以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
<1.構成の概要:図1および図2>
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の構成の概要を説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図を、図2は遊技盤の正面側を示した図である。
図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。また遊技盤3の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図3参照)が配設されている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成され、その操作の前後で演出に変化をもたらすことが可能な演出ボタン13(操作手段)が設けられている。この演出ボタン13の内部またはその近傍には、フルカラーLEDからなる発光部(図3中のボタンLED75)が形成されている。ボタンLED75は、演出ボタン13の操作が有効な操作有効期間(入力受付有効期間)になると、第1所定色(たとえば黄色)で点灯し(操作有効報知)、操作有効期間以外の期間になると、第2所定色(たとえば白色)で点灯(または消灯)する(操作無効報知)。またボタンLED75は、予告演出中の光演出手段としても利用される。
前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の適所には、光の装飾により光演出効果を奏する装飾ランプ45(フルカラーLED:光演出用LED)が複数設けられている。この装飾ランプ45としてのフルカラーLED(光演出用LED)は、パチンコ遊技機の周囲、つまりガラス扉6の前枠周縁に周方向に複数個設けられており、本明細書で「周囲LED45」と称される。この周囲LED45は、正常時には文字通り装飾用として用いられるほか、演出用としても用いられる。またエラー時には、エラー種別に対応した報知態様(表示態様)、たとえば、所定色(赤色や白色)で点灯または点滅して、現在発生中のエラーを報知する(図14参照)。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動表示および停止表示)が可能である液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、装飾図柄の変動表示動作の他、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り48の存在によって遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるように、遊技領域3aのほぼ中央部に配置されている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作による特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置36では、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示して、種々の予告演出(演出画像)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣に、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1、2、普通図柄の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。たとえば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38aにおける第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」入賞装置として構成されている。
普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38bにおける第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない。しかし本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成してもよいし、両流下経路のそれぞれに形成してもよい。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。
なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。なお、可動翼片47は、後述の電サポ有り状態を伴う遊技状態になると、通常状態よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。
本実施形態の場合、遊技者がどのような打ち方をすれば有利な状況となるかについては、遊技状態に応じて変化する。具体的には、後述の「電サポ無し状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされ、後述の「電サポ有り状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、または入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。なお、入賞口に遊技球が入球すれば、その遊技球は入賞検出スイッチにより検出されることとなるため、本明細書中では特に断りのない限り、入賞検出スイッチに遊技球が検出されたか否かによらず、入賞口に遊技球が入球した場合を含めて「入賞」と称する場合がある。
<可動体役物>
また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する複数の可動体役物が配設されている。本例ではセンター飾り48内の右上側、つまり右流下経路3cを通る遊技球の流下を妨害しない位置に第1の可動体役物(時計型役物)80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物90)が配設されている。第1の可動体役物である時計型役物80は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部81と、この時計盤部81上を回動し、必要に応じて時分を示すことができる短針および長針からなる時計針82とを有して構成される。また、時計盤部(数字表示部)81の上記数字セクター区画場所(ローマ文字「I」から「XII」の数字セクター)毎に裏側または内部にフルカラーLEDを有し、または数字セクター自体がフルカラーLEDで構成されていて、それらのローマ文字「I」から「XII」を付した数字セクターが個々に独立して異なった色で発光できる構成となっている。
この時計型役物80は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する「主役物」として働くものである。時計型役物80の時計針82がぐるぐる高速で回り、時計盤部81の数字セクターが所定の「色と個数」で発色し、遊技者に対し当り当選期待度を示す働きをする。たとえば、時計盤部(数字表示部)81の数字セクターが所定の「色と個数」で発色し、遊技者に対し当選期待度を示す働きをする。たとえば、時計盤部81における数字セクターのLEDの発光色が、白色(通常色)、青色、黄色、緑色、赤色、虹色に発光し、この順に遊技者に対する当選期待度が高まるようになっている。
また第2の可動体役物である花型役物90は、花心A1の周りに複数枚の花弁からなる花冠A2を配し、花心A1および花冠A2を上下方向(落下移動)または左右方向に移動可能(突出移動)に構成した第1可動体91と、その花冠A2の外側周囲に位置する萼B1を茎部B2の先端に取り付け、萼B1を茎部B2に沿って上下方向に移動可能に構成した第2可動体92とから構成される。第1可動体91と第2可動体92は、図示のように、液晶画面の片側近く(右側方)の実線位置を初期位置とし、両者が合体した状態で配置されている。この実施形態の場合、第1可動体91と第2可動体92は互いに独立に動作可能であり、また第1可動体91と第2可動体92(萼B1)とが合体しながら、上下方向や左右方向(破線位置等)にも動作可能である。この花型役物90は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する「副役物」として働くものである。第1可動体91と第2可動体92が合体した場合、第1可動体91(花心A1および花冠A2)が第2可動体92の茎部B2の先端部において回転すると共に、半透明の花心A1、花冠A2および萼B1が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色する。
また第3の可動体役物(回転灯62および発光装置を納めた半透明の球状の可動体73)が演出ボタン13内に揺動および回転可能に一体的に組み込まれている。詳細は後述するが、演出ボタン13は、この内蔵する可動体73の静止時の向き(遊技者から見える面の位置)によって、通常ボタン13A(第1演出ボタン:チャンスボタン)または回転灯ボタン66(第2演出ボタン)として機能し、可動体73が前方に回転している状態にある場合には爽快ボタン70(第3演出ボタン:ローリングボタン)として機能するようになっている。
また第3の可動体役物において、半透明の球状の可動体73に納めた発光装置は、配線基板とりつけた複数個のフルカラーLEDからなり、所定の色および発光パターン(点灯または点滅)で発色し、半透明の可動体73を通して外部から視認できるようになっている。換言すれば、通常ボタン13A(演出ボタン)は、上記複数個のカラーLED(図3中のボタンLED75)を内蔵しており、このボタンLED75は、後述の遊技者参加型演出の特定の演出中において、特定の色で発光して操作有効期間(ボタン有効期間)中であることを示唆し(ボタン押圧操作前演出(操作前演出))、ボタン有効期間中に押圧操作した場合、演出ボタン13の操作時の演出(操作後演出)として、大当り抽選結果に応じた報知態様や、大当りへの当選期待度を示唆する報知態様で点灯または点滅しうる。しかし、エラー時においては、周囲LEDが点灯または点滅してエラー中であることを報知する動作をしているので、それらの周囲LEDの点灯または点滅とボタンLED75の点灯または点滅とを、遊技者が誤認混同しないようにするため、ボタンLED75を点灯・点滅をさせないか、または周囲LEDと異なる色で発色(点灯または点滅)する。これについての詳細は、図16〜図23等にて後述する。
(第3の可動体役物73:図2)
演出ボタン13は、図2に概略を示すように、受け皿ユニット8と表面が一体をなすように構成された透明枠71内に、比較的大きな表面積を持つ透明な押圧ボタン型筒体72を上下動可能に組み込み、この押圧ボタン型筒体72内またはその下方(以下、単に押圧ボタン型筒体72内と略す。)において、第3の可動体役物としての可動体73をローリング可能につまり回転可能かつ複数方向に揺動可能に組み込んだ構造となっている。
可動体73(第3の可動体役物)は、押圧ボタン型筒体72内に配置され、遊技者から見て横軸を中心に回転可能かつ左右方向に揺動できるように装置した半透明の球状の空枠と、この空枠内に納めた回転灯62および発光装置から構成されている。押圧ボタン型筒体72を押したとき、またはその前後の所定のタイミングにおいて、可動体73がローリング動作(回転および揺動運動)し、その動作の様を空枠内部または周囲から有色光で照明して、遊技者が外部から視認できる構造となっている。
上記構造の演出ボタン13は、その操作時の可動体73の動作態様が「通常静止中」、「回転灯待機中」、「ローリング動作中」のいずれにあるかの違いにより、「通常ボタン13A(第1演出ボタン)」、「回転灯ボタン66(第2演出ボタン)」、「爽快ボタン70(第3演出ボタン:ローリングボタン)」として使い分けされる。ここに「通常静止中」とは、静止状態にある可動体73の回転角度位置が0度で、回転灯62の発光状体(包囲体64の頂面)が押圧ボタン型筒体72を通して上から見えない位置(遊技者から隠た位置)に在る状態をいい、この状態下で押圧ボタン型筒体72を押すと、演出ボタン13は、通常ボタン13A(第1演出ボタン)として働く。本明細書中で「通常ボタン13A」と記した場合、この「通常静止中」に操作する場合の演出ボタン13を指す。
また「回転灯待機中」とは、静止状態にある可動体73の回転角度位置が、上記の通常静止中の位置(0度)から手前に90度回転した位置(90度)に切り替わり、回転灯62の発光状体(包囲体64の頂面)が押圧ボタン型筒体72を通して上から見える位置(遊技者から見える位置)に在る状態をいい、この状態下で押圧ボタン型筒体72を押すと、演出ボタン13は、回転灯ボタン66(第2演出ボタン)として働く。回転灯ボタン66(第2演出ボタン)として働く場合、回転灯62が押圧ボタン型筒体72を通して上から見えるので、操作することを催促することができるとともに、たとえば操作した瞬間に回転灯62が作動する様を押圧ボタン型筒体72を通して視認することができる。したがって、一発告知的な予告演出を現出させるのに適し、非常に緊迫した瞬間を現出させることができる。なお「回転灯待機中」の期間を経過すると、可動体73は奥側に90度回転して、「通常静止中」の位置(0度)に戻る。
また「ローリング動作中」とは、可動体73が前方に回転し続けている状態をいい、つまり図2に示すように横軸を回転中心軸として可動体73が回転している状態をいい、この可動体73が回転している状態下で押圧ボタン型筒体72を押すと、演出ボタン13は、爽快ボタン70(第3演出ボタン)として働く。爽快ボタン70として働く場合、球状の可動体73がローリング動作(高速回転)する様が、透明枠71および押圧ボタン型筒体72を通して外部から見えることから、遊技者はこのローリングボタン70を操作したとき、通常ボタン13Aや回転灯ボタン66を押したときとは異なる、非常に満足の行く快感を得ることができる。なお「ローリング動作中」の期間を経過すると、可動体73は静止して「通常静止中」の位置に戻る。
図2の下部に、上記のように使い分けされる3種のボタン機能のうち、回転灯ボタン66と、爽快ボタン70(ローリングボタン)の機能部分を分けて示す。ここでは理解を容易にするために、回転灯ボタン66(ラッキーパト)専用のスイッチ65や、爽快ボタン70(ローリングボタン)専用のスイッチ74が存在するものの如く描いているが、実際には1のスイッチが使い分けされるだけである。
回転灯ボタン66は、赤色半透明の包囲体64中に、光源としてのランプ(またはLED)62aと、このランプ62aからの光を反射させる反射体としての反射鏡62bとを備えた回転灯62からなり、反射鏡62bを回転させることで、光源から発光された光の進行方向を変化させるように構成されている。この第3の可動体役物73は、大当りに係る図柄変動表示ゲーム(特別図柄変動表示動作)中に大当り確定予告(いわゆる一発告知)をなす演出手段として作用する。一発告知をなす場合は、図柄変動表示ゲーム中の所定のタイミング(たとえば、図柄変動開始時、リーチ演出や疑似連などの所定の予告演出の所定のタイミング中など)で告知音(確定音)が発生されるとともに(告知音を伴わない(無音)であってもよい)、その発生(告知音発生)から所定の演出時間にわたって回転灯63が作動される。
また、図2の左側図では、回転灯62が押しボタン式の回転灯ボタン66として作用する場合の回転灯スイッチ65を有するものとして描かれており、所定のタイミングで回転灯62の包囲体64を押圧操作すると、回転灯スイッチ65がONし、当り告知音が発生して回転灯62が作動する構成となっている。しかし、実際には、回転灯62は図2の右側図の空枠(可動体73の殻部分)内に納められているため、回転灯62の操作部として機能するのは包囲体64ではなく押圧ボタン型筒体72であり、この押圧ボタン型筒体72を「回転灯待機中」に押圧操作することでスイッチ74がオンし、回転灯スイッチ65がONしたのと同じ結果となって回転灯62が作動する。「通常静止中」に作用する通常ボタン13Aは、必ずしも全ての演出手段が作動するとは限らない使用頻度の高い演出ボタンである。これに対し、この回転灯ボタン66は一発告知用である。このため回転灯ボタン66が選択される割合は高くないが、通常ボタンよりも大きな演出効果、たとえば回転灯62の点滅動作と音響を発生させるなど、より多くの演出手段を一斉に作動させて、演出効果を高める演出ボタンとして利用される。
爽快ボタン70として機能する場合は、図2の右側図に概略を示すように、可動体73が押圧ボタン型筒体72内で高速に連続回転する「ローリング動作中」となり、その動作する様を内部または周囲から、大当りへの当選期待度に応じた有色光で照明し(たとえば、青、緑、赤、虹色(当確)で発色し、この順で当選期待度が高い)、この様子を遊技者が押圧ボタン型筒体72を通して外部から視認できる状態が生起する。この状態の出現を前提として爽快ボタン70が操作されるため、大当り時に爽快ボタン70を操作したときには、その操作後に発生する大当り抽選結果に関連した演出(操作後演出)との相乗効果より、非常に大きな快感を遊技者に与えることができる。爽快ボタン70は、押圧ボタン型筒体72内またはその下方に、可動体73を回転可能かつローリング可能に組み込んだ構造となっているので、ボタンLEDによる光演出手段として、また可動体役物としても機能する。
<2.制御装置:図3>
次に図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の遊技動作制御を司る制御装置について説明する。図3は、その制御装置の概要を示す制御ブロック図である。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御(現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段(図示せず))と、を中心に構成される。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、電源投入時や遮断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力してCPUをリセット可能なリセット回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路なども備えている。上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数)として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aとが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。主制御部20は、これらセンサからの検出信号に基づき、いずれの入賞口に遊技球が入球したのかを把握し、またこれらの入賞用の検出センサに基づき、不正入賞(たとえば、図14中の大入賞口不正入賞エラー、一般入賞口不正入賞エラー等)があったか否かを監視する。
また主制御部20には、不正検出センサ99が接続されており、主制御部20は不正検出センサ99からの検出信号を受信可能となっている。ここで不正検出センサ99は、パチンコ遊技機1に対する不正行為(ゴト行為)を検出する振動センサ、磁気センサ、電波センサなどのセンサの総称である。上記振動センサは、パチンコ遊技機1に対し与えられた振動状態(不正振動)を検出可能に取り付けられ、また上記磁気センサはたとえば、遊技盤3の所定領域に磁石などを近づけたときの磁場の変化を検出可能に取り付けられ、また上記電波センサは、パチンコ遊技機1に対して照射された電波(不正電波)を検出可能に取り付けられる。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、この枠用外部集中端子基板21を介して、遊技機外部に設けられたホールコンピュータHCに対し、所定の遊技情報(たとえば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動表示ゲームの実行情報等)を送信可能となっている。ホールコンピュータHCは、主制御部20からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理する。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、賞球の払い出しの必要がある場合には、払出制御基板29に対して、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。
この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への状態信号の送信などである。
遊技球払出装置19には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ19aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ19bが設けられており、払出制御基板29は、これらの各検出信号を受信可能となっている。また遊技球払出装置19には、遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動する払出モータ19cが設けられており、払出制御基板29は、払出モータ19cを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また払出制御基板29には、上受け皿9が遊技球で満杯状態を検出する満杯検出センサ60(本実施形態では、上受け皿9に貯留される遊技球の貯留状態を検出する検出センサ)と、前扉開放センサ61(本実施形態では、前枠2および/または前面操作パネル7の開放状態を検出する検出センサ)が接続されている。
払出制御基板29は、満杯検出センサ60、前扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、球計数センサ19bからの検出信号に基づいて、主制御部20に対して、上記状態信号として、前枠2・前面操作パネル7の開放信号、補給切れ信号、球詰り信号(満杯検出信号)、計数エラー信号(賞球の払出不足や球計数センサ19bに異常が発生した場合)、払出完了信号などの様々な状態信号を送信可能な構成となっている。主制御部20は、これら状態信号に基づいて、前枠2・前面操作パネル7の開閉状態(図14中の扉開放エラー)や、遊技球払出装置19の払出動作が正常か否か(たとえば、図14中の補給切れエラー)や、上受け皿9の満杯状態(たとえば、図14中の球詰りエラー)等を監視する。
また払出制御基板29には発射制御基板28が接続され、発射制御基板28に対し発射を許可する許可信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、払出制御基板29からの許可信号が出力されていることに基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。具体的には、払出制御基板29から許可信号が出力されていること、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサにより遊技者がハンドルに触れていることを検出されていること、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチが操作されていないことを条件に発射動作が許容される。また、遊技球の打ち出しの強さは、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。なお、払出制御基板29が満杯検出センサ60により上受け皿9の満杯状態であると判断すると、発射制御基板28に対して発射を停止させる停止信号を出力し、発射制御基板28は発射装置32の動作を停止させて、当該満杯状態が解消されるまで打ち出し動作を停止する制御を行うようになっている。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報などを含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に対して送信可能となっている。ただし、ゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源IC(音源LSI))、RTC機能部(Real Time Clock)、カウンタ回路割込みコントローラ回路、WDTなどが設けられ、演出動作全般を制御する。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45(周囲LED45)や各種LED(演出ボタンに内蔵したボタンLED75、その他の演出用LED:図示せず)の発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDPと、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、種々の演出(光演出や音演出や可動体役物による可動体演出)を現出させるために、装飾ランプ45や時計型役物80の時計盤部(数字表示部)81や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、各種の可動体役物(時計型役物80、花型役物90、回転灯62、可動体73など)を動作させるための可動体役物モータ80c、91c、92c、62c、73cに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。ここで、可動体役物モータ80cは時計型役物80を構成する時計針82の駆動用、可動体役物モータ91c、92cは花型役物90を構成する可動体91、92の駆動用、可動体役物モータ62cは回転灯62を構成する反射鏡62bの駆動用、可動体役物モータ73cは爽快ボタン(ローリングボタン)70を構成する可動体73の駆動用である。演出制御部24は、これらの駆動制御部に対して、各種の演出動作に関する制御信号を送信可能となっている。
