力変換装置10は、複数相の電力変換回路を含み、各相の電力変換回路は、交流電源を含む電力系統VSに接続されている。図1に示す例では、電力変換装置10は、U相の電力変換回路に相当するU相セル群12Uと、V相の電力変換回路に相当するV相セル群12Vと、W相の電力変換回路に相当するW相セル群12Wと、を含み、各相の電力変換回路は、三相交流電源を含む電力系統VSに接続されている。具体的には、U相セル群12Uの一端は、電力系統VSのU相ラインに接続され、V相セル群12Vの一端は、電力系統VSのV相ラインに接続され、W相セル群12Wの一端は、電力系統VSのW相ラインに接続されている。U相セル群12Uの他端、V相セル群12Vの他端、及び、W相セル群12Wの他端は、中点Nに接続されている。
U相セル群12Uは、複数のセル(例えば、セル14A1,14B1,・・・,14N1)を含み、V相セル群12Vは、複数のセル(例えば、セル14A2,14B2,・・・,14N2)を含み、W相セル群12Wは、複数のセル(例えば、セル14A3,14B3,・・・,14N3)を含む。
各セルは、交流電力を交流電力に変換する入力側回路と、入力側回路から供給された交流電力を直流電力に変換する出力側回路と、入力側回路と出力側回路とを磁気結合するトランスと、を含む。また、出力側回路は、直流電源とコンデンサとを含む。
例えば、セル14A1は、入力側回路16A1と、出力側回路18A1と、入力側回路16A1と出力側回路18A1とを磁気結合するトランスTA1と、を含む。出力側回路18A1は、直流電源20A1とコンデンサCA1とを含む。同様に、セル14B1は、入力側回路16B1と、出力側回路18B1と、入力側回路16B1と出力側回路18B1とを磁気結合するトランスTB1と、を含む。出力側回路18B1は、直流電源20B1とコンデンサCB1とを含む。同様に、セル14N1は、入力側回路16N1と、出力側回路18N1と、入力側回路16N1と出力側回路18N1とを磁気結合するトランスTN1と、を含む。出力側回路18N1は、直流電源20N1とコンデンサCN1とを含む。入力側回路16A1,16B1,・・・,16N1は、互いに直列に接続されている。入力側回路16A1の一端は、電力系統VSのU相ラインに接続されており、入力側回路16N1の一端は、中点Nに接続されている。また、出力側回路18A1,18B1,・・・,18N1は、互いに並列に接続されている。
セル14A2は、入力側回路16A2と、出力側回路18A2と、入力側回路16A2と出力側回路18A2とを磁気結合するトランスTA2と、を含む。出力側回路18A2は、直流電源20A2とコンデンサCA2とを含む。同様に、セル14B2は、入力側回路16B2と、出力側回路18B2と、入力側回路16B2と出力側回路18B2とを磁気結合するトランスTB2と、を含む。出力側回路18B2は、直流電源20B2とコンデンサCB2とを含む。同様に、セル14N2は、入力側回路16N2と、出力側回路18N2と、入力側回路16N2と出力側回路18N2とを磁気結合するトランスTN2と、を含む。出力側回路18N2は、直流電源20N2とコンデンサCN2とを含む。入力側回路16A2,16B2,・・・,16N2は、互いに直列に接続されている。入力側回路16A2の一端は、電力系統VSのV相ラインに接続されており、入力側回路16N2の一端は、中点Nに接続されている。また、出力側回路18A2,18B2,・・・,18N2は、互いに並列に接続されている。
セル14A3は、入力側回路16A3と、出力側回路18A3と、入力側回路16A3と出力側回路18A3とを磁気結合するトランスTA3と、を含む、出力側回路18A3は、直流電源20A3とコンデンサCA3とを含む。同様に、セル14B3は、入力側回路16B3と、出力側回路18B3と、入力側回路16B3と出力側回路18B3とを磁気結合するトランスTB3と、を含む。出力側回路18B3は、直流電源20B3とコンデンサCB3とを含む。同様に、セル14N3は、入力側回路16N3と、出力側回路18N3と、入力側回路16N3と出力側回路18N3とを磁気結合するトランスTN3と、を含む、出力側回路18N3は、直流電源20N3とコンデンサCN3とを含む。入力側回路16A3,16B3,・・・,16N3は、互いに直列に接続されている。入力側回路16A3の一端は、電力系統VSのW相ラインに接続されており、入力側回路16N3の一端は、中点Nに接続されている。また、出力側回路18A3,18B3,・・・,18N3は、互いに並列に接続されている。
各出力側回路に設けられたコンデンサは、電圧バランス用のコンデンサである。
また、電力変換装置10は、各入力側回路及び各出力側回路の動作を制御する制御回路22を含む。後述するように、各入力側回路及び各出力側回路は、複数のスイッチング素子を含んでおり、制御回路22は、各スイッチング素子のスイッチング動作を制御する。
本実施形態では、一例として、U相セル群12U、V相セル群12V、及び、W相セル群12Wは、それぞれ3つのセルを含むものとする。以下、図2を参照して、セルについて詳しく説明する。図2には、U相セル群12Uが示されている。
U相セル群12Uは、セル14A1,14B1,14C1を含む。上述したように、セル14A1は、入力側回路16A1と出力側回路18A1とトランスTA1とを含む。セル14B1は、入力側回路16B1と出力側回路18B1とトランスTB1と、を含む。セル14C1は、入力側回路16C1と出力側回路18C1とトランスTC1とを含む。
