JP6832276B2 - 薬剤の眼内送達 - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤の眼内送達のための新規のシステムに関する。
局所眼科製剤は、一般的に、眼の前方部に影響を及ぼす疾患(緑内障、虹彩炎、結膜炎眼感染症及び眼球乾燥症候群(DES)が挙げられるが、これらに限定されるものではない)の治療に用いられる。DESとは、様々な病因を有する眼表面障害のスペクトルをいい、涙液生成及び排液の不適切なバランス又は涙液組成の異常に起因する角膜及び結膜の慢性眼球乾燥により特徴づけられる。さらに、多くの場合、眼表面の炎症が発生する。
T細胞リンパ球媒介性炎症反応が、DESの可能性のある原因として認識されている。その結果として、近年では、DES治療のために局所免疫抑制剤としてシクロスポリン(CSA)及びタクロリムス(TAC)の使用が浮上している。このような治療は、炎症反応の低下を示し、また、涙液生成の増加も示唆されている。CSA及びTACの疎水性及び低い水溶性により、それらは、一般的に、生物学的利用能の制限、安定性及び眼耐性の問題に結びついている油性ビヒクルを用いて製剤化される。
市販のRESTASIS(登録商標)のようなエマルジョン系製剤は、涙液生成を有意に改善させることが示されている。しかしながら、RESTASIS(登録商標)は最適ではなく、その製剤は、低い眼の生物学的利用能に悩まされることが知られている。RESTASIS(登録商標)のようなひまし油ベースのエマルジョンが、二峰性の液滴サイズ分布により特徴付けられるということが報告されている。その結果として、これらの組成物は、液滴合体を生じさせ、保存期間を制限するという傾向がある。
ひまし油エマルジョン液滴の前角膜滞留時間が限られること、油滴に対するCSAの親和性がより大きいことから、眼組織中に上記の薬剤をその治療レベル(50〜300ng/g)に保つために毎日2回の投与を必要とする。角膜表面上の滞留時間を長くするために正電荷エマルジョンの使用が提案されている。液滴上の正電荷が、角膜細胞の負電荷表面との相互作用を増加させるという仮説が立てられている。これに関して、正電荷エマルジョンは、RESTASIS(登録商標)と比較して、単回投与後に、ウサギの角膜中において、より高い最大濃度を示した(P. Daull, et al; Distribution of cyclosporine A in ocular tissues after topical administration of cyclosporine A cationic emulsions to pigmented rabbits, Cornea, 32 (2013) 345−354)。
Kuwanoらは、「Pharmaceutical research, 19(2002)108−111」で、ステアリン酸ポリオキシル40を含有するCSAの水性分散液を製造した。ステアリン酸ポリオキシル40を含有するCSAの水性分散液は、CSAのひまし油液及びCSAのひまし油o/wエマルジョンの両方と比べて、より高い生物学的利用能を有した。著者らは、CSAの生物学的利用能が、その担体から分散媒へのその放出速度に影響されるということを示唆した。これに関して、油性ビヒクル(ひまし油のエマルジョン又は溶液)からのCSAの放出が、油性相におけるCSAの高い分配係数により制限された。ステアリン酸ポリオキシル40を含有する組成物は、水性ベース(無油性)であるので、この障害を受けていなかった。さらに、ステアリン酸ポリオキシル40は、エマルジョンの液滴よりもはるかに小さい200nmのミセルを形成した。それにより、より多くのCSAを放出する可能性がある。
Calvoらは、「International Journal of Pharmaceutics, 103 (1994) 283−291」において、ε−カプロラクトンナノ粒子の使用が、CSAの眼内浸透を向上させることを報告した。著者らは、これらのナノ粒子が、CSA油性溶液よりも5倍多くのCSAを角膜レベルに到達させることを証明した。このような向上は、投与部位でのナノ粒子の滞留時間の延長によるものであると提案されている。
WO2004/026912には、疎水性薬剤を可溶化するために用いられる多糖類が記載されている。多糖類は、両親媒性であり、一般的に以下の任意の誘導体から選ばれる:キトサン、デキストラン、アルギン酸、デンプン、デキストラン及びグアーガム。第4級アンモニウムパルミトイルグリコールキトサン(GCPQ)及び第4級アンモニウムヘキサデシルグリコールキトサン(GCHQ)が、可溶化多糖類として、本特許出願の実施例において用いられる。