また演出制御部24には、時計針82に対する位置検出センサ82aと、花型役物90の第1可動体91、第2可動体92に対する位置検出センサ91a、92aとが接続され、演出制御部24はこれらからの検出信号を受信可能となっている。演出制御部24は、各位置検出センサ82a、91a、92aからの検出信号に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御し、また可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば、これをエラー(図14中の可動体役物エラー)として報知する。
また演出制御部24には、遊技者が操作可能な第1、第2演出ボタンのスイッチ、つまり演出ボタン13(13A)の操作検出スイッチと、回転灯スイッチ65とが接続され、演出制御部24は、これらの演出ボタン13や回転灯ボタン66からの操作検出信号を受信可能となっている。また演出制御部24は、所定の設定条件に基づき(たとえば、後述の遊技者参加型演出中の所定のタイミング(図17(c)参照))、演出ボタン(操作手段)の操作が有効となる操作有効期間(ボタン有効期間)を設定する機能部(操作有効期間設定手段)、当該操作有効期間に演出ボタンが操作されたことに基づき、所定の操作後演出(たとえば、後述の図17(c)の結果演出144)を実行制御可能な機能部(操作後演出制御手段)を備えている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
また演出制御部24は、操作手段(演出ボタン)の操作を検出する操作検出スイッチからの検出信号に基づき、演出ボタンに対してどのような操作が行われたか(たとえば、押圧(単発押し)、長押し、連打等)を判断可能な構成となっており、操作状況(操作態様)に応じた操作後演出を現出可能となっている。具体的には、演出シナリオに後述の遊技者参加型演出が組み込まれている場合(特定の演出シナリオの場合)、演出制御コマンドに基づき決定した演出シナリオ(基本演出シナリオ)を、演出ボタンの操作に応じた演出シナリオに変更する。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いたパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。この主制御部20における大当り抽選を行う機能部は、当りに関して抽選を実行する抽選手段として働く(図7のステップS059)。具体的には、複数種類の当りを対象に抽選を実行する抽選手段として働く。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52cが作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大16ラウンド)繰り返される。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了するようになっている。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「小当り」であったならばその小当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別(当り種別)抽選)’とを含む大当り抽選を行い(小当りまたはハズレが1種類の場合は、種別抽選を行う必要がないため、その抽選を省略してもよい)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、当選種別に応じて最終的に停止表示させる特別図柄(以下、「特別停止図柄」と称する)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果および特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(たとえば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、たとえば、後述のリーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生(重複発生)を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’など、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、リーチ演出や疑似連演出の演出時間を確保する関係上、通常、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(予告演出等の演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する各作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない。また各図柄の最大保留記憶数の全部または一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。
(3−2.遊技状態)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、図4に示すように、通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態、CZ(チャンスモード)という5種類の遊技状態を実行制御可能に構成されている。これら遊技状態は、大当り抽選確率状態(低確率状態、高確率状態)や電チューサポート状態(特典遊技)の発生の有無(電サポ有り、電サポ無し)等で区別される。
「電チューサポート状態」とは、普電開放遊技における普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)が、通常状態よりも延長された「開放延長状態」を指す。開放延長状態が発生すると、可動翼片47の開動作期間が、たとえば、通常時(非開放延長状態下)の0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば、通常時の1回から2〜3回に延長される。本実施形態の場合、電チューサポート状態下では、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動して(普図確率変動状態)が発生するとともに、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄の変動表示動作時間)を短縮する‘普通図柄時短状態’が発生する(たとえば、10秒から1秒に短縮される)。したがって、電チューサポート状態が発生すると、普電開放遊技が頻繁に発生し、通常状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態(高ベース状態)となる。以下、電チューサポート状態下を「電サポ有り」、そうでない場合を「電サポ無し」と略す。
本実施形態において、「通常状態」とは、大当り抽選確率が所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)であり、電サポ無しの遊技状態(低確率+電サポ無し)をいう。
また「時短状態」とは、大当り抽選確率が通常状態と同様の低確率であるが、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄の変動表示動作時間))が通常状態よりも短縮される‘特別図柄時短状態’が発生するとともに、電チューサポート状態となる遊技状態をいう。つまり、時短状態中は「低確率+電サポ有り+特別図柄時短状態」となる。
また「潜確状態」とは、大当り抽選確率が上記低確率よりも上昇した高確率(たとえば、39.9分の1)に変動した‘特別図柄確変状態’であり、電サポ無しの遊技状態(高確率・電サポ無し)をいう。
また「確変状態」とは、大当り抽選確率が潜確状態と同様の高確率であるが、特別図柄時短状態および電チューサポート状態が発生する遊技状態をいう。つまり、確変状態中は「高確率+電サポ有り+特別図柄時短状態」となる。
「CZ(チャンスモード)」は、演出上、大当り抽選確率を秘匿するための遊技状態として利用される。本実施形態の場合、「CZ」には、その実体が、潜確状態下の「CZ(潜確)」と、通常状態下の「CZ(通常)」とが設けられている。「CZ(通常)」または「CZ(潜確)」に移行されると、後述の演出モードが実質的に同じ「CZ演出モード(チャンス演出モード)」に移行される。これにより、演出上、大当り抽選確率状態(高確率、低確率)が秘匿して、遊技者に遊技状態の推測要素を与えて遊技を盛り上げるようになっている。なお上記CZは、特図変動表示ゲームが2回〜4回のいずれかで終了するようになっており(図4の備考欄等参照)、CZ終了後に「CZ(潜確)」であれば潜確状態に移行され、「CZ(通常)」であれば通常状態に移行される。またそれぞれ対応する演出モードに移行され、これにより、秘匿状態が解除され、演出上、現在の遊技状態が明らかとされるようになっている。
したがって、遊技状態に関し、大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「通常状態」「時短状態」または「CZ(通常)」である場合は、少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」である場合は、少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。なお、大当り中は大入賞口が開閉される大当り遊技が発生するが、大当り抽選確率および電サポの有無については、上記通常状態と同じ、低確率・電サポ無しの遊技状態下に置かれる。
<4.当りについて>
次に図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別と当り遊技について)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選(当り抽選)を行うようになっている。この当り種別には、大当り種別に属する「16R長開放確変大当り」、「12R長開放確変大当り」、「12R長開放時短大当り」、「5R長開放確変大当り」、「5R長開放時短大当り」、「2R短開放潜確大当り」、「2R短開放時短大当りA、B」と、非大当り種別に属する「小当り(小当りA、小当りB)」などの複数種類の当りが含まれる。
大当り種別は条件装置の作動契機となる当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態(当り遊技)への移行契機(発生契機)となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「確変大当り」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に移行する大当りであり、「時短大当り」は時短状態(時短回数60回または100回)に移行する大当り、「潜確大当り」は潜確状態に移行する大当りとなっている。ただし、大当りに当選した遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる場合があり、たとえば、2R短開放潜確大当りに当選した場合、図示のように、その当選時の遊技状態に応じて移行先が異なり、たとえば、通常状態で当選した場合には「CZ(4回:潜確)」に移行され、潜確状態で当選した場合には「潜確状態」移行され、CZ(通常)で当選した場合には「CZ(4回:潜確)」、CZ(潜確)で当選した場合には「潜確状態」、時短状態と確変状態で当選した場合にはいずれも「確変状態」に移行されるようになっている。
図4中の当り種別に関する「16R、12R、5R、2R」などの表記は、それぞれ、規定ラウンド数(最大ラウンド数)を意味する。また「長開放」とは、1回のラウンド遊技における大入賞口の最大開放時間が「長開放時間(たとえば、29.8秒)」に設定されることを意味し、大入賞口への入賞数が最大入賞数(9個)に達する可能性が十分見込める当り種別を指す。一方、「短開放」とは、1回のラウンド遊技における大入賞口の最大開放時間が「短開放時間(たとえば、0.1秒)」に設定されることを意味し、入賞が殆ど見込めない(入賞不可能であってもよい)当り種別を指す。したがって本実施形態の場合、大当り遊技中の利益状態については、16R長開放確変大当りが最も高く、2R短開放潜確大当りが最も低くなっている。
上記潜確状態または確変状態は、大当り種別(小当りを除く)に当選することなく、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば、70回:規定ST回数)終了した場合に、高確率状態を終了させて低確率に移行させる、いわゆる「回数切り確変機(ST機)」となっており、規定ST回数が終了したときは、次ゲームから通常状態に移行される。しかし次回大当りが当選するまで継続させるタイプの「一般確変機」としてもよい。なお、特別図柄変動表示ゲームの実行回数は、特別図柄変動表示ゲーム1および特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特図1および特図2の合計変動回数)であってもよいし、いずれか一方の実行回数(たとえば、特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。また時短状態の回数についても60回や100回に限らず、遊技性に応じて適宜定めることができる。また、どのような種類の当りを設けるかについても特に制限はなく、適宜定めることができる。
次に、小当りA、Bによる当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)について説明する。小当り遊技は、それぞれ大入賞口の開放が短開放で2回行われるようになっており、小当り遊技中において外見から捉えた大入賞口50の開閉動作が、上2R短開放潜確大当りの大当り遊技のものと実質的に同一の動作態様で制御されるようになっている。この「小当り」は「条件装置」の作動契機とはならない当り種別であることから、「大当り」のようなラウンド遊技は実行されない。しかし2R短開放潜確大当りと実質的に同一の動作態様で大入賞口を開閉制御することにより、疑似的なラウンド遊技を実現させて、見た目上、2R短開放潜確大当りに当選したかの如く装うことを可能にしている。
また小当り遊技中の「当り中演出(当り遊技中に現出される演出)」は、2R潜確大当り遊技中の当り中演出と実質的同一(同一または酷似)の演出が現出されるようになっている。つまり、当り中演出を含む小当り遊技に係る動作は、2R短開放潜確大当りに係る遊技動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、どちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、小当りに当選した場合であっても、高確率状態への移行契機となる「2R短開放潜確大当り」への当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。また、小当りに当選した場合、図4に示すように、その当り遊技には、2R短開放潜確大当りが当選したときと同様の「CZ(チャンスモード)」に移行される場合があり、CZが終了するまで(CZ演出モードが終了するまで)、演出上、高確率状態であるか否かを秘匿し、潜確大当りへの当選期待感を煽ることができるようになっている。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態に関連する演出を現出させるための複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。具体的には、通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態、CZ(チャンスモード)のそれぞれに対応した、通常演出モード、時短演出モード、潜確演出モード、確変演出モードが設けられている。各演出モードでは、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出が表示され、遊技者が現在、どのような遊技状態に滞在しているかを把握することができるようになっている。なお、「CZ(通常)」または「CZ(潜確)」下の場合は、同一のCZ演出モードに移行される。したがって、CZ演出モードは、大当り抽選確率状態を演出上から秘匿状態とする「秘匿演出モード」としての役割を果たす。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、主制御部20側で管理される遊技状態情報を含む「特定の演出制御コマンド」に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、現在の遊技状態を把握し、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。斯様な演出制御コマンドとしては、たとえば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態に変化が生じる際に送られる遊技状態指定コマンドなどがある。
(5−3.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている。このような予告演出は、当り種別に当選したか否かの期待度(以下「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」や「疑似連演出」の他、「先読み予告演出」や「遊技者参加型演出」などがある。
「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)をいい、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様をいう。リーチ演出には当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、ノーマルリーチ演出(Nリーチ)が出現した場合に比べて、当選期待度が相対的に高まるものがある。このようなリーチ演出を‘スーパーリーチ演出(SPリーチ)’という。この「SPリーチ」の多くは、当選期待感を煽るべく、Nリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。またNリーチやSPリーチには複数種類のリーチ演出が含まれる。たとえば、SPリーチには、SPリーチA、B、Cという複数種類のリーチ演出が含まれ、当選期待度については、「SPリーチA<SPリーチB<SPリーチC」という関係性を持たせることができる。
「疑似連演出」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似変動)を伴う演出態様をいい、「疑似変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。斯様な「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当り当選期待度が高まるようにその発生率が定められており、たとえば、疑似変動回数に応じて、SPリーチなどの発生期待感を煽るための予告演出として利用される。
また「先読み予告演出」とは、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、主に、保留表示態様や先に実行される図柄変動表示ゲームの背景演出等を利用して、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される前に、当選期待度を事前に報知しうる演出態様である。なお、図柄変動表示ゲームにおいては、上記「リーチ演出」の他、いわゆる「キャラクタ予告演出」、「ステップアップ予告演出」、後述の「遊技者参加型演出」などの種々の演出が発生し、ゲーム内容を盛り上げるようになっている。
ここで図5用いて、上記先読み予告演出に関連して本実施形態に係る液晶表示装置の画面表示について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1の場合、液晶表示装置36の画面内の上側の表示エリアには、装飾図柄変動表示ゲームを現出する表示エリア(装飾図柄の変動表示演出や予告演出を現出するための表示領域)が設けられており、また画面内の下側の表示エリアには、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76(保留表示部a1〜d1)と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77(保留表示部a2〜d2)とが設けられている。作動保留球の有無に関しては、所定の保留表示態様により、その旨が報知される。図示では、作動保留球の有無を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される例を示してある。
作動保留球の有無に関する表示(保留表示)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。
作動保留球が発生した場合、主制御部20から、先読み判定情報を含む「入賞時コマンド」と、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含め、現存する作動保留球数)を含む「保留加算コマンド」が演出制御部24に送信される。
演出制御部24が入賞時コマンドを受信すると、これに含まれる先読み判定情報に基づき、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。具体的には、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行い、これに当選した場合には、先読み予告演出を現出させる。上記先読み予告抽選による当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっており、先読み予告演出が発生するか否かにより、大当りへの当選期待度が示される。
ここで先読み判定情報とは、具体的には、主制御部20において、作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される際に実行される大当り抽選結果(変動開始時の大当り抽選結果)や変動開始時の変動パターンを先読み判定した際に得られる遊技情報である。すなわち、この情報には、少なくとも変動開始時の当落抽選結果を先読み判定した情報(先読み当落情報)が含まれ、その他、図柄抽選結果を先読み判定した情報(先読み図柄情報)や変動開始時の変動パターンを先読み判定した情報(先読み変動パターン情報)を含ませることができる。如何なる情報を含む入賞時コマンドを演出制御部24に送るかについては、先読み予告にて報知する内容に応じて適宜定めることができる。また保留加算コマンドは、保留表示部a1〜d1、a2〜d2に対し、現在の作動保留球数に対応した保留アイコンを表示する際に利用される。