以下、セル14A1の構成について詳しく説明する。
出力側回路18A1は、複数のスイッチング素子(例えばスイッチング素子S1A,S2A,S3A,S4A)と、直流電源20A1と、コンデンサCA1と、を含む。直流電源20A1のプラス端子は、トランスTA1の2次側コイルL2の中間タップに接続されている。直流電源20A1のマイナス端子は、コンデンサCA1の一方端子に接続されている。
ここで、直流電源20A1のマイナス端子とコンデンサCA1の一方端子とを接続するラインを、下側ライン24A1と称することとし、コンデンサCA1の他方端子に接続されているラインを、上側ライン26A1と称することとする。
出力側回路18A1は、下側ライン24A1と上側ライン26A1との間に互いに並行に配置された複数のアームを含む。図2に示す例では、一例として、2つのアーム(第1アーム及び第2アーム)が形成されている。第1アームは、スイッチング素子S1A,S2Aの直列接続によって構成されている。第2アームは、スイッチング素子S3A,S4Aの直列接続によって構成されている。第1アームにおいて、スイッチング素子S1Aは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン26A1に接続されている。スイッチング素子S2Aは下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン24A1に接続されている。同様に、第2アームにおいて、スイッチング素子S3Aは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン26A1に接続されている。スイッチング素子S4Aは、下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン24A1に接続されている。
スイッチング素子S1A〜S4Aは、例えば、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子である。各スイッチング素子においては、ソースとドレインとの間(エミッタとコレクタの間)に、ソース(エミッタ側)からドレイン側(コレクタ側)に電流を流すダイオードが配置されている。
例えば、スイッチング素子S1A〜S4Aのそれぞれに駆動回路が設けられており、スイッチング素子S1A〜S4Aは、制御回路22からの制御信号(ゲート信号)に基づいて、対応する駆動回路によってスイッチング制御(オン又はオフ制御)される。スイッチング素子S1A〜S4Aのスイッチング動作によって、交流電力が直流電力に変換される。
トランスTA1は、1次側コイルL1と2次側コイルL2とによって構成されている。2次側コイルL2の一方端子は、第1アームを構成するスイッチング素子S1A,S2Aの中間点に接続されており、2次側コイルL2の他方端子は、第2アームを構成するスイッチング素子S3A,S4Aの中間点に接続されている。上記のように、2次側コイルL2の中間タップは、直流電源20A1のプラス端子に接続されている。
直流電源20A1は直流電力を供給する電源である。直流電源20A1として、例えば充放電可能な電源が用いられてもよい。充放電可能な電源として、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等を用いることができる。
入力側回路16A1は、複数のスイッチング素子(例えばスイッチング素子S5A,S6A,S7A,S8A)を含む。
トランスTA1の1次側コイルL1の一方端子は下側ライン28A1に接続されており、1次側コイルL1の他方端子は上側ライン30A1に接続されている。
入力側回路16A1は、下側ライン28A1と上側ライン30A1との間に互いに並行に配置された複数のアームを含む。図2に示す例では、一例として、2つのアーム(第3アーム及び第4アーム)が形成されている。第3アームは、スイッチング素子S5A,S6Aの直列接続によって構成されている。第4アームは、スイッチング素子S7A,S8Aの直列接続によって構成されている。第3アームにおいて、スイッチング素子S5Aは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン30A1に接続されている。スイッチング素子S6Aは下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン28A1に接続されている。同様に、第4アームにおいて、スイッチング素子S7Aは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン30A1に接続されている。スイッチング素子S8Aは下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン28A1に接続されている。
スイッチング素子S5A〜S8Aは、双方向スイッチング素子である。双方向スイッチング素子としては、公知の双方向スイッチング素子を用いることができる。例えば、スイッチング素子S5A〜S8Aのそれぞれに駆動回路が設けられており、スイッチング素子S5A〜S8Aは、制御回路22からの制御信号(ゲート信号)に基づいて、対応する駆動回路によってスイッチング制御(オン又はオフ制御)される。スイッチング素子S5A〜S8Aのスイッチング動作によって、交流電力が交流電力に変換される。