WO2008/017839には、両親媒性炭水化物ポリマーから形成されるミセルクラスター及び疎水性薬剤の製剤化におけるそれらの使用が記載されている。具体的に、GCPQが両親媒性炭水化物ポリマーとして例示されている。具体的に、免疫抑制剤としてのプレドニゾロンの使用が言及されている。
RESTASIS(登録商標)が、現在、DESの治療に用いられているが、この課題を解決するために、依然として別の製剤が必要とされている。理想的な製剤は、薬剤の生物学的利用能を向上させる一方で、少なくともRESTASIS(登録商標)のものに匹敵する安定性及び眼の忍容性を有する必要がある。
本発明の第一の形態によれば、眼への局所適用による眼障害の治療に使用するための、2%w/v未満の濃度のマクロライド免疫抑制剤及び1〜50kDaの範囲の分子量を有する両親媒性炭水化物化合物を含む水性組成物であって、
両親媒性炭水化物化合物が、組成物に対して10%w/v未満の濃度で存在し、一般式:
[式中、
a+b+c+d=1.000であり、
aは、0.00〜0.84であり、
bは、0.01〜0.40であり、
cは、0.10〜0.94であり、
dは、0.05〜0.50であり;
Xは、疎水基であり;
、R及びRは、独立して、置換又は無置換のアルキル基から選ばれ;
、R、R及びR10は、独立して、水素、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基から選ばれ;
は、存在していても、或いは存在していなくてもよく、存在する場合、無置換又は置換されたアルキル基、無置換又は置換されたアミン基又は置換又は無置換のアミド基であり;
及びRは、独立して、水素及び置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基のいずれかから選ばれる。]
で表されるもの又はその塩である、水性組成物が提供される。
本発明の第二の形態によれば、1種以上の医薬上許容される賦形剤、並びに2%w/v未満の濃度のマクロライド免疫抑制剤及び1〜50kDaの範囲の分子量を有する両親媒性炭水化物化合物を含む眼投与に適した医薬組成物であって、
両親媒性炭水化物化合物が、組成物に対して10%w/v未満の濃度で存在し、一般式:
[式中、
a+b+c+d=1.000であり、
aは、0.00〜0.84であり、
bは、0.01〜0.40であり、
cは、0.10〜0.94であり、
dは、0.05〜0.50であり;
Xは、疎水基であり;
、R及びRは、独立して、置換又は無置換のアルキル基から選ばれ;
、R、R及びR10は、独立して、水素、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基から選ばれ;
は、存在していても、或いは存在していなくてもよく、存在する場合、無置換又は置換されたアルキル基、無置換又は置換されたアミン基又は置換又は無置換のアミド基であり;
及びRは、独立して、水素及び置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基のいずれかから選ばれる。]
で表されるもの又はその塩である、医薬組成物が提供される。
本発明の第三の形態によれば、本発明の第一又は第二の形態の組成物を眼に局所投与する眼障害の治療方法が提供される。
両親媒性炭水化物化合物は、水性媒体中においてナノ粒子に自己集合することが可能である。
本発明の目的は、良好な安定性、忍容性及び生物学的利用性を有する眼科組成物を提供することである。これは、水性媒体中において自己集合することが可能な正電荷の両親媒性自己集合ポリマーを用いることにより達成される。これらのポリマーは、眼科組成物に適した多機能性を有する。それらは、粘膜付着性を有する正電荷のナノ粒子薬剤担体の形態で粘性又は非粘性の水性分散液を形成する。1種のみの賦形剤が使用できるので、製剤の簡素さが維持される。とりわけ、脂質又はエマルジョンの使用を必要としない。
ポリマー分子の分子量は重要であり、1kDa未満であると、一般的に、十分な量の薬剤をカプセル化するには小さすぎ、50kDaを超えると、ポリマーにより粘性が高すぎる組成物がもたらされ得る。また、適切なポリマー濃度も重要であり、ゲル形成防止のため、組成物に対して10%w/v未満であるべきである。さらに、2%w/v未満の薬剤濃度とすることにより、ポリマー分子内に完全に組み込むことが可能となる。
(発明の詳細な説明)
マクロライド薬剤は、免疫抑制剤として有用であり、通常、シロリムス、シクロスポリンA、タクロリムス及びエベロリムスから選ばれ、好ましくは、シクロスポリンA(CSA)である。CSAは、角膜移植片拒絶及び様々な眼障害(乾性角結膜炎及びブドウ膜炎を含む)の治療のための、眼科における応用可能性を示す強力な免疫抑制剤である。水溶性の低さにより、CSAは、現在、上記でさらに議論したような眼科エマルジョン(Restasis(登録商標))として製剤化される。