この実施形態の場合、先読み予告抽選に当選した場合には、保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、緑色、赤色、虹色などの特殊な保留色や色彩の保留表示(特別保留表示態様)に変化するといった「保留表示変化系」の先読み予告演出が行われる。図5では、ハッチングされた保留表示部b1の作動保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの青色、緑色、赤色、虹色の表示は、この色の順に、当選期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコンとなっている。したがって、この保留表示部が作動保留数を表示する保留表示手段として働く。しかし、先読み予告演出を実行する場合は、保留表示部a1〜d1、a2〜d2のうちの該当する一の保留表示部の保留表示態様を所定の先読み予告表示態様(特別保留表示態様)に変更し、これにより先読み予告演出を発生させる手段として働く。
(5−3−1.遊技者参加型演出)
次に、遊技者参加型演出について説明する。遊技者参加型演出とは、いわゆる「ボタン予告演出」に属するもので、遊技者が演出ボタン(操作手段)に対して所定の操作(たとえば、押圧、長押し、連打等の操作)をしたか否かに応じて、演出の内容が変化し得る予告演出態様である。この遊技者参加型演出では、所定のボタン有効期間中になると、演出ボタンに対して操作指示演出(たとえば図17のボタン予告演出143)が現出され、ボタン有効期間中に演出ボタンが操作された場合、現在の現出中の演出態様が他の演出態様に変化し(たとえば現出中のキャラクタ表示が変化したり、アニメーションなどのエフェクトが追加されたり、特殊な効果音や光演出が発生したりするなど)、その変化前後の演出態様(演出内容)に応じて、当選期待度を予告する予告演出態様となっている。このような「遊技者参加型」の演出態様は、遊技者が遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができるので、遊技の面白みを増すことができる。
本実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一つとして、押しボタン式スイッチの演出ボタン13を有するが、押しボタン式スイッチには、押している間だけスイッチがオンになる自動復帰型スイッチ(モーメンタリスイッチ、プッシュスイッチ)と、押すたびにONとOFFが反転する位置保持型スイッチ(オルタネートスイッチ、プッシュロックスイッチ)とがある。本実施形態では、演出ボタンに自動復帰型スイッチによる押しボタンを採用し、この押しボタンを利用した遊技者参加型演出を、たとえば、SPリーチの一環として図柄変動表示ゲーム中に現出させる。
また上述したリーチ演出に関連した遊技者参加型演出だけでなく、先読み予告演出などの演出中にも遊技者参加型演出を現出させることができる。たとえば、操作指示演出を保留表示に付随して現出させて、遊技者が演出ボタンを操作した場合、通常保留表示から専用保留表示に変化させることができる(たとえば、保留色が白色から赤色に変化する)、また演出ボタンを操作しても保留表示が変化しない「ガセのボタン予告演出」を現出させてもよい。
なお、遊技者参加型演出に係るボタン有効期間中の場合には、既に説明したように、ボタンLED75による操作有効報知が実行されるが、エラー時においては、周囲LED45が点灯または点滅してエラー中であることを報知する動作をしているので、それらの周囲LED45の点灯または点滅とボタンLED75の点灯または点滅とを、遊技者が誤認しないようにするべく、ボタンLED75を点灯・点滅をさせないか、または周囲LEDと異なる色で発色(点灯または点滅)する。これついての詳細は後述する。
(5−4.演出手段)
パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
(5−5.デモ画面、メニュー画面、節電モードについて)
デモ画面とは、通常、一定時間(たとえば60秒)以上にわたって図柄変動表示ゲームが行われていない状態において、パチンコ遊技機1における遊技の進行の説明やその紹介(デモンストレーション)のための演出表示(通常客待ち演出モード)である。本実施形態では、このデモ画面の表示期間中(デモ画面中)において演出ボタン13の操作を検出した場合、音量や光量などを遊技の設定が可能な「メニュー画面(遊技設定演出)」に切り替え表示可能となっている。メニュー画面への切り替え可能なタイミング、すなわち、デモ画面中のボタン有効期間(操作有効期間)は、ボタンLED75により報知される。この実施形態の場合、デモ画面中の操作有効報知として、ボタンLED75が通常の報知態様(たとえば白色)とは異なる報知態様(たとえば橙色)で点灯または点滅し、メニュー画面への切替可能期間であることが報知される。なお、デモ画面中の操作有効報知は、始動口に遊技球が入賞して遊技が開始されるまで継続される。
また、上記デモ画面後に所定時間が経過すると「節電モード(特別客待ち演出モード)」に移行する。この節電モードとは、遊技機1が低消費電力に制御される「節電客待ち状態」である。この実施形態の場合、節電モード移行条件として、上記デモ画面表示後、メニュー画面に切り替わることなく所定時間経過(たとえば、120秒)した場合に、節電モードに移行されるようになっている。演出制御部24は、節電モード移行条件が成立すると、液晶表示装置36に節電用画面(たとえば、液晶画面に「節電中」の文字表示)を表示させるように制御し、ボタンLED75を除き、装飾ランプ45やその他の演出用LEDの一部またはすべてを消灯させるように制御する。なお、節電モードにはデモ画面を経由して移行されるため、節電モード時には、既にボタンLED75が操作有効報知中となっている。
上記メニュー画面に含まれる設定項目としては、遊技環境に係わるものとして、液晶画面の明るさや、装飾ランプ45や液晶画面などの光量調整、スピーカ46の音量調整などの調整画面がある。また他の項目として、複数の演出モード種別を選択肢とする演出モードの選択項目を含むことができる。具体的には、特定の予告演出(たとえば、当確を報知するプレミアム演出や特定のリーチ演出など)が選択される頻度(現出率)が異なる複数の演出モード(たとえば、演出モード1は出現率大、演出モード2は出現率中、演出モード3は通常出現率)を選択肢としたり、背景演出や特定のキャラクタの種別で分けた複数の演出モード(たとえば、通常時の主人公が戦士キャラである場合、演出モード1は魔法使いキャラ、演出モード2は僧侶キャラ、演出モード3は忍者キャラなど)を選択肢とすることができる。また、ゲーム中に可動体役物の作動頻度や作動態様を変更する選択項目を含む構成としてもよい(たとえば、演出モード1は可動体役物が通常通り動作する、演出モード2は特定の動作だけを禁止する、演出モード2は可動体役物が一切動作しないなど)。このように、遊技者が好みの演出モードに変更できるように構成することができる。これらの項目は、デモ画面中の項目として含ませてもよい。設定項目の選択や光量・音量調整などの変更設定は、演出ボタン13ではなく、別に設けた操作手段により選択可能に構成してもよい。たとえば、多方向入力が可能な十字キーやジョイスティックコントローラやトラックボールなどを利用することができる。
ここで、デモ画面表示中や節電用画面中にエラーが発生した場合や、デモ画面表示に切り替わる前からエラーが解除されずにデモ画面表示に切り替わった場合などエラー時において、所定のエラー発生時には、周囲LEDが点灯または点滅してエラー中であることを報知する動作をしているので、それらの周囲LED45の点灯または点滅とボタンLED75の点灯または点滅とを、遊技者が誤認しないようにするため、ボタンLED75を点灯・点滅をさせないか、または周囲LEDと異なる色で発色(点灯または点滅)するようになっている。なお、エラー(警告)報知(警告報知)についての詳細については後述する。
(6−1.エラーとエラー報知について)
(エラーについて)
エラー(種別)は、主制御部20によりその発生が把握されるメインエラーと、演出制御部24によりその発生が把握されるサブエラーの2種類に大別される。したがって、主制御部20が判断主体つまり異常判定手段となる場合と、演出制御部24が判断主体つまり異常判定手段となる場合とがある。主制御部20が異常判定手段として働く場合は、主制御部20に接続されている様々なセンサ(不正検出センサ99や入賞口に係るセンサ52a、43aなど)からの検出情報や、払出制御基板29からの様々な状態信号を受けたときなどである。「状態信号」は、払出制御基板29が、上記満杯検出センサ60、前扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、または球計数センサ19bなどからの検出信号に基づき、払出動作状態や上受け皿9の満杯状態などに関する情報を、主制御部20に対して送信する制御コマンドまたは検出信号である。
主制御部20によりエラーが発生したと判定されたときは、主制御部20から演出制御部24に対して、エラー種別情報を含むエラーコマンド(エラー種別を特定可能なコマンド)が送られ、演出制御部24はこのエラーコマンドに従ってエラー報知手段を制御して、発生したエラー種別に対応したエラー報知を行う。このエラー報知は、エラー報知用に特に用意された専用のもの用いても良いが、本実施形態では、演出用に設けられているLEDと装飾ランプ45(周囲LED45)、スピーカ46、液晶表示装置36を制御することでエラー報知を実行する。
ただし、ボタンLED75については、エラー報知用の演出手段としては利用しない(後述のサブエラーに係るエラー報知についても同様)。ここで「ボタンLED75をエラー報知に利用しない」とは、次の2つの意味を持つ。第1に、ボタンLED75をエラー報知用の演出手段としてそもそも利用せずに、エラー中であっても、ボタンLED75が持つ本来の機能を制限あるいは禁止せずに、操作無効報知と操作有効報知とを実行可能とする。第2に、エラー中において、ボタンLED75の報知態様(点灯、点滅、消灯など)を、周囲LED45などのエラー報知態様(エラー用光演出:たとえば、赤色点滅や白色点滅)と連動させることなく、独自の報知態様として、たとえば、操作無効報知と同様の報知態様(たとえば、白色発光)または消灯させるように構成する。これは、遊技者が有効操作報知や、当選期待度を示唆する予告演出と誤認、混同しないようにするためである。ここで、ボタンLED75の報知態様とは、操作手段の操作有効期間および操作無効期間を報知可能な1または複数の発光手段が、エラー報知の報知態様であるのか、エラー報知以外の報知態様であるのかである。報知態様を定める要素は「消灯」と「点灯」に大別され、このうち「点灯」には、「連続点灯」と「点滅点灯」があり、さらに点灯色(発光色)が何色であるかがある。そこで「点灯」といった場合、「連続点灯」と「点滅点灯」の双方を意味するものとして扱うことできるが、本明細書中では説明を簡単にするため、「点灯」と「点滅」とを区別して用いる。また、「消灯」、「点灯」または「連続点灯」は静的な発光態様、「点滅点灯」は動的な発光態様として扱うことができる。
演出制御部24が判断主体となる場合についての詳細は後述するが、演出制御部24が判断主体となるエラー(サブエラー)とは、たとえば、演出手段に関する異常(可動体役物の動作異常など)がある。演出制御部24は、このような演出制御部24側が直接的に検出するエラーについて、主制御部20側のエラーコマンドを受信することなく、演出制御部24側が独自でエラーが生じたか否かを判断可能な構成となっている。
(メインエラーとエラー報知について)
主制御部20は、メインエラーが発生したか否かを、各種の検出情報をあらかじめ定められた所定のエラー判定条件に照らし合わせることで判断する。すなわち、不正検出センサ99(振動センサ、磁気センサ、電波センサ)からの検出情報や、払出制御基板29からの「状態信号」の指定情報が、エラーの種類に応じてあらかじめ定められた判別基準値を超えるか否かで、不正や状態異常のエラーが主制御部20側で発生したか否かを判断する。ここで払出制御基板29からの「状態信号」は、払出制御基板29が、満杯検出センサ60、前扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、または球計数センサ19bなどからの検出信号に基づき、払出動作状態や上受け皿9の満杯状態などの状態に関する情報を、主制御部20に対してコマンドまたは検出信号の形で送出する信号である。そして主制御部20は、エラーが発生したと判断すると、演出制御部24にそのようなメインエラーが発生したことを知らせるべく「エラーコマンド」を送信する。このエラーコマンドは、不正や状態異常の種類を特定可能なエラー情報(エラー種別を特定可能な情報)を含んでいる。
演出制御部24は、主制御部20からのエラーコマンドを受信すると、受信したエラーコマンドに含まれる情報に基づき、演出手段であるLED、装飾ランプ45(周囲LED45)やスピーカ46や液晶表示装置36を制御して、演出の一態様として、エラーが発生した旨を報知する「エラー報知演出(エラー報知)」を現出させる。エラー報知は、図14に示す通り、少なくとも画像表示演出を利用した報知態様となっている。
(サブエラーとエラー報知について)
演出制御部24は、演出制御部24が判断主体となるサブエラーが発生したか否かの判断を、演出制御部24に接続されたスイッチ類からの検出情報に基づいて行う。すなわち、各可動体役物に対する位置検出センサからの検出情報や、演出動作制御に係る装置(音源LSI、RTC機能部を含む演出装置)からの出力情報が、エラーの種類に応じてあらかじめ定められた判別基準値を超えるか否かで、演出動作に関する異常(サブエラー)が発生したか否かを判断する。そして、演出制御部24は、サブエラーが発生したと判断した場合、エラー処理として、そのサブエラーの種類を特定してエラー報知を現出させる。
次に図14を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機1において監視されるエラー種別について説明する。図14は、エラー種別とその報知態様を示したものである。なお、図示のエラー報知優先順位は、主制御部20から演出制御部24に送信されるエラーコマンドについての優先順位ではなく、主制御部20が判断主体となるメインエラーと演出制御部24が判断主体となるサブエラーとを含めた、監視対象となるすべてのエラーについての優先順位のことである。上記エラー報知優先順位は、ゴト行為による被害や遊技を進行上の支障度合い(遊技機に対する深刻度合い)を考慮して、適宜設定されるものである。また、全てのエラーに対して異なるエラー報知優先順位を規定するテーブルが、主制御部20のROM202と演出制御部24のROM242とにそれぞれ同一内容で記憶されており、判断主体が異なる場合でも優先順位に基づく適切なエラー報知が実行できるようになっている。
(1.メインエラーに属するエラーとその報知)
図14において、エラー種別の「メイン」の欄に対応するエラーは、メインエラーに属するエラーを示し、「サブ」の欄に対応するエラーはサブエラーに属するエラーを示す。なお、エラー報知態様については、図示の通りであるので、適宜省略して説明する。
(1−1)RAMクリアエラー(エラー報知優先順位1)
RAMクリアエラーは、遊技機内部に形成された「RAMクリアスイッチ(図示せず)」を操作することにより、RAM203の記憶内容を全て消去した場合にエラー報知が発せられるエラーである。RAMクリアエラーは、たとえば、大当り抽選に用いる内部抽選用乱数(大当り判定用乱数)を生成する乱数生成回路に不正回路を取り付けた状態で、主制御部20をリセットするという不正操作を行い、当りとなる乱数値を不正に取得する等のゴト行為を防止するために監視されるエラーである。本実施形態のパチンコ遊技機1では、RAMクリアスイッチが操作された場合、この操作を不正行為とみなして、エラー報知が実行される。
上記のRAMクリアが実行された場合、RAMクリアスイッチを監視する主制御部20から、エラーコマンドとしてRAMクリアコマンドが演出制御部24に対して送信される(後述の図6のステップS012のYESの処理ルート参照)。演出制御部24側では、このコマンドを受信した場合、RAMクリアエラーに対応したエラー報知を開始し、コマンド受信後、30秒が経過すると、このエラー報知を終了する。なお、主制御部20から演出制御部24に対して、エラー報知を終了させるための「エラー解除コマンド」は送信されない。このエラー解除コマンドもエラーコマンドと同様に、エラー種別情報を含み、エラー報知を終了させるエラー種別を特定可能となっている。
RAMクリアエラーに基づくエラー報知は、遊技機に対する深刻度が最も高いエラーとして、周囲に目立つエラー報知態様が実行される。具体的には、図示の通り、光演出は、装飾ランプ45(周囲LED45)を白色で全点灯させ、音演出は、スピーカ46からRAMクリア用警告音が発せられる。また画像表示演出は、液晶表示装置36において装飾図柄を、RAMクリアエラー専用停止図柄の「731」の組合せで停止表示させる。なお、ボタンLED75についてはエラー報知には利用しないと説明したが、すべてのエラー報知に対して利用しないという訳ではなく、上記RAMクリアエラーや次に述べる大入賞口不正入賞エラー等のように、遊技機に対する深刻度が大となるエラー(エラー報知優先順位が高順位に属するエラー)の場合には、エラー報知手段として機能させることが好ましい。深刻度が高いエラーは、ゴト行為に関するものや遊技進行を大きく妨げるものであるため、ボタンLED75に関する遊技者の誤認防止よりも、パチンコホール側の被害の深刻化防止の方が重要と考えられるからである。
(1−2)大入賞口不正入賞エラー(エラー報知優先順位2)
大入賞口不正入賞エラーは、大入賞口に対して異常入賞(不正入賞)を検出した場合にエラー報知が発せられるエラーである。この大入賞口不正入賞エラーは、たとえば、当り中でないにもかかわらず、入賞検出スイッチ(大入賞口センサ52a)がオン状態とされた場合や、当り中であっても、1R中の最大入賞数(9個)を大幅に超える異常な入賞数(たとえば14個以上)を検出した場合などに不正入賞があったとし、これを防止するためのエラーである。
大入賞口不正入賞エラーが発生した場合、主制御部20から、エラーコマンド(ここでは、大入賞口不正入賞エラーを特定可能なエラーコマンド)が演出制御部24に対して送信され、演出制御部24側では、このコマンドを受信した場合、対応するエラー報知を開始する。以下重複記載を避けるために省略するが、後述する他のメインエラー(エラー報知優先順位3〜11、16、17)についても同様に、発生したエラー種別を特定可能なエラーコマンドが送信され、これに対応したエラー報知が実行されるようになっている。大入賞口不正入賞エラーは、パチンコホール店員によりパチンコ遊技機1のメイン電源が落とされると、大入賞口不正入賞エラーが解除されるようになっている。電源復帰後は、電断時にバックアップされた処理状態から再開される(後述の図6のステップS015)。なお、図示の光演出の欄の「赤色全点滅」とは、ボタンLED75を除く、装飾ランプ45(周囲LED45)や所定のLEDを、たとえば、200msのON/OFF繰返し間隔で赤色点滅させる報知(発光)態様である(図示の白色全点滅についても同様)。
(1−3)磁気センサ、電波センサ、振動センサエラー(エラー報知優先順位3〜5)
磁気センサエラーは磁気センサにより磁場の異常が検出された場合に、電波センサエラーは上記電波センサにより異常な電波が検出された場合に、振動センサエラーは振動センサにより異常な振動が検出された場合に、それぞれ発生するエラーである。これらのエラー報知は、エラー解除コマンドが演出制御部24に受信されるまで行われるが、このエラー解除コマンドは、異常の検出がなくなってから直ちに送信されるのではなく、異常の検出が無くなってから所定時間経過後(たとえば、30秒後)に主制御部20から送信される。これは、ゴト行為が終了した後であっても、ある程度の間、エラー報知を継続させることで、不正行為に対する抑止力を高めるためである。上記振動センサエラーが発生したか否かの判定は、たとえば、振動センサにより基準値以上の振動を1または複数回検出された場合や、所定レベル以上の振動が所定時間継続して検出された場合などに、異常(不正)であると判定することができる。また磁気センサエラーが発生したか否かの判定は、たとえば、磁気センサにより基準値以上の磁場を検出した場合などに、異常であると判定することができる。また電波センサエラーが発生したか否かの判定は、たとえば、特定の周波数や特定の周波数帯域の電波を検出した場合に、異常であると判断することができる。なお、これらの不正検出センサを用いて、どのような状態を検出したときを不正行為状態と判断するかの判定条件については、機種や遊技性に応じて適宜定めることができる。
(1−6)一般入賞口不正入賞エラー(エラー報知優先順位6)
一般入賞口不正入賞エラーは、一般入賞口センサ43aが球詰りなどにより、一定時間(たとえば、2秒)ON状態を検出した場合に発生するエラーである。このエラー報知は、エラー解除コマンドが演出制御部24に受信されるまで行われ、そのエラー解除コマンドは、一般入賞口センサ43aによる最後の検出から30秒後に主制御部20から送信されるようになっている。
(1−7)扉開放エラー(エラー報知優先順位7)
扉開放エラーは、前扉開放センサ61により前枠2またはガラス扉6の開放が検出された場合に発生するエラーである。この扉開放エラーは、前扉開放センサ61により開放行為が検出された場合、これをエラーとして報知する。このエラー報知は、エラー解除コマンドが演出制御部24に受信されるまで行われ、そのエラー解除コマンドは、前扉開放センサ61により前枠2およびガラス扉6の閉鎖確認後、主制御部20から送信される。
(1−8)払出制御基板エラー(エラー報知優先順位8)
払出制御基板エラーは、主制御部20と払出制御基板29とを接続する通信ケーブルなどの遊技部品に不具合により、主制御部20と払出制御基板29との正常な送受信が行えなくなったことが検知された場合(シリアル通信エラー)に発生するエラーである。このエラー報知は、パチンコ遊技機1の電源がOFFにされるまで終了されず、主制御部20からエラー解除コマンドは送信されない。払出制御基板エラーは、払出制御基板エラーの原因となった遊技部品を交換し、パチンコ遊技機1を再起動させることで解消される。
(1−9)主基板エラー(エラー報知優先順位9)
主基板エラーは、主制御部20の乱数生成回路に異常が確認された場合に発生するエラーである。このエラー報知は、パチンコ遊技機1の電源がOFFにされるまで終了されない。また、主基板エラーの場合、主制御部20からエラー解除コマンドは送信されない。このため、主基板エラーを解消するためには、基本的には、主制御基板20を新品のものと交換することで解消される。
(1−10)断線検知エラー(エラー報知優先順位10)
断線検知エラーは、基板同士又は主制御基板(主制御部20)と各種センサを接続する配線(ハーネス)が、断線またはショートしたときに検知された場合に発生するエラーである。このエラー報知は、エラー解除コマンドが演出制御部24に受信されるまで行われ、そのエラー解除コマンドは、ハーネスを交換するなどして不具合が解消されたこと(正常な送信や受信)が確認された場合に主制御部20から送信されるようになっている。
(1−11)払出不足エラー(エラー報知優先順位11)
払出不足エラーは、球計数センサ19bにより遊技球払出装置19からの賞球数の払い出しに異常(払い出し不足)が検出された場合に発生するエラーである。払出モータ19cにより払出動作を球計数センサ19bが遊技球を検出しなかった場合に、払出モータ19cを再度作動させて不足分の遊技球を払い出す動作を所定回数(たとえば、3回)行い、それでも払い出すべき数の遊技球が球計数センサ19bにより検出されなかった場合、これをエラーとして報知する。このエラー報知は、エラー解除コマンドが演出制御部24に受信されるまで行われ、そのエラー解除コマンドは、球詰りなどの問題が解消された後、遊技球払出装置19の備えるエラー解除スイッチ(図示せず)が押された際に主制御部20から送信されるようになっている。
(1−12)補給切れエラー(エラー報知優先順位15)
補給切れエラーは、パチンコ遊技機1の背面側に設けられた遊技球貯留タンク(図示せず)の貯留球が不足し、補給切れ検出センサ19aにより遊技球払出装置19から賞球を払い出せなくなったことが検出された場合に発生するエラーである。このエラー報知は、エラー解除コマンドが演出制御部24に受信されるまで行われ、そのエラー解除コマンドは、遊技球貯留タンク内の遊技球が補給され、正常な払い出し動作が確認された場合に主制御部20から送信されるようになっている。
(1−13)右・左打ち警告報知(エラー報知優先順位16)
右・左打ち警告報知は、遊技者によって打ち出された遊技球の流下する遊技領域が遊技進行上好ましくない場合に、その旨が警告される報知である。この右・左打ち警報報知は、パチンコ遊技機1や遊技進行に対して特に害を与えるものではないが、遊技者に対して損をさせることになることから、エラーの一種と位置付けられている。たとえば、左打ちが推奨される電サポ無し下である場合に、普通図柄始動口37aにより遊技球が検出すると、左打ちを指示する警告報知が行われる。エラー。右・左打ち警告報知の場合、演出制御部24がエラーコマンドを受信し、エラー報知を所定時間行った後に終了される。このため、主制御部20からエラー解除コマンドは送信されない。