以上のように、トランスTA1の1次側には交流電源が接続されており、2次側には直流電源20A1が接続されている。つまり、1次側が交流側であり、2次側が直流側であるとも言える。交流の1次側から直流の2次側に電力が供給され、直流負荷に給電できる。
以下、セル14B1の構成について詳しく説明する。セル14B1はセル14A1と同じ構成を有している。
出力側回路18B1は、複数のスイッチング素子(例えばスイッチング素子S1B,S2B,S3B,S4B)と、直流電源20B1と、コンデンサCB1と、を含む。直流電源20B1のプラス端子は、トランスTB1の2次側コイルL2の中間タップに接続されている。直流電源20B1のマイナス端子は、コンデンサCB1の一方端子に接続されている。
ここで、直流電源20B1のマイナス端子とコンデンサCB1の一方端子とを接続するラインを、下側ライン24B1と称することとし、コンデンサCB1の他方端子に接続されているラインを、上側ライン26B1と称することとする。
出力側回路18B1は、下側ライン24B1と上側ライン26B1との間に互いに並行に配置された複数のアームを含む。図2に示す例では、一例として、2つのアーム(第1アーム及び第2アーム)が形成されている。第1アームは、スイッチング素子S1B,S2Bの直列接続によって構成されている。第2アームは、スイッチング素子S3B,S4Bの直列接続によって構成されている。第1アームにおいて、スイッチング素子S1Bは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン26B1に接続されている。スイッチング素子S2Bは下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン24B1に接続されている。同様に、第2アームにおいて、スイッチング素子S3Bは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン26B1に接続されている。スイッチング素子S4Bは、下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン24B1に接続されている。
スイッチング素子S1B〜S4Bは、例えば、MOSFETやIGBT等のスイッチング素子である。各スイッチング素子においては、ソースとドレインとの間(エミッタとコレクタの間)に、ソース(エミッタ側)からドレイン側(コレクタ側)に電流を流すダイオードが配置されている。
例えば、スイッチング素子S1B〜S4Bのそれぞれに駆動回路が設けられており、スイッチング素子S1B〜S4Bは、制御回路22からの制御信号(ゲート信号)に基づいて、対応する駆動回路によってスイッチング制御(オン又はオフ制御)される。スイッチング素子S1B〜S4Bのスイッチング動作によって、交流電力が直流電力に変換される。
トランスTB1は、1次側コイルL1と2次側コイルL2とによって構成されている。2次側コイルL2の一方端子は、第1アームを構成するスイッチング素子S1B,S2Bの中間点に接続されており、2次側コイルL2の他方端子は、第2アームを構成するスイッチング素子S3B,S4Bの中間点に接続されている。上記のように、2次側コイルL2の中間タップは、直流電源20B1のプラス端子に接続されている。
直流電源20B1は直流電力を供給する電源である。直流電源20B1として、例えば充放電可能な電源が用いられてもよい。充放電可能な電源として、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等を用いることができる。
入力側回路16B1は、複数のスイッチング素子(例えばスイッチング素子S5B,S6B,S7B,S8B)を含む。
トランスTB1の1次側コイルL1の一方端子は下側ライン28B1に接続されており、1次側コイルL1の他方端子は上側ライン30B1に接続されている。
入力側回路16B1は、下側ライン28B1と上側ライン30B1との間に互いに並行に配置された複数のアームを含む。図2に示す例では、一例として、2つのアーム(第3アーム及び第4アーム)が形成されている。第3アームは、スイッチング素子S5B,S6Bの直列接続によって構成されている。第4アームは、スイッチング素子S7B,S8Bの直列接続によって構成されている。第3アームにおいて、スイッチング素子S5Bは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン30B1に接続されている。スイッチング素子S6Bは下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン28B1に接続されている。同様に、第4アームにおいて、スイッチング素子S7Bは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン30B1に接続されている。スイッチング素子S8Bは下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン28B1に接続されている。