本発明の組成物は、眼球乾燥症候群(DES)(乾性角結膜炎(KCS)としても知られる)、春季角結膜炎(VKC)、湿疹、アトピー性角結膜炎(AKC)、シェーグレン症候群、屈折矯正手術術後、角膜移植又はコンタクトレンズ不耐症の治療に用いることができる。
薬剤は、通常、自己集合正電荷両親媒性ポリマーによりカプセル化される。
薬剤は、好ましくは、角膜及び結膜のような表在性眼組織に送達される。
両親媒性化合物は、キトサン誘導体である。
両親媒性炭水化物化合物は、式:
[式中、
a+b+c+d=1.000であり、
aは、0.00〜0.84であり、
bは、0.01〜0.40であり、
cは、0.10〜0.94であり、
dは、0.05〜0.50であり;
Xは、疎水基であり;
、R及びRは、独立して、置換又は無置換のアルキル基から選ばれ;
、R、R及びR10は、独立して、水素、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基から選ばれ;
は、存在していても、或いは存在していなくてもよく、存在する場合、無置換又は置換されたアルキル基、無置換又は置換されたアミン基又は置換又は無置換のアミド基であり;
及びRは、独立して、水素、及び置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基のいずれかから選ばれる。]
で表されるもの又はその塩である。
上記一般式では、a、b、c及びd単位は、任意の順序で配置され得、順序付けされたもの、部分的に順序付けられたもの、或いはランダムなものであり得る。式中のは、連続したポリマー鎖を示すために用いられる。
好ましい実施形態では、d単位のモル比は、0.08〜0.25の範囲内である。
好ましくは、b単位のモル比は、0.02〜0.4である。
上記式から分かるように、a及びc単位は、任意で存在しなくてもよい。d単位は、疎水基で誘導体化されたモノマー単位の第一部分を提供し、b単位は、四級窒素基で誘導体化されたモノマー単位の第二部分を提供する。存在する場合、a単位は、アミン基が第一基又は第二基とは異なる手法により誘導化されたモノマー単位の第三基を提供する。
存在する場合、c単位は、アミン基が誘導体化されていないモノマー単位の第四基を提供する。
本発明において、疎水基Xは、好ましくは、アルキル基(例えば、C4−30アルキル基)、アルケニル基(例えば、C4−30アルケニル基)、アルキニル基(例えば、C4−30アルキニル基)、アリール基(例えば、C5−20アリール基)、1個を上回るC4−環構造を有する多環式疎水基(例えば、ステロール(例、コレステロール))、1個を上回るC−Cヘテロ原子環構造を有する多環式疎水基、ポリオキサC−Cアルキレン基(例えば、ポリオキサブチレンポリマー)、又は疎水性ポリマー置換基(例えば、ポリ(乳酸)基、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)基又はポリ(グリコール酸)基)である置換又は無置換基から選ばれる。X基は、直鎖、分枝鎖又はシクロ基であり得る。X基の何れかは、d単位に直接結合してもよく(即ち、モノマー単位のC2で)、或いはアミン基、アシル基、又はアミド基のような官能基を介して結合し、その結果、X’−環、X’−NH−、X’−CO−環、X’CONH−環(式中、X’は、上記定義の疎水基である。)として表され得る結合を形成してもよい。
X基の好ましい例としては、式CH(CH−CO−NH−又はCH(CH−NH−又はアルケン酸CH(CH−CH=CH−(CH−CO−NH−(式中、nは、4〜30であり、より好ましくは、6〜20であり、p及びqは、同一又は異なって、4〜16、より好ましくは、4及び14である。)により表されるものが挙げられる。X置換基の特に好ましいクラスは、例えば、式CH(CHCO−NH−(式中、nは2〜28である。)により表されるようなアミド基を介してキトサンモノマー単位に結合している。アミド基は、例えば、キトサンのアミン基へのカルボン酸のカップリングにより生成する。好ましい例は、脂肪酸誘導体CH(CHCOOH(例えば、カプリン酸(n=8)、ラウリン酸(n=10)、ミリスチン酸(n=12)、パルミチン酸(n=14)、ステアリン酸(n=16)又はアラキジン酸(n=18)に基づくもの)である。
上記式では、R、R及びRは、好ましくは、独立して、置換又は無置換のアルキル基(例えば、C1−10アルキル基)から選ばれる。R、R及び/又はRは、直鎖又は分枝鎖であり得る。好ましくは、R、R及びRは、独立して、メチル、エチル又はプロピル基から選ばれる。
上記式では、R及びRは、好ましくは、独立して、水素、及び置換又は無置換のアルキル基(例えば、C1−10アルキル基)から選ばれる。R及び/又はRは、直鎖又は分枝鎖であり得る。好ましくは、R及びRは、独立して、メチル、エチル又はプロピル基から選ばれる。