(1−14)球詰りエラー(エラー報知優先順位17)
球詰りエラーは、遊技球を貯留する上受け皿9が満タン状態となった場合に発生するエラーである。この球詰りエラーは、上受け皿9の貯留状態を監視する満杯検出センサ60により検出され、満タン状態が所定時間継続すると、発射制御基板28が発射装置32による発射動作を停止させるようになっている。このエラー報知は、エラー解除コマンドが演出制御部24に受信されるまで行われ、そのエラー解除コマンドは、満杯検出センサ60により満タン状態が解消されたことが確認された場合に主制御部20から送信されるようになっている。球詰りエラーは、遊技者が球抜きボタン14を操作して、貯留球をドル箱に移動させるなど、上受け皿9の貯留球を少なくすることで解消される。つまり、球詰りエラーは、遊技者自身が自力解除可能なエラーとなっている。このため、エラー報知優先順位が最も低いエラーとしての位置付けとなっている。
(2.サブエラー種別に属するエラーとその報知)
サブエラーに属するエラーには、可動体役物エラー、音源ICエラー、演出基板エラーなどがある。
(2−1)可動体役物エラー(エラー報知優先順位12)
可動体役物エラーは、上記位置検出センサ82a、91a、92aにより、第1〜第3可動体役物(時計型役物80、花型役物90、可動体73など)が演出シナリオに対応していない異常動作が検出された場合に発生するエラーである。演出制御部24側においては、可動体役物を駆動する駆動モータの回転角度を検出するため、駆動モータを構成するステッピングモータの回転軸またはこれと同期して回転する回転軸にエンコーダが取り付けられており、そのエンコーダの出力信号が演出制御部24に入力されている。そこで演出制御部24は、原点位置検出用の各位置検出センサおよび現在位置検出用のエンコーダからの出力信号に基づき、原点位置以外の現在位置での停止時間が所定時間を超えたか否かを割込みタイミングごとに逐次判断し、所定時間を超えて一箇所に停留している場合を異常と判断する。このエラー報知は、可動体役物エラーの原因が取り除かれるまで行われる。
なお図示では、1種類の可動体役物エラーを例示してあるが、実際には、第1〜第3可動体役物に対応したエラー報知が実行されるようになっており、第1、第2、第3可動体役物の順に、エラー報知優先順位が高くなるように定めてある。また画像表示演出においては、「エラー12A 時計型役物エラー」、「エラー12B 花型役物エラー」というように可動体役物の種類の名称を示したり、「エラー12X 花型役物エラーA」(たとえば、花型役物90の内側の花弁の異常)、「エラー12Y 花型役物エラーB」(たとえば、花型役物90の外側の花弁の異常)というようにその可動体役物の可動部を特定可能とする情報を表示したりして、エラー対象である可動体役物の種類および/またはその可動体役物の可動部を特定可能とする情報を表示するようになっている。
(2−2)音源ICエラー(エラー報知優先順位13)
音源ICエラーは、音源LSIについて異常が検出された場合に発生するエラーである。音源ICエラーが発生した場合、音響制御部から異常を知らせる信号が演出制御部24に出力されたことに基づき、または音響制御部から演出制御部24に何ら信号が出力されないことに基づき、演出制御部24は音源ICエラーに対応したエラー報知を開始する。このエラー報知は、音源ICに異常があることから、エラー用の音演出は行われず、エラー用の光演出と画像表示演出とにより行われ、所定の時間(たとえば、30秒)が経過すると終了される。
(2−3)演出基板エラー(エラー報知優先順位14)
演出基板エラーは、RTC回路について異常が検出された場合に発生するエラーである。演出基板エラーが発生した場合、RTC回路から異常を知らせる信号が演出制御部24に出力されたことに基づき、またはRTC回路から演出制御部24に何ら信号が出力されないことに基づき、演出制御部24は演出基板エラーに対応したエラー報知を開始する。このエラー報知は、所定の時間(たとえば、30秒)が経過すると終了する。
(エラーが重複して発生している場合のエラー報知)
本実施形態では、異なる種類のエラーが重複発生(同時発生)した場合、エラー報知優先順位に基づき、その報知優先順位が高い方のエラー報知を優先的に報知可能な構成としている。また本実施形態では、エラー報知の優先順位をエラーコマンド間だけ、すなわち主制御部20で判断されたエラー間だけに設けずに、演出制御部24で判断されたエラーに対しても優先順位を適用し、判断主体によるエラーの区別をなくしてエラー報知を実行可能な構成としている。たとえば、球詰りエラー(順位17)が発生し、その後、振動センサエラー(順位5)した場合(球詰りエラー(順位17)が同時発生中の場合)、球詰りエラーのエラー報知が中断され、後発の振動センサエラーのエラー報知が優先して実行されるようになっている。ただし、画像表示演出においては、現在発生中のエラーすべての警告文が表示されるようになっている。上述のケースでは、「エラー05 振動センサエラー」、「エラー17 球を抜いてください」という各エラーに対応した警告文が液晶画面に表示される。
また、エラー報知優先順位が相対的に高い方のエラー報知が終了されたが、それよりも順位が低いエラー報知が未だ終了されていない場合、その順位が低いエラーに対応するエラー報知(発生中の残りのエラーのうち、エラー報知優先順位が相対的に高いエラー)が実行されるようになっている。上述のケースでは、振動センサエラーのエラー報知が終了した後、未だ球詰りエラーが解消されていない場合、球詰りエラーのエラー報知が実行されることになる。これにより、深刻度の高いエラー種別が発生していることを優先的に識別させるとともに、発生中の各エラーを適切に報知することができるようになっている。また、深刻度が高いエラーから順に迅速に対処することができ、正常時の遊技動作に復帰させることも容易になる。
また本実施形態では、エラー報知に次のような特徴を持たせている。
図14を参照して、メインエラーに係るエラー報知優先順位について、音演出を利用しないで光演出と画像表示演出とを利用してエラー報知が実行される「第1エラー種別(たとえば、エラー報知優先順位8〜11)」よりも音演出と光演出と画像表示演出とを利用してエラー報知が実行される「第2エラー種別(たとえば、エラー報知優先順位1〜7)」の方が、エラー報知優先順位を相対的に高く定めてある。つまり、エラー報知優先順位の高低とエラー報知に係る演出種別とを関連付けて定め、遊技機に対する深刻度が相対的に低いエラー種別については、主に、光演出と画像表示演出を利用した視覚的演出によるエラー報知を行い、遊技機に対する深刻度が相対的に高いエラー種別については、音演出と光演出と画像表示演出とを利用した視覚的・聴覚的演出によるエラー報知を実行し、深刻度に応じたエラーを周囲に対して効果的に報知することができるようになっている。またサブエラーについても上述のメインエラーのケースと同様に、音演出を利用しないで光演出と画像表示演出とを利用してエラー報知が実行される「第3エラー種別(たとえば、エラー報知優先順位13〜15)」よりも音演出と光演出と画像表示演出とを利用してエラー報知が実行される「第4エラー種別(たとえば、エラー報知優先順位12)」の方が、当該エラー報知優先順位を相対的に高く定めてある。
また、メインエラー報知優先順位について、光演出を利用しないで音演出と画像表示演出とを利用してエラー報知が実行される「第5エラー種別(たとえば、エラー報知優先順位16、17)」よりも、上記した第1エラー種別および第2エラー種別の方が、当該エラー報知優先順位を相対的に高く定めてある。このようにする理由は、光演出と音演出とを比較した場合、音演出は、周囲の音(たとえば他の遊技機からの音演出やパチンコホールの音楽)と重なった時、マスキング効果によって、音量の大きい方が支配的となり音量の小さい方が打ち消されて聞こえ難くなる、という特質を有し、警告・警報音等が、遠方のホール店員まで伝達され辛い状況が生じうる。他方、光演出は、遠方からも確認可能な派手目の報知演出が可能という利点があり、専ら、深刻度が比較的高いエラーを知らせるために利用することが好ましい。そこで本実施形態では、このような光演出と音演出の性格の違いを踏まえて、エラー報知優先順位を定めてある。これにより、軽微なエラー種別によるエラー報知が闇雲に派手なエラー報知とはならず、遊技機に対する深刻度に応じた適切なエラー報知をすることができる。なお、サブエラーに関し、図14中には上記第5エラー種別のようなエラー報知をなすエラー種別は設けられていないが、サブエラーが第5エラー種別を含む場合には、メインエラーと場合と同様のエラー報知優先順位に定めることができる。上述した特徴は、後述の第2の実施形態についても同様の構成とすることができる。
<正常時(エラー未発生時)の演出制御例:図17>
図17は、非エラー時(エラー未発生時)に所定の変動パターンの演出シナリオ(ここでは、遊技者参加型演出に係る演出シナリオ)にしたがって行われる演出制御内容(演出内容)について、当該演出シナリオに基づく周囲LED45とボタンLED75の報知態様の遷移と、液晶画面における画像演出の遷移とで示した図である。
図17において、「周囲LED45」は装飾ランプとして前枠周縁に周方向に複数個設けられたフルカラーLEDであり、「枠LED」とも称される。この枠LEDは、実際にはフルカラーLEDのほかに単色LEDも混在しているが、ここでは説明を簡単にするため、フルカラーLEDだけを考える。「ボタンLED75」は、演出ボタン(通常ボタン13A:チャンスボタン)の透明枠71に上下動可能に組み込まれた押圧ボタン型筒体72内に配置されたフルカラーLED、正確には可動体73内に設けられたフルカラーLEDである。チャンスボタンの透明枠71内には、この押圧ボタン型筒体72内のフルカラーLEDの他に、押圧ボタン型筒体72の外側に単色LEDも存在するが、ここでは説明を簡単にするため、押圧ボタン型筒体72内のフルカラーLEDだけを考える。
また、図示はしていないが、時計盤部(数字表示部)81の数字セクター(ローマ文字「I」から「XII」の数字セクター)に対応するフルカラーLEDは、ガラス扉6の内側にある遊技盤3上に、またはその内部に、あるいは裏側に形成されるものであり、上述の「枠LED」に対して「盤LED」とも称され、また上記「盤LED」は、遊技機1本体の中央付近に設けられるLEDであることから「中央LED」とも称される。この「盤LED」に属する発光手段としては、花型役物90(半透明の花心A1、花冠A2および萼B1)に対するフルカラーLED(役物LED)や、センター飾り48をその内側から照らすフルカラーLED(1または複数のLEDが適所に設けられている)、その他、遊技盤3または遊技領域3aの適所をその内側から照らすフルカラーLED(1または複数のLED)などがある。また「枠LED」と「盤LED」について、「枠LED」は前枠周縁に設けられており遊技者が直に触れることが可能な発光部(装飾部)であるが、「盤LED」はガラス扉6の内側にあり遊技者が直に触れることが不可能な発光部(装飾部)あるという点が大きく異なる。なお、花型役物90の役物LEDは、LED自体の位置が変位可能である点で「可動LED」とも称される。
また、スピーカ46が配置されている箇所にもフルカラーLED(スピーカLED)が配置され、さらに発射操作ハンドル15内にもフルカラーLED(ハンドルLED)が配置され、それぞれ遊技機の手前側から視認できるように構成されている。このスピーカ46のスピーカLEDや、発射操作ハンドル15のハンドルLEDについても、遊技者が直に触れることが可能な発光部(装飾部)である点で「盤LED」とは異なる発光手段としての位置付けである。
図17(a)〜(d)は、特定のSPリーチ変動パターンに基づく演出シナリオとして、遊技者参加型演出の演出シナリオに従い、ボタン操作指示前(ボタン無効期間中)、ボタン操作指示中(ボタン有効期間中)、ボタン操作後(結果演出(操作後演出)発生時)という3段階の演出期間が経過し、その各段階で、周囲LED45、ボタンLED75、スピーカLED、ハンドルLEDの演出態様(報知態様)が変化して行く様を示している。なお、遊技者参加型演出の演出シナリオ中の上記ボタン操作指示前(ボタン無効期間中)〜ボタン操作指示中(ボタン有効期間中)に係る演出は、上記操作後演出よりも前に現出される演出であることから「操作前演出」とも称する。また、ボタン無効期間、ボタン有効期間は、通常ボタン13Aについての操作無効期間、操作有効期間と同義である。
図15は、このうちボタンLED75だけに着目して、ボタンLED75による操作無効期間中、操作有効期間中、結果演出時の各段階における報知態様を、モード種別ごとに示したものである。ボタンLED75の報知態様は、ボタン操作指示前(操作無効期間中)では「モード設定色(図15(イ)」または「固定色(図15(ロ))」が設定され、ボタン操作指示中(操作有効報知中)では「黄色(期待演出無しの場合)」または「期待度対応色(期待演出有りの場合)」が設定され、結果演出では「結果演出対応色」が設定されるようになっている。
ここで「モード設定色」とは、演出モードに応じて定まる色であり(遊技状態に応じて定まる色であってもよい)、通常演出モードまたは潜確演出モードは「白色」、時短演出モードまたは確変演出モードでは「紫色」、CZ演出モードでは「消灯」である。本実施形態では、操作無効期間(操作無効報知)中のボタンLED75について、演出モードに応じた「モード設定色」としているが、本発明はこれに限らず、図15(ロ)に示す通り、演出モード(遊技状態)によらない固定色(たとえば、白色点灯)や消灯による報知態様としてもよい。また本実施形態のように、演出モードの一部で同一色とするのではなく、演出モードごとにそれぞれ異なる色としてもよい。また特定の演出モードを他の演出モードと異なる設定色としてもよい。たとえば、確変演出モード(確変状態)である場合には「紫色」、それ以外の演出モード(確変状態以外の遊技状態)の場合には白色や消灯とすることができる。
また「期待度対応色」とは、ボタンLED75の報知態様を利用した予告演出(期待演出)発生時に現出される、大当り当選への期待度(当選期待度)に応じた色であり、たとえば、青色、緑色、赤色、虹色に設定される。当選期待度の高低は、「青色、緑色、赤色、虹色」のこの順に期待度が高いことを示唆し、虹色は大当り当選確定(当確)を示唆する期待度特大の報知色である。この期待度対応色は、遊技者に、当選期待度をわかりやすくするために、他の特定の予告演出が示す期待度と同じ色、具体的には、先読み予告演出による専用保留表示色(青色、緑色、赤色、虹色)が示す期待度に対応するように定められている。なお、少なくとも操作有効報知態様(本実施形態の場合は、黄色)については、予告演出による報知色と誤認しないように、予告演出に係る色以外で構成し、同色であれば異なる発光態様(たとえば、黄色点灯ではなく、黄色点滅(低速点滅や高速点滅))で構成することが好ましい。図15では、操作有効期間を示す「黄色」は、期待度対応色から除外されたものとなっている。
また「結果演出対応色」とは、演出ボタン13を操作後に現出される「結果演出(操作後演出)」現出時の色(結果演出)の内容を示唆する色または発光態様)であり、たとえば、大当りの場合(当り報知(祝福演出))には虹色(第1発光態様または第1発光色))、ハズレの場合(ハズレ報知(残念演出))には消灯または白色(祝福演出に係る発光色以外の発光色または発光態様であってもよい)あるいはモード設定色など、祝福演出における発光態様とは異なる発光態様(第2発光態様(消灯あってもよい)または第2発光色)が設定可能である。本実施形態では、ハズレ報知として、操作無効期間中(操作無効報知中)と同じ報知態様を採用している。また、上記「結果演出」は、ボタン操作があったか否かにかかわらず、操作有効期間終了後に現出されるようになっている。他方、当り報知(当確報知)の場合には、当り種別に応じて異なる色を定めてもよく、たとえば、確変大当りの場合は虹色、時短大当りの場合は赤色、潜確大当りと小当りの場合は緑色とすることができる。このように、当りの場合(少なくとも1種の特定の当りの場合)とハズレの場合とで異なる演出を現出する場合には、特定のエラー中(1または複数の特定のエラーであってもよい)中において、当りの場合には、周囲LED45等(第2発光手段)を利用せずにボタンLED75(第1発光手段)を利用して祝福演出を実行し、ハズレの場合には、周囲LED45等(第2発光手段)を利用せずにボタンLED75(第1発光手段)を利用して残念演出を現出することができる。
なお、期待度対応色または結果演出対応色は、当り種別の期待度に応じた色を設定してもよく、確変大当りの期待度が高い場合は「虹色(赤色でもよい)」、時短大当りの期待度が高い場合は「緑色」、潜確大当りや小当りやハズレの期待度が高い場合は「青色」に発色する確率が、他の色よりも高確率で選択されるように構成することができる。また「色+点滅速度」により期待度を示唆してもよい。たとえば、同色であれば、点灯、低速点滅、高速点滅の順に期待度が高まるように構成してもよい。
図17に戻り、(a)はボタン操作を受け付けが行われない「ボタン無効期間(ボタン操作指示前)」の状態を示したものであり、周囲LED45は消灯、ボタンLED75は白色(通常・潜確のモード設定色)で点灯、ハンドルLEDは消灯している。図示では、Nリーチ後に発展するSPリーチ演出を示しており、SPリーチ中は、宇宙人キャラと主人公キャラとが対決する遊技者参加型のバトル演出が現出されるケースを示している。
SPリーチ演出が開始されると、7図柄テンパイ状態の装飾図柄が画面の左下部の小さな表示領域152に退避表示され、画像表示演出は「宇宙人を倒せ!」のメッセージ150と宇宙人画像151による指令演出141が現出される。
図17(b)はシナリオが進んで攻撃演出142が現出し、宇宙人画像151に対向して主人公キャラクタ画像153が現出し、主人公キャラクタが超電磁波154を放出して宇宙人151を攻撃する。
図17(c)はさらにシナリオが進んでボタン操作を受け付けるボタン有効期間(ボタン操作指示中)に入った状態を示す。ボタン有効期間に入ったことを知らせるため、ボタンLED75が白色から黄色の点灯色に切り替わる。また、ボタン予告演出(ボタン操作指示演出)143が開始され、「押せ!」のメッセージからなる操作指示画像155と、ボタン操作有効期間の残り時間を示すタイマ画像156と、演出ボタン13を模したボタン画像157が表示される。
図17(d)は、遊技者が演出ボタン13を操作した後のボタン操作後演出として、結果演出(操作後演出)144が発生する演出制御状態を示す。結果演出144に係る光演出として、周囲LED45は消灯から虹色点灯に、ボタンLED75は黄色から虹色点灯に、発射操作ハンドル15内蔵のハンドルLEDは消灯から虹色点灯に切り替わる。このときの切り替わり後の発光色は、当選期待度および/または大当り種別に応じて色が設定される。具体的には当選期待度大もしくは確変大当りを予想させるものとして「虹」「赤」「緑」が使われ、また、当選期待度小もしくは潜確大当り、小当りを予想させるものとして「黄」「青」が使われる。図17(d)では虹色に変化しているので、大当り確定であり、しかも確変大当りの期待度が高いものであると予想される。
液晶画面上では、結果演出144に係る画像表示演出として、キャラクタ153がガッツポーズをとる画像、超電磁波が宇宙人に命中して爆発したことを示す爆発画像158、および「撃破!」のメッセージ159等が表示され、「宇宙人を倒せ!」の指令を達成したことが遊技者に報知される。そして、表示領域152に、大当りを示す「777」が停止表示される。
<エラー発生時の具体例:図16>
図16は、エラー発生時(本明細書中では、エラー時とも称する)に係るボタン有効期間とボタン操作期間とにおけるボタンLED75の好ましい制御態様を例示したものである。なお、ボタン有効期間が設定されるケースは、既に説明したように、図柄変動表示ゲーム中のボタン予告演出(遊技者参加型演出)やデモ画面中や節電モード中などがあるが、いずれも、正常時・エラー時の報知制御内容は実質的に同じであるため、以下では、重複記載を避けるために、ボタン予告演出を含む演出シナリオの進行中に、所定のエラーが発生したケースを例にとって説明する。
図16に示すケース番号「ケース1〜20」は、それぞれ、ボタン操作指示演出が現出される前の‘ボタン無効期間’、ボタン操作指示演出中の‘ボタン有効期間’、‘ボタン有効期間経過後またはボタン操作後の所定の期間(ここでは、結果演出(操作後演出)演出期間を扱う)’について、エラー発生時のボタンLED75がどのような報知態様を行うかの具体例を示したものである。
ここで図中の「○○色(消灯)→○○色」、「○○色→消灯」、「消灯→消灯」などの表記は、エラー未発生時(正常時)の報知態様が(矢印左側)、エラー発生時にはどのような報知態様(矢印右側)となるかを簡略化して表現したものである。たとえば、代表的に、ケース番号1、5、17の‘ボタン無効期間中’の欄の表記について説明すれば、ケース番号1の「モード設定色→モード設定色」との表記は、正常時は「モード設定色」であり、エラー発生時も「モード設定色」であることを示し、ケース番号5の「モード設定色→消灯」との表記は、正常時は「モード設定色」であるが、エラー発生時には「消灯」に切り替わることを示す。また、ケース番号17の「消灯→消灯」との表記は、正常時は消灯であり、エラー発生時も消灯であることを示す。その他、‘ボタン有効期間中’の欄、‘ボタン有効期間経過後・ボタン操作後’の欄の表記についても同様に、たとえば「黄色→黄色」との表記は、正常時は黄色(操作有効報知)であり、エラー発生時も黄色であることを示し、「結果演出対応色→モード設定色」との表記は、正常時は結果演出対応色であるが、エラー発生時にはモード設定色に切り替わることを示す。
なお「ボタン有効期間経過後・ボタン操作後(以下、「結果演出時」と略す)」とは、チャンスボタン(演出ボタン)を押した場合と、押さずにボタン有効期間が経過してしまった場合のボタンLED75の報知態様を示している。また、ボタン有効期間中の欄は、通常の有効報知態様である「黄色点灯」の例だけを示してあるが、これは説明の便宜のために図示は省略したものであり、実際には、上記した期待度対応色が含まれる。
この図16において、矢印‘→’後の「モード設定色」または「消灯」は、エラー報知の報知態様(たとえば白色点滅や赤色点滅)と異なる報知態様であること、という条件ないし制約を受けている。エラーが発生していなければ、「モード設定色」は、図15において説明したように、演出モードで定まる色であり、通常モードは「白色」、確変モードでは「紫色」、CZモードでは「消灯」である。しかし、エラー時においては、「エラー報知のために使用する報知態様(たとえば白点滅)と異なる表示色による点灯(異なる色の連続点灯、たとえば白点灯)」、または「エラー報知のために使用する報知態様(赤点灯)と同じ表示色であるが点滅表示(点滅点灯、たとえば赤点滅)」、またはエラー報知の報知態様(たとえば白色点滅や赤色点灯)と異なる報知態様である「消灯」が選択される。ただし本実施形態の場合、エラー中のボタンLED75の報知態様について、エラー報知優先順位が一番高いRAMクリアエラーのエラー報知「白色全点灯」と同じ報知態様の「白色点灯」を許容するものとしている。既に説明したように、遊技機に対する深刻度が大となるエラーの場合には、ボタンLED75をエラー報知用として兼用する(エラー報知手段として利用する)ことが好ましいからである。
結果演出対応色については、虹色になった場合は、当選期待度特大(当確)を示し、報知態様が、モード設定色の白色のままか、消灯である場合は、結果演出がハズレのケースまたは大当りであるが結果演出では一旦ハズレ報知し、その後に大当り確定を報知する復活演出が現出されるケースであることを示す。なお、エラー報知には、本来の画像表示演出が消えて、エラー報知用の画像表示が液晶画面全体に表示されるようなエラー報知と、現在の画像表示演出が視認可能な状態を残して、警告文表示等が表示されるエラー報知の2パターンがあり、エラー種別に応じて、エラー中の画像表示演出が異なる。少なくとも後者の場合は、エラー時であっても、主制御部20から演出制御部24への演出制御コマンドの送信は通常通り行われており、液晶表示装置36は演出シナリオに合わせて動作するものの、エラー報知のために、結果としてその表示が見えないだけである。また、第1〜第3可動体役物は演出シナリオに合わせて通常通り動作する。
図16に示す「ケース1〜20」は、上記したように、ボタンLED75がエラー報知態様と連動しない形態であるが、各ケースを報知制御形態の観点から分類すると、下記のグループ(A1)〜(E4)に分類することができる(後述の第2の実施形態のボタンLED75等についても同様)。