スイッチング素子S5B〜S8Bは、双方向スイッチング素子である。双方向スイッチング素子としては、公知の双方向スイッチング素子を用いることができる。例えば、スイッチング素子S5B〜S8Bのそれぞれに駆動回路が設けられており、スイッチング素子S5B〜S8Bは、制御回路22からの制御信号(ゲート信号)に基づいて、対応する駆動回路によってスイッチング制御(オン又はオフ制御)される。スイッチング素子S5B〜S8Bのスイッチング動作によって、交流電力が交流電力に変換される。
以上のように、トランスTB1の1次側には交流電源が接続されており、2次側には直流電源20B1が接続されている。つまり、1次側が交流側であり、2次側が直流側であるとも言える。交流の1次側から直流の2次側に電力が供給され、直流負荷に給電できる。
以下、セル14C1の構成について詳しく説明する。セル14C1はセル14A1と同じ構成を有している。
出力側回路18C1は、複数のスイッチング素子(例えばスイッチング素子S1C,S2C,S3C,S4C)と、直流電源20C1と、コンデンサCC1と、を含む。直流電源20C1のプラス端子は、トランスTC1の2次側コイルL2の中間タップに接続されている。直流電源20C1のマイナス端子は、コンデンサCC1の一方端子に接続されている。
ここで、直流電源20C1のマイナス端子とコンデンサCC1の一方端子とを接続するラインを、下側ライン24C1と称することとし、コンデンサCC1の他方端子に接続されているラインを、上側ライン26C1と称することとする。
出力側回路18C1は、下側ライン24C1と上側ライン26C1との間に互いに並行に配置された複数のアームを含む。図2に示す例では、一例として、2つのアーム(第1アーム及び第2アーム)が形成されている。第1アームは、スイッチング素子S1C,S2Cの直列接続によって構成されている。第2アームは、スイッチング素子S3C,S4Cの直列接続によって構成されている。第1アームにおいて、スイッチング素子S1Cは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン26C1に接続されている。スイッチング素子S2Cは下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン24C1に接続されている。同様に、第2アームにおいて、スイッチング素子S3Cは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン26C1に接続されている。スイッチング素子S4Cは、下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン24C1に接続されている。
スイッチング素子S1C〜S4Cは、例えば、MOSFETやIGBT等のスイッチング素子である。各スイッチング素子においては、ソースとドレインとの間(エミッタとコレクタの間)に、ソース(エミッタ側)からドレイン側(コレクタ側)に電流を流すダイオードが配置されている。
例えば、スイッチング素子S1C〜S4Cのそれぞれに駆動回路が設けられており、スイッチング素子S1C〜S4Cは、制御回路22からの制御信号(ゲート信号)に基づいて、対応する駆動回路によってスイッチング制御(オン又はオフ制御)される。スイッチング素子S1C〜S4Cのスイッチング動作によって、交流電力が直流電力に変換される。
トランスTC1は、1次側コイルL1と2次側コイルL2とによって構成されている。2次側コイルL2の一方端子は、第1アームを構成するスイッチング素子S1C,S2Cの中間点に接続されており、2次側コイルL2の他方端子は、第2アームを構成するスイッチング素子S3C,S4Cの中間点に接続されている。上記のように、2次側コイルL2の中間タップは、直流電源20C1のプラス端子に接続されている。
直流電源20C1は直流電力を供給する電源である。直流電源20C1として、例えば充放電可能な電源が用いられてもよい。充放電可能な電源として、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等を用いることができる。
入力側回路16B1は、複数のスイッチング素子(例えばスイッチング素子S5C,S6C,S7C,S8C)を含む。
トランスTC1の1次側コイルL1の一方端子は下側ライン28C1に接続されており、1次側コイルL1の他方端子は上側ライン30C1に接続されている。
入力側回路16C1は、下側ライン28C1と上側ライン30C1との間に互いに並行に配置された複数のアームを含む。図2に示す例では、一例として、2つのアーム(第3アーム及び第4アーム)が形成されている。第3アームは、スイッチング素子S5C,S6Cの直列接続によって構成されている。第4アームは、スイッチング素子S7C,S8Cの直列接続によって構成されている。第3アームにおいて、スイッチング素子S5Cは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン30C1に接続されている。スイッチング素子S6Cは下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン28C1に接続されている。同様に、第4アームにおいて、スイッチング素子S7Cは上側アームに属する上側スイッチング素子であり、上側ライン30C1に接続されている。スイッチング素子S8Cは下側アームに属する下側スイッチング素子であり、下側ライン28C1に接続されている。