上記式では、R、R、R及びR10は、C6又は糖単位上に存在し、独立して、水素、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基から選ばれる。好ましくは、R、R、R及びR10基は、1個以上のヒドロキシル基又はその他の非イオン性親水性置換基で置換されている。R、R5、、及びR10基は、例えば、式−(CH−OH(式中、pは、1〜10であり、好ましくは、2〜4である。)、又は−(CH−CH(CH−OH)(式中、pは、1〜10である。)、又は−(CH2)−C(CH−OH)(式中、pは、1〜10であり、rは、3である。)、又は−(CHCHOH)(式中、pは、1〜300である。)で表される。
基は、一般式において、存在しても、存在しなくてもよい。存在しない場合、キトサン骨格のモノマー単位に直接結合した第4級アンモニウム官能基を提供する。R基が存在する場合、例えば、式−(CH−で表されるような無置換又は置換されたアルキル基(例えば、C1−10アルキル基)、式−NH−(CH−で表されるようなアミン基、又は式−NH−CO−(CH−で表されるようなアミド基であり得る(nは、1〜10であり、好ましくは、1〜4である。)。R置換基の好ましい例は、ベタイン(−OOC−CH−N−(CH)とb単位のアミン置換基のカップリングにより提供され、−NH−CO−CH−Nのようなアミド基を提供する。
示されているように、本明細書に記載の置換基のいくつかは、無置換であってもよく、或いは当業者によく知られているような1以上の追加の置換基で置換されていてもよい。一般的な置換基としては、例えば、ハロ;ヒドロキシル;エーテル(例えば、C1−7アルコキシ);ホルミル;アシル(例えば、C1−7アルキルアシル、C5−20アリールアシル);ハロゲン化アシル;カルボキシ;エステル;アシルオキシ;アミド;アシルアミド;チオアミド;テトラゾリル;アミノ;ニトロ;ニトロソ;アジド;シアノ;イソシアノ;シアナト;イソシアナト;チオシアノ;イソチオシアノ;スルフヒドリル;チオエーテル(例えば、C1−7アルキルチオ);スルホン酸;スルホナート;スルホン;スルホニルオキシ;スルフィニルオキシ;スルファミノ;スルホンアミノ;スルフィンアミノ;スルファミル;スルホンアミド;C1−7アルキル(例えば、無置換C1−7アルキル、C1−7ハロアルキル、C1−7ヒドロキシアルキル、C1−7カルボキシアルキル、C1−7アミノアルキル、C5−20アリール−C1−7アルキルを含む);C3−20ヘテロシクリル;及びC5−20アリール(例えば、C5−20カルボアリール、C5−20ヘテロアリール、C1−7アルキル−C5−20アリール及びC5−20ハロアリールを含む)基が挙げられる。
本明細書で用いられる用語「環構造」は、3〜10個の共有結合原子、なおより好ましくは、3〜8個の共有結合原子、なおより好ましくは、5〜6個の共有結合原子の閉じた環に関する。環は、脂環式環又は芳香環であり得る。本明細書で用いられる用語「脂環式環」は、芳香環ではない環に関する。
本明細書で用いられる用語「炭素環」は、全ての環原子が炭素原子である環に関する。
本明細書で用いられる用語「炭素芳香環」は、全ての環原子が炭素原子である芳香環に関する。
本明細書で用いられる用語「複素環」は、環原子の少なくとも1個が多価の環ヘテロ原子(例えば、窒素、リン、ケイ素、酸素又は硫黄、より一般的には、窒素、酸素、又は硫黄)である環に関する。好ましくは、複素環は、1〜4個のヘテロ原子を有する。
上記の環は、「多環式基」の一部であり得る。
好ましくは、両親媒性炭水化物化合物は、第4級アンモニウムパルミトイルグリコールキトサン(GCPQ)である。この場合は、パルミトイル化レベルは、好ましくは、1モノマーあたり5〜50%である。四級化レベルは、好ましくは、1モノマーあたり1〜40%である。
本発明の組成物において、薬剤は、好ましくは、0.001〜1%w/vの範囲内の濃度で存在する。
濃度が%w/vで表される場合、これは、組成物100mL中に含まれる固体の量(g)を意味する。
両親媒性炭水化物化合物は、1〜50kDaの範囲内の分子量を有する。分子量は、好ましくは、ゲル透過クロマトグラフィー−多角度光散乱(GPC−MALLS)を用いて測定する。
両親媒性炭水化物化合物は、トリポリホスフェートのようなその他の薬剤の存在なしに、水性媒体中において、粒子に自己集合することが可能である。一般的に、ミセルを形成する。
本発明の組成物は、微粒子凝集体を形成してもよい。これらは、個々の両親媒性物質分子及び親水性薬剤の凝集により形成させることができ、10nm〜20μmの平均粒径を有する。