(A1)ボタン無効期間およびボタン有効期間は正常時と同色、結果演出時は、結果演出対応色とする報知制御形態。ケース1、9がこのグループA1に属する形態である。
(A2)ボタン無効期間およびボタン有効期間は正常時と同色、結果演出時はボタン無効期間と同色、とする報知制御形態。ケース2、10がこのグループA2に属する形態である。
(B1)ボタン無効期間は正常時と同色、ボタン有効期間について正常時は所定色であるがエラー時はボタン無効期間と同色、結果演出時は結果演出対応色、とする報知制御形態。ケース3、11がこのグループB1に属する形態である。
(B2)ボタン無効期間は正常時と同色、ボタン有効期間について正常時は所定色であるがエラー時はボタン無効期間と同色、結果演出時はボタン無効期間と同色、とする報知制御形態。ケース4、12がこのグループB2に属する形態である。
(C1)ボタン無効期間について正常時は所定色であるがエラー時は消灯、ボタン有効期間は正常時と同色、結果演出時は結果演出対応色、とする報知制御形態。ケース5、13がこのグループC1に属する形態である。
(C2)ボタン無効期間について正常時は所定色であるがエラー時は消灯、ボタン有効期間は正常時と同色、結果演出時は消灯、とする報知制御形態。ケース6、14がこのグループC2に属する形態である。
(D1)ボタン無効期間について正常時は所定色であるがエラー時は消灯、ボタン有効期間について正常時は所定色であるがエラー時は消灯、結果演出時は結果演出対応色、とする報知制御形態。ケース7、15がこのグループD1に属する形態である。
(D2)ボタン無効期間について正常時は所定色であるがエラー時は消灯、ボタン有効期間について正常時は所定色であるがエラー時は消灯、結果演出時は消灯、とする報知制御形態。ケース8、16がこのグループD2に属する形態である。
(E1)ボタン無効期間は正常時と同じ消灯、ボタン有効期間は正常時と同色、結果演出時は結果演出対応色、とする報知制御形態。ケース17がこのグループE1に属する形態である。
(E2)ボタン無効期間は正常時と同じ消灯、ボタン有効期間は正常時と同色、結果演出時は消灯、とする報知制御形態。ケース18がこのグループE2に属する形態である。
(E3)ボタン無効期間は正常時と同じ消灯、ボタン有効期間について正常時は所定色であるがエラー時は消灯、結果演出時は結果演出対応色、とする報知制御形態。ケース19がこのグループE3に属する形態である。
(E4)ボタン無効期間は正常時と同じ消灯、ボタン有効期間について正常時は所定色であるがエラー時は消灯、結果演出時は消灯、とする報知制御形態。ケース20がこのグループE4に属する形態である。
なお上記の「所定色」とは消灯以外であり、「同色」とは、同色点灯または同色点滅を含む。また図示はしていないが、グループA1、A2、B1、B2、C1、C2、E1、E2は、ボタン有効期間はエラー時と正常時とで同色、つまり、エラー報知中であるか否かによらず、ボタン有効報知中になると、正常時と同じ報知態様にて、操作有効報知を実行する報知制御形態となっている。このようなグループに属する報知制御形態を採用する場合において、ボタン操作を遊技者に促すために、特に操作有効報知を強調報知したい場合や、ボタン有効期間以外であれば、ボタンLED75をエラー報知に兼用しても特に問題が生じない場合などは、ボタン有効期間(操作有効報知中)以外の期間は、ボタンLED75をエラー報知手段として機能させてもよい。すなわち、ボタン有効期間以外の期間、たとえば、図16中の「ボタン操作無効期間」および/または「ボタン有効期間経過後・ボタン操作後」の期間は、ボタンLED75をエラー報知手段として兼用するが、ボタン有効期間中はボタンLED75をエラー報知手段として兼用しないという報知制御形態とすることができる(後述の第2の実施形態のボタンLED75、MAXベットLED79aについても同様)。
たとえば図16のケース1では、ボタン無効期間およびボタン有効期間ともに、エラー未発生時(正常時)と同じ報知態様の「モード設定色」に制御される。そして、結果演出時は、結果演出対応色(たとえば、当り報知の場合は虹色、ハズレ報知の場合は操作無効報知と同一報知態様(白色やモード設定色)やハズレ報知専用の報知態様など)に制御される。すなわち、ケース1の場合は、ボタンLED75が、エラー報知とは全く無関係に通常通りの動作(通常動作)をする構成、換言すれば、エラーが発生したか否かにかかわらず、ボタンLED75をエラー報知用の演出手段として全く機能させない構成である。このケース1と同種の構成として、ケース9、17等がある。その他のケースは、いずれかの報知期間において、エラー中の場合には、正常時の報知態様とは異なる報知態様に制御される。たとえば、ケース2では、ボタン無効期間中およびボタン有効期間中は、エラーが発生したか否かにかかわらず通常動作を行うが(ボタン無効期間の場合は「モード設定色→モード設定色」、ボタン有効期間の場合は「黄色→黄色」)、結果演出時にエラー発生中であれば、モード設定色、つまり操作無効報知と同様の報知態様に制御する構成となっている。ケース2の場合、ボタンLED75を通常動作させるというのではなく、エラー報知態様とは連動しないが、エラー中は独自の報知態様と採るという点で、ケース1とは異なる。
<図18、図19:図16のケース17、ケース19(消灯パターン)>
図18、図19は、ケース1〜20のうちで、エラー中のボタンLED75の報知態様の制御の仕方について、代表的に、図16における上記グループE1のケース17と、上記グループE3のケース19の消灯パターンの場合を例示したものである。
図18、図19において、時刻t1が、主制御部20からのSPリーチ指定の当り変動パターンを含む演出制御コマンド受けて演出制御部24が実行するSPリーチ演出の開始点であり、時刻t5で当該SPリーチ演出が終了して、大当り遊技が開始され、これに対応する大当り中演出に切り替わる。時刻t2は、エラーが発生した時点を示している。ここでは、主制御部20が図14に示す「振動センサエラー」と判断した場合のメインエラーを扱っている。この振動センサエラーの発生と同時に、周囲LED45が一斉に赤色点滅し(図14参照)、時刻t6でエラーが解除されると、この周囲LED45の赤色点滅も終了(消灯)する。異常解除後は正常時の演出内容に戻される。
図18、図19において、時刻t3〜t4が、演出ボタンのボタン有効期間であり、SPリーチ演出期間中の途中の時点t3から始まり、大当り遊技の開始時点(時刻t5)より手前の時点t4で終わる。エラーが発生してからボタン有効期間が始まるまでの期間t2〜t3は、エラー中のボタン無効期間である。図18中の(イ)は、有効期間中にボタン操作をしなかった場合を、(ロ)はボタン操作をした場合を示している。
(ボタン無効期間中:図18、図19におけるt2〜t3の期間)
この図18、図19の例では、エラーが発生した場合、これを報知すべく、前面枠周縁に周方向に設けた複数個の周囲LED45(装飾ランプ45)が、赤色で一斉に赤色点滅する状態に変更される。ここで仮に、ボタン無効期間(消灯状態)中にエラーが発生したとき、周囲LED45とともにボタンLED75も赤色の点灯に変更させてしまうと(図18、図19の矢印txで示唆する区間t2〜t3参照)、エラー報知のために行われたボタンLED75の点灯を、当選期待度を示唆する演出上におけるボタン有効期間が到来したと遊技者が誤認するおそれがある。つまり、ボタンLED75のエラー報知の点灯(図18、図19のtx区間での点灯)を「当選期待度を示唆する演出による点灯ではないか?」と、遊技者が誤認するおそれがある。よって、演出ボタン13を遊技者に押させたくない状況が生まれる。
そこで図18、図19では、エラー報知をすべく周囲LED45が赤色点滅しても、少なくとも、演出ボタンのボタン操作を受け付けないボタン無効期間中(図18、図19におけるt2〜t3の期間)については、ボタンLED75を赤色点滅とはせずに、ボタンLED75を「消灯」させておき、点灯させない。このようにすると、「ボタン操作をさせたくない期間中であるにも拘わらずボタンLED75が点灯してボタン操作を促している」という異常な報知状態(表示状態)が生まれなくなる。そこで、ボタンLED75の消灯状態が、周囲LEDのエラー報知の点灯状態から明確に区別され、遊技者は、演出ボタンのLED表示がエラー報知から切り離された独立のもの、つまり互いに無関係のものであると、認識できるようになる。特に図18、図19では、ボタン無効期間のボタンLED75の報知態様が、正常時とエラー時とで同様の操作無効報知(ここでは、消灯)となっているため、周囲LED45がエラー報知中であっても「操作無効期間である」ということを遊技者に対して明確に報知することができ、遊技者がエラー報知と有効操作報知とを誤認混同し、誤って演出ボタンを操作してしまうことを防止することができる。正常時とエラー時とで同様の操作無効報知をするものとして、図16中のケース1〜4、9〜12、17〜20などがある。
(ボタン有効期間中:図18、図19におけるt3〜t4の期間)
エラーが発生している期間中に演出ボタンのボタン有効期間が到来して両期間が重なると(図18、図19の矢印tyで示唆する区間t3〜t4参照)、演出ボタンを遊技者に押させたい状況が生まれる。
図18(図16のケース17)では、ボタン有効期間が到来すると(図18のty区間参照)、ボタンLED75は、エラー報知の「赤色」とは異なる色である「黄色」で点灯して、ボタン有効期間が到来したことを報知する(操作有効報知)。黄色は赤色から明確に区別することができる。またボタン操作を催促するボタン画像演出(ボタン画像157)も出現するので、遊技者はボタンLED75の報知態様がエラー報知とは無関係であって、当選期待度に関連する演出として「演出ボタンを押すことを促している」ものと理解することができる。演出ボタンを押した場合は(図18(ロ)のta時点参照)、その時点で、結果演出として、黄色から虹色(結果演出対応色)に変化し、少なくとも当確(当り種別を報知可能な場合は、確変大当り当選濃厚。図19も同様)であることが報知される(図18(ロ))。演出ボタンを押さなかった場合は、ボタン有効期間が経過した時点(t4)で、黄色から虹色に変化し、この場合も、当確であることが報知される(図18(イ))。
図19(図16のケース19)では、エラーが発生している期間中に演出ボタンのボタン有効期間が到来して両期間が重なっても(図19のty区間参照)、ボタンLED75は消灯したままである。つまりボタン無効期間およびボタン有効期間を通じて、ボタンLED75はエラー報知のための点灯等をしない。「消灯」状態はエラー報知の「赤色点灯」状態と明確に区別し得る。そこで、遊技者はボタンLED75の報知態様がエラー報知とは無関係であると認識できる。ボタン操作を催促するボタン画像演出(ボタン操作指示演出143)も出現しないが、ボタン有効期間中のボタン操作は有効であり、演出ボタンを操作すれば(図19(ロ)のta時点参照)、操作後演出としてボタンLED75が虹色で発光し、少なくとも当確であることが報知される(図19(ロ))。演出ボタンを押さなかった場合は、ボタン有効期間が経過した時点(t4)で、黄色から虹色に変化し、当選期待度が特大(当り確定)で確変大当りの可能性が高いことが報知される(図19(イ))。
ところで、図19のケースは、ボタン有効期間であっても通常通りの操作有効報知(黄色点灯)をしない点で、演出ボタンを遊技者に押させたくない状況下にも対応可能な報知態様ともいえる。エラー種別によっては、遊技進行を大きく妨げるエラーであることもあり、演出を楽しませるというよりも、むしろそのエラーを早急に解消すべき状況であるとして、通常通りの操作有効報知(黄色点灯)をしない方が好ましい状況も想定される。特に本来の画像表示演出が消えて、エラー報知用の画像表示が液晶画面全体に表示されるような、深刻度の高いエラー報知を採用するケースである、この点で図19のケースは、演出ボタンを遊技者に押させたい状況とそうでない状況の2つのケースに対応しうる報知制御形態といえる。図19のように、ボタン有効期間であっても通常通りの操作有効報知(黄色点灯)をしない構成には、ケース19の制御形態の他、図16に示す通り、ケース3、4、7、8、11、12、15、16、19、20などの制御形態がある。
<図20:図16のグループA1>
図20は、図16の上記したグループA1(ケース1、9)の報知制御例の説明に供する図である。図20は、図17と同様に、遊技者参加型演出の演出シナリオにしたがって行われる演出の途中で、エラー(ここでは、図14に示す補給切れエラー)が発生した実施例を示したものである。また図20では、通常演出モード(通常状態)中を扱い、モード設定色を図17と同じ「白色点灯」として説明する。図21〜図23についても同様に、モード設定色を「白色点灯」として説明する。
図20において(a)はボタン無効期間であり、正常時(エラー未発生中)であるため、図17(a)と同じく、周囲LED45は消灯、ボタンLED75は白色点灯、ハンドルLEDは消灯している。画像演出は、「宇宙人を倒せ!」のメッセージが表示され、装飾図柄がリーチ状態で、画面の左下部に小さく表示されている。
図20(b)はボタン無効期間中に補給切れエラーが発生し(図14参照)が、周囲LED45が、正常時における光演出(図示例では消灯状態中)から「白色点滅」に替わって、エラーが発生したことを報知する。このときハンドルLEDも白点滅に替わって、同様にエラーが発生したことを報知する。また液晶画面中には、補給切れを示すエラー番号「エラー15」と「球が不足しています」というメッセージ画像が出現する。しかしボタンLED75は、正常時の操作無効報知と同じ「白色」のままでありエラー報知はしない。すなわち、エラー報知用の演出手段として利用されない。補給切れエラーは、図14に示す通り、エラー報知優先順位が15番目という低いエラーであり、遊技を止めるほどの重大事ではないので、演出はそのまま進行する。すなわち、図17の場合と同じく、主人公キャラクタ153が超電磁波154により宇宙人151を攻撃する演出画像が現出する。
図20(c)はさらにシナリオが進んでボタン操作を受け付けるボタン有効期間(ボタン操作指示中)に入った演出制御状態を示す。ボタン有効期間に入ったことを知らせるため、ボタンLED75が白色から黄色の点灯色に切り替わる。この切り替わりは、正常時である正常時の図17の(b)の場合と同じである。したがって、ボタン予告演出(ボタン操作指示演出)143が開始され、「押せ!」のメッセージからなる操作指示画像155と、ボタン操作有効期間の残り時間を示すタイマ画像156と、演出ボタン13を模したボタン画像157が表示される。
ボタンLED75の「黄色」は周囲の白色点滅から明確に区別することができる。換言すれば、エラー中でもボタンLED75はチャンスボタン(演出ボタン13)が有効であることを示している。またボタン操作を催促するボタン画像演出も出現している。そこで、遊技者はボタンLED75の報知態様(黄色点灯)がエラー報知ではなく、「演出ボタンを押すことを促している」ものと理解することができる。
図20(d)は、遊技者が演出ボタン13を操作した後に、図17(d)と同様の大当り時に係る結果演出144が発生する演出制御状態を示す。周囲LED45およびハンドルLEDはエラー中であるので白色点滅が継続されるが、ボタンLED75は黄色から、結果演出対応色の虹色点灯に切り替わる。ボタンLED75の報知態様の切り替わりは、正常時の図17の(d)の場合と同じである。このときの切り替わり後の発光色は虹色に変化しているので、大当り確定であり、しかも確変大当りの期待度が高いものであると予想される。
なお図20(グループA1)と同じく、少なくともボタン有効期間中に正常時と同色の操作有効報知を行うものとして、グループA2(ケース2、10)、グループC1(ケース5、13)、グループC2(ケース6、14)、グループE1(ケース17)、グループE2(ケース18)などがある。
<図21:図16のグループB2>
図21は、図16の上記したグループB2(ケース4、12)の報知制御例の説明に供する図である。図21において(a)〜(d)は図20のものと対応しており、このうち(a)〜(b)は図20と全く同じ内容である。すなわち、エラーが発生して周囲LED45が白点滅状態に替わった場合でも、ボタンLED75が白色を維持しているため、遊技者は、図20(b)のときと同じく、ボタンLED75がエラー報知(白点滅)と無関係であると認識することができる。
図20との違いの第1は、図21(c)のボタン有効期間に入った場合にボタンLED75が、ボタン無効期間と同様の白色(操作無効報知)を維持していることである。このときボタン画像表示は現出されているので、遊技者は、ボタンLED75は白色であるが押してみようかな、という衝動に駆られる。
図20との違いの第2は、図21(d)のボタン操作後の段階で、ボタンLED75がボタン無効期間と同様の白色を維持していることである。つまり、遊技者がチャンスボタンを押しても、エラー中ということで結果演出対応色が発生せず、ボタンLED75は白色のまま変化をしない。しかし液晶画面上では、結果演出144として、図17(d)の画像表示演出が表示され、「宇宙人を倒せ!」の指令を達成したこと、つまり大当りであることが遊技者に報知される。
なお図21(グループB2)と同じく、エラー時に、ボタン有効期間および結果演出時において、操作無効期間と同じ報知態様を行うものとして、グループD2(ケース8、16)、グループE4(ケース20)などがある。
<図22:図16のグループB1>
図22は、図16の上記したグループB1(ケース3、11)の報知制御例の説明に供する図である。図22において(a)〜(c)は図21のものと対応しており、図21と全く同じ内容になっている。すなわち、図22(b)においてエラーが発生して周囲LED45が白点滅状態に替わった場合でも、ボタンLED75が正常時と同じ白色を維持しているため、遊技者は、図20(b)のときと同じく、ボタンLED75がエラー報知(白点滅)と無関係であると認識することができる。
図21(c)の場合と同じく、図22(c)でボタン有効期間に入った場合も、ボタンLED75は、ボタン無効期間と同様の白色(操作無効報知)を維持している。このときボタン画像表示は現出されているので、遊技者は、ボタンLED75は白色であるが押してみようかな、という衝動に駆られる。
図21との違いは、図22(d)のボタン操作後の段階で、ボタンLED75が白色から「虹色」に替わっている点にある。すなわち、遊技者がチャンスボタン(演出ボタン13)を押すと、結果演出が発生してボタンLED75が虹色に変化することから、遊技者は、大当り確定であり、しかも確変大当りの期待度が高いものであると推測する。
なお図22(グループB1)と同じく、エラー時に、ボタン有効期間はボタン無効期間と同じ報知態様、結果演出時は結果演出対応色を行うものとして、グループD1(ケース7、15)、グループE3(ケース19)などがある。
<図23:図16のグループB1の変形例>
上記図22の例では、ボタン操作後の結果演出(操作後演出)として、当り報知のためにボタンLED75だけを虹色に点灯させた。しかし、図23(d)に示すように、ボタンLED75を虹色に点灯させるだけでなく、周囲LED45やハンドルLEDも結果演出対応色(ここでは、当り報知の虹色を例示)で点灯させてもよい。すなわち、結果演出に係る光演出については、通常通りに行ってもよい。この場合、ボタンLED75、周囲LED45、ハンドルLEDは、それまでの周囲LED45の白色点滅には連動せず、その後に点灯した虹色で置き換わる(マスクされる)形になり、虹色点灯だけに支配される。要するに、虹色で支配され、周囲LED45のマスクされたエラー報知の報知態様(白色点滅)に連動しない報知態様となる。ただし、少なくとも液晶画面には警告文表示が継続しており、画像表示演出によるエラー報知は継続されている。結果演出が終了してもエラーが解消されていない場合には、当該結果演出終了後に、周囲LED45とハンドルLEDは白色点滅(エラー報知)が再開され、ボタンLED75は、ボタン無効期間に対応した白色点灯(操作無効報知)に制御されることとなる。なお、少なくとも結果演出時に結果演出対応色とする構成を持つ‘グループA1、B1、C1、D1、E1、E3’については、図23(d)と同じく、結果演出に係る光演出については、通常通りに行うように構成することができる。
<変形例1>
上記実施形態では、エラー報知優先順位を定めているが、エラーの種類の重要度(遊技機に対する深刻度)に応じたランク付けをしてもよい。たとえば、
レベル9:RAMクリアエラー(順位1)、
レベル8:磁気検知、電波検知、振動検知、入賞異常検知系エラー(順位2〜6)、
レベル7:扉・枠開放系エラー(順位7)
レベル6:払出基板・主基板異常、断線検知、払出不足系エラー(順位8〜11)、
レベル5:可動役物系エラー(順位12)、
レベル4:音声IC、演出基板系エラー(順位13〜14)、
レベル3:補給切れエラー(順位15)、
レベル2:右・左打ち警告報知(順位16)
レベル1:球詰りエラー(順位17)。
そこで、具体的なエラーが、これらのいずれのレベルに属するかに応じて、上記の図20〜図23の報知態様のいずれを使用するか、あるいは図16のケース1〜20のいずれの報知態様のものを使用するか、その使い分けをするように構成することができる。たとえば、不正行為が疑われる「レベル9〜レベル7」や、遊技に重大な影響のある故障「レベル6」や、演出制御系に影響のある故障「レベル5〜レベル4」の場合は、図21のパターン(演出ボタンを押しても白色のまま)にする。ホール店員により容易に解消可能な「レベル3」や遊技者が自力解除可能な「レベル2〜レベル1」の場合は、遊技進行に特に影響がないので、図20の報知態様(ボタンLED75を正常時と同じ報知態様にする)。このようにエラーの軽重(レベル)に応じて、図20〜図23のいずれかのパターンを利用する。
<変形例2>
上記実施形態において、ボタン操作指示演出(ボタン有効期間中)および/または結果演出中に、爽快ボタン70(第3演出ボタン:ローリングボタン)のローリング動作などが、可動体役物が所定の動作(たとえば、大当り抽選結果に応じた動作や、当選期待度に応じた動作)を実行可能に構成している場合は、エラー中は、その動作を実行しない(動かない)構成にすることができる。また、演出ボタンがブルブル振動したり、ボタン操作面から高く上昇して飛び出す突出型演出ボタンのような役物系ボタンの場合、その演出動作契機が到来しても本来の動作をしないように構成することができる。たとえば、突出型演出ボタンの場合、本来、飛び出すケース(演出段階)であっても、エラー中は飛び出さないように構成することができる。
<変形例3>
上記実施形態では、エラー時に、周方向に配置された複数個のフルカラーLED(周囲LED45)が、一斉に点灯または点滅するものとして説明した。しかし、エラーを報知するLEDは、このLED45の一部のLEDであってもよい。たとえば、スピーカ46の配設箇所に設けられたLED(スピーカLED)のみをエラー報知のLEDとして使用することもできる。この形態は、あまりおおげさにエラー報知したくない場合に有用である。また、スピーカLEDのみをフルカラーLEDとし、それ以外の周囲LED45は単色LEDとして、エラー報知用途から外すこともできる。
<変形例4>
上記実施形態では、ボタンLED75が演出ボタン13に内蔵されている構成について説明した。しかし、演出ボタン13の周辺部(近傍)にフルカラーLEDを配置し、操作有効報知や操作無効報知を実行させてもよい。また、演出ボタン13に内蔵されたフルカラーLED(以下「内蔵LED」と略す)と、その周辺部に配置されたフルカラーLED(以下「周辺LED」と略す)とを用いて、操作有効報知や操作無効報知を実行させてもよい。たとえば、操作無効報知では、周辺部LEDは消灯させ内蔵LEDを白色で点灯させ、操作有効報知では内蔵LEDと周辺部LEDの双方を黄色点灯させる。また、内蔵LEDおよび/または周辺部LEDを期待演出に用いることができる。また、演出ボタン13は、受け皿ユニット8と表面が一体の透明枠71内に、透明な押圧ボタン型筒体72を上下動可能に組み込み、この押圧ボタン型筒体72内に可動体73をローリング可能に組み込んだ構造において、可動体73内にボタンLED75を配置した構成であるとして説明したが、ボタンLED75が、押圧ボタン型筒体72内ではあるが可動体73の外側に位置するように、構成しても良い。また、演出ボタン13の透明枠71内ではあるが、押圧ボタン型筒体72の外側に、フルカラーLEDを配置し、このフルカラーLEDを所定の色(モード設定色)で点灯または点滅させることによって、ボタン有効期間の到来を報知し、ボタン操作を促す演出として現出させるように構成してもよい。
<変形例5>