スイッチング素子S5C〜S8Cは、双方向スイッチング素子である。双方向スイッチング素子としては、公知の双方向スイッチング素子を用いることができる。例えば、スイッチング素子S5C〜S8Cのそれぞれに駆動回路が設けられており、スイッチング素子S5C〜S8Cは、制御回路22からの制御信号(ゲート信号)に基づいて、対応する駆動回路によってスイッチング制御(オン又はオフ制御)される。スイッチング素子S5C〜S8Cのスイッチング動作によって、交流電力が交流電力に変換される。
以上のように、トランスTC1の1次側には交流電源が接続されており、2次側には直流電源20C1が接続されている。つまり、1次側が交流側であり、2次側が直流側であるとも言える。交流の1次側から直流の2次側に電力が供給され、直流負荷に給電できる。
U相セル群12Uにおいては、入力側回路16A1,16B1,16C1が互いに直列に接続されている。具体的には、入力側回路16A1の第3アームを構成するスイッチング素子S5A,S6Aの中間点と、電力系統VSのU相ラインと、が接続されている。入力側回路16A1の第4アームを構成するスイッチング素子S7A,S8Aの中間点と、入力側回路16B1の第3アームを構成するスイッチング素子S5B,S6Bの中間点と、が接続されている。入力側回路16B1の第4アームを構成するスイッチング素子S7B,S8Bの中間点と、入力側回路16C1の第3アームを構成するスイッチング素子S5C,S6Cの中間点と、が接続されている。入力側回路16C1の第4アームを構成するスイッチング素子S7C,S8Cの中間点と、電力変換装置10の中点Nと、が接続されている。このように、入力側回路16A1,16B1,16C1が直列に接続されている。また、出力側回路18A1,18B1,18C1は、互いに並列に接続されている。
直流電源20A1,20B1,20C1の電圧は、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。直流電源20A,20B1,20C1の電圧が互いに異なることで、セル毎に、直流電源の電圧を異ならせることができる。
V相セル群12V及びW相セル群12Wも、U相セル群12Uと同じ構成を有している。つまり、V相セル群12Vは、セル14A2,14B2,14C2を含む。セル14A2は、入力側回路16A2と出力側回路18A2とトランスTA2とを含む。セル14B2は、入力側回路16B2と出力側回路18B2とトランスTB2とを含む。セル14C2は、入力側回路16C2と出力側回路18C2とトランスTC2とを含む。また、W相セル群12Wは、セル14A3,14B3,14C3を含む。セル14A3は、入力側回路16A3と出力側回路18A3とトランスTA3とを含む。セル14B3は、入力側回路16B3と出力側回路18B3とトランスTB3とを含む。セル14C3は、入力側回路16C3と出力側回路18C3とトランスTC3とを含む。これらの構成は、U相セル群12Uに含まれる構成と同じであるため、各構成の詳細な説明は省略する。
以下、図3及び図4を参照して、電力変換装置10の動作例の概要について説明する。図3には、電力変換装置10の構成が示されている。図3に示されている電流経路32は、各スイッチング素子のスイッチング動作を制御することで、U相ラインとV相ラインとの間に形成された電流経路である。ここで、各セルに印加される電圧を以下のように定義する。
電圧VA1:U相のセル14A1に印加される電圧
電圧VB1:U相のセル14B1に印加される電圧
電圧VC1:U相のセル14C1に印加される電圧
電圧VA2:V相のセル14A2に印加される電圧
電圧VB2:V相のセル14B2に印加される電圧
電圧VC2:V相のセル14C2に印加される電圧
図4には、電流経路32が形成されるときの電圧関係の一例が示されている。例えば、交流電源から6.6kVの高圧の交流電圧が印加されているものとする。6.6kVのUV相ライン間電圧に対して、U相セル群12UとV相セル群12Vとに含まれる6個のセルによって電圧変換回路が構成されているため、1つのセルに印加される電圧は1.1kV(=6.6kV/6)となる。
以上のように、セルの数を増やすことで、個々のセルに印加される電圧が減少するので、低耐圧素子の利用が可能となり、その結果、電力変換の高効率化が可能となる。例えば、1.2kV耐圧素子のオン抵抗は650V耐圧素子のオン抵抗よりも高い。素子耐圧を低減することでオン抵抗を低減できるので、定常損失を低減して電力変換の高効率化が可能となる。
なお、後述するように、出力側回路に設けられたコンデンサによって、各セルの電圧バランスが図られる。
以下、図5及び図6を参照して、出力側回路に含まれる各スイッチング素子の動作について詳しく説明する。図5には、各期間における各スイッチング素子のスイッチング状態が示されている。図6には、各期間の長さが示されている。以下では、各出力側回路を代表して、U相セル群12Uのセル14A1に含まれる出力側回路18A1の動作について説明するが、他の出力側回路の動作も、出力側回路18A1と同様に制御される。