好ましくは、両親媒性炭水化物化合物は、薬剤を充填できるナノ粒子を形成する。透明又は半透明の炭水化物及び薬剤の分散体が形成し得る。一般的に、両親媒性化合物を薬剤と混合し、混合物のボルテックス及びプローブ超音波処理、或いは混合物の高圧均質化により分散体を調製する。
平均粒径は、顕微鏡により又は光子相関分光法を用いることにより容易に測定することができ、好都合なことに、ろ過前に水性分散液中において測定される。より好ましくは、ポリマーミセル凝集体は、少なくとも10nm、より好ましくは少なくとも30nmの最小平均粒径、及び好ましくは10μm以下の最大平均粒径を有する。
通常、両親媒性炭水化物化合物、対、薬剤の比は、1:1〜50:1の範囲内、より好ましくは1:1〜20:1の範囲内である。
通常、両親媒性炭水化物化合物、対、薬剤、対、医薬上許容される担体の比は、約1〜40mg:1mg:1gであり得、例えば、1〜5mg:1mg:1gである。
本発明の医薬組成物は、眼投与に適した液体又は固体形態であり得る。一般的に、製剤は、透明又は乳白色の液体製剤である。
適切な1日用量は、年齢、体重、投与時間等に基づいて決定することができる。1日用量が、患者の状態及び体重、並びに薬剤の性質に応じて変化し得る一方で、代表的な眼用量は、0.01〜10mg/人/日である。
物質及び方法
ポリマー
N−パルミトイル−N−モノメチル−N,Nジメチル−N,N,N−トリメチル−6−O−グリコールキトサン(GCPQ)を合成し、以前にUS20100159014「I.F. Uchegbu, A.G. Schatzlein, X. Hou, Polymeric micellar clusters and their uses in formulating drugs」に記載された通りに特徴づけた。実験に用いられるGCPQは、モノマー単位に対して20.51Mol%のパルミトイル基、モノマー単位に対して11.93Mol%の第4級アンモニウム基を有し、9.13KDaの分子量を有した。
CsA組成物
CSAを含む組成物は、以下の通り調製した。ポリマーの秤量した試料及び薬剤の秤量した試料に、リン酸緩衝食塩水(pH=7.4、20mL)を加えた。初期のポリマー、薬剤の重量比は7.5:1であり、薬剤含有量を調整し、0.05%、0.08%及び0.1%w/vの濃度とした。液体混合物を2分間ボルテックスし、完全な混合を確保にし、次いで、30サイクル間20,000psiで高圧均質化に付した(英国Avestin Emulsiflex, GCT Technology)。
CsA製剤安定性
安定性分析のために、製剤のアリコートを、冷蔵温度(2〜3℃)、室温(16〜22℃)又は加速温度(40℃)の何れか3通りで保存し、また、凍結融解サイクル(−20℃で2日間、5℃で2日間及び40℃で2日間、3サイクルの繰り返し)の実行時にもモニターした。様々な時間間隔で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)アッセイにより薬剤含有量について製剤を分析した。
CsAアッセイ
HPLCアッセイを、これまでに「W.P. Cheng, A.I. Gray, L. Tetley, T.L.B. Hang, A.G. Schatzlein, I.F. Uchegbu, Polyelectrolyte nanoparticles with high drug loading enhance the oral uptake of hydrophobic compounds, Biomacromolecules,7(2006)1509−1520.」で説明されているようにして行った。簡単に、アリコート(100μL)を等量のメタノールで希釈し、溶液をろ過し(0.22μm)、ろ液を、C18逆相オニキスモノリシックカラム(100X4.6mm)に注入した。移動相をアセトニトリル、水(60:40)、流速を1.2mL min−1、注入体積を20μL、カラム温度を70℃とした。HPLCシステムは、アジレント1200シリーズ(英国アジレント・テクノロジーズ社)とし、データを、アジレントChemStationソフトウエアで分析した。
in vivo実験
CSAの局所眼投与のために、雄のニュージーランドウサギ(n=3、英国ハーラン)に、手順に軽微な変更を加えて上記のように調製したGCPQを含む0.05%w/VのCSA組成物を投与した。
in vivo製剤
GCPQ(GCPQLC2Sep13−脱プロトン化、Mw=13,210Da、Mn=12,180Da、モル%パルミトイル化=17%、モル%第4級アンモニウム基=12%)を、3.1%w/Vのグリセリンを含む水溶液に0.75%w/Vの濃度で分散した。少なくとも2時間オービタルシェーカーでポリマーを穏やかに振盪することにより分散させた。ポリマーを完全に分散させてから、3.1μmシリンジフィルターにより分散液をろ過した。