なお、上記実施形態では、ボタンLED75に着目した形態について説明したが、ボタンLED75を上記「盤LED(中央LED)」に置き換えてもよい。たとえば、上記実施形態の説明に用いた図14〜図23における「ボタンLED75」を「盤LED」とした実施形態であってもよい。また、「ボタンLED75」と、このボタンLED75の発光態様と同一の発光態様を実行する「盤LED」の2つを用いた実施形態であってもよい。また「盤LED」に属する発光手段は、既に説明したように、計盤部(数字表示部)81や花型役物91など複数種類の発光手段があると説明したが、これら複数種類の発光手段のうち少なくとも1つの発光手段(盤LEDの少なくとも一部)を盤LEDとして上記実施形態に適用してもよい。また「枠LED(周囲LED45)」は装飾ランプとして前枠周縁に周方向に複数個設けられたフルカラーLEDであるが、この枠LEDの少なくとも一部(たとえば、周囲LED45の一部の発光部)を利用してもよい。
上記した実施形態における好ましい構成例についてまとめると次のようになる。なお括弧内は本構成例における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。また、(イ)〜(ヰ)は各構成の略称として表記してある。
(1)遊技者が操作可能に構成された操作手段と、
(イ)演出を実行可能な演出手段と、
(ロ)前記演出手段による演出を制御する演出制御手段と、を備え、
(ハ)所定のエラーが発生した場合に、当該所定のエラーに係るエラー報知を実行可能に構成された遊技機(以下、構成(イ)〜(ハ)を備える遊技機を説明の便宜のために「遊技機A」と略す)であって(図14)、
(ニ)前記演出手段は、第1発光手段と当該第1発光手段とは異なる位置に設けられた第2発光手段とを少なくとも含み、
(ホ)前記演出制御手段は、
前記第2発光手段を利用する一方、前記第1発光手段を利用しないで前記エラー報知を実行制御するエラー報知実行制御手段と、
(ヘ)前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間を設定する操作有効期間設定手段と、
(ト)前記操作手段が操作された場合に、所定の操作後演出を実行制御可能な操作後演出実行制御手段と、を備え、
(チ)前記操作後演出実行制御手段は、
(リ)前記エラー報知の非実行中に前記操作有効期間に前記操作手段が操作された場合には、前記第1発光手段と前記第2発光手段とを利用して前記所定の操作後演出を実行し、
(ヌ)前記エラー報知の実行中に前記操作有効期間に前記操作手段が操作された場合には、前記第2発光手段を利用せずに前記第1発光手段を利用して前記所定の操作後演出を実行するように構成されており(以下、(ニ)〜(ヌ)の構成を纏めて、説明の便宜のために「構成A」と略す)、
(ル)第1のエラー(たとえば、扉開放エラー)報知中は、前記第1発光手段と前記第2発光手段とのいずれも当該第1のエラー報知に利用され、
(ヲ)第2のエラー(たとえば、補給切れエラー)報知中は、前記第2発光手段を当該第2のエラー報知に利用し、前記第1発光手段を前記所定の操作後演出に利用されるように構成された、
ことを特徴とする遊技機
(2)上記遊技機Aであって、
上記構成Aを備え、
(ワ)当りに関する抽選を実行する抽選手段(図7のS059)と、
(カ)前記抽選手段による抽選結果が当りである場合、当り遊技を実行制御する特別遊技制御手段(図7のS60)と、をさらに備え、
(ヨ)第1のエラー報知の非実行中(第1のエラー非発生時:たとえば、補給切れエラー非発生時)において、
(タ)前記抽選手段による抽選結果が当りの場合、前記第1発光手段と前記第2発光手段とを利用し前記操作後演出として第1演出(祝福演出)を実行し(換言すれば、操作後演出として、第1発光手段と第2発光手段とにより祝福演出(当り専用色の発光(虹色))が実行される)、
(レ)前記抽選手段による抽選結果がハズレの場合、前記第1発光手段と前記第2発光手段とを利用し前記操作後演出として前記第1演出とは異なる第2演出(残念演出)を実行するように構成された(換言すれば、操作後演出として、ハズレ時は、第1発光手段と第2発光手段とにより残念演出(虹色以外のハズレ専用色で発光(たとえば白色)または消灯)が実行される)、
ことを特徴とする遊技機。
(3)上記遊技機Aであって、
上記構成Aを備え、
(ワ)当りに関する抽選を実行する抽選手段(図7のS059)と、
(カ)前記抽選手段による抽選結果が当りである場合、当り遊技を実行制御する特別遊技制御手段(図7のS60)と、をさらに備え、
(ソ)第1のエラー報知の実行中(第1のエラー発生時:たとえば、補給切れエラー発生時)において、
(ツ)前記抽選手段による抽選結果が当りの場合、前記第2発光手段を利用せずに前記第1発光手段を利用して前記操作後演出として第1演出(祝福演出)を実行し(換言すれば、操作後演出として、第2発光手段を利用せずに第1発光手段により祝福演出が実行される)、
(ネ)前記抽選手段による抽選結果がハズレの場合、前記第2発光手段を利用せずに前記第1発光手段を利用して前記操作後演出として前記第1演出とは異なる第2演出(残念演出)を実行するように構成された(換言すれば、操作後演出として、第2発光手段を利用せずに第1発光手段により残念演出が実行される)、
ことを特徴とする遊技機。
(4)遊技機Aであって、
上記構成Aを備え、
(ワ)当りに関する抽選を実行する抽選手段と、
(カ)前記抽選手段による抽選結果が当りである場合、当り遊技を実行制御する特別遊技制御手段と、をさらに備え、
(ヨ)第1のエラー報知の非実行中(第1のエラー非発生時:たとえば、補給切れエラー非発生時)において、
(タ)前記抽選手段による抽選結果が当りの場合、前記第1発光手段と前記第2発光手段とを利用し前記操作後演出として第1演出(祝福演出)を実行し、
(レ)前記抽選手段による抽選結果がハズレの場合、前記第1発光手段と前記第2発光手段とを利用し前記操作後演出として前記第1演出とは異なる第2演出(残念演出)を実行するように構成されており、
(ソ)また第1のエラー報知の実行中(第1のエラー発生時:たとえば、補給切れエラー発生時)において、
(ツ)前記抽選手段による抽選結果が当りの場合、前記第2発光手段を利用せずに前記第1発光手段を利用して前記操作後演出として第1演出(祝福演出)を実行し、
(ネ)前記抽選手段による抽選結果がハズレの場合、前記第2発光手段を利用せずに前記第1発光手段を利用して前記操作後演出として前記第1演出とは異なる第2演出(残念演出)を実行するように構成された、
ことを特徴とする遊技機。この(4)は、端的に言えば、上記(2)の構成(ヨ)〜(レ)と、上記(3)の構成(ソ)〜(ネ)を有する構成である。
(5)遊技機Aであって、
上記構成Aを備え、
(ラ)前記第1発光手段を利用して前記操作有効期間であることを報知する操作有効報知演出(図17(c):ボタンLED75が黄色点灯(操作有効報知))を実行制御する操作有効報知演出実行制御手段(演出制御部24、図17)と、を備え、
(ム)前記エラー報知の実行中は、前記操作有効報知を実行しないように構成した(たとえば、図21(c):ボタンLED75が白色点灯)、
ことを特徴とする遊技機。
(6)遊技機Aであって、
上記構成Aを備え、
(ウ)前記第1発光手段は盤LED(盤LED(中央LED)の少なくとも一部)であり、
(ヰ)前記第2発光手段は枠LED(枠LED(周囲LED)の少なくとも一部)である、
ことを特徴とする遊技機。
<主制御部側の処理:図6、図7>
次に図6、図7を参照して、本実施形態の主制御部20側における遊技動作処理について説明する。主制御部20側の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図6)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図7)とを含んで構成される。
<20.主制御側メイン処理:図6>
図6は、主制御部20側のメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御部20(CPU201)が図6に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、CPU201は、まず自らを割込み禁止状態に設定するとともに、所定の割込みモード(割込みモード2)に設定し、またマイクロコンピュータの各部を含めてCPU内部のレジスタ値を初期設定するなど、遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS011)。
次いで、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号であるRAMクリア信号のON/OFF状態を判定する(ステップ012)。ここでRAMクリア信号とは、RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、通常、パチンコ店員が操作するRAMクリアスイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
RAMクリア信号がON状態である場合(ステップS012:YES)、RAMの全領域がゼロクリアされ、電源遮断時にバックアップされた遊技情報がすべてクリアされる(ステップS016)。したがって、電源遮断時に設定されたバックアップフラグの値は、他のチェックサム値などと共にゼロとなり、また遊技状態は初期状態の通常状態に設定され、作動保留記憶に関する保留データ等もすべてクリア(初期化)される。続いて、RAM領域がゼロクリアされたことを報知するための「RAMクリアコマンド」を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS017)。そして、RAMクリアされた旨を報知するための時間として、RAMクリア報知タイマに、たとえば、30000msを設定する(ステップS018)。これにより、RAMクリアエラーのエラー報知が30秒間実行される。
次いで、タイマ割込み動作を起動するための割込み信号を出力するCTCを初期設定して(ステップS019)、CPUを割込み許可状態に設定する。その後は、割込みが発生するまで割込禁止状態と割込許可状態とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数更新処理を行う(ステップS020〜S022)。この各種乱数更新処理(ステップS021)では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに利用される各種乱数を更新する。たとえば、インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している、大当り抽選に利用される乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に利用される乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数)や、特別図柄や普通図柄に係る変動パターンの選択の際に利用する変動パターン用乱数等を更新する。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込処理を行っている間を除いて、各種乱数更新処理を繰り返し実行して各種のソフト乱数を生成している。
ステップS012の判定処理に戻って説明を続けると、停電状態からの復旧時には、RAMクリアスイッチ(RAMクリア信号)はOFF状態である(ステップS012:NO)。そこで、このような場合、ステップS012の判定処理に続き、バックアップフラグ値を判定する(ステップS013)。バックアップフラグがON状態であれば(ステップS013:YES)、続いて、チェックサム値を算出するため、RAM203のワーク領域を対象とする8ビット加算演算(チェックサム演算)を実行し、チェックサム値を算出して、電源遮断時のチェックサム値と一致するか否かを判定する(ステップS014)。チェックサム値が一致する場合には(ステップS014:YES)、正常であるとして、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を行い(ステップS015)、その後は、ステップS019の処理に進み、ステップS020〜S022の処理を繰り返し実行する。
しかし、電源遮断時にチェックサム演算が実行できなかった場合や、実行できても、その後、メイン処理のチェックサム演算の実行時までの間に、ワーク領域のデータが破損している場合もあり、このような場合にはステップS014の判定結果は不一致となる。判定結果の不一致によりデータ破損が検出された場合には(ステップS014:NO)、ステップS016の処理に進みRAMクリア処理を行い、遊技機の動作状態を初期状態に戻し、ステップS017以降の処理を実行する。またステップS013の判定処理において、電源投入時や停電状態からの復旧時である場合には、通常では、バックアップフラグがON状態のはずである。ただし、何らかの理由で電源遮断までに所定の処理が完了しなかったような場合には、バックアップフラグはリセット(OFF)状態になる。したがって、バックアップフラグがOFF状態となる場合には(ステップS013:NO)、ステップS016のRAMクリア処理に移行させて遊技機の動作を初期状態に戻して、ステップS017以降の処理を実行する。
<21.主制御側タイマ割込処理:図7>
次に図7を参照して、主制御側のタイマ割込処理について説明する。図7は、主制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。この主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、図7の主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図7において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後、まず電源制御基板からの電源の供給状態を監視する電源異常チェック処理を行う(ステップS051)。この電源異常チェック処理では、主に、電源が正常に供給されているかを監視して、異常が発生した場合には、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電源遮断時にバックアップ処理等が行われるようになっている。
次いで、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を行う(ステップS052)。パチンコ遊技機1の遊技動作制御に用いるタイマのタイマ値はここで管理(更新)される。
次いで、入力管理処理を行う(ステップS053)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサ類からの検出情報(ON/OFF信号レベルや、立ち上がり状態)に基づき、入力データを作成し記憶する。ここでの各種センサ類による検出情報とは、たとえば、上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43aなどの入賞検出センサから出力される入賞検出信号のON/OFF情報(入賞検出情報)や、不正検出センサ99による不正検出信号などである。またここでは、入賞検出情報に係る入力データに基づき、いずれの入賞口において遊技球を検出(入賞が発生)したか否かを把握して、各入賞口に対応して設けられた入賞カウンタの値を更新する。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込内乱数管理処理を行う(ステップS054)。このタイマ割込内乱数管理処理では、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。
次いで、エラー管理処理を行う(ステップS055)。このエラー管理処理では、各種センサ類に係る入力データや払出制御基板29からの状態信号に基づき、上記したメインエラーが生じたか否かを監視する。エラーが生じた場合には、エラー処理として、上記エラーコマンドの送信が必要なエラー種別である場合には、当該コマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24がこのエラーコマンドを受けると、エラー種別に応じたエラー報知を実行する。また発生中のエラーが解消された場合は、エラー解除コマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24がこのエラー解除コマンドを受けると、実行中のエラー報知を終了させる。このエラー管理処理は、遊技機に関する異常(エラー)が生じたか否かを判定する異常判定手段(エラー判定手段)として機能し、またエラー報知を実行制御するエラー報知制御手段としても機能する。より詳しくは、主制御部20が監視対象とするメインエラーが生じたか否かを判定するメインエラー判定手段として機能し、メインエラーに係るエラー報知を実行制御するメインエラー報知制御手段として機能する。
次いで、賞球管理処理を行う(ステップS056)。この賞球管理処理では、上記入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板29に送信する。払出制御基板29は、払出制御コマンドを受信した場合、これに含まれる賞球数情報に基づき、遊技球払出装置19を制御して、指定された賞球数分の払い出し動作を実行させる。
次いで、普通図柄管理処理を行う(ステップS057)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。ここでは、普通図柄始動口センサ37aに遊技球が検出されたか否かを監視し、遊技球が検出された場合には補助当り抽選に必要な所定の遊技情報(補助当り判定用乱数など)を取得し(乱数取得処理)、その遊技情報を保留データ(普通図柄に関する作動保留球)として、最大保留球数を上限まで保留記憶する(保留記憶処理)。そして、普図に関する所定の変動表示開始条件が成立した場合、作動保留球に基づく補助当り抽選を行い、その補助当り抽選結果に基づく普通図柄の変動パターンの選択および普通図柄の停止表示態様(普通停止図柄)を決定する。またここでは、普通図柄を変動表示動作させるために、変動中であれば変動表示用のLED表示用データを作成し、変動中でなければ、停止表示用のLED表示用データを作成する。
次いで、普通電動役物管理処理を行う(ステップS058)。この普通電動役物管理処理では、普電開放遊技の実行に必要な処理を行う。具体的には、補助当り抽選の抽選結果が当りの場合に、普通電動役物ソレノイド41cに対するソレノイド制御用データの設定処理を行う。ここで設定されたソレノイド制御用データに基づき、後述のステップS064のソレノイド管理処理にて、普通電動役物ソレノイド41cに対して励磁信号が出力され、これにより、可動翼片47の開閉動作パターンが制御される。
次いで、特別図柄管理処理を行う(ステップS059)。この特別図柄管理処理では、主に、特別図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。ここでは、上動口センサ34aまたは下始動口センサ35aに遊技球が検出されたか否かを監視し、いずれかの始動口に遊技球が検出された場合には大当り抽選に必要な所定の遊技情報(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数)を取得し(乱数取得処理)、その取得した遊技情報を保留データ(特別図柄1に対応する特図1作動保留球または特別図柄2に対応する特図2作動保留球)として、最大保留球数を上限に、保留記憶(各特図別に保留記憶)する(保留記憶処理)。そして、特図に関する所定の変動表示開始条件が成立した場合、作動保留球に基づく大当り当り抽選を行い、その大当り抽選結果に基づく特別図柄の変動パターンの選択および特別図柄の停止表示態様(特別停止図柄)を決定する。またここでは、特別図柄を変動表示動作させるために、変動中であれば変動表示用のLED表示用データを作成し、変動中でなければ、停止表示用のLED表示用データを作成する。なお、当り遊技中は、特別図柄の変動表示は実行されないようになっている。
また特別図柄管理処理では、始動口に遊技球が入賞して作動保留球発生した場合、取得した大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数を用いて、大当り抽選に関する先読み判定に係る処理を行い、上記した入賞時コマンドと保留加算コマンドとを演出制御部24に送信する。
また特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームが終了して(特別図柄停止)、特図1および特図2の作動保留球がゼロになった場合に、デモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信する。ただし、作動保留球数がゼロの場合に条件なしにデモ表示コマンドを送信することはせず、作動保留球ゼロの状態となった場合に、デモ表示コマンドを1回送信するようになっており、既にデモ表示コマンドが送信済みである場合は、デモ表示コマンドを演出制御部24に送信することなく、この特別図柄管理処理を抜けるようになっている。これは、作動保留球数がゼロである間に4msの周期でデモ表示コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生してしまうことを防止するためである。演出制御部24は、上記デモ表示コマンドを受けてから所定時間経過しても、何ら図柄変動表示ゲームに係る演出制御コマンド(たとえば、入賞時コマンド、保留加算コマンド)を受けない場合、変動表示動作が一定時間行われない状態(客待ち待機状態)が発生したとみなして、液晶表示装置36において、遊技待機状態中を報知する「デモ画面表示(デモモード)」を行うこととしている。
なお本実施形態では、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される(優先変動手段)、つまり特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行されるようになっている。しかし本発明はこれに限らず、入賞した順番通りに作動保留球を消化していく構成としてもよい。
次いで、特別電動役物管理処理を実行する(ステップS060)。この特別電動役物管理処理では、当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。具体的には、大当り抽選結果が大当りまたは小当りであった場合、その当り種別に対応した当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)を実行制御する。
詳しくは、大入賞口ソレノイド52cに対するソレノイド制御用データの設定、ラウンド数のカウント(大当りの場合)、大入賞口50への最大入賞数および開放時間の監視などを行う。また当り遊技が終了した場合は、当選時の遊技状態と当り種別とに基づく遊技状態の移行設定を行う(図4参照)。
またここでは、当り遊技の進行状況に応じて、複数の演出制御コマンドを送信する。大当り開始時、ラウンド遊技開始時、ラウンド遊技終了時、最大ラウンド数消化時などにおいて、それぞれ、大当り開始コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド、大入賞口入賞コマンド、大当り終了コマンドを送信時期の到来したときに送信する。上記大当り開始コマンドには、今回の当り種別情報が含まれ、演出制御部24側において、当り遊技中に展開される一連の当り演出シナリオを決定する際に利用される。また、大当り終了コマンドには、今回の当り種別とその当り当選時の遊技状態とに関する情報、つまり、当り遊技終了後の遊技状態を特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、当り遊技後の演出モードを決定する際に利用される。したがって、この「大当り終了コマンド」は、当り遊技終了後の遊技状態を特定しうることから、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割を担う。
次いで、右打ち報知情報管理処理を行う(ステップS061)。この右打ち報知情報管理処理では、当り遊技中または「電サポ有り」を伴う遊技状態(時短状態、確変状態)下である場合、つまり「右打ち有利」な遊技状態である場合には、右打ち指示情報を報知する「右打ち報知演出(第1発射位置誘導演出)」を、他方、「電サポ無し」を伴う遊技状態下(通常状態、潜確状態)である場合、つまり「左打ち有利」な遊技状態である場合には、左打ち指示情報を報知する「左打ち報知演出(第2発射位置誘導演出)」を現出させるために必要な処理を行う。