図5に示すように、期間t1においては、スイッチング素子S1A,S4Aがオンになり、スイッチング素子S2A,S3Aがオフになる。期間t2においては、スイッチング素子S1A,S3Aがオンになり、スイッチング素子S2A,S4Aがオフになる。期間t3においては、スイッチング素子S2A,S3Aがオンになり、スイッチング素子S1A,S4Aがオフになる。期間t4においては、スイッチング素子S2A,S4Aがオンになり、スイッチング素子S1A,S3Aがオフになる。
図6に示されているシーケンス34,36は、期間t1〜t4の長さを表わしている。期間t1〜t4の長さは、各スイッチング素子のオン期間とオフ期間の長さに対応しているため、シーケンス34,36は、各スイッチング素子のオン期間とオフ期間との比であるデューティ比を表わしていることになる。
シーケンス34は、直流電源(出力側回路18A1の動作制御においては直流電源20A1)の電圧が低電圧のときのシーケンス、つまり、高負荷時のシーケンスである。シーケンス36は、直流電源の電圧が高電圧のときのシーケンス、つまり、低負荷時のシーケンスである。例えば、直流電源の電圧が閾値以下の場合、その電圧は低電圧に該当し、直流電源の電圧が閾値より大きい場合、その電圧は高電圧に該当する。直流電源の電圧が低電圧の場合、直流電源の電圧が高電圧の場合と比べて、期間t1,t3が長くなっており、期間t2,t4が短くなっている。つまり、直流電源の電圧の大きさに応じて、出力側回路に含まれる各スイッチング素子のオン期間及びオフ期間の長さが変更される。
出力側回路18A1以外の出力側回路も、出力側回路18A1と同様に制御される。個々の出力側回路毎に、つまり、個々のセル毎に、期間t1〜t4から選択される期間を変えたり、期間t1〜t4の長さを変えたりすることで、個々のセル毎に、電力変換を個別的に制御することが可能となる。例えば、セル14A1に含まれる出力側回路18A1と、セル14B1に含まれる出力側回路18B1と、で選択される期間や期間の長さを変えることで、セル14A1,14B1においてそれぞれ異なる電力変換を行うことが可能となる。同じ相に含まれる複数のセル間で異なる電力変換制御が行われてもよいし、互いに異なる相に含まれる複数のセル間で異なる電力変換制御が行われてもよい。
例えば、出力側回路に含まれる直流電源の電圧の大きさに応じて、当該出力側回路に含まれる各スイッチング素子のオン期間及びオフ期間(つまりデューティ比)を変えることで、各セルのコンデンサ電圧のバランスを図ることが可能となる。
以下、図7及び図8を参照して、電力変換装置10の動作例について説明する。ここでは、各セル群を代表してU相セル群12Uの動作について説明するが、V相セル群12V及びW相セル群12Wについても、U相セル群12Uと同様に制御することができる。
図7には、各セルに関するシーケンスが示されている。シーケンス38は出力側回路18A1に関するシーケンスであり、シーケンス40は出力側回路18B1に関するシーケンスであり、シーケンス42は出力側回路18C1に関するシーケンスである。期間44においては、出力側回路18A1の各スイッチング素子は、期間t2又は期間t4における制御に従って動作し、出力側回路18B1の各スイッチング素子は、期間t1における制御に従って動作し、出力側回路18C1の各スイッチング素子は、期間t2又は期間t4における制御に従って動作する。
図8には、図7に示されているシーケンスに従って各スイッチング素子が動作したときの電流経路が示されている。
入力側回路16A1においては、スイッチング素子S5A,S8Aがオンになっており、スイッチング素子S6A,S7Aがオフになっている。同様に、入力側回路16B1においては、スイッチング素子S5B,S8Bがオンになっており、スイッチング素子S6B,S7Bがオフになっている。同様に、入力側回路16C1においては、スイッチング素子S5C,S8Cがオンになっており、スイッチング素子S6C,S7Cがオフになっている。これにより、入力側回路16A1,16B1,16C1には、電力系統VSのU相ラインから中点Nに掛けて電流経路46が形成される。
出力側回路18A1は、期間t2における制御に従って動作している。つまり、スイッチング素子S1A,S3Aがオンになっており、スイッチング素子S2A,S4Aがオフになっている。これにより、出力側回路18A1には、スイッチング素子S1A,S3Aを通る電流経路48が形成され、出力側回路18A1は、対応する入力側回路16A1にとって短絡回路として機能することになる。
出力側回路18B1は、期間t1における制御に従って動作している。つまり、スイッチング素子S1B,S4Bがオンになっており、スイッチング素子S2B,S3Bがオフになっている。これにより、出力側回路18B1には、スイッチング素子S1B、コンデンサCB1、及び、スイッチング素子S4Bを通る電流経路50が形成され、入力側回路16B1から出力側回路18B1に電力が供給される。
出力側回路18C1は、期間t2における制御に従って動作している。つまり、スイッチング素子S1C,S3Cがオンになっており、スイッチング素子S2C,S4Cがオフになっている。これにより、出力側回路18C1には、スイッチング素子S1C,S3Cを通る電流経路52が形成され、出力側回路18C1は、対応する入力側回路16C1にとって短絡回路として機能することになる。