上記のポリマー分散液を、量り取った量のCSA粉末を加えた(目標量の2倍のCSAを加えた。)。CSA粉末を、はじめに混合物をボルテックスし、次いで、高圧ホモジナイザー(AvestinC5)を用いて18000psiで30サイクル処理することにより分散させた。高圧均質化の後、NaOH(1M)を用いてpHを7.4に調整した。製剤を5℃で少なくとも24時間保存し、HPLCで分析し、最後に0.75%w/VのGCPQ及び3.1%w/Vのグリセロールを含むポリマー分散液(予めpH7.4に調整し、3.1μmシリンジフィルターを用いてろ過したもの)で希釈し、製剤を必要な強度とした。
動物実験
ニュージーランドアルビノ雄ウサギ2.5〜3kg(英国ハーランラボラトリーズ)を、実験の5日以上前に順化させた。試験中、ウサギを水に自由に出入りさせた。製剤を両目に投与した。製剤投与のために、下眼瞼を穏やかに眼球から引き離し、目盛り付きマイクロピペットを用いて、25μLの製剤を下部結膜盲嚢に塗布した。投与後、上眼瞼及び下眼瞼をおよそ5秒間一緒に手で保持し、製剤が角膜と接触するようにした。次いで、その後60秒後に瞬きの回数を記録した。事前に決められた時点(0.5、2、4、8、24時間)で、動脈血の試料を周辺耳動脈から採取した。次いで、ペントバルビタールのIV過剰投与注射によりウサギを処分した。涙液試料を2μLのキャピラリーで採取した。様々な組織を解剖し、0.9%NaCl溶液で洗浄し、ろ紙上で乾燥し、その後の分析のために保存した。汚染を最小限に抑えるために、眼組織を以下の順番で回収した:(1)房水、(2)結膜、(3)硝子体液、(4)水晶体、(5)角膜及び(6)強膜。両目由来の組織を、同じ容器に保存した。はじめに(解剖2〜5時間後)、試料を氷中に保存し(解剖後2〜5時間)、その後、分析を行うまでそれらを−80℃で保存した。
組織分析
組織中のCSAの濃度を、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS/MS)を用いて測定した。
標準の調製
CSA原液を、メタノール(LC−MS用,シグマ−アルドリッチ)中、ガラス製バイアルにおいて1mg mL−1の濃度で調製した。作業標準(WS)を、メタノール中でのCSA原液の連続希釈により調製し、〜50〜1000000ng mL−1の濃度範囲の作業標準(表1)を得た。
表1:CSA作業標準溶液の調製
CsA−d12(独国レシピー)を内部標準として用いた。内部標準(IS)の原液を、アセトニトリル中で6.25μg mL−1の濃度に調製した。IS標準液(IS−PPT)を、メタノールでのIS原液の希釈により新たに調製し、5ng mL−1の濃度でISを得た。
組織を解凍し(はさみで小片に切断した固体組織で)、重さを量り(99.0±1.0mg又は液体組織は99μL)、1.5mLポリプロピレンマイクロ遠心分離管に入れた。それぞれの管に、ある体積の作業標準WS0〜WS14(表2)を加えた。次いで、スパイクした試料を、10分間ボルテックスした。
表2:CSA較正標準の調製
次いで、スパイクした試料を、400μLのIS−PPTを加えることにより抽出し、室温で4時間ボルテックスした。次いで、試料をボルテックスから取り出し、そのまま5℃で30分間放置した後、遠心分離(5000gX10分)した。上清をHPLCバイアルに移し、LC−MSを用いて分析した。
試料の調製
組織を解凍し(はさみで小片に切断した固体組織で)、重さを量り(100.0±1.0mg又は液体組織100μL)、1.5mLポリプロピレンマイクロ−遠心分離管に入れた。次いで、試料を、400μLのIS−PPTを加えることにより抽出し、室温で4時間ボルテックスした。次いで、試料をボルテックスから取り出し、そのまま5℃で30分間放置した後、遠心分離した(5000gX10分)。上清をHPLCバイアルに移し、LC−MSを用いて分析した。
LC−MS/MS計測
試料を、脱ガス装置(HiP脱ガス装置1260/G4225A)、バイナリポンプ(HiP1260バイナリポンプ/G1312B)、オートサンプラ(HiPサンプラ1260/G1367E)、カラムオーブン(G1316A)及びトリプル四重極質量分析計(G6460A)を含むアジレント6400シリーズトリプル四重極LC/MSシステム(英国バークシャー、アジレントテクノロジーズ)で分析した。アジレントMassHunter Workstationソフトウエアを、システム制御、データ取得及びデータ処理のために使用した。
クロマトグラフィー条件