次いで、LED管理処理を行う(ステップS062)。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39a、特別図柄表示装置38a、38bに対して、ダイナミック点灯データの出力制御を行う。普通図柄管理処理(ステップS057)や特別図柄管理処理(ステップS059)で作成されたLED表示用データに基づく制御信号は、ここで出力される。これにより、普通図柄や特別図柄の一連の変動表示動作(変動表示および停止表示)が実現される。
次いで、外部端子管理処理を行う(ステップS063)。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、パチンコ遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。
次いで、ソレノイド管理処理を行う(ステップS064)。このソレノイド管理処理では、普通電動役物管理処理(ステップS058)または特別電動役物管理処理(ステップS060)で設定されたソレノイド制御データに基づき、普通電動役物ソレノイド41cや大入賞口ソレノイド52cに対する励磁信号の出力制御を行う。これにより、可動翼片47や大入賞口50の開閉動作を実現する。
以上のステップS051〜ステップS064の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させて(レジスタ復帰処理)、割込み許可状態に設定する(ステップS065)。これにより、タイマ割込処理を終了して、割込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を行う。
<演出制御部側の処理:図8〜図13>
次に、図8〜図13を参照して、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。演出制御部24側の処理は、所定のメイン処理(演出制御側メイン処理:図8)と、演出制御コマンド受信時のコマンド受信処理(図9)と、定時割込みで起動されるタイマ割込処理(演出制御側タイマ割込処理:図10)とを中心に構成される。
<11.演出制御側メイン処理:図8>
図8は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部24(CPU241)は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図8に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理において、CPU241は、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS071)。たとえば、コマンド受信割込み設定、可動体役物の起点復帰処理、タイマ割込みの許可、CPU内部のレジスタ値の初期設定などを行う。
ステップS071の初期設定処理を終えると、正常動作時の処理として、所定時間ごとにステップS073〜S078のメインループ処理を行い、それ以外ではステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を繰り返し行う。
ステップS072の処理において、CPU241は、メインループ更新周期用カウンタ値を参照して、メインループ処理の実行契機となるメインループ更新周期が到来したか否かを判定する(ステップS072)。上記メインループ更新周期用カウンタは、後述の演出制御側タイマ割込処理中のメインループ更新処理(図10のステップS098)で更新されるカウンタである。本実施形態では、メインループ更新周期用カウンタを監視し、16ms程度ごとにメインループ処理を行うようになっている。このメインループ更新周期が到来するまでは(ステップS072:NO)、種々の演出抽選に利用される演出抽選用乱数の更新を行う(ステップS079:各種演出用ソフト乱数更新処理)。
上記メインループ更新周期が到来した場合(ステップS072:YES)、CPU241は、受信コマンド解析処理を行う(ステップS073)。この受信コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出制御処理を行う。この演出制御コマンドの中には、既に説明した、入賞時コマンド、保留加算コマンド、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、大当り開始コマンドなどの当り遊技中のコマンド、各エラーに対応したエラーコマンド・エラー解除コマンド、デモ表示コマンドなどが含まれる。
たとえば、少なくとも変動パターン指定コマンドが受信され、それが受信バッファに格納されている場合(本実施形態では、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンドとが受信され、それらが受信バッファに格納されている場合)、コマンド解析処理において、そのコマンドに含まれる情報(変動パターン情報と当選情報(または当選種別情報))に基づいて、1または複数種類の演出パターンを決定する。ここで決定される演出パターンは、演出シナリオを構成する要素としての「パーツ演出」として働く。そして、決定された演出パターンをどのようなタイミングで、どれだけの演出時間幅をもって現出させるかについてのタイムスケジュールを決定して演出シナリオを作成する。この演出シナリオに組み込まれた種々の演出パターン(パーツ演出)が、次々に、あるいは複数同時展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。またたとえば、デモ表示コマンドを受信している場合は、客待ち用のデモ画面を液晶表示装置36に表示させるための演出シナリオを作成する。そして、上記演出シナリオデータを、RAM243のシナリオ設定領域に格納する。
ステップS073の受信コマンド解析処理を終えると、シナリオ更新処理を行う(ステップS074)。このシナリオ更新処理では、演出パターンの実行に必要なシナリオタイマの内容を更新する更新処理や、演出シナリオの更新処理などが含まれる。シナリオタイマとは、演出の発生タイミングに関するタイムスケジュールを管理するタイマであり、演出実行期間を管理するためのタイマが複数用意されている。たとえば、装飾図柄変動表示ゲームの実行期間内(特別図柄の変動期間内と実質的同一期間内である装飾図柄の変動表示期間内)において、演出シナリオに従う演出パターンを、どのようなタイミングで、どのような演出手段に現出させるかについての時間的なスケジュールがこのタイマにより管理される。CPU241は、この演出シナリオタイマを監視し、現出すべき演出の発生時期が到来すると、その演出に係るスピーカ46用の音データや画像表示制御用の液晶コマンドなどの必要なデータを作成し、それぞれをRAM243の指定領域に格納する。なお、光表示装置用の制御データ(LEDデータ)は後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)で、可動体役物用の制御データ(役物駆動データ)は後述の演出役物制御データ更新処理(ステップ077)で作成される。
また、演出シナリオが演出ボタン13などの操作手段を利用する遊技者参加型演出を含む場合は、ボタン予告演出(ボタン操作指示演出)の現出タイミングの到来に基づき、ボタン有効期間を操作管理用タイマに設定する(有効期間設定手段)。これにより、ボタン有効期間が設定され、ボタンLED75による操作有効報知が実行される。この操作有効報知用のボタンLED75のLEDデータは、後述のLEDデータ更新処理(ステップS075)にて作成される。またボタン有効期間中の演出ボタン13の操作状況に応じて、適宜、ボタン予告演出に対応した演出シナリオを変更し、結果演出(操作後演出)などを現出させるための演出シナリオデータを作成し更新処理する。
またデモ表示コマンドを受信している場合は、デモ画面表示開始までの待ち時間(デモ開始待ち時間)を管理する待機用タイマに設定し、そのタイマ値がゼロになるまで、遊技中であることを示す演出制御コマンド(たとえば、入賞時コマンドや保留加算コマンドなど)を受信しなければ、客待ち用のデモ画面を表示させるための液晶コマンドを作成し設定する。そして節電モード移行までの時間(たとえば、120秒)を待機用タイマに設定し、タイマ値がゼロになったならば、節電モード用の節電画面を表示させるための液晶コマンドを作成し設定する。なおデモ画面中や節電モード中に移行した場合、前述したボタン予告演出(ボタン操作指示演出)と同様に、ボタン有効期間が設定され、ボタンLED75による操作有効報知が実行される。そしてボタン有効期間に演出ボタン13が操作されると、メニュー画面(遊技設定演出)を表示し、メニュー画面の設定項目を遊技者が自由に選択することができるようになっている。
次いで、LEDデータ更新処理を行う(ステップS075)。このLEDデータ更新処理では、演出シナリオデータと演出シナリオタイマとに基づき、装飾ランプ13や各種演出用LEDなどの光表示装置用のLEDデータを作成し、RAM243の指定領域に設定する。ここで作成されたLEDデータは、後述の演出制御側タイマ割込処理中の演出LED管理処理(図16のステップS097)において、当該LEDデータに基づく制御信号が光表示制御部46aを通じて装飾ランプ部45や各種演出用LEDに対して出力される。これにより、演出シナリオに沿った光演出が実現される。
次いで、サウンド出力処理を行う(ステップS076)。このサウンド出力処理では、上記シナリオ更新処理(ステップS074)で作成された音データを取得し、再生する音データが有る場合には、音響制御部(音源LSI)を通じてスピーカ46を含む音響発生装置46aから、音データに応じたBGMや効果音を出力させる。これにより、演出シナリオに沿った音演出が実現される。
次いで、演出役物制御データ更新処理を行う(ステップS077)。この演出役物制御データ更新処理では、上記演出シナリオデータに基づく可動体役物モータの制御データを作成し、RAM243の指定領域に設定する。ここで作成された制御データは、後述の演出制御側タイマ割込処理中の演出役物動作管理(図10中のステップS093)において、当該データに基づく制御信号が役物モータに対して出力される。これにより、演出シナリオに沿った可動体演出が実現される。
次いで、エラー報知に関するエラー報知管理処理を行う(ステップS078)。このエラー報知管理処理では、エラーコマンドに基づくメインエラーやサブエラーの発生を監視し、エラーが発生した場合には、エラー報知に関する演出処理を行う。またここでは、実行中のエラー報知演出の終了条件である規定時間(たとえば、30秒)が経過した場合、そのエラー報知演出を終了させる処理が行われる。ただし、このエラー報知管理処理でエラー報知演出が終了されるエラーは一部の種類のエラーであって、他の種類のエラーについては、パチンコ遊技機1の電源がOFFにされるまでエラー報知演出が継続されたり、メインエラーに対応したエラー解除コマンドの受信時に終了されたりするものがある。このエラー報知管理処理(ステップS078)の詳細は図13にて後述する。またここでは、音源LSIなどの周辺LSIの誤作動を監視するノイズ対策管理処理も行う。誤作動によりプログラムが暴走状態となった場合は、ウォッチドッグタイマがタイムアップし、CPUが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。このエラー報知管理処理が終了すると、一連のメインループ処理が終了され、次のメインループ更新周期が到来するまで、ステップS079の演出用ソフト乱数更新処理を行う。
(12.コマンド受信割込処理:図9)
次に図9を参照して、コマンド受信割込処理について説明する。図9は、演出制御側のコマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割り込み処理は、主制御部20から演出制御コマンドを受信した場合、後述する演出制御側タイマ割込処理(図10)よりも優先的に実行される。
まず演出制御部24(CPU241)は、図8に示すメイン処理実行中に主制御部20側からのストローブ信号に基づく割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させて(ステップS081)、受信した演出制御コマンドをRAM243のコマンド受信バッファに格納し(ステップS082)、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS083)。これにより、コマンド受信割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御部側メイン処理に戻り、次の上記ストローブ信号に基づく割込みが発生するまで演出制御側メイン処理を行う。このように、主制御部20から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、このコマンド受信割込処理が実行されて、演出制御コマンドを受信した時点で、そのコマンドがコマンド受信バッファに格納される。
(13.演出制御側タイマ割込処理:図10)
次に図10を参照して、演出制御側のタイマ割込処理について説明する。図10は、演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
図10において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(ステップS091)、演出制御CPU241内に設けられている入出力ポートのレジスタをリフレッシュする(ステップS92)。
次いで、SOL・MOT出力処理を行う(ステップS093)。このSOL・MOT出力処理では、図8の演出役物制御データ更新処理(ステップS077)で作成された可動体役物用の制御データを駆動制御部に送信し、駆動制御部は、制御データに基づく制御信号を、動作対象とする可動体役物の可動体役物モータや役物ソレノイドに出力する。これにより、演出シナリオに沿った可動体役物(時計型役物80、花型役物90、回転灯62、可動体73)による可動体演出が実現される。
次いで、ボタン入力状態管理処理を行う(ステップS094)。このボタン入力状態管理処理では、演出ボタン13からの操作検出信号の入力の有無を監視し、操作検出信号を受信したことを確認した場合、その検出情報をRAM243の所定領域に格納する。この操作検出情報は、図8のシナリオ更新処理(ステップS074)にて、上記ボタン予告演出による結果演出の決定やメニュー画面を表示する際に利用される。
次いで、液晶コマンド送信処理を行う(ステップS095)。この液晶コマンド送信処理では、図8のシナリオ更新処理(ステップS074)で作成された液晶コマンドが有る場合には、表示制御部(液晶制御CPU)に液晶コマンドを送信して、液晶表示装置36に対する画像表示制御を実行させる。これにより、演出シナリオに沿った画像表示演出が実現される。
次いで、演出役物動作管理を行う(ステップS096)。この演出役物動作管理では、位置検出センサ82a、91a、92aの検出信号に基づき、可動体役物の動作を監視する。
次いで、演出LEDデータ管理処理を行う(ステップS097)。この演出LED管理では、LEDデータ更新処理(ステップS075)で作成されたLEDデータを、光表示制御部に送信し、光表示制御部はLEDデータに基づく制御信号を装飾ランプ部45(周囲LED45)やボタンLED75を含む各種LEDを含む光表示装置45aに出力する。これにより、遊技機に設けられた各種LEDが所定の報知態様で点灯・点滅して、演出シナリオに沿った光演出(ボタンLED75の操作有効報知・操作無効報知を含む)が実現される。
次いで、メインループ更新周期を管理するメインループ更新処理を行う(ステップS098)。このメインループ更新処理では、メインループ更新周期用カウンタを割込みごとに更新する(メインループ更新周期用カウンタ+1)。メインループ更新周期用カウンタは、たとえばインクリメント処理によって16の倍数の範囲(たとえば、0〜31)を循環するカウンタである。
以上のステップS091〜ステップS098の処理を終えた後、退避していたレジスタの内容を復帰させる(ステップS099)。これにより、このタイマ割込処理を終了して、割込み前の上記演出制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで、図8に示す演出制御側メイン処理を行う。
<受信コマンド解析処理の内容:図11、図12>
図11〜図12は、受信コマンド解析処理(図20のステップS073)で実行される処理のうち、本発明と関連性の深い、エラーコマンドを受信した場合と(図11)、エラー解除コマンドを受信した場合(図12)についてそれぞれ説明する。ここでは、ボタンLED75を含むエラー報知に関する演出制御(エラー報知制御)が実行される。
<エラーコマンドの受信処理:図11>
図11は、エラーコマンドを受信した場合に実行される「エラーコマンド受信処理」を示すフローチャートである。このエラーコマンドは、図7の主制御側タイマ割込処理のエラー管理処理(ステップS055)において、主制御部20が送信する演出制御コマンドの一つである。
図11において、演出制御部24(CPU241)は、エラーコマンドを受信した場合、まずエラー種別確認処理を実行する(ステップS701)。このエラー種別確認処理では、まず受信したエラーコマンドを解析し、そのコマンドに含まれるエラー種別情報(メインエラー情報)を取得し、取得したエラー種別に対応したエラーフラグを設定する。
本実施形態では、RAM243に、エラー種別とエラー報知優先順位とに関連付けられた複数のエラーフラグ設定領域が設けられており、エラーフラグ設定領域におけるフラグの設定状態に基づいて、現在発生中のエラーの種類とエラー報知優先順位とを識別(特定)可能な構成となっている。詳しくは、エラーフラグ設定領域には、図14に示すエラー全17種類に対応したフラグ設定領域1〜17番を設けられており、エラーが発生した場合には、そのエラーに対応したエラーフラグ設定領域のフラグ値をON状態(5AH)に設定し、エラーが解除された場合にはOFF状態(00H)に設定し、これら、1〜17番のフラグのON/OFFの状態を確認することにより、現在発生中のエラーすべてを特定可能となっている。なお、本処理では、エラーコマンドに基づくメインエラーに係るエラーフラグが設定され、サブエラーに係るエラーフラグについては、後述の図13のエラー報知管理処理中のステップS722の処理で設定される。
たとえば、可補給切れエラーが単独発生したケースを例にとり説明すれば、補給切れエラーの発生に伴い、補給切れエラーに対応するフラグ(エラー報知優先順位15番のフラグ設定領域のフラグ)がON状態に設定される。このケースでは、補給切れエラーに対応するフラグだけがON状態となっており、他のエラーのフラグがOFF状態となっているので、CPU241は、エラー報知優先順位15番の補給切れエラーが単独発生中である、ということを識別することができる。また、この可補給切れエラーの単独発生中に扉開放エラーが新たに発生したケースを例にとれば、先行して発生中の可補給切れエラーに対応するフラグがON状態であり、この状態で、新たに発生した扉開放エラーに対応するフラグ(エラー報知優先順位7番のフラグ設定領域のフラグ)のフラグがON状態に設定されることになる。これにより、現在、エラー報知優先順位15番の補給切れエラーと、エラー報知優先順位7番の扉開放エラーとが重複発生中である、ということを識別することができる。上記したエラーフラグは、エラー種別に対応して定められたエラー解除条件の成立に基づき、そのエラーに対応したエラーフラグのみがクリアされる(後述の図12のステップS713、S718参照)。したがって、エラー解除条件が成立していないエラーついては、エラー報知が継続して実行されることになる(図13参照)。
本実施形態の演出制御部24は、上記のようなエラーフラグを管理し、現在発生中のエラー(メインエラーおよびサブエラー)の種類(エラー種別)とそのエラー報知優先順位を識別する機能部(エラー管理手段)を備え、現在発生中のエラーが如何なるエラーであるのかを監視し把握している。エラー管理手段は、エラーの種類とそのエラー報知優先順位を判定可能な手段であれば、その構成に特に制限はない。
なお、エラー種別を上記のようなエラーフラグで管理するのではなく、次のような判定データ(以下、「エラー判定データ」と称する)を利用して、現在発生中のエラーの種類とエラー報知優先順位とを特定可能な構成にしてもよい。エラー判定データとして、エラーの種類とエラー報知優先順位とを特定(識別)するためのデータ、たとえば、図14に示す全エラー17種類に対し、エラー報知優先順位が高い順に「01H」〜「17H」のデータ値を割り当てる。具体的には、RAMクリアエラーに対応するエラー判定データを「01H」、大入賞口不正入賞エラーに対応するエラー判定データを「02H」、・・・、球詰りエラーに対応するエラー判定データを「17H」とする。このような判定データを利用して、エラー種別とそのエラー報知優先順位とを識別可能に構成してもよい。なお、エラー種別とエラー報知優先順位とを特定可能なデータであれば、その構成は特に制限されない。
再び図11の説明に戻り、次いで、複数種類のエラーが重複発生中であるか否かを判断する(ステップS702)。エラーが重複発生中ではない場合(ステップS702:NO)、つまり、今回発生したエラー(メインエラー)が単独発生である場合、エラー報知演出シナリオ作成処理を実行する(ステップS703)。このエラー報知演出シナリオ作成処理では、ステップS701の処理で取得したメインエラー種別に対応するエラー報知の演出シナリオを作成し設定する。なお、エラー用画像表示演出(重複発生時用のエラー報知演出(後述のステップS707の処理参照)も含む)は、通常の表示位置(たとえば、画面の上段)で表示すると、警告文が隠されるケースがある場合等は、警告文を表示する位置を通常の表示位置ではなく、隠されない特定の表示位置(たとえば、画面の中段や下段)に警告文を表示するという画像表示演出用の演出シナリオを作成する。
一方、エラー重複発生中(他のエラー報知演出が実行中)である場合(ステップS702:YES)、重複発生用のエラー報知演出(重複時のエラー用音演出、エラー用光演出、エラー用画像表示演出)の演出シナリオを作成・設定するための処理を行う(ステップS705〜ステップS707)。以下のステップS705〜ステップS707の処理の説明では、説明の便宜のために、重複発生中のエラーの例として、補給切れエラーが先行して発生しており、その補給切れエラー中に、扉開放エラーが発生した場合(今回受信したエラーコマンドが扉開放エラーを指定するコマンドであったケース)について説明する。
ステップS705のエラー報知優先順位判定処理では、エラーフラグに基づき、現在ON状態の各エラーフラグを比較判定し、エラー報知優先順位が相対的に高いエラーを抽出する。本例では、エラー報知優先順位15番の補給切れエラーと、エラー報知優先順位7番の扉開放エラーのうち、いずれのエラーのエラー報知優先順位が高いのかが判定される。ここでは、7番の扉開放エラーが、現在発生中のエラーの中で一番報知順位が高いエラーと判定されることになる。この判定結果は、RAM243のエラー報知優先順位判定領域に設定される。なお、判定対象のエラーがM種類(2≦M)存在する場合、全エラーM種類のうち順位が一番高いエラーが判定される。
次いで、エラー重複用音光演出シナリオ作成処理を実行する(ステップS706)。ここでは、ステップS705の処理で、エラー報知優先順位が一番高いと判定されたエラーに対応した、光演出と音演出に係るエラー報知用の演出シナリオを作成し設定する。本例では、扉開放エラーに対応したエラー報知用の光演出と音演出に係る演出シナリオ(図14に示す白色全点滅と扉開放警告音とに関するエラー報知用演出シナリオ)を設定する。
次いで、エラー重複用画像表示演出シナリオ作成処理を実行する(ステップS707)。ここでは、現在発生中のすべてのエラー情報を報知するための画像表示演出、たとえば、すべてのエラーの警告文を画面上に表示するための演出シナリオを作成し設定する。本例では、補給切れエラーと扉開放エラーとが重複発生状態であるので、これらエラーの警告文(補給切れエラーと扉開放エラーとを対象とした警告文)を表示させるための演出シナリオを作成し設定する。上記ステップS706とS707の処理により、光演出と音演出についてはエラー報知優先順位が相対的に高い側のエラー報知が、画像表示演出については、すべてのエラーを対象としたエラー報知が実現される。今回の例では、補給切れエラーと扉開放エラーとが重複発生している場合を例にして説明したが、3種類以上のエラーが重複発生している場合についても上記と同様の処理を適用することができる。
<エラー解除コマンドの受信処理:図12>