以上のように、本実施形態によれば、出力側回路内のスイッチング素子のスイッチング動作を制御することで、例えば、U相セル群12Uにおいて、セル14A1,14C1に電力を供給せずに、セル14B1のみに電力を供給することが可能となる。V相セル群12V及びW相セル群12Wについても同様である。本実施形態によれば、セル毎に電力供給を制御することが可能となる。
本実施形態によれば、入力側回路にコンデンサを設けて電圧バランスを行う場合と比べて、コンデンサの低容量化が可能となり、その結果、回路の小型化が可能となる。つまり、各セルの出力側回路に設けられたコンデンサの電圧は、トランスの1次側電圧(高圧の交流電圧)に依存せずに、トランスの2次側電圧(直流電源の電圧)に依存することになるので、コンデンサの低容量化が可能となる。例えば、U相ラインと中点Nとの間の電圧が3.3kVになる場合、トランスの電圧比(例えば、1:2.5)によって各セルの電圧が440V(3300/3/電圧比)となる。一方、入力側回路には1.1kVの電圧が印加される。従って、本実施形態のように出力側回路にコンデンサを設けることで、入力側回路にコンデンサを設ける場合と比べて、コンデンサの低容量化が可能となる。また、各セルの出力側回路を他の出力側回路から独立して制御することが可能であるため、各セルの直流電源の電圧の大きさ(負荷の大きさ)が互いに異なっている場合であっても、スイッチング制御によって電圧バランスを図ることができる。これにより、高圧交流電源側の力率制御が影響を受けず、力率を改善できる。
ここで、図9を参照して比較例について簡単に説明する。図9には、比較例に係る電力変換装置が示されている。比較例に係る電力変換装置は、例えば、上記の非特許文献1に記載された回路の応用例に相当する。比較例に係る電力変換装置は、U相の電力変換回路と、V相の電力変換回路と、W相の電力変換回路と、を含む。図9には、U相の電力変換回路に相当するU相セル群54が示されている。V相の電力変換回路とW相の電力変換回路も、U相セル群54と同じ構成を有している。以下では、各相の電力変換回路を代表して、U相セル群54について説明する。
U相セル群54の一端は、三相交流電源を含む電力系統のU相ラインに接続されており、U相セル群54の他端は、中点Nに接続されている。同様に、V相の電力変換回路としてのV相セル群の一端は、電力系統のV相ラインに接続されており、V相セル群の他端は、中点Nに接続されている。同様に、W相の電力変換回路としてのW相セル群の一端は、電力系統のWラインに接続されており、W相セル群の他端は、中点Nに接続されている。
U相セル群54は、セル56A,56B,56Cを含む。セル56Aは、入力側回路58Aと、出力側回路60Aと、入力側回路58Aと出力側回路60Aとを磁気結合するトランスTと、を含む。同様に、セル56Bは、入力側回路58Bと、出力側回路60Bと、入力側回路58Bと出力側回路60Bとを磁気結合するトランスTと、を含む。同様に、セル56Cは、入力側回路58Cと、出力側回路60Cと、入力側回路58Cと出力側回路60Cとを磁気結合するトランスTと、を含む。入力側回路58A,58B,58Cは、それぞれ複数のスイッチング素子と、電圧バランス用のコンデンサCと、を含む。
比較例に係る電力変換装置においては、入力側回路58A,58B,58Cに含まれる各スイッチング素子のスイッチング動作を制御することで、特定の出力側回路に電力を供給することができる。図9に示す例では、入力側回路58A,58B,58Cに電流経路62が形成され、セル56Bの出力側回路60Bに電流経路64が形成されて、出力側回路60Bに電力が供給されている。この場合、出力側回路60Bに対応する入力側回路58Bに含まれるコンデンサCのみならず、入力側回路58A,58Cに含まれるコンデンサCにも電圧が印加される。U相ラインと中点Nとの間の電圧が3.3kVになる場合、セル56A,56B,56Cには、1.1kVの電圧が印加されることになる。つまり、入力側回路58A,58B,58Cに含まれる各コンデンサCに、1.1kVの電圧が印加される。また、比較例においては、電圧が供給されない出力側回路60A,60Cに対応する入力側回路58A,58Cに含まれるコンデンサCにも電圧が印加される。このように、比較例に係る電力変換装置では、コンデンサCの容量は高圧側の電圧に依存するため、大容量のコンデンサCを用いる必要がある。また、各セルにおけるコンデンサ電圧がアンバランスになるとき、入力側回路での電流制御に振動やひずみが発生することによって、力率が悪化する。
一方、本実施形態によれば、上述したように、出力側回路に電圧バランス用のコンデンサが設けられているので、コンデンサの低容量化が可能となり、また、力率を改善できる。
以下、制御回路22について詳しく説明する。図10には、制御回路22の機能が示されている。制御回路22は、大別して、U相用の電圧バランス部68U及び相電流制御部70Uと、V相用の電圧バランス部68V及び相電流制御部70Vと、W相用の電圧バランス部68W及び相電流制御部70Wと、を含む。各電圧バランス部は、各セルのコンデンサ電圧を制御し、各相電流制御部は、入力側回路における電流(高圧交流電源の電流)を制御する。電流iuは、電力系統VSのU相ラインからU相セル群12Uの入力側回路に供給される電流である。電流ivは、電力系統VSのV相ラインからV相セル群12Vの入力側回路に供給される電流である。電流iwは、電力系統VSのW相ラインからW相セル群12Wの入力側回路に供給される電流である。
以下、図11及び図12を参照して、制御回路22の構成について更に詳しく説明する。図11には、U相用の電圧バランス部68U及び相電流制御部70Uの具体的な構成が示されている。図12には、U相セル群12Uが示されている。ここでは、各相を代表してU相の制御について説明するが、V相及びW相についてもU相と同様に制御される。
電圧PI制御部72A、電流PI制御部74A、及び、位相制御部76Aは、セル14A1に含まれる出力側回路18A1を構成するスイッチング素子S1A〜S4Aを制御する機能を備えている。電圧PI制御部72B、電流PI制御部74B、及び、位相制御部76Bは、セル14B1に含まれる出力側回路18B1を構成するスイッチング素子S1B〜S4Bを制御する機能を備えている。電圧PI制御部72C、電流PI制御部74C、及び、位相制御部76Cは、セル14C1に含まれる出力側回路18C1を構成するスイッチング素子S1C〜S4Cを制御する機能を備えている。
電圧Vdc*は、U相セル群12Uに対する電圧指令値である。図12に示すように、電圧Vdc1は、出力側回路18A1を構成するコンデンサCA1の電圧である。電圧Vdc2は、出力側回路18B1を構成するコンデンサCB1の電圧である。電圧Vdc3は、出力側回路18C1を構成するコンデンサCC1の電圧である。また、電流idc1は、出力側回路18A1に流れる電流である。電流idc2は、出力側回路18B1に流れる電流である。電流idc3は、出力側回路18C1に流れる電流である。
電圧PI制御部72Aと電流PI制御部74Aによって、セル14A1に含まれるコンデンサCA1の電圧Vdc1が制御される。同様に、電圧PI制御部72Bと電流PI制御部74Bによって、セル14B1に含まれるコンデンサCB1の電圧Vdc2が制御される。同様に、電圧PI制御部72Cと電流PI制御部74Cによって、セル14C1に含まれるコンデンサCC1の電圧Vdc3が制御される。
また、位相制御部76Aによって、セル14A1に含まれるスイッチング素子S1A〜S4Aのオン及びオフを制御するためのゲート信号が生成される。同様に、位相制御部76Bによって、セル14B1に含まれるスイッチング素子S1B〜S4Bのオン及びオフを制御するためのゲート信号が生成される。同様に、位相制御部76Cによって、セル14C1に含まれるスイッチング素子S1C〜S4Cのオン及びオフを制御するためのゲート信号が生成される。これらのゲート信号に従って、各出力側回路を構成する各スイッチング素子のスイッチング動作が制御される。
電流PI制御部78とEXNOR論理部80は、セル14A1に含まれる入力側回路16A1を構成するスイッチング素子S5A〜S8A、セル14B1に含まれる入力側回路16B1を構成するスイッチング素子S5B〜S8B、及び、セル14C1に含まれる入力側回路16C1を構成するスイッチング素子S5C〜S8Cを制御する機能を備えている。
周波数ωは、U相、V相及びW相の各相の周波数である。電流iacは、電力系統VSの各相ラインから各相の入力側回路に供給される電流である。U相についての電流iacは電流iuであり、V相についての電流iacは電流iuであり、W相についての電流iacは電流iwである。電流iac*は、各相についての電流指令値である。
電流PI制御部78とEXNOR論理部80によって、セル14A1に含まれるスイッチング素子S5A〜S8A、セル14B1に含まれるスイッチング素子S5B〜S8B、及び、セル14C1に含まれるスイッチング素子S5C〜S8Cのオン及びオフを制御するためのゲート信号が生成される。これらのゲート信号に従って、各入力側回路を構成する各スイッチング素子のスイッチング動作が制御される。
図12に示されている電圧Vac1は、入力側回路16A1に印加される電圧であり、電圧Vac2は、入力側回路16B1に印加される電圧であり、電圧Vac3は、入力側回路16C1に印加される電圧である。
図13には、U相セル群12Uの動作波形の一例が示されている。高圧交流電源の電圧は「1905V」である(Vac1+Vac2+Vac3=1905V)。セル14A1に含まれる直流電源20A1の電圧は「340V」であり、セル14B1に含まれる直流電源20B1の電圧は「300V」であり、セル14C1に含まれる直流電源20C1の電圧は「260V」である。このように、各セルに含まれる各直流電源の電圧が互いに異なる。このとき、各セルの出力側回路を構成する各スイッチング素子のスイッチング動作を制御することで、各セルに含まれるコンデンサCA1,CB1,CC1の電圧を制御し、例えば「450V(=Vdc*)」の電圧バランスを行う。
V相セル群12V及びW相セル群12Wについても、U相セル群12Uと同様に制御される。
以上のように、本実施形態によれば、各セルに含まれる出力側回路を構成する各スイッチング素子を制御することで、高圧交流電源から直流負荷に給電できる。また、入力側回路に電圧バランス用のコンデンサを設けたことで、コンデンサの低容量化が可能となる。また、各セルに含まれる各出力側回路を構成する各スイッチング素子のオン期間及びオフ期間を制御することで、各出力側回路に供給される電圧を制御することが可能となる。また、電圧バランスを行うことが可能となる。