試料(注入体積=5μL)を、60℃のカラム温度、600μL min−1の流速の移動相を伴う、Cartridge Gemini(C18 4x2.0mm)ガードカラムを備えたアジレントZorbax Extend−C18(50x2.1mmカラム、細孔径=3.5μm)でクロマトグラフに付した。移動相のグラジエントは、表3に示した通りである(溶液A=0.02%w/v酢酸水、溶液B=0.02%w/v酢酸を含むメタノール)。上記のクロマトグラフ条件下で得られた2つの被分析物の代表的な保持時間を、表4に報告する。
表3:LC−MS/MS分析のためのグラジエント法
表4:LC−MS/MS保持時間
質量分析計の条件
イオンソースを、窒素をソースとするアジレントJet Stream(AJS)とし、スキャンモードを多重反応モニタリング(MRM)とし、極性を陽性イオンモードとし、ネブライザー圧を30psiとし、ガスフローを5L min−1とし、ガス温度を340℃とし、キャピラリー電圧を5000Vとし、シースガスヒーターを400℃とし、シースガスフローを11L min−1とし、Vチャージングを1500Vとした。表5は、2つの被分析物各々の定量化のための質量分析計の条件を報告する。
表5:LC−MS/MS分析のためのイオンチャネル検出器の設定
定量化
CSA及びCSA−d12の較正曲線を、表2において説明されるようにして調製した標準を用いて作成した。
薬物動態分析
Microsoft Excel professionalプラス2010を用いて、薬物動態パラメーターを算出した。IBM SPSS Statisticsを統計分析のために使用した。定量限界未満の値(BLQ)を、計算のために0とみなした。
統計分析
IBM SPSS Statisticsを、統計分析のために用いた。定量限界未満の値(BLQ)を、計算のために0とみなした。まずは、2元配置ANOVA分析、続いて、事後検定(テューキーのHSD)を行い、時間点全体にわたる3つの製剤の間の差を試験した。3つの製剤の間に統計学的に有意な差異が見出された場合、各時点における統計学的に有意な差異を、一元配置ANOVA、続いて、事後検定(それぞれ等分散または不等分散を有するテューキーのHSD又はGames−Howellの何れか)を用いて評価した。
結果
表6は、透明液体製剤の物理化学的特性を報告する。浸透圧及びpHは、眼科調製物の範囲内であった。
表6:組成物の物理化学的性質
上記条件下で熱安定性試験に付した製剤は、薬剤含有量に対して安定であった(表7〜10)。
表7:熱安定性試験に付したCSA0.050%w/V及びGCPQ0.375%w/Vを含む組成物の薬剤含有量
表8:熱安定性試験に付したCSA0.080%w/V及びGCPQ0.600%w/Vを含む組成物の薬剤含有量
表9:熱安定性試験に付したCSA0.100%w/V及びGCPQ0.750%w/Vを含む組成物の薬剤含有量
表10:凍結融解サイクルに付したCSA0.100%w/V及びGCPQ0.750%w/Vを含む組成物の薬剤含有量
乳白色液体の製剤を、加速保存温度(40℃)に付すと可逆的により不透明となり、より低い温度(室温)にさらすと乳白色の外観に戻り、より低い温度(室温及び冷蔵)で保存した場合には乳白色の外観が保持された。40℃で保存した場合のこの外観変化は、冷蔵温度からヒトの生理学的温度に温度が上昇するにつれて薬剤の溶解度が低下するというシクロスポリンAの固有溶解度の変化に起因する(溶解度=5℃で101.5μg mL−1、25℃で19.9μg mL−1、及び37℃で3.7μg mL−1)。
目視観察により測定した限りでは、保存期間の間に薬剤沈殿物が観察されなかった。3つの製剤の保存条件全てにおいて、薬剤含有量が30日間にわたって変化しなかった(表7〜9)(データに対してANOVA検定を行った。初期の製剤及び保存した製剤の間に有意な差はなかった。)。
熱サイクルに付した場合、視覚的巨視的分析により、3サイクルの終わりに製剤にわずかな濁りが見られることが明らかとなったが、目視観察による測定ではいかなる薬剤沈殿物も存在しなかった。さらに、薬剤含有量は、熱サイクルの間安定していた(表10)(結果に対するANOVA検定で決定した)。
CSA0.050%w/V及びGCPQ0.75%w/vを含む組成物の局所眼投与後の様々な組織におけるCSA濃度を、表11に報告する。Restasis(登録商標)を対照の製剤として投与した。
表11:CSA0.050%w/V及びGCPQ0.75%w/V、並びにRestasis(登録商標)を含む組成物の局所眼投与後の様々なウサギ眼組織におけるCSA濃度
BLQ_p:血漿における定量限界(1.6ng/mL)未満;BLQ_a:房水における定量限界(0.5ng/mL)未満。