次に図12を参照して、エラー解除コマンドを受信した場合の受信コマンド解析処理について詳細に説明する。図12は、エラー解除コマンドを受信した場合に実行される「エラー解除コマンド受信処理」を示すフローチャートである。このエラー解除コマンドは、図7の主制御側タイマ割込処理のエラー管理処理(ステップS055)において、主制御部20が送信する演出制御コマンドの一つである。なお、上記エラーコマンド受信処理中に実行される処理と実質的に同じ処理(ステップS715〜ステップS717)の内容については重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
図12において、演出制御部24(CPU241)は、エラー解除コマンドを受信した場合、まずエラー重複発生中(エラー報知演出が実行中)であるか否かを判定する(ステップS711)。
エラー重複発生中でない場合(ステップS711:NO)、単独発生中のエラー報知演出を終了させるために必要な処理を実行し(ステップS717)、解除対象のエラーフラグをクリアして(ステップS718)、エラー解除コマンド受信処理を抜ける。これにより、エラー解除対象となったエラー報知が終了される。
一方、エラー重複発生中である場合(ステップS711:YES)、解除対象のエラーが発生したことによる新たな演出シナリオの作成・設定するための処理を行う(ステップS712〜ステップS716)。以下、説明の便宜のために、補給切れエラーと扉開放エラーと球詰りエラーの3種類のエラーが重複発生している場合において、最初に扉開放エラーが解除されたケースを例にとり説明する。
ステップS712の処理では、解除対象のエラー種別を確認する(解除対象エラー種別確認処理)。具体的には、受信したエラー解除コマンドを解析し、そのコマンドに含まれる情報を取得して、解除対象のメインエラー情報を取得する。本例では、解除対象のメインエラー情報として、扉開放エラーが取得される。
次いで、解除対象となったエラーフラグをクリア(OFF状態)する(ステップS713)。これにより、扉開放エラーが解消されたことになり、残余エラーは、補給切れエラーと球詰りエラーだけとなる。
次いで、エラー報知優先順位判定処理を実行する(ステップS714)。このエラー報知優先順位判定処理では、エラーフラグを確認し、エラー報知優先順位が一番高いエラー種別を判定する。本例では、残余エラーである補給切れエラーと球詰りエラーのうち、どちらのエラーのエラー報知優先順位が高いのかが判定される。ここでは、5番の補給切れエラーが、現在発生中のエラーの中で一番報知順位が高いエラーと判定される。
次いで、エラー解除時用音光演出シナリオ作成処理を実行する(ステップS715)。ここでは、エラー報知優先順位が一番高いと判定されたエラーに対応した、光演出と音演出に係るエラー報知用の演出シナリオを作成し設定する。本例では、報知優先順位が高い、補給切れエラーに対応したエラー報知用の光演出と音演出に係る演出シナリオを作成し設定する。これにより、音演出と光演出とについて、扉開放エラー報知(赤色全点滅、扉開放警告音、扉開放エラー警告表示)が終了し、補給切れエラー報知(白色全点滅、補給切れエラー警告表示)が新たに実行されることになる。
次いで、エラー解除時用画像表示演出シナリオ作成処理を実行する(ステップS716)。ここでは、先に説明した図11中のステップS707の処理と同じように、発生中のすべてのエラーを特定可能な情報を報知するための画像表示演出を作成し設定する。本例では、扉開放エラーが解除され、補給切れエラーと扉開放エラーとが重複発生状態であるので、補給切れエラーと扉開放エラーとを対象とした警告文を表示するための演出シナリオが作成し設定される。これにより、未解除のエラーに関し、光演出と音演出についてはエラー報知優先順位が相対的に高い側のエラー報知が、画像表示演出については、すべてのエラーを対象としたエラー報知が実現される。
<エラー報知管理処理:図13>
次に、図8中のエラー報知管理処理(ステップS078)について説明する。図13は、ステップS078のエラー報知管理処理の詳細を示すフローチャートである。このエラー報知管理処理では、主にサブエラーに関する処理が行われる。なお、図11のエラーコマンド受信処理、図12のエラー解除コマンド受信処理で説明した処理と実質的に同じ処理内容については、重複記載を避けるために適宜省略して説明する。
図13において、演出制御部24は、まずサブエラーが発生したか否かを判断する(ステップS721)。
一方、サブエラーが発生したと判断された場合(ステップS721:YES)、発生したサブエラーに対応するエラーフラグをON状態に設定する(ステップS722)。たとえば、花型役物90に原点位置まで戻らない異常が発生し、演出制御部24により可動体役物エラーが発生したと判断された場合には、可動体役物エラー(エラー報知優先順位17)に対応付けられているエラーフラグ設定領域のフラグ値がON状態(5AH)に設定される。
次いで、エラーが重複発生中であるか否かを判断する(ステップS723)。エラーが重複発生中ではない場合(ステップS723:NO)、ステップS722の処理でON設定されたエラーフラグに対応するエラー報知用の演出シナリオを作成し設定する(ステップS724)。この処理の内容は、図11中のステップS703の処理と同じ処理内容である。ステップS724の処理を終えると、後述のステップS728の判定処理に進む。
一方、エラー重複発生中である場合(ステップS723:YES)、エラー重複発生時の演出シナリオを作成し設定する(ステップS725〜S727)。このステップS725〜S727の処理は、図11中のステップS705〜S707の処理と実質的に同じ処理内容である。この処理により、エラー重複発生時には、主制御部20で判断されたメインエラー間だけでなく、演出制御部24で判断されたサブエラーに対しても優先順位が適用され、判断主体によるエラーの区別をなくして、たとえば図14に示すエラー報知優先順位に則ったエラー報知が実現される。
ここで、エラー発生中において、ボタンLED75をエラー報知自体そのものに利用しない場合は、ボタンLED75の報知態様がエラー報知に妨げられることなく、ボタン有効期間またはボタン無効期間に応じた報知態様で発光制御される。
また、ボタンLED75の報知態様をエラー報知と連動させない場合には、他のLEDによるエラー報知の報知態様、たとえば同色による点滅・点灯や、異色による点滅・点灯を連動して行うことがないように、ボタンLED75の報知態様が発光制御される。たとえば、エラー報知中は、ボタン有効期間であるかボタン無効期間であるかかかわらず、操作無効報知と同様の報知態様で制御する。なお、操作無効報知が所定色による点灯報知(たとえば、白色点灯)であれば、少なくともボタン無効期間中においては、ボタンLED75を消灯させる制御を行ってもよい。
また、ボタンLED75の報知態様をエラー報知と一部の期間で連動させる準連動型の報知形態としてもよい。たとえば、エラーがボタン無効期間〜ボタン操作有効期間にわたって発生した場合、ボタン無効期間中はボタンLED75を利用してエラー報知(周囲LED45と同様のエラー報知態様)を実行し、ボタン有効期間中は操作有効報知を実行することができる。この準連動型では、遊技者に対して、ボタン操作を行う必要がない期間ではエラー中である旨を明確に報知することができる一方、ボタン操作を行うことが必要な期間では、ボタン操作が有効である旨を明確に報知することができる。
次いで、ステップS728の処理に進み、現在発生中のサブエラーについて、エラー解除条件が成立したか否かを判定する(ステップS728)。解除条件が成立していない場合(ステップS728:NO)、何もせずにエラー報知管理処理を抜ける。一方、解除条件が成立した場合(ステップS728:YES)、解除対象となったサブエラーのエラー報知を終了させるために、解除対象のエラーフラグをクリアするなどの必要な設定処理を行い(ステップS729)、エラー報知管理処理を抜ける。
[第2の実施形態(回胴式遊技機の形態):図24〜図25]
上記第1の実施形態では、パチンコ遊技機(弾球遊技機)について説明したが、本発明は、回胴式遊技機に適用することもできる。図24〜図25を参照して、他の実施形態として、回胴式遊技機に適用した例について説明する。図24は、一般的な回胴式遊技機の外観を示す斜視図であり、図25は、その回胴式遊技機の制御装置の概略を示すブロック図である。なお、図24〜図25において、第1の実施形態で説明した構成要素と実質的に同一の機能を有する構成要素には同一符号を記し、その詳細については重複記載を避けるために、適宜省略して説明する。
図示の回胴式遊技機は、前面側が開放された矩形状の筐体1Aと、その筐体1Aの前面側を開閉自在に覆う矩形状の前扉2Aとを備えている。図24に示すように、前扉2Aには、そのほぼ中央に第1の表示窓を、またその上側に、液晶表示装置36を視認する第2の表示窓(液晶画面視認部)を設けてある。
第1の表示窓は回胴視認部101であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部101に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。
この回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図示せず)を有しており、各回胴5a、5b、5cの停止時の上記図柄の組み合せによって遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。この図柄配列帯には、当選役(役に関する内部抽選(役抽選)により決定される役)に対応する図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)が表示されている。図柄には、たとえば「7」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」、「BAR」、「アイテム」等の種々の図柄が採用される。
回胴視認部101には、ここを横および斜めに横断する形で、計5本の入賞ライン101aが定められている。これらの入賞ライン101aは、単位遊技(1ゲーム)に対する遊技メダルの投入枚数に応じて有効として扱われる入賞ライン数が変化する。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上に、当選役に対応する図柄の組合せが停止した場合(図柄の組合せについて遊技価値を獲得するために必要な組合せとしてあらかじめ定められたものが遊技結果として導出表示された場合)、その図柄の組合せに応じた遊技価値(ボーナス遊技や遊技メダルや再遊技等)が遊技者に付与されるようになっている。当選役には、ボーナス遊技(大当り遊技(特別遊技状態)に相当する遊技)への移行契機となるボーナス役(7図柄揃い)や、所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う複数種類の小役(ベル図柄揃い、スイカ図柄揃い、左回胴にチェリー図柄停止)、再遊技を付与するリプレイ役(リプレイ図柄揃い)など、性能の異なる多くの当選役が用意されている。
回胴視認部101の左右両側には、装飾ランプ部45(周囲LED45)が設けられている。また、前扉2の前扉上部両側および前扉下部両側には、スピーカ46が設けられている。また図示していないが、遊技機の適所に1または複数種類の可動体役物が設けられている。
また回胴視認部101の上側に設けられた第2の表示窓は液晶画面視認部であり、前扉2Aの裏側に装着された液晶表示装置36の表示画面(液晶画面)が液晶画面視認部に臨ませて、遊技者側から視認可能に配設されている。この液晶表示装置36には、遊技に関する種々の演出が表示される。
回胴視認部101の下方の段部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口95、クレジット手段にクレジットされた範囲内(最大クレジット枚数:たとえば、50枚)において、1ゲームに対して許容される賭数の上限値(最大ベット数:たとえば、3枚)まで遊技メダルを一度に疑似投入しうるMAXベットボタンBT4、押した回数に応じて上記賭数の上限値まで遊技メダルを加算的に疑似投入しうる1ベットボタンBT5、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタンBT6、上記第1の実施形態に係る演出ボタン13等と同様の機能を発揮する演出ボタン70A(操作手段)などが設けられている。なお、上記クレジット手段とは、遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを所定の上限数(最大クレジット枚数:たとえば、50枚)まで貯留して、その貯留数(クレジット枚数)を電磁的方法によって記憶可能とする機能部(貯留装置)を意味する。
また、MAXベットボタンBT4の内部には、ボタン操作(賭数設定操作)が許容状態であるか否かを報知しうるMAXベットLED79a(図25参照)が内蔵されている。本実施形態では、MAXベットボタンBT4が賭数設定許容状態であれば、LED79aが所定色(たとえば、水色や白色)で点灯あるいは点滅し(操作有効報知)、賭数設定禁止状態であれば、LED79aが消灯するようになっている(操作無効報知)。また、演出ボタン70Aは、上記した第1の実施形態に係る演出ボタン13等と同様に、操作手段として機能する。演出ボタン70Aは、その内部または近傍に、ボタンLED75(図25参照)が形成されている(この実施形態の場合、ボタンLED75が内蔵されている)。ボタンLED75も、上記した第1の実施形態に係るボタンLED75と同様の機能を発揮するものであり、遊技者参加型演出やデモ画面中等において、操作有効報知や操作無効報知を実行可能に構成されている。なお、MAXベットボタンBT4は、遊技進行に係る操作手段(賭数設定操作に係る操作手段)という関係上、図25に示す通り、その操作検出信号が主制御部20に入力されるようになっており、MAXベットボタンBT4の操作有効・無効を報知するMAXベットLED79aも主制御部20側で制御されるようになっている。一方、ボタンLED75は、演出ボタン13が演出手段という関係上、第1の実施形態と同様に、演出制御部24がその報知態様を制御するようになっている。
また回胴視認部101の上記段部の下側には、横長状に形成された操作パネル部14が設けられている。この操作パネル部96には、メダル投入口95内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン(図示せず)、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための始動レバーSTL、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の停止ボタンBT1〜BT3(左回胴停止ボタンBT1、中回胴停止ボタンBT2、右回胴停止ボタンBT3)が設けられている。本明細書中では、特に必要のない限り、停止ボタンBT1〜BT3を「停止ボタン」と略称する。
上記したMAXベットボタンBT4、1ベットボタンBT5、貯留メダル精算ボタンBT6、始動レバーSTL、停止ボタンBT1〜BT3のそれぞれには、これらが操作された際に、操作検出情報を生成するスイッチ(SW1〜SW7:図25参照)が形成されている。
操作パネル部14の下方には、前扉2Aと一体的に装着された横長状のメダル受け皿97が設けられ、このメダル受け皿97には、遊技機内部の遊技メダル払出装置500(図25参照)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口98が開口している。
主制御部20は、所定の遊技開始条件の下、始動レバーSTLの操作を検出したことを契機に役抽選(内部抽選)を実行し、回胴の回転制御を実行する。詳しくは、主制御部20は、メダル投入信号(メダル検出センサ95a、MAXベットスイッチSW5、または1ベットスイッチSW6からの検出信号)に基づき、遊技開始可能となる規定枚数(たとえば、3枚)の遊技メダルが投入されたか否かを監視し、当該規定枚数の投入を確認すると、遊技開始可能状態に設定する。この遊技開始可能状態下で、始動レバーSTLが操作された場合(始動スイッチSW1からの操作信号の入力を確認した場合)、主制御部20は、複数種類の役を対象に内部抽選を実行し、当選役を決定して(いずれの役にも当選しなかった場合には、ハズレとなる)、その抽選結果情報を含む演出制御コマンド(遊技開始情報コマンド)を演出制御部24に送信するとともに、各回胴5a〜5cを略一定速度で回転させる。
各回胴が略一定速度で回転されると、主制御部20は、停止ボタンの操作を許容する停止操作許容状態に設定する。この停止操作許容状態下で、停止ボタンBT1〜BT3が操作された場合(停止スイッチSW2〜SW4からの操作信号の入力を確認した場合)、いわゆる「引き込み制御」の下、当選役に対応した図柄を有効入賞ライン上に停止させる回胴の停止制御を行い、各回胴の停止時における図柄の組合せにより遊技結果を導出する。これにより、回胴の回転および停止動作を実現している。
演出制御部24は、上記遊技開始情報コマンドを受けると、内部抽選結果情報(当選役情報)に応じた演出シナリオを決定する。ここでは、当選役としてボーナス役が当選し、演出内容として、図17に示す遊技者参加型演出が現出されるケースを代表例にとり説明する。
本実施形態の回胴式遊技機においても第1の実施形態のパチンコ遊技機と同様に、遊技者参加型演出の演出シナリオに従い、ボタン操作指示前(ボタン無効期間中)、ボタン操作指示中(ボタン有効期間中)、ボタン操作後(結果演出(操作後演出)発生時)という3段階の演出期間が経過し、その各段階で、装飾ランプ(周囲LED)45、ボタンLED75等の演出態様が変化して行く。ただし本実施形態は回胴式遊技機であるので、3段階の演出期間が、パチンコ遊技機のように図柄の変動時間の経過とともに進行していくのではなく、たとえば、始動レバーSTLが操作されてから第1停止操作されるまでの期間がボタン無効期間中(図17(a)(b)参照)、第1停止操作後から第3停止操作されるまでの期間がボタン有効期間中(図17(c)参照)という具合に、遊技者の停止操作に応じて演出期間が進行するようになっている。各期間の演出内容については。図17に示す通りであり、ボタン有効期間中(ボタン操作指示中)に、演出ボタン70Aが操作された場合は、第1の実施形態と同じく、ボタン操作後演出として、結果演出(操作後演出)144が発生し、周囲LED45は消灯から虹色点灯に、ボタンLED75は黄色から虹色点灯に切り替わりボーナス役の当選を報知する(図17(d)参照)。
回胴式遊技機の場合には、遊技機内部の遊技メダルが不足するホッパーエラーや、遊技機内部の遊技メダルが満杯状態のオーバーフローエラー等、上記パチンコ遊技機1と同じく、遊技動作に関する種々のエラーを検出可能に構成されているが、エラー発生時には、パチンコ遊技機1と同様に、そのエラーに応じたエラー報知が実行される。この場合、装飾ランプ45(周囲LED45)等によるエラー報知態様と、演出ボタンLED75の報知態様(有効操作報知態様および無効操作報知態様)との関係については、第1の実施形態と同様の構成とすることができる。これについては、図16、図18〜図23で説明した報知制御形態と実質的に同じ形態であるので、その詳細な説明は、重複記載を避けるために省略する。
ところで、MAXベットボタンBT4の操作有効/操作無効報知(MAXベットLED79aによる有効・無効操作報知)については、主制御部20側にて、その報知態様が制御されるが、エラー発生時には、遊技者が無闇にMAXベットボタンBT4を操作することがないように(特定のエラーの場合には、MAXベットボタンBT4の操作が無効とされるので、遊技者が操作有効中であると混同しないように)、当該エラー報知態様とは異なる報知態様にて、MAXベットLED79aが報知制御されるようになっている。換言すれば、MAXベットLED79aは、エラー報知を実行しない(エラー報知手段として利用しない(エラー報知と連動しない))ようになっている。本実施形態の場合、エラー発生時には、MAXベットLED79aが操作無効報知と同様の報知態様(ここでは、消灯)させるようになっている。なお上記第1の実施形態と同様に、特定のエラーの場合(RAMクリアエラー等の深刻度の高いエラーの場合)には、周囲LED45と同様のエラー報知を実行させることが好ましい。すなわち、特定のエラーの場合には、MAXベットLED79aをエラー報知手段として機能させることが好ましい。また、MAXベットLED79aは主制御部20側で制御されるが、遊技モードを主制御部20側で制御可能な構成とし、演出制御部24が遊技モードに対応した演出モードを制御可能な構成とした場合、MAXベットLED79aの報知態様として、上記モード設定色を用意することができる。
また「始動レバーSTL」や「停止ボタンBT1〜BT3」は、MAXベットボタンBT4や演出ボタン70Aと同じく、操作手段として機能するものである。したがって、始動レバーや停止ボタンについても、MAXベットボタンBT4等と同様に、その内部または近傍に、発光手段(フルカラーLED)を設けて、操作有効であるか操作無効であるかを、当該LEDの発光態様により報知可能な構成とすることができる。たとえば、操作有効期間中である場合には青色で発光させ(操作有効報知)、操作無効期間中である場合には赤色(操作無効報知)で発光させることができる。なお、始動レバーSTLと停止ボタンBT1〜3は、遊技進行に係る操作手段という関係上、図25に示す通り、その操作検出信号が主制御部20に入力されるようになっている。このため、その操作有効・無効報知用のLEDも、MAXベットLED79aと同様に、主制御部20側で制御されるようになっている。そこで、始動レバーSTLや停止ボタンについてもMAXベットLED79aと同様に、エラー発生時には、エラー報知を実行させないことが好ましく(たとえば、操作無効報知と同様の報知態様または消灯させるように制御する)、また、特定のエラーの場合には、エラー報知手段として機能させることができる。
以上に説明した実施形態の好ましい構成例についてまとめると、次のようになる。なお括弧内は実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(7)演出を実行可能な演出手段と、
前記演出手段による演出を制御する演出制御手段(演出制御部24)と、を備え、
所定のエラーが発生した場合に、当該所定のエラーに係るエラー報知を実行可能に構成された遊技機であって(図14)、
前記演出手段は、第1発光手段(ボタンLED75)と当該第1発光手段とは異なる位置に設けられた第2発光手段(周囲LED45)とを少なくとも含み、
前記演出制御手段は、
前記第1発光手段を利用して特定の演出を実行制御する特定演出実行制御手段(演出制御部24、図17)と、
前記第2発光手段を利用する一方、前記第1発光手段を利用しないで前記エラー報知を実行制御するエラー報知実行制御手段(たとえば、図20〜図23、図16、図14等)と、を備える、
ことを特徴とする遊技機。
(8)遊技者が操作可能に構成された操作手段(演出ボタン13)をさらに備え、
前記演出制御手段(演出制御部24)は、
前記操作手段の操作が有効となる操作有効期間(ボタン有効期間)を設定する操作有効期間設定手段と、
前記操作有効期間に前記操作手段が操作されたことに基づき、所定の操作後演出を実行制御可能な操作後演出制御手段(たとえば、図17(d)の結果演出144)と、をさらに備え、
前記特定の演出は、前記操作有効期間であることを報知する操作有効報知演出(図17(c):ボタンLED75が黄色点灯(操作有効報知))である、
ことを特徴とする上記(7)に記載の遊技機。
(9)前記特定演出実行制御手段は、
前記エラー報知が実行中である場合に前記特定の演出を実行しないように構成された(たとえば、図21(c):操作有効期間中のボタンLED75が操作有効報知の黄色点灯ではなく、操作無効報知の白色点灯(白色点灯ではなく、消灯であってもよい))、
ことを特徴とする上記(7)または(8)に記載の遊技機。
(10)前記操作後演出制御手段は、
前記エラー報知が非実行中である場合には前記所定の操作後演出を実行し、前記エラー報知が実行中である場合には前記所定の操作後演出を実行しないように構成された(正常時を示す図17(d)(ボタンLED75が虹色点灯)、エラー中の図21(d)(ボタンLED75が操作無効報知の白色点灯(白色点灯ではなく、消灯であってもよい)))、
ことを特徴とする上記(8)または(9)に記載の遊技機。
以上に説明した各実施形態では、パチンコ遊技機や回胴式遊技について説明したが、本発明の目的を達成できる遊技機であれば特に制限されない。たとえば、遊技媒体として遊技メダルを利用する遊技機や、電磁気的記録を利用した遊技媒体を利用した遊技機(いわゆる「封入式遊技機(管理式遊技機)」)にも適用することができる。