in−vivo局所眼投与の実験により、GCPQを含む組成物は、市販の組成物のRestasis(登録商標)に比べてより生物学的に利用可能であることが明らかとなった(表11)。具体的に、角膜及び結膜における薬剤の量は、GCPQ組成物を用いると、終わりの24時間の時点を除いて全ての時点で、Restasisと比較した場合に統計的に有意(p<0.05)に高かった。さらに強膜における薬剤の量は、GCPQ組成物を用いると、4及び8時間の時点で、Restasis(登録商標)と比較した場合に統計的に有意(p<0.05)に高かった。房水、硝子体液及び血漿では、2つの組成物の間に薬剤の量の差が見られなかった。
これらの結果をまとめると、GCPQ組成物が、DESの主な標的である眼組織(角膜及び結膜)にCSAを送達する上でより効果的であることが明らかとなる。とりわけ、血漿におけるCSA濃度は、血漿における定量限界(1.6ng/mL)未満であった。したがって、製剤が全身性副作用を引き起こさないことを示唆している。

Claims (11)

  1. 眼への局所適用による眼障害の治療に使用するための、2%w/v未満の濃度のシクロスポリンA及び1〜50kDaの範囲の分子量を有する両親媒性炭水化物化合物を含む水性組成物であって、
    両親媒性炭水化物化合物が、組成物に対して10%w/v未満の濃度で存在し、且つ一般式:


    [式中、
    a+b+c+d=1.000であり、
    aは、0.00〜0.84であり、
    bは、0.01〜0.40であり、
    cは、0.00〜0.84であり、
    dは、0.05〜0.50であり;
    Xは、疎水基であり;
    、R及びRは、独立して、置換又は無置換のアルキル基から選ばれ;
    、R、R及びR10は、独立して、水素、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基から選ばれ;
    は、存在していても、或いは存在していなくてもよく、存在する場合、無置換又は置換されたアルキル基、無置換又は置換されたアミン基又は置換又は無置換のアミド基であり;
    及びRは、独立して、水素、及び置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基のいずれかから選ばれる。]
    で表されるもの又はその塩である、水性組成物。
  2. 脂質を含まない請求項1に記載の組成物。
  3. 眼球乾燥症候群(DES)、春季角結膜炎(VKC)、湿疹、アトピー性角結膜炎(AKC)、シェーグレン症候群、屈折矯正手術術後、角膜移植又はコンタクトレンズ不耐症の治療に用いるための請求項1又は2に記載の組成物。
  4. シクロスポリンAが、炭水化物化合物を形成する自己集合することが可能な正電荷の両親媒性ポリマーによりカプセル化される請求項1〜の何れか一項に記載の組成物。
  5. 10nm〜20μmの平均粒径を有するポリマー凝集体の形態である請求項1〜の何れか一項に記載の組成物。
  6. 炭水化物化合物が、第4級アンモニウムパルミトイルグリコールキトサン(GCPQ)である請求項1〜の何れか一項に記載の組成物。
  7. パルミトイル化レベルdが、0.08〜0.25の範囲内である請求項に記載の組成物。
  8. 四級化レベルbが、0.02〜0.20の範囲内である請求項又はに記載の組成物。
  9. シクロスポリンAが、0.001〜1%w/vの範囲内の濃度で存在する請求項1〜の何れか一項に記載の組成物。
  10. 1種以上の医薬上許容される賦形剤、2%w/v未満の濃度のシクロスポリンA及び1〜50kDaの範囲の分子量を有する両親媒性炭水化物化合物を含む眼投与用の医薬組成物であって、
    両親媒性炭水化物化合物が、組成物に対して10%w/v未満の濃度で存在し、且つ一般式:


    a+b+c+d=1.000であり、
    aは、0.00〜0.84であり、
    bは、0.01〜0.40であり、
    cは、0.10〜0.94であり、
    dは、0.05〜0.50であり;
    Xは、疎水基であり;
    、R及びRは、独立して、置換又は無置換のアルキル基から選ばれ;
    、R、R及びR10は、独立して、水素、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基から選ばれ;
    は、存在していても、或いは存在していなくてもよく、存在する場合、無置換又は置換されたアルキル基、無置換又は置換されたアミン基又は置換又は無置換のアミド基であり;
    及びRは、独立して、水素及び置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のエーテル基、又は置換又は無置換のアルケン基のいずれかから選ばれる。]
    で表されるもの又はその塩である、医薬組成物。
  11. 請求項2〜の特徴の何れかを有する請求項10に記載の医薬組成物。